説明

後処理装置及び画像形成システム

【課題】ICタグの破壊或いは劣化がない、ICタグの選定において制約が少ない、ICタグの脱落がない、結果として高性能・高品位な冊子が低コストで製造可能な後処理装置及び該後処理装置を有する画像形成システムの提供。
【解決手段】用紙束の背に接着剤を塗布する塗布手段と、前記用紙束の背に表紙を接着する表紙接着手段と、を有する後処理装置において、
前記塗布手段により接着剤が塗布された用紙束の背にICタグを接着する接着手段と、
前記塗布手段、前記表紙接着手段、及び前記接着手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、接着剤が塗布された用紙束の背に前記接着手段によりICタグを接着させた後、前記表紙接着手段により用紙束の背に表紙を接着させることを特徴とする後処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は後処理装置及び該後処理装置を有する画像形成システムに関し、特に、ICタグ付きの冊子を作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
軽印刷の分野においては、たとえば、電子写真画像形成装置のように高速の画像形成性能力を有する画像形成装置と後処理装置とを連結することにより、印刷から製本までを行い本(冊子)を作成する画像形成システムが普及している。
【0003】
又、ICタグ(アンテナ付きICチップ)の応用技術として冊子にICタグを添付して冊子の生産工程管理に、又図書館等での冊子の管理に利用され始めている。
【0004】
画像形成システムで冊子にICタグを添付するものとして、用紙に予めICタグを添付して、ICタグ付き用紙に画像形成装置で画像形成を行い、画像形成済み用紙を後処理装置で冊子に仕上げる画像形成システムが知られている(特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2005−154081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、引用文献1に記載の画像形成システムでは、予め用紙にICタグを添付した用紙を画像形成装置に供給し電子写真方式により画像形成を行わせるため、画像形成装置内部で転写部等で高電位に晒され、又定着部で高温、高圧力に晒されるため、ICタグが破壊或いは劣化してしまう可能性があった。
【0006】
また、破壊或いは劣化を防ごうとするとこれらに耐性のあるICタグしか利用できず、ICタグの選択範囲が限られてしまい必要な性能のICタグが使えない可能性があるという問題点があった。
【0007】
また、画像形成システム以外に、予め用紙にICタグを添付する装置を必要とし、用紙即ち冊子の製造コストを上げてしまうという問題があった。
【0008】
また、後処理装置に給紙以前に、用紙からICタグが剥がれてしまう可能性があるという問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、ICタグの破壊或いは劣化がない、ICタグの選定において制約が少ない、ICタグの脱落がない、結果として高性能・高品位な冊子が低コストで製造可能な後処理装置及び該後処理装置を有する画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0011】
1.用紙束の背に接着剤を塗布する塗布手段と、前記用紙束の背に表紙を接着する表紙接着手段と、を有する後処理装置において、
前記塗布手段により接着剤が塗布された用紙束の背にICタグを接着する接着手段と、
前記塗布手段、前記表紙接着手段、及び前記接着手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、接着剤が塗布された用紙束の背に前記接着手段によりICタグを接着させた後、前記表紙接着手段により用紙束の背に表紙を接着させることを特徴とする後処理装置。
【0012】
2.用紙束の背に接着剤を塗布する塗布手段と、用紙束の背と表紙とを接着する表紙接着手段と、を有する後処理装置において、
表紙の前記背が接着される部分にICタグを裁置する裁置手段と、
前記塗布手段、前記表紙接着手段、及び前記裁置手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記裁置手段により表紙にICタグを裁置させ、且つ前記塗布手段により接着剤を用紙束の背に塗布させた後、前記表紙接着手段により表紙に用紙束の背を接着させることを特徴とする後処理装置。
【0013】
3.用紙に画像を記録する画像形成装置と、該画像形成装置で画像が記録された用紙を後処理する前記1又は2項に記載の後処理装置とを有することを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、後処理装置で用紙束の背に接着剤を塗布させた後、塗布した接着剤にICタグを接着させること、また、後処理装置でICタグを裁置した表紙に用紙束を接着させることにより、ICタグの破壊或いは劣化がない、ICタグの選定において制約が少ない、ICタグの脱落がない、結果として高性能・高品位な冊子が低コストで製造可能な後処理装置及び該後処理装置を有する画像形成システムの提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図を参照して実施の形態により本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る後処理装置を備えた画像形成システムの全体を示す図である。
【0017】
画像形成システムは画像形成装置A及び後処理装置Bを有する。
【0018】
画像形成装置Aは電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、画像形成部A1、原稿搬送装置A2及び画像読取部A3を有する。
【0019】
画像形成部A1において、ドラム状の感光体1の周囲に帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5A、分離装置5B及びクリーニング装置6が配置され、これらの電子写真プロセス装置により、帯電、露光、現像及び転写が行われて感光体1上にトナー像が形成され、用紙S1に画像が形成される。
【0020】
用紙S1は3個の給紙トレイ7Aに収納されており、これらの給紙トレイ7Aから用紙S1が1枚ずつ給紙され、転写装置5Aにより、感光体1上のトナー像が用紙S1に転写される。
【0021】
トナー像が担持された用紙S1が定着装置8を通過して定着処理される。定着処理された用紙S1は、排紙ローラ7Cから排紙されるか又は再給紙路7Eに搬送される。
【0022】
