弾球遊技機
【課題】不適切球を検知した場合でも遊技機の動作を停止させずに不適切球を回収することができ、かつシンプルな検知回収システムとすることができる弾球遊技機を提供する。
【解決手段】弾球遊技機1において、発射ハンドル13の操作量に応じた強さで発射装置に球を発射させるように制御する発射制御装置18と、発射された球が通る発射通路36と、遊技領域37に放出されなかった球を回収するために発射通路の途中に設けられたファール球回収口80と、発射装置によって球が発射される前に、遊技領域に放出するのに適切な球か否かを検知する不適切球検知手段101を有し、発射制御装置は、不適切球を検知した場合には遊技者による発射ハンドルの操作量に拘らず、不適切球を、遊技領域に放出されずにファール球回収口に回収される程度の強さで発射させるように発射装置を制御している。
【解決手段】弾球遊技機1において、発射ハンドル13の操作量に応じた強さで発射装置に球を発射させるように制御する発射制御装置18と、発射された球が通る発射通路36と、遊技領域37に放出されなかった球を回収するために発射通路の途中に設けられたファール球回収口80と、発射装置によって球が発射される前に、遊技領域に放出するのに適切な球か否かを検知する不適切球検知手段101を有し、発射制御装置は、不適切球を検知した場合には遊技者による発射ハンドルの操作量に拘らず、不適切球を、遊技領域に放出されずにファール球回収口に回収される程度の強さで発射させるように発射装置を制御している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾球遊技機に関し、特に、遊技に不適切な遊技球を検知する機能を有する弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機などの弾球遊技機においては、磁石を用いて遊技球を入賞口に入賞させたり、小径球を用いて遊技球を入賞口に入り易くさせたりする等の、所謂ゴト行為と言われる不正を行う者がいる。このような不正を防止するために、例えば、磁石を用いた不正に対して、遊技店で使用する遊技球を磁石に反応しない非磁性体球にする等の対策が考えられている。
【0003】
しかし、不正防止策として、遊技店で使用する遊技球を非磁性体球にする等の対策を講じても、不正を行う者が磁性体球を外から持ち込んで遊技機の中に紛れ込ませた上で、磁石による不正を行う場合がある。そのため、さらなる不正防止策として、遊技球の中に磁性体球や小径球などの遊技に不適切な遊技球があるかどうかを検知するセンサを遊技機に設けておき、センサが不適切な遊技球を検知したら、遊技機の動作を停止させて不適切な遊技球を保持しておくようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−284217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1に記載した遊技機では、不適切な遊技球を検知する度に遊技機の動作を停止してしまうようになっているため、何らかの理由で遊技球の中に不適切な遊技球が混じってしまった場合、不適切な遊技球を検知する度に、遊技店の従業員が、遊技機内に保持された不適切な遊技球を回収しなければならず、従業員に余分な負担が掛かるという問題があった。
【0006】
また、遊技機内に保持された不適切な遊技球により、遊技機の動作が停止してしまうと、当該遊技機で遊技していた遊技者は、遊技店の従業員が当該不適切な遊技球を回収するまで、遊技が中断された状態で待っている必要がある。このように、自分より前に当該遊技機で遊技していた者が不正を行っていた場合等、その遊技者に非がない場合でも遊技を一旦止められてしまうため、これにより遊技者が不利益を被ったり不快な思いをしたりすることがあり、これも問題であった。
【0007】
さらに、遊技機内に、不適切な遊技球を回収する専用通路を予め設けておき、不適切な遊技球を検知した場合にこの専用通路に遊技球を送ることで、遊技機の動作を停止させないで不適切な遊技球を回収することも考えられたが、専用通路を設けると遊技機内の構造が複雑になり、不適切な遊技球の回収のためだけに遊技機内の構造を複雑にしてしまうことは問題であった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の中に不適切な遊技球を検知した場合でも、遊技機の動作を停止させることなく不適切な遊技球を回収することができ、これにより、遊技店の従業員がその都度不適切な遊技球を回収する必要がなく、従業員に余分な負担を掛けずに済み、また、遊技者も遊技を中断する必要がないことから、不利益を被ったりや深不快な思いをしたりしないで済み、かつ、シンプルな不適切球検知回収システムとすることができる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、遊技者による発射ハンドルの操作量に応じた強さで、発射装置に遊技球を発射させるように制御する発射制御装置を有し、また、発射装置から発射された遊技球が下方から上方に向かって通る発射通路と、発射通路の上端部から放出された遊技球が転動しながら落下する遊技領域と、発射装置から発射されたが遊技領域に放出されなかった遊技球を回収するために、発射通路の途中に設けられたファール球回収口とを有し、さらに、発射装置によって遊技球が発射される前に、当該遊技球が遊技領域に放出するのに適切な遊技球か不適切な遊技球かを検知する不適切球検知手段を有しており、発射制御装置は、不適切球検知手段において不適切な遊技球を検知した場合には、遊技者による発射ハンドルの操作量に拘らず、当該不適切な遊技球を、遊技領域に放出されずにファール球回収口に回収される程度の強さで発射させるように、発射装置を制御する弾球遊技機としたことを特徴とする。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、遊技球の中に遊技に不適切な遊技球を検知しても、遊技機の動作を停止させることなく不適切な遊技球を回収することができる。このため、遊技店の従業員がその都度不適切な遊技球を回収する必要がなくなり、従業員に余分な負担を掛けないようにすることができる。
【0011】
また、不適切な遊技球の検知により遊技が中断されないため、遊技者にとっても不利益を被ったり不快な思いをしたりしない遊技機とすることができる。
【0012】
さらに、不適切な遊技球を回収する場合に、遊技機に元々備えられているファール球回収口と発射装置と発射制御装置を利用するようになっているため、不適切な遊技球を回収する構成を設置するのに必要最小限のものを設置するだけで良く、シンプルな不適切球検知回収システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図である。
【図2】同パチンコ遊技機の前枠を外した状態の正面図である。
【図3】同パチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図4】同パチンコ遊技機の遊技球回収機構を説明するための裏面図である。
【図5】同パチンコ遊技機の発射制御回路における発射制御処理を示すフローチャートである。
【図6】同パチンコ遊技機のメイン制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図7】同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図8】同パチンコ遊技機のメイン制御回路における図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図9】同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り遊技処理を示すフローチャートである。
【図10】同パチンコ遊技機の演出制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図11】同パチンコ遊技機の球補給制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図12】同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球補給処理を示すフローチャートである。
【図13】同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球抜き処理を示すフローチャートである。
【図14】同パチンコ遊技機の発射制御回路における磁性体球検知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態における弾球遊技機について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、弾球遊技機としてパチンコ遊技機を例に説明しており、特に、遊技球を循環させる構造の封入式パチンコ遊技機を用いて説明している。また、本実施の形態のパチンコ遊技機は、使用する遊技球を全て非磁性体球としたパチンコ遊技機であり、本発明における不適切な遊技球として、磁性体球を挙げて説明している。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図であり、図2は、同パチンコ遊技機の前枠を外した状態の正面図であり、図3は、同パチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図であり、図4は、同パチンコ遊技機の遊技球回収機構を説明するための裏面図である。
【0016】
また、図5は、同パチンコ遊技機の発射制御回路における発射制御処理を示すフローチャートであり、図6は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートであり、図7は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り判定処理を示すフローチャートであり、図8は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路における図柄遊技処理を示すフローチャートであり、図9は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り遊技処理を示すフローチャートであり、図10は、同パチンコ遊技機の演出制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートであり、図11は、同パチンコ遊技機の球補給制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートであり、図12は、同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球補給処理を示すフローチャートであり、図13は、同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球抜き処理を示すフローチャートであり、図14は、同パチンコ遊技機の発射制御回路における磁性体球検知処理を示すフローチャートである。
【0017】
本発明の実施の形態における封入式のパチンコ遊技機1においては、図1に示すように、まず、遊技店の台島に、外枠1が設置されている。この外枠1は前面および後面のそれぞれが開口する四角筒状をなすものであり、外枠1には、その前方に位置する内枠2が、上下方向へ指向する軸3を中心に回動可能に装着されている。この内枠2は、図2に示すように、縦長な四角環状をなすものであり、左板部と右板部と上板部と下板部を有している。この内枠2は、外枠1の前端面に前方から接触する閉鎖状態および外枠1の前端面から前方へ離間する開放状態の相互間で軸3を中心に回動操作されるものであり、内枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。
【0018】
内枠2には、図1に示すように、その前方に位置する前枠4が装着されている。この前枠4は、内枠2の前面を閉鎖する閉鎖状態および内枠2の前面を開放する開放状態の相互間で、内枠2と共通の軸3を中心に回動操作されるものであり、前枠4には円形状の貫通孔が形成され、貫通孔の内周面には透明なガラス製の窓5が固定されている。この前枠4には錠機構6が装着されている。この錠機構6はシリンダ錠からなるものであり、ロータを有している。このロータは前後方向へ指向する軸を中心にロック位置およびロック解除位置の相互間で回動可能にされたものであり、ロータには前枠4の閉鎖状態で前方から専用の鍵が着脱可能に挿入される。このロータは、鍵が挿入された状態で回動操作されることが許容され、鍵が挿入されていない状態で回動操作されることが禁止されるものであり、ロータにはロックプレートが固定されている。このロックプレートはロータのロック位置で内枠2に係合し、ロータのロック解除位置で内枠2から外れるものであり、ロータのロック位置では前枠4がロックプレートおよび内枠2の相互間の係合力で閉鎖状態にロックされ、ロータのロック解除位置では前枠4が閉鎖状態および開放状態の相互間で操作可能にロック解除される。
【0019】
前枠4には、図1に示すように、窓5の下方に位置してカード挿入口7と遊技開始スイッチ8と遊技停止スイッチ9と貯球表示器10のそれぞれが固定されている。カード挿入口7は遊技者が前方からプリペイドカードを挿入するものであり、プリペイドカードには貯球数情報Pが磁気情報で読み書き可能に記録されている。遊技開始スイッチ8は遊技者が前方から操作することが可能なものであり、操作されることで遊技開始信号を出力する。遊技停止スイッチ9は遊技者が前方から操作することが可能なものであり、操作されることで遊技停止信号を出力する。貯球表示器10はLED表示器からなるものであり、遊技者が前方から視覚的に認識することが可能なものである。
【0020】
内枠2には、図1に示すように、前板11が固定されている。この前板11は前枠4の下方に配置されたものであり、横長な長方形状をなしている。この前板11にはハンドル台12が固定されており、ハンドル台12には発射ハンドル13が装着されている。この発射ハンドル13は遊技者が前方から手指で操作することが可能なものであり、前後方向へ指向する軸を中心に回動可能にされている。内枠2には、図2に示すように、横長な長方形状の台板14が固定されており、台板14にはロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド15が固定されている。この発射ソレノイド15の出力軸には打球槌16(図1参照)が連結されており、発射ソレノイド15は駆動電源が与えられることで打球槌16を待機位置および打球位置の相互間で往復的に移動操作する。
【0021】
発射ソレノイド15には、図3に示すように、ソレノイド回路17が接続されている。このソレノイド回路17は発射ソレノイド15に駆動電源を供給するものであり、ソレノイド回路17にはマイクロコンピュータを主体に構成された発射制御装置としての発射制御回路18が接続されている。なお、発射ソレノイド15、打球槌16、ソレノイド回路17、後述する発射レール19、後述する球止め板20等により、遊技球の発射装置を構成している。
【0022】
発射制御回路18はCPUとROMとRAMを有するものであり、発射制御回路18にはハンドルセンサ13aが接続されている。このハンドルセンサ13aは、発射ハンドル13が予め決められた発射停止位置から時計回り方向へ回動操作された状態で操作信号を出力するものであり、発射制御回路18はハンドルセンサ13aから操作信号が出力されていることを条件にソレノイド回路17を駆動制御することで発射ソレノイド15を駆動する。また、発射制御回路18は、通常、遊技者による発射ハンドル13の操作量(具体的には、発射ハンドル13の回転量)に応じた発射強さをハンドルセンサ13aから受け、当該遊技者による発射ハンドル13の操作量に応じた発射強さを発射装置の発射ソレノイド15に伝えるようになっている。
【0023】
