説明

微細気泡前駆体組成物

【課題】寿命が長い微細気泡を高濃度で含有する微細気泡含有液体を得ることができる微細気泡前駆体組成物の提供
【解決手段】内部に空隙を有する粒子と前記空隙内の気体とを含む微細気泡前駆体組成物であって、前記粒子は界面活性剤及び水溶性固体を含有し、前記粒子の平均粒径(体積メジアン径)が0.05〜200μmであり、前記粒子の球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2である微細気泡前駆体組成物。内部に空隙を有する粒子は、例えば、噴霧乾燥によって製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡前駆体組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に泡には泡沫と気泡とがある。本発明は、液中に分散した泡である気泡に関する。従来の気泡はその気泡径が100μm以上であり、そのような気泡は発生した後直ちに浮上し表面で破泡する。そのため、従来、気泡を気泡含有液として取り扱うことは不可能であった。一方で、気泡径を微小化すれば浮力の低減により液相での滞留時間が増加し、気泡含有液として取り扱える可能性があることは知られていた。この観点から、気泡を微細化する技術については様々な研究がなされており、気泡径60μm〜10μmの気泡は養殖等の水産技術で実用化され、気泡径10μm〜3μmの気泡は、超音波造影剤等の医学技術で実用化されている。
【0003】
気泡をさらに微細化する技術としては、電気分解水に超音波を印加する方法、電解質含有液中の微細気泡を圧壊させる方法が知られているが、気泡濃度が十分ではないという問題がある。また、多孔質体を介して気体をドデシル硫酸ナトリウム添加水中に圧入分散させることにより微細気泡を発生させる方法も知られていが、この方法では、微細気泡の寿命が短く、微細気泡含有液として取り扱うことができないという問題がある。
【0004】
また、微細気泡に関する技術として、超音波造影剤の製造技術を挙げることができる。引用文献1には、特定の界面活性剤及び非界面活性固体物質の希薄な水溶液を凍結乾燥することで微細気泡前駆体を作製すること、及び、その微細気泡前駆体を水に溶解させることで10μm以下の微細気泡を微細気泡前駆体1gあたり109個〜1010個発生させることが開示されている。しかし、この方法には、微細気泡前駆体を作製するための凍結乾燥などの煩雑な工程が含まれており、生産効率に問題がある。また、引用文献2には、噴霧乾燥を用いて超音波造影剤を作製する方法が開示されていが、気泡濃度が十分でないという問題がある。
【特許文献1】特表2000−504317号公報
【特許文献2】特表平9−501164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、微細気泡の工学、農学、及び医学的な産業上利用のためには、上述の技術では達成できないような気泡の微細化、高濃度化、及び、長寿命化を可能とする技術が求められている。
【0006】
本発明は、寿命が長い微細気泡を高濃度で含有する微細気泡含有液体を得ることができる微細気泡前駆体組成物、高濃度化・長寿命化された微細気泡を含有する微細気泡含有液体組成物、及び、前記微細気泡前駆体組成物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、内部に空隙を有する粒子と前記空隙内の気体とを含む微細気泡前駆体組成物であって、前記粒子は界面活性剤及び水溶性固体を含有し、前記粒子の平均粒径が0.05〜200μmであり、前記粒子の球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2である微細気泡前駆体組成物に関する。
【0008】
本発明は、その他の態様において、微細気泡含有液体組成物であって、微細気泡前駆体組成物と水性媒体とを接触させて得ることができる微細気泡含有液体組成物に関する。
【0009】
本発明は、さらにその他の態様において、微細気泡前駆体組成物の製造方法であって、界面活性剤及び水溶性固体を含む溶液を噴霧乾燥して、内部に空隙を有し、粒径が0.05〜200μmであり、球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2である粒子を得る工程を含み、前記溶液の噴霧は3流体以上のノズルを用いて行われる微細気泡前駆体組成物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高濃度で安定な微細気泡を発生できる微細気泡前駆体組成物を提供できるという効果が好ましくは奏される。また、前記微細気泡前駆体組成物を液体に溶かすことで安定な気泡を高濃度で含有する微細気泡含有液体組成物を提供できるという効果が好ましくは奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において「微細気泡前駆体組成物」とは、水性媒体と接触させた場合に微細気泡を発生させることができる組成物をいう。
