説明

心筋灌流イメージング用化合物

本明細書は、イメージング部分を含む化合物および特定の疾患を診断するためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般に、イメージング部分を含む化合物および特定の疾患を診断するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ミトコンドリアは、大部分の真核細胞の細胞質ゾルの至る所に分布する膜に囲まれた細胞小器官であり、心筋組織において特に集中して存在する。その過程でエネルギーを放出する有機物の酸化を触媒するミトコンドリア内に見出される種々の酵素がある。このような酵素の1つであるMC-1(「ミトコンドリア複合体1」または「複合体1」)は、この過程において主要な役割を演じる。
ミトコンドリアの正常な機能を妨害することが(たとえばMC-1に結合することによって)、ミトコンドリア内、したがって、ミトコンドリアに富む心筋組織内の特定の化合物を有利に集中させることができることが認識されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
もしこれらの化合物がイメージング部分に結合したならば、そのような蓄積(ビルドアップ)を検出することができ、それによって、緊張および安静条件下での局所血流および生存率を評価する技術である心筋灌流イメージングのための価値のある診断マーカーを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施態様において、本発明は、式(I):
【化1】

[式中、R1およびR2は、必要に応じてイメージング部分で置換されたアルコキシである;または
R1およびR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じてアルコキシまたはイメージング部分で置換された0または1個の窒素原子を含む6員芳香族環を形成する;
ここで、アルコキシはさらに、必要に応じてイメージング部分で置換される; および
R3およびR4は独立して、アルケニル、アルキル、アルキニル、アリールオキシアルキルまたはアリールアルキルである;
ここで、アルケニル、アルキル、アルキニルならびにアリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアルキル部分はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換され、アリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアリール部分は、必要に応じてアルコキシ、第2アルキル基またはイメージング部分で置換される;
ここで、アルコキシおよび第2アルキル基はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換される;
ただし、少なくとも1つのイメージング部分が存在する]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を提供する。
【0005】
別の実施態様において、イメージング部分は、核医学イメージング用の放射性同位体、MRIイメージングで用いる常磁性種、超音波イメージングで用いるエコー源性物質、蛍光イメージングで用いる蛍光性物質および光学的イメージングで用いる光活性物質から選ばれる。
【0006】
別の実施態様において、イメージング部分は、MRIイメージングで用いる常磁性種であり、常磁性種は、Gd3+、Fe3+、In3+およびMn2+から選ばれる。
別の実施態様において、イメージング部分は、超音波イメージングで用いるエコー源性物質であり、エコー源性物は、界面活性剤ミクロスフェアに封入されたフッ化炭素である。
別の実施態様において、イメージング部分は、核医学イメージング用の放射性同位体であり、放射性同位体は、11C、13N、18F、123I、125I、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Gaおよび68Gaから選ばれる。別の実施態様において、放射性同位体は、99mTcである。別の実施態様において、放射性同位体は、18Fである。
【0007】
別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物および式:
【化2】

[式中、各A1は独立して、式(I)で示される化合物への結合、-NR5R6、-SH、-S(Pg)、-OH、-PR5R6および-P(O)R7R8から選ばれる;
各A2は独立して、S、OおよびPR5から選ばれる;
A3はNである;
各Eは独立して、0-3個のR9基で置換されたC1-10アルキレン、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリーレン、0-3個のR9基で置換されたC3-10シクロアルキレン、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキレン、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール-C1-10アルキレンおよび0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリルから選ばれる;
R5およびR6はそれぞれ独立して、式(I)で示される化合物への結合、0-3個のR8基で置換されたC1-10アルキル、0-3個のR8基で置換されたC6-10アリール、0-3個のR8基で置換されたC3-10シクロアルキル、0-3個のR8基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキルおよび0-3個のR8基で置換されたヘテロシクリルから選ばれる;
R7およびR8はそれぞれ独立して、式(I)で示される化合物への結合、0-3個のR9基で置換されたC1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール、0-3個のR9基で置換されたC3-10シクロアルキル、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール-C1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリルおよびヒドロキシから選ばれる;
各R9は独立して、式(I)で示される化合物への結合、C2-4アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、ジ(C1-6アルキル)アミノ、C1-6アルキルカルボニル、アミノ、シアノ、C3-6シクロアルキル、ホルミル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ニトロおよびオキソから選ばれる;および
Pgは、チオール保護基である;
ただし、単結合が存在する少なくとも1つの式(I)で示される化合物への結合が存在する]
から選ばれる金属結合ユニットを含むイメージング剤を提供する。
【0008】
別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物および式:
【化3】

[式中、Aは、式(I)で示される化合物への結合である]
から選ばれる金属結合ユニットを含む錯体を提供する。別の実施態様において、イメージング部分は、99mTcである。
別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物および/またはその医薬的に許容しうる塩ならびに医薬的に許容しうる担体を含む組成物を提供する。
【0009】
別の実施態様において、本発明は、
(a)患者に式(I):
【化4】