内枠2の台板14には、図2に示すように、発射レール19が固定されている。この発射レール19は遊技球が供給されるものであり、右から左に向けて上昇する傾斜状をなしている。この発射レール19の右端部には球止め板20が形成されており、球止め板20には遊技球が通過することが不能な大きさの貫通孔が形成されている。この球止め板20は発射レール19上の遊技球が発射レール19の右端部から転落することを防止するものであり、打球槌16は待機位置から打球位置に移動することで球止め板20が転落不能に支持する遊技球を球止め板20の貫通孔を通して右から左に向けて叩き、発射レール19に沿って右から左に向けて転動させる。
【0024】
内枠2には、図2に示すように、台板14の上方に位置して垂直な板状の遊技盤21が固定されている。この遊技盤21は前枠4の閉鎖状態において前枠4の後方に位置するものであり、遊技盤21の前面は前枠4の閉鎖状態で前方から手指を触れることが不可能なように閉鎖され、前枠4の開放状態で前方から手指を触れることが可能なように開放される。この遊技盤21の前面には内レール22と外レール23と球止めゴム24が固定されている。内レール22は上面が開口する円弧状の金属板から構成されたものであり、外レール23は内レール22の外周部に配置された円弧状の金属板から構成されたものであり、球止めゴム24は内レール22の右端部および外レール23の右端部の相互間の隙間を塞ぐゴムから構成されている。
【0025】
遊技盤21には、図4に示すように、その後方に位置する球補給機構25が固定されている。この球補給機構25は、球補給管26を介して遊技店の島設備に接続されたものであり、球補給機構25には遊技店の島設備から球補給管26を通して遊技球が供給される。この球補給機構25は球補給モータ27(図3参照)を駆動源とするものであり、球補給モータ27の回転軸にはスプロケットが連結されている。このスプロケットには球補給管26から供給される遊技球を受ける凹状の複数の球受け部が形成されており、複数の球受け部のそれぞれは球補給モータ27の回転軸が予め決められた単位量だけ回転する毎に遊技球を放出し、球補給管26は球補給モータ27の回転軸が予め決められた単位量だけ回転する毎に空の球受け部に遊技球を供給する。
【0026】
球補給モータ27は、図3に示すように、モータ回路28に接続されている。このモータ回路28は球補給モータ27に駆動電源を供給するものであり、球補給制御回路29に接続されている。この球補給制御回路29はモータ回路28を駆動制御することで球補給モータ27を回転操作するものであり、発射制御回路18に接続されている。この球補給制御回路29はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPUとROMとRAMを有している。
【0027】
球補給機構25には、図4に示すように、上下方向へ指向する球補給通路30の上端部が接続されている。この球補給通路30は、遊技盤21の後方に位置するように固定されたものであり、球補給通路30の下端部には発射球通路31の左端部が接続されている。この発射球通路31は左から右に向けて下降する傾斜状をなすものであり、球補給機構25から放出された遊技球は球補給通路30内を通して発射球通路31内に供給される。
【0028】
この発射球通路31は、内枠2の台板14に台板14の後方に位置して固定されたものであり、球補給通路30内から発射球通路31内に供給された遊技球は発射球通路31内を左から右に向けて転動する。この発射球通路31の右端部には球送り機構32が接続されている。この球送り機構32は打球槌16が打球位置から待機位置に移動することに連動して発射球通路31内から発射レール19上に1個の遊技球を移送するものであり、打球槌16は、球送り機構32が発射球通路31内から発射レール19上に移送した遊技球を叩くことで発射レール19の左端部から発射する。
【0029】
本実施の形態では,球送り機構32に不適切球検知手段としての磁性体球検知センサ101が配置されており、次に発射レール19に移送する遊技球、すなわち次に発射装置から発射される遊技球が、磁性体球であるか否かを磁性体球検知センサ101によって検知するようになっている。
【0030】
球送り機構32には、図4に示すように、球抜き通路33の入口が接続されている。この球抜き通路33は発射球通路31内の遊技球を球送り機構32を通して外部に抜き取るものであり、内枠2の台板14に台板14の後方に位置して固定されている。この球抜き通路33の入口にはシャッタが装着されている。このシャッタは、球抜き通路33の入口を遊技球が進入可能に開放する開放状態および遊技球が進入不能に閉鎖する閉鎖状態の相互間で移動可能にされたものであり、球抜きソレノイド34(図3参照)のプランジャに連結されている。
【0031】
この球抜きソレノイド34はシャッタの駆動源に相当するものであり、球抜きソレノイド34の電気的なオフ状態ではシャッタが閉鎖状態に静止することで球抜き通路33の入口が閉鎖され、球抜きソレノイド34の電気的なオン状態ではシャッタが開放状態に移動することで球抜き通路33の入口が開放される。この球抜きソレノイド34は、図3に示すように、ソレノイド回路35を介して発射制御回路18に接続されている。このソレノイド回路35は球抜きソレノイド34に駆動源を供給するものであり、発射制御回路18はソレノイド回路35を駆動制御することで球抜き通路33の入口を開閉操作する。
【0032】
遊技盤21には、図2に示すように、内レール22および外レール23の相互間に位置して発射通路36が形成されている。この発射通路36は下端部および上端部のそれぞれが開口する円弧状をなすものであり、発射レール19の左端部から発射された遊技球は発射通路36の下端部を通って発射通路36内に進入する。この遊技球は発射通路36に沿って円弧状の軌跡を描きながら下方から上方に向かって上昇し、発射通路36の上端部から放出される。遊技盤21には発射通路36の右方に隣接して遊技領域37が形成されている。
【0033】
この遊技領域37は内レール22と外レール23と球止めゴム24で囲まれた領域のうち発射通路36を除く残りの円形状の領域を称するものであり、発射通路36の上端部から放出された遊技球が転動することが可能な最大範囲に相当する。この遊技領域37は前枠4の閉鎖状態で前枠4の窓5が前方から対向するものであり、前枠4の閉鎖状態で前方から窓5を通して視覚的に認識可能にされている。この遊技盤21には遊技領域37内に位置して複数の障害釘が固定されており、発射通路36の上端部から遊技領域37内に放出された遊技球は障害釘に当たって転動しながら遊技領域37内を落下する。
【0034】
また、図2に示すように、発射通路36の途中には、ファール球回収口80が形成されている。このファール球回収口80は、発射装置の打球槌16によって発射された遊技球のうち、発射されたが発射通路36の上端部から遊技領域37に放出されずに発射通路36を逆戻りしてきた遊技球Tを発射装置に戻さないように回収するために設けられたものであり、本実施の形態では、発射通路36の下端部付近に下方に開いた穴として形成されている。図示は省略するが、ファール球回収口80に回収された遊技球T(ファール球)は、他の遊技球と同様に回収されパチンコ遊技機1内で循環するようになっている。
【0035】
遊技盤21には、図2に示すように、遊技領域37内に位置して始動口38が固定されている。この始動口38は遊技領域37内を転動する遊技球が入賞することが可能なポケット状をなすものであり、始動口38に入賞した遊技球は始動口38を通して遊技盤21の後方へ排出される。この始動口38内には近接スイッチからなる始動口センサ39(図3参照)が固定されており、遊技球が始動口38内に入賞した場合には始動口センサ39から始動信号が出力される。
【0036】
遊技盤21には、図2に示すように、遊技領域37内に位置して特別入賞口40が固定されている。この特別入賞口40は前面が開口する横長な箱状をなすものであり、特別入賞口40には扉41が左右方向へ指向する軸42を中心に回動可能に装着されている。この扉41は特別入賞口ソレノイド43(図3参照)のプランジャに連結されており、特別入賞口ソレノイド43の電気的なオフ状態では扉41が垂直な閉鎖状態に静止することで特別入賞口40の前面を遊技球が入賞不能に閉鎖する。
【0037】
この扉41は特別入賞口ソレノイド43の電気的なオン状態で前方へ水平に倒れた開放状態に軸42を中心に回動するものであり、扉41の開放状態では遊技領域37内を転動する遊技球が扉41に乗って特別入賞口40に入賞することが許容され、特別入賞口40に入賞した遊技球は特別入賞口40を通して遊技盤21の後方へ排出される。この特別入賞口40内には近接スイッチからなるカウントセンサ44(図3参照)が固定されており、遊技球が特別入賞口40内に入賞した場合にはカウントセンサ44からカウント信号が出力される。
【0038】
遊技盤21には、図2に示すように、遊技領域37内に位置して表示台枠45が固定されており、表示台枠45には特別図柄表示器46が固定されている。この特別図柄表示器46はLED表示器からなるものであり、遊技球が始動口38に入賞した場合には特別図柄表示器46に特別図柄遊技の映像が表示される。この特別図柄遊技の映像は特別図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示するものである。この特別図柄の変動表示は特別図柄を予め決められた順序「1」→「7」→「1」・・・で循環的に変化させるものであり、特別図柄の停止表示は特別図柄の変動表示を「1」「7」のいずれかで停止するものであり、特別図柄「1」を外れ図柄と称し、特別図柄「7」を大当り図柄と称する。
【0039】
特別図柄遊技で特別図柄表示器46に大当り図柄「7」が停止表示された場合には大当りラウンドが開始される。この大当りラウンドは特別入賞口40を開放することで特別入賞口40に遊技球が入賞することを許容するものであり、特別図柄遊技で特別図柄表示器46に大当り図柄「7」が停止表示された場合には15回の大当りラウンドが行われる。この大当りラウンドは上限個数(例えば10個)の遊技球が特別入賞口40に入賞した場合および特別入賞口40の開放時間が上限時間(例えば30sec)に到達した場合のいずれかに終了するものであり、大当りラウンドの15回の繰返しを大当り遊技と称する。
【0040】
図3のメイン制御回路47は特別図柄遊技の遊技内容および大当り遊技の遊技内容のそれぞれを制御するものであり、遊技盤21に遊技盤21の後方に位置して固定されている。このメイン制御回路47はCPU48とROM49とRAM50を有するものであり、始動口センサ39およびカウントセンサ44のそれぞれはメイン制御回路47に接続されている。このメイン制御回路47のROM49には制御プログラムおよび制御データのそれぞれが予め記録されており、CPU48はRAM50をワークエリアとしてROM49の制御プログラムおよびROM49の制御データのそれぞれに基づいて制御コマンドを設定する。
【0041】
このメイン制御回路47にはソレノイド回路51を介して特別入賞口ソレノイド43が接続されている。このソレノイド回路51は特別入賞口ソレノイド43に駆動電源を供給するものであり、メイン制御回路47のCPU48はソレノイド回路51を駆動制御することで特別入賞口40を開閉操作する。このメイン制御回路47にはLED回路52を介して特別図柄表示器46が接続されている。このLED回路52は特別図柄表示器46の複数のLEDのそれぞれに駆動電源を供給するものであり、メイン制御回路47のCPU48はLED回路52を駆動制御することで特別図柄表示器46に特別図柄遊技の映像を表示する。
【0042】
表示台枠45には、図2に示すように、装飾図柄表示器53が固定されている。この装飾図柄表示器53はカラー液晶表示器からなるものであり、装飾図柄表示器53には装飾図柄遊技の映像が表示される。この装飾図柄遊技では装飾図柄表示器53の表示領域内に左変動領域Lと中変動領域Cと右変動領域Rが横一列に設定され、左変動領域L内〜右変動領域R内のそれぞれに図柄要素が変動状態および変動停止状態で順に表示される。左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれには「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」の8種類が共通に設定されている。
【0043】
左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの変動表示は図柄要素を予め決められた順序「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「1」・・・で循環的に変化させるものであり、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれは特別図柄遊技で特別図柄が変動開始することに時間的に同期して変動開始する。これら左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素の3者は装飾図柄を構成するものであり、装飾図柄の組合せは特別図柄遊技で特別図柄が変動停止することに時間的に同期して映像上で確定する。この装飾図柄の組合せには大当りの組合せおよび外れの組合せの2種類が設定されている。大当りの組合せは左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素が相互に同一な組合せを称するものであり、大当りの組合せには「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」の8種類が設定されている。外れの組合せは左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素が相互に同一でない組合せを称するものであり、装飾図柄は特別図柄遊技で外れ図柄「1」が停止表示される場合には外れの組合せになり、特別図柄遊技で大当り図柄「7」が停止表示される場合には大当りの組合せになる。
【0044】
メイン制御回路47には、図3に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された演出制御回路54が接続されており、メイン制御回路47は制御コマンドの設定結果を演出制御回路54に送信する。この演出制御回路54は遊技盤21に遊技盤21の後方に位置して固定されたものであり、CPUとROMとRAMを有している。この演出制御回路54のROMには制御プログラムおよび制御データのそれぞれが予め記録されており、演出制御回路54のCPUは制御コマンドの設定結果を受信した場合にはRAMをワークエリアとしてROMの制御プログラムおよびROMの制御データのそれぞれに基づいて表示制御コマンドを設定する。
【0045】
演出制御回路54には、図3に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された表示制御回路55が接続されており、演出制御回路54は表示制御コマンドの設定結果を表示制御回路55に送信する。この表示制御回路55は遊技盤21の後方に位置するように固定されたものであり、VDPとVROMとVRAMを有している。この表示制御回路55のVROMには図柄要素「1」〜「8」を表示するための画像データが予め記録されており、表示制御回路55のCPUは表示制御コマンドの設定結果を受信した場合にはVROMの画像データを再生することで装飾図柄表示器53に表示制御コマンドの受信結果に応じた装飾図柄遊技の映像をカラーで表示する。
【0046】
遊技盤21には、図2に示すように、アウト口56が形成されている。このアウト口56は内レール22の最低部に配置されたものであり、始動口38および特別入賞口40のいずれにも入賞しなかった遊技球は内レール22に沿ってアウト口56に進入し、アウト口56を通して遊技盤21の後方へ排出される。この遊技盤21には、図4に示すように、遊技盤21の後方に位置して集合樋57が固定されている。この集合樋57は、始動口38を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球と、特別入賞口40を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球と、アウト口56を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球と、ファール球回収口80を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球のそれぞれが集められるものであり、集合樋57に集められた遊技球は集合樋57の底面に沿って転動する。
