説明

後処理装置、画像形成システム

【課題】傾斜した用紙載置面に沿って滑落させた用紙を、ストッパに当接させて載置するスタッカを有する後処理装置において、静電気等による用紙同士の吸着を防止して良好な整合を行うとともに、カールを有する用紙にも良好な整合を行うこと。
【解決手段】ストッパ側から前記用紙載置面に平行な方向に吹き付ける第1空気流と、用紙載置面の上方から用紙載置面に向かう方向に吹き付ける第2空気流と、を形成する空気流形成手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置から排出される用紙を束ねて処理する後処理装置、詳しくは、用紙を端面に乱れなく揃える整合手段を備えた後処理装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機等の画像形成装置から排出される画像形成済みの用紙に綴じ針(ステープル)を用いて綴じる綴じ手段(ステープラ)を有する後処理装置が広く使われている。綴じ手段付きの後処理装置(以下、製本装置、とも記す)は、画像形成装置等の上流側の機器から排出された用紙を順次受け入れ、所定の枚数に至るまでスタッカに順次載置して用紙束となし、用紙束の所定の位置に綴じ針を打針して綴じて冊子となす。冊子は、端面に乱れがなく揃っていることが求められ、通常、綴じ針を打針する以前の用紙束を形成する過程で、用紙の搬送方向の端面を揃える縦方向整合と、搬送方向に対して直交する方向の端面を揃える横方向整合とが行われる。
【0003】
例えば、スタッカを用紙搬送方向に傾け、スタッカに排出された用紙を自重によりスタッカ上面、あるいは既にスタッカに載置されている用紙の上面に沿って滑落させてストッパに突き当てて停止させることにより、用紙の滑落方向すなわち搬送方向の端部を揃える縦方向整合が行われる。また、スタッカにおける用紙の滑落方向に対して直交する側面に揺動する部材、例えば整合板、を設け、用紙がスタッカ上面を滑落する過程で整合板を揺動させて、用紙の滑落方向に直交する方向、すなわち搬送方向に直交する方向の端部を揃える横方向整合が行われている。
【0004】
ところで、スタッカに搬送された用紙と、既にスタッカに載置されている用紙とが吸着することがある。例えば、用紙はスタッカに搬送される過程、あるいは、スタッカに載置されている用紙の上面に沿って滑落する過程等で静電気を帯びることがあり、静電気により用紙同士が吸着することがある。用紙同士が吸着した場合には、縦方向整合も横方向整合も好適になされず、用紙束の端面に乱れを生じることがある。このため、ストッパに突き当てた用紙の端面側から空気流を吹き付け、用紙同士が密着しないようにする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、カールを有する用紙がスタッカに搬送されることがある。用紙は画像形成装置における画像形成の過程で、定着装置により加熱圧接されて画像が定着されるが、加熱され冷却される過程で用紙の表、裏面における収縮に差が生じ、カールを発生することがある。カールを有する用紙がスタッカに載置されると、用紙束を構成する用紙間に空気層が形成され、用紙束の端面に乱れが生じることがある。このため、スタッカに載置した用紙をローラにて押圧し、用紙間の空気層を排除する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−80815号公報
【特許文献2】特開2004−292081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に提案されている技術は、静電気等による用紙同士の吸着を防止して良好な整合を行うものであるが、カールを有する用紙の不揃いについては対応できない。
【0008】
特許文献2に提案されている技術は、静電気等による用紙同士の吸着については対応できない。また、特許文献2に提案されている技術においては、スタッカに載置された用紙束が、綴じがなされる前に、ローラにて一旦当接させた後に離間させることにより用紙間の空気層を排除するが、ローラを押圧、離間させるための駆動機構、及び駆動機構を適切なタイミングで動作させるための制御手段を必要とし、構造が複雑化する。
【0009】
本発明は、静電気等による用紙同士の吸着を防止して良好な整合を行うとともに、カールを有する用紙にも良好な整合を行い、好適な製本を行うことができる簡素な構成の後処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は以下の手段により解決される。
【0011】
1.傾斜した用紙載置面、ストッパ、を備え、前記用紙載置面に沿って滑落させた用紙を前記ストッパに当接させて載置するスタッカと、
前記スタッカに載置された用紙を綴じ針にて綴じるステープラと、
を有する後処理装置において、
前記ストッパ側から前記用紙載置面に平行な方向に吹き付ける第1空気流と、前記用紙載置面の上方から前記用紙載置面に向かう方向に吹き付ける第2空気流と、を形成する空気流形成手段を有することを特徴とする後処理装置。
【0012】
2.前記空気流形成手段は、
空気流を発生させる空気流発生手段と、
前記空気流発生手段が発生した空気流の方向を変更する空気流方向切換手段と、
を有し、
前記第1空気流、及び前記第2空気流は、前記空気流発生手段が発生した空気流の方向を前記空気流方向切換手段にて変更することにより形成されることを特徴とする前記1に記載の後処理装置。
