説明

後部座席用シートベルトタングの保持構造

【課題】車両前方に傾動可能な後部座席用のシートベルトタングの保持構造において、シートベルト非使用時に、ウェビングを巻取状態で固定すること、及び巻取状態で両タングを安定に固定することを課題とする。
【解決手段】ウェビング11には、先端部に固着された先端タング12と摺動可能な中間タング13とが備えられている。また、シートバック3bの後方のリアパッケージトレー4には、リトラクタ16からウェビング11を取り出すための取出口4aと、シートベルト非使用時にリトラクタ16によりウェビング11が巻き取られた状態で、差込部12aを下向きにして先端タング12を収納する第1タング収納部17と、この第1タング収納部17の車両前方に並設されて、差込部13aを下向きにして中間タング13を収納する第2タング収納部17とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の後部座席用に備えられた三点式シートベルト装置のシートベルトタングの保持構造に関し、自動車のシートベルト装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の座席に着座した乗員を拘束するシートベルト装置として、シートバックの一側方の後方に配置されたリトラクタから引き出されたウェビングの先端部を同側方の車体側に固着すると共に、このウェビングに摺動可能に備えられたタングを他側方の車体側に備えられたバックルに係合させる三点式のものがある。これにより、1本のウェビングが、斜めに延びて乗員の上体部を拘束する部分と横に延びて腰腹部を拘束する部分とを構成することになる。
【0003】
一方、後部中央座席に適用可能な三点式シートベルト装置としては、例えば特許文献1に開示のものがある。このシートベルト装置では、1本のウェビングに2つのタングが備えられ、シートバックの一側方の後方に配置されたリトラクタから引き出されたウェビングの先端部に備えられた先端タングを同側方のバックルに係合させると共に、ウェビングに摺動可能に備えられた中間タングを他側方のバックルに係合させるように構成されている。そして、シートバック非使用時には、リトラクタによりウェビングを巻き取った状態で、後部中央座席を前傾可能とすることができるようになっている。
【0004】
なお、シートベルト非使用時のタングの取り扱いについては、例えば特許文献2には、二点式シートベルト装置において、ウェビングの先端部に備えられたタングを、シートバック上端部に備えられた袋状のタング収納部に収納する構造が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−132112号公報
【特許文献2】実開昭62−112956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記特許文献1に記載の構成では、シートベルト非使用時には、先端タングや中間タングを備えたウェビングが、リトラクタ近傍に設けられたウェビングの取出口から両タングを連れて垂れ下がった状態で巻き取られる。したがって、先端タングや中間タングが走行中に揺れ、取出口が設けられた部材に当接し、その結果、異音が発生するおそれがある。また、シートバックを前傾状態から起立状態にすると、取出口から露出するウェビング部分がシートバックと取出口が設けられた部材とに挟み込まれ、ウェビングに折り目がついて見栄えが損なわれたり、先端タングや中間タングがシートバックに隠れて次回のウェビングの引き出しができなくなったりするおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、車両前方に傾動可能な後部座席用のシートベルトタングの保持構造において、シートベルト非使用時に、ウェビングを巻取状態で固定すること、及び巻取状態で両タングを安定に固定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
【0009】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、自動車の車両前方に傾動可能な後部座席に備えられた三点式シートベルト装置のシートベルトタングの保持構造であって、前記シートベルト装置は、乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを巻き取るリトラクタと、シートベルト使用時に該ウェビングを固定するための座席両側に配設されたバックルとを有し、前記ウェビングには、前記各バックルにそれぞれ係合する該ウェビングの先端部に固着された先端タングと、該ウェビングに対して摺動可能な中間タングとが備えられていると共に、前記後部座席の後方に備えられたリアパッケージトレーには、該トレー下方に備えられた前記リトラクタから前記ウェビングを取り出すための取出口と、シートベルト非使用時に該リトラクタにより前記ウェビングが巻き取られた状態で、前記両タングのうちの少なくとも一方を収納するタング収納部とが設けられていることを特徴とする。
