影付き文字領域判定方法、画像処理方法、影付き文字領域判定装置、画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、コンピュータプログラム及び記録媒体
【課題】 画像データから影付き文字領域を精度よく検出し、画像データの影付き文字領域が画像として出力された際に文字の可読性の向上を図る。
【解決手段】 STXT信号が1であるか否かを判定し(S181)、1であると判定した場合(S181:YES)、原画像データのM×N画素ブロックは影付き文字領域であると判断し、行うべき明度変換タイプ(1〜4)を決定する(S183)。例えば(Ls−Lm)が所定の条件を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ1と決定する。ただし、Lm:文字部分の明度、Ls:影部分の明度である。画素データの明度L値に対し、L<(Ls−δ1)の条件を満足するか否かを判定し(S184)、条件を満足すると判定した場合(S184:YES)、明度変換タイプが1のときは画素データの明度変換後の明度L’値(=Lm)を生成する(S185)。
【解決手段】 STXT信号が1であるか否かを判定し(S181)、1であると判定した場合(S181:YES)、原画像データのM×N画素ブロックは影付き文字領域であると判断し、行うべき明度変換タイプ(1〜4)を決定する(S183)。例えば(Ls−Lm)が所定の条件を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ1と決定する。ただし、Lm:文字部分の明度、Ls:影部分の明度である。画素データの明度L値に対し、L<(Ls−δ1)の条件を満足するか否かを判定し(S184)、条件を満足すると判定した場合(S184:YES)、明度変換タイプが1のときは画素データの明度変換後の明度L’値(=Lm)を生成する(S185)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像に含まれる影付き文字領域を検出する影付き文字領域判定方法に関し、該影付き文字領域判定方法を実施するための影付き文字領域判定装置に関し、また画像に含まれる影付き文字領域を検出し、影付き文字が出力された際に文字の可読性が向上するように検出した影付き文字領域の画素を明度変換処理する画像処理方法に関し、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、画像形成装置及び画像読取装置に関し、また前記影付き文字領域判定方法及び画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラムに関し、更に該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、又は複写機能、ファクシミリ機能及びプリント機能等を備えるデジタル複合機等の従来の画像処理装置には、原稿から読み取って生成した又は外部装置から入力された処理対象の画像データ(以下、原画像データという)から文字領域を検出し、検出した文字領域の画素データに画像処理を施した画像データ(以下、処理画像データという)を出力した際に、出力画像の文字再現性を高めることができるものがある。文字を鮮明に濃く再現するための一般的な画像処理としては、文字領域の画素データを2値化して出力する方法、又はγ補正を行って濃度を調整することによりコントラストを上げて出力する方法等が用いられている。
【0003】
特許文献1には、原画像データから文字領域を検出して2値化する例が開示されている。詳しくは、原画像データの所定領域に含まれる画素データをそのRGB値によって分類し、分類した画素データの内、2番目に多い画素データの数が規定値の範囲である場合に、1番多い画素データの領域を背景領域、2番目に多い画素データの領域を文字領域として識別し、更に識別した背景領域の明度が高い場合は、背景領域と背景領域以外の領域(つまり文字領域)とに分類し、逆に識別した文字領域の明度が高い場合は、文字領域と文字領域以外の領域(つまり背景領域)とに分類することで2値化を行うことが開示されている。
【特許文献1】特開平11−213090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、影付き文字を含む原画像に対応する原画像データの画像処理に特許文献1に開示されている方法を適用した場合、影に該当する領域の画素データも文字領域として分類されるので、文字領域(=文字部分+影部分)と背景領域とに2値化されることになる。特に明るい(明度が高い)背景の上に暗い(明度が低い)影付き文字が重複している原画像の場合、背景は白に置換され、文字部分と影部分とは共に黒に置換されるため、出力画像は文字が潰れて読解できなくなるという問題がある。
【0005】
例えば、図32(a)に示すような文字、影付き文字及び写真が混在する原画像に対応する原画像データに対して、文字領域/背景領域/写真領域を検出し、検出したこれらの各領域に適した画像処理を施した処理画像データを印字/表示した場合、図32(b)に示すような影付き文字の再現性が著しく低下した出力画像が得られる。図33には、図32に示す原画像及び出力画像の影付き文字の一部を拡大したものを示す。特許文献1に開示されている方法では、影付き文字を通常の文字と同等に扱って文字領域として2値化処理を行うため、その結果、図33に示すように影付き文字の文字とその影とが明確に区別できなくなり、文字が潰れて可読性が極端に低下する。
【0006】
以上では文字領域を2値化する画像処理装置の場合について説明したが、文字領域を多値化して出力する画像処理装置においても、影付き文字を画像処理する場合は次のような問題点が挙げられる。
【0007】
すなわち、画像を出力する画像出力装置(例えばプリンタ又はディスプレイ等)の性能(階調再現性等)が低い場合、画像処理装置から入力された処理画像データの文字部分と影部分との明度が異なっていたとしても、画像出力装置は出力画像で文字部分と影部分とを明確に再現することができない。
【0008】
更に、画像を読み取って生成した原画像データを画像処理装置へ入力する画像入力装置(例えばスキャナ)の性能が低い場合、画像処理装置へ入力される段階で原画像データの文字画素データ(文字部分)と影画素データ(影部分)との明度の差が小さいため、画像出力装置は出力画像で文字部分と影部分とを明確に再現することがますます困難になる。画像処理する影付き文字の文字部分と影部分との明度が近い場合は特にこのような現象が発生する可能性が高い。
【0009】
このような問題点に対する解決策としては文字部分と影部分との差が明確になるように濃度調整(γ補正)を施す方法が考えられるが、それに関しても次のような問題が挙げられる。すなわち、影付き文字の潰れが解消されて可読性が向上する程度にコントラストを向上させる調整を図32(a)に示す原画像に対応する原画像データ全体に施した場合、得られる出力画像は図34(a)に示すように、影付き文字以外の領域が非常に薄く再現され、消失する虞がある。また、図32(a)に示す原画像に対応する原画像データから文字領域を検出し、検出した文字領域にのみ同様の調整を施した場合、得られる出力画像は図34(b)に示すように、やや明度が高い通常の文字が薄く再現され、消失する虞がある。
【0010】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、原画像の任意の領域に含まれる各画素の明度又は輝度の分布情報に所定のピークが3つあるか否かを判定し、原画像の任意の領域が文字領域であるか否かを判定し、これら2つの判定結果に基づいて影付き文字領域であるか否かを判定することにより、原画像から影付き文字領域を精度よく検出することができる影付き文字領域判定方法、該影付き文字領域判定方法を実施するための影付き文字領域判定装置、前記影付き文字領域判定方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、前記影付き文字領域判定装置を備えることにより、原画像から影付き文字領域を高精度に検出することができる他、画像入力装置及び/又は画像出力装置の性能が低い場合でも、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、原画像の任意の領域に含まれる各画素の明度又は輝度の分布情報に所定のピークが3つあるか否かを判定し、あると判定された場合に、3つのピークに基づいて分布情報の暗、中間及び明の各範囲に含まれる画素を文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施すことにより、原画像から影付き文字領域を高精度に検出することができる他、画像入力装置及び/又は画像出力装置の性能が低い場合でも、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に文字の可読性を向上することができる画像処理方法、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、前記画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、原画像の任意の領域に含まれる各画素の明度又は輝度の分布情報に所定のピークが3つあると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に影部分(影画素)、文字部分(文字画素)及び背景部分(背景画素)として各ピークに含まれる画素に各別に明度を最適な明度変換処理を施すことにより、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字の可読性を向上することができる画像処理方法、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、前記画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、使用者から画像処理に係る所望のしきい値を受け付け、受け付けたしきい値に基づいて画像処理を行うことにより、使用者の嗜好に応じた又は使用者の使用勝手の柔軟性を高めることができる画像処理方法、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、前記画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が、影画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換し、分類された影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換し、分類された影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度が分類された影画素の明度よりも高い場合、文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換し、影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する構成とすることにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、影画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度が分類された影画素の明度よりも高い場合、文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する構成とすることにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度が分類された影画素の明度よりも高い場合、文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換する構成とすることにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素及び背景画素の明度を、背景画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に、影を排除して文字を鮮明に再現でき、文字の可読性を向上することができると共に、背景のノイズを除去することができる画像処理装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明の他の目的は、前記画像処理装置を備えることにより、影付き文字を潰すことなく、文字も影も鮮明に読みやすくシートに再現することができる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
また、本発明の更に他の目的は、前記画像処理装置を備えることにより、影付き文字領域を含む原稿を読み取って画像データを生成する場合に、画像入力装置の性能が低い場合でも文字画素と影画素との区別が明確な画像データを生成することができる画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明に係る影付き文字領域判定方法は、画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定方法であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定ステップと、前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明に係る画像処理方法は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップとを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明に係る画像処理方法は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップとを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明に係る画像処理方法においては、前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更し、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付ステップと、該受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定する設定ステップとを更に含むことを特徴とする。
【0028】
本発明に係る影付き文字領域判定装置は、画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定装置であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定手段と、前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段及び第2判定手段の判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明に係る画像処理装置は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、前記影付き文字領域判定装置と、該影付き文字領域判定装置が有する前記第3判定手段が影付き文字領域であると判定した領域に含まれる文字画素、影画素及び背景画素に各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
本発明に係る画像処理装置は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
本発明に係る画像処理装置においては、前記判定手段及び明度変換手段はそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付手段と、該受付手段にて受け付けたしきい値を前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定する設定手段とを更に備えることを特徴とする。
【0032】
本発明に係る画像処理装置においては、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段とを備えることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0035】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0036】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0037】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0038】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0039】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、前記影画素及び背景画素の明度を、該背景画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0040】
本発明に係る画像形成装置は、前記画像処理装置と、該画像処理装置が明度変換処理を施した処理画像に係るデータに基づいてシートに画像形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0041】
本発明に係る画像読取装置は、原稿を読み取る読取手段を備える画像読取装置において、前記画像処理装置と、前記読取手段が読み取った原稿の画像に対して前記画像処理装置に明度変換処理を施させる手段とを備えることを特徴とする。
【0042】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップとを実行させることを特徴とする。
【0043】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させることを特徴とする。
【0044】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させることを特徴とする。
【0045】
本発明に係るコンピュータプログラムにおいては、前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップとを更に実行させることを特徴とする。
【0046】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップとを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0047】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0048】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0049】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体においては、前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップとを更に実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0050】
原画像データ中の影付き文字領域は文字部分(文字画素データ)、影部分(影画素データ)及び背景部分(背景画素データ)の3つの構成要素からなり、これら各構成要素の明るさ(明度又は輝度)が大別(分類)できるという特徴を有する。これは、影付き文字は通常、文字が黒く/濃く、影が薄黒く/薄く、背景が白いためである。
【0051】
よって、本発明に係る影付き文字領域判定方法、影付き文字領域判定装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、画像データ、つまり処理対象の原画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出し、算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否か(つまり各画素データが前述した影付き文字領域に特有の3つの構成要素に大別できるか否か)を判定し、また、原画像データの任意の領域が文字領域であるか否かを判定する。そして、これら2つの判定結果に基づいて、原画像データの任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定することにより、原画像データに含まれる影付き文字領域を検出する。具体的には、分布情報に所定のピークが3つあり、かつ文字領域である場合に、影付き文字領域を検出する。
【0052】
本発明に係る画像処理装置にあっては、前述した本発明に係る影付き文字領域判定装置を備え、該影付き文字領域判定装置が原画像データの影付き文字領域と判定した領域に含まれる文字画素データ、影画素データ及び背景画素データに各別に適宜の明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。つまり、影付き文字領域の文字、影及び背景のそれぞれが最適な明度を有する(例えば文字はより黒く(黒文字の場合)/濃く(カラー文字の場合)、背景はより白く、影はそれらの中間(薄い黒/薄い色)である)処理画像を生成する。
【0053】
本発明に係る画像処理方法、画像処理装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、原画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出し、算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否か(つまり各画素データが前述した影付き文字領域に特有の3つの構成要素に大別できるか否か)を判定することにより、原画像データに含まれる影付き文字領域を検出する。そして、分布情報に所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、3つのピークに基づいて、各画素データの明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、分類された各範囲に含まれる画素データをそれぞれ文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に適宜の明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。つまり、影付き文字領域の文字、影及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成する。
【0054】
本発明に係る画像処理方法、画像処理装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、原画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出し、算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否か(つまり各画素データが前述した影付き文字領域に特有の3つの構成要素に大別できるか否か)を判定することにより、原画像データに含まれる影付き文字領域を検出する。そして、分布情報に所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に適宜の明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。よって、文字領域の明度が影領域の明度よりも高く、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字に対しても、影、文字及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成する。
【0055】
本発明に係る画像処理方法、画像処理装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、使用者から画像処理に係る所望のしきい値を受け付ける。そして、受け付けたしきい値に基づいて、例えば、原画像データの任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定の精度、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データへの分類精度、並びに分類したこれらの画素データに施す明度変換の程度を適宜変更する。
【0056】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換することにより、文字画素データの明度を統一し、影画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0057】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換し、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換することにより、文字画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一し、影画素データの明度を統一した処理画像データを生成する。
【0058】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換し、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換することにより、文字画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一し、影画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0059】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が、分類された影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換し、影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換することにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字に対しては、文字画素データの明度を元の明度に統一し、影画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0060】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が、分類された影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換することにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字に対しては、文字画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一し、影画素データの明度を元の明度に統一した処理画像データを生成する。
【0061】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が、分類された影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換することにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字に対しては、文字画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一し、影画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0062】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素データ及び背景画素データの明度を、背景画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換することにより、文字画素データの明度を統一し、影画素データ及び背景画素データの明度を背景画素データの明度に統一した処理画像データを生成する。
【0063】
本発明に係る画像形成装置にあっては、前述した本発明に係る画像処理装置を備え、該画像処理装置が明度変換処理を施した処理画像に係るデータ、つまり原画像データの影付き文字領域を構成する文字画素データ、影画素データ及び背景画素データの各画素の明度を適宜変換して生成した処理画像データに基づいてシートに画像形成する。
【0064】
本発明に係る画像読取装置にあっては、前述した本発明に係る画像処理装置を備え、原稿を読み取って生成した原画像データに対して前記画像処理装置が明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。つまり、影付き文字領域の文字、影及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成する。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、原画像の任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定に、影付き文字領域に特有である画素の明度又は輝度に関する分布情報に該当するか否かの判定、及び文字領域であるか否かの判定の両者を併用しているため、原画像から影付き文字領域を精度よく判定することができる。
【0066】
また、本発明によれば、原画像の任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定に、影付き文字領域に特有である画素の明度又は輝度に関する分布情報に該当するか否かの判定を用いているため、原画像から影付き文字領域を高精度に検出することができる。しかも、検出した影付き文字領域の文字部分(文字画素)、影部分(影画素)及び背景部分(背景画素)の3つの構成要素に各別に明度を最適な明度に調整することができるため、画像入力装置及び/又は画像出力装置の性能が低い場合でも、原画像に含まれる影付き文字領域が画像として出力された際に、影付き文字が潰れて読めなくなることを防止して文字の可読性を向上することができる。
【0067】
また、本発明によれば、原画像の任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定の際に検出した画素の明度又は輝度に関する分布情報に含まれる3つのピークを、画素数が少ないピークから順に影部分(影画素)、文字部分(文字画素)及び背景部分(背景画素)として各別に明度を最適な明度に調整することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高く、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字に対しても、影、文字及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成することができる。従って、文字が黒く/濃く、影が薄黒く/薄く、背景が白い影付き文字だけでなく、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字についても文字の可読性を向上することができる。
【0068】
また、本発明によれば、使用者から画像処理に係る所望のしきい値を受け付け、受け付けたしきい値に基づいて画像処理を適宜変更することができるため、使用者の嗜好に応じることができ、また使用者の使用勝手の柔軟性を高めることができる。
【0069】
また、本発明によれば、文字画素の明度を統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が影画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0070】
