説明

弾性波フィルタ

【課題】入力側IDT電極及び出力側IDT電極をテーパー型に構成した弾性波フィルタにおいて、弾性波の屈折等による減衰特性の劣化を抑えながら良好な群遅延特性を得ること。
【解決手段】ショートグレーティング電極16のグレーティング電極指17の間隔寸法を、入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13の両方の電極指15の間隔寸法が連続して延長されるように形成し、またグレーティング電極指17の幅寸法を、通過周波数帯域に亘って遅延時間が揃うように、一方側のグレーティングバスバー18aから他方側のグレーティングバスバー18bに向かうにつれて変化するように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波フィルタ例えば(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
SAWデバイスは、弾性表面波を利用したものであり、圧電基板上にIDT(インターディジタルトランスデューサ)と呼ばれる電極を入力側電極及び出力側電極として弾性波の伝搬方向に沿って配置し、これらの2つの電極間にて電気信号と弾性波との間の電気−機械相互変換を行って周波数選択(帯域フィルタ)特性を持たせたものである。SAWデバイスの一つであるSAWフィルタは、高機能化、小型化が進められている各種通信機器例えば携帯電話等のパンドパスフィルタとして使用されており、近年のワイヤレスデータ通信の高速化、大容量化に伴い、挿入損失が小さく、周波数選択性に優れ、更には通過周波数帯域が広く、かつ優れた群遅延特性を持っていることが求められている。優れた群遅延特性とは、入力側電極に電気信号が入力されてから、その電気信号に対応する信号が出力側電極にて取り出されるまでに要する時間である遅延時間が、フィルタの通過周波数帯域においてできるだけ揃っていることを意味している。
【0003】
上記のように通過周波数帯域を広帯域化する手法としては、例えば以下のフィルタを用いる方法が知られている。このフィルタは、図14に示すように、一方側(手前側)のバスバー101から他方側(奥側)のバスバー101に向かって電極指102の幅寸法及び間隔寸法が広がるように配置されたテーパー型IDT電極103を入力側IDT電極104及び出力側IDT電極105として弾性波の伝搬方向に沿って配置し、これらの電極104、105の間に角型の金属膜(シールド電極106)を配置した構成となっている。この図14中λは、伝搬する弾性波の波長に対応するように電極指102の幅寸法及び間隔寸法によって所定の間隔で繰り返される周期単位であり、一方側のバスバー101から他方側のバスバー101に向かって波長の短いトラック(伝搬路)の弾性波から波長の長いトラックの弾性波まで伝搬するように、つまり通過周波数帯域が広くなるように構成されている。このようなフィルタは、例えば圧電基板107上に金属例えばアルミニウムを全面に亘って成膜し、次いでフォトリソグラフィーにより電極104、105、106以外の領域をエッチングすることにより形成されるため、各々の電極104〜106の厚み寸法tが同程度となるように形成される。
【0004】
ここで、圧電基板107上を伝搬する弾性波の速度の一例について説明すると、圧電基板107や電極104〜106を構成する材質の種類によっては、図15(a)に示すように、弾性波は、金属(電極104、105、106)などが成膜されていない領域(圧電基板107上)では最も速く伝搬し、次いでベタ電極であるシールド電極106が形成されている領域、続いてIDT電極104、105の形成された領域の順に伝搬速度が遅くなる場合がある。
そこで、このような場合において既述の図14に示したフィルタを伝搬する弾性波の伝搬速度を検討すると、電極指102がテーパー状に配置されているので、IDT電極104、105間の離間寸法は、手前側よりも奥側の方が狭くなっており、従って手前側の方が奥側よりも伝搬速度の速い領域が長くなっている。そのため、手前側の領域では、弾性波は奥側の領域よりも出力側IDT電極105に速く到達してしまう場合がある。
【0005】
また、上記のようにIDT電極104(105)が一定の膜厚で形成されている一方、手前側の領域と奥側の領域とでは夫々の領域を伝搬する弾性波の波長λが異なることから、夫々の領域を伝搬する弾性波から見たときのIDT電極104(105)の膜厚である波長比膜厚(t/λ)は、手前側よりも奥側の方が小さくなっている。そのため、上記の図15(a)のように弾性波が伝搬する場合には、同図(b)に示すように、弾性波の波長λの長い領域では波長λの短い領域よりも弾性波の伝搬速度が速くなり、従って図14のフィルタでは、IDT電極104(105)において手前側よりも奥側の方が弾性波の伝搬速度が速くなってしまう。
【0006】
以上のように、弾性波の伝搬方向に直交する方向つまり手前側から奥側にかけて弾性波の伝搬速度がIDT電極104、105間の離間距離やIDT電極104(105)における電極指102のピッチなどにより様々に変化するため、このようなテーパー型のフィルタでは通過周波数帯域内において遅延時間がばらつき、その結果良好な群遅延特性を得ることが困難である。また、電極104〜106の膜厚やこれらの電極104〜106の材質、あるいは圧電基板107の材質などによっても弾性波の伝搬速度が変わるので、即ち例えば既述の図15(a)とは逆の順番で弾性波が伝搬する場合もあるので、テーパー型のフィルタにおいて良好な群遅延特性を得ることは極めて困難である。また、例えば弾性波の伝搬速度を調整するために電極104、105、106の厚み寸法を調整しようとすると、例えば既述のフォトリソグラフィーを複数回行うことになり、工程が増えてしまう。