【0013】
3.前記空気流形成手段を制御する制御部を有し、
前記制御部は、用紙が前記用紙載置面を滑落する過程では前記第1空気流を形成し、滑落した用紙が前記ストッパに当接するタイミングで前記第2空気流を形成するように、前記空気流形成手段を制御することを特徴とする前記2に記載の後処理装置。
【0014】
4.画像形成装置に前記1〜3のいずれか1項に記載の後処理装置を接続してなることを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、静電気等による用紙同士の吸着を防止して良好な整合を行うとともに、カールを有する用紙にも良好な整合を行い、好適な製本行うことができる簡素な構成の後処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置Aと本発明の実施の形態である後処理装置Bとを接続して成る画像形成システムの構成図である。
【図2】後処理装置Bを説明する図である。
【図3】空気流形成部30を説明する図である。
【図4】本実施の形態の画像形成システムにおける制御系のブロック図である。
【図5】後処理装置Bが実行する後処理動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明は本実施の形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、画像形成装置Aと本発明の実施の形態である後処理装置Bとを接続して成る画像形成システムの構成図である。
【0019】
図1に示される画像形成装置Aは、自動原稿送り装置A1、画像読取部A2、画像書込部A3、画像形成部A4、定着装置A6、用紙搬送部A7、操作表示部A8を備えている。
【0020】
用紙搬送部A7は、駆動モータに駆動される複数の搬送ローラを有し、カセットAcに収納された用紙Sを、用紙搬送部A7にて画像形成部A4、定着装置A6に順次搬送して、画像形成がなされた用紙を、後処理装置Bに排出する。
【0021】
操作表示部A8は液晶パネルで構成される表示部にタッチスクリーンを重ねて配置したタッチパネルを備えている。操作表示部A8により各種操作画面を表示したり、画像形成システムに実行させるジョブの条件、例えば用紙のサイズ、後処理(綴じ)の有無、部数、等を入力したりすることができる。
【0022】
自動原稿送り装置A1の原稿台上に載置された原稿は画像読取部A2の光学系により原稿の片面または両面の画像が読みとられ、光電変換されたアナログ信号は、AD変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等の処理を経た後に画像書込部A3に送られる。
【0023】
画像書込部A3においては、半導体レーザからの出力光が画像形成部A4の感光体ドラムに照射され、潜像を形成する。画像形成部A4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われる。
【0024】
後処理装置Bは、スタッカ10、ステープラ50、空気流形成部30及び用紙搬送部70を有している。また、後処理装置Bの図示左側面には、可動の移動排紙台74が配置されている。
【0025】
用紙搬送部70は、駆動モータに駆動される複数の搬送ローラ対を有し、図示の入口搬送路7r1、排紙搬送路7r2、製本搬送路7r3、に沿って用紙を搬送する。
【0026】
入口搬送路7r1の出口には搬送路切換部75が配置されており、入口搬送路7r1に沿って搬送されてきた用紙を、排紙搬送路7r2、あるいは、製本搬送路7r3、のいずれかに導く。
【0027】
入口搬送路7r1に沿って搬送されてきた用紙を、排紙搬送路7r2、あるいは、製本搬送路7r3、のいずれに導くかは、搬送されてきた用紙のジョブによる。例えば、後処理、すなわち、綴じを行うジョブの場合には、画像形成装置Aから受け入れた用紙を製本搬送路7r3に導き、綴じを行わないジョブの場合には、受け入れた用紙を入口搬送路7r1から排紙搬送路7r2に導き、排紙搬送路7r2を経由して移動排紙台74に排出させる。
【0028】
製本搬送路7r3を搬送されてきた用紙をスタッカ10にてジョブに指定された用紙枚数までスタック(堆積)して用紙束となし、スタッカ10上の用紙束の所定位置にステープラ50にて綴じ針を打針して冊子に形成する。
【0029】
形成された冊子は移動排紙台74へ排出される。
【0030】
なお、本実施の形態における後処理装置Bが行う後処理は、用紙束に綴じ針を打針して冊子を形成する綴じ処理であるが、本発明が適用可能な後処理装置は、用紙束を一括して処理する後処理を行うものであれば綴じ針を使用する綴じ処理に限定されるものではない。例えば、糊付けにより冊子を形成するものでも良く、また、用紙束を一括して処理する後処理機能以外に、シフト機能などの付加機能を備えたものでも良い。
【0031】
後処理装置Bは図4に示す後処理制御部90の制御のもとに動作する。後処理制御部90が後処理装置Bを制御、動作させるに際して、ユーザによる綴じを行うか否かの選択、綴じを行う際の綴じ枚数の選択等の情報は、画像形成装置Aの操作表示部A8からの入力結果に基づいて画像形成装置Aの制御部A9(図4参照)からジョブ情報として伝達される。
【0032】