また、本発明によれば、文字画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができ、影画素の明度を統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0071】
また、本発明によれば、文字画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0072】
また、本発明によれば、文字画素の明度が影画素の明度よりも高い場合に、文字画素の明度を元の明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、影画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0073】
また、本発明によれば、文字画素の明度が影画素の明度よりも高い場合に、文字画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度に統一することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0074】
また、本発明によれば、字画素の明度が影画素の明度よりも高い場合に、文字画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0075】
また、本発明によれば、文字画素の明度を統一することができ、影画素及び背景画素の明度を背景画素の明度に統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に、影を排除して文字を明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができると共に、背景のノイズを除去することができる。
【0076】
また、本発明によれば、本発明の画像処理装置を備えるため、影付き文字を潰すことなく、文字も影も鮮明に読みやすくシートに再現することができる。
【0077】
更に、本発明によれば、本発明の画像処理装置を備えるため、読み取った原稿の原画像に含まれる影付き文字領域の文字部分(文字画素)、影部分(影画素)及び背景部分(背景画素)の3つの構成要素に各別に明度を最適な明度に調整することができる。よって、画像入力装置の性能が低い場合でも文字画素と影画素との区別が明確な画像データを生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置はデジタルカラー複写機であり、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置7を備える。画像処理装置7は画像入力装置6と、画像形成手段としての画像出力装置18との間において処理を行うように構成されている。
【0079】
図1に示す画像形成装置は、装置全体の制御を行う制御部1を備え、ROM2には装置の動作に必要な制御プログラム、各種メニュー及び各種データ等が予め格納されており、制御部1はROM2に格納してある制御プログラムに従って装置を構成するハードウェア各部の動作を制御する。RAM3は制御部1による制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
【0080】
表示部4は液晶ディスプレイからなり、制御部1の制御に基づいて画像形成装置の動作状態、及びROM2に格納してある各種メニュー等の表示を行う。操作部5は表示部4の表示内容に従って使用者が画像形成装置を操作するためのファンクションキー、スタートキー及びテンキー等(図示せず)を備える。操作部5にて使用者から受け付けた種々の指示情報は、制御部1の制御に基づいてRAM3に記憶される。なお、表示部4及び操作部5は両者を一体に構成したタッチパネルであってもよい。
【0081】
画像入力装置6は、原稿に光を照射する光源、及びカラーフィルタで覆われた受光部が主走査方向にリニア状に並設したCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ(図示
せず)等を備えるスキャナにて構成されている。画像入力装置6は制御部1の制御に基づいて、CCDラインセンサを副走査方向(主走査方向と直交する方向)に移動(副走査)させ、原稿からの反射光像をR(赤)G(緑)B(青)のそれぞれに色分解してCCDラインセンサで読み取り、RGBのアナログ電気信号(アナログの原画像データ)に変換して画像処理装置7へ出力する。
【0082】
画像処理装置7は、A/D(アナログ/デジタル)変換部8、シェーディング補正部9、入力処理部10、影付き文字対応処理部11、領域分類処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15及び中間調生成部16を備える。
【0083】
A/D変換部8は制御部1の制御に基づいて、画像入力装置6から入力されたRGBのアナログ電気信号をデジタル電気信号(デジタルの原画像データ)に変換してシェーディング補正部9へ出力する。
【0084】
シェーディング補正部9は制御部1の制御に基づいて、A/D変換部8から入力されたデジタルのRGB信号に対して、画像入力装置6の照明系、結像系及び撮像系等において生じる各種の歪みを予め判明している情報に従って取り除くためのシェーディング処理を施し、入力処理部10へ出力する。
【0085】
入力処理部10は制御部1の制御に基づいて、各種の歪みが取り除かれ、シェーディング補正部9から入力されたデジタルのRGB信号のそれぞれに対して更にγ補正処理を施し、影付き文字対応処理部11及び領域分類処理部12へ出力する。
【0086】
影付き文字対応処理部11は制御部1の制御に基づいて、γ補正処理が施され、入力処理部10から入力されたデジタルのRGB信号における影付き文字領域を検出し、検出した影付き文字領域に対して文字の可読性を向上させるための明度変換処理を施し、色補正部13へ出力する。
【0087】
具体的には、影付き文字対応処理部11では、原画像データに含まれるX方向(主走査方向)におけるM画素及びY方向(副走査方向)におけるN画素の矩形のM×N画素(例えば、100×100画素)ブロックに対し、そのブロックが影付き文字領域に属するか否かの判定が行われ、更に影付き文字領域であると判定したブロックに含まれる各画素は文字部分(文字画素)/影部分(影画素)/背景部分(背景画素)のいずれかに分類され、影付き文字の可読性を向上させるように各部分に応じた最適な明度変換が施される。
【0088】
図2に影付き文字対応処理部11の構成を示す。影付き文字対応処理部11は、RGB→Lab変換部19、ラインメモリ20、影付き文字領域判定部21、明度変換部22及びLab→RGB変換部23を備える。
【0089】
RGB→Lab変換部19は制御部1の制御に基づいて、入力処理部10から入力されたデジタルのRGB信号を、式(1)に示す行列演算によりCIE(国際照明委員会)が規定するLab信号に変換し、ラインメモリ20へ出力する。なお、ここで扱われるLab信号は、L:明度を表す信号、a:赤色/緑色のバランスを表す信号、b:黄色/青色のバランスを表す信号によってひとつの色を示すものである。また、式(1)における行列の係数は画像入力装置6及び/又は画像出力装置18の特性に応じて適宜決定されるものであり、これに限ったものではない。
【0090】
【数1】
【0091】
ラインメモリ20は制御部1の制御に基づいて、RGB→Lab変換部19から入力されたLab信号を順次格納して図3に示すようなM×N画素ブロックを形成した後、M×N画素ブロックのL信号(L値)を影付き文字領域判定部21へ出力する一方、M×N画素ブロックに含まれる各画素のL信号を明度変換部22へ順次出力する。なお、図3に示すM×N画素ブロックでは、X方向における一ラインをラインXと称し、Y方向における一ラインをラインYと称する。
【0092】
ラインメモリ20はまた、M×N画素ブロックに含まれる各画素のa信号及びb信号をLab→RGB変換部23へ順次出力する。
【0093】
影付き文字領域判定部21は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたL信号を用いて、M×N画素ブロックが影付き文字領域であるか否かを判定すると共に、影付き文字領域であるか否かを示すSTXT信号(影付き文字領域の場合はSTXT=1,影付き文字領域でない場合はSTXT=0)、文字部分の明度を示すLm信号、影部分の明度を示すLs信号、及び背景部分の明度を示すLb信号をそれぞれ生成し、これらの信号を明度変換部22へ出力する。
【0094】
図4に影付き文字領域判定部21の構成を示す。影付き文字領域判定部21は、文字判定部(第2判定手段)24、文字/影判定部25及び2入力1出力のANDゲート(第3判定手段)26を備え、文字判定部24からの出力信号TXT(TXT=1,0)と、文字/影判定部25からの出力信号SHDW(SHDW=1,0)との論理積をANDゲート26にて演算し、演算結果を影付き文字信号STXTとして出力する。すなわち、M×N画素ブロックが文字領域であり(TXT=1)かつ影付き文字の特徴を持つ(SHDW=1)場合に、このブロックは影付き文字領域であることを示す信号“STXT=1”を生成し、そうでない場合は信号“STXT=0”を生成する。つまり、影付き文字領域判定部21は、本発明の実施の形態1に係る影付き文字領域判定装置である。以下に各部の詳細を説明する。
【0095】
文字判定部24は、エッジ・ペア判定部27,28、2入力1出力のORゲート29,30、及び2入力1出力のANDゲート31を備え、M×N画素ブロックが文字領域であるか否かを判定する。
【0096】
エッジ・ペア判定部27,28は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたM×N画素ブロックのラインX/Yに含まれる画素のL信号に基づいて、ラインX/Y内における急峻なエッジの有無、及び立上りエッジと立下りエッジとのペアの有無を検出し、検出結果に基づいてエッジ信号Line_e及びペア信号Line_pを生成し、これらの信号をORゲート29及びORゲート30へそれぞれ出力する。なお、ライン内に急峻なエッジがある場合はLine_e=1が、ない場合はLine_e=0がそれぞれ生成され、立上りエッジと立下りエッジとのペアがある場合はLine_p=1が、ない場合はLine_p=0がそれぞれ生成される。
【0097】
図5にエッジ・ペア判定部27,28の構成を示す。エッジ・ペア判定部27,28は、差分器34、絶対値算出部35、比較器36,37,38、2入力1出力のANDゲート39,40,45、NOTゲート41、及び加算器42,43,44を備える。
【0098】
差分器34はラインメモリ20からM×N画素ブロックのラインX又はラインYに含まれる画素の内、隣接画素(画素A及び画素B)同士の画素AのL値fa及び画素BのL値fbの差分(fa−fb)を算出し、算出結果を絶対値算出部35及び比較器38へそれぞれ出力する。絶対値算出部35は差分器34から入力された差分(fa−fb)の絶対値|fa−fb|を算出し、算出結果を比較器36,37へそれぞれ出力する。
【0099】
比較器36は、絶対値算出部35から入力された絶対値|fa−fb|が所定のしきい値TH_edge よりも大きいか否かを比較する。これにより、隣接画素同士が急峻なエッジであるか否かが判定される。比較器36は比較結果が|fa−fb|>TH_edge である場合に信号edge=1を、|fa−fb|≦TH_edgeである場合に信号edge=0をそれぞれ加算器42へ出力する。つまり、前者の場合は隣接画素同士が急峻なエッジであると判定され、後者の場合は隣接画素同士が急峻なエッジでないと判定される。
【0100】
比較器37は、絶対値算出部35から入力された絶対値|fa−fb|が所定のしきい値TH_pair よりも大きいか否かを比較し、比較器38は、差分器34から入力された差分(fa−fb)が0よりも大きいか否かを比較する。これにより、隣接画素同士が立ち上がりエッジか又は立ち下がりエッジかが判定される。
【0101】
比較器37は比較結果が|fa−fb|>TH_pair である場合に信号1を、|fa−fb|≦TH_pair である場合に信号0をそれぞれANDゲート39へ出力すると共に、ANDゲート40へも出力する。比較器38は比較結果が(fa−fb)>0である場合に信号1を、(fa−fb)≦0である場合に信号0をそれぞれANDゲート39へ出力すると共に、NOTゲート41へも出力する。NOTゲート41は比較器38から入力された信号(1,0)を反転してANDゲート40へ出力する。
【0102】
ANDゲート39は比較器37,38のそれぞれから入力された信号の論理積を演算し、演算結果をdown信号として加算器43へ出力する。したがって、|fa−fb|>TH_pair かつ(fa−fb)>0を満足する/満足しない場合、ANDゲート39はdown=1/down=0を出力し、前者の場合に隣接画素同士が立下りエッジであると判定される。
【0103】
ANDゲート40は比較器37及びNOTゲート41のそれぞれから入力された信号の論理積を演算し、演算結果をup信号として加算器44へ出力する。したがって、|fa−fb|>TH_pair かつ(fa−fb)≦0を満足する/満足しない場合、ANDゲート40はup=1/up=0を出力し、前者の場合に隣接画素同士が立ち上がりエッジであると判定される。
【0104】
ここで、立上りエッジ/立下りエッジの模式図を図6に示す。図に示すように、画素AのL値faと画素BのL値fbとの差が大きくかつ上昇している部分を立上りエッジ、下降している部分を立下りエッジと呼ぶ。
【0105】
以上の判定がライン内の一端から他端までの各隣接画素について行われた後、加算器42は比較器36から順次入力されたedge信号の論理和を演算し、演算結果をエッジ信号Line_eとして出力する。エッジ信号Line_e=1/Line_e=0の場合、ライン内に急峻なエッジがある/ないことを示す。
【0106】
同様に、加算器43はANDゲート39から順次入力されたdown信号の論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート45へ出力する。加算器44はANDゲート40から順次入力されたup信号の論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート45へ出力する。ANDゲート45は加算器43,44のそれぞれから入力された信号の論理積を演算し、演算結果をペア信号Line_pとして出力する。ペア信号Line_p=1/Line_p=0の場合、ライン内に立上りエッジ及び立下りエッジのペアがある/ないことを示す。
【0107】
ここで、図4のブロック図に戻る。ORゲート29はエッジ・ペア判定部27,28のそれぞれから入力されたエッジ信号Line_eの論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート31へ出力する。ORゲート30はエッジ・ペア判定部27,28のそれぞれから入力されたペア信号Line_pの論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート31へ出力する。
【0108】
ANDゲート31はORゲート29,30のそれぞれから入力された演算結果の信号の論理積を演算し、演算結果の信号TXT(1,0)を文字判定部24の出力信号としてANDゲート26へ出力する。なお、TXT=1の場合はM×N画素ブロックが文字領域であることを示し、TXT=0の場合は文字領域でないことを示す。
【0109】
文字/影判定部25は、ヒストグラム作成部(算出手段)32及び特徴検出部(第1判定手段,判定手段)33を備える。ヒストグラム作成部32は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたM×N画素ブロックに含まれる画素に対し、それぞれの明度値(L値)を有する画素数Num[L](ただし、L:0〜100)をカウントし、L値及びこのL値を有する画素数Num[L]のヒストグラム(明度の分布情報)を作成(算出)し、作成したヒストグラムの情報(分布情報)を特徴検出部33へ出力する。
【0110】
特徴検出部33は制御部1の制御に基づいて、ヒストグラム作成部32から入力されたヒストグラムの情報から、ヒストグラムのピークの数と位置とを検出する。図7はヒストグラムのピークの検出を表す図であり、横軸は画素の明度L(L信号)を、縦軸は各明度Lを有する画素数Num[L]をそれぞれ示す。特徴検出部33は、図7に示すヒストグラムを用いて、ある値の明度lxの画素数Num[lx] と、明度(lx−1)の画素数Num[lx-1] との差分が所定のしきい値よりも大きく、かつ、明度(lx+1)の画素数Num[lx+1] との差分も所定のしきい値よりも大きい場合に、明度lxをピークの位置として検出する。
【0111】
このようなピークの位置の検出の際、特徴検出部33はヒストグラム中に存在するピークの総数をピークの数Peとして計数し、計数したピークの数Peが3つであるか否かを判定する。特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、明度が低い、すなわちL値が低い(暗い)方から数えて1つ目のピークの明度の値(L値)を文字部分の明度を示すLm信号、2つ目のピークの明度の値(L値)を影部分の明度を示すLs信号、3つ目のピークの明度の値(L値)を背景部分の明度を示すLb信号としてそれぞれ保存する。なお、特徴検出部33にて用いられるピークの検出方法はこれに限ったものではない。
【0112】
ここで、図8に影付き文字の模式図を示す。図8に示すようにM×N画素ブロックに影付き文字が存在する場合、その構成要素は文字部分/影部分/背景部分に分類することができる。図9は影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部25にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。
【0113】
文字部分の画素は暗く、背景部分の画素は明るく、影部分の画素はその中間の明るさを持っている。そのため、ヒストグラムの特徴としては、ピークが3つ存在し、明度の低い(暗い)ほうから1つ目のピーク周辺に文字部分の画素が集中し、2つ目のピーク周辺に影部分の画素が集中し、3つ目のピーク周辺に背景部分の画素が集中する形状となる。このとき、文字の明度Lmに近いL値“L<(Ls−δ1)”を有する画素を文字部分(文字画素)、影の明度Lsに近いL値“(Ls−δ1)≦L<(Ls+δ2)”を有する画素を影部分(影画素)、及び背景の明度Lbに近いL値“(Ls+δ2)≦L”を有する画素を背景部分(背景画素)と分類することができる。ただし、δ1及びδ2は所定の幅(値)である。
【0114】
したがって、特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持つことを示す信号SHDW=1を生成してANDゲート26へ出力すると共に、文字画素の明度を示すLm信号、影画素の明度を示すLs信号、及び背景画素の明度を示すLb信号を生成し、影付き文字領域判定部21の出力信号として明度変換部22へ出力する。また、特徴検出部33はピークの数Peが3つでないと判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持たないことを示す信号SHDW=0のみを生成してANDゲート26へ出力する。
【0115】
ANDゲート26は、ANDゲート31から入力されたTXT信号(1,0)と、特徴検出部33から入力されたSHDW信号(1,0)との論理積を演算し、演算結果の信号STXT(1,0)を影付き文字領域判定部21の出力信号として明度変換部22へ出力する。
【0116】
ここで、図2のブロック図に戻る。明度変換部22は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたL信号に対して、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT、Lm、Ls及びLbの4信号に基づく最適な明度変換を施したL’信号をLab→RGB変換部23へ出力する。
【0117】
明度変換部22は影付き文字領域判定部21にてM×N画素ブロックが影付き文字領域であると判定された場合、つまり影付き文字領域判定部21からSTXT=1が入力された場合に、出力画像における文字の可読性を向上させるために、文字部分/影部分/背景部分それぞれに対して明度変換を以下のように行う。
【0118】
明度変換部22は、ラインメモリ20から入力されたL信号(L値)に対して、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT、Lm、Ls及びLbの4信号に基づいて、図10に示す明度変換テーブルを参照し、入力L値に対して該当する明度変換を施す。これによって明度変換部22は明度変換後のL’信号(L’値)をLab→RGB変換部23へ出力する。
【0119】
明度変換テーブルは、原画像の文字部分と影部分の明るさに応じた最適な変換が行われるように、数種類の項目に分割されていることが望ましい。その例として図10に示すタイプ1〜4の項目を挙げて説明する。なお、画像出力装置18が多階調ではない2値出力の場合は、常にタイプ1を適用することが望ましい。
【0120】
まずタイプ1の明度変換(図20(a)参照)について説明する。(Ls−Lm)<th_dif1 (ただしth_dif1 は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分の明度差がある程度小さい場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0121】
文字部分:L’=Lm
影部分: L’=Lb
背景部分:L’=Lb
【0122】
すなわちタイプ1の明度変換では、文字部分の全ての画素(全ての文字画素)の明度は文字部分の明度に統一され、影部分の全ての画素(全ての背景画素)の明度は、背景部分の明度に統一される。これによって、影部分が排除されて文字部分のみで文字が表わされるため、出力画像の可読性を向上させることができると共に、背景のノイズを除去することができる。
【0123】
次にタイプ2の明度変換(図20(b)参照)について説明する。Ls<th_ls1(ただしth_ls1は所定値)を満足する場合、すなわち影部分の明度がある程度低い(影部分がある程度暗い)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0124】
文字部分:L’=Lm
影部分: L’=Ls+α(ただしαは所定値)
背景部分:L’=Lb
【0125】
すなわちタイプ2の明度変換では、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度に統一され、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0126】
続いてタイプ3の明度変換(図20(c)参照)について説明する。th_lm1<Lm(ただしth_lm1は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分の明度がある程度高い(文字部分がある程度明るい)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0127】
文字部分:L’=Lm−β(ただしβは所定値)
影部分: L’=Ls
背景部分:L’=Lb
【0128】
すなわちタイプ3の明度変換では、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや低い明度に統一され、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0129】
最後にタイプ4の明度変換(図20(d)参照)について説明する。th_lm2<Lmかつ(Ls−Lm)<th_dif2 かつLs<th_ls2(ただしth_lm2,th_dif2 ,th_ls2は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度高く(文字部分がある程度明るい)、影部分の明度がある程度低い(影部分がある程度暗い)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0130】
文字部分:L’=Lm−β
影部分: L’=Ls+α
背景部分:L’=Lb
【0131】
すなわち、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや低い明度に統一され、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0132】
明度変換処理にて用いられる前述の値th_dif1 ,th_dif2 ,th_ls1,th_ls2,th_lm1,th_lm2は、一般に使用されている種々の影付き文字に対して処理を行って適切に表現できる値に設定すればよい。
【0133】
なお、影付き文字領域判定部21にてM×N画素ブロックが影付き文字領域でないと判定された場合、つまり影付き文字領域判定部21からSTXT=0の信号が入力された場合、明度変換部22は、ラインメモリ20から入力されたL信号の明度変換を行わず、そのままLab→RGB変換部23へ出力する。
【0134】
Lab→RGB変換部23は制御部1の制御に基づいて、明度変換部22から入力されたL’信号、並びにラインメモリ20から入力されたa信号及びb信号を、式(2)に示す行列演算によりRGB信号に変換し、色補正部13へ出力する。なお、式(2)における行列の係数は画像入力装置6及び/又は画像出力装置18の特性に応じて適宜決定されるものであり、これに限ったものではない。
【0135】
【数2】
【0136】
ここで、図1のブロック図に戻る。領域分類処理部12は制御部1の制御に基づき、γ補正処理が施され、入力処理部10から入力されたデジタルのRGB信号に基づいて原画像データの各画素を黒文字領域/色文字領域/網点領域等のいずれに属するかを判定し、分類する。この分類結果に基づいて領域分類処理部12は、各画素がいずれの領域に属しているのかを示す領域識別信号SEGを黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15及び中間調生成部16へそれぞれ出力する。
【0137】
色補正部13は制御部1の制御に基づき、明度変換され、影付き文字対応処理部11から入力されたデジタルのRGB信号の補色であるC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)信号を生成すると共に、色再現性を高める処理を施し、黒生成/下色除去部14へ出力する。
【0138】
黒生成/下色除去部14は制御部1の制御に基づいて、領域分類処理部12から入力された領域識別信号SEGに応じて、色補正部13から入力された色補正後のCMYの3色信号からK(黒)信号を生成し、CMYの3色信号をCMYKの4色信号に変換し、空間フィルタ部15へ出力する。
【0139】
空間フィルタ部15は制御部1の制御に基づいて、領域分類処理部12から入力された領域識別信号SEGに応じて複数のデジタルフィルタの中から最適なデジタルフィルタを選択し、選択したデジタルフィルタを用いて黒生成/下色除去部14から入力されたCMYKの4色信号に空間フィルタ処理(強調処理及び平滑化処理等)を施し、中間調生成部16へ出力する。
【0140】
中間調生成部16は制御部1の制御に基づいて、領域分類処理部12から入力された領域識別信号SEGに応じて、空間フィルタ部15から入力されたCMYKの4色信号に対し、最終的に画像データを画素に分類してそれぞれの階調を再現できるようにするための階調再現処理(中間生成処理)を施し、最終的なCMYK信号、すなわち最終的な処理画像データを生成する。
【0141】
制御部1は、画像処理装置7にて各処理が施されて生成された処理画像データを画像メモリ17へ一旦記憶し、記憶した処理画像データを適宜のタイミングで画像メモリ17から読み出し、読み出した処理画像データを、RAM3に記憶してある指示情報に基づいて画像形成のタイミングに合わせて画像出力装置18へ転送する。
【0142】
画像出力装置18は、感光体ドラムを所定の電位に帯電する帯電器、制御部1の制御に基づいて転送された処理画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム表面に静電潜像を生成するレーザ書込装置、感光体ドラム表面に生成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像をシート上に転写する転写器等(図示せず)を備え、制御部1の制御に基づいて、処理画像データに基づく画像を電子写真方式にてシートに形成(複写)する。なお、画像出力装置18は電子写真方式としたが、これに限らず、インクジェット記録方式又は熱転写方式等であってもよい。
【0143】
以上の如き構成の本発明の実施の形態1に係る画像形成装置が備える本発明の実施の形態1に係る画像処理装置7により実行される本発明の実施の形態1に係る画像処理方法について説明する。
【0144】
本発明の実施の形態1に係る画像処理装置7の全体としての基本的な構成及び動作は以上の如くであるが、本発明の特徴的要素である影付き文字対応処理部11の処理手順を図11のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0145】
まず影付き文字対応処理部11は、入力処理部10から入力されたRGB信号をRGB→Lab変換部19にてLab信号に変換し(S101)、次いで、変換して生成したLab信号に基づいて、M×N画素ブロックをラインメモリ20にて形成する(S102)。続いて影付き文字対応処理部11は、形成したM×N画素ブロックに対し、影付き文字領域判定部21にて影付き文字領域判定処理を行う(S110)。
【0146】
以下、影付き文字領域判定処理について説明する。図12は影付き文字領域判定部21の影付き文字領域判定処理の手順を示すフローチャートであり、図11のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0147】
まず影付き文字領域判定部21は、M×N画素ブロックのL信号を用いて文字判定処理を文字判定部24にて行う(S120)と共に、この処理と並行してM×N画素ブロックのL信号を用いて文字/影判定処理を文字/影判定部25にて行う(S130)。
【0148】
以下、文字判定処理について説明する。図13は文字判定部24の文字判定処理の手順を示すフローチャートであり、図12のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0149】
まず文字判定部24は、M×N画素ブロックのラインXに含まれる画素のL信号に基づいて、ラインX内におけるエッジ及び立上りエッジ/立下りエッジのペアをエッジ・ペア判定部27にて検出し(S121)、同様にM×N画素ブロックのラインYに含まれる画素のL信号に基づいて、ラインY内におけるエッジ及び立上りエッジ/立下りエッジのペアをエッジ・ペア判定部28にて検出する(S122)。
【0150】
次に文字判定部24は、ORゲート29,30及びANDゲート31を用い、“ラインX,Yのいずれかでエッジが検出された”かつ“ラインX,Yのいずれかで立上りエッジ/立下りエッジのペアが検出された”の条件を満足するか否かを判定する(S123)。
【0151】
ステップS123において、条件を満足すると判定した場合(S123:YES)、文字判定部24は、M×N画素ブロックは文字領域であると判定し、ANDゲート31からTXT=1を出力する(S124)。そして図12のメインルーチンへ戻る。
【0152】
一方ステップS123において、条件を満足しないと判定した場合(S123:NO)、文字判定部24は、M×N画素ブロックは文字領域でないと判定し、ANDゲート31からTXT=0を出力する(S125)。そして図12のメインルーチンへ戻る。
【0153】
続いて、文字/影判定処理について説明する。図14は文字/影判定部25の文字/影判定処理の手順を示すフローチャートであり、図12のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0154】
文字/影判定部25は、ヒストグラム作成部32にてヒストグラム作成処理を行い(S140)、次いで特徴検出部33にて特徴検出処理を行った(S150)後、図12のメインルーチンへ戻る。