【0007】
また、このようなテーパー型のIDT電極103を用いたフィルタでは、弾性波の屈折や回折などにより、通過周波数帯域内における減衰量が大きくなってしまう。つまり、既述のように、弾性波は入力側IDT電極104の端縁から放射される時に、速度が変化する場合には屈折してしまう。そのために、図16に示すように、入力側IDT電極104から伝搬してきた弾性波(Tr0〜Tr2)は、その波長に対応するトラックから大きくずれて出力側IDT電極105に入射してしまう。その結果、トラックずれが起こらなかった場合よりも出力側IDT電極105にて受信される弾性波のエネルギー(同図中右側のハッチングで示した分布)が減少し、通過周波数帯域内における減衰量が大きくなってしまう。この減衰量は、図16から分かるように、IDT電極104、105間の距離Lの長い高周波側で顕著である。更に、低周波数側(Tr0)では、屈折により出力側IDT電極105の形成された領域から外れた領域に伝搬してしまう弾性波もあり、このような弾性波は出力側IDT電極105において受信されないので、低周波数側においても減衰特性が劣化する。更にまた、弾性波が入力側電極104の端部から放射される時には、弾性波の回折や反射も起こり、同様に減衰量が大きくなってしまう。
【0008】
そこで、上記のフィルタにおいて、減衰特性の劣化を抑えて群遅延特性(位相直線性)を改善できる技術が求められている。群遅延特性を改善する手法としては、例えば特許文献1に記載されているように、弾性波の伝搬方向に直交する方向におけるシールド電極106の幅寸法を調整する方法が知られている。しかし、この方法では、既述のように弾性波の屈折や回折などにより減衰特性が劣化してしまう。また、群遅延特性を改善する方法として、IDT電極104、105間の距離に重み付けを行う手法も考えられるが、同様に弾性波の屈折や回折が起こってしまう。
特許文献2には、上記のようなフィルタについて記載されているが、上記の課題については何ら示唆されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平2−123809(図2)
【特許文献2】特開2005−150918((0004)、(0022)〜(0025))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力側IDT電極及び出力側IDT電極をテーパー型に構成した弾性波フィルタにおいて、弾性波の屈折等による減衰特性の劣化を抑えながら良好な群遅延特性を得ることのできる弾性波フィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の弾性波フィルタは、
互いに平行となるように形成され、一対のIDT電極用のバスバーと、これら一対のIDT電極用のバスバーの各々から互いに交互に櫛歯状に伸び出すように、またその幅寸法及び間隔寸法が前記IDT電極用のバスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された複数の電極指と、を備えたテーパー型IDT電極を入力側IDT電極及び出力側IDT電極として弾性波の伝搬方向に互いに間隔をおいて各々設けると共に、弾性波の伝搬方向に沿って互いに離間して伸びる1対のグレーティングバスバーと、これらのグレーティングバスバー同士を接続するように配置した複数のグレーティング電極指と、を備えたショートグレーティング電極を前記入力側IDT電極と前記出力側IDT電極との間に設けた弾性波フィルタにおいて、
前記グレーティング電極指の間隔寸法は、前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極のいずれかのIDT電極あるいは両方のIDT電極における前記電極指の間隔寸法が連続して延長されるように設定され、
前記グレーティング電極指の幅寸法は、前記出力側IDT電極にて受信される信号の通過周波数帯域に亘って遅延時間を揃えるために、弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化するように設定されていることを特徴とする。
【0012】
前記グレーティング電極指の間隔寸法は、前記入力側IDT電極に隣接する前記グレーティング電極指から前記出力側IDT電極に向かって前記入力側IDT電極の電極指の間隔寸法が連続して延長されるように、かつ前記出力側IDT電極に隣接する前記グレーティング電極指から前記入力側IDT電極に向かって前記出力側IDT電極の電極指の間隔寸法が連続して延長されるように形成され、
前記グレーティング電極指の間隔寸法が前記入力側IDT電極から連続して延長されるように形成された入力側領域と、前記グレーティング電極指の間隔寸法が前記出力側IDT電極から連続して延長されるように形成された出力側領域と、の間における境界部分にて、前記入力側領域の前記グレーティング電極指と前記出力側領域のグレーティング電極指とが接合されていても良い。
