説明

心臓病の処置

本発明は、心臓の機能障害の処置に関する。特に、グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬化合物であると考えられる特定の化合物は、心臓のエネルギーバランスを維持しながら、陽性変力作用を発揮するので、例えばドブタミン、ノルエピネフリン及びグルカゴンのような既知の変力剤より優れている可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心機能障害の処置のための変力剤としての化合物、主としてグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬化合物(dual agonist compounds)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
陽性変力剤(positive inotropic agent)は、血行動態パラメータを改善し、それによって、症状を軽減し、そして心筋梗塞、心不全または心原性ショックを患っている患者の末梢臓器を保護するために使用される。心臓は、収縮および弛緩作業を支えるための大量の化学エネルギーを必要としている。そのため、心臓の仕事量を増強することによって、変力剤もまた、心臓のエネルギー需要を増加させる。しかしながら、機能不全または病的な心臓は、通例エネルギー不足なので(Ingwall, JS and Weiss, RG. Circ Res. 2004; 95: 135-145)、変力剤の使用はそのためエネルギー枯渇、そして究極的には死亡率の上昇をもたらしかねない(Hamad, E et al. American Journal of Cardiovascular Drugs. 2007; 7: 235-248; White, CM. J Clin Pharmacol. 1999; 39: 442-447)。
【0003】
プレプログルカゴンは、グルカゴン(Glu)、グルカゴン様ペプチド‐1(GLP‐1)、グルカゴン様ペプチド‐2(GLP‐2)、およびオキシントモジュリン(OXM)を含めた多くの構造的に関連したプログルカゴン由来ペプチドを形成するように組織内で別々に処理された158個のアミノ酸の前駆体ポリペプチドである。これらの分子は、グルコースの恒常性、インスリン分泌、胃内容排出および腸の成長、並びに摂食の調整を含めたさまざまな生理機能にかかわっている。
【0004】
GLP‐1の主要な生物学的に活性な断片は、30個のアミノ酸であって、プレプログルカゴンの第98〜127アミノ酸に相当するC末端がアミド化されたペプチドとして産生される。食物に対応して腸の神経内分泌細胞によって通常分泌されるホルモンであるGLP‐1は、腸上皮内分泌性L細胞におけるプログルカゴンの特異的処理によって産生される。それは、長年2型糖尿病を患っている対象であってもベータ細胞によって放出されるインスリンを増加させる。GLP‐1は内因性インスリン分泌を刺激し、そして血糖値が下がったときにはインスリン分泌がなくなるので、GLP‐1処置にはインスリン療法を上回る利点がある。GLP‐1は、インスリン放出と合成を増強し、グルカゴン放出を抑制し、かつ、胃排出を減少させることによって正常血糖を促進する。GLP‐1(Hoist, JJ. Physiol Rev. 2007; 87: 1409-1439)は、正常および虚血後ラット心臓(Zhao, T et al. J Pharmacol Exp Ther. 2006; 317: 1 106-11 13)、単離マウス心臓(Ban, K et al. Circulation. 2008; 1 17: 2340-2350)、ならびに拡張型心筋症を患っている覚醒イヌ(Nikolaidis, LA et al. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2005; 289: H2401 -H2408; Nikolaidis, LA et al. Circulation. 2004; 1 10: 955-961)においてインスリン非依存様式で心筋のグルコース摂取を増強することが確認された。
【0005】
グルカゴンは、プレプログルカゴンの第53〜81アミノ酸に相当する、配列His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(配列番号1)を持つ29個のアミノ酸のペプチドである。グルカゴンは、肝細胞上のグルカゴン受容体に結合し、肝臓がグリコーゲン分解によって(グリコーゲンの形で保存された)グルコースの放出を引き起こすことによって血中のグルコースレベルを維持するのに役立っている。これらの蓄えが使い果たされたとき、グルカゴンは、糖新生によって追加のグルコースを合成するように肝臓を刺激する。このグルコースが血流内に放出され、低血糖の発生を予防する。
【0006】
グルカゴンは心臓に対して十分に実証された変力効果を有する。(Buse, MG et al. J Biol Chem. 1973; 248: 697-706; Farah, A and Tuttle, R. J Pharmacol Exp Ther. 1960; 129: 49-55; Levey, GS and Epstein, SE. Circ Res. 1969; 24: 151-156; Mayer, SE et al. Circ Res. 1970; 26: 225-233)
【0007】
オキシントモジュリン(OXM)は、配列Lys‐Arg‐Asn‐Arg‐Asn‐Asn‐Ile‐Ala(配列番号2)を持つ「介在ペプチド1」もしくはIP‐1と呼ばれるオクタペプチド・カルボキシ末端伸長(プレプログルカゴンの第82〜89アミノ酸)を伴ったグルカゴンの完全な29個のアミノ酸配列を含んでいる37個のアミノ酸のペプチドである;よって、ヒト・オキシントモジュリンの完全な配列は、His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐Lys‐Arg‐Asn‐Arg‐Asn‐Asn‐Ile‐Ala(配列番号3)である。OXMは、食物摂取に対応し、かつ、食事のカロリー量に比例して血液中に放出される。OXMが、ヒトの食欲を抑制し、そして食物摂取を阻害することが明らかにされた(Cohen et al, Journal of Endocrinology and Metabolism, 88, 4696-4701 , 2003; WO 2003/022304)。オキシントモジュリンで処理したラットがペアフィード・ラットに比べてわずかな体重増加しか示さなかったので(Bloom, Endocrinology 2004, 145, 2687)、(GLP‐1のそれと同様である)オキシントモジュリンの食欲抑制作用に加えて、OXMはさらに別の機構によって体重に作用しているはずである。
【0008】
OXMは、グルカゴン受容体とGLP‐1受容体の両方を、GLP‐1受容体よりもグルカゴン受容体を二倍強力に活性化するが、それは、天然のグルカゴンおよびGLP‐1がそれらのそれぞれの受容体に対するほど強力でない。GLP‐1受容体よりもグルカゴン受容体に関して強い優先傾向があるとはいえ、グルカゴンもまた両方の受容体を活性化することができる。その一方、GLP‐1はグルカゴン受容体を活性化することができない。オキシントモジュリンの作用機序は十分に理解されていない。特に、ホルモンの効果が伝達されるのが、グルカゴン受容体やGLP‐1受容体を通じてだけなのか、1もしくは2以上のいまだ同定されていない受容体を通じてだけなのか知られていない。
【0009】
オキシントモジュリンのウナギ類似体がウナギ心臓に対する変力効果を有していると思われ(Uesaka et al, J Experimental Biol. 2001 ; 204, 3019-3026)、さらに変力効果はまたマウスにおけるオキシントモジュリンについても実証された。(Sowden et al. Am J Phys Regul Integr Comp Physiol. 2007; 292: R962- R970)
【発明の概要】
【0010】
本発明者らは、特定の化合物が変力剤、より具体的には陽性変力剤として作用することができると同時に、既知の変力剤、例えばドブタミン、ノルエピネフリン及びグルカゴンに比べて心臓のエネルギー状態に対してかなり影響が少ないことを確認した。その結果、これらの化合物は、既知の変力剤に比べて治療薬としての使用により好適である。
【0011】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、これらの化合物の有用な特性は、グルカゴン受容体とGLP‐1受容体の両方を活性化するそれらの能力に起因する可能性がある。よって、本発明の方法で使用できる化合物は、グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬(dual agonist)、または単に「二重作動薬」と呼ばれる。
【0012】
よって、本発明は、心臓病または心臓機能不全の処置における陽性変力剤としてのグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬の使用を提供する。
【0013】
本発明は、心臓病または心臓機能不全の処置における陽性変力剤としての使用のためのグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬をさらに提供する。
【0014】
本発明は、心臓病または心臓機能不全の治療薬の調製における使用のためのグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬であって、陽性変力剤としての使用のために投与され得る、前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬をさらに提供する。
【0015】
本発明は、心臓病または心臓機能不全の治療薬の調製におけるグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬の使用であって、ここで前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬は、陽性変力剤としての使用のために投与され得る、前記使用をさらに提供する。
【0016】
本発明は、付随する心拍数の増加を引き起こすことなく、心臓収縮を改善することができる医薬の調製におけるグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬の使用をより一層さらに提供する。
【0017】
本発明は、対象の心臓病または心臓機能不全の治療法であって、陽性変力剤としてグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬をかかる対象に投与することを含んでなる方法をさらに提供する。
【0018】
グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬は、当該技術分野で周知である。
【0019】
オキシントモジュリンは天然に存在する二重作動薬の一例である。オキシントモジュリンの類似体は、WO2008/071972やWO2007/100535に記載されている。
【0020】
その他の二重作動薬はWO2008/101017に記載されている。それらの化合物の大部分が、29アミノ酸前後の長さであり、OXMよりもグルカゴンとながさが近いので、そのためグルカゴン類似体と見なされ得る。しかしながら、その他のものはもっと長い。文書に記載されている二重作動薬のいずれも、本明細書中に記載した使用に好適であり得る。更なる二重作動薬がWO2009/155257およびWO2009/155258に記載されており、そしてそれらも本発明の方法における使用に好適であり得る。
【0021】
より一層更なる二重作動薬が、WO2008/152403、PCT/GB2008/004132、PCT/GB2008/004121、PCT/GB2008/004157、PCT/GB2008/004130、および欧州特許出願第09251780.4号に記載されており、そしてそれらも本発明の方法における使用に好適であり得る。
【0022】
二重作動薬は、以下の式:
1‐X‐Z1‐Z2‐R2
{式中、
1が、水素、C1‐4アルキル(例えば、メチル)、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
Xが、以下の式I:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐X10‐Ser‐X12‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐X17‐X18‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
(式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ(Des−amino))His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、α,α‐ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、N‐メチルHis、α‐メチルHisまたはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、AibまたはD‐Serであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X10が、TyrまたはTrpであり;
X12が、Lys、Arg、His、Ala、Leu、Dpu、Dpr、Orn、シトルリンまたはオルニチンであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Thr、Lys、Arg、His、Glu、Asp、Ala、Gly、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X17が、Arg、Lys、His、Glu、Gln、Ala、Leu、Dpu、Dpr、Orn、Cys、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X18が、Arg、Lys、His、Tyr、Ala、Ser、Leu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X20が、Gln、Lys、Arg、His、Glu、Asp、Ala、Cys、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Asp、Glu、Gln、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、Val、IleまたはLeuであり;
X24が、Gln、Lys、Arg、Glu、Asp、Ser、Ala、Leu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、Lys、Arg、Glu、Leu、Nle、Cysまたは不存在であり;
X28が、Asn、Lys、Arg、Glu、Asp、Ser、Ala、Leu、Cys、シトルリン、Orn、または不存在であり;
X29が、Thr、Lys、Arg、Glu、Ser、Ala、Gly、Cys、Orn、ホモシステイン、アセチルフェニルアラニンまたは不存在である)を有し;
2が、NH2またはOHであり;
1が、不存在であるかまたは以下の配列:
GlyProSerSerGlyAlaProProProSer;
GlyProSerSerGlyAlaProProProSerCys;
LysArgAsnArgAsnAsnIleAla;または、
LysArgAsnArg;
を有し;
2が、不存在であるかまたはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列であり;
式中、Z1が存在している場合には、X27、X28、およびX29も存在し;そして
1が不存在である場合には、当該化合物には、位置X1、X2、X3、X10、X12、X15、X16、X17、X18、X20、X21、X23、X24、X27、X28、およびX29のうちの1もしくは2以上にてヒト・グルカゴンに対する置換または欠失がある}を有する化合物、または医薬的に許容し得るその塩または誘導体であり得、ここで、前記化合物は、ヒト・グルカゴンより高いGLP‐1受容体選択性を有する。
【0023】
存在する場合には、独立して、Z2は、1もしくは2以上のアミノ酸残基であるかまたはそれを含んでなることができる。例えばZ2は、γ‐Glu(イソGluとも表される)、Glu、β‐Alaもしくはε‐Lys残基、または4‐アミノブタノイル、8‐アミノオクタノイルまたは8‐アミノ‐3,6‐ジオキサオクタノイル基であり得る。
【0024】
化合物は、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、水素、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式II
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Arg‐Ala‐Arg‐Ala‐Asp‐Asp‐Phe‐Val‐Ala‐Trp‐Leu‐Lys‐Glu‐Ala(化合物4)
を有するペプチドであるか、または式IIと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Lys、Asp、Gluであり;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Lys、Arg、Gluから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
24位の残基が:Gln、Leu、Glu、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Arg、Glu、Leuから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Ser、Arg、Lys、Ala、Leu、Glu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大4か所にて式IIと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成る配列である}を有する化合物、または医薬的に許容し得るその塩であり得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、Xは、式IIと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Glu、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Arg、Glu、Leuから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Arg、Lys、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIと異なっていてもよい。
【0026】
他の実施形態では、Xは、残基27‐Lysおよび28‐Serを含んでなる。そのような場合、Xは、式IIと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Glu、Lys、Argから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの1または2か所にて式IIと異なっていてもよい。
【0027】
先に記載した実施形態のいずれでは、16および20位の残基は塩橋を形成することが可能である。好適な残基対の例には:
16‐Asp、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;および
16‐Arg、20‐Glu;
が挙げられる。
【0028】
先の定義との整合性を維持しながら、Xが、以下の残基のセット:
16‐Arg;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp、24‐Ala;