【0012】
本発明は、界面活性剤及び水溶性固体を含有し、かつ、内部に空隙を有する粒子を含む微細気泡前駆体組成物において、前記粒子の球形度を所定の範囲に設定すれば、水性媒体において高濃度で安定な(すなわち、寿命が長い)微細気泡を発生できるという知見に基づく。高濃度な微細気泡が発生するメカニズムは明らかではないが、粒子の球形度が1.0〜1.2の範囲、すなわち粒子の形状が真球状であると、発生する微細気泡の形状が球形となり構造的に安定になるため、気泡濃度、気泡寿命が顕著に向上すると推定される。
【0013】
すなわち、本発明の微細気泡前駆体組成物は、内部に空隙を有する粒子と前記空隙内の気体とを含み、前記粒子は界面活性剤及び水溶性固体を含有し、前記粒子の粒径が0.05〜200μmであり、前記粒子の球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2である微細気泡前駆体組成物である。本発明によれば、高濃度化され、かつ、安定化(すなわち、長寿命化)された微細気泡を発生できる微細気泡前駆体組成物を提供できるという効果が好ましくは奏される。
【0014】
[内部に空隙を有する粒子]
本発明における内部に空隙を有する粒子(以下、「内部空隙粒子」ともいう。)は、後述するとおり、界面活性剤と水溶性固体を含有する溶液を噴霧乾燥して製造することができる。内部空隙粒子は、高密度な微細気泡を発生させる点から、中空構造及び/又は層構造を有することが好ましく、中空構造を有することがより好ましい。空隙には、気体が封入されていることが好ましい。すなわち、本発明の微細気泡前駆体組成物により発生される微細気泡は、内部空隙粒子の内部の空隙に封入された気体に由来することが好ましく、内部の空隙は、中空構造及び/又は層構造により形成されることが好ましい。内部空隙粒子の構造は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)などで確認できる。
【0015】
内部空隙粒子に封入される気体は、例えば、粒子をチャンバー内に入れて(好ましくは1kPa以下、より好ましくは0.1kPa以下まで)減圧することにより、所望の気体に置換することができる。使用される気体としては、適宜選択できるが、例えば、空気、窒素ガス、酸素ガス、オゾンガス、メタンガス、水素ガス、炭酸ガスなどが挙げられる。発生させる微細気泡の微細化及び高濃度化の点から空気、窒素ガス、酸素ガス、オゾンガス、メタン、及び水素ガスが好ましく、簡便性の点からは空気が好ましい。
【0016】
内部空隙粒子の粒径(平均粒径)は、発生させる微細気泡の微細化及び高濃度化の点から0.05〜200μmであり、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。なお、本発明において、該粒子の粒径は、体積基準におけるメジアン径(体積中位径)をいい、後述する実施例の記載の測定法により測定され得る。内部空隙粒子の粒径は、後述するとおり、製造時に制御可能である。
【0017】
内部空隙粒子の球形度は、発生させる微細気泡の安定化(長寿命化)、及び気泡発生率の向上の点から、1.0〜1.2であり、好ましくは、1.0〜1.1である。ここで、本発明において「粒子の球形度」は、電子顕微鏡観察から得られる粒子の長径と短径の比(長径/短径)の少なくとも20個の粒子についての個数平均値を表す。内部空隙粒子の球形度は、具体的には、後述する実施例の記載の測定法により測定され得る。
【0018】
[界面活性剤]
内部空隙粒子に含まれる界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性のいずれの界面活性剤も使用でき、また、合成界面活性剤に限定されず、その他、リン脂質、糖脂質、タンパク質、サポニンなどの天然に存在する界面活性を有する物質も使用できる。界面活性剤は、発生させる微細気泡の安定性の点から、アルキル基を有する界面活性剤が好ましく、前記アルキル基は、水素の一部又は全部がハロゲン(とりわけフッ素)によって置換されていてもよい。また、界面活性剤は、発生させる微細気泡の高濃度化の点から、アルキル鎖長が長い界面活性剤が好ましい。さらに、界面活性剤は、熱力学的には気泡界面で濃縮されるため、室温付近で剛性膜(例えば、「コロイド科学II−会合コロイドと薄膜−」、日本化学会、1995年発行、9章、p295参照)を形成できる界面活性剤が好ましい。すなわち、剛性膜の作用により、微細気泡の合一抑制や気体透過抑制などの効果が発揮され、高濃度の微細気泡が得られると考えられる。したがって、発生させる微細気泡の高濃度化・安定性の点から、界面活性剤は、炭素数16〜24のアルキル基を有することがより好ましく、炭素数17〜18のアルキル基を有することがさらに好ましい。また、アルキル基は、直鎖であることが好ましく、ポリアルキレンオキサイド基を含まないことが好ましい。
【0019】