[式中、R1およびR2は、必要に応じてイメージング部分で置換されたアルコキシである;または
R1およびR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じてアルコキシまたはイメージング部分で置換された0または1個の窒素原子を含む6員芳香族環を形成する;
ここで、アルコキシはさらに、必要に応じてイメージング部分で置換される; および
R3およびR4は独立して、アルケニル、アルキル、アルキニル、アリールオキシアルキルまたはアリールアルキルである;
ここで、アルケニル、アルキル、アルキニルならびにアリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアルキル部分はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換され、アリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアリール部分は、必要に応じてアルコキシ、第2アルキル基またはイメージング部分で置換される;
ここで、アルコキシおよび第2アルキル基はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換される;
ただし、少なくとも1つのイメージング部分が存在する]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を投与すること;および
(b)診断的イメージング技術によって患者における化合物の集中する部位のイメージを獲得すること;
を含む、患者における心筋灌流のイメージング方法を提供する。
【0010】
別の実施態様において、イメージング部分は、核医学イメージング用の放射性同位体、MRIイメージングで用いる常磁性種、超音波イメージングで用いるエコー源性物質、蛍光イメージングで用いる蛍光性物質および光学的イメージングで用いる光活性物質である。
別の実施態様において、イメージング部分は、MRIイメージングで用いる常磁性種であり、常磁性種は、Gd3+、Fe3+、In3+およびMn2+から選ばれる。
別の実施態様において、イメージング部分は、超音波イメージングで用いるエコー源性物質であり、エコー源性物は、界面活性剤ミクロスフェアに封入されたフッ化炭素である。
別の実施態様において、イメージング部分は、核医学イメージング用の放射性同位体であり、放射性同位体は、11C、13N、18F、123I、125I、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Gaおよび68Gaから選ばれる。別の実施態様において、放射性同位体は、99mTcである。別の実施態様において、放射性同位体は、18Fである。
【0011】
すべての特許、特許出願および参考文献は、全体として参照することにより本発明に援用される。矛盾する場合、定義を含めて本明細書の記載が優先される。
【0012】
本明細書において用いる以下の用語は、次に記載する意味を有する:
本明細書で用いる単数形「a」、「an」および「the」は、他に特記しない限り複数形の言及も包含する。
いずれの特定の基においても炭素原子の数は、基を挙げる前に記載される。たとえば、用語「C6-10アリーレン」は、を意味する。6〜10個の炭素原子を含むアリーレンを意味し、および用語「C6-10アリール-C1-10アルキレン」は、1〜10個の炭素原子のアルキレン基に結合する6〜10個の炭素原子のアリール基を意味する
本明細書で用いる用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む2〜16個の炭素原子の直鎖または分枝鎖基を意味する
本明細書で用いる用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合するアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニル基を介して親分子部分に結合するアルコキシ基を意味する。
本明細書で用いる用語「アルキル」は、1〜16個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導された基を意味する。
本明細書で用いる用語「アルキルカルボニル」は、カルボニル基を介して親分子部分に結合するアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導された2〜16個の炭素原子を含む二価の基を意味する。
本明細書で用いる用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む2〜16個の炭素原子の直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。
本明細書で用いる用語「アミノ」は、−NH2を意味する。
本明細書で用いる用語「アリール」は、フェニル基または1つ以上の環がフェニル基である二環式縮合環系を意味する。二環式縮合環系は、単環式シクロアルケニル基、単環式シクロアルキル基またはもう1つのフェニル基に縮合したフェニル基からなる。本発明のアリール基は、基中のいずれかの置換可能な炭素原子を介して親分子部分に結合することができる。アリール基の代表的な例として、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニルおよびテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
本明細書で用いる用語「アリールアルキル」は、1または2個のアリール基で置換されたアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「アリールアルキレン」は、親分子部分への結合の一方がアリール部分上であり、他方がアルキル部分上である二価のアリールアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「アリーレン」は、二価のアリール基を意味する。
本明細書で用いる用語「アリールオキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合するアリール基を意味する。
本明細書で用いる用語「アリールオキシアルキル」は、1または2個のアリールオキシ基で置換されたアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「カルボニル」は、-C(O)-を意味する。
本明細書で用いる用語「シアノ」は、-CNを意味する。
本明細書で用いる用語「シクロアルケニル」は、3〜14個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族部分不飽和単環、二環または三環式環系を意味する。シクロアルケニル基の代表的な例として、シクロヘキシル、オクタヒドロナフタレニルおよびノルボルニレニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
本明細書で用いる用語「シクロアルキル」は、3〜14個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する飽和単環、二環または三環式環系を意味する。シクロアルキル基の代表的な例として、シクロプロピル、シクロペンチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチルおよびアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる用語「シクロアルキレン」は、二価のシクロアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「ジアルキルアミノ」は、RxおよびRyがそれぞれアルキル基である−NRxRyを意味する。
本明細書で用いる用語「ホルミル」は、−CHOを意味する。
本明細書で用いる用語「ハロ」および「ハロゲン」は、F、Cl、BrおよびIを意味する。
本明細書で用いる用語「ハロアルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合するハロアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「ハロアルキル」は、1、2、3または4個のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
【0015】