16‐Arg、20‐Asp、27‐Lys、28‐Ser;
16‐Arg、20‐Asp、29‐Ala;
16‐Arg、27‐Lys、28‐Ser;
16‐Arg、27‐Lys、28‐Ser、29‐Ala;
24‐Ala、27‐Lys、28‐Ser;
24‐Ala、27‐Lys、28‐Ser、29‐Ala;
24‐Ala;
27‐Lys;
28‐Ser;
20‐Glu、28‐Ser、29‐Thr;
24‐Glu、28‐Ser、29‐Thr;
27‐Glu、28‐Arg;
2‐D‐Ser、28‐Ser、29‐Thr;または、
20‐His、28‐Ser、29‐Thr;
のうちの1または2以上を含んでなることが望まれることもある。
【0029】
例えば、Xは、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKSA(化合物5);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKEA(化合物6);
HSQGTFTSDYSKYLDRARAEDFVAWLKST(化合物7);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVEWLKST(化合物8);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLERA(化合物9);
H‐DSer‐QGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKST(化合物10);
HSQGTFTSDYSKYLDRARAHDFVAWLKST(化合物11);または
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKST(化合物12);
を有していてもよい。
【0030】
式IIによって規定されたペプチドは、ペプチド配列X内に1もしくは2以上の分子内架橋を持っていてもよい。好適にはそのような架橋のそれぞれは、Xの線形配列内で通常3アミノ酸だけ離れているXの2つのアミノ酸残基の側鎖間(すなわち、アミノ酸Aとアミノ酸A+4の間)で形成され得る。
【0031】
より具体的には、架橋は、残基対12と16、16と20、17と21、20と24、または24と28の側鎖間で形成され得る。2つの側鎖は、イオン性相互作用を通してまたは共有結合で互いに連結されることができる。よってこれらの残基対は、イオン性相互作用によって塩橋を形成するために反対電荷に帯電した側鎖を備えていてもよい。例えば、前記残基の一方がGluまたはAspであり得、それと同時にもう片方がLysまたはArgであり得る。LysとGluおよびLysとAspの対合はまた、反応して、ラクタム環を形成することも可能である。同様に、TyrとGluまたはTyrとAspは、ラクトン環を形成することができる。
【0032】
特に、16位と20位の残基は、分子内架橋を形成することが可能である。これらの位置における好適な残基対の例には:
16‐Asp、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;および
16‐Arg、20‐Glu;
が挙げられる。
【0033】
化合物は、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式III:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Leu‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Ile‐Glu‐Trp‐Leu‐Glu‐Ser‐Ala(化合物13)
を有するペプチドであるか、または式IIIと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Gly、Aspから選択され;
17位の残基が:Lys、Leuから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
23位の残基が:Val、Leuから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Leuから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Glu、Ala、Leu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列である}を有することができる化合物、または医薬的に許容し得るその塩であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、式IIIと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
17位の残基が:Lys、Leuから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
23位の残基が:Val、Leuから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Leuから選択され;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なっている。
【0035】
いくつかの実施形態では、式IIIと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
17位の残基が:Lys、Leuから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;および
23位の残基が:Val、Leuから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なっている。
【0036】
いくつかの実施形態では、式IIIと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
23位の残基が:Val、Leuから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Leuから選択され;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なっている。
【0037】
先の定義との整合性を維持しながら、Xが、以下の残基のセット:
20‐Lys、24‐Glu;
20‐Lys、24‐Glu、29‐Ala;
20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu;
27‐Glu、28‐Ser、29‐Ala;
29‐Ala;
20‐Gln;
23‐Val;
24‐Gln;
29‐Thr;
27‐Met、28‐Asn、29‐Thr;
20‐Gln、23‐Val、24‐Gln;
20‐Glu、24‐Lys;または
28‐Arg;
の1もしくは2以上を含んでなることが望まれることもある。
【0038】
例えば、Xは、以下の配列:
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAQDFIEWLESA(化合物14);
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFVEWLESA(化合物15);
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIQWLESA(化合物16);
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIEWLEST(化合物17);
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIEWLMNT(化合物18);
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAQDFVQWLESA(化合物19);
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAEDFIKWLESA(化合物20);または
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIEWLERA(化合物21);
を有していてもよい。
【0039】
式IIIによって規定されたペプチドは、ペプチド配列X内に1もしくは2以上の分子内架橋を持っていてもよい。好適にはそのような架橋のそれぞれは、Xの線形配列内で通常3アミノ酸だけ離れているXの2つのアミノ酸残基の側鎖間(すなわち、アミノ酸Aとアミノ酸A+4の間)で形成され得る。
【0040】
より具体的には、架橋は、残基対、16と20、17と21、20と24、または24と28の側鎖間で形成され得る。2つの側鎖は、イオン性相互作用を通してまたは共有結合で互いに連結されることができる。よってこれらの残基対は、イオン性相互作用によって塩橋を形成するために反対電荷に帯電した側鎖を備えていてもよい。例えば、前記残基の一方がGluまたはAspであり得、それと同時にもう片方がLysまたはArgであり得る。LysとGluおよびLysとAspの対合はまた、反応して、ラクタム環を形成することも可能である。同様に、TyrとGluまたはTyrとAspは、ラクトン環を形成することができる。
【0041】
特に、20位と24位の残基は、分子内架橋を形成することが可能である。これらの位置における好適な残基対の例には:
20‐Asp、24‐Lys;
20‐Glu、24‐Lys;
20‐Asp、24‐Arg;
20‐Glu、24‐Arg;
20‐Lys、24‐Asp;
20‐Arg、24‐Asp;
20‐Lys、24‐Glu;および
20‐Arg、24‐Glu;
が挙げられる。
【0042】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、そのような分子内架橋が、分子のαヘリックス構造を安定させるので、GLP‐1受容体における、そしてもしかするとグルカゴン受容体においても同様に、効力および/または選択性を増強すると考えられる。
【0043】
化合物は、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式IV:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Ile‐Glu‐Trp‐Leu‐Leu‐Ser‐Ala(化合物22)
を有するペプチドであるか、または式IVと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lys、Argから選択され;
18位の残基が:Alaであり;
20位の残基が:Gln、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
23位の残基が:Valであり;
24位の残基が:Gln、Asp、Lys、Arg、Alaから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lysから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Ala、Glu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Argから選択されるか、または不存在であり;
のうちの最大4か所にて式IVと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成る配列である}を有することができる化合物、または医薬的に許容し得るその塩であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、式IVと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lysから選択され;
20位の残基が:Gln、Arg、Gluから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lysから選択され;および
28位の残基が:Asn、Arg、Alaから選択される;
のうちの最大4か所にて式IVと異なっている。
【0045】
それらの実施形態のいくつかでは、式IVと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lysから選択され;および
20位の残基が:Gln、Arg、Gluから選択される;
のうち最大3か所にて式IVと異なっていてもよい。
【0046】
代替の実施形態では、式IVと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lysから選択され;
18位の残基が:Alaであり;および
20位の残基が:Gln、Arg、Gluから選択される;
のうちの最大4か所にて式IVと異なっていてもよい。
【0047】
より一層更なる代替の実施形態では、式IVと異なる場合には、Xは、以下の位置:
23位の残基が:Valであり;
24位の残基が:Gln、Asp、Lys、Arg、Alaから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lysから選択され;および
28位の残基が:Asn、Arg、Alaから選択される;
のうちの最大4か所にて式IVと異なっていてもよい。
【0048】
先に記載した実施形態のいずれでも、16位と20位の残基は塩橋を形成することが可能である。好適な残基対の例には:
16‐Asp、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;および
16‐Arg、20‐Glu;
が挙げられる。
【0049】
さらにまたはその代わりに、20位と24位の残基は塩橋を形成することが可能である。好適な残基対の例には:
20‐Asp、24‐Lys;
20‐Glu、24‐Lys;
20‐Asp、24‐Arg;
20‐Glu、24‐Arg;
20‐Lys、24‐Asp;
20‐Arg、24‐Asp;
20‐Lys、24‐Glu;および
20‐Arg、24‐Glu;
が挙げられる。
【0050】
先の定義との整合性を維持しながら、Xが、以下の残基のセット:
20‐Lys、24‐Glu;
20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu;
16‐Glu、20‐Lys、24‐Glu;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys、29‐Ala;
16‐Glu、20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu;
16‐Glu、20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu、29‐Ala;
16‐Glu、20‐Lys、24‐Glu、29‐Ala;
20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu、29‐Ala;
27‐Leu、28‐Ser、29‐Ala;
29‐Ala;
16‐Ser;
20‐Gln;
23‐Val;
24‐Gln;
16‐Ser、20‐Gln;
16‐Asp、20‐Arg、24‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;
24‐Arg;または
28‐Arg;
のうちの1または2以上を含んでなることが望まれることもある。
【0051】
例えば、Xは、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDERRAQDFIEWLLSA(化合物23);
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVEWLLSA(化合物24);
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIQWLLSA(化合物25);
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFIEWLLSA(化合物26);
HSQGTFTSDYSKYLDDRRARDFIDWLLSA(化合物27);
HSQGTFTSDYSKYLDKRRAEDFIKWLLSA(化合物28);
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIRWLLSA(化合物29);
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIEWLLRA(化合物30);
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAKDFIEWLLSA(化合物31);
HSQGTFTSDYSKYLDERAAKDFIEWLLSA(化合物32);
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIDWLLSA(化合物33);
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIEWLLAA(化合物34);または
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIEWLLSA(化合物35);
を有していてもよい。
【0052】
式IVによって規定されたペプチドは、ペプチド配列X内に1もしくは2以上の分子内架橋を持っていてもよい。好適にはそのような架橋のそれぞれは、Xの線形配列内で通常3アミノ酸だけ離れているXの2つのアミノ酸残基の側鎖間(すなわち、アミノ酸Aとアミノ酸A+4の間)で形成され得る。
【0053】
より具体的には、架橋は、残基対12と16、16と20、17と21、20と24、または24と28の側鎖間で形成され得る。2つの側鎖は、イオン性相互作用を通してまたは共有結合で互いに連結されることができる。よってこれらの残基対は、イオン性相互作用によって塩橋を形成するために反対電荷に帯電した側鎖を備えていてもよい。例えば、前記残基の一方がGluまたはAspであり得、それと同時にもう片方がLysまたはArgであり得る。LysとGluおよびLysとAspの対合はまた、反応して、ラクタム環を形成することも可能である。同様に、TyrとGluまたはTyrとAspは、ラクトン環を形成することができる。
【0054】
特に、16位と20位、および/または20位と24位の残基は、分子内架橋を形成することが可能である。これらの位置における好適な残基対の例には:
16‐Asp、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;
16‐Arg、20‐Glu;および/または
20‐Asp、24‐Lys;
20‐Glu、24‐Lys;
20‐Asp、24‐Arg;
20‐Glu、24‐Arg;
20‐Lys、24‐Asp;
20‐Arg、24‐Asp;
20‐Lys、24‐Glu;
20‐Arg、24‐Glu;
が挙げられる。
【0055】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、そのような分子内架橋が、分子のαヘリックス構造を安定させるので、GLP‐1受容体における、そしてもしかするとグルカゴン受容体においても同様に、効力および/または選択性を増強すると考えられる。
【0056】
化合物は、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式V:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Lys‐Ala‐Ala‐His‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Leu‐Arg‐Ala(化合物36)
を有するペプチドであるか、または式Vと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
12位の残基が:Leu、Arg、Dpu、Dpr、Ornから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Aspから選択され;
17位の残基が:Arg、Leu、Dpu、Dpr、Ornから選択され;