【0010】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タング収納部は、前記両タングのうちの一方を収納するように構成されていると共に、該タング収納部に収納される方のタングまたは該タングの近傍のウェビングには、他方のタングを保持するための保持手段が備えられていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タング収納部は、前記両タングのうちの一方を収納するように構成されていると共に、前記リアパッケージトレーの上面には、他方のタングを設置するタング設置部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タング収納部は、バックルへの差込側端部を下向きにしてタングを収納するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タング収納部は、前記中間タングのみを収納可能であり、該中間タングを、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて収納するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タング収納部は、バックルへの差込側端部を下向きにして先端タングを収納する第1のタング収納部と、該第1のタング収納部の車両前方に並設されて、バックルへの差込側端部を下向きにして中間タングを収納する第2のタング収納部とで構成されており、これらのタング収納部は、第1のタング収納部に収納された先端タングの上端部が、第2のタング収納部に収納された中間タングの上端部より上方へ突出するように設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タング収納部は、前記リアパッケージトレーの上面に設けられて、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて先端タングを収納する第1のタング収納部と、該第1のタング収納部の車両前方に並設されて、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて中間タングを収納する第2のタング収納部とで構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タング収納部は、バックルへの差込側端部を下向きにして先端タングを収納する第1のタング収納部と、前記取出口を挟んで該第1のタング収納部の車両後方に並設されて、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて中間タングを収納する第2のタング収納部とで構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、前記請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記取出口とタング収納部とは、前記後部座席に備えられたヘッドレストの略後方に設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、前記請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記タングは、バックルに差し込まれる差込部と、該差込部に固定された把持部とを有し、前記タング収納部は、前記差込部が収納されるように構成されていることを特徴とする。
【0019】
そして、請求項11に記載の発明は、前記請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、前記両タングの差込側端部の形状または大きさを互いに相違させており、前記両タング収納部は、前記各差込側端部に対応した形状または大きさとなるようにそれぞれ構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
まず、請求項1に記載の発明によれば、リトラクタとウェビングと一対のタングと一対のバックルとが備えられたことにより、後部座席に着座した乗員を拘束する三点式シートベルト装置が構成される。
【0021】
そして、後部座席の後方のリアパッケージトレーに、先端タングと中間タングのうちの少なくとも一方を収納するタング収納部が設けられているので、リトラクタによりウェビングが巻き取られた状態で、タングをタング収納部に収納することにより、シートベルト非使用時の取出口からのウェビングの垂れ下がりが防止される。その結果、タングが揺れなくなるので、異音の発生が防止される。さらに、後部座席とリアパッケージトレーとによるウェビングの挟み込みが防止され、ウェビングに折り目がついたり、タングが隠れたりすることがなくなる。
【0022】
次に、請求項2に記載の発明によれば、タング収納部に収納されなかった方のタングが、収納されたタングまたは近傍のウェビングに保持手段により保持されるので、新たにタング収納部を設けなくても済む。さらに、両タングのいずれもが揺れなくなるので、異音の発生が確実に防止される。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、タング収納部に収納されなかった方のタングが、リアパッケージトレーの上面に設けられたタング設置部に設置されるので、簡便な構造で、収納されなかった方のタングも安定して保持されるようになる。さらに、両タングのいずれもが揺れなくなるので、異音の発生が確実に防止される。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、バックルへの差込側端部を下向きにしてタングがタング収納部に収納されるので、振動等によりタングがタング収納部から不用意に脱落することはなく、収納されたタングは安定して保持される。
【0025】
また、請求項5に記載の発明によれば、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて中間タングがタング収納部に収納されるので、収納されていない先端タングを持ってウェビングを車両前方に引き出すことにより、中間タングもタング収納部から容易に取り出すことができる。さらに、先端タングを取り出して把持した状態で、先端タングをバックルに差し込むことができるので、操作性に優れる。
【0026】
