説明

循環型インターロッキングブロック用骨材及び循環型インターロッキングブロックの製造方法並びに循環型インターロッキングブロック

【課題】 舗道の解体等により生じたアスファルト廃材やコンクリート廃材を原料として良質のインターロッキングブロックを製造することを可能とする方法並びにこの方法により得られる資源循環型のインターロッキングブロックを提供すること。
【解決手段】 アスファルト廃材及び/又はコンクリート廃材からなる原料を破砕した後、破砕物を粒径により分別し、分別により得られた所定の粒径を超える成分を再度破砕して原料表面のピッチ又はセメントからなる付着物を除去するとともに該除去された付着物を集塵機にて回収し、付着物が除去された原料を再び粒径により分別し、分別により得られた所定粒径以下の成分をインターロッキングブロックの材料骨材として回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗道の解体等により生じたアスファルト廃材及び/又はコンクリート廃材をインターロッキングブロックへと再生することができる資源循環型のインターロッキングブロック用骨材及び製品の製造方法並びにこの方法により得られるインターロッキングブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターロッキングブロックは、高振動加圧方式により製造された舗装用コンクリートブロックであり、1950年代に西ドイツで、それまでの自然石の舗装に代わる走行性の良い舗装材として開発された。
我が国では、1970年代前半に西ドイツから技術が導入され、主として歩道への施工を中心に普及がすすんできたが、インターロッキングブロックは、走行性、凍結融解性、すりへり抵抗性等に優れており、補修も容易であるという優れた特長を有していることから、現在では歩道のみならず、車道、ショッピングモール、広場などその適用範囲は大きく広がっている。
【0003】
一方、建築物や舗装道路の解体等によって生じる莫大な量のコンクリート廃材やアスファルト廃材の処理は従来より大きな社会問題となっており、この問題を解決するためにコンクリート廃材やアスファルト廃材の再利用方法が数多く提案されている。
これら廃材を再利用する方法として、現場から搬入された廃材を破砕し、破砕された廃材を粒度別に分別することによって所定粒度の再生骨材を製造する方法が知られている。
しかしながら、従来の方法により製造された再生骨材には、表面にセメントやピッチ被膜が多く付着しているため、その使用用途が限られるという問題があった。
特に、アスファルト廃材から得られた再生骨材は、表面にピッチ被膜が残存していることから、コンクリート用骨材としての再利用は非常に困難であり、従って、インターロッキングブロックの材料として使用することはできないと考えられていた。
【0004】
従来より廃棄物を利用するインターロッキングブロックの製造方法は幾つか提案されているが(例えば、特許文献1,2等参照)、これらの方法において用いられる廃棄物は、産廃汚泥や陶磁器片などであり、インターロッキングブロックの製造方法において、アスファルト廃材やコンクリート廃材を原料として利用することが可能な方法は提案されていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2000−129610号公報
【特許文献2】特開2001−73309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、舗道の解体等により生じたアスファルト廃材やコンクリート廃材を原料として良質のインターロッキングブロックを製造することを可能とする方法並びにこの方法により得られる資源循環型のインターロッキングブロックを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、アスファルト廃材及び/又はコンクリート廃材からなる原料を破砕した後、破砕物を粒径により分別し、分別により得られた所定の粒径を超える成分を再度破砕して原料表面のピッチ又はセメントからなる付着物を除去するとともに該除去された付着物を集塵機にて回収し、付着物が除去された原料を再び粒径により分別し、分別により得られた所定粒径以下の成分をインターロッキングブロックの材料骨材として回収することを特徴とする循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法に関する。
請求項2に係る発明は、前記分別により得られた所定粒径以下の成分から、粒径2.5mm以下の成分を分別により除去し、残りの成分をインターロッキングブロックの材料骨材として回収することを特徴とする請求項1記載の循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法に関する。
