説明

微生物計測装置

【課題】蛍光染色を行った微生物計測において、計測効率を向上させる微生物計測装置1を提供することを目的とする。
【解決手段】蛍光染色試薬を用いて染色した検体中に存在する微生物数を計測する場合において、計測途中の時点でも、あらかじめ設定しておいた数値を超えた場合、警告発生手段11を備えることで警告を発生させたり、計測中断手段15を備えることで、計測を中断させたり、微生物数推測手段14を備えることで、現在の計測結果から最終結果の微生物数を推測し、あらかじめ設定しておいた数値を超えた場合には警告を発生したり、計測を中断させたりできる微生物計測装置1が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を蛍光染色試薬で染色し、励起光を照射し蛍光させ、その蛍光した箇所の個数や面積を計測することによって、微生物の個数を計測する微生物計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の微生物計測装置としては、特許文献1に示されたものが知られている。
【0003】
以下、この種の微生物計測装置について図14を参照しながら説明する。
【0004】
微生物計測装置としては、微生物計測装置101を利用して実施されており、微生物計測装置101としては、微生物を含む蛍光染色検体102に励起光照射手段103より励起光を励起光分光フィルター104、光の方向を変えるプリズム105を介して蛍光染色検体102に照射し、蛍光染色検体102上の染色された微生物が前記励起光により発生する蛍光を対物レンズ106により集光し、プリズム105および、蛍光のみを分離する蛍光分光フィルター107を介して撮影手段108内に伝達し、撮影手段108内で蛍光画像を撮影し、その撮影画像を通信ケーブル109を介して微生物計測手段110におくり微生物の個数を計測する微生物計測装置が記載されている。
【特許文献1】特開2001−340072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の微生物計測装置では、撮影された画像に異常があったり、計測結果に異常があったりしても結果が異常であるという警告を発生する機能をもたないため、計測の即時中断ということができず、計測時間を無駄にしてしまうという課題があり、計測の効率を向上させるということが要求されている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、計測結果の異常、計測撮影画像の異常を判断し即座に警告を発し、計測を中断する機能を備えることで、計測効率の高い微生物計測装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の微生物計測装置は、上記目的を達成するため、検体中の微生物を蛍光染色試薬を用いて染色し、励起光をあて蛍光した発光点の個数から微生物の数量を計測する装置において、計測途中であってもあらかじめ設定した微生物数を超えた場合に、警告を発する警告発生手段を備えた構成としたものである。
【0008】
この構成により、計測結果、撮影画像が異常である事を異常が発生した時点で知ることができるため不要なデータをとる作業を中止でき、計測効率の高い微生物計測装置を提供できる。
【0009】
また他の手段は、計測中に計算された結果より、最終結果を推測する微生物数推測手段を備えた構成としたものである。
【0010】
この構成により、計測結果が最終いくらになるか、その結果が異常であるかどうかを、最終計測結果をまたずに計測途中で知ることができ、異常であった場合には計測途中で計測を中断することができ計測効率の高い微生物計測装置を提供できる。
【0011】
また他の手段は前記微生物数推測手段により、最終結果があらかじめ設定した数値を超えることが予想された場合に警告を発する警告発生手段を備えた構成としたものである。
【0012】
この構成により、計測中に設定と計測結果の人為的な比較をおこなわずに、装置側から異常であることを教えてくれるため、確実に異常情報を確認できる微生物計測装置を提供できる。
【0013】
また他の手段は、警告発生時に計測を中断する計測中断手段を備えた構成としたものである。
【0014】
この構成により、警告発生と同時に計測作業を自動的に中止できるため、微生物計測器装置の止め忘れがなくなり、計測作業効率の高い微生物計測装置が提供できる。
【0015】
また他の手段は、蛍光染色試薬で蛍光した発光点の発光した面積から微生物数を判断する微生物数判断手段を備えた構成としたものである。
【0016】
この構成により、微生物の塊からその中に存在する微生物数を推測でき、計測精度の高い微生物計測装置が提供できる。
【0017】
また他の手段は、微生物数判断手段によって、複数の微生物と判断された発光点の微生物数の数量が予め設定した数量を超えた場合に、警告を発する警告発生手段を備えた構成としたものである。
【0018】
この構成により、塊で存在する微生物に対して、微生物の計測数が多いと異常を発生することができる微生物計測装置を提供できる。
【0019】
また他の手段は、警告発生時に計測を中断する機能備えた構成としたものである。
【0020】
この構成により、異常時に計測を即時に中断でき、効率のよい微生物計測ができる微生物計測装置を提供できる。
【0021】
また他の手段は、予め設定した検査領域での発光点の面積を積算する発光点面積積算手段と、前記発光点面積積算手段を用いて計測中に計算された結果より、最終結果を推測する発光点積算面積推測手段とを備え、その発光点積算面積推測手段によって積算された面積が、予め設定した面積を超えた場合に、警告を発する警告発生手段を備えた構成としたものである。
【0022】
この構成とすることで、微生物の塊が存在していたとしても確実に微生物を占有した面積を計測することで微生物数を知ることができ、規定値を超えた場合には警告を発生し、計測作業効率を向上させることができる微生物計測装置を提供できる。
【0023】
また他の手段は、計測を中断する機能を備えた構成としたものである。
【0024】
この構成により、警告発生と同時に計測作業を自動的に中止できるため、計測作業効率の高い微生物計測装置が提供できる。
【0025】
また他の手段は、発光している発光点の形状または面積により発光点を分類し複数種類の微生物、微生物以外の物質を区別する微生物識別手段を備えた構成としたものである。
【0026】
この構成により、微生物とそれ以外の物質を区別することができることで、計測精度の高い微生物計測装置が提供できる。
【0027】
また他の手段は、前記微生物計測手段にて計測された発光点の面積を微生物数に変換する微生物数変換手段を備えた構成としたものである。
【0028】
この構成により、微生物の塊を数に変換して計測できるため、精度の高い微生物計測装置が提供できる。
【0029】
また他の手段は、微生物計測装置の駆動するための微生物計測装置駆動ソフトを2重立ち上げできない2重立上防止手段を備えた構成としたものである。
【0030】
この構成により、2重立ち上げによるソフトの動作不良を防止できる微生物計測装置が提供できる。
