説明

微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体及びその製造方法並びにそれを用いた水域の水質浄化方法

【課題】 環境への影響が懸念されることのない、微生物の定着性の良好な微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を提供する。
【解決手段】 水系の底部から得られる浚渫底泥と酸化チタンと珪酸ナトリウムとを、固形分重量比にて、それぞれ、43〜81%と6〜17%と13〜46%の割合で配合してなる組成物を焼成して得られた多孔質構造の焼結体に、水質浄化の目的とされた水域から採取された、水質汚染物質を分解する水質浄化用微生物を担持せしめることにより、目的とする微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境への影響が懸念されることのない微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体とそれを製造する方法、更にはそのような微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を用いた、水域、特に海域に有利な水質浄化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、河川、池、沼、海洋等の水域における、汚染された水質の改善乃至は浄化のために、水質汚染物質を分解する微生物の利用が考えられて来ており、また、そのような微生物による水質浄化作用を長時間に亘って維持すべく、かかる微生物を適当な多孔質の担体に担持せしめて、水質浄化の目的とされた水中に投与することが、考えられている。
【0003】
また、上記水域における、有機物質にて汚染された水質の改善乃至は浄化のために、そのような有機物質を酸化チタンの光触媒酸化分解機能等を利用して、分解する手法が考えられて来ており、またそれによる水質浄化作用を有効に発揮させるべく、酸化チタンを適当な担体に保持せしめて、水質浄化の目的とされた水中に投与せしめるようになっている。
【0004】
さらに、光触媒と微生物の分解作用を併用して、汚泥の分解、水質の浄化の促進効果を高めるために、それら微生物や酸化チタンを適当な多孔質の担体に担持乃至は保持せしめて、水質浄化の目的とされた水中に投与せしめ、水質浄化作用を有効に発揮させることが、考えられている。
【0005】
例えば、特許第3852844号公報(特許文献1)においては、微生物及び光触媒の作用により汚泥の分解及び水質の浄化を行うために用いる汚泥分解・水質浄化剤として、少なくとも酸化チタン、ジルコニア、ゼオライト、酸化第2鉄、酸化マンガンを混合し焼結してなる多孔質のセラミック粒体に好塩菌や、好熱菌、好酸性菌、NTAP−1を含浸させて、汚泥分解・水質浄化剤を構成し、これを、汚泥の堆積した港湾、湖沼に散布して、その光触媒と微生物の分解作用を併用して、汚泥の分解、水質の浄化の促進効果を高めるようにした手法が、明らかにされている。
【0006】
また、特許第2613179号公報(特許文献2)においては、安山岩質、石英安山岩質、流紋岩質、頁岩質、砂岩質、レキ岩質などの材質の多孔質の岩石、軽石凝灰岩、泥岩、砂利、砂、シルト、粘土や火山灰、多孔質岩石などを含有する物質、スコリア、スコリア凝灰岩、スコリアを含有する物質、焼成パーライト、焼成黒曜石、焼成軽石、バーミュキュライト、ゼオライト、雲母、サンゴ砂、シーシェル、麦飯石、人工軽石、人工砂利、人工砂、メサライト、クリスバールなどの人工骨材、多孔質ガラス、中空ガラス、多孔質ブロック、陶磁器、合成ゼオライト、発泡性シリカなどのセラミックス、活性炭、木炭、炭、コークス、フライアッシュ、高炉スラッグ、発砲コンクリート(ALC)、軽量コンクリート等などの無機多孔質粒子の表面及び該無機多孔質粒子が有する空孔壁に光半導体粒子と水質浄化機能を有する微生物とを付着して成る光触媒体を構成し、光触媒体を被処理水と接触しうる箇所に配置し、次いで、該光触媒体に紫外線を含有した光を照射して、該光触媒体の光触媒機能によって該被処理水を浄化し、しかも、紫外線を含有した光の照射を受けない同じ反応系内の箇所では、光触媒体に付着した水質浄化機能を有する微生物によって該被処理水を浄化することを特徴とする水の浄化方法が、明らかにされている。
【0007】
しかしながら、ジルコニア、ゼオライト、酸化第2鉄、酸化マンガン等を焼成して得られるセラミック成形物、並びに安山岩質、石英安山岩質、流紋岩質、頁岩質、砂岩質、レキ岩質などの材質の多孔質の岩石、軽石凝灰岩、泥岩、砂利、砂、シルト、粘土や火山灰、多孔質岩石などを含有する物質、スコリア、スコリア凝灰岩、スコリアを含有する物質、焼成パーライト、焼成黒曜石、焼成軽石、バーミュキュライト、ゼオライト、雲母、サンゴ砂、シーシェル、麦飯石、人工軽石、人工砂利、人工砂、メサライト、クリスバールなどの人工骨材、多孔質ガラス、中空ガラス、多孔質ブロック、陶磁器、合成ゼオライト、発泡性シリカなどのセラミックス、活性炭、木炭、炭、コークス、フライアッシュ、高炉スラッグ、発砲コンクリート(ALC)、軽量コンクリート等などの無機多孔質粒子等の担体物質は、無機鉱物とはいえ、それ自体、現場の生態系にとって人工物質乃至は異物質となるものであるところから、水質浄化剤として用いられて、微生物と光触媒による機能が低下した場合においては、それらのセラミックス形成物や無機多孔質粒子の如き固形物を回収する必要があり、またそうしなければ、担体物質自体の材質の環境への影響等も、懸念する必要があるのもであった。