18位の残基が:Arg、Lys、His、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大4か所にて式Vと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列である}を有することができる化合物、または医薬的に許容し得るその塩であり得る。
【0057】
この態様の特定の実施形態では、式Vと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Gluから選択され;
17位の残基が:Arg、Leuから選択され;
18位の残基が:Arg、Lys、His、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式Vと異なっていてもよい。
【0058】
この態様の特定の実施形態では、式Vと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式Vと異なっていてもよい。
【0059】
先の式Vに関連する定義が整合性を維持しながら、Xが、以下の残基のセット:
17‐Lys、18‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、20‐His;
17‐Leu、18‐Ala、20‐His;
17‐Lys、18‐Ala、24‐Glu;
17‐Leu、18‐Ala、24‐Glu;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu;
17‐Lys、18‐Ala、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、29‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu、29‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu、28‐Arg、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu、28‐Arg、29‐Ala;
24‐Glu、28‐Arg;
24‐Glu、28‐Arg、27‐Leu;
24‐Glu、28‐Arg、27‐Leu、29‐Ala;
27‐Leu、28‐Arg、29‐Ala;
29‐Ala;
20‐Arg、24‐Arg、27‐Lys、28‐Leu;
17‐Arg;
18‐Arg;
20‐Gln;
24‐Gln;
27Met、28‐Asn、29‐Thr;または
24‐Lys;
のうちの1または2以上、およびその組み合わせを含んでなることが望まれることもある。
【0060】
例えば、Xは、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDSKAARDFVRWLKLA(化合物37);
HSQGTFTSDYSKYLDSRAAHDFVEWLLRA(化合物38);
HSQGTFTSDYSKYLDSKRAHDFVEWLLRA(化合物39);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAQDFVEWLLRA(化合物40);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVQWLLRA(化合物41);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLMNT(化合物42);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVKWLLRA(化合物43);
H‐DSer‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRA(化合物44);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRA(化合物45);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAKDFVEWLLRA(化合物46);
HSQGTFTSDYSKYLDKKAAHDFVEWLLRA(化合物47);または
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRA(化合物48);
を有していてもよい。
【0061】
代替の態様では、化合物は、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式VI:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Lys‐Ala‐Ala‐His‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Leu‐Arg‐Ala(化合物49)
を有するペプチドであるか、または、式VIと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Gluから選択され;
17位の残基が:Arg、Leu、Dpu、Dpr、Ornであり;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大5か所にて式VIと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列である}を有することができる化合物、または医薬的に許容し得るその塩であり得る。
【0062】
この態様の特定の実施形態では、式VIと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
17位の残基が:Arg、Leuから選択され;
18位の残基が:Arg、Lys、His、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式VIと異なっていてもよい。
【0063】
先の式VIと関連した定義との整合性を維持しながら、Xが、最初の態様と関連して先に記載した残基のセットのいずれか、または以下の残基のセット:
20‐Gln、24‐Gln、27‐Met、28‐Asn、29‐Thr;または
17‐Leu、20‐Gln、24‐Gln、28‐Asn、29‐Thr、
のうちの1または2以上を含んでなることが望まれることもある。
【0064】
Xは、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAQDFVQWLMNT(化合物50);または
HSQGTFTSDYSKYLDSLAAQDFVQWLLNT(化合物51)、
を有してもよい。
【0065】
式VおよびVIによって規定されたペプチドは、ペプチド配列X内に1もしくは2以上の分子内架橋を持っていてもよい。好適にはそのような架橋のそれぞれは、Xの線形配列内で通常3アミノ酸だけ離れているXの2つのアミノ酸残基の側鎖間(すなわち、アミノ酸Aとアミノ酸A+4の間)で形成され得る。
【0066】
より具体的には、架橋は、残基対12と16、16と20、17と21、20と24、または24と28の側鎖間で形成され得る。2つの側鎖は、イオン性相互作用を通してまたは共有結合で互いに連結されることができる。よってこれらの残基対は、イオン性相互作用によって塩橋を形成するために反対電荷に帯電した側鎖を備えていてもよい。例えば、前記残基の一方がGluまたはAspであり得、それと同時にもう片方がLysまたはArgであり得る。LysとGluおよびLysとAspの対合はまた、反応して、ラクタム環を形成することも可能である。同様に、TyrとGluまたはTyrとAspは、ラクトン環を形成することができる。
【0067】
特に、16位と20位の残基は、分子内架橋を形成することが可能である。これらの位置における好適な残基対の例には:
16‐Asp、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;および
16‐Arg、20‐Glu;
が挙げられる。
【0068】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、そのような分子内架橋が、分子のαヘリックス構造を安定させるので、GLP‐1受容体における、そしてもしかするとグルカゴン受容体においても同様に、効力および/または選択性を増強すると考えられる。
【0069】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、天然グルカゴンの17位および18位のアルギニン残基は、顕著な選択性をグルカゴン受容体に与えるように思われる。18位の疎水性残基(例えば、Ala)もまた、GLP‐1受容体およびグルカゴン受容体の両方における効力を増強し得る。それはまた、天然グルカゴンと比較して酵素安定性も増強し得る。
【0070】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、天然グルカゴンの27、28、および29位の残基は、グルカゴン受容体における顕著な選択性を与えるように思われる。天然グルカゴン配列に関するこれらの位置のうちの1つ、2つ、または3つすべての置換は、潜在的にグルカゴン受容体における効力の顕著な低減なしに、GLP‐1受容体における効力および/または選択性を増強し得る。特定の例には、27位のLeuもしくはLys、28位のArgもしくはSer、および29位のAlaが含まれる。
【0071】
(例えば、Leu、Lys、ArgまたはGluによる)27位の天然のMet残基の置換はさらに、酸化の可能性を低下させ、化合物の化学的安定性を増強する。
【0072】
(例えば、Glu、Ser、Arg、Lys、AlaまたはLeuによる)28位の天然のAsn残基の置換はさらに、酸性溶液中での脱アミド化の可能性を低下させ、化合物の化学的安定性を増強する。
【0073】
GLP‐1受容体における効力、および/または選択性はまた、両親媒性ヘリカル構造を形成する可能性がある残基を導入することによっても、潜在的なグルカゴン受容体の効力の顕著な損失なしに増強され得る。これは、16、20、24、および28位のうちの1もしくは2以上の荷電残基を導入することによって達成され得る。よって、16位と20位の残基がすべて荷電残基であり得るか、16、20、および28位の残基がすべて荷電残基であり得るか、または16、20、24、および28位の残基がすべて荷電残基であり得る。16位と20位の荷電残基の存在は、それらが分子内架橋を形成し得るとき、例えばそれらが反対電荷に帯電したアミノ酸、例えば16位のArgと20位のAspもしくはGlu、または16位のGluと20位のHisもしくはLysなどであるとき、特に望ましいものであり得る。
【0074】
20位と24位の天然のGln残基の一方または両方の置換はさらに、酸性溶液中の脱アミド化の可能性を低減し、それで化合物の化学的安定性を増強する。例えば、化合物に、20位のAspまたはHisと24位のAlaを持たせることができ、任意に同様に28位のSer、GluまたはArgも持たせることができる。
【0075】
化合物は、以下の式:
1‐X‐Z1‐Z2‐R2
{式中、
1が、水素、C1‐4アルキル(例えば、メチル)、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
ここで、Xは、以下の式VII:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐X10‐Ser‐X12‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐X17‐X18‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
(式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、α,α‐ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、アミノイソ酪酸(Aib)またはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X10が、TyrまたはTrpであり;
X12が、Lys、シトルリン、OrnまたはArgであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X17が、Arg、Gln、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X18が、Arg、Ala、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、Arg、シトルリン、Orn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンである)を有し;
2が、NH2またはOHであり;
1が、不存在であるか、または以下の配列:
GlyProSerSerGlyAlaProProProSer;
GlyProSerSerGlyAlaProProProSerCys;
LysArgAsnArgAsnAsnIleAla;または
LysArgAsnArg;
を有し;
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、His、Met、Har、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列であり;
式中、Z1が不存在である場合には、当該化合物には、位置X1、X2、X3、X10、X12、X15、X16、X17、X18、X20、X21、X23、X24、X27、X28、およびX29のうちの1もしくは2以上にてヒト・グルカゴンに対する置換または欠失がある}を有することができる化合物、または医薬的に許容し得るその塩または誘導体であり得;
ここで、前記化合物は、ヒト・グルカゴンに比べ、高いGLP‐1受容体選択性を有し、および/またはここで、かかる化合物は、GLP‐1受容体にて天然GLP‐1の活性の少なくとも20%を発揮する。
【0076】
加えて、特定の実施形態では、Xは、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28および29から選択される位置における1〜3つのアミノ酸修飾によって式VIIと異なっていてもよい。
【0077】
式VIIによる配列を有する化合物が、WO2008/101017に記載されている。
【0078】
Xは、以下の式VII.2:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐X17‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物52)
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X17が、Arg、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuであるまたはNleである}を有することもできる。
【0079】
Xは、以下の式VII.3:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物53)
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0080】
Xは、以下の式VII.4:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物54)
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X24が、Gln、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0081】
Xは、以下の式VII.5:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物55)
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X24が、Gln、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0082】
Xは、以下の式VII.6:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物56)
{式中、
X21がAsp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0083】
Xは、以下の式VII.7:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物57)
{式中、
X24が、Gln、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0084】
Xは、以下の式VII.8:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物58)
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸である}を有することもできる。
【0085】
Xは、以下の式VII.9:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物59)
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0086】
Xは、以下の式VII.19:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐X30(化合物60)
{式中、
X30が、任意の好適なアミノ酸である}を有することもできる。
【0087】
Xは、以下の式VII.20:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物61)
{式中、
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、AspまたはLysであり;
X29が、ThrまたはGlyである}を有することもできる。
【0088】
Xは、以下の式VII.21:
His‐X2‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物62)
{式中、
X2が、D‐Ser、Ala、Gly、N‐メチルSerまたはアミノイソ酪酸である}を有することもできる。
【0089】
Xは、以下の式VII.22:
His‐X2‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物63)
{式中、
X2が、アミノイソ酪酸である}を有することもできる。
【0090】
Xは、以下の式VII.23:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Cys‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物64)
{式中、
17位のCysが、ペグ化され(PEGylated);
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0091】
Xは、以下の式VII.24:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Cys‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物65)
{式中、
21位のCysが、ペグ化され;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0092】
Xは、以下の式VII.25:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Cys‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr(化合物66)
{式中、
24位のCysが、ペグ化され;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0093】
Xは、以下の式VII.30:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser(化合物67)