片面プリントにおけるフェースダウン排紙、片面プリントにおけるフェースアップ排紙又は両面画像形成における表面画像形成において、切替ゲート7Dが用紙S1を切り替え案内する。即ち、フェースアップ排紙においては、切替ゲート7Dは用紙S1を直進させ、フェースダウン排紙及び両面画像形成においては、切替ゲート7Dは用紙S1を下方に案内する。
【0023】
フェースダウン排紙においては、用紙S1は下方に案内された後に、スイッチバックして上方に搬送され、排紙ローラ7Cから排紙される。
【0024】
両面画像形成においては、用紙S1は下方に案内され、スイッチバックによる表裏反転後に再給紙路7Eを経て、転写装置5Aが配置された転写部に再給紙され、裏面画像の転写が行われる。
【0025】
原稿搬送装置A2は原稿を1枚ずつ読取位置に搬送する。画像読取部A3は原稿搬送装置A2により搬送された原稿又は原稿台9に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
【0026】
画像形成装置Aの制御手段C1は画像形成装置Aに係る上述した動作の制御を行う。
【0027】
なお、画像形成装置Aは電子写真方式の装置に限定されるものではなく、例えばインクジェット方式や感熱記録方式等の装置であっても構わない。
【0028】
後処理装置Bは画像形成装置Aから送り込まれた用紙S1を複数枚束ねて用紙束SSを形成し、用紙束SSに表紙用紙を接合して冊子(本)を形成する装置である。
【0029】
以下、表紙用紙を表紙S2と言い、用紙束SSに表紙S2が貼り合わされたものを冊子S3と言う。
【0030】
後処理装置Bは、画像形成装置Aから排出された用紙S1を排紙皿20又は用紙反転部40に搬送する搬送部10と、排紙皿20と、用紙反転部40と、1枚ずつ又は数枚ずつ送りこまれた用紙S1を集積する集積部50と、塗布装置60と、ICタグを供給し用紙束の背にICタグを接着する接着手段であるICタグ接着装置70と、表紙S2を収納する表紙収納部80と、表紙を支持する表紙支持部90と、冊子を集積する冊子排出部100とを有する。
【0031】
画像形成装置Aから排出された用紙S1は搬送部10に設けられた切替ゲート11により排出路12を経て排紙皿20に排出されるか又は用紙反転部40に搬送される。排紙皿20には、製本処理モードでない場合に用紙S1が排出される。
【0032】
製本モードにおいては、用紙S1は搬送路13を経て用紙反転部40に搬送され、用紙反転部40においてスイッチバックした後に、斜め位置に位置する集積部50に搬送される。
【0033】
集積部50においては、設定された枚数の用紙S1が集積され、集積された用紙は用紙集積板501と用紙狭持板502との間に狭持され、集積板501を回動させる回動手段52(モータMT7)により回動され、用紙S1の束をほぼ垂直状態で保持する。
【0034】
なお、用紙狭持板502には、用紙束の厚さ(集積板501と用紙狭持板502との間に狭持された用紙S1の束の厚さ)を取得する厚さ取得手段である厚さ測定センサ504が配設されており、用紙狭持板502が集積板501側に付勢され用紙S1の束を狭持する時、狭持された用紙S1の束(以下用紙S1の束を用紙束SSと記す)の厚さを測定する。
【0035】
冊子を構成する用紙の枚数や紙種は操作パネルP等からオペレータの設定により決定されるが、冊子の厚さを測定する代わりに、オペレータが設定した設定枚数や用紙の種類に基づいて演算するようにしても良い。
【0036】
そして、垂直状態に狭持された用紙束SSの下面に、塗布手段60により接着剤が塗布される。接着剤は冷却により短時間で固化するホットメルトが好ましい。
【0037】
ICタグ接着装置70のICタグ供給手段71からICタグICTが供給され、ICタグ接着手段72により接着剤が塗布された用紙束SSの背SAにICタグICTが当接し、接着される。
【0038】
用紙束SSの背SAに表紙S2を接着する表紙接着手段である表紙支持部90を有しており、表紙S2は表紙収納部80から1枚ずつ給紙されて表紙支持部90上に裁置される。
【0039】
そして、表紙S2を裁置した表紙支持台91が上昇することにより、ICタグICTが接着された用紙束SSの背SAに表紙S2が接触し、用紙束SSを表紙S2がくるむようにして用紙束SSに表紙S2が接着され冊子が完成する。
【0040】
完成した冊子S3は冊子排出部100に排出される。
【0041】
ICタグ接着装置70の近傍にはICタグICTに情報を書き込み可能なライター74を有している。
【0042】
製本装置Bの冊子排出部100への排出口又は冊子排出部100にはICタグICTに記憶されている情報を読み出し可能なリーダー75を有している。
【0043】
なお、ライター74とリーダー75の双方、特にリーダー75はデータを書き込み/読み出し可能なリーダ・ライタであっても良い。
【0044】
なお、破線で示したICタグ裁置装置76については後述する。ICタグ裁置装置76を設ける場合は前記のICタグ接着装置70は不要となる。
【0045】
ICタグICTは、アンテナを有するICチップで、アンテナを介して無線で情報の送受信を可能としている。
【0046】
また、ICタグICTの外形は四角でも円形でも良く、ハンドリングが容易にできる範囲で後処理装置で製本する用紙束の厚さ以下の最大外形寸法を有しているもの(例えば1mm以上5mm未満)が好適に使用可能である。
【0047】
また、一般的に135Khz、13.56Mhz、2.45Ghzの3種類の周波数を使うものがあるが、少なくとも後処理装置内部でデータの書き込み読み出しができれば良く。更に図書館等で書棚の下から、上段にある冊子に添付したICタグICTのデータの読み出しができればなお良い。
【0048】
このため、1m程度は読み書きでき混信の少ない13.56Mhz、または2m以上読み書き可能な2.45GhzのICタグが好ましい。
【0049】
後処理装置制御手段C2は後処理装置Bに係る上述した動作及び、後述するICタグ接着装置70又はICタグ裁置装置76に係る動作の制御を行う。
【0050】
図2は塗布手段の全体を示す図である。
【0051】
図2は図1の集積部50と塗布装置60とを図1の左側面側から見たもので、用紙束SSは集積板501等に狭持されて垂直に位置している。
【0052】
塗布手段60は集積部50の下方に配置されており、接着剤ADを用紙束SSの背SAに塗布する塗布手段61と、塗布手段61の接着剤塗布面と用紙束SSの背SAとの間隙を変化させる間隙増減手段62と、塗布手段61を用紙束SSの背SAに沿って平行移動させる平行移動手段63とを有している。
【0053】
塗布手段61は接着剤ADを収容する接着剤槽601と接着剤ADを用紙束SSの背SAに塗布する塗布ローラ602を有している。
【0054】
