説明

微細構造、該微細構造の製造方法、及びDNA分析方法

【課題】DNA分析において、短時間に、精度よくそして携帯可能な分析機器及び方法に関し、特にアクティブマトリックス微細構造に関し優れた構造を提供する。
【解決手段】利便性、携帯性に優れたDNA分析用の微細構造を実現する。 基板上に形成され、アドレス指定可能な、ピクセル化された、DNA液体分析用の、アクティブマトリクス微細構造であって、(a)アドレス可能なピクセルサイトと、(b)DNAオリゴヌクレオチドプローブを有する少なくとも1つの機能化分析サイトを受け入れるために、上記ピクセルサイト内に配置されたセンサーホームストラクチャーと、(c)上記分析サイト上のプローブを機能化させるように操作可能な、アドレス可能で各ピクセルサイトに固有の、エネルギー場を生成するファンクショナライザー(好ましくは光学の)とで特定される少なくとも1つのピクセルを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年10月6日に提出し、現在ペンディング状態である、アメリカ仮出願番号60/849,875「Micro-Pixelated Array Assay Structure and Methodology」の出願日の優先権を主張する。上記先に出願した仮出願件に開示されている全ての事項は、参照により、本件に含まれる。
【0002】
本発明は、DNA分析技術に関する。より詳細には、新規かつ独自で、デジタル処理でアドレス指定可能(digitally-addressable)であり、ピクセル化された(pixelated)DNA流体分析微細構造(DNA fluid-assay micro-structure)、及びそのような微細構造を製造し、製造した後に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
DNAセンサー、またはDNA分析技術は、一般的に、科学的、医学的、そして診断学的に重要な研究及び検出業務の担い手として非常に有望視されている。しかしながら、この技術は、多くの重大な障害により陰ってしまっている。本発明は、そこに焦点を当て、修正する研究を行っている。
【特許文献1】米国特許第5,143,854号明細書
【特許文献2】米国特許第6,985,665B2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の典型的なDNA微細分析は、基板に支持された(substrate-supported)合成オリゴヌクレオチドプローブのフィールド又はアレイの形態をとる構成である。これらのプローブが形成され、適切で選択された予め定めた感度を有するオリゴヌクレオチド化合物の準備ができると、興味のあるDNAの液体物質に接触するように露出される。そして、プローブは、その後、外部からレーザー照射する影響の下、蛍光の発光が試みられる。これにより、「目に見えて」撮像可能な蛍光パターンが生じる。そのパターンから、適切なイメージ分析を得るために必要な様々な特別のテンプレートを使用して分析の解釈が行われる。このような、撮像とテンプレートに基づいたイメージ分析は、極めて時間がかかるものであり、費用がかかり、正確さに欠ける傾向がある。
【0005】
関連分野の一般的な技術を持った者であれば、よく知っている多くの理由のために、従来のDNAプローブの微細分析は、一般的に一度しか使用できず、複雑であり製造に極めてコストがかかる。そして、結局のところ、上記で示唆したように、使用には極めて費用がかかるのである。また、今日用いられているチップ様の微細アレイの構成では、分析中に多くの偽陽性反応が起こるため、いらいらするほど不正確な結果が出ることも多い。さらに、これらの流通している構成は、分析結果が出るのが極めて遅く、分析に何時間もかかったり、「一晩」かかったりすることもよくある。その結果、迅速でスループットの高いパフォーマンスが実現できないのである。
【0006】
上述したようないくつかの従来技術の欠点及び期待はずれな点に加えて、DNA分析の構成を製造し、そして最終的に使用するために必要な一組の装置は大きく、そのため装置は一般的にかさばって高価である。このような背景から、中心に集めていない様式(non-centralized fashion)のDNA分析操作に求められている便利さや望まれる携帯性は、実際上可能でないのみならず、経済的にも可能ではないのである。
【0007】
本発明は、このような先行技術の欠点及び制約を劇的に解消する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、独自の、アドレス指定可能な、ピクセル化された、DNA液体分析のアクティブマトリクス微細構造にある。本発明は、当業者にはよく知られている技術であり、一般的によく用いられている基本的なウエハスケール(wafer-scale)のナノ処理技術を用いて行うことのできる方法を作成して使用することに関する。アドレスで呼び出すことができ、微細なピクセル又はピクセルに分化した個々のアレイは、支持基板(supporting substrate)上に展開されている。「アクティブマトリクス」との語は、ここでは、その内部で各ピクセルが複数のスイッチングデバイスによって制御されているピクセル化された構造を指す。これらのピクセルのそれぞれは、その前駆体の状態として考えることのできるものであり、本発明の好ましい実施形態を参照して、少なくとも1つの、選択された、組み込む必要のある(still-to-be-built)DNAオリゴヌクレオチドプローブを受け入れる(hosting)ために準備された部位と、少なくとも1つの、近接した、アドレス指定可能な、ピクセル固有の構成とを含む。ピクセル固有の構成は、ここでは、エネルギー場生成ファンクショナライザー(機能化部とも呼ばれる)と呼ばれ、好ましくは、予め定めた波長と出力レベルで操作しやすい光源(光学的供給源)の形態をとる。このような、ファンクショナライザー(機能化部:functionalizer)は、ピクセルを前駆体の状態から機能化させるまでの間、及びその後にわたってまでも光学的な力でエネルギーを与える又は照射するものとして機能する。特に、各ピクセルのこのようなファンクショナライザーは、(a)ピクセルサイトに固有のオリゴヌクレオチドプローブの前駆体の次のものを構築する(ピクセルを機能化する)ための、エネルギーを与えるという重要な役割を果たすため、及び、(b)さらにその後に、好ましくは、補助的な、DNA液体分析を実行している間にDNA分析中に付されたDNA物質を蛍光に発光させることにより、そのプローブの部位を蛍光に発光させるための鍵となる追加の役割を果たすために選択的に活性化することができる。
【0009】
また、ピクセルの前駆体の状態において、サイト内に含まれている各ピクセル(すなわち統合されたピクセル)は、少なくとも1つの完全なピクセル統合体(pixel-integrated)であり、個々がデジタルにアドレス指定可能な、ピクセル固有の光学検知器である。これは、プローブに付されるとファンクショナライザーと結合して発光するものであり、DNA分析中にあらゆる蛍光反応(結合するオリゴヌクレオチドプローブに付されたDNA分析物質によって生じた)を「読み取る」ものである。
【0010】
完全に機能化された(すなわち前駆体ではない)状態の各ピクセルには、少なくとも1つの完全に形成され、選択されたオリゴヌクレオチドプローブが存在する。これは、上述の適切なアドレス指定可能なピクセル固有のファンクショナライザーの働きによって、構築された(機能化された)ものである。
【0011】
後に明らかになるが、アドレス指定可能なピクセル固有のファンクショナライザー及び光学検知器の「ピクセルオンボードの性質(pixel-on-board nature)」は、(a)独自の方法で上述の従来技術における問題の一部を解決すると共に、(b)上記従来の技術と本発明とを明確に区別するものである。
【0012】
つまり、本発明にかかるアクティブマトリクスの微細構造は、基板上に形成され、デジタル処理でアドレス指定可能な、ピクセル化されたDNA液体分析用のアクティブマトリクスの微細構造であって、少なくとも1つのピクセルは、(a)アドレス指定可能なピクセルサイトと、(b)DNAオリゴヌクレオチドプローブを有する少なくとも1つの機能化分析サイトを受け入れるために、上記ピクセルサイト内に配置された少なくとも1つのセンサーホーム構造と、(c)上記ピクセルサイトに固有に備えられ、アドレス指定可能で、エネルギー場を生成して、少なくとも1つの分析サイト上のプローブを機能化するように操作できる機能化部と、によって特定されるというものである。
【0013】
上記の構成によれば、様々な異なる構成の機能化されたオリゴヌクレオチドプローブを有するピクセルが含まれている、非常に有用な前駆体構造を作成することができる。そして、ピクセル毎にアドレス指定可能なことにより、ピクセルオンボード(pixel-on-board)の機能化部を利用することができる。これにより、十分に機能化されたDNA分析微細構造の最終的な準備において、ユーザに幅広い用途の許容範囲が提供される。したがって、利便性、携帯性に優れたDNA分析用の微細構造を実現できる。