後処理制御部90は、画像形成装置Aから伝達されるジョブ情報に基づいてジョブ情報に基づく後処理を実行するための適切な搬送路を選定し、選定した搬送路にて用紙を搬送させる。
【0033】
画像形成装置Aから排出された用紙は入口搬送路7r1を介して内部に導入される。
【0034】
入口搬送路7r1は、その出口部にて排紙搬送路7r2あるいは製本搬送路7r3に分岐する。排紙搬送路7r2は、綴じがなされない用紙を排出する排紙路である。
【0035】
綴じがなされない用紙は、排紙搬送路7r2に導入され、移動排紙台74に排出、載置される。
【0036】
移動排紙台74は、排紙搬送路7r2の出口位置に、後処理装置Bの機外に突出する位置に配設されている。
【0037】
移動排紙台74は後処理制御部90の制御のもとに動作する排紙台移動手段(非図示)にて上下方向に移動可能であり、移動排紙台74への用紙の積載量が多くなるにつれて下方に移動され、大量の用紙あるいは冊子を積載できる。
【0038】
綴じがなされる用紙は製本搬送路7r3に導入される。
【0039】
製本搬送路7r3の出口部には、スタッカ10、ステープラ50が配設されており、製本搬送路7r3を介して搬送されてきた用紙はスタッカ10に順次載置されて用紙の束となる。そして、用紙の束の端面部の所定位置にステープラ50により綴じ針を打針されて冊子となる。形成された冊子は移動排紙台74に排出される。
【0040】
図2は、後処理装置Bを説明する図である。
【0041】
スタッカ10は、図示されるように綴じ対象の用紙を載置する用紙載置面10Pの左方側が水平面に対して高くなる傾斜を有して配設されている。
【0042】
入口搬送路7r1は、その出口部に搬送路切換部75を有する。搬送路切換部75は後処理制御部90の制御のもとに動作する搬送路切換ソレノイド75により動作し、入口搬送路7r1に受け入れた用紙を排紙搬送路7r2あるいは製本搬送路7r3に導入する。
【0043】
後処理制御部90は搬送路切換ソレノイド75の動作を制御し、入口搬送路7r1に受け入れた用紙が綴じ対象ではない場合は、用紙を排紙搬送路7r2に導入させる。排紙搬送路7r2に導入された用紙は、移動排紙台74に排出される。
【0044】
また、入口搬送路7r1に受け入れた用紙が、綴じ対象である場合は製本搬送路7r3に導入させる。
【0045】
製本搬送路7r3を搬送されてきた綴じ対象の用紙は、用紙搬送部70の送出ローラ71により、スタッカ10の上方の空間に放出される。
【0046】
77は用紙センサである。用紙センサ77は、送出ローラ71の用紙搬送方向直上流位置に配置されており、送出ローラ71に向けて搬送される用紙の搬送方向後端が通過したことを検出する。
【0047】
送出ローラ71から放出された用紙は、スタッカ10の用紙載置面10Pに向かって落下する。
【0048】
落下し、用紙載置面10Pに到達した用紙は、傾斜している用紙載置面10P、あるいは、用紙載置面10Pに既に載置されている用紙の上面に沿って図示右下方に滑落する。そして、スタッカ10の図示右側下端の一部に配されたストッパ10Sにより滑落する先端部が受け止められて停止し、スタッカ10に載置される。
【0049】
用紙が用紙載置面10Pの傾斜に沿った滑落する過程で、滑落する方向に直交する方向、すなわち横方向の不揃いは、スタッカ10を挟んで配設されている一対の整合板20a、20bにより端部の不揃いを矯正される。図2においてはスタッカ10の図示奥側に配されている整合板20bのみが示されており、スタッカ10の図示手前側に配されている整合板20aは示されていない。
【0050】
整合板20a、20bは図2においては非図示の整合板駆動モータ20M(図4に表示)により駆動され、用紙が滑落する方向に直交する方向の端面への当接、離間をくり返し、用紙の横方向の端面の不揃いを矯正、すなわち整合する。
【0051】
このとき、空気流形成手段である空気流形成部30からは、ストッパ10S側から用紙載置面10Pに平行な方向の空気流が滑落する用紙に吹き付けられる。以下、ストッパ10S側から用紙載置面10Pに平行な方向に吹き付けられる空気流を、第1空気流、と称すことにする。第1空気流により、滑落する用紙が既に用紙載置面10Pに載置されている用紙に密着することが防止されるので、整合板20a、20bによる横方向の不揃いの矯正が好適になされるとともに、滑落する用紙の端部をストッパ10Sに確実に当接させることができ、用紙が滑落する方向である縦方向の整合が好適になされる。
【0052】
また、滑落する用紙がストッパ10Sに当接するタイミングで、空気流形成部30からは、用紙載置面10Pの上方から用紙載置面10Pに向かう略垂直な方向の空気流がストッパ10Sに当接し停止している用紙の上面に吹き付けられる。以下、用紙載置面10Pの上方から用紙載置面10Pに向かう方向に吹き付けられる空気流を、第2空気流、と称すことにする。第2空気流により、ストッパ10Sに当接し停止している用紙間の空気層が排除され、用紙載置面10Pに積層された用紙のふくらみが抑えられる。
【0053】
この、空気流形成部30による第1空気流と第2空気流の吹きつけは、用紙が用紙載置面10Pに受け止められる都度、後処理制御部90の制御のもとになされる。後処理制御部90は空気流形成手段である空気流形成部30の動作を制御する制御部として機能する。詳細については後述する。
【0054】