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0094】
Xは、以下の式VII.31:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr‐Lys‐Arg‐Asn‐Arg‐Asn‐Asn‐Ile‐Ala(化合物68)
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0095】
Xは、以下の式VII.32:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr‐Lys‐Arg‐Asn‐Arg(化合物69)
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0096】
Xは、以下の式VII.33:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15X16Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物70)
{式中、
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thr、Glyまたは酸性アミノ酸である}を有することもできる。
【0097】
Xは、以下の式VII.36:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser(化合物71)
を有することもできる。
【0098】
Xは、以下の式VII.37:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Cys‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物72)
{式中、
24位で2‐ブチロラクトンがCysのチオール基を通して結合している}を有することもできる。
【0099】
Xは、以下の式VII.38:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Cys‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物73)
{式中、
24位でカルボキシメチル基がCysのチオール基を通して結合している}を有することもできる。
【0100】
Xは、以下の式VII.39:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Arg‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser(化合物74)
を有することもできる。
【0101】
Xは、以下の式VII.40:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr(化合物75)
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspである}を有することもできる。
【0102】
Xは、以下の式VII.41:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr(化合物76)
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspであり;
ラクタム環が、12位と16位のに側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0103】
Xは、以下の式VII.42:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr(化合物77)
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspであり;
ラクタム環が、16位と20位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0104】
Xは、以下の式VII.43:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr(化合物78)
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspであり;
ラクタム環が、20位と24位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0105】
Xは、以下の式VII.44:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Lys‐X29(化合物79)
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X29が、GluまたはThrである}を有することもできる。
【0106】
上記の式では、Z1とZ2が通常不存在である。化合物のC末端がアミド化(R2=NH2)されることもできる。
【0107】
Xは、以下の式VII.45:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐X12‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物80)
{式中、
X12が、LysまたはGluであり;
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Gln、Glu、Lys、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、GluまたはLysであり;
X24が、Gln、LysまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thr、Glyまたは酸性アミノ酸である}を有することもできる。
【0108】
Xは、以下の式VII.46:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物81)
{式中、
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluである}を有することもできる。
【0109】
Xは、以下の式VII.47:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物82)
を有することもできる。
【0110】
Xは、以下の式VII.48:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物83)
を有することもできる。
【0111】
Xは、以下の式VII.49:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物84)
を有することもできる。
【0112】
Xは、以下の式VII.50:
His‐Ala‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Val‐Ser‐Ser‐Tyr‐Leu‐Glu‐Gly‐Gln‐Ala‐Ala‐Lys‐Glu‐Phe‐Ile‐Ala‐Trp‐Leu‐Val‐Lys‐Gly‐Arg‐Gly(化合物85)
を有することもできる。
【0113】
Xは、以下の式VII.51:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物86)
{式中、
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thr、Glyまたは酸性アミノ酸である}を有することもできる。
【0114】
Xは、以下の式VII.52:
His‐Ala‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Val‐Ser‐Ser‐Tyr‐Leu‐Glu‐Gly‐Gln‐Ala‐Ala‐Lys‐Glu‐Phe‐Ile‐Ala‐Trp‐Leu‐Val‐Lys‐Gly‐Arg(化合物87)
を有することもできる。
【0115】
Xは、以下の式VII.53:
His‐Ser‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Xl6‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物88)
{式中、
X3が、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thrまたは酸性アミノ酸である}を有することもできる。
【0116】
Xは、以下の式VII.54:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐X17‐X18‐Ala‐Lys‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr(化合物89)
{式中、
X17が、ArgまたはGlnであり;
X18が、ArgまたはAlaであり;
X21が、AspまたはGluであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、GlnまたはAlaである}を有することもできる。
【0117】
Xは、以下の式VII.56:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29(化合物90)
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸ホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸、またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp.Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Gly、Thr、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンである}を有することもできる。
【0118】
Xは、以下の式VII.57:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29(化合物91)
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Orn、またはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が12位と16位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0119】
Xは、以下の式VII.58:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29(化合物92)
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が16位と20位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0120】
Xは、以下の式VII.59:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐X21‐Phe‐X23‐Glu‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29(化合物93)
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X5が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が20位と24位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0121】
Xは、以下の式VII.60:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐Glu‐Trp‐Leu‐X27‐Lys‐X29(化合物94)
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg.Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が24位と28位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0122】
X‐Z1が、以下の式VII.61:
X1‐X2‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐X18‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐X29‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser‐Cys(化合物95)
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、Aib、N‐メチルAlaまたはD‐Alaであり;
X18が、AlaまたはArgであり;
X24が、Ala、GlnまたはCys‐PEGであり;
X29が、Thr‐CONH2、Cys‐PEG、またはGlyであり;
40位が、Cys‐PEGであるか、または不存在であり;
但し、29位がGlyである場合にだけ、30〜40位(Z2)が存在している}を有することもできる。
【0123】
X‐Z1が、以下の式VII.62:
X1‐X2‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Gln‐X18‐Ala‐Lys‐Glu‐Phe‐Ile‐X24‐Trp‐Leu‐Asn‐X29‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser‐Cys(化合物96)
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、Aib、N‐メチルAlaまたはD‐Alaであり;
X18が、AlaまたはArgであり;
X24が、Ala、GlnまたはCys‐PEGであり;
X29が、Thr‐CONH2、Cys‐PEG、またはGlyであり;
40位が、Cys‐PEGであるか、または不存在であり;
但し、29位がGlyである場合にだけ、30〜40位(Z2)が存在している}を有することもできる。
【0124】
Xは、以下の式VII.63:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐Asp‐Thr(化合物97)
{式中、
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X21が、Asp、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X24が、Gln、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有することもできる。
【0125】
X‐Z1が、以下の式VII.64:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Gly‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser(化合物98)
{式中、
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、LysまたはAspである}を有することもできる。
【0126】
Xは、以下の式VII.66:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物99)
{式中、
X28が、AspまたはAsnであり;
X29が、ThrまたはGlyであり;
ここで、ラクタム環が12位と16位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0127】
Xは、以下の式VII.67:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物100)
{式中、
X28が、AspまたはAsnであり;
X29が、ThrまたはGlyであり;そして
ここで、ラクタム環が16位と20位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0128】
Xは、以下の式VII.68:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29(化合物101)
{式中、
X28が、AspまたはAsnであり;
X29が、ThrまたはGlyであり;
ここで、ラクタム環が20位と24位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0129】
Xは、以下の式VII.69:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Lys‐X29(化合物102)
{式中、
X29が、ThrまたはGlyであり;
ここで、ラクタム環が24位と28位の側鎖間に存在している}を有することもできる。
【0130】
本発明の方法で有用であり得る更なる具体的な化合物が、図3:表2および表3に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】A:インスリン抵抗性(IR)JCR:LAラット心臓の心拍数;B:IR心臓の心拍出量;C:IR心臓の心臓出力、に対するビヒクル、グルカゴン、およびグルカゴン‐GLP1二重作動薬(化合物12)の効果。値は、平均+SEMとして示される。ベースラインと比較して*P<0.05;**P<0.01。
【図2】ビヒクル(n=4)、グルカゴン(n=6)、およびグルカゴン‐GLP1二重作動薬(化合物12)(n=5)の濃度増加に伴う、潅流後のインスリン抵抗性(IR)JCR:LAラット由来の心臓のエネルギー状態。A:アデノシン一リン酸(AMP)濃度。B:アデノシン二リン酸(ADP)濃度。C:アデノシン三リン酸(ATP)濃度。D:ATP/アデニル酸比。E:ATP/ADP比。値は、平均+SEMとして示される。ビヒクルと比較して*P<0.05、**P<0.01。
【図3−1】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−2】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−3】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−4】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−5】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−6】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−7】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−8】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−9】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−10】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−11】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−12】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−13】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図3−14】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表2)を示す。
