説明

弾性表面波デバイスの製造方法

【課題】周波数安定度の高い高品質なSAWデバイスを製造することのできるSAWデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】パッケージベース14にSAW素子片28を実装する実装工程と、パッケージベース14に実装されたSAW素子片28を構成する電極パターンをエッチングして励起される弾性表面波の周波数を変化させる粗調工程と、パッケージベース14にキャップ16を接合してパッケージ12を構成し、SAW素子片28をパッケージ12のキャビティ15に収容する第1封止工程と、パッケージベース14またはキャップ16に形成された封止孔24からキャビティ15に不活性ガスを供給またはキャビティ15に供給した不活性ガスを吸引してキャビティ15の圧力を変化させて前記弾性表面波の周波数を変化させる微調工程と、封止孔24を封止材26で塞ぐ第2封止工程とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性表面波(SAW)デバイスの製造方法に係り、特に周波数安定度の高いSAWデバイスを製造する場合に好適な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SAWデバイス、例えばSAW共振子の周波数温度特性を調整する方法として、SAW素子片に形成されたIDTを構成する電極パターンの膜厚を調整する手段が知られている。特許文献1には、アルゴン(Ar)や四フッ化メタン(CF)等のフッ素ガスなどを反応ガスとして用いたイオンビームをIDTに照射してIDTをエッチングして膜厚を変化させ、周波数を調整して周波数温度特性をシフトさせることが開示されている。
【0003】
しかし、このような方法で周波数調整を行ったとしても、SAW素子片をパッケージに収容して封止した場合、パッケージベースと蓋体(キャップ)とを接合する際に生ずる歪みや熱によって生ずる応力が、マウント接着剤を介してSAW素子片に伝達され、SAW共振子としての周波数に影響を与える。この影響の度合いは、個体によって様々であるため、一律に周波数のシフト量を定めた上でSAW素子片を製造してパッケージに実装するということも困難である。
【0004】
このように、パッケージベースとキャップとの接合時に生ずる応力が周波数温度特性に影響を与えることは、SAWデバイスのみならず、圧電デバイス全体として生じている。特許文献2は、ATカット圧電振動片を採用した圧電デバイスであるが、ATカット圧電振動片をパッケージベースに実装してキャップを接合した後に周波数調整を行う手段が開示されている。その手段とは、図6に示すように、パッケージ2を真空封止するためにパッケージベース3の底板3aに設けられた封止孔4を介してATカット圧電振動片5の励振電極6にイオンビームを照射するというものである。このような方法での周波数調整は、すでにパッケージベース3とキャップ7との接合が終了した後に行われるため、完成品としての圧電デバイス1の周波数のバラツキを抑えることができる。
【0005】
また、非特許文献1には、SAW素子片の周囲の雰囲気ガスの種類や圧力が、SAWデバイスの周波数に影響を与えることが開示されている。
【特許文献1】特開2000−315928号公報
【特許文献2】特開2002−76815号公報
【非特許文献1】J.S.Schoenwald他:″Surface chemistry related to SAW resonator aging″,IEEE Ultrasonics symposium proceeding,(1980),pp.193−199(特に図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示されているような方法で周波数調整を行うことは、高精度な周波数の合わせ込みを行う上では非常に有効であると考えられる。
しかし、SAWデバイスの場合、素子片の能動面(IDT形成面)をキャップに対向させて実装した場合、パッケージベースに形成した封止孔からイオンビームを用いて周波数調整することはできなくなってしまうという問題がある。
【0007】
また、雰囲気ガスによる周波数の変化量は微量であるため、調整幅が狭いという問題がある。
