説明

微粉化セルロースエーテル類の製造方法

本発明は、微粉化セルロースエーテル類の製造方法に関する。特に本発明は、細かく粉砕されたセルロースを苛性ソーダで処理し、エーテル化剤と反応させる工程を、各反応段階を特定条件に調節して粒子の微粉化を行い、粉砕工程での運転負荷を大きく軽減させて、工程の運転効率を高めた経済的なセルロースエーテル類の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粉化セルロースエーテル類の製造方法に関する。特に本発明は、細かく粉砕されたセルロースを苛性ソーダで処理してエーテル化剤と反応させる工程を、各反応段階を特定条件に調節して粒子の微粉化を行い、粉砕工程での運転負荷を大きく軽減させ、工程の運転効率を高めた経済的なセルロースエーテル類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキル・アルキルセルロース(hydroxyalkyl alkylcellulose)などのセルロースエーテル類は、医薬、建築、ペンキなど種々の分野で、増粘剤、結合剤、あるいは接着剤として工業的に有用な化合物である。
【0003】
セルロースエーテル類の製造方法として、次のように多くの方法が開示されている。
米国特許第4,076,935号には、製造したセルロースエーテル類を空気と多量の水の存在下に振動ミルで粉砕して、製品の50%以上が100ミクロン以下の粒子サイズにするセルロースエーテル類の粒子を小さくする方法を開示している。しかし、この方法は、振動ミルという複雑で特別の装置を使用することが必要で、また水を加えることで製品の重量が大きくなるといった問題点がある。
【0004】
さらに、米国特許第4,820,813号では、高速の空気衝撃ミル(air−swept impact mill)で衝撃を与えることで高粘度のセルロースエーテル類粒子を微細にする方法を提案している。粉砕後のセルロースエーテル類粒子は、40〜400メッシュの微粒子となるが、この方法も特別のミルと特別の製品を必要とする問題点がある。
【0005】
また、米国特許第5,488,104号は、合成したセルロースエーテル類を、断面積が約7.5×10−9から約1×10−6である多数のオリフィスを通して押出して細長い押出品とし、これを所定の長さに切断し、次いで空気衝撃ミル(air−swept impact mill)で粉砕するセルロースエーテル類の粉砕方法を開示している。この方法は、微細空隙の濾過網を使用して製品を押出しする工程があるので、工程が増えた分時間がかかり、濾過網を完全に洗浄するのが難しく、切断、乾燥、粉砕を繰り返す全体の工程が非常に複雑となり、工業上の観点からは好ましくない。
【0006】
また、米国特許第4,415,124号では、セルロースエーテル類からの微細粉体製造に関し、セルロースエーテル類を冷却ボールミルで硬化させた後、ジェットミルを通す方法と、セルロースエーテル類をペレットにした後、ジェットミルや衝撃ディスクミル(impact disc mill)で粉砕して微細粒子を得る方法を提示している。しかしながら、これらの方法は、粉砕段階で少なくとも2つの異なるミルを使用しなければならず、装置のためのコストが上昇し、その工程を行うための時間が増えることになる。また、前段階で詰まりが生じたときに、全工程を止めることになるので工業的に効率が悪い。加えて、これらの方法は、運転、保守、修理に多額の費用を要するという重大な欠点がある。
【0007】
それ故、上述のセルロースエーテル類の製造方法は、乾燥および粉砕段階で特別の装置を使用するとしており、これにより規模が大きくなり、粉砕に先立って圧縮、押出しなどの前処理段階が必要であるため、大量生産を行う規模の点で限界がある。この他従来の方法は、工程が複雑になること、保守が難しいことなどの欠点がある。
【0008】
一方、本発明者らは、セルロースエーテル類の製造時に関し、洗浄と濾過を同時に行い、粉砕と乾燥の段階を同時に行う工程を導入したセルロースエーテル類の製造方法を特許出願した[大韓民国公開特許第2003−42796号]。この方法は、粉砕と乾燥を同時に行う利点があるが、粒子径を小さくするための装置が必要であり、運転、保守及び修理に追加の費用が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明者は、これまで知られている方法の問題点を解決すべく努力した結果、セルロースエーテル類の合成工程に対する反応制御の研究からセルロースエーテル類の微細粒子を製造する反応条件を見出し、反応系内の有機反応物の量を調節することで、製品の形状を規制する微粉化セルロースエーテル類の製造方法を完成するに至った。