【0047】
この集合樋57の最低部には上下方向へ指向する球接続通路58の上端部が接続されている。この球接続通路58の下端部は発射球通路31に接続されており、始動口38に入賞した遊技球と、特別入賞口40に入賞した遊技球と、アウト口56に進入した遊技球と、ファール球回収口80に進入した遊技球のそれぞれは集合樋57から球接続通路58を通して発射球通路31内に戻され、発射通路31内から球送り機構32を通して発射レール19上に移送されることで遊技盤21に再び発射される。
【0048】
内レール22の上端部には、図2に示すように、近接スイッチからなる球発射センサ59が固定されており、発射通路36の上端部から遊技領域37内に遊技球が放出される場合には球発射センサ59から発射信号が出力される。この球発射センサ59と始動口センサ39とカウントセンサ44のそれぞれは、図3に示すように、発射制御回路18に接続されており、発射制御回路18は球発射センサ59からの発射信号と始動口センサ39からの始動信号とカウントセンサ44からのカウント信号のそれぞれに基づいて貯球数を計測する。
【0049】
内枠2の台板14には、図2に示すように、台板14の前方に位置してリーダライタ装置60が固定されており、前枠4の閉鎖状態では前枠4がリーダライタ装置60を前方から覆い、前枠4の開放状態では前枠4がリーダライタ装置60を前方に開放する。このリーダライタ装置60はカード挿入口61を有するものであり、リーダライタ装置60には前枠4の閉鎖状態で前方から前枠4のカード挿入口7およびリーダライタ装置60のカード挿入口61のそれぞれを順に通してプリペイドカードが挿入される。
【0050】
このリーダライタ装置60は、図3に示すように、発射制御回路18に接続されており、プリペイドカードが挿入されている状態ではプリペイドカードから貯球数情報Pを検出し、貯球数情報Pの検出結果を発射制御回路18に送信する。このリーダライタ装置60はカード排出機構を有している。このカード排出機構はリーダライタ装置60に挿入されたプリペイドカードをリーダライタ装置60のカード挿入口61から前枠4のカード挿入口7を通して前方へ排出するものであり、カード排出モータ62(図3参照)を駆動源として動作する。
【0051】
発射制御回路18には、図3に示すように、LED回路63を介して貯球表示器10が接続されている。このLED回路63は貯球表示器10の複数のLEDのそれぞれに駆動電源を供給するものであり、発射制御回路18はLED回路63を駆動制御することで貯球表示器10に貯球数を表示する。この発射制御回路18には遊技開始スイッチ8および遊技停止スイッチ9のそれぞれが接続されており、発射制御回路18は遊技開始スイッチ8から遊技開始信号が出力されたと判断することに基づいて発射ソレノイド15が駆動することを許容し、遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されたと判断することに基づいて発射ソレノイド15が駆動することを禁止する。
【0052】
図5は、発射制御回路18のROMに予め記録された発射制御プログラムによる発射制御処理であり、発射制御回路18のCPUは、まず、ステップS1で遊技開始スイッチ8から遊技開始信号が出力されたか否かを判断する。ここで遊技開始スイッチ8から遊技開始信号が出力されたと判断した場合にはステップS2へ移行し、リーダライタ装置60にデータ要求コマンドを送信する。このリーダライタ装置60はデータ要求コマンドを受信した場合にはプリペイドカードから貯球数情報Pを検出し、貯球数情報Pの検出結果を発射制御回路18に送信する。即ち、遊技者は前枠4のカード挿入口7を通してリーダライタ装置60のカード挿入口61にプリペイドカードを挿入し、遊技開始スイッチ8を操作することで遊技を行うことが可能になる。
【0053】
発射制御回路18のCPUはステップS2でリーダライタ装置60にデータ要求コマンドを送信すると、ステップS3でリーダライタ装置60から貯球数情報Pが送信されたか否かを判断する。ここでリーダライタ装置60から貯球数情報Pが送信されたと判断した場合にはステップS4でRAMのカウンタNに貯球数情報Pの受信結果を設定し、ステップS5でカウンタNの設定結果をROMに予め記録された限度値(0)と比較する。
【0054】
発射制御回路18のCPUはステップS5で「N>0」であると判断すると、ステップS6でRAMの発射許可フラグをオンする。この発射許可フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、発射制御回路18のCPUは発射許可フラグのオン状態でハンドルセンサ13aから操作信号を検出した場合に発射ソレノイド15を駆動し、発射許可フラグのオフ状態ではハンドルセンサ13aから操作信号を検出しても発射ソレノイド15を駆動しない。即ち、発射球通路31内の遊技球は「N>0」である場合に発射可能になるものであり、「N≦0」である場合には発射不能になる。
【0055】
発射制御回路18のCPUはステップS6でRAMの発射許可フラグをオンすると、ステップS7で球補給制御回路29に球補給コマンドを送信する。この遊技開始スイッチ8が操作される前には発射球通路31内に遊技球が充填されておらず、球補給制御回路29は球補給コマンドを受信することで球補給機構25から発射球通路31内に遊技球を補給する。
【0056】
発射制御回路18のCPUはステップS7で球補給制御回路29に球補給コマンドを送信すると、ステップS8で本発明の不適切球検知処理としての磁性体球検知処理を行う。この磁性体球検知処理は、図14に示すように、発射制御回路18のCPUが、ステップS91で球送り機構32に設けられた磁性体球検知センサ101が磁性体球を検知したか否かを判断する。
【0057】
このステップS91で磁性体球検知センサ101が磁性体球を検知したと判断した場合には、ステップS92において、発射制御回路18が、遊技者による発射ハンドル13の操作量(具体的には、発射ハンドル13の回転量)に拘らず、その磁性体球を、遊技領域37に放出されずにファール球回収口80に回収される程度の強さで発射させるように、発射強さを一定値にセットする。そして、ステップS94で当該検知した磁性体球が丁度、発射装置の打球槌16で打たれるタイミングで、発射装置に当該発射強さの信号を送信する。信号を受けた発射装置では、遊技者による発射ハンドル13の操作量に拘らず、磁性体球を、遊技領域37に放出されずにファール球回収口80に回収される程度の強さで打ち、磁性体球は、発射通路36を一定長さ上昇した後、反転して落下し、ファール球回収口80に回収される。
【0058】
また、ステップS91で磁性体球検知センサ101が磁性体球を検知したと判断しなかった場合には、ステップS93において、発射制御回路18が、遊技者による発射ハンドル13の操作量に応じた強さで、その非磁性体球を発射させるように、発射強さをセットする。そして、ステップS94で発射装置に当該発射強さの信号を送信する。信号を受けた発射装置では、遊技者による発射ハンドル13の操作量に応じた強さで、非磁性体球を打ち出す。
【0059】
なお、本実施の形態では、球送り機構32における次に発射される遊技球について磁性体球検知センサ101で磁性体球かどうかの検知を行うため、検知後すぐに発射強さをセットして発射装置に送信するようになっている。
【0060】
その後、発射制御回路18のCPUはステップS9で球発射センサ59から発射信号が出力されているか否かを判断する。このステップS9で球発射センサ59から発射信号が出力されていると判断した場合には、ステップS10でカウンタNからROMに予め記録された単位値ΔN1(1)を減算し、ステップS11で始動口センサ39から始動信号が出力されているか否かを判断する。
【0061】
このステップS11で始動口センサ39から始動信号が出力されていると判断した場合には、ステップS12でカウンタNにROMに予め記録された単位値ΔN2(5)を加算し、ステップS13でカウントセンサ44からカウント信号が出力されているか否かを判断する。このステップS13でカウントセンサ44からカウント信号が出力されていると判断した場合には、ステップS14でカウンタNにROMに予め記録された単位値ΔN3(15)を加算し、ステップS15へ移行する。
【0062】
発射制御回路18のCPUはステップS15へ移行すると、カウンタNの更新結果を貯球表示器10に貯球数として数値で表示する。そして、ステップS16で遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されているか否かを判断し、遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されていると判断した場合には、ステップS18でRAMの発射許可フラグをオフすることで発射ソレノイド15の駆動を禁止する。
【0063】
発射制御回路18のCPUはステップS16で遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されていないと判断すると、ステップS17でカウンタNの更新結果をROMに予め記録された限度値(0)と比較する。ここで「N≦0」であると判断した場合にはステップS18へ移行し、RAMの発射許可フラグをオフすることで遊技球の発射を禁止する。
【0064】
発射制御回路18のCPUはステップS18で遊技球の発射を禁止すると、ステップS19でカウンタNの更新結果をリーダライタ装置60に送信し、ステップS20で球補給制御回路29に球抜きコマンドを送信する。リーダライタ装置60はカウンタNの更新結果を受信した場合にはプリペイドカードの貯球数情報PをカウンタNの更新結果に書換え、カード排出モータ62を駆動することでプリペイドカードをリーダライタ装置60のカード挿入口61から前枠4のカード挿入口7を通して排出する。球補給制御回路29は球抜きコマンドを受信した場合には球抜きソレノイド34を駆動することで球抜き通路33の入口を開放し、発射球通路31内の遊技球を球送り機構32および球抜き通路33のそれぞれを順に通して抜き取る。
【0065】
なお、球補給制御回路29のCPUは発射制御回路18からの球補給コマンドを受信した場合および球抜きコマンドを受信した場合のそれぞれには外部割込み処理を起動し、球補給コマンドを受信した場合には、RAMに球補給コマンドを記録し、球抜きコマンドを受信した場合には、RAMに球抜きコマンドを記録する。
【0066】
発射球通路31内には、図4に示すように、左端部に位置して発射球補給センサ64が固定されている。この発射球補給センサ64は近接スイッチからなるものであり、遊技球が発射球通路31の右端部の球送り機構32から発射球通路31の左端部に至るまで充填されている場合には発射球補給センサ64の検出領域内に遊技球が進入することで発射球補給センサ64から発射球補給信号が出力されず、遊技球が球送り機構32から発射球通路31の左端部に至るまで充填されていない場合には発射球補給センサ64の検出領域内から遊技球が退避することで発射球補給センサ64から発射球補給信号が出力される。
【0067】
この発射球補給センサ64は、図3に示すように、球補給制御回路29に接続されており、球補給制御回路29は発射球通路31内に遊技球を補給する場合には発射球補給センサ64からの発射球補給信号が停止するまで球補給機構25の球補給モータ27を継続的に運転することで遊技球を球送り機構32から発射球通路31の左端部に至るまで充填する。
【0068】
図6はメイン制御回路47のROM49に予め記録されたタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込み処理は予め決められた一定時間(4msec)が経過する毎に起動するものであり、メイン制御回路47のCPU48は、ステップS31でRAM50のカウンタMN1をROM49に予め記録された単位値ΔN(1)だけ更新し、ステップS32でRAMのカウンタMN2を単位値ΔN(1)だけ更新する。これらカウンタMN1およびMN2のそれぞれは電源が投入されることでROM49に予め記録された下限値(0)に初期設定されるものであり、カウンタMN1は下限値(0)からROM49に予め記録された上限値(100)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算され、カウンタMN2は下限値(0)からROM49に予め記録された上限値(30)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算される。
【0069】
CPU48はステップS32でカウンタMN2を更新すると、ステップS33でRAM50の図柄遊技フラグがオンされているか否かを判断する。この図柄遊技フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPU48はステップS33でRAM50の図柄遊技フラグがオンされていると判断した場合にはステップS34の図柄遊技処理へ移行し、ステップS33でRAM50の図柄遊技フラグがオフされていると判断した場合にはステップS35へ移行する。
【0070】
CPU48はステップS35へ移行すると、RAM50の大当り遊技フラグがオンされているか否かを判断する。この大当り遊技フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPU48はステップS35でRAM50の大当り遊技フラグがオンされていると判断した場合にはステップS36の大当り遊技処理へ移行し、ステップS35でRAM50の大当り遊技フラグがオフされていると判断した場合にはステップS37の大当り判定処理へ移行する。
【0071】
図7はメイン制御回路47のROM49に予め記録された大当り判定処理を説明するためのフローチャートである。この大当り判定処理はRAM50の図柄遊技フラグおよび大当り遊技フラグのそれぞれがオフされている場合に実行されるものであり、CPU48はステップS41で始動信号が有るか否かを判断する。
【0072】
例えば遊技球が始動口38に入賞した場合には始動口センサ39から始動信号が出力され、CPU48はステップS41で始動信号が有ると判断する。そして、ステップS42でRAM50からカウンタMN1の更新結果を検出し、ステップS43でカウンタMN1の検出結果をROM49に予め記録された大当り値(7)と比較する。ここで「MN1=大当り値」であると判断した場合にはステップS44でRAM50の大当りフラグをオンし、ステップS45で特別図柄を大当り図柄(7)に設定する。
【0073】
CPU48はステップS43でカウンタMN1の検出結果が大当り値と相違していると判断すると、ステップS46でRAM50の大当りフラグをオフし、ステップS47で特別図柄を外れ図柄(1)に設定する。
【0074】
CPU48はステップS45またはステップS47で特別図柄を設定すると、ステップS48で特別図柄の設定結果を演出制御回路54に送信する。そして、ステップS49でRAM50からカウンタMN2の更新結果を検出し、ステップS50でROM49に予め記録された複数の遊技時間のうちからカウンタMN2の検出結果に応じたものを選択する。そして、ステップS51で遊技時間の選択結果を演出制御回路54に送信し、ステップS52でRAM50のタイマMTに遊技時間の選択結果をセットする。
【0075】
CPU48はステップS52でタイマMTを初期設定すると、ステップS53で特別図柄遊技を開始する。この特別図柄遊技は特別図柄表示器46に特別図柄を「1」「7」「1」・・の設定順序で循環的に表示するものであり、CPU48はステップS53で特別図柄遊技を開始した場合には、ステップS54で演出制御回路54に遊技開始コマンドを送信し、ステップS55でRAM50の図柄遊技フラグをオンする。
【0076】
