説明

心筋前駆細胞の単離方法及び単離用デバイス

【課題】心筋前駆細胞に特有な表面マーカーの確立及び当該表面マーカーを用いた、心筋前駆細胞の単離方法及びその為のデバイス並びに心筋前駆細胞の体内導入用デバイスの提供する。
【解決手段】中胚葉細胞を含有する細胞集団についてCD166およびFlk1の発現を解析する工程、ならびにCD166およびFlk1を発現している細胞を回収する工程を含む、中胚葉細胞を含有する細胞集団から心筋前駆細胞を単離する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心筋前駆細胞の同定に関する。より詳細には心筋前駆細胞を単離する方法、並びに単離する為のデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、幹細胞を生体組織から純化・採取するデバイスとしては、末梢血から造血幹細胞を含む単核球細胞分画を体外血液循環下で分離する血液分離装置と、さらに造血幹細胞を単離するための抗CD34抗体カラム装着装置とが知られている。このような2段階の幹細胞純化操作で幹細胞が採取されているが、現在のところ血液幹細胞以外では心筋組織になりうる心筋幹細胞も含め生体組織幹細胞を生体組織から純化・採取するデバイスは存在していない。
【0003】
また、障害心筋の細胞置換療法としてヒト骨格筋由来の筋芽細胞が用いられることがあるが、動物移植モデルの結果から、筋芽細胞が心筋に分化する証拠はなく、副作用として不整脈の発生源になる可能性が示唆されている。また、マウスの骨髄から単離された、多能性を有する間葉系幹細胞を心筋前駆細胞の細胞ソースとする報告(特許文献1)や骨格筋から心筋前駆細胞を単離する報告(特許文献2および3)も存在するが、多能性獲得のために、脱メチル化剤の処理や、細胞クローンの選択が必要になることから、腫瘍細胞の形質が誘導されうる可能性があり、臨床応用での安全性の点で、これらを細胞ソースとするには問題が多い。血管内皮前駆細胞は、すでに、ヒト骨髄、臍帯血、末梢血中に同定され、これを細胞ソースとして、下肢の虚血性疾患などに対して自己移植による臨床治験が実施されており、良好な成績が報告されている。しかし、心臓の虚血性疾患では、血管に加え心筋の再生も期待されることから、心筋の前駆細胞の同定がより重要である。
【0004】
さらに、心臓疾患の再生医療では、心筋幹細胞の選択的採取とそれに続く心筋幹細胞の患部への細胞移植が必要であり、心筋幹細胞を純化・採取するデバイスの開発が強く望まれている。しかしながらこのようなデバイスが存在しなかった理由としては、心筋幹細胞・心筋前駆細胞の分化過程の探索は、主に転写因子などの遺伝子やシグナル分子を心筋発生のマーカーとした場合、細胞膜を破壊して(いわば細胞を殺して)、それらの分子の挙動を検出しなければならなかったことが挙げられる。一方、生きたままの細胞を峻別するために細胞の表面抗原発現様式によって心筋幹細胞の分化・成熟度を峻別する方法があるが、現在まで心筋幹細胞・心筋前駆細胞の適切なマーカー、特に表面マーカーがなかったため、表面マーカーによる心筋幹細胞・心筋前駆細胞の同定の研究が進んでいなかった。
【0005】
中胚葉はES細胞から分化誘導できる胚葉の中で最も研究されたものの一つであり、中でも心筋細胞は側板中胚葉に由来する細胞系列に含まれる。側板中胚葉に由来する細胞のうちFlk1陽性(以下、Flk1(+)とも称す)として特徴付けられる細胞(Flk1(+)細胞)から血管系細胞(血液細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞)へ分化誘導が行われたという報告がある(非特許文献1および2)。
また、CD166陽性の間葉系幹細胞から膵分化経路へ分化転換する培養方法も報告されている(特許文献4)。しかしながら、CD166が、あるいはCD166とFlk1の組み合わせが、心筋幹細胞・心筋前駆細胞に対する優れた表面マーカーとなること、並びにCD166陽性細胞、あるいはCD166及びFlk1の両表面マーカーが陽性である細胞が、心筋細胞への分化能を有することなどについては、いまだ何の報告もない。
【特許文献1】国際出願公開01/048151号パンフレット
【特許文献2】特開2003−325169号公報
【特許文献3】特開2003−259863号公報
【特許文献4】国際出願公開02/079457号パンフレット
【非特許文献1】ヤマシタ ジェイ.(Yamashita J.)ら、「ネイチャー(Nature)」、2000年、第408巻、第6808号、p.92−96
【非特許文献2】シンイチ ニシカワ(Shin−Ichi Nishikawa)ら、「デベロップメント(Development)」、1998年、125、p.1747−1757