【0014】
本発明の微細構造において、上記機能化部は、外部からアドレス指定可能で、選択的にエネルギーを与えることのできる光源であってもよい。
【0015】
また、本発明のアクティブマトリクス微細構造は、ピクセル化されたDNA液体分析用のアクティブマトリクス微細構造であって、支持基板を備えており、複数のピクセルサイトのそれぞれには、当該サイト内でDNAオリゴヌクレオチドプローブを合成するために、外部から個別にアドレス指定可能であり、各ピクセルサイトに固有に設けられた、エネルギー場を生じさせる機能化部が含まれていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明のDNA液体分析用の微細構造は、ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、支持基板を備え、複数のピクセルサイトのそれぞれには、当該サイト内でDNAオリゴヌクレオチドプローブを機能化させるために、外部から個別にアドレス指定可能であり、各ピクセルサイトに固有に設けられた、エネルギー場を生じさせる機能化部が、選択的にエネルギーを与える光源の形態で含まれていることを特徴としている。
【0017】
本発明の微細構造において、上記光源は、ピクセルに統合されていてもよい。
【0018】
本発明の微細構造において、各ピクセルサイト内に設けられたピクセルに統合された光学検知器をさらに備えていてもよい。
【0019】
本発明の微細構造において、上記光源は光学媒体であり、各ピクセルサイトには、外部から個別にアドレス指定可能で、活性化させることができ、光源にエネルギーを与える半導体デバイスがさらに含まれていてもよい。
【0020】
本発明の微細構造において、上記光学媒体は、垂直積み上げ式で構成されている光放射デバイスであってもよい。
【0021】
本発明の微細構造において、上記光学媒体は、水平式で構成されている光放射デバイスであってもよい。
【0022】
本発明の微細構造において、上記光源は、ピクセルに統合された光学スイッチングデバイスを介することにより、基板に支持された光学ビーム構造を介して供給される光の流れを切り換えることができ、離れたピクセルに光を供給するように操作することのできる光学ビームデバイスの出力ポートであってもよい。
【0023】
また、本発明のDNA液体分析用の微細構造は、ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、支持基板と、上記基板上に配置された複数のピクセルサイトとを備え、各ピクセルサイトは、(a)DNAオリゴヌクレオチドプローブを受け入れるためのホームサイトと、(b)外部から個別にアドレス指定可能で選択的にエネルギーを与えることができ、上記ホームサイトに隣接して配置され、ホームサイトに受け入れられた上記のプローブの形成中に脱保護の少なくとも一部の役割を果たすように操作可能な光源と、を含んでいることを特徴としている。
【0024】
本発明の微細構造において、上記光源は、ピクセルに統合されたスイッチングデバイスを介することにより、基板に支持された光学ビーム構造を介して供給される光の流れを切り換えることができ、離れたピクセルに光を供給するように操作することのできる、各ピクセルサイトに固有の光学ビームデバイスの出力ポートであってもよい。
【0025】
本発明の微細構造において、上記光源は、各ピクセルサイトに固有であり、ピクセルに統合されていてもよい。
【0026】
本発明の微細構造において、さらに各ピクセルサイト内にピクセルに統合された光学検知器が設けられていてもよい。
【0027】
本発明の微細構造において、上記光源は光学媒体であり、各ピクセルサイトには、外部から個別にアドレス指定可能で、活性化させることができ、光源にエネルギーを与える半導体デバイスがさらに含まれていてもよい。
【0028】
本発明の微細構造において、上記光学媒体は、垂直積み上げ式で構成されている光放射デバイスであってもよい。
【0029】
本発明の微細構造において、上記光学媒体は、水平式で構成されている光放射デバイスであってもよい。
【0030】
また、本発明のDNA液体分析用の微細構造は、ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、支持基板と、上記基板上に配置された複数のピクセルサイトとを備え、各ピクセルサイトは、形成されたDNAオリゴヌクレオチドプローブを受け入れるホームサイトと、外部から個別にアドレス指定可能であり、DNA液体分析に関する活性の出力読み取り動作の一部として上記プローブを照射するように操作することのできる、選択的にエネルギーを与える光源と、を含んでいることを特徴としている。
【0031】
本発明の微細構造において、上記光源は、各ピクセルサイトに固有であり、ピクセルに統合されていてもよい。
【0032】
本発明の微細構造には、さらに各ピクセルサイト内にピクセルに統合された光学検知器が設けられていてもよい。
【0033】
本発明の微細構造において、上記光源は、ピクセルに統合されたスイッチングデバイスを介することにより、基板に支持された光学ビーム構造を介して供給される光の流れを切り換えることができ、離れたピクセルに光を供給するように操作することのできる、各ピクセルサイトに固有の光学ビームデバイスの出力ポートであってもよい。
【0034】
本発明の微細構造において、上記光源は、光学媒体であり、各ピクセルサイトには、外部から個別にアドレス指定可能で、活性化させることができ、光源にエネルギーを与える半導体デバイスがさらに含まれていてもよい。
【0035】
本発明の微細構造において、上記光学媒体は、垂直積み上げ式で構成されている光放射デバイスであってもよい。
【0036】
本発明の微細構造において、上記光学媒体は、水平式で構成されている光放射デバイスであってもよい。
【0037】
また、本発明のDNA液体分析用の微細構造は、デジタル処理によるアドレス指定が可能で、ピクセル化されており、基板上に形成されているDNA液体分析用の微細構造であって、少なくとも1つのピクセルは、(a)アドレス指定可能なピクセルサイト、(b)上記サイト内に配置された少なくとも1つのセンサーホーム構造、(c)DNA分析中に反応を引き起こし得るDNAオリゴヌクレオチドプローブを備えている、少なくとも1つの機能化分析サイト、及び(d)上記ピクセルサイト内に各ピクセルサイト固有に設けられ、アドレス指定可能であり、上記プローブから生じた反応を検知するように操作可能な反応検知器、によって特定されるものである。
【0038】
また、本発明のDNA液体分析用の微細構造は、ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、支持基板と、複数のアドレス指定可能なピクセルサイトとを備え、各ピクセルサイトは、(a)上記サイト内に配置され、DNA分析中に反応を生じさせ得る、各ピクセルサイトに固有のDNAオリゴヌクレオチドプローブと、(b)上記と同じサイト内に配置され、アドレス指定可能で、各ピクセルサイトに固有の、上記プローブから生じた反応を検知するように操作可能な反応検知器と、を含んでいることを特徴としている。
【0039】
また、本発明のアクティブマトリクス微細構造の製造方法は、支持基板上に複数のピクセルサイトのアレイが形成されているDNA液体分析用のアクティブマトリクス微細構造の製造方法であって、複数のピクセルサイトのアレイ及びその中のピクセルサイトを指定して製造する工程と、各ピクセルサイトに対し、そのピクセルサイト上に、各ピクセルサイトに固有の、外部から個別にアドレス指定可能で、選択的にエネルギーを与えることができ、エネルギー場を生成する、DNAオリゴヌクレオチドプローブの機能化部を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0040】
上記の方法によれば、利便性、携帯性に優れたDNA分析用のアクティブマトリクス微細構造を製造することができる。
【0041】
本発明の製造方法において、上記機能化部を形成する工程は、光源の形態をとる機能化部を製造することで実行されてもよい。
【0042】
本発明の製造方法において、上記の製造された光源は、ピクセルサイト自体に含まれるデバイスであってもよい。
【0043】
本発明の製造方法において、出力を生じさせ、ピクセルに統合されており、指定されて製造されたそれぞれのピクセルサイト内に光学検知器を配置する工程をさらに含んでいてもよい。
【0044】
本発明の製造方法において、上記の製造された光源は、光学ビーム構造の出力ポートの形態をとってもよい。
【0045】
本発明の製造方法は、さらに、(1)機能化されたDNAオリゴヌクレオチドプローブを受け入れるためのプローブホスティングホームサイトを、指定されて製造された各ピクセルサイト内に規定する工程を含み、(2)上記機能化部を形成する工程は、上記規定されたホームサイト上で選択されて受け入れられたDNAオリゴヌクレオチドプローブを構築する役割を果たし、それにより機能化させるように操作できる、光学的な光源の脱保護実行媒体として機能するように構成された機能化部を製造することによってなされてもよい。