【0013】
弾性波の伝搬路であるトラックにおいて伝搬する弾性波の波長に対応する、前記電極指の前記間隔寸法の周期単位をλとすると、
前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極の各々において、互いに隣り合う電極指の中心線同士の間の距離、
前記ショートグレーティング電極において、互いに隣り合うグレーティング電極指の中心線同士の間の距離、
前記入力側IDT電極における前記ショートグレーティング電極側の端部の電極指の中心線と、前記ショートグレーティング電極における前記入力側IDT電極側の端部のグレーティング電極指の中心線と、の距離、
前記出力側IDT電極における前記ショートグレーティング電極側の端部の電極指の中心線と、前記ショートグレーティング電極における前記出力側IDT電極側の端部のグレーティング電極指の中心線と、の距離は、いずれもλ/4であっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、複数の電極指の幅寸法及び間隔寸法がIDT電極用のバスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成されたテーパー型IDT電極を入力側IDT電極及び出力側IDT電極として用いると共に、これらの入力側IDT電極と出力側IDT電極との間にショートグレーティング電極を設けた弾性波フィルタにおいて、ショートグレーティング電極のグレーティング電極指の間隔寸法を、入力側IDT電極及び出力側IDT電極のいずれかのIDT電極あるいは両方のIDT電極の電極指の間隔寸法が連続して延長されるように形成し、またグレーティング電極指の幅寸法を、遅延時間を揃えるために弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化するように設定している。そのため、通過周波数帯域における低域側から高域側までに亘って弾性波の遅延時間を揃えることができるので、良好な群遅延特性を得ることができる。この時、ショートグレーティング電極のうち入力側IDT電極の電極指の間隔寸法を受け継いでいる部分は音響的に見て入力側IDT電極と同じ媒質となり、またショートグレーティング電極のうち出力側IDT電極の電極指の間隔寸法を受け継いでいる部分は出力側IDT電極と同じ媒質となり、従って入力側IDT電極と出力側IDT電極との間の境界部分が1カ所となる。そのため、弾性波の屈折や回折によるエネルギー損失を抑えることができるので、減衰特性の劣化を抑えて良好な群遅延特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る弾性波フィルタの一例を示す平面図である。
【図2】上述の弾性波フィルタの一部を拡大した平面図である。
【図3】上述の弾性波フィルタにおいて弾性波の伝搬速度を示す模式図である。
【図4】上述の弾性波フィルタの伝搬経路を概略的に示した平面図である。
【図5】上述の弾性波フィルタにおける弾性波の伝搬の様子を示す概略図である。
【図6】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図7】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図8】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図9】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図10】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図11】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図12】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図13】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図14】従来の弾性波フィルタを示す平面図である。
【図15】上述の従来の弾性波フィルタにおける弾性波の伝搬の様子を示す概略図である。
【図16】上述の従来の弾性波フィルタにおける弾性波の伝搬の様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態の弾性波フィルタについて、図1、図2を参照して説明する。本発明の弾性波フィルタは、既述の図14に示すフィルタの入力側IDT電極104及び出力側IDT電極105と夫々ほぼ同じ構成であるテーパー型の入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13を備えており、例えば水晶などの圧電基板11上に形成されている。これらのIDT電極12、13は、弾性波の伝搬方向に沿って間隔をおいて設けられている。このフィルタは、例えば圧電基板11上に全面に亘って金属膜例えばアルミニウムを成膜し、次いでこの金属膜上に積層したマスク層を介して上記の電極12、13及び後述のショートグレーティング電極16以外の領域をエッチングするフォトリソグラフィーにより形成される。従って、これらの電極12、13、16の膜厚tは同程度となっている。尚、図1中25、25は、IDT電極12、13を介して圧電基板11の端部領域に伝搬する不要な弾性波を吸収するための吸音材(ダンパー)である。