【0031】
また他の手段は、前記微生物計測装置駆動ソフトの2重立ち上げに対して、警告を発する警告発生手段を設けた構成としたものである。
【0032】
この構成により、ソフトを2重立ち上げしたことを明確に確認できる微生物計測装置が提供できる。
【0033】
また他の手段は、微生物の計測が終わったことを知らせる終了音の発生できる終了音発生手段を備えた構成としたものである。
【0034】
この構成により、計測が終わったことを音声で知ることができるため確実な計測終了確認ができる微生物計測装置が提供できる。
【0035】
また他の手段は、終了音の発生バターンや周波数を可変とできる音質可変手段とした構成としたものである。
【0036】
この構成により、計測終了確認がより確実な微生物計測装置が提供できる。
【0037】
また他の手段は、警告音と終了音の発生を違う音質で発生することができる音質可変手段を備えた構成としたものである。
【0038】
この構成により、警告音と計測終了音を確実に区別することができ、計測効率を向上できる微生物計測装置が提供できる。
【0039】
また、他の手段は他の計測ソフトで動かした場合にも微生物計測装置中の部品の動作時間が積算される動作時間積算手段を備えた構成としたものである。
【0040】
この構成により、部品の動作時間を正確に知ることができる微生物計測装置が提供できる。
【0041】
また他の手段は、微生物計測装置駆動ソフトの起動アイコンの外周色と、計測画面の外周色を同じにした構成としたものである。
【0042】
この構成により、現在動作しているソフトがどのソフトであるか明確にできる微生物計測装置が提供できることとなる。
【0043】
また他の手段は、微生物計測装置駆動ソフトと他の駆動ソフトの起動アイコンの色をかえた構成としたものである。
【0044】
この構成により、他の駆動ソフトとの区別が明確になり、ソフトの誤った立ち上げが防ぐことのできる微生物計測装置駆動ソフトを提供できる。
【0045】
また、他の手段は警告を発させる基準となる数値を微生物計測装置の使用者が任意に設定できるようにした構成としたものである。
【0046】
この構成により、微生物計測装置の使用者が計測対象物に応じた数値で警告を発生させたり、計測を中断させたりできるため、使用者が使いやすい微生物計測装置を提供できる。
【0047】
また、他の手段は、発生した警告内容を保存することができる構成としたものである。
【0048】
この構成により、過去に発生した警告内容を再度表示することのできる微生物計測装置を提供できる。
【0049】
また、他の手段は、保存した前記警告内容を表示することができる構成としたものである。
【0050】
この構成により、過去に発生した警告内容を表示することで、過去の異常内容を再度確認でき計測対象検体を作成するときの参考データとして有効に使うことのできるデータを表示できる微生物計測装置が提供できる。
【0051】
また、他の手段は、計測結果表示を次の計測サンプルを開始する前まで表示することができる構成としたものである。
【0052】
この構成により、計測結果をより長く表示でき、利便性の高い微生物計測装置が提供できる。
【0053】
また、他の手段は、計測検体の面積を微生物計測装置の使用者が任意に設定できる構成としたものである。
【0054】
この構成により、微生物計測装置特有の計測用冶具を使用しない使用者が任意な計測治具を使用できる微生物計測装置が提供できる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、計測結果の異常には計測中であっても即座に異常情報を発することと、使用者に確実に異常を知らせることができることと、計測終了時には計測終了情報を確実に使用者に知らせることができることで、計測作業効率を高くできるという効果と、微生物の占有する面積から微生物数を計算できるので高精度で計測できるという効果のある微生物計測装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明の請求項1記載の発明は、微生物を蛍光染色試薬を用いて染色し、励起光を当てることによって蛍光発光した発光点を微生物の発光として微生物の数量を計測する装置において、計測途中であってもあらかじめ設定した微生物数を超えた場合に、異常事態であることを知らせる警告を発する警告発生手段を備えたことで、使用者に即座に計測結果の異常を知らせることができるという作用を有する。
【0057】
本発明の請求項2記載の発明は、計測中に計算された結果より、最終結果を推測する微生物数推測手段を備えたことで、最終計測結果を待たずに計測結果の推測値を知ることができるという作用を有する。
【0058】
本発明の請求項3記載の発明は、前記微生物数推測手段により、最終結果があらかじめ設定した数値を超えることが予想された場合に異常警告を発する警告発生手段を備えたことで、最終計測結果をまたずに、異常を知ることができるという作用を有する。
本発明の請求項4記載の発明は、警告発生時に計測を中断する機能を備えたことにより無駄な計測を防ぐことができるという作用を有する。
【0059】
本発明の請求項5記載の発明は、染色試薬で発光した発光点の発光した面積から微生物数を判断する微生物数判断手段を備えたことで、塊で存在する微生物の個数を計測できるという作用を有する。
【0060】
本発明の請求項6記載の発明は、微生物数判断手段によって、複数の微生物と判断された発光点の微生物の数量が予め設定した数量を超えた場合に、警告を発する警告発生手段を備えたことで、微生物の個数が異常であること確実に告知できるという作用を有する。
【0061】
本発明の請求項7記載の発明は、警告発生時に計測を中断する計測中断手段を備えたことで、無駄な計測を省略できるという作用を有する。
【0062】
本発明の請求項8記載の発明は、予め設定した検査領域の発光点の面積を積算する発光点面積積算手段と、前記発光点面積積算手段を用いて計測中に計算された結果より、最終結果を推測する発光点積算面積推測手段を備え、その発光点積算面積推測手段によって計算された面積が、予め設定した数量を超えた場合に、警告を発する警告手段を備えたことで、発光点の面積による計測結果の状態を知ることができ、その結果が異常であればその情報を確実に告知できるという作用を有する。
【0063】
本発明の請求項9記載の発明は、計測を中断する計測中断手段を備えたことで、異常時での計測作業の無駄を省略できるという作用を有する。
【0064】
本発明の請求項10記載の発明は、発光している発光点の形状あるいは面積の大きさの違いにより発光点を分類し複数種類の微生物と微生物以外の物質を区別する微生物識別手段を備えたことで、微生物をより確実に識別できるという作用を有する。
【0065】
本発明の請求項11記載の発明は、計測された発光点の面積を微生物数に変換する微生物数変換手段を備えたことで、微生物数を精密な数値で表現できるという作用を有する。
【0066】
本発明の請求項12記載の発明は、微生物計測装置を駆動するための微生物計測装置駆動ソフトを備えその微生物計測装置駆動ソフトを2重立ち上げできないようにする2重ソフト立上防止手段を設けた構成としたことで、2つの微生物計測装置駆動ソフトが同時に動作しないようにできるという作用を有する。