綴じがなされる用紙の最終の用紙である最終紙が、スタッカ10上に載置、集積され、用紙束が形成されると、ステープラ50が作動して用紙束に綴じ針を打針して綴じ処理が行われる。この間、空気流形成部30は第2空気流を用紙束に吹きつけ用紙のふくらみを抑えるとともに、綴じ処理がなされる間用紙束を押圧し、安定させる。
【0055】
綴じがなされた用紙束は、排出ベルト駆動モータ40M(図4に表示)により駆動される排出ベルト40に配されている排出爪41にて用紙の後端部が保持されて、用紙載置面10P上を斜め上方に押し上げられる。そして、排紙ローラ72に挟持されて、移動排紙台74上に排出、積載される。
【0056】
図3は、空気流形成部30を説明する図である。
【0057】
空気流形成部30は、ダクト筐体31、送風ファン39を有する。
【0058】
ダクト筐体31は、空気の流通が可能な3つの空気路である、第1空気路31A1、第2空気路31A2、第3空気路31A3、を有する筐体である。第2空気路31A2、第3空気路31A3は、第1空気路31A1から分岐される。また、第1空気路31A1には吸気口31h1が配され、第2空気路31A2、第3空気路31A3にはそれぞれ、第1排気口31h2、第2排気口31h3が配されている。
【0059】
空気流発生手段として機能する送風ファン39は第1空気路31A1に配され、吸気口31h1から第1空気路31A1に空気を取り入れるとともに空気流を発生し、第2空気路31A2、あるいは第3空気路31A3を介して第1排気口31h2、あるいは第2排気口31h3から吹き出させる。送風ファン39は通常は非動作状態にあり、後処理制御部90の制御のもとに動作する。
【0060】
第2空気路31A2の内壁面は導入された空気流の方向を用紙載置面10Pに平行な方向に変換する形状に構成されており、第1排気口31h2から吹き出す空気流は、ストッパ10S側から用紙載置面10Pに平行な方向に吹き付けられる第1空気流となる。
【0061】
また、第3空気路31A3の内壁面は導入された空気流の方向を用紙載置面10Pに垂直な方向に変換する形状に構成されており、第2排気口31h3から吹き出す空気流は、用紙載置面10Pの上方から用紙載置面10Pに向かう方向に吹き付けられる第2空気流となる。
【0062】
32は方向切換板であり、第1空気路31A1から分岐される第2空気路31A2、第3空気路31A3の分岐部に配される。方向切換板32とダクト筐体31とは、送風ファン39が発生した空気流の方向を変更する空気流方向切換手段として機能する。
【0063】
方向切換板32は、その一端をダクト筐体31の内壁に回動自在に蝶着されている。付勢バネ33は一端を方向切換板32に、他端をダクト筐体31における第3空気路31A3の内壁に固定された引っ張りバネであり、方向切換板32を第3空気路31A3の方向に回動するように付勢する。付勢バネ33の付勢力により、方向切換板32の先端部分は、ダクト筐体31における第1空気路31A1の図示上側の内壁31Wに当接する。方向切換板32の先端部分が、第1空気路31A1の内壁31Wに当接する状態では、第3空気路31A3は方向切換板32により閉じられ、送風ファン39により形成された空気流は第2空気路31A2にのみ送り込まれる。
【0064】
34はソレノイドでありダクト筐体31に固定されている。ソレノイド34は通電により可動鉄芯34Pがソレノイドの本体に引き込まれるタイプのソレノイドであり、可動鉄芯34Pの先端部は方向切換板32に回動自在に連結されている。ソレノイド34が通電されるときは、可動鉄芯34Pは付勢バネ33の付勢力に抗してソレノイド34の本体に引き込まれ、可動鉄芯34Pに連結されている方向切換板32を第1空気路31A1の内壁31Wから離間させるとともに、方向切換板32の先端部分を、ダクト筐体31における第1空気路31A1の図示下側の内壁31Wに当接させる。方向切換板32の先端が内壁31Wから離間され、内壁31Wに当接されると、第3空気路31A3は開放され、第3空気路31A3に空気流が導入される。ソレノイド34は通常は非通電状態にあり、後処理制御部90の制御のもとに通電がなされる。
【0065】
図3(a)は、ソレノイド34が通電されない状態を示す図である。ソレノイド34が通電されない状態では、方向切換板32は付勢バネ33の付勢力により内壁31Wに当接し、ダクト筐体31に配された第3空気路31A3は方向切換板32により塞がれる。第3空気路31A3が方向切換板32により塞がれた状態では、第2空気路31A2に空気流は導入される。前述のように、第2空気路31A2の内壁面は導入された空気流の方向を用紙載置面10Pに平行な方向に変換する形状に構成されている。そして、送風ファン39により形成された矢印Aで示される空気流は、第1排気口31h2を介して、スタッカ10のストッパ10S側から用紙載置面10Pに平行な矢印Aで示される第1空気流として吹き出される。第1空気流により、滑落する用紙Sが、既に用紙載置面10Pに載置されている用紙に密着することが防止されるので、整合板20a、20bによる横方向の不揃いの矯正が好適になされるとともに、滑落する用紙Sの端部をストッパ10Sに確実に当接させることができ、用紙Sが滑落する方向である縦方向の整合が好適になされる。
【0066】