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、心筋前駆細胞に特有な表面マーカーの確立及び提供を目的とし、さらに当該表面マーカーを用いた、心筋前駆細胞の単離方法及びその為のデバイス並びに心筋前駆細胞の体内導入用デバイスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に鑑み、表面マーカーの発現様式の検討に、マウスES細胞を用いた心筋分化過程を選定し、未分化細胞が心筋細胞に分化する過程を経時的に解析できる培養系を用いた。すなわちES細胞を中胚葉系分化誘導条件下で培養することにより拍動能を有する心筋様細胞に分化誘導し、表面マーカーの発現様式の変化を解析した。
結果、特定の表面マーカーであるCD166およびFlk1の両方の表面マーカーが陽性である細胞群における心筋細胞コロニー出現率が有意に高いことを見出した。これらの知見を得て、本発明者らは、中胚葉細胞を含有する細胞集団から心筋前駆細胞を効率的に単離する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は下記の通りである。
(1)中胚葉細胞を含有する細胞集団についてCD166及びFlk1の発現を解析する工程、並びにCD166及びFlk1を発現している細胞を回収する工程を含む、中胚葉細胞を含有する細胞集団から心筋前駆細胞を単離する方法。
(2)中胚葉細胞が幹細胞由来である、(1)記載の方法。
(3)幹細胞が胚性幹細胞(ES細胞)、胚性腫瘍細胞(EC細胞)、始原生殖細胞由来細胞(EG細胞)又は組織幹細胞である、(2)記載の方法。
(4)中胚葉細胞が、ES細胞を中胚葉系分化誘導することによって得られるものである(1)記載の方法。
(5)ES細胞がマウスEB5細胞である、(4)記載の方法。
(6)中胚葉系分化誘導が、ゼラチンコートされた培養皿上で培養することによって行われる、(4)記載の方法。
(7)中胚葉細胞を含有する細胞集団が、骨格筋組織、脂肪組織、末梢血、骨髄組織、および臍帯血からなる群より選択される少なくとも1種の組織より得られるものである、(1)記載の方法。
(8)(1)〜(7)のいずれか1つに記載の方法によって単離された心筋前駆細胞。
(9)CD166の発現を解析する工程が、CD166に特異的親和性を有する物質を用いて行うものである、(1)記載の方法。
(10)CD166に特異的親和性を有する物質が抗CD166抗体である、(9)記載の方法。
(11)Flk1の発現を解析する工程が、Flk1に特異的親和性を有する物質を用いて行うものである、(1)記載の方法。
(12)Flk1に特異的親和性を有する物質が抗Flk1抗体である、(11)記載の方法。
(13)(8)記載の心筋前駆細胞をストローマ細胞と共培養することを特徴とする、インビトロで心筋細胞を産生する方法。
(14)(a)CD166に特異的親和性を有する物質を用いて中胚葉細胞を含有する細胞集団からCD166を発現している細胞集団を回収する為の手段、(b)(a)で得られたCD166を発現している細胞集団から、Flk1に特異的親和性を有する物質を用いてFlk1を発現している細胞集団を回収する為の手段を少なくとも含む、心筋前駆細胞単離用デバイス。
(15)(a)Flk1に特異的親和性を有する物質を用いて中胚葉細胞を含有する細胞集団からFlk1を発現している細胞集団を回収する為の手段、(b)(a)で得られたFlk1を発現している細胞集団から、CD166に特異的親和性を有する物質を用いてCD166を発現している細胞集団を回収する為の手段を少なくとも含む、心筋前駆細胞単離用デバイス。
(16)Flk1に特異的親和性を有する物質を用いてFlk1を発現している細胞集団を回収する為の手段が、抗Flk1抗体固定化固相担体である、(14)または(15)記載のデバイス。
(17)CD166に特異的親和性を有する物質を用いてCD166を発現している細胞集団を回収する為の手段が、抗CD166抗体固定化固相担体である、(14)または(15)記載のデバイス。
(18)中胚葉細胞を含有する細胞集団が、骨格筋組織、脂肪組織、末梢血、骨髄組織、および臍帯血からなる群より選択される少なくとも1種の組織より得られるものである、(14)〜(17)のいずれか1つに記載のデバイス。
(19)(14)〜(18)のいずれか1つに記載のデバイスと、心筋前駆細胞を患者に投与するための手段とを含む、心筋前駆細胞投与用デバイス。
(20)心筋前駆細胞を患者に投与するための手段がシリンジ又はカテーテルである、(19)記載のデバイス。
(21)心筋前駆細胞の患者への投与が、移植によって行われるものである(19)記載のデバイス。
(22)移植が、該細胞を体外にて培養して得られる、単層若しくは多層構造を有するシート状の組織の形態で行われるものである、(21)記載のデバイス。
(23)移植が、該細胞を体外にて非生物由来若しくは生物由来の支持体の上で培養して得られるシート状の組織の形態で行われるものである、(21)記載のデバイス。
【発明の効果】
【0009】