【0067】
本発明の請求項13記載の発明は、前記微生物計測装置駆動ソフトの2重立ち上げに対して、警告を発する警告発生手段を設けた構成としたことで、微生物計測ソフトの立ち上げ異常をより確実に告知できるという作用を有する。
【0068】
本発明の請求項14記載の発明は、警告音を音の発生パターン、周波数を可変とする等ができる音質変換手段を設けた構成としたことで、警告告知を複数のパターンで行うことができるという作用を有する。
【0069】
本発明の請求項15記載の発明は、微生物の計測が終わったことを知らせる終了音を発生することができる終了音発生手段を備えた構成としたことで、計測終了を確実に告知できるという作用を有する。
【0070】
本発明の請求項16記載の発明は、警告音を音の発生パターン、周波数を可変とする等ができる音質可変手段を設けた構成としたことで、警告告知を複数のパターンで行うことができるという作用を有する。
【0071】
本発明の請求項17記載の発明は、警告音と終了音の発生を違う音質で発生できる音質可変手段を備えた構成としたことで、計測時の計測異常の警告と計測終了を使用者が区別しやすくできるという作用を有する。
【0072】
本発明の請求項18記載の発明は、他の計測ソフトで動かした場合にも微生物計測装置中の部品の動作時間が積算される動作時間積算手段備えたことで、他の微生物計測装置駆動ソフトで駆動した場合を含めた部品の総使用時間を知ることができるという作用を有する。
【0073】
本発明の請求項19記載の発明は、微生物計測装置駆動ソフトの起動アイコンの外周色と、計測画面の外周色を同じにしたので、動作中の微生物計測装置駆動ソフトがどのソフトか判別しやくできるという作用を有する。
【0074】
本発明の請求項20記載の発明は、駆動ソフトと他の微生物計測ソフトの駆動アイコンの色をかえたことで、他の微生物計測装置駆動ソフトとの識別をしやすくできるという作用を有する。
【0075】
本発明の請求項21記載の発明は、警告を発生させる数値を微生物計測装置の使用者が任意に設定できるようにしたことで、使用者の都合により警告を発生させるがことができるという作用を有する。
【0076】
本発明の請求項22記載の発明は、発生した警告内容を保存可能としたことで、使用者が過去の警告内容をいつでも呼び出すことができるという作用を有する。
【0077】
本発明の請求項23記載の発明は、保存した警告内容を表示可能としたことで、使用者が過去の警告内容をいつでもその場で確認できるという作用を有する。
【0078】
本発明の請求項24記載の発明は、計測結果の表示を次の計測時まで画面表示可能としたことで、使用者が計測結果の確認をしやすくできるという作用を有する。
【0079】
本発明の請求項25記載の発明は、計測検体の計測面積を、微生物計測装置の使用者が任意に設定できるようにしたことで、計測検体の自由度を増やせるという作用を有する。
【0080】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0081】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の微生物計測装置1の構成図の一例である。従来例と同一部分は同一番号を附し詳細な説明は省略する。図1に示すように、微生物計測装置1は、微生物を蛍光染色試薬を用いて染色させ、蛍光染色され発光した発光点の個数を数え、その個数から計測したい微生物の数量を計測するものである。微生物計測装置1内に、広い波長領域を持つ例えば水銀灯やキセノンランプのような光を発する照明照射手段2と、蛍光色素を励起させる波長帯のみを透過させる励起フィルター3と、透過した励起光を反射し、蛍光染色検体から発する蛍光を透過させる分光フィルター4と、この分光フィルター4からの励起光を集光したり、蛍光染色検体102からの蛍光を集光したり、計測対象物を拡大したりするための対物レンズ5と、純粋な微生物の蛍光発光波長帯を分離する蛍光分光フィルター6と、蛍光分光フィルター6で分離された蛍光を撮影する、例えば撮像素子にCCDを使用するCCDカメラのような撮影手段7とを備えた微生物計測装置本体8と、撮影手段7で撮影された画像データ転送するための通信ケーブル109と、転送されてきた画像データを受け取る微生物計測手段9と、微生物計測手段9で計測された結果をもとに、計測結果の表示を行わせたり、微生物駆動装置の運転停止や、励起光の露光時間や、撮影手段7の制御などを行うための微生物計測装置駆動ソフト10と微生物計測手段9から送られてくるデータをもとに、あらかじめ規定された数値例えば、検体中に許容される微生物数の限度値すなわち許容微生物数などの異常数値と計測結果を比較し、異常数値を超えたかどうか判断し、異常と判断した場合に、微生物計測装置駆動ソフト10に警告発生信号を送る警告発生手段11と、異常時の異常音発生や、計測結果の表示、各種データの入力等を行うための微生物計測装置駆動用パソコン12とを備えている。
【0082】
次にこれらの、構成要件の関係について説明する。
【0083】
微生物計測装置本体8に、照明照射手段2から発せられた光を、蛍光染色検体102を染色した蛍光色素を励起させる波長を分離する励起フィルター3で励起光を分離し、この分離された励起光を分光フィルター4で対物レンズ5の方向へ反射し、励起光を受けた対物レンズ5は、この励起光を集光して蛍光染色検体102により強い光を照射する。蛍光染色検体102は、照射された励起光により蛍光染色された微生物から蛍光を発するようになり、対物レンズ5で発光した蛍光を集光し、計測対象物を拡大して、分光フィルター4を通過して蛍光分光フィルター6に到達する。蛍光分光フィルター6に到達した光は、蛍光波長成分以外の波長の光が混ざっている可能性があるため、この蛍光分光フィルター6にて純粋な微生物の蛍光成分のみを分離する。この蛍光分光フィルター6により分離された光は、撮影手段7撮影される。撮影された画像は、通信ケーブル109を介して微生物計測装置駆動用パソコン12に送られ、送られてきた画像データは、微生物計測手段9にて画像処理が行われ、前記画像データの発光点から微生物数を計測行う。微生物計測手段9により計測された結果は、微生物計測装置駆動ソフト10と、警告発生手段11に送られ、微生物計測装置駆動ソフトは、微生物計測装置駆動用パソコン12に表示させたり、警告発生手段11より警告信号を受けたときには、微生物計測装置駆動用パソコン12を警告音を発生させる。また、警告発生手段11は、微生物計測手段9より計測結果を受け取り計測結果と異常を判定するための異常判定値とを比較し計測結果が異常判定値より大きければ、異常発生信号を微生物計測装置駆動ソフト10に送るようになっている。
【0084】
さらに、微生物計測装置駆動用パソコン12には、警告音、終了音などの音声を発生するためのスピーカーや計測結果を表示するための液晶モニターなどが備えられている。
【0085】