本発明の目的は、工業的に効率よく、経済的な微粉化セルロースエーテル類の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、粉砕されたセルロースに苛性ソーダを分散させ、エーテル化剤を加える段階を含む微粉化セルロースエーテル類の製造方法であり、セルロース1重量部に対してエーテル化剤0.01〜3.0重量部を反応容器に加え、この混合物を、40℃から60℃に10〜60分かけて徐々に温度を上げて反応させる1次反応、次いで45℃から75℃に60〜180分かけて徐々に温度を上げて反応させる2次反応、最後に80℃から90℃に60〜180分かけて徐々に温度上げて反応させる3次反応を順番に行っていくことにその特徴がある。
【0011】
特に、この微粉化セルロースエーテル類の製造方法は、次の段階でなっている。
a)粉砕されたセルロースをアルカリ化剤で処理するアルカリ化段階;
b)前記アルカリ化されたセルロースに、セルロース1重量部に対して0.01〜3.0重量部のエーテル化剤を加える反応混合物の調整段階;
c)前記反応混合物を、40℃から60℃に10〜60分かけて徐々に温度を上げて反応させる1次反応段階;
d)前記1次反応混合物を、45℃から75℃で60〜180分かけて徐々に温度を上げて反応させる2次反応段階;及び
e)前記2次反応混合物を、80℃から90℃で60〜180分かけて徐々に温度を上げて反応させる3次反応段階;
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明は、微粉砕したセルロースを苛性ソーダと処理をした後にエーテル化剤を反応させる過程で、各反応段階を特定条件に調節して粒子の微粉化を行い、粉砕工程での運転負荷を大きく軽減させて、工程の運転効率を高めた経済的なセルロースエーテル類の製造方法である。
【0013】
本発明によるセルロースエーテル類の製造方法において、セルロースをエーテル化剤と反応するためには、先ずアルカリ化剤で処理してアルカリ化を行いセルロースの硬い結晶構造を軟化させなければならない。このアルカリ化剤は、セルロースと結合することによりセルロースの結晶構造を拡げてセルロースと種々の化学物質との結合あるいは反応を助ける役割を果たすとともに、セルロースとエーテル化剤の反応における触媒の役割をする。
この活性なアルカリ化されたセルロースを室温で所定時間攪拌させると結晶構造が軟化してくる。
【0014】
室温でアルカリ化されたセルロースに反応物と一定の結合能をもたせた後、エーテル化剤が加えられてセルロースに結合させる。苛性ソーダの処理方法を変えると、所望の反応物(一般に、アルキレンオキシド(alkyleneoxide)とハロゲン化アルキル(alkylhalide))の置換度(Degree of Substitution、DS)も変わる。本発明において苛性ソーダの量を変えて、アルコキシ置換度を15%から30%に、ヒドロキシアルコキシ置換度を5%から25%にする。
【0015】
さらに、本発明の微粉化セルロースエーテル類の製造方法は、アルカリ化剤を加える段階(b)前に、選択的な段階として希釈ガスを加えることもできる。しかし、高品質のセルロースエーテル類を製造するには、希釈ガスを使用しない、あるいは使用するとしても少量とするのが好ましい。
【0016】
本発明で使用される希釈ガスは、ジメチルエーテルなどのエーテル化合物、イソプロパノールなどの低級アルコール類などを用いて調製される。しかし、所望の置換度とするには、エーテル化剤と希釈ガスは所定量を使用しなければならない。合成されたセルロース粒子の形体は、エーテル化剤と希釈ガスの使用量、および反応温度によって違ってくる。セルロースエーテル類は、軽いファイバー形態のものもあり、球状晶のものもあり、製品の置換度や透明性などに影響を与える。さらに、これらセルロースエーテル類を製品化するためには、冷水で処理して顆粒化し、乾燥し、ジェットミルやボールミルによる粉砕して所望の粒子径とし、次いで所定の開度の篩を通すことが必要である。