図3(b)は、ソレノイド34が通電された状態を示す図である。ソレノイド34が通電されと、ソレノイド34は付勢バネ33の付勢力に抗して方向切換板32を内壁31Wから離間させる方向に回動する。方向切換板32が内壁31Wから離間すると、第3空気路31A3は開放され、第3空気路31A3に空気流が導入される。前述のように、第3空気路31A3の内壁面は導入された空気流の方向を用紙載置面10Pに垂直な方向に変換する形状に構成されている。
【0067】
そして、送風ファン39により形成された矢印Aで示される空気流は、第3空気路31A3にて、用紙載置面10Pに垂直な方向に方向変換され、第2排気口31h3を介して、用紙載置面10Pの上方から用紙載置面10Pに向かう方向の矢印Aで示される第2空気流として吹き出される。第2空気流により、ストッパ10Sに当接し停止している用紙Sがカールを有している場合でも用紙間の空気層が排除され、用紙Sの端面を乱れなく揃えることができる。また、第2空気流を綴じ処理がなされる間吹きつけることにより、打針される用紙束を押圧し、安定させる。
【0068】
図4は、本実施の形態の画像形成システムにおける制御系のブロック図である。同図では本実施形態の動作説明に必要な部分の周囲を中心に記載してあり、その他の画像形成システムとして周知の部分については省略してある。
【0069】
画像形成装置Aにおける制御手段である制御部A9は、CPU(A91)、ROM(A92)、RAM(A93)を有するコンピュータシステムである。制御部A9は、画像形成装置Aの各種動作を制御する制御手段として機能するに加えて、後処理装置Bの動作の制御をも行う。
【0070】
CPU(A91)は、ROM(A92)に収納されたプログラムを実行することにより画像形成装置Aの各機構部の動作を制御し、用紙に画像形成を行い排出する。そして、後述するように、後処理装置Bの後処理制御部90を制御して、後処理装置Bを画像形成装置Aに連動にて動作させるように制御する。
【0071】
RAM(A93)は、複数の情報の収納と読み出しが可能であり、CPU(A91)が、画像形成装置A及び後処理装置Bの制御を実行する際に生成したデータあるいは取得したデータを収納する。
【0072】
通信部A98は通信手段として機能し、後処理装置Bの通信部908に接続されており、画像形成装置Aと後処理装置Bとの間で、画像形成システムが実行するジョブの情報等の各種情報を送受信する。
【0073】
A99はバスであり、バスA99には、制御部A9とともに、自動原稿送り装置A1、画像読取部A2、画像書込部A3、画像形成部A4、定着装置A6、用紙搬送部A7、操作表示部A8、が接続されており、相互の情報の授受を可能にしている。
【0074】
そして、制御部A9は、操作表示部A8から入力されたジョブ情報に基づいて、バスA99に接続された各装置、機構部の動作を制御し、入力されたジョブ情報に基づく画像形成を行わせる。
【0075】
また、バスA99に接続されている通信部A98は後処理装置Bの通信部908と接続されており、画像形成装置A、後処理装置B間で信号の授受を行うことを可能にしている。そして、制御部A9は、画像形成装置Aを、入力されたジョブ情報に基づく画像形成を行うように制御するとともに、通信部A98を介して接続された後処理装置Bの後処理制御部90を制御して、入力されたジョブ情報に基づく後処理を行うように制御する。
【0076】
後処理装置Bにおける制御手段である後処理制御部90は、CPU901、ROM902、RAM903、を有するコンピュータシステムである。
【0077】
CPU901は、ROM902に収納されたプログラムを実行することにより後処理装置Bの各機構部の動作を制御し、画像形成装置Aから受け入れた用紙に後処理を行い排出する。
【0078】
ROM902は、記憶手段であり、後処理装置Bを動作させるためのプログラム、定数を収納している。
【0079】
収納するプログラムには、後処理装置Bが後処理を行うための後処理プログラムが含まれる。
【0080】
また、ROM902に収納されている定数には、後処理プログラムを実行するに際して必要とする2つの時間定数t1k、t2kが含まれる。2つの時間定数t1k、t2kについては後述する。
【0081】
RAM903は、複数の情報の収納と読み出しが可能であり、画像形成装置Aから伝達された用紙毎のジョブ情報、及びCPU901が、後処理装置Bの制御を実行する際に生成したデータあるいは取得したデータを収納する。また、RAM903は、後処理プログラムを実行するに際して必要とする時間tを計時するタイマーT1、時間tを計時するタイマーT2、としても機能する。
【0082】
909はバスであり、バス909は、後処理制御部90、用紙搬送部70、後処理部(B1)、が接続されているとともに、通信部908を介して画像形成装置Aと接続されており、相互の情報授受を可能にしている。
【0083】
画像形成装置Aは、操作表示部A8により入力されたジョブの条件、例えば用紙のサイズ、後処理(綴じ)の有無、部数、等に基づいて用紙に画像形成を行い、後処理装置Bに排出する。
【0084】
そして、画像形成装置Aの制御部A9から、排出する用紙毎のジョブ情報が後処理装置Bに伝達される。
【0085】
制御部A9から伝達されるジョブ情報は、排出する用紙が、綴じを行う対象か否かの情報、綴じがなされる用紙束における最終となる用紙(以下、最終紙、とも記す)であるか否かの情報、用紙がジョブにおける最終の用紙であるか否かの情報、が含まれる。
【0086】
後処理制御部90は、伝達された制御情報をふまえ、バス909に接続された各部の動作を制御し、ジョブ情報に基づく後処理を実行させる。