また、請求項6に記載の発明によれば、先端タングと中間タングのいずれもがタング収納部に収納されるので、異音の発生が確実に防止される。その場合に、先端タング及び中間タングはバックルへの差込側端部を下向きにして収納されるため、タング収納部から不用意に脱落することはなく、かつ、車両後方の先端タングの上端部が車両前方の中間タングの上端部より高位置にあるので、車両前方側から先端タングを上方に取り出し易くなる。さらに、先端タングを取り出して把持した状態で、先端タングをバックルに差し込むことができると共に、先端タングを上方に取り出すのと同じ方向の操作で、中間タングを取り出すことができるので、操作性に優れる。
【0027】
また、請求項7に記載の発明によれば、先端タングと中間タングのいずれもがタング収納部に収納されるので、異音の発生が確実に防止される。そして、各タング収納部は、各タングを略水平姿勢の載置状態で収納可能にリアパッケージトレーの上面に設けられているので、リアパッケージトレーにタングを収納するための深い差込穴を設けなくて済み、リアパッケージトレーの製作の複雑化が回避される。そして、タング収納部の高さを低く抑えることができるので、乗員は、後方視界を容易に確保可能となる。さらに、いずれのタングも差込側端部を車両後方に向けて収納されるので、ウェビングの配置が簡素化され、見栄えのよい収納状態が得られる。
【0028】
また、請求項8に記載の発明によれば、先端タングと中間タングのいずれもがタング収納部に収納されるので、異音の発生が確実に防止される。そして、先端タングはバックルへの差込側端部を下向きにして第1のタング収納部に収納されると共に、中間タングはバックルへの差込側端部を車両後方に向けて第2のタング収納部に収納されるので、取出口から車両後方の中間タングを経て車両前方の先端タングに固着されたウェビングが取出口を隠すことになり、見栄えがよくなる。さらに、車両前方の先端タングを持ってウェビングを引き出すことにより、車両後方の中間タングもタング収納部から容易に取り出すことができる。
【0029】
また、請求項9に記載の発明によれば、取出口及びタング収納部がヘッドレストの略後方に設けられて隠れるので、見栄えがよい。
【0030】
また、請求項10に記載の発明によれば、タング収納部はタングの差込部と把持部とのうちの差込部のみを収納するので、乗員はタングを視認し易い。さらに、把持部を把持することにより、タングをタング収納部から容易に取り出すことができる。
【0031】
そして、請求項11に記載の発明によれば、先端タングと中間タングのいずれもが収納される場合に、先端タングと中間タングの差込側端部の形状または大きさを互いに相違させると共に、各タング収納部は各タングに対応した形状または大きさとなるように構成されているので、収納間違いが未然に防止される。さらに、各タングは対応するタング収納部にそれぞれ正しく収納されるので、ウェビングはねじれることがなく、ねじれ皺や折り目がつかない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態に係る後部座席用シートベルトタングの保持構造について説明する。
【0033】
図1は、シートベルト装置1の構成を説明するための概略側面図であり、図2は、同じく概略正面図である。
【0034】
乗員Aを拘束するシートベルト装置1は、前部座席2の後方中央の後部座席3に備えられている。後部座席3は、シートクッション3aとシートバック3bとを備え、シートバック3bが前方に傾動可能とされている。また、後部座席3の車両後方に、リアパッケージトレー4が備えられている。
【0035】
シートベルト装置1は、乗員Aを拘束するウェビング11と、ウェビング11の先端部に固着された先端タング12と、ウェビング11に摺動可能に備えられた中間タング13と、後部座席3の両側に配設されて、前記各タング12,13と係合する第1及び第2バックル14,15と、リアパッケージトレー4の下方かつシートバック3bの一側方に備えられて、リアパッケージトレー4に設けられた取出口4aを通してウェビング11を巻き取るリトラクタ16と、リアパッケージトレー4に設けられて、タング12,13を収納するタング収納部17とを有している。
【0036】
これにより、シートバック3bの後方かつ一側方のリトラクタ16から取出口4aを通して引き出されたウェビング11の先端部に備えられた先端タング12を、同側方の第1バックル14に係合させると共に、ウェビング11に摺動可能に備えられた中間タング13を、他側方の第2バックル15に係合させることができる。すなわち、1本のウェビング11が、斜めに延びて乗員Aの上体部を拘束する部分11aと横に延びて腰腹部を拘束する部分11bとを構成するようになる。
【0037】
図3に、ウェビング11への先端タング12及び中間タング13の取付状態を示す。
【0038】
先端タング12は、第1バックル14に差し込まれて係合する穴12a′が設けられた差込部12aと、差込部12aに固定されて乗員Aが操作する把持部12bとをそれぞれ有している。一方、中間タング13も同様に、第2バックル15に差し込まれて係合する穴13a′が設けられた差込部13aと、差込部13aに固定されて乗員Aが操作する把持部13bとをそれぞれ有している。また、各タング12,13の把持部12b,13bには、ウェビング11が挿通されるスリット12b′,13b′が設けられている。その場合、先端タング12は、ウェビング11の先端部がスリット12b′を挿通後に折り返されて補強された固定部11cを介し、ウェビング11の先端部に固着されている。一方、中間タング13は、スリット13b′にウェビング11が挿通されるのみであり、中間タング13はウェビング11に摺動可能とされている。
【0039】
なお、両タング12,13の差込部12a,13aは、同じ形状で、縦横の寸法がそれぞれX1,Y1とされており、また、係合穴12a′,13a′も、同じ形状とされている。また、差込部12a,13aは鉄鋼のような金属製であり、把持部12b,13bは合成樹脂製である。
【0040】
図4及び図5に、タング収納部17の一例として、タング収納ケース20を示す。
【0041】
