説明

循環箱の締結方法及び装置

【課題】本発明は、ダイスと循環箱を締結する場合、シャフトに設けられたナットを油圧、空圧、電磁手段の何れかでロック又はアンロック状態とし、循環箱の締結を容易に行うことを目的とする。
【解決手段】本発明による循環箱の締結方法及び装置は、ダイス(8)と循環箱(40)を、シャフト(32)に設けられたナット(35)と、シャフト(32)を軸方向に移動させるための駆動手段(36)と、前記シャフト(32)の軸方向移動をロックするためのロック手段(46)と、を用い、駆動手段(36)によりシャフト(32)を移動させた後、ロック手段(46)を介してシャフト(32)の移動をロックする方法と構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環箱の締結方法及び装置に関し、特に、ダイスと循環箱を締結する場合、シャフトに設けられたナットに対して油圧、空圧、電磁手段等の人手を用いないロック手段により、ロック又はアンロック状態とし、循環箱の締結及び非締結を円滑かつ確実に行うための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種の循環箱の締結方法及び装置としては、例えば、特許文献1に開示されている図6の構成を挙げることができる。
すなわち、図6において符号1で示されるものは水中カット造粒機の使用例であり、この水中カット造粒機1はダイホルダ8aを有するダイス8及びカッターユニット9からなる各機器を主として連結して構成されている。
【0003】
このダイス8は厚肉円盤形状部品であり、上流側の裏面から下流側の表面へ向けて多数の樹脂通過孔が貫通して形成されている。
前記ダイス8に締結された循環箱40には、循環水42を循環させるための循環水パイプ41が接続されている。
【0004】
前記ダイス8と循環箱40とは、機械的締結手段30によって、互いに締結又は非締結状態となるように構成されている。
前記ダイホルダ8aの外周面には、複数の突出部31が形成され、前記各突出部31には外側にシャフト頭部32aを有するシャフト32を貫通させるための貫通孔33が形成されている。
【0005】
前記循環箱40の外縁の四隅の鍔部34に形成された貫通孔35には、前記シャフト32が貫通して設けられており、前記鍔部34間の前記シャフト32上には、ナット35が螺合されている。
前記循環箱40の鍔部34の貫通孔34aを貫通して外部へ突出した前記シャフト32には、このシャフト32を軸方向に往復移動させるための油圧、空圧、電磁手段の何れかを用いた駆動手段36が設けられている。
尚、シャフト32、ナット35及び駆動手段36は、1ケ所のみしか示されていないが、実際には、四隅に対して合計4ケ所配設されている。
【0006】
前述の構成において、前記循環箱40を固定配置の前記ダイス8に接続した後に締結する場合、前記循環箱40に配設された駆動手段36により前記シャフト32を循環箱40側に引きつけると、ダイス8と循環箱40が締め付けられ図8のように締結される。
【0007】
前述の状態で、前記ナット35を人力で回転させて循環箱40の鍔部34の内面34bに付けることにより、例えば、前記駆動手段36の油圧が漏れ等によってシャフト32がダイス8側へ戻ろうとした場合でも、このナット35が鍔部34の内面34bで戻りを防止され、ダイス8への循環箱40の締結が水漏れを起すことなく維持される。
また、前記ダイス8と循環箱40の締結を解除する場合には、前記ナット35を逆回転させてナット35を鍔部34の内面34bから離し(遠ざける)、スキマを空けることにより、駆動手段36の油圧を低下させてシャフト32をダイス8側へ移動させることが可能となり、前記ダイス8と循環箱40の締結は解除される。
【0008】
【特許文献1】特開2004−130600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の循環箱の締結方法、及び装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、循環箱とダイスを油圧で締め付け、油圧低下によって締め付けがゆるみ水の漏洩を防止するために機械的安全装置として手回しのナットが用いられているが、ナットを手で回さなければならず、自動化が困難であった。また、手で回してロックすることを忘れることもあった。