【0087】
用紙に綴じを行うジョブの場合には、受け入れた用紙を、綴じを行い、綴じがなされた用紙を移動排紙台74に排出する。綴じを行わないジョブの場合には、受け入れた用紙を、そのまま移動排紙台74に排出させる。
【0088】
前述したように、後処理装置Bは、空気流形成部30からの第1空気流により、スタッカ10を滑落する用紙が既に用紙載置面10Pに載置されている用紙に密着することを防止し、横方向の不揃いの矯正を好適に行う。また、第2空気流により、ストッパ10Sに当接し停止している用紙間の空気層が排除され、用紙載置面10Pに積層された用紙のふくらみが抑えられる。このように、第1空気流及び第2空気流を所定のタイミングで吹き付けることにより、端面に不揃いのない冊子を形成することができる。以下、後処理装置Bが画像形成装置Aから受け入れた用紙を処理する動作を説明する。
【0089】
図5は、後処理装置Bが綴じ対象の用紙に製本を行う製本動作を説明するフローチャートである。この製本動作はCPU901がROM902に収納されている後処理プログラムを実行することによりなされる。
【0090】
CPU901は、ステップS1にて画像形成装置Aから綴じ対象の用紙が排出され入口搬送路7r1に導入されるのを待ち、用紙が導入される(ステップS1 Yes)とステップS2に移行する。
【0091】
画像形成装置Aから排出される用紙が綴じの対象であるか否かの情報は画像形成装置Aからジョブ情報として伝達され、RAM903に収納されている。CPU901は入口搬送路7r1に導入された用紙が綴じ対象であるときは、ステップS2に移行し、用紙を製本搬送路7r3に導入させる。製本搬送路7r3への用紙導入はCPU901が搬送路切換ソレノイド75Sの動作を制御することによりなされる。
【0092】
続くステップS3では、CPU901は製本搬送路7r3を搬送される用紙の後端が用紙センサ77に検知されることを待つ。ここで用紙の後端とは、製本搬送路7r3を搬送される用紙の搬送方向に対する後端をいう。そして、ステップS3で用紙後端が検知される(ステップS3 Yes)と、ステップS4に移行し、タイマーT1、タイマーT1をスタートさせ、それぞれに時間t、tの計時を開始させる。なお、タイマーT1、タイマーT1のスタートに先立ち、タイマーT1、タイマーT1はリセットされt=0、t=0とされる。
【0093】
続くステップS5では送風ファン39をONにしてステップS6へ移行する。
【0094】
ステップS6では、タイマーT1が計時する時間tが時間定数t1k以上になることを待ち、時間tが時間定数t1k以上になる(ステップS6 Yes)とステップS7に移行する。時間定数t1kは、時間定数t2kとともにROM902に収納されている。
【0095】
ここで時間定数t1kと、時間定数t2kについて説明する。
【0096】
前述したように、製本搬送路7r3を搬送されてきた綴じ対象の用紙は、送出ローラ71により、スタッカ10の上方の空間に放出され、スタッカ10に向かって落下する。落下し、スタッカ10の用紙載置面10Pに到達した用紙は、傾斜している用紙載置面10P、あるいは、用紙載置面10Pに既に載置されている用紙の上面に沿って滑落し、スタッカ10に配されたストッパ10Sにより滑落方向先端が受け止められて停止する。
【0097】
時間定数t1kは、製本搬送路7r3を搬送されてきた用紙の後端が用紙センサ77に検知されてから、送出ローラ71により、スタッカ10の上方の空間に放出されるまで、詳しくは搬送方向後端が送出ローラ71のニップ部を通過するまでの時間であり、後処理装置Bにおける用紙搬送速度や、各機構部の配置空間距離等を踏まえて予め定められた時間に所定の余裕時間を加えて予め設定された時間値である。後端が用紙センサ77に検知された用紙は、検知された時点から、時間t1kが経過した時点では、送出ローラ71から放出され、傾斜している用紙載置面10P、あるいは、用紙載置面10Pに既に載置されている用紙の上面に沿って滑落する状態にある。
【0098】
また、時間定数t2kは、製本搬送路7r3を搬送されてきた用紙の後端が用紙センサ77に検知されてから、スタッカ10のストッパ10Sにより滑落方向先端が受け止められて停止するまでに経過する時間に所定の余裕時間を加えた時間値である。用紙の後端が用紙センサ77に検知されてから、スタッカ10のストッパ10Sにより滑落方向先端が受け止められて停止するまでに経過する時間は、後処理装置Bにおける用紙搬送速度や、各機構部の配置空間距離等を踏まえて予め定められている。後端が用紙センサ77に検知された用紙は、検知された時点から時間t2kが経過した時点では、送出ローラ71により、スタッカ10の上方の空間に放出され、スタッカ10のストッパ10Sに受け止められて停止している状態にある。
【0099】
図5に戻り、ステップS6にて、タイマーT1が計時する時間tが時間定数t1k以上になる(ステップS6 Yes)とステップS7に移行する。
【0100】
ステップS7ではソレノイド34をOFFさせる。ソレノイド34は通常は非通電状態にあり、ステップS7にては、ソレノイド34が非通電(OFF)状態にあるときはそのままOFF状態を保ち、通電(ON)状態にあるときはOFFさせる。ソレノイド34が通電(ON)状態にあるのは、後処理装置Bが同一ジョブにおける綴じ対象の用紙の2枚目以降の用紙を受け入れたときである。