タング収納ケース20は合成樹脂製で、リアパッケージトレー4の車両前方に臨んで開口する開口部に備えられている。タング収納ケース20は、主要な構成要素として、本体21と、差し込まれた先端タング12の差込部12aの面を受ける受け面22と、受け面22に形成されて、弾性により差込部12aの係合穴12a′に係合する爪部23と、差込部12aの左右端面を案内する一対の案内部24,24とを有している。その場合に、一対の案内部24,24の間隔x1は、差込部12aの横寸法X1より少し大きく設定されている。なお、中間タング13を収納する場合にも、同様のタング収納ケース20が適用されるので、説明を省略する。
【0042】
まず、図6に示す第1の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項1に対応するものであり、また、各構成要素の基本的な構成は、図1〜図5に示した通りである。
【0043】
後部座席3に備えられたシートバック3bの車両後方のリアパッケージトレー4の前面下部には、リトラクタ16により巻き取られたウェビング11を取り出すための取出口4aが設けられている。また、リアパッケージトレー4における取出口4aより車両後方上部には、タング収納部17としてのタング収納ケース20が横向きに備えられている。
【0044】
そして、ウェビング11が巻き取られると、先端タング12は、差込部12aがタング収納ケース20に差し込まれると共に把持部12bがリアパッケージトレー4から前方に突出した状態で収納される。一方、タング収納ケース20に収納されない方の中間タング13は、差込部13aを車両後方、把持部13bを車両前方に向けて、前下がり状態とされる。
【0045】
以上のように構成したことにより、後部座席3の後方のリアパッケージトレー4に、先端タング12を収納するタング収納部17が設けられているので、リトラクタ16によりウェビング11が巻き取られた状態で、先端タング12をタング収納部17に収納することにより、シートベルト非使用時の取出口4aからのウェビング11の垂れ下がりが防止される。その結果、タングが揺れなくなるので、異音の発生が防止される。さらに、後部座席3とリアパッケージトレー4とによるウェビング11の挟み込みが防止され、ウェビング11に折り目がついたり、先端タング12や中間タング13が隠れたりすることがなくなる。
【0046】
そして、タング収納部17は、先端タング12の差込部12aと把持部12bとのうちの差込部12aのみを収納するので、乗員Aは先端タング12を視認し易い。さらに、把持部12bを把持することにより、先端タング12をタング収納部17から容易に取り出すことができる。なお、この効果は、後述する第2〜第7の実施の形態においても得られるものである。
【0047】
次に、図7及び図8に示す第2の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項2に対応するものである。また、この第2の実施の形態や後述する実施の形態を含め、前記第1の実施の形態における構成要素と同様または類似するものについては、説明の複雑化を回避するため同じ符号を付すことにし、さらに、共通する構成部分については、説明を省略する。
【0048】
後部座席3に備えられたシートバック3bの車両後方のリアパッケージトレー4の前面下部には、リトラクタ16により巻き取られたウェビング11を取り出すための取出口4aが設けられている。また、リアパッケージトレー4における取出口4aより車両後方上部には、タング収納部17としてのタング収納ケース20が横向きに備えられている。さらに、図7に示す構成の場合には、先端タング12の近傍のウェビング11つまり固定部11cに、保持手段としての磁石11dが取り付けられており、図8に示す構成の場合には、先端タング12の把持部12bに、保持手段としての比較的口径の大きい係合穴12cが設けられている。
【0049】
そして、図7に示す構成では、ウェビング11が巻き取られると、先端タング12は、差込部12aがタング収納ケース20に差し込まれると共に把持部12bがリアパッケージトレー4から前方に突出した状態で収納される。一方、タング収納ケース20に収納されない方の中間タング13は、差込部13aを車両後方、把持部13bを車両前方に向けて、前下がり状態とされると共に、差込部13aが、前記磁石11dにより先端タング12の近傍の固定部11cに吸着保持される。
【0050】
また、図8に示す構成では、ウェビング11が巻き取られると、先端タング12は、差込部12aがタング収納ケース20に差し込まれると共に把持部12bがリアパッケージトレー4から前方に突出した状態で収納される。一方、タング収納ケース20に収納されない方の中間タング13は、差込部13aが前記係合穴12cに下方から挿入されると共に把持部13bを車両前方に向けて、前下がり状態で先端タング12に保持される。
【0051】
なお、前記磁石11dや係合穴12cに代わる保持手段として、例えば、ウェビング11の固定部11cと中間タング13との間に、スナップを設けてもよい。
【0052】
また、この実施の形態では、先端タング12がタング収納ケース20に収納され、中間タング13が収納されない構成であったが、中間タング13がタング収納ケース20に収納され、先端タング12が収納されない構成の場合にも略同様に可能であるので、説明を省略する。
【0053】
以上のように構成したことにより、タング収納部17に収納されなかった方の中間タング13が、収納された先端タング12または近傍のウェビング11に保持手段である係合穴12cまたは磁石11cにより保持されるので、新たにタング収納部を設けなくても済む。さらに、両タング12,13のいずれもが揺れなくなるので、異音の発生が確実に防止される。
【0054】
次に、図9に示す第3の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項3に対応するものである。
【0055】