そこで本発明では、周波数の合わせ込みを高い精度で行うことができ、周波数安定度の高い高品質なSAWデバイスを製造することのできるSAWデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]パッケージベースに弾性表面波素子片を実装する実装工程と、前記パッケージベースに実装された前記弾性表面波素子片にドライエッチングを施したり、蒸着またはスパッタにより金属粒子や絶縁体粒子を付着させて、励起される弾性表面波の周波数を変化させる粗調工程と、前記パッケージベースにキャップを接合してパッケージを構成し、前記弾性表面波素子片をパッケージの内部空間に収容する第1封止工程と、前記パッケージベースまたは前記キャップに形成された貫通孔から前記内部空間に不活性ガスを供給または前記内部空間に供給した不活性ガスの圧力、不活性ガスの種類のうちの少なくとも1つを変化させて前記弾性表面波の周波数を変化させる微調工程と、前記貫通孔を封止材で塞ぐ第2封止工程とを有することを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
【0009】
上記のような特徴を有する弾性表面波デバイスの製造方法によれば、周波数の合わせ込みを高い精度で行うことができる。このため、製造されたSAWデバイス間では、周波数特性のバラツキが少なくなる。よって、周波数安定度の高い高品質なSAWデバイスを製造することができる。また、単原子ガスよりも2原子ガスの方が、圧力変化に伴う周波数の変化が大きいため、封入ガスの種類を変えることにより、微調可能な周波数可変範囲を変えることができる。また、封入ガスを不活性ガスとしたことで、SAWデバイスの長期安定度に影響を及ぼすことがない。
【0010】
[適用例2]適用例1に記載の弾性表面波デバイスの製造方法であって、前記第2封止工程では、前記第1封止工程終了後に大気中、または所定の雰囲気中において弾性表面波の周波数を測定し、測定した前記周波数と予め設定した所望周波数とを比較し、前記測定した周波数が前記所望周波数よりも低い場合には前記微調工程での前記内部空間の圧力を上昇させ、前記測定した共振周波数が前記所望周波数よりも高い場合には前記微調工程での前記内部空間の圧力を降下させることを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
【0011】
封入ガスの圧力が高い場合には周波数が向上し、封入ガスの圧力が低い場合には周波数が低下することより、上記のような方法により所望周波数への合わせ込みが可能となる。
【0012】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の弾性表面波デバイスの製造方法であって、前記微調工程は、弾性表面波の周波数を測定しながら行うことを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
【0013】
周波数を測定しながら微調を行うことにより、個々のSAWデバイスに適した周波数の調整幅を選択することができる。よって、所望する周波数に対してより精密な周波数の合わせ込みを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明のSAWデバイスの製造方法に係る実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図2を参照して、本発明で製造する弾性表面波(SAW)デバイスについて説明する。なお図2は、SAWデバイスの1例としての、SAW共振子の正面断面を示す図である。
【0015】
本実施形態で製造するSAW共振子10は、SAW素子片28と、このSAW素子片28を収容するパッケージ12とから成る。SAW素子片28は、圧電効果を奏する圧電素板30に対して励振電極としてのIDT32や、IDT32によって励起された弾性表面波を多重反射させる反射器(不図示)、IDT32に対して電力を印加する入出力電極34、およびIDT32と入出力電極とを接続する引出し電極(不図示)等の電極パターンを形成することで構成される。ここで、圧電素板30としては例えば、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等を挙げることができる。また、電極パターンの構成材料としては、アルミニウムや、アルミニウムを母材とした合金等を挙げることができる。
【0016】
パッケージ12は、パッケージベース14とキャップ16とから成る。本実施形態では、パッケージベース14は、凹状のキャビティ15を有する枡形の箱状をしており、底板(基板14a)に封止孔24としての貫通孔が形成されている。また、キャビティ15内には、SAW素子片28を実装するためのマウント電極20が形成されており、パッケージベース14の底面には、外部実装用電極22が形成されている。なお、マウント電極20と外部実装用電極22とは、図示しないスルーホール等を介して電気的に接続されている。パッケージ12の構成材料としては、例えば酸化アルミニウム等のセラミックスを挙げることができる。このような構成材料により上記のような形態のパッケージベースを製造する場合、封止孔24が形成された平板状の基板14aに枠状の基板14bを積層し、これを焼成すれば良い。