【0008】
さらに、無機多孔質粒子の粒度によっては、微生物と光触媒を担持させて水中に投与する際に、水域の水の流れによって移動し、一定の場所に滞在することが困難なものであったり、水域の濁度を増加させる等の問題を惹起する危険性を懸念する必要があるものであった。
【0009】
【特許文献1】特許第3852844号公報
【特許文献2】特許第2613179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に為されたものであって、その解決課題とするところは、環境への影響が懸念されることのない、また微生物の定着性が良好で、酸化チタンを含有している微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体と、それを有利に製造する方法を提供することにあり、またそのような微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を用いて、目的とする水域の水質浄化を有効に行い得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、本発明にあっては、かくの如き課題を解決するために、水系の底部から得られる浚渫底泥と有機物質の光分解作用を有する酸化チタン粉末と珪酸ナトリウムとを、固形分重量比にて、それぞれ、43〜81%と6〜17%と13〜46%の割合で配合してなる組成物を焼成して得られた多孔質構造の焼結体に、水質浄化の目的とされた水域から採取された、水質汚染物質を分解する水質浄化用微生物を担持せしめてなることを特徴とする微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を、その要旨とするものである。
【0012】
なお、かかる本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の望ましい態様によれば、前記酸化チタンとしてアナターゼ型の酸化チタンを含有したものが、用いられることとなる。
【0013】
また、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の他の望ましい態様によれば、前記水質浄化用微生物が、硝化細菌及びに脱窒細菌が複数から成る細菌群集であり、水質汚染物質の硝化反応と脱窒反応処理を同時に並行して行え得るものである。
【0014】
そして、本発明にあっては、上述の如き微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を用いて、目的とする水域の水質を浄化するに際して、該焼結体を与える前記底泥が当該水域の底部の浚渫底泥であり、且つ前記水質浄化用微生物が当該水域から採取された微生物であることを特徴とする水域の水質浄化方法をも、その要旨としている。
【0015】
なお、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の、更に異なる望ましい態様によれば、前記水質浄化用焼結体を用いて、目的とする水域の水質を浄化するに際して、微生物の活性化物質又は栄養物質として炭素含有有機性物質を供給し、効果的に水域の水質浄化を行うこととなる。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体にあっては、その水質浄化用微生物を担持せしめるキャリヤとしての焼結体は、充分な強度を有し、目的とする水域において散布されても、崩壊することなく底部に止まり、長期に亘って有効な浄化作用を発揮し得ると共に、その多孔性や材料特性によって微生物の定着性に優れたものとなっているところから、焼結体表面において微生物が長期的に繁殖し、その効果が有利に持続させられ得ることとなるのである。しかも前記水質浄化用焼結体にあっては、有機物質の光触媒分解作用を有する酸化チタン粉末が、水系の底部から得られる浚渫底泥を主体とする多孔質構造の焼結体にて保持させるものであるところから、その適応現場に近い物質系を構成することとなり、さらにそのような焼結体を構成する珪酸ナトリウムや酸化チタンにあっても、自然に豊富に存在する元素から構成されるものであるところから、微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の用いられる現場において、二次汚染の可能性は殆ど無く、それ故、使用後に光触媒や微生物による浄化活性の無くなった焼結体(キャリヤ)を回収する必要性もないのである。
【0017】