請求項3に係る発明は、前記原料として、アスファルト舗道の廃材を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法に関する。
請求項4に係る発明は、前記原料として、インターロッキングブロックの廃材を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法に関する。
【0008】
請求項5に係る発明は、請求項1記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を、セメント、水、混和材と共に混練し、得られた混練物を型枠に入れて機械的圧力と振動を所定時間作用させて締め固め、一定期間養生した後に脱型することを特徴とする循環型インターロッキングブロックの製造方法に関する。
請求項6に係る発明は、請求項2記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を、セメント、水、混和材と共に混練し、得られた混練物を型枠に入れて機械的圧力と振動を所定時間作用させて締め固め、一定期間養生した後に脱型することを特徴とする循環型インターロッキングブロックの製造方法に関する。
【0009】
請求項7に係る発明は、請求項1記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を原料として製造されてなることを特徴とする循環型インターロッキングブロックに関する。
請求項8に係る発明は、請求項2記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を原料として製造されてなることを特徴とする循環型インターロッキングブロックに関する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、アスファルト廃材やコンクリート廃材の表面に付着したピッチ被膜やセメントが除去されるとともに、これら除去された付着物が集塵機により回収されるので、最終的に回収された骨材は表面にピッチやセメントが殆ど残存していない良質の骨材となり、インターロッキングブロックの材料骨材として問題なく使用することができる再生骨材が得られる。
請求項2に係る発明によれば、粒径2.5mm以下の成分が除去されているので、透水性のインターロッキングブロック用の材料骨材としての使用が可能な良質な再生骨材を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、アスファルト舗道から発生した廃材を再び舗道材料として再生利用することが可能となり、資源の完全循環リサイクルを達成することができる。
請求項4に係る発明によれば、インターロッキングブロックからなる舗道の廃材を再びインターロッキングブロックとして再生利用することが可能となり、資源の完全循環リサイクルを達成することができる。
【0011】
請求項5に係る発明によれば、アスファルト廃材やコンクリート廃材から得られた、表面にピッチやセメントが殆ど残存していない再生骨材を原料としたインターロッキングブロックの製造方法であるから、廃棄物を有効に再利用した資源循環型のインターロッキングブロックを製造することが可能となる。
請求項6に係る発明によれば、粒径2.5mm以下の成分が除去された再生骨材を原料としたインターロッキングブロックの製造方法となるから、廃棄物を有効に再利用した資源循環型の透水性インターロッキングブロックを製造することが可能となる。
【0012】
請求項7に係る発明は、アスファルト廃材やコンクリート廃材から得られた、表面にピッチやセメントが殆ど残存していない再生骨材を原料として製造されるインターロッキングブロックであるから、廃棄物を有効に再利用した資源循環型のインターロッキングブロックとなる。
請求項8に係る発明は、粒径2.5mm以下の成分が除去された再生骨材を原料として製造されるインターロッキングブロックであるから、廃棄物を有効に再利用した資源循環型の透水性インターロッキングブロックとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る循環型インターロッキングブロック用骨材及び循環型インターロッキングブロックの製造方法並びに循環型インターロッキングブロックの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法の一例を示すフローシートである。
アスファルト廃材及び/又はコンクリート廃材からなる原料は、先ずホッパー(11)に投入され、ホッパー(11)の下端放出口から切出し設備(12)へと供給される。