アニオン性界面活性剤としては、炭素数15〜24のアルキル基を有する直鎖飽和脂肪酸塩、炭素数17〜24のアルキル基を有する分岐脂肪酸塩、炭素数19〜24のアルケニル基を有する不飽和脂肪酸塩、炭素数16〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル硫酸エステル塩、炭素数16〜24の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数16〜24の分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数12〜24のアルキル基を有するジアルキルスルホコハク酸塩、炭素数18〜24のアルケニルスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が16〜24のモノ又はジアルキルリン酸塩などが挙げられる。
【0020】
カチオン性界面活性剤としては、炭素数18〜24のモノ又はジアルキルアミン塩、炭素数18〜24のアルキルエチレンジアミン塩、炭素数20〜24のアルキルトリメチルアンモニウム塩、炭素数18〜24のジアルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0021】
両性界面活性剤としては、炭素数18〜24のアルキルカルボキシベタイン、炭素数18〜24のアルキルスルホベタインなどが挙げられる。
【0022】
ノニオン性界面活性剤としては、炭素数15〜24のアルキル基を少なくとも一つ有するショ糖脂肪酸エステル、炭素数15〜24のアルキル基を有する脂肪酸グリセリンエステル、炭素数17〜24のアルキル基を有する脂肪酸ポリグリセリンエステル、ソルビタンアルキレンオキサイド付加物の炭素数17〜24のアルキル基を有するモノ脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0023】
これらの中で具体的には、ステアリン酸ナトリウム、ベヘニン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ベヘニン酸カリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、モノステアリルリン酸モノカリウム、ジステアリルリン酸モノカリウム、ヘキサデシルリン酸モノカリウム、ジヘキサデシルリン酸モノカリウム、パーフルオロウンデシルカルボン酸アンモニウム、ステアリルアミン酢酸塩、ジステアリルアミン酢酸塩、パルミチン酸ショ糖エステル、ステアリン酸ショ糖エステルが好ましく、オクダデシル硫酸ナトリウム、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリン酸ショ糖エステルがより好ましい。内部空隙粒子の粒径及び形状の制御、並びに、発生させる微細気泡の高濃度化の点から、さらに好ましいのは、ステアリン酸ショ糖エステルであり、その中でもHLBが3〜11のものが好ましく、HLBが5〜9のものがより好ましい。なお、ショ糖脂肪酸エステルには、モノエステル体単独の場合と、モノエステル体とジ以上のエステル体の混合物の場合が含まれ、前記混合物がより好ましい。また、界面活性剤は、用途に応じて単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0024】
本発明の微細気泡前駆体中における界面活性剤の含有量は、発生させる微細気泡の高濃度化・安定性の点から、0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0025】
[水溶性固体]
本発明において、水溶性固体とは、25℃、101325Pa(1気圧)の条件下、イオン交換水100重量部に対する溶解度が0.1重量部以上のものをいう。水溶性固体としては、糖類、ポリオール、無機塩、有機塩、及びアミノ酸類からなる群から選ばれる少なくとも1つが挙げられる。水溶性固体の溶解度は、内部空隙粒子の粒径及び形状の制御、並びに、発生させる微細気泡の高濃度化の点から、25℃、101325Pa(1気圧)の条件下、イオン交換水100重量部に対して3重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。また、同様の観点から、40重量部以下が好ましく、30重量部以下がより好ましい。すなわち、該溶解度は、3〜40重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。
【0026】
また、水溶性固体の融点は、内部空隙粒子の粒径及び形状の制御、並びに、発生させる微細気泡の高濃度化の点から、170℃以上が好ましく、170〜350℃がより好ましく、190〜300℃がさらに好ましい。
【0027】