【0155】
ここで、ヒストグラム作成処理について説明する。図15はヒストグラム作成部32のヒストグラム作成処理の手順を示すフローチャートであり、図14のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0156】
まずヒストグラム作成部32は、M×N画素ブロックに含まれる画素に対し、明度値(L値)を有する画素数をカウントする画素数カウンタNum[lx]に0を設定(リセット)する(S141)。ただしlxは明度値(L値)で0〜100の値をとる。次にヒストグラム作成部32は、原画像データの主走査方向及び副走査方向の開始座標をそれぞれx=0,y=0に設定する(S142)。
【0157】
続いてヒストグラム作成部32は、注目座標の明度値lx=L(x,y)に対応する画素数カウンタNum[lx]に1を加算する(S143)。次にヒストグラム作成部32は、主走査方向の座標xに1を加算し(S144)、加算後の座標xが主走査方向の最終端の座標Mであるか否かを判定する(S145)。
【0158】
ステップS145において、最終端の座標Mでないと判定した場合(S145:NO)、ヒストグラム作成部32は、ステップS143へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS145において、最終端の座標Mであると判定した場合(S145:YES)、ヒストグラム作成部32は、副走査方向の座標yに1を加算し(S146)、加算後の座標yが副走査方向の最終端の座標Nであるか否かを判定する(S147)。
【0159】
ステップS147において、最終端の座標Nでないと判定した場合(S147:NO)、ヒストグラム作成部32は、ステップS143へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS147において、最終端の座標Nであると判定した場合(S147:YES)、ヒストグラム作成部32はヒストグラム作成処理を完了し、処理は特徴検出処理へ移行される。
【0160】
以下、特徴検出処理について説明する。図16及び図17は特徴検出部33の特徴検出処理の手順を示すフローチャートであり、図14のフローチャートに係るサブルーチンである。なお、図16及び図17において示す「Q」の符号を付した箇所は、同符号の箇所とそれぞれ連結されることを意味する。
【0161】
まず特徴検出部33は、ピーク番号Peを0に設定(リセット)し(S151)、次いで開始明度座標をlx=0に設定する(S152)。続いて特徴検出部33は、座標終端時に用いる仮データNum[−1]及びNum[101]に0を設定する(S153)。
【0162】
次に特徴検出部33は、(Num[lx]−Num[lx−1])>th_numかつ(Num[lx]−Num[lx+1])>th_numの条件を満足するか否かを判定する(S154)。
【0163】
ステップS154において、条件を満足すると判定した場合(S154:YES)、特徴検出部33は、ヒストグラムのピークであると判定し、明度座標lxをtmp[Pe]に保存すると共に、ピーク番号Peに1を加算する(S155)。ステップS155の処理の後、又はステップS154において、条件を満足しないと判定した場合(S154:NO)、特徴検出部33は明度座標lxに1を加算する(S156)。
【0164】
次に特徴検出部33は、明度座標lxが100以下であるか否かを判定する(S157)。ステップS157において、明度座標lxが100以下であると判定した場合(S157:YES)、特徴検出部33は、ステップS154へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS157において、明度座標lxが100を越えたと判定した場合(S157:NO)、特徴検出部33は、ピーク番号Peが3であるか否か、つまりピークが3つであるか否かを判定する(S158)。
【0165】
ステップS158において、ピーク番号Peが3であると判定した場合(S158:YES)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴があると判定し、SHDW=1を出力する(S159)。次に特徴検出部33は、ステップS155にて保存したピーク番号0〜2の明度座標により、文字部分の明度をLm=tmp[0]に、影部分の明度をLs=tmp[1]に、背景部分の明度をLb=tmp[2]にそれぞれ設定し(S160)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。
【0166】
一方ステップS158において、ピーク番号Peが3でないと判定した場合(S158:NO)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴がないと判定し、SHDW=0を出力し(S161)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。
【0167】
ここで、図12のフローチャートに戻る。以上のような文字判定処理(S120)及び文字/影判定処理(S130)を行った後、影付き文字領域判定部21は、ANDゲート26を用い、TXT=1かつSHDW=1の条件を満足するか否かを判定する(S171)。
【0168】
ステップS171において、条件を満足すると判定した場合(S171:YES)、影付き文字領域判定部21は、M×N画素ブロックは影付き文字領域であると判定し、ANDゲート26からSTXT=1を出力する(S172)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0169】
一方ステップS171において、条件を満足しないと判定した場合(S171:NO)、影付き文字領域判定部21は、M×N画素ブロックは影付き文字領域でないと判定し、ANDゲート26からSTXT=0を出力する(S173)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0170】
ここで、図11のフローチャートに戻る。以上のような影付き文字領域判定処理(S110)を行った後、影付き文字対応処理部11は、明度変換処理部22にて明度変換処理を行う(S180)。
【0171】
以下、明度変換処理について説明する。図18は明度変換処理部22の明度変換処理の手順を示すフローチャートであり、図11のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0172】
まず明度変換処理部22は、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT信号が1であるか否かを判定する(S181)。ステップS181において、STXT信号が1でないと判定した場合(S181:NO)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは影付き文字領域でないと判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値(原画素の明度)に対する明度変換を行わない。つまりL’=L(ただしL’は原画素に対する明度変換後の明度値)が生成される(S182)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0173】
一方ステップS181において、STXT信号が1であると判定した場合(S181:YES)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは影付き文字領域であると判断し、最適な明度変換を行うべく、影付き文字領域判定部21から入力されたLm,Ls,Lb信号に基づいて行うべき明度変換タイプ(1〜4)を決定する(S183)。
【0174】
具体的には、明度変換処理部22は、(Ls−Lm)<th_dif1 を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ1と決定する。同様に、明度変換処理部22は、Ls<th_ls1を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ2と決定する。更に明度変換処理部22は、th_lm1<Lmを満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ3と決定する。また更に明度変換処理部22は、th_lm2<Lmかつ(Ls−Lm)<th_dif2 かつLs<th_ls2を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ4と決定する。
【0175】
次に明度変換部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、L<(Ls−δ1)の条件を満足するか否かを判定する(S184)。
【0176】
ステップS184において、条件を満足すると判定した場合(S184:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の文字部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS183にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ1,2である場合はL’=Lmが生成(文字部分の明度に変換)され、タイプ3,4である場合はL’=Lm−βが生成(文字部分の明度よりも低い明度に変換)される(S185)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0177】
一方ステップS184において、条件を満足しないと判定した場合(S184:NO)、明度変換処理部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、(Ls−δ1)≦L<(Ls+δ2)の条件を満足するか否かを判定する(S186)。
【0178】
ステップS186において、条件を満足すると判定した場合(S186:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の影部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS183にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ1である場合はL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)され、タイプ2,4である場合はL’=Ls+αが生成(影部分の明度よりも高い明度に変換)され、タイプ3である場合はL’=Lsが生成(影部分の明度に変換)される(S187)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0179】
一方ステップS186において、条件を満足しないと判定した場合(S186:NO)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の背景部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS183にて決定した明度変換タイプが1〜4のいずれの場合であってもL’値に変換する。つまりL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)される(S188)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0180】
ここで、図11のフローチャートに戻る。以上のような明度変換処理(S180)を行った後、影付き文字対応処理部11は、明度変換部22から入力されたL’信号、及びラインメモリ20から入力されたa,b信号を、Lab→RGB変換部23にてRGB信号に変換し(S191)、処理を終了する。
【0181】
以上の本発明の実施の形態1に係る画像処理方法の内、タイプ1の明度変換を、図32(a)に示す原画像を画像入力装置6にて読み取って生成した原画像データに対して実行し、この実行により生成された処理画像データを画像出力装置18から出力した出力画像及びその影付き文字の一部を拡大したものを図19及び図20(a)にそれぞれ示す。
【0182】
両図から理解されるように、文字部分と影部分との明度差がある程度小さい場合の影付き文字領域については最適な明度変換が施され、つまり影部分の明度が背景部分の明度に統一され、図32(b)及び図33に示す従来の画像処理とは異なり、文字が潰れることなく可読性が向上する。しかも、通常の文字領域及び写真領域については本発明の実施の形態1に係る画像処理方法(タイプ1の明度変換)が適用されないため、これらの領域が薄くなることなく良好に再現される。
【0183】
また、図20(b),(c),(d)のそれぞれには、図20(a)と同様、図32(a)に示す原画像の影付き文字領域において影部分の明度がある程度低い場合,文字部分の明度がある程度高い場合,文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度高く、影部分の明度がある程度低い場合について、本発明の実施の形態1に係る画像処理方法の内、タイプ2,3,4の明度変換をそれぞれ実行した例を示す。
【0184】
図から理解されるように、タイプ2の明度変換では影部分の明度がやや高い明度に変換され、タイプ3の明度変換では文字部分の明度がやや低い明度に変換され、タイプ4の明度変換では文字部分の明度がやや低い明度に、かつ影部分の明度がやや高い明度に変換されるため、それぞれの出力画像で文字が潰れることなく可読性が向上する。
【0185】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、図8及び図9に示すように、文字部分の明度が影部分の明度よりも低い影付き文字を処理対象とし、それぞれ文字部分及び影部分に適切な明度変換処理を行う構成について説明した。しかし、影付き文字には、図21の模式図に示す原画像のように、文字部分の明度が影部分の明度よりも高いものもある。このような特殊な影付き文字に対して実施の形態1で示したタイプ1〜4の明度変換処理を行った場合、かえって好ましくない出力画像が得られるという不具合が発生する場合がある。
【0186】
即ち、実施の形態1では、入力処理部10から入力されたM×N画素ブロックに基づいて作成したヒストグラムに3つのピークがある場合、それぞれのピークを明度が低い方から順に文字部分、影部分及び背景部分として処理している。そのため、図21に示すような特殊な影付き文字に対しては、文字部分及び影部分の判定を誤ってしまうことになる。また、このような誤った判定結果を用いて、例えば実施の形態1で示したタイプ1の明度変換処理を行った場合、図21の出力画像に示すように文字部分の明度が背景部分の明度と統一されてしまい、判読性が著しく低下するという不具合が生じることになる。
【0187】
ここで、図8に示す模式図からも理解されるように、影付き文字を含む所定の領域内において、文字部分/影部分/背景部分の各構成部分がそれぞれ占める画素数は、“影部分の画素数<文字部分の画素数<背景部分の画素数”という関係がある。この関係は影付き文字が持つ一般的な特徴のひとつであるといえる。従って、本実施の形態2では、影付き文字を含むM×N画素ブロックから作成したヒストグラムに3つのピークがある場合、それぞれのピークにおける画素数に基づいて、画素数が少ないピークから順に、各ピークに含まれる画素を影領域、文字領域及び背景領域と判定する。
【0188】
具体的には、本実施の形態2における特徴検出部33(図4参照)は制御部1の制御に基づいて、ヒストグラム作成部32から入力されたヒストグラムの情報から、ヒストグラムのピークの数、位置及び大きさを検出する。なお、ヒストグラムのピークの数と位置の検出については、上述した実施の形態1と同じ処理を行うので説明を省略する。また、ピークの大きさについては、明度lxをピークの位置とした場合の画素数Num[lx]をピークの大きさとして検出する。また、特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、その3つのピークの大きさ(画素数)を比較し、小さい(少ない)方から順に1つ目のピークの明度の値(L値)を影部分の明度を示すLs信号、2つ目のピークの明度の値(L値)を文字部分の明度を示すLm信号、3つ目のピークの明度の値(L値)を背景部分の明度を示すLb信号としてそれぞれ保存する。
【0189】
図22は特殊な影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部25にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。特殊な影付き文字において、影部分の画素は暗く、背景部分の画素は明るく、文字部分の画素はその中間の明るさを持っている。そのため、図22に示すヒストグラムの特徴としては、ピークが3つ存在し、影部分のピーク(画素数)が最も小さく(少なく)、背景部分のピーク(画素数)が最も大きく(多く)、文字部分のピーク(画素数)がその中間の大きさ(画素数)である。
【0190】
したがって、特殊な影付き文字のヒストグラムにおいては、ピークが3つ存在し、1番小さいピークの明度が2番目に小さいピークの明度よりも暗く(即ちLs<Lm)、明度の暗い方から1つ目のピーク周辺に影部分の画素が集中し、2つ目のピーク周辺に文字部分の画素が集中し、3つ目のピーク周辺に背景部分の画素が集中するといった形状となる。このとき、影の明度Lsに近いL値“L<(Lm−δ1)”を有する画素を影部分(影画素)、文字の明度Lmに近いL値“(Lm−δ1)≦L<(Lm+δ2)”を有する画素を文字部分(文字画素)、及び背景の明度Lbに近いL値“(Lm+δ2)≦L”を有する画素を背景部分(背景画素)と分類する。ただし、δ1及びδ2は所定の幅(値)である。
【0191】
したがって、特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持つことを示す信号SHDW=1を生成してANDゲート26へ出力すると共に、文字画素の明度を示すLm信号、影画素の明度を示すLs信号、及び背景画素の明度を示すLb信号を生成し、影付き文字領域判定部21の出力信号として明度変換部22へ出力する。また、特徴検出部33はピークの数Peが3つでないと判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持たないことを示す信号SHDW=0のみを生成してANDゲート26へ出力する。
【0192】
なお、1番小さいピークの明度が2番目に小さいピークの明度よりも明るい場合は一般的な影付き文字のヒストグラムの特徴と一致するため、上述した実施の形態1と同様に画素を分類すればよく、この場合の説明は省略する。また、影部分のピークの明度が文字部分のピークの明度よりも低い(暗い)場合は特殊な影付き文字であり、そうでない場合は一般的な影付き文字であるとして、それぞれに適した処理を行えば、より正確な画素の分類及びそれに応じた適切な明度変換を行うことができる。これにより、特殊な影付き文字に対しても、一般的な影付き文字に対しても文字部分及び影部分を正確に判定することが可能となり、この判定結果を用いて文字部分の明度及び影部分の明度の関係に応じた明度変換処理を各構成部分の画素に行うことによって、特殊な影付き文字対しても判読性を向上させることができ、より好ましい出力画像が得られるようになる。
【0193】
また、本実施の形態2における明度変換部22(図2参照)は、影付き文字領域判定部21にてM×N画素ブロックが影付き文字領域であると判定され(つまりSTXT=1)、かつ文字部分の明度が影部分の明度よりも高い特殊な影付き文字である場合に、出力画像における文字の可読性を向上させるために、文字部分/影部分/背景部分それぞれに対して明度変換を以下のように行う。
【0194】
明度変換部22は、ラインメモリ20から入力されたL信号(L値)に対して、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT、Lm、Ls及びLbの4信号に基づいて、図23に示す明度変換テーブルを参照し、入力L値に対して該当する明度変換を施す。これによって明度変換部22は明度変換後のL’信号(L’値)をLab→RGB変換部23へ出力する。なお、明度変換テーブルの例として図23に示すタイプ5〜8の項目を挙げて説明する。
【0195】
まずタイプ5の明度変換(図27(a)参照)について説明する。(Lm−Ls)<th_dif3 (ただしth_dif3 は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分の明度差がある程度小さい場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0196】
影部分: L’=Lb
文字部分:L’=Lm
背景部分:L’=Lb
【0197】
すなわちタイプ5の明度変換では、影部分及び背景部分の全ての画素の明度は背景部分の明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度に統一される。これによって、影部分が排除されて文字部分のみで文字が表されるため、出力画像の可読性を向上させることができると共に、背景のノイズを除去することができる。
【0198】
次に、タイプ6の明度変換(図27(b)参照)について説明する。Ls>th_ls3(ただしth_ls3は所定値)を満足する場合、すなわち影部分の明度がある程度高い(影部分がある程度明るい)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0199】
影部分: L’=Ls−θ(ただしθは所定値)
文字部分:L’=Lm
背景部分:L’=Lb
【0200】
すなわちタイプ6の明度変換では、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや低い明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0201】
続いてタイプ7の明度変換(図27(c)参照)について説明する。th_lm3>Lm(ただしth_lm3は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分の明度がある程度低い(文字部分がある程度暗い)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0202】
影部分: L’=Ls
文字部分:L’=Lm+λ(ただしλは所定値)
背景部分:L’=Lb
【0203】
すなわちタイプ7の明度変換では、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0204】
最後にタイプ8の明度変換(図27(d)参照)について説明する。th_lm4>Lmかつ(Lm−Ls)<th_dif4 かつLs>th_ls4(ただしth_lm4,th_dif4 ,th_ls4は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度低く(文字部分がある程度暗い)、影部分の明度がある程度高い(影部分がある程度明るい)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0205】
影部分: L’=Ls−θ(ただしθは所定値)
文字部分:L’=Lm+λ(ただしλは所定値)
背景部分:L’=Lb
【0206】
すなわちタイプ8の明度変換では、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや低い明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0207】
明度変換処理にて用いられる前述の値th_dif3 ,th_dif4 ,th_ls3,th_ls4,th_lm3,th_lm4は、一般に使用されている種々の影付き文字に対して処理を行って適切に表現できる値に設定すればよい。
【0208】
以上の如き構成の実施の形態2に係る画像処理装置7により実行される画像処理方法において、特徴検出処理及び明度変換処理の流れを抜粋して説明する。図24及び図25は実施の形態2に係る特徴検出部33の特徴検出処理の手順を示すフローチャートであり、図14のフローチャートに係るサブルーチンである。なお、図24及び図25において示す「R」の符号を付した箇所は、同符号の箇所とそれぞれ連結されることを意味する。
【0209】
特徴検出部33は、図16に示す処理と同様に、ステップS151〜S153の処理を実行し、(Num[lx]−Num[lx−1])>th_numかつ(Num[lx]−Num[lx+1])>th_numの条件を満足するか否かを判定する(S201)。ステップS201において、条件を満足すると判定した場合(S201:YES)、特徴検出部33は、ヒストグラムのピークであると判定し、明度座標lxをtmp[Pe]に保存し、ピークの大きさを表す値としてNum[lx]をtmpNum[Pe]に保存すると共に、ピーク番号Peに1を加算する(S202)。
【0210】
また、特徴検出部33は、図16に示す処理と同様に、ステップS202の処理の後、又はステップS201において条件を満足しないと判定した場合(S201:NO)、明度座標lxに1を加算し(S203)、明度座標lxが100以下であるか否かを判定する(S204)。ステップS204において、明度座標lxが100以下であると判定した場合(S204:YES)、特徴検出部33は、ステップS201へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS204において、明度座標lxが100を越えたと判定した場合(S204:NO)、特徴検出部33は、ピーク番号Peが3であるか否か、つまりピークが3つであるか否かを判定する(S205)。
【0211】
ステップS205において、ピーク番号Peが3であると判定した場合(S205:YES)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴があると判定し、SHDW=1を出力する(S206)。次に特徴検出部33は、ステップS202にて保存したピーク番号0〜2のピークの大きさtmpNum[0]〜tmpNum[2]を比較し、1番小さい値を持つピークの番号をN1 に、2番目に小さい値を持つピークの番号をN2 に、3番目に小さい値を持つピークの番号をN3 にそれぞれ設定する(S207)。
【0212】
更に特徴検出部33は、ステップS207にて設定したピーク番号N1 〜N3 の明度座標により、影部分の明度をLs=tmp[N1 ]に、文字部分の明度をLm=tmp[N2 ]に、背景部分の明度をLb=tmp[N3 ]にそれぞれ設定し(S208)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。一方ステップS205において、ピーク番号Peが3でないと判定した場合(S205:NO)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴がないと判定し、SHDW=0を出力し(S209)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。
【0213】
次に、本実施の形態2に係る画像処理装置7による明度変換処理について説明する。図26は実施の形態2に係る明度変換処理部22の明度変換処理の手順を示すフローチャートであり、図11のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0214】
まず明度変換処理部22は、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT信号が1であるか否かを判定する(S210)。ステップS210において、STXT信号が1でないと判定した場合(S210:NO)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは影付き文字領域でないと判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値(原画素の明度)に対する明度変換を行わない。つまりL’=L(ただしL’は原画素に対する明度変換後の明度値)が生成される(S211)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0215】
一方ステップS210において、STXT信号が1であると判定した場合(S210:YES)、明度変換処理部22は、影付き文字領域判定部21から入力されたLmとLsとを比較し、Ls<Lmの条件を満たすか否か判定する(S212)。ステップS212において、条件を満たすと判定した場合(S212:YES)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは文字部分の明度が影部分の明度よりも高い特殊な影付き文字領域であると判断し、最適な明度変換を行うべく、影付き文字領域判定部21から入力されたLm,Ls,Lb信号に基づいて行うべき明度変換タイプ(5〜8)を決定する(S213)。
【0216】
具体的には、明度変換処理部22は、(Lm−Ls)<th_dif3 を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ5と決定する。同様に、明度変換処理部22は、Ls>th_ls3を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ6と決定する。更に明度変換処理部22は、th_lm3>Lmを満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ7と決定する。また更に明度変換処理部22は、th_lm4>Lmかつ(Lm−Ls)<th_dif4 かつLs>th_ls4を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ8と決定する。
【0217】
なお、ステップS212において、Ls<Lmの条件を満たさないと判定した場合(S212:NO)、明度変換処理部22は、図18中のステップS183へ処理を移行し、M×N画素ブロックは通常の影付き文字領域であると判断し、最適な明度変換を行うべく、影付き文字領域判定部21から入力されたLm,Ls,Lb信号に基づいて行うべき明度変換タイプ(1〜4)を決定する(S183)。ステップS183以降の処理については、実施の形態1で示したので説明を省略する。
【0218】
次に明度変換部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、L<(Lm−δ1)の条件を満足するか否かを判定する(S214)。ステップS214において、条件を満足すると判定した場合(S214:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の影部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS213にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ5である場合はL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)され、タイプ6,8である場合はL’=Ls−θが生成(影部分の明度よりも低い明度に変換)され、タイプ7である場合はL’=Lsが生成(影部分の明度に変換)される(S215)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0219】