【0046】
本発明の製造方法では、さらに上記の形成された光源の機能化部を、規定されたホームサイト上に受け入れられたDNAオリゴヌクレオチドプローブを構築し、機能化するために使用してもよい。
【0047】
本発明の製造方法において、上記の機能化部の形成工程は、上記光源を、完全に出力効果のあるDNAオリゴヌクレオチドプローブ照射デバイスとして機能するように特徴付けることを含んでいてもよい。
【0048】
また、本発明のDNA分析方法は、基板に支持され、ピクセル化された、外部からアドレス指定可能なピクセルのアレイを含む微細構造を用いてDNA分析を行う方法であって、各ピクセルは、ピクセルに含まれるピクセルに固有の構成として、(a)関連するDNA分析中に光学的な反応を示すように操作可能な、少なくとも1つの機能化されたDNAオリゴヌクレオチドプローブと、(b)光学的な照射を利用して少なくとも1つのプローブにエネルギーを与えて機能化させる、アドレス指定可能でエネルギーを与えることのできる、光学照射機能化部と、(c)操作可能で上記プローブと光学的に関連付けられており、DNA分析中にプローブが発する光学的反応に関する電気的出力信号を生成するように操作可能な、少なくとも1つのアドレス指定可能な光学検知器とを含み、上記方法は、ピクセル内のプローブを関連するDNA分析物質に対して露出させる工程と、上記露出後に、ピクセル毎に、それらから生成される出力信号を観察するためのプローブに関連付けられた検知器を、アドレス指定可能にそれぞれ読み取る工程と、を含むことを特徴としている。
【0049】
上記の方法によれば、アレイ内において、様々な異なる構成の機能化されたオリゴヌクレオチドプローブを有するピクセルが含まれている、非常に有用な前駆体構造を作成することができる。そして、ピクセル毎にアドレス可能なことにより、光学的性質を有するピクセルオンボード(pixel-on-board)の機能化部を利用することができる。したがって、本発明によれば、利便性および携帯性に優れたDNA分析操作を行うことができる。
【0050】
本発明のDNA分析方法において、上記アドレス指定可能に読み取る工程は、観察される光学反応において存在する動的な性質の時間変化を明らかにするために、時間的に分かれた複数のステップにて実行されてもよい。
【0051】
本発明による、これらの及びその他の特徴点及び有利な点は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことによって十分に理解できるようになっている。
【発明の効果】
【0052】
本発明のDNA液体分析用のアクティブマトリクス微細構造は、基板上に形成され、デジタル処理でアドレス指定可能な、ピクセル化されたDNA液体分析用のアクティブマトリクスの微細構造であって、少なくとも1つのピクセルは、(a)アドレス指定可能なピクセルサイトと、(b)DNAオリゴヌクレオチドプローブを有する少なくとも1つの機能化分析サイトを受け入れるために、上記ピクセルサイト内に配置された少なくとも1つのセンサーホーム構造と、(c)上記ピクセルサイトに固有に備えられ、アドレス指定可能で、エネルギー場を生成して、少なくとも1つの分析サイト上のプローブを機能化するように操作できる機能化部と、によって特定されるというものである。
【0053】
また、本発明のDNA液体分析用のアクティブマトリクス微細構造の製造方法は、複数のピクセルサイトのアレイ及びその中のピクセルサイトを指定して製造する工程と、各ピクセルサイトに対し、そのピクセルサイト上に、各ピクセルサイトに固有の、外部から個別にアドレス指定可能で、選択的にエネルギーを与えることができ、エネルギー場を生成する、DNAオリゴヌクレオチドプローブの機能化部を形成する工程と、を含むものである。
【0054】
また、本発明のDNA分析方法においては、ピクセルに含まれるピクセルに固有の構成として、(a)関連するDNA分析中に光学的な反応を示すように操作可能な、少なくとも1つの機能化されたDNAオリゴヌクレオチドプローブと、(b)光学的な照射を利用して少なくとも1つのプローブにエネルギーを与えて機能化させる、アドレス指定可能でエネルギーを与えることのできる、光学照射機能化部と、(c)操作可能で上記プローブと光学的に関連付けられており、DNA分析中にプローブが発する光学的反応に関する電気的出力信号を生成するように操作可能な、少なくとも1つのアドレス指定可能な光学検知器とを含み、当該方法は、ピクセル内のプローブを関連するDNA分析物質に対して露出させる工程と、上記露出後に、ピクセル毎に、それらから生成される出力信号を観察するためのプローブに関連付けられた検知器を、アドレス指定可能にそれぞれ読み取る工程と、を含むというものである。
【0055】
したがって、本発明によれば、アレイ内において、様々な異なる構成の機能化されたオリゴヌクレオチドプローブを有するピクセルが含まれている、非常に有用な前駆体構造を作成することができる。そして、ピクセル毎にアドレス可能なことにより、好ましくは光学的性質を有するピクセルオンボード(pixel-on-board)のファンクショナライザーを利用することができる。このようなデバイスにより、十分に機能化されたDNA分析微細構造の最終的な準備において、ユーザに幅広い用途の許容範囲が提供される。また、各ピクセルが光学出力検知器を含む場合には、好ましくはピクセルに関連付けられた光学出力検知器が生成する反応をアドレス可能に検査することによって、ピクセル毎に出力情報を得ることができる。このような反応は、機能化されたオリゴヌクレオチドプローブの構築に用いたファンクショナライザーのそれ自体を光源として利用することにより、目に見えるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
ここで、図面に戻り、まず図1を参照する。全体を示す10番は、アドレス指定可能なピクセル化された液体分析のアクティブマトリクス微細構造の断片部を示している。これは、ここでは、12,14,16,18,20で示されるような、個別にアドレス指定可能な複数の微細ピクセル又はピクセルからなるコラムと列と(column-and-row)のアレイ11が、簡単に言えば、適当な基板22の上に形成されている形態をとっている。個々のピクセルのアドレス指定可能性に関しては、ブラケット(bracket)24、微細構造10のピクセルと、28番のブロックの形態で示されている、離れた位置にあるコンピュータとの通信接続(アドレス付けする接続)を示す両端太矢印26がある。
【0057】
図1に示す微細構造10の一実施形態において十分に描かれたピクセル12及び14は、外見上特に目立った差異は見受けられない。その違いについて、以下説明する。上記の各ピクセルは、本発明の本実施形態に記載の目的から考えれば、互いのピクセルにとって同様に不可欠なものであると思われるが、以下では、本発明には必ずしもこのことが必要ではないことについて説明する。この「必ずしも必要ない」という最後の言葉は、一つの微細構造のアレイ中に異なるピクセルが形成された様々な応用が望ましいという我々の明確な理解に基づいている。このような、異なるピクセルの概念のいくつかについては、ここで後ほど述べる。
【0058】
ピクセル12及び14の外見上の差異は、もちろん故意に生じさせたものであり、本発明によって容易に適応できるピクセル内部の微細構造におけるいくつかの利便性の高い変形について(ここで後ほど)述べるために、図1のピクセル14の修正されたイメージを利用している。
【0059】
一般的な説明として、アレイ11に示される各ピクセル(ピクセル12を含む)の基本的な構成を説明するための図として、ここではピクセルサイトとして参照されるピクセル12を用いる。ピクセル12は、センサーホームストラクチャー(センサーホーム構造)12a、ファンクショナライザー(機能化部)12b、及びここでは反応検知器と呼ぶこともある光学検知器12cを含む、いくつかの十分に統合されたピクセル固有の要素又は構成を含んでいる。ピクセル12は、ちょうど述べた、いくつかの統合されたピクセルに固有の構成要素(サブストラクチャー)と同様に理解できる。ここでは、単に様々なサイズと形状の方形としてその概略を示している。これらの構成及びサブストラクチャーの実際のサイズ及び形状は、完全にユーザの選択事項である。アレイ11では、各ピクセルは、約500×500μmのサイズである。
【0060】
図面において、図3及び4と同様に、図1及び2は、簡単に言えば2つの微細構造の「状態」を示すように記載されている。その1つをここでは「前駆体」状態と呼び、他方を「終了した」、「仕上げられた」、又は「機能化された」状態と呼ぶ。
【0061】
この考え方及び「前駆体」の視点から、図1のセンサーホームストラクチャー内に破線の矩形12dで示されているのがホスティングサイト(他のサブストラクチャー)である。この上には、簡単に言えば、ピクセル12が機能化された状態において、DNAオリゴヌクレオチドプローブが最終的に形成される。同じく破線の矩形を、「終了した」、「仕上げられた」、又は「機能化された」視点から見ると、それ自体が十分に生成された(すなわち、機能化された)プローブの実際の構成として捉えられる。ピクセルの前駆体の状態は、ピクセル上にオリゴヌクレオチドのプローブが形成されていない状態を指す。ピクセルの機能化された状態は、ピクセル上にそのようなプローブが形成された状態を指す。