水溶性固体の好ましい具体例としては、アラビノース、ソルボース、キシロース、マンノース、フルクトース、グルコース、スクロース、サッカロース、ラクトース、マルトース、リボース、ペンタエリスリトール、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、グリシン、アラニン、アルギニン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニン、バリン、プロリン、セリン、タウリン、イソロイシン、ヒスチジン、リシン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、エルゴチオイネン、クレアチン、サルコチン、ノルバリン、ホモセリン、ポリアクリル酸、及びそれらの塩が挙げられるが、内部空隙粒子の粒径及び形状の制御、並びに、発生させる微細気泡の高濃度化の点から、アラニン、ポリアクリル酸、ペンタエリスリトール、バリン、グリシンがより好ましく、ペンタエリスリトール、アラニン、グリシンがさらに好ましく、アラニンがさらにより好ましい。水溶性固体は、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0028】
本発明の微細気泡前駆体中における界面活性剤の含有量は、発生させる微細気泡の高濃度化・安定化(長寿命化)の点から、50〜99.9重量%が好ましく、80〜99.9重量%がより好ましく、90〜99.9重量%がさらに好ましい。
【0029】
[微細気泡前駆体組成物]
本発明の微細気泡前駆体組成物又は内部空隙粒子に含まれる界面活性剤と水溶性固体との重量比(界面活性剤/水溶性固体)は、発生させる微細気泡の安定化(長寿命化)の点から、0.0001〜1が好ましく、0.005〜0.05がより好ましい。
【0030】
微細気泡前駆体組成物の嵩密度は、特に限定されないが、微細気泡の濃度及び気泡発生率の向上の点から、0.1〜0.5g/mlが好ましく、0.2〜0.4g/mlがより好ましい。ここで、嵩密度は、微細気泡前駆体組成物の一定体積下における重量から算出されるものをいい、具体的には、後述する実施例の記載の測定法により測定され得る。
【0031】
本発明の微細気泡前駆体組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、パール化剤などの化粧料、顔料などの無機物、ポリマー、上記以外の界面活性剤、上記以外の水溶性塩及び非電解質を含んでもよい。
【0032】
[微細気泡前駆体組成物の製造方法]
本発明の微細気泡前駆体組成物に含有される内部空隙粒子は、例えば、界面活性剤と水溶性固体とを含有する溶液を噴霧乾燥することで得ることができる。したがって、本発明の微細気泡前駆体組成物は、簡便な作業で製造できるという効果を奏しうる。
【0033】
噴霧乾燥は、公知の噴霧乾燥法を使用できる。例えば、「造粒便覧」第6章噴霧造粒法(東畑平一郎 編集委員長、昭和50年出版)を参照できる。例えば、乾燥チャンバー上部に取り付けられた噴霧ノズルから界面活性剤と水溶性固体とを含有する溶液を圧縮空気とともに噴霧し、乾燥チャンバー内で、溶液の噴霧により形成された小滴から、加熱空気又は窒素のような高温ガスの熱を使用して溶媒を蒸発させることで、内部空隙粒子を形成させる。
【0034】
噴霧乾燥の装置は、回転円盤、圧力噴射ノズル、2流体ノズル、3流体ノズル、4流体ノズルなどが使用できるが、気泡の微細化、気泡の高濃度化、及び効率的な粒子供給の観点から、3流体以上のノズルが好ましく、4流体以上のノズルがより好ましい。4流体ノズルを使用する適当な噴霧乾燥器の例としては、商品名:4流体ノズルスプレードライヤーMDL−505(藤崎電機(株)社製)が挙げられる。
【0035】
乾燥チャンバー内の高温ガスとしては、例えば、空気、アルゴン、窒素などが使用できる。乾燥チャンバー内の温度としては、噴霧ノズルが配置されている入口部の温度として約100〜約200℃が好ましく、出口部の温度として約50〜約120℃が好ましい。
【0036】
界面活性剤と水溶性固体とを含有する溶液の溶媒としては、水、アルコール、ポリオールなどが挙げられ、これらの中でも、安全面、環境面の点から、水が好ましく、また、これらを混合して用いてもよい。水は、蒸留水、イオン交換水又は超純水等が使用され得る。
【0037】
界面活性剤と水溶性固体とを含有する溶液のpHとしては、特に制限されないが、内部空隙粒子の粒径及び形状の制御、並びに、発生させる微細気泡の高濃度化の点から、2〜10が好ましく、3〜9がより好ましく、4〜8がさらに好ましい。また、水溶性固体がアミノ酸を含む場合、pHは、そのアミノ酸のpK1以上pK2以下が好ましい。ここで、pK1とは、α−COOHの解離定数(25℃)の逆数の対数値であり、pK2とは、α−NH3イオンの解離定数(25℃)の逆数の対数値である。
【0038】
噴霧乾燥で製造される内部空隙粒子の粒径は、噴霧する溶液中の界面活性剤及び水溶性固体の濃度、噴霧時の液滴径の調整などにより制御できる。例えば、噴霧する溶液の界面活性剤及び水溶性固体の濃度が低いほど、その粒径を小さくできる。この点から、噴霧する溶液の界面活性剤及び水溶性固体の濃度は、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。また、噴霧後の液滴径及び内部空隙粒子の粒径は、噴霧乾燥に供する溶液の送液速度と圧縮空気などの気体の流量の比率によっても制御できる。よって、溶液の送液速度及び気体の流量の比率を調節することにより、噴霧後の液滴径及び内部空隙粒子の粒径を制御することも好ましい。
