説明

弾球遊技機

【課題】趣向性を損なうことなく、中央装置の大型化を可能とすること。
【解決手段】枠体32の傾斜板33にはピン状の障害突起40が多数立設され、3つの入球口41〜43が設けられている。これら障害突起40及び入球口41〜43は、傾斜板33と一体成形される。大開口36の内側底面には、球出口53a,53bから排出される遊技球Bを受けるための遊技球導出部としてのステージ44が設けられる。傾斜板33の全部または一部を板材や合板製として、これに遊技部材としての障害釘を打ち込んだり、入球口をビス等で取り付ける構成としてもよい。中央装置5の奥行きは、ステージ44での遊技球の挙動が適切になるような幅に設定されている。枠体32の後部の後部開口37は液晶表示盤5aで覆われており、液晶表示盤5aの表示部38は後部開口37を正面から見た場合、視認できるように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関し、特に中央装置の大型化を可能にする技術に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に弾球遊技機においては、遊技領域の上部に弾発された遊技球が経路を多様に変化させられて流下する。そして、遊技球の流下経路が多様であるほど、遊技球の挙動が単調にならず、遊技者に常に入球口への入球の期待を与えることができ、高い趣向性が得られる。遊技球の流下経路は、各種の遊技部材(障害釘、入球口(入賞口、通過ゲ一卜等を含む)、風車、アタッカーなど)の配置に影響される。したがって、限られた大きさの遊技領域内で遊技球をより有効に流下させるためには、各種遊技部材の配置自由度が制限されることは望ましくない。そのため、現在では4ないし6インチ程度の大きさの液晶表示画面と、それに対応した大きさに設定され、かつ、それを囲むように設置されたセンター役物を備え、センター役物の左右両側の領域に、ある程度の領域幅が確保され、そこに入球口を備えたものが主流となってきている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−124309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、視認性に優れた多様な遊技態様を可能にする大型中央装置の採用を考えると、遊技領域の中央装置によって占められる面積が増すため、中央装置以外の遊技部材の配置は多大な制約を受ける。例えば、中央装置の大型化により中央装置の左右の遊技領域が狭められ、この狭められた遊技領域に入球口や風車などが配置された場合、これらの遊技部材の周囲において遊技球の流下経路に多様な変化を与えることが困難になり、遊技球の挙動が単調になり易い。また、遊技領域の上部(例えば中央装置の直上)に入球口を配置した場合には、入球口へ入球する遊技球の流下経路が短くなるため、入球口が遊技領域の下方にある場合よりも流下経路の予測が容易になり、技量の高い遊技者による入球口への狙い打ちが可能になることが考えられる。また、中央装置の周辺の遊技領域に遊技球の流下経路を確保しにくくなるため、中央装置に遊技球を導入及び導出をさせることが必要になる。したがって、中央装置内において遊技球を多様に流下させる技術は、趣向性を維持及び向上させるにあたり、重要である。そこで、請求項1に記載の発明の課題は、趣向性を損なうことなく、中央装置の大型化を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑み請求項1記載の発明はなされたものであり、遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域の中央に設けられるセンター役物と、前記遊技領域の前記センター役物下方に設けられる始動入球口と、前記始動入球口に遊技球が入球することで当たり外れの判定を行う判定手段と、前記判定手段による判定結果が当たりであったことに起因して遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、前記センター役物が、前記遊技領域に向けて発射された遊技球が入球可能な球入口と、前記球入口に入球した遊技球を放出する球出口と、前記球出口から放出された遊技球を転動させた後に該遊技球を前記始動入球口の在る領域へ落下させるステージと、を含んで構成される弾球遊技機において、前記始動入球口に加え、前記遊技領域の前記センター役物下方に設けられる複数の可変入賞装置と、前記ステージに設けられ、前記球出口から放出されて該ステージ上を転動する遊技球が流入可能な複数の受入口と、前記複数の受入口の各々に対応して設けられ、受入口に流入した遊技球を検出するセンサと、前記複数の受入口の各々に対応して設けられる前記センサのうち何れかのセンサが遊技球を検出することで、前記複数の可変入賞装置の開閉制御を行う開閉制御手段と、を備え、前記開閉制御手段は、遊技球を検出した前記センサに応じて異なる所定の開放態様に従って、前記複数の可変入賞装置の開閉制御を行うことを特徴とする弾球遊技機である。これにより、遊技球はステージ(第2領域)で趣向性をいかんなく発揮できるとともに、視認性に優れ多様な表現形態を可能とできる。
請求項2記載の発明は、前記開閉制御手段は、遊技球を検出した前記センサに応じて、開放させる前記可変入賞装置の数を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機である。
請求項3記載の発明は、前記ステージは、前記球出口から放出された遊技球を転動させる上ステージと、前記上ステージの手前側下方であって前記上ステージと段差を成して設けられ、前記上ステージから落下した遊技球を転動させた後に該遊技球を前記始動入球口および前記複数の可変入球装置の在る領域へ落下させる下ステージとから構成され、前記上ステージに、前記複数の受入口および前記センサを設け、前記上ステージと前記下ステージとの段差を形成する垂直板に、前記受入口に流入した遊技球を前記下ステージに流出させる流出口を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機である。
請求項4記載の発明は、前記上ステージに、前記球出口から放出されて該上ステージ上を転動する遊技球を打撃可能な打撃部材を設け、前記打撃部材により打撃された遊技球が前記受入口に流入可能となることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の弾球遊技機である。
【0006】
センター役物は、その外周形状は横長、縦長、角型、丸型、小判型、楕円型等各種の形状が含まれる。ステージを着脱自在とする構成も可能である。また、センター役物の左側方、右側方の遊技領域を遊技球が通過できるもの、できないもの両方の遊技盤が含まれる。好適例として、可変表示装置にセンター役物を備えたものが挙げられ、前記ステージは可変表示装置の表示面の外周側に配される枠状体を有するセンター役物の一部であることを特徴とすることもできる。また、センター役物は、可変表示装置を備えず単に遊技球を取り扱うのみのものであっても良い。これにより、大半の機種で用いられているセンター役物の趣向性を向上できる。可変表示装置としては、図柄を表示する発光ダイオード等の発光源からなる表示体の他、液晶表示盤、CRT、LED、回転ドラムからなる表示体等が挙げられるが、特に限定されるわけではない。LCD、LED、CRT等により構成された画像表示装置(例えば液晶表示部)にセンター役物を組み合わせたもの等様々なものが挙げられる。また、画像表示装置の画面は四角形、丸形等各種のものが挙げられるし、センター役物は枠形状、非枠形状、或いは、四角形、長円形、丸形等各種のものが挙げられ、画像表示装置とセンター役物は、その形態を様々に組み合わせることができる。具体的には、センター役物として様々なサイズのものが採用できる。例えば、4〜6インチの液晶画面を備えた画像表示装置にセンター役物が取付けられたもの、8インチの液晶画面を備えた画像表示装置にセンター役物が取付けられたもの、10インチの液晶画面を備えた画像表示装置にセンター役物が取付けられたものなどが例示される。ただし、ステージでの遊技球の挙動に悪影響を与えないように配置されることが好ましい。液晶画面は四角形状、丸形状等が好適であるが限定されるものではなく、また、横長状態、縦長状態、傾斜状態いずれにも配置が可能である。遊技の趣向性を高めるため、液晶画面の周囲にはそれに適合させた形態のセンター役物を配置することが好ましい。このセンター役物は枠体が好ましいが、その周囲が連続していなくとも良いし、また、一体でなく分割されていても良い。
【0007】
遊技球誘導部としては、遊技球を球入口からステージに誘導するワープ樋等が挙げられる。上方の開放された樋、筒状等の断面が閉じた樋等、種々なる態様が実施可能である。樋は、主通路及び副通路を備えても良い。また、遊技球誘導部は分岐していても良いが、分岐の無いものも挙げられる。遊技球誘導部の出口がステージに連通した構成などを採用することも可能である。ステージとしては、遊技球がランダム或いは複数態様で動けるようにするものであればすべての面が含まれ、平面、凸面、凹面、カーブ面等のあらゆる面が含まれても良い。さらに、球入口とステージの組み合わせや設置数は任意に構成することができる。1つのステージに複数の遊技球誘導部が形成されても良いし、或いは複数のステージに各々複数の遊技球誘導部が形成されても良い。ステージの全部又は一部が移動可能に構成されても良い。センター役物は、複数の球入口と、その各々に入球した遊技球を各々通過させる複数の遊技球誘導部と、該複数の遊技球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させてから前記遊技領域の下方に流下させるステージとを備えたものが挙げられる。ステージは枠状体の内側底面に備えられた略水平面を有する平坦な板部材が好適ではあるが、位置、形状、構造等がこれに限定されるわけではない。枠状体は、前述の可変表示装置の枠を形成するものである。また、前述の可変表示装置は、遊技領域に配設され、始動入球口への遊技球の入球等、所定の起動条件に起因して、表示態様を変化させた後に確定表示するものである。そして、確定表示された前記可変表示装置の表示態様が予め定められた特別表示態様となったことに起因して、遊技者に特別遊技を実施する機会を与えるように構成する。また、ステージは1つでも複数でもよい。以上の通り、当業者は発明の範囲内で種々なる態様で発明の実施が可能である。
【発明の効果】
【0008】
以上述べた請求項1〜4記載の発明によれば、遊技球が複数の受入口のどれに入球するかにより、遊技者が得る特典が変化し、ゲーム性がより複雑になり、興趣が向上する。また、複数の受入口毎に異なる特典が付与されるので、遊技者にとってより有利な受入口ヘの入球の期待を与えることができ、これによっても趣向性の向上が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施形態であるパチンコ機1は、フィーバー機、或いは第1種と呼ばれる機種である。
(パチンコ機1の前面構造)
図1に示す通り、このパチンコ機1の表面側には、遊技盤2が着脱自在に装着されている。遊技盤2には発射された打球を誘導するための誘導レール3(図2参照)がほぼ円弧状に植立され、この誘導レール3で区画された領域が遊技領域4(図4参照)を構成している。遊技盤2の前方は透明板としてのガラス板22(図9参照)によって覆われている。ガラス板22は、実際には2枚のガラス板22a、22bが二重になっており、遊技領域4は、正確には内側のガラス板22aと遊技盤2との間に形成されている。また、内側のガラス板22aと遊技盤2との距離は20mmに設定されている。この遊技領域4は、第1レール部材3a、第2レール部材3b、返しゴム3c及び装飾部材3d(図2参照)により区画されている領域である。遊技領域4の左半面に在る第1レール部材3aと第2レール部材3bの間隙を通過して遊技領域4へ遊技球が誘導される。装飾部材3dの左側先頭部分には返しゴム3cが装着され、遊技球が遊技領域4の中央部へ反射されるようになっている。本実施形態では、第1レール部材3aが返しゴム3cまで延在し、装飾部材3dまで第2レール部材3bが延在されることにより遊技領域4を設定している。遊技領域4を設定する態様はこれ以外にも様々な構造のものが挙げられるが説明は省略する。また、左上端部に逆流防止装置3eが設けられている。
【0010】
中央装置5下方の中央部には、開閉駆動可能な始動入球口7が設けられ、その下側にアタッカ−8(大入賞装置とも呼ばれる)が設けられている。アタッカー8は、通常は、入球が不可能であるが、その開閉板8aを手前側に倒し、その背後の大入賞口(図示略)が開放されると、きわめて入賞しやすい状態となる。この始動入球口7に遊技球が受け入れられると、液晶表示盤5a(図2参照)に表示される特別図柄が変動を開始し、これが特定の表示態様、例えば777の3桁同一の数字で停止表示されると、特別遊技状態となりアタッカ−8が所定回数(例えば16回)開放し、遊技球を受け入れるように構成されている。また、アタッカー8の左右に入球口9乃至入球口12が集約的に設けられ、始動入球口7及びアタッカー8とともに入球口群N(図2参照)を構成している。この入球口群Nを配置可能な領域は、中央装置5の構成要素であるセンター役物6の下端より下部であり、遊技領域4の高さL(図3及び図4参照)に対して概ね3分の1の高さである(図3では27%である)。ここで、入球口群Nを構成する各入球口7〜12は、賞球払出しの契機として用いられている。遊技盤2の最下方には(第2レール部材3bの最下点)、アウト球を受け入れるアウト口13、センター役物6の下部左右に風車14が設けられている。
【0011】
さらに、遊技盤2の前面を覆うガラス枠15が前面枠16に開閉自在に設けられている。遊技盤2のすぐ下側には、ヒンジ(図示略)により開閉可能な上皿部17と開閉不可能な下皿部18とが位置しており、これらが前面枠16に装着されている。上皿部17の左下側には遊技状態に応じた効果音を発生させるスピーカ20が設けられている。また、下皿部18の右側には、発射ハンドル21が設けられ、これが上皿部17から供給される遊技球を遊技領域4に対して弾発する遊技球発射装置ユニット147(図14参照)と接続され、発射ハンドル21の回動操作の程度に応じて強さで遊技球を弾発できるようになっている。発射ハンドル21にはタッチスイッチ21aが、発射ハンドル21の左上方近辺には発射停止スイッチ21bが設けられている。
【0012】
(遊技領域4と中央装置5との間の寸法関係等)
中央装置5の上方の遊技領域4への入球口の配置は可能であるものの、本実施形態では、遊技球の移動の障害となるため、一般的には入球口は設けていない。この中央装置5は、5インチサイズの液晶表示盤5a(特別図柄を表示することから特別図柄表示装置と呼ばれることもある)と、この液晶表示盤5aの周囲に配置されたセンター役物6(図6〜図12参照)、特別図柄制御基板170(図15参照)等を含み構成されたものであり、横長形状となっている。センター役物6の外周形状は、横長の略小判形状ないし略楕円形状(最大高さと最大横幅の比である縦横比が、概ね1.1ないし1.7、好ましくは概ね1.3ないし1.7、特に好ましくは概ね1.3ないし1.4)に形成されている。センター役物6の外形寸法は、遊技球の流通条件によっては適宜変更される場合もあり得る。液晶表示盤5aを大型CRT、LED等の他の表示体に置換えたりすることが可能である。また、本実施形態においては、中央装置5にセンター役物6を含んで構成されてはいるが、必ずしもセンター役物6が含まれているとは限らない。
【0013】
大型のセンター役物6を遊技盤2に搭載した場合、中央装置5の周囲に残される部分の遊技領域4の面積は減少することとなる。すなわち、図2に示す通り、センター役物6左右の遊技領域4の領域幅であるセンター役物左右球通過領域Jの幅はW=33mm(以下、センター役物左右球通過領域幅Wという)程度であり、また、センター役物6上部の遊技領域4の誘導樋球受口領域高さH=70mm程度となっている。
【0014】
例えば仮に入球口を中央装置5の左右、例えばセンター役物左右球通過領域J(図2参照)付近に配置するとした場合、通常、単品の入球口は球受部の幅が20mm程度、取付ベースを含めると入球口の全幅は40mm程度となり、入球口の設置が困難となっている。そのため、入球口を遊技盤2の裏面側から装着し、遊技盤2の前面側に入球口の球受部のみを突出させたとしても、球受部の幅は20mm程度であるから、残りのスペースは13mm程度となり、結局、障害釘や入球口の配置は可能ではあるものの遊技球を流下させることは難しい。
【0015】
また、中央装置5の上方の遊技領域4へは入球口の設置は可能ではあるものの、この入球口に入球した遊技球を遊技盤2の裏側で下方に導く樋(図示略)を中央装置5の裏部品(液晶表示盤5aのケースや表示制御基板など)を避けて配置しなければならず、設置は可能であるものの構造上好ましくないことがある。したがって、中央装置5は、遊技領域4の下方に入球口やアタッカー等の配置の自由度を確保するためには、できる限り遊技領域4の上方に配置するのが好ましく、中央装置5を更に上方に配置すれば遊技領域4の下方の有効スペースは拡大されるが、上方には入球口は配置できなくなる関係が成立している。したがって、こうした関係を考慮した設計が望ましい。
【0016】
さらに、図10及び図11においてセンター役物6の上方には複数の障害(障害釘等)からなる案内部64が配置されており、誘導樋球受口領域幅Wの横幅内に落下してきた遊技球は球入口50a,50bに入球し易くなるように構成されている。そして球入口50a,50bに入球した遊技球は、ワープ樋52a,52b(図7及び図8参照)を経てステージ44上に流下され、始動入球口7の上方に集められるので、始動入球口7に入球する可能性が高くなる。ところで、従来の弾球遊技機(図示略)では、遊技球が始動入球口(図示略)に入球し易い位置に発射させるために、遊技者が発射装置(図示略)の発射力を調整して発射させているが、発射装置(図示略)の発射力が一定となるように調整(固定)させたとしても発射力のバラツキによって調整に反した発射力になる虞が有る。そのため、場合によっては遊技者の意に反して始動入球口(図示略)に入球する可能性が極めて低い位置に遊技球(図示略)が発射され、遊技者に不利益を齎す虞がある。これに対し、本実施形態のパチンコ機1では、比較的に幅の広い誘導樋球受口領域幅Wの幅内の遊技領域4に遊技球が発射されれば、前述した通り遊技球が球入口50a,50bに集められるので、遊技球が球入口50a,50bに入球し易くなり、結果として始動入球口7に入球する可能性が高まる。したがって、発射装置(図示略)の発射力のバラツキや遊技者の技量等が、遊技球の始動入球口7への入球に影響を与える可能性は極めて低くなるという優れた効果を有する。
【0017】
遊技盤2の寸法関係について図3乃至図5を参照して説明する。中央装置5と、その周辺の遊技領域4との寸法面の関係について図3を参照して説明する。中央装置5の頂点から遊技領域4の頂点までの垂直距離Hが67mm、中央装置5の頂点から頂点中央釘までの垂直距離Hが34mm、センター役物6の高さHが221mmに設定されている。また、誘導樋球受口領域幅Wが90mm、センター役物6上部の上部領域における左右端部頂点釘間の水平距離Wが151mm、導入口66a,66b(図10及び図11参照)のそれぞれの幅Wが14mm、導入口66a,66b(図10及び図11参照)上部釘の左右の水平距離Wが59mm、センター役物6の横幅Wが309mm、センター役物左右球通過領域幅Wの若干上部の領域横幅は、左側幅Wが33mm、右側幅Wが32mmに設定されている。風車14(図2参照)が配置された左右の領域の横幅は左側幅W10が47mm、右側幅W11が46mmに設定されている。始動入球口7の拡大時最大横幅W12が49mm、通常時横幅W13が13mmに設定されている。さらに、第1レール部材3aの最下点を通過する水平線Sから、センター役物6の最上部、液晶表示盤5aの中央横線、始動入球口頂点、センター役物6最下点を通過する水平線、アタッカー8の中心高さを示す水平線、入球口12の最上点、入球口11の最上点までの垂直距離H,H,H,H,H,H10,H11が、それぞれ、329mm,201mm,93mm,108mm,48mm,67mm,91mmに設定されている。遊技領域4の最大横幅W14が394mmに設定されている。2点鎖線で示す10インチ液晶表示盤5aの画面を想定した高さH15が147mm、幅W15が207mm、8インチ液晶表示盤5aの画面を想定した高さH16が117mm、W16が166mmに設定されている。