しかも、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体は、珪酸ナトリウムがバインダとして作用することにより、充分な強度を有し、目的とする水域において散布されても、崩壊することなく底部に留まり、長期に亘って有効な浄化作用を発揮し得ると共に、その多孔性によって、微生物や酸化チタンによる水質浄化作用を、効果的に発揮せしめ得ることとなるのである。
【0018】
さらに、かくの如き本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を用いて、目的とする水域の水質を浄化するに際して、そのキャリヤである焼結体を与える、水系の底部から取り出された底泥として、当該水域で得られる原料、即ち当該水域の底部の浚渫底泥を用いると共に、水質浄化微生物としても、当該水域から採取された微生物を用いるようにすることにより、現場水域における二次汚染の可能性を皆無となし得ると共に、微生物の定着性をも、より一層高め得ることとなり、以て、水質浄化作用をより一層有利に発揮せしめ得るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ところで、かかる本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体において、それを与える多孔質構造の焼結体の主たる構成成分たる、水系の底部から得られる浚渫底泥は、河川、湖沼、河口域、閉鎖性の海域等の水系の底部から、浚渫作業等によって、従来と同様に取り出される、有機質の豊富なものであって、そのような水系の底部から取り出された底泥は、通常、乾燥等の操作によって、ある程度の脱水が施されて、含水率が20%〜30%程度のものとして、用いられることとなる。特に、この水系の底部から得られる浚渫底泥としては、それによって形成される微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体が用いられる水系の底部から得られる浚渫底泥であることが望ましく、これによって、現場水域に、より適合した微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を得ることが可能となる。
【0020】
また、そのような水系の底部から得られる浚渫底泥に配合されて、本発明に従う水質浄化剤に光触媒分解浄化機能を付与する成分は、有機物質の光触媒分解作用を有する酸化チタン粉末であって、そのような酸化チタン粉末の存在下に光照射が行われると、光触媒分解能力が効果的に高められ得て、フミン物質等の有機物質が効果的に分解、除去せしめられることとなるのである。なお、この有機物質の光触媒分解作用を有する酸化チタン粉末としては、アナターゼ型とルチル型が知られているが、アナターゼ型のものの方が光触媒活性が高いところから、本発明においては、アナターゼ型の酸化チタン粉末が有利に用いられることとなる。また、この酸化チタン粉末は、粒子径が小さく、比表面積が大きいほど活性が高いところから、一般に、1〜100nm程度の微細粉末状のものが、好適に用いられるのである。そして、そのような酸化チタン粉末は、各種の市販品の中から適宜に選択されることとなる。
【0021】
さらに、それら浚渫底泥や酸化チタン粉末に配合される珪酸ナトリウムは、バインダとして機能するものであって、その配合によって、焼成して得られる多孔性の焼結体に、充分な強度を付与し、以て浄化対象とされた水系(河川、湖沼、河口域、海域等)に散布されたとき、水質浄化剤が崩壊することなく、水系の底部に留まり、有効な水質浄化作用を発揮せしめ得るものである。
【0022】
そして、それら浚渫底泥と酸化チタンと珪酸ナトリウムとは、目的とする多孔質構造の焼結体からなる水質浄化剤を得る上において、固形分重量比にて、43〜81%と6〜17%と13〜46%の割合で配合せしめられる必要がある。かかる配合割合において、酸化チタン粉末の配合量が6%よりも少ないと、光分解効率が極端に低下するようになる一方、その配合量が17%よりも多くなり過ぎると、得られる焼結体が脆くなって、実用に供し得なくなる。また、バインダとしての珪酸ナトリウムの配合量が13%よりも少なくなっても、充分な強度を有する焼結体を得ることが困難となるのであり、そのために、実用に供し難くなる一方、その配合量が46%よりも多くなると、焼結体の強度は高められ得るものの、焼結体の表面に存在する酸化チタンが、珪酸ナトリウムにて覆われるように なって、体の表面特性が悪化し、その比表面積が低下するようになるところから、
微生物の定着に悪影響をもたらす恐れを惹起することとなる、又は酸化チタンの有効な光触媒分解能力を発揮させ難くなるのである。特に、その中でも、本発明にあっては、固形分重量比にて、酸化チタン粉末:10〜12%、珪酸ナトリウム:30〜40%、浚渫底泥:残部なる配合組成が、有利に採用されることとなる。
【0023】
このように、本発明にあっては、浚渫底泥を主成分としつつ、それに所定量の酸化チタン粉末と珪酸ナトリウムを配合して、目的とする多孔質構造の焼結体を与える組成物が調製されることとなるのであるが、そのような組成物には、それら三成分の他にも、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、必要に応じて、各種の配合剤、例えば水系の底部から取り出された底泥の凝集や脱水のための薬剤や固化剤、結合助剤、多孔化補助剤等を適宜に配合せしめることが可能である。