本発明において原料として用いられる廃材としては、例えば、建築物の解体等によって発生するコンクリート廃材や、舗装道路の改修等によって発生するアスファルト廃材などが挙げられる。
特に、アスファルト廃材として、アスファルト舗道から発生する廃材を利用した場合、舗道から発生した廃材を再び舗道材料として再生利用することができるようになるため、資源の完全循環リサイクルという観点から非常に好ましい。
また、コンクリート廃材として、インターロッキング舗道から発生するコンクリート廃材を利用した場合も、舗道から発生した廃材を再び舗道材料として再生利用することが可能となるため、資源の完全循環リサイクルという観点から非常に好ましい。
【0014】
切出し設備(12)としては、レシプロフィーダーが好適に使用されホッパー(11)から吐出される原料を所定量ずつ連続的に切り出しする。
切出し設備(12)から切り出された原料は、破砕選別設備(13)に送られて所定粒径を超える成分と所定粒径以下の成分とに破砕分別される。図示例では、好適な例として50mmを超える成分と50mm以下の成分とに破砕選別した例を示しているが、この工程で選別基準となる所定粒径値はこれに限定されるものではない。
破砕選別設備(13)としてはグリズリーフィーダーが使用され、原料中に土分が含まれていた場合、この工程において除去される。
【0015】
破砕選別設備(13)において選別された所定粒径(例えば50mm)を超える原料は、1次破砕設備(14)へと送られて更に細かく破砕される。
1次破砕設備(14)としては、例えばジョークラッシャーが用いられるが、インペラブレーカー(商品名)も好適に使用できる。
1次破砕設備(14)において破砕された原料は、ベルトコンベアからなる搬送設備(21)により第一ふるい分け設備(15)へと送られる。
搬送設備(21)上部には磁力選別装置(22)が設けられて鉄クズ(23)の除去が行われる。
【0016】
第一ふるい分け設備(15)では、1次破砕設備(14)において破砕された原料が30mmを超える成分と30mm以下の成分とに分別され、30mmを超える成分は、搬送設備(27)により2次破砕設備(16)へと送られて更に細かく破砕される。
2次破砕設備(16)としては、インペラブレーカー(商品名)が好適に使用される。
2次破砕設備(16)により破砕された原料は、搬送設備(17)、(21)を介して再び第一ふるい分け設備(15)へと供給され、30mmを超える成分と30mm以下の成分とに分別され、30mmを超えるものについては再度搬送設備(27)を介して2次破砕設備(16)へと送られる。
つまり、第一ふるい分け設備(15)で分別された30mmを超える破砕物は、30mm以下の大きさになるまで、この工程が繰り返される。
【0017】
第一ふるい分け設備(15)によりふるい分けされた30mm以下の成分は、定量切替装置(24)により、搬送設備(25)に送られるものと搬送設備(29)に送られるものとに分けられる。
【0018】
搬送設備(29)に送られた破砕物は、そのまま0〜30mmの再生クラッシャラン(RC−30)として回収される。
一方、搬送設備(25)に送られた破砕物は、第二ふるい分け設備(18)に供給され、8mm以下の成分と8mm〜30mmの成分とに分別される。そして、この第二ふるい分け設備(18)で分別された8mm以下の成分は再生骨材(RC−8)として回収される。
【0019】
尚、本発明においては、第二ふるい分け設備(18)のふるい目を調整して、分別される粒径の境界値を変えることも可能である。例えば、6mm、10mm、13mmを境界値として分別することも可能である。この場合、第二ふるい分け設備(18)で分別された小径成分はそれぞれRC−6、RC−10、RC−13として回収される。
【0020】
図1において、第二ふるい分け設備(18)で分別された8〜30mmの成分は、搬送設備(30)により3次破砕設備(19)へと供給される。
3次破砕設備(19)は、8mmを超える破砕物を更に細かく破砕して8mm以下とするとともに、破砕物に被膜したセメント水和物、ピッチ等を除去するものである。
3次破砕設備(19)としては、スーパーサンダー(商品名)、スーパーラウンダー(商品名)、ニューディック(商品名)等の打撃衝突作用を利用して破砕を行う装置や、ドラムリクレーマー(商品名)等の破砕物同士を擦り合わせて表面を削る磨鉱作用を利用する装置が好適に用いられる。
尚、上記した境界値を6mm、10mm、13mmに設定した場合、3次破砕設備(19)で得られる破砕物は、それぞれ6mm以下、10mm以下、13mm以下となる。
【0021】
3次破砕設備(19)にはバグフィルター等からなる集塵設備(28)が接続され、3次破砕設備(19)により除去されたセメント水和物やピッチ被膜は、集塵設備(28)によりダストとして回収される。尚、集塵設備(28)として、エアーセパレーター等の分級機を使用してもよい。