また、微生物計測装置駆動ソフト10は、微生物計測装置本体8内の照明照射手段2による撮影のための照明を点灯したり消灯したりすることや、撮影手段7による検体の撮影を行ったり、撮影の露光時間を決めたりすることを通信ケ―ブル109を介して指令を出したりもできるようにプログラムされたものである。
【0086】
微生物計測手段9の一例をもう少し詳細に記載すると、撮影された検体の画像から輝度値分布データに作成しそれぞれの輝度値の強さにより、微生物の試薬による蛍光か、否かを判断する。このような手段で、微生物と判断した蛍光点を計測、積算し、次にその積算した蛍光点数を微生物計測装置駆動ソフト10に送るようにプログラムされたものである。
【0087】
警告発生手段11をもう少し詳細に記述すると、計測途中であってもあらかじめ設定した微生物数例えば、検体中に許容される微生物数の限度値すなわち許容微生物数などの異常数値を超えた場合に音声発生や液晶表示などの警告発生信号を発生、送信するようにプログラムされたものである。
【0088】
図1には記載していないが、微生物計測装置本体8は規定寸法を動かしながら蛍光染色検体を撮影できる蛍光染色検体102の駆動装置も備えている。この駆動装置により蛍光染色検体102は、自由に計測箇所を変えることができるようになっている。規定寸法の一例は1.5mm程度である。また、駆動装置の規定寸法の入力は、微生物計測装置駆動ソフト10により行われる。撮影手段7としては、微生物の蛍光画像が撮影できれば良く、前述したCCDカメラなどがある。
【0089】
また、図2は、照明照射方法の構成図の一例である。従来例と同一部分は同一番号を附し詳細な説明は省略する。図2に示すように、励起フィルター3からでた光を励起集光レンズ13により集光し、蛍光染色検体102に照射し、蛍光染色検体102から発せられた蛍光は対物レンズ5で集光され、蛍光分光フィルター6に到達する。以下は図1と同じ構成で蛍光画像が撮影され、その画像から微生物が計測される。図1の場合との違いは、分光フィルター4を削除し、励起光集光レンズ13を追加したことである。これにより光の分光フィルター4によるロスを軽減できることとなる。
【0090】
上記構成において、微生物計測装置1で計測した微生物の数量が異常数値を超えた場合、微生物計測装置駆動用パソコン12より警告音や、警告表示などの警告が発生し異常状態を即座に確認できるので、警告発生以降の無駄な計測を実施する必要がないことがわかるため、効率のよい微生物の計測が可能となる。
【0091】
警告の発生は、微生物計測装置駆動用パソコン12が付属のスピーカーや、液晶画面を駆動し警告音として出力したり、液晶画面での警告表示をしているが、警告音については外部スピーカー、警告表示は外付けの液晶モニターなどによる警告音の発生を行ってもよい。
【0092】
また、微生物とは、酵母菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などをさし、感度的に見ればできるだけ大きな微生物、例えば酵母菌のほうが検出しやすい。また、使用する蛍光染色試薬の一例としては、励起光が紫外線で青色の蛍光を発する4’,6―ジアミジノ―2―フェニルインドールや、励起光が青色光で緑色の蛍光を発するSYTO24、励起光が緑色で赤色の蛍光を発するプロピディウムイオダイドなどがある。
【0093】
また、ここで記載する照明照射手段2の例としては、波長が360nm〜800nm程度を波長を発することが可能な光源がよいが、すでに述べた水銀灯やキセノンランプ等でも蛍光染色試薬を吸収波長が360nm〜800nmのものを選択することで使用可能となる。よって、蛍光色素の最大吸収波長近辺の波長の光をだす、LEDやレーザーなども使用できる。特にレーザーを使用した場合は、励起フィルター3を省略することも可能である。
【0094】
上記構成において、微生物計測装置1で計測した微生物の数量が規定値を超えた場合、警告発生手段11より警告が発生し異常状態を即座に確認できるので、警告発生以降の無駄な計測を実施する必要がないことがわかるため、効率のよい微生物の計測が可能となる。
【0095】
(実施の形態2)
実施の形態1と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0096】
図3は、本発明の実施の形態2の構成図の一例である。図3に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態1の構成に対して、計測中に計算された結果より、蛍光染色検体102上の全微生物数を推測するようにするプログラムである微生物数推測手段14を備えた構成としたものである。
【0097】
つまり、微生物数推測手段14は、微生物計測手段9から計測された微生物数と、微生物計測装置駆動ソフト10から計測済み面積と、蛍光染色検体102の全面積の情報を受け取り、検体の全面積から、計測済みの面積の合計を除算し計測済みの計測結果に除算した結果を乗算することで、最終結果を推測するものである。以下その最終結果を推測する計算式を記述すると、微生物数の最終結果の推測値=検体の全面積÷計測済み面積の合計×計測済み面積の微生物数の合計値となる。微生物数推測手段14は、上記微生物数の最終結果を推測する計算式のプログラムであり、微生物計測装置駆動用パソコン12内にプログラムされて存在する。さらに、この推測結果を、警告発生手段11に送り、異常判定数値とを比較し、異常判定数値より推測結果が大きい場合には、実施の形態1のように微生物計測装置駆動ソフト10に異常信号を送り、微生物計測装置駆動用パソコン12で異常表示を行う。
【0098】
上記構成により計測結果が最終いくらになるか、異常であるかどうかを、最終計測結果をまたずに中間状態で知ることができ、異常であった場合には計測途中で計測を中断することができ計測効率の高い微生物計測が可能となる。
【0099】
さらに、微生物数推測手段14により計算された結果により前記許容微生物数などのあらかじめ設定しておいた異常数値を超えた場合に警告発生手段11により、異常が発生すれば警告を発することができ、異常状態を確認しやすい微生物計測装置1が提供できる。
【0100】
ここで、微生物数推測手段14を備えたことで、警告発生手段11でもつ異常数値は、計測が進むにつれて最終結果の確度が上がっていくので、前記異常数値となるあらかじめ定めておいた規定値も、前記駆動装置により蛍光染色検体102を移動して計測した箇所数に応じて変化させるようにする。
【0101】
具体的な一例を、総計測箇所を30箇所とし、全箇所を計測した時点では、最終異常と判断する規定数値を1万として記述していく。
【0102】
各計測時点での異常を規定する数値は、最終計測時規定値と計測ばらつきを考慮して決める。今回の場合は、一画面目を計測した時点での異常値の規定値は、3万といように定める。本来は、計測ばらつきについては、蛍光染色検体102上の微生物の分布状態を実験的に求めるとよい。1画面目の規定値と、最終計測時規定値からの各計測時点での規定値を計算して定めていく。つまり、順次計測が進むにつれて、最終計測時点では1万が異常となるように数字を比例的に変化させていけばよい。
【0103】
つまり、2画面目計測時点は、計算式(30万−10万)/(30画面−1画面)=20万/29≒0.69万より、画面進むことにより約0.7万減算させて、29.3万というように設定することができる。