また、手回しのナットでロックするのを忘れている際に、締め付けの油圧が低下して締め付けがゆるみ、循環箱内の40℃以上の温水が漏洩した場合には、被害が発生することもあった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による循環箱の締結方法は、ダイスと循環箱をシャフト及び機械的締結手段により締結又は非締結状態とする循環箱の締結方法において、前記機械的締結手段は、前記シャフトに設けられたナットと、前記シャフトを軸方向に移動させるための油圧手段、空圧手段及び電磁手段の何れかからなる駆動手段と、前記シャフトの軸方向移動を制限するためのロック手段と、を用い、前記駆動手段により前記シャフトを移動させた後、前記ロック手段を油圧、空圧及び電磁手段の何れかを用いて作動させて前記シャフトの軸方向移動を制限し、前記循環箱を前記ダイスに対して締結状態とする方法であり、また、前記ロック手段は、ストッパよりなり、前記シャフトが軸方向に移動した後に、前記ストッパが前記ナットの側部に第1アクチュエータを介して挿入され、前記ダイス側への前記シャフトの戻りが防止される方法であり、また、前記ナットは、凸部と凹部からなる凹凸面を内面側に有し前記凹凸面同志が互いに係合する第1、第2ナット体よりなり、前記シャフトは前記ダイス及び前記第1ナット体に接続された第1シャフトと、前記駆動手段及び前記第2ナット体に接続された第2シャフトからなり、前記ロック手段は前記循環箱側に設けられ前記第1ナット体を左右回動させるための第2アクチュエータからなり、前記駆動手段により前記第2シャフトを引いた状態で、前記第2アクチュエータにより前記第1ナット体を回動させ、前記各ナット体の凸部同志を互いに当接させて前記ダイスと循環箱を締結させ、前記締結状態で、前記第1ナット体を前記第2アクチュエータにより回動させて前記各ナット体の凸部が凹部内に係合することによって、前記ダイスと循環箱とが非締結状態となる方法であり、また、前記ナットは前記シャフト上において、軸方向移動可能である方法であり、また、前記ロック手段は、油圧、空圧及び電磁力の何れかの作動を停止した後も、前記締結状態が継続される方法であり、また、本発明による循環箱の締結装置は、ダイスと循環箱をシャフト及び機械的締結手段により締結又は非締結状態とする循環箱の締結装置において、前記機械的締結手段は、前記シャフトに設けられたナットと、前記シャフトを軸方向に移動させるための油圧手段、空圧手段及び電磁手段の何れかからなる駆動手段と、前記シャフトの軸方向移動を制限するためのロック手段と、よりなり、前記駆動手段により前記シャフトを移動させた後、前記ロック手段を油圧、空圧及び電磁手段の何れかを用いて作動させて前記シャフトの軸方向移動を制限し、前記循環箱を前記ダイスに対して締結状態とする構成であり、また、前記ロック手段は、ストッパよりなり、前記シャフトが軸方向に移動した後に、前記ストッパが前記ナットの側部に第1アクチュエータを介して挿入され、前記ダイス側への前記シャフトの戻りが防止される構成であり、また、前記ナットは、凸部と凹部からなる凹凸面を内面側に有し前記凹凸面同志が互いに係合する第1、第2ナット体よりなり、前記シャフトは前記ダイス及び前記第1ナット体に接続された第1シャフトと、前記駆動手段及び前記第2ナット体に接続された第2シャフトからなり、前記ロック手段は前記循環箱側に設けられ前記第1ナット体を左右回動させるための第2アクチュエータからなり、前記駆動手段により前記第2シャフトを引いた状態で、前記第2アクチュエータにより前記第1ナット体を回動させ、前記各ナット体の凸部同志が互いに当接させて前記ダイスと循環箱を締結させ、前記締結状態で、前記第1ナット体を前記第2アクチュエータにより回動させて前記各ナット体の凸部が凹部内に係合することによって、前記ダイスと循環箱とが非締結状態となる構成であり、また、前記ナットは前記シャフト上において、軸方向移動可能である構成であり、また、前記ロック手段は、油圧、空圧及び電磁力の何れかの作動を停止した後も、前記締結状態が継続される構成である。
【発明の効果】
【0011】
本発明による循環箱の締結方法及び装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、前述の請求項1及び6の方法及び構成により、人手を介することなく、ロック手段により締結状態を維持することができ、ダイスと循環箱の結合部分の水漏れを防止し、安全な締結を達成することができる。
また、請求項2及び7の方法及び構成により、ナットを固定するロック手段を構成するストッパを自動的に挿入することができ、円滑な締結維持ができる。
また、請求項3及び8の方法及び構成により、各ナットが互いに噛み合う凹凸面を有し、一方のナットを回動させることにより締結(ロック)及び非締結(アンロック)を選択することができ、簡単な構成で締結及び非締結を達成できる。
また、請求項4及び9の方法及び構成により、ナットがシャフト上で移動できるため、締結状態の調整が容易にできる。