心筋前駆細胞特異的な表面マーカーを用いる本発明の方法あるいはデバイスは、治療現場において、中胚葉系組織より細胞ソースを単離し迅速に心筋前駆細胞を純化・採取することが可能となる。従って、移植細胞の培養、培養にかかるコスト、培養による他の細胞への分化誘導、腫瘍細胞形質の誘発などの懸念が不必要になる。また、迅速な移植細胞の純化・採取により、一期的な手術が可能となり、患者への負担が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において心筋前駆細胞とは、中胚葉由来の細胞で分化すれば自己拍動し心筋特異的遺伝子発現を有するようになる(心筋細胞になる)性状を有した細胞集団のことを指す。
【0011】
本発明において中胚葉細胞を含有する細胞集団とは、中胚葉由来の組織を形成し得る細胞を含有している細胞の集合体であれば、その由来は特に問わない。例えば末梢血、骨髄組織、脂肪組織、骨格筋組織、羊膜組織、胎盤組織、臍帯血などから得られる組織幹細胞由来のものであってもよいし、また、胚性幹細胞(ES細胞)、胚性腫瘍細胞(EC細胞)あるいは始原生殖細胞由来細胞(EG細胞)から分化誘導されたものであってもよい。
【0012】
マウスES細胞としてはEB5細胞が、ヒトES細胞としては、H9.2細胞(Kehat et at.JCI,2001 vol.108 p.407-414)、HES−2細胞(Mummery et al.Journal of Anatomy,2002 vol.200 p.233-242)、H1、H7、H9細胞(Xu et al. Circulation Research,2002 vol.91 p.501-508)等が知られている。これらのヒトES細胞においてはいずれも胚葉体からの分化誘導モデルが報告されている。
【0013】
また供給源として臍帯血を用いる場合、以下のような利点がある。
現状では、骨髄移植への利用(臍帯血バンク)が普及しており、公的組織が既に構築されているため、臍帯血採取における倫理面、技術面、社会的認知性において基盤となる問題が克服されている。同種非血縁者間の移植において、移植片対宿主反応、いわゆるGVHD(graft-versus-host disease)の発現が、頻度、強度とも、臍帯血では骨髄片移植に比し、少ないことが知られており、免疫的寛容が期待できる。新生児組織である臍帯血では、成人組織(骨髄等)に比して、細胞老化が少ないため、多分化能を有する未熟細胞の効率的な分離、増殖が期待できる。
【0014】
ES細胞から中胚葉細胞への分化誘導は、通常当分野で実施されている手法を用いて行えばよい(Yamashita J: Nature 2000: 408(6808):92-6、Nishikawa SI: Development 1998 125(9) 1747)。例えばマウスEB5を用いた場合について記載する。EB5細胞はゼラチン(好ましくは0.1%程度)コートした培養皿で、培養液(例えば、1%ウシ胎児血清(EQUITECH, Cotton Gin Lane Kerrville, TX)、10%ノックアウト血清リプレースメント(GIBCO/BRL)、1%L−グルタミン(GIBCO/BRL)、1%非必須アミノ酸(GIBCO/BRL)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO/BRL)、100μM 2−メルカプトエタノール(SIGMA, St. Louis, MO)、1000U/ml白血病抑制因子(Leukemia inhibitory factor; Chemicon International Inc. Temecula, CA)及び10μg/mlブラストサイジン(FUNAKOSHI,Tokyo, Japan)を添加したGlasgow最小必須培地(GIBCO/BRL, Long Island, NY)等が例示される)中で培養する。分化誘導条件としては、以下のようなプロトコルが挙げられるが、最終的にCD166の、好ましくはCD166に加えFlk1の、有意な発現上昇が確認されれば、その詳細は特に限定されるものではない。また、細胞の状況等の要因によっても適宜変更され得る。
(分化誘導プロトコル)
10cm培養皿(0.1%ゼラチンコート)あたり1×10個のEB5細胞を分化培地(10%ウシ胎児血清(EQUITECH, Cotton Gin Lane Kerrville, TX)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO/BRL)及び100μM 2−メルカプトエタノール(SIGMA)を添加した最小必須培地α培地(GIBCO/BRL))中で37℃、5%CO雰囲気下で5日間培養する。
【0015】