【0024】
そして、本発明にあっては、目的とする水質浄化剤を与える多孔質構造の焼結体を得るべく、上述の如くして得られる組成物を用い、先ず、それを、通常の造粒手法に従って適宜の大きさに造粒して、所定大きさの造粒物が、形成されることとなる。次いで、この得られた造粒物を、空気中において焼成することにより、目的とする焼結体が製造されるのである。なお、このような組成物の焼成に際して、その焼成温度としては、一般に、400〜700℃の範囲内の温度において、適宜に選定されることとなるが、特に有利には、600〜700℃の範囲内の焼成温度が採用されることとなる。この焼成温度が低くなり過ぎると、充分な焼成を行うことが出来ず、そのために、焼結体の強度を充分に高めることが困難となるからであり、また焼成温度が高くなり過ぎると、得られる焼結体表面の緻密化が進行し、その表面特性が悪化して、微生物の定着に有効な多孔質構造を得ることが困難となるからである、又は酸化チタンの光触媒分解作用が低下したり、焼結体に有効な多孔質構造を形成することが困難となる、等の問題を惹起するからである。
【0025】
また、かくして得られた焼結体には、その表面の有効な多孔構造をより有利に実現するべく、必要に応じて、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸やシュウ酸、酢酸、ギ酸等の有機酸を用いた酸水溶液処理が施される。なお、この酸水溶液処理は、一般に3時間以上の時間において実施され、その上限としては24時間程度とされることとなる。処理時間が24時間を越えても、その処理効果に大きな変化を期待することが困難であるからである。
【0026】
また、このような焼成操作によって、焼結体は、多孔質構造において充分な強度を有するものとして、形成されることとなるが、一般に、そのような焼結体は、0.1〜10m/g程度の比表面積を有していることが望ましい。けだし、かかる焼結体の比表面積が小さくなり過ぎると、焼結体の緻密度が上昇して、微生物の定着を有効に行い難くなる恐れがあるからであり、また比表面積が大きくなり過ぎると、多孔質構造が強調されて、焼結体が脆くなり、強度が低下する恐れがあるからである。また、そのような焼結体の大きさとしては、その取扱い性等を考慮して、一般に0.5mm〜10cm程度の粒径のものとして、好ましくは0.5cm〜5cm程度の粒径のものとして、形成されることとなる。
【0027】
さらに、このような焼成操作・必要な処理によって得られた焼結体は、多孔質構造において充分な強度を有するものとして、有利には一軸圧縮強度(JIS R 5210 セメントの物理試験方法に準拠)が4.0N/mm2以上であるものとして、形成されることとなる。
【0028】
次いで、かくの如くして得られた焼結体をキャリヤとして用いて、これに所定の水質浄化用微生物が担持せしめられるのであるが、その担持方法としては、一般に、水質浄化用微生物の存在する液中に、焼結体を浸漬することにより、かかる焼結体の多孔質構造内に微生物を入り込ませて、担持させる方法が、採用されることとなるが、勿論、これに限定されることなく、公知の各種の担持方法が、適宜に採用され得るものである。
【0029】
中でも、本発明にあっては、水質浄化用微生物を培養して得られる培養液を濃縮して、かかる微生物の濃度を高めた濃縮物を用い、これと共に、前述の如くして得られた焼結体を、そのような微生物のための培地に投入乃至は添加して、更に培養を行うことにより、そのような水質浄化用微生物を焼結体表面に担持させるようにする手法が、有利に採用されることとなる。こうすることにより、微生物を、焼結体の多孔構造内に有利に侵入せしめ得て、その効果的な定着を図ることが出来るのである。
【0030】
ここで、かかる焼結体に担持せしめられる微生物としては、公知の各種の水質浄化用微生物が適宜に選定されて用いられることとなるが、その中でも、特に、各種のアンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細菌等の硝化細菌や各種の脱窒細菌の複数の細菌群集が用いられて、目的とする水域の水質浄化が図られることとなる。また、その中でも、水質浄化の目的とされた水域から採取された水質汚染物質を分解する微生物が有利に用いられることとなるのである。
【0031】