【0101】
続くステップS8では整合板駆動モータ20Mの動作を制御して、整合板20a、20bを動作させる。この状態では空気流形成部30における送風ファン39はON、すなわち動作状態、かつソレノイド34はOFF、すなわち非通電状態であるので、送風ファン39にて発生した空気流は、第2空気路31A2、第1排気口31h2を介して吹き出される用紙載置面10Pに平行な方向の空気流である第1空気流となる。第1空気流を吹き付けつつ整合板20a、20bを動作させることにより、送出ローラ71により、スタッカ10の上方の空間に放出され、用紙載置面10P、あるいは、用紙載置面10Pに既に載置されている用紙の上面に沿って滑落する用紙は、互いに吸着することなくスタッカ10に配されたストッパ10Sに到達し、好適な整合が行われる。
【0102】
続くステップS9では、タイマーT2が計時する時間tが時間定数t2k以上になることを待ち、時間tが時間定数t2k以上になる(ステップS9 Yes)とステップS10に移行する。後端が用紙センサ77に検知された時点から時間t2kが経過した時点は、送出ローラ71により、スタッカ10の上方の空間に放出された用紙が、スタッカ10のストッパ10Sに当接し滑落を停止するタイミングである。
【0103】
ステップS10では整合板駆動モータ20Mの動作を制御して、整合板20a、20bを停止させ、ステップS11に移行する。
【0104】
ステップS11では、ソレノイド34をON、すなわち通電状態にする。この状態では空気流形成部30における送風ファン39はON,すなわち動作状態、かつソレノイド34はON、すなわち通電状態であるので、送風ファン39にて発生した空気流は、第3空気路31A3、第2排気口31h3を介して吹き出される用紙載置面10Pに向かう方向の空気流である第2空気流となる。
【0105】
第2空気流はストッパ10Sに当接し停止している用紙に吹き付けられ、用紙がカールを有している場合に、用紙間の空気層が排除され、用紙の端面を乱れなく揃えることができる。
【0106】
ステップS11にて用紙をスタッカ10に載置し、第2空気流を吹き付けるとステップS12にて用紙が、綴じがなされる用紙の束における最終紙であるか否かを確認する。用紙が束の最終紙であるか否かの情報は画像形成装置Aからジョブ情報として伝達され、RAM903に収納されている。CPU901はRAM903に収納されているジョブ情報を参照し、用紙が束の最終紙でない(ステップS12 No)であるときは、ステップS1に戻り、綴じ対象の後続の用紙が入口搬送路7r1に導入されるのを待つ。そして、用紙が導入される(ステップS1 Yes)と、ステップS2〜ステップS2の工程を、ステップS12にて用紙が束の最終紙であることが確認されるまでくり返す。そして、ステップS12にて用紙が束の最終紙であることが確認される(ステップS12 Yes)とステップS13に移行する。
【0107】
ステップS13では、CPU901は、ステープラ50の動作を制御してスタッカ10に形成された用紙束に綴じ処理を実行させて冊子を形成する。第2空気流は綴じ処理が実行われる間、用紙束に吹き付けるので、用紙束のふくらみが抑えられて好適な整合がなされるとともに、打針される用紙束を安定させることができる。また、用紙束のふくらみが抑えられることにより、ステープラ50の綴じ可能な用紙束の用紙枚数を増加させることができる。
【0108】
続くステップS14にて形成された冊子を移動排紙台74に排出させる。
【0109】
続くステップS15では、ステップS14における冊子、あるいは用紙の排出を以てジョブが終了したか否かを確認する。ジョブが終了したか否かは、ステップS12にて受け入れた用紙がジョブの最終の用紙であるか否かの情報により判断する。ステップS12にて受け入れた用紙がジョブの最終の用紙であるか否かの情報は、画像形成装置Aからジョブ情報として伝達され、RAM903に収納されている。CPU901はRAM903に収納されているジョブ情報を参照し、用紙がジョブの最終の用紙でない、すなわちジョブが終了していない(ステップS15 No)ときは、ステップS1に戻り、ステップS1〜ステップS15の工程を、ステップS15にてジョブが終了したことが確認されるまでくり返す。そして、ステップS15にてジョブが終了したことが確認される(ステップS15 Yes)とステップS16に移行する。
【0110】
ステップS16では、送風ファン39及びソレノイド34をOFFして製本動作を終了する。
【0111】
このように、後処理装置Bは、用紙がスタッカ10の用紙載置面10Pを滑落する過程では第1空気流を吹き付け、滑落した用紙がストッパ10Sに当接するタイミングで第2空気流を吹き付ける。第1空気流により静電気等による用紙同士の吸着を防止して良好な整合を行うとともに、第2空気流によりカールを有する用紙にも良好な整合を行うことができ、端面に乱れのない好適な製本を行うことができる。
【0112】
なお、用紙搬送部70の送出ローラ71により、スタッカ10の上方の空間に放出される用紙の枚数は1枚に限定されるものではなく、同時に複数枚の用紙をスタッカ10の上方の空間に放出することも可能である。放出された複数枚の用紙がスタッカ10に落下し、用紙載置面10Pを滑落する過程で第1空気流を吹き付けることにより、用紙同士の吸着を防止して良好な整合を行うことができる。
【0113】