【0104】
また、一画面計測が進むにつれて、約7000が減算されるので、最終結果計測時は、異常値の設定値は10万となる。
【0105】
上記構成により計測結果が最終いくらになるか、異常であるかどうかを、最終計測結果をまたずに中間状態で知ることができ、異常であった場合には計測途中で計測を中断することができ計測効率の高い微生物計測が可能となる。
【0106】
ただし、計測中の計測結果がすでに最終計測時の規定値を超えてしまう場合は、即座に異常と判断し警告を出すようにする。
【0107】
また、異常判定数値を計測の進行状況にあわせて変化させる、例えば、一番目の計測が完了した時点では、仮にAという数値に定めたとした場合に、数番目の計測が完了した時点では、最終結果の推測をするのに、データが増えておりより確度の高い計測ができ、異常判定値をより最終結果を用いた判定値に近い数値Bに自動的に変更できるようにすることで、より計測効率の高い微生物計測システムが提供できる。
【0108】
その一例として、蛍光染色検体102をN箇所の撮影画像で菌数を推測しようとしたとき、最終結果が出た場合の異常判定値をXとすると、1画面計測時の変化させる異常判定値Y1は、Y1=N*Xとし、2画面計測時の異常判定値Y2は、Y2=N*X/2、NN画面計測時の異常判定値YNは、YN=N*X/NNとすることで、異常判定の確度をあげることができる。
【0109】
(実施の形態3)
実施の形態1あるいは2と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0110】
図4は、本発明の実施の形態3の構成図の一例である。図3に示すように、微生物計測装置1は、警告が発生された場合、計測を中断するようにするプログラムである計測中断手段15を備えた構成としたものである。
【0111】
計測中断手段15は、警告発生手段11で発する警告信号を受けて、微生物計測装置駆動ソフト10に計測中断信号を送り、微生物計測装置駆動ソフト10は、照明照射手段2、撮影手段7などを停止させ、微生物計測装置駆動用パソコン12にて、途中までの計測結果、異常原因、などを表示する。この場合、警告発生手段11は、計測中断手段15にも異常信号を送るようになっている。上記内容は、微生物計測装置駆動用パソコン12内にプログラムされることにより行われる。また、警告発生手段11が警告を発生する時は、実施の形態1、および2のいずれかに記載した場合である。
【0112】
上記構成により、警告発生と同時に計測作業を自動的に中止できるため、使用者が不要な計測データを取らないようにできるため、計測作業効率の高い微生物計測装置1が提供できることとなる。
【0113】
(実施の形態4)
実施の形態1乃至3のいずれかと同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0114】
図5は、本発明の実施の形態4の構成図の一例である。図5に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態3の構成に対して蛍光染色試薬のより発光した部分の面積の大きさから1個の微生物および複数の微生物と判断するなど、微生物数を判断するプログラムである微生物数判断手段16を追加した構成としたものである。
【0115】
微生物数判断手段16は、微生物計測手段9の一機能として存在し、微生物計測手段9に送られてきた画像から、蛍光点の面積を計測し、その面積の大小で微生物が凝集して存在している事を判断し、面積の大きさにより微生物数のランクわけをするようにしたものである。
【0116】
例えば、そのランク分けは、発光点の面積が4ピクセル以下でれば、微生物1個、40ピクセル以上であれば10個、400ピクセル以上であれば100個というようにランクわけを行う。この値は、微生物計測装置1の撮影装置の画像数、レンズ倍率によってことなり、実験的に決めていく数値である。
【0117】
上記内容は、微生物計測装置駆動用パソコン12内にプログラムされることにより行われる。
【0118】
上記構成により、微生物が塊で検体中にいた場合そのおおよその総数を把握することができ、精度の高い微生物計測装置1が提供できる。
【0119】
また、警告発生手段11を備えていることで、計測結果の微生物数があらかじめ設定しておいた異常数値を超えると、警告を発生することができ、異常状態を即座に確認でき、無駄な計測を省略できるという効果も有する。
【0120】
また、警告発生時に微生物計測装置1の計測を中断させる計測中断手段15を備えていることで、使用者が不要な計測データを取らないようにできるため、計測作業効率の高い微生物計測装置1が提供できることとなる。
【0121】
(実施の形態5)
実施の形態1乃至4のいずれかと同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0122】
図6は、本発明の実施の形態5の構成図の一例である。図6に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態4の構成に対して、予め設定した検査領域の発光点の面積を積算する発光点面積積算手段17と発光点面積積算手段17を用いて計測中に計算された結果より、最終発光面積総数を推測する発光点面積推測手段18を追加した構成としたものである。
【0123】
発光点面積積算手段17は、各撮影画像より各発光点の面積を画像処理を行うことで算出し、算出された発光点の面積を順次加算することにより行われる。
【0124】
また、発光点面積推測手段18は、検体の全面積から、計測済みの面積の合計を除算し発光点の積算面積計測済み結果に除算した結果を乗算することで、全発光点の面積を推測するものであり、以下その計算式を記述すると、全発光点の面積の推測値=検体の全面積÷計測済み面積の合計×計測済みの発光点積算面積となる。発光点面積推測手段18としては、上記全発光点の面積の推測の計算式は微生物駆動用パソコン12内にプログラミングされることで行われる。
【0125】
上記計測システムの流れとしては、微生物計測手段9が蛍光点情報を取得し、その情報を発光点面積積算手段17が受け現時点での蛍光点面積の計測結果を計算し、また、発光点面積積算手段17からの情報と、微生物計測装置駆動ソフト10からの計測位置情報を発光点面積推測手段18が受け蛍光点面積の最終結果を推定するようにし、実施の形態4に示すように微生物数判断手段16により推測面積を微生物数ランクに変換する。
【0126】
発光点面積積算手段17、発光点面積推測手段18は微生物計測手段の一部として存在する。
【0127】
この構成とすることで、微生物の塊が存在していたとしても、微生物が占有していた面積を計測することで、実際に違い微生物数や、計測終了前に最終結果の推定値を知ることができ、結果の良し悪しを判断しながら計測が可能なため、計測中に次の対応を考えることができ、あらかじめ設定した数量を超えた場合には、警告を発生することと、警告発生時に微生物計測装置1の計測を中断することが可能なため、無駄な計測を省略できる計測効率のよい微生物計測装置1を得ることができる。