間隙増減手段62は塗布手段61を軸601Aを中心にして揺動させ、塗布ローラ602の接着剤塗布面と用紙束SSの背SAとの間隙d即ち塗布厚さを変化させるモータMT4を有している。
【0055】
平行移動手段63は塗布手段61を駆動ベルト67を介して用紙束SSの背SAに沿って平行移動させるモータMT1を有している。
【0056】
塗布手段61は用紙束SSに対して図示上下方向(矢印W4方向)と図示左右方向(矢印W2/W3方向)に移動可能となっている。
【0057】
矢印W4方向の上下移動は、軸601Aを中心に塗布手段61を揺動させるモータMT4の正逆回転駆動によって行われる。そしてこの上下移動により塗布ローラ602の表面(背SAとの対向位置)と背SAとの間隙dが増減される。
【0058】
矢印W2で示す往動と矢印W3で示す復動は、駆動ベルト67を介して塗布手段61を往復させるモータMT1の正逆回転駆動で行われる。そして、矢印W2で示す往動時に、塗布ローラ602が用紙束SSの背SAに接着剤ADを塗布し、矢印W3で示す復動時にも、塗布ローラ602が背SAに接着剤ADを塗布する。
【0059】
塗布手段61のホームポジションは背SAと塗布ローラ602の表面(背SAとの対向位置)とが離間している位置であり、接着剤の塗布は行われない。
【0060】
また、塗布手段61のホームポジションは図2の左端位置であり、図1の後処理装置Bの正面から見て奥側に位置しており、ホームポジションにおいて、補給装置66から接着剤のペレットPTが補給される。
【0061】
塗布ローラ602は往動時及び復動時に、モータMT4の正転で上昇し、モータMT2の駆動により回転して接着剤槽601から接着剤ADを汲み上げ、用紙束SSの背SAに塗布する。
【0062】
塗布手段60は前述以外に、背SAに塗布された接着剤ADの層厚を規制する規制部材(不図示)と、接着剤槽601に補給されたペレットPTを溶融させるヒータ及び接着剤量センサ等を有している。
【0063】
そして、接着剤槽601内の接着剤ADは、接着剤量センサにより量が規制され、ヒータにより所定の温度に維持されている。そして、塗布手段61の往動時及び復動時に規制部材により背SAに塗布された接着剤ADの層厚が規制される。
【0064】
図3はICタグ接着装置の説明図である。
【0065】
図3は図1の集積部50とICタグ接着装置70とを図1と同方向ら見た詳細図である。
【0066】
前述したように、集積部50は斜め位置(実線)で用紙を集積し、集積された用紙束SSは集積部50の集積板501等に狭持されてW1方向に揺動し垂直位置(破線)に移動され、垂直となった用紙束SSの背SAに接着剤ADを塗布される。
【0067】
そして塗布後、集積部50は逆に揺動させて用紙の集積時の位置即ち斜めに位置される。
【0068】
ICタグ接着装置70はICタグICTを供給するICタグ供給手段71と供給されたICタグICTを用紙束SSの背SAに接着するICタグ接着手段72とを有している。
【0069】
ICタグ供給手段71は元巻掛701を有し、ICタグICTは、テープTaにテーピングされた状態で供給され、オペレータが元巻掛701に装着する。
【0070】
元巻掛701には定張力手段702が連結され、テープTaに所定のテンションが掛けられるようになっている。
【0071】
元巻掛701から送り出されたテープTaは、ICタグICTのテーピングピッチPT毎に停止し、停止中に接着領域73でICタグ接着手段72の作用により用紙束SSの背SAに接着される。
【0072】
そして空となったテープTaはローラ703を経て搬送され、巻取手段であるモータMT5の駆動により巻取軸704に巻き取られる。
【0073】
ここで、ICタグICTとテープTaとは弱接着されており、ICタグICTは接着剤ADによりテープTaから剥離されて用紙束SSの背SAに接着される。
【0074】
そしてICタグ接着手段72は、ICタグICTをテープTaを介して接着剤ADが既に塗布された用紙束SSの背SAに押し当てる押し当て部材721と、押し当て部材721を用紙束SSの背SAに向けて付勢させる付勢手段であるモータMT6とを有している。
【0075】
モータMT6の駆動軸には減速歯車列722が接続され、減速歯車列722の出力軸にはピニオンギヤ723が取り付けられ、ピニオンギヤ723は押し当て部材721のラックギヤ部724と勘合し、モータMT6の正逆転により押し当て部材721が図示W5方向に移動する。
【0076】
そしてW5方向左側に移動した時、押し当て部材721の先端部725がテープTaを介してICタグICTを用紙束SSの背SAに押し当てる。
【0077】
また、ICタグ接着装置70を用紙束SSの背SAの長手方向(紙面表裏方向)に沿って移動させる移動手段を設け、ICタグ接着装置70を移動させて背SAの長手方向任意の場所にICタグICTを押し当て可能としている。
【0078】
前記移動手段は、ICタグ接着装置70を移動させるモータMT8とモータの回転を直線運動に変換する不図示のラック/ピニオンとICタグ接着装置70を案内するスライドガイド726とを有している。
【0079】
そして、モータMT8を所定回転させることによりスライドガイド726に案内されたICタグ接着装置70を背SAの長手方向任意の場所に移動させる。
【0080】
なお、一般的に用いられる部品のハンドリングマシンにより、テープTaからICタグICTを剥して用紙束SSの背SAに押し当てても良い。
【0081】
この場合は直接用紙束SSの背SAに塗布した接着剤にICタグICTを接着するので、ICタグICTの位置がずれにくい。
【0082】
図4はICタグ裁置装置の説明図である。
【0083】
図4は図1の表紙支持部90とICタグ裁置装置76とを図1と同方向ら見た詳細図である。
【0084】
前述したように、集積部50は斜め位置(実線)で用紙を集積し、集積された用紙束SSは集積部50の集積板501等に狭持されてW1方向に揺動し垂直位置(破線)に移動され、垂直となった用紙束SSの背SAに接着剤ADを塗布される。
【0085】
そして、表紙支持部90に裁置された表紙S2の表面S2AにICタグ裁置装置76でICタグICTを裁置し、その後、背SAに接着剤ADを塗布した用紙束SSを表紙S2に接着する構成について説明する。
【0086】
ICタグ裁置装置76はICタグICTを供給するICタグ供給手段77と供給されたICタグICTを表紙S2の表面に裁置するICタグ裁置手段78とを有している。
【0087】
ICタグ裁置手段78はテープTaからICタグICTを剥離する剥離部材711を有している。
【0088】
ICタグICTは、テープTaにテーピングされた状態で供給され、オペレータが元巻掛701に装着する。
【0089】
元巻掛701には定張力手段702が連結され、テープTaに所定のテンションが掛けられるようになっている。