そして、かくの如くして得られた微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体は、水質浄化剤として、目的とする当該水域(海域等)に投入乃至は散布されて、その底部において、担持された微生物により、水質汚染物質が効果的に分解されて、水質の浄化が図られることとなるが、その際、焼結体は充分な強度を有しているところから、その形状が崩れることなく、水域に有効に存在せしめられ得ることとなるのである。さらに、担持された酸化チタンの、水中に透過する光によって高められる光触媒分解作用にて、そのような水域に存在する有機汚染物質を効果的に、微生物による分解と平行して若しくは同時に、分解除去せしめ得るのである。このように、かかる酸化チタン含有(担持)焼成体は、所定の水系の、光が届く程度の比較的浅瀬に適用されれば、有効な水質浄化作用を発揮し得るものであって、これにより、そのような水系における環境改善や環境保全に効果的に寄与し得ることとなったのである。なお、そのような比較的浅瀬の水域への適用のみならず、比較的深い水域の底部における環境改善も、光ファイバー等の採光システムと組み合わせ、それによって導かれた光を、本発明に従う酸化チタン含有焼結体からなる水質浄化剤に照射せしめることによって、可能となる。
【0032】
また、かくの如き本発明に従う水質浄化剤を与える微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体は、充分な強度を有しているところから、上述の如き水域への適用に際して、その形状が崩れることなく、適用水域において有効に存在せしめられ得ることとなる。そして、それによって、微生物による水質浄化作用、並びに酸化チタンの光分解作用(光触媒分解能)に基づくところの水質浄化作用が、長期間に亘って、有利に発揮せしめられ得るのである。
【0033】
しかも、そのような微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体において、その焼結体を与える、水系、特に有利には海域の底部から取り出された底泥、水質浄化用微生物として当該水域(海域)から採取された微生物が用いられるようにすることによって、 かかる微生物の定着性がより一層高められ得ると共に、当該水域(海域)における水質浄化作用も、より一層有利に発揮され得ることとなる。しかも、そのような微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体からなる水質浄化剤にあっては、その焼結体の主たる構成成分たる浚渫底泥が、水系の底部から取り出されたものであって、そのような水質浄化剤の用いられる水系の底部と同様な環境のものであり、加えて、酸化チタンや珪酸ナトリウムにあっても、自然界に比較的に豊富に存在する元素からなるものであるところから、自然に近い組成から構成される水質浄化用焼結体となり、また微生物は用いられる水域(海域)に存在するものであるところから、それが適用される水域における環境汚染の懸念は、殆ど無いのであり、それ故に、使用後において、本発明に係る水質浄化剤を回収する必要も全く無いのである。
【実施例】
【0034】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を、更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0035】
まず、微生物のキャリヤとしての焼結体を、以下のようにして製造した。即ち、浚渫底泥として、三重県の英虞湾の海底から浚渫により得られた、有機物を豊富に含む海洋底泥を用い、それを自然乾燥させて、含水率(ウェットベース)が約25%の底泥を準備した。そして、この含水率の調整された海洋底泥と、市販のアナターゼ型酸化チタン微粉末(粒径:約30nm)と、珪酸ナトリウムとを、下記表1に示される各種割合において配合し、更に適宜水を加えて、造粒に適した均一な組成物とした。その後、この組成物を常法に従って造粒し、更にその得られた造粒物を、4℃/分の昇温速度で、下記表1の目的温度まで加熱すると共に、その温度下において、2時間固化焼成して、直径が約1cmの大きさの酸化チタン含有焼結体(ほぼ球状粒体)を得た。
【0036】
【表1】



【0037】
次いで、このようにして得られた酸化チタン含有焼結体粒状物を、1Mの硝酸水溶液に24時間浸漬することにより、かかる焼結体の表面を処理して、多孔性を高め、微生物による水質浄化能力、並びに酸化チタンの光分解作用(光触媒分解能)に基づくところの水質浄化能力が向上せしめられた焼結体とした。
【0038】
英虞湾底泥サンプルは、2003年6月、英虞湾立神の水深約10mの有機物が豊富に含まれる内湾底泥より採取された。同流域は長年真珠養殖が行われてきた流域である。2001年に調査された底泥の分析結果では、化学的酸素要求量(COD)55.8 mgO2/g・乾燥底泥、酸揮発性硫黄(AVS)1.57 mg/ g・乾燥底泥、全窒素(T−N)3.77 mg/ g・乾燥底泥、全有機炭素(TOC)21.77 mg/ g・乾燥底泥、水分含量72.4%、酸化還元電位(ORP)-109.3mVであった。水質浄化用微生物として用いられたアンモニア酸化・脱窒細菌群集の分離は、1)硝化細菌の獲得と強化、2)脱窒細菌の活性化、3)従属栄養細菌の枯渇化と硝化細菌の回復の3つのステップから構成された。
1)硝化細菌の獲得と強化 底泥サンプルを400 mLの培地を入れた500 mL容メジウム瓶に接種し(3% wt/vol)、シリコ栓を用いて、20℃、暗条件にて振とう培養(95 rpm)を行った。アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素濃度を約2週間に1度チェックを行い、亜硝酸態窒素濃度が40-80 mg/L以上、アンモニア態窒素の減少、硝酸態窒素の生成、pHの降下が認められたサンプルについて、新しい培地に5%(vol/vol)接種し、同様に濃度を確認し、培養を7〜8回繰り返し行う。