図8はメイン制御回路47のROM49に予め記録された図柄遊技処理を説明するためのフローチャートである。この図柄遊技処理は図柄遊技フラグがオンされている場合に実行されるものであり、CPU48はステップS61でRAM50のタイマMTからROM49に予め記録された単位値ΔTを減算し、ステップS62でタイマMTの減算結果をROM49に予め記録された限度値(0)と比較する。
【0077】
ここで「MT=限度値」であると判断した場合にはステップS63へ移行し、特別図柄の変動表示を停止する。この特別図柄の停止表示は特別図柄の設定結果で行われるものであり、大当りであると判定された場合には特別図柄が大当り図柄(7)で変動停止し、外れであると判定された場合には特別図柄が外れ図柄(1)で変動停止する。
【0078】
CPU48はステップS63で特別図柄の変動表示を停止すると、ステップS64で演出制御回路54に遊技停止コマンドを送信する。そして、ステップS65でRAM50の図柄遊技フラグをオフし、ステップS66でRAM50の大当りフラグがオンされているか否かを判断する。ここでRAM50の大当りフラグがオフされていると判断した場合には、ステップS71でRAM50の大当り遊技フラグをオフする。
【0079】
CPU48はステップS66でRAM50の大当りフラグがオンされていると判断すると、ステップS67でRAM50のカウンタRにROM49に予め記録された継続回数(15)を設定する。そして、ステップS68でRAM50の大当りフラグをオフし、ステップS69で特別入賞口40を開放し、ステップS70でRAM50の大当り遊技フラグをオンする。
【0080】
図9はメイン制御回路47のROM49に予め記録された大当り遊技処理を説明するためのフローチャートである。この大当り遊技処理は大当り遊技フラグがオンされている場合に実行されるものであり、CPU48はステップS81で今回の大当りラウンドが終了するか否かを判断する。この大当りラウンドは特別入賞口40が開放されたことを基準にROM49に予め記録された限度時間(30sec)が経過または特別入賞口40にROM49に予め記録された限度個数(10個)の遊技球が入賞したと判断された場合に終了すると判断されるものであり、CPU48はステップS81で今回の大当りラウンドが終了すると判断した場合にはステップS82で特別入賞口40を閉鎖することで今回の大当りラウンドを終え、ステップS83でRAM50のカウンタRからROM49に予め記録された単位値(1)を減算する。
【0081】
CPU48はステップS83でRAM50のカウンタRを減算すると、ステップS84でカウンタRの減算結果をROM49に予め記録された限度値(0)と比較する。ここで「R>限度値」であると判断した場合にはステップS85で特別入賞口40を再開することで次回の大当りラウンドを開始し、「R=限度値」であると判断した場合にはステップS86でRAM50の大当り遊技フラグをオフする。即ち、大当りであると判定された場合には特別図柄表示器46に大当り図柄(7)が停止表示された後に15回の大当りラウンドが行われる。
【0082】
なお、メイン制御回路47から遊技開始コマンドと特別図柄と遊技時間と遊技終了コマンドのそれぞれが送信された場合に外部割込み処理が起動し、演出制御回路54のCPUは外部割込み処理を起動した場合には遊技開始コマンドまたは特別図柄または遊技時間または遊技終了コマンドをRAMに記録する。
【0083】
図10は演出制御回路54のROMに予め記録されたタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込み処理は予め決められた一定時間(10msec)が経過する毎に起動するものであり、演出制御回路54のCPUはステップS101でRAMのカウンタSN1をROMに予め記録された単位値ΔN(1)だけ更新し、ステップS102でRAMのカウンタSN2を単位値ΔN(1)だけ更新し、ステップS103でRAMのカウンタSN3を単位値ΔN(1)だけ更新する。
【0084】
これらカウンタSN1〜SN3のそれぞれは電源が投入されることでROMに予め記録された下限値(0)に初期設定されるものであり、カウンタSN1は下限値(0)からROMに予め記録された上限値(7)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算され、カウンタSN2は下限値(0)からROMに予め記録された上限値(16)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算され、カウンタSN3は下限値(0)からROMに予め記録された上限値(32)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算される。
【0085】
演出制御回路54のCPUはステップS103でRAMのカウンタSN3を更新すると、ステップS104でRAMに遊技開始コマンドが記録されているか否かを判断する。ここでRAMに遊技開始コマンドが記録されていると判断した場合にはステップS105でRAMから遊技開始コマンドをクリアし、ステップS106でRAMから特別図柄の記録結果を検出し、ステップS107で特別図柄の検出結果を大当り図柄(7)と比較する。
【0086】
演出制御回路54のCPUはステップS107で特別図柄の検出結果が大当り図柄(7)と同一であると判断すると、ステップS108の大当り図柄設定処理へ移行する。ここで図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN1の更新結果に応じたものを選択し、左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを相互に同一の図柄要素の選択結果に設定することで装飾図柄を大当りの組合せに設定する。
【0087】
演出制御回路54のCPUはステップS107で特別図柄の検出結果が大当り図柄(7)と相違していると判断すると、ステップS109の外れ図柄設定処理で下記[1]〜[3]のそれぞれの処理を行うことで装飾図柄を左列と中列と右列が相互に同一でない外れの組合せに設定する。
[1]図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN1の更新結果に応じたものを選択し、左列の図柄要素を図柄要素の選択結果に設定する。
[2]図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN2の更新結果に応じたものを選択し、中列の図柄要素を図柄要素の選択結果に設定する。
[3]図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN3の更新結果に応じたものを選択し、右列の図柄要素を図柄要素の選択結果に設定する。
【0088】
演出制御回路54のCPUはステップS108またはステップS109で左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定すると、ステップS110で表示制御回路55に左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれの設定結果を送信する。そして、ステップS111で表示制御回路55に変動開始コマンドを送信し、ステップS112でRAMから特別図柄の記録結果をクリアする。
【0089】
この表示制御回路55は変動開始コマンドを受信した場合には左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを変動状態で表示開始し、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれを変動状態で表示開始したことを基準に予め決められた左列の変動停止時間が経過したと判断した場合に左列の図柄要素の変動表示を設定結果で停止し、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれを変動状態で表示開始したことを基準に予め決められた右列の変動停止時間(>左列の変動停止時間)が経過したと判断した場合に右列の図柄要素の変動表示を設定結果で停止する。
【0090】
その後、演出制御回路54のCPUは、ステップS113でRAMに遊技停止コマンドが記録されているか否かを判断する。ここでRAMに遊技停止コマンドが記録されていると判断した場合には、ステップS114で表示制御回路55に変動停止コマンドを送信し、ステップS115でRAMから遊技停止コマンドをクリアする。
【0091】
図11は、球補給制御回路29のROMに予め記録されたタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込み処理は予め決められた一定時間が経過する毎に起動するものであり、球補給制御回路29のCPUは、ステップS201で発射球補給処理を行い、ステップS202で発射球抜き処理を行う。
【0092】
図12は球補給制御回路29のROMに予め記録された発射球補給処理を説明するためのフローチャートであり、球補給制御回路29のCPUはステップS211でRAMの発射球補給フラグがオフされているか否かを判断する。この発射球補給フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPUはステップS211でRAMの発射球補給フラグがオフされていると判断した場合にはステップS212へ移行する。
【0093】
球補給制御回路29のCPUはステップS212へ移行すると、RAMに球補給コマンドが記録されているか否かを判断する。この球補給コマンドは遊技者がリーダライタ装置60にプリペイドカードを挿入して遊技開始スイッチ8を操作した遊技の開始時に発射制御回路18から送信されるものであり、CPUはステップS212でRAMに球補給コマンドが記録されていると判断した場合にはステップS213で球補給モータ27を運転開始する。
【0094】
そして、ステップS214でRAMから球補給コマンドをクリアし、ステップS215でRAMの発射球補給フラグをオンする。球補給モータ27が運転されることで球補給機構25から発射球通路31内に遊技球が補給される。
【0095】
球補給制御回路29のCPUは発射球通路31内に遊技球を補給している状態ではステップS211でRAMの発射球補給フラグがオンされていると判断し、ステップS216で発射球補給センサ64からの発射球補給信号が停止したか否かを判断する。例えば発射球通路31内に限度位置以上の遊技球が補給された場合にはCPUはステップS216で発射球補給センサ64からの発射球補給信号が停止したと判断する。そして、ステップS217で球補給モータ27を運転停止し、ステップS218でRAMの発射球補給フラグをオフし、発射球通路31に対する遊技球の補給を停止する。
【0096】
図13は球補給制御回路29のROMに予め記録された発射球抜き処理を説明するためのフローチャートであり、球補給制御回路29のCPUはステップS221でRAMの球抜きフラグがオフされているか否かを判断する。この球抜きフラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPUはステップS221でRAMの球抜きフラグがオフされていると判断した場合にはステップS222へ移行する。
【0097】
球補給制御回路29のCPUはステップS222へ移行すると、RAMに球抜きコマンドが記録されているか否かを判断する。この球抜きコマンドは遊技者が遊技開始スイッチ8の操作後に遊技停止スイッチ9を操作した場合および発射制御回路18の貯球数Nの計測結果が「0」になった場合のそれぞれに発射制御回路18から送信されるものであり、CPUはステップS222でRAMに球抜きコマンドが記録されていると判断した場合にはステップS223で球抜きソレノイド34をオンすることで球抜き通路33の入口を開放する。この球抜き通路33の開放状態では発射球通路31内の遊技球が球抜き通路33を通して抜き取られる。
【0098】
球補給制御回路29のCPUはステップS223で球抜き通路33を開放すると、ステップS224でRAMから球抜きコマンドをクリアする。そして、ステップS225でRAMの球抜きフラグをオンし、ステップS226でRAMのタイマSTに球抜き時間を設定する。この球抜き時間はROMに予め記録されたものであり、発射球通路31内に限度位置の遊技球が充填されている場合に発射通路31内から全ての遊技球を抜き取ることが可能な値に設定されている。
【0099】
球補給制御回路29のCPUは球抜き通路33の開放状態ではステップS221でRAMの球抜きフラグがオンされていると判断し、ステップS227でRAMのタイマSTからROMに予め記録された単位時間ΔSTを減算し、ステップS228でRAMのタイマSTの減算結果をROMに予め記録された限度値(0)と比較する。ここで「ST=限度値」であると判断した場合にはステップS229へ移行し、球抜きソレノイド34をオフすることで球抜き通路33の入口を閉鎖する。
【0100】
以上のように、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球の中に遊技に不適切な遊技球(ここでは磁性体球)を検知した場合でも、パチンコ遊技機1の動作を停止させずに、パチンコ遊技機1を動作させたままで、ファール球回収口80に不適切な遊技球を回収することができる。このため、遊技店の従業員がその都度不適切な遊技球を回収する必要がなくなり、従業員に余分な負担を掛けないようにすることができる。
【0101】
また、不適切な遊技球の検知により遊技が中断されないため、遊技者にとっても不利益を被ったり不快な思いをしたりしない遊技機とすることができる。
【0102】
さらに、不適切な遊技球を回収する場合に、パチンコ遊技機1に元々備えられているファール球回収口80と発射装置と発射制御回路18を利用するようになっているため、不適切な遊技球を回収する構成を設置するのに必要最小限のものを設置するだけで良く、シンプルな不適切球検知回収システムとすることができる。
【0103】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0104】
例えば、前記した実施の形態では、封入式のパチンコ遊技機を用いて本発明を説明したが、これに限るものではなく、本発明は封入式でないパチンコ遊技機や他の弾球遊技機にも適用可能である。
【0105】
また、前記した実施の形態では、不適切な遊技球として磁性体球を挙げ、不適切球検知手段として磁性体球を検知する磁性体球検知センサを挙げていたが、これに限るものではなく、本発明は、形、、寸法、素材等において遊技に不適切な遊技球を検知する場合であれば、どのような遊技球に対しても適用可能である。例えば、不適切な遊技球として小径球を検知するように小径球検知センサを配置していても良く、また、種々の不適切球を検知可能なように複数の検知手段を配置していても良い。
【0106】
また、不適切球検知手段を配置する位置についても適宜の箇所で良い。例えば、発射球通路における球送り機構で発射レールに球を移送する直前でない箇所に不適切球検知手段を配置しても良く、その場合は、検知してから何球後に発射装置から発射される遊技球が不適切な遊技球かを計測しておき、それに合わせて発射装置の発射強さを、遊技球が遊技領域に放出されずにファール球回収口に回収される程度の一定値にセットするように構成される必要がある。
【符号の説明】
【0107】
1…パチンコ遊技機(弾球遊技機)、13…発射ハンドル、15…発射ソレノイド(発射装置)、16…打球槌(発射装置)、17…ソレノイド回路(発射装置)、18…発射制御回路(発射制御装置)、19…発射レール(発射装置)、20…球止め板(発射装置)、36…発射通路、37…遊技領域、80…ファール球回収口、101…磁性体球検知センサ(不適切球検知手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は弾球遊技機に関し、特に、遊技に不適切な遊技球を検知する機能を有する弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機などの弾球遊技機においては、磁石を用いて遊技球を入賞口に入賞させたり、小径球を用いて遊技球を入賞口に入り易くさせたりする等の、所謂ゴト行為と言われる不正を行う者がいる。このような不正を防止するために、例えば、磁石を用いた不正に対して、遊技店で使用する遊技球を磁石に反応しない非磁性体球にする等の対策が考えられている。