本明細書で用いる用語「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素およびイオウから独立して選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含む5、6または7員環を意味する。5員環は、0〜2個の二重結合を有し、6および7員環は、0〜3個の二重結合を有する。本明細書で用いる用語「ヘテロシクリル」もまた、ヘテロシクリル環がフェニル基、単環式シクロアルケニル基、単環式シクロアルキル基またはもう1つの単環式ヘテロシクリル基に縮合する二環式基を含む。本発明のヘテロシクリル基は、基中の炭素原子または窒素原子を介して親分子部分に結合することができる。ヘテロシクリル基の例として、ベンゾチエニル、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロロピリジニル、ピロリル、チアゾリル、チエニルおよびチオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる用語「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に結合するヘテロシクリル基を意味する。
本明細書で用いる用語「ヘテロシクリルアルキレン」は、親分子部分への結合の一方がヘテロシクリル部分上であり、他方がアルキル部分上である二価のヘテロシクリルアルキル基を意味する。
本明細書で用いる用語「ヒドロキシ」は、−OHを意味する。
本明細書で用いる用語「ニトロ」は、−NO2を意味する。
本明細書で用いる用語「オキソ」は、=Oを意味する。
【0016】
本明細書で用いる用語「Pg」は、チオール保護基を意味する。例示的なチオール保護基は、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、New York(1991)に記載のものが包含される。当業界で公知のどのチオール保護基でも用いることができる。チオール保護基の例として、アセトアミドメチル、ベンズアミドメチル、1-エキソエチル、ベンゾイルおよびトリフェニルメチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる用語「イメージング部分」は、診断用イメージの生成を可能にする分子の一部を意味する。診断用イメージを生成するのに用いる技術は、当業者には周知である。イメージング剤の例として、X-線CTイメージング用の放射性同位体、MRIイメージングで用いる常磁性種、超音波イメージングで用いるエコー源性物質、蛍光イメージングで用いる蛍光性物質および光学的イメージングで用いる光活性物質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
核医学イメージング部分の例として、11C、13N、18F、123I、125I、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Gaおよび68Gaが挙げられる。心筋において、11C-パルミチン酸塩が、脂肪酸を探査するために用いられ、11C-酢酸塩が、酸化的代謝を評価するために用いられている(Circulation 1987、76、687-696)。心筋灌流をイメージ化するために13N-アンモニアが広く用いられている(Circulation 1989、80、1328-1337)。18Fを含む作用剤が低酸素症およびガンのイメージング剤として用いられている(Drugs of the Future 2002、27、655-667)。ヨウ素化剤である15-(p-(123I)-ヨードフェニル)-ペンタデカン酸および15-(p-(123I)-ヨードフェニル)-3(R,S)-メチルペンタデカン酸が、心筋代謝をイメージングするために用いられている。
【0018】
イメージング部分のさらなる例として、X線吸収または原子番号20またはそれ以上の「重」原子が挙げられる。X線イメージング剤において頻繁に用いられる重原子はヨウ素である。近年、金属キレートおよび複数個の金属イオンを含むポリキレートを含むX線イメージング剤が開示されている(U.S.特許番号5,417,959および5,679,810を参照)。最近になって、多核クラスター錯体が、X線イメージング剤として開示されている(U.S.特許番号5,804,161;WO91/14460;およびWO92/17215を参照)。代表的な金属として、Re、Sm、Ho、Lu、Pm、Y、Bi、Pd、Gd、La、Au、Yb、Dy、Cu、Rh、AgおよびIrが挙げられる。
【0019】
MRIイメージング剤は、1つまたはそれ以上の常磁性金属を含む。イオンは、金属キレート、錯体または金属酸化物粒子の形態で存在することができる。MRIイメージング剤における常磁性金属イオンのためのキレーターの例は、U.S.特許番号5,412,148および5,760,191に記載されている。1つ以上の常磁性金属イオンと錯体を形成するのに用いるポリキラント(polychelant)の例は、U.S.特許番号5,801,228;5,567,411;および5,281,704に見出される。U.S.特許番号5,520,904は、MRIイメージング剤として用いる常磁性金属イオンを含む粒子組成物を記載する。金属の例として、Gd3+、Fe3+、In3+およびMn2+が挙げられる。
【0020】
超音波イメージング剤は、生体適合性ガスの微小気泡、液体担体および界面活性剤マイクロスフェアを含む。本明細書で用いる用語「液体担体」は、水溶液を意味し、用語「界面活性剤」は、溶液中の界面張力の低下を生み出すいずれかの両親媒性物質を意味する。たとえば、EP0727225A2に、界面活性剤マイクロスフェアを形成するための適当な界面活性剤のリストが開示されている。本明細書で用いる用語「界面活性剤マイクロスフェア」として、マイクロスフェア、ナノスフェア、リポソーム、ベシクルなどが挙げられる。生体適合性ガスは、エコー輝度における差異、したがって超音波イメージングにおけるコントラストを提供する、たとえば、空気またはC3-C5過フッ化アルカンなどのフッ化炭素といったような生理的に許容されたガスのいずれであってもよい。ガスは、分子の残りの部分が結合するマイクロスフェアにカプセル封入されるか、含まれるか、または別な方法で拘束される。結合は、共有、イオン性またはファンデルワールス力であってよい。このような造影剤の特定の例として、たとえば、複数の腫瘍新血管新生受容体と結合したペプチド、ポリペプチド、またはペプチド模倣体とともに脂質カプセル封入過フッ化炭素が挙げられる。ガス充填イメージング部分の例として、2001年8月16日出願のU.S.特許出願番号09/931,317およびU.S.特許番号5,088,499;5,547,656;5,228,446;5,585,112および5,846,517に見出されるものが挙げられる。
本明細書で用いる用語「微小気泡」は、ガスまたはその前駆体を充填した内部空隙を取り囲む1つまたはそれ以上の膜または壁の存在を特徴とするベシクルを一般に意味する。微小気泡の例として、たとえば、リポソーム、ミセルなどが挙げられる。
【0021】
「補助」または「共」リガンドは、その合成中に放射性医薬に組み込まれるリガンドである。それらは、試薬のキレーターまたは放射性核種結合ユニットと一緒に放射性核種の配位圏を完成するように働く。二元リガンド系を含む放射性医薬のためには、放射性核種配位圏は、1つまたはそれ以上の試薬からの1つまたはそれ以上のキレーターまたは結合ユニットおよび1つまたはそれ以上の補助または共リガンドからなる。ただし、リガンド、キレーターまたは結合ユニットの総計は2種である。たとえば、1つの試薬からの1つのキレーターまたは結合ユニットおよび2つの同じ補助または共リガンドを含む放射性医薬ならびに1つまたは2つの試薬からの2つのキレーターまたは結合ユニットおよび1つの補助または共リガンドを含む放射性医薬は、両方とも二元リガンド系からなるとみなされる。三元リガンド系を含む放射性医薬のためには、放射性核種配位圏は、1つまたはそれ以上の試薬からの1つまたはそれ以上のキレーターまたは結合ユニットおよび1つまたはそれ以上の2つの異なる種類の補助または共リガンドからなる。ただし、リガンド、キレーターまたは結合ユニットの総計は3種である。たとえば、1つの試薬からの1つのキレーターまたは結合ユニットおよび2つの異なる補助または共リガンドを含む放射性医薬は、三元リガンド系からなるとみなされる。放射性医薬の製造および該放射性医薬の製造に有用な診断キットにおいて有用な補助または共リガンドは、1つまたはそれ以上の酸素、窒素、炭素、イオウ、リン、ヒ素、セレンおよびテルル供与原子を含む。リガンドは、放射性医薬の合成における伝達リガンドであることができ、またもう1つの放射性医薬における補助または共リガンドとして働くこともできる。リガンドが伝達または補助または共リガンドと呼ばれるかどうかは、放射性核種および試薬のキレーターまたは結合ユニットの配位化学によって決定される、そのリガンドが放射性医薬の放射性核種配位圏に残るかどうかに応じて変わる。
【0022】
本明細書で用いる用語「キレーター」および「結合ユニット」は、1つまたはそれ以上の供与原子との化学結合の形成を介して金属イオンに結合する試薬上の基を意味する。キレーターの例は、U.S.特許番号6,511,648に記載されている。本発明の1つの例において、結合ユニットは、
【化5】