このように、集塵設備(28)により3次破砕設備(19)により除去されたセメント水和物やピッチ被膜が回収されることによって、これらが最終的に回収される再生骨材に混入することが確実に防がれる。
【0022】
残りの原料は搬送設備(20)により再度第二ふるい分け設備(18)へと供給され、第二ふるい分け設備(18)で分別された8mm以下の成分は再生骨材(RC−8)として回収される。尚、上述したように、第二ふるい分け設備(18)のふるい目を調整して、この工程でRC−6、RC−10、RC−13を再生骨材として回収することもできる。
【0023】
一方、破砕選別設備(13)により選別された一定粒径以下(例えば50mm以下)の原料は、搬送設備(31)により第三ふるい分け設備(26)に供給され、第三ふるい分け設備(26)により30mmを超える成分と30mm以下の成分とに分別される。
尚、搬送設備(31)の上部には磁力選別装置(32)が設けられて鉄クズ(23)の除去が行われる。
【0024】
第三ふるい分け設備(26)において分別された30mmを超える成分は、搬送設備(27)を介して2次破砕設備(16)に送られて再度細かく破砕され、搬送設備(17)、(21)を介して第一ふるい設備(15)へと送られる。
第三ふるい分け設備(26)によりふるい分けされた30mm以下の原料は、そのまま0−30mmの再生クラッシャラン(RC−30)として回収される。
【0025】
上記工程により得られた再生骨材(RC−8、RC−6、RC−10、RC−13等)は、表面に付着したセメントやピッチが殆ど除去されているので、インターロッキングブロックを製造するための材料骨材として好適に用いることができる。
【0026】
図2は、本発明に係る循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法の他の例を示すフローシートである。
この例は、上述した製造方法により得られる再生骨材(RC−8、RC−6、RC−10、RC−13等)を、更にふるい設備(33)に供給し、このふるい設備(33)において粒径が2.5mm以下の成分を除去したもの(2.5〜8mm、2.5〜6mm、2.5〜10mm、2.5〜13mm等)を再生骨材として回収するものである。
このようにして得られた再生骨材は、2.5mm以下の小径成分を含んでいないため、骨材同士の空隙が大きくなり、透水性のインターロッキングブロック用の骨材として好適に利用することができる。しかも、2.5mm以下の小径成分には油分が多く含まれているため、これを除去して用いることで、得られるインターロッキングブロックの品質を高めることが可能となる。
尚、本発明においては、上記ふるい設備(33)において除去された粒径が2.5mm以下の成分を回収し、これをインターロッキングブロックの下に敷くサンドクッションとして使用することができる。
【0027】
図3は、上記した工程により得られた再生骨材(RC−8、RC−6、RC−10、RC−13等)を原料として用いたインターロッキングブロックの製造方法を示すフローチャートである。
先ず、図1又は図2に示した工程により得られた再生骨材(RC−8、RC−6、RC−10、RC−13等)を、セメント、水、混和材と共に混練する。
混和材としては、例えば、岩石粉末、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、膨張材、化学混和剤、防錆剤、シリカフューム、AE剤、減水剤、AE減水剤、遅延剤、促進剤、発泡剤、防錆剤等を使用することができる。
【0028】
次いで、得られた混練物を、型枠内に振動を加えながら注入して充填し、所定の機械的圧力と振動を所定時間作用させて締め固める。
その後、一定期間養生してから、固化物を型枠から取り出すことにより、インターロッキングブロックを得ることができる。
【0029】
上記製造方法において、原料となる再生骨材として、図1に示した工程により得られた再生骨材を使用した場合、普通の(不透水性の)インターロッキングブロックが製造され、図2に示した工程により得られた再生骨材を使用した場合、透水性のインターロッキングブロックが製造される。
【0030】
尚、本発明においては、図4に示すように、表層(1)と基層(2)の二層構造をもつインターロッキングブロック(3)とすることもできる。
この場合、表層(1)と基層(2)とは異なる粒径の骨材を用いてつくられる。
具体的には、表層(1)には粒径が小さい骨材を使用し、基層(2)には粒径が大きい骨材を使用する。
【0031】