【0017】
キャップ16は、図2に示す形態の場合、平板状の蓋体である。構成材料としては、パッケージベース14の構成材料と線膨張率が近似する部材であると良く、パッケージベース14の構成材料をセラミックスとした場合には、コバール等の合金とすると良い。
【0018】
図2に示すSAW共振子10の場合、SAW素子片28は、パッケージベース14のマウント電極20に対して導電性接着剤36を介して実装される。実装形態としては、SAW素子片28の長手方向の一端を支持される、いわゆる片持ち支持という形態が採られる。またキャップ16は、パッケージベース14に対してコバール等の低融点金属で構成されたシームリング等の接合材18を介して溶接(シーム溶接)が施されることで接合される。そして、封止孔24は、金−錫、金−ゲルマニウム等の金属ボール26a(図1(E)参照)を封止孔24の内部に溶融・固着させた封止材26により封止される。
【0019】
次に、上記のような構成のSAW共振子を製造するための本発明に係るSAWデバイスの製造方法について図1を参照して説明する。
まず、SAW素子片28とパッケージベース14、及びキャップ16をそれぞれ別工程で製造する。次に、実装工程として、パッケージベース14に設けられたマウント電極20に導電性接着剤36を塗布する。マウント電極20に塗布された導電性接着剤36の塗布位置に、SAW素子片28における入出力電極34を合わせるようにして搭載することで、SAW素子片28をパッケージベース14に実装する(図1(A)参照)。
【0020】
次に、SAW素子片28を実装したパッケージベース14をチャンバ内に載置し、所望する周波数への大まかな合わせ込み(粗調)を行う。具体的には、真空雰囲気中でIDT32や圧電素板30に対してドライエッチングを施したり、IDT32や圧電素板30上にアルミニウム(Al)や銀(Ag)等をごく薄く堆積(付着)させたりするのである。
【0021】
ドライエッチングとしては、イオンビームを照射して物理的なエッチングを行うイオンビームエッチングや、反応性ガスを用いた反応性イオンエッチングなどを挙げることができる。イオンビームエッチングを行う場合、イオンビームを照射するイオンガンへの導入ガスとしてはアルゴン(Ar)等を挙げることができる。この場合、イオンビームの照射によりIDT32を構成する金属パターンの膜厚が薄くなることで、SAW共振子として出力される弾性表面波の周波数は変化する。周波数変化の特性としては、周波数が高周波側へシフトすることとなる。これにより、SAW共振子10の周波数温度特性も高周波側へとシフトすることとなる。
【0022】
一方、反応性イオンエッチングを行う場合、チャンバへの導入ガスとしては四フッ化メタン(CF)等を用いることができる。圧電素板30として水晶を採用した場合、主に圧電素板30がエッチングされることとなるため、周波数は低周波側にシフトすることが多い。よってこの場合には、SAW共振子10の周波数温度特性も低周波側へシフトすることとなる。
【0023】
なお、AlやAg等の金属をIDT32やIDT32間のスペース、つまり圧電素板30上に堆積(付着)させる方法としては、スパッタや蒸着といった手段を挙げることができる。このような手段を用いて、IDT32上やIDT32を構成する金属パターン間の圧電素板30上にAlやAgの金属粒子(金属分子)や、SiO等の絶縁物質をごく薄く堆積(付着)させた場合の周波数変化の特性として、周波数が低周波側へシフトすることが知られている。よってこの場合にも、SAW共振子10の周波数温度特性は低周波側へシフトすることとなる。
【0024】
このように粗調を行う手段としては、水晶表層部をエッチングさせる手段、もしくはIDT32およびその周辺部に金属を堆積させる手段等を選択して行うことができる(図1(B)参照)。
【0025】
粗調工程終了後、パッケージベース14の上部開口部にシームリング等の接合材18を介してキャップ16を載置し、キャップ16の長辺方向、短辺方向のそれぞれに対して溶接を施す。これによりパッケージベース14とキャップ16とが接合され、パッケージベース14の上部開口部が封止される(第1封止工程:図1(C)参照)。
【0026】