[式中、Aは、式(I)で示される化合物への結合である]
から選ばれる。これらの化合物の合成は、WO03/086476に開示されている。
【0023】
本発明のもう1つの例において、結合ユニットは、
【化6】

[式中、各A1は独立して、式(I)で示される化合物への結合、-NR5R6、-SH、-S(Pg)、-OH、-PR5R6および-P(O)R7R8から選ばれる;
各A2は独立して、S、OおよびPR5から選ばれる;
A3はNである;
各Eは独立して、0-3個のR9基で置換されたC1-10アルキレン、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリーレン、0-3個のR9基で置換されたC3-10シクロアルキレン、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキレン、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール-C1-10アルキレンおよび0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリルから選ばれる;
R5およびR6はそれぞれ独立して、式(I)で示される化合物への結合、0-3個のR8基で置換されたC1-10アルキル、0-3個のR8基で置換されたC6-10アリール、0-3個のR8基で置換されたC3-10シクロアルキル、0-3個のR8基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキルおよび0-3個のR8基で置換されたヘテロシクリルから選ばれる;
R7およびR8はそれぞれ独立して、式(I)で示される化合物への結合、0-3個のR9基で置換されたC1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール、0-3個のR9基で置換されたC3-10シクロアルキル、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール-C1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリルおよびヒドロキシから選ばれる;
各R9は独立して、式(I)で示される化合物への結合、C2-4アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、ジ(C1-6アルキル)アミノ、C1-6アルキルカルボニル、アミノ、シアノ、C3-6シクロアルキル、ホルミル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ニトロおよびオキソから選ばれる;および
Pgは、チオール保護基である;
ただし、単結合が存在する少なくとも1つの式(I)で示される化合物への結合が存在する]
から選ばれる。
これらの化合物ならびにその合成は、当業者に公知である。
【0024】
本明細書で用いる用語「医薬的に許容しうる塩」は、レシピエントへの投与において、本発明化合物またはその代謝産物または残部を提供(直接または間接的)することができる本発明化合物の医薬的に許容しうる塩のいずれをも意味する。典型的には、そのような化合物を哺乳動物に投与した場合に、(たとえば、経口投与された化合物をより容易に血液内へ吸収されるようにすることによって)本発明化合物のバイオアベイラビリティを増加するか、または親種と比べて生物学的コンパートメント(たとえば、脳またはリンパ系)への親化合物のデリバリーを増強する誘導体である。
本明細書で使用する用語「医薬的に許容し得る」とは、健全な医学的な判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織との接触の際の使用に適当であり、合理的な利点/危険の比率が釣り合った、化合物、物質、組成物および/または剤形を意味する。
【0025】
本発明化合物は、1つまたはそれ以上の化合物を患者に、注射、注入、またはいずれかの他の公知の方法によって投与し、そして対象の事象が存在する患者の領域をイメージングすることを含む、を含む患者におけるイメージングの方法などのイメージングの方法において使用し得る。
投与する用量および投与の様式は、当該分野における当業者にとって容易に明らかな通り、例えば年齢、体重および処置する領域、並びに使用する特定の作用剤、企図する診断学的な使用、および製剤の形態(たとえば、懸濁剤、乳剤、ミクロスフェア、リポソームなど)などの因子に依存して変わる。
【0026】
典型的に、用量はより低レベルで投与し、そして所望する診断学的な効果が達成されるまで増大する。1つの実施態様において、本発明化合物は通常、生理食塩水中で、体重70kg当たり約0.1〜約100mCiの用量で(および、用量範囲およびその中の具体的な用量の組み合わせおよびサブの組み合わせ)、または好ましくは約0.5〜約50mCiの用量で、静脈内注射によって投与し得る。イメージングは、当該分野における当業者にとって周知の技術を用いて実施する。
核医学イメージング剤としての使用において、静脈内注射によって投与される本発明の組成物は、典型的に、約0.5μmol/kg〜約1.5mmol/kg(および、用量範囲およびその中の具体的な用量の組み合わせおよびサブの組み合わせ)、または好ましくは約0.8μmol/kg〜約1.2mmol/kgの用量範囲である。
【0027】
MRIイメージング剤としての使用において、本発明の組成物は、米国特許番号5,155,215および5,087,440;Magn. Reson. Med. 1986, 3, 808;Radiology 1988, 166, 835;および、Radiology 1988, 166, 693中に記載される他のMRI剤と同様な方法で使用し得る。通常、該造影剤の減菌水溶液は、用量範囲が約0.01〜約1.0mmol/体重kg(および、用量範囲およびその中の具体的な用量の組み合わせおよびサブの組み合わせ)で、静脈内で患者に投与し得る。
本発明の超音波イメージング剤は、体重kg当たりのエコー源性ガスの約10〜約30μLの量(および、用量範囲およびその中の具体的な用量の組み合わせおよびサブの組み合わせ)で静脈内注射によって、または約3μL/kg/分の割合で注入によって、投与し得る。
【0028】
本発明化合物は、1つまたはそれ以上のキラル中心を有することができ、異なる光学活性体で存在することができる。本発明が、すべての立体化学的異性形体またはその混合物を含むことを理解すべきである。式(I)で示される化合物が1つのキラル中心を含む場合、該化合物は2つのエナンチオマー体で存在する。エナンチオマーは、たとえば、結晶化、ガス−液体または液体クロマトグラフィーによって分離することができるジアステレオ異性塩の形成またはエナンチオマー特異的試薬による1つのエナンチオマーの選択的反応などの当業者に公知の方法によって分割することができる。当然のことながら、分離技術によって所望のエナンチオマーをもう1つの化学的実体に変換する場合、所望のエナンチオマー体を形成するためのさらなるステップが必要である。別法として、光学活性試薬、基質、触媒または溶媒を用いる不斉合成によって、あるいは不斉転換により一方のエナンチオマーを他方に変換することによって特定のエナンチオマーを合成することができる。特定の立体化学の出発化合物は、市販品を入手するか、または当業界で公知の技術によって分割することができる。
【0029】
いずれかの置換基またはいずれの式において変数部分が1つ以上ある場合には、各々の定義は、あらゆる他の変数でのその定義から独立している。したがって、たとえば、基、または多数の基が0〜2個のR10で置換されている場合には、該基は必要に応じて2個以下のR10で置換され、各基における存在毎に、各R10は独立して、R10について定義するリストから選ばれる。また、たとえば基:−N(R11)基については、N上の2つのR11置換基の各々は独立して、可能なR11について定義するリストから選ばれる。組み合わせにより安定な化合物を与える場合においてだけ、置換基および/または変数の組み合わせが許容され得る。
【0030】
本発明の開示は、実施態様(これは、範囲を限定すると意図しない)に関連して記載する。それに対して、本発明の開示は、全ての代替物、改変物、および均等物(これらは、特許請求の範囲内に含まれ得る)を包含する。したがって、以下の実施例は、本発明の1つの実施を例示するものであるが、該実施例は、ある実施態様の例示の目的のためのものであり、最も有用であると考えられるものを供するものであると理解し、そしてその方法および概念的な態様の記載は容易に理解される。
【0031】
実施例で用いる略語は、以下の通りである:
PPTS(p-トルエンスルホン酸ピリジニウム);DCM (ジクロロメタン);THP(テトラヒドロピラン);nBuLi(n-ブチルリチウム);THF(テトラヒドロフラン);TsOH(p-トルエンスルホン酸);MeOH(メタノール);Hr(時間);TsCl(p-トルエンスルホニルクロリド);DMAP(N,N-ジメチルアミノピリジン);DIEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);EtOH(エタノール);Ts(p-トルエンスルホニル);AcN(アセトニトリル);TBSCl(tert-ブチルジメチルシリルクロリド);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);TBS(tert-ブチルジメチルシリル);Concd.(濃);TBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム);Bu(ブチル);NaOEt(ナトリウムエトキシド);Me(メチル);Et2O(ジエチルエーテル);およびBu4NF(フッ化テトラブチルアンモニウム)。
【実施例1】
【0032】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-[18F]フルオロノニル)ピリジンの合成
9-テトラヒドロピラニルオキシ-1-ブロモノナンの合成
【化7】

9-ブロモ-1-ノナノール(9 mmol)をメチレンクロリド(10 mL)に溶解し、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.009 mmol)およびジヒドロピラン(13.5 mmol)を加える。混合物を4時間撹拌した後、溶液を分液ロートに注ぎ、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)する。溶液を濾過し、減圧濃縮し、シリカショートプラグを用いて精製して、精製生成物を得る。
【0033】
2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-(2-テトラヒドロピラノキシノニル)-ピリジンの合成
【化8】

丸底フラスコに入れた2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-ブロモピリジン(J. Am Chem. Soc. 1977、99、7014-7019に記載の手順にしたがって調製;0.74 mmol)に、窒素下、8 mLの無水テトラヒドロフランを加え、溶液を-75℃に冷却する。次いで、上記混合物にn-ブチルリチウム溶液(2.5Mヘキサン溶液、0.81 mmol)を加え、混合物を15分間撹拌する。次いで、9-テトラヒドロピラニルオキシ-1-ブロモノナン(1.11 mmol)をシリンジで加え、混合物を-75℃にて3時間撹拌する。次いで、上記混合物に水(1mL)を加え、混合物を5分間撹拌した後、分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドで抽出する。抽出物を珪藻土(セライト(登録商標)など)のパッドで濾過し、食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濃縮する。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-テトラヒドロピラノキシノニル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0034】
2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-ヒドロキシノニル)ピリジンの合成
【化9】

2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-テトラヒドロピラノキシノニル)ピリジン(1.03 mmol)をメタノールに溶解し、p-トルエンスルホン酸(0.1 mmol)を加える。反応混合物を1時間撹拌した後、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濃縮する。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-ヒドロキシノニル)-ピリジンを精製生成物で得る。
【0035】
2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-トシルオキシノニル)ピリジンの合成
【化10】

2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-ヒドロキシノニル)ピリジン(0.49 mmol)を丸底フラスコに入れ、5 mLのメチレンクロリドを加える。次いで、N,N-ジメチルアミノピリジン(0.58 mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(0.58mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.45 mmol、0.43 mL)をフラスコに加え、反応混合物を4時間撹拌する。次いで、混合物を分液ロートに注ぎ、水を加える。層を分離し、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濃縮する。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-トシルオキシノニル)-ピリジンを精製生成物で得る。
【0036】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-トシルオキシノニル)ピリジンの合成
【化11】

2 mLエタノール中の10 wt% Pd/C(0.11 g)の予め平衡にした混合物に、2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(9-トシルオキシノニル)ピリジン(0.36 mmol)を加える。反応混合物を室温および大気圧にて水素添加し、水素の吸収が終わるまで撹拌する。次いで、溶液を珪藻土(セライト(登録商標)など)のパッドで濾過し、パッドをエタノール(5mL)で洗浄する。次いで、エタノールを減圧蒸発して、2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-トシルオキシノニル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0037】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-フルオロノニル)ピリジンの合成
【化12】