【0017】
入力側IDT電極12において、14a、14bは、それぞれ一方側のIDT電極用のバスバー、他方側のIDT電極用のバスバーであり、互いに平行となるように、図1中夫々手前側及び奥側に形成されている。また、一方側のバスバー14aは接地されており、他方側のバスバー14bは入力ポート21に接続されている。図1中の15は、上記の入力側IDT電極12のバスバー14a、14bの各々から互いに交互に櫛歯状となるように伸び出す電極指であり、26は一方側のバスバー14aから伸びる反射器である。
【0018】
これらの電極指15及び反射器26は、図2にも示すように、バスバー14a、14bの各々から互いに隣り合うように形成された一対の電極指15、15と、これらの電極指15に隣接するようにバスバー14aから伸びる反射器26と、が1組になって所定の配列パターン(周期単位)λで弾性波の伝搬方向に沿って周期的に繰り返されるように配置されている。このフィルタでは、上記の周期単位λと同じ長さの波長の弾性波が伝搬することとなる。
また、電極指15の配列パターンは、図1中手前側の一方のバスバー14aから奥側の他方のバスバー14bに向かって、電極指15間の間隔寸法が徐々に広くなり、また各々の電極指15の幅寸法についても徐々に広くなるように形成されている。従って、弾性波の伝搬路であるトラックをTrとすると、弾性波の伝搬方向に対して直交方向には、手前側のバスバー14aから奥側のバスバー14bにかけて、周期単位λが狭いTr1から広いTr2まで形成されていることになる。そのため、上記のようにIDT電極12が一定の膜厚tで形成されている一方、手前側の領域と奥側の領域とでは夫々の領域を伝搬する弾性波の波長λが異なることから、夫々の領域を伝搬する弾性波から見たときのIDT電極12の膜厚である波長比膜厚(t/λ)は、手前側よりも奥側の方が小さくなっている。尚、図1では、電極指15の幅については、図示の簡略化のため、一定の幅として描画してある。
この例では、反射器26の幅寸法及び隣り合う電極指15、15において電極指15の中心を通る直線同士の間の寸法は、夫々3λ/8、λ/4となっている。また、電極指15の幅寸法及び電極指15、15間の離間距離は、夫々λ/8となっている。
【0019】
出力側IDT電極13は、既述の図1に示すように、入力側IDT電極12と同様に、一方側のIDT電極用のバスバー14c及び他方側のIDT電極用のバスバー14dを備えている。一方側のバスバー14cは図1中手前側に配置されて出力ポート22に接続され、他方側のバスバー14dは奥側に配置されて接地されている。また、出力側IDT電極13は、入力側IDT電極12と同様に、弾性波の伝搬方向に沿って周期単位λが一定となり、また一方側のバスバー14cから他方側のバスバー14dに向かって周期単位λがTr1からTr2まで広がる配列パターンとなるように配置された電極指15及び反射器26を備えている。この出力側IDT電極13の電極指15及び反射器26の幅寸法や間隔寸法についても、既述の入力側IDT電極12における配列パターンと同じになるように形成されており、また波長比膜厚(t/λ)についても入力側IDT電極12と同様となっている。
【0020】
入力側IDT電極12と出力側IDT電極13との間には、図1及び図2に示すように、接地されたショートグレーティング電極16が形成されており、このショートグレーティング電極16は、弾性波の伝搬方向に沿って平行となるように配置された一対のグレーティングバスバー18a、18bを備えている。一方のグレーティングバスバー18aは図1中手前側に形成され、他方のグレーティングバスバー18bは奥側に配置されている。これらのグレーティングバスバー18a、18bの間には、既述の電極指15と同様に、弾性波の伝搬方向に対して概略直交方向に伸びる複数のグレーティング電極指17が形成されており、これらのグレーティング電極指17は、一端側及び他端側が夫々グレーティングバスバー18a、18bに接続されている。
グレーティング電極指17は、4本のグレーティング電極指17の幅寸法と間隔寸法とによって、電極指15の周期単位λと同じ配列パターンが形成されるように配置されている。また、グレーティング電極指17は、一方のグレーティングバスバー18aから他方のグレーティングバスバー18bに向かうにつれて、同様に周期単位λが既述のTr1からTr2まで徐々に広がるように配置されている。
【0021】
このグレーティング電極指17の幅寸法は、後述するように、フィルタの通過周波数帯域において、電気信号が入力ポート21に入力されてから出力ポート22に出力されるまでの遅延時間を揃えるために、即ちIDT電極12、13において生じる各トラックTr1〜Tr2間の弾性波の伝搬速度の差が緩和されるように、手前側から奥側にかけて、つまり弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化するように設定されている。弾性波が既述の図15に示す順序で伝搬する場合について説明すると、図3(a)〜(c)に示すように、電極指15(17)の間隔寸法が一定の場合には、弾性波は電極指15(17)の幅寸法が細くなるほど速く伝搬することになる。そのため、IDT電極12、13において各トラックTr1〜Tr2間の弾性波の伝搬速度の差が小さくなるように、あるいは緩和されるようにグレーティング電極指17の幅寸法(メタライゼーションレシオ)を設定している。