また、請求項5及び10の方法及び構成により、ロッ手段の油圧、空圧及び電磁力の何れかの作動を停止した後も、締結状態が継続され、安全な操業を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、ダイスと循環箱を締結する場合、シャフトに設けられたナットに対して油圧又はばね力又は空圧又は電磁手段等の人手を用いないロック手段により、ロック又はアンロック状態とし、循環箱の締結及び非締結を円滑かつ確実に行うようにした循環箱の締結方法及び装置を提供することを目的とする。
【実施例】
【0013】
以下、図面と共に本発明による循環箱の締結方法及び装置の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を用いて説明する。
図1及び図2は、本発明の第1形態を示し、前述の図6、図7及び図8のダイス8及び循環箱40の構成は、本発明と同一であるため、図6から図8の構成を援用し、前記機械的締結手段30の構成について説明する。
図1において、ダイス8側に接続されたシャフト32は、循環箱40の各鍔部34、34A間に設けられ、一方の鍔部34Aに設けられた駆動手段36により、矢印A及びBの方向に往復移動することができるように構成されている。
【0014】
前記各鍔部34、34A間のシャフト32上には、1個又は一対のナット35が図示しないねじ部を介して螺合(ナット35は軸方向に移動可能)されており、このナット35を回転させることによって前記シャフト32上のナット35の位置を任意に設定することにより、例えばストッパであるロック手段46挿入時にナット35との間に隙間が生じないように構成されている。
【0015】
また、他方の前記鍔部34には、油圧又はばね力又は空圧又は電磁手段からなる第1アクチュエータ45が上方に植設される状態で設けられ、この第1アクチュエータ45には、前記シャフト32上に跨がる状態で配設された板状のストッパからなるロック手段46が前記シャフト32の軸方向と直交する方向に上下動するように設けられている。
前記ロック手段46は、前記循環箱40の鍔部34とナット35との間、すなわち、ナット35の側部で上下動するように位置している。尚、前記機械的締結手段30は前記ナット35、ロック手段46及び駆動手段36及び第1アクチュエータ45(又は、第2アクチュエータ51)により構成されている。
【0016】
前述の構成において、前述の図6から図8のように、ダイス8に対して循環箱40を締結(ロック)又は非締結(アンロック)状態とする場合について述べる。
まず、図示していないが、第1アクチュエータ45によってロック手段46を上昇させ、駆動手段36によってシャフト32を矢印Bの方向に移動させると、ナット35も同時に同一方向に移動し、循環箱40がダイス8から離れ、この状態では、ナット35が鍔部34に接近し、ダイス8と循環箱40は互いに非締結(アンロック)状態となる。
【0017】
次に、前述の非締結(アンロック)状態において、駆動手段36によってシャフト32を矢印Aの方向に移動させると、循環箱40がダイス8側へ付勢され、前記鍔部34とナット35の間に図1のように隙間が形成され、この状態で第1アクチュエータ45によってロック手段46をこの隙間内に自動的に挿入すると、前記ナット35は矢印Bの方向には移動不可となり、ダイス8と循環箱40とは締結(ロックすなわち、制限)状態となる。すなわち、この締結状態とは、軸方向移動を完全にロックするだけでなく、水の漏洩が起きない程度の僅かな軸方向移動も含む。
【0018】
この締結状態では、前記駆動手段36の油圧、空圧及び電磁手段がオフとなった場合でも、前記ナット35はロック手段46によって矢印B方向への移動は阻止され、締結状態が維持されて、ダイス8と循環箱40間の水漏れは完全に防止される。
尚、前述の駆動手段36及び第1アクチュエータ45の動作は、図示しない制御部のプログラムによって、自動的に行われるように制御される。
【0019】
次に、図3及び図4は、図1及び図2の第1形態の他の形態を示す第2形態を示している。
尚、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して説明する。
図3において、シャフト32は、ダイス側に接続された第1シャフト32Aと、循環箱40の駆動手段36に接続された第2シャフト32Bとからなり、各シャフト32Aと32Bの内端には、前記ナット35を構成する一対の第1、第2ナット体35A、35Bが設けられている。
【0020】
前記各ナット体35A、35Bの内端には、凸部と凹部からなる凹凸面50が設けられ、各ナット体35A、35Bの各凹凸面50の各凸部同志は当接し、又は、凸部と凹部は互いに係合し合う(噛み合う)ことができるように構成されている。