2)脱窒細菌の活性 1)で得られたサンプル1〜5%(vol/vol)を培地に接種し、暗条件、室温にて静置培養を行った。このステップでは、脱窒を活性化するために、炭素源として99.5%のエタノールをpH 指示薬と共に添加している。pH指示薬(フェノールレッド溶液)は、25 mgのフェノールレッドを10 mLのエタノール及び50 mLの蒸留水に溶解させて調製する。培養開始後、脱窒活性が活発になり、バブルの発生、培養液の色の変化(ピンクからイエロー)が認められたら、約2週間を目安に培養を1回行う。
3)従属栄養細菌の枯渇化と硝化細菌の回復 2)で得られた培養液10%(vol/vol)を培地に接種し、2)と同様に暗条件、室温にて静置培養を行った。このステップでは、再び無機塩からなる培地による培養を行うことで、2)の段階で活性化してきた従属栄養細菌の枯渇化と硝化細菌の回復を目的とした。培養は、約2週間を目安に亜硝酸の生成、アンモニア態窒素の減少とpHの降下が認められるまで行った。このステップは、1〜2回繰り返し行われ、得られた培養液は、定法に基づいて−80℃にて保存した。
微生物群集構造解析(PCR−DGGE)の結果、アンモニア酸化細菌については、Nitrosomonas sp.Nm148及びNitrosomonas sp.Nm107と高い相同性を示し、系統解析の結果から、Nitrosomonas europaea-Nitrosococcus mobilisに近い株であろうということが示唆された。Nitrosomonas sppは、水圏環境において優占種であることが知られており、また、排水処理プラントにおいても、特に高いアンモニア濃度が検出される排水において見つかっている。Nitrosomonas spp.及びN.communisのクラスターは基質濃度の高い環境下において頻繁に検出されている。
また、脱窒細菌を含む細菌群集は、大きく分けて3つのグループ(γ-proteobacteria、Actinobacteria、Flavobacteria)に分類された。うち約半数は、γ-proteobacteriaに属し、残りはActinobacteriaとFlavobacteriaに属していた。半数を占めるγ-proteobacteriaに属するクローンは、Alcanivoraxspp.に近縁種と認められ、培養のいずれのステージでも存在していた。優占クローンとして同定されたAlcanivorax sp.は、硝酸還元を行うことが知られており、これらの細菌は、硝酸還元反応に関係していることが示唆された。更に最近海洋におけるhydrocaubonoclastic bacteriumであるAlcanivorax borkumensisSK2株のゲノムシーケンスの結果が報告されており、それによると、同株は、(1) n-alkane分解、界面活性剤産生、バイオフィルム産生、(2)貧栄養の海洋環境における栄養塩のスカベンジャー、(3)生息環境におけるストレス因子への適応などの点における能力を有すると報告されている。更に、同株はnirKおよびnorを含むnnrS遺伝子を発現しており、これらの菌種は、更に脱窒を行うことが示唆される。これらに近縁のクローンが優占的に存在していたことからも、これらの株が硝酸還元とさらに脱窒に関与していることが示唆された。また、クローンの中にはγ‐proteobacteriaに属し脱窒細菌としてよく知られているPseudomonas stutzeriと96%の相同性を示したものも認められた。これらについては、脱窒活性に関与する遺伝子nirSによる解析結果から、Pseudomonas属に属する細菌が脱窒活性に関与している可能性が示されており、Pseudomonas属の細菌が脱窒活性に関与していることを裏付けるものである。2つ目の優占クローンから高い相同性が認められたDietzia marisは、元々Rhodococcusの一部としてグループ付けされていたが、後に生化学的データを基に再編成された。Rhodococcussp.は、脱窒細菌としてよく知られているが、ここで認められたクローンが脱窒活性を有するかどうかは不明である。3つ目のFlavobacteriumのグループの中からは、Vitellibacter vladivostokensisと100%の相同性があることがわかった。Vitellibacter vladivostokensisは、2003年に海洋環境から発見されたFlavobacteriaceaeに属する新しい種である。全体的に多くのクローンは、比較的最近になって分離されている菌種との高い相同性が認めらた。また、脱窒活性遺伝子による解析の結果、クローンの多くはデータベースに登録のない新しい株由来やuncultured bacteriumに近縁のものであった。
【0039】