【0022】
具体的には、後述するように、この例ではIDT電極12、13では手前側から奥側に向かうにつれて弾性波の伝搬速度が速くなることから、図2に示すように、グレーティング電極指17の幅寸法は、一方側のグレーティングバスバー18aから他方側のグレーティングバスバー18bに向かうにつれて、徐々に広くなるように形成されている。従って、ショートグレーティング電極16では、手前側から奥側にかけてIDT電極12、13と同じ周期単位λを保ちつつ、IDT電極12、13において伝搬する弾性波の波長λが短くなる(波長比膜厚(t/λ)が大きくなる)手前側ではグレーティング電極指17の幅寸法が狭くなり、逆にIDT電極12、13において伝搬する弾性波の波長λが長くなる(波長比膜厚(t/λ)が小さくなる)奥側ではグレーティング電極指17の幅寸法が広くなるようにグレーティング電極指17が形成されている。尚、図2ではグレーティング電極指17の幅寸法を誇張して描画している。
【0023】
このようにグレーティング電極指17の幅寸法を設定するにあたり、弾性波が手前側から奥側にかけてどのような速度で伝搬するのかを予め求めておき、具体的にはフィルタの設計時の各寸法から例えば上記の波長比膜厚(t/λ)などを計算して各トラックTr1〜Tr2における弾性波の伝搬速度を各々算出しておき、IDT電極12、13における弾性波の伝搬速度の差が緩和されるようにグレーティング電極指17の幅寸法が設定される。弾性波の伝搬方向に直交する方向において弾性波の伝搬速度が変わってしまう原因としては、上記の波長比膜厚(t/λ)以外にも、例えば要求される特性を持たせるためにフィルタを設計あるいは試作した時の結果などにより弾性波の伝搬速度やIDT電極12、13間の離間距離などが歪んでしまう場合や、フォトリソグラフィーの誤差などが挙げられ、グレーティング電極指17の幅寸法は、このような歪みが緩和されて良好な群遅延特性が得られるように設定される。また、隣り合うグレーティング電極指17、17の中心線同士の間の距離は、λ/4となっている。
【0024】
入力側IDT電極12とショートグレーティング電極16との間の領域については、入力側IDT電極12におけるショートグレーティング電極16に近接する電極指15の中心線と、ショートグレーティング電極16における入力側IDT電極12に近接するグレーティング電極指17の中心線と、の距離がλ/4となるように設定されている。従って、この中心線同士の間において弾性波の伝搬方向に概略直交方向に伸びるラインを接続ライン20とすると、入力側IDT電極12の周期単位λとショートグレーティング電極16の周期単位λとは、接続ライン20において途切れずに連続的に延長されるように接続されていることになる。ショートグレーティング電極16において入力側IDT電極12から連続するように形成された領域は、入力側領域16aをなす。
【0025】
既述の図1に示すように、ショートグレーティング電極16の配列パターンは、出力側IDT電極13に近接する領域において、出力側IDT電極13の配列パターンが入力側IDT電極12に向かって延長されるように形成されて出力側領域16bをなしている。また、出力側IDT電極13におけるショートグレーティング電極16に近接する電極指15の中心線と、ショートグレーティング電極16における出力側IDT電極13に近接するグレーティング電極指17の中心線と、の距離についても、λ/4となるように設定されている。従って、この中心線同士の間のラインを接続ライン20とすると、ショートグレーティング電極16の周期単位λと出力側IDT電極13の周期単位λとは、接続ライン20において途切れずに連続的に接続されていることになる。出力側領域16bにおけるグレーティング電極指17の幅寸法や間隔寸法についても、既述の入力側領域16aと同様に設定されている。
この出力側領域16bと既述の入力側領域16aとは、ショートグレーティング電極16の概略中心を通り、弾性波の伝搬方向に対して直交方向に伸びるライン19に沿って接合されている。このライン19において、出力側領域16bと入力側領域16aとにおける夫々のグレーティング電極指17同士が接続されている。尚、グレーティング電極指17の幅寸法についても、図示の簡略化のため、図1では一定の幅として描画している。また、各電極12、13、16については、圧電基板11の領域と区別しやすいように、ハッチングを付してある。
【0026】
このような弾性波フィルタにおいて、入力ポート21を介して入力側IDT電極12に周波数信号が入力されると、弾性表面波(SAW)が発生する。この弾性波は、入力側IDT電極12において、その波長の長さ(λ)に対応する周期単位λが形成されたトラックTrにて出力側IDT電極13側に向かって伝搬して行く。この時、入力側IDT電極12において、各々のトラック(伝搬路)における弾性波は、複数の電極指15に対して出入りする度に、図4に示すように屈折を繰り返すが、各電極指15の形状及び電極指15、15間の間隔領域の形状(配列パターン)が一定であるため、概略的には直線的に伝搬していく。
【0027】