【0062】
微細構造のアレイ11に含まれている多様なピクセルが前駆体の状態を有するように形成する方法、及びピクセル12のような各ピクセルにおいて、サブストラクチャー12a、12b、12c、12dのような前駆体の基板がどのようにして形成されるかについて、ここで行われるこれらのサブストラクチャーの製造は、当業者によく知られている完全に従来の薄膜フォトリソグラフィ技術による、物質処理(material-processing)の実行によって行うことが好ましい。言い換えれば、すでに述べたような一般的なピクセル前駆体の構成の生成に含まれる広いレベルの共同の動作又はステップは独自のものであるが、アレイ及びピクセルの構造において、個々の物理的な前駆体要素のそれ自体を生成する特定の物質処理技術は、本発明の形態としては述べていない。従って、これらについては、ここでは詳しく述べない。さらに言い換えれば、ハイレベルな好ましい実施形態における全部の共同の配置は、微細構造を作成するステップ(図7参照)であって、(1)複数のピクセルサイトのアレイにおいてピクセルサイトを指定して製造するステップと、(2)上記各サイト内に、ピクセルサイトに固有の、個々にアドレス可能でエネルギーを与えることが可能な、エネルギー場生成ファンクショナライザー(好ましくは光源)を作成するステップと、(3)各ピクセルサイト内で光学(又は反応)検知器を確立するステップと、(4)生成するオリゴヌクレオチドプローブのホスト(宿主)となる部位を有するピクセル固有のホームストラクチャーを各ピクセルサイトに規定するステップとを含む。これらのステップは、集まりとして、また全体として協働することによって、唯一無二の技術となる。それゆえ、これらのステップの個々を実行する特定の方法としては、完全に従来の技術を用いてもよく、また用いることが好ましい。
【0063】
しかしながら、前駆体の後にDNAオリゴヌクレオチドプローブを生成する追加の処理は、その実行する特定の方法が完全に独自のものである。追加の処理は、あるピクセルを前駆体の状態から完全に機能化された、または終了した状態のピクセルに移行させる処理を含んでいる。プローブの生成に機能化媒体としてエネルギーを与える光を用いている限りにおいて、ここではこれをプローブ合成と呼ぶ。
【0064】
ピクセルの指定及び生成による前駆体の形成ステップ、及びピクセルにおいてオリゴヌクレオチドプローブのホストとなるサイトを規定するステップは、基本的に従来の基板風景計画(substrate-landscape-planning)の「割り付け」処理に含まれる。前駆体の形成ステップにおける、ファンクショナライザーを作成するステップと、光学検知器を確立するステップとは、上記で簡単に説明した従来の一般的な方式の薄膜形成処理に含まれる。「追加処理」ステップは、ピクセルの機能化に関連し、ホストされたDNAオリゴヌクレオチドプローブの作成又は製造の形態をとる。それには、前駆体が作成する(precursor-created)、十分にピクセルに統合され、ピクセルに固有の、光によってエネルギーを与え、主に、実際のそのようなホストプローブの形成に使用されるファンクショナライザーの使用が含まれる。
【0065】
ここで、図1及び3−6をまとめて参照すれば、センサーホームストラクチャー12aは、先に述べたピクセルサイズに対して、約100×100μmの領域を占めるピクセル12内に規定された空間である。プローブホスティングサイト12dは、ホームストラクチャー12a内に(ここで述べている実施形態のアレイにおいて単一のものとして)規定されており、12aの構成と同じかやや狭い領域を占める。サイト12dは、ここでは、サイト12dがピクセル12及びホームストラクチャー12aの領域内に存在することを明瞭に示すために、概略として小さめのサイズで示している。
【0066】
ファンクショナライザー12bは、ここでは、生じるエネルギー場が光学エネルギー場であるという観点から、2つの異なる特定の型の、個々にアドレス指定可能な光源の1つを選択する。その1つは、完全にオンボードのピクセルに固有のデバイスとして働く、トランジスタベースの(トランジスタにて切り換え可能な)光学媒体である。その他方は、すぐに十分に説明する、ここでピクセルから離れた光源と呼ぶものと操作上、交互に組み合わせることができ、基板に支持された光学ビーム構造と好適に組み合わせることのできる光学ビームデバイスの出力ポートである。
【0067】
図3、5、及び6は、上述のトランジスタ切り換え可能な光学媒体型の光源に関する。ここで、これらの3つの図面を図1と結びつけることに注意を傾けてみる。これらの図面に記載されているように、ファンクショナライザー12bは、2つの異なる、比較的慣用的な、トランジスタ切り換え可能な光学媒体の型又は態様の1つで構成されている。そのいずれもが、選択的にアドレス可能であり、図3、5、及び6に番号30で示すエネルギー供与トランジスタのような、適切に接続された、ピクセル固有の、エネルギーを与えるトランジスタを介して、個々にエネルギーを与えることができる。
【0068】
図5は、光学媒体のファンクショナライザー12bとして、垂直積み上げ式(vertical-stack-style)のエネルギー供与トランジスタ(切り換え可能な)の態様をとる光学媒体12bを示している。一方、図6は、光学媒体のファンクショナライザー12bとして、水平式(horizontal-style)のエネルギー供与トランジスタ(切り換え可能な)の態様をとる光学媒体12bを示している。理由はすぐに明らかになるが、どちらのケースにせよ、ピクセルが確立した(pixel-established)光学媒体からの光は、図3の曲線矢印31で概要を示しているように、ホームストラクチャー12aの方に適切に向けられる。また、どちらの型の光学媒体であっても、これら異なる2種の光学媒体は、好ましくは約10−nW/cm2から約50−nW/cm2の範囲の出力レベルにて、約280nmから約550nmの範囲の波長で光を発生させる。
【0069】
図5及び6に示し、上記説明した「光学媒体」としては、必須の機能化プロセスに有効な光を放射するものであれば、任意の好適な層(layer)を適用することができる。この光は、紫外領域であることが好ましいが、可視光の範囲でもよい。光学媒体は、一層又は複数層の膜構造とすることができる。特に、多層積み重ねであれば、放射する波長及び出力パワーの調節及び制御処理を行うことができる。光学媒体は、1つ又は複数の、元素又は化合物の半導体を含むグループから選択された半導体膜の層で形成することができる。半導体物質には、例えばSi、Ge、Znが含まれる。光学媒体は、溶媒中で不規則に散乱する量子ドット(quantum dots)又はナノ粒子を注入した誘電体マトリクスとしてもよい。誘電体には、例えばSiOx、SiOxNy、SiNxが含まれる。
【0070】
上記のトランジスタにエネルギーを与え、それにより光を放射させる効果を導く、個別にアドレス可能なピクセル固有のエネルギー供与接続は、図3の32にてその概要が示されているような適当な導体の構成によってもたらされる。この導体は、コンピュータ28のような外部のコンピュータとアレイ11との間に存在する上述の通信接続24、26の一部分を構成している。
【0071】
上述の構成における、2つの型のエネルギー供与トランジスタ(トランジスタベースの)光学媒体、及びそれに対する通信(エネルギー供与)接続は、ここで先に述べたように、よく知られている慣用の薄膜製造ステップにて実現されることが好ましい。
【0072】
ここで、注意を図1及び4に向ける。図4は、本発明の概略を示す図であり、従来の光学ビームデバイス34における光学出力ポート34aの形態をとる、好ましい実施形態の光源ファンクショナライザーを示している。ビームデバイス34は、従来の薄膜光学切り換え構造又はデバイス36を介して、別の従来の(otherwise conventional)薄膜光学ビーム構造38と光学的に結合している。ビーム構造38は、基板22の本体(body of substrate22)上に好適に(慣用法により)形成することができる。
【0073】
ここで、付け加えると、関連技術に習熟した者であればよく理解できるであろうが、本発明のピクセルにおける上述のトランジスタ及び切り換え構成の存在が、本発明のマトリクスアレイをアクティブマトリクスアレイにしているのである。
【0074】
適切な又は従来の薄膜で形成された電気的にエネルギーを与える接続は、図3に示す上述の導体構造32に類似している適当な導電体構造40を介して、デバイス36のようなピクセルに固有に光学切り換えデバイスに向かうように作られている。また、適切で、好ましくは慣用的な光学結合は、図4のブロック42で概要を示しているように、ビーム構造38と、適当な離れた位置のピクセルとの間で基板から離れて光を供給することを可能にしている。このような光の供給は、コンピュータ28のようなコンピュータで操作できるように接続しておくことが好ましい。この光学結合又は接続は、導体構造40と共にビーム構造38のために設けられており、上述の通信接続24、26の一部を構成している。