【0039】
上述の製造方法により、粒径が0.05〜200μm、好ましくは0.5〜20μmであり、球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2、好ましくは1.0〜1.1である内部空隙粒子を製造できる。なお、粒径及び球形度については、上述のとおりである。したがって、本発明は、その態様において、微細気泡前駆体組成物の製造方法であって、界面活性剤及び水溶性固体を含む溶液を噴霧乾燥し、内部に空隙を有し、粒径が0.05〜200μmであり、球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2である粒子を得る工程を含み、前記溶液の噴霧が、3流体以上のノズルを用いて行われる微細気泡前駆体組成物の製造方法を提供する。
【0040】
[微細気泡含有液体組成物]
本発明の微細気泡含有液体組成物は、気泡、好ましくは微細気泡、より好ましくは高濃度化・安定化(長寿命化)された微細気泡を含有する液体組成物であって、本発明の微細気泡前駆体組成物と水性媒体とを接触させて得ることができる液体組成物である。
【0041】
微細気泡前駆体組成物と水性媒体とを接触とは、水性媒体に微細気泡前駆体組成物を混合及び/又は溶解させることを含む。したがって、本発明の微細気泡含有液体組成物は、例えば、本発明の微細気泡前駆体組成物を容器に配置し、その後、この容器に水性媒体を注ぐことにより製造できる。微細気泡前駆体組成物に接触させる水性媒体の温度は、発生させる微細気泡の高濃度化及び安定化(長寿命化)の点から、微細気泡前駆体組成物に含まれる界面活性剤のクラフト点以下が好ましく、クラフト点より20℃低い温度以下がより好ましい。より具体的には、水性媒体の温度は、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましい。
【0042】
また、水性媒体と接触させる微細気泡前駆体組成物の量は、必要とされる気泡濃度に適宜合わせることができるが、気泡を高濃度に発生させる点から、水性媒体100gに対して1g以上が好ましく、3g以上がより好ましく、5g以上がさらに好ましい。また、微細気泡前駆体組成物中の水溶性固体の溶解性の点から、80g以下が好ましく、50g以下がより好ましく、20g以下がさらに好ましい。これらより、微細気泡前駆体組成物の量は水性媒体100gに対し、1〜80gが好ましく、3〜50gがより好ましく、5〜20gがさらに好ましい。
【0043】
水性媒体としては、水、アルコール、ポリオール、これらの混合物などの液体が挙げられ、これらの中でも水が好ましい。また、微細気泡前駆体組成物との接触の際には、まず、微細気泡前駆体組成物をPEGなどの液体に予備分散させた後、水などの水性媒体と接触させてもよい。
【0044】
本発明の微細気泡含有液体組成物における液体の含有量は、微細気泡の高濃度化及び安定化(長寿命化)の点から、10〜99.9重量%が好ましく、50〜99重量%がより好ましく、80〜99重量%がさらに好ましい。
【0045】
本発明の微細気泡含有液体組成物における液体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記以外の界面活性剤、糖類、ポリオール、無機塩、有機塩、アミノ酸、高分子を含んでもよい。
【0046】
微細気泡含有液体組成物の微細気泡内部の気体は、内部空隙粒子に封入される気体であって、上述したとおり、所望の気体を選択できる。気体としては、例えば、空気、窒素ガス、酸素ガス、オゾンガス、メタンガス、水素ガス、炭酸ガスなどが挙げられ、微細気泡の微細化及び高濃度化の点から空気、窒素ガス、酸素ガス、オゾンガス、メタン、及び水素ガスが好ましく、殺菌及び洗浄の点からは、酸素ガス、オゾンガスが好ましい。
【0047】
本発明の微細気泡含有液体組成物は、また、微細気泡が高濃度化・安定化(長寿命化)されているため、取り扱い性が向上するという効果を奏し得る。一般に、気泡は熱力学的に不安定であるため、気泡同士が合体する合一、気泡から周囲の液体に気体が溶解する収縮、及び、周囲の溶存気体が気泡内部に取り込まれる成長などが生じ易いことが知られている。特に、微細な気泡では界面張力によるラプラス圧の作用で、例えば直径1μm前後の気泡ではその内部圧は数気圧から数十気圧まで上昇する。このため、一般に、気泡は溶解が促進され、理論計算上ではミリ秒単位の寿命である。本発明の微細気泡含有液体組成物の微細気泡が高濃度化・安定化(長寿命化)されるメカニズムは明らかではないが、内部空隙粒子の空隙近傍に界面活性剤が存在することにより、本来不安定である微細気泡が高濃度で安定されると考えられる。ただし、本発明はこれらのメカニズムに限定されない。
【0048】