【0128】
また、この場合の警告発生手段11に設定する警告発生時に用いる設定値は、発光点面積推測手段18により最終結果の計測が進行するにつれ変わっていくため、変化していくようにしている。
【0129】
具体的な一例を、総計測箇所を30箇所とし、全箇所を計測した時点では、最終異常と判断する面積の規定数値を200万画素として記述していく。ここで、面積は、撮影画像の画素数であらわす。
【0130】
異常を規定する数値は、計測ばらつきを考慮して決める。今回の場合は、一画面目を計測した時点での異常値の規定値は、600万画素といように定める。本来は、計測ばらつきについては、蛍光染色検体102上の微生物の分布状態を実験的に求めるとよい。
【0131】
1画面目の規定値と、最終計測時規定値からの各計測時点での規定値を計算して定めていく。つまり、順次計測が進むにつれて、最終結果時点では200万画素が異常となるように数字を比例的に変化させていけばよい。
【0132】
2画面目計測時点は、計算式(600万画素−200万画素)/(30画面−1画面)=400万/29≒13.8万より、一画面計測後の減算値を考慮して、600万画素−13.8万画素=586万画素というように設定することができる。
【0133】
また、一画面計測が進むにつれて、約14万画素が減算されるので、最終結果計測時は、異常値の設定値は200万画素となる。
【0134】
ただし、計測中の計測結果がすでに最終計測時の規定値を超えてしまう場合は、即座に異常と判断し警告を出すようにする。上記の内容は、微生物計測装置駆動用パソコン12内にプログラミングして行われる。
【0135】
(実施の形態6)
実施の形態1乃至5のいずれかと同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0136】
図7は、本発明の実施の形態6の構成図の一例である。図7に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態5の構成に対して、蛍光点の形状または占有する面積のデータから、微生物か微生物以外のものかを識別するプログラムである微生物識別手段19を追加した構成としたものである。
【0137】
ここで、微生物識別手段19は、微生物計測手段9の中に存在し、送信されてきた画像から、蛍光点の形状、面積を計測し、この形状、面積からあらかじめ微生物識別手段19内に微生物に相当する形状及び面積をデータとして登録しておき、このデータに近いものがあれば、微生物と認識し、データと違う形状のものであれば、微生物以外の異物と認識させる形状認識処理といったものである。微生物識別手段19で処理した結果をもとに、微生物計測手段9は微生物数を計測し、前述の実施の形態1乃至5に記載したように、微生物計測手段9は情報を発信する。微生物識別手段19のような判断基準、形状認識処理などは、全てプログラムとして微生物計測装置駆動用パソコン12に構成される。
【0138】
この構成とすることで、微生物をより選択的に計測することができ、計測精度の高い微生物計測装置1が得られる。また、微生物識別手段19の認識データに、形状、面積の他に、蛍光点の輝度値もデータとして加えることも可能であり、こうすることで微生物計測装置1は、さらに計測精度の高いものとなる。
【0139】
(実施の形態7)
実施の形態1乃至6のいずれかと同一部分は同一番号を附し詳細な説明は省略する。
【0140】
図8は、本発明の実施の形態7の構成図の一例である。図8に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態6に対して、微生物数推測手段14、微生物数判断手段16を削除し、計測された蛍光点の面積を微生物数に変換するようなプログラムである微生物数変換手段20を設けた構成としたものである。
【0141】
この微生物数変換手段20は、発光点面積積算手段17、発光点面積推測手段18より算出された微生物の面積情報を受け取り、あらかじめ微生物数変換手段20内に登録された、実験により計測された微生物の一個あたりの面積を、前記面積情報の裁縫と判断した面積から除算し、除算した結果を微生物数とすることにより構成される。以下その微生物数の計算式を記述する。微生物数=微生物と判断した面積÷微生物一個あたりの面積。
【0142】
この、微生物数変換手段20は、微生物計測手段の一機能として存在し、その結果は微生物計測手段9から警告発生手段11に伝達される、その後は前述の実施の形態1などのように処理が行われる。
【0143】
この構成とすることで、微生物の塊を微生物数に変換して計測できるため、精度の高い微生物計測装置1が提供できる。微生物数変換手段20としては、上記微生物数の計算式等を微生物計測装置駆動用パソコン12にプログラムして行われる。
【0144】
(実施の形態8)
実施の形態1乃至7のいずれかと同一部分は同一番号を附し詳細な説明は省略する。
【0145】
図9は、本発明の実施の形態8の構成図の一例である。図9に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態7に対して、微生物計測装置1を駆動する微生物計測装置駆動ソフト10を2重対立ち上げできないようにする2重立ち上げ防止手段21を備えた構成としたものである。
【0146】
この2重立ち上げ防止手段21は、先に立ち上がっている微生物計測装置駆動ソフト10から特定の信号が出るようにあらかじめ微生物計測装置駆動ソフト10をプログラムしておき、同じソフトが2重に起動しようとしたとき、あとから起動したソフトはそのフラグがあることを検知すれば、微生物計測装置駆動ソフト10にプログラム実行終了させる信号終了信号を送り、ソフトの立ち上げを終了してしまうようにしたものである。また、前記終了信号を警告発生手段11に送ることにより、この場合の警告発生手段11は、2重立ち上げ異常信号を駆動ソフトに送るようにされており、前記2重立ち上げ異常信号をうけた微生物計測装置駆動ソフト10は、微生物計測装置駆動用パソコン12に2重立ち上げを示す警告音や、2重立ち上げがあったことを表示させる。
【0147】
この構成により、微生物計測装置1の動作不良をなくすことが可能となる。また、2重立ち上げ時に警告を発生する警告発生手段11を設けることで、微生物計測装置駆動ソフト10の2重立ち上げしたことを明確に使用者に知らせることができる微生物計測装置1が提供できる。
【0148】
(実施の形態9)
実施の形態1乃至8のいずれかと同一部分は同一番号を附し詳細な説明は省略する。
【0149】
図10は、本発明の実施の形態9の構成図の一例である。図10に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態8に示す構成に対して警告音の音質を可変できるようにするプログラムである音質可変手段22を設けたものである。
【0150】
この音質可変手段22は、警告発生手段11によって発生される警告の中で音声を発する場合に用いるものであり、音の周波数、音のパターン等を変化させることできるものであり、微生物計測装置駆動用パソコン12内に音の周波数や、音のパターンをプログラムされており、使用者が自由に設定できるようにしている。