ここで、フィルタにおける弾性波の伝搬速度について説明すると、この例では既述の図15に示したように、弾性波は金属などが形成されていない圧電基板11上の領域では最も速く伝搬し、次いでベタ電極(シールド電極106)が形成された領域、続いて複数の電極指15(17)が形成された電極12(13、16)を伝搬するにつれて伝搬速度が遅くなっていき、また電極12(13)内においては、IDT電極12、13を伝搬する弾性波から見たときの膜厚である波長比膜厚(t/λ)が小さい奥側よりも波長比膜厚(t/λ)の大きい手前側の方が伝搬速度が遅くなる。そのため、入力側IDT電極12では、奥側のバスバー14b近傍の領域よりも手前側のバスバー14aに近くなる程、弾性波は遅く伝搬することになる。
【0028】
次いで、弾性波がショートグレーティング電極16に入射する時には、当該ショートグレーティング電極16の入力側IDT電極12に近接する領域では入力側IDT電極12の電極指15の配列パターンが受け継がれていることから、弾性波は、同様に入力側IDT電極12からショートグレーティング電極16に入射する際にも、またショートグレーティング電極16(入力側領域16a)内においても、直線的に伝搬していく。
そして、ショートグレーティング電極16内において、入力側IDT電極12の配列パターンが受け継がれた入力側領域16aと、出力側IDT電極13の配列パターンが受け継がれた出力側領域16bと、の境界部であるライン19にて各領域16a、16bのグレーティング電極指17同士が接続されて不連続面をなしていることから、このライン19において弾性波が僅かに屈折するが、このライン19は各トラックにおいて1箇所だけであり、そのため屈折が極めて小く抑えられる。従って、入力側IDT電極12から入力側領域16aを介して伝搬してきた弾性波は、出力側領域16bへとほぼ直線的に伝搬していき、また出力側領域16bにおいても直線的に伝搬していく。
【0029】
こうしてショートグレーティング電極16内を弾性波が出力側IDT電極13に向かって伝搬していくにあたって、既述のように、IDT電極12において弾性波の伝搬速度が速くなる奥側ではグレーティング電極指17の幅寸法が広くなり(弾性波の伝搬速度が遅くなり)、逆にIDT電極12において弾性波の伝搬速度が遅くなる手前側ではグレーティング電極指17の幅寸法が狭くなる(弾性波の伝搬速度が速くなる)ように、つまりフィルタの通過周波数帯域内において遅延時間が揃うようにグレーティング電極指17を形成している。そのため、ショートグレーティング電極16では、弾性波はショートグレーティング電極16内においては、奥側よりも手前側の方が速く伝搬していくことになる。
【0030】
続いて、同様に出力側IDT電極13の配列パターンが受け継がれた出力側領域16bから、屈折や回折が抑えられた状態で弾性波が伝搬して出力側IDT電極13に到達すると、弾性波の波長に対応する周期単位λの形成された電極指15、15間において、弾性波は左側(ショートグレーティング電極16側)から右側に伝搬するにつれて少しずつ電気信号に変換されて出力ポート22に出力されていく。この時、出力側IDT電極13では、弾性波は既述の入力側IDT電極12と同様に回折や屈折が抑えられた状態で直線的に伝搬すると共に、手前側よりも奥側の方が速く伝搬していくことになるが、グレーティング電極指17の幅寸法を既述のように設定しているので、電気信号が入力ポート21に入力されてから出力ポート22に出力されるまでの遅延時間は、通過周波数帯域において低周波数側から高周波数側に亘って揃うことになる。
【0031】
以上の各電極12、16、13における弾性波の伝搬速度や伝搬状態を概略的に図5に示すと、既述のように、ショートグレーティング電極16のグレーティング電極指17の幅寸法がフィルタの通過周波数帯域内において遅延時間が揃うように形成されているので、また入力側IDT電極12と出力側IDT電極13との間には不連続な境界部分(ライン19)が各トラックにおいて1箇所だけとなっているので、入力側IDT電極12から放射された弾性波は、Tr1からTr2までの広い周波数帯域に亘って、回折や屈折によるトラックずれが抑えられた状態で出力側IDT電極13に到達し、出力ポート22から群遅延特性(位相直線性)の良好な信号として取り出されることになる。尚、入力側IDT電極12から圧電基板11の左側の端部領域に伝搬する弾性波や、出力側IDT電極13を通り過ぎて圧電基板11の右側領域に伝搬する弾性波は、吸音材25にて吸収されることになる。また、既述の図5では、この吸音材25の描画を省略している。
【0032】