一方ステップS214において、条件を満足しないと判定した場合(S214:NO)、明度変換処理部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、(Lm−δ1)≦L<(Lm+δ2)の条件を満足するか否かを判定する(S216)。ステップS216において、条件を満足すると判定した場合(S216:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の文字部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS213にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ5、6である場合はL’=Lmが生成(文字部分の明度に変換)され、タイプ7,8である場合はL’=Lm+λが生成(文字部分の明度よりも高い明度に変換)される(S217)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0220】
一方ステップS216において、条件を満足しないと判定した場合(S216:NO)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の背景部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS213にて決定した明度変換タイプが5〜8のいずれの場合であってもL’値に変換する。つまりL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)される(S218)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0221】
図27には、文字部分の明度が影部分の明度よりも高い(明るい)特殊な影付き文字の原画像に対して、実施の形態2に係る画像処理方法の内、タイプ5〜タイプ8の明度変換を実行したときに得られる出力画像の例をそれぞれ示す。図27(a)には、文字部分と影部分との明度差がある程度小さい場合の影付き文字領域についてタイプ5の明度変換を実行した例を示す。図から理解されるように、影部分の明度が背景部分の明度に統一され、図21に示す不具合な例とは異なり、文字が消えることなく、かつ文字が潰れることもなく、可読性が向上する。
【0222】
また、図27(b),(c),(d)のそれぞれには、図27(a)と同様、影部分の明度がある程度高い場合、文字部分の明度がある程度低い場合、文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度低く、影部分の明度がある程度高い場合について、タイプ6,7,8の明度変換をそれぞれ実行した例を示す。図から理解されるように、タイプ6の明度変換では影部分の明度がやや低い明度に変換され、タイプ7の明度変換では文字部分の明度がやや高い明度に変換され、タイプ8の明度変換では文字部分の明度がやや高い明度に、かつ影部分の明度がやや低い明度に変換されるため、それぞれの出力画像で文字が消えることなく、かつ文字が潰れることなく可読性が向上する。
【0223】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3においては、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に、実施の形態1で説明した本発明の画像処理方法(影付き文字対応処理)を記録した場合について説明する。この場合、本発明の画像処理方法を実現するプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0224】
本発明の画像処理方法を実施するコンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ又はデジタルカメラ等の画像入力装置と、所定のプログラムがロードされることにより実施の形態1にて説明した本発明の画像処理方法を含む種々の処理が行われるコンピュータシステムと、コンピュータシステムによる処理結果を表示するCRTディスプレイ又は液晶ディスプレイ等の画像表示装置及び/又はコンピュータシステムによる処理結果を用紙へ印刷するプリンタ等とにより構成される。更には、ネットワークを介してサーバ等に接続するための通信手段としてのモデム等が備えられる。
【0225】
以上のような本発明の実施の形態3に係るコンピュータシステムの構成例を示す模式図を図28に示す。図に示すコンピュータシステムは、汎用のパーソナルコンピュータ50に、キーボード61と、マウス62と、画像表示装置70と、画像入力装置6としてのフラットヘッドスキャナ80と、画像出力装置18としてのプリンタ90とが接続されている。
【0226】
図28に示すコンピュータシステムの構成において、図29に示すコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50にインストールすることにより、図1に示した画像処理装置7の影付き文字対応処理部11に対応する機能をパーソナルコンピュータ50内でコンピュータプログラムによって実行することができる。
【0227】
図29はパーソナルコンピュータ50にインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図であり、例えば可搬性を有するCD−ROMのような本発明の記録媒体100に記録されている。このような本発明の記録媒体100に記録されている本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み込ませることにより、実施の形態1にて説明した本発明の画像処理装置がパーソナルコンピュータ50で実現される。
【0228】
図29に示す本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に原画像データ(フラットヘッドスキャナ80が原稿を読み取って生成した原画像データ、又は記録媒体100とは別の記録媒体(例えばMO若しくはCD−ROM等)に記録されている原画像データ等)を明度変換させるコンピュータプログラムである。
【0229】
具体的には、本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、原画像データの任意の領域における各画素データの明度のヒストグラムを算出させる算出ステップ(P1)と、パーソナルコンピュータ50に、算出ステップ(P1)にて算出されたヒストグラムに所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップ(P2)と、パーソナルコンピュータ50に、原画像データの任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップ(P3)と、パーソナルコンピュータ50に、第1判定ステップ(P2)及び第2判定ステップ(P3)での判定結果に基づいて、原画像データの任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップ(P4)とを含み、本発明の記録媒体100に記録されている。なお、第1判定ステップ(P2)及び第2判定ステップ(P3)はそれぞれ、しきい値に基づいて処理が変更可能である。
【0230】
本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、第3判定ステップ(P4)にて影付き文字領域と判定された領域に含まれる文字画素データ(文字部分)、影画素データ(影部分)及び背景画素データ(背景部分)に各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップ(P5)を更に含む。
【0231】
明度変換ステップ(P5)は、第1判定ステップ(P2)にて所定のピークが3つ含まれると判定されたヒストグラムのピークに基づいて、暗、中間及び明の3明度範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データに分類して各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップ(P5−1)となる。
【0232】
明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データ及び背景画素データの明度を、背景画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−11)を含む。
【0233】
また、明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させるステップ(P5−12)を含む。
【0234】
更に、明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−13)を含む。
【0235】
更にまた、明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させるステップ(P5−14)を含む。
【0236】
なお、明度変換ステップ(P5)(ステップP5−1,P5−11,P5−12,P5−13,P5−14を含む)は、しきい値に基づいて処理が変更可能である。
【0237】
本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)(ステップP5−1,P5−11,P5−12,P5−13,P5−14を含む)に各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップ(P6)と、パーソナルコンピュータ50に、受付ステップ(P6)にて受け付けたしきい値を第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)に各別に設定させる設定ステップ(P7)とを更に含む。
【0238】
したがって、本発明の記録媒体100に記録された本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み取らせて実行する場合、各ステップで用いられるしきい値の設定が容易となり、また、画像表示装置70に表示される画像処理結果に応じてしきい値を改めて設定し直す等、使用者の好みに応じた画像処理が可能となる。このようなしきい値の変更を行うには、キーボード61を用いて直接数値の入力を受け付けることにより、又はマウス62を用いてしきい値を表すシンボルをドラッグすることにより設定される。
【0239】
なお、本発明の記録媒体100はCD−ROMとしたが、これに限らず、例えば、マイクロコンピュータで処理が行われる場合には、ROMのような不揮発性の記録媒体であってもよく、外部記憶装置としてのプログラム読取装置を設け、プログラム読取装置に記録媒体を挿入することにより本発明のコンピュータプログラムの読み取りが可能な記録媒体であってもよい。
【0240】
いずれの場合においても、本発明の記録媒体100に記録されている本発明のコンピュータプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよく、また、記録媒体からコンピュータプログラムが読み出されてマイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされ、そのコンピュータプログラムが実行される構成であってもよい。なおこの場合、記録媒体100からのコンピュータプログラムのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0241】
ここで、前述した本発明の記録媒体100としては、コンピュータシステムと分離可能な記録媒体、例えば磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク及びハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、又はマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及びフラッシュROM等のような半導体メモリを含めた固定的にプログラムを記録する記録媒体であってもよい。
【0242】
また、図28に示すパーソナルコンピュータ50がインターネットを含む通信ネットワークと接続されている場合には、通信ネットワークから前述したようなコンピュータプログラムをダウンロードするような流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからコンピュータプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、又は記録媒体100とは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0243】
前述した本発明の記録媒体100は、記録媒体100に記録されている本発明のコンピュータプログラムが、画像形成装置、又はコンピュータシステムに備えられるプログラム読取装置により読み取られることにより、実施の形態1で説明したような画像処理方法が実行される。特に後者の場合、本発明の画像処理方法を使用者の好みに応じて用いることが可能となる。
【0244】
(実施の形態4)
以下に、実施の形態4に係る記録媒体について説明する。なお、実施の形態4においては、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に、上述した実施の形態2で説明した本発明の画像処理方法(影付き文字対応処理)を記録した場合について説明する。また、本実施の形態4は、図28に示すコンピュータシステムの構成において、図30に示すコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50にインストールすることにより、実施の形態2に係る影付き文字対応処理部11に対応する機能をパーソナルコンピュータ50内でコンピュータプログラムによって実行することができる。
【0245】
図30は実施の形態3に係るコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図であり、例えば可搬性を有するCD−ROMのような本発明の記録媒体101に記録されている。実施の形態4の記録媒体101に記録されている本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み込ませることにより、実施の形態2にて説明した本発明の画像処理装置がパーソナルコンピュータ50で実現される。図30に示す実施の形態4のコンピュータプログラムは、図29に示すコンピュータプログラム中のプログラムP1〜P5を含んでいる。
【0246】
本実施の形態4においては、明度変換ステップ(P5)は、第1判定ステップ(P2)にて所定のピークが3つ含まれると判定されたヒストグラムのピークに基づいて、ピークの小さい方から順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データに分類して各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップ(P5−2)を含む。明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データ及び背景画素データの明度を、背景画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−21)を含む。
【0247】
また、明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させるステップ(P5−22)を含む。更に、明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−23)を含む。
【0248】
明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させるステップ(P5−24)を含む。
【0249】
また、本実施の形態4のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)(ステップP5−2,P5−21,P5−22,P5−23,P5−24を含む)に各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップ(P6)と、パーソナルコンピュータ50に、受付ステップ(P6)にて受け付けたしきい値を第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)に各別に設定させる設定ステップ(P7)とを更に含む。
【0250】
したがって、本実施の形態4の記録媒体101に記録されたコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み取らせて実行することにより、上述した実施の形態2に係る影付き文字対応処理部11による特徴検出処理及び明度変換処理を実現することができる。なお、本実施の形態4においても、上述した実施の形態3で示した変形例の適用が可能である。
【0251】
(実施の形態5)
図31は本発明の実施の形態5に係る画像読取装置110の構成を示すブロック図である。画像読取装置110はスキャナであり、本発明の実施の形態5に係る画像処理装置111を備える。
【0252】
画像処理装置111は、A/D変換部8、シェーディング補正部9、入力処理部10及び影付き文字対応処理部11を備える。
【0253】
画像読取装置110は、画像入力装置6(読取手段)が制御部1の制御に基づいて読み取って生成したRGB信号(原画像データ)を、画像処理装置111が備えるA/D変換部8、シェーディング補正部9、入力処理部10及び影付き文字対応処理部11の各部において実施の形態1又は2で説明した画像処理装置7の場合と同様に処理することにより、明度変換処理が適宜施されたRGB信号(処理画像データ)を制御部1の制御に基づき、インタフェイス112を介してパーソナルコンピュータ50へ転送する。
【0254】
実施の形態5においては、図1に示す画像形成装置7の構成要素の内の領域分類処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15及び中間調生成部16の機能を汎用コンピュータシステムによるソフトウェア処理で実現し、画像処理装置111が画像処理して生成した処理画像データを更にパーソナルコンピュータ50にて画像処理した後に、パーソナルコンピュータ50に接続される図28に示すような画像表示装置70にソフトコピーとして出力画像が表示される。
【0255】
また、パーソナルコンピュータ50に図28に示すようなプリンタ90を更に接続した場合には、全体としては図1に示した画像形成装置と同等の機能を有することになる。
【0256】
その他の構成については、制御部1の制御を含め、図1に示す画像形成装置の構成と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0257】
なお、前述した実施の形態1乃至5においては、影付き文字領域の判定方法、並びに影付き文字領域の文字部分、影部分及び背景部分に対して行う処理を、RGB信号をLab信号に変換し、明度信号(L信号)を用いて行う場合について説明したが、明度信号(L信号)を用いるのではなく、式(3)にて表される輝度信号Yを用いて処理を行ってもよい。ただし、式(3)におけるR,G,Bそれぞれの係数は画像入力装置6及び/又は画像出力装置18の特性に応じて適宜決定されるものであり、これに限ったものではない。
【0258】
Y=0.34R+0.58G+0.08B …(3)
【図面の簡単な説明】
【0259】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す影付き文字対応処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すラインメモリにて形成されるM×N画素ブロックを示す図である。
【図4】図2に示す影付き文字領域判定部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示すエッジ・ペア判定部の構成を示すブロック図である。
【図6】立上りエッジ/立下りエッジの模式図である。
【図7】ヒストグラムのピークの検出を表す図である。
【図8】影付き文字の模式図である。
【図9】影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。
【図10】明度変換テーブルの例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の影付き文字対応処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】影付き文字領域判定部の影付き文字領域判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】文字判定部の文字判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】文字/影判定部の文字/影判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】ヒストグラム作成部のヒストグラム作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】明度変換処理部の明度変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】図32(a)に示す原画像に対して本発明の実施の形態1に係る画像処理方法の内、タイプ1の明度変換を実行した例を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態1に係る画像処理方法における明度変換を実行した例を示す図である。
【図21】特殊な影付き文字に実施の形態1における明度変換を実行した例を示す図である。
【図22】特殊な影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。
【図23】明度変換テーブルの例を示す図である。
【図24】実施の形態2に係る特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図25】実施の形態2に係る特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】実施の形態2に係る明度変換処理部の明度変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態2に係る画像処理方法における明度変換を実行した例を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態2に係るコンピュータシステムの構成例を示す模式図である。
【図29】本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図である。
【図30】実施の形態3に係るコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図である。
【図31】本発明の実施の形態3に係る画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【図32】影付き文字の従来の画像処理についての問題点を説明する図である。
【図33】図32に示す影付き文字の潰れを説明する図である。
【図34】従来の解決策を適用した例と問題点とを説明する図である。
【符号の説明】
【0260】
1 制御部
7,111 画像処理装置
11 影付き文字対応処理部
21 影付き文字領域判定部(影付き文字領域判定装置)
22 明度変換部
24 文字判定部(第2判定手段)
25 文字/影判定部
26 ANDゲート(第3判定手段)
32 ヒストグラム作成部(算出手段)
33 特徴検出部(第1判定手段,判定手段)
100 記録媒体
110 画像読取装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像に含まれる影付き文字領域を検出する影付き文字領域判定方法に関し、該影付き文字領域判定方法を実施するための影付き文字領域判定装置に関し、また画像に含まれる影付き文字領域を検出し、影付き文字が出力された際に文字の可読性が向上するように検出した影付き文字領域の画素を明度変換処理する画像処理方法に関し、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、画像形成装置及び画像読取装置に関し、また前記影付き文字領域判定方法及び画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラムに関し、更に該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、又は複写機能、ファクシミリ機能及びプリント機能等を備えるデジタル複合機等の従来の画像処理装置には、原稿から読み取って生成した又は外部装置から入力された処理対象の画像データ(以下、原画像データという)から文字領域を検出し、検出した文字領域の画素データに画像処理を施した画像データ(以下、処理画像データという)を出力した際に、出力画像の文字再現性を高めることができるものがある。文字を鮮明に濃く再現するための一般的な画像処理としては、文字領域の画素データを2値化して出力する方法、又はγ補正を行って濃度を調整することによりコントラストを上げて出力する方法等が用いられている。
【0003】
特許文献1には、原画像データから文字領域を検出して2値化する例が開示されている。詳しくは、原画像データの所定領域に含まれる画素データをそのRGB値によって分類し、分類した画素データの内、2番目に多い画素データの数が規定値の範囲である場合に、1番多い画素データの領域を背景領域、2番目に多い画素データの領域を文字領域として識別し、更に識別した背景領域の明度が高い場合は、背景領域と背景領域以外の領域(つまり文字領域)とに分類し、逆に識別した文字領域の明度が高い場合は、文字領域と文字領域以外の領域(つまり背景領域)とに分類することで2値化を行うことが開示されている。
【特許文献1】特開平11−213090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、影付き文字を含む原画像に対応する原画像データの画像処理に特許文献1に開示されている方法を適用した場合、影に該当する領域の画素データも文字領域として分類されるので、文字領域(=文字部分+影部分)と背景領域とに2値化されることになる。特に明るい(明度が高い)背景の上に暗い(明度が低い)影付き文字が重複している原画像の場合、背景は白に置換され、文字部分と影部分とは共に黒に置換されるため、出力画像は文字が潰れて読解できなくなるという問題がある。
【0005】
例えば、図32(a)に示すような文字、影付き文字及び写真が混在する原画像に対応する原画像データに対して、文字領域/背景領域/写真領域を検出し、検出したこれらの各領域に適した画像処理を施した処理画像データを印字/表示した場合、図32(b)に示すような影付き文字の再現性が著しく低下した出力画像が得られる。図33には、図32に示す原画像及び出力画像の影付き文字の一部を拡大したものを示す。特許文献1に開示されている方法では、影付き文字を通常の文字と同等に扱って文字領域として2値化処理を行うため、その結果、図33に示すように影付き文字の文字とその影とが明確に区別できなくなり、文字が潰れて可読性が極端に低下する。
【0006】
以上では文字領域を2値化する画像処理装置の場合について説明したが、文字領域を多値化して出力する画像処理装置においても、影付き文字を画像処理する場合は次のような問題点が挙げられる。
【0007】
すなわち、画像を出力する画像出力装置(例えばプリンタ又はディスプレイ等)の性能(階調再現性等)が低い場合、画像処理装置から入力された処理画像データの文字部分と影部分との明度が異なっていたとしても、画像出力装置は出力画像で文字部分と影部分とを明確に再現することができない。
【0008】
更に、画像を読み取って生成した原画像データを画像処理装置へ入力する画像入力装置(例えばスキャナ)の性能が低い場合、画像処理装置へ入力される段階で原画像データの文字画素データ(文字部分)と影画素データ(影部分)との明度の差が小さいため、画像出力装置は出力画像で文字部分と影部分とを明確に再現することがますます困難になる。画像処理する影付き文字の文字部分と影部分との明度が近い場合は特にこのような現象が発生する可能性が高い。
【0009】
このような問題点に対する解決策としては文字部分と影部分との差が明確になるように濃度調整(γ補正)を施す方法が考えられるが、それに関しても次のような問題が挙げられる。すなわち、影付き文字の潰れが解消されて可読性が向上する程度にコントラストを向上させる調整を図32(a)に示す原画像に対応する原画像データ全体に施した場合、得られる出力画像は図34(a)に示すように、影付き文字以外の領域が非常に薄く再現され、消失する虞がある。また、図32(a)に示す原画像に対応する原画像データから文字領域を検出し、検出した文字領域にのみ同様の調整を施した場合、得られる出力画像は図34(b)に示すように、やや明度が高い通常の文字が薄く再現され、消失する虞がある。
【0010】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、原画像の任意の領域に含まれる各画素の明度又は輝度の分布情報に所定のピークが3つあるか否かを判定し、原画像の任意の領域が文字領域であるか否かを判定し、これら2つの判定結果に基づいて影付き文字領域であるか否かを判定することにより、原画像から影付き文字領域を精度よく検出することができる影付き文字領域判定方法、該影付き文字領域判定方法を実施するための影付き文字領域判定装置、前記影付き文字領域判定方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、前記影付き文字領域判定装置を備えることにより、原画像から影付き文字領域を高精度に検出することができる他、画像入力装置及び/又は画像出力装置の性能が低い場合でも、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、原画像の任意の領域に含まれる各画素の明度又は輝度の分布情報に所定のピークが3つあるか否かを判定し、あると判定された場合に、3つのピークに基づいて分布情報の暗、中間及び明の各範囲に含まれる画素を文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施すことにより、原画像から影付き文字領域を高精度に検出することができる他、画像入力装置及び/又は画像出力装置の性能が低い場合でも、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に文字の可読性を向上することができる画像処理方法、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、前記画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、原画像の任意の領域に含まれる各画素の明度又は輝度の分布情報に所定のピークが3つあると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に影部分(影画素)、文字部分(文字画素)及び背景部分(背景画素)として各ピークに含まれる画素に各別に明度を最適な明度変換処理を施すことにより、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字の可読性を向上することができる画像処理方法、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、前記画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、使用者から画像処理に係る所望のしきい値を受け付け、受け付けたしきい値に基づいて画像処理を行うことにより、使用者の嗜好に応じた又は使用者の使用勝手の柔軟性を高めることができる画像処理方法、該画像処理方法を実施するための画像処理装置、前記画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録されている記録媒体を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が、影画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換し、分類された影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換し、分類された影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度が分類された影画素の明度よりも高い場合、文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換し、影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する構成とすることにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、影画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度が分類された影画素の明度よりも高い場合、文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する構成とすることにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度が分類された影画素の明度よりも高い場合、文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素の明度を、影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換する構成とすることにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、文字の可読性を向上することができる画像処理装置を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、分類された文字画素の明度を、文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素及び背景画素の明度を、背景画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する構成とすることにより、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に、影を排除して文字を鮮明に再現でき、文字の可読性を向上することができると共に、背景のノイズを除去することができる画像処理装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明の他の目的は、前記画像処理装置を備えることにより、影付き文字を潰すことなく、文字も影も鮮明に読みやすくシートに再現することができる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