ES細胞から中胚葉細胞(心筋前駆細胞)への分化は細胞表面マーカーの発現様式を解析することによって確認することができる。すなわち、分化誘導前には検出されないか、あるいは検出されても僅かであって、分化誘導後に顕著にその発現量が増加する細胞表面抗原(細胞表面マーカー)であるCD166の発現状況を単独で、あるいはFlk1の発現状況と組み合わせて測定する。中胚葉細胞のソースとしてES細胞を用いる場合には、中胚葉分化誘導条件下で培養した後の細胞(細胞集団)における細胞表面マーカーの発現を測定し、Flk1及びCD166を両方とも発現している細胞を回収することによって心筋前駆細胞を単離することができる。中胚葉細胞のソースとして末梢血、骨髄組織、脂肪組織、骨格筋組織、羊膜組織、胎盤組織、臍帯血などから得られる組織幹細胞を用いる場合には、当該細胞(細胞集団)におけるCD166及びFlk1の発現状況を測定し、CD166及びFlk1を両方とも発現している細胞を回収することによって、心筋前駆細胞を単離することができる。
【0016】
CD166及びFlk1の発現を解析する工程は、細胞の表面マーカーであるこれらの蛋白質の発現が解析できれば特にその手法は限定されないが、一般的に免疫反応を用いた方法が簡便であり、また細胞を傷つけることなく好ましい。細胞を傷つけないという利点は心筋前駆細胞の体内導入という本願発明の目的において特に有利である。具体的にはCD166に特異的親和性を有する物質及びFlk1に特異的親和性を有する物質を用いて行う。
【0017】
Flk1は、血管内皮増殖因子受容体VEGFの受容体として機能し、膜1回貫通型のチロシンキナ−ゼで、細胞外には7つの免疫グロブリン様構造をもち、細胞内にはキナーゼドメインとこれを二分するキナーゼインサートをもつことが特徴である(Developmental Biology S.F.Gilbert 7th Edition Chapter 15 Lateral Plate Mesoderm. Sinauer)。Flk1は、正常血管や腫瘍血管の新生、血管透過性に極めて重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。また、血管内皮前駆細胞のマーカー、中胚葉のマーカーと考えられている(Cortes et al 1999, Mech Dev. 83(1-2):161-4、Ogawa et al Blood 1999 93;(4):1168-77)
【0018】
一方、CD166(Activated leukocyte cell adhesion molecule(ALCAM/CD166))は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、細胞外に5個の免疫グロブリン様ドメインを有する。機能としては、ALCAM:ALCAMおよびALCAM:CD6結合を介した細胞間相互作用に関与しており、また細胞増殖・遊走・免疫応答、腫瘍細胞の転移などに関与することも推測されている。CD166は、中枢および末梢神経系の発生段階において発現することが知られており、さらに造血幹細胞とその骨髄支持細胞、ならびに活性化Tリンパ球および単球に発現することが明らかとなっている。
【0019】
本発明はこれらの蛋白質が心筋前駆細胞においてその発現量が顕著に増加するという新たな知見に基づいている。本明細書中、「マーカー(又は表面マーカー)」とは特にことわりのない限り、上記した心筋前駆細胞に特有な発現様式を示す一連の蛋白質から構成される群の各々を意味する。かかるマーカー蛋白質は哺乳動物の種類等によってそのアミノ酸配列が異なる場合があり、また特にCD166のように多彩なスプライシングにより幾つかのアイソフォームを有する場合がある。本発明においてはその心筋前駆細胞における発現様式が同じである限り、そのような蛋白質もマーカー蛋白質として使用することができ、本発明の範囲内である。
本発明においては、マーカー蛋白質として、特にCD166及びFlk1が用いられる。
【0020】
本明細書中、「用いて」という用語について、その方法は特に限定されず、具体的には、例えばマーカー蛋白質と特異的親和性を有する物質を用いる場合であれば該マーカー蛋白質の抗体との抗原抗体反応を利用する方法が挙げられる(詳細な手順については後述する)。
【0021】
マーカー蛋白質と特異的な親和性を有する物質としては例えば当該蛋白質に特異的親和性を有する抗体又はその断片が挙げられ、その特異的親和性とは抗原・抗体反応により該蛋白質を特異的に認識し、結合する能力のことである。該抗体又はその断片は、当該蛋白質と特異的に結合可能なものであれば特に限定されず、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及びそれらの機能的断片のいずれであってもよい。これらの抗体あるいはその機能的断片は、通常当分野で行なわれている方法によって製せられる。例えばポリクローナル抗体を用いる場合であれば、該蛋白質をマウスやウサギといった動物の背部皮下あるいは腹腔内あるいは静脈等に注射して免疫し、抗体価が上昇するのを待った後に抗血清を採取する方法が挙げられ、またモノクローナル抗体を用いる場合であれば、常法に従いハイブリドーマを作製して、その分泌液を採取する方法が挙げられる。抗体断片を製造する方法としてはクローニングした抗体遺伝子断片を微生物等に発現させる方法がよく用いられている。当該抗体、抗体断片等の純度は、当該蛋白質との特異的親和性を保持している限り、特に限定されない。これらの抗体又はその断片は、蛍光物質、酵素やラジオアイソトープ等で標識されていてもよい。