上述の実施の形態によれば、複数の電極指15の幅寸法及び間隔寸法がバスバー14の一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成されたテーパー型IDT電極を入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13として用いると共に、これらの入力側IDT電極12と出力側IDT電極13との間にショートグレーティング電極16を設けた弾性波フィルタにおいて、ショートグレーティング電極16のグレーティング電極指17の間隔寸法を、入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13の両方の電極指15の間隔寸法が連続して延長されるように形成し、またグレーティング電極指17の幅寸法を、良好な群遅延特性が得られるように、弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化するように設定している。そのため、出力側IDT電極13にて受信される信号の通過周波数帯域における低域側から高域側までに亘って弾性波の遅延時間を揃えることができるので、良好な群遅延特性を得ることができる。この時、ショートグレーティング電極16のうち入力側IDT電極12の電極指15の間隔寸法を受け継いでいる入力側領域16aは音響的に見て入力側IDT電極12と同じ媒質となり、またショートグレーティング電極16のうち出力側IDT電極13の電極指15の間隔寸法を受け継いでいる出力側領域16bは出力側IDT電極13と同じ媒質となり、従って入力側IDT電極12と出力側IDT電極13との間の境界部分(ライン19)が各トラックにおいて1カ所となる。そのため、弾性波の屈折や回折の度合いが小さく、また反射についても小さくなるので、各々のトラックにおいて弾性波のエネルギーの損失を少なくすることができる。そのため、減衰特性の劣化を抑えて良好な群遅延特性を得ることができる。
また、電極指15の対数を増やさなくとも良好な減衰特性となるので、弾性波フィルタを小型化できるといったメリットもある。電極指15の対数を増やした場合には、減衰特性の劣化を抑えて、選択性を高めることができる。
【0033】
上記の例では、弾性波が既述の図15に示す順序で圧電基板11上を伝搬する場合について説明したが、弾性波は圧電基板11や電極12、13、16を構成する材質や電極12、13、16の膜厚tなどによっても変化するため、具体的には弾性波の伝搬速度が図15とは逆の順番となる場合もあるため、既述のグレーティング電極指17の幅寸法は、各々のフィルタにおいて、弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化させることにより良好な群遅延特性が得られるように設定される。従って、上記のように弾性波が図15とは逆の順序で伝搬する場合には、既述のグレーティング電極指17の幅寸法は、例えば図2において手前側から奥側に向かって徐々に細くなるように設定される場合もある。また、例えば弾性波の伝搬方向に直交する方向において、グレーティング電極指17の長さ方向においてバスバー14a、14bに近接する両端位置よりも中央寄りの領域の伝搬速度が速くなる場合には、グレーティング電極指17の幅寸法は、当該中央寄りの領域にて太くなり、バスバー14a、14bに近接する領域では細くなるように、弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化するように設定されることになる。
【0034】
また、上記の例では、ショートグレーティング電極16の中央部にライン19が形成されるように、入力側領域16aと出力側領域16bとを形成したが、例えば入力側領域16aあるいは出力側領域16bの一方を大きくして、ライン19が弾性波の伝搬方向に対して傾斜するようにしても良い(図6参照)。
更に、ショートグレーティング電極16を入力側領域16aあるいは出力側領域16bの一方だけで構成するようにしても良い。図7は、このような弾性波フィルタの例を示したものであり、この場合には、ライン19は、見かけ上、出力側IDT電極13とショートグレーティング電極16との間に形成されることとなる。更に、図8に示すように、ライン19を途中で折り曲げるようにしても良く、また図9に示すように、このライン19を複数箇所例えば2箇所で折り曲げるようにしても良い。つまり、各々のトラックにおいて、伝搬する弾性波の通過する不連続面(ライン19)が1カ所となるように設計すれば良い。
これらの構成の弾性波フィルタにおいても、既述の例(図1)と同様の効果が得られる。
【0035】
また、上記の各例に示したように、各電極指15、17を連続的に直線的に広げていたが、図10に示すように、曲線的に広げても良く、あるいは例えば図11に示すように、段階的に広げて、いわば疑似テーパー型となるようにしても良い。尚、上記の図6〜図11においても、上記の各例と同様に、図中手前側から奥側に向けて、各々の電極指15、17の幅寸法と間隔寸法とからなる配列パターンが広くなるように、またグレーティング電極指17については良好な群遅延特性が得られるように、弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化するように設定されているが、図示の簡略化のため省略している。
【0036】
上記の例では、電極指15の幅寸法と、電極指15(17)、15(17)の間の間隔寸法と、をそれぞれλ/8としたが、λ/8以外であっても良く、その場合には、隣り合う電極指15(17)の中心を通る直線同士の間の寸法(電極指15(17)の幅と電極指15(17)、15(17)間の間隔との和)がλ/4となるように電極指15、17を形成すれば良い。
【0037】
また、反射器26としては、図12に示すように、幅寸法を例えばλ/4や3/8λとして、DART(Distributed acoustic reflection transducer)電極あるいはEWC−SPUDT(Electlode Width Controlled−SPUDT)電極としても良いし、あるいは図13に示すように反射器26を設けなくとも良い。