また、本発明の更に他の目的は、前記画像処理装置を備えることにより、影付き文字領域を含む原稿を読み取って画像データを生成する場合に、画像入力装置の性能が低い場合でも文字画素と影画素との区別が明確な画像データを生成することができる画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明に係る影付き文字領域判定方法は、画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定方法であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定ステップと、前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明に係る画像処理方法は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップとを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明に係る画像処理方法は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップとを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明に係る画像処理方法においては、前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更し、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付ステップと、該受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定する設定ステップとを更に含むことを特徴とする。
【0028】
本発明に係る影付き文字領域判定装置は、画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定装置であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定手段と、前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段及び第2判定手段の判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明に係る画像処理装置は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、前記影付き文字領域判定装置と、該影付き文字領域判定装置が有する前記第3判定手段が影付き文字領域であると判定した領域に含まれる文字画素、影画素及び背景画素に各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
本発明に係る画像処理装置は、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
本発明に係る画像処理装置においては、前記判定手段及び明度変換手段はそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付手段と、該受付手段にて受け付けたしきい値を前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定する設定手段とを更に備えることを特徴とする。
【0032】
本発明に係る画像処理装置においては、画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段とを備えることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0035】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0036】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0037】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0038】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0039】
本発明に係る画像処理装置においては、前記明度変換手段は、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、前記影画素及び背景画素の明度を、該背景画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0040】
本発明に係る画像形成装置は、前記画像処理装置と、該画像処理装置が明度変換処理を施した処理画像に係るデータに基づいてシートに画像形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0041】
本発明に係る画像読取装置は、原稿を読み取る読取手段を備える画像読取装置において、前記画像処理装置と、前記読取手段が読み取った原稿の画像に対して前記画像処理装置に明度変換処理を施させる手段とを備えることを特徴とする。
【0042】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップとを実行させることを特徴とする。
【0043】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させることを特徴とする。
【0044】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させることを特徴とする。
【0045】
本発明に係るコンピュータプログラムにおいては、前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップとを更に実行させることを特徴とする。
【0046】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップとを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0047】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0048】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップとを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0049】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体においては、前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップとを更に実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0050】
原画像データ中の影付き文字領域は文字部分(文字画素データ)、影部分(影画素データ)及び背景部分(背景画素データ)の3つの構成要素からなり、これら各構成要素の明るさ(明度又は輝度)が大別(分類)できるという特徴を有する。これは、影付き文字は通常、文字が黒く/濃く、影が薄黒く/薄く、背景が白いためである。
【0051】
よって、本発明に係る影付き文字領域判定方法、影付き文字領域判定装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、画像データ、つまり処理対象の原画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出し、算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否か(つまり各画素データが前述した影付き文字領域に特有の3つの構成要素に大別できるか否か)を判定し、また、原画像データの任意の領域が文字領域であるか否かを判定する。そして、これら2つの判定結果に基づいて、原画像データの任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定することにより、原画像データに含まれる影付き文字領域を検出する。具体的には、分布情報に所定のピークが3つあり、かつ文字領域である場合に、影付き文字領域を検出する。
【0052】
本発明に係る画像処理装置にあっては、前述した本発明に係る影付き文字領域判定装置を備え、該影付き文字領域判定装置が原画像データの影付き文字領域と判定した領域に含まれる文字画素データ、影画素データ及び背景画素データに各別に適宜の明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。つまり、影付き文字領域の文字、影及び背景のそれぞれが最適な明度を有する(例えば文字はより黒く(黒文字の場合)/濃く(カラー文字の場合)、背景はより白く、影はそれらの中間(薄い黒/薄い色)である)処理画像を生成する。
【0053】
本発明に係る画像処理方法、画像処理装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、原画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出し、算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否か(つまり各画素データが前述した影付き文字領域に特有の3つの構成要素に大別できるか否か)を判定することにより、原画像データに含まれる影付き文字領域を検出する。そして、分布情報に所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、3つのピークに基づいて、各画素データの明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、分類された各範囲に含まれる画素データをそれぞれ文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に適宜の明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。つまり、影付き文字領域の文字、影及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成する。
【0054】
本発明に係る画像処理方法、画像処理装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、原画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出し、算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否か(つまり各画素データが前述した影付き文字領域に特有の3つの構成要素に大別できるか否か)を判定することにより、原画像データに含まれる影付き文字領域を検出する。そして、分布情報に所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に適宜の明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。よって、文字領域の明度が影領域の明度よりも高く、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字に対しても、影、文字及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成する。
【0055】
本発明に係る画像処理方法、画像処理装置、コンピュータプログラム及び記録媒体にあっては、使用者から画像処理に係る所望のしきい値を受け付ける。そして、受け付けたしきい値に基づいて、例えば、原画像データの任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定の精度、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データへの分類精度、並びに分類したこれらの画素データに施す明度変換の程度を適宜変更する。
【0056】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換することにより、文字画素データの明度を統一し、影画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0057】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換し、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換することにより、文字画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一し、影画素データの明度を統一した処理画像データを生成する。
【0058】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換し、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換することにより、文字画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一し、影画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0059】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が、分類された影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換し、影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換することにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字に対しては、文字画素データの明度を元の明度に統一し、影画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0060】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が、分類された影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換することにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字に対しては、文字画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一し、影画素データの明度を元の明度に統一した処理画像データを生成する。
【0061】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が、分類された影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度、つまり文字画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い明度に変換し、影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度、つまり影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも低い明度に変換することにより、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字に対しては、文字画素データの明度を元の明度よりも高い明度に統一し、影画素データの明度を元の明度よりも低い明度に統一した処理画像データを生成する。
【0062】
本発明に係る画像処理装置にあっては、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換し、分類された影画素データ及び背景画素データの明度を、背景画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換することにより、文字画素データの明度を統一し、影画素データ及び背景画素データの明度を背景画素データの明度に統一した処理画像データを生成する。
【0063】
本発明に係る画像形成装置にあっては、前述した本発明に係る画像処理装置を備え、該画像処理装置が明度変換処理を施した処理画像に係るデータ、つまり原画像データの影付き文字領域を構成する文字画素データ、影画素データ及び背景画素データの各画素の明度を適宜変換して生成した処理画像データに基づいてシートに画像形成する。
【0064】
本発明に係る画像読取装置にあっては、前述した本発明に係る画像処理装置を備え、原稿を読み取って生成した原画像データに対して前記画像処理装置が明度変換処理を施すことにより、処理画像データを生成する。つまり、影付き文字領域の文字、影及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成する。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、原画像の任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定に、影付き文字領域に特有である画素の明度又は輝度に関する分布情報に該当するか否かの判定、及び文字領域であるか否かの判定の両者を併用しているため、原画像から影付き文字領域を精度よく判定することができる。
【0066】
また、本発明によれば、原画像の任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定に、影付き文字領域に特有である画素の明度又は輝度に関する分布情報に該当するか否かの判定を用いているため、原画像から影付き文字領域を高精度に検出することができる。しかも、検出した影付き文字領域の文字部分(文字画素)、影部分(影画素)及び背景部分(背景画素)の3つの構成要素に各別に明度を最適な明度に調整することができるため、画像入力装置及び/又は画像出力装置の性能が低い場合でも、原画像に含まれる影付き文字領域が画像として出力された際に、影付き文字が潰れて読めなくなることを防止して文字の可読性を向上することができる。
【0067】
また、本発明によれば、原画像の任意の領域が影付き文字領域であるか否かの判定の際に検出した画素の明度又は輝度に関する分布情報に含まれる3つのピークを、画素数が少ないピークから順に影部分(影画素)、文字部分(文字画素)及び背景部分(背景画素)として各別に明度を最適な明度に調整することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高く、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字に対しても、影、文字及び背景のそれぞれが最適な明度を有する処理画像を生成することができる。従って、文字が黒く/濃く、影が薄黒く/薄く、背景が白い影付き文字だけでなく、文字が薄黒く/薄く、影が黒く/濃く、背景が白い影付き文字についても文字の可読性を向上することができる。
【0068】
また、本発明によれば、使用者から画像処理に係る所望のしきい値を受け付け、受け付けたしきい値に基づいて画像処理を適宜変更することができるため、使用者の嗜好に応じることができ、また使用者の使用勝手の柔軟性を高めることができる。
【0069】
また、本発明によれば、文字画素の明度を統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が影画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0070】
また、本発明によれば、文字画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができ、影画素の明度を統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0071】
また、本発明によれば、文字画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0072】
また、本発明によれば、文字画素の明度が影画素の明度よりも高い場合に、文字画素の明度を元の明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、影画素の明度が高く、文字画素と影画素との区別が明確でないような場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0073】
また、本発明によれば、文字画素の明度が影画素の明度よりも高い場合に、文字画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度に統一することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素の明度が低く、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0074】
また、本発明によれば、字画素の明度が影画素の明度よりも高い場合に、文字画素の明度を元の明度よりも高い明度に統一することができ、影画素の明度を元の明度よりも低い明度に統一することができるため、文字領域の明度が影領域の明度よりも高い影付き文字領域が、文字画素と影画素との明度の差異が小さく、文字画素と影画素との区別が明確でない場合でも、画像として出力された際に、文字と影との区別を明確にでき、つまり文字も影も明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができる。
【0075】
また、本発明によれば、文字画素の明度を統一することができ、影画素及び背景画素の明度を背景画素の明度に統一することができるため、原画像に含まれる影付き文字領域が出力された際に、影を排除して文字を明瞭に再現でき、文字の可読性を向上することができると共に、背景のノイズを除去することができる。
【0076】
また、本発明によれば、本発明の画像処理装置を備えるため、影付き文字を潰すことなく、文字も影も鮮明に読みやすくシートに再現することができる。
【0077】
更に、本発明によれば、本発明の画像処理装置を備えるため、読み取った原稿の原画像に含まれる影付き文字領域の文字部分(文字画素)、影部分(影画素)及び背景部分(背景画素)の3つの構成要素に各別に明度を最適な明度に調整することができる。よって、画像入力装置の性能が低い場合でも文字画素と影画素との区別が明確な画像データを生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置はデジタルカラー複写機であり、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置7を備える。画像処理装置7は画像入力装置6と、画像形成手段としての画像出力装置18との間において処理を行うように構成されている。
【0079】
図1に示す画像形成装置は、装置全体の制御を行う制御部1を備え、ROM2には装置の動作に必要な制御プログラム、各種メニュー及び各種データ等が予め格納されており、制御部1はROM2に格納してある制御プログラムに従って装置を構成するハードウェア各部の動作を制御する。RAM3は制御部1による制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
【0080】
表示部4は液晶ディスプレイからなり、制御部1の制御に基づいて画像形成装置の動作状態、及びROM2に格納してある各種メニュー等の表示を行う。操作部5は表示部4の表示内容に従って使用者が画像形成装置を操作するためのファンクションキー、スタートキー及びテンキー等(図示せず)を備える。操作部5にて使用者から受け付けた種々の指示情報は、制御部1の制御に基づいてRAM3に記憶される。なお、表示部4及び操作部5は両者を一体に構成したタッチパネルであってもよい。
【0081】
画像入力装置6は、原稿に光を照射する光源、及びカラーフィルタで覆われた受光部が主走査方向にリニア状に並設したCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ(図示
せず)等を備えるスキャナにて構成されている。画像入力装置6は制御部1の制御に基づいて、CCDラインセンサを副走査方向(主走査方向と直交する方向)に移動(副走査)させ、原稿からの反射光像をR(赤)G(緑)B(青)のそれぞれに色分解してCCDラインセンサで読み取り、RGBのアナログ電気信号(アナログの原画像データ)に変換して画像処理装置7へ出力する。
【0082】
画像処理装置7は、A/D(アナログ/デジタル)変換部8、シェーディング補正部9、入力処理部10、影付き文字対応処理部11、領域分類処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15及び中間調生成部16を備える。
【0083】
A/D変換部8は制御部1の制御に基づいて、画像入力装置6から入力されたRGBのアナログ電気信号をデジタル電気信号(デジタルの原画像データ)に変換してシェーディング補正部9へ出力する。
【0084】
シェーディング補正部9は制御部1の制御に基づいて、A/D変換部8から入力されたデジタルのRGB信号に対して、画像入力装置6の照明系、結像系及び撮像系等において生じる各種の歪みを予め判明している情報に従って取り除くためのシェーディング処理を施し、入力処理部10へ出力する。
【0085】
入力処理部10は制御部1の制御に基づいて、各種の歪みが取り除かれ、シェーディング補正部9から入力されたデジタルのRGB信号のそれぞれに対して更にγ補正処理を施し、影付き文字対応処理部11及び領域分類処理部12へ出力する。
【0086】
影付き文字対応処理部11は制御部1の制御に基づいて、γ補正処理が施され、入力処理部10から入力されたデジタルのRGB信号における影付き文字領域を検出し、検出した影付き文字領域に対して文字の可読性を向上させるための明度変換処理を施し、色補正部13へ出力する。
【0087】
具体的には、影付き文字対応処理部11では、原画像データに含まれるX方向(主走査方向)におけるM画素及びY方向(副走査方向)におけるN画素の矩形のM×N画素(例えば、100×100画素)ブロックに対し、そのブロックが影付き文字領域に属するか否かの判定が行われ、更に影付き文字領域であると判定したブロックに含まれる各画素は文字部分(文字画素)/影部分(影画素)/背景部分(背景画素)のいずれかに分類され、影付き文字の可読性を向上させるように各部分に応じた最適な明度変換が施される。
【0088】
図2に影付き文字対応処理部11の構成を示す。影付き文字対応処理部11は、RGB→Lab変換部19、ラインメモリ20、影付き文字領域判定部21、明度変換部22及びLab→RGB変換部23を備える。
【0089】
RGB→Lab変換部19は制御部1の制御に基づいて、入力処理部10から入力されたデジタルのRGB信号を、式(1)に示す行列演算によりCIE(国際照明委員会)が規定するLab信号に変換し、ラインメモリ20へ出力する。なお、ここで扱われるLab信号は、L:明度を表す信号、a:赤色/緑色のバランスを表す信号、b:黄色/青色のバランスを表す信号によってひとつの色を示すものである。また、式(1)における行列の係数は画像入力装置6及び/又は画像出力装置18の特性に応じて適宜決定されるものであり、これに限ったものではない。
【0090】
【数1】
【0091】
ラインメモリ20は制御部1の制御に基づいて、RGB→Lab変換部19から入力されたLab信号を順次格納して図3に示すようなM×N画素ブロックを形成した後、M×N画素ブロックのL信号(L値)を影付き文字領域判定部21へ出力する一方、M×N画素ブロックに含まれる各画素のL信号を明度変換部22へ順次出力する。なお、図3に示すM×N画素ブロックでは、X方向における一ラインをラインXと称し、Y方向における一ラインをラインYと称する。
【0092】
ラインメモリ20はまた、M×N画素ブロックに含まれる各画素のa信号及びb信号をLab→RGB変換部23へ順次出力する。
【0093】
影付き文字領域判定部21は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたL信号を用いて、M×N画素ブロックが影付き文字領域であるか否かを判定すると共に、影付き文字領域であるか否かを示すSTXT信号(影付き文字領域の場合はSTXT=1,影付き文字領域でない場合はSTXT=0)、文字部分の明度を示すLm信号、影部分の明度を示すLs信号、及び背景部分の明度を示すLb信号をそれぞれ生成し、これらの信号を明度変換部22へ出力する。
【0094】
図4に影付き文字領域判定部21の構成を示す。影付き文字領域判定部21は、文字判定部(第2判定手段)24、文字/影判定部25及び2入力1出力のANDゲート(第3判定手段)26を備え、文字判定部24からの出力信号TXT(TXT=1,0)と、文字/影判定部25からの出力信号SHDW(SHDW=1,0)との論理積をANDゲート26にて演算し、演算結果を影付き文字信号STXTとして出力する。すなわち、M×N画素ブロックが文字領域であり(TXT=1)かつ影付き文字の特徴を持つ(SHDW=1)場合に、このブロックは影付き文字領域であることを示す信号“STXT=1”を生成し、そうでない場合は信号“STXT=0”を生成する。つまり、影付き文字領域判定部21は、本発明の実施の形態1に係る影付き文字領域判定装置である。以下に各部の詳細を説明する。