後部座席3に備えられたシートバック3bの車両後方のリアパッケージトレー4の上部には、リトラクタ16により巻き取られたウェビング11を取り出すための取出口4aが設けられている。また、リアパッケージトレー4における取出口4aより車両前方下部には、タング収納部17としてのタング収納ケース20が下向きに備えられている。さらに、リアパッケージトレー4におけるタング収納部17より車両前方の略平坦な上面には、このリアパッケージトレー4から上方に突出する係合突起4bを有するタング設置部18が設けられている。
【0056】
そして、ウェビング11が巻き取られると、先端タング12は、差込部12aがタング収納ケース20に下向きに差し込まれると共に把持部12bがリアパッケージトレー4から上方に突出して収納される。一方、タング収納ケース20に収納されない方の中間タング13は、差込部13aを車両前方、把持部13bを車両後方に向けて、かつ、差込部13aの係合穴13a′に前記係合突起4bが嵌入されて、タング設置部18に略水平状態で設置される。
【0057】
なお、中間タング13のリアパッケージトレー4の上面からの脱落が懸念されない場合には、前記係合突起4bを省略してもよい。また、図9において仮想線で示すように、リアパッケージトレー4の車両前方の端部を上方に膨出させて、中間タング13の脱落を防止するストッパ4cとしてもよい。また、前記係合突起4bを設ける代わりに、リアパッケージトレー4の平坦な上面を凹陥し、こうしてなる凹部に中間タング13を設置してもよい。
【0058】
そして、この実施の形態では、先端タング12がタング収納部17に収納され、中間タング13がタング設置部18に設置される構成であったが、中間タング13がタング収納ケース20に収納され、先端タング12がタング設置部18に設置される構成の場合にも略同様に可能であるので、説明を省略する。
【0059】
以上のように構成したことにより、タング収納部17に収納されなかった方の中間タング13が、リアパッケージトレー4の上面に設けられたタング設置部18に設置されるので、簡便な構造で、収納されなかった方の中間タング13も安定して保持されるようになる。さらに、先端タング12及び中間タング13のいずれもが揺れなくなるので、異音の発生が確実に防止される。
【0060】
次に、図10に示す第4の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項5に対応するものである。
【0061】
後部座席3に備えられたシートバック3bの車両後方のリアパッケージトレー4の前面下部には、リトラクタ16により巻き取られたウェビング11を取り出すための取出口4aが設けられている。また、リアパッケージトレー4における取出口4aより車両後方上部には、タング収納部17としてのタング収納ケース20が横向きに備えられている。
【0062】
そして、ウェビング11が巻き取られると、中間タング13は、差込部13aがタング収納ケース20に差し込まれると共に把持部13bがリアパッケージトレー4から前方に突出した状態で収納される。一方、タング収納ケース20に収納されない方の先端タング12は、差込部12aを車両前方、把持部12bを車両後方に向けて、前下がり状態とされる。
【0063】
以上のように構成したことにより、第2バックル15への差込側端部である差込部13aを車両後方に向けて中間タング13がタング収納部17に収納されるので、収納されていない先端タング12を持ってウェビング11を車両前方に引き出すことにより、中間タング13もタング収納部17から容易に取り出すことができる。さらに、先端タング12を取り出して把持した状態で、先端タング12を第1バックル14に差し込むことができるので、操作性に優れる。
【0064】
次に、図11に示す第5の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項6に対応するものである。
【0065】
後部座席3に備えられたシートバック3bの車両後方のリアパッケージトレー4の上部には、リトラクタ16により巻き取られたウェビング11を取り出すための取出口4aが設けられている。また、リアパッケージトレー4における取出口4aより車両前方下部には、第1タング収納部17としての第1タング収納ケース20が下向きに備えられている。さらに、リアパッケージトレー4における第1タング収納部17より車両前方には、第2タング収納部17としての第2タング収納ケース20が下向きに並設されている。
【0066】
そして、ウェビング11が巻き取られると、先端タング12は、差込部12aが第1タング収納ケース20に下向きに差し込まれると共に把持部12bがリアパッケージトレー4から上方に突出して収納される。一方、中間タング13も同様に、差込部13aが第2タング収納ケース20に下向きに差し込まれると共に把持部13bがリアパッケージトレー4から上方に突出して収納される。その場合に、第1及び第2タング収納ケース20,20は、第1タング収納ケース20に収納された先端タング12の上端部が、第2タング収納ケース20に収納された中間タング13の上端部より適宜の高さGだけ上方へ突出するように設けられている。
【0067】
以上のように構成したことにより、先端タング12と中間タング13のいずれもが第1及び第2タング収納部17,17に収納されるので、異音の発生が確実に防止される。その場合に、先端タング12及び中間タング13は第1及び第2バックル14,15への差込側端部である差込部12a,13aを下向きにして収納され、かつ、車両後方の先端タング12の上端部が車両前方の中間タング13の上端部より高位置にあるので、車両前方側から先端タング12を上方に取り出し易くなる。さらに、先端タング12を取り出して把持した状態で、先端タング12を第1バックル14に差し込むことができると共に、先端タング12を上方に取り出すのと同じ方向の操作で、中間タング13を取り出すことができるので、操作性に優れる。