【0017】
低密度のファイバー形態のセルロースエーテル類を従来の方法により合成すると、顆粒化が円滑に行えず、製品のバルク密度が低くなり、粉砕と篩分け段階での循環量が多くなり生産性が低下する。一方、球状晶のものを合成すると、よく顆粒化はされるが、粒子の内部までエーテル化剤で置換されなかったり、あるいは疎水性成分が内部に集まると、粉砕時これらが表面に出て、結局ファイバー形態になり、最終製品のバルク比重が低くなり、粉砕工程での循環量が多くなり、工程上の不利を招いてしまう。
【0018】
従って、本発明者らは、これらの問題点を解決すべく努力し、反応系における有機化合物の総量と反応温度を調節することで、硬いファイバー形態のセルロースエーテル類粒子を製造する方法を確立した。即ち、有機化合物の量とは、微粉砕セルロースエーテル類に対して加えられたエーテル化剤を含む有機物の総量を意味し、反応温度とは、これら有機化合物を反応容器に投入した後の反応容器温度を維持あるいは冷却する段階、および所定時間かけて反応容器の温度を徐々に上げていく段階の温度である。有機化合物の量と反応温度の組み合わせを制御することによって、セルロースエーテル類の粒子形態を調節することができる。
【0019】
以下、本発明の製造方法をより詳しく説明する。
セルロースの硬い結晶構造は、エーテル化剤と反応させるためには軟化させなければならない。このためには、固体または水溶液状態のアルカリ金属水酸化物(苛性ソーダ)を使用するのが好ましい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムを使用するのが好ましい。苛性ソーダを粉砕されたセルロースに均等に行きわたるようにするには、スプレーすることが重要である。苛性ソーダを完全にスプレーしてから、セルロース1重量部に対して2.5重量部以下の希釈ガスを加え、よく混合させる。ここで、希釈ガスは、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテルから選らばれる。希釈ガスは、セルロース1重量部に対して2.0重量部以下加えられるのがより好ましい。2.5重量部を超えると、反応装置の圧力が許容最大圧を越すことがあるので危険である。希釈ガスが加えられてから、エーテル化剤としてアルキレンオキシド(alkyleneoxide)とハロゲン化アルキル(alkylhalide)が加えられる。この時、アルキレンオキシドとして炭素数2〜4個を有するエチレンオキシド(ethyleneoxide)、プロピレンオキシド(propyleneoxide)、ブチレンオキシド(butyleneoxide)が好ましく、ハロゲン化アルキルは炭素数1〜5個を有する塩化メチル(methylchloride)、塩化エチル(ethylchloride)、塩化プロピル(propylchloride)、塩化ブチル(butylchloride)が好ましい。また、エーテル化剤は、セルロース1重量部に対して0.01〜3.0重量部加えるのが好ましい。エーテル化剤が0.01重量部未満では、反応温度の調節が難しく、急激な発熱反応を起こすことがある。3.0重量部を超えると、反応圧力の高くなり過ぎて運転が難しく、特殊な高圧反応装置が必要となる。エーテル化剤を全て加えた後、10分〜60分間かけて温度を40℃から60℃(好ましくは40℃から50℃)に徐々に上げて1次反応を行わせる。この時40℃未満のとき、反応速度が遅くなり、工程時間を増やすことが必要になる。反対に、60℃を超えるとアルキレンオキシドの反応を制御するのが難しく、局部的な過熱現象により副反応生成物を多く発生させることになる。また、反応時間が10分未満では、急激な温度上昇により急速な発熱反応が起きて反応温度の制御が難しくなる。また、60分を超えると全体の工程が長時間となってしまう。
【0020】
さらに、60〜180分間かけて温度を45℃から75℃(好ましくは55℃から65℃)に徐々に上げて2次反応を行わせる。温度が45℃未満では、反応の進行がかなり遅くなり、75℃を超えると副生成物の発生が増える。また、反応が60分未満で行われると未反応のアルキレンオキシドが増加し、180分より長いと反応製品が変性することがある。
【0021】