【図4】化合物1またはグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬と共に注入した各化合物に関する個別データから計算された心仕事量(strokework)。用量をnmol/kg/分で示し、そして各図の上部に表示する。心仕事量の最大40%の増大をエンドポイントとして設定し、そしてその後、注入を中止した。
【図5】化合物1またはグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬と共に注入した各化合物に関する個別データから計算された心拍数。用量をnmol/kg/分で示し、そして各図の上部に表示する。心仕事量(図4)の最大40%の増大をエンドポイントとして設定し、そしてその後、注入を中止した。
【図6−1】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表3)を示す。
【図6−2】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表3)を示す。
【図6−3】有用であり得る本発明の化合物を、配列により表(表3)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0132】
発明の詳細な説明
この明細書を通して、天然アミノ酸についての慣習的な一文字表記および三文字表記、並びにその他のアミノについての一般に認められている三文字表記、例えばAib(α‐アミノイソ酪酸)、Orn(オルニチン)、Dbu(2,4‐ジアミノ酪酸)およびDpr(2,3‐ジアミノプロパン酸)、Cit(シトルリン)、1Nal(1‐ナフチルアラニン)、Hph(ホモフェニルアラニン)、Hse(ホモセリン)およびOrn(オルニチン)などが使用される。
【0133】
本発明との関連において、C1‐6アルキルおよびC1‐4アルキルは、メチル、エチル、1‐プロピル、および2‐プロピルを含む。
【0134】
「天然グルカゴン」という用語は、配列H‐His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐OHを持っている天然ヒト・グルカゴンを指す。
【0135】
「オキシントモジュリン」および「OXM」という用語は、配列H‐His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐Lys‐Arg‐Asn‐Arg‐Asn‐Asn‐Ile‐Ala‐OHを持っている天然ヒト・オキシントモジュリンを指す。
【0136】
本発明の化合物の特定の実施形態では、アミノ酸残基X3が、3‐(ヘテロシクリル)アラニル[すなわち、アミノ酸残基が3‐(ヘテロシクリル)置換されたアラニンに由来する]である場合、その時、X3は、3‐(2‐フリル)アラニル、3‐(4‐チアゾリル)アラニル、3‐(3‐ピリジル)アラニル、3‐(4‐ピリジル)アラニル、3‐(1‐ピラゾリル)アラニル、3‐(2‐チエニル)アラニル、3‐(3‐チエニル)アラニル、および3‐(1,2,4‐トリアゾール‐1‐イル)アラニルから成る群から選択され得る。
【0137】
ペプチド配列X
誤解を避けるために、先の定義において、配列Xは、変動を認めると記述された位置において示した式と異なっているだけであることが一般に意図される。本明細書中に記載した配列X内のアミノ酸は、従来のN末端からC末端の向きに1から29まで連続して付番されると考えられる。従って、X内の「位置」についての言及は、天然ヒト・グルカゴンおよびその他の分子内の位置に対して言及しなくてはならないと解釈されるべきである。
【0138】
本明細書中に提供したいずれの式でも、X3の位置の残基を、代わりにアセトアミドメチル‐システイン、アセチルジアミノブタン酸、カルバモイルジアミノプロパン酸、メチルグルタミン、およびメチオニンスルホキシドから代わりに選択することができる。
【0139】
先に提供した特定の式は、X27、X28、および/またはX29の位置にて残基が不存在であることが可能である。典型的には、X28が不存在であれば、X29も不存在である。X27が不存在であれば、X28とX29はともに不存在である。言い換えると、X29が存在していれば、X28は不存在ではなく、そしてX28とX29のどちらかが存在していれば、X27は不存在ではない。
【0140】
1が不存在であるとき、ペプチド配列Xをグルカゴンの類似体であると見なすことができる。そのような実施形態では、ペプチド配列Xは、29か所のうちの1もしくは2以上の位置、例えば29か所のうちの最低2か所、例えば29か所のうちの最低3、4、5、6か所が天然ヒト・グルカゴンの配列と異なっている。
【0141】
特定の実施形態では、Xが1か所だけでヒト・グルカゴンと異なっているとき、その位置は、X12、X17またはX18であり得る。
【0142】
X12の残基は、AlaまたはArgであり得る。
【0143】
X17の残基は、GluまたはLysであり得る。
【0144】
X18の残基は、His、Ser、AlaまたはTyrであり得る。
【0145】
よって、ペプチドXは、以下の配列:
HSQGTFTSDYSAYLDSRRAQDFVQWLMNT(化合物103);
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAQDFVQWLMNT(化合物104);
HSQGTFTSDYSKYLDSERAQDFVQWLMNT(化合物106);
HSQGTFTSDYSKYLDSKRAQDFVQWLMNT(化合物107);
HSQGTFTSDYSKYLDSRHAQDFVQWLMNT(化合物108);
HSQGTFTSDYSKYLDSRSAQDFVQWLMNT(化合物109);
HSQGTFTSDYSKYLDSRAAQDFVQWLMNT(化合物110);または
HSQGTFTSDYSKYLDSRYAQDFVQWLMNT(化合物111);
を有していてもよい。
【0146】
ヒト・グルカゴンと2または3か所の相違点を有する配列には:
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAKDFVQWLLNT(化合物112);
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAQDFVQWLLNT(化合物113);
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAQDFVQWLLNK(化合物114);
HSQGTFTSDYSKYLDSALAQDFVQWLLNT(化合物115);
HSQGTFTSDYSKYLDKRRAEDFVQWLMNT(化合物116);
HSQGTFTSDYSKYLDK()RRAE()DFVQWLMNT(化合物117);
HSQGTFTSDYSRYLDERRAQDFVQWLMNT(化合物118);
HSQGTFTSDYSK()YLDE()RRAQDFVQWLMNT(化合物119);
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFIEWLMNT(化合物120);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAQDFVQWLMNT(化合物121);および
HSQGTFTSDYSKYLDSLAAQDFVQWLLNT(化合物122);
が挙げられる。
【0147】
1が存在しているか、または不存在であるかにかかわらず、ペプチド配列Xが29か所のうちの最大10か所、例えば最大7、8、9または10か所でヒト・グルカゴンと異なっていることが望まれることもある。
【0148】
1
1は、以下の配列:
天然エキセンジン‐4のC末端の10アミノ酸を表すGlyProSerSerGlyAlaProProProSer;
天然エキセンジン‐4のC末端の10アミノ酸に加えてさらにC末端Cys残基を表すGlyProSerSerGlyAlaProProProSerCys;
天然オキシントモジュリンのC末端の8アミノ酸を表すLysArgAsnArgAsnAsnIleAla;または
LysArgAsnArg;
を有することもできる。
【0149】
2
化合物は、例えばW099/46283に記載のとおり、例えばグルカゴン類似体ペプチドの立体構造、および/または二次構造を安定させるために、そして/あるいはグルカゴン類似体ペプチドに酵素分解に対してより抵抗性をもたせるために、1〜20個のアミノ酸から成るC末端ペプチド配列Z2を含んでなることもできる。
【0150】
存在する場合、Z2は、1〜20個のアミノ酸残基、例えば1〜15個の範囲内、より好ましくは1〜10個の範囲内、特に1〜7個の範囲内のアミノ酸残基、例えば1、2、3、4、5、6または7個のアミノ酸残基、例えば6個のアミノ酸残基、から成るペプチド配列を表す。ペプチド配列Z2内のそれぞれアミノ酸残基は、独立に、Ala、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu(2,4‐ジアミノ酪酸)、Dpr(2,3‐ジアミノプロパン酸)およびOrn(オルニチン)から選択され得る。好ましくは、前記アミノ酸残基は、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、DprおよびOrnから選択され、より好ましくはGlu、Lys、およびCys、特にLysだけから選択され得る。先に触れたアミノ酸はD型またはL型の立体配置のいずれかをとることができるが、好ましくはL型の立体配置をとっている。特に好ましいZ2の配列は、4、5、6または7個の連続したリジン残基(すなわちLys3、Lys4、Lys5、Lys6またはLys7)であり、そして特に5または6個の連続したリジン残基から成る配列である。Zのその他の代表的な配列は、WO01/04156(その内容を本明細書中に援用する)に示されている。あるいは、配列Z2のC末端残基は、Cys残基であってもよい。これは化合物の修飾(例えば、以下で記載する親油性置換基または重合体部分への結合)を助けることができる。そのような実施形態では、配列Z2は、例えば長さが1アミノ酸(すなわち、Z2=Cys)だけでも、長さが2、3、4、5、6アミノ酸またはさらに多くのアミノ酸であってもよい。そのため、他のアミノ酸がペプチドXと端末のCys残基の間のスペーサーとして機能する。そのような実施形態では、Z1が不存在であってもよい。
【0151】
いくつかの実施形態では、ペプチド配列Z2は、(配列Lys‐Arg‐Asn‐Arg‐Asn‐Asn‐Ile‐Alaを持っている)ヒトOXMのIP‐1部分の対応する配列と25%以下の配列同一性しかない。
【0152】
別のポリペプチド配列(例えばIP‐1)に関する所定のペプチドまたはポリペプチド配列の「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、2つが互いに整列された場合にもう一方のポリペプチドの対応する配列内の対応するアミノ酸残基と同一である所定のペプチド配列内のアミノ酸残基のパーセンテージとして計算され、必要であれば、最適な整列のためにギャップが導入される。%同一性の値は、WU‐BLAST‐2(Altschul et al., Methods in Enzymology, 266:460-480 (1996))によって測定されてもよい。WU‐BLAST‐2はいくつかの検索パラメーターを使用するが、その大部分は初期値に設定される。調整可能なパラメーターは、以下の値:重複スパン=1、重複フラクション=0.125、ワード閾値(T)=11に設定される。%アミノ酸配列同一性値は、参照配列の残基総数(整列スコアを最大にするためにWU‐BLAST‐2によって参照配列内に導入されたギャップは無視される)で割って、100を掛けた、WU‐BLAST‐2によって測定された合致している同一残基数によって決定される。
【0153】
よって、IP‐1の8個のアミノ酸と最適に整列させたとき、Z2は、IP‐1の対応するアミノ酸と同一であるアミノ酸を2個以下しか持たない。
【0154】
アミノ酸修飾
本発明の使用に好適ないずれかの化合物内のアミノ酸側鎖のうちの1または2以上が、親油性置換基に結合することもできる。この親油性置換基は、アミノ酸側鎖の原子に共有結合されてもよく、あるいはスペーサーによってアミノ酸側鎖に結合されてもよい。前記アミノ酸はペプチドXの一部であっても、ペプチドZ1またはZ2の一部であってもよい。スペーサーは、存在するときには、化合物の残りと親油性置換基の間の間隔を提供するために使用される。
【0155】
理論に縛られることを望むものではないが、親油性置換基が血流中でアルブミンに結合し、それよって酵素的分解からの本発明の化合物を保護することで化合物の半減期を延長できると考えられている。よって、このように改変された化合物は、特に慢性治療に好適であり得る。
【0156】
親油性置換基は、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミドまたはスルホンアミドを介してアミノ酸側鎖またはスペーサーに取り付けられ得る。従って、好ましくは、親油性置換基としては、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミドまたはスルホンアミドの一部を形成するアシル基、スルホニル基、N原子、O原子またはS原子が挙げられることは理解される。好ましくは、親油性置換基内のアシル基は、アミノ酸側鎖またはスペーサーとアミドまたはエステルの一部を形成する。
【0157】
親油性置換基には、4〜30個のC原子を持つ炭化水素鎖が含まれ得る。好ましくは、それは8または12個のC原子を持ち、そして好ましくは、それは24個以下のC原子、または20個以下のC原子を持つ。炭化水素鎖は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、かつ、飽和であっても不飽和であってもよい。当然のことながら、炭化水素鎖は、アミノ酸側鎖またはスペーサーへの結合部の一部を形成する部分、例えばアシル基、スルホニル基、N原子、O原子またはS原子により好ましくは置換される。最も好ましくは、炭化水素鎖はアシルによって置換され、従って、炭化水素鎖はアルカノイル基、例えばパルミトイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイルまたはステアロイルの一部となり得る。
【0158】
特定の実施形態では、親油性置換基は、10〜24個のC原子、例えば10〜22個のC原子、例えば10〜20個のC原子を持つ炭化水素鎖を含むことができる。好ましくは、それには、少なくとも11個のC原子があり、そして好ましくは、それには18個以下のC原子しかない。例えば、炭化水素鎖は、12、13、14、15、16、17または18個の炭素原子を含むことができる。炭化水素鎖は、線状であっても分岐であってもよく、そして飽和であっても不飽和であってもよい。上記の考察から、炭化水素鎖は、アミノ酸側鎖またはスペーサーへの付加物の一部を形成する部分、例えばアシル基、スルホニル基、N原子、O原子またはS原子、で好ましくは置換されることが理解されるだろう。最も好ましくは、炭化水素鎖はアシルで置換され、従って、炭化水素鎖はアルカノイル基、例えばドデカノイル、2‐ブチルオクタノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイルまたはエイコサノイル基の一部であり得る。
【0159】
従って、親油性置換基は、以下に示した式を持つこともできる。
【0160】
【化1】

【0161】
Aは、例えばアシル基、スルホニル基、NH、N‐アルキル、O原子またはS原子であり得るが、好ましくはアシルであり得、nは、3〜29の整数であるが、好ましくは少なくとも7であるかまたは少なくとも11であり、そして好ましくは23未満であり、より好ましくは19未満である。
【0162】
炭化水素鎖はさらに置換されることもできる。例えば、それは、NH2、OHおよびCOOHから選択される最大3つの置換基によりさらに置換されることもできる。炭化水素鎖がさらに置換されるのであれば、好ましくは、それは1つの置換基だけでさらに置換される。あるいはまたは加えて、炭化水素鎖は、例えば以下に示したような、シクロアルカンまたはヘテロシクロアルカンを含むこともできる:
【0163】
【化2】

【0164】
好ましくは、シクロアルカンまたはヘテロシクロアルカンは、六員環である。最も好ましくは、それはピペリジンである。
【0165】
あるいは、親油性置換基は、シクロペンタノフェナントレン骨格に基づいていてもよく、それは部分的にまたは完全に不飽和であっても、飽和されていてもよい。それぞれの骨格の炭素原子は、MeまたはOHにより置換されていてもよい。例えば、親油性置換基は、コリル(cholyl)、デオキシコリルまたはリトコリルであってもよい。
【0166】
以上のように、親油性置換基は、スペーサーによってアミノ酸側鎖に結合することもできる。存在している場合には、スペーサーは、親油性置換基とアミノ酸側鎖に取り付けられる。スペーサーは、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミドまたはスルホンアミドによって独立に親油性置換基とアミノ酸側鎖に取り付けられることもできる。従って、それは、アシル、スルホニル、N原子、O原子またはS原子から独立に選択される2つの部分を含むこともできる。スペーサーは、以下の式:
【0167】
【化3】

【0168】
{式中、BおよびDは、それぞれ独立に、アシル、スルホニル、NH、N‐アルキル、O原子またはS原子から選択され、好ましくはアシルおよびNHから選択される}を持つこともできる。好ましくは、nは、1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数である。スペーサーは、C1‐6アルキル、アミノ‐C1‐6アルキル、ヒドロキシ‐C1‐6アルキルおよびカルボキシ‐C1‐6アルキルから選択される1もしくは2以上の置換基によりさらに置換されることもできる。
【0169】
あるいは、スペーサーは、先の式の2以上の反復単位を持つこともできる。B、D、およびnは、各反復単位に関してそれぞれ独立に選択される。隣接している反復単位は、それらのそれぞれのBおよびD部分を介して互いに共有結合され得る。例えば、隣接している反復単位のBおよびD部分は、一緒にエステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミドまたはスルホンアミドを形成し得る。スペーサーの各末端の遊離BおよびDユニットは、先に記載のように、アミノ酸側鎖や親油性置換基に取り付けられる。
【0170】
好ましくは、スペーサーには、5つ以下、4つ以下、または3つ以下の反復単位しかない。最も好ましくはスペーサーには、2つの反復単位しかないか、または単一ユニットである。
【0171】
スペーサー(または反復単位があるのであれば、スペーサーの1または2以上の反復単位)は、例えば、天然のアミノ酸であっても、非天然のアミノ酸であってもよい。当然のことながら、官能性側鎖を持つアミノ酸に関して、Bおよび/またはDは、アミノ酸の側鎖内の部分であってもよい。スペーサーは、どの天然のアミノ酸であっても、どの非天然のアミノ酸であってもよい。例えば、スペーサー(または反復単位があるのであれば、スペーサーの1または2以上の反復単位)は、Gly、Pro、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Cys、Phe、Tyr、Trp、His、Lys、Arg、Gln、Asn、Glu、γ‐Glu、ε‐Lys、Asp、Ser、Thr、Gaba、Aib、β‐Ala(すなわち、3‐アミノプロパノイル)、4‐アミノブタノイル、5‐アミノペンタノイル、6‐アミノヘキサノイル、7‐アミノヘプタノイル、8‐アミノオクタノイル、9‐アミノノナノイル、10‐アミノデカノイルまたは8‐アミノ‐3,6‐ジオキサオクタノイルであり得る。
【0172】
例えば、スペーサーは、γ‐Glu、Gaba、β‐Alaおよび‐Glyから選択される単一アミノ酸であり得る。
【0173】