【0151】
この構成により、警告の種類を音質で区別することができるため、異常の種類を確実に察知することができる微生物計測装置1が提供できる。
【0152】
(実施の形態10)
実施の形態1乃至9のいずれかと同一部分は同一番号を附し詳細な説明は省略する。
【0153】
図11は、本発明の実施の形態10の構成図の一例である。図11に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態9に示す構成に対して、計測が終了したことをしらせる新語上を発生するプログラムである終了音発生手段23を設けた構成としたものである。
【0154】
この終了音発生手段23は、微生物計測装置駆動ソフト10より計測終了の情報を得、その情報により、音声信号を発生するよう微生物計測装置駆動用パソコン12に伝えるように、微生物計測装置駆動用パソコン12にプログラムされている。最終的に終了音は、微生物計測装置駆動用パソコン12に付属するスピーカなどから発生する。
【0155】
この構成により、計測終了を音声で行うことで、離れていても微生物計測装置1から離れていても計測終了がわかり、確実な計測終了確認ができるため、計測の効率を向上させることが可能となる。
【0156】
さらに、前記終了音を音質可変手段22にて可変とすることで、計測パターンの違いを終了音で知ることができより効率的な計測が可能となる。
【0157】
また、音質可変手段22により、前記警告音と、前記終了音の音質を変えることで、正常計測終了か異常終了かの判断も簡単にでき、異常終了の場合、すぐに対応が必要なときは迅速に対応をすることができ、効率のよい計測が可能となる。
【0158】
(実施の形態11)
実施の形態1乃至10のいずれかと同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0159】
図12は、本発明の実施の形態11の構成図の一例である。図12に示すように、微生物計測装置1は、実施の形態10に示す構成に対して、微生物計測装置1を駆動する複数の計測内容の違うソフトが存在する場合、各ソフトで動作した部品の動作時間を積算できるようにするプログラムである動作時間積算手段24を設けたものである。
【0160】
この、計測内容の違う複数の計測ソフトの一例としては、計測対象物を変える場合、画像処理を行うソフトを変える必要のある場合がある、その場合は同じ計測装置を用いて違う複数の微生物計測装置駆動ソフトが存在することになる。
【0161】
この動作時間積算手段24は、各駆動ソフトで動作させた部品たとえば本特許の場合、具体的には光源用部品である照明照射手段2に用いる、水銀灯やLED、レーザーなどの励起照明のような使用することで性能が劣化し交換を要する部品をさす。これらの部品が動作した時間をひとつの管理データで管理する構成にすることで行われ、この管理データに各部品の動作時間を書き込んだり、読み出したりできるように微生物駆動装置駆動用パソコン12内にプログラムされている。
【0162】
この構成により、ひとつの駆動ソフト立ち上げ時に他の駆動ソフトで動作させた時間も積算できるため、正確な部品の動作時間を知ることができる。
【0163】
また、微生物計測装置駆動ソフト10を起動させる起動アイコンの色を微生物計測装置1を駆動できる他の駆動ソフトの起動アイコンと変えることで、ソフトの起動間違いを少なくすることが可能となる。
【0164】
前記起動アイコンは、微生物計測装置駆動用パソコン12の画面上に存在し、この駆動用アイコンをクリックすることで、微生物計測装置駆動用ソフト10が起動し、微生物計測装置1での計測が可能な状態になる。
【0165】
また、微生物計測装置1に複数の駆動ソフトが存在する場合、微生物計測装置駆動ソフト10で起動した微生物計測装置1の計測画面の外周色と微生物計測装置駆動ソフト10起動用アイコンの色を同じにすることで、今微生物計測装置1がどのソフトで動いているのかがわかりやすくできる。
【0166】
ここで、計測画面とは、微生物計測装置駆動ソフト10により作られるもので、微生物を計測するときのパラメータの設定や、計測結果を表示できるようにしたものである。
【0167】
(実施の形態12)
微生物計測装置1は、微生物計測装置駆動用パソコン12により使用者が、異常と判定したい数値、すなわち警告を発生させる基準となる数値を使用者が入力することで、警告発生手段11内に設定していた異常判定値、すなわち警告を発生させる基準となる数値を変更できるようにしたものである。
【0168】
この構成により、異常判定基準、すなわち警告を発生させる基準となる数値を使用者が任意に設定できるようになり、より使い易い微生物計測装置1が提供できる。
【0169】
(実施の形態13)
実施の形態1乃至12のいずれかと同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0170】
図13は、本発明の実施の形態13の構成図の一例である。図13に示すように、微生物計測装置駆動用パソコン12内にメモリーなどの異常内容記憶手段25を備え、異常発生時その時の異常内容を記憶するようにしたものである。異常内容記憶手段25としては、記憶できれば良く、メモリーなどがある。
【0171】
この構成により、使用者が過去の警告内容を保存しておくことができ、保存した過去の記憶内容を参照して、計測異常の内容を確認することができる微生物計測装置1を提供できる。
【0172】
(実施の形態14)
実施の形態13で保存した警告内容を微生物計測装置駆動用パソコン12、あるいは液晶などの外部表示装置等に表示可能とすることで、使用者が過去の警告内容をいつでも表示、確認、参照でき、過去の警告内容、原因と比較参照することにより、異常原因分析のしやすい微生物計測装置1が提供できる。
【0173】
(実施の形態15)
微生物計測装置1により、微生物計測装置駆動用パソコン12、あるいは外部表示装置等に表示された計測結果を、次の計測時まで画面表示可能としたことで、使用者が計測結果の確認をし易くでき、結果の転記などをしたい時の転記忘れをし難くできる微生物計測装置1が提供できる。
【0174】
(実施の形態16)
微生物計測装置駆動用パソコン12により使用者が、計測したい検体面積を任意に入力できるようにすることで、計測検体の自由度を増やせ、いろんな計測形態に対応した微生物計測装置1が提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明の微生物計測装置は、検体に蛍光染色を行い、微生物の試薬との反応による蛍光を用いて蛍光した微生物の個数を計測する場合において、計測中に異常が発生した場合即座に警告を発生することが可能で、計測中に最終計測結果を推測しながら計測できるようにしたことで、計測効率のよい微生物計測装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の実施の形態1の微生物計測装置の一例の構成図
【図2】本発明の実施の形態1の微生物計測装置の他例の構成図
【図3】本発明の実施の形態2の微生物計測装置の一例の構成図