この選択されたアンモニア酸化・脱窒細菌群集を用い、まず、その前培養を行い、細菌群集の生存・増殖を確認した。具体的には、滅菌海水1L中に硫酸アンモニウム 5mmol、硝酸ナトリウム 2.5mmol、リン酸緩衝溶液(0.5 mM) 0.5mL、炭酸緩衝溶液(2.5 mM)3.5mL、95%エタノール0.4mL、少量の無機成分を溶解し、数滴のフェノールレッド指示薬を添加して、培地(pH7.5〜8.0)を調製した。この培地中でアンモニア酸化・脱窒細菌群集の25℃で前培養を2週間行った。細菌群集が増加すると、バブルの発生や、ピンク色から黄色への色の変化が起こる。得られる生菌数は、アンモニア酸化細菌106 cell/mL、脱窒細菌108 cell/mL以上であった。
【0040】
そして、この得られたアンモニア酸化・脱窒細菌群集濃縮溶液を同じ組成の培地で10倍に希釈する。この細菌懸濁溶液100mLに、先に製造された焼結体の10gを添加して、25℃の温度で2週間さらに培養を行うことにより、かかる焼結体の表面に、アンモニア酸化・脱窒細菌群集を担持せしめた。
【0041】
試料(No.6)に係る水質浄化用焼結体の外観図を図1に示す。その水質浄化用焼結体の表面を示す走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。その焼結体の表面に、アンモニア酸化・脱窒細菌群集を担持せしめた後の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。
【0042】
かくして得られた微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体(試料No.6)を用い、その10gを、0.5 mMの濃度のアンモニア性窒素と0.5 mMの濃度の硝酸性窒素と10 mMのエタノールが存在するように調製された滅菌海水試料に添加して、そのような焼結体に担持されたアンモニア酸化・脱窒細菌群集の窒素除去の効果を暗条件下(光を遮断した条件下)において検討し、その結果を図4に示す。そして、図に示されるように、時間の経過と共に、アンモニウムイオンと硝酸イオンが還元され、濃度が減少した。それに伴い亜硝酸イオンが生成し、更に時間の経過とともに亜硝酸イオン濃度も低下することが、確認された。これらの経過の中で、窒素ガスと思われる気泡の発生が確認された。
【0043】
また、上記行われた試験例と同じ条件で、焼結体に担持されたアンモニア酸化・脱窒細菌群集の窒素除去の効果を光照射下(ブラックライト照射下)において検討し、その結果を図5に示す。そして、図に示されるように、時間の経過と共に、アンモニウムイオンと硝酸イオンが還元され、濃度が減少した。それに伴い亜硝酸イオンが生成し、更に時間の経過とともに亜硝酸イオン濃度も低下することが、確認された。しかしながら、硝酸イオン濃度は低濃度レベルまで減少したが、アンモニウムイオンの約20%が除去されずに残存する結果となった。この傾向から、光照射の影響及び光触媒作用の影響が多少見受けられる結果となったが、焼結体に担持されたアンモニア酸化・脱窒細菌群集の窒素除去は、光照射下でもほぼ進行することが分かった。
【0044】
また、上記行われた試験例における、微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の有機物質光触媒分解の効果を、暗条件下と光照射下(ブラックライト照射下)において検討し、その結果を図6に示す。上記行われた試験例と同じ条件で、10 mg/Lのフミン酸を添加し、アンモニア酸化・脱窒細菌群集の窒素除去と並行して、経過時間に伴うフミン酸水溶液中の濃度変化を調べた。縦軸(C/C)は、(経過時間後のフミン酸濃度)/(フミン酸の初濃度)であり、フミン酸の濃度は吸光光度分析法(波長400nm)により測定した。暗条件下より光照射下(ブラックライト照射下)の方が、フミン酸の濃度の減少が著しいため、光照射下においてフミン酸が分解されて浄化されていることが、認められるのである。
【0045】
一方、上記行われた試験例における、焼結体に担持されたアンモニア酸化・脱窒細菌群集の活性化手法を検討するために、微生物の活性化物質又は栄養物質として炭素含有有機性物質を添加し、アンモニア酸化・脱窒細菌群集の活性化具合を調べた。具体的には、上記行われた試験例では最初から10 mMのエタノールを添加していたが、最初からエタノール添加するのではなく、窒素除去を開始してから200時間後に10 mMのエタノールを添加して、アンモニア酸化・脱窒細菌群集の活性具合を評価した。暗条件下(光を遮断した条件下)において検討した結果を図7に示す。そして、図に示されるように、10 mMのエタノールを添加した200時間後において、硝酸イオン濃度及びアンモニウムイオン濃度とも、急激に濃度低下が確認された。この結果から、微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を用いて水質を浄化する際に、微生物の活性化物質又は栄養物質として炭素含有有機性物質を供給することが非常に有効であることが明らかとなった。
【0046】