【0018】
また、遊技領域4の面積計測(CAD上にて)を行うと約123,988mmとなる。遊技領域4の縦寸法(L=396mm)を直径とする真円の面積が約123,163mmであり、面積計測の結果にほぼ等しくなるため、実施形態では遊技領域4の面積を直径Lの真円で近似して算出している。この採寸法Lは遊技領域4の最下点から最上点までの垂直距離とする。また、実施形態における各部材の面積は以下の通りである(図5参照)。
中央装置5(大型) 約58,463mm
中央装置(A)(やや大型) 約37,416mm
中央装置(B)(若干大型) 約30,426mm
なお、(A)の中央装置の面積は、中央装置5の縮尺を0.8倍(面積比0.64)と想定して算出している。しかし、ワープ樋52a,52b各部の概ねの寸法は遊技球の直径や樋壁の板厚に基づいて自ずと決定され、遊技球が通過できる寸法を確保しなければならないため、センター役物の各樋の縦横寸法や樋を覆う装飾品等の外形寸法は中央装置5の場合と大きくは変わらないと考えられる。したがって、中央装置(A)を用いる場合、中央装置の実際の投影面積は、算出値よりも実際には大きくなると考えられる。以上のことから、中央装置5の場合、そのときの遊技領域4に対する中央装置5の面積の割合は、47%となる。また、中央装置(A)の場合、そのときの遊技領域4に対する中央装置5の面積の割合は、30%となる。中央装置(B)の面積の割合は、25%(約4:1)、かつ、面積が最小面積となる。(C)は、左右領域一杯まで中央装置5を拡張したものであるが面積は計測されていない。以上の通り、中央装置5は、遊技領域4の表面積の概ね25%(4分の1)以上、好ましくは概ね30%以上、特に好ましくは概ね47%以上を占めることを特徴とする。なお、ここでの面積は投影面積を意味する。遊技領域4の遊技領域中央横線Yは、実施形態では、液晶表示盤5aの中央横線Yとほぼ一致している。入球口群Nは遊技領域中央横線Yよりも下方の領域に中央装置5を避けて集約的に配置されている。すなわち、入球口群Nの配置される領域の高さは、遊技領域4の最下部からセンター役物6の下端部までの高さとし、配置される領域の左右は一杯までとする。
【0019】
なお、本実施形態は中央装置5を用いた場合であるが、中央装置(A)を用いた場合などには、中央装置5が占める面積が減少し、中央装置5の左右、或いは上部の余地は増加する。例えば、(A)は一般に多く採用されているサイズ(4〜6インチ)よりも若干大型な8インチ程度の表示体を一杯に用い、実施形態のセンター役物6をそれに合わせて単に小型化した場合に相当するものである。この場合、センター役物左右球通過領域幅W(遊技球が流下可能な領域)の幅寸法は、図3の画面幅寸法の差に基づいて算出すると、(W15−W16)/2=(207.4−165.9)/2=20.75mmと計算され、左右各々に約20mm増加する。したがって、中央装置5のセンター役物左右球通過領域幅Wが約33mmであるので、左右領域のそれぞれの幅寸法は約53mm(=33+20)となる。この領域に単品の入球口(図示略:例えば幅寸法が約20mmの小型のもの)を配置した場合には入球口(図示略)の両側に約16.5mm(=(53−20)/2)の余地を確保できるが、遊技球の直径が11mmであるため、入球口から逸れた遊技球は左右に2.75mm(=(16.5−11)/2)ずつしか経路変更できない。このため、入球口から逸れた遊技球はほぼ直下のみにしか流下できず、遊技球の挙動に十分な変化を与えて趣向性を高めることは難しい。さらに、入球口の総数は遊技規則で規定されており規定数以上の総入球口数(総入賞口数)を保たなければならないため、中央装置5の大型化に伴って入球口の数を安易に減らすことはできない。したがって、入球口の総数を減らすことなく中央装置5を現状よりも大型化するためには、入球口の配置の問題を解決することが不可欠である。そのため、センター役物左右球通過領域Jには入球口を設置せず、入球口群Nを前述の通りの領域に集約して配置しているのである。また、現在の遊技規則によれば、総入球口数は、可動式役物が動作しない通常の遊技状態において5個以上となるよう規定されており、始動口の数はその三分の一(小数点以下切り捨て)以上でなければならない。本実施形態は総入球口数が5個、始動口が1個でありこの規則を満足している。総入球口数がそれより多くなると、入球口の配置変更等が適宜必要となることがある。
【0020】
図4は遊技領域4の投影面を斜線で示す。図中のTは、遊技領域4の中心縦線であり、Tは役物配置の中心縦線である。両中心線は一致しておらず、TはTに対して右側に偏倚するとともに、オフセット量は4mmに設定されている。水平線Sは遊技領域4の下限を示すものである。
【0021】
図5の斜線は中央装置5の投影面を斜線で示す。中央装置(A)の投影面は2点鎖線の曲線で示している。入球口群Nを配置できる領域の高さMの取り得る範囲は、図5の場合、中央装置(B)の場合、遊技領域4の高さL(図3参照)の概ね25%ないし60%、中央装置(A)の場合、概ね25%ないし55%、中央装置5の場合、概ね25%ないし35%である。また、中央装置5の場合、センター役物左右球通過領域幅Wの遊技領域4の最大横幅W14(図3及び図4参照)に対する割合の取り得る範囲は、概ね0%ないし25%であり、中央装置(A)の場合、概ね0%ないし15%、中央装置(B)の場合、概ね0%ないし10%である。なお、上記において、0%というのは、中央装置5を片側に偏倚させた場合(の狭い側)、或いは図5の中央装置(C)に例示する通り、中央装置5を概ね左右領域一杯まで拡張した場合である。
【0022】
(中央装置5の構成)
中央装置5について図6〜図11を参照して説明する。プラスチック製の中央装置5は、図6に示す通り、センター役物6と、液晶表示盤5aとから構成され、遊技領域4のほぼ中央に配置され、外形寸法がその左側方及び右側方の遊技領域4の領域への入球口の配置を制約する程度に大型に設定され、画面の視認性を向上させている(図1参照)。こうして大型に設定されたことに伴い、裏面構造も変更されている。このセンター役物6は、図6に示す通り、液晶表示盤5aを可視可能にする大開口36を有する略四角型の遊技球が入ることができる程度の幅を備えた枠形状に形成され、取付基板30を備えたものである。図6〜図11に示す通り、センター役物6は、額縁状の取付基板30を備えており、取付基板30の前面上部には庇状の飾り部31が固着されている。飾り部31は左右対称の形状とし遊技盤2から前方に突出するカバー部材兼用装飾部材である。この飾り部31は、左飾り部31a、中央飾り部31b、右飾り部31cを備えている。左飾り部31a及び右飾り部31cの表面には波形の装飾が施され、上面には、左飾り部31aには左下がり、右飾り部31cには右下がりにカーブし、1個程度の遊技球が通過できる程度の狭い所定幅に形成された細長の球誘導面62a,62bがそれぞれ設けられている(図7参照)。また、中央装置5は、遊技盤2に穿設されたセンター役物取付用貫設穴99に枠体32を貫通させ、中央装置5の裏面の周端部を嵌合させ、取付基板30を遊技盤2にビス止めされて、遊技盤2に取り付けられている(図9参照)。取付基板30の内側には、枠体32が連接されている。枠体32は、床に相当する傾斜板33、左右の壁板34a,34b及び天井板35からなる筒状で、前後は大開口36、後部開口37とされている。傾斜板33は奥側が高く手前側を低くして傾斜しており、傾斜板33上に遊技球があれば、この遊技球は奥側から手前側に転動、落下することになる。傾斜板33には、入球口41〜43に対応して入球穴45〜47が設けられている(図9参照)。枠体32の後部の後部開口37は液晶表示盤5aで覆われており、液晶表示盤5aの表示部38は後部開口37を正面から見た場合、視認できるように配置されている。
【0023】
枠体32の傾斜板33にはピン状の障害突起40が多数立設され、3つの入球口41〜43が設けられている。これら障害突起40(図9参照)及び入球口41〜43は傾斜板33(すなわち枠体32)と一体成形されている。大開口36の内側底面には、球出口53a,53bから排出される遊技球Bを受けるための遊技球導出部としてのステージ44が設けられている。本実施形態では、図9に示す通り、100mm以上確保されている。本実施形態では、従前の集合盤が省略されるとともに入球口群Nが遊技盤2の下方に配置されている。遊技盤2の背面側における設計の制限が少なくなるためである。これら障害突起40及び入球口41〜43が遊技部材に該当し、これらが含まれる傾斜板33上の空間がステージ44である。なお入球口41〜43の幅は12.5mmである。なお、傾斜板33の全部または一部を例えば発泡性プラスチック製の板材や合板製として、これに遊技部材としての障害釘を打ち込んだり、入球口をビス等で取り付ける構成としてもよい。このようにすれば、遊技盤に配置するのと同じ遊技部材を使用できる。なお、遊技盤に打ち込まれるものと同じ障害釘(例えば全長33.5mm)を使用するなら、板材の厚さを遊技盤と同等の厚さ(例えば19mm)以上とすればよい。
【0024】
ところで、前記の中央装置5の奥行きであるが、ステージ44での遊技球の挙動が適切になるような幅に設定されている。すなわち、図9に示す通り、その奥行きについては、センター役物6の最大高さ(図3のHに相当する)に対して、概ね50%(約11cm)に設定されている。その範囲としては、概ね5cm〜20cm、好ましくは概ね10cm〜15cm、特に好ましくは、概ね11cm〜12cm程度である。
【0025】
遊技盤2の背面に設置されたセーフ球集合樋118は、傾斜板33の裏側に配されている。入球穴45〜47を通過した遊技球は、すべてセーフ球集合樋118に流入する。また、セーフ球集合樋118には、始動入球口7等に連通して遊技盤2に穿設された入球穴79を通過した遊技球も流入する構造である。
【0026】
センター役物6の最上面には誘導樋球受口領域K(図10及び図11参照)が形成され、それは誘導樋球受口領域幅Wに対応する長さの部分から構成されたものである。図7及び図8に示す通り、飾り部31の上部には一対の球入口50a,50bが左右に間隔を置いて設けられており、一対の球入口50a,50bには枠体32の天井板35及び壁板34a,34bに沿って配設された球入口50a,50bと連通する一対のワープ樋52a,52bが接続されている。ワ−プ樋52a,52bがセンター役物6の内部にL字形状に屈曲して水平に外側に延び、さらに奥側において逆L字形状に屈曲し垂直下方に延び、大開口36に面した壁板34a,34b(図8参照)の下奥隅に設けた一対の球出口53a,53bに各々連通している。つまり、ワープ樋52a,52bは取付基板30の背面側において、大開口36の上面に沿って延びて球出口53a,53bに達している。また、飾り部31の左右の端部には始動通過口54a,54bが設けられており、始動通過口54a,54bに流入した遊技球は、飾り部31の左右下端に開口する球出口56a,56bから下方に落下する構造となっている。始動通過口54a,54b内には普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55a,55bが設置されて、遊技球Bの通過を検知できるようにされている(図6参照)。また、中央飾り部31bは、中央に上方に凸な円弧状に成形された仕切部63を備え、その仕切部63両側には前述の2つの球入口50a,50bを備え、これらが隔てられている。仕切部63は遊技球を球入口50a,50bに案内するものである。球入口50a,50bの外側端部には、内側へ低く傾いた、小さな傾斜面51a,51b(図10参照)が形成されて、ワープ樋52a,52bへの案内を円滑にしている。誘導樋球受口領域幅Wは、2つの球入口50a,50bの開口幅と仕切部63の幅を足し合わせた寸法を表す。実施形態では平面から見た球入口50a,50bの各開口幅が22mm、仕切部63の幅が46mmであり、誘導樋球受口領域幅Wは90mmに設定されている。なお、本実施形態のように2つの球入口50a,50bを設ける場合、誘導樋球受口領域幅Wの最小寸法は、24mmとなると考えられる。この寸法値は球入口50a,50bの開口幅を各々11mm(合計22mm)とし、仕切部63の幅を2mmとし、これらを合計することにより得られる。一般には、遊技球が11mmの直径に正負の公差(例えば0.05mm)をもって製造されるため、球入口50a,50bの開口幅は正負の公差を考慮して11mmよりも若干大きく設定される。また、上述した仕切部63の幅の2mmは、両球入口50a,50bを一枚の樹脂製板により仕切る場合に、樹脂成型を良好に行うために必要とされる最小の板厚である。さらに飾り部31の中央部には普通図柄表示装置60が設置されるとともに、その下側近辺には4個の保留ランプ61a〜61dが設置されている。
【0027】
以上の通り、中央装置5が構成されることにより、球入口50a,50bに入球した遊技球Bはワ−プ樋52a,52bを通過して球出口53a、53bから排出され、ステージ44へ流れ出る。大部分の遊技球Bは、ステージ44を通過してセンター役物6の外に排出され、始動入球口7、入球口9〜12の在る領域へ落下する(図2参照)。一方、始動通過口54a,54bに入球した遊技球Bは、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55a,55bで検知され、下方の遊技領域4に落下する。本実施形態においては、遊技球Bが普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55a,55bに検知されると普通図柄表示装置60の数字が可変表示され、停止した数字が予め定められた数字(例えば7)であると、始動入球口7の羽根部材を所定時間(例えば0.5秒)開放するように構成されている。これにより遊技者は常にステージ44上の遊技球Bが始動入球口7に入球する期待感が持て、常時、スリルに富んだ遊技を楽しむことができるのである。
【0028】
(案内部64の構成)
案内部64を図10及び図11を参照して説明する。この案内部64は複数の障害釘から構成されたものである。案内部64の中央部分は、山形に配置された3つの釘群からなる流出規制部65からなり、この流出規制部65が誘導樋球受口領域Kの上部を囲うように配置され三角形状のスペースを形成しており、また流出規制部65には、誘導樋球受口領域Kに遊技球を導入する導入口66a,66b(釘の隙間)がそれぞれ形成されている。遊技球がセンター役物左右球通過領域幅Wへ流下することを案内部64が妨げ、球入口50a,50bへ導入される確率を高めることで遊技の興趣を確保することができる。また、遊技球を中央に寄せるために流出規制部65の両側にも障害釘が左右対称に傾斜して配列されており、球誘導面62a,62bへ遊技球を円滑に誘導することとする。これら球誘導面62a,62bの働きにより、遊技球はここを滑落して、始動通過口54a,54b付近の障害釘に反射されて始動通過口54a,54bに入球する確率が高まることがある。
【0029】
誘導樋球受口領域Kの作用を図10及び図11を参照して説明する。上述の導入口66a,66bを通って、一旦、誘導樋球受口領域Kに達した遊技球は、この領域外に流出しにくいという効果がある。ところで、従来は、遊技球発射装置(図示略)発射力のバラツキの問題に加えて、中央装置5の大型化に伴い、始動入球口7への入球が困難になることや、遊技が単調になることの問題が生じている。つまり、過度に多くの遊技球が中央装置5を避けて遊技領域4の左右両側を流下すると、遊技球が始動入球口7から遠く離れ、始動入球口7に入球し難くなる。また、遊技球が始動入球口7に集まり易くなるよう障害釘を配設することも可能であるが、遊技球を中央装置5の左右から始動入球口7へ向けて横断させることになるため、遊技球の挙動が単調で不自然になり易い。したがって、こうした不都合を解消すべく、より多くの遊技球を中央装置5に通して入球口群Nに導くことにより、中央装置5にて遊技球の挙動に多様性を持たせることが可能となり、遊技球の挙動が単調になることを防止できるのである。
【0030】
(各種基板、スイッチ等の構成)
遊技盤2に取り付けられている各種基板について図12を参照して説明する。センター役物6の内部側に特別図柄保留表示LED80及び普通図柄保留表示LED81を備えた普通図柄表示装置基板82、表示枠左上ランプ83を備えた表示枠左上ランプ基板84、表示枠右上ランプ85を備えた表示枠右上ランプ基板86、表示枠左LED87を備えた表示枠左LED基板88、表示枠右LED89を備えた表示枠右LED基板90が設けられている。又、アタッカー8の内部側に左下入賞口LED91を備えた左下入賞口LED基板92、及び右下入賞口LED93を備えた右下入賞口LED基板94が設けられている。入球口9の内部側に左入賞口LED95を備えた左入賞口LED基板96が設けられている。入球口11の内部側に右入賞口LED97を備えた右入賞口LED基板98が設けられている。アウト口13の下部にバック球防止装置103が設けられている。
【0031】
遊技盤2の裏側の球経路とスイッチ等の配置について図13を参照して説明する。遊技盤2の中央部にセンター役物取付用貫設穴99、その左右下側に右入賞口取付用貫設穴100及び左入賞口取付用貫設穴101、その下側に大入賞口取付用貫設穴102が各々設けられている。又センター役物6の裏側の左右に左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55a及び右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55bが設けられている。アタッカー8の裏側の中央上部に第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド112、その下側に第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ113、アタッカー8の裏側の左右に大入賞口ソレノイド114及び特定領域開閉ソレノイド115、大入賞口ソレノイド114の右側にカウント検知スイッチ116、特定領域開閉ソレノイド115の左側にカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ117が各々設けられている。遊技盤2の裏側の下方には、セーフ球集合樋118及びアウト球集合樋119が設けられている。セーフ球集合樋118の下端部に入賞球排出ソレノイド120、入賞球検知レバー121、入賞球検知スイッチ122が設けられている。
【0032】
(遊技盤の裏面構造)