次いで、60〜180分間かけて温度を80℃から100℃(好ましくは85℃から90℃)に徐々に上げて3次反応を行わせ、この温度で10〜60分間維持させる。温度が80℃未満ではセルロースとハロゲン化アルキルの反応が完全に進行させるのが難しく、100℃を超えると合成された製品は変色し、分解することがある。反応が60分未満ではハロゲン化アルキルの反応が充分になされず、180分を超えると合成された製品が変性することがある。反応が終了した後、合成された製品を95℃の熱湯を使用して濾過し、ミルに投入し、粉砕処理の負荷なし60〜80℃の熱風を吹き込み、微粉化セルロースエーテル類が製造される。
【0022】
本発明方法によりセルロースエーテル類粒子はファイバー形態で製造されるので、乾燥時に塊状に凝結せず、粒子径が大きくならない。また、粒子が非常に柔軟であるため、単純にパイプで空気を流すだけで粒子が簡単に分離され、合成時の製品外観を変えることがない。従って、本発明の微粉化セルロースエーテル類の物理的特性は、従来方法で製造されたセルロースエーテル類とは大きく異っている。
【0023】
また、簡単な乾燥で得られたセルロースエーテル類のバルク密度は、0.45〜0.65g/mLであり、この結果、この発明方法でさらなる顆粒化工程なしに高バルク密度のセルロースエーテル類を得ることができる。加えて、本発明により製造されたセルロースエーテル類粒子は、粉砕工程なしに乾燥した状態で、100メッシュ以下が99〜100重量%の粒子分布である。この時セルロースエーテル類粒子の水分率は、3.0%以下になっている。
【0024】
これらの結果から、本発明によって製造されたセルロースエーテル類粒子は既に微細粒子形態に形成されていることが確認された。本発明のセルロースエーテル類の製造方法は、ミルの運転条件を厳しく制御する必要がなく、篩分け工程において大きい径の製品を循環させず、これにより運転負荷が画期的に軽減するので、工業的に効率よく、経済的である。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を下記の実施例によってさらに詳細に説明する。ただし、これらは本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を制限しない。
〔実施例1〕
容量100Lの高圧反応容器に、微粉砕したセルロース6kgを投入した。セルロースをエーテル化剤と反応させるために、50重量%苛性ソーダ水溶液を反応容器にスプレーして均一に散布し、セルロースの硬い結晶構造を軟化させた。苛性ソーダ8kgを完全にスプレーした後、反応容器に希釈ガスとしてジメチルエーテル2kgを加え、よく混合し、同時にエチレンオキシド2.5kgとハロゲン化メチル8kgを加えた。混合物を、60分かけて温度40℃にして反応を行い、100分間かけて40℃から75℃まで温度を上げて2次反応を行い、80℃で3時間3次反応を行い、この温度に30分間保持した。
反応終了後、熱湯100Lを加えて10分間攪拌した。混合物を30分間かけて濾過し、流動乾燥機で乾燥した。このように乾燥した製品(水分率:2.50%)は、粉砕することなく開度100メッシュの篩で10分間振動篩分けし、100メッシュ以下の製品(水分率:2.48%)995gを得た。結果を表1に示す。
【0026】
〔実施例2〜7及び比較例〕
反応温度、希釈ガスの種類およびその量以外は実施例1と同様の方法で、反応を行った。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0028】
前述した通り、本発明による微粉化セルロースエーテル類の製造方法は、従来技術の経済的に不利、および複雑であるという点を改良したものであり、合成工程での有機化合物の量を規制し、かつ反応温度を効率的に制御することで、セルロースエーテル類粒子を硬いファイバー形態に製造することができ、工程も単純にすることができる。さらに、この方法は、希釈ガスの使用量を規制することによりセルロースエーテル類粒子の形態を決めることができ、簡単な乾燥段階以外に別途の粉砕段階が必要なく、かつ設備における運転負荷を軽減させる画期的な製造工程の導入により、設備の運転費用、保守および修理の観点から経済的に好ましい。さらに、この方法は、工程時間を短縮することで生産性を向上させる。
【0029】