さらに、これらは市販されているものを用いても良い。
【0022】
本発明の心筋前駆細胞を単離する方法又はその為のデバイス、あるいは当該方法又はデバイスを用いる心筋前駆細胞投与用デバイスにおいては、好ましくは、CD166に特異的親和性を有する物質及びFlk1に特異的親和性を有する物質が用いられる。本発明の単離方法等において、当該マーカー蛋白質(CD166及びFlk1)の発現が解析される。かかる解析によりCD166及びFlk1を発現している[CD166陽性,Flk1陽性]([CD166+,Flk1+]とも記載される)細胞を単離し、回収することによって心筋前駆細胞を得ることができる。
【0023】
各特異的親和性を有する物質を用いて、それぞれのマーカー蛋白質を発現している細胞を単離、回収する方法は、通常、当分野で行われている方法及びそれらを組み合わせた方法が用いられる。CD166に特異的親和性を有する物質として抗CD166抗体を、Flk1に特異的親和性を有する物質として抗Flk1抗体を、それぞれ用いた場合の具体的手法について以下に述べるが、本願発明はかかる例示に何ら限定されるものではない。
【0024】
(1)抗CD166抗体固定化固相担体並びに抗Flk1抗体固定化固相担体を調製する工程
抗CD166抗体あるいは抗Flk1抗体を用いて通常当分野で実施されているような方法によって行う。具体的には固相担体を臭化シアン処理等によって活性化し、そこにアミノ基あるいはヒドロキシル基を有する抗体を結合させる方法等によって行う。抗CD166抗体及び抗Flk1抗体は商業的に入手可能であり、また、上記したような手順によって適宜調製することもできる。本発明において用いられる固相担体は、その上で抗CD166抗体とCD166抗原との抗原抗体反応(あるいは抗Flk1抗体とFlk1抗原との抗原抗体反応)が生じるものであれば特に限定されず、当分野で通常使用されるものが利用できる。材質としては、例えば、樹脂(ポリスチレン、メタクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド等)、ガラス等が用いられる。これらの固相担体は、いかなる形状のものであってもよく、また上記した材質の種類や、その後の工程等に応じて適宜決定される。例えば板状、ビーズ状、薄膜状、糸状、コイル状等が挙げられるが、樹脂からなるビーズであればカラムに充填することによりその後の操作を簡便にし得る。
【0025】
(2)抗CD166抗体固定化固相担体を用いて中胚葉細胞を含有する細胞集団からCD166を発現している細胞集団を回収する工程
まず、上記(1)で調製した抗CD166抗体固定化固相担体(以下、単に抗CD166抗体固定化カラムともいう)と中胚葉細胞を含有する細胞集団とを接触させる。中胚葉細胞を含有する細胞集団とは上記したような、骨格筋組織、脂肪組織、末梢血、骨髄組織あるいは臍帯血などの組織由来のものであってもよいし、未分化なES細胞、EC細胞あるいはEG細胞を中胚葉系分化誘導条件下で培養することによって得られるものであってもよい。中胚葉系前駆細胞を含有する細胞ソースであれば特に限定されない。組織を可溶化して得られた試料、あるいは分化誘導後の細胞懸濁液を抗CD166抗体固定化カラムに1回〜数回通す。ここで、可溶化処理としては、0.25%トリプシン−EDTA等での処理などが挙げられる。次いで、試料を通したカラムを1回〜数回、好ましくは複数回、リン酸緩衝生理食塩水(以下PBSともいう)等の細胞に悪影響を与えない緩衝液で洗浄する。洗浄後のカラムを緩衝液の極性を変える、あるいは過剰のCD166抗原を加える等の処理によって抗CD166抗体固定化固相担体に結合している細胞を固相担体から分離し、CD166を発現している細胞集団([CD166+]細胞)を回収する([CD166+]細胞懸濁液)。
【0026】
(3)抗Flk1抗体固定化固相担体を用いて中胚葉細胞を含有する細胞集団からFlk1を発現している細胞集団を回収する工程。
まず、上記(1)で調製した抗Flk1抗体固定化固相担体(以下、単に抗Flk1抗体固定化カラムともいう)と中胚葉細胞を含有する細胞集団とを接触させる。中胚葉細胞を含有する細胞集団とは上記したような、骨格筋組織、脂肪組織、末梢血、骨髄組織あるいは臍帯血などの組織由来のものであってもよいし未分化なES細胞、EC細胞あるいはEG細胞を中胚葉分化誘導条件下で培養することによって得られるものであってもよい。組織を可溶化して得られた試料あるいは分化誘導後の細胞懸濁液を抗Flk1抗体固定化カラムに1回〜数回通す。試料を通したカラムを1回〜数回、好ましくは複数回、PBS等の細胞に悪影響を与えない緩衝液で洗浄する。洗浄後のカラムを緩衝液の極性を変える、あるいは過剰のFlk1抗原を加える等の処理によって抗Flk1抗体固定化固相担体に結合している細胞を固相担体から分離し、Flk1を発現している細胞集団([Flk1+]細胞)を回収する([Flk1+]細胞懸濁液)。