パチンコ機1の裏側構造について、図14を参照して説明する。前面枠16は本体枠104にヒンジ130により開閉自在に支持されている。前面枠16の表面側に遊技盤2が着脱自在に固定されている。前面枠16にはヒンジ131により裏機構盤132が着脱自在に固定されている。このヒンジ131の上部左側にタンク球切れ検知スイッチ133を備えた賞球タンク134、及びタンクレール135が備えられている。このタンクレール135の右端に球抜きレバー136、その下側に補給球切れ検知スイッチ137、その下側に賞球払出装置138が設けられている。賞球払出装置138の下側に振分け部139が設けられている。タンクレール135の下側に中央装置5を格納した裏蓋140、又、裏蓋140の下側に主制御基板141が各々設けられている。主制御基板141の下側に裏パック142が設けられている。主制御基板141の左側に発射装置制御基板143、タッチ感度調整つまみ144、球飛び強弱調整つまみ145、発射制御集合中継基板146が各々設けられている。裏機構盤132の左下側に遊技球発射装置ユニット147が設けられている。裏機構盤132の右側に枠状態表示器148を備えた枠制御基板149が設けられている。枠状態表示器148は、補給球詰まり、下皿部満タン、主電源電圧異常、発射停止、主基板通信異常、賞球モータ異常などを7セグメントLED表示器を用いて表示するものである。裏機構盤132の右上端部にヒューズボックス150、電源スイッチ151、電源ターミナル基板152、及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板153が設けられている。枠制御基板149から接続ケーブル154が上方に延び出し、電源ケーブル155を備えたプリペイドカードユニット105に接続されている。裏機構盤132の下側に下皿用球通路部材156が設けられている。
【0033】
(電子制御装置160の構成)
図15に示す本実施形態のパチンコ機1の電子制御装置160を説明する。電子制御装置160は、主制御基板141、枠制御基板149、主制御基板141と一方向通信を行う特別図柄制御基板170を含み構成されている。主制御基板141は、8ビットの処理容量を備え、CPU161、RAM162、ROM163、入出力インタフェース164、及びカウンタ166がバス165により相互に接続されたものであり、パチンコ機1の遊技を司っているものである。カウンタ166は、カウント値が0〜249まで微少時間毎に繰り返し昇順に変動するものであり、通常時には大当りカウント値は「7」だけであり、高確率時には、例えば、「1」、「3」、「7」、「9」、「11」、「13」、「17」、「19」、「21」、「23」が大当りカウント値となる。したがって、通常時と高確率時とで、大当り確率は異なり、通常時の大当り確率は1/250、高確率時の大当り確率は、1/25に設定されている。
【0034】
端子基板153には、タッチスイッチ21a、発射停止スイッチ21b、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55b、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55a、アタッカー8への入賞球のうち特定領域に導かれた入賞球を検知するカウント検知スイッチ116、アタッカー8への入球のうち特定領域に入った遊技球を検知するカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ117、発射ハンドル21の回動操作量に応じて発射装置ユニット147における遊技球の弾発力を変化させるヴォリュームスイッチ123、タンク球切れ検知スイッチ133及び補給球切れ検知スイッチ137が夫々接続されている。端子基板153の出力端子は主制御基板141の入出力インタフェース164に接続されている。第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ113及び入賞球検知スイッチ122は、入出力インタフェース164に接続され、入賞球検知スイッチ122は、枠制御基板149にも接続されている。
【0035】
枠制御基板149は、4ビットの処理容量を備えた論理演算回路を含み構成されたワンチップマイコン(詳細は図示略)を有し、その入力端子が入出力インタフェース164と接続するとともに、その出力端子は枠飾りランプ基板107、各種ランプ基板84,86、各種LED基板88,90,92,94,96,98、音量スイッチ基板108、普通図柄表示装置基板82、各種ソレノイド112,114,115、入賞球排出ソレノイド120、サウンドジェネレータ124、賞球払出装置138、発射装置制御基板143と接続している。更に、主制御基板141の入出力インタフェース164はバス152aを介して電源ターミナル基板152と、バス170aを介して特別図柄制御基板170とも接続している。図示したものは一例であり、その他、様々な構成例が考えられる。なお、パチンコ機1の各部に電源を供給する電源回路等の構成は周知であるから、図示及び説明は割愛する。
【0036】
上述の主制御基板141は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ113、カウント検知スイッチ116、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ117等の検知結果に基づいて、当否判定などの遊技状態を判断し、中央装置5に表示すべき特別図柄や背景などの指示を特別図柄制御基板170へ逐一送信する。
【0037】
また、主制御基板141から枠制御基板149へは、特別図柄の変動・停止態様、リーチ発生の有無、リーチ態様(種別、全回転、コマ送り、逆進、図柄の拡大・縮小など、特別遊技、及び遊技モード(確率変動、時短など)等の遊技態様に応じて各種信号が出力される。これにより、枠飾りランプ基板107等の各種ランプやサウンドジェネレータ124は、枠制御基板149により制御されることとなる。
【0038】
(本実施形態の動作)
遊技者が発射ハンドル21を握り、これを回動すると弾球遊技が行われる。遊技盤2上に撃ち出された遊技球は、障害釘や風車等によって進路を変化させられながら遊技領域4を上方から下方へと落下する。そうした遊技球の一部は、センター役物6を迂回して、あるいはセンター役物6の始動通過口54a,54bを通過して落下し、一部は遊技領域4のいずれかの入球口に入賞し、残りはアウト球となって、遊技盤2の背面側に排出される。一方、一部の遊技球はセンター役物6の球入口50a,50bからワープ樋52a,52bに流入し、球出口53a,53bからステージ44に流入する。ステージ44に流入した遊技球は、例えば障害突起40に衝突して進路を変化させられながら傾斜板33上を転動し、あるものは入球口41〜43に流入して入球穴45〜47を通過し、セーフ球集合樋118によって回収されて入賞球として処理される。また、入球口41,42,43に流入しなかった遊技球は、傾斜板33から落下することによってステージ44から遊技領域4に戻り、遊技領域4のいずれかの入球口に入るか、またはアウト球となって、遊技盤2の背面側に排出される。このように、遊技盤2の前面に形成される遊技領域4の他に、センター役物6内にステージ44を設けたので、全体として遊技のための領域が広くなり弾球遊技の趣向性を向上させることができる。
【0039】
また、始動入球口7に遊技球が入賞しない状態では、電子制御装置160において抽選処理(当否判定)は実行されず、その結果表示はされない。始動入球口7に遊技球が入賞すると、特別図柄が変動を開始し、電子制御装置160において抽選処理(当否判定)が実行され、その結果(当たり外れ)を示す特別図柄が表示部38に表示される。本実施形態では特別図柄は9つの特別図柄が一度に変動停止表示される9分割表示となっている。図19では大当り図柄が例示されている。特定表示態様以外で停止表示されると、アタッカー8は開放せず、特定表示態様(例えば777)で停止表示されると、アタッカー8が開放して特別遊技が実行されるように構成されている。
【0040】
また、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ55a,55bを遊技球が通過することに応答して、普通図柄表示装置60が普通図柄の変動を開始し、これが所定の表示態様、例えば7の数字で停止表示されると、始動入球口7の羽根部材が所定時間(例えば0.5秒)開放(拡幅)され、始動入球口7への入球確率が高められ、所定時間経過に伴い羽根部材が閉じることとなり、一方、所定の表示態様以外で停止表示されると羽根部材は開放せず始動入球口7への入球確率はそのままとなる。なお、始動入球口7に代えて、これを始動通過ゲート(図示略)に置換し、これを遊技球が通過することに起因して特別図柄が変動及び停止をすることもできる。
【0041】
上述の特別遊技は、公知の第1種と呼ばれるパチンコ機と同様であるが、簡単に説明する。開閉板8a(図2参照)を倒して、アタッカー8をきわめて入賞しやすい状態にする。そして、アタッカー8を開放してから約30秒を経過するか、アタッカー8への入賞球が10球に達したなら開閉板8aを起こして開閉板8aを閉鎖する。その際に、今回開放中の入賞球のいずれかがアタッカー8のV領域(図示略)を通過していたなら、アタッカー8を再び開放し、前述と同様に閉鎖させることを繰り返す。アタッカー8の開放中に入賞した遊技球中でV領域(図示略)を通過したものがない場合、或いはアタッカー8の開放回数が規定数(本実施形態では16回)に達した場合には、アタッカー8の再開放は行われず、特別遊技は終了となる。上述の実施形態によれば、ステージ44において、遊技球の挙動に顕著な変化を与え、視認性を高めることができる効果がある。
【0042】
なお、大当たり後に大当たりの種類によって所定数の時短機能が付加されることもある。すなわち、特別図柄は変動時間の短縮がなされ、普通図柄表示装置60に表示される普通図柄も変動時間の短縮がなされ、さらに普通図柄が当たりの場合、始動入球口7の開放時間が例えば4秒延長される。時短回数は、一般的な種々の技術に従って設定することが可能であり、例えば時短回数を一定としたり、或は、条件に応じて変化させたりすることが考えられる。
【0043】
(中央装置5の第1変更形態)
次に、中央装置5の第1変更形態である中央装置5’について図16及び図17を参照して説明する。なお、この形態のパチンコ機1’は、上述実施形態のパチンコ機1のセンター役物6の投影面積を若干縮小し、また、飾り部31等を除去し、球入口50a,50bを分離し独立させ、傾斜板33の大部分を副遊技盤として構成しそれを着脱自在とする等の変更を施したものであり、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに、以下に説明する。図面には上述実施形態と対応する要素には同じ品番にダッシュを付与し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0044】
図16に示す通り、パチンコ機1’の遊技盤2’の中央部には中央装置5’が設置され、その上方には一対の球入口181,182が設置されている。中央装置5’は、遊技盤2’の前面に密接される縁部を形成する取付基板30’を有する枠体32’を備えている。この枠体32’は、外形が四角形に形成されている。枠体32’の床に相当する部分には内側に嵌合穴183を形成し嵌合穴183の中心側に張り出す張出部184を有する固定部185が設けられており、副遊技盤186は嵌合穴183に嵌合され、固定部185の張出部184に支承されて、固定されている。なお、副遊技盤186は、嵌合穴183との嵌合により十分に固定されるのであるが、固定部185と副遊技盤186とを接着剤等で固着してもよい。
【0045】
この副遊技盤186は、遊技盤2’と同材質(合板)で、板厚は約19mmである。図16及び図17に示す通り、副遊技盤186には真鍮製の障害釘40’(全長33.5mm)が打ち込まれ(打ち込み長さ15.8mm)、入口の幅が12.5mmの入球口41’〜43’が取り付けられている。
【0046】
図17に示す通り、副遊技盤186には、入球口41’〜43’に対応する入球穴45’〜47’が穿設されており、副遊技盤186の下部にはセーフ球集合樋118’が配されている。また、中央装置5’は、遊技盤2’に穿設されたセンター役物取付用貫設穴99’に枠体32’を貫通させ、球入口181,182に連通する樋取付穴187にワープ樋52a’,52b’の前端部を嵌合させ、取付基板30’を遊技盤2’にビス止めされている。なお、この副遊技盤186を、前述の発泡性プラスチック製とすることも可能であり、そのようにしても合板の場合と同様の効果を得られる。
【0047】
(第1変更形態の動作)
このパチンコ機1’においては、遊技盤2’上に撃ち出された遊技球は、障害釘や風車等によって進路を変化させられながら遊技領域4’を上方から下方へと落下する。そうした遊技球の一部は、中央装置5’の前方や左右を通過して落下し、一部は遊技領域4’のいずれかの入球口に入賞し、残りはアウト球となって、遊技盤2’の背面側に排出される。
【0048】
一方、一部の遊技球は、球入口181,182からワープ樋52a’,52b’に流入し、球出口53a’,53b’から副遊技盤186に流入する(図17参照)。副遊技盤186に流入した遊技球は、例えば障害釘40’に衝突して進路を変化させられながら副遊技盤186上を転動し、あるものは入球口41’〜43’に流入し、セーフ球集合樋118’によって回収されて入賞球として処理される。また、入球口41’〜43’に流入しなかった遊技球は、副遊技盤186から遊技領域4’に戻り、遊技領域4’のいずれかの入球口に入るか、またはアウト球となって、遊技盤2’の背面側に排出される(図16参照)。
【0049】
このように、遊技盤2’の前面に形成される遊技領域4’の他に、中央装置5’内に副遊技盤186を設け着脱自在としたので(図17参照)、全体として遊技のための領域が広くなり弾球遊技の趣向性を向上させることができるとともに、その交換が可能となり、遊技に面白さを加えることができる。しかも、合板製の副遊技盤186を用いて、これに遊技部材としての障害釘40’を打ち込み、入球口41’〜43’をビスで取り付ける構成としているので、遊技盤2’に配置するのと同じ遊技部材を使用できる。よって、副遊技盤186用に特別な遊技部材を用意する必要はない。また、障害釘40’は、例えばハンマ等で曲げ調節できるので、そうした調節によって副遊技盤186における遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【0050】
(中央装置5の第2変更形態)
次にステージに入賞口装置等の遊技装置や障害突起等の遊技部材を設ける第2変更形態である中央装置205を図18〜図22を参照して説明する。なお、この形態のパチンコ機201は、中央装置5のステージ構成を変更するとともに着脱自在とし、始動入賞装置の位置をステージに移設したものである。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には上述実施形態と対応する要素には同じ品番に200番を加算し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0051】
図19〜図21に示す通り、枠体232の床248にはステージ取付穴257が設けられており、ここにステージ244が取り付けられている。詳しくは、図22に示す通りステージ取付穴257の縁部は階段状になっており、その階段状の部分にステージ244の段差部258を嵌合させ、ピン267を中心にして回動可能な長方形の係止片268によってステージ244の背面の上下左右4箇所を支承している。これら係止片268の長手方向をステージ244側に突出させていればステージ244は固定され(図示の状態)、係止片268を回動させて長手方向をステージ244から外せばステージ244を取り外すことができる。
【0052】
図21に示す通り、ステージ244の上面側には遊技部材としての障害突起240及び遊技装置としての始動入賞装置207が設置されている。始動入賞装置207は一対の羽根部材207aを備えるチューリップ式入賞装置であり、羽根部材207aを開くと入賞しやすい状態になる。また、図22に示す通り、ステージ244には始動入賞装置207に入球した遊技球を落下させるための入球穴241が設けられており、始動入賞装置207に入賞した遊技球を誘導するためのセーフ球集合樋288が入球穴241に接続されている。なお、ステージ244の背面側には羽根部材207aを開閉駆動するための駆動部249が配されている。
【0053】
図19及び図22に示す通り、中央装置205の前面側には中央飾り部231b、左飾り部231a及び右飾り部231cが配されている。これら中央飾り部231b、左飾り部231a及び右飾り部231cは取付基板230の前面(すなわち遊技盤202の前面側)に突出している。中央飾り部231bには一対の球入口250a,250bが設けられており、球入口250a,250bにはワープ樋252a,252bが接続されている。ワープ樋252a,252bの他端は枠体232に設けられた球出口253a,253bに接続されている。球出口253a,253bは枠体232の内側に向かって開口しており、球入口250a,250bに流入した遊技球は、ワープ樋252a,252bによって導かれて球出口253a,253bからステージ244上に流出する。
【0054】
このパチンコ機201の中央装置205では、係止片268を操作することによりステージ244を着脱できる(図22参照)。したがってステージ244の形状、機能、障害突起240や始動入賞装置207等を変更する場合にはステージ244だけを変更すればよく、例えば中央装置205全体あるいはステージ244を保持する枠体232等を変更する必要はなく、それら(中央装置205等)の変更に伴う設計業務の煩雑化、コストアップ等の不都合を解消できる。しかも、中央装置205内に設置されるステージ244上に障害突起240や始動入賞装置207を配して、ステージ244上を第2の遊技領域としているので、全体として(遊技盤202上に形成される従来と同様の遊技領域と上述の第2の遊技領域とで)遊技領域の有効スペースを拡大することができる。パチンコ機等の弾球遊技機に大型の可変表示装置を配設すると遊技領域の有効スペースが縮小されるので遊技装置や遊技部材などを配置し難く、かりに配置できたとしても遊技に弊害をもたらしかねない。しかし、本第2変更形態のようにこれらをステージ上に配設すれば遊技に弊害をもたらさず且つ有効スペースを拡大することができるので、大型の可変表示装置を配設する場合には特に有効である。また、弾球遊技機に配設される遊技装置や遊技部材には、複数の機種で共通なものと機種毎に異なるものとがある。これら機種毎に異なる遊技装置や遊技部材の一部あるいは全部をステージに配設すれば、機種の変更に際して変更箇所が少なくなり、設計業務を簡略化できる。
【0055】
(中央装置5の第3変更形態)
図23〜図25に示す第3変更形態の中央装置305は、第2変更形態の中央装置205のステージの構造を変更したものであり、その他の構成は同様である。なお、この形態のパチンコ機は、第1種であるパチンコ機1から、第3種である権利物といわれるパチンコ機に変更したものである。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には上述変更形態と対応する要素には同じ品番に300番を加算し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。図23〜図25に示す通り、この例の中央装置305のステージ344には、多数の障害突起340が立設され、遊技装置としての第3種始動口307及び振分装置370が配設されている。第3種始動口307は、遊技球が通過可能な切欠371を有する環状の外縁部材372、遊技球を受容可能な凹陥部373を有して外縁部材372内で回転する回転部材374を備えており、ステージ344の背面側には回転部材374を駆動する駆動部(図示略)が配されている。図25に示す通り、ステージ344には遊技球を通過させる球流出穴375が設けられている。また、ステージ344の背面側には第2変更形態で示したのと同様の球集合樋(図示略)が配され、球流出穴375に接続されている。こうした構成により、凹陥部373が切欠371に整合する位置にあるときには遊技球が切欠371を通過して凹陥部373に流入でき、凹陥部373に受容された遊技球は、回転部材374の回転に伴って凹陥部373が球流出穴375上に達したときに球流出穴375から落下して球集合樋に流出する。