【0003】
しかし、不正防止策として、遊技店で使用する遊技球を非磁性体球にする等の対策を講じても、不正を行う者が磁性体球を外から持ち込んで遊技機の中に紛れ込ませた上で、磁石による不正を行う場合がある。そのため、さらなる不正防止策として、遊技球の中に磁性体球や小径球などの遊技に不適切な遊技球があるかどうかを検知するセンサを遊技機に設けておき、センサが不適切な遊技球を検知したら、遊技機の動作を停止させて不適切な遊技球を保持しておくようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−284217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1に記載した遊技機では、不適切な遊技球を検知する度に遊技機の動作を停止してしまうようになっているため、何らかの理由で遊技球の中に不適切な遊技球が混じってしまった場合、不適切な遊技球を検知する度に、遊技店の従業員が、遊技機内に保持された不適切な遊技球を回収しなければならず、従業員に余分な負担が掛かるという問題があった。
【0006】
また、遊技機内に保持された不適切な遊技球により、遊技機の動作が停止してしまうと、当該遊技機で遊技していた遊技者は、遊技店の従業員が当該不適切な遊技球を回収するまで、遊技が中断された状態で待っている必要がある。このように、自分より前に当該遊技機で遊技していた者が不正を行っていた場合等、その遊技者に非がない場合でも遊技を一旦止められてしまうため、これにより遊技者が不利益を被ったり不快な思いをしたりすることがあり、これも問題であった。
【0007】
さらに、遊技機内に、不適切な遊技球を回収する専用通路を予め設けておき、不適切な遊技球を検知した場合にこの専用通路に遊技球を送ることで、遊技機の動作を停止させないで不適切な遊技球を回収することも考えられたが、専用通路を設けると遊技機内の構造が複雑になり、不適切な遊技球の回収のためだけに遊技機内の構造を複雑にしてしまうことは問題であった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の中に不適切な遊技球を検知した場合でも、遊技機の動作を停止させることなく不適切な遊技球を回収することができ、これにより、遊技店の従業員がその都度不適切な遊技球を回収する必要がなく、従業員に余分な負担を掛けずに済み、また、遊技者も遊技を中断する必要がないことから、不利益を被ったりや深不快な思いをしたりしないで済み、かつ、シンプルな不適切球検知回収システムとすることができる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、遊技者による発射ハンドルの操作量に応じた強さで、発射装置に遊技球を発射させるように制御する発射制御装置を有し、また、発射装置から発射された遊技球が下方から上方に向かって通る発射通路と、発射通路の上端部から放出された遊技球が転動しながら落下する遊技領域と、発射装置から発射されたが遊技領域に放出されなかった遊技球を回収するために、発射通路の途中に設けられたファール球回収口とを有し、さらに、発射装置によって遊技球が発射される前に、当該遊技球が遊技領域に放出するのに適切な遊技球か不適切な遊技球かを検知する不適切球検知手段を有しており、発射制御装置は、不適切球検知手段において不適切な遊技球を検知した場合には、遊技者による発射ハンドルの操作量に拘らず、当該不適切な遊技球を、遊技領域に放出されずにファール球回収口に回収される程度の強さで発射させるように、発射装置を制御する弾球遊技機としたことを特徴とする。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、遊技球の中に遊技に不適切な遊技球を検知しても、遊技機の動作を停止させることなく不適切な遊技球を回収することができる。このため、遊技店の従業員がその都度不適切な遊技球を回収する必要がなくなり、従業員に余分な負担を掛けないようにすることができる。
【0011】
また、不適切な遊技球の検知により遊技が中断されないため、遊技者にとっても不利益を被ったり不快な思いをしたりしない遊技機とすることができる。
【0012】
さらに、不適切な遊技球を回収する場合に、遊技機に元々備えられているファール球回収口と発射装置と発射制御装置を利用するようになっているため、不適切な遊技球を回収する構成を設置するのに必要最小限のものを設置するだけで良く、シンプルな不適切球検知回収システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図である。
【図2】同パチンコ遊技機の前枠を外した状態の正面図である。
【図3】同パチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図4】同パチンコ遊技機の遊技球回収機構を説明するための裏面図である。
【図5】同パチンコ遊技機の発射制御回路における発射制御処理を示すフローチャートである。
【図6】同パチンコ遊技機のメイン制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図7】同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図8】同パチンコ遊技機のメイン制御回路における図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図9】同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り遊技処理を示すフローチャートである。
【図10】同パチンコ遊技機の演出制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図11】同パチンコ遊技機の球補給制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図12】同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球補給処理を示すフローチャートである。
【図13】同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球抜き処理を示すフローチャートである。
【図14】同パチンコ遊技機の発射制御回路における磁性体球検知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態における弾球遊技機について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、弾球遊技機としてパチンコ遊技機を例に説明しており、特に、遊技球を循環させる構造の封入式パチンコ遊技機を用いて説明している。また、本実施の形態のパチンコ遊技機は、使用する遊技球を全て非磁性体球としたパチンコ遊技機であり、本発明における不適切な遊技球として、磁性体球を挙げて説明している。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図であり、図2は、同パチンコ遊技機の前枠を外した状態の正面図であり、図3は、同パチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図であり、図4は、同パチンコ遊技機の遊技球回収機構を説明するための裏面図である。
【0016】
また、図5は、同パチンコ遊技機の発射制御回路における発射制御処理を示すフローチャートであり、図6は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートであり、図7は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り判定処理を示すフローチャートであり、図8は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路における図柄遊技処理を示すフローチャートであり、図9は、同パチンコ遊技機のメイン制御回路における大当り遊技処理を示すフローチャートであり、図10は、同パチンコ遊技機の演出制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートであり、図11は、同パチンコ遊技機の球補給制御回路におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートであり、図12は、同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球補給処理を示すフローチャートであり、図13は、同パチンコ遊技機の球補給制御回路における発射球抜き処理を示すフローチャートであり、図14は、同パチンコ遊技機の発射制御回路における磁性体球検知処理を示すフローチャートである。
【0017】
本発明の実施の形態における封入式のパチンコ遊技機1においては、図1に示すように、まず、遊技店の台島に、外枠1が設置されている。この外枠1は前面および後面のそれぞれが開口する四角筒状をなすものであり、外枠1には、その前方に位置する内枠2が、上下方向へ指向する軸3を中心に回動可能に装着されている。この内枠2は、図2に示すように、縦長な四角環状をなすものであり、左板部と右板部と上板部と下板部を有している。この内枠2は、外枠1の前端面に前方から接触する閉鎖状態および外枠1の前端面から前方へ離間する開放状態の相互間で軸3を中心に回動操作されるものであり、内枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。
【0018】
内枠2には、図1に示すように、その前方に位置する前枠4が装着されている。この前枠4は、内枠2の前面を閉鎖する閉鎖状態および内枠2の前面を開放する開放状態の相互間で、内枠2と共通の軸3を中心に回動操作されるものであり、前枠4には円形状の貫通孔が形成され、貫通孔の内周面には透明なガラス製の窓5が固定されている。この前枠4には錠機構6が装着されている。この錠機構6はシリンダ錠からなるものであり、ロータを有している。このロータは前後方向へ指向する軸を中心にロック位置およびロック解除位置の相互間で回動可能にされたものであり、ロータには前枠4の閉鎖状態で前方から専用の鍵が着脱可能に挿入される。このロータは、鍵が挿入された状態で回動操作されることが許容され、鍵が挿入されていない状態で回動操作されることが禁止されるものであり、ロータにはロックプレートが固定されている。このロックプレートはロータのロック位置で内枠2に係合し、ロータのロック解除位置で内枠2から外れるものであり、ロータのロック位置では前枠4がロックプレートおよび内枠2の相互間の係合力で閉鎖状態にロックされ、ロータのロック解除位置では前枠4が閉鎖状態および開放状態の相互間で操作可能にロック解除される。
【0019】
前枠4には、図1に示すように、窓5の下方に位置してカード挿入口7と遊技開始スイッチ8と遊技停止スイッチ9と貯球表示器10のそれぞれが固定されている。カード挿入口7は遊技者が前方からプリペイドカードを挿入するものであり、プリペイドカードには貯球数情報Pが磁気情報で読み書き可能に記録されている。遊技開始スイッチ8は遊技者が前方から操作することが可能なものであり、操作されることで遊技開始信号を出力する。遊技停止スイッチ9は遊技者が前方から操作することが可能なものであり、操作されることで遊技停止信号を出力する。貯球表示器10はLED表示器からなるものであり、遊技者が前方から視覚的に認識することが可能なものである。
【0020】
内枠2には、図1に示すように、前板11が固定されている。この前板11は前枠4の下方に配置されたものであり、横長な長方形状をなしている。この前板11にはハンドル台12が固定されており、ハンドル台12には発射ハンドル13が装着されている。この発射ハンドル13は遊技者が前方から手指で操作することが可能なものであり、前後方向へ指向する軸を中心に回動可能にされている。内枠2には、図2に示すように、横長な長方形状の台板14が固定されており、台板14にはロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド15が固定されている。この発射ソレノイド15の出力軸には打球槌16(図1参照)が連結されており、発射ソレノイド15は駆動電源が与えられることで打球槌16を待機位置および打球位置の相互間で往復的に移動操作する。
【0021】
発射ソレノイド15には、図3に示すように、ソレノイド回路17が接続されている。このソレノイド回路17は発射ソレノイド15に駆動電源を供給するものであり、ソレノイド回路17にはマイクロコンピュータを主体に構成された発射制御装置としての発射制御回路18が接続されている。なお、発射ソレノイド15、打球槌16、ソレノイド回路17、後述する発射レール19、後述する球止め板20等により、遊技球の発射装置を構成している。
【0022】
発射制御回路18はCPUとROMとRAMを有するものであり、発射制御回路18にはハンドルセンサ13aが接続されている。このハンドルセンサ13aは、発射ハンドル13が予め決められた発射停止位置から時計回り方向へ回動操作された状態で操作信号を出力するものであり、発射制御回路18はハンドルセンサ13aから操作信号が出力されていることを条件にソレノイド回路17を駆動制御することで発射ソレノイド15を駆動する。また、発射制御回路18は、通常、遊技者による発射ハンドル13の操作量(具体的には、発射ハンドル13の回転量)に応じた発射強さをハンドルセンサ13aから受け、当該遊技者による発射ハンドル13の操作量に応じた発射強さを発射装置の発射ソレノイド15に伝えるようになっている。
【0023】
内枠2の台板14には、図2に示すように、発射レール19が固定されている。この発射レール19は遊技球が供給されるものであり、右から左に向けて上昇する傾斜状をなしている。この発射レール19の右端部には球止め板20が形成されており、球止め板20には遊技球が通過することが不能な大きさの貫通孔が形成されている。この球止め板20は発射レール19上の遊技球が発射レール19の右端部から転落することを防止するものであり、打球槌16は待機位置から打球位置に移動することで球止め板20が転落不能に支持する遊技球を球止め板20の貫通孔を通して右から左に向けて叩き、発射レール19に沿って右から左に向けて転動させる。
【0024】
内枠2には、図2に示すように、台板14の上方に位置して垂直な板状の遊技盤21が固定されている。この遊技盤21は前枠4の閉鎖状態において前枠4の後方に位置するものであり、遊技盤21の前面は前枠4の閉鎖状態で前方から手指を触れることが不可能なように閉鎖され、前枠4の開放状態で前方から手指を触れることが可能なように開放される。この遊技盤21の前面には内レール22と外レール23と球止めゴム24が固定されている。内レール22は上面が開口する円弧状の金属板から構成されたものであり、外レール23は内レール22の外周部に配置された円弧状の金属板から構成されたものであり、球止めゴム24は内レール22の右端部および外レール23の右端部の相互間の隙間を塞ぐゴムから構成されている。
【0025】
遊技盤21には、図4に示すように、その後方に位置する球補給機構25が固定されている。この球補給機構25は、球補給管26を介して遊技店の島設備に接続されたものであり、球補給機構25には遊技店の島設備から球補給管26を通して遊技球が供給される。この球補給機構25は球補給モータ27(図3参照)を駆動源とするものであり、球補給モータ27の回転軸にはスプロケットが連結されている。このスプロケットには球補給管26から供給される遊技球を受ける凹状の複数の球受け部が形成されており、複数の球受け部のそれぞれは球補給モータ27の回転軸が予め決められた単位量だけ回転する毎に遊技球を放出し、球補給管26は球補給モータ27の回転軸が予め決められた単位量だけ回転する毎に空の球受け部に遊技球を供給する。
【0026】