【0090】
元巻掛701から送り出されたICタグICTは、剥離部材711によりテープTaから剥離されて、裁置領域79で表紙S2の表面S2Aに裁置される。
【0091】
なお、剥離部材711の先端部712は小さな曲率半径の円弧となり、矢印方向に搬送されるテープTaから先端部712でICタグICTを曲率分離させる。
【0092】
元巻掛701から送り出されたテープTaはICタグICTのテーピングピッチPT毎に停止するが、搬送中に裁置領域79で剥離部材711の作用により表紙S2の表面に裁置される。
【0093】
そして空となったテープTaはモータMT5の駆動により巻取軸704に巻き取られる。
【0094】
ここで、ICタグ裁置装置76を表紙S2の中央に沿って(紙面表裏方向)移動させる移動手段を設け、ICタグ裁置装置76を移動させて表紙S2の中央の任意の場所にICタグICTを裁置可能としいる。
【0095】
この移動手段は、ICタグ裁置装置76を移動させるモータMT10とモータの回転を直線運動に変換する不図示のラック/ピニオンとICタグ接着装置70を案内するスライドガイド726とを有し、モータMT10を所定回転させることによりICタグ裁置装置76を表紙S2の中央の任意の場所に移動させる。
【0096】
ICタグ裁置装置76は、用紙束SSと表紙S2との接着を可能とさせるため、ICタグ裁置装置76自体を図示右側へ退避させる退避手段を有し、この退避手段のモータMT11の駆動により、用紙束SSと表紙S2との接着時にICタグ裁置装置76自体を図示右側へ退避させる。
【0097】
なお、一般的に用いられる部品のハンドリングマシンにより、テープTaからICタグICTを剥して表紙S2の表面に裁置させても良い。
【0098】
この場合はICタグICTを表紙S2の表面に裁置後用紙束SSを表紙S2に接着するので、接着剤の温度の影響を受けにくく、ICタグICTの選定範囲が拡大できる。
【0099】
図5は後処理装置と、該後処理装置と画像形成装置とを有する画像形成システムのブロック図である。
【0100】
以下、図1〜5を参照してブロック図を説明する。
【0101】
画像形成システムは画像形成装置Aと後処理装置Bとを有している。
【0102】
画像形成装置Aを制御する制御手段C1と後処理装置Bを制御する制御手段C2は、それぞれCPU(Central・Processing・Unit)とROM(Read・Only・Memory)と不揮発の記憶手段〔例えばバッテリーバックアップされたRAM(Random・Access・Memory)〕と下記の各種機器とのインターフェースを行うIF(Interface)等を有している。
【0103】
ROMには画像形成装置A(後処理装置B)を制御するプログラムが記憶されており、該プログラムはCPUにより必要に応じてRAMに格納され、実行される。
【0104】
画像形成装置Aについて説明すると、通信手段C11は制御手段C1により制御され、後処理装置Bの通信手段C21とシリアル通信を行い、各種情報を授受している。
【0105】
原稿搬送装置A2は制御手段C1により制御され、原稿を画像読取部A3の画像読み取り部に向けて搬送する。
【0106】
画像読取部A3は制御手段C1により制御され、原稿搬送装置A2により搬送される原稿の画像を読み取り、原稿画像情報を制御手段C1に入力する。
【0107】
画像形成部A1は制御手段C1により制御され、例えば、画像読取部A3により入力された原稿画像情報に基づいて用紙にトナー画像を形成する。
【0108】
定着装置8は制御手段C1により制御され、画像形成部A1により用紙上に形成されたトナー画像を加熱圧着することにより定着する。
【0109】
操作パネルPはタッチパネル等を有し、制御手段C1により制御され、タッチパネルに各種操作スイッチや後処理に係る情報等を表示し、オペレータによるスイッチ等の操作情報、例えばICタグに書き込む情報等が制御手段C1に入力される。
【0110】
通信手段C12は制御手段C1により制御され、ネットワーク(例えばインターネット、LAN等)を介して外部のPC(プリンタ・コントローラ)やサーバーと、画像情報やICタグに書き込む情報等を授受する。
【0111】
後処理装置Bについて説明すると、通信手段C21は制御手段C2により制御され、画像形成装置Aの通信手段C11とシリアル通信を行い、各種情報を授受している。
【0112】
搬送部10の切替ゲート11は制御手段C2により制御され、用紙S1の搬送経路を切り換える。
【0113】
用紙反転部40は制御手段C2により制御され、用紙S1を搬送するモータを正逆転して用紙S1をスイッチバックさせる。
【0114】
集積部50は制御手段C2により制御され、集積板501を揺動するモータMT7を正逆転して集積板501を垂直位置と傾斜位置との間を揺動させる。
【0115】
塗布装置60は制御手段C2により制御され、モータMT1を正逆転して塗布手段61を用紙束SSの背SAに沿って往復させる。また、塗布手段61を上下に揺動させる間隙増減手段62のモータMT4を正逆転して用紙束SSの背SAに塗布手段61を離接させる。
【0116】
ICタグ接着装置70は制御手段C2により制御され、ICタグICTがテーピングされたテープをICタグ供給手段71のモータMT5により1ピッチづつ間欠搬送させる。
【0117】
また、ICタグ接着手段72のモータMT6を正逆転して押し当て部材721を往復させ、用紙束SSの背SAにICタグICTを接着させる。
【0118】
表紙収納部80は制御手段C2により制御され、表紙S2を1枚づつ取り出す。
【0119】
表紙支持部90は制御手段C2により制御され、表紙S2を支持して接着剤が塗布された用紙束に押し当てる。
【0120】
冊子排出部100は制御手段C2により制御され、ICタグICTが接着された冊子を集積する。
【0121】
ライター74は制御手段C2により制御され、ICタグICTに例えばICタグに書き込む情報等を送信し、記憶させる。
【0122】
リーダー75は制御手段C2により制御され、ICタグICTが記憶している情報を送信させ、これを受信する。
【0123】
なお、ICタグ接着装置70の代わりにICタグ裁置装置76を用いる場合について説明すると、ICタグ裁置装置76は制御手段C2により制御され、ICタグICTがテーピングされたテープをICタグ供給手段71のモータMT5により1ピッチづつ間欠搬送させる。また、剥離部材711によりテープTaからICタグICTを剥離させ、表紙S2の上にICタグICTを裁置させる。
【0124】
なお、モータMT11は用紙の背と表紙とを接着する時駆動されICタグ裁置装置76を退避させる。
【0125】
図6はICタグの接着位置を設定する画面の1例の図である。
【0126】