【0021】
前記循環箱40の鍔部34側には、油圧又はばね力又は空圧又は電磁手段からなる第2アクチュエータ51が設けられており、この第2アクチュエータ51に接続されたアームからなるロック手段46は、前記第1ナット体35Aの外周に例えば図示しない突起と孔等により接続されている。
尚、機械的締結手段30は、ナット体35A、35B、ロック手段46及び駆動手段36及びアクチュエータ51により構成されている。
【0022】
前述の構成において、図3のように、まず、駆動手段36によって第2シャフト32Bを引くと、第2ナット体35Bが第1ナット体35Aから離れ、この状態で、前記第2アクチュエータ51及びロック手段46を介して第1ナット体35Aを回動させ、各ナット体35A、35Bの各凹凸面50の各凸部同志が当接した状態(すなわち、各凹凸面50同志が噛み合わない)となると、この状態で、前記循環箱40がダイス8に締結(ロック)され、第1シャフト32Aがダイス8側へ戻らなくなり、ロック状態となってダイス8と循環箱40の締結が達成される。
【0023】
また、前記ダイス8と循環箱40の締結(ロック)状態を解除するために、前述の締結状態で、駆動手段36により第2シャフト32Bを引いた状態で、前記第2アクチュエータ51を作動させ、ロック手段46を介して第1ナット体35Aを少し回動させると、各ナット体35A、35Bの各凹凸面50の凸部と凹部が噛み合い、各シャフト32A、32Bからなるシャフト32の軸方向長さが縮まり、ロック解除となってダイス8と循環箱40の締結(ロック)状態が解除される。従って、前述の各ナット体35A、35Bの凹凸面を用いることにより、シャフト32の移動量が第1ナット体35Aの1つ分の歯の長さで済むため、ストローク長が短くなり、第2アクチュエータ51のシリンダ長を短くできる。
【0024】
次に、図5は、本発明による循環箱40の各隅部に設けた機械的締結手段30の第1、第2アクチュエータ45、51の大きさを比較して示すものであり、第1アクチュエータ45に対して第2アクチュエータ51の形状が大幅に小型化されていることが明らかである。尚、前述のナット35、各ナット体35A、35Bはシャフト32、32A、32B上で移動可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による循環箱の締結方法及び装置における機械的締結手段を示すアンロック状態の斜視図である。
【図2】図1のロック状態を示す斜視図である。
【図3】図1の他の形態を示す斜視図である。
【図4】図3のアンロック状態を示す斜視図である。
【図5】図1、図2の第1アクチュエータと図3、図4の大きさを示すための循環箱の斜視構成図である。
【図6】従来及び本発明における水中カット式造粒機を示す構成図である。
【図7】従来の循環箱の締結構造を示す拡大斜視図である。
【図8】図7のロック状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 水中カット造粒機
8 ダイス
30 機械的締結手段
32 シャフト
32A 第1シャフト
32B 第2シャフト
34、34A 鍔部
35 ナット
35A 第1ナット体
35B 第2ナット体
36 駆動手段
40 循環箱
45 第1アクチュエータ
46 ロック手段(ストッパ)
51 第2アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイス(8)と循環箱(40)をシャフト(32)及び機械的締結手段(30)により締結又は非締結状態とする循環箱の締結方法において、
前記機械的締結手段(30)は、前記シャフト(32)に設けられたナット(35)と、前記シャフト(32)を軸方向に移動させるための油圧手段、空圧手段又は電磁手段からなる駆動手段(36)と、前記シャフト(32)の軸方向移動をロックするためのロック手段(46)と、を用い、
前記駆動手段(36)により前記シャフト(32)を移動させた後、前記ロック手段(46)を油圧又はばね力又は空圧又は電磁手段を用いて作動させて前記シャフト(32)の軸方向移動を制限し、前記循環箱(40)を前記ダイス(8)に対して締結状態とすることを特徴とする循環箱の締結方法。
【請求項2】
前記ロック手段(46)は、ストッパよりなり、前記シャフト(32)が軸方向に移動した後に、前記ストッパが前記ナット(35)の側部に第1アクチュエータ(45)を介して挿入され、前記ダイス(8)側への前記シャフト(32)の戻りが防止されることを特徴とする請求項1記載の循環箱の締結方法。
【請求項3】