【0027】
工程(1)〜(3)を逐次的に行うことにより、[CD166+,Flk1+]細胞を回収することができる。なお、工程(2)と工程(3)の実施の順番は特に限定されないが、好ましくは発現量の観点から、工程(3)→工程(2)の順で行う、即ち、Flk1を先にその後にCD166の精製を行うことが好ましい。
【0028】
分離、回収には種々の公知の手段が適用できるが、膜を用いた濾過処理等が好ましい。例えば、工程(2)及び工程(3)を経て得られた各心筋前駆細胞の懸濁液を、例えば内部にフィルターを仕込んだシリンジ等を用いて、まずシリンジ内のフィルターに細胞をトラップさせ、次いでシリンジ内のプランジャーを押してフィルターから前駆細胞をはずして回収する。回収の為のデバイスの一例を図1に示すが、何ら限定されるものではない。
図1中、「試料」は中胚葉細胞を含有する細胞集団であり、抗体カラム1及び2は抗CD166抗体固定化カラム及び抗Flk1抗体固定化カラム(順序は問わない)である。三方活栓を使用することにより所望の細胞画分を容易に得ることができる。
【0029】
上記デバイスに、さらに得られた心筋前駆細胞を患者に投与するための手段を含めて心筋前駆細胞投与用デバイスを構築することができる。心筋前駆細胞を患者に投与するための手段としては、通常細胞を用いた治療に利用されるような手段、用具等が用いられ、例えばシリンジやカテーテル等が挙げられる。シリンジは図1で示した回収用のシリンジと同一のものであっても構わないし、回収した細胞を別の新しいシリンジに充填して患者に投与することもできる。同様にカテーテルも回収用に用いたものと同一のものであってもよいし、別途用意されるものであってもよい。
【0030】
さらに、本発明の心筋前駆細胞を体外にて培養して、単層若しくは多層構造を有するシート状の組織とした後そのシートを投与対象(患者)に移植してもよいし、又、該細胞を体外にて非生物由来若しくは生物由来の支持体の上で培養して得られるシート状の組織を投与対象(患者)に移植してもよい。支持体は当分野で通常用いられるものが利用できるが、非生物由来の支持体としては(1)ポリグリコール酸(Poly glycolic acid(PGA))、(2)ポリ乳酸(Poly lactic acid(PLA))、(3)ポリ乳酸・ポリグリコール酸共重合体(lactic−co−glycolic acid(PLGA))、(4)ポリカプロラクトン(Polycaprolactone)等が、生物由来の支持体としては(1)界面活性剤、リボヌクレアーゼ等を用いて脱細胞化処理を施すことによって得た、コラーゲンやエラスチン等の細胞外マトリックスからなる組織、(2)コラーゲン、エラスチン等の細胞外マトリックス成分を用いて人工的に構成した組織等が挙げられる。
【0031】
本発明の心筋前駆細胞のヒトへの治療における適用は、例えば心筋梗塞亜急性期、あるいは心筋症慢性期患者への移植が想定される。治療評価としては、一般的な心不全治療に対する効果判定基準に、現在、既に実用化されている血液疾患領域における同種臍帯血幹細胞移植の治療評価基準(特に、GVHD等の有害副反応の評価基準)を加味したものが適当と考えられる。より具体的には、既に公開されている大規模臨床試験プロトコールの治療効果評価を参照することができる(例えばhttp://poppy.ac/j-chf/doc/jchfplot_ver2_030925.pdf等)。
【実施例】
【0032】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、実施例は本発明の説明のために記載するものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1:Flk1+,CD166+細胞からの心筋細胞への分化の検討
ES細胞としてEB5細胞を用いた。EB5細胞は0.1%ゼラチンコートした6cm培養皿で、培養液(1%ウシ胎児血清(EQUITECH, Cotton Gin Lane Kerrville, TX)、10%ノックアウト血清リプレースメント(GIBCO/BRL)、1%L−グルタミン(GIBCO/BRL)、1%非必須アミノ酸(GIBCO/BRL)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO/BRL)、100μM 2−メルカプトエタノール(SIGMA, St. Louis, MO)、1000U/ml白血病抑制因子(Leukemia inhibitory factor; Chemicon International Inc. Temecula, CA)及び10μg/mlブラストサイジン(FUNAKOSHI,Tokyo, Japan)を添加したGlasgow最小必須培地(GIBCO/BRL, Long Island, NY)等が例示される)中で培養した。0.1%ゼラチンコートは、0.1%ゼラチン(Nakarai Japan)/蒸留水を培養皿上に積層し常温で固相化することによって行った。