球補給モータ27は、図3に示すように、モータ回路28に接続されている。このモータ回路28は球補給モータ27に駆動電源を供給するものであり、球補給制御回路29に接続されている。この球補給制御回路29はモータ回路28を駆動制御することで球補給モータ27を回転操作するものであり、発射制御回路18に接続されている。この球補給制御回路29はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPUとROMとRAMを有している。
【0027】
球補給機構25には、図4に示すように、上下方向へ指向する球補給通路30の上端部が接続されている。この球補給通路30は、遊技盤21の後方に位置するように固定されたものであり、球補給通路30の下端部には発射球通路31の左端部が接続されている。この発射球通路31は左から右に向けて下降する傾斜状をなすものであり、球補給機構25から放出された遊技球は球補給通路30内を通して発射球通路31内に供給される。
【0028】
この発射球通路31は、内枠2の台板14に台板14の後方に位置して固定されたものであり、球補給通路30内から発射球通路31内に供給された遊技球は発射球通路31内を左から右に向けて転動する。この発射球通路31の右端部には球送り機構32が接続されている。この球送り機構32は打球槌16が打球位置から待機位置に移動することに連動して発射球通路31内から発射レール19上に1個の遊技球を移送するものであり、打球槌16は、球送り機構32が発射球通路31内から発射レール19上に移送した遊技球を叩くことで発射レール19の左端部から発射する。
【0029】
本実施の形態では,球送り機構32に不適切球検知手段としての磁性体球検知センサ101が配置されており、次に発射レール19に移送する遊技球、すなわち次に発射装置から発射される遊技球が、磁性体球であるか否かを磁性体球検知センサ101によって検知するようになっている。
【0030】
球送り機構32には、図4に示すように、球抜き通路33の入口が接続されている。この球抜き通路33は発射球通路31内の遊技球を球送り機構32を通して外部に抜き取るものであり、内枠2の台板14に台板14の後方に位置して固定されている。この球抜き通路33の入口にはシャッタが装着されている。このシャッタは、球抜き通路33の入口を遊技球が進入可能に開放する開放状態および遊技球が進入不能に閉鎖する閉鎖状態の相互間で移動可能にされたものであり、球抜きソレノイド34(図3参照)のプランジャに連結されている。
【0031】
この球抜きソレノイド34はシャッタの駆動源に相当するものであり、球抜きソレノイド34の電気的なオフ状態ではシャッタが閉鎖状態に静止することで球抜き通路33の入口が閉鎖され、球抜きソレノイド34の電気的なオン状態ではシャッタが開放状態に移動することで球抜き通路33の入口が開放される。この球抜きソレノイド34は、図3に示すように、ソレノイド回路35を介して発射制御回路18に接続されている。このソレノイド回路35は球抜きソレノイド34に駆動源を供給するものであり、発射制御回路18はソレノイド回路35を駆動制御することで球抜き通路33の入口を開閉操作する。
【0032】
遊技盤21には、図2に示すように、内レール22および外レール23の相互間に位置して発射通路36が形成されている。この発射通路36は下端部および上端部のそれぞれが開口する円弧状をなすものであり、発射レール19の左端部から発射された遊技球は発射通路36の下端部を通って発射通路36内に進入する。この遊技球は発射通路36に沿って円弧状の軌跡を描きながら下方から上方に向かって上昇し、発射通路36の上端部から放出される。遊技盤21には発射通路36の右方に隣接して遊技領域37が形成されている。
【0033】
この遊技領域37は内レール22と外レール23と球止めゴム24で囲まれた領域のうち発射通路36を除く残りの円形状の領域を称するものであり、発射通路36の上端部から放出された遊技球が転動することが可能な最大範囲に相当する。この遊技領域37は前枠4の閉鎖状態で前枠4の窓5が前方から対向するものであり、前枠4の閉鎖状態で前方から窓5を通して視覚的に認識可能にされている。この遊技盤21には遊技領域37内に位置して複数の障害釘が固定されており、発射通路36の上端部から遊技領域37内に放出された遊技球は障害釘に当たって転動しながら遊技領域37内を落下する。
【0034】
また、図2に示すように、発射通路36の途中には、ファール球回収口80が形成されている。このファール球回収口80は、発射装置の打球槌16によって発射された遊技球のうち、発射されたが発射通路36の上端部から遊技領域37に放出されずに発射通路36を逆戻りしてきた遊技球Tを発射装置に戻さないように回収するために設けられたものであり、本実施の形態では、発射通路36の下端部付近に下方に開いた穴として形成されている。図示は省略するが、ファール球回収口80に回収された遊技球T(ファール球)は、他の遊技球と同様に回収されパチンコ遊技機1内で循環するようになっている。
【0035】
遊技盤21には、図2に示すように、遊技領域37内に位置して始動口38が固定されている。この始動口38は遊技領域37内を転動する遊技球が入賞することが可能なポケット状をなすものであり、始動口38に入賞した遊技球は始動口38を通して遊技盤21の後方へ排出される。この始動口38内には近接スイッチからなる始動口センサ39(図3参照)が固定されており、遊技球が始動口38内に入賞した場合には始動口センサ39から始動信号が出力される。
【0036】
遊技盤21には、図2に示すように、遊技領域37内に位置して特別入賞口40が固定されている。この特別入賞口40は前面が開口する横長な箱状をなすものであり、特別入賞口40には扉41が左右方向へ指向する軸42を中心に回動可能に装着されている。この扉41は特別入賞口ソレノイド43(図3参照)のプランジャに連結されており、特別入賞口ソレノイド43の電気的なオフ状態では扉41が垂直な閉鎖状態に静止することで特別入賞口40の前面を遊技球が入賞不能に閉鎖する。
【0037】
この扉41は特別入賞口ソレノイド43の電気的なオン状態で前方へ水平に倒れた開放状態に軸42を中心に回動するものであり、扉41の開放状態では遊技領域37内を転動する遊技球が扉41に乗って特別入賞口40に入賞することが許容され、特別入賞口40に入賞した遊技球は特別入賞口40を通して遊技盤21の後方へ排出される。この特別入賞口40内には近接スイッチからなるカウントセンサ44(図3参照)が固定されており、遊技球が特別入賞口40内に入賞した場合にはカウントセンサ44からカウント信号が出力される。
【0038】
遊技盤21には、図2に示すように、遊技領域37内に位置して表示台枠45が固定されており、表示台枠45には特別図柄表示器46が固定されている。この特別図柄表示器46はLED表示器からなるものであり、遊技球が始動口38に入賞した場合には特別図柄表示器46に特別図柄遊技の映像が表示される。この特別図柄遊技の映像は特別図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示するものである。この特別図柄の変動表示は特別図柄を予め決められた順序「1」→「7」→「1」・・・で循環的に変化させるものであり、特別図柄の停止表示は特別図柄の変動表示を「1」「7」のいずれかで停止するものであり、特別図柄「1」を外れ図柄と称し、特別図柄「7」を大当り図柄と称する。
【0039】
特別図柄遊技で特別図柄表示器46に大当り図柄「7」が停止表示された場合には大当りラウンドが開始される。この大当りラウンドは特別入賞口40を開放することで特別入賞口40に遊技球が入賞することを許容するものであり、特別図柄遊技で特別図柄表示器46に大当り図柄「7」が停止表示された場合には15回の大当りラウンドが行われる。この大当りラウンドは上限個数(例えば10個)の遊技球が特別入賞口40に入賞した場合および特別入賞口40の開放時間が上限時間(例えば30sec)に到達した場合のいずれかに終了するものであり、大当りラウンドの15回の繰返しを大当り遊技と称する。
【0040】
図3のメイン制御回路47は特別図柄遊技の遊技内容および大当り遊技の遊技内容のそれぞれを制御するものであり、遊技盤21に遊技盤21の後方に位置して固定されている。このメイン制御回路47はCPU48とROM49とRAM50を有するものであり、始動口センサ39およびカウントセンサ44のそれぞれはメイン制御回路47に接続されている。このメイン制御回路47のROM49には制御プログラムおよび制御データのそれぞれが予め記録されており、CPU48はRAM50をワークエリアとしてROM49の制御プログラムおよびROM49の制御データのそれぞれに基づいて制御コマンドを設定する。
【0041】
このメイン制御回路47にはソレノイド回路51を介して特別入賞口ソレノイド43が接続されている。このソレノイド回路51は特別入賞口ソレノイド43に駆動電源を供給するものであり、メイン制御回路47のCPU48はソレノイド回路51を駆動制御することで特別入賞口40を開閉操作する。このメイン制御回路47にはLED回路52を介して特別図柄表示器46が接続されている。このLED回路52は特別図柄表示器46の複数のLEDのそれぞれに駆動電源を供給するものであり、メイン制御回路47のCPU48はLED回路52を駆動制御することで特別図柄表示器46に特別図柄遊技の映像を表示する。
【0042】
表示台枠45には、図2に示すように、装飾図柄表示器53が固定されている。この装飾図柄表示器53はカラー液晶表示器からなるものであり、装飾図柄表示器53には装飾図柄遊技の映像が表示される。この装飾図柄遊技では装飾図柄表示器53の表示領域内に左変動領域Lと中変動領域Cと右変動領域Rが横一列に設定され、左変動領域L内〜右変動領域R内のそれぞれに図柄要素が変動状態および変動停止状態で順に表示される。左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれには「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」の8種類が共通に設定されている。
【0043】
左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの変動表示は図柄要素を予め決められた順序「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「1」・・・で循環的に変化させるものであり、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれは特別図柄遊技で特別図柄が変動開始することに時間的に同期して変動開始する。これら左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素の3者は装飾図柄を構成するものであり、装飾図柄の組合せは特別図柄遊技で特別図柄が変動停止することに時間的に同期して映像上で確定する。この装飾図柄の組合せには大当りの組合せおよび外れの組合せの2種類が設定されている。大当りの組合せは左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素が相互に同一な組合せを称するものであり、大当りの組合せには「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」の8種類が設定されている。外れの組合せは左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素が相互に同一でない組合せを称するものであり、装飾図柄は特別図柄遊技で外れ図柄「1」が停止表示される場合には外れの組合せになり、特別図柄遊技で大当り図柄「7」が停止表示される場合には大当りの組合せになる。
【0044】
メイン制御回路47には、図3に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された演出制御回路54が接続されており、メイン制御回路47は制御コマンドの設定結果を演出制御回路54に送信する。この演出制御回路54は遊技盤21に遊技盤21の後方に位置して固定されたものであり、CPUとROMとRAMを有している。この演出制御回路54のROMには制御プログラムおよび制御データのそれぞれが予め記録されており、演出制御回路54のCPUは制御コマンドの設定結果を受信した場合にはRAMをワークエリアとしてROMの制御プログラムおよびROMの制御データのそれぞれに基づいて表示制御コマンドを設定する。
【0045】
演出制御回路54には、図3に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された表示制御回路55が接続されており、演出制御回路54は表示制御コマンドの設定結果を表示制御回路55に送信する。この表示制御回路55は遊技盤21の後方に位置するように固定されたものであり、VDPとVROMとVRAMを有している。この表示制御回路55のVROMには図柄要素「1」〜「8」を表示するための画像データが予め記録されており、表示制御回路55のCPUは表示制御コマンドの設定結果を受信した場合にはVROMの画像データを再生することで装飾図柄表示器53に表示制御コマンドの受信結果に応じた装飾図柄遊技の映像をカラーで表示する。
【0046】
遊技盤21には、図2に示すように、アウト口56が形成されている。このアウト口56は内レール22の最低部に配置されたものであり、始動口38および特別入賞口40のいずれにも入賞しなかった遊技球は内レール22に沿ってアウト口56に進入し、アウト口56を通して遊技盤21の後方へ排出される。この遊技盤21には、図4に示すように、遊技盤21の後方に位置して集合樋57が固定されている。この集合樋57は、始動口38を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球と、特別入賞口40を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球と、アウト口56を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球と、ファール球回収口80を通して遊技盤21の後方へ排出された遊技球のそれぞれが集められるものであり、集合樋57に集められた遊技球は集合樋57の底面に沿って転動する。
【0047】
この集合樋57の最低部には上下方向へ指向する球接続通路58の上端部が接続されている。この球接続通路58の下端部は発射球通路31に接続されており、始動口38に入賞した遊技球と、特別入賞口40に入賞した遊技球と、アウト口56に進入した遊技球と、ファール球回収口80に進入した遊技球のそれぞれは集合樋57から球接続通路58を通して発射球通路31内に戻され、発射通路31内から球送り機構32を通して発射レール19上に移送されることで遊技盤21に再び発射される。
【0048】
内レール22の上端部には、図2に示すように、近接スイッチからなる球発射センサ59が固定されており、発射通路36の上端部から遊技領域37内に遊技球が放出される場合には球発射センサ59から発射信号が出力される。この球発射センサ59と始動口センサ39とカウントセンサ44のそれぞれは、図3に示すように、発射制御回路18に接続されており、発射制御回路18は球発射センサ59からの発射信号と始動口センサ39からの始動信号とカウントセンサ44からのカウント信号のそれぞれに基づいて貯球数を計測する。
【0049】
内枠2の台板14には、図2に示すように、台板14の前方に位置してリーダライタ装置60が固定されており、前枠4の閉鎖状態では前枠4がリーダライタ装置60を前方から覆い、前枠4の開放状態では前枠4がリーダライタ装置60を前方に開放する。このリーダライタ装置60はカード挿入口61を有するものであり、リーダライタ装置60には前枠4の閉鎖状態で前方から前枠4のカード挿入口7およびリーダライタ装置60のカード挿入口61のそれぞれを順に通してプリペイドカードが挿入される。
【0050】