【0068】
そして、第1及び第2バックル14,15への差込側端部である差込部12a,13aを下向きにして先端タング12及び中間タング13が第1及び第2タング収納部17,17に収納されるので、振動等により先端タング12及び中間タング13が第1及び第2タング収納部17,17から不用意に脱落することはなく、収納された先端タング12及び中間タング13は安定して保持される。なお、この効果は、前記第3の実施の形態における先端タング12や、後述する第7の実施の形態における先端タング12についても得られるものである。
【0069】
次に、図12に示す第6の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項7に対応するものである。
【0070】
後部座席3に備えられたシートバック3bの車両後方のリアパッケージトレー4の前面下部には、リトラクタ16により巻き取られたウェビング11を取り出すための取出口4aが設けられている。また、リアパッケージトレー4における取出口4aより車両後方の略平坦な上面には、このリアパッケージトレー4から上方に突出する係合突起4b,4bを有する第1及び第2タング収納部17,17が並設されている。
【0071】
そして、ウェビング11が巻き取られると、先端タング12は、第1タング収納部17において、差込部12aを車両後方、把持部12bを車両前方に向けて、かつ、差込部12aの係合穴12a′に係合突起4bが嵌入されて、略水平状態で収納される。一方、中間タング13も同様に、第2タング収納部17において、差込部13aを車両後方、把持部13bを車両前方に向けて、かつ、差込部13aの係合穴13a′に係合突起4bが嵌入された状態で、略水平状態で収納される。
【0072】
なお、図3に示したように、先端タング12の係合穴12a′と中間タング13の係合穴13a′とは同じ形状とされているので、前記2つの係合突起4b,4bも同じ形状とされている。
【0073】
以上のように構成したことにより、先端タング12と中間タング13のいずれもが第1及び第2タング収納部17,17に収納されるので、異音の発生が確実に防止される。そして、第1及び第2タング収納部17,17は、先端タング12と中間タング13とを略水平姿勢の載置状態で収納可能にリアパッケージトレー4の上面に設けられているので、リアパッケージトレー4に先端タング12及び中間タング13を収納するための深い差込穴を設けなくて済み、リアパッケージトレー4の製作の複雑化が回避される。そして、タング収納部の高さを低く抑えることができるので、乗員Aは、後方視界を容易に確保可能となる。さらに、いずれのタング12、13も差込部12a,13aを車両後方に向けて収納されるので、ウェビング11の配置が簡素化され、見栄えのよい収納状態が得られる。
【0074】
次に、図13に示す第7の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項8に対応するものである。
【0075】
後部座席3に備えられたシートバック3bの車両後方のリアパッケージトレー4には、リトラクタ16により巻き取られたウェビング11を取り出すための取出口4aが設けられている。また、リアパッケージトレー4における取出口4aを挟んで車両前方には、第1タング収納部17としての第1タング収納ケース20が下向きに、車両後方には、第2タング収納部17としての第2タング収納ケース20が横向きに備えられている。
【0076】
そして、ウェビング11が巻き取られると、先端タング12は、差込部12aが第1タング収納ケース20に下向きに差し込まれると共に把持部12bがリアパッケージトレー4から上方に突出して収納される。一方、中間タング13は、差込部13aが第2タング収納ケース20に横向きに差し込まれると共に把持部13bがリアパッケージトレー4から前方に突出して収納される。
【0077】
以上のように構成したことにより、先端タング12と中間タング13のいずれもが第1及び第2タング収納部17,17に収納されるので、異音の発生が確実に防止される。そして、先端タング12は第1バックル14への差込側端部である差込部12aを下向きにして第1タング収納部17に収納されると共に、中間タング13は第2バックル15への差込側端部である差込部13aを車両後方に向けて第2タング収納部17に収納されるので、取出口4aから車両後方の中間タング13を経て車両前方の先端タング12に固着されたウェビング11が取出口4aを隠すことになり、見栄えがよくなる。さらに、車両前方の先端タング12を持ってウェビング11を引き出すことにより、車両後方の中間タング13も第2タング収納部17から容易に取り出すことができる。
【0078】
次に、図14及び図15に示す第8の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項9に対応するものである。
【0079】
後部座席3のシートバック3bの上端部にヘッドレスト3cが備えられており、取出口4aやタング収納部17は、このレッドレスト3cの略後方のリアパッケージトレー4に設けられている。なお、図15に示すように、ヘッドレスト4cの後部の一部を仮想線で示すように切り欠くことにより、タング収納部17から先端タング12や中間タング13を取り出すのが容易となる。
【0080】
以上のように構成したことにより、取出口4a及びタング収納部17がヘッドレスト3cの略後方に設けられて隠れるので、見栄えがよい。
【0081】
そして、図16〜図18に示す第9の実施の形態に係る保持構造について説明する。なお、この保持構造は、特許請求の範囲に記載の請求項11に対応するものである。
【0082】