基層(2)に用いられる骨材(基層用骨材)としては、図1に示した工程により得られた再生骨材(RC−8、RC−6、RC−10、RC−13等)が使用される。透水性インターロッキングブロックを製造する場合には、図2に示した工程により得られる骨材、即ち図1に示した工程により得られた再生骨材(RC−8、RC−6、RC−10、RC−13等)から2.5mm以下の成分が除去された再生骨材が使用される。
尚、基層(2)には、必要に応じてスラグ粉末及び/又は山砂等の砂(細骨材)を加えることができる。
表層(1)に用いられる骨材(表層用骨材)としては、珪砂及び/又は山砂等の砂(細骨材)が使用される。
【0032】
図5は、このような二層構造をもつインターロッキングブロックの製造方法の一例を示すフローチャートである。
先ず、上記した基層用骨材又は表層用骨材(第一の骨材と称す)を、セメント、水、混和材と共に混練する。
次いで、得られた混練物を、型枠内に振動を加えながら注入して充填する。
尚、この工程における混練物の充填に際しては、型枠全体に充填するのではなく、型枠内の所定深さまでのみ充填し、型枠の上部には一定深さの空間が存在するようにする。
【0033】
次いで、上記した基層用骨材又は表層用骨材のうち、前工程で型枠に入れられていない方の骨材(第二の骨材と称す)を型枠の上部に形成された空間に注入して充填し、所定の機械的圧力と振動を所定時間作用させて締め固める。
その後、一定期間養生してから、固化物を型枠から取り出すことにより、図4に示すような二層構造を有するインターロッキングブロックを得ることができる。
【0034】
このような二層構造を有するインターロッキングブロックは、表層(1)には粒径が小さい骨材が使用されているため、高い表面強度を有する一方で、基層(2)には粒径が大きい骨材が使用されているため、降雨の地下への浸透を促進することができる。
【0035】
上述した本発明に係るインターロッキングブロックの製造方法においては、図1又は図2に示した工程により得られた再生骨材(RC−6、RC−8、RC−10、RC−13等)のうち、RC−8又はRC−10を用いることが好ましい。
その理由は、RC−6は粒径が小さいことから、表面のピッチ被膜が除去され難く、油分の含有率が他の粒径のものに比べて多くなり、RC−13は粒径が大きいために、骨材同士の接触面積が小さくなり、いずれの場合もブロックを成型したときに高い強度(曲げ強度等)が得られ難いためである。
【実施例】
【0036】
以下、本発明の実施例を示す。但し、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
1.インターロッキングブロック用再生骨材の製造
(実施例1)
アスファルト廃材のみからなる原料を使用し、図1に示す工程からなる製造方法を使用して最終的に再生骨材(RC−8、RC−6、RC−10、RC−13)を得た。
(実施例2)
アスファルト廃材50%とコンクリート廃材50%からなる原料を使用し、図1に示す工程からなる製造方法を使用して最終的に再生骨材(RC−6、RC−8、RC−10、RC−13)を得た。
【0037】
実施例1及び実施例2の方法により得られた再生骨材(RC−6、RC−8、RC−10、RC−13)についてアスファルト含有率(%)を測定し、RC−8については表乾密度(g/cm3)、絶乾密度(g/cm3)、吸水率(%)をJIS A 1109により測定した。アスファルト含有率についての測定結果を表1に示し、その他の測定結果を表2に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
表1及び表2に示すように、得られた再生骨材は、アスファルト含有率が低く(特にRC−8,RC−10,RC−13)、吸水率も低かった。また、表乾密度及び絶乾密度は大きく、従来のアスファルト廃材を原料とする再生骨材に比べると高品質であった。
【0041】
2.インターロッキングブロックの製造
(実施例3)
実施例1の方法により得られた再生骨材(RC−8)を原料とし、図5に示した工程により二層構造のインターロッキングブロックを製造した。
(実施例4)
アスファルト廃材のみからなる原料を使用し、図2に示す工程からなる製造方法を使用して最終的に得られた粒径2.5〜8mmの再生骨材を原料とし、図5に示した工程により二層構造の透水性インターロッキングブロックを製造した。
【0042】
実施例3の方法により得られた3個のインターロッキングブロックについて、曲げ強度を測定した。試験方法及び規格値はJASS 7 M101に従った。測定結果を表3に示す。尚、実施例3,4にて製造されたブロックの寸法は、幅98mm、長さ198mm、厚さ80mmであった。
【0043】
【表3】

【0044】
実施例4の方法により得られた3個のインターロッキングブロックについて、曲げ強度及び透水性を測定した。試験方法及び規格値はJASS 7 M101に従った。透水性試験方法は定水位型透水試験装置によるものである。測定結果を表4に示す。