ICタグの接着位置を設定する画面TE1の表示情報はROMに記憶され、ジョブ情報の設定時に読み出されて操作パネルPにICタグの接着位置を設定する画面TE1が表示される。
【0127】
ICタグの接着位置を設定する画面TE1が表示されている時、操作パネルPから数値キーを操作することによりICタグの接着位置を設定でき、設定値がRAMに記憶される。
【0128】
なお、ICタグの接着位置とは、用紙束の背の長手方向或いは表紙の中央部のどの位置にICタグを添付するかの位置情報で、図示したように冊子の背の端部からの距離が設定される。
【0129】
そして、前述したモータMT8によりICタグ接着装置70が用紙束の背の当該位置に移動され、又はモータMT10によりICタグ裁置装置76が表紙の中央部の当該位置に移動される。
【0130】
図7はICタグに書き込む情報を入力する画面の1例の図である。
【0131】
ICタグに書き込む情報を入力する画面TE2の表示情報はROMに記憶され、ジョブ情報の設定時に読み出されて操作パネルPにICタグに書き込む情報を入力する画面TE2が表示される。
【0132】
ICタグに書き込む情報を入力する画面TE2は情報の項目を記憶した項目欄TE21と、各項目毎に必要な情報内容を選択或いは入力する内容欄TE22とを有している。
【0133】
ICタグに書き込む情報を入力する画面TE2が表示されている時、項目欄TE21の入力したい項目にカーソルを合わせ、数字の入力又は文字の入力、または合致する内容を選択(クリック)することにより入力内容がRAMに記憶される。
【0134】
内容欄TE22の括弧付き部分は表示当初は空白で表示される数字の入力又は文字の入力部分で、括弧付きでない部分は各種選択内容が表示され、合致する内容をクリックする部分である。
【0135】
例えば用紙サイズを指定した時A4を選択すると用紙サイズA4が記憶され、冊子制作部数を指定した時50を入力すると冊子制作部数50冊が記憶される。
【0136】
図8は画像形成システムの画像形成装置と後処理装置との関係を示すフローの説明図である。
【0137】
左列のステップS101〜ステップS106までは画像形成装置Aに関するフローで、右列のステップS201〜ステップS206までは後処理装置Bに関するフローで、両者を結ぶ破線は相互の関係を示している。
【0138】
先ず画像形成装置Aに関するフローについて説明する。なお画像形成装置Aに関するフローは制御手段C1により実行される。
【0139】
1.ジョブ情報(ICタグに書き込む情報)の取得(ステップS101)
ROMからICタグの接着位置を設定する画面TE1の表示情報とICタグに書き込む情報を入力する画面TE2の表示情報とを読み出して、ICタグの接着位置を設定する画面TE1とICタグに書き込む情報を入力する画面TE2とを操作パネルPに表示させる。
【0140】
そして、これらの画面でオペレータにより入力された情報を読み込みRAMに記憶させ(取得する)、次ステップに進む。
【0141】
2.ジョブ情報(ICタグに書き込む情報)の送信(ステップS102)
ステップS101で記憶したジョブ情報(ICタグに書き込む情報)を通信手段C11で後処理装置の通信手段C12に送信し、次ステップに進む。
【0142】
3.画像形成/排紙(ステップS103)
画像読取部A3で読み込んだ原稿画像データに基づいて画像形成を行い、ステップS101で記憶した、ICタグに書き込む情報のうち、用紙の種類情報に基づき所定の給紙トレイから給紙される用紙に画像を転写し、定着を行う。
【0143】
そして、定着後に後処理装置Bに向けて排紙し、次ステップに進む。
【0144】
4.ジョブの終了判断(ステップS104)
ステップS101で記憶した、ICタグに書き込む情報のうち、冊子制作部数情報と同部数分の画像形成/排紙を行うと(Yes)エンドに進み、同部数分の画像形成/排紙を行うまで(No)ステップS103に進む。
【0145】
5.異常警報の発令(ステップS105)
後処理装置の通信手段C12を介して通信手段C11に送信される異常情報を監視し、異常情報を受信すると操作パネルPに当該異常警報を表示し次ステップに進む。
【0146】
6.画像形成/排紙の停止(ステップS106)
異常情報の受信に基づいて、それ以降の画像形成と当該画像に係る給紙及び排紙の停止を行いエンドに進む。
【0147】
次に後処理装置Bに関するフローについて説明する。なお後処理装置Bに関するフローは制御手段C2により実行される。
【0148】
1.ICタグに書き込む情報の受信(ステップS201)
前記ステップS102で送信されたジョブ情報(ICタグに書き込む情報)を通信手段C11を介して通信手段C12で受信し、RAMに記憶させると、次ステップに進む。
【0149】
2.シートの受け入れ/集積(ステップS202)
前記ステップS103で後処理装置Bに向けて排紙された用紙を受け入れ、例えばステップS201で記憶したICタグに書き込む情報のうち、冊子の用紙枚数情報分受け入れると集積部50で集積させ、次ステップに進む。
【0150】
3.シートの後処理(ICタグの添付)(ステップS203)
ステップS201で記憶したICタグに書き込む情報のうち、後処理機能(例えば糊付け、ICタグ添付)に基づいて後処理を行い次ステップに進む。
【0151】
なお、ICタグの添付が選択された場合の制御方法については後に詳しく説明する。
【0152】
4.ICタグに情報書き込み、読み出し(ステップS204)
ステップS201で記憶したICタグに書き込む情報を読み出して、ライター74でICタグICTにICタグに書き込む情報を書き込ませ、次いでリーダー75でICタグICTに書き込まれた(ICタグに書き込む情報)を読み出させ、次ステップに進む。
【0153】
5.ICタグ書き込み情報チェック(ステップS205)
ステップS201で受信し、記憶したICタグに書き込む情報、即ちステップS204で書き込んだ情報と読み出した情報とを比較チェックして、同じなら(Yes)正常と判断して次ステップに進み、違っていれば(No)異常と判断してステップS207に進む。
【0154】
6.ジョブの終了判断
ステップS201で記憶したICタグに書き込む情報のうち、冊子制作部数情報と同部数分の後処理を行うと(Yes)エンドに進み、同部数分の後処理を行うまで(No)ステップS202に進む。
【0155】
7.異常出力(ステップS207)
後処理の異常(例えばステップS205で検出したICタグ書き込み異常)を検出すると、後処理の異常出力を通信手段C12を介して通信手段C11に送信しエンドに進む。
【0156】
図9はICタグ接着装置による後処理装置におけるICタグの添付に係るフローの説明図である。
【0157】