【0056】
図25に示す通り、振分装置370には開閉板376が備えられている。この開閉板376は、ステージ344の表面とほぼ平行になる閉鎖位置(図示の位置)とステージ344上にほぼ直立する開放位置とに変動可能で、ステージ344の背面側には開閉板376を開閉駆動するための駆動機構(図示略)が設置されている。このため、開閉板376が閉鎖位置にあるときには振分装置370に遊技球が流入することはないが、開閉板376を開放位置にすると遊技球が流入しやすくなる。また、振分装置370の内部は3分割されていて、中央部が特定領域377、左右が通常領域378とされており、振分装置370に流入した遊技球は特定領域377または通常領域378を通過する。
【0057】
この中央装置305を備えるパチンコ機では公知の第3種パチンコ機と同様のゲームが行われるので、次にその主要な部分を簡単に説明する。当たり図柄が表示されると振分装置370の開閉板376が設定時間開放位置とされる。この開放期間中に振分装置370に流入した遊技球が特定領域377を通過すると特別遊技が開始される。特別遊技では、第3種始動口307に遊技球が入球すると(正確には球流出穴375を通過すると)、アタッカーが開放されて、きわめて入賞しやすい状態になる。このアタッカーは、図18に示されるアタッカー208を第3種パチンコ機用のアタッカーに取り換えればよい。簡易的には、アタッカー308(図1のアタッカー8に対応するので図示略)のV領域通過センサを取り外して10カウントセンサだけにして流用することもできる。アタッカーは、開放後30秒を経過するか、アタッカーへの入賞球が10球に達したなら閉鎖される。そして、再び第3種始動口307に遊技球が入球するとアタッカーが開放され前述と同様に閉鎖される。第3種始動口307に入球する毎にアタッカーの開放、閉鎖が繰り返され、アタッカーの開放回数が規定数(本第3変更形態では16回)に達すれば特別遊技は終了となる。
【0058】
この中央装置305も第2変更形態の中央装置205と同様に、ステージ344を着脱でき、ステージ344に遊技装置(第3種始動口307、振分装置370)や遊技部材(障害突起340)を配設しているので、第2変更形態と同様の効果を得ることができる。なお、これら第2変更形態及び変形例で説明したセンター役物のステージには、上述した遊技装置(始動入賞装置、第3種始動口等)や遊技部材(障害突起等)ばかりでなく、他の遊技装置や入球口、ランプ類、風車等の遊技部材を配設してもよい。
【0059】
ここでいう振分装置は、例えばチューリップ式入球装置に入球した遊技球が複数穴を有するいわゆるクルーン上に進入する構成とし、入球した遊技球が設定された穴に入球した場合に特別遊技となるように構成してもよいし、その他の構成でも構わない。なお、チューリップ式入球装置を採用する場合には、これが開放していなければ入球不可能に構成するのが好ましい。また、可変表示装置、アタッカー、第3種始動口、始動入賞装置等の遊技装置もこれらの構成に限定されるものではない。例えば、ステージの着脱方法は上述の各例に限るものではなく、様々実施可能である。ステージを木製、発泡性樹脂等とすれば遊技釘を打ち込み可能となり、釘調整(遊技釘を叩打する等して遊技釘の角度を変更し、例えば入球装置等への入球率を変更する)が可能となる。この場合、ステージは遊技釘を打ち込んで調整しても支障のない材質であれば木製、発泡性樹脂以外の材質でもよい。
【0060】
(中央装置5の第4変更形態)
次にステージに入賞装置等の遊技装置や障害突起等の遊技部材を設ける第4変更形態である中央装置405を図26〜図29を参照して説明する。なお、この形態のパチンコ機は、上述の実施形態の中央装置5のステージ構成を変更したものである。本変更形態は、中央装置における遊技球の流下経路長及び遊動時間を大とし遊技球の挙動に変化を与えて趣向性を高め、中央装置のスペースの有効活用を図ることにある。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には上述実施形態と対応する要素には同じ品番に400番を加算し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0061】
この中央装置405は、遊技球B(図27参照)が導入され遊動された後に排出するセンター役物406、センター役物406に導入された遊技球Bを遊動させる複合遊動樋(以下遊動樋と称する)469、センター役物406に可視可能に固定された4インチの液晶表示画面を備えた液晶表示盤405aを備え、また、液晶表示盤405aの周囲に背板434cが設けられている。
【0062】
図26に示す通り、高速道路のジャンクションを模した遊動樋469、分離帯457aないし457d、建築模型458a,458b及び出口ゲート467は、枠体432の内部の底面をなすステージ444に固定され、センター役物406の上下方向の概ね1/3〜2/3位を占めている。即ち、上方が開放された断面コ字形状の遊動樋469は、図27に示す通り、比較的断面が大きい主通路470と、この主通路470から分岐した比較的断面が小さい第1副通路471ないし第7副通路477とを有している。主通路470は左右の球出口453a,453bの間に架設されており、左右端部から中央へ緩く低く傾斜している。また、ステージ444の左右方向の中央部には第1〜第4の通路出口481ないし484及び分離帯457aないし457d(図26参照)が形成され、それらには樹木の模型が配設されている。また、ステージ444の左右には2階建てのビルを模した建築模型458a,458bが配設されている。第3通路出口483の前部には出口ゲート467が設けられており、出口ゲート467は始動入球口407のほぼ真上に位置している。ステージ444の門形の出口ゲート467が設けられた部分は前端側へ低く傾斜している。
【0063】
図27に示す通り、主通路470から第1〜第7副通路471〜477が分岐している。第1副通路471は主通路470の左端前部から分岐して湾曲し、ステージ444前方へ延びて第1通路出口481に達している。第2副通路472は主通路470の右端前部から分岐し、湾曲しながら主通路470の左側へ延び、主通路470の下を手前から奥及び奥から手前へ通過して、第2通路出口482に達している。第3副通路473は主通路470の左端奥部から分岐して湾曲し、主通路470の下を通過してステージ444前方に延び、第3通路出口483に達している。第4副通路474は主通路470の右端奥部から分岐して湾曲し、主通路470の下を通過してステージ444前方へ延び、第4通路出口484に達している。第5副通路475は、主通路470の左中奥部から分岐し、湾曲して第2副通路472の途中の部位に繋がって遊技球Bが合流できるようにしている。第6及び第7副通路476,477は、主通路470の中央の手前及び奥部からそれぞれ分岐し、湾曲して第2及び第4副通路472,474の途中の部位にそれぞれ繋がって遊技球Bが合流できるようにしている。つまり、主通路470と第2〜5副通路472〜475とは立体交差するとともに、主通路470に繋がった端部から各通路出口481ないし484側へ徐々に低く傾斜している。各通路には、遊技球Bが円滑に流下できること、及び、湾曲部分において遠心力が生じること等を考慮して、幅方向の傾斜角(いわゆるバンク角)が適宜設定されている。各通路出口481ないし484の配置は、流出した遊技球Bの出ロゲート467に対する通過し易さが異なるよう設定されている。本変更形態では、第3通路出口483と出口ゲート467とがほぼ同一直線上に配置されており、第3通路出口483から放出された遊技球Bは出ロゲート467を通過し易い。出口ゲート467は始動入球口407のほぼ真上に位置しているので、出口ゲー卜467を通過した遊技球Bは始動入球口407に入り易い。主通路470の低面部478はほぼ水平に形成されており、第6副通路476及び第7副通路477のいずれかに偏ることなく平等に分配されるよう、遊技球Bの勢いが低面部478において弱められる。
【0064】
なお、変形例としては、主通路470又は各副通路471ないし477は構造、個数、配置等を適宜設定できる。それらは断面コ字形状であるが、これに代えて、筒状でも良いし、断面形状は遊技球Bが通過できる範囲で任意に設定できる。遊動樋469は、一体成形でも良いし部品を連結する構成でも良い。また、各副通路471ないし477の少なくともいずれかを着脱自在のアタッチメント式とすれば、進路変更を行うことが容易となる。また、ステージ444の数に限定はなく、例えば複数のステージを設けたり、ステージ444とは異なる機能(例えば、遊技球Bを集めたり分散させたりする機能)のステージを設けてもよい。このように当業者であれば様々に改変を施すことができる。分離帯457aないし457d又は出口ゲート467を省略したり、他の遊技部材(例えばチューリップ式可変入賞装置)へ置き換えたりしてもよい。球詰まりを防ぐことや、遊技球Bを各副通路へ効果的に分配することなどを考慮して、遊動樋469の主通路470に障害釘や風車、或はブロック等の遊技部材を適宜配置することが可能である。また、ローラを設けて遊技球Bの移動速度や移動方向を変化させたり、或いは遊技者に有利となる位置で一時停止させるといった移動、停止の変化をさせてもよい。さらに、適宜場所に遊技球Bの通過を検知するセンサを取付け、このセンサの検知に起因して液晶表示盤405aの画面を変動させたり又は始動入球口407を開放させることもできる。なお、本変更形態では、主通路470及び各副通路471ないし477は図29(a)(b)に示す通り、断面コ字形状としたが、同図(c)の通り円筒形状の通路470aとしても良いし、同図(d)の通りU字形状の通路470bとしても良い。また、樋の材質は、透明、半透明、非透明のいずれのものを採用しても良い。さらに、同図(e)の通り金属製メッシュの通路470cで構成しても良い。
【0065】
次に、中央装置405における遊技球の挙動について説明する。図26及び図27に示す通り、遊技球Bが球入口450a又は450bに入球すると、ワープ樋452a又は452bを通過して球出口453a又は453bからそれぞれ流出し、主通路470へ流出する。主通路470から第1副通路471に入ると第1通路出口481からステージ444へ流出する。主通路470から第2副通路472に入ると第2通路出口482からステージ444へ流出する。主通路470から第3副通路473に入ると第3通路出口483からステージ444へ流出し、概ね出口ゲート467を通過する。主通路470から第4副通路474に入ると第4通路出口484からステージ444へ流出する。主通路470から第5副通路475に入ると第2副通路472を通過して第2通路出口482からステージ444へ流出する。主通路470から第6副通路476に入ると第2副通路472を通過して第2通路出口482からステージ444へ流出する。主通路470から第7副通路477に入ると第4副通路474を通過して第4通路出口484からステージ444へ流出する。
【0066】
このように、遊動樋469に流入した遊技球Bを多種の態様で流下させることができる。よって、中央装置405での遊技球Bの挙動を複雑化できるとともに、流下経路長及び遊動時間を大とすることができ、趣向性を向上できる。また、上述したように、始動入球口407に入賞すると特別遊技(後述する)の可能性があるわけで、遊技者としては始動入球口407に入賞するか否かが大いに気にかかる。したがって、中央装置405のどの位置から遊技球Bが落下するかで、特に第3通路出口483や出口ゲート467を通過するかどうか、一喜一憂することになる。よって、遊技の興趣を高めることができる。なお、当業者であれば、中央装置405の形状、構造、組合せについて、様々に改変を施した変更形態が可能である。例えば、ワープ樋452a,452bに入った遊技球Bの全てが遊動樋469に導かれるが、例えば、他の入口又は出口を新設し、そこに遊技球Bの一部を導いたり、流出させたりすることで、遊技球Bをセンター役物406の外に戻したり、ステージ444に導いたりしてもよい。
【0067】
中央装置405の変形例である図28に示す中央装置405’を説明する。これは、第1通路出口481ないし第4通路出口484の出口が短尺とされるか、或いは、遊動樋469そのものの位置を後退させる等の変更を施して、それらと出口ゲート467との間にスペースが形成されるとともに、そのスペースに複数のピン490が垂直に突設されているものである。第1通路出口481ないし第4通路出口484から放出される遊技球Bの流動経路がピン490によって変化させられるので、通路出口から放出された時点では遊技球Bが出ロゲート467を通過するか否かの予測が困難になり、趣向性が向上する。なお、中央装置405’と中央装置405とに共通する構成については単に図示に留め説明は省略し、上述の変更形態と同じ品番を引用する。
【0068】
本変更形態によれば、中央装置に流入した遊技球の挙動を複雑化すること、及び、遊技球の流下経路長や遊動時間を大とすることが可能となり、趣向性を向上できる。ステージ上に流入した遊技球の進路を様々に変化させて遊技球誘導部をランダムに遊動させることができる。よって、遊技球誘導部での遊技球の挙動、その後の落下位置等が様々に変化するので趣向性が向上し、スペースの有効利用となる。また、複数の通路を立体交差させたことを特徴とすることから、様々な方向の遊技球の挙動を組み合わせながら、遊技球を長経路に沿って滑らかに流下させることが可能となり、これによっても趣向性が向上する。
【0069】
(中央装置5の第5変更形態)
次にステージに入賞装置等の遊技装置や障害突起等の遊技部材を設ける第5変更形態である中央装置505を図30〜図37を参照して説明する。なお、この形態のパチンコ機は、上述変更形態の中央装置5のステージ構成を変更したものである。本変更形態は、中央装置に可動部材からなる進路変更手段を設け遊技球の挙動に変化を与えて趣向性を高め、中央装置のスペースの有効活用を図ることにある。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には上述変更形態と対応する要素には同じ品番に500番を加算し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0070】
図30に示す通り、枠体532の内側には上ステージ544及び下ステージ546が階段状に設けられている。なお、これら上ステージ544及び下ステージ546には傾斜が付与されており、それぞれ奥側が手前側よりもわずかに高くなっている。また、上ステージ544の手前側には垂直板544aが連接されており、その中央部には球誘導路544bが突設されている。さらに、上ステージ544上に突出して、進路変更部材523が配されている。下ステージ546の中央部には一対の傾斜板546a間に凹部546bが形成されている。上ステージ544には移動穴524が設けられており、進路変更部材523は移動穴524を貫通する上移動突起525または下移動突起526に支持されている。図32に示す通り、上移動突起525は上スライド板527に立設されている。上スライド板527には移動突起突出穴528が設けられており、下移動突起526が移動突起突出穴528を貫通している。また、上スライド板527(図34及び図35参照)の下面にはラック歯529が設けられ、このラック歯529は、ステッピングモータ545の出力軸547に固着された歯車548と歯合している。ステッピングモータ545は、取付板549を介して背板534cに固定されている。この上スライド板527は、上ステージ544の手前側に連接する垂直板544aの裏面に設けられたスライド溝557と背板534cの前面側に設けられたスライド溝558とに挿入されており、これらスライド溝557、558(図32参照)内を摺動自在である。
【0071】
下移動突起526は下スライド板567に立設されている。この下スライド板567の上面にはラック歯568が設けられ(図33参照)、図32に示す通り、ラック歯568も歯車548と歯合している。図31及び図32に示す通り、下スライド板567(図33参照)は、垂直板544aの裏面に設けられたスライド溝569と背板534cに設けられたスライド溝570とに挿入されており、これらスライド溝569、570内を摺動自在である。
【0072】
こうした構成により、ステッピングモータ545を稼働させた際には、上スライド板527と下スライド板567を互いに逆方向に移動させることができる。なお、ステッピングモータ545は図示しない制御回路によって制御され、設定されたステップ数毎に正転、逆転を繰り返す構成である。したがって、上スライド板527と下スライド坂567は、往復移動することになる。
【0073】
この中央装置505の動作について説明する。パチンコ機の稼働中を通じてステッピングモータ545が稼働し(正転及び逆転し)、上スライド板527及び下スライド板567は、往復移動を繰り返している(図36(a)(b)参照)。したがって、上スライド板527に立設された上移動突起525または下スライド板567に立設された下移動突起526に支持される進路変更部材523も、上ステージ544上で往復移動を繰り返している。
【0074】
図30及び図31に示す通り、球入口550a,550bに入球した遊技球があれば、その遊技球はワープ樋552a,552bによって遊動されて球出口553a,553bから上ステージ544上に放出される。上ステージ544は手前側にわずかに傾斜しているので、上ステージ544上に至った遊技球は下ステージ546に向かって転動することになる。ところが、その転動経路を横断するようにして、進路変更部材523が往復移動を繰り返しているので、上ステージ544上を転動する遊技球のほとんどは進路変更部材523と接触あるいは衝突して進路を変更させられる。そうした遊技球の多くは上ステージ544から下ステージ546に落下し、下ステージ546上を遊動して凹部546bから落下したり、凹部546bに至る前に落下する。センター役物506の直下には始動入球口507が設置されているので、凹部546bに至る前に落下した遊技球よりも凹部546bから落下した遊技球の方が始動入球口507に入賞する可能性が高いと言える。また、上ステージ544上を転動した遊技球の一部は、球誘導路544bに流入し、その先端から落下するが、球誘導路544bは始動入球口507の真上に位置しているので、ここから落下した遊技球は、下ステージ546の凹部546bから落下した遊技球よりも始動入球口507に入賞する可能性が高いと言える。
【0075】
このように、上ステージ544上に流入した遊技球の進路を様々に変化させて上ステージ544上をランダムに遊動させることができる。よって、上ステージ544上での遊技球の挙動、その後の落下位置等が様々に変化するので趣向性が向上し、スペースの有効利用となる。また、上述したように、始動入球口507(図1の始動入球口7に対応するので図示略)に入賞すると特別遊技の可能性があるわけで、遊技者としては始動入球口507に入賞するか否かが大いに気にかかる。したがって、センター役物506のどの位置から遊技球が落下するかで、特に球誘導路544bから落下するかしないかで、一喜一憂することになる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