【0095】
文字判定部24は、エッジ・ペア判定部27,28、2入力1出力のORゲート29,30、及び2入力1出力のANDゲート31を備え、M×N画素ブロックが文字領域であるか否かを判定する。
【0096】
エッジ・ペア判定部27,28は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたM×N画素ブロックのラインX/Yに含まれる画素のL信号に基づいて、ラインX/Y内における急峻なエッジの有無、及び立上りエッジと立下りエッジとのペアの有無を検出し、検出結果に基づいてエッジ信号Line_e及びペア信号Line_pを生成し、これらの信号をORゲート29及びORゲート30へそれぞれ出力する。なお、ライン内に急峻なエッジがある場合はLine_e=1が、ない場合はLine_e=0がそれぞれ生成され、立上りエッジと立下りエッジとのペアがある場合はLine_p=1が、ない場合はLine_p=0がそれぞれ生成される。
【0097】
図5にエッジ・ペア判定部27,28の構成を示す。エッジ・ペア判定部27,28は、差分器34、絶対値算出部35、比較器36,37,38、2入力1出力のANDゲート39,40,45、NOTゲート41、及び加算器42,43,44を備える。
【0098】
差分器34はラインメモリ20からM×N画素ブロックのラインX又はラインYに含まれる画素の内、隣接画素(画素A及び画素B)同士の画素AのL値fa及び画素BのL値fbの差分(fa−fb)を算出し、算出結果を絶対値算出部35及び比較器38へそれぞれ出力する。絶対値算出部35は差分器34から入力された差分(fa−fb)の絶対値|fa−fb|を算出し、算出結果を比較器36,37へそれぞれ出力する。
【0099】
比較器36は、絶対値算出部35から入力された絶対値|fa−fb|が所定のしきい値TH_edge よりも大きいか否かを比較する。これにより、隣接画素同士が急峻なエッジであるか否かが判定される。比較器36は比較結果が|fa−fb|>TH_edge である場合に信号edge=1を、|fa−fb|≦TH_edgeである場合に信号edge=0をそれぞれ加算器42へ出力する。つまり、前者の場合は隣接画素同士が急峻なエッジであると判定され、後者の場合は隣接画素同士が急峻なエッジでないと判定される。
【0100】
比較器37は、絶対値算出部35から入力された絶対値|fa−fb|が所定のしきい値TH_pair よりも大きいか否かを比較し、比較器38は、差分器34から入力された差分(fa−fb)が0よりも大きいか否かを比較する。これにより、隣接画素同士が立ち上がりエッジか又は立ち下がりエッジかが判定される。
【0101】
比較器37は比較結果が|fa−fb|>TH_pair である場合に信号1を、|fa−fb|≦TH_pair である場合に信号0をそれぞれANDゲート39へ出力すると共に、ANDゲート40へも出力する。比較器38は比較結果が(fa−fb)>0である場合に信号1を、(fa−fb)≦0である場合に信号0をそれぞれANDゲート39へ出力すると共に、NOTゲート41へも出力する。NOTゲート41は比較器38から入力された信号(1,0)を反転してANDゲート40へ出力する。
【0102】
ANDゲート39は比較器37,38のそれぞれから入力された信号の論理積を演算し、演算結果をdown信号として加算器43へ出力する。したがって、|fa−fb|>TH_pair かつ(fa−fb)>0を満足する/満足しない場合、ANDゲート39はdown=1/down=0を出力し、前者の場合に隣接画素同士が立下りエッジであると判定される。
【0103】
ANDゲート40は比較器37及びNOTゲート41のそれぞれから入力された信号の論理積を演算し、演算結果をup信号として加算器44へ出力する。したがって、|fa−fb|>TH_pair かつ(fa−fb)≦0を満足する/満足しない場合、ANDゲート40はup=1/up=0を出力し、前者の場合に隣接画素同士が立ち上がりエッジであると判定される。
【0104】
ここで、立上りエッジ/立下りエッジの模式図を図6に示す。図に示すように、画素AのL値faと画素BのL値fbとの差が大きくかつ上昇している部分を立上りエッジ、下降している部分を立下りエッジと呼ぶ。
【0105】
以上の判定がライン内の一端から他端までの各隣接画素について行われた後、加算器42は比較器36から順次入力されたedge信号の論理和を演算し、演算結果をエッジ信号Line_eとして出力する。エッジ信号Line_e=1/Line_e=0の場合、ライン内に急峻なエッジがある/ないことを示す。
【0106】
同様に、加算器43はANDゲート39から順次入力されたdown信号の論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート45へ出力する。加算器44はANDゲート40から順次入力されたup信号の論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート45へ出力する。ANDゲート45は加算器43,44のそれぞれから入力された信号の論理積を演算し、演算結果をペア信号Line_pとして出力する。ペア信号Line_p=1/Line_p=0の場合、ライン内に立上りエッジ及び立下りエッジのペアがある/ないことを示す。
【0107】
ここで、図4のブロック図に戻る。ORゲート29はエッジ・ペア判定部27,28のそれぞれから入力されたエッジ信号Line_eの論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート31へ出力する。ORゲート30はエッジ・ペア判定部27,28のそれぞれから入力されたペア信号Line_pの論理和を演算し、演算結果の信号(1,0)をANDゲート31へ出力する。
【0108】
ANDゲート31はORゲート29,30のそれぞれから入力された演算結果の信号の論理積を演算し、演算結果の信号TXT(1,0)を文字判定部24の出力信号としてANDゲート26へ出力する。なお、TXT=1の場合はM×N画素ブロックが文字領域であることを示し、TXT=0の場合は文字領域でないことを示す。
【0109】
文字/影判定部25は、ヒストグラム作成部(算出手段)32及び特徴検出部(第1判定手段,判定手段)33を備える。ヒストグラム作成部32は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたM×N画素ブロックに含まれる画素に対し、それぞれの明度値(L値)を有する画素数Num[L](ただし、L:0〜100)をカウントし、L値及びこのL値を有する画素数Num[L]のヒストグラム(明度の分布情報)を作成(算出)し、作成したヒストグラムの情報(分布情報)を特徴検出部33へ出力する。
【0110】
特徴検出部33は制御部1の制御に基づいて、ヒストグラム作成部32から入力されたヒストグラムの情報から、ヒストグラムのピークの数と位置とを検出する。図7はヒストグラムのピークの検出を表す図であり、横軸は画素の明度L(L信号)を、縦軸は各明度Lを有する画素数Num[L]をそれぞれ示す。特徴検出部33は、図7に示すヒストグラムを用いて、ある値の明度lxの画素数Num[lx] と、明度(lx−1)の画素数Num[lx-1] との差分が所定のしきい値よりも大きく、かつ、明度(lx+1)の画素数Num[lx+1] との差分も所定のしきい値よりも大きい場合に、明度lxをピークの位置として検出する。
【0111】
このようなピークの位置の検出の際、特徴検出部33はヒストグラム中に存在するピークの総数をピークの数Peとして計数し、計数したピークの数Peが3つであるか否かを判定する。特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、明度が低い、すなわちL値が低い(暗い)方から数えて1つ目のピークの明度の値(L値)を文字部分の明度を示すLm信号、2つ目のピークの明度の値(L値)を影部分の明度を示すLs信号、3つ目のピークの明度の値(L値)を背景部分の明度を示すLb信号としてそれぞれ保存する。なお、特徴検出部33にて用いられるピークの検出方法はこれに限ったものではない。
【0112】
ここで、図8に影付き文字の模式図を示す。図8に示すようにM×N画素ブロックに影付き文字が存在する場合、その構成要素は文字部分/影部分/背景部分に分類することができる。図9は影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部25にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。
【0113】
文字部分の画素は暗く、背景部分の画素は明るく、影部分の画素はその中間の明るさを持っている。そのため、ヒストグラムの特徴としては、ピークが3つ存在し、明度の低い(暗い)ほうから1つ目のピーク周辺に文字部分の画素が集中し、2つ目のピーク周辺に影部分の画素が集中し、3つ目のピーク周辺に背景部分の画素が集中する形状となる。このとき、文字の明度Lmに近いL値“L<(Ls−δ1)”を有する画素を文字部分(文字画素)、影の明度Lsに近いL値“(Ls−δ1)≦L<(Ls+δ2)”を有する画素を影部分(影画素)、及び背景の明度Lbに近いL値“(Ls+δ2)≦L”を有する画素を背景部分(背景画素)と分類することができる。ただし、δ1及びδ2は所定の幅(値)である。
【0114】
したがって、特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持つことを示す信号SHDW=1を生成してANDゲート26へ出力すると共に、文字画素の明度を示すLm信号、影画素の明度を示すLs信号、及び背景画素の明度を示すLb信号を生成し、影付き文字領域判定部21の出力信号として明度変換部22へ出力する。また、特徴検出部33はピークの数Peが3つでないと判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持たないことを示す信号SHDW=0のみを生成してANDゲート26へ出力する。
【0115】
ANDゲート26は、ANDゲート31から入力されたTXT信号(1,0)と、特徴検出部33から入力されたSHDW信号(1,0)との論理積を演算し、演算結果の信号STXT(1,0)を影付き文字領域判定部21の出力信号として明度変換部22へ出力する。
【0116】
ここで、図2のブロック図に戻る。明度変換部22は制御部1の制御に基づいて、ラインメモリ20から入力されたL信号に対して、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT、Lm、Ls及びLbの4信号に基づく最適な明度変換を施したL’信号をLab→RGB変換部23へ出力する。
【0117】
明度変換部22は影付き文字領域判定部21にてM×N画素ブロックが影付き文字領域であると判定された場合、つまり影付き文字領域判定部21からSTXT=1が入力された場合に、出力画像における文字の可読性を向上させるために、文字部分/影部分/背景部分それぞれに対して明度変換を以下のように行う。
【0118】
明度変換部22は、ラインメモリ20から入力されたL信号(L値)に対して、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT、Lm、Ls及びLbの4信号に基づいて、図10に示す明度変換テーブルを参照し、入力L値に対して該当する明度変換を施す。これによって明度変換部22は明度変換後のL’信号(L’値)をLab→RGB変換部23へ出力する。
【0119】
明度変換テーブルは、原画像の文字部分と影部分の明るさに応じた最適な変換が行われるように、数種類の項目に分割されていることが望ましい。その例として図10に示すタイプ1〜4の項目を挙げて説明する。なお、画像出力装置18が多階調ではない2値出力の場合は、常にタイプ1を適用することが望ましい。
【0120】
まずタイプ1の明度変換(図20(a)参照)について説明する。(Ls−Lm)<th_dif1 (ただしth_dif1 は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分の明度差がある程度小さい場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0121】
文字部分:L’=Lm
影部分: L’=Lb
背景部分:L’=Lb
【0122】
すなわちタイプ1の明度変換では、文字部分の全ての画素(全ての文字画素)の明度は文字部分の明度に統一され、影部分の全ての画素(全ての背景画素)の明度は、背景部分の明度に統一される。これによって、影部分が排除されて文字部分のみで文字が表わされるため、出力画像の可読性を向上させることができると共に、背景のノイズを除去することができる。
【0123】
次にタイプ2の明度変換(図20(b)参照)について説明する。Ls<th_ls1(ただしth_ls1は所定値)を満足する場合、すなわち影部分の明度がある程度低い(影部分がある程度暗い)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0124】
文字部分:L’=Lm
影部分: L’=Ls+α(ただしαは所定値)
背景部分:L’=Lb
【0125】
すなわちタイプ2の明度変換では、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度に統一され、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0126】
続いてタイプ3の明度変換(図20(c)参照)について説明する。th_lm1<Lm(ただしth_lm1は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分の明度がある程度高い(文字部分がある程度明るい)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0127】
文字部分:L’=Lm−β(ただしβは所定値)
影部分: L’=Ls
背景部分:L’=Lb
【0128】
すなわちタイプ3の明度変換では、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや低い明度に統一され、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0129】
最後にタイプ4の明度変換(図20(d)参照)について説明する。th_lm2<Lmかつ(Ls−Lm)<th_dif2 かつLs<th_ls2(ただしth_lm2,th_dif2 ,th_ls2は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度高く(文字部分がある程度明るい)、影部分の明度がある程度低い(影部分がある程度暗い)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0130】
文字部分:L’=Lm−β
影部分: L’=Ls+α
背景部分:L’=Lb
【0131】
すなわち、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや低い明度に統一され、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0132】
明度変換処理にて用いられる前述の値th_dif1 ,th_dif2 ,th_ls1,th_ls2,th_lm1,th_lm2は、一般に使用されている種々の影付き文字に対して処理を行って適切に表現できる値に設定すればよい。
【0133】
なお、影付き文字領域判定部21にてM×N画素ブロックが影付き文字領域でないと判定された場合、つまり影付き文字領域判定部21からSTXT=0の信号が入力された場合、明度変換部22は、ラインメモリ20から入力されたL信号の明度変換を行わず、そのままLab→RGB変換部23へ出力する。
【0134】
Lab→RGB変換部23は制御部1の制御に基づいて、明度変換部22から入力されたL’信号、並びにラインメモリ20から入力されたa信号及びb信号を、式(2)に示す行列演算によりRGB信号に変換し、色補正部13へ出力する。なお、式(2)における行列の係数は画像入力装置6及び/又は画像出力装置18の特性に応じて適宜決定されるものであり、これに限ったものではない。
【0135】
【数2】
【0136】
ここで、図1のブロック図に戻る。領域分類処理部12は制御部1の制御に基づき、γ補正処理が施され、入力処理部10から入力されたデジタルのRGB信号に基づいて原画像データの各画素を黒文字領域/色文字領域/網点領域等のいずれに属するかを判定し、分類する。この分類結果に基づいて領域分類処理部12は、各画素がいずれの領域に属しているのかを示す領域識別信号SEGを黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15及び中間調生成部16へそれぞれ出力する。
【0137】
色補正部13は制御部1の制御に基づき、明度変換され、影付き文字対応処理部11から入力されたデジタルのRGB信号の補色であるC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)信号を生成すると共に、色再現性を高める処理を施し、黒生成/下色除去部14へ出力する。
【0138】
黒生成/下色除去部14は制御部1の制御に基づいて、領域分類処理部12から入力された領域識別信号SEGに応じて、色補正部13から入力された色補正後のCMYの3色信号からK(黒)信号を生成し、CMYの3色信号をCMYKの4色信号に変換し、空間フィルタ部15へ出力する。
【0139】
空間フィルタ部15は制御部1の制御に基づいて、領域分類処理部12から入力された領域識別信号SEGに応じて複数のデジタルフィルタの中から最適なデジタルフィルタを選択し、選択したデジタルフィルタを用いて黒生成/下色除去部14から入力されたCMYKの4色信号に空間フィルタ処理(強調処理及び平滑化処理等)を施し、中間調生成部16へ出力する。
【0140】
中間調生成部16は制御部1の制御に基づいて、領域分類処理部12から入力された領域識別信号SEGに応じて、空間フィルタ部15から入力されたCMYKの4色信号に対し、最終的に画像データを画素に分類してそれぞれの階調を再現できるようにするための階調再現処理(中間生成処理)を施し、最終的なCMYK信号、すなわち最終的な処理画像データを生成する。
【0141】
制御部1は、画像処理装置7にて各処理が施されて生成された処理画像データを画像メモリ17へ一旦記憶し、記憶した処理画像データを適宜のタイミングで画像メモリ17から読み出し、読み出した処理画像データを、RAM3に記憶してある指示情報に基づいて画像形成のタイミングに合わせて画像出力装置18へ転送する。
【0142】
画像出力装置18は、感光体ドラムを所定の電位に帯電する帯電器、制御部1の制御に基づいて転送された処理画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム表面に静電潜像を生成するレーザ書込装置、感光体ドラム表面に生成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像をシート上に転写する転写器等(図示せず)を備え、制御部1の制御に基づいて、処理画像データに基づく画像を電子写真方式にてシートに形成(複写)する。なお、画像出力装置18は電子写真方式としたが、これに限らず、インクジェット記録方式又は熱転写方式等であってもよい。
【0143】
以上の如き構成の本発明の実施の形態1に係る画像形成装置が備える本発明の実施の形態1に係る画像処理装置7により実行される本発明の実施の形態1に係る画像処理方法について説明する。
【0144】
本発明の実施の形態1に係る画像処理装置7の全体としての基本的な構成及び動作は以上の如くであるが、本発明の特徴的要素である影付き文字対応処理部11の処理手順を図11のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0145】
まず影付き文字対応処理部11は、入力処理部10から入力されたRGB信号をRGB→Lab変換部19にてLab信号に変換し(S101)、次いで、変換して生成したLab信号に基づいて、M×N画素ブロックをラインメモリ20にて形成する(S102)。続いて影付き文字対応処理部11は、形成したM×N画素ブロックに対し、影付き文字領域判定部21にて影付き文字領域判定処理を行う(S110)。
【0146】
以下、影付き文字領域判定処理について説明する。図12は影付き文字領域判定部21の影付き文字領域判定処理の手順を示すフローチャートであり、図11のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0147】
まず影付き文字領域判定部21は、M×N画素ブロックのL信号を用いて文字判定処理を文字判定部24にて行う(S120)と共に、この処理と並行してM×N画素ブロックのL信号を用いて文字/影判定処理を文字/影判定部25にて行う(S130)。
【0148】
以下、文字判定処理について説明する。図13は文字判定部24の文字判定処理の手順を示すフローチャートであり、図12のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0149】
まず文字判定部24は、M×N画素ブロックのラインXに含まれる画素のL信号に基づいて、ラインX内におけるエッジ及び立上りエッジ/立下りエッジのペアをエッジ・ペア判定部27にて検出し(S121)、同様にM×N画素ブロックのラインYに含まれる画素のL信号に基づいて、ラインY内におけるエッジ及び立上りエッジ/立下りエッジのペアをエッジ・ペア判定部28にて検出する(S122)。
【0150】
次に文字判定部24は、ORゲート29,30及びANDゲート31を用い、“ラインX,Yのいずれかでエッジが検出された”かつ“ラインX,Yのいずれかで立上りエッジ/立下りエッジのペアが検出された”の条件を満足するか否かを判定する(S123)。
【0151】
ステップS123において、条件を満足すると判定した場合(S123:YES)、文字判定部24は、M×N画素ブロックは文字領域であると判定し、ANDゲート31からTXT=1を出力する(S124)。そして図12のメインルーチンへ戻る。
【0152】
一方ステップS123において、条件を満足しないと判定した場合(S123:NO)、文字判定部24は、M×N画素ブロックは文字領域でないと判定し、ANDゲート31からTXT=0を出力する(S125)。そして図12のメインルーチンへ戻る。
【0153】
続いて、文字/影判定処理について説明する。図14は文字/影判定部25の文字/影判定処理の手順を示すフローチャートであり、図12のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0154】
文字/影判定部25は、ヒストグラム作成部32にてヒストグラム作成処理を行い(S140)、次いで特徴検出部33にて特徴検出処理を行った(S150)後、図12のメインルーチンへ戻る。
【0155】
ここで、ヒストグラム作成処理について説明する。図15はヒストグラム作成部32のヒストグラム作成処理の手順を示すフローチャートであり、図14のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0156】
まずヒストグラム作成部32は、M×N画素ブロックに含まれる画素に対し、明度値(L値)を有する画素数をカウントする画素数カウンタNum[lx]に0を設定(リセット)する(S141)。ただしlxは明度値(L値)で0〜100の値をとる。次にヒストグラム作成部32は、原画像データの主走査方向及び副走査方向の開始座標をそれぞれx=0,y=0に設定する(S142)。
【0157】
続いてヒストグラム作成部32は、注目座標の明度値lx=L(x,y)に対応する画素数カウンタNum[lx]に1を加算する(S143)。次にヒストグラム作成部32は、主走査方向の座標xに1を加算し(S144)、加算後の座標xが主走査方向の最終端の座標Mであるか否かを判定する(S145)。
【0158】
ステップS145において、最終端の座標Mでないと判定した場合(S145:NO)、ヒストグラム作成部32は、ステップS143へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS145において、最終端の座標Mであると判定した場合(S145:YES)、ヒストグラム作成部32は、副走査方向の座標yに1を加算し(S146)、加算後の座標yが副走査方向の最終端の座標Nであるか否かを判定する(S147)。
【0159】
ステップS147において、最終端の座標Nでないと判定した場合(S147:NO)、ヒストグラム作成部32は、ステップS143へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS147において、最終端の座標Nであると判定した場合(S147:YES)、ヒストグラム作成部32はヒストグラム作成処理を完了し、処理は特徴検出処理へ移行される。
【0160】
以下、特徴検出処理について説明する。図16及び図17は特徴検出部33の特徴検出処理の手順を示すフローチャートであり、図14のフローチャートに係るサブルーチンである。なお、図16及び図17において示す「Q」の符号を付した箇所は、同符号の箇所とそれぞれ連結されることを意味する。
【0161】
まず特徴検出部33は、ピーク番号Peを0に設定(リセット)し(S151)、次いで開始明度座標をlx=0に設定する(S152)。続いて特徴検出部33は、座標終端時に用いる仮データNum[−1]及びNum[101]に0を設定する(S153)。
【0162】
次に特徴検出部33は、(Num[lx]−Num[lx−1])>th_numかつ(Num[lx]−Num[lx+1])>th_numの条件を満足するか否かを判定する(S154)。
【0163】
ステップS154において、条件を満足すると判定した場合(S154:YES)、特徴検出部33は、ヒストグラムのピークであると判定し、明度座標lxをtmp[Pe]に保存すると共に、ピーク番号Peに1を加算する(S155)。ステップS155の処理の後、又はステップS154において、条件を満足しないと判定した場合(S154:NO)、特徴検出部33は明度座標lxに1を加算する(S156)。
【0164】
次に特徴検出部33は、明度座標lxが100以下であるか否かを判定する(S157)。ステップS157において、明度座標lxが100以下であると判定した場合(S157:YES)、特徴検出部33は、ステップS154へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS157において、明度座標lxが100を越えたと判定した場合(S157:NO)、特徴検出部33は、ピーク番号Peが3であるか否か、つまりピークが3つであるか否かを判定する(S158)。
【0165】
ステップS158において、ピーク番号Peが3であると判定した場合(S158:YES)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴があると判定し、SHDW=1を出力する(S159)。次に特徴検出部33は、ステップS155にて保存したピーク番号0〜2の明度座標により、文字部分の明度をLm=tmp[0]に、影部分の明度をLs=tmp[1]に、背景部分の明度をLb=tmp[2]にそれぞれ設定し(S160)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。
【0166】
一方ステップS158において、ピーク番号Peが3でないと判定した場合(S158:NO)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴がないと判定し、SHDW=0を出力し(S161)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。
【0167】
ここで、図12のフローチャートに戻る。以上のような文字判定処理(S120)及び文字/影判定処理(S130)を行った後、影付き文字領域判定部21は、ANDゲート26を用い、TXT=1かつSHDW=1の条件を満足するか否かを判定する(S171)。
【0168】
ステップS171において、条件を満足すると判定した場合(S171:YES)、影付き文字領域判定部21は、M×N画素ブロックは影付き文字領域であると判定し、ANDゲート26からSTXT=1を出力する(S172)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0169】
一方ステップS171において、条件を満足しないと判定した場合(S171:NO)、影付き文字領域判定部21は、M×N画素ブロックは影付き文字領域でないと判定し、ANDゲート26からSTXT=0を出力する(S173)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0170】
ここで、図11のフローチャートに戻る。以上のような影付き文字領域判定処理(S110)を行った後、影付き文字対応処理部11は、明度変換処理部22にて明度変換処理を行う(S180)。
【0171】
以下、明度変換処理について説明する。図18は明度変換処理部22の明度変換処理の手順を示すフローチャートであり、図11のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0172】
まず明度変換処理部22は、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT信号が1であるか否かを判定する(S181)。ステップS181において、STXT信号が1でないと判定した場合(S181:NO)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは影付き文字領域でないと判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値(原画素の明度)に対する明度変換を行わない。つまりL’=L(ただしL’は原画素に対する明度変換後の明度値)が生成される(S182)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0173】
一方ステップS181において、STXT信号が1であると判定した場合(S181:YES)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは影付き文字領域であると判断し、最適な明度変換を行うべく、影付き文字領域判定部21から入力されたLm,Ls,Lb信号に基づいて行うべき明度変換タイプ(1〜4)を決定する(S183)。
【0174】
具体的には、明度変換処理部22は、(Ls−Lm)<th_dif1 を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ1と決定する。同様に、明度変換処理部22は、Ls<th_ls1を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ2と決定する。更に明度変換処理部22は、th_lm1<Lmを満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ3と決定する。また更に明度変換処理部22は、th_lm2<Lmかつ(Ls−Lm)<th_dif2 かつLs<th_ls2を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ4と決定する。
【0175】
次に明度変換部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、L<(Ls−δ1)の条件を満足するか否かを判定する(S184)。
【0176】
ステップS184において、条件を満足すると判定した場合(S184:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の文字部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS183にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ1,2である場合はL’=Lmが生成(文字部分の明度に変換)され、タイプ3,4である場合はL’=Lm−βが生成(文字部分の明度よりも低い明度に変換)される(S185)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0177】