【0075】
出力される光がビームデバイスポート34aから与えられた時には、上述のようにピクセルから離れ、基板から離れた光源42からもたらされたこの光は、ホームストラクチャー12aのような、関連した、ピクセルに結合するホームストラクチャーに向けられる。この出力光は、好ましくは約10−nW/cm2から約50−nW/cm2の範囲の出力レベルにて、約280nmから約550nmの範囲の波長を有している。
【0076】
ここで、先に指摘したように、図1においてピクセル12とは異なるように示されていることとの関係から、特にピクセル14について説明する。ピクセル14は、ここでは、いくつかの異なるピクセル構成において適用できる変形があることを示すために記載されている。この変形は、特定の基板に関係しており、ピクセル14内には、ホームストラクチャー14a、ファンクショナライザー14b、光学(反応)検知器14c、及びプローブホスティングサイト14dが含まれている。
【0077】
さらに詳細には、ホームストラクチャー14aに関し、このホームストラクチャー内のホスティングサイト14dの全体は、(複数の代表として)1組のホスティングサブサイト14d及び14dを含むように記載されている。本発明に従って作られ、異なる材料のDNA分析が可能なアレイ中において、ピクセルの構成を実現するために、このような複数のプローブホスティングサブサイトを適用してもよい。例えば、複数の異なる特定のDNAオリゴヌクレオチドプローブに対して、それぞれに1つのホスティングサブサイトを含む(ホストする)ようにすればよい。また、異なる特性のDNAオリゴヌクレオチドプローブがアレイ11における全体の並びの中で異なるピクセル内に設けられていてもよいことは理解できるであろう。このように、複数の機能性を実現するさらに他の種類のオプションを備えるためには、複数の相違するプローブのDNA分析微細構造となる。さらに、ピクセル14は、2つの異なる種類のDNAオリゴヌクレオチドプローブを実現するために、1組のホスティングサブサイトを備えていることが図示されているが、1つのピクセル内に含まれるホスティングサブサイトのような構成の数は、必要に応じてこれと異なる数としてもよい。この可能性に関しては、幅広い帯域のDNA(broad-band DNA)分析能力を有する微細構造アレイの製作について述べる際に言及する。
【0078】
ピクセル14において、ファンクショナライザー14bは、3つのサブファンクショナライザー14b、14b、及び14bを含むものとして図示されている。特に異なる特定のDNAオリゴヌクレオチドプローブを形成し、分析に使用するために、異なる光学波長及び/又は異なるパワーレベルで稼動する光学的な光源のファンクショナライザーを利用する状況において好適な可能性を図示している。
【0079】
最後に、ピクセル14は、3つのサブ検知器の構成14c、14c、及び14cを含む光学検知器14cと共に図示されている。これは、DNA分析中において、特定のピクセル内に配置された、複数の「接続された」オリゴヌクレオチドプローブにて生じた、異なる蛍光反応に反応するための異なる波長の光学検知器を複数利用する可能性について示している。
【0080】
図示のファンクショナライザーの構成14b及び光学検知器の構成14cは、それぞれ3つのサブストラクチャーを備えているが、これは単に図示のためのものであり、必要に応じてこれと異なる数の複数のサブファンクショナライザー及びサブ検知器を用いてもよいという考えを限定するものではない。
【0081】
図1と同様の構成については同じ参照番号と文字とを使用している図2は、本発明の実施形態又は変形例を示すものであり、アレイ11内の個々のピクセルがピクセル固有の光学検知器(図1にて参照番号12cで示される検知器のような)を含まない構成を示している。その他の点については、図2に示す構成は図1に示す構成と同様である。
【0082】
これまでに、ピクセル化されたDNA分析の微細構造アレイにおけるいくつかの異なるバージョンの構成及び製造方法にの以下の点について述べてきた。すなわち、上記微細構造におけるピクセルは、DNA分析の道具として用いられるオリゴヌクレオチドプローブが上述のホスティングサイト上に結果的に生成されるようにするために準備された、ここで言う前駆体の状態、又は未だ機能化されていない状態に導かれる。このような、ピクセルが機能化されていない前駆体の状態であるアレイは、同じ又は異なる選択されたオリゴヌクレオチドプローブの最終的な生成に釣り合うものである。それが所望のオリゴヌクレオチドプローブを有する、仕上げられて機能化されたバージョンをユーザが生成する準備ができた製品であるという観点から、このような前駆体のアレイが非常に役立つことは明白である。ここで説明するように、個々のピクセルにエネルギーを与えること、及び様々なピクセル固有のファンクショナライザーを操作することは、仕上げられた状態の、十分に機能化されたDNA分析微細構造を選択的に生成する機会を与えるものである。これについては、後で説明する。
【0083】
次に、機能化の実行について述べる前に、この点についてコメントしておくべきことは、以下の通りである。すなわち、気付いているかもしれないが、オリゴヌクレオチドプローブの生成に最も一般的に用いられている方法では、各ピクセルの機能化のためのエネルギーを与える光源の使用が含まれているが、ここまでに述べたもののように、機能化の処理において、熱場のエネルギーや限定された(defined)電場のエネルギーのような、光以外のエネルギーの形態を有する媒体を使用して、独自の微細構造アレイを生成することは全く可能である。従って、ここまでに述べた微細構造DNA分析アレイの好ましい実施形態及び製造方法は、光ベースのファンクショナライザーと言うことができることが理解できるであろう。「ファンクショナライザー」との語は、他の適当な、個々のピクセルの機能化に用いることができ、エネルギーを与えることのできる、エネルギー場を生成する構成も示している。当業者であれば、本発明の考えに基づいて、このような他の形式のファンクショナライザーを、ピクセル化されたアレイ中において、ピクセル固有で、ピクセルに結合していないデバイスとして容易に製造することができる。
【0084】
ここでは、各ピクセル固有のファンクショナライザーの操作及び使用について、このファンクショナライザーが、そのプローブに関連するホスティングサイト(受け入れサイト)上において、関連するDNAオリゴヌクレオチドプローブの生成を補助する、ピクセルの構成の仕上げ又は機能化においてどのようにして独自の重要な役割を果たしているか、という観点から注目する。ファンクショナライザーは、上記プローブを生成する段階的な構築処理の間に、プローブで占められた領域を光で照らすために、選択的に再びエネルギーを与えられる(連続的に、そして段階的に)。このプローブ生成処理に関して、2つの先行特許文献(特許文献1:ピラングの米国特許No.5,143,854と、特許文献2:ヤマモトの6,985,665B2とは、伝統的な光化学によってオリゴヌクレオチドプローブを生成することに関する素晴らしい、そして適切な背景情報を提供している。そのため、これら2件の特許文献に開示されている全ての事項は、参照により、ここに含まれるものとする。これらの特許文献には、「脱保護(deprotection)」ステップとして知られている、必要な、連続した製造ステップを生み出すために、光エネルギーをどのようにして利用するか、という重要な点を除いて、本発明の機能化の実行に用いられる基本的なプローブ生成の手順が十分に記載されている。このような脱保護ステップは、次のプローブ化合物との接続が可能となるように、現れたプローブ化合物の外側の端部を露出させることによって行われる。
【0085】
これら2件の特許文献を読めば、分析構造において、オリゴヌクレオチドプローブの生成に用いられている典型的な方法は、フローセルアプローチ(flow-cell approach)であることが分かるだろう。このアプローチでは、適切な、DNAに関連する流体が段階的にフローセルを流れ、関連するフローセル上でピクセル化された分析構成にさらされる。この段階的な物質フローの実行は、使用しているフローセルの完全に外側から、上記段階に適切な波長及びパワーレベルの光を照射する(フローセルが含む分析の構成である対象物から離れている1つの場所、または複数の場所から)。これは、適切なときに、上述のように、連続した脱保護ステップを実行させるためである。すなわち、特定のオリゴヌクレオチドプローブを生成するために使用され付加された新しい有機化合物のそれぞれは、その後、出現するプローブに対する接続プローブとして利用することができる。
【0086】