15 mL丸底フラスコにフッ化カリウム(0.1 mmol)およびKryptofix 222(0.1 mmol)を入れる。次いで、アセトニトリル(2 mL)を加え、溶液が透明に変わるまで反応混合物を撹拌する。2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-トシルオキシノニル)ピリジン(0.1 mmol)を1 mLのアセトニトリルに溶解し、次いで、上記混合物に加える。次いで、丸底フラスコに還流冷却器を取り付け、90℃にて油浴に浸す。混合物を30分間還流した後、冷却し、アセトニトリルを減圧蒸発する。得られる粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-フルオロノニル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0038】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-[18F]-フルオロノニル)ピリジンの合成
【化13】

350mgの18O水中の500 mCiの18Fを含む5 mLの反応バイアルに、10 mgのKryptofix-222、1 mgの炭酸カリウム、0.005 mLの水および0.95 mLのアセトニトリルからなる1 mLの溶液を加える。バイアルを加熱してすべての溶媒を除去し、バイアルに無水アセトニトリル(1 mL)を加える。これも蒸発により除去する。次いで、アセトニトリル中の2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(9-トシルオキシノニル)ピリジン(5 mg)を加える。バイアルを密封して、100℃にて30分間加熱する。混合物をジクロロメタンで希釈し、クロマトグラフィーカートリッジを通し、テトラヒドロフランで溶離する。溶媒を蒸発して、所望生成物を得る。
【実施例2】
【0039】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-[18F]フルオロフェニル)エチル)ピリジンの合成
2,3-ジメトキシ-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-メチル-6-ブロモピリジンの合成
【化14】

2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-ブロモピリジン(J. Am Chem. Soc. 1977、99、7014-7019に記載の手順にしたがって調製、2.02 mmol)を丸底フラスコに入れ、5 mLのDMFを加える。次いで、Tert-ブチルジメチルシリルクロリド(3.03 mmol)およびイミダゾール(5.05 mmol)を上記混合物に加え、混合物を10時間撹拌する。次いで、DMFを減圧除去し、得られる残渣にメチレンクロリドを加え、水で洗浄する。次いで、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。溶液を濃縮し、粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望化合物を精製生成物で得る。
【0040】
2,3-ジメトキシ-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)ピリジンの合成
【化15】

丸底フラスコに2,3-ジメトキシ-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-メチル-6-ブロモピリジン(0.83 mmol)を入れ、窒素下、8 mL無水テトラヒドロフランを加える。溶液を-75℃に冷却する。次いで、n-ブチルリチウム溶液(2.5Mヘキサン溶液、0.91 mmol)を上記混合物に加え、混合物を15分間撹拌する。次いで、2-(4-ニトロフェニル)エチルブロミド(1.24 mmol)をシリンジで加え、混合物を-75℃にて3時間撹拌する。次いで、水(2 mL)を上記混合物に加え、混合物を5分間撹拌した後、分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドで抽出する。溶液を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドで濾過し、食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0041】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)ピリジンの合成
【化16】

2,3-ジメトキシ-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)ピリジン(0.578 mmol)を入れた丸底フラスコに、10 mLの1%濃HCl/エタノール溶液を加える。次いで、上記溶液を30分間撹拌した後、分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドで抽出する。次いで、有機層を水、次いで、食塩水で洗浄する。次いで、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。次いで、溶媒を減圧除去し、得られた粗生成物をシリカゲルのショートプラグを用いて精製して、2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0042】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリジンの合成
【化17】

15 mL丸底フラスコにフッ化カリウム(0.15 mmol)およびKryptofix 222(0.15 mmol)を入れる。次いで、2 mLのアセトニトリルを加え、反応混合物を溶液が透明に変わるまで撹拌する。次いで、1 mLのアセトニトリルに溶解した2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)ピリジン(0.15 mmol)を上記混合物に加える。次いで、丸底フラスコに還流冷却器を取り付け、90℃にて油浴に浸す。混合物を30分間還流した後、冷却し、アセトニトリルを減圧蒸発する。得られる粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0043】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-[18F]-フルオロフェニル)エチル)ピリジンの合成
【化18】

350mgの18O水中の500 mCiの18Fを含む5 mLの反応バイアルに、10 mgのKryptofix-222、1 mgの炭酸カリウム、0.005 mLの水および0.95 mLのアセトニトリルからなる1 mLの溶液を加える。バイアルを加熱してすべての溶媒を除去し、バイアルに無水アセトニトリル(1 mL)を加える。これも蒸発により除去する。次いで、アセトニトリル中の2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)ピリジン(5 mg)を加える。バイアルを密封して、100℃にて30分間加熱する。混合物をジクロロメタンで希釈し、クロマトグラフィーカートリッジを通し、テトラヒドロフランで溶離する。溶媒を蒸発して、所望生成物を得る。
【実施例3】
【0044】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-(2-[18F]-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)ピリジンの合成
4-ブロモアセチルフェノールの合成
【化19】

フェノール(21.1 mmol)を丸底フラスコ中の20 mLの無水メチレンクロリドに溶解し、氷浴を用いて混合物を0℃に冷却する。上記溶液に塩化アルミニウム(63.8 mmol)を一度に加え、反応物を窒素下、3時間撹拌する。次いで、すべての過剰の塩化アルミニウムが消費されるまで、水を非常にゆっくりと反応物に加え、次いで、混合物を分液ロートに注ぎ、ジエチルエーテルで抽出する。次いで、エーテル層を水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。次いで、溶媒を減圧蒸発し、次いで、得られる油状物をメタノールに溶解する。次いで、ナトリウム(100mg)を上記溶液に加え、これを3時間撹拌する。上記混合物に水をゆっくりと加え、次いで、これをジエチルエーテルで抽出する。エーテル層を水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。メタノールを除去した後に得られる粗残渣をシリカゲルのショートプラグを用いる精製に付して、4-ブロモアセチルフェノールを精製生成物で得る。
【0045】
4-(2-ブロモエチル)フェノールの合成
【化20】

4-ブロモアセチルフェノール(4.6 mmol)を入れた丸底フラスコに、15 mLのメタノールを加える。次いで、10 wt% Pd/C(10 wt%、0.10g)を加え、水素を充填したバルーンを用いて混合物を水素添加する。反応物を10時間置いた後、珪藻土(セライト(登録商標))のパッドで濾過する。
次いで、濾液を減圧濃縮して、4-(2-ブロモエチル)フェノールを精製生成物で得る。
【0046】
4-(2-ブロモエチル)tert-ブチルジメチルシリルオキシベンゼンの合成
【化21】

4-(2-ブロモエチル)フェノール(3.7 mmol)を丸底フラスコ中のDMFに溶解する。次いで、イミダゾール(9.25 mmol)およびtert-ブチルジメチルシリルクロリドを上記混合物に加え、反応物を10時間撹拌する。DMFを減圧除去し、得られる粗混合物を、メチレンクロリドに溶解する。次いで、これを水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。有機溶媒を除去した後に得られる粗生成物をシリカのショートプラグを用いて精製して、4-(2-ブロモエチル)tert-ブチルジメチルシリルオキシベンゼンを精製生成物で得る。
【0047】
2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-フェニル)エチル)ピリジンの合成
【化22】