以下に塗布手段で用紙束の背に接着剤を塗布させた後、塗布した接着剤に接着手段でICタグを接着させ、表紙接着手段で用紙束の背に表紙を接着させる、後処理装置におけるICタグの添付に係るフローを詳細に説明する。
【0158】
1.ICタグに書き込む情報の取得(ステップS301)
前記ステップS201に相当し、画像形成装置Aの通信手段C11を介して通信手段C21で、次に実行する1つのジョブのICタグに書き込む情報を取得(受信)し、ICタグに書き込む情報をRAMに記憶させて次ステップに進む。
【0159】
なお、ジョブとは同一の条件、情報に基づく、一塊りの画像形成及び後処理を指す。
【0160】
ICタグに書き込む情報は1つのジョブに関する下記の情報等を含み、例えば前述のICタグの接着位置を設定する画面TE1とICタグに書き込む情報を入力する画面TE2とによって入力される。
【0161】
ICタグに書き込む情報は1つのジョブの印刷・製本に関する印刷・製本管理情報である、例えば、ICタグICTの接着位置情報(例えば用紙束の背端部から50mm)と、用紙サイズ情報(例えばA4)、用紙の種類情報(例えば普通紙)、冊子の用紙枚数情報(例えば50枚)、冊子制作部数情報(例えば10部)、印刷モード情報(例えばフルカラー)、後処理機能情報(例えばICタグ添付)後処理日時情報(例えば07.01.31)、ICタグICTの最大外形寸法情報(例えば5mm)、後処理装置から排出した順序情報(例えば8冊目)、後処理を行う後処理装置の機種情報、等が含まれる。
【0162】
更に、1つのジョブに関する冊子の検索情報である、当該冊子の著者名情報(例えば日本 太郎)、検索分類(例えば日本十進分類法等)情報、検索ワード情報(例えばあいうえお)、文献検索に係る備考情報(例えば収納棚番号情報〔10−05〕、出荷先情報〔例えばかきくけこ図書館〕)等の文書検索情報が含まれるようにするとなお良い。
【0163】
更に、画像形成装置に関する備考的な情報、後処理装置に関する備考的な情報が含まれるようにするとなお良い。
【0164】
ここで、上記の情報を全て含むようにしても、そのいずれかを含むようにしても良い。
【0165】
なお、ICタグに書き込む情報を入力する画面TE2内に設けられたICタグICTの最大外形寸法情報を入力可能なICタグICTの最大外形寸法入力項が、ICタグの最大外形寸法を取得する外形寸法取得手段として機能している。
【0166】
2.シートの集積(ステップS302)
前記ステップS202に相当し、前記ジョブの開始により画像形成装置Aから供給されるシートを例えば切替ゲート11により搬送路13を搬送させる。
【0167】
次いで、用紙反転部40でスイッチバック後、順次集積部50に搬送させ、ステップS301で記憶した冊子の用紙枚数情報(例えば50枚)分のシートが集積部50に集積されると(Yes)用紙の束を用紙狭持板502の付勢により狭持して次ステップに進み、集積されるまで(No)シートを集積するためステップS302を繰り返す。この時は集積部50の集積板501は斜めに傾斜している。
【0168】
3.接着剤の塗布(ステップS303)
用紙の束を用紙狭持板502により狭持した状態で、モータMT7を正転させて集積板501を垂直位置に揺動する。そして平行移動手段63のモータMT1を正転させて塗布手段61を用紙束SSの背SAに沿って移動させ、接着剤を用紙束SSの背SAに塗布し、次ステップに進む。
【0169】
なお、ステップS301で記憶されたICタグICTの接着位置情報(例えば用紙束の背端部から50mm)を読み出し、塗布手段61を用紙束SSの背SAに沿って移動させる時にICタグICTの接着位置情報(例えば用紙束の背端部から50mm)に応じた位置で、間隙増減手段62のモータMT4を調整して用紙束SSの背SAと塗布ローラ602との間隙をICタグICTの厚さに応じた間隙に変えて接着剤の塗布厚さを変える(例えば薄くする)ようにしても良い。
【0170】
これにより、ICタグICTの厚さに応じた接着剤の厚さとすることができ、接着剤のはみ出し等を防止することが可能となる。
【0171】
4.集積部50の斜め位置への揺動(ステップS304)
接着剤を塗布した用紙束SSを用紙狭持板502により狭持した状態で、モータMT7を逆転させて集積板501を斜め位置に揺動し、次ステップに進む。
【0172】
5.ICタグ接着装置70の位置決め(ステップS305)
ステップS301で記憶したICタグICTの接着位置情報(例えば用紙束の背端部から50mm)を読み出す。
【0173】
そして、ICタグ接着装置70を用紙束SSの背SAに沿って移動させるモータMT8を正転させ、ICタグICTの接着位置情報(例えば用紙束の背端部から50mm)に応じた位置にICタグ接着装置70を移動し(位置決めし)、次ステップに移動する。
【0174】
6.用紙の背にICタグの接着(ステップS306)
ICタグ供給手段71の巻取軸704のモータMT5を駆動してICタグICTがテーピングされたテープTaをテーピングピッチPT分巻き取る。
【0175】
そして、ICタグ接着手段72のモータMT6を正転させることにより押し当て部材721を前進させ、接着領域73に位置するICタグICTを用紙束SSの背SAに押し当てて接着させ、次ステップに進む。
【0176】
ステップS303〜ステップS306が前記ステップS203に相当する。
【0177】
7.ICタグICTへのデータの書き込み(ステップS307)
前記ステップS204に相当し、ステップS301で記憶させたICタグに書き込む情報を読み出す。そして、用紙束SSの背SAに接着したICタグICTにライター74からICタグに書き込む情報を送信して記憶させ(書き込み)、次ステップに進む。
【0178】
なお、ICタグICTへのデータの書き込みは少なくとも読み出し以前に行えば良く、ステップS308〜ステップS310のいずれの工程で行っても良い。
【0179】
8.集積部50の垂直位置への揺動(ステップS308)
接着剤を塗布した用紙束SSを用紙狭持板502により狭持した状態で、モータMT7を正転させて集積板501を垂直位置に揺動し、次ステップに進む。
【0180】
9.表紙の用紙束への貼り付け(ステップS309)
表紙収納部80から表紙S2を一枚取りだして、表紙支持部90の表紙支持台91上に搬送する。
【0181】
そして、表紙支持台91を上下させるモータMT9を正転させて不図示のパンタグラフ機構等により表紙支持台91を上昇させて用紙束SSの背SAに表紙S2を接着させる。
【0182】
更に不図示の折り込み手段により表紙S2を用紙束SSの背SAを中心にしてコの字状に折り込み冊子を完成し、次ステップに進む。
【0183】
これにより、用紙束SSの背SAの所定の位置に確実にICタグICTが接着された状態で表紙を接着可能となる。
【0184】
10.冊子の排出(ステップS310)
完成した冊子S3を冊子排出部100に搬送・集積し、次ステップに進む。