本発明の微細気泡含有組成物に含有される微細気泡は、平均気泡径が200μm未満の気泡が好ましい。微細気泡の高濃度化・安定化(長寿命化)の点から、微細気泡の平均気泡径は10μm以下がより好ましい。また、微細気泡の安定化(長寿命化)の点から、平均気泡径は0.05μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。よって、微細気泡の平均気泡径としては、0.05〜200μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。本発明において、気泡の平均気泡径とは、個数基準における平均気泡径をいい、具体的には、後述する実施例の記載の測定法により測定され得る。
【0049】
本発明の微細気泡含有液体組成物における気泡の寿命時間は、3分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上がさらに好ましい。本発明において、気泡の寿命時間とは、気泡由来の白濁が自然に消失するのに要する時間をいい、具体的には、後述する実施例に記載の測定法により測定され得る。
【0050】
本発明の微細気泡含有液体組成物は高濃度化・安定化(長寿命化)された微細気泡を含むから、化粧品、農学、医学、食品、工学等の各種用途に適用できる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例により本発明を説明する。組成物の物性評価は、下記方法に従った。
【0052】
[内部に空隙を有する粒子の粒径]
噴霧乾燥により得られた粒子を25℃、101325Pa(1気圧)の条件下、粒子中の水溶性固体の溶媒100重量部に対する溶解度が0.1重量部未満である溶媒に、透過率が60〜90%となるように溶解し、レーザー回折式粒径測定装置(HORIBA製、商品名LA−910)で測定し、体積基準のメジアン粒径を算出した。なお、本実施例では、溶媒としてエタノールを使用した。
【0053】
[内部に空隙を有する粒子の球形度]
噴霧乾燥により得られた粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、この写真の画像データをパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて粒子一個の短径と長径とを測定し、長径/短径比を算出した。さらに20個以上の粒子の長径/短径比の個数平均値を算出し、これを球形度とした。
【0054】
[嵩密度]
微細気泡前駆体組成物を体積既知のプラスチックセルに完全に充填し、重量を測定し、測定された重量と体積の比率から嵩密度(g/ml)を算出した。
【0055】
[微細気泡の平均気泡径]
微細気泡前駆体組成物を25℃、101325Pa(1気圧)の条件下、イオン交換水に透過率が60〜90%となるように溶解して微細気泡含有液体組成物(25℃)を調製し、調製後30秒以内に、レーザー回折式粒径測定装置(HORIBA製、商品名LA−910)で測定し、体積基準のメジアン径として微細気泡の平均気泡径を算出した。
【0056】
[微細気泡の寿命時間]
気泡の寿命時間は白濁消失時間で評価した。すなわち、気泡で白濁した液体組成物を分光光度計で測定すると、気泡による散乱が生じて透過光が減少するため、散乱分が吸光度として計測される。そこで、光路長1cmの光学用セルに調製直後の微細気泡含有液体組成物をスポイトで注入し、分光光度計(日立製、商品名U−2000A)で660nmの吸光度をタイムスキャンで測定した。測定は光学用セルを分光光度計に設置後直ちに始め、光学分光光度計による測定開始から吸光度が0.005以下になるまでの時間を気泡の寿命時間とした。
【0057】
[気泡濃度]
微細気泡含有液体組成物における気泡の濃度は、比重により測定した。まず、25ml比重瓶に水溶性固体の水溶液を25℃で加えて重量を測定した。次に、前記水溶性固体と同濃度の微細気泡前駆体組成物を使用して得られた微細気泡含有液体組成物を、25ml比重瓶に25℃で加えて重量を測定した。そして、2つの重量の重量差及び水溶性固体水溶液の比重から気泡の体積濃度を算出した。
【0058】
また、簡易的な気泡濃度として、濁度による気泡濃度を使用した。すなわち、気泡で白濁した液体組成物を分光光度計で測定すると、気泡による散乱が生じて透過光が減少するため、散乱分が吸光度として計測される。そこで、微細気泡前駆体組成物1.25gを水350g(25℃)に溶解して調製した微細気泡含有液体組成物を調製直後(30秒以内)にスポイトで光路長1cmの光学用セルに注入し、分光光度計(日立製、商品名U−2000A)で660nmの吸光度をタイムスキャンで測定し、その吸光度を簡易的な気泡濃度の目安とした。
【0059】
(実施例1)
アラニン(D/L体、和光純薬工業社製:融点297℃)24.8gとステアリン酸ショ糖エステル(三菱化学フーズ(株)製、c−1807)0.125g(界面活性剤/水溶性固体=0.005)とを水475g(溶解濃度5重量%)に加え、70℃に加熱しながらホモミキサーで7500rpm、10分間撹拌した。得られた溶液を下記条件で噴霧乾燥器(藤崎電機(株)社製、商品名:4流体ノズルスプレードライヤーMDL−505)を用いて噴霧乾燥し、平均粒径9.05μm、平均球形度1.08、嵩密度0.31g/mlの白色粉末(微細気泡前駆体組成物)を得た。この白色粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1に示し、この白色粉末の断面のSEM写真を図2に示す。