一方ステップS184において、条件を満足しないと判定した場合(S184:NO)、明度変換処理部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、(Ls−δ1)≦L<(Ls+δ2)の条件を満足するか否かを判定する(S186)。
【0178】
ステップS186において、条件を満足すると判定した場合(S186:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の影部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS183にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ1である場合はL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)され、タイプ2,4である場合はL’=Ls+αが生成(影部分の明度よりも高い明度に変換)され、タイプ3である場合はL’=Lsが生成(影部分の明度に変換)される(S187)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0179】
一方ステップS186において、条件を満足しないと判定した場合(S186:NO)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の背景部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS183にて決定した明度変換タイプが1〜4のいずれの場合であってもL’値に変換する。つまりL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)される(S188)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0180】
ここで、図11のフローチャートに戻る。以上のような明度変換処理(S180)を行った後、影付き文字対応処理部11は、明度変換部22から入力されたL’信号、及びラインメモリ20から入力されたa,b信号を、Lab→RGB変換部23にてRGB信号に変換し(S191)、処理を終了する。
【0181】
以上の本発明の実施の形態1に係る画像処理方法の内、タイプ1の明度変換を、図32(a)に示す原画像を画像入力装置6にて読み取って生成した原画像データに対して実行し、この実行により生成された処理画像データを画像出力装置18から出力した出力画像及びその影付き文字の一部を拡大したものを図19及び図20(a)にそれぞれ示す。
【0182】
両図から理解されるように、文字部分と影部分との明度差がある程度小さい場合の影付き文字領域については最適な明度変換が施され、つまり影部分の明度が背景部分の明度に統一され、図32(b)及び図33に示す従来の画像処理とは異なり、文字が潰れることなく可読性が向上する。しかも、通常の文字領域及び写真領域については本発明の実施の形態1に係る画像処理方法(タイプ1の明度変換)が適用されないため、これらの領域が薄くなることなく良好に再現される。
【0183】
また、図20(b),(c),(d)のそれぞれには、図20(a)と同様、図32(a)に示す原画像の影付き文字領域において影部分の明度がある程度低い場合,文字部分の明度がある程度高い場合,文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度高く、影部分の明度がある程度低い場合について、本発明の実施の形態1に係る画像処理方法の内、タイプ2,3,4の明度変換をそれぞれ実行した例を示す。
【0184】
図から理解されるように、タイプ2の明度変換では影部分の明度がやや高い明度に変換され、タイプ3の明度変換では文字部分の明度がやや低い明度に変換され、タイプ4の明度変換では文字部分の明度がやや低い明度に、かつ影部分の明度がやや高い明度に変換されるため、それぞれの出力画像で文字が潰れることなく可読性が向上する。
【0185】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、図8及び図9に示すように、文字部分の明度が影部分の明度よりも低い影付き文字を処理対象とし、それぞれ文字部分及び影部分に適切な明度変換処理を行う構成について説明した。しかし、影付き文字には、図21の模式図に示す原画像のように、文字部分の明度が影部分の明度よりも高いものもある。このような特殊な影付き文字に対して実施の形態1で示したタイプ1〜4の明度変換処理を行った場合、かえって好ましくない出力画像が得られるという不具合が発生する場合がある。
【0186】
即ち、実施の形態1では、入力処理部10から入力されたM×N画素ブロックに基づいて作成したヒストグラムに3つのピークがある場合、それぞれのピークを明度が低い方から順に文字部分、影部分及び背景部分として処理している。そのため、図21に示すような特殊な影付き文字に対しては、文字部分及び影部分の判定を誤ってしまうことになる。また、このような誤った判定結果を用いて、例えば実施の形態1で示したタイプ1の明度変換処理を行った場合、図21の出力画像に示すように文字部分の明度が背景部分の明度と統一されてしまい、判読性が著しく低下するという不具合が生じることになる。
【0187】
ここで、図8に示す模式図からも理解されるように、影付き文字を含む所定の領域内において、文字部分/影部分/背景部分の各構成部分がそれぞれ占める画素数は、“影部分の画素数<文字部分の画素数<背景部分の画素数”という関係がある。この関係は影付き文字が持つ一般的な特徴のひとつであるといえる。従って、本実施の形態2では、影付き文字を含むM×N画素ブロックから作成したヒストグラムに3つのピークがある場合、それぞれのピークにおける画素数に基づいて、画素数が少ないピークから順に、各ピークに含まれる画素を影領域、文字領域及び背景領域と判定する。
【0188】
具体的には、本実施の形態2における特徴検出部33(図4参照)は制御部1の制御に基づいて、ヒストグラム作成部32から入力されたヒストグラムの情報から、ヒストグラムのピークの数、位置及び大きさを検出する。なお、ヒストグラムのピークの数と位置の検出については、上述した実施の形態1と同じ処理を行うので説明を省略する。また、ピークの大きさについては、明度lxをピークの位置とした場合の画素数Num[lx]をピークの大きさとして検出する。また、特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、その3つのピークの大きさ(画素数)を比較し、小さい(少ない)方から順に1つ目のピークの明度の値(L値)を影部分の明度を示すLs信号、2つ目のピークの明度の値(L値)を文字部分の明度を示すLm信号、3つ目のピークの明度の値(L値)を背景部分の明度を示すLb信号としてそれぞれ保存する。
【0189】
図22は特殊な影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部25にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。特殊な影付き文字において、影部分の画素は暗く、背景部分の画素は明るく、文字部分の画素はその中間の明るさを持っている。そのため、図22に示すヒストグラムの特徴としては、ピークが3つ存在し、影部分のピーク(画素数)が最も小さく(少なく)、背景部分のピーク(画素数)が最も大きく(多く)、文字部分のピーク(画素数)がその中間の大きさ(画素数)である。
【0190】
したがって、特殊な影付き文字のヒストグラムにおいては、ピークが3つ存在し、1番小さいピークの明度が2番目に小さいピークの明度よりも暗く(即ちLs<Lm)、明度の暗い方から1つ目のピーク周辺に影部分の画素が集中し、2つ目のピーク周辺に文字部分の画素が集中し、3つ目のピーク周辺に背景部分の画素が集中するといった形状となる。このとき、影の明度Lsに近いL値“L<(Lm−δ1)”を有する画素を影部分(影画素)、文字の明度Lmに近いL値“(Lm−δ1)≦L<(Lm+δ2)”を有する画素を文字部分(文字画素)、及び背景の明度Lbに近いL値“(Lm+δ2)≦L”を有する画素を背景部分(背景画素)と分類する。ただし、δ1及びδ2は所定の幅(値)である。
【0191】
したがって、特徴検出部33はピークの数Peが3つであると判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持つことを示す信号SHDW=1を生成してANDゲート26へ出力すると共に、文字画素の明度を示すLm信号、影画素の明度を示すLs信号、及び背景画素の明度を示すLb信号を生成し、影付き文字領域判定部21の出力信号として明度変換部22へ出力する。また、特徴検出部33はピークの数Peが3つでないと判定した場合、M×N画素ブロックが影付き文字の特徴を持たないことを示す信号SHDW=0のみを生成してANDゲート26へ出力する。
【0192】
なお、1番小さいピークの明度が2番目に小さいピークの明度よりも明るい場合は一般的な影付き文字のヒストグラムの特徴と一致するため、上述した実施の形態1と同様に画素を分類すればよく、この場合の説明は省略する。また、影部分のピークの明度が文字部分のピークの明度よりも低い(暗い)場合は特殊な影付き文字であり、そうでない場合は一般的な影付き文字であるとして、それぞれに適した処理を行えば、より正確な画素の分類及びそれに応じた適切な明度変換を行うことができる。これにより、特殊な影付き文字に対しても、一般的な影付き文字に対しても文字部分及び影部分を正確に判定することが可能となり、この判定結果を用いて文字部分の明度及び影部分の明度の関係に応じた明度変換処理を各構成部分の画素に行うことによって、特殊な影付き文字対しても判読性を向上させることができ、より好ましい出力画像が得られるようになる。
【0193】
また、本実施の形態2における明度変換部22(図2参照)は、影付き文字領域判定部21にてM×N画素ブロックが影付き文字領域であると判定され(つまりSTXT=1)、かつ文字部分の明度が影部分の明度よりも高い特殊な影付き文字である場合に、出力画像における文字の可読性を向上させるために、文字部分/影部分/背景部分それぞれに対して明度変換を以下のように行う。
【0194】
明度変換部22は、ラインメモリ20から入力されたL信号(L値)に対して、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT、Lm、Ls及びLbの4信号に基づいて、図23に示す明度変換テーブルを参照し、入力L値に対して該当する明度変換を施す。これによって明度変換部22は明度変換後のL’信号(L’値)をLab→RGB変換部23へ出力する。なお、明度変換テーブルの例として図23に示すタイプ5〜8の項目を挙げて説明する。
【0195】
まずタイプ5の明度変換(図27(a)参照)について説明する。(Lm−Ls)<th_dif3 (ただしth_dif3 は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分の明度差がある程度小さい場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0196】
影部分: L’=Lb
文字部分:L’=Lm
背景部分:L’=Lb
【0197】
すなわちタイプ5の明度変換では、影部分及び背景部分の全ての画素の明度は背景部分の明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度に統一される。これによって、影部分が排除されて文字部分のみで文字が表されるため、出力画像の可読性を向上させることができると共に、背景のノイズを除去することができる。
【0198】
次に、タイプ6の明度変換(図27(b)参照)について説明する。Ls>th_ls3(ただしth_ls3は所定値)を満足する場合、すなわち影部分の明度がある程度高い(影部分がある程度明るい)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0199】
影部分: L’=Ls−θ(ただしθは所定値)
文字部分:L’=Lm
背景部分:L’=Lb
【0200】
すなわちタイプ6の明度変換では、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや低い明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0201】
続いてタイプ7の明度変換(図27(c)参照)について説明する。th_lm3>Lm(ただしth_lm3は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分の明度がある程度低い(文字部分がある程度暗い)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0202】
影部分: L’=Ls
文字部分:L’=Lm+λ(ただしλは所定値)
背景部分:L’=Lb
【0203】
すなわちタイプ7の明度変換では、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0204】
最後にタイプ8の明度変換(図27(d)参照)について説明する。th_lm4>Lmかつ(Lm−Ls)<th_dif4 かつLs>th_ls4(ただしth_lm4,th_dif4 ,th_ls4は所定値)を満足する場合、すなわち文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度低く(文字部分がある程度暗い)、影部分の明度がある程度高い(影部分がある程度明るい)場合、明度変換部22は入力L値が属する部分に応じて次の値をL’として生成する。
【0205】
影部分: L’=Ls−θ(ただしθは所定値)
文字部分:L’=Lm+λ(ただしλは所定値)
背景部分:L’=Lb
【0206】
すなわちタイプ8の明度変換では、影部分の全ての画素の明度は影部分の明度よりもやや低い明度に統一され、文字部分の全ての画素の明度は文字部分の明度よりもやや高い明度に統一される。これによって、文字部分と影部分との差異が画像出力装置18で再現されやすくなるため、出力画像の可読性を向上させることができる。
【0207】
明度変換処理にて用いられる前述の値th_dif3 ,th_dif4 ,th_ls3,th_ls4,th_lm3,th_lm4は、一般に使用されている種々の影付き文字に対して処理を行って適切に表現できる値に設定すればよい。
【0208】
以上の如き構成の実施の形態2に係る画像処理装置7により実行される画像処理方法において、特徴検出処理及び明度変換処理の流れを抜粋して説明する。図24及び図25は実施の形態2に係る特徴検出部33の特徴検出処理の手順を示すフローチャートであり、図14のフローチャートに係るサブルーチンである。なお、図24及び図25において示す「R」の符号を付した箇所は、同符号の箇所とそれぞれ連結されることを意味する。
【0209】
特徴検出部33は、図16に示す処理と同様に、ステップS151〜S153の処理を実行し、(Num[lx]−Num[lx−1])>th_numかつ(Num[lx]−Num[lx+1])>th_numの条件を満足するか否かを判定する(S201)。ステップS201において、条件を満足すると判定した場合(S201:YES)、特徴検出部33は、ヒストグラムのピークであると判定し、明度座標lxをtmp[Pe]に保存し、ピークの大きさを表す値としてNum[lx]をtmpNum[Pe]に保存すると共に、ピーク番号Peに1を加算する(S202)。
【0210】
また、特徴検出部33は、図16に示す処理と同様に、ステップS202の処理の後、又はステップS201において条件を満足しないと判定した場合(S201:NO)、明度座標lxに1を加算し(S203)、明度座標lxが100以下であるか否かを判定する(S204)。ステップS204において、明度座標lxが100以下であると判定した場合(S204:YES)、特徴検出部33は、ステップS201へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。一方ステップS204において、明度座標lxが100を越えたと判定した場合(S204:NO)、特徴検出部33は、ピーク番号Peが3であるか否か、つまりピークが3つであるか否かを判定する(S205)。
【0211】
ステップS205において、ピーク番号Peが3であると判定した場合(S205:YES)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴があると判定し、SHDW=1を出力する(S206)。次に特徴検出部33は、ステップS202にて保存したピーク番号0〜2のピークの大きさtmpNum[0]〜tmpNum[2]を比較し、1番小さい値を持つピークの番号をN1 に、2番目に小さい値を持つピークの番号をN2 に、3番目に小さい値を持つピークの番号をN3 にそれぞれ設定する(S207)。
【0212】
更に特徴検出部33は、ステップS207にて設定したピーク番号N1 〜N3 の明度座標により、影部分の明度をLs=tmp[N1 ]に、文字部分の明度をLm=tmp[N2 ]に、背景部分の明度をLb=tmp[N3 ]にそれぞれ設定し(S208)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。一方ステップS205において、ピーク番号Peが3でないと判定した場合(S205:NO)、特徴検出部33は、M×N画素ブロックは影付き文字の特徴がないと判定し、SHDW=0を出力し(S209)、特徴検出処理を完了する。そして図14のメインルーチンへ戻る。
【0213】
次に、本実施の形態2に係る画像処理装置7による明度変換処理について説明する。図26は実施の形態2に係る明度変換処理部22の明度変換処理の手順を示すフローチャートであり、図11のフローチャートに係るサブルーチンである。
【0214】
まず明度変換処理部22は、影付き文字領域判定部21から入力されたSTXT信号が1であるか否かを判定する(S210)。ステップS210において、STXT信号が1でないと判定した場合(S210:NO)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは影付き文字領域でないと判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値(原画素の明度)に対する明度変換を行わない。つまりL’=L(ただしL’は原画素に対する明度変換後の明度値)が生成される(S211)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0215】
一方ステップS210において、STXT信号が1であると判定した場合(S210:YES)、明度変換処理部22は、影付き文字領域判定部21から入力されたLmとLsとを比較し、Ls<Lmの条件を満たすか否か判定する(S212)。ステップS212において、条件を満たすと判定した場合(S212:YES)、明度変換処理部22は、M×N画素ブロックは文字部分の明度が影部分の明度よりも高い特殊な影付き文字領域であると判断し、最適な明度変換を行うべく、影付き文字領域判定部21から入力されたLm,Ls,Lb信号に基づいて行うべき明度変換タイプ(5〜8)を決定する(S213)。
【0216】
具体的には、明度変換処理部22は、(Lm−Ls)<th_dif3 を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ5と決定する。同様に、明度変換処理部22は、Ls>th_ls3を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ6と決定する。更に明度変換処理部22は、th_lm3>Lmを満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ7と決定する。また更に明度変換処理部22は、th_lm4>Lmかつ(Lm−Ls)<th_dif4 かつLs>th_ls4を満足するか否かを判定し、満足すると判定した場合、行うべき明度変換をタイプ8と決定する。
【0217】
なお、ステップS212において、Ls<Lmの条件を満たさないと判定した場合(S212:NO)、明度変換処理部22は、図18中のステップS183へ処理を移行し、M×N画素ブロックは通常の影付き文字領域であると判断し、最適な明度変換を行うべく、影付き文字領域判定部21から入力されたLm,Ls,Lb信号に基づいて行うべき明度変換タイプ(1〜4)を決定する(S183)。ステップS183以降の処理については、実施の形態1で示したので説明を省略する。
【0218】
次に明度変換部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、L<(Lm−δ1)の条件を満足するか否かを判定する(S214)。ステップS214において、条件を満足すると判定した場合(S214:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の影部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS213にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ5である場合はL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)され、タイプ6,8である場合はL’=Ls−θが生成(影部分の明度よりも低い明度に変換)され、タイプ7である場合はL’=Lsが生成(影部分の明度に変換)される(S215)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0219】
一方ステップS214において、条件を満足しないと判定した場合(S214:NO)、明度変換処理部22は、ラインメモリ20から入力される明度L値に対し、(Lm−δ1)≦L<(Lm+δ2)の条件を満足するか否かを判定する(S216)。ステップS216において、条件を満足すると判定した場合(S216:YES)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の文字部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS213にて決定した明度変換タイプに基づいてL’値に変換する。つまり、明度変換がタイプ5、6である場合はL’=Lmが生成(文字部分の明度に変換)され、タイプ7,8である場合はL’=Lm+λが生成(文字部分の明度よりも高い明度に変換)される(S217)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0220】
一方ステップS216において、条件を満足しないと判定した場合(S216:NO)、明度変換処理部22は、原画素は影付き文字領域の内の背景部分であると判断し、ラインメモリ20から入力される明度L値を、ステップS213にて決定した明度変換タイプが5〜8のいずれの場合であってもL’値に変換する。つまりL’=Lbが生成(背景部分の明度に変換)される(S218)。そして図11のメインルーチンへ戻る。
【0221】
図27には、文字部分の明度が影部分の明度よりも高い(明るい)特殊な影付き文字の原画像に対して、実施の形態2に係る画像処理方法の内、タイプ5〜タイプ8の明度変換を実行したときに得られる出力画像の例をそれぞれ示す。図27(a)には、文字部分と影部分との明度差がある程度小さい場合の影付き文字領域についてタイプ5の明度変換を実行した例を示す。図から理解されるように、影部分の明度が背景部分の明度に統一され、図21に示す不具合な例とは異なり、文字が消えることなく、かつ文字が潰れることもなく、可読性が向上する。
【0222】
また、図27(b),(c),(d)のそれぞれには、図27(a)と同様、影部分の明度がある程度高い場合、文字部分の明度がある程度低い場合、文字部分と影部分との明度の差異がある程度小さく、文字部分の明度がある程度低く、影部分の明度がある程度高い場合について、タイプ6,7,8の明度変換をそれぞれ実行した例を示す。図から理解されるように、タイプ6の明度変換では影部分の明度がやや低い明度に変換され、タイプ7の明度変換では文字部分の明度がやや高い明度に変換され、タイプ8の明度変換では文字部分の明度がやや高い明度に、かつ影部分の明度がやや低い明度に変換されるため、それぞれの出力画像で文字が消えることなく、かつ文字が潰れることなく可読性が向上する。
【0223】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3においては、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に、実施の形態1で説明した本発明の画像処理方法(影付き文字対応処理)を記録した場合について説明する。この場合、本発明の画像処理方法を実現するプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0224】
本発明の画像処理方法を実施するコンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ又はデジタルカメラ等の画像入力装置と、所定のプログラムがロードされることにより実施の形態1にて説明した本発明の画像処理方法を含む種々の処理が行われるコンピュータシステムと、コンピュータシステムによる処理結果を表示するCRTディスプレイ又は液晶ディスプレイ等の画像表示装置及び/又はコンピュータシステムによる処理結果を用紙へ印刷するプリンタ等とにより構成される。更には、ネットワークを介してサーバ等に接続するための通信手段としてのモデム等が備えられる。
【0225】
以上のような本発明の実施の形態3に係るコンピュータシステムの構成例を示す模式図を図28に示す。図に示すコンピュータシステムは、汎用のパーソナルコンピュータ50に、キーボード61と、マウス62と、画像表示装置70と、画像入力装置6としてのフラットヘッドスキャナ80と、画像出力装置18としてのプリンタ90とが接続されている。
【0226】
図28に示すコンピュータシステムの構成において、図29に示すコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50にインストールすることにより、図1に示した画像処理装置7の影付き文字対応処理部11に対応する機能をパーソナルコンピュータ50内でコンピュータプログラムによって実行することができる。
【0227】
図29はパーソナルコンピュータ50にインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図であり、例えば可搬性を有するCD−ROMのような本発明の記録媒体100に記録されている。このような本発明の記録媒体100に記録されている本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み込ませることにより、実施の形態1にて説明した本発明の画像処理装置がパーソナルコンピュータ50で実現される。
【0228】
図29に示す本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に原画像データ(フラットヘッドスキャナ80が原稿を読み取って生成した原画像データ、又は記録媒体100とは別の記録媒体(例えばMO若しくはCD−ROM等)に記録されている原画像データ等)を明度変換させるコンピュータプログラムである。
【0229】
具体的には、本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、原画像データの任意の領域における各画素データの明度のヒストグラムを算出させる算出ステップ(P1)と、パーソナルコンピュータ50に、算出ステップ(P1)にて算出されたヒストグラムに所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップ(P2)と、パーソナルコンピュータ50に、原画像データの任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップ(P3)と、パーソナルコンピュータ50に、第1判定ステップ(P2)及び第2判定ステップ(P3)での判定結果に基づいて、原画像データの任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップ(P4)とを含み、本発明の記録媒体100に記録されている。なお、第1判定ステップ(P2)及び第2判定ステップ(P3)はそれぞれ、しきい値に基づいて処理が変更可能である。
【0230】
本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、第3判定ステップ(P4)にて影付き文字領域と判定された領域に含まれる文字画素データ(文字部分)、影画素データ(影部分)及び背景画素データ(背景部分)に各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップ(P5)を更に含む。
【0231】
明度変換ステップ(P5)は、第1判定ステップ(P2)にて所定のピークが3つ含まれると判定されたヒストグラムのピークに基づいて、暗、中間及び明の3明度範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データに分類して各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップ(P5−1)となる。
【0232】
明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データ及び背景画素データの明度を、背景画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−11)を含む。
【0233】
また、明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させるステップ(P5−12)を含む。
【0234】
更に、明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−13)を含む。
【0235】
更にまた、明度変換ステップ(P5−1)は、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させるステップ(P5−14)を含む。
【0236】
なお、明度変換ステップ(P5)(ステップP5−1,P5−11,P5−12,P5−13,P5−14を含む)は、しきい値に基づいて処理が変更可能である。
【0237】
本発明のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)(ステップP5−1,P5−11,P5−12,P5−13,P5−14を含む)に各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップ(P6)と、パーソナルコンピュータ50に、受付ステップ(P6)にて受け付けたしきい値を第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)に各別に設定させる設定ステップ(P7)とを更に含む。
【0238】
したがって、本発明の記録媒体100に記録された本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み取らせて実行する場合、各ステップで用いられるしきい値の設定が容易となり、また、画像表示装置70に表示される画像処理結果に応じてしきい値を改めて設定し直す等、使用者の好みに応じた画像処理が可能となる。このようなしきい値の変更を行うには、キーボード61を用いて直接数値の入力を受け付けることにより、又はマウス62を用いてしきい値を表すシンボルをドラッグすることにより設定される。