また、空気流形成部30をストッパ10Sと共に移動可能に配設しておくことにより、用紙束の見開き中央部に打針して冊子となす中綴じを行うことも可能である。中綴じは、スタッカ10に最終紙を含む用紙が載置されて用紙束が形成されたのち、ストッパ10Sの位置を、用紙束の見開き中央部がステープラ50の打針位置となる位置まで移動して打針を行うことによりなされる。スタッカ10の上方の空間に中綴じ対象の用紙が放出され、用紙載置面10P、あるいは、用紙載置面10Pに既に載置されている用紙の上面に沿って滑落する過程で第1空気流を吹き付け、ストッパ10Sに当接するタイミングで第2空気流を吹き付ける動作をくり返すことによりストッパ10Sに受け止められる用紙の整合を好適に行うことができる。そして中綴じ対象の最終紙がストッパ10Sに受け止められると、ストッパ10Sを、用紙束の見開き中央部がステープラ50の打針位置となる位置まで移動する。このとき第2空気流を吹き付けている空気流形成部30をストッパ10Sと共に移動させる。第2空気流を吹き付けている空気流形成部30をストッパ10Sと共に移動させることにより、ストッパ10Sを移動しても用紙束の整合を保つことができる。そして、ステープラ50にて用紙束の見開き中央部に打針することにより中綴じがなされる。
【0114】
なお、本発明の実施の形態である後処理装置Bにおいては、空気流形成部30にて、空気流発生手段である送風ファン39が発生した空気流を、ダクト筐体31に配した方向切換板32の位置を変更することにより第1空気流及び第2空気流を形成しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、方向切換板32を設けず、送風ファンを、発生する空気流の方向が用紙載置面に平行な方向となる第1の位置と、発生する空気流の方向が用紙載置面に垂直な方向となる第2の位置と、に移動可能に配設し、送風ファンを、用紙が用紙載置面を滑落する過程では第1の位置に配置し、滑落した用紙が前記ストッパに当接するタイミングで第2の位置に配置するような構成にしても良い。送風ファンは、第1の位置に配置されたとき方向が用紙載置面に平行である第1空気流を形成し、第2の位置に配置されたとき用紙載置面に向かう方向の第2空気流を形成する。
【符号の説明】
【0115】
A 画像形成装置
A1 自動原稿送り装置
A2 画像読取部
A3 画像書込部
A4 画像形成部
A6 定着装置
A7 用紙搬送部
A8 操作表示部
A9 制御部
A91 CPU
A92 ROM
A93 RAM
A98 通信部
B 後処理装置
10 スタッカ
10P 用紙載置面
10S ストッパ
20a、b 整合板
20M 整合板駆動モータ
30 空気流形成部
31 ダクト筐体
31A1 第1空気路
31A2 第2空気路
31A3 第3空気路
31h1 吸気口
31h2 第1排気口
31h3 第2排気口
32 方向切換板
33 付勢バネ
34 ソレノイド
39 送風ファン
40 排出ベルト
40M 排出ベルト駆動モータ
50 ステープラ
70 用紙搬送部
71 送出ローラ
74 移動排紙台
75 搬送路切換部
75S 搬送路切換ソレノイド
77 用紙センサ
7r1 入口搬送路
7r2 排紙搬送路
7r3 製本搬送路
90 後処理制御部
901 CPU
902 ROM
903 RAM
908 通信部
909 バス
S 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜した用紙載置面、ストッパ、を備え、前記用紙載置面に沿って滑落させた用紙を前記ストッパに当接させて載置するスタッカと、
前記スタッカに載置された用紙を綴じ針にて綴じるステープラと、
を有する後処理装置において、
前記ストッパ側から前記用紙載置面に平行な方向に吹き付ける第1空気流と、前記用紙載置面の上方から前記用紙載置面に向かう方向に吹き付ける第2空気流と、を形成する空気流形成手段を有することを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記空気流形成手段は、
空気流を発生させる空気流発生手段と、
前記空気流発生手段が発生した空気流の方向を変更する空気流方向切換手段と、
を有し、
前記第1空気流、及び前記第2空気流は、前記空気流発生手段が発生した空気流の方向を前記空気流方向切換手段にて変更することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記空気流形成手段を制御する制御部を有し、
前記制御部は、用紙が前記用紙載置面を滑落する過程では前記第1空気流を形成し、滑落した用紙が前記ストッパに当接するタイミングで前記第2空気流を形成するように、前記空気流形成手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の後処理装置。
【請求項4】
画像形成装置に請求項1〜3のいずれか1項に記載の後処理装置を接続してなることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−140236(P2012−140236A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1021(P2011−1021)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】