【0076】
この変更形態では進路変更部材を左右に往復移動させているが、上下、前後、斜めの移動や回転移動をさせてもよいし、これらの組合せでもよい。また、進路変更部材の移動速度を変化させたり、例えば遊技者に有利となる位置で一時停止させるといった移動、停止の変化をさせてもよい。スライド板、進路変更部材、モータ、歯車等の構造、個数、位置等も様々に変更可能である。次に、そうした変更の一例としてスライド板の枚数を3枚にした例を説明する。
【0077】
(変形例)
図38に示す変形例は駆動機構を若干変更したものであり、第5変更形態に対応する部品はダッシュを付し、追加要素について新たな番号を付与する。この例では上スライド板527’、中スライド板571及び下スライド板567’の3枚を使用している。第5変更形態と同様に、上スライド板527’は下面にラック歯529’を備え、下スライド板567’は上面にラック歯568’を備えている。一方、中スライド板571は、上下両面にラック歯572,573を備えている。そして、上スライド板527’のラック歯529’及び中スライド板571のラック歯572は、ステッピングモータ545’の出力軸547’に固着された歯車548’と歯合し、中スライド板571のラック歯573及び下スライド板567’のラック歯568’は、図示しないセンター役物の本体側に固定された軸ピン574に回動自在に支持される従動歯車575と歯合している。なお、図示は省略するが、下スライド板567’に立設された移動突起は中スライド板571の移動突起突出穴及び上スライド板527’の移動突起突出穴を共に貫通して延出され、中スライド板571に立設された移動突起は上スライド板527’の移動突起突出穴を貫通して延出される。
【0078】
以上の通りの構成により、上スライド板527’、中スライド板571及び下スライド板567’のそれぞれによって進路変更部材を移動させることができるので、趣向性が一層向上する。ステージ上に流入した遊技球の進路を様々に変化させてステージ上をランダムに遊動させることができる。よって、ステージ上での遊技球の挙動、その後の落下位置等が様々に変化するので趣向性が向上し、スペースの有効利用となる。
【0079】
進路変更部材としては、例えばステージ上に配された障害突起、障害釘等が例示されるが、それらを移動可能にすれば上記効果を向上できる。そこで、弾球遊技機では、前記進路変更手段として、前記ステージ上を移動する移動部材と、該移動部材を駆動する駆動機構とを設けている。移動部材は例えば一定の軌道に沿って周回あるいは往復することによってステージ上を移動する。この移動部材の移動は規則的でも不規則でもよいが、例えば規則的であったとしても、遊技球がステージ上に流入するタイミング自体が予測できないので、遊技球と移動部材との干渉状態はランダムとなる。
【0080】
(中央装置5の第6変更形態)
次にステージに遊技部材を設ける第6変更形態である中央装置605を図39〜図44を参照して説明する。なお、この形態のパチンコ機は、第5変更形態の中央装置505を進路変更部材に加えて搬送部材を設け、遊技球の挙動に変化を与えて趣向性を高め、中央装置のスペースの有効活用を図ることにある。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には上述変更形態と対応する要素には同じ品番に600番を加算し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0081】
図39に示す通り、センター役物606の上ステージ644には長円状の移動穴624が設けられている。なお、上ステージ644及び下ステージ646は、第5変更形態と同様に傾斜している。また、上ステージ644には、中央やや右寄りの移動穴624と球誘導路644bとの間に、球切り離し部材668が立設されている。移動穴624には6本の移動突起625が挿通されており、その移動突起625に支持される6個の進路変更部材623が上ステージ644上に配されている。詳細は後述するが、進路変更部材623は移動穴624に沿って上ステージ644上を周回する。その周回に際しての進路変更部材623と球切り離し部材668との最短距離は遊技球の半径を下回る。
【0082】
図40(a)(b)に示す通り、進路変更部材623は、表板626と裏板627とからなり、裏板627には移動突起625を挿入するための挿入穴628が設けられている。なお、6個の進路変更部材623中の3個は、表板626内に磁石629が封入されており、この磁石629にて遊技球を吸着することができる。
【0083】
上ステージ644の下側には、図41及び図42に示す通り、駆動機構670が内蔵されている。駆動機構670は各部を支持するための機構取付板657を備えている。この機構取付板657に固着されたモータ取付板679にはステッピングモータ645が取付けられており、ステッピングモータ645には駆動プーリ648が取付けられている。詳しくは、図42に示されるように、ステッピングモータ645の出力軸647に駆動プーリ648の軸固着穴649を嵌合させることによって、出力軸647と駆動プーリ648とが連結されている。
【0084】
図42に示す通り、機構取付板657に固着された取付部659には、フランジ状の支持部658を有する軸ピン674が立設されている。軸ピン674は従動プーリ671の軸着穴672を貫通しており、従動プーリ671は軸ピン674を中心にして回転自在である。なお、軸ピン674の先端に嵌合された止め部材673が、従動プーリ671の脱落を防止している。駆動プーリ648及び従動プーリ671の側面には歯車状の凸部675が設けられている。また、駆動プーリ648及び従動プーリ671は、側面下部にフランジ状のベルト支持部676を備えている。駆動プーリ648及び従動プーリ671には、凸部675と対応する凹部677を有するベルト678(図43参照)が巻回されており、凸部675と凹部677とが歯合している。また、ベルト678の上縁部には、前述した移動突起625が、ほぼ等間隔で立設されている。
【0085】
第6変更形態のパチンコ機では、その稼働中を通じてステッピングモータ645が稼働し、ベルト678を反時計回り方向に回動させている。したがって、移動突起625に支持された進路変更部材623は上ステージ644上を移動穴624に沿って反時計回りに周回している。図39に示す通り、球入口650a,650bに入球した遊技球があれば、その遊技球はワープ樋652a,652bによって遊動されて球出口653a,653bから上ステージ644上に放出される。上ステージ644は手前側にわずかに傾斜しているので、上ステージ644上に至った遊技球は下ステージ646に向かって転動することになる。ところが、図44に示す通り、その転動経路を横断するようにして、進路変更部材623が周回しているので、上ステージ644上を転動する遊技球の多くは進路変更部材623と接触あるいは衝突する。この際、磁石629を内蔵する進路変更部材623と接触あるいは衝突した遊技球は、磁石によって吸着されるものもある。また、磁石629(図40(a)(b)参照)を内蔵しない進路変更部材623と接触あるいは衝突した遊技球、あるいは磁石629に吸着されなかった遊技球の多くは上ステージ644から下ステージ646に落下し、下ステージ646上を遊動して凹部646bから落下したり、凹部646bに至る前に落下する。センター役物606の直下には始動入球口607が設置されているので、凹部646bに至る前に落下した遊技球よりも凹部646bから落下した遊技球の方が始動入球口607に入賞する可能性が高いと言える。
【0086】
一方、磁石629に吸着された遊技球は、進路変更部材623の周回に伴って搬送されるが、球切り離し部材668の付近に至ると球切り離し部材668(図44参照)と遊技球とが接触し、遊技球は磁石629による吸着から解放される。解放された遊技球のほとんどは球誘導路644bに流入し、その先端から落下する。また、磁石629に吸着されずに上ステージ644上を転動した遊技球の中にも、球誘導路644bに流入し、その先端から落下するものがある。球誘導路644bは始動入球口607(図1に始動入球口7に相当するので図示略)の真上に位置しているので、ここから落下した遊技球は、下ステージ646の凹部646bから落下した遊技球よりも始動入球口607に入賞する可能性が高いと言える。
【0087】
このように、上ステージ644上に流入した遊技球の進路を様々に変化させて上ステージ644上をランダムに遊動させたり、磁石629で吸着し、搬送して球誘導路644bの入り口付近で解放することもできる。よって、上ステージ644上での遊技球の挙動、その後の落下位置等が様々に変化するので趣向性が向上し、スペースの有効利用となる。また、上述したように、始動入球口607に入賞すると特別遊技の可能性があるわけで、遊技者としては始動入球口607に入賞するか否かが大いに気にかかる。したがって、センター役物606のどの位置から遊技球が落下するかで、特に磁石629に吸着、搬送されて球誘導路644bから落下するかしないかで、一喜一憂することになる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
【0088】
この変更形態では進路変更部材を周回移動させているが、上下、前後、斜めの移動や回転移動をさせてもよいし、これらの組合せでもよい。また、進路変更部材の移動速度や移動方向を変化させたり、例えば遊技者に有利となる位置で一時停止させるといった移動、停止の変化をさせてもよい。磁石によって吸着して搬送する構成としているが、他の手段で搬送してもよい。また、搬送部材(本第6変更形態の場合磁石629を内蔵する進路変更部材623)の数は1つ以上あればよく特に限定はない。移動穴、進路変更部材、モータ、ベルト等の構造、個数、位置等も様々に変更可能であり、例えば移動穴を複数設けてそれらに対応して進路変更部材を移動させてもよい。また、例えば、進路変更部材を着脱自在のアタッチメント式とすれば、遊技機の機種によって異なる形状、デザインの進路変更部材に容易に変更できる。さらに、ステージの数には限定はなく、例えば第5,6変更形態で示した下ステージを設けなくてもよいし、これら上下のステージとは異なる機能のステージを設けてもよい。動力源としてはステッピングモータ等のモータに限らず、ソレノイドやリニアモータ等でもよい。
【0089】
(中央装置5の第7変更形態)
図45〜図49に示す第7変更形態である中央装置705は、第6変更形態の中央装置605の進路変更部材や搬送部材に代えて野球盤の構造を組み込むとともに、ソフトウェアにも工夫を加え、また、図45に示す通り、遊技盤702における中央装置705の大きさや配置等が若干変更されているものである。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には上述変更形態と対応する要素には同じ品番に700番を加算し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0090】
図45ないし図47に示す通り、中央装置705の枠体732には液晶表示盤705a、LEDドットマトリクスを備える大小2つのLED表示盤705b,705c、背板734cに描かれたS、B、Oの文字に対応して配された複数のLED705dが装着されている。枠体732の内側には、下ステージ744、上ステージ746及び段差を形成する垂直板744aが設けられており、垂直板744aには球出口744bが開口している。下ステージ744は中央部に凹部746bを有しており、凹部746bには奥側から手前側に向うわずかな傾斜が設けられている。凹部746bの左右両側には凹部746bに向かって傾斜する傾斜部746aが設けられている。これら傾斜部746aに連接する端部746cもわずかに傾斜部746aに向かって傾斜している。したがって、下ステージ744上に遊技球があれば、その遊技球は、これらの傾斜によって凹部746bに向けて誘導され、凹部746bから手前側に落下することになる。
【0091】
上ステージ746には奥側から手前側に向うわずかな傾斜が付与されており、上ステージ746上には、野球場のダイヤモンドを模した図形が描かれている(図46及び図47参照)。上ステージ746上には1体の打者人形723と2体の守備人形725が配されている。打者人形723は、図48に示す通り、回転軸747を中心として設定範囲で往復回動する構造で、その回動に応じてバット部726が前後に揺動される。本第7変更形態では打者人形723の駆動源としてステッピングモータ(図示略)を使用しているが、他の形式のモータやロータリソレノイド等を駆動源とすることができる。また、守備人形725は上ステージ746に設けられた移動穴724内を往復移動する支柱727に取付けられており、移動穴724によって規制される範囲で上ステージ746上を往復移動する。本第7変更形態では、守備人形725を往復駆動するための機構として、周期的に正転、逆転するモータとラック・ピニオン機構(いずれも図示略)を採用しているが、これとは異なる構造としても構わない。
【0092】
図47に示す通り、上ステージ746の周囲は、フェンス728によって囲まれ、ヒットゾーン729、アウトゾーン759及び球出口758が設けられている。ヒットゾーン729及びアウトゾーン746は、上ステージ746からの一部の遊技球の受入口とされており、ヒットゾーン729に流入した遊技球は、各ヒットゾーン729に対応して上ステージ746の床下に設置されているヒットセンサ770(図47及び図49参照)によって検出されてから、球出口744bから下ステージ744上に流出し、アウトゾーン759に流入した遊技球は、センサ等で検出されることなく球出口744bから下ステージ744上に流出する。また、ヒットゾーン729の上縁は広告エリア772とされ、図47に例示するように、各ヒットゾーン729に対応して企業名や商品名等が描かれている。さらに、フェンス728と枠体732との間には多数の観客人形767が配されている。つまり、上ステージ746とその周囲は野球場を模した構造とされている。
【0093】
図47に示す通り、フェンス728の中央部の上縁にはLEDの広告保留灯774が4個配設されている。仕切部763には一対の球入口750a,750bが設けられ、球入口750a,750bには、枠体732の外面に沿って配されたワープ樋752a,752bが接続されている。このワープ樋752a,752bの他端は、図示しない経路によって球出口758に接続されており、球入口750a,750bに入った遊技球は球出口758から上ステージ746上に放出される。
【0094】
図47に示す通り、球出口758から上ステージ746上に放出された遊技球は、上ステージ746の手前側すなわち打者人形723側に転動し、タイミングが良ければ打者人形723のバット部726によって打撃される。打撃された遊技球のあるものはヒットゾーン729に流入するが、例えば守備人形725によって跳ね返されて上ステージ746から下ステージ744に落下するものや、アウトゾーン759に流入するものもある。これにより、遊技者は、自身が打者になったり野球を観戦しているような気分を味わえる。また、左飾り部731a及び右飾り部731cのそれぞれの側面には始動通過口754a,754bが開口しており(左飾り部731aの始動通過口754aは図示されない)、始動通過口754a,754bに流入した遊技球は、左飾り部731a及び右飾り部731cの下端部に設けられた出口(図示略)から下方へと落下する構造である。
【0095】
(第7変更形態において広告表示のソフトウェア制御を行なった形態)
広告ROM868には広告画像データが格納されており、この広告ROM868が主制御基板841に着脱でき、ROMの更新が可能である点で、図1のパチンコ機(図15参照)とは異なっている。また、図49に示す通り、端子基板853には、ヒットセンサ770が追加的に接続されている。主制御基板841は、ヒットセンサ770からのヒット信号、入賞球検知スイッチ822からの始動信号やその他の入賞口等からの入賞信号を取得でき、開閉板708aの開閉をはじめとして遊技盤702に設置されている入賞装置等の動作を制御することができる。さらに液晶表示盤705a、LED表示盤705b,705c、LED705dの表示を制御することができる。以下の説明では、ステップをSと略記する。図50に示す判定ルーチンは、周知のものであり、始動入球があったかどうか判定し(S201)、当否判定を行ない(S202)、当否判定に伴い液晶表示盤705aに表示を指示し(S203)、当たりであるかどうか判定し(S204)、当たりであれば特別遊技を行なう(S205)ものである。
【0096】
図51に示す通り、所定の広告条件が成立したとき、主制御基板841は、ヒットセンサ770からのヒット信号が入力されていれば(S301:YES)、そのヒット信号を送ってきたヒットセンサ770の位置(ヒットゾーン729の位置)をRAM862の設定されたエリアに記憶することにより、ヒット信号があったことを記憶し、広告保留灯774を1個点灯させる(S302)。なお、本形態では、このヒット信号有りの記憶は最大4個まで記憶され、すでに4個の記憶があれば5個目以降は記憶されない。ヒット信号がなかったとき(S301:NO)またはS302の処理に続いて、主制御基板841は、RAM862にヒットセンサ770の位置が記憶されているか否かを判断し(S303)、もしこの記憶があれば(S303:YES)、その記憶のうちで最も古いものを読み出し、そのヒットセンサ770の位置に対応付けられている広告画像データを広告ROM868から読み出して、特別図柄制御基板870に転送し、表示を指示する(S304)。ここで選択される広告画像データは、ヒットゾーン729上に描かれている広告と対応している(例えばヒットセンサ770の位置に対応するヒットゾーン729上に△△銀行の広告が描かれているときには、△△銀行の広告画像データが選択される)。
【0097】
そして、その最も古いヒットセンサ770の位置の記憶をRAM862から削除し、広告保留灯774を1個消灯させて(S305)、本処理を終了する。また、主制御基板841は、ヒットセンサ770の位置の記憶が無かったとき(S303:NO)には、そのまま広告処理を終了する。
【0098】
広告画像データを受け取った特別図柄制御基板870は、図52に示す通り、次のようにして液晶表示盤705aに広告画像を表示させる。なお、1件の広告は約10秒で終了するように設定されており、1件の広告画像の表示はその設定時間を経過すれば終了とされる。図52に示す通り、特別図柄制御基板870は、液晶表示盤705aで図柄の変動表示中か否かを判断し(S401)、変動中でなければ(S401:NO)特別遊技中か否かを判断する(S402)。特別遊技中でなければ(S402:NO)、特別図柄制御基板870は、図53(a)に示される第1態様(広告画像のみ)で、液晶表示盤705aに広告画像を表示させる(S403)。もし特別遊技中なら(S402:YES)、特別図柄制御基板870は、図54(b)に示されるように広告画像を液晶表示盤705aの画面全体に表示し、その右上隅にラウンド数(図では16Rと表示されている)を表示する第4態様で、液晶表示盤705aに広告画像を表示させる(S404)。
【0099】
また、変動表示中であれば(S401:YES)、特別図柄制御基板870はリーチか否かを判断する(S405)。リーチでなければ(S405:NO)、特別図柄制御基板870は、図53(b)に示されるように広告画像を液晶表示盤705aの画面全体に表示し、その右上隅に当否表示用の図柄(図では左図柄の7が静止して、中及び右図柄は変動中)を表示する第2態様で、液晶表示盤705aに広告画像を表示させる(S406)。
【0100】