【0038】
また、一方側のバスバー14a、14cから伸びる1本の電極指15と、当該電極指15と隣接して並ぶ他方のバスバー14b、14dから伸びる3本の電極指15と、の組により周期単位λを構成しても良いし、シングル電極となるように1本の電極指15を交互に配置しても良い。尚、上記の図6〜図13においては、吸音材25の描画を省略している。
このような構成の弾性波フィルタにおいても、同様にエネルギーの損失が抑えられて弾性波が伝搬していき、上記の例と同様の効果が得られる。
【0039】
また、IDT電極12、13としては、このような構成以外にも、例えばFEUDT(Floating Electrode type Uni−Direction Transducer)電極あるいはDWSF−SPUDT(Different Width Split Finger−SPUDT)電極等であっても良い。
尚、以上の例においては、圧電基板11状に入力側IDT電極12と出力側IDT電極13との組を一対形成した例を示したが、二対以上形成しても良い。
また、以上のフィルタ10としては、表面波でなくとも、圧電基板11の表層よりも内部を伝搬する弾性波を利用したものであっても良い。
【符号の説明】
【0040】
11 圧電基板
12 入力側IDT電極
13 出力側IDT電極
14 バスバー
15 電極指
16 ショートグレーティング電極
16a 入力側領域
16b 出力側領域
17 グレーティング電極指
18 グレーティングバスバー
19 ライン
20 接続ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行となるように形成され、一対のIDT電極用のバスバーと、これら一対のIDT電極用のバスバーの各々から互いに交互に櫛歯状に伸び出すように、またその幅寸法及び間隔寸法が前記IDT電極用のバスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された複数の電極指と、を備えたテーパー型IDT電極を入力側IDT電極及び出力側IDT電極として弾性波の伝搬方向に互いに間隔をおいて各々設けると共に、弾性波の伝搬方向に沿って互いに離間して伸びる1対のグレーティングバスバーと、これらのグレーティングバスバー同士を接続するように配置した複数のグレーティング電極指と、を備えたショートグレーティング電極を前記入力側IDT電極と前記出力側IDT電極との間に設けた弾性波フィルタにおいて、
前記グレーティング電極指の間隔寸法は、前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極のいずれかのIDT電極あるいは両方のIDT電極における前記電極指の間隔寸法が連続して延長されるように設定され、
前記グレーティング電極指の幅寸法は、前記出力側IDT電極にて受信される信号の通過周波数帯域に亘って遅延時間を揃えるために、弾性波の伝搬方向に直交する方向において変化するように設定されていることを特徴とする弾性波フィルタ。
【請求項2】
前記グレーティング電極指の間隔寸法は、前記入力側IDT電極に隣接する前記グレーティング電極指から前記出力側IDT電極に向かって前記入力側IDT電極の電極指の間隔寸法が連続して延長されるように、かつ前記出力側IDT電極に隣接する前記グレーティング電極指から前記入力側IDT電極に向かって前記出力側IDT電極の電極指の間隔寸法が連続して延長されるように形成され、
前記グレーティング電極指の間隔寸法が前記入力側IDT電極から連続して延長されるように形成された入力側領域と、前記グレーティング電極指の間隔寸法が前記出力側IDT電極から連続して延長されるように形成された出力側領域と、の間における境界部分にて、前記入力側領域の前記グレーティング電極指と前記出力側領域のグレーティング電極指とが接合されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【請求項3】
弾性波の伝搬路であるトラックにおいて伝搬する弾性波の波長に対応する、前記電極指の前記間隔寸法の周期単位をλとすると、
前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極の各々において、互いに隣り合う電極指の中心線同士の間の距離、
前記ショートグレーティング電極において、互いに隣り合うグレーティング電極指の中心線同士の間の距離、
前記入力側IDT電極における前記ショートグレーティング電極側の端部の電極指の中心線と、前記ショートグレーティング電極における前記入力側IDT電極側の端部のグレーティング電極指の中心線と、の距離、
前記出力側IDT電極における前記ショートグレーティング電極側の端部の電極指の中心線と、前記ショートグレーティング電極における前記出力側IDT電極側の端部のグレーティング電極指の中心線と、の距離は、いずれもλ/4であることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性波フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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