前記ナット(35)は、凸部と凹部からなる凹凸面(50)を内面側に有し前記凹凸面(50)同志が互いに係合する第1、第2ナット体(35A,35B)よりなり、前記シャフト(32)は前記ダイス(8)及び前記第1ナット体(35A)に接続された第1シャフト(32A)と、前記駆動手段(36)及び前記第2ナット体(35B)に接続された第2シャフト(32B)からなり、前記ロック手段(46)は前記循環箱(40)側に設けられ前記第1ナット体(35A)を左右回動させるための第2アクチュエータ(51)からなり、
前記駆動手段(36)により前記第2シャフト(32B)を引いた状態で、前記第2アクチュエータ(51)により前記第1ナット体(35A)を回動させ、前記各ナット体(35A,35B)の凸部同志を互いに当接させて前記ダイス(8)と循環箱(40)を締結させ、前記締結状態で、前記第1ナット体(35A)を前記第2アクチュエータ(51)により回動させて前記各ナット体(35A,35B)の凸部が凹部内に係合することによって、前記ダイス(8)と循環箱(40)とが非締結状態となることを特徴とする請求項1記載の循環箱の締結方法。
【請求項4】
前記ナット(35)は前記シャフト(32)上において、軸方向移動可能であることを特徴とする請求項2記載の循環箱の締結方法。
【請求項5】
前記ロック手段(46)は、油圧、空圧及び電磁力の何れかの作動を停止した後も、前記締結状態が継続されることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の循環箱の締結方法。
【請求項6】
ダイス(8)と循環箱(40)をシャフト(32)及び機械的締結手段(30)により締結又は非締結状態とする循環箱の締結装置において、
前記機械的締結手段(30)は、前記シャフト(32)に設けられたナット(35)と、前記シャフト(32)を軸方向に移動させるための油圧又はばね力又は空圧又は電磁手段からなる駆動手段(36)と、前記シャフト(32)の軸方向移動をロックするためのロック手段(46)と、よりなり、
前記駆動手段(36)により前記シャフト(32)を移動させた後、前記ロック手段(46)を油圧、空圧及び電磁手段の何れかを用いて作動させて前記シャフト(32)の軸方向移動を制限し、前記循環箱(40)を前記ダイス(8)に対して締結状態とすることを特徴とする循環箱の締結装置。
【請求項7】
前記ロック手段(46)は、ストッパよりなり、前記シャフト(32)が軸方向に移動した後に、前記ストッパが前記ナット(35)の側部に第1アクチュエータ(45)を介して挿入され、前記ダイス(8)側への前記シャフト(32)の戻りが防止されることを特徴とする請求項6記載の循環箱の締結装置。
【請求項8】
前記ナット(35)は、凸部と凹部からなる凹凸面(50)を内面側に有し前記凹凸面(50)同志が互いに係合する第1、第2ナット体(35A,35B)よりなり、前記シャフト(32)は前記ダイス(8)及び前記第1ナット体(35A)に接続された第1シャフト(32A)と、前記駆動手段(36)及び前記第2ナット体(35B)に接続された第2シャフト(32B)からなり、前記ロック手段(46)は前記循環箱(40)側に設けられ前記第1ナット体(35A)を左右回動させるための第2アクチュエータ(51)からなり、
前記駆動手段(36)により前記第2シャフト(32B)を引いた状態で、前記第2アクチュエータ(51)により前記第1ナット体(35A)を回動させ、前記各ナット体(35A,35B)の凸部同志が互いに当接させて前記ダイス(8)と循環箱(40)を締結させ、前記締結状態で、前記第1ナット体(35A)を前記第2アクチュエータ(51)により回動させて前記各ナット体(35A,35B)の凸部が凹部内に係合することによって、前記ダイス(8)と循環箱(40)とが非締結状態となることを特徴とする請求項6記載の循環箱の締結装置。
【請求項9】
前記ナット(35)は前記シャフト(32)上において、軸方向移動可能であることを特徴とする請求項7記載の循環箱の締結装置。
【請求項10】
前記ロック手段(46)は、油圧、空圧及び電磁力の何れかの作動を停止した後も、前記締結状態が継続されることを特徴とする請求項6ないし9の何れかに記載の循環箱の締結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−269274(P2009−269274A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121165(P2008−121165)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】