このリーダライタ装置60は、図3に示すように、発射制御回路18に接続されており、プリペイドカードが挿入されている状態ではプリペイドカードから貯球数情報Pを検出し、貯球数情報Pの検出結果を発射制御回路18に送信する。このリーダライタ装置60はカード排出機構を有している。このカード排出機構はリーダライタ装置60に挿入されたプリペイドカードをリーダライタ装置60のカード挿入口61から前枠4のカード挿入口7を通して前方へ排出するものであり、カード排出モータ62(図3参照)を駆動源として動作する。
【0051】
発射制御回路18には、図3に示すように、LED回路63を介して貯球表示器10が接続されている。このLED回路63は貯球表示器10の複数のLEDのそれぞれに駆動電源を供給するものであり、発射制御回路18はLED回路63を駆動制御することで貯球表示器10に貯球数を表示する。この発射制御回路18には遊技開始スイッチ8および遊技停止スイッチ9のそれぞれが接続されており、発射制御回路18は遊技開始スイッチ8から遊技開始信号が出力されたと判断することに基づいて発射ソレノイド15が駆動することを許容し、遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されたと判断することに基づいて発射ソレノイド15が駆動することを禁止する。
【0052】
図5は、発射制御回路18のROMに予め記録された発射制御プログラムによる発射制御処理であり、発射制御回路18のCPUは、まず、ステップS1で遊技開始スイッチ8から遊技開始信号が出力されたか否かを判断する。ここで遊技開始スイッチ8から遊技開始信号が出力されたと判断した場合にはステップS2へ移行し、リーダライタ装置60にデータ要求コマンドを送信する。このリーダライタ装置60はデータ要求コマンドを受信した場合にはプリペイドカードから貯球数情報Pを検出し、貯球数情報Pの検出結果を発射制御回路18に送信する。即ち、遊技者は前枠4のカード挿入口7を通してリーダライタ装置60のカード挿入口61にプリペイドカードを挿入し、遊技開始スイッチ8を操作することで遊技を行うことが可能になる。
【0053】
発射制御回路18のCPUはステップS2でリーダライタ装置60にデータ要求コマンドを送信すると、ステップS3でリーダライタ装置60から貯球数情報Pが送信されたか否かを判断する。ここでリーダライタ装置60から貯球数情報Pが送信されたと判断した場合にはステップS4でRAMのカウンタNに貯球数情報Pの受信結果を設定し、ステップS5でカウンタNの設定結果をROMに予め記録された限度値(0)と比較する。
【0054】
発射制御回路18のCPUはステップS5で「N>0」であると判断すると、ステップS6でRAMの発射許可フラグをオンする。この発射許可フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、発射制御回路18のCPUは発射許可フラグのオン状態でハンドルセンサ13aから操作信号を検出した場合に発射ソレノイド15を駆動し、発射許可フラグのオフ状態ではハンドルセンサ13aから操作信号を検出しても発射ソレノイド15を駆動しない。即ち、発射球通路31内の遊技球は「N>0」である場合に発射可能になるものであり、「N≦0」である場合には発射不能になる。
【0055】
発射制御回路18のCPUはステップS6でRAMの発射許可フラグをオンすると、ステップS7で球補給制御回路29に球補給コマンドを送信する。この遊技開始スイッチ8が操作される前には発射球通路31内に遊技球が充填されておらず、球補給制御回路29は球補給コマンドを受信することで球補給機構25から発射球通路31内に遊技球を補給する。
【0056】
発射制御回路18のCPUはステップS7で球補給制御回路29に球補給コマンドを送信すると、ステップS8で本発明の不適切球検知処理としての磁性体球検知処理を行う。この磁性体球検知処理は、図14に示すように、発射制御回路18のCPUが、ステップS91で球送り機構32に設けられた磁性体球検知センサ101が磁性体球を検知したか否かを判断する。
【0057】
このステップS91で磁性体球検知センサ101が磁性体球を検知したと判断した場合には、ステップS92において、発射制御回路18が、遊技者による発射ハンドル13の操作量(具体的には、発射ハンドル13の回転量)に拘らず、その磁性体球を、遊技領域37に放出されずにファール球回収口80に回収される程度の強さで発射させるように、発射強さを一定値にセットする。そして、ステップS94で当該検知した磁性体球が丁度、発射装置の打球槌16で打たれるタイミングで、発射装置に当該発射強さの信号を送信する。信号を受けた発射装置では、遊技者による発射ハンドル13の操作量に拘らず、磁性体球を、遊技領域37に放出されずにファール球回収口80に回収される程度の強さで打ち、磁性体球は、発射通路36を一定長さ上昇した後、反転して落下し、ファール球回収口80に回収される。
【0058】
また、ステップS91で磁性体球検知センサ101が磁性体球を検知したと判断しなかった場合には、ステップS93において、発射制御回路18が、遊技者による発射ハンドル13の操作量に応じた強さで、その非磁性体球を発射させるように、発射強さをセットする。そして、ステップS94で発射装置に当該発射強さの信号を送信する。信号を受けた発射装置では、遊技者による発射ハンドル13の操作量に応じた強さで、非磁性体球を打ち出す。
【0059】
なお、本実施の形態では、球送り機構32における次に発射される遊技球について磁性体球検知センサ101で磁性体球かどうかの検知を行うため、検知後すぐに発射強さをセットして発射装置に送信するようになっている。
【0060】
その後、発射制御回路18のCPUはステップS9で球発射センサ59から発射信号が出力されているか否かを判断する。このステップS9で球発射センサ59から発射信号が出力されていると判断した場合には、ステップS10でカウンタNからROMに予め記録された単位値ΔN1(1)を減算し、ステップS11で始動口センサ39から始動信号が出力されているか否かを判断する。
【0061】
このステップS11で始動口センサ39から始動信号が出力されていると判断した場合には、ステップS12でカウンタNにROMに予め記録された単位値ΔN2(5)を加算し、ステップS13でカウントセンサ44からカウント信号が出力されているか否かを判断する。このステップS13でカウントセンサ44からカウント信号が出力されていると判断した場合には、ステップS14でカウンタNにROMに予め記録された単位値ΔN3(15)を加算し、ステップS15へ移行する。
【0062】
発射制御回路18のCPUはステップS15へ移行すると、カウンタNの更新結果を貯球表示器10に貯球数として数値で表示する。そして、ステップS16で遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されているか否かを判断し、遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されていると判断した場合には、ステップS18でRAMの発射許可フラグをオフすることで発射ソレノイド15の駆動を禁止する。
【0063】
発射制御回路18のCPUはステップS16で遊技停止スイッチ9から遊技停止信号が出力されていないと判断すると、ステップS17でカウンタNの更新結果をROMに予め記録された限度値(0)と比較する。ここで「N≦0」であると判断した場合にはステップS18へ移行し、RAMの発射許可フラグをオフすることで遊技球の発射を禁止する。
【0064】
発射制御回路18のCPUはステップS18で遊技球の発射を禁止すると、ステップS19でカウンタNの更新結果をリーダライタ装置60に送信し、ステップS20で球補給制御回路29に球抜きコマンドを送信する。リーダライタ装置60はカウンタNの更新結果を受信した場合にはプリペイドカードの貯球数情報PをカウンタNの更新結果に書換え、カード排出モータ62を駆動することでプリペイドカードをリーダライタ装置60のカード挿入口61から前枠4のカード挿入口7を通して排出する。球補給制御回路29は球抜きコマンドを受信した場合には球抜きソレノイド34を駆動することで球抜き通路33の入口を開放し、発射球通路31内の遊技球を球送り機構32および球抜き通路33のそれぞれを順に通して抜き取る。
【0065】
なお、球補給制御回路29のCPUは発射制御回路18からの球補給コマンドを受信した場合および球抜きコマンドを受信した場合のそれぞれには外部割込み処理を起動し、球補給コマンドを受信した場合には、RAMに球補給コマンドを記録し、球抜きコマンドを受信した場合には、RAMに球抜きコマンドを記録する。
【0066】
発射球通路31内には、図4に示すように、左端部に位置して発射球補給センサ64が固定されている。この発射球補給センサ64は近接スイッチからなるものであり、遊技球が発射球通路31の右端部の球送り機構32から発射球通路31の左端部に至るまで充填されている場合には発射球補給センサ64の検出領域内に遊技球が進入することで発射球補給センサ64から発射球補給信号が出力されず、遊技球が球送り機構32から発射球通路31の左端部に至るまで充填されていない場合には発射球補給センサ64の検出領域内から遊技球が退避することで発射球補給センサ64から発射球補給信号が出力される。
【0067】
この発射球補給センサ64は、図3に示すように、球補給制御回路29に接続されており、球補給制御回路29は発射球通路31内に遊技球を補給する場合には発射球補給センサ64からの発射球補給信号が停止するまで球補給機構25の球補給モータ27を継続的に運転することで遊技球を球送り機構32から発射球通路31の左端部に至るまで充填する。
【0068】
図6はメイン制御回路47のROM49に予め記録されたタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込み処理は予め決められた一定時間(4msec)が経過する毎に起動するものであり、メイン制御回路47のCPU48は、ステップS31でRAM50のカウンタMN1をROM49に予め記録された単位値ΔN(1)だけ更新し、ステップS32でRAMのカウンタMN2を単位値ΔN(1)だけ更新する。これらカウンタMN1およびMN2のそれぞれは電源が投入されることでROM49に予め記録された下限値(0)に初期設定されるものであり、カウンタMN1は下限値(0)からROM49に予め記録された上限値(100)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算され、カウンタMN2は下限値(0)からROM49に予め記録された上限値(30)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算される。
【0069】
CPU48はステップS32でカウンタMN2を更新すると、ステップS33でRAM50の図柄遊技フラグがオンされているか否かを判断する。この図柄遊技フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPU48はステップS33でRAM50の図柄遊技フラグがオンされていると判断した場合にはステップS34の図柄遊技処理へ移行し、ステップS33でRAM50の図柄遊技フラグがオフされていると判断した場合にはステップS35へ移行する。
【0070】
CPU48はステップS35へ移行すると、RAM50の大当り遊技フラグがオンされているか否かを判断する。この大当り遊技フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPU48はステップS35でRAM50の大当り遊技フラグがオンされていると判断した場合にはステップS36の大当り遊技処理へ移行し、ステップS35でRAM50の大当り遊技フラグがオフされていると判断した場合にはステップS37の大当り判定処理へ移行する。
【0071】
図7はメイン制御回路47のROM49に予め記録された大当り判定処理を説明するためのフローチャートである。この大当り判定処理はRAM50の図柄遊技フラグおよび大当り遊技フラグのそれぞれがオフされている場合に実行されるものであり、CPU48はステップS41で始動信号が有るか否かを判断する。
【0072】
例えば遊技球が始動口38に入賞した場合には始動口センサ39から始動信号が出力され、CPU48はステップS41で始動信号が有ると判断する。そして、ステップS42でRAM50からカウンタMN1の更新結果を検出し、ステップS43でカウンタMN1の検出結果をROM49に予め記録された大当り値(7)と比較する。ここで「MN1=大当り値」であると判断した場合にはステップS44でRAM50の大当りフラグをオンし、ステップS45で特別図柄を大当り図柄(7)に設定する。
【0073】
CPU48はステップS43でカウンタMN1の検出結果が大当り値と相違していると判断すると、ステップS46でRAM50の大当りフラグをオフし、ステップS47で特別図柄を外れ図柄(1)に設定する。
【0074】
CPU48はステップS45またはステップS47で特別図柄を設定すると、ステップS48で特別図柄の設定結果を演出制御回路54に送信する。そして、ステップS49でRAM50からカウンタMN2の更新結果を検出し、ステップS50でROM49に予め記録された複数の遊技時間のうちからカウンタMN2の検出結果に応じたものを選択する。そして、ステップS51で遊技時間の選択結果を演出制御回路54に送信し、ステップS52でRAM50のタイマMTに遊技時間の選択結果をセットする。
【0075】
CPU48はステップS52でタイマMTを初期設定すると、ステップS53で特別図柄遊技を開始する。この特別図柄遊技は特別図柄表示器46に特別図柄を「1」「7」「1」・・の設定順序で循環的に表示するものであり、CPU48はステップS53で特別図柄遊技を開始した場合には、ステップS54で演出制御回路54に遊技開始コマンドを送信し、ステップS55でRAM50の図柄遊技フラグをオンする。
【0076】
図8はメイン制御回路47のROM49に予め記録された図柄遊技処理を説明するためのフローチャートである。この図柄遊技処理は図柄遊技フラグがオンされている場合に実行されるものであり、CPU48はステップS61でRAM50のタイマMTからROM49に予め記録された単位値ΔTを減算し、ステップS62でタイマMTの減算結果をROM49に予め記録された限度値(0)と比較する。
【0077】
ここで「MT=限度値」であると判断した場合にはステップS63へ移行し、特別図柄の変動表示を停止する。この特別図柄の停止表示は特別図柄の設定結果で行われるものであり、大当りであると判定された場合には特別図柄が大当り図柄(7)で変動停止し、外れであると判定された場合には特別図柄が外れ図柄(1)で変動停止する。
【0078】
CPU48はステップS63で特別図柄の変動表示を停止すると、ステップS64で演出制御回路54に遊技停止コマンドを送信する。そして、ステップS65でRAM50の図柄遊技フラグをオフし、ステップS66でRAM50の大当りフラグがオンされているか否かを判断する。ここでRAM50の大当りフラグがオフされていると判断した場合には、ステップS71でRAM50の大当り遊技フラグをオフする。
【0079】
CPU48はステップS66でRAM50の大当りフラグがオンされていると判断すると、ステップS67でRAM50のカウンタRにROM49に予め記録された継続回数(15)を設定する。そして、ステップS68でRAM50の大当りフラグをオフし、ステップS69で特別入賞口40を開放し、ステップS70でRAM50の大当り遊技フラグをオンする。
【0080】
図9はメイン制御回路47のROM49に予め記録された大当り遊技処理を説明するためのフローチャートである。この大当り遊技処理は大当り遊技フラグがオンされている場合に実行されるものであり、CPU48はステップS81で今回の大当りラウンドが終了するか否かを判断する。この大当りラウンドは特別入賞口40が開放されたことを基準にROM49に予め記録された限度時間(30sec)が経過または特別入賞口40にROM49に予め記録された限度個数(10個)の遊技球が入賞したと判断された場合に終了すると判断されるものであり、CPU48はステップS81で今回の大当りラウンドが終了すると判断した場合にはステップS82で特別入賞口40を閉鎖することで今回の大当りラウンドを終え、ステップS83でRAM50のカウンタRからROM49に予め記録された単位値(1)を減算する。