次に、SAW素子片28を収容したパッケージ12をチャンバ内に載置し、内部空間であるキャビティ15内の気体を排気すると共に、不活性な封入ガスと置換する。その後、予め測定したSAW共振子10の周波数と、所望する周波数(所望周波数)とのズレ(周波数偏差)に基づいて封入ガスの封入圧を調整する。雰囲気ガス(例えば25℃)の圧力は図3に示すように、その上昇が周波数に影響を与えるからである。具体的には、雰囲気ガスの圧力の向上に伴って弾性表面波の周波数が高周波側へとシフトするのである。このため、測定周波数が所望周波数よりも低い場合には、キャビティ15に封入する雰囲気ガス(封入ガス)の封入圧を高めるようにチャンバ内の圧力を上昇させる。逆に、測定周波数が所望周波数よりも高い場合には、封入ガスの封入圧を低くするようにチャンバ内の圧力を降下させる。封入ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスとすると良い。不活性ガスは安定しており、SAW共振子の長期安定度に影響を及ぼさないからである。なお図3からも読み取れるように、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)といった単原子ガスに比べ、窒素(N2)等の2原子ガスは、圧力の変化に伴う周波数の変化量が大きい(微調工程:図1(D)参照)。
【0027】
微調工程終了後、封止孔24に金属ボール26aを載置する。封止孔24に載置した金属ボール26aにレーザを照射することで溶融させ、溶融させた封止材26を封止孔24の内壁に固着させ、パッケージ12の封止を行う(第2封止工程:図1(E)、(F)参照)。
【0028】
このような方法でSAW共振子10を製造することによれば、パッケージベース14にキャップ16を接合する第1封止工程の後に周波数(周波数温度特性)の調整(微調)を行うことができるため、パッケージベース14とキャップ16との接合によって生ずる応力の影響を加味した上で、所望の周波数への合わせ込みを行うことができる。よって、バラツキの少ない高精度な周波数の合わせ込みを行うことができる。
【0029】
また、ガスによる周波数調整の範囲には限界があるが、パッケージベース14とキャップ16との接合前に行うイオンビームによる周波数調整(粗調)と、ガスによる周波数調整とを組み合わせることで、周波数可変範囲を広くしつつ、精密な周波数調整を行うことが可能となった。
【0030】
次に、本発明のSAWデバイスの製造方法に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るSAWデバイスの製造方法は、上述した第1の実施形態に係るSAWデバイスの製造方法の一部を変更するものである。よって、変更する一部を抜粋して詳説し、その他の説明に関しては上記第1の実施形態に係るSAWデバイスの製造方法を援用することとする。
【0031】
本実施形態に係るSAWデバイスの製造方法は特に、微調工程の実施に特徴を持つ。第1の実施形態における微調工程は、SAW共振子10の周波数を予め測定した上で、所望する周波数に対する差分を求め、その高低によってチャンバ内の封入ガスの圧力を高低させる旨記載した。
【0032】
これに対して本実施形態に係るSAWデバイスの製造方法では、図4に示すように、プローブ40をSAW共振子10の外部実装電極22に接触させ、SAW共振子10の周波数を測定しながら封入ガスの圧力を変化させるというものである。このような方法で微調工程を行う場合であっても、測定周波数が所望周波数よりも低い場合には封入ガスの圧力を高め、測定周波数が所望周波数より高い場合には封入ガスの圧力を低くするように調整することで、SAW共振子の周波数を調整することに変わりは無いからである。
【0033】
このようにして微調工程を行うことによれば、周波数測定を行いながら周波数調整を実施することができるため、より高精度に周波数の合わせ込みを行うことが可能となる。
【0034】
また、本発明に係るSAWデバイスの製造方法を実施するにあたり、第1封止工程、すなわちパッケージベース14に対してキャップ16を接合する工程で生ずる応力の影響が大きく、微調工程における封入ガスによる周波数可変範囲を超えてしまっているような場合、次のような周波数調整方法を併用することもできる。
【0035】
具体的には、図5(A)、(B)に示すように、第1封止工程の後、第2封止工程に用いる封止孔24を介してSAW素子片28に形成したIDT32に対してレーザを照射するのである。圧電素板30を水晶とした場合には、圧電素板30を透過したレーザがIDT32を構成する電極パターンの一部を削ることとなり、SAW素子片によって励起される弾性表面波の周波数が調整される。