親油性置換基は、本発明の化合物のあらゆるアミノ酸側鎖に結合され得る。好ましくは、アミノ酸側鎖としては、スペーサーまたは親油性置換基とエステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミドもしくはスルホンアミドを形成するための、カルボキシ、ヒドロキシル、チオール、アミドまたはアミン基が挙げられる。例えば、親油性置換基は、Asn、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Ser、Thr、Tyr、Trp、CysまたはDbu、DprもしくはOrn残基の側鎖、例えばGlu、Lys、Ser、Cys、Dbu、DprもしくはOrn残基の側鎖に結合させ得る。2以上の側鎖が親油性置換基を持っている場合には、それらは独立にこれらの残基から選択されうる。好ましくは、親油性置換基はLysに結合させる。しかしながら、親油性置換基が加えられる場合、本明細書中に提供した式中にLysと示したあらゆるアミノ酸が、Dbu、DprまたはOrnによって置き換えられてもよい。
【0174】
親脂質置換基とスペーサーの例は、以下の式に示されている:
【0175】
【化4】

【0176】
ここで、ペプチドXからのLys残基の側鎖は、アミド結合を介してγ‐Gluスペーサーに共有結合する。ヘキサデカノイル基は、アミド結合を介してγ‐Gluスペーサーに共有結合している。例えば、具体的な化合物の式で示されるとき、Lys残基に結合する親油性部分とスペーサーのこの組み合わせを、略語K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)によって表すこともできる。γ‐GluはまたイソGluとも呼ばれ、そしてヘキサデカノイル群はパルミトイル基とも呼ばれる。よって、表記(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)が、例えばPCT/GB2008/004121で使用されるように、表記(イソGlu(Palm))または(イソGlu(パルミトイル))と同等であることは明らかである。
【0177】
特定の実施形態では、Z2の16、17、18、20、24、27、28位の残基の1もしくは2以上の側鎖を、親油性置換基に結合させる。例えば、そのような残基の一方の側鎖を親油性置換基に結合させることができる。あるいは、2つ又はそれ以上の、そのような残基の側鎖を親油性置換基に結合させることができる。
【0178】
いくつかの実施形態では、Z1が不存在であり、かつ、Z2が1つのアミノ酸残基だけから成ると、そのとき、かかるアミノ酸残基は30位と見なされ得る。30位がCysまたはLysであることが望ましいことであり得る。
【0179】
例えば、16、17、18、20、および28位のうちの少なくとも1つを親油性置換基に結合させることができる。そのような場合、30位は不存在であってもよい。30位が存在しているときには、それは通常、親油性置換基に結合している。
【0180】
よって、化合物は、16、17、18、20、24、27、28または30位、好ましくは16、17または20位、特に17位に1つだけ親油性置換基を持つこともできる。
【0181】
あるいは、化合物は、それぞれ16、17、18、20、24、27、28または30位のうちの1か所に正確に2つの親油性置換基を有することもできる。好ましくは、一方または両方の親油性置換基が16、17または20位のうちの1か所に存在している。
【0182】
よって、化合物は、16と17位、16と18位、16と20位、16と24位、16と27位、16と28位または16と30位;17と18位、17と20位、17と24位、17と27位、17と28位または17と30位に;18と20位、18と24位、18と27位、18と28位または18と30位に;20と24位、20と27位、20と28位または20と30位に;24と27位、24と28位または24と30位に;27と28位または27と30位に;あるいは28と30位に親油性置換基を持つことができる。
【0183】
より一層更なる実施形態では、化合物は、16、17、18、20、24、27、28かまたは30位から選択される更なる位置に(合計で3つ以上となる)1もしくは2以上のさらなる親油性置換基をもつことができる。しかしながら、最大2か所の位置がこの方法により誘導体化されるのが望ましいかもしれない。
【0184】
親油性基とスペーサーの特定の組み合わせは、ドデカノイル‐γ‐Glu、ヘキサデカノイル‐γ‐Glu、ヘキサデカノイル‐Glu、ヘキサデカノイル‐[3‐アミノプロパノイル]、ヘキサデカノイル‐[8‐アミノオクタノイル]、ヘキサデカノイル‐ε‐Lys、2‐ブチルオクタノイル‐γ‐Glu、オクタデカノイル‐γ‐Gluおよびヘキサデカノイル‐[4‐アミノブタノイル]である。
【0185】
特定の実施形態では、ペプチドXは、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDKKAAHDFVEWLLRA(化合物123);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAKDFVEWLLRA(化合物124);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLKRA(化合物125);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLKA(化合物126);
HSQGTFTSDYSRYLDSKAAHDFVEWLLRA(化合物127);
HSQGTFTSDYSLYLDSKAAHDFVEWLLRA(化合物128);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRAK(化合物129);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLSAK(化合物130);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLKSA(化合物131);
【0186】
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVKWLLRA(化合物132);
HSQGTFTSDYSKYLDSCAAHDFVEWLLRA(化合物133);
HSQGTFTSDYSKYLDSCAAHDFVEWLLSA(化合物134);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAACDFVEWLLRA(化合物135);
HSQGTFTSDYSKYLDKSAAHDFVEWLLRA(化合物136);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLSA(化合物137);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLSAK(化合物138);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAARDFVAWLLRA(化合物139);
【0187】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAKDFVAWLLRA(化合物140);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLKA(化合物141);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAKDFVAWLLSA(化合物142);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVAWLLKA(化合物143);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDKKAAHDFVAWLLRA(化合物144);
H‐Aib‐QGTFTSDYSRYLDSKAAHDFVEWLLSA(化合物145);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVKWLLSA(化合物146);
H‐Aib‐QGTFTSDYSLYLDSKAAHDFVEWLLSA(化合物147);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSCAAHDFVEWLLSA(化合物148);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAACDFVEWLLRA(化合物149);
【0188】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDK()KAAE()DFVEWLLRA(化合物150);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVE()WLLK()A(化合物151);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAK()DFVE()WLLRA(化合物152);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSK()AAHE()FVEWLLKA(化合物153);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSK()AAKE()FVEWLLRA(化合物154);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKSA(化合物155);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKEA(化合物156);
【0189】
HSQGTFTSDYSKYLDRARAEDFVAWLKST(化合物157);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVEWLKST(化合物158);
H‐DSer‐QGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKST(化合物159);
HSQGTFTSDYSKYLDRARAHDFVAWLKST(化合物160);
HSQGTFTSDYSKYLDKARADDFVAWLKST(化合物161);
HSQGTFTSDYSKYLDRAKADDFVAWLKST(化合物162);
HSQGTFTSDYSKYLDRARAKDFVAWLKST(化合物163);または
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVKWLKST(化合物164);
を有していてもよい。
【0190】
特定の実施形態では、これらのペプチドは、以下のとおり「*」で印を付けた位置に親油性置換基を持つことができる:
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLRA(化合物165);
HSQGTFTSDYSKYLD‐K*‐KAAHDFVEWLLRA(化合物166);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAA‐K*‐DFVEWLLRA(化合物167);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWL‐K*‐RA(化合物168);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLL‐K*‐A(化合物169);
HSQGTFTSDYSRYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLRA(化合物170);
HSQGTFTSDYSLYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLRA(化合物171);
【0191】
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRA‐K*‐(化合物172);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLSA‐K*‐(化合物173);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWL‐K*‐SA(化合物174);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFV‐K*‐WLLRA(化合物175);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐C*‐AAHDFVEWLLRA(化合物176);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐C*‐AAHDFVEWLLSA(化合物177);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAA‐C*‐DFVEWLLRA(化合物178);
HSQGTFTSDYSKYLD‐K*‐SAAHDFVEWLLRA(化合物179);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLSA(化合物180);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLSA‐K*(化合物181);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K*‐AARDFVAWLLRA(化合物182);
【0192】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAA‐K*‐DFVAWLLRA(化合物183);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLL‐K*‐A(化合物184);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLKA(化合物185);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLRA(化合物186);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAA‐K*‐DFVAWLLSA(化合物187);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVAWLL‐K*‐A(化合物188);
【0193】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLD‐K*‐KAAHDFVAWLLRA(化合物189);
H‐Aib‐QGTFTSDYSRYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLSA(化合物190);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFV‐K*‐WLLSA(化合物191);
H‐Aib‐QGTFTSDYSLYLDS‐K*‐AAHDFVEWLLSA(化合物192);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐C*‐AAHDFVEWLLSA(化合物193);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAA‐C*‐DFVEWLLRA(化合物194);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLD‐S*‐KAAHDFVEWLLSA(化合物195);
【0194】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDK()K*AAE()DFVEWLLRA(化合物196);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSK*AAHDFVE()WLLK()A(化合物197);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSK*AAK()DFVE()WLLRA(化合物198);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSK()AAHE()FVEWLLK*A(化合物199);または
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSK()AAK*E()FVEWLLRA(化合物200)。
【0195】
「()」で印を付けた残基は、先に記載したように、ラクタム環などの分子内結合に参加する。
【0196】
特定の実施形態では、誘導体化ペプチドXは、以下の式を有する:
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLRA(化合物201);
HSQGTFTSDYSKYLD‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐KAAHDFVEWLLRA(化合物202);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWL(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐RA(化合物203);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAA‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐DFVEWLLRA(化合物204);
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLL‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐A(化合物205);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLRA(化合物206);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐AARDFVAWLLRA(化合物207);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物208);
【0197】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLL‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐A(化合物209);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVE()WLLK()A(化合物210);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLKA(化合物211);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLRA(化合物212);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAA‐K(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐DFVAWLLRA(化合物213);
【0198】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ドデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物214);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル[3‐アミノプロパノイル])‐AAHDFVEWLLSA(化合物215);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル[8‐アミノオクタノイル])‐AAHDFVEWLLSA(化合物216);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐ε‐Lys)‐AAHDFVEWLLSA:(化合物217);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル)‐AAHDFVEWLLSA(化合物218);