【0239】
なお、本発明の記録媒体100はCD−ROMとしたが、これに限らず、例えば、マイクロコンピュータで処理が行われる場合には、ROMのような不揮発性の記録媒体であってもよく、外部記憶装置としてのプログラム読取装置を設け、プログラム読取装置に記録媒体を挿入することにより本発明のコンピュータプログラムの読み取りが可能な記録媒体であってもよい。
【0240】
いずれの場合においても、本発明の記録媒体100に記録されている本発明のコンピュータプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよく、また、記録媒体からコンピュータプログラムが読み出されてマイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされ、そのコンピュータプログラムが実行される構成であってもよい。なおこの場合、記録媒体100からのコンピュータプログラムのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0241】
ここで、前述した本発明の記録媒体100としては、コンピュータシステムと分離可能な記録媒体、例えば磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク及びハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、又はマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及びフラッシュROM等のような半導体メモリを含めた固定的にプログラムを記録する記録媒体であってもよい。
【0242】
また、図28に示すパーソナルコンピュータ50がインターネットを含む通信ネットワークと接続されている場合には、通信ネットワークから前述したようなコンピュータプログラムをダウンロードするような流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからコンピュータプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、又は記録媒体100とは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0243】
前述した本発明の記録媒体100は、記録媒体100に記録されている本発明のコンピュータプログラムが、画像形成装置、又はコンピュータシステムに備えられるプログラム読取装置により読み取られることにより、実施の形態1で説明したような画像処理方法が実行される。特に後者の場合、本発明の画像処理方法を使用者の好みに応じて用いることが可能となる。
【0244】
(実施の形態4)
以下に、実施の形態4に係る記録媒体について説明する。なお、実施の形態4においては、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に、上述した実施の形態2で説明した本発明の画像処理方法(影付き文字対応処理)を記録した場合について説明する。また、本実施の形態4は、図28に示すコンピュータシステムの構成において、図30に示すコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50にインストールすることにより、実施の形態2に係る影付き文字対応処理部11に対応する機能をパーソナルコンピュータ50内でコンピュータプログラムによって実行することができる。
【0245】
図30は実施の形態3に係るコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図であり、例えば可搬性を有するCD−ROMのような本発明の記録媒体101に記録されている。実施の形態4の記録媒体101に記録されている本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み込ませることにより、実施の形態2にて説明した本発明の画像処理装置がパーソナルコンピュータ50で実現される。図30に示す実施の形態4のコンピュータプログラムは、図29に示すコンピュータプログラム中のプログラムP1〜P5を含んでいる。
【0246】
本実施の形態4においては、明度変換ステップ(P5)は、第1判定ステップ(P2)にて所定のピークが3つ含まれると判定されたヒストグラムのピークに基づいて、ピークの小さい方から順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データに分類して各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップ(P5−2)を含む。明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データ及び背景画素データの明度を、背景画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−21)を含む。
【0247】
また、明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させるステップ(P5−22)を含む。更に、明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度に変換させるステップ(P5−23)を含む。
【0248】
明度変換ステップ(P5−2)は、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度が影画素データの中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合に、分類された文字画素データの明度を、文字画素データの中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換させ、分類された影画素データの明度を、影画素データの中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換させるステップ(P5−24)を含む。
【0249】
また、本実施の形態4のコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ50に、第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)(ステップP5−2,P5−21,P5−22,P5−23,P5−24を含む)に各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップ(P6)と、パーソナルコンピュータ50に、受付ステップ(P6)にて受け付けたしきい値を第1判定ステップ(P2)、第2判定ステップ(P3)及び明度変換ステップ(P5)に各別に設定させる設定ステップ(P7)とを更に含む。
【0250】
したがって、本実施の形態4の記録媒体101に記録されたコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50に読み取らせて実行することにより、上述した実施の形態2に係る影付き文字対応処理部11による特徴検出処理及び明度変換処理を実現することができる。なお、本実施の形態4においても、上述した実施の形態3で示した変形例の適用が可能である。
【0251】
(実施の形態5)
図31は本発明の実施の形態5に係る画像読取装置110の構成を示すブロック図である。画像読取装置110はスキャナであり、本発明の実施の形態5に係る画像処理装置111を備える。
【0252】
画像処理装置111は、A/D変換部8、シェーディング補正部9、入力処理部10及び影付き文字対応処理部11を備える。
【0253】
画像読取装置110は、画像入力装置6(読取手段)が制御部1の制御に基づいて読み取って生成したRGB信号(原画像データ)を、画像処理装置111が備えるA/D変換部8、シェーディング補正部9、入力処理部10及び影付き文字対応処理部11の各部において実施の形態1又は2で説明した画像処理装置7の場合と同様に処理することにより、明度変換処理が適宜施されたRGB信号(処理画像データ)を制御部1の制御に基づき、インタフェイス112を介してパーソナルコンピュータ50へ転送する。
【0254】
実施の形態5においては、図1に示す画像形成装置7の構成要素の内の領域分類処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15及び中間調生成部16の機能を汎用コンピュータシステムによるソフトウェア処理で実現し、画像処理装置111が画像処理して生成した処理画像データを更にパーソナルコンピュータ50にて画像処理した後に、パーソナルコンピュータ50に接続される図28に示すような画像表示装置70にソフトコピーとして出力画像が表示される。
【0255】
また、パーソナルコンピュータ50に図28に示すようなプリンタ90を更に接続した場合には、全体としては図1に示した画像形成装置と同等の機能を有することになる。
【0256】
その他の構成については、制御部1の制御を含め、図1に示す画像形成装置の構成と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0257】
なお、前述した実施の形態1乃至5においては、影付き文字領域の判定方法、並びに影付き文字領域の文字部分、影部分及び背景部分に対して行う処理を、RGB信号をLab信号に変換し、明度信号(L信号)を用いて行う場合について説明したが、明度信号(L信号)を用いるのではなく、式(3)にて表される輝度信号Yを用いて処理を行ってもよい。ただし、式(3)におけるR,G,Bそれぞれの係数は画像入力装置6及び/又は画像出力装置18の特性に応じて適宜決定されるものであり、これに限ったものではない。
【0258】
Y=0.34R+0.58G+0.08B …(3)
【図面の簡単な説明】
【0259】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す影付き文字対応処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すラインメモリにて形成されるM×N画素ブロックを示す図である。
【図4】図2に示す影付き文字領域判定部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示すエッジ・ペア判定部の構成を示すブロック図である。
【図6】立上りエッジ/立下りエッジの模式図である。
【図7】ヒストグラムのピークの検出を表す図である。
【図8】影付き文字の模式図である。
【図9】影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。
【図10】明度変換テーブルの例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の影付き文字対応処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】影付き文字領域判定部の影付き文字領域判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】文字判定部の文字判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】文字/影判定部の文字/影判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】ヒストグラム作成部のヒストグラム作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】明度変換処理部の明度変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】図32(a)に示す原画像に対して本発明の実施の形態1に係る画像処理方法の内、タイプ1の明度変換を実行した例を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態1に係る画像処理方法における明度変換を実行した例を示す図である。
【図21】特殊な影付き文字に実施の形態1における明度変換を実行した例を示す図である。
【図22】特殊な影付き文字が存在するブロックの文字/影判定部にて作成されるヒストグラムの例を示す図である。
【図23】明度変換テーブルの例を示す図である。
【図24】実施の形態2に係る特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図25】実施の形態2に係る特徴検出部の特徴検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】実施の形態2に係る明度変換処理部の明度変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態2に係る画像処理方法における明度変換を実行した例を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態2に係るコンピュータシステムの構成例を示す模式図である。
【図29】本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図である。
【図30】実施の形態3に係るコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図である。
【図31】本発明の実施の形態3に係る画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【図32】影付き文字の従来の画像処理についての問題点を説明する図である。
【図33】図32に示す影付き文字の潰れを説明する図である。
【図34】従来の解決策を適用した例と問題点とを説明する図である。
【符号の説明】
【0260】
1 制御部
7,111 画像処理装置
11 影付き文字対応処理部
21 影付き文字領域判定部(影付き文字領域判定装置)
22 明度変換部
24 文字判定部(第2判定手段)
25 文字/影判定部
26 ANDゲート(第3判定手段)
32 ヒストグラム作成部(算出手段)
33 特徴検出部(第1判定手段,判定手段)
100 記録媒体
110 画像読取装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定方法であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、
該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定ステップと、
前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定ステップと
を含むことを特徴とする影付き文字領域判定方法。
【請求項2】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、
該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、
該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、
該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、
該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更し、
前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付ステップと、
該受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定する設定ステップと
を更に含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理方法。
【請求項5】
画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定装置であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、
該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定手段と、
前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段及び第2判定手段の判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定手段と
を備えることを特徴とする影付き文字領域判定装置。
【請求項6】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、
請求項5に記載の影付き文字領域判定装置と、
該影付き文字領域判定装置が有する前記第3判定手段が影付き文字領域であると判定した領域に含まれる文字画素、影画素及び背景画素に各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、
該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記判定手段及び明度変換手段はそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、
前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付手段と、
該受付手段にて受け付けたしきい値を前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定する設定手段と
を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、
該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、
前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、
前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、
前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、
前記影画素及び背景画素の明度を、該背景画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項17】
請求項6乃至16のいずれかひとつに記載の画像処理装置と、
該画像処理装置が明度変換処理を施した処理画像に係るデータに基づいてシートに画像形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
原稿を読み取る読取手段を備える画像読取装置において、
請求項6乃至16のいずれかひとつに記載の画像処理装置と、
前記読取手段が読み取った原稿の画像に対して前記画像処理装置に明度変換処理を施させる手段と
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項19】
コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、
コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、
コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項21】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項22】
前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、
コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、
コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップと
を更に実行させることを特徴とする請求項20又は21に記載のコンピュータプログラム。
【請求項23】
コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、
コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、
コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップと
を実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項24】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項25】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項26】
前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、
コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、
コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップと
を更に実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする請求項24又は25に記載のコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項1】
画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定方法であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、
該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定ステップと、
前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定ステップと
を含むことを特徴とする影付き文字領域判定方法。
【請求項2】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、
該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、
該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理方法であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出ステップと、
該算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定ステップと、
該判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更し、
前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付ステップと、
該受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定する設定ステップと
を更に含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理方法。
【請求項5】
画像に含まれる影付き文字の領域を判定する影付き文字領域判定装置であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、
該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する第1判定手段と、
前記画像の前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段及び第2判定手段の判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定する第3判定手段と
を備えることを特徴とする影付き文字領域判定装置。
【請求項6】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、
請求項5に記載の影付き文字領域判定装置と、
該影付き文字領域判定装置が有する前記第3判定手段が影付き文字領域であると判定した領域に含まれる文字画素、影画素及び背景画素に各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、
該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類し、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素をそれぞれ、文字画素、影画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記判定手段及び明度変換手段はそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、
前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定すべきしきい値を受け付ける受付手段と、
該受付手段にて受け付けたしきい値を前記判定手段及び明度変換手段に各別に設定する設定手段と
を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像に含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施す画像処理装置であって、
複数の画素からなる画像の任意の領域における各画素の明度又は輝度の分布情報を算出する算出手段と、
該算出手段にて算出された分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段にて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素をそれぞれ、影画素、文字画素及び背景画素として各別に所定の明度変換処理を施す明度変換手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、
前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、
前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と、
前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に所定値を加算した明度に変換する手段と、
前記文字画素の中で最多の画素数を示す明度が、前記影画素の中で最多の画素数を示す明度よりも高い場合、前記前記影画素の明度を、該影画素の中で最多の画素数を示す明度から所定値を減算した明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記明度変換手段は、
前記文字画素の明度を、該文字画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と、
前記影画素及び背景画素の明度を、該背景画素の中で最多の画素数を示す明度に変換する手段と
を有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項17】
請求項6乃至16のいずれかひとつに記載の画像処理装置と、
該画像処理装置が明度変換処理を施した処理画像に係るデータに基づいてシートに画像形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
原稿を読み取る読取手段を備える画像読取装置において、
請求項6乃至16のいずれかひとつに記載の画像処理装置と、
前記読取手段が読み取った原稿の画像に対して前記画像処理装置に明度変換処理を施させる手段と
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項19】
コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、
コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、
コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項21】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項22】
前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、
コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、
コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップと
を更に実行させることを特徴とする請求項20又は21に記載のコンピュータプログラム。
【請求項23】
コンピュータに、入力された画像データに対して影付き文字の領域を判定させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる第1判定ステップと、
コンピュータに、前記画像データの前記任意の領域が文字領域であるか否かを判定させる第2判定ステップと、
コンピュータに、前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果に基づいて、前記任意の領域が影付き文字領域であるか否かを判定させる第3判定ステップと
を実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項24】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、前記所定のピークに基づいて前記明度又は輝度を暗、中間及び明の3つの範囲に分類させ、該暗、中間及び明の範囲に含まれる画素データをそれぞれ、文字画素データ、影画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項25】
コンピュータに、入力された画像データに含まれる影付き文字の領域に明度変換処理を施させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、
コンピュータに、入力された画像データの任意の領域における各画素データの明度又は輝度の分布情報を算出させる算出ステップと、
コンピュータに、前記算出ステップにて算出された前記分布情報に所定のピークが3つ含まれるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて前記所定のピークが3つ含まれると判定された場合に、画素数が少ないピークから順に各ピークに含まれる画素データをそれぞれ、影画素データ、文字画素データ及び背景画素データとして各別に所定の明度変換処理を施させる明度変換ステップと
を実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項26】
前記判定ステップ及び明度変換ステップはそれぞれ、しきい値に基づいて処理を変更するようにしてあり、
コンピュータに、前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定すべきしきい値を受け付けさせる受付ステップと、
コンピュータに、前記受付ステップにて受け付けたしきい値を前記判定ステップ及び明度変換ステップに各別に設定させる設定ステップと
を更に実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする請求項24又は25に記載のコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2006−60775(P2006−60775A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104764(P2005−104764)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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