【0036】
上記のような調整により、所望周波数とSAW共振子10(SAW素子片28)の測定周波数との偏差を縮めることで、周波数偏差が封入ガスによる周波数可変範囲内に入れば、SAW共振子10の周波数の合わせ込みを高精度に行うことが可能となる。
【0037】
なお、図2に示したSAW共振子10は、封止孔24をパッケージベース14に備える形態であったが、封止孔をキャップに備える形態のSAW共振子であっても、本発明のSAWデバイスの製造方法を実施することにより製造することができる。また、図2に示したSAW共振子10は、箱状のパッケージベース14と平板状のキャップ16によってパッケージ12を構成しているが、平板状のパッケージベースと箱状のキャップによってパッケージを構成するものであっても、本発明に係るSAWデバイスの製造方法により製造することができる。
【0038】
また、上記実施形態では、SAW素子片28のマウント電極20に対する実装は導電性接着剤36を介して片持ち支持で行う旨記載したが、実装手段や実装形態に関しては、これに限るものでは無い。例えば、導電性接着剤36の替わりに半田バンプやAuバンプを用いても良いし、SAW素子片28上の電極パターンとマウント電極20とを金(Au)やアルミニウム(Al)から成るボンディングワイヤによって接続する手段を採用しても良い。また、SAW素子片28の能動面(IDT32形成面)とパッケージベース14におけるマウント電極20とを電気的に接続する場合には、入出力電極34をIDT32形成面に配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るSAWデバイスの製造方法の流れを示す図である。
【図2】本発明に係るSAWデバイスの製造方法により製造されるSAWデバイスの一例を示す図である。
【図3】雰囲気ガスの圧力と周波数変化量の関係を示す図である。
【図4】第2の実施形態に係る微調工程の様子を示す図である。
【図5】本発明に係るSAWデバイスの製造方法の応用例を示す図である。
【図6】パッケージベースとキャップとを接合した後に周波数調整を行う圧電デバイスの様子を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10………SAW共振子、12………パッケージ、14………パッケージベース、16………キャップ、18………接合材、20………マウント電極、22………外部実装用電極、24………封止孔、26………封止材、26a………金属ボール、28………SAW素子片、30………圧電素板、32………IDT、34………入出力電極、36………導電性接着剤、40………プローブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージベースに弾性表面波素子片を実装する実装工程と、
前記パッケージベースに実装された前記弾性表面波素子片にドライエッチングを施したり、蒸着またはスパッタにより金属粒子や絶縁体粒子を付着させて、励起される弾性表面波の周波数を変化させる粗調工程と、
前記パッケージベースにキャップを接合してパッケージを構成し、前記弾性表面波素子片をパッケージの内部空間に収容する第1封止工程と、
前記パッケージベースまたは前記キャップに形成された貫通孔から前記内部空間に不活性ガスを供給または前記内部空間に供給した不活性ガスの圧力、不活性ガスの種類のうちの少なくとも1つを変化させて前記弾性表面波の周波数を変化させる微調工程と、
前記貫通孔を封止材で塞ぐ第2封止工程とを有することを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の弾性表面波デバイスの製造方法であって、
前記第2封止工程では、前記第1封止工程終了後に大気中、または所定の雰囲気中において弾性表面波の周波数を測定し、測定した前記周波数と予め設定した所望周波数とを比較し、前記測定した周波数が前記所望周波数よりも低い場合には前記微調工程での前記内部空間の圧力を上昇させ、前記測定した共振周波数が前記所望周波数よりも高い場合には前記微調工程での前記内部空間の圧力を降下させることを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の弾性表面波デバイスの製造方法であって、
前記微調工程は、弾性表面波の周波数を測定しながら行うことを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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