ゆえに、実質的には、上述したプローブ生成処理における伝統的な構築ステップのそれぞれ、及びそれに続く、そこに接続できるようにするために、出現するプローブの外側部分の関連する機能的な外側の末端を露出させる、完成した「プローブの外側端」(外側の先端/末端)の脱保護操作において、適切なオリゴヌクレオチドプローブの次の部分は、このようにして脱保護された外側末端部分に接続されて、有効化されたフローセル(flow-cell-enabled)となる。一度接続されれば、少なくとも1つの追加のプローブ部分が次に付加されることを想定し、自然に及び故意に、好適な「保護」要素をその外側末端に運び、最後に接続された部分は、上記外側末端にて、離れた光源によって再度実行される脱保護ステップを受ける。末端の保護を取り除く動作は、次に望まれる連続したプローブ部分を接続するために、まだ出現しているプローブの末端の釣り合いを取るように行われる。
【0087】
本発明に従って製造された微細構造アレイにおいて、オリゴヌクレオチドプローブの生成には、フローセル技術の類似技術を、本発明の実施に好適に適用することができる。
【0088】
未だ機能化されていない、基板に支持されたピクセルの前駆体アレイを出発点として、適当なピクセルホスティングサイト上における一本鎖オリゴヌクレオチドプローブの構築は、上記のような態様のフローセル設定にて開始される。そこでは、関連する支持基板のピクセルアレイ支持面(pixel-array-bearing face)が、別の従来のフローセル構造側に内向きとなるように形成され、プローブ構築処理の間に、上記構成を通って、連続的に、段階的な、関連する、プローブを構築する、有機物の液体の流れが生み出される。これらの連続するフローに関して、重要な例外を含め、プローブの構築にあたって、段階的な有機化学反応を生じさせる必要がある、別の従来の脱保護ステップを実行するために光がどのように使われるかについては、すでに概要を述べた。構築処理は、完全に従来のものでもよく、実際に、必要であれば、上記参照した2件の米国出願に述べられている様々なプローブ構築アプローチの何れかを特に利用することができる。
【0089】
このようなプローブ構築処理の間、ピクセルの機能化中に生成される「スターター」プローブに関する処理の開始時を含む、脱保護は、必要な時と場所で、アドレス可能でエネルギーを与えることができる、適切で、十分に選択的で個別にアドレス可能であり、そのピクセル固有の光出力が、その後形成される関連オリゴヌクレオチドプローブの外側末端において、必要となる脱保護をもたらす、ピクセルファンクショナライザーによって実行される。適当な有機DNA流動体(flow-fluid)は、次に関連するフローセルを通過して、特定の「脱保護」プローブの末端部にて、新しい部分の付加が起こる。そして、上記付加に続いて、適当な、次の連続した脱保護段階及び新しい部分の付加が行われる。
【0090】
ゆえに、本発明の方法の前段階における状況(preliminary-context)、及び結果的に、始めに生成される前駆体構造は、並外れたレベルの容易さと、最終的には、用途が広くて便利なDNAオリゴヌクレオチドプローブの構築するためのピクセル毎の制御とを提供する。これは、特に、(a)各ピクセルが、コンピュータのような外部装置の制御の下で十分に個別にアドレス可能であり、(b)他のピクセルにおける他のプローブの製造とは独立に、当該ピクセル内にてピクセル毎にオリゴヌクレオチドプローブを製造するための、個別で、ピクセルに固有のファンクショナライザー又はエネルギー供与体を備えているという、本発明の実施に基づいていることによる。
【0091】
このように高度な、アドレス可能なピクセルの、ピクセルに固有の、アクティブマトリクスの制御によって、十分に機能化された微細構造分析アレイの構築、及び特に、異なるプローブを有していることにより、異なるピクセルが異なる反応性を有するピクセル化されたアレイの非常に容易な製造を可能にし、並外れた広い用途が実現する。また、本発明のユーザは、それによって、完全に、又正確にオリゴヌクレオチドプローブのパターンの展開をコントロールすることができる。ここで図示し、説明した本発明の各実施形態によれば、当業者にとっては明白であるだろうが、ピクセル固有のアドレス可能性により、微細構造アレイにおいて、正確に制御され、構築された、幅広いピクセルアレイの製造が可能である。
【0092】
このように、ピクセルを容易に異なるものとすることができることによる、重要な結果は、「幅広い帯域で機能する」様々なアレイを容易かつ迅速に組み立てることができることである。また、このような広帯域で機能するためのピクセルの相違は、多くの異なった方法で使用することができる。例えば、異なるピクセルがそれぞれ1つのプローブサイト及び1つのファンクショナライザーを備えており、あるプローブの機能が他のプローブと選択的に異なっていてもよい。さらに、異なるピクセルが、(a)異なる数のプローブサイト、及び/又は(b)異なって操作可能な(differently operable)ファンクショナライザー(すでに示唆したような、異なる機能化エネルギー特性にて操作可能なファンクショナライザー)を備えている構成であり、これによりピクセル内ベース及びピクセル間ベースの両方で異なるプローブ機能を許すようになっていてもよい。
【0093】
他の興味深い可能性としては、複数回の連続使用を可能にする微細構造DNA分析アレイの調整が含まれる。図示したように、アレイ中の全てのピクセルが必ずしも「スターター」を有している必要はなく、機能化されたプローブが、分析において同時に十分に「武装化(armed)」される必要はない。ゆえに、アレイが、複数の異なる分析のそれぞれにおいて、分析の反応を示すように、釣り合わせて、選択的に異なるプローブを有するようにすることで、時間を経て(over time)、複数回使用することが可能になる。
【0094】
ここで、本発明に従って製造されたDNA分析微細構造の使用に注目する。本発明において、他の独自性の高い側面は、ピクセルアレイのファンクショナライザーが、DNA分析中にプローブサイトを個別にかつ選択的に照射して、DNA分析の一部として、関連する蛍光反応の挙動を迅速にするために、アドレス可能にエネルギーを与えられることにある。このような、反応を迅速化する照射は、例えばコンピュータ28のような、適当なアドレス指定するコンピュータの制御の下で、瞬時に実行可能である。
【0095】
本発明の好ましい実施形態のように、各ピクセルが、十分に統合されたピクセル固有の適当な構成の光学検知器をも含んでいる場合には、この検知器は、上述のようなコンピュータに、迅速に、不明瞭ではなく、ピクセル固有の、関連するDNAプローブによって引き起こされたピクセルに固有の蛍光反応を直接に示す出力信号を供給するために使用できる。
【0096】
さらに、本発明の分析微細構造は、「質問(interrogating)」にプローブの反応があった場合に、独自性の高い活性特性の検知を可能にする。上記反応は、コンピュータが時間的に連続して関連する光学検知器によって生成された出力信号を「見る」ことの繰り返しによって得られる。当業者であれば、(a)機能化の選択的なパターン及び形式(状態)と、(b)時間に基づいた出力信号を繰り返し問合せることとを組み合わせることによって、従来技術では今までのところ入手できなかった、大量の価値あるDNA分析の情報を得ることができることがわかるだろう。
【0097】
本発明による、上記技術への方法的貢献に関して、これらの貢献は、本発明の異なる方法的側面に応じて異なる表現が可能である。その1つとして、レベルの高い観点として(high-level perspective)本発明を、以下のように表現できる。すなわち、支持基板上における複数のピクセルサイトアレイの形態をとる液体分析アクティブマトリクス微細構造の製造方法であって、(a)上述のような複数のピクセルサイトアレイ及びその内部のピクセルサイトを指定して製造するステップと、(b)上記各ピクセルサイトに関して、ピクセルサイトに固有の、外部から、そして個別にアドレス指定可能で、選択的にエネルギーを与えることができる、エネルギー場生成オリゴヌクレオチドプローブ機能化部を当該サイト上に作成するステップとを含む。この観点を増強したものは、指定されて製造された各ピクセルサイト内に配置された十分にピクセルに統合された、出力を生成する光学検知器を確立する追加のステップを含む。
【0098】
本発明を他の方法的観点から見れば、本発明の表現は以下のものを含む。すなわち、支持基板上における液体分析アクティブマトリクス微細構造の製造方法であって、(a)上記基板上にピクセルサイトを指定して製造する処理と、(b)上記サイトに関して、当該サイト上に、外部から、そして個別にアドレス可能で、選択的にエネルギーを与えることができる光源を作成する処理とを含む。
【0099】