以上の実験結果に示されるように、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体においては、アンモニア酸化・脱窒細菌群集が焼結体上で有効に作用し、窒素除去反応が効果的に進行していることが認められ、また酸化チタンの光分解作用(光触媒分解能)に基づくところのフミン酸濃度低下作用も認められ、従って、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体は、河川、沼、池、海洋等の水環境の浄化に有利に応用することができることが明らかとなった。

【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明により製造された水質浄化用焼結体(試料No.6)の外観図である。
【図2】製造された試料No.6に係る焼結体の表面を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】製造された試料No.6に係る焼結体の表面に、アンモニア酸化・脱窒細菌群集を担持せしめた後の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例において得られた、0.5 mMの濃度のアンモニア性窒素と0.5 mMの濃度の硝酸性窒素と10 mMのエタノールが存在する滅菌海水試料を用いた場合における、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の窒素除去作用の結果を示すグラフである。暗条件下において実施。
【図5】実施例において得られた、0.5 mMの濃度のアンモニア性窒素と0.5 mMの濃度の硝酸性窒素と10 mMのエタノールが存在する滅菌海水試料を用いた場合における、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の窒素除去作用の結果を示すグラフである。光照射下(ブラックライト照射下)において実施。
【図6】実施例において得られた、0.5 mMの濃度のアンモニア性窒素と0.5 mMの濃度の硝酸性窒素と10 mMのエタノールが存在する滅菌海水試料を用いた場合において、10 mg/Lのフミン酸を添加し、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の有機物質分解作用(フミン物質分解作用)の結果を示すグラフである。
【図7】実施例において得られた、0.5 mMの濃度のアンモニア性窒素と0.5 mMの濃度の硝酸性窒素が存在する滅菌海水試料を用いた場合における、本発明に従う微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体の窒素除去作用への、活性化物質・栄養物質(炭素含有有機性物質)添加効果の結果を示すグラフである。200時間後に10 mMのエタノールを添加。暗条件下において実施。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系の底部から得られる浚渫底泥と酸化チタンと珪酸ナトリウムとを、固形分重量比にて、それぞれ、43〜81%と6〜17%と13〜46%の割合で配合してなる組成物を焼成して得られた多孔質構造の焼結体に、水質浄化の目的とされた水域から採取された、水質汚染物質を分解する水質浄化用微生物を担持せしめてなることを特徴とする微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体。
【請求項2】
前記酸化チタンが、アナターゼ型の酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1に記載の微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体。
【請求項3】
前記水質浄化用微生物が、硝化細菌及びに脱窒細菌が複数から成る細菌群集であり、水質汚染物質の硝化反応と脱窒反応処理を同時に並行して行え得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を用いて、目的とする水域の水質を浄化するに際して、該焼結体を与える前記底泥が当該水域の底部の浚渫底泥であり、且つ前記水質浄化用微生物が当該水域から採取された微生物であることを特徴とする水域の水質浄化方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の微生物担持光触媒含有水質浄化用焼結体を用いて、目的とする水域の水質を浄化するに際して、微生物の活性化物質又は栄養物質として炭素含有有機性物質を供給することを特徴とする水域の水質浄化方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−189914(P2009−189914A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31222(P2008−31222)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【出願人】(500137703)
【Fターム(参考)】