すなわち、図16に示すように、ウェビング11に備えられた先端タング12の差込部12aは、中間タング13の差込部13aと形状の点で相違している。具体的には、先端タング12の差込部12aの横寸法及び縦寸法は、前記第1の実施の形態で説明したと同じX1,Y1であるのに対し、中間タング13の差込部13aの横寸法は、前記X1より小さいX2、縦寸法は、前記Y1より大きいY2とされている。また、先端タング12の係合穴12a′の縦寸法は、Z1であるのに対し、中間タング13の係合穴13a′の縦寸法は、前記Z1より大きいZ2とされている。
【0083】
そして、図17に示すように、前記中間タング13に対応する第2タング収納部17が第2タング収納ケース20で構成されている場合には、前述した形状の差込部13aを収納可能に、一対の案内部24,24の間隔は、差込部13aの横寸法X2より少し大きいx2に設定され、また、爪部23の形状は、係合穴13a′の形状に対応して設定されている。なお、前記先端タング12の差込部12aは、前記図3に示したものと同じ形状であるので、前記図4に示したタング収納ケース20が、第1タング収納部17を構成する第1タング収納ケース20として適用可能である。
【0084】
一方、図18に示すように、前記先端タング12及び中間タング13に対応する第1及び第2タング収納部17,17がリアパッケージトレー4の上面に設けられた構成とされている場合には、リアパッケージトレー4に設けられた係合突起4b,4bの縦寸法は、先端タング12及び中間タング13の差込部12a,13aに設けられた係合穴12a′,13a′の縦寸法Z1,Z2よりそれぞれ少し小さいz1,z2に設定される。
【0085】
以上のように構成したことにより、先端タング12と中間タング13のいずれもが収納される場合に、先端タング12と中間タング13の差込側端部である差込部12a,13aの形状または大きさを互いに相違させると共に、第1及び第2タング収納部17,17は先端タング12と中間タング13に対応した形状または大きさとなるように構成されているので、収納間違いが未然に防止される。さらに、先端タング12と中間タング13とは対応する第1及び第2タング収納部17,17にそれぞれ正しく収納されるので、ウェビング11はねじれることがなく、ねじれ皺や折り目がつかない。
【0086】
なお、本発明は、特許請求の範囲に記載の趣旨を逸脱しない限り、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によれば、車両前方に傾動可能な後部座席用のシートベルトタングの保持構造において、シートベルト非使用時に、ウェビングを巻取状態で固定すること、及び巻取状態で両タングを安定に固定することができ、自動車のシートベルト装置の技術分野に広く利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係るシートベルト装置を説明するための概略側面図である。
【図2】同じく概略正面図である。
【図3】ウェビングへの先端タング及び中間タングの取付状態を示す正面図である。
【図4】タング収納部の一例としてのタング収納ケースの平面図である。
【図5】図4のI−I線による断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る保持構造を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る保持構造を示す側面図である。
【図8】同じく保持構造の変形例を示す側面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る保持構造を示す側面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る保持構造を示す側面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る保持構造を示す側面図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る保持構造を示す側面図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態に係る保持構造を示す側面図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態に係る保持構造について、ヘッドレストと取出口及びタング収納部との位置関係を示す正面図である。
【図15】図14のII方向からの矢視図である。
【図16】本発明の第9の実施の形態に係る保持構造について、先端タング及び中間タングを示す正面図である。
【図17】同じく中間タングに対応するタング収納部の一例としてのタング収納ケースの平面図である。
【図18】同じく先端タング及び中間タングに対応するタング収納部を示す側面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 シートベルト装置
3 後部座席
3c ヘッドレスト
4 リアパッケージトレー
4a 取出口
11 ウェビング
11d 磁石(保持手段)
12 先端タング
12a 差込部(差込側端部)
12b 把持部
12c 係合穴(保持手段)
13 中間タング
13a 差込部(差込側端部)
13b 把持部
14 第1バックル
15 第2バックル
16 リトラクタ
17 タング収納部
17 第1タング収納部
17 第2タング収納部
18 タング設置部
A 乗員

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車両前方に傾動可能な後部座席に備えられた三点式シートベルト装置のシートベルトタングの保持構造であって、
前記シートベルト装置は、乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを巻き取るリトラクタと、シートベルト使用時に該ウェビングを固定するための座席両側に配設されたバックルとを有し、
前記ウェビングには、前記各バックルにそれぞれ係合する該ウェビングの先端部に固着された先端タングと、該ウェビングに対して摺動可能な中間タングとが備えられていると共に、