さらに異なる側面から見れば、本発明は、以下のように表現することができる。すなわち、基板に支持され、ピクセル化された液体分析アクティブマトリクス微細構造を利用したDNA分析の実行方法であって、上記微細構造は、外部からアドレス接続可能であり、ピクセルに固有でピクセルに組み込まれた構成にて特定されるピクセルアレイを含み、上記構成は、(a)関連するDNA分析中に光学的反応を示すように操作可能な、少なくとも1つの機能化されたDNAオリゴヌクレオチドプローブと、(b)光照射を利用して少なくとも1つのプローブを機能化するためにエネルギーを与えることができ、アドレス可能でエネルギーを与えることができる、少なくとも1つの光照射ファンクショナライザーと、(c)上記プローブと機能的及び光学的に関連付けられており、DNA分析中にプローブから発せられた光学的反応に関する電気的な出力信号を生成するように操作可能な少なくとも1つのアドレス可能な光学検知器とを含み、上記方法は、(a)ピクセル内のプローブを関連するDNA分析物質に対して露出させるステップと、(b)上記露出に続いて、ピクセル毎の基準で、ピクセルに関連付けられた検知器の出力信号の生成を監視して、それぞれをアドレス可能に読み取るステップとを含む。
【0100】
したがって、本発明によれば、アレイ内において、様々な異なる構成の機能化されたオリゴヌクレオチドプローブを有するピクセルが含まれている、非常に有用な前駆体構造を作成することができる。そして、ピクセル毎にアドレス可能なことにより、好ましくは光学的性質を有するピクセルオンボード(pixel-on-board)のファンクショナライザーを利用することができる。このようなデバイスにより、十分に機能化されたDNA分析微細構造の最終的な準備において、ユーザに幅広い用途の許容範囲が提供される。また、各ピクセルが光学出力検知器を含む場合には、好ましくはピクセルに関連付けられた光学出力検知器が生成する反応をアドレス可能に検査することによって、ピクセル毎に出力情報を得ることができる。このような反応は、機能化されたオリゴヌクレオチドプローブの構築に用いたファンクショナライザーのそれ自体を光源として利用することにより、目に見えるようにすることができる。
【0101】
当業者であれば、以下のことは容易に理解できるであろう。すなわち、プローブを製造する目的で必要とする波長にてファンクショナライザーを操作している場合に、DNA分析の出力部分において、蛍光の挙動を引き起こすために他の波長の照射が必要であるときには、本発明の実施にあたり、ピクセルが他のピクセル様の(pixel-like)、出力信号を引き起こすために適当な波長にて作動するファンクショナライザー又は照射器を含む構成とすることはもちろん可能である。
【0102】
本発明の実施形態に関して、図2に示すように、アレイ中の個々のピクセルは、光学出力検知器を備えていない構成である。蛍光反応のような分析プローブの出力反応は、適当な従来方にて観察するようにしてもよい。また、本発明の構成によれば、プローブのDNA分析物質に対する反応について、時間ベースの活性の状況を調べるという特別な機会がユーザに与えられる。
【0103】
これらの独自の特徴点により、本発明が提案する個々にアドレス可能なピクセル構成が可能になる。本発明の上記構成及び方法により、先に述べた従来技術の構成に関するいくつかの問題点が上手く解決されることは容易に理解できる。続くDNA分析では、ピクセル毎にアドレス可能性であることによって、関連付けられた、好ましくは光学的なファンクショナライザーによって適切に照射が行われたときに、どのピクセルのどのプローブが蛍光発光しているかを間違えてしまうこともない。
【0104】
以上のように、本発明のアクティブマトリクス微細構造は、基板上に形成され、アドレス呼び出し可能な、ピクセル化された、DNA液体分析の、アクティブマトリクス微細構造であって、(a)アドレス可能なピクセルサイトと、(b)、受け取り及びホスティングのための、DNAオリゴヌクレオチドプローブを有する機能化分析サイトが配置されたセンサーホームストラクチャーと、(c)上記分析サイト上のプローブを機能化させるように操作可能な、アドレス可能でピクセルサイトに固有の、エネルギー場を生成するファンクショナライザー(好ましくは光学の)とで特定される少なくとも1つのピクセルを含む。各ピクセルサイトは、ピクセルに統合された光学検知器を備えていてもよい。さらに、開示されていることは、方法的な側面に関連し、(1)上記のような微細構造を(a)前駆体の形態(機能化されていないプローブ)で製造し、その後(b)仕上げられた又は機能化された形態(のプローブ)を製造し、(2)最終的には、DNA分析の実行により完成した微細構造を使用することを含む。これによれば、利便性、携帯性に優れたDNA分析用の微細構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】単純化したブロック図かつ概略図であり、デジタルでアドレス指定することができ、ピクセル化された、液体分析の、補助基板上に形成された、最終的にはDNA液体分析を作成するために使用することができ、本発明の好ましい実施形態及び実施方法に従って構成された、アクティブマトリクスの微細構造の一部を示している。ここでは、図1を、ピクセル内部の構成における複数の異なる態様や変形を示すために用いている。
【図2】本発明の別の変形態様を示しており、製造されたピクセルサイト又はピクセルがピクセル固有の光学検出器を備えていない点を除けば図1と類似している。
【図3】断片的なブロック図かつ概略図であり、上記図1及び2で示した構成に含まれており、十分にピクセルに統合されており、トランジスタに基づいており、光学媒体式の光源であるという好ましい形態をとるファンクショナライザーの一般的な実施形態を示している。
【図4】本発明に基づいて作成されたファンクショナライザーの他の一般的な実施形態を示し、ピクセルから離れた適当な光の供給源と組み合わせることのできる、基板に支持された光学ビーム構造によって、ピクセルに統合された光学スイッチングデバイスを通して切り換え可能な光の流れを供給する光学ビームデバイスの出力ポートの形態をとっている点を除けば図3と同様である。
【図5】図3に関連しており、垂直積み重ね式の光学媒体である光源のファンクショナライザーの特徴点を示している。
【図6】水平式の光学媒体である光源のファンクショナライザーの特徴点を示している点を除けば図5と同様である。
【図7】単純化したブロック図かつ概略図であり、本発明の一部を形成する方法の一般的な構成を示している。
【符号の説明】
【0106】
10 アクティブマトリクス微細構造
11 アレイ
12・14 ピクセル
12a・14a センサーホームストラクチャー(センサーホーム構造)
12b・14b ファンクショナライザー(機能化部)
12c・14c 光学検知器
12d・14d ホスティングサイト
28 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成され、デジタル処理でアドレス指定可能な、ピクセル化されたDNA液体分析用のアクティブマトリクスの微細構造であって、
少なくとも1つのピクセルは、
(a)アドレス指定可能なピクセルサイトと、
(b)DNAオリゴヌクレオチドプローブを有する少なくとも1つの機能化分析サイトを受け入れるために、上記ピクセルサイト内に配置された少なくとも1つのセンサーホーム構造と、
(c)上記ピクセルサイトに固有に備えられ、アドレス指定可能で、エネルギー場を生成して、少なくとも1つの分析サイト上のプローブを機能化するように操作できる機能化部と、
によって特定されるアクティブマトリクスの微細構造。
【請求項2】
上記機能化部は、外部からアドレス指定可能で、選択的にエネルギーを与えることのできる光源である、請求項1に記載の微細構造。
【請求項3】
ピクセル化されたDNA液体分析用のアクティブマトリクス微細構造であって、
支持基板を備えており、
複数のピクセルサイトのそれぞれには、当該サイト内でDNAオリゴヌクレオチドプローブを合成するために、外部から個別にアドレス指定可能であり、各ピクセルサイトに固有に設けられた、エネルギー場を生じさせる機能化部が含まれていることを特徴とするアクティブマトリクス微細構造。
【請求項4】
ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、
支持基板を備え、
複数のピクセルサイトのそれぞれには、当該サイト内でDNAオリゴヌクレオチドプローブを機能化させるために、外部から個別にアドレス指定可能であり、各ピクセルサイトに固有に設けられた、エネルギー場を生じさせる機能化部が、選択的にエネルギーを与える光源の形態で含まれていることを特徴とする微細構造。
【請求項5】
上記光源は、ピクセルに統合されている、請求項4に記載の微細構造。
【請求項6】
各ピクセルサイト内に設けられたピクセルに統合された光学検知器をさらに備えている、請求項5に記載の微細構造。
【請求項7】
上記光源は光学媒体であり、各ピクセルサイトには、外部から個別にアドレス指定可能で、活性化させることができ、光源にエネルギーを与える半導体デバイスがさらに含まれている、請求項6に記載の微細構造。
【請求項8】
上記光学媒体は、垂直積み上げ式で構成されている光放射デバイスである、請求項7に記載の微細構造。
【請求項9】
上記光学媒体は、水平式で構成されている光放射デバイスである、請求項7に記載の微細構造。
【請求項10】
上記光源は、ピクセルに統合された光学スイッチングデバイスを介することにより、基板に支持された光学ビーム構造を介して供給される光の流れを切り換えることができ、離れたピクセルに光を供給するように操作することのできる光学ビームデバイスの出力ポートである、請求項4に記載の微細構造。