このように製造された微粉化セルロースエーテル類は、従来のセルロースエーテル類に比べて表面積が非常に大きく、水和されるに早く、容易に溶液になるため、医薬産業におけるカプセル製造やコーティングに適し、モルタル、砂利、セメント、石膏またはプラスターと一緒にペーストやモールディング混合物のフィラー、そして合成樹脂の添加剤として使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕されたセルロースに苛性ソーダを分散させ、エーテル化剤を加えてセルロースエーテル類を製造する方法であり、
(a)セルロース1重量部に対してエーテル化剤0.01〜3.0重量部を加えた後、40℃から60℃に10〜60分かけて徐々に温度を上げて反応させる1次反応段階と、
(b)45℃から75℃に60〜180分かけて徐々に温度を上げて反応させる2次反応段階と、
(c)80℃から90℃に60〜180分かけて徐々に温度上げて反応させる3次反応段階と、を含むことを特徴とする微粉化セルースエーテル類の製造方法。
【請求項2】
前記1次反応、前記2次反応、前記3次反応が、それぞれ40℃から50℃、55℃から65℃、85℃から90℃の温度であることを特徴とする請求項1記載の微粉化セルースエーテル類の製造方法。
【請求項3】
前記エーテル化剤が、アルキレンオキシド(alkyleneoxide)またはハロゲン化アルキル(alkylhalide)であることを特徴とする請求項1記載の微粉化セルロースエーテル類の製造方法。
【請求項4】
前記アルキレンオキシドが、炭素数2〜4個であり、前記ハロゲン化アルキルが、炭素数1〜5個であることを特徴とする請求項3記載の微粉化セルロースエーテル類の製造方法。
【請求項5】
さらに、前記エーテル化剤を加える前に希釈ガスを加えることを特徴とする請求項1記載の微粉化セルースエーテル類の製造方法。
【請求項6】
前記希釈ガスが、ジメチルエーテル及びジエチルエーテルから選らばれた1種以上であることを特徴とする請求項5記載の微粉化セルースエーテル類の製造方法。
【請求項7】
前記希釈ガスが、セルロース1重量部に対して2.5重量部以下加えられることを特徴とする請求項5または6記載の微粉化セルースエーテル類の製造方法。
【請求項8】
請求項1の方法で製造され、100メッシュ以下の粒子が99%以上の粒子分布率を有することを特徴とするセルロースエーテル類。
【請求項9】
a)粉砕されたセルロースをアルカリ化剤で処理するアルカリ化段階と、
b)前記アルカリ化されたセルロースに、セルロース1重量部に対して0.01〜3.0重量部のエーテル化剤を加える反応混合物の調整段階と、
c)前記反応混合物を、40℃から60℃に10〜60分かけて徐々に温度を上げて反応させる1次反応段階と、
d)前記1次反応混合物を、45℃から75℃で60〜180分かけて徐々に温度を上げて反応させる2次反応段階と、及び
e)前記2次反応混合物を、80℃から90℃で60〜180分かけて徐々に温度を上げて反応させる3次反応段階と、を含むことを特徴とする微粉化セルロースエーテル類の製造方法。
【請求項10】
前記アルカリ化剤が、固体または水溶液状のアルカリ金属水酸化物(苛性ソーダ)であることを特徴とする請求項9記載の微粉化セルロースエーテル類の製造方法。
【請求項11】
さらに、前記b)段階の前に希釈ガスを加えることを特徴とする請求項9記載の微粉化セルロースエーテル類の製造方法。
【請求項12】
前記希釈ガスが、ジメチルエーテル及びジエチルエーテルから選ばれた少なくとも1種のエーテル化合物であり、セルロース1重量部に対して2.5重量部以下加えられることを特徴とする請求項11記載の微粉化セルロースエーテル類の製造方法。

【公表番号】特表2007−528425(P2007−528425A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512203(P2005−512203)
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/KR2003/002874
【国際公開番号】WO2005/058970
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(503166528)サムスン ファイン ケミカルズ カンパニイ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】