【0033】
分化誘導は、10cm培養皿(0.1%ゼラチンコート)あたり1×10個のEB5細胞を分化培地(10%ウシ胎児血清(EQUITECH, Cotton Gin Lane Kerrville, TX)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO/BRL)及び100μM 2−メルカプトエタノール(SIGMA)を添加した最小必須培地α培地(GIBCO/BRL))中で37℃、5%CO雰囲気下で5日間培養することによって行った。
分化誘導後、経時的にフローサイトメトリー解析(FACS解析)を行うことによってFlk1及びCD166の発現を測定した。結果を図2に示す。
Flk1抗体としてはマウスモノクローナル抗体「AVAS12α1」(理化学研究所、西川氏より供与された)を用い、ビオチン標識した後、FACS解析を行った。該解析は「calibur」及び「Aria」(ともにBDバイオサイエンス(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社))を使用して行った。
Flk1抗体についてはShin-Ichi Nishikawa et al. Development, 1998 vol. 125 p.1747-1757及びKataoka H et al. Dev Growth Differ. 1997 vol. 39, p.729-740等に詳述されている。
CD166を認識するモノクローナル抗体は、以下の方法で作成した。すなわち、マウスCD166の完全長cDNAを蛋白発現ベクターであるpMSCVに組み込み、これを293T細胞株にリポフェクション法にてトランスフェクションし、CD166蛋白を細胞表面に強制発現させた。この細胞を、ラットに免疫し、その脾臓細胞とラット抗体産生細胞株を、細胞融合させて、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞を樹立した。これらのハイブリドーマ細胞のうち、マウスCD166蛋白を、細胞膜表面に強制発現させた、Baf3(マウスpro−Bリンパ球)細胞株を特異的に認識するクローン(クローン名ALC48)を選択し、そのクローンが産生する抗体を、培養上清中より、濃縮純化し使用した。
【0034】
分化誘導5日目の細胞から[Flk1+,CD166+]細胞をソーティングした。得られた[Flk1+,CD166+]細胞をストローマ細胞OP9上で共培養した。
ストローマ細胞OP9と共培養することによりES細胞が血液細胞、神経細胞、リンパ球等へと分化誘導されることは既に知られており(Nishikawa SI: Development 1998 125(9) 1747、Yamashita J: Nature 2000: 408(6808):92-6、Ogawa et al Blood 1999 93;(4):1168-77)、本実施例においても心筋細胞への分化を期待してストローマ細胞OP9との共培養を行った。尚、OP9細胞はATCC等の公的機関からも入手可能であり、本実施例においてはコダマ氏より供与された。
またコントロールとして[Flk1+,CD166−]細胞についても同様にストローマOP9細胞との共培養を行い、心筋細胞への分化を検討した。
セルソーターにて分離した細胞群(1×104細胞ずつ)をOP9と6cm培養皿上で分化培地(上述)にて7日間培養した。
OP9との共培養から7日経過した時点で心筋細胞の出現率(拍動細胞のコロニー数)について確認した。結果を図3に示す。
【0035】
図3より明らかなように、[Flk1+,CD166+]細胞を用いた場合の心筋細胞出現率は、[Flk1+,CD166−]細胞を用いた場合のそれよりも顕著に高かった。したがって、[Flk1+,CD166+]細胞を単離することにより、心筋前駆細胞を高度に純化できることが示唆された。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の心筋前駆細胞単離用デバイスあるいは心筋前駆細胞投与用デバイスの一例を示す模式図である。
【図2】図2は、分化誘導後のFlk1およびCD166(ALCAM)の発現を測定した、フローサイトメトリー解析である。
【図3】図3は、ソーティングしたFlk1+/CD166(ALCAM)+細胞について心筋分化誘導(OP9との共培養)を行い、得られた拍動コロニーの数を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中胚葉細胞を含有する細胞集団についてCD166及びFlk1の発現を解析する工程、並びにCD166及びFlk1を発現している細胞を回収する工程を含む、中胚葉細胞を含有する細胞集団から心筋前駆細胞を単離する方法。
【請求項2】
中胚葉細胞が幹細胞由来である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