【図4】本発明の実施の形態3の微生物計測装置の一例の構成図
【図5】本発明の実施の形態4の微生物計測装置の一例の構成図
【図6】本発明の実施の形態5の微生物計測装置の一例の構成図
【図7】本発明の実施の形態6の微生物計測装置の一例の構成図
【図8】本発明の実施の形態7の微生物計測装置の一例の構成図
【図9】本発明の実施の形態8の微生物計測装置の一例の構成図
【図10】本発明の実施の形態9の微生物計測装置の一例の構成図
【図11】本発明の実施の形態10の微生物計測装置の一例の構成図
【図12】本発明の実施の形態11の微生物計測装置の一例の構成図
【図13】本発明の実施の形態13の微生物計測装置の一例の構成図
【図14】従来技術の微生物計測装置の構成図
【符号の説明】
【0177】
1 微生物計測装置
2 照明照射手段
3 励起フィルター
4 分光フィルター
5 対物レンズ
6 蛍光分光フィルター
7 撮影手段
8 微生物計測装置本体
9 微生物計測手段
10 微生物計測装置駆動ソフト
11 警告発生手段
12 微生物計測装置駆動用パソコン
13 励起光集光レンズ
14 微生物数推測手段
15 計測中断手段
16 微生物数判断手段
17 発光点面積積算手段
18 発光点面積推測手段
19 微生物識別手段
20 微生物数変換手段
21 2重立ち上げ防止手段
22 音質可変手段
23 終了音発生手段
24 動作時間積算手段
25 異常内容記憶手段
102 蛍光染色検体
109 通信ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を蛍光染色試薬を用いて染色し、蛍光発光した発光点の個数から微生物の数量を計測する装置において、あらかじめ設定した微生物数を超えた場合に、警告を発する警告発生手段を備えた微生物計測装置。
【請求項2】
微生物を蛍光染色試薬を用いて染色し、蛍光発光した発光点の個数から微生物の数量を計測する装置において、計測中に計算された結果より、最終結果を推測する微生物数推測手段を備えた微生物計測装置。
【請求項3】
微生物数推測手段により、最終結果があらかじめ設定した微生物の数量を超えることが予想された場合に警告を発する警告発生手段を備えた請求項2に記載の微生物計測装置。
【請求項4】
警告発生時に計測を中断する計測中断手段を備えた請求項1または3に記載の微生物計測装置。
【請求項5】
蛍光染色試薬により発光した発光点の面積から微生物数を判断する微生物数判断手段を備えた請求項1乃至4いずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項6】
発光点の微生物数の数量が予め設定した数量を超えた場合に、警告を発する警告発生手段を備えた請求項5に記載の微生物計測装置。
【請求項7】
警告発生時に計測を中断する計測中断手段を備えた請求項6記載の微生物計測装置。
【請求項8】
予め設定した検査領域の発光点の面積を積算する発光点面積積算手段と前記発光点面積積算手段を用いて計測中に計算された結果より、最終結果を推測する発光点積算面積推測手段を備えその発光点積算面積推測手段によって計算された面積が、予め設定した面積を超えた場合に、警告を発する警告発生手段を備えた請求項1乃至7いずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項9】
計測を中断する計測中断手段を備えた請求項8記載の微生物計測装置。
【請求項10】
発光している発光点を形状または面積の違いにより発光点を分類し複数種類の微生物と微生物以外の物質を区別する微生物識別手段を備えた請求項1乃至9のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項11】
計測された発光点の面積を微生物数に変換する微生物数変換手段を備えた請求項1乃至4あるいは、請求項9または10に記載の微生物計測装置。
【請求項12】
微生物計測装置を駆動するための微生物計測装置駆動ソフトを備え、微生物計測装置駆動ソフトを前記2重立ち上げできないようにする2重立上防止手段を備えた請求項1乃至11いずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項13】
微生物計測装置駆動ソフトの2重立ち上げに対して、警告を発する警告発生手段を設けた請求項12記載の微生物計測装置。
【請求項14】
警告発生手段として警告発生を警告音で行いその警告音を変化できる音質可変手段を備えた請求項1、3、6、8、12または13に記載の微生物計測装置。
【請求項15】
微生物の計測が終わったことを知らせる終了音発生手段を備えた請求項1乃至14いれかに記載の微生物計測装置。
【請求項16】
終了音の音質を変化できる音質可変手段を設けた請求項1乃至15のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項17】
警告音と終了音の発生を違う音質で発生することができる音質可変手段を備えた請求項16記載の微生物計測装置。
【請求項18】
他の計測ソフトで動かした場合にも微生物計測装置中の部品の動作時間が積算される動作時間積算手段を備えた請求項12乃至17のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項19】
微生物計測装置駆動ソフトの起動アイコンの色と、計測画面の色を同じにする構成とした請求項12乃至18のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項20】
微生物計測装置駆動ソフトと他の微生物計測ソフトの駆動アイコンの色をかえた構成とした請求項12乃至19のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項21】
警告を発生させる基準となる数値を微生物計測装置の使用者が任意に設定できるようにした請求項1、3乃至20のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項22】
発生した警告内容を保存可能とした請求項1、3乃至21のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項23】
保存した警告内容を表示できるようにした請求項1、3乃至22のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項24】
計測結果の表示を次の計測時まで画面表示を可能とした請求項1乃至23のいずれかに記載の微生物計測装置。
【請求項25】
検体の計測面積を微生物計測装置の使用者が任意に設定できるようにした請求項1乃至24のいずれかに記載の微生物計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−20557(P2007−20557A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366071(P2005−366071)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】