前記後部座席の後方に備えられたリアパッケージトレーには、該トレー下方に備えられた前記リトラクタから前記ウェビングを取り出すための取出口と、シートベルト非使用時に該リトラクタにより前記ウェビングが巻き取られた状態で、前記両タングのうちの少なくとも一方を収納するタング収納部とが設けられていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項2】
前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タング収納部は、前記両タングのうちの一方を収納するように構成されていると共に、
該タング収納部に収納される方のタングまたは該タングの近傍のウェビングには、他方のタングを保持するための保持手段が備えられていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項3】
前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タング収納部は、前記両タングのうちの一方を収納するように構成されていると共に、
前記リアパッケージトレーの上面には、他方のタングを設置するタング設置部が設けられていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項4】
前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タング収納部は、バックルへの差込側端部を下向きにしてタングを収納するように構成されていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項5】
前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タング収納部は、前記中間タングのみを収納可能であり、該中間タングを、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて収納するように構成されていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項6】
前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タング収納部は、バックルへの差込側端部を下向きにして先端タングを収納する第1のタング収納部と、該第1のタング収納部の車両前方に並設されて、バックルへの差込側端部を下向きにして中間タングを収納する第2のタング収納部とで構成されており、
これらのタング収納部は、第1のタング収納部に収納された先端タングの上端部が、第2のタング収納部に収納された中間タングの上端部より上方へ突出するように設けられていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項7】
前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タング収納部は、前記リアパッケージトレーの上面に設けられて、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて先端タングを収納する第1のタング収納部と、該第1のタング収納部の車両前方に並設されて、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて中間タングを収納する第2のタング収納部とで構成されていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項8】
前記請求項1に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タング収納部は、バックルへの差込側端部を下向きにして先端タングを収納する第1のタング収納部と、前記取出口を挟んで該第1のタング収納部の車両後方に並設されて、バックルへの差込側端部を車両後方に向けて中間タングを収納する第2のタング収納部とで構成されていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項9】
前記請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記取出口とタング収納部とは、前記後部座席に備えられたヘッドレストの略後方に設けられていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項10】
前記請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記タングは、バックルに差し込まれる差込部と、該差込部に固定された把持部とを有し、
前記タング収納部は、前記差込部が収納されるように構成されていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。
【請求項11】
前記請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の後部座席用シートベルトタングの保持構造において、
前記両タングの差込側端部の形状または大きさを互いに相違させており、
前記両タング収納部は、前記各差込側端部に対応した形状または大きさとなるようにそれぞれ構成されていることを特徴とする後部座席用シートベルトタングの保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−196513(P2009−196513A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40930(P2008−40930)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】