幹細胞が胚性幹細胞(ES細胞)、胚性腫瘍細胞(EC細胞)、始原生殖細胞由来細胞(EG細胞)又は組織幹細胞である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
中胚葉細胞が、ES細胞を中胚葉系分化誘導することによって得られるものである請求項1記載の方法。
【請求項5】
ES細胞がマウスEB5細胞である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
中胚葉系分化誘導が、ゼラチンコートされた培養皿上で培養することによって行われる、請求項4記載の方法。
【請求項7】
中胚葉細胞を含有する細胞集団が、骨格筋組織、脂肪組織、末梢血、骨髄組織、および臍帯血からなる群より選択される少なくとも1種の組織より得られるものである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって単離された心筋前駆細胞。
【請求項9】
CD166の発現を解析する工程が、CD166に特異的親和性を有する物質を用いて行うものである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
CD166に特異的親和性を有する物質が抗CD166抗体である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
Flk1の発現を解析する工程が、Flk1に特異的親和性を有する物質を用いて行うものである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
Flk1に特異的親和性を有する物質が抗Flk1抗体である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項8記載の心筋前駆細胞をストローマ細胞と共培養することを特徴とする、インビトロで心筋細胞を産生する方法。
【請求項14】
(a)CD166に特異的親和性を有する物質を用いて中胚葉細胞を含有する細胞集団からCD166を発現している細胞集団を回収する為の手段、(b)(a)で得られたCD166を発現している細胞集団から、Flk1に特異的親和性を有する物質を用いてFlk1を発現している細胞集団を回収する為の手段を少なくとも含む、心筋前駆細胞単離用デバイス。
【請求項15】
(a)Flk1に特異的親和性を有する物質を用いて中胚葉細胞を含有する細胞集団からFlk1を発現している細胞集団を回収する為の手段、(b)(a)で得られたFlk1を発現している細胞集団から、CD166に特異的親和性を有する物質を用いてCD166を発現している細胞集団を回収する為の手段を少なくとも含む、心筋前駆細胞単離用デバイス。
【請求項16】
Flk1に特異的親和性を有する物質を用いてFlk1を発現している細胞集団を回収する為の手段が、抗Flk1抗体固定化固相担体である、請求項14または15記載のデバイス。
【請求項17】
CD166に特異的親和性を有する物質を用いてCD166を発現している細胞集団を回収する為の手段が、抗CD166抗体固定化固相担体である、請求項14または15記載のデバイス。
【請求項18】
中胚葉細胞を含有する細胞集団が、骨格筋組織、脂肪組織、末梢血、骨髄組織、および臍帯血からなる群より選択される少なくとも1種の組織より得られるものである、請求項14〜17のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
請求項14〜18のいずれか1項に記載のデバイスと、心筋前駆細胞を患者に投与するための手段とを含む、心筋前駆細胞投与用デバイス。
【請求項20】
心筋前駆細胞を患者に投与するための手段がシリンジ又はカテーテルである、請求項19記載のデバイス。
【請求項21】
心筋前駆細胞の患者への投与が、移植によって行われるものである請求項19記載のデバイス。
【請求項22】
移植が、該細胞を体外にて培養して得られる、単層若しくは多層構造を有するシート状の組織の形態で行われるものである、請求項21記載のデバイス。
【請求項23】
移植が、該細胞を体外にて非生物由来若しくは生物由来の支持体の上で培養して得られるシート状の組織の形態で行われるものである、請求項21記載のデバイス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−135438(P2007−135438A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331274(P2005−331274)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「健康安心プログラム微細加工技術利用細胞組織製造技術の開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(300061835)財団法人先端医療振興財団 (28)
【Fターム(参考)】