<噴霧条件>
入口温度:170℃
出口温度:101℃
送液速度:1L/h
気体流量:40L/min
得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径6.39μmの微細気泡が、吸光度が1.523の気泡濃度で発生した。なお、この気泡濃度は、上述した簡易的な吸光度による気泡濃度である(以下同じ)。この微細気泡の寿命時間は15分以上であった。
【0060】
(実施例2)
アラニン23.8g、ステアリン酸ショ糖エステル1.25g(界面活性剤/水溶性固体=0.05)とした以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径8.93μm、平均球形度1.08、嵩密度0.32g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径6.39μmの微細気泡が、吸光度が2.43の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は15分以上であった。また、前記粉体10gを水90g(25℃)に溶解し、前記方法により比重で気泡濃度を算出したところ、平均気泡径6.39μmの気泡が体積濃度で3.1vol%発生した。この微細気泡の寿命は15分以上であった。
【0061】
(実施例3)
アラニンに換えてペンタエリスリトール(関東化学社製:融点260℃)を使用した以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径9.09μm、平均球形度1.07、嵩密度0.31g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径4.30μmの微細気泡が、吸光度が1.13の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は15分以上であった。
【0062】
(実施例4)
アラニンに換えてバリン(L体、和光純薬工業:融点315℃)23.8g及びステアリン酸ショ糖エステル1.25g(界面活性剤/水溶性固体=0.05)を使用した以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径18.86μm、平均球形度1.06、嵩密度0.11g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径4.05μmの微細気泡が、吸光度が0.91の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は15分以上であった。
【0063】
(実施例5)
アラニンに換えてグリシン(シグマアルドリッチ:融点290℃)を使用した以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径11.83μm、平均球形度1.07、嵩密度0.51g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径4.47μmの微細気泡が、吸光度が0.559の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は15分以上であった。
【0064】
(実施例6)
ステアリン酸ショ糖エステルに替えてオクタデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を使用した以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径12.24μm、平均球形度1.09、嵩密度0.38g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径3.31μmの微細気泡が、吸光度が0.17の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は15分以上であった。
【0065】
(比較例1)
アラニンに換えてマルトデキストリン(融点300℃以上、MW=2000、松谷化学工業社製)を使用した以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径10.1μm、平均球形度1.23、嵩密度0.66g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径7.61μmの微細気泡が、吸光度が0.013の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は3分以下であった。この白色粉末のSEM写真を図3に示す。
【0066】
(比較例2)