丸底フラスコに2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-ブロモピリジン(0.74 mmol)を入れ、これに無水THF(10 mL)を加える。次いで、n-ブチルリチウム(2.5 Mヘキサン溶液、0.815 mmol)をシリンジで加え、反応物を-75℃にて15分間撹拌する。次いで、4-(2-ブロモエチル)tert-ブチルジメチルシリルオキシベンゼン(1.11 mmol)を上記混合物に加え、反応物を3時間撹拌する。次いで、水(1mL)を上記混合物に加え、混合物を5分間撹拌した後、分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドを用いて抽出する。溶液を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドを通して濾過し、食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。溶媒を除去した後に得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-tert-ブチルジメチルシリルオキシフェニル)エチル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0048】
2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)ピリジンの合成
【化23】

丸底フラスコ中の2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ フェニル)エチル)ピリジン(0.405 mmol)にフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(1.216 mmol、1M THF溶液)を加える。混合物を2時間撹拌した後、すべての溶媒を減圧除去し、粗生成物をシリカのショートプラグを用いて精製して、2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0049】
2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-ピリジンの合成
【化24】

丸底フラスコに2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)ピリジン(0.131 mmol)を入れ、2 mLの無水DMFを加える。次いで、これに水酸化ナトリウム溶液(0.131 mmolのNaOH)およびフルオロエチルトシレート(0.196 mmol)を加える。次いで、反応混合物を90℃に予熱した油浴に浸し、反応物を30分間撹拌する。次いで、混合物を室温に冷却し、DMFを減圧除去する。得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。有機溶媒を濃縮した後に得られる粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0050】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-(2-フルオロエチルオキシ)フェニル)エチル)-ピリジンの合成
【化25】

丸底フラスコに入れた2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-(2-フルオロエチルオキシ)フェニル)-エチル)ピリジン(0.0705 mmol)に0.2 mLのDMFを加える。次いで、混合物にDMF中のナトリウムブチルメルカプチド(0.141 mmol)を加え、これを80℃にて1時間保持する。次いで、2、3滴の飽和NH4Cl溶液、次いで、50 μLの水を上記混合物に加える。次いで、得られる混合物をジエチルエーテルで抽出し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)する。粗物質を食塩水クロマトグラフィーを用いて精製して、2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-(2-フルオロエチルオキシ)フェニル)エチル)ピリジンを精製生成物で得る。
【0051】
2,3-ジメトキシ-4-ヒドロキシ-5-メチル-6-(2-(4-(2-[18F]-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)ピリジンの合成
【化26】

2,3-ジメトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-(2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)ピリジン(5mg、0.0131 mmol)を入れた3 mLのコニカル反応バイアルに、0.3 mLの無水DMFを加える。次いで、これに水酸化ナトリウム溶液(5N、2.9 μL、0.0145mmol)を加える。溶液を90℃にて5分間加熱した後、DMF(300 μL)中の2-[18F]フルオロエチルトシレート(J. Labelled Compds. Radiopharm. 2001、44、627-642;300-600 MBqに記載の手順にしたがって調製)の溶液を加え、得られる混合物を90℃にて5分間撹拌する。次いで、DMF(0.0131 mmol)中のナトリウムブチルメルカプチドの溶液を上記混合物に加え、これを10分間撹拌する。次いで、溶液をHPLCカラム、次いで、固相カラムにロードし、生成物をメタノールで溶離する。
【実施例4】
【0052】
2-(2-(4-[18F]-フルオロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
2,3-ジメチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンの合成
【化27】

8 mLのDMF中の2,3-ジメチル-4-ヒドロキシキノリン(J. Chem. Soc. 1939、563-565に記載の手順にしたがって調製;5.77 mmol)の溶液に、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(8.66 mmol)およびイミダゾール(14.4 mmol)を加える。溶液を一夜撹拌した後、すべてのDMFを減圧除去し、得られる残渣をジエチルエーテルに溶解し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。シリカゲルのショートプラグを用いて精製し、純粋な2,3-ジメチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンを得る。
【0053】
2-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンの合成
【化28】

2,3-ジメチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(1.741 mmol)を無水エタノール(5 mL)に溶解し、ナトリウムエトキシド(2.089 mmol)を加える。上記混合物を10分間撹拌した後、4-ニトロベンジルブロミド(2.611 mmol)を加える。反応混合物を5時間撹拌した後、水を反応混合物にゆっくりと加える。次いで、フラスコの内容物を分液ロートに注ぎ、溶液をメチレンクロリドで抽出する。次いで、有機層を水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して、純粋な2-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンを得る。
【0054】
2-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化29】

2-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(1.184 mmol)を入れた丸底フラスコに、10mLの濃HClの1%エタノール溶液を加える。次いで、上記溶液を30分間撹拌した後、分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドで抽出する。次いで、有機層を水、次いで、食塩水で洗浄する。次いで、それを乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。次いで、溶媒を減圧除去し、得られた粗生成物をシリカゲルのショートプラグを用いて精製して、2-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンを精製生成物で得る。
【0055】
2-(2-(4-フルオロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化30】

15 mL丸底フラスコにフッ化カリウム(0.324 mmol)およびKryptofix 222(0.324 mmol)を入れる。次いで、3 mLのアセトニトリルを加え、溶液が透明に変わるまで反応混合物を撹拌する。次いで、2 mLのアセトニトリルに溶解した2-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリン(0.324 mmol)を上記混合物に加える。次いで、丸底フラスコに還流冷却器を取り付け、90℃にて油浴に浸す。混合物を30分間還流した後、冷却し、アセトニトリルを減圧蒸発する。得られる粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2-(2-(4-フルオロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンを精製生成物で得る。
【0056】
2-(2-(4-[18F]-フルオロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化31】

350mgの18O水中の500 mCiの18Fを含む5 mLの反応バイアルに、10 mgのKryptofix-222、1 mgの炭酸カリウム、0.005 mLの水および0.95 mLのアセトニトリルからなる1 mLの溶液を加える。バイアルを加熱してすべての溶媒を除去し、バイアルに無水アセトニトリル(1 mL)を加える。これも蒸発により除去する。次いで、アセトニトリル中の2-(2-(4-ニトロフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリン(5 mg)を加える。バイアルを密封して、100℃にて30分間加熱する。混合物をジクロロメタンで希釈し、クロマトグラフィーカートリッジを通し、テトラヒドロフランで溶離する。溶媒を蒸発して、所望生成物を得る。
【実施例5】
【0057】
2-(2-(4-(2-[18F]-フルオロエトキシ)フェニル)エチル-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
2-(2-(4-メトキシフェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化32】

実施例4に記載のとおり合成した2,3-ジメチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(1.741 mmol)に、無水エタノール(5 mL)を加え、次いで、ナトリウムエトキシド(2.089 mmol)を加える。上記混合物を10分間撹拌した後、4-メトキシベンジルブロミド(2.611 mmol)を加える。反応混合物を5時間撹拌した後、反応混合物に水をゆっくりと加える。次いで、フラスコの内容物を分液ロートに注ぎ、溶液をメチレンクロリドで抽出する。次いで、有機層を水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)する。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル)を用いて精製して、純粋な2-(2-(4-メトキシフェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンを得る。
【0058】
2-(2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンの合成
【化33】