一方、リーチであれば(S405:YES)、特別図柄制御基板870は、図54(a)に示されるように液晶表示盤705aの右上隅に広告画像を表示し、液晶表示盤705aの中央部に当否表示用の図柄(図では左及び右図柄の7が静止して、中図柄は変動中のリーチ状態)を表示する第3態様(図54(a)参照)で、液晶表示盤705aに広告画像を表示させる(S407)。続いて、特別図柄制御基板870は、図柄表示が確定するまでは(S408:NO)第3態様を継続させ(S407)、図柄表示が確定したなら(S408:YES)、当否結果を判定する(S409)。
【0101】
ここで当たりであれば(S409:YES)、第4態様で、液晶表示盤705aに広告画像を表示させ(S404)、外れなら(S409:NO)、第2態様(図53(b)参照)で、液晶表示盤705aに広告画像を表示させる(S410)。これらS403、S404、S406またはS410の処理の後、特別図柄制御基板870は、前述の設定時間の経過を待って広告画像の表示を終了させて、本処理を終了する。なお、広告画像を表示させないときは、図55に示す通り、当否判定図柄のみが表示される。
【0102】
これら広告画像の表示態様は例示であって、他の態様でも構わない。例えば、図56(a)(b)に示されるように広告画像を画面の下方から上方にむけてスクロールさせたり、図57(a)に示されるように広告画像を画面の右辺に沿って下方から上方にむけてスクロールさせたり、図57(b)に示されるように広告画像を画面の右辺から上辺に沿ってスクロールさせる等の態様も可能である。また、図58に示されるように、広告画像を背景として当否表示図柄をスーパーインポーズ表示することも可能である。このとき、例えば当否表示図柄を縮小や細線化することにより広告画像を見やすくする等の処理をおこなってもよい(この図58の例では縮小と細線化の両方の処理が施されている)。
【0103】
このように、ヒットゾーン729に入球すると、その位置に応じて選定された広告画像(ヒットゾーン729上に描かれている広告と対応する広告画像)が表示されるので、パチンコ遊技に関連させて広告画像を表示することができ、広告表示の実行が単調になることを防止でき、それによって興趣を向上することができる。また、その表示の態様が複数あって、パチンコ遊技の状況に応じて適宜選択、変更されるので広告表示に変化を与えることができ、興趣を向上できる。特に、本形態の場合には、ヒットゾーン729と広告との対応が予め決められているので、遊技者に対して、遊技者所望の広告に対応するヒットゾーン729に入球することを期待させることができる。そして、始動入球口707だけではなく、広告表示のためのヒットゾーン729への入球にも注目させることができ、より一層興趣を高めることができる。実際の野球場では、プレーを再現したり広告を表示するための大型ディスプレイが設置されていることが多いが、本形態の場合には、センター役物706の上ステージ746上に野球場を模した構造が採用され、液晶表示盤705aに広告が表示されるので、実際の野球場に似た臨場感を与えることができる。
【0104】
また、本変形形態ではヒットゾーン729に入球があった場合の賞球の払出しは行われないが、ヒットゾーン729への入球に基づいて賞球の払出しを行ってもよい。また、広告表示をするかしないかの決定を大当たりの発生に基づいて行ってもよい。この場合、広告表示の有無を大当たり図柄に関連させることが考えられる。具体的には、確率変動図柄やラッキーナンバー図柄などの特別図柄で大当たりが発生したときに限って広告表示を行ったり、あるいはこれらを除く普通図柄で大当たりが発生したときに限って広告表示を行ったりすることが考えられる。
【0105】
広告画像表示手段としては、液晶表示盤、CRT、ドットマトリクス等を備える表示装置が例示される。広告画像は、文字画像、動画、静止画、これらの組合せ等さまざまにできる。その内容としては、企業や商品、サービス等の商業広告、官公庁の広報のような公的な通知、マスメディアから配信されるニュース等が例示される。
【0106】
広告変動条件は、弾球遊技の実行によって生じる事象であればよい。例えば入球口や通過口(通過ゲートともいう)等を広告変動領域として設定しておいて、そこを通過する遊技球をセンサやスイッチなどで検出したときに広告変動条件の成立とすればよい。また、周知のリーチになったときとか、大当たりが発生したとき等に広告変動条件の成立としてもよいし、遊技盤面に撃ち込まれた遊技球の個数が設定個数(例えば1,000発)になる毎に広告変動条件の成立としてもよい。もちろん、これら以外でも構わない。遊技者は、例えば自分の好みの、あるいは自分が知りたい商品等の広告画像を表示させるために、広告変動領域に設定されている特定の入賞口等を狙って遊技球を発射する等があり、弾球遊技の興趣を向上させることにもなる。
【0107】
広告画像の変化としては、広告内容の変更(例えばX会社の広告からY会社の広告に切り換える)、広告内容は変更せずに表示態様の変更(例えばX会社のままで、画像の一部を拡大、縮小などによって変形、広告画像を例えば動画から静止画に変更、スクロール方向を縦から横に変更等)、画面上での表示位置や表示サイズの変更等が例示される。なお、広告変動領域として設定された入球口や通過口等を複数設けておき、Aの入球口に入球したらX会社の広告画像を表示し、Bの入球口に入球したらY会社の広告画像を表示するといった構成も可能である。
【0108】
広告画像の画像データは、ROMのほか各種の記憶媒体に格納しておいて、これを逐次読み出して使用してもよいし、例えば遊技店のホールコンピュータから各弾球遊技機に送出したり、遊技店外の設備(ホストやサーバ等)から有線、無線の電話回線等を介してホールコンピュータに送信しこれを各弾球遊技機に供給してもよい。なお、ROM等の記憶媒体を使用する場合には、これを更新可能にすることにより、例えば新製品の発売に合わせたり、季節や流行に応じた広告画像を表示することができる。記憶媒体としては、この他にCD−ROM、光磁気ディスク(MOディスク、DVD)等の一般的な種々なものを利用することが可能である。
【0109】
また、予め設定されている判定実行条件が成立すると当たり外れを判定する判定手段、この判定を表示する判定表示手段、この判定が当たりであったことに起因して遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段を備えるものがある。判定表示手段としては、液晶表示盤、CRT、ドットマトリクス等を有する表示装置が使用されることが多く、前述のように、これらは広告画像表示手段としても使用できる。
【0110】
予め設定されている判定実行条件が成立すると当たり外れを判定する判定手段と、該判定が当たりであったことに起因して遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段とを設け、画像制御手段は判定結果の表示を前記広告画像表示手段に指示し、該広告画像表示手段は該指示された判定結果を表示する構成としている。このように構成すれば、上述したような表示装置を備える弾球遊技機をわずかに改良するだけで(例えば画像データを格納しているROMを増設して、表示装置を制御するためのソフトウェアを変更する程度で)、本発明を実施できる。よって、特別な装置や部品を用いる必要はなく、開発、設計、製造等の工程での新規な負担も少なくて済む。さらに、広告画像の表示によって広告主から広告料を取得する場合には、それに見合うだけ弾球遊技機の販売価格を安くすることも可能になる。
【0111】
(第7変更形態の中央装置において、広告内容を更新する形態)
上記変更形態では広告ROM868を更新することによって広告内容を更新する構成としているが、図59に示す通り、広告内容の更新に当たって通信回線を利用することが可能であり、その一例を説明する。電話回線などの公共通信回線に接続された広告管理装置を遊技場に設置し、この広告管理装置が広告データを例えば定期的に受信して遊技上内の各弾球遊技機に配信する構成である。この例では、広告管理装置は、受信した広告データを一旦記憶し、回線接続を終了してから各弾球遊技機に広告データを配信して記憶させる。各弾球遊技機は、その広告データを使用して広告画像を表示する。このような広告管理装置は、例えばパーソナルコンピュータを利用して実現できるし、ホールコンピュータが兼用してもよい。また、広告データの受信には、インターネットを利用することもできる。この広告データの配信は、広告主が直接行ってもよいし、例えば遊技機製造業者などを介して行ってもよい。
【0112】
上記した通り、遊技盤面に撃ち込まれた遊技球の挙動により入賞等が成立したことに起因して遊技者に遊技上の価値を与えるパチンコ機701(図45参照)において、広告画像を表示する広告画像表示手段と、弾球遊技の実行によって予め設定されている広告変動条件が成立したことに起因して前記広告画像の変化または表示、非表示の切り換えを前記広告画像表示手段に指示する画像制御手段とを設けたので、弾球遊技に関連させて広告画像を表示することができ、それによって興趣を向上することができる。上記変更形態では、主制御基板841は画像制御手段及び判定手段として機能し、アタッカー708と協動して特別遊技実行手段としても機能している。また、主制御基板841の広告ROM868が画像記憶手段に該当している。そして、特別図柄制御基板870と液晶表示盤705aとが協働して広告画像表示手段として機能している。
【0113】
(第7変更形態の中央装置を備えたパチンコ機についてのソフトウェアの第1変形例)
本変形例は、図62及び図63に示す通りのソフトウェアの変更を行ない、これに伴い遊技盤構成も図60及び図61に示す通り変更したものである。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には上述変更形態と対応する要素には同じ品番にダッシュを付加し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。ここでは、図60に示す通り、周知のチューリップ型の可変入賞装置である始動入球口707’に加えて、同じく周知のチューリップ型の可変入賞装置709a、709b、709c、開閉板708a’によって開閉される大入賞口と2つの入球口710’,712’を有するアタッカー708’が配されている。図61に示す通り、上ステージ746’の周囲は、フェンス728’によって囲まれ、受入口に該当する単打ゾーン729、2塁打ゾーン748並びにホームランゾーン759と球出口758’が設けられている。これら単打ゾーン729、2塁打ゾーン748及びホームランゾーン759は、上ステージ746’からの一部の遊技球の受入口とされており、これらに流入した遊技球は、各ゾーン729、748、759に対応して上ステージ746’の床下に設置されているゾーンセンサ770a、770b、770c(図61中においてカッコ書きで示す)によって検出されてから、遊技盤702’の背面側に流出する。
【0114】
図61に示す通り、球出口758’から上ステージ746’上に放出された遊技球は、上ステージ746’の手前側すなわち打者人形723’側に転動し、あるものは守備人形725’に接触して進路を変更される。そして、タイミングが良ければ打者人形723’のバット部726’によって打撃される。打撃された遊技球のあるものは単打ゾーン729、2塁打ゾーン748またはホームランゾーン759に流入するが、例えば守備人形725’によって跳ね返されて上ステージ746’から下ステージ744’に落下するものもある。このように具体的に試合を模した構成により、自身が打者になったり野球を観戦しているような気分を味わえる。なお、この第1変形例において、図49に示す回路構成を若干変更した回路構成としている。回路の構成の図示は略すが、異なる点は、主制御基板841’(図49に示す主制御基板841に対応するので図示略)には、可変入賞装置709a、709b、709c(図60参照)に設けた球通過検知センサ(図示略)と、ゾーンセンサ770a〜770c(図61中カッコ書きで示す)が接続され、始動入球口707’(図60参照)、可変入賞装置709a、709b、709c及びアタッカー708’の開閉を制御できることである。
【0115】
主制御基板841’がパチンコ機701’の稼動中を通じて繰り返し実行する遊技制御メイン処理を図62及び図63を参照して説明する。図62に示す通り、主制御基板841’は、まず特典付与サブルーチンを実行する(S500)。主制御基板841’は始動入球口707’からの始動入賞信号が入力されているか否かを判断し(S520)、始動入賞信号が入力されていれば(S520:YES)、保留記憶が4個ある(保留満杯)か否かを判断する(S530)。保留記憶が3個以下なら(S530:NO)、主制御基板841’は当たり外れの判定を行う(S540)。ここでは、判定用乱数生成用カウンタのカウント値が当たり値(例えば7)と一致するか否かによって行われる。
【0116】
次に、主制御基板841’は、液晶表示盤705a’において当たり外れの結果を表示できるか否かを判断する(S550)。本変形例では、後述する特別遊技の実行中のとき又は液晶表示盤705a’が当たり外れを示す図柄を変動表示中のときには表示不可(S550:NO)と判断される。表示可能であれば(S550:YES)、主制御基板841’は、判定が当たりなら当たりを示す特別図柄(例えば777のように3桁揃った図柄)を、外れなら外れ特別図柄(例えば278のように3桁揃ってはいない図柄)を液晶表示盤705a’に指示する(S560)。液晶表示盤705a’に3桁の図柄を変動表示し、例えば左、右、中の順に停止して主制御基板841’から指示された3桁の図柄を表示する。
【0117】
表示不可(S550:NO)なら、主制御基板841’は保留ランプを1個追加点灯させ(S570)、S540での判定結果を保留記憶として記憶する(S580)。一方、始動入賞信号が入力されていなければ(S520:NO)、主制御基板841’は保留記憶があるか否かを判断する(S590)。保留記憶があれば(S590:YES)、前述のS550と同様に表示の可不可を判断し(S600)、表示可能であれば(S600:YES)、S560と同様に、当たり特別図柄又は外れ特別図柄を液晶表示盤705a’に指示し(S610)、ここで表示を指示した保留記憶を抹消する(S620)。
【0118】
また、S560、S580又はS620の処理の後、あるいは保留記憶が4個あったとき(S530:YES)、保留記憶がなかったとき(S590:NO)、表示不可のとき(S600:NO)には、S630に移行して、例えば特別遊技に関する処理やその他のパチンコ遊技に必要な各種の処理を行ってから、遊技制御メイン処理を一旦終了する。
【0119】
図63に示す通り、前述した特典付与サブルーチンでは、主制御基板841’は、ゾーンセンサ770cからの遊技球検出信号が入力されているか否か、すなわちホームランゾーン759を通過した遊技球があるか否かを判断する(S501)。ホームランゾーン759を通過した遊技球があれば(S501:YES)、主制御基板841’は、3つの可変入賞装置709a、709b、709cを同期して開放(拡幅)させる(S502)。ホームランゾーン759を通過した遊技球がなければ(S501:NO)、主制御基板841’は、ゾーンセンサ770bからの遊技球検出信号が入力されているか否か、すなわち2塁打ゾーン748を通過した遊技球があるか否かを判断する(S503)。2塁打ゾーン748を通過した遊技球があれば(S503:YES)、主制御基板841’は、2つの可変入賞装置709a、709bを同期して開放させる(S504)。
【0120】
また、2塁打ゾーン748を通過した遊技球がなければ(S503:NO)、主制御基板841’は、ゾーンセンサ770aからの遊技球検出信号が入力されているか否か、すなわち単打ゾーン729を通過した遊技球があるか否かを判断する(S505)。単打ゾーン729を通過した遊技球があれば(S505:YES)、主制御基板841’は、1つの可変入賞装置709bを開放させる(S506)。
【0121】
そして、単打ゾーン729を通過した遊技球がなかったとき(S505:NO)あるいはS502、S504又はS506の処理の後、主制御基板841’は、特典付与サブルーチンを抜けて遊技制御メイン処理に戻る。なお、可変入賞装置709a、709b、709cの開放時間は約0.5秒で、可変入賞装置709a、709b、709cの入賞に対しては各々7個の賞球が払出される。
【0122】
この変形例のパチンコ機701’では、図61に示す通り、進路変化部材としての打者人形723’によって弾かれた遊技球がホームランゾーン759を通過すると可変入賞装置709a、709b、709cが開放され、2塁打ゾーン748を通過すると可変入賞装置709a、709bが開放され、単打ゾーン729を通過すると可変入賞装置709bが開放されるので、遊技球がホームランゾーン759、2塁打ゾーン748、単打ゾーン729のどれに入球するかにより、遊技者が得る特典が変化し、ゲーム性がより複雑になり、興趣が向上する。また、複数の受入口(ホームランゾーン759、2塁打ゾーン748、単打ゾーン729)毎に異なる特典が付与されるので、遊技者にとってより有利な受入口ヘの入球の期待を与えることができ、これによっても趣向性の向上が可能になる。受入口に入球したときに特典が付与される場合と付与されない場合があったり、遊技者の期待通りの特典が付与されたり遊技者の期待とは違う特典が付与されることがあるので、趣向性の向上になる。受入口を複数にしてあるので、予め受入口毎に特典を決めておいて、遊技球が入球した受入口に応じて特典を選択できる。遊技者は自分が期待する特典に対応する受入口への入球を願うが、必ずしも期待通りにはならないわけで趣向性が向上する。なお、受入口の種類によらず、全ての可変入賞装置709a〜709cを開放し、開放回数や開放時間を異ならせることによって特典付与の態様に変化を与えてもよい。開放回数の場合、例えばホームランゾーン759なら3回、2塁打ゾーン748なら2回、単打ゾーン729なら1回とし、開放時間の場合、例えばホームランゾーン759なら2秒、2塁打ゾーン748なら1秒、単打ゾーン729なら0.5秒とする等、さまざまにできる。そして、これらの場合は可変入賞装置の個数を削減できる。遊技盤704’から受け入れた遊技球を、打者人形723’がその進路を変化させるので、上ステージ746’での遊技球の遊動経路が複雑なものになる。球入口750a’,750b’を複数設ければどこに入球するか予想がつかない。上ステージ746’は遊技球を上流側から下流側へと誘導する構造であり、打者人形723’は球出口758’よりも相対的に下流側に配されて上ステージ746’の遊技球の進路を下流側から上流側に変化させることを特徴とする。このため、上ステージ746’を遊動する遊技球の内、あるものは、上流側から下流側に遊動し、あるものは下流側から上流側に進路を変化させられる。よって、遊技球を単に上流側から下流側へと誘導する場合に比べて、遊技球の経路が変化に富んだものになり、趣向性が高まる。また、センター役物706’の一部を表示面の配置用に使用することで、遊技盤上の限られたスペ−スを有効利用できる。上記述べた通り、主制御基板841’が、特典付与サブルーチンを実行することで可変入賞装置709a、709b、709cと協働して特典付与手段として機能している。この特典付与手段は、受入ロヘの入球を契機として付与の可否が決められるかまたは複数態様から選択される遊技上の特典を遊技者に付与するので趣向性が高められる。
【0123】
なお、可変入賞装置709a、709b、709cのいずれか2つ以上を開放する場合、必ずしも同期させる必要はなく、互いに開放時間や開放するタイミングが異なってもよい。特典が付与されない受入口(例えば「アウト」の受入口)を設けてもよい。また、可変入賞装置709a、709b、709cの非動作時の入球については、釘配列次第で可能とすることも、或いは不可能とすることもできる。