【請求項11】
ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、
支持基板と、
上記基板上に配置された複数のピクセルサイトとを備え、
各ピクセルサイトは、(a)DNAオリゴヌクレオチドプローブを受け入れるためのホームサイトと、
(b)外部から個別にアドレス指定可能で選択的にエネルギーを与えることができ、上記ホームサイトに隣接して配置され、ホームサイトに受け入れられた上記のプローブの形成中に脱保護の少なくとも一部の役割を果たすように操作可能な光源と、
を含んでいることを特徴とする微細構造。
【請求項12】
上記光源は、ピクセルに統合されたスイッチングデバイスを介することにより、基板に支持された光学ビーム構造を介して供給される光の流れを切り換えることができ、離れたピクセルに光を供給するように操作することのできる、各ピクセルサイトに固有の光学ビームデバイスの出力ポートである、請求項11に記載の微細構造。
【請求項13】
上記光源は、各ピクセルサイトに固有であり、ピクセルに統合されている、請求項11に記載の微細構造。
【請求項14】
さらに各ピクセルサイト内にピクセルに統合された光学検知器が設けられている、請求項13に記載の微細構造。
【請求項15】
上記光源は光学媒体であり、各ピクセルサイトには、外部から個別にアドレス指定可能で、活性化させることができ、光源にエネルギーを与える半導体デバイスがさらに含まれている、請求項11に記載の微細構造。
【請求項16】
上記光学媒体は、垂直積み上げ式で構成されている光放射デバイスである、請求項15に記載の微細構造。
【請求項17】
上記光学媒体は、水平式で構成されている光放射デバイスである、請求項15に記載の微細構造。
【請求項18】
ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、
支持基板と、
上記基板上に配置された複数のピクセルサイトとを備え、
各ピクセルサイトは、形成されたDNAオリゴヌクレオチドプローブを受け入れるホームサイトと、
外部から個別にアドレス指定可能であり、DNA液体分析に関する活性の出力読み取り動作の一部として上記プローブを照射するように操作することのできる、選択的にエネルギーを与える光源と、
を含んでいることを特徴とする微細構造。
【請求項19】
上記光源は、各ピクセルサイトに固有であり、ピクセルに統合されている、請求項18に記載の微細構造。
【請求項20】
さらに各ピクセルサイト内にピクセルに統合された光学検知器が設けられている、請求項18に記載の微細構造。
【請求項21】
上記光源は、ピクセルに統合されたスイッチングデバイスを介することにより、基板に支持された光学ビーム構造を介して供給される光の流れを切り換えることができ、離れたピクセルに光を供給するように操作することのできる、各ピクセルサイトに固有の光学ビームデバイスの出力ポートである、請求項18に記載の微細構造。
【請求項22】
上記光源は、光学媒体であり、各ピクセルサイトには、外部から個別にアドレス指定可能で、活性化させることができ、光源にエネルギーを与える半導体デバイスがさらに含まれている、請求項18に記載の微細構造。
【請求項23】
上記光学媒体は、垂直積み上げ式で構成されている光放射デバイスである、請求項22に記載の微細構造。
【請求項24】
上記光学媒体は、水平式で構成されている光放射デバイスである、請求項22に記載の微細構造。
【請求項25】
デジタル処理によるアドレス指定が可能で、ピクセル化されており、基板上に形成されているDNA液体分析用の微細構造であって、
少なくとも1つのピクセルは、
(a)アドレス指定可能なピクセルサイト、
(b)上記サイト内に配置された少なくとも1つのセンサーホーム構造、
(c)DNA分析中に反応を引き起こし得るDNAオリゴヌクレオチドプローブを備えている、少なくとも1つの機能化分析サイト、及び
(d)上記ピクセルサイト内に各ピクセルサイト固有に設けられ、アドレス指定可能であり、上記プローブから生じた反応を検知するように操作可能な反応検知器、
によって特定される微細構造。
【請求項26】
ピクセル化されたDNA液体分析用の微細構造であって、
支持基板と、
複数のアドレス指定可能なピクセルサイトとを備え、
各ピクセルサイトは、(a)上記サイト内に配置され、DNA分析中に反応を生じさせ得る、各ピクセルサイトに固有のDNAオリゴヌクレオチドプローブと、
(b)上記と同じサイト内に配置され、アドレス指定可能で、各ピクセルサイトに固有の、上記プローブから生じた反応を検知するように操作可能な反応検知器と、
を含んでいることを特徴とする微細構造。
【請求項27】
支持基板上に複数のピクセルサイトのアレイが形成されているDNA液体分析用のアクティブマトリクス微細構造の製造方法であって、
複数のピクセルサイトのアレイ及びその中のピクセルサイトを指定して製造する工程と、
各ピクセルサイトに対し、そのピクセルサイト上に、各ピクセルサイトに固有の、外部から個別にアドレス指定可能で、選択的にエネルギーを与えることができ、エネルギー場を生成する、DNAオリゴヌクレオチドプローブの機能化部を形成する工程と、
を含むことを特徴とするアクティブマトリクス微細構造の製造方法。
【請求項28】
上記機能化部を形成する工程は、光源の形態をとる機能化部を製造することで実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記の製造された光源は、ピクセルサイト自体に含まれるデバイスである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
出力を生じさせ、ピクセルに統合されており、指定されて製造されたそれぞれのピクセルサイト内に光学検知器を配置する工程をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
上記の製造された光源は、光学ビーム構造の出力ポートの形態をとる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
さらに、(1)機能化されたDNAオリゴヌクレオチドプローブを受け入れるためのプローブホスティングホームサイトを、指定されて製造された各ピクセルサイト内に規定する工程を含み、
(2)上記機能化部を形成する工程は、上記規定されたホームサイト上で選択されて受け入れられたDNAオリゴヌクレオチドプローブを構築する役割を果たし、それにより機能化させるように操作できる、光学的な光源の脱保護実行媒体として機能するように構成された機能化部を製造することによってなされる、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
さらに上記の形成された光源の機能化部を、規定されたホームサイト上に受け入れられたDNAオリゴヌクレオチドプローブを構築し、機能化するために使用する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
上記の機能化部の形成工程は、上記光源を、完全に出力効果のあるDNAオリゴヌクレオチドプローブ照射デバイスとして機能するように特徴付けることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
基板に支持され、ピクセル化された、外部からアドレス指定可能なピクセルのアレイを含む微細構造を用いてDNA分析を行う方法であって、
各ピクセルは、ピクセルに含まれるピクセルに固有の構成として、
(a)関連するDNA分析中に光学的な反応を示すように操作可能な、少なくとも1つの機能化されたDNAオリゴヌクレオチドプローブと、(b)光学的な照射を利用して少なくとも1つのプローブにエネルギーを与えて機能化させる、アドレス指定可能でエネルギーを与えることのできる、光学照射機能化部と、(c)操作可能で上記プローブと光学的に関連付けられており、DNA分析中にプローブが発する光学的反応に関する電気的出力信号を生成するように操作可能な、少なくとも1つのアドレス指定可能な光学検知器とを含み、
上記方法は、
ピクセル内のプローブを関連するDNA分析物質に対して露出させる工程と、
上記露出後に、ピクセル毎に、それらから生成される出力信号を観察するためのプローブに関連付けられた検知器を、アドレス指定可能にそれぞれ読み取る工程と、
を含む方法。
【請求項36】
上記アドレス指定可能に読み取る工程は、観察される光学反応において存在する動的な性質の時間変化を明らかにするために、時間的に分かれた複数のステップにて実行される、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−102135(P2008−102135A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263766(P2007−263766)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】