【0185】
11.ICタグのデータの読み込み(ステップS311)
前記ステップS204に相当し、ステップS307でICタグICTに書き込んだデータをリーダー75で読み込み、次ステップに進む。
【0186】
読み込みタイミングは搬送中でも、冊子排出部100に集積後のいずれでも良い。
【0187】
12.書込みデータの正誤判断(ステップS312)
前記ステップS205に相当し、ステップS301で受信し、記憶させたICタグに書き込む情報、即ちステップS307で書き込んだICタグに書き込む情報を読み出して、読み出した情報とステップS311で読み込んだ情報を比較して一致すれば(Yes)正しいと判断しステップS314に進み、一致しないと(No)誤りと判断して次ステップに進む。
【0188】
13.異常警報の発令(ステップS313)
前記ステップS207に相当し、誤りの判断に基づき、通信手段C21から通信手段C11を介して画像形成装置Aにデータ異常情報を送信し、次ステップに進む。
【0189】
また、ステップS301で記憶した用紙の種類情報に対応する用紙厚さと冊子の用紙枚数とICタグICTの最大外形寸法とを読み出し、用紙厚さと用紙枚数の積を算出し、算出した用紙束の厚さよりICタグICTの最大外形寸法が大きい時はICタグ外形寸法異常と判断し、通信手段C21から通信手段C11を介して画像形成装置AにICタグ外形寸法異常情報を送信し、次ステップに進み、小さい時はステップS313に進むようにしても良い。
【0190】
なお、画像形成装置Aの制御手段C1は異常情報の受信に基づいて画像形成を停止し操作パネルPで異常警報を発信する。
【0191】
14.ジョブ完了判断(S314)
前記ステップS206に相当し、ステップS301で記憶した1つのジョブのICタグに書き込む情報のうち、冊子制作部数情報(例えば10部)を読み出して、読み出した制作部数と制作した部数を比較して、部数が一致すれば(Yes)ジョブが完了したと判断しエンドに進み、部数が一致するまで(No)更に冊子を制作するためステップS302に進む。
【0192】
図10はICタグ裁置装置による後処理装置におけるICタグの添付に係るフローの説明図である。
【0193】
以下に、塗布手段で用紙束の背に接着剤を塗布させた後、表紙接着手段でICタグを裁置した表紙に用紙束を接着させる、後処理装置におけるICタグの添付に係るフローを詳細に説明する。
【0194】
1.ICタグに書き込む情報の取得(ステップS401)
前記ステップS301と同様なので説明を省略する。
【0195】
2.シートの集積(ステップS402)
前記ステップS302と同様なので説明を省略する。
【0196】
3.接着剤の塗布(ステップS403)
前記ステップS303と同様なので説明を省略する。
【0197】
4.ICタグ裁置装置の位置決め(ステップS404)
ステップS401で記憶したICタグICTの接着位置情報(例えば用紙束の背端部から50mm)を読み出す。
【0198】
そして、ICタグ裁置装置76を表紙の中央に沿って移動させるモータMT10を正転させ、ICタグICTの接着位置情報(例えば用紙束の背端部から50mm)に応じた位置にICタグ裁置装置76を移動し(位置決めし)、次ステップに移動する。
【0199】
5.表紙の上にICタグを裁置(ステップS405)
ICタグ供給手段77の巻取軸704のモータMT5を駆動してICタグICTがテーピングされたテープTaをテーピングピッチPT分巻き取る。
【0200】
そして、載置領域79でテープTaの搬送中にICタグICTを曲率分離させ表紙S2の上にICタグICTを裁置し、次ステップに進む。
【0201】
6.ICタグICTへのデータの書き込み(ステップS406)
ステップS401で記憶させたICタグに書き込む情報を読み出して、ライター74で表紙S2の上に裁置したICタグICTにICタグに書き込む情報を送信して記憶させ(書き込み)、次ステップに進む。
【0202】
7.表紙の用紙束への貼り付け(ステップS407)
表紙収納部80から表紙S2を一枚取りだして、表紙支持部90の表紙支持台91上に搬送する。
【0203】
そして、表紙支持台91が上昇した時の表紙支持台91の通過領域からICタグ裁置装置76を退避させるため、ICタグ裁置装置76を退避させる退避手段のモータMT11を駆動させICタグ裁置装置76を図示右側へ退避させる。
【0204】
次いで表紙支持台91を上下させるモータMT9を正転させて不図示のパンタグラフ機構等により表紙支持台91を上昇させて表紙S2を用紙束SSの背SAに接着させる。
【0205】
更に不図示の折り込み手段により表紙S2を用紙束SSの背SAを中心にしてコの字状に折り込み冊子を完成し、次ステップに進む。
【0206】
8.冊子の排出(ステップS408)
前記ステップS310と同様なので説明を省略する。
【0207】
9.ICタグICTのデータの読み込み(ステップS409)
前記ステップS311と同様なので説明を省略する。
【0208】
10.データの正誤判断(ステップS410)
ステップS401で受信し、記憶させたICタグに書き込む情報、即ちステップS406で書き込んだICタグに書き込む情報を読み出して、読み出した情報とステップS410で読み込んだ情報を比較して一致すれば(Yes)正しいと判断しステップS412に進み、一致しないと(No)誤りと判断して次ステップに進む。
【0209】
11.異常警報の発令(ステップS411)
前記ステップS313と同様なので説明を省略する。
【0210】
12.ジョブ完了判断(ステップS412)
ステップS401で記憶した1つのジョブのICタグに書き込む情報のうち、冊子制作部数情報(例えば10部)を読み出して、読み出した制作部数と制作した部数を比較して、部数が一致すれば(Yes)ジョブが完了したと判断しエンドに進み、部数が一致するまで(No)更に冊子を制作するためステップS402に進む。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】後処理装置を備えた画像形成システムの全体を示す図である。
【図2】塗布手段の全体を示す図である。
【図3】ICタグ接着装置の説明図である。
【図4】ICタグ裁置装置の説明図である。
【図5】後処理装置と、該後処理装置と画像形成装置とを有する画像形成システムのブロック図である。
【図6】ICタグの接着位置を設定する画面の1例の図である。
【図7】ICタグに書き込む情報を入力する画面の1例の図である。
【図8】画像形成システムの画像形成装置と後処理装置との関係を示すフローの説明図である。
【図9】ICタグ接着装置による後処理装置におけるICタグの添付に係るフローの説明図である。
【図10】ICタグ裁置装置による後処理装置におけるICタグの添付に係るフローの説明図である。