【0124】
(第7変更形態の中央装置を備えたパチンコ機についてのソフトウェアの第2変形例)
本変形例は、第1変形例のソフトウェアの変更を行なったものである。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。主制御基板841’が実行する遊技制御メイン処理は同じである。
【0125】
図64に示す通り、この変形例2における特典付与サブルーチンにおいて、主制御基板841’は、ゾーンセンサ770cからの遊技球検出信号が入力されているか否か、すなわちホームランゾーン759を通過した遊技球があるか否かを判断する(S701)。ホームランゾーン759を通過した遊技球があれば(S701:YES)、主制御基板841’は、上限(本変形例では4個)を超えない範囲で最大3個の保留ランプ761’を追加点灯させる(S702)。詳しくは、既に点灯されている保留ランプ761’が0または1個なら3個の保留ランプ761’を追加点灯させ、既に点灯されている保留ランプ761’が2個なら2個の保留ランプ761’を追加点灯させ、既に点灯されている保留ランプ761’が3個なら1個の保留ランプ761’を追加点灯させ、既に保留ランプ761’が4個とも点灯されていれば追加点灯させない。
【0126】
続いて、主制御基板841’は、S702で追加点灯させた保留ランプ761’の個数分だけ当たり外れの判定を行う(S703)。この判定は、主制御基板841’に内蔵されている判定用乱数生成用カウンタのカウント値に基づいて行われ、例えば3個の保留ランプ761’を点灯させたとすると、そのときのカウント値が当たり値と一致するか否かによって1つ目の判定を行い、そのカウント値に例えば1を加えた値が当たり値と一致するか否かによって2つ目の判定を行い、そのカウント値に例えば2を加えた値が当たり値と一致するか否かによって3つ目の判定を行う。なお、判定の手法はこれに限らない。
【0127】
次に、主制御基板841’は、それらの判定結果を保留記憶として記憶する(S704)。なお、保留記憶の記憶個数は4個までであり、保留ランプ761’の個数と対応している。ホームランゾーン759を通過した遊技球がなければ(S701:NO)、主制御基板841’は、S702〜S704を実行しないで、ゾーンセンサ770bからの遊技球検出信号が入力されているか否か、すなわち2塁打ゾーン748を通過した遊技球があるか否かを判断する(S705)。2塁打ゾーン748を通過した遊技球があれば(S705:YES)、主制御基板841’は、上限(本変形例では4個)を超えない範囲で最大2個の保留ランプ761’を追加点灯させる(S707)。詳しくは、既に点灯されている保留ランプ761’が2個以下なら2個の保留ランプ761’を追加点灯させ、既に点灯されている保留ランプ761’が3個なら1個の保留ランプ761’を追加点灯させ、既に保留ランプ761’が4個とも点灯されていれば追加点灯させない。
【0128】
続いて、主制御基板841’は、判定用乱数生成用カウンタのカウント値に基づき、S707で追加点灯させた保留ランプ761’の分の当たり外れの判定を上述のS703と同様に行い(S708)、その結果を保留記憶として記憶する(S709)。そして、S709の処理の後または2塁打ゾーン748を通過した遊技球がなかった場合には(S705:NO)、主制御基板841’は特典付与サブルーチンを抜けて遊技制御メイン処理に戻る。このように、ホームランゾーン759または2塁打ゾーン748を通過した遊技球があると、保留記憶が満杯(本変形例では4個)でない限り、当たり外れの判定が行われる。図柄変動の始動機会が遊技者に与えられ易くなり、始動入球口707’への入賞以外で当たりすなわち特別遊技の可能性を与えられることになるので、遊技が単調になるのを防止できる。特に、保留記憶数が設定値(例えば3個あるいは4個)に達すると図柄変動時間が短縮される場合や当たりと判定される確率が向上する場合には、遊技者がこうした特典を得やすくなり、遊技が単調になるのを防止する効果は大きい。
【0129】
(第7変更形態の中央装置を備えたパチンコ機についてのソフトウェアの第3変形例)
本変形例は、第1変形例のソフトウェアを図66に示すフローチャートに変更するとともに、図60に示すパチンコ機のセンター役物706’を図65に示すセンター役物706”で置換したものであり、これは、図47の第7変更形態のセンター役物706とほぼ共通の構成でありアウトゾーンとヒットゾーンの配置以外の構成は同変更形態と同様であるので、共通の部分については同じ品番にダブルダッシュを付して説明を適宜省略する。
【0130】
図65に示す通り、センター役物706”のフェンス728”には、受入口に該当するアウトゾーン759”及びヒットゾーン729”が設けられ、上ステージ746”上を手前側から奥側に向かって移動した遊技球の中には、これらアウトゾーン759”、ヒットゾーン729”のいずれかに流入するものがある。ヒットゾーン729”に流入した遊技球は、上ステージ746”の床下に設置されているゾーンセンサ770”(図65中かっこ書きで示す)によって検出されて、アウトゾーン759”に流入した遊技球はそのまま、遊技盤702”の背面側に流出する。
【0131】
次に、主制御基板841”が遊技制御メイン処理(図62に示される変形例と同様であるので図示と説明は省略)のサブルーチンとして実行する特典付与サブルーチンについて説明する。図66に示す通り、特典付与サブルーチンでは、主制御基板841”は、ゾーンセンサ770”からの遊技球検出信号があるか否か、すなわちヒットゾーン729”を通過した遊技球があるか否かを判断する(S801)。ゾーンセンサ770”からの遊技球検出信号がなければ(S801:NO)、特典付与サブルーチンを抜けて遊技制御メイン処理に戻る。
【0132】
図66に示す通り、ヒットゾーン729”を通過した遊技球があれば(S801:YES)、主制御基板841”は、内蔵の抽選用カウンタ(0〜9の整数値を昇順に繰り返しカウントする)のカウント値に基づいて抽選を行い(S802)、普通図柄表示装置760”を変動表示させてからそのカウント値に対応する数字を静止表示させる(S803)。そして、この静止表示させた数字が何であったかにより(すなわち抽選結果に基づいて)、可変入賞装置709a”、709b”、709c”の開放数を決める(S804)。つまり、静止表示させた数字が7であれば可変入賞装置709a”、709b”、709c”を同期して開放させ(S805)、5であれば可変入賞装置709a”、709c”を同期して開放させ(S806)、3であれば可変入賞装置709b”を開放させる(S807)。もし、7、5、3以外なら何も行わずに特典付与サブルーチンを抜けて遊技制御メイン処理に戻る。また、S805、S806又はS807のいずれかを実行した後も特典付与サブルーチンを抜けて遊技制御メイン処理に戻る。なお可変入賞装置709a”、709b”、709c”の開放時間及び賞球数は第1変形例と同様である。
【0133】
この変形例では、遊技球がヒットゾーン729”を通過すると抽選が行われ、その抽選結果に応じて可変入賞装置709a”、709b”、709c”が開放されるので、遊技者が得る特典が変化し、ゲーム性がより複雑になり、興趣が向上する。なお、抽選結果に応じて開放回数や開放時間を異ならせてもよい。開放回数の場合、例えば抽選が7なら3回、5なら2回、3なら1回とし、開放時間の場合、例えば7なら2秒、5なら1秒、3なら0.5秒とする等、さまざまにできる。
【0134】
また、可変入賞装置709a”、709b”、709c”のいずれか2つ以上を開放する場合、必ずしも同期させる必要はなく、互いに開放時間や開放するタイミングが異なってもよい。この変更形態では、主制御基板841”が、特典付与サブルーチンを実行することで可変入賞装置709a”、709b”、709c”と協働して特典付与手段として機能している。
【0135】
(中央装置5の第8変更形態)
図67〜図72に示す第8変更形態である中央装置805は、第5変更形態である中央装置505の下ステージを移動可能に配設し、ステージを駆動する駆動機構を設け、上ステージの移動部材を取り除く等、変更したもので、特にステージを、ステージ上に遊技球を貯留する貯留位置と、貯留していた遊技球を盤面側に落下させる放出位置とに移動可能としたことを特徴とする。枠体の内側には表示装置の表示面が配され、放出口は、該表示面の下辺付近において上向きに開口している。これにより、中央装置の内部における遊技球の挙動、特に遊技球の落下位置あるいは落下方向に変化を与えて弾球遊技の興趣を高めることができる。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には第5変更形態と対応する要素には同じ品番に300番を加算し対応づけて800番台として説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0136】
図67〜図70に示す通り、枠体832の向かって左側の壁板834aには、上ステージ846の上側かつ進入防止部材826よりも手前側に球出口853aが設けられている。また、上ステージ846には、進入防止部材826と背板834cとの間に放出口825が設けられている。図68に示す通り、ワープ樋852bの下端は、放出口825の下側に連接された保留部857に接続されており、球入口850bに入った遊技球はワープ樋852bを経て保留部857に運ばれる。
【0137】
図68〜図70に示す通り、保留部857内には、奥側が高く手前側が低い傾斜面858を有する放出部材859が摺動自在に挿通されている。この放出部材859の下端は電磁ソレノイド845のプランジャ847に連結されており、電磁ソレノイド845に通電していないときには、図68及び図69に示される通りリターンスプリング848によって下降位置とされ、電磁ソレノイド845に通電した際には、図70に示される通りプランジャ847に突き上げられて上昇位置とされる。このため、放出部材859が下降位置にあるときには、図68及び図69に示される通り保留部857内に遊技球を受け入れ、保持可能であり、放出部材859を上昇位置にすれば、図70に示される通り保留部857から遊技球を突き上げて進入防止部材826の手前側に放出できる。
【0138】
図67〜図71に示す通り、下ステージ844は、傾斜部846aと、凹部846b,左右端部に端部846cを有する上面板864と、ここから垂下される前面板865とからなり、図71に示される通り、上面板864には奥側に突出する中央移動突起866、左移動突起867及び右移動突起868が設けられている。一方、図67に示す通り、上ステージ846の垂直板844aには移動溝870a、870b、870cが設けられており、これら中央移動突起866、左移動突起867及び右移動突起868を昇降可能に挿通させている。
【0139】
図69及び図70に示す通り、下ステージ844の中央移動突起866には、リンク部材872の取付部873が接着されている。図71及び図72に示す通り、リンク部材872には長穴のピン係合穴874が設けられており、ピン係合穴874にはカム円盤875に立設されたピン876が挿通されている。このカム円盤875の軸固定穴877にはモータ878の出力軸879が嵌合されており、カム円盤875はモータ878によって回転駆動される。そして、図69及び図70に示す通り、モータ878は、取付脚871(形状は図71参照)を介して上ステージ846の垂直板844aの裏面に固定されている。こうした構成により、図72(a)(b)(c)も示す通り、モータ878を稼働させると、カム円盤875が回転し、それに伴ってピン876が円軌道に沿って移動する。このピン876の移動に伴ってリンク部材872が昇降移動し、そのリンク部材872に連結されている下ステージ844が昇降移動する。パチンコ機の稼働中を通じてモータ878が稼働し、下ステージ844が昇降を繰り返す構成となっている。なお、本変更形態ではリンク部材872の取付部873が下ステージ844の中央移動突起866に接着されているが、両部材873、866の連結手段として例えばビス止めや嵌合等の一般的な種々の技術を適用可能である。
【0140】
このパチンコ機においては、図67〜図69に示す通り、中央飾り部831bの球入口850aに入った遊技球はワープ樋852aを経て球出口853aから上ステージ846上に排出される。また球入口850bに入った遊技球はワープ樋852bを経て保留部857に運ばれ、電磁ソレノイド845への通電により放出部材859が上昇位置にされると保留部857から放出口825を通って放出され、進入防止部材826を乗り越えて上ステージ846上に落ちる。この際、放出口825から放出された遊技球は、あたかも表示部838から飛び出したかのように見えるので、その挙動によって興趣を高めることができる。
【0141】
いずれかの経路で上ステージ846上に至った遊技球は、上ステージ846上を転動して下ステージ844上に落下し、さらに下ステージ844から下方に落下することになる。その際に、下ステージ844が上述したように昇降していると、下ステージ844が上昇しているときには始動入球口807(図1の始動入球口7に対応するので図示略)との距離が遠くて下ステージ844から落下した遊技球が始動入球口807に入賞する可能性は低いが、下ステージ844が例えば下降端にあるときには始動入球口807との距離がきわめて近くなり下ステージ844から落下した遊技球が始動入球口807に入賞する可能性は高い。よって、遊技者は、上ステージ846及び下ステージ844上での遊技球の進路と下ステージ844の昇降位置とを見比べては一喜一憂することになり、パチンコ遊技の興趣を高めることができる。また、下ステージ844を昇降させるので、斬新で且つ趣向性の高いパチンコ遊技を提供できる。さらに、遊技者が下ステージ844の状態を見れば始動入球口807に入賞しやすい状態か否かを容易に判断できる。
【0142】
なお、ステージの数は一つでも複数でもよく、複数のステージの一部あるいは一つのステージを複数部分に分割した一部だけを移動させてもよい。駆動機構は、例えばモータやソレノイド等を駆動源にして、梃子、ギヤ、ベルト等の伝達手段を用いることによって実現できる。もちろん、これらは例示であり、他の構成でも構わない。ステージの移動方向は、例えば昇降移動、左右や前後の水平移動、ステージの一部例えば前端側を軸としての揺動移動などが例示される。また、ステージを複数部分に分けて、それぞれを独立に移動させることもできる。例えば昇降移動させる場合、ステージが下降したときにはステージからの落下位置が下方の入賞装置に近くなるわけで、入賞し易くなると言える。また例えばステージを左右二部分に分割して全体としてV字状になったり水平あるいは山型になるように移動させることもでき、V字状になったときには遊技球は正確に中央から落下するので、やはり下方の入賞装置に入賞し易くなると言える。さらに、例えば設定された条件が成立したときや設定された遊技状態(例えば時短や確変等)になったときに、遊技者に有利になる位置でステージを静止させたり、そのような位置にとどまる時間を長くしてもよい。あるいは、ステージ上に遊技球を貯留する貯留位置と貯留していた遊技球を盤面側に落下させる放出位置とに移動可能としてもよい。これにより、複数の遊技球を一旦貯留して一気に落下させたり、遊技球を間欠的に落下させることができるので、弾球遊技の興趣を高めることができる。さらに、本変更形態の枠体832の内側には液晶表示盤の表示部838が配されるのが普通で、放出口825は、表示部838の下辺付近において上向きに開口している。このように構成すると、放出口825から放出された遊技球があたかも表示部838から飛び出したかのように見えるので、その挙動によって興趣を高めることができる。
【0143】
(第8変更形態の中央装置の変形例)
第8変更形態の変形例である図73〜図77に示す中央装置805’は、下ステージを揺動させ、またそこの上に遊技球を一時貯留する例である。なお、パチンコ機本体や遊技盤の構成は第8変更形態と同様であるので図示及び説明を省略する。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には第8変更形態と対応する要素には同じ品番にダッシュを付加し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0144】
図73、図74、図76及び図77に示す通り、枠体832’の内側には枠体832’の一部となる上ステージ846’が配され、上ステージ846’の垂直板844a’の中央には移動溝870a’が設けられている。枠体832’の背板834c’には後部開口837’が設けられていて、この後部開口837’には液晶表示盤805a’(本体部分は図76、図77のみに示す)の表示部838’がはめ込まれている。図73ないし図77に示す通り、枠体832’の向かって左側の壁板834a’には、上ステージ846’の上側に開口する球出口853a’が設けられている。また、図74に示す通り、枠体832’の向かって右側の壁板834b’にも、球出口853a’と対をなす球出口853b’が設けられている。図73、図74、図76及び図77に示す通り、枠体832’の内側、上ステージ846’の手前側には下ステージ844’が配されている。下ステージ844’は、図73〜図75に示される通り中央部に凹部846b’を有する板状体で、図73、図75、図76及び図77に示される通り中央部の奥側には駆動突起866’が設けられていて、この駆動突起866’は、垂直板844a’の移動溝870a’に昇降可能に挿通している。
【0145】
図74及び図75に示す通り、下ステージ844’の手前側の左右にはそれぞれ揺動軸867’,868’が立設されている。そして、図74に示す通り、両揺動軸867’,868’を、それぞれ枠体832’の左右の壁板834a’、834b’に、回動自在に挿通させている。このため、下ステージ844’は、両揺動軸867’,868’を軸として、駆動突起866’が移動溝870a’内に収まる範囲で揺動可能である。
【0146】
図76及び図77に示す通り、垂直板844a’の裏面側には電磁ソレノイド878’が取付けられており、そのプランジャ879’が駆動突起866’の下面側に当接されている。このため、電磁ソレノイド878’に通電されておらず、図76に示される通りリターンスプリング872’によってプランジャ879’が下降位置とされると、下ステージ844’は、駆動突起866’側を揺動軸867’,868’側よりも低くした貯留位置(遊技球載置面が奥側へ低く傾斜する位置)とされる。この貯留位置では、図76に示される通り下ステージ844’と垂直板844a’との協働により、下ステージ844’上に遊技球を貯留することができる。一方、電磁ソレノイド878’に通電した際には、図77に示される通り駆動突起866’がプランジャ879’に突き上げられ、下ステージ844’が上向きに揺動されて放出位置にされる。このため、下ステージ844’上に遊技球が貯留されていれば、その遊技球は下ステージ844’による貯留を解除されて、落下する。
【0147】
この変形例では、通常は下ステージ844’を貯留位置にしておき、設定数(本変形例では7個)の遊技球が球入口850a’、850b’に入球する毎に(例えば球出口853a’,853b’付近に設置されたセンサにて7個の遊技球が検出される毎に)電磁ソレノイド878’に通電して、下ステージ844’を放出位置とする設定である。また、上述した時短のときには、始動入球口807’の開放にほぼ同期して下ステージ844’を放出位置とする設定であるので、下ステージ844’から落下した遊技球は始動入球口807’に極めて入賞しやすくなる。
【0148】