【0045】
【表4】

【0046】
表3及び表4に示すように、本発明の方法により得られた再生骨材を用いて製造されたインターロッキングブロックは、曲げ強度、透水性ともに規格値を満たしており、再生骨材を用いて製造されたものであるにも拘らず、実用に充分耐え得るものであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、近年広く普及がすすんでいるインターロッキングブロックの製造に利用されるものであり、舗道の解体等により生じたアスファルト廃材やコンクリート廃材を原料として利用できるため、資源循環型社会の形成に大いに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法の一例を示すフローシートである。
【図2】本発明に係る循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法の他の例を示すフローシートである。
【図3】本発明に係る循環型インターロッキングブロックの製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係るインターロッキングブロックの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るインターロッキングブロックの製造方法の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1 インターロッキングブロック
19 3次破砕設備
26 第三ふるい分け設備
28 集塵設備


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト廃材及び/又はコンクリート廃材からなる原料を破砕した後、破砕物を粒径により分別し、分別により得られた所定の粒径を超える成分を再度破砕して原料表面のピッチ又はセメントからなる付着物を除去するとともに該除去された付着物を集塵機にて回収し、付着物が除去された原料を再び粒径により分別し、分別により得られた所定粒径以下の成分をインターロッキングブロックの材料骨材として回収することを特徴とする循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法。
【請求項2】
前記分別により得られた所定粒径以下の成分から、粒径2.5mm以下の成分を分別により除去し、残りの成分をインターロッキングブロックの材料骨材として回収することを特徴とする請求項1記載の循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法。
【請求項3】
前記原料として、アスファルト舗道の廃材を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法。
【請求項4】
前記原料として、インターロッキングブロックの廃材を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の循環型インターロッキングブロック用骨材の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を、セメント、水、混和材と共に混練し、得られた混練物を型枠に入れて機械的圧力と振動を所定時間作用させて締め固め、一定期間養生した後に脱型することを特徴とする循環型インターロッキングブロックの製造方法。
【請求項6】
請求項2記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を、セメント、水、混和材と共に混練し、得られた混練物を型枠に入れて機械的圧力と振動を所定時間作用させて締め固め、一定期間養生した後に脱型することを特徴とする循環型インターロッキングブロックの製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を原料として製造されてなることを特徴とする循環型インターロッキングブロック。
【請求項8】
請求項2記載の方法により得られたインターロッキングブロック用骨材を原料として製造されてなることを特徴とする循環型インターロッキングブロック。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−176387(P2006−176387A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−374340(P2004−374340)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(500319321)
【Fターム(参考)】