【0199】
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K(オクタデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物219);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K([2‐ブチルオクタノイル]‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物220);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル[4‐アミノブタノイル])‐AAHDFVEWLLSA(化合物221);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K(オクタデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物222);
HSQGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐E)‐AAHDFVEWLLSA(化合物223);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル)‐AAHDFVEWLLSA(化合物224);
【0200】
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(オクタデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物225);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K([2‐ブチルオクタノイル]‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物226);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル[4‐アミノブタノイル])‐AAHDFVEWLLSA(化合物227);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)SA(化合物228);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)EA(化合物229);
【0201】
HSQGTFTSDYSKYLDRARAEDFVAWLK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)ST(化合物230);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVEWLK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)ST(化合物231);
H‐DSer‐QGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)ST(化合物232);
HSQGTFTSDYSKYLDRARAHDFVAWLK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)ST(化合物233);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)ST(化合物234);
HSQGTFTSDYSKYLDK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐ARADDFVAWLKST(化合物235);
【0202】
HSQGTFTSDYSKYLDRAK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐ADDFVAWLKST(化合物236);
HSQGTFTSDYSKYLDRARAK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐DFVAWLKST(化合物237);
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVK(ヘキサデカノイル‐γ‐Glu)‐WLKST(化合物238);
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(オクタデカノイル‐γ‐Glu)‐AAHDFVEWLLSA(化合物239);または
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDS‐K(ヘキサデカノイル‐E)‐AAHDFVEWLLSA(化合物240);
「()」で印を付けた残基は、ラクタム環などの分子内結合に参加する。
【0203】
あるいはまたは加えて、本発明の化合物内の1または2以上のアミノ酸側鎖は、例えば溶解性、および/または生体内(例えば血漿中での)半減期、および/または生物学的利用能を増強するために、重合体部分に結合させることもできる。そのような修飾はさらに、治療用タンパク質やペプチドのクリアランス(例えば腎クリアランス)を低減することが知られている。
【0204】
重合体部分は、水溶性(両親媒性(amphiphillc)または親水性)であり、無毒性であり、かつ、医薬的に不活性であることが好ましい。好適な重合体部分には、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGのホモポリマーもしくはコポリマー、PEGのモノメチル置換重合体(mPEG)、またはポリオキシエチレン・グリセロール(POG)が含まれる。例えば、Int. J. Hematology 68: 1 (1998); Bioconjugate Chem. 6: 150 (1995); and Crit. Rev. Therap. Drug Carrier Sys. 9:249 (1992)を参照のこと。
【0205】
他の好適な重合体残基には、ポリ‐アミノ酸、例えばポリ‐リジン、ポリ‐アスパラギン酸およびポリ‐グルタミン酸などが含まれる(例えば、Gombotz, et al. (1995) , Bioconjugate Chem. , vol. 6 : 332-351 ; Hudecz, et al. (1992) , Bioconjugate Chem. , vol. 3, 49-57; Tsukada, et al. (1984) , J. Natl. Cancer Inst. , vol 73, : 721 -729; and Pratesi, et al. (1985), Br. J. Cancer, vol. 52: 841-848を参照のこと)。
【0206】
重合体部分は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。それは、500〜40000Da、例えば500〜10000Da、1000〜5000Da、10000〜20000Da、または20000〜40000Daの分子量を持ち得る。
【0207】
化合物は2つ以上のそのような部分を含んでなることもできるが、その場合、そのような部分全部の総分子量は一般に、先に与えられた範囲内に収まる。
【0208】
重合体部分は、アミノ酸側鎖のアミノ、カルボキシルまたはチオール基に(共有結合によって)連結され得る。好ましい例は、Cys残基のチオール基やLys残基のイプシロン・アミノ基であり、そしてAspおよびGlu残基のカルボキシル基もまた使用され得る。例えば、重合体部分は、16、17、18、20、21、24または29位のうちの1もしくは2以上にて残基の側鎖またはペプチドのC末端に連結され得る。例えば、それは、16、17、21および24位の1もしくは2以上で連結され得る。
【0209】
当業者(The skilled reader)は、連結反応を実施するのに使用できる好適な技術をよく知っている。例えば、メトキシ基を保有するPEG部分は、Nektar Therapeutics ALからの市販されている試薬を使用したマレイミド結合によってCysチオール基と連結できる。また、WO2008/101017および好適な化学の詳細について先に引用した引用文献も参照のこと。
【0210】
生物学的活性
GLP‐1またはグルカゴン(Glu)受容体への関連化合物の結合を、アゴニスト活性の指標として使用できるが、一般に、関連受容体へのかかる化合物の結合によって引き起こされる細胞内シグナル伝達を計測する生物学的アッセイを使用することが好ましい。例えば、グルカゴン作動薬によるグルカゴン受容体の活性化は、細胞サイクリックAMP(cAMP)形成を刺激する。同様に、GLP‐1作動薬によるGLP‐1受容体の活性化は、細胞cAMP形成を刺激する。よって、これらの2つの受容体のうちの一方を発現している好適な細胞におけるcAMPの産生は、関連する受容体活性を観察するのに使用できる。従って、それぞれ一方の受容体を発現しているが、もう一方を発現していない細胞型の好適な対の使用は、両タイプの受容体に対するアゴニスト活性を測定するのに使用できる。
【0211】
当業者は好適なアッセイ形式を認識し、そして実施例が以下に提供されている。GLP‐1受容体および/またはグルカゴン受容体は、実施例に記載のとおり受容体の配列を持つことができる。例えば、アッセイには、一次受入番号GI:4503947のヒト・グルカゴン受容体(グルカゴンR)および/または一次受入番号GI:166795283のヒト・グルカゴン様ペプチド1受容体(GLP‐1R)を使用することもできる(前駆タンパク質の配列に関する場合には、シグナル配列を欠いた成熟タンパク質をアッセイに利用することはもちろん理解されるべきである)。
【0212】
所定の受容体における作動薬の効力の数的評価基準としてEC50値が使用されることもある。EC50値は、特定のアッセイにおいてその化合物の最大活性の半分を達成するのに必要とされる化合物の濃度の評価基準である。よって、例えば、特定のアッセイにおいてグルカゴンのEC50[GLP‐1R]より低いEC50[GLP‐1R]を有する化合物は、グルカゴンよりもGLP‐1Rにおいてさらに高い効力を有すると考えることができる。
【0213】
この明細書に記載の化合物は通常、Glu‐GLP‐1(グルカゴン‐GLP‐1)二重作動薬であり、すなわち、それらはグルカゴン受容体とGLP‐1受容体の両方においてcAMP形成を刺激することができる。それぞれの受容体の刺激は独立したアッセイにより計測され、その後互いに比較できる。
【0214】
所定の化合物に関するGLP‐1受容体についてのEC50値(EC50[GLP‐1R])とグルカゴン受容体についてのEC50値(EC50[グルカゴンR])を比較することによって、その化合物の相対グルカゴン選択性(%)が求められる:
【0215】
相対グルカゴンR選択性[化合物]=(1/EC50[グルカゴンR])x100/(1/EC50[グルカゴンR]+1/EC50[GLP‐1R])
【0216】
相対GLP‐1R選択性も同様に求められる:
【0217】
相対GLP‐1R選択性[化合物]=(1/EC50[GLP‐1R])x100/(1/EC50[グルカゴンR]+1/EC50[GLP‐1R])
【0218】
化合物の相対的選択性は、GLP‐1またはグルカゴン受容体に対するその効果をもう片方の受容体に対するその効果と直接比較することを可能にする。例えば、より高い化合物の相対GLP‐1選択性は、グルカゴン受容体と比較したときにGLP‐1受容体に対してその化合物がより効果的であるということである。
【0219】
以下で記載したアッセイを使用して、我々は、ヒト・グルカゴンに関する相対GLP‐1選択性が約5%であることを求めた。
【0220】
本発明の方法に使用するための化合物は、通常ヒト・グルカゴンに比べてより高い相対GLP‐1R選択性を有する。よって、特定のレベルのグルカゴンRアゴニスト活性に関して、化合物は、グルカゴンに比べてより高いレベルのGLP‐1Rアゴニスト活性(すなわち、GLP‐1受容体においてより優れた効力)を示す。当然のことながら、グルカゴン受容体およびGLP‐1受容体における特定の化合物の絶対効力は、適当な相対GLP‐1R選択性が達成されている限り、天然ヒト・グルカゴンより高くても、より低くても、またはほぼ同等であってもよい。
【0221】
それにもかかわらず、化合物は、ヒト・グルカゴンより低いEC50[GLP‐1R]を有することもある。化合物は、グルカゴンより低いEC50[GLP‐1R]を有することもある一方で、ヒト・グルカゴンのものより10倍弱高い、ヒト・グルカゴンのものより5倍弱高い、またはヒト・グルカゴンのものより2倍弱高いEC50[グルカゴンR]を維持している。
【0222】
化合物は、ヒトグルカゴンのものより2倍弱であるEC50[グルカゴンR]を有することができる。化合物は、ヒト・グルカゴンのものの2倍弱であるEC50[グルカゴンR]を有することができ、かつ、ヒト・グルカゴンのそれの半分未満、ヒト・グルカゴンのものの5分の1未満、またはヒト・グルカゴンのものの10分の1未満であるEC50[GLP‐1R]を有する。
【0223】
化合物の相対GLP‐1選択性は、10%〜95%であり得る。例えば、化合物は、10〜20%、10〜30%、20〜50%、30〜70%、または50〜80%;または30〜50%、40〜60%、50〜70%または75〜95%の相対選択性を有し得る。
【0224】
治療用途
本発明の方法は、例えば心臓の筋肉(心筋)自体の機能不全がある場合に、直接心機能を改善することが望ましい病気に適用できる。そのような病気には、心筋梗塞、心不全、および心原性ショックが含まれる。陽性変力剤は、心筋収縮の強度を増強するので、血行動態パラメータを改善し、その結果、症状を軽減して、心筋梗塞、心原性ショック、または心不全を患っている患者の末梢臓器を保護するのに使用される。ドブタミン、ノルエピネフリンやグルカゴンなどの既知の変力剤は増大した心臓のエネルギー要求を犠牲にしてそれらの効果(心臓の仕事量の増大)を発揮するので、そのため(例えば、総ホスホクレアチン(PCr)、総ATPによって、またはPCr/ATP、ATP/ADPまたはATP/アデニル酸比によって計測される)心臓のエネルギー貯蔵に対して重篤な枯渇作用を持つ可能性がある。機能不全または病的な心臓はエネルギー不足であることが多いので、そのため変力剤の使用がエネルギー枯渇、そしてその結果、不整脈の発生増加、ならびに短期および長期死亡率の上昇を招く可能性がある(Jessup M et al., Circulation 2009; 1 19: 1977-2016)。このため、心不全の処置のための現在のガイドラインには、陽性変力剤は「難治性末期心不全を患っている患者の症状の緩和のためにのみ考慮されるべきである」(Dickstein K et al., Eur Heart J 2008;29:2388-2442)、およびそのような医薬品は「十分な臓器血流が復元され次第、および/または鬱血が緩和され次第、使用をやめる」べきである(Jessup et al.,前掲)と記載されている。通常、その時、変力剤は、患者の状態を安定させるためにだけ投与されるが、数時間後または数日後には使用が中止される。
【0225】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、本発明の方法における使用のための先に記載した化合物が、(それらは異なった機構によって、例えば異なった受容体を介してそれらの有益な心臓効果を発揮し得るが)グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬として作用すると考えられている。それらは、特に心臓のエネルギー状態を保持するか、または少なくとも先に議論した他の変力剤より低い程度でしか高エネルギーリン酸塩の蓄えを使わずに、心筋代謝を同時に改善しながら、心臓の変力を増強することが、驚くべきことに確認された。そのため、それらは心筋梗塞、心不全、心原性ショック、または心臓のエネルギー状態を低下させることなく増強された心臓の変力が所望されるその他の病気、すなわち、組織代謝の要件に相応の速度での心臓の血液噴出を不可能にする、および/または異常に高い心室弛緩期容積のみ心臓を異常にさせる心臓機能のあらゆる異常、に罹患している個体を処置するのに特に有用である。これには、これだけに限定されるものではないが、鬱血性心不全、収縮機能障害、拡張機能障害、心筋梗塞、虚血性心疾患、糖尿病性心筋症、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0226】
心筋エネルギー状態は、総ホスホクレアチン(PCr)、総ATP、またはPCr/ATP、ATP/ADPまたはATP/AMP比を測定することによって観察することができる。そのような測定を、(例えば、Ally A and Park G. Rapid determination of creatine, phosphocreatine, purine bases and nucleotides (ATP, ADP, AMP, GTP, GDP) in heart biopsies by gradient ion-pair reversed-phase liquid chromatography. J Chromatogr 1992;575: 19-27に記載のとおりの)生検によって、または磁気共鳴分光(Neubauer S et al., Myocardial phosphocreatine-to-ATP ratio is a predictor of mortality in patients with dilated cardiomyopathy. Circulation 1997;96:2190-2196; Yabe T et al., Quantitative measurements of cardiac phosphorus metabolites in coronary artery disease by 31P magnetic resonance spectroscopy. Circulation 1995;92:15-23)によってすることができる。
【0227】
陽性変力作用を有すると同時に心筋代謝を改善することによって、本願発明による使用のための化合物は、現在の陽性変力剤に比べてより少ない不整脈および/または低い死亡率と関係し得る。その結果、本発明の方法は、それほど重症ではない疾患を患っている患者に、および/またはより長い間のそれらの重症の心不全を患っている患者において、現在推奨されているものより長期間使用できる。
【0228】
例えば、対象は、好適な化合物で12時間超、24時間超、36時間超または48時間超、処置され得る。例えば対象は、3日間超の期間、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14日間超、処置され得る。患者は、2週間超、3週間超または4週間超の期間、処置され得る。患者は、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月または5カ月超の期間、すなわち慢性/生涯にわたる処置がなされ得る。
【0229】
患者は、例えば、1週間〜6週間、例えば2週間〜6週間、3週間〜6週間、4週間〜6週間、または5週間〜6週間の期間、処置され得る。
【0230】
患者は、1週間〜5週間、例えば2週間〜5週間、3週間〜5週間、4週間〜5週間の期間、処置され得る。
【0231】
患者は、1週間〜4週間、例えば2週間〜4週間、3週間〜4週間の期間、処置され得る。
【0232】
患者は、1週間〜3週間、例えば2週間〜3週間の期間、処置され得る。
【0233】
例えば、患者は、1週間〜6カ月、または1週間〜5カ月、1週間〜4カ月、1週間〜3カ月、1週間〜2カ月、または1週間〜1カ月の期間、処置され得る。
【0234】
患者は、2週間〜6か月、例えば2週間〜5か月、2週間〜4カ月、2週間〜3カ月、2週間〜2カ月、または2週間〜1カ月の期間、処置され得る。
【0235】
患者は、3週間〜6か月、例えば、3週間〜5か月、3週間〜4カ月、3週間〜3カ月、3週間〜2カ月、または3週間〜1カ月の期間、処置され得る。
【0236】
患者は、4週間〜6か月、例えば4週間〜5か月、4週間〜4カ月、4週間〜3カ月、4週間〜2カ月、または4週間〜1カ月の期間、処置され得る。
【0237】