このように、貯留された遊技球(遊技の状況によっては貯留されていないこともある)が下ステージ844’から一挙に落下させられるので、始動入球口807’に入賞する可能性が高くなり、遊技者の期待感も高まる。また、下ステージ844’上に遊技球を貯留してから落下させるので、斬新で且つ趣向性の高いパチンコ遊技を提供できる。さらに、遊技者が下ステージ844’の状態を見れば始動入球口807’に入賞しやすい状態か否を容易に判断できる。なお、下ステージ844’を貯留位置と放出位置とに変化させるタイミングや条件はあくまでも一例であり、他のタイミングや条件で変化させてもよい。
【0149】
(中央装置5の第9変更形態)
図78〜図86に示す第9変更形態である中央装置905は、第8変更形態の奥行きを半分程度に縮減し、ステージを変更し、さらにステージを中央装置に着脱自在に装着できるようにしたものである。したがって、共通する部分についての図示と説明は適宜割愛し、説明すべき個所を図示するとともに以下に説明する。図面には第8変更形態と対応する要素には同じ品番に100番を加算し対応づけて説明し、新たな要素には新たな番号を付与する。
【0150】
図79に示す通り、中央装置905のセンター役物906は、額縁状の本体部906aとアタッチメント906bとから構成されている。図79及び図80に示す通り、本体部906aは、取付基板930、中央飾り部931b、左飾り部931a、右飾り部931c、球誘導部材923a,923bによって構成され、取付基板930の背面側には支持枠947が突設されている。中央飾り部931bには普通図柄表示装置960と一対の球入口950a,950bが設けられており、取付基板930の裏面には、球入口950a,950bに対応して球誘導路950c,950dが設けられている。そして、図79に示す通り、アタッチメント906bには、球誘導路950c,950dに対応して球入口957a,957bが設けられている。
【0151】
図79及び図80に示す通り、左飾り部931aと右飾り部931cとは互いに対照となる形状で、中央飾り部931bと共に庇状に前方に突出している。左飾り部931a及び右飾り部931cのそれぞれの側面には始動通過口954a,954bが開口しており、始動通過口954a,954bに流入した遊技球は、図示しない出口から球誘導部材923a,923b上に落ち、球誘導部材923a,923bによって中央側に誘導されて、さらに下方へと落下することになる。
【0152】
図81〜図84に示す通り、アタッチメント906bの表側には嵌合枠924が突設されている。嵌合枠924の下端間には球衝突防止板925が横設されており、嵌合枠924と球衝突防止板925により後部開口937が形成されている。図82〜図84に示す通り、嵌合枠924の下端には嵌合溝926が設けられ、球衝突防止板925には嵌合穴927が設けられている。図82に示す通りステージ944の左右端には、嵌合溝926に整合する嵌合部928が設けられ、奥側の端面には嵌合穴927に整合する嵌合突起929が設けられており、嵌合溝926に嵌合部928を、嵌合穴927に嵌合突起929を嵌合させることにより、図81に示されるように、ステージ944がアタッチメント906bに取り付けられている。また、これらの嵌合を解除すれば、ステージ944をアタッチメント906bから取り外すことができる。
【0153】
図81に示す通り、ステージ944をアタッチメント906bに取り付けた際には、嵌合枠924とステージ944とで一連の枠状体946を形成する。この枠状体946の外面形状は支持枠947(図81には示さない)の内面形状に整合し、支持枠947の内側に枠状体946を嵌合させることにより、図79に示されるように本体部906aとアタッチメント906bとを接合させることができ、またその嵌合を解除することにより本体部906aとアタッチメント906bと分離することができる。図79、図81及び図82に示す通り、ステージ944の中央部には凹部944aが設けられており、ステージ944の左右端側から凹部944aに向かって緩やかな傾斜が付与されている。また、ステージ944には、アタッチメント906bに取付けた際に球衝突防止板925と並行する位置に、球誘導突起948が設けられている。そして、嵌合枠924内の左右の壁には、球衝突防止板925と球誘導突起948の間になる位置に、球出口953a,953bが開口している。
【0154】
図84に示す通り、アタッチメント906bの背板934cの上辺から側辺にかけては、球入口957a,957bに連通するワープ通路952a,952bが設けられており、ワープ通路952a,952bは、球出口953a,953bに通じている。このため、球入口957a,957bに流入した遊技球(つまり球入口950a,950bに入球した遊技球)は、ワープ通路952a,952bを通って球出口953a,953bからステージ944上に落下することになる。ステージ944に落下した遊技球の大半は球衝突防止板925と球誘導突起948によって形成される溝に沿って凹部944aに向かって移動し、凹部944aから手前側に落下するが、凹部944aに達する前に溝から外れてステージ944から手前側に落下するものもある。図78に示されるように凹部944aの下方には始動入球口907が配されているから、凹部944aから落下した遊技球が始動入球口907に入賞する可能性が高いと言える。
【0155】
(第9変更形態の中央装置905の変形例)
上述のセンター役物906では、ステージ944をアタッチメント906bに着脱自在で、例えばステージ944を図85に示される形状のステージ990に交換することができる。図85及び図86に示す通り、このステージ990の中央部には3本の球誘導凹部992が設けられており、この点で上述のステージ944と違っている。
【0156】
しかし、それ以外の各部の寸法や形状等、例えば嵌合部928、嵌合突起929及び球誘導突起948はステージ944と同じで、嵌合枠924の嵌合溝926に嵌合部928を、嵌合穴927に嵌合突起929を嵌合させることにより図86に示されるようにアタッチメント906bに取り付けてセンター役物906に組み付けることができる。また、これらの嵌合部928及び嵌合突起929による嵌合を解除すれば、アタッチメント906bから取り外すことができる。
【0157】
以上のように、このセンター役物906を備えるパチンコ機901(図1のパチンコ機1に対応するので図示略)では、ステージ944、990をアタッチメント906bに着脱、交換自在である。したがってステージ944、990の形状、機能等を変更する場合にはステージ944、990だけを変更すればよく、例えばセンター役物906全体あるいはステージ944を保持するアタッチメント906b等を変更する必要はなく、それら(センター役物906等)の変更に伴う設計業務の煩雑化、コストアップ等の不都合を解消できる。なお、液晶表示装置等の可変表示装置の表示面の大きさに対応した表示窓が形成されたアタッチメントをベース板に着脱可能とし、様々な可変表示装置のサイズに対応できるように構成してもよい。
【0158】
ステージが着脱自在であるので、ステージの形状、機能等を変更する場合にはステージだけを変更すればよく、例えばセンター役物全体あるいはステージを保持する部材等を変更する必要はなく、それら(センター役物等)の変更に伴う設計業務の煩雑化、コストアップ等の不都合を解消できる。ただし、この変形例のパチンコ機は、いわゆる当たり外れの判定確率を高確率又は低確率に変動させる確率変動機であり、高確率から低確率に戻した際には、変動確定表示が行われるまでの間、始動入球口の開放時間を長くして液晶表示盤における変動表示の時間を短くするいわゆる時短を実行する構成である。
【0159】
以上、本実施形態を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において本発明の構成を適宜改変できることは当然であり、このような改変も、本発明の技術的範囲に属するものである。例えば、液晶表示盤5aの画面寸法は、8インチないし10インチが好適ではあるが、この範囲に限らず、発明の趣旨からそれ以外の範囲も含まれる場合がある。さらに、本発明は、いわゆる第1種、羽根物、権利物、一般電役等と呼ばれている機種、アレンジボール遊技機、時短機能、確率変動機能をもった機種等の種々の弾球遊技機にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明実施形態の弾球遊技機の正面図である。
【図2】同弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】同弾球遊技機の遊技盤の各部について寸法を示す正面図である。
【図4】同遊技盤の遊技領域の投影面積を示す説明図である。
【図5】同遊技盤の中央装置の投影面積を示す説明図である。
【図6】同中央装置の正面図である。
【図7】同中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図8】同中央装置を背面側から見た斜視図である。
【図9】図1に示すA−A線に沿って同中央装置を切断した断面図である。
【図10】同中央装置のセンター役物(前側部分のみ図示)及び案内部を斜め上方から見た斜視図である。
【図11】同中央装置のセンター役物(前側部分のみ図示)及び案内部を斜め右側から見た斜視図である。
【図12】同遊技盤に取付けられる各役物の基板の配置を示す説明図である。
【図13】同遊技盤裏面の遊技球経路とスイッチ取付を示す説明図である。
【図14】本発明実施形態のパチンコ機の裏面図である。
【図15】同パチンコ機の電子制御装置のブロック図である。
【図16】第1変更形態の中央装置を備えたパチンコ機の正面図である。
【図17】図16に示すB−B線に沿って同中央装置を切断した断面図である。
【図18】第2変更形態の中央装置を備えたパチンコ機の正面図である。
【図19】同中央装置の正面図である。
【図20】同中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図21】同中央装置のステージの平面図である。
【図22】図18におけるC−C線に沿って同中央装置を切断した断面図である。
【図23】第3変更形態の中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図24】同中央装置の正面図である。
【図25】同中央装置のステージの平面図である。
【図26】第4変更形態の中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図27】同中央装置の遊動樋を正面側から見た斜視図である。
【図28】同中央装置の変形例を正面側から見た斜視図である。
【図29】(a)は遊動樋の主通路の断面図、(b)は同副通路の断面図、(c)は遊動樋 の変形例の断面図、(d)は遊動樋の異なる他の変形例の断面図、(e)は遊動樋の更に異なる他の変形例の断面図である。
【図30】第5変更形態の中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図31】同中央装置を背面側から見た斜視図である。
【図32】同中央装置の中央縦断面図である。
【図33】同中央装置の下スライド板の上面側の斜視図である。
【図34】同中央装置の上スライド板の上面側の斜視図である。
【図35】同中央装置の上スライド板の下面側の斜視図である。る。
【図36】同中央装置における上スライド板と下スライド板の動きの説明図である。
【図37】同中央装置における上スライド板と下スライド板の相対位置を説明する斜視図である。
【図38】同中央装置の変形例における上、中、下スライド板の配置の説明図である。
【図39】第6変更形態の中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図40】(a)は同中央装置の進路変更部材の構造の説明図であり、(b)は(a)のD−D線を切断した断面図である。
【図41】同中央装置の駆動機構の斜視図である。
【図42】同中央装置の駆動機構の構造を示す説明図である。
【図43】同中央装置の駆動機構におけるプーリとベルトの歯合の説明図である。
【図44】同中央装置の横断面図である。
【図45】第7変更形態の中央装置を備えたパチンコ機の正面図である。
【図46】同中央装置の正面図である。
【図47】同中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図48】同中央装置の打者人形の平面図である。
【図49】同中央装置を備えたパチンコ機の電子制御装置のブロック図である。
【図50】同電子制御装置が実行する判定処理のフローチャートである。
【図51】同電子制御装置が実行する広告処理のフローチャートである。
【図52】同電子制御装置が実行する広告表示処理のフローチャートである。
【図53】(a),(b)は同パチンコ機での広告画像の表示例の説明図である。
【図54】(a),(b)は同パチンコ機での広告画像の表示例の説明図である。
【図55】同パチンコ機での当否表示図柄の表示例の説明図である。
【図56】(a),(b)は広告画像の他の表示例の説明図である。
【図57】(a),(b)は広告画像の他の表示例の説明図である。
【図58】広告画像の他の表示例の説明図である。
【図59】広告内容の更新システムの説明図である。
【図60】第1変形例のソフトウェアに対応したパチンコ機の正面図である。
【図61】第1変形例のソフトウェアに対応する中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図62】同パチンコ機の主制御基板が実行する第1変形例のソフトウェアの遊技制御メイン処理についてのフローチャートである。
【図63】同ソフトウェアの特典付与サブルーチンのフローチャートである。
【図64】第2変形例のソフトウェアの特典付与サブルーチンのフローチャートである。
【図65】第3変形例のソフトウェアに対応する中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図66】同ソフトウェアの特典付与サブルーチンのフローチャートである。
【図67】第8変更形態の中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図68】同中央装置の正面図である。
【図69】同中央装置において放出部材を下降位置にしたときの中央縦断面図である。
【図70】同中央装置において放出部材を上昇位置にしたときの中央縦断面図である。
【図71】同中央装置の移動ステージの駆動機構を示す説明図である。
【図72】同移動ステージの駆動機構の稼働状態を示すものであって、(a)は移動ステージが上昇端にあるときを示し、(b)は移動ステージが中間位置にあるときを示し、(c)は移動ステージが下降端にあるときを示す説明図である。
【図73】同中央装置の変形例を正面側から見た斜視図である。
【図74】同変形例の正面図である。
【図75】同変形例の移動ステージの斜視図である。
【図76】同移動ステージを貯留位置にしたときの中央装置の中央縦断面図である。
【図77】同移動ステージを放出位置にしたときの中央装置の中央縦断面図である。
【図78】第9変更形態の中央装置を備えたパチンコ機の正面図である
【図79】同中央装置を正面側から見た斜視図である。
【図80】同中央装置の本体部の斜視図である。
【図81】同中央装置のアタッチメントの斜視図である。
【図82】同中央装置のアタッチメントの分解斜視図である。
【図83】同中央装置のアタッチメントでステージを取り外した状態の斜視図である。
【図84】同中央装置のアタッチメントでステージを取り外した状態の正面図である。
【図85】同中央装置のアタッチメントに取り付けられるステージの一例の斜視図である。
【図86】図85のステージを取り付けたセンター役物を正面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0161】
1・・・パチンコ機
2・・・遊技盤
4・・・遊技領域
5・・・中央装置
6・・・センター役物
7・・・始動入球口
8・・・アタッカー
J・・・センター役物左右球通過領域
K・・・誘導樋球受口領域
N・・・入球口群
・・・ 誘導樋球受口領域高さ
・・・センター役物左右球通過領域幅
・・・誘導樋球受口領域幅
・・・遊技領域中心縦線
・・・役物配置中心縦線
40・・・障害突起(遊技部材)
41〜43・・・入球口(遊技部材)
44・・・ステージ(第2遊技領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域の中央に設けられるセンター役物と、前記遊技領域の前記センター役物下方に設けられる始動入球口と、前記始動入球口に遊技球が入球することで当たり外れの判定を行う判定手段と、前記判定手段による判定結果が当たりであったことに起因して遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記センター役物が、前記遊技領域に向けて発射された遊技球が入球可能な球入口と、前記球入口に入球した遊技球を放出する球出口と、前記球出口から放出された遊技球を転動させた後に該遊技球を前記始動入球口の在る領域へ落下させるステージと、を含んで構成される弾球遊技機において、
前記始動入球口に加え、前記遊技領域の前記センター役物下方に設けられる複数の可変入賞装置と、
前記ステージに設けられ、前記球出口から放出されて該ステージ上を転動する遊技球が流入可能な複数の受入口と、
前記複数の受入口の各々に対応して設けられ、受入口に流入した遊技球を検出するセンサと、
前記複数の受入口の各々に対応して設けられる前記センサのうち何れかのセンサが遊技球を検出することで、前記複数の可変入賞装置の開閉制御を行う開閉制御手段と、
を備え、
前記開閉制御手段は、遊技球を検出した前記センサに応じて異なる所定の開放態様に従って、前記複数の可変入賞装置の開閉制御を行う
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記開閉制御手段は、遊技球を検出した前記センサに応じて、開放させる前記可変入賞装置の数を異ならせる
ことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記ステージは、前記球出口から放出された遊技球を転動させる上ステージと、前記上ステージの手前側下方であって前記上ステージと段差を成して設けられ、前記上ステージから落下した遊技球を転動させた後に該遊技球を前記始動入球口および前記複数の可変入球装置の在る領域へ落下させる下ステージとから構成され、
前記上ステージに、前記複数の受入口および前記センサを設け、
前記上ステージと前記下ステージとの段差を形成する垂直板に、前記受入口に流入した遊技球を前記下ステージに流出させる流出口を設けた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記上ステージに、前記球出口から放出されて該上ステージ上を転動する遊技球を打撃可能な打撃部材を設け、
前記打撃部材により打撃された遊技球が前記受入口に流入可能となる
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【公開番号】特開2009−34550(P2009−34550A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295486(P2008−295486)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【分割の表示】特願平10−185060の分割
【原出願日】平成10年6月30日(1998.6.30)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】