【0081】
CPU48はステップS83でRAM50のカウンタRを減算すると、ステップS84でカウンタRの減算結果をROM49に予め記録された限度値(0)と比較する。ここで「R>限度値」であると判断した場合にはステップS85で特別入賞口40を再開することで次回の大当りラウンドを開始し、「R=限度値」であると判断した場合にはステップS86でRAM50の大当り遊技フラグをオフする。即ち、大当りであると判定された場合には特別図柄表示器46に大当り図柄(7)が停止表示された後に15回の大当りラウンドが行われる。
【0082】
なお、メイン制御回路47から遊技開始コマンドと特別図柄と遊技時間と遊技終了コマンドのそれぞれが送信された場合に外部割込み処理が起動し、演出制御回路54のCPUは外部割込み処理を起動した場合には遊技開始コマンドまたは特別図柄または遊技時間または遊技終了コマンドをRAMに記録する。
【0083】
図10は演出制御回路54のROMに予め記録されたタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込み処理は予め決められた一定時間(10msec)が経過する毎に起動するものであり、演出制御回路54のCPUはステップS101でRAMのカウンタSN1をROMに予め記録された単位値ΔN(1)だけ更新し、ステップS102でRAMのカウンタSN2を単位値ΔN(1)だけ更新し、ステップS103でRAMのカウンタSN3を単位値ΔN(1)だけ更新する。
【0084】
これらカウンタSN1〜SN3のそれぞれは電源が投入されることでROMに予め記録された下限値(0)に初期設定されるものであり、カウンタSN1は下限値(0)からROMに予め記録された上限値(7)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算され、カウンタSN2は下限値(0)からROMに予め記録された上限値(16)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算され、カウンタSN3は下限値(0)からROMに予め記録された上限値(32)に加算された後に下限値(0)に戻して循環的に加算される。
【0085】
演出制御回路54のCPUはステップS103でRAMのカウンタSN3を更新すると、ステップS104でRAMに遊技開始コマンドが記録されているか否かを判断する。ここでRAMに遊技開始コマンドが記録されていると判断した場合にはステップS105でRAMから遊技開始コマンドをクリアし、ステップS106でRAMから特別図柄の記録結果を検出し、ステップS107で特別図柄の検出結果を大当り図柄(7)と比較する。
【0086】
演出制御回路54のCPUはステップS107で特別図柄の検出結果が大当り図柄(7)と同一であると判断すると、ステップS108の大当り図柄設定処理へ移行する。ここで図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN1の更新結果に応じたものを選択し、左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを相互に同一の図柄要素の選択結果に設定することで装飾図柄を大当りの組合せに設定する。
【0087】
演出制御回路54のCPUはステップS107で特別図柄の検出結果が大当り図柄(7)と相違していると判断すると、ステップS109の外れ図柄設定処理で下記[1]〜[3]のそれぞれの処理を行うことで装飾図柄を左列と中列と右列が相互に同一でない外れの組合せに設定する。
[1]図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN1の更新結果に応じたものを選択し、左列の図柄要素を図柄要素の選択結果に設定する。
[2]図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN2の更新結果に応じたものを選択し、中列の図柄要素を図柄要素の選択結果に設定する。
[3]図柄要素「1」〜「8」の8種類のうちからRAMのカウンタSN3の更新結果に応じたものを選択し、右列の図柄要素を図柄要素の選択結果に設定する。
【0088】
演出制御回路54のCPUはステップS108またはステップS109で左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定すると、ステップS110で表示制御回路55に左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれの設定結果を送信する。そして、ステップS111で表示制御回路55に変動開始コマンドを送信し、ステップS112でRAMから特別図柄の記録結果をクリアする。
【0089】
この表示制御回路55は変動開始コマンドを受信した場合には左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを変動状態で表示開始し、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれを変動状態で表示開始したことを基準に予め決められた左列の変動停止時間が経過したと判断した場合に左列の図柄要素の変動表示を設定結果で停止し、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれを変動状態で表示開始したことを基準に予め決められた右列の変動停止時間(>左列の変動停止時間)が経過したと判断した場合に右列の図柄要素の変動表示を設定結果で停止する。
【0090】
その後、演出制御回路54のCPUは、ステップS113でRAMに遊技停止コマンドが記録されているか否かを判断する。ここでRAMに遊技停止コマンドが記録されていると判断した場合には、ステップS114で表示制御回路55に変動停止コマンドを送信し、ステップS115でRAMから遊技停止コマンドをクリアする。
【0091】
図11は、球補給制御回路29のROMに予め記録されたタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込み処理は予め決められた一定時間が経過する毎に起動するものであり、球補給制御回路29のCPUは、ステップS201で発射球補給処理を行い、ステップS202で発射球抜き処理を行う。
【0092】
図12は球補給制御回路29のROMに予め記録された発射球補給処理を説明するためのフローチャートであり、球補給制御回路29のCPUはステップS211でRAMの発射球補給フラグがオフされているか否かを判断する。この発射球補給フラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPUはステップS211でRAMの発射球補給フラグがオフされていると判断した場合にはステップS212へ移行する。
【0093】
球補給制御回路29のCPUはステップS212へ移行すると、RAMに球補給コマンドが記録されているか否かを判断する。この球補給コマンドは遊技者がリーダライタ装置60にプリペイドカードを挿入して遊技開始スイッチ8を操作した遊技の開始時に発射制御回路18から送信されるものであり、CPUはステップS212でRAMに球補給コマンドが記録されていると判断した場合にはステップS213で球補給モータ27を運転開始する。
【0094】
そして、ステップS214でRAMから球補給コマンドをクリアし、ステップS215でRAMの発射球補給フラグをオンする。球補給モータ27が運転されることで球補給機構25から発射球通路31内に遊技球が補給される。
【0095】
球補給制御回路29のCPUは発射球通路31内に遊技球を補給している状態ではステップS211でRAMの発射球補給フラグがオンされていると判断し、ステップS216で発射球補給センサ64からの発射球補給信号が停止したか否かを判断する。例えば発射球通路31内に限度位置以上の遊技球が補給された場合にはCPUはステップS216で発射球補給センサ64からの発射球補給信号が停止したと判断する。そして、ステップS217で球補給モータ27を運転停止し、ステップS218でRAMの発射球補給フラグをオフし、発射球通路31に対する遊技球の補給を停止する。
【0096】
図13は球補給制御回路29のROMに予め記録された発射球抜き処理を説明するためのフローチャートであり、球補給制御回路29のCPUはステップS221でRAMの球抜きフラグがオフされているか否かを判断する。この球抜きフラグは電源が投入されることでオフ状態に初期設定されるものであり、CPUはステップS221でRAMの球抜きフラグがオフされていると判断した場合にはステップS222へ移行する。
【0097】
球補給制御回路29のCPUはステップS222へ移行すると、RAMに球抜きコマンドが記録されているか否かを判断する。この球抜きコマンドは遊技者が遊技開始スイッチ8の操作後に遊技停止スイッチ9を操作した場合および発射制御回路18の貯球数Nの計測結果が「0」になった場合のそれぞれに発射制御回路18から送信されるものであり、CPUはステップS222でRAMに球抜きコマンドが記録されていると判断した場合にはステップS223で球抜きソレノイド34をオンすることで球抜き通路33の入口を開放する。この球抜き通路33の開放状態では発射球通路31内の遊技球が球抜き通路33を通して抜き取られる。
【0098】
球補給制御回路29のCPUはステップS223で球抜き通路33を開放すると、ステップS224でRAMから球抜きコマンドをクリアする。そして、ステップS225でRAMの球抜きフラグをオンし、ステップS226でRAMのタイマSTに球抜き時間を設定する。この球抜き時間はROMに予め記録されたものであり、発射球通路31内に限度位置の遊技球が充填されている場合に発射通路31内から全ての遊技球を抜き取ることが可能な値に設定されている。
【0099】
球補給制御回路29のCPUは球抜き通路33の開放状態ではステップS221でRAMの球抜きフラグがオンされていると判断し、ステップS227でRAMのタイマSTからROMに予め記録された単位時間ΔSTを減算し、ステップS228でRAMのタイマSTの減算結果をROMに予め記録された限度値(0)と比較する。ここで「ST=限度値」であると判断した場合にはステップS229へ移行し、球抜きソレノイド34をオフすることで球抜き通路33の入口を閉鎖する。
【0100】
以上のように、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球の中に遊技に不適切な遊技球(ここでは磁性体球)を検知した場合でも、パチンコ遊技機1の動作を停止させずに、パチンコ遊技機1を動作させたままで、ファール球回収口80に不適切な遊技球を回収することができる。このため、遊技店の従業員がその都度不適切な遊技球を回収する必要がなくなり、従業員に余分な負担を掛けないようにすることができる。
【0101】
また、不適切な遊技球の検知により遊技が中断されないため、遊技者にとっても不利益を被ったり不快な思いをしたりしない遊技機とすることができる。
【0102】
さらに、不適切な遊技球を回収する場合に、パチンコ遊技機1に元々備えられているファール球回収口80と発射装置と発射制御回路18を利用するようになっているため、不適切な遊技球を回収する構成を設置するのに必要最小限のものを設置するだけで良く、シンプルな不適切球検知回収システムとすることができる。
【0103】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0104】
例えば、前記した実施の形態では、封入式のパチンコ遊技機を用いて本発明を説明したが、これに限るものではなく、本発明は封入式でないパチンコ遊技機や他の弾球遊技機にも適用可能である。
【0105】
また、前記した実施の形態では、不適切な遊技球として磁性体球を挙げ、不適切球検知手段として磁性体球を検知する磁性体球検知センサを挙げていたが、これに限るものではなく、本発明は、形、、寸法、素材等において遊技に不適切な遊技球を検知する場合であれば、どのような遊技球に対しても適用可能である。例えば、不適切な遊技球として小径球を検知するように小径球検知センサを配置していても良く、また、種々の不適切球を検知可能なように複数の検知手段を配置していても良い。
【0106】
また、不適切球検知手段を配置する位置についても適宜の箇所で良い。例えば、発射球通路における球送り機構で発射レールに球を移送する直前でない箇所に不適切球検知手段を配置しても良く、その場合は、検知してから何球後に発射装置から発射される遊技球が不適切な遊技球かを計測しておき、それに合わせて発射装置の発射強さを、遊技球が遊技領域に放出されずにファール球回収口に回収される程度の一定値にセットするように構成される必要がある。
【符号の説明】
【0107】
1…パチンコ遊技機(弾球遊技機)、13…発射ハンドル、15…発射ソレノイド(発射装置)、16…打球槌(発射装置)、17…ソレノイド回路(発射装置)、18…発射制御回路(発射制御装置)、19…発射レール(発射装置)、20…球止め板(発射装置)、36…発射通路、37…遊技領域、80…ファール球回収口、101…磁性体球検知センサ(不適切球検知手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作する発射ハンドルと、
遊技球を発射させる発射装置と、
遊技者による前記発射ハンドルの操作量に応じた強さで、前記発射装置に遊技球を発射させるように制御する発射制御装置と、
前記発射装置から発射された遊技球が下方から上方に向かって通る発射通路と、
前記発射通路の上端部から放出された遊技球が転動しながら落下する遊技領域と、
前記発射装置から発射されたが前記遊技領域に放出されなかった遊技球を回収するために、前記発射通路の途中に設けられたファール球回収口と、
前記発射装置によって遊技球が発射される前に、当該遊技球が前記遊技領域に放出するのに適切な遊技球か不適切な遊技球かを検知する不適切球検知手段と、
を有し、
前記発射制御装置は、前記不適切球検知手段において不適切な遊技球を検知した場合には、遊技者による前記発射ハンドルの操作量に拘らず、当該不適切な遊技球を、前記遊技領域に放出されずに前記ファール球回収口に回収される程度の強さで発射させるように、前記発射装置を制御することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項1】
遊技者が操作する発射ハンドルと、
遊技球を発射させる発射装置と、
遊技者による前記発射ハンドルの操作量に応じた強さで、前記発射装置に遊技球を発射させるように制御する発射制御装置と、
前記発射装置から発射された遊技球が下方から上方に向かって通る発射通路と、
前記発射通路の上端部から放出された遊技球が転動しながら落下する遊技領域と、
前記発射装置から発射されたが前記遊技領域に放出されなかった遊技球を回収するために、前記発射通路の途中に設けられたファール球回収口と、
前記発射装置によって遊技球が発射される前に、当該遊技球が前記遊技領域に放出するのに適切な遊技球か不適切な遊技球かを検知する不適切球検知手段と、
を有し、
前記発射制御装置は、前記不適切球検知手段において不適切な遊技球を検知した場合には、遊技者による前記発射ハンドルの操作量に拘らず、当該不適切な遊技球を、前記遊技領域に放出されずに前記ファール球回収口に回収される程度の強さで発射させるように、前記発射装置を制御することを特徴とする弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−253006(P2010−253006A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105896(P2009−105896)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】
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