2-(2-(4-メトキシフェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(0.613 mmol)を5 mLのメチレンクロリドに溶解し、溶液を-78℃に冷却する。次いで、三臭化ホウ素を上記混合物にシリンジ(1.65 mmol)で加え、混合物を1時間撹拌する。この後-25℃に温め、さらに1時間撹拌する。混合物に飽和炭酸水素ナトリウムを加えて三臭化ホウ素の反応を停止する。次いで、混合物を分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドで抽出する、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィーにより粗混合物を精製して、所望生成物を得る。
【0059】
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンの合成
【化34】

5 mL丸底フラスコに2-(2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(0.254 mmol)を入れ、2 mLの無水DMFを加える。次いで、これに水酸化ナトリウム溶液(0.254 mmol)およびフルオロエチルトシレート(0.254 mmol)を加える。次いで、反応混合物を80℃に予熱した油浴に浸し、反応物を1時間撹拌する。次いで、混合物を室温に冷却し、DMFを減圧除去する。得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、水および食塩水で洗浄する、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濃縮する。有機溶媒を濃縮した後に得られる粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンを精製生成物で得る。
【0060】
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化35】

2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(0.113 mmol)を入れた丸底フラスコに、THFのエタノール溶液(1M、0.223 mmol)中のフッ化テトラブチルアンモニウム溶液を加える。次いで、上記溶液を30分間撹拌した後、分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドで抽出する。次いで、有機層を水、次いで、食塩水で洗浄する。次いで、それを乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。次いで、溶媒を減圧除去し、得られた粗生成物をシリカゲルのショートプラグを用いて精製して、2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンを精製生成物で得る。
【0061】
2-(2-(4-(2-[18F]-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化36】

2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(5mg、0.0127 mmol)を入れた3 mLのコニカル反応バイアルに、0.3 mLの無水DMFを加える。次いで、これに水酸化ナトリウム溶液(5N、2.9 μL、0.0145mmol)を加える。溶液を90℃にて5分間加熱した後、DMF(300 μL)中の2-[18F]フルオロエチルトシレート(J. Labelled Compds. Radiopharm. 2001、44、627-642;300-600 MBqに記載の手順にしたがって調製)の溶液を加え、得られる混合物を90℃にて5分間撹拌する。次いで、THF中のフッ化テトラブチルアンモニウム(0.0254 mmol)の溶液を上記混合物に加え、これを90℃にて10分間撹拌する。次いで、溶液をHPLCカラム、次いで、固相カラムにロードし、生成物をメタノールで溶離する。
【実施例6】
【0062】
2-(2-(4-(5-[18F]-フルオロペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
5-(4-ブロモメチルフェニル)-5-オキソメチルペンタノエートの合成
【化37】

7 mL無水メチレンクロリドに溶解したベンジルブロミド(5.883 mmol)をメチレンクロリド中の5-クロロ-5-オキソメチルペンタノエート(5.883 mmol)および塩化アルミニウム(17.65 mmol)の溶液に0℃にて加える。浴を室温に温めながら、反応混合物を3時間撹拌する。次いで、反応混合物にゆっくりと水を加えて過剰の塩化アルミニウムを分解する。次いで、反応混合物を分液ロートに注ぎ、メチレンクロリドで抽出する。次いで、有機層を水、次いで、食塩水で洗浄し、次いで乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。シリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して、所望生成物を得る。
【0063】
5-(4-ブロモメチルフェニル)メチルペンタノエートの合成
【化38】

5-(4-(2-ブロモエチル)フェニル)-5-オキソメチルペンタノエート(1.677 mmol)を7 mLのメタノールに溶解し、10 wt% Pd/C(基質に対する10 wt%)を加える。水素ガスを充填したバルーをフラスコに適用し、反応混合物を12時間撹拌する。フラスコを換気し、混合物を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドで濾過して、5-(4-ブロモメチルフェニル)メチルペンタノエートを精製化合物で得る
【0064】
2-(2-(4-(5-メトキシカルボニルペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンの合成
【化39】

2,3-ジメチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(1.173 mmol;実施例4に記載のとおり合成)に、無水エタノール(5 mL)を加え、次いで、ナトリウムエトキシド(1.408 mmol)を加える。上記混合物を10分間撹拌した後、5-(4-ブロモメチルフェニル)メチルペンタノエート(1.76 mmol)を加える。反応混合物を5時間撹拌した後、反応混合物に水をゆっくりと加える。次いで、フラスコの内容物を分液ロートに注ぎ、溶液をメチレンクロリドで抽出する。次いで、有機層を水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。シリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して、精製生成物を得る。
【0065】
2-(2-(4-(5-ヒドロキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンの合成
【化40】

25 mLの丸底フラスコに2-(2-(4-(5-メトキシカルボニルペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-メトキシオキシキノリン(0.61 mmol)を入れ、無水ジエチルエーテル(5 mL)を加える。次いで、上記溶液に水素化リチウムアルミニウム(1.22 mmol)を加え、混合物を3時間撹拌する。次いで、上記混合物に水(LiAlH4のmgごとに1 mL)、15% NaOH(LiAlH4のmgごとに1 mL)、次いで、水(LiAlH4のmgごとに3 mL)を加えて、水素化リチウムアルミニウムを分解し、これを20分間撹拌する。形成した粒状沈澱を濾過し、濾液を濃縮して、2-(2-(4-(5-ヒドロキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ 2H-キノリンを得る。次いで、上記反応から得られた粗生成物をメチレンクロリドに溶解し、二酸化マンガン(6.1 mmol)を加える。反応混合物を4時間撹拌した後、濾過して、2-(2-(4-(5-ヒドロキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンを精製生成物で得る。
【0066】
2-(2-(4-(5-トシルオキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンの合成
【化41】

2-(2-(4-(5-ヒドロキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(0.49 mmol)を丸底フラスコにいれ、5 mLのメチレンクロリドを加える。次いで、ジメチルアミノピリジン(0.58 mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(0.58mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.45 mmol、0.43 mL)をフラスコに加え、反応混合物を4時間撹拌する。次いで、混合物を分液ロートに注ぎ、水を加える。層を分離し、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過する。有機溶媒を減圧除去して得られた粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2-(2-(4-(5-トシルオキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリンを精製生成物で得る。
【0067】
2-(2-(4-(5-トシルオキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化42】

2-(2-(4-(5-トシルオキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシキノリン(0.405 mmol)を15 mLの丸底フラスコ中で溶解し、フラスコを10℃に冷却する。次いで、温度を10℃に維持しながら、上記溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(1.216 mmol、1M THF溶液)を滴下する。混合物を2時間撹拌した後、すべての溶媒を減圧除去し、粗物質をシリカのショートプラグを用いて精製して、2-(2-(4-(5-トシルオキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンを精製生成物で得る。
【0068】
2-(2-(4-(5-フルオロペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化43】

2 mLのアセトニトリル(0.0993 mmolごと)中のフッ化カリウムおよびKryptofix 222の溶液に、1mLのアセトニトリル中の2-(2-(4-(5-トシルオキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリン(0.0993 mmol)の溶液を加える。次いで、フラスコに還流冷却器を取り付け、溶液を90℃に予熱した油浴に浸し、30分間還流する。次いで、溶液を室温に冷却し、内容物を回転蒸発器で濃縮する。得られた粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して、所望化合物を得る
【0069】
2-(2-(4-(5-[18F]-フルオロペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリンの合成
【化44】