アラニンに換えて硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製、融点884℃)を使用した以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径7.7μm、平均球形度1.37、嵩密度0.31g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径3.31μmの微細気泡が、吸光度が0.013の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は3分以下であった。
【0067】
(比較例3)
アラニンに換えてヒドロキシプロリン(L体、和光純薬工業社製:融点273℃)を使用した以外は実施例1と同様にして白色粉末を得た(平均粒径12.24μm、平均球形度1.25、嵩密度0.55g/ml)。得られた白色粉末1.25gを水350g(25℃)に溶解したところ、平均気泡径6.54μmの微細気泡が、吸光度が0.038の気泡濃度で発生した。この微細気泡の寿命時間は3分以下であった。
【0068】
(比較例4)
アラニンに換えてガラクトース(和光純薬工業社製:融点160℃)を使用した以外は実施例1と同様にして噴霧乾燥を行ったところ、ガラクトースは乾燥チャンバー内に付着し、前駆体粒子(白色粉末)を得ることができなかった。
【0069】
上記実施例1〜6、比較例1〜4の結果を下記表1にまとめて示す。
【0070】
【表1】

【0071】
図1及び図2に示すとおり、実施例1の微細気泡前駆体組成物の粒子は、球形で中空構造を有していた。一方、図3に示すとおり、比較例1の粒子は、粒子構造がいびつであった。また、上記表1に示すとおり、球形度が1.0〜1.2の実施例1〜6は、比較例1〜4に比べて吸光度が高く、高濃度の微細気泡を発生できることが示された。また、球形度が1.0〜1.2の実施例1〜6は、比較例1〜4に比べて気泡寿命が長く、安定した微細気泡を発生できることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の技術によれば、簡便に、高濃度化・安定化(長寿命化)された微細気泡を含む液体組成物を提供できるから、例えば、化粧品、農学、医学、食品、工学等の各種用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明の実施例1によって得られた微細気泡前駆体組成物のSEM写真の一例である。
【図2】図2は、本発明の実施例1によって得られた微細気泡前駆体組成物の断面のSEM写真の一例である。
【図3】図3は、本発明の比較例1によって得られた粒子のSEM写真の一例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空隙を有する粒子と前記空隙内の気体とを含む微細気泡前駆体組成物であって、
前記粒子は界面活性剤及び水溶性固体を含有し、
前記粒子の平均粒径(体積メジアン径)が0.05〜200μmであり、
前記粒子の球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2である、微細気泡前駆体組成物。
【請求項2】
前記粒子は、前記界面活性剤及び前記水溶性固体を含む溶液を噴霧乾燥して得ることができる粒子である、請求項1記載の微細気泡前駆体組成物。
【請求項3】
前記粒子は、中空構造及び/又は層構造を有する、請求項1又は2記載の微細気泡前駆体組成物。
【請求項4】
前記水溶性固体の25℃、1気圧の条件下での水100重量部に対する溶解度が3〜40重量部である、請求項1から3のいずれかに記載の微細気泡前駆体組成物。
【請求項5】
前記水溶性固体の融点が170℃以上である、請求項1から4のいずれかに記載の微細気泡前駆体組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤が、炭素数16〜24のアルキル基を有する界面活性剤である、請求項1から5のいずれかに記載の微細気泡前駆体組成物。
【請求項7】
嵩密度が0.1〜0.5g/mlである、請求項1から6のいずれかに記載の微細気泡前駆体組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の微細気泡前駆体組成物と水性媒体とを接触させて得ることができる微細気泡含有液体組成物。
【請求項9】
界面活性剤及び水溶性固体を含む溶液を噴霧乾燥して、内部に空隙を有し、粒径が0.05〜200μmであり、球形度(長径/短径比)が1.0〜1.2である粒子を得る工程を含み、
前記溶液の噴霧は、3流体以上のノズルを用いて行われる、微細気泡前駆体組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−5512(P2010−5512A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166172(P2008−166172)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】