【符号の説明】
【0212】
50 集積部
51 中間スタッカ
60 塗布装置
63 平行移動手段
70 ICタグ接着装置
71 ICタグ供給手段
72 ICタグ接着手段
74 ライタ
75 リーダ
76 ICタグ裁置装置
80 表紙収納部
90 表紙支持部
501 集積板
711 剥離部材
721 押し当て部材
725 先端部
A 画像形成装置
AD 接着剤
B 後処理装置
C1 制御手段
C2制御手段
ICT ICタグ
S1 用紙
S2 表紙
SA背
SS 用紙束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束の背に接着剤を塗布する塗布手段と、前記用紙束の背に表紙を接着する表紙接着手段と、を有する後処理装置において、
前記塗布手段により接着剤が塗布された用紙束の背にICタグを接着する接着手段と、
前記塗布手段、前記表紙接着手段、及び前記接着手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、接着剤が塗布された用紙束の背に前記接着手段によりICタグを接着させた後、前記表紙接着手段により用紙束の背に表紙を接着させることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
ICタグに書き込む情報を受信する通信手段と、該通信手段により受信した情報をICタグに書き込むライターと、ICタグに書き込まれた情報を読み込むリーダーと、を有し、
前記制御手段は、前記通信手段により受信した情報と前記リーダーにより読み込まれた情報とが異なる時、書き込まれた情報が異常である異常出力を行うことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
用紙束の厚さを取得する厚さ取得手段と、ICタグの最大外形寸法を取得する外形寸法取得手段と、を有し、
前記制御手段は、前記外形寸法取得手段が取得したICタグの最大外形寸法より、前記厚さ取得手段が取得した用紙束の厚さが小さい時、ICタグの寸法が大きすぎる異常出力を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の後処理装置。
【請求項4】
ICタグに書き込む情報は、1つのジョブの印刷・製本に関する印刷・製本管理情報、及び1つのジョブに関する冊子の検索情報、又は、そのいずれかを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記印刷・製本管理情報は、後処理を行う後処理装置の固有情報、用紙サイズ情報、用紙の種類情報、冊子の用紙枚数情報、冊子制作部数情報、印刷モード情報、後処理種類情報、後処理実施日時情報、ICタグの接着位置情報、使用ICタグの最大外形寸法情報、及び後処理装置から排出した順序情報、のうち、少なくとも1つの情報が含まれることを特徴とする請求項4に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記冊子の検索情報は、冊子の著者名情報、及び冊子の分類情報、又はそのいずれかの情報が含まれることを特徴とする請求項4に記載の後処理装置。
【請求項7】
用紙束の背に接着剤を塗布する塗布手段と、用紙束の背と表紙とを接着する表紙接着手段と、を有する後処理装置において、
表紙の前記背が接着される部分にICタグを裁置する裁置手段と、
前記塗布手段、前記表紙接着手段、及び前記裁置手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記裁置手段により表紙にICタグを裁置させ、且つ前記塗布手段により接着剤を用紙束の背に塗布させた後、前記表紙接着手段により表紙に用紙束の背を接着させることを特徴とする後処理装置。
【請求項8】
ICタグに書き込む情報を受信する通信手段と、該通信手段により受信した情報をICタグに書き込むライターと、ICタグに書き込まれた情報を読み込むリーダーと、を有し、
前記制御手段は、前記通信手段により受信した情報と前記リーダーにより読み込まれたデータとが異なる時、書き込まれた情報が異常である異常出力を行うことを特徴とする請求項7に記載の後処理装置。
【請求項9】
用紙束の厚さを取得する厚さ取得手段と、ICタグの最大外形寸法を取得する外形寸法取得手段と、を有し、
前記制御手段は、前記外形寸法取得手段が取得したICタグの最大外形寸法より、前記厚さ取得手段が取得した用紙束の厚さが小さい時、ICタグの寸法が大きすぎる異常出力を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の後処理装置。
【請求項10】
ICタグに書き込む情報は、1つのジョブの印刷・製本に関する印刷・製本管理情報、及び1つのジョブに関する冊子の検索情報、又は、そのいずれかを有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項11】
前記印刷・製本管理情報は、後処理を行う後処理装置の固有情報、用紙サイズ情報、用紙の種類情報、冊子の用紙枚数情報、冊子制作部数情報、印刷モード情報、後処理種類情報、後処理実施日時情報、ICタグの接着位置情報、使用ICタグの最大外形寸法情報、及び後処理装置から排出した順序情報、のうち、少なくとも1つの情報が含まれることを特徴とする請求項10に記載の後処理装置。
【請求項12】
前記冊子の検索情報は、冊子の著者名情報、及び冊子の分類情報、又はそのいずれかの情報が含まれることを特徴とする請求項10に記載の後処理装置。
【請求項13】
接着剤はホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項14】
用紙に画像を記録する画像形成装置と、該画像形成装置で画像が記録された用紙を後処理する請求項1〜13のいずれか1項に記載の後処理装置とを有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項15】
前記画像形成装置は前記後処理装置と情報の授受を行う通信手段と、ICタグに書き込む情報を前記後処理装置に送信させる制御手段と、を有し、
該制御手段は、ICタグに書き込む情報を前記後処理装置に送信させ、前記後処理装置から異常情報を受信した時は画像形成を停止し異常警報を発することを特徴とする請求項14に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−18440(P2009−18440A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180735(P2007−180735)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】