350mgの18O水中の500 mCiの18Fを含む5 mLの反応バイアルに、10 mgのKryptofix-222、1 mgの炭酸カリウム、0.005 mLの水および0.95 mLのアセトニトリルからなる1 mLの溶液を加える。バイアルを加熱してすべての溶媒を除去し、バイアルに無水アセトニトリル(1 mL)を加える。これも蒸発により除去する。次いで、アセトニトリル中の2-(2-(4-(5-トシルオキシペンチル)フェニル)エチル)-3-メチル-4-ヒドロキシキノリン(5 mg)を加える。バイアルを密封して、100℃にて30分間加熱する。混合物をジクロロメタンで希釈し、クロマトグラフィーカートリッジを通し、テトラヒドロフランで溶離する。溶媒を蒸発して、所望生成物を得る。
【0070】
本発明が以下の実施例に限定されないこと、およびその本質的特性から逸脱することなく他の特定の形態において具体化されうることが、当業者には明らかである。したがって、実施例は、あらゆる点で例証であり制限ではなく、以下の実施例に対するというよりもむしろ添付の請求の範囲に対する参照であり、したがって請求の範囲の等価の意味および範囲に含まれるすべての変更が本発明に包含されることを意図するものであるとみなされることが望まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、R1およびR2は、必要に応じてイメージング部分で置換されたアルコキシである;または
R1およびR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じてアルコキシまたはイメージング部分で置換された0または1個の窒素原子を含む6員芳香族環を形成する;
ここで、アルコキシはさらに、必要に応じてイメージング部分で置換される; および
R3およびR4は独立して、アルケニル、アルキル、アルキニル、アリールオキシアルキルまたはアリールアルキルである;
ここで、アルケニル、アルキル、アルキニルならびにアリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアルキル部分はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換され、アリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアリール部分は、必要に応じてアルコキシ、第2アルキル基またはイメージング部分で置換される;
ここで、アルコキシおよび第2アルキル基はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換される;
ただし、少なくとも1つのイメージング部分が存在する]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩。
【請求項2】
イメージング部分が、核医学イメージング用の放射性同位体、MRIイメージングで用いる常磁性種、超音波イメージングで用いるエコー源性物質、蛍光イメージングで用いる蛍光性物質および光学的イメージングで用いる光活性物質から選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
イメージング部分が、MRIイメージングで用いる常磁性種であり、常磁性種が、Gd3+、Fe3+、In3+およびMn2+から選ばれる請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
イメージング部分が、超音波イメージングで用いるエコー源性物質であり、エコー源性物が、界面活性剤ミクロスフェアに封入されたフッ化炭素である請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
イメージング部分が、核医学イメージング用の放射性同位体であり、放射性同位体が、11C、13N、18F、123I、125I、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Gaおよび68Gaから選ばれる請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
放射性同位体が、18Fである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
放射性同位体が、99mTcである請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
式(I)で示される化合物および式:
【化2】

[式中、各A1は独立して、式(I)で示される化合物への結合、-NR5R6、-SH、-S(Pg)、-OH、-PR5R6および-P(O)R7R8から選ばれる;
各A2は独立して、S、OおよびPR5から選ばれる;
A3はNである;
各Eは独立して、0-3個のR9基で置換されたC1-10アルキレン、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリーレン、0-3個のR9基で置換されたC3-10シクロアルキレン、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキレン、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール-C1-10アルキレンおよび0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリルから選ばれる;
R5およびR6はそれぞれ独立して、式(I)で示される化合物への結合、0-3個のR8基で置換されたC1-10アルキル、0-3個のR8基で置換されたC6-10アリール、0-3個のR8基で置換されたC3-10シクロアルキル、0-3個のR8基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキルおよび0-3個のR8基で置換されたヘテロシクリルから選ばれる;
R7およびR8はそれぞれ独立して、式(I)で示される化合物への結合、0-3個のR9基で置換されたC1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール、0-3個のR9基で置換されたC3-10シクロアルキル、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリル-C1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたC6-10アリール-C1-10アルキル、0-3個のR9基で置換されたヘテロシクリルおよびヒドロキシから選ばれる;
各R9は独立して、式(I)で示される化合物への結合、C2-4アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、ジ(C1-6アルキル)アミノ、C1-6アルキルカルボニル、アミノ、シアノ、C3-6シクロアルキル、ホルミル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ニトロおよびオキソから選ばれる;および
Pgは、チオール保護基である;
ただし、単結合が存在する少なくとも1つの式(I)で示される化合物への結合が存在する]
から選ばれる金属結合ユニットを含むイメージング剤。
【請求項9】
式(I)で示される化合物および式:
【化3】

[式中、Aは、式(I)で示される化合物への結合である]
から選ばれる金属結合ユニットを含む錯体。
【請求項10】
イメージング部分が、99mTcである請求項9に記載の錯体。
【請求項11】
式(I)で示される化合物および医薬的に許容しうる担体を含む組成物。
【請求項12】
(a)患者に式(I):
【化4】

[式中、R1およびR2は、必要に応じてイメージング部分で置換されたアルコキシである;または
R1およびR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じてアルコキシまたはイメージング部分で置換された0または1個の窒素原子を含む6員芳香族環を形成する;
ここで、アルコキシはさらに、必要に応じてイメージング部分で置換される; および
R3およびR4は独立して、アルケニル、アルキル、アルキニル、アリールオキシアルキルまたはアリールアルキルである;
ここで、アルケニル、アルキル、アルキニルならびにアリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアルキル部分はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換され、アリールオキシアルキルおよびアリールアルキルのアリール部分は、必要に応じてアルコキシ、第2アルキル基またはイメージング部分で置換される;
ここで、アルコキシおよび第2アルキル基はそれぞれ、必要に応じてイメージング部分で置換される;
ただし、少なくとも1つのイメージング部分が存在する]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を投与すること;および
(b)診断的イメージング技術によって患者における化合物の集中する部位のイメージを獲得すること;
を含む、患者における心筋灌流のイメージング方法。
【請求項13】
イメージング部分が、核医学イメージング用の放射性同位体、MRIイメージングで用いる常磁性種、超音波イメージングで用いるエコー源性物質、蛍光イメージングで用いる蛍光性物質および光学的イメージングで用いる光活性物質である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
イメージング部分が、MRIイメージングで用いる常磁性種であり、常磁性種が、Gd3+、Fe3+、In3+およびMn2+から選ばれる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
イメージング部分が、超音波イメージングで用いるエコー源性物質であり、エコー源性物が、界面活性剤ミクロスフェアに封入されたフッ化炭素である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
イメージング部分が、核医学イメージング用の放射性同位体であり、放射性同位体が、11C、13N、18F、123I、125I、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Gaおよび68Gaから選ばれる請求項13に記載の方法。
【請求項17】
放射性同位体が、18Fである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
放射性同位体は、99mTcである請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2008−517910(P2008−517910A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537914(P2007−537914)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/036275
【国際公開番号】WO2006/044280
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(503021180)ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマ・カンパニー (10)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB PHARMA COMPANY
【Fターム(参考)】