患者は、1カ月〜6カ月、例えば2カ月〜6カ月、3カ月〜6カ月、4カ月〜6カ月、5カ月〜6カ月の期間、処置され得る。
【0238】
患者は、1カ月〜5カ月、例えば2カ月〜5カ月、3カ月〜5カ月、4カ月〜5カ月の期間、処置され得る。
【0239】
患者は、1カ月〜3カ月、例えば2カ月〜3カ月の期間、処置され得る。
患者は、1カ月〜2カ月の期間、処置され得る。
【0240】
本発明によるいくつかの場合では、処置は、一日二回または一日一回の連続点滴の投薬計画を含んでなることもできる。
【0241】
一日一回、一日二回、一週間に一回、二週間に一回または一カ月に一回の投薬計画を含めた、その他の投薬計画が企図される。
【0242】
医薬組成物
当該発明の使用のために記載の化合物またはその塩は、貯蔵または投与向けに調製された医薬組成物として処方されてもよく、その医薬組成物は、医薬的に許容し得る担体中に治療上有効な量の化合物またはその塩を通常含んでなる。
【0243】
投与されるべき正確な量は、投与経路、処置される哺乳動物のタイプ、および考慮している特定の哺乳動物の物理的特性に依存する。これらの因子とこの量を決定するためのそれらの相関は、医学分野の熟練した開業医にとって周知である。この量と投与方法は、最適な有効性を達成するために調整されることができ、医学分野の当業者に周知である体重、食餌、併用投薬、および他の要素といった要因に依存し得る。ヒトでの使用に最も適当である投薬量レベルおよび投薬計画は、本発明によって得られた結果に基づいて確立してもよく、適切に設計された臨床試験で確認されてもよい。
【0244】
有効投薬量および治療プロトコールは、実験動物における低用量から出発して、次に効果を観察しながら投薬量を増大させ、系統的に投薬計画を変えて、従来の手段によって決定され得る。所定の対象についての最適な用量を決定するとき、臨床医は多数の要因を考慮に入れることができる。そのような考慮事項は、当業者にとって公知である。
【0245】
「医薬的に許容し得る担体」という用語には、あらゆる標準的な医薬担体が含まれる。治療用途のための医薬的に許容し得る担体は、医薬的技術分野で周知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A. R. Gennaro edit. 1985)中に記載されている。例えば、弱酸性のまたは生理的pHの無菌の生理的食塩水やリン酸緩衝生理的食塩水を使用してもよい。pH緩衝剤は、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N‐トリス(ヒドロキシメチル)メチル‐3‐アミノプロパン・スルホン酸(TAPS)、重炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、好ましい緩衝液であるヒスチジン、アルギニン、リジンまたは酢酸塩、あるいはそれらの混合物であってもよい。前記用語は、ヒトを含めた動物における使用のためにUS薬局方に掲載されたあらゆる医薬がさらに包含される。
【0246】
「医薬的に許容し得る塩」という用語は、二重作動薬化合物の塩を指す。医薬的に許容し得る塩には、通常酸付加塩や塩基性塩などが含まれる。医薬的に許容し得る酸付加塩の例には、塩酸塩、クエン酸塩、および酢酸塩が含まれる。医薬的に許容し得る塩基性塩の例には、陽イオンがアルカリ金属、例えばナトリウムやカリウム、アルカリ土類金属、例えばカルシウムやアンモニウムイオン+N(R33(R4){ここで、R3およびR4は、独立に、任意に置換されたC1‐6‐アルキル、任意に置換されたC2‐6‐アルケニル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールを表す。}から選択される塩が含まれる。医薬的に許容し得る塩のその他の例は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」,17th edition. Ed. Alfonso R. Gennaro (Ed.), Mark Publishing Company, Easton, PA, U.S.A., 1985、並びにさらに最新の版、およびEncyclopaedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0247】
「処置」は、有益なまたは所望の臨床結果を得るためのアプローチである。本願発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果には、検出可能であるか検知不可能であるかにかかわらず、症状の緩和、疾患の範囲の縮小、安定化した(すなわち、悪化しない)病状、疾患進行の遅延または減速、病状の改善または緩和、および(部分的であるか全体的であるかにかかわらず)寛解が含まれるが、これだけに限定されるものではない。「処置」はさらに、処置を受けなかった場合に予想された生存と比較して生存を長引かせることを意味することもできる。「処置」は、障害の発生を予防するかまたは病理を変更することを企図して実施される干渉である。従って、「処置」は、治療処置と予防対策(prophylactic or preventative measures)の両方を指す。処置を必要とする人には、既に障害を患っている人、並びに障害を予防すべき状態にある人が含まれる。
【0248】
医薬組成物は単位剤形(unit dosage form)であることができる。そのような形態では、組成物は適当な数量の活性成分を含む単位用量に分割される。単位剤形は、パッケージ化された調製物であることができ、そのパッケージには、個別の分量の調製物、例えばパックされた錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤が含まれている。単位剤形はまた、カプセル剤、カシェ剤、それ自体の錠剤であることもできるが、またはそれは、これらのいずれかを適当な数パッケージ化した形態であることもできる。それは、例えばペン形で、単回投与注射剤型で提供することもできる。組成物は、あらゆる好適な投与経路および手段のために処方され得る。医薬的に許容し得る担体または希釈剤には、経口投与、直腸投与、経鼻投与、(頬側や舌下を含めた)局所投与、膣投与または(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、および経皮を含めた)非経口投与に好適な製剤に使用されるものが含まれる。製剤は、都合よく、単位剤形で提供されることができ、そして薬学の技術分野で周知の方法のいずれかによって調製されることができる。
【0249】
静脈内、皮下または経皮様式の投与が、本明細書中に記載した化合物にとって特に好適であり得る。
【0250】
併用療法
先に記載した化合物は、心不全、糖尿病、肥満、心筋梗塞、高血圧、または低脂血症の処置のための薬剤と共に併用療法の一部として投与することもできる。
【0251】
そのような場合、2種類の活性物質は、同じ医薬製剤の一部としてまたは別々の製剤として、一緒にまたは別々に与えられることができる。
【0252】
よって、化合物(またはその塩)は、これだけに限定されるものではないが、メトホルミン、スルホニル尿素、グリニド、DPP‐IV阻害剤、グリタゾン、またはインスリンを含めた他の抗糖尿病薬と組み合わせて使用できる。好ましい実施形態では、化合物またはその塩は、適当な血糖コントロールを達成するためにインスリン、DPP‐IV阻害剤、スルホニル尿素またはメトホルミン、特にスルホニル尿素またはメトホルミンと組み合わせて使用される。よりいっそう好ましい実施形態では、化合物またはその塩は、適当な血糖コントロールを達成するために、インスリンまたはインスリン類似体と組み合わせて使用される。インスリン類似体の例には、Lantus(商標)、Novorapid(商標)、Humalog(商標)、Novomix(商標)、およびActraphane HM(商標)が含まれるが、これだけに限定されるものではない。
【0253】
化合物またはその塩は、これだけに限定されるものではないが、グルカゴン様ペプチド受容体1作動薬、ペプチドYYまたはその類似体、カンナビノイド受容体1拮抗薬、リパーゼ阻害剤、メラノコルチン受容体4作動薬、またはメラニン濃縮ホルモン受容体1拮抗薬を含めた抗肥満薬と組み合わせてさらに使用されることができる。
【0254】
類似体化合物またはその塩は、これだけに限定されるものではないが、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)、利尿剤、ベータ遮断薬、またはカルシウムチャネル遮断薬を含めた抗高血圧剤と組み合わせて使用されることもできる。
【0255】
類似体化合物またはその塩は、これだけに限定されるものではないが、利尿剤、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)、アルドステロン拮抗剤、ジキタリス、急性変力剤および変力拡張薬を含めた心筋梗塞、心不全または心原性ショックの処置のための薬剤と組み合わせて特に使用される。
【0256】
類似体化合物またはその塩は、これだけに限定されるものではないが、スタチン(HMG‐CoA還元酵素阻害剤)、フィブレート、およびナイアシンを含めたコレステロール調節剤などの抗脂血薬の数種類と組み合わせて特に使用される。
【0257】
組み換え発現
本発明における使用のための化合物は、特に天然に存在するアミノ酸から完全に構成されているときには、遺伝子組み換え技術によって発現させることができる。組み換え発現のために、通常、関連化合物をコードする核酸は、好適なベクター内に挿入されて、コード配列を保有するクローニングベクターまたは発現ベクターを形成する;そのような新規ベクターもまた本発明の不可欠な要素である。適用の目的およびタイプにより、ベクターは、プラスミド、ファージ、コスミド、ミニ染色体、またはウイルスの形態であり得るが、特定の細胞において一時的に発現されるだけである裸のDNAもまた重要なベクターである。クローニングベクターおよび発現ベクター(プラスミドベクター)は、自動複製が可能であり;それにより、その後のクローニングのための高レベルの発現または高レベルの複製のための高いコピー数を可能にする。
【0258】
一般的な概要では、発現ベクターは、5’→3’の方向で、かつ、作動できるように連結された状態で以下の要素を含んでなる:関連のあるコード核酸の発現を駆動するためのプロモーター、任意には(細胞外相または該当する場合にはペリプラズマ内への)分泌を可能にするリーダーペプチドをコードする核酸配列、化合物をコードする核酸断片、および任意にはターミネータをコードする核酸配列。それらは、追加の要素、例えば選択マーカーや複製開始点などを含んでもよい。生産株または細胞株の中で発現ベクターを操作する場合、ベクターが宿主細胞ゲノム内に組み込まれることができるのは好ましいことであり得る。当業者は、好適なベクターに非常に詳しいので、それらの具体的な必要性に従ってベクターを設計できる。
【0259】
本発明のベクターは、化合物を産生するように宿主細胞を形質転換するために使用される。(本発明の不可欠な要素でもある)そのような形質転換細胞は、本発明の核酸断片およびベクターの伝播のために使用される、または本発明のペプチドの遺伝子組み換え産生のために使用される培養細胞または細胞株であることができる。
【0260】
好ましい宿主細胞は、微生物、例えば細菌(例えばエシェリキア(Escherichia)属(例えばE.コリ(E. coli))、バチルス(Bacillus)属(例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis))、サルモネラ(Salmonella)属、もしくはマイコバクテリウム(Mycobacterlum)属(好ましくは非病原性のもの、例えばM.ボビス(M. bovis)BCG)、酵母(例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)など)、および原虫などである。あるいは、宿主細胞は、多細胞生物に由来することもある、すなわち、それは、真菌細胞、昆虫細胞、植物細胞、または哺乳動物細胞であってもよい。クローニングおよび/または最適化された発現を目的として、宿主細胞が規定通りに核酸断片またはベクターを複製することができるのが好ましい。核酸断片を発現する細胞は、本発明の有用な実施形態である;それらは化合物の小規模または大規模な調製のために使用できる。
【0261】
形質転換細胞によって本発明のペプチドを製造するとき、必須ではないが、発現産物が培地中に分泌されると都合がよい。
【0262】
当然のことながら、そのような核酸、発現ベクターおよび宿主細胞は、化合物自体によって処置できる本明細書中に記載の病気のいずれかの処置に使用できる。例えば、化合物をコードする核酸、特にそのような核酸を含む発現ベクターは、かかる核酸が取り込まれ、そして化合物が対象自身の細胞によって産生されるような対象への直接投与に好適であり得る。化合物は、核酸を含む細胞によって好ましくは分泌される。同様に、化合物を産生し、そして分泌できる宿主細胞が、化合物がその場で産生されるような対象に投与されてもよい。宿主細胞は、受容対象に対する宿主細胞の免疫原性を阻害するか、または低減するために処理(例えば、カプセル化)されてもよい。そのため、化合物を含んでなる治療組成物、化合物の投与、またはそのような化合物のあらゆる治療用途に対する言及は、文脈が他のものを要求していない限り、本明細書中に記載の核酸、発現ベクターまたは宿主細胞の同等の使用を包含すると解釈されるべきである。
【実施例】
【0263】
実施例1.動作心臓モデルにおける変力効果の評価
変力化合物であるグルカゴンおよびグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬(配列HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKSTを有する化合物12)の心臓機能、代謝、およびエネルギー状況に対する効果を、対照およびインスリン抵抗性JCR:LA‐cpラット由来の単離した動作心臓(Lopaschuk, GD and Barr, RL. Measurements of fatty acid and carbohydrate metabolism in the isolated working rat heart. Molecular and Cellular Biochemistry. 1997; 172: 137-147)において評価した。単離した動作心臓にクレブス‐ヘンゼライト液(11mMのグルコース、2000μU/mlのインスリン、1.25mMの遊離型Ca2+、0.8mMのパルミチン酸塩、および3%のBSA)を好気的に潅流し、そして潅流中に、濃度を高めた(10、50、および100mM)グルカゴンまたは化合物12を潅流バッファーに加えた。潅流に続いて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって高エネルギーリン酸ヌクレオチド濃度を計測した(Ally, A and Park, G. Rapid determination of creatine, phosphocreatine, purine bases and nucleotides (ATP, ADP, AMP, GTP, GDP) in heart biopsies by gradient ion-pair reversed-phase liquid chromatography. Journal of Chromatography. 1992; 575: 19-27)。
【0264】
グルカゴンと化合物12は、正常(データ未掲載)およびインスリン抵抗性JCR‐LAラット(図1)の両方の心臓機能に対して同様の変力効果を有していた。心臓機能に対する類似効果と、それによる心臓のエネルギー要求にもかかわらず、グルカゴンと化合物12は、インスリン抵抗性心臓のエネルギー状態に対して統計的に有意に異なった効果を有していた(図2)。具体的には、グルカゴンでの処置は、AMPおよびADPレベルの統計的に有意な増大と、それによるATP/AMPおよびATP/ADP比の低下を引き起こした。しかしながら、化合物12での処置後、心臓のエネルギー状態はビヒクル潅流心臓と大きく変わらなかった。GLP‐1作動薬エキセンジン‐4[1‐39]‐K6(H‐HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAS‐K6‐NH2)(化合物241)による影響は全く観察されなかった(データ未掲載)。
【0265】
実施例2.GLP‐1およびグルカゴン受容体における有効性の測定
ヒト・グルカゴン受容体またはヒトGLP‐1を発現するHEK293細胞(詳細に関して上記を参照)を、0.01%のポリ‐L‐リジンでコートした96ウェルマイクロタイタープレート内に1ウェルあたり40,000個の細胞を播種し、そして100μlの成長培地中の培養下で1日間培養した。分析日に、成長培地を取り除き、そして細胞を200μlのタイロード・バッファーで1回洗浄した。細胞を、濃度を高めた試験ペプチド、100μMのIBMX、および6mMのグルコースを含む100μlのタイロード・バッファー中、37℃にて15分間インキュベートした。反応を、25μlの0.5M HClの添加によって止め、そして氷上で60分間インキュベートした。cAMP内容量を、Perkin‐Elmer製のFlashPlate(登録商標)cAMPキットを使用することで評価した。EC50値を、コンピューターを使った曲線の当てはめによって評価した。
【0266】
表1は、EC50値としてサンプル化合物の結果を示す。
【0267】
【表1】

【0268】
【表2】

【0269】
大かっこ()は、分子内ラクタム環を示している。
【0270】
実施例3.麻酔ラットにおけるインビボでの変力効果の評価
心臓機能および心拍数に対する変力化合物1およびグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬(化合物12)の効果を、約300〜400gの体重の麻酔雄Sprague-Dawleyラット(Taconic)で調べた。
【0271】
ラットを、麻酔が確立されるまで1:2 N2O:O2中の5%のイソフルランに晒した。体温を一定に保ち(37.5±0.5℃)、そして動物に気管内カニューレを通して人工呼吸器につなぎ、麻酔を維持した。
【0272】
薬物投与のためにカテーテルを左大腿静脈内に挿入し、そして圧力‐容積カテーテルを右頚動脈を介して左心室に挿入した。計装後、実験中には純粋なO2中にイソフルランを送った。20分間固定した後に、(7L/分にて)ビヒクルを注入しながら、基準データを15分間記録した。それに続いて、化合物を注入した。2.5nmol/kg/分の用量(または心拍数または心仕事量(stroke work)が40%超増強された場合には、より低い用量)の注入後に、ビヒクルを15分間注入し、その後、動物を安楽死させた。
【0273】
心臓の血行動態パラメータに対する化合物1および様々な二重グルカゴン‐GLP‐1作動薬(化合物7、9、12、35、37、206)の影響を、麻酔ラットで調べた。心臓の心仕事量は、大動脈へと規定量の血液を排出するために、心室が行う必要がある仕事量を説明しているので、それにより心臓の変力状態の良い見本である。各化合物の注入量の関数として計測した心仕事量を、図4a〜dに示す。水平線は心仕事量の40%の増大を記しており、そしてそれを、実験中に得られるべき最大の増大に規定した。化合物1は、この化合物の注入が終わった後に、それぞれ0.1および0.2nmol/kg/分の注入速度(図4bおよび4c)において約40%まで心仕事量を増強する。化合物12と化合物7を除いて、すべての二重グルカゴン‐GLP‐1作動薬が、所定の注入速度で心仕事量を40%まで増強した。アシル化され、その結果、より安定した化合物206は、化合物注入より長持ちし、そして最後のビヒクル注入の間中、高いまま維持される心仕事量の長期的な増加を示した。
【0274】
同じ実験において、心拍数を血行動態パラメータから計算し、そして結果を各注入速度に関して心拍数の変化を示す図5に載せる。各棒グラフが異なった化合物を表す。0.1nmol/kg/分とそれより高い用量にて、化合物1は、対照と比較して、心拍数の有意な増大を示した(図5bおよびc)。その他の化合物はいずれも心拍数における有意な用量依存的変化を示さなかったが、化合物35および37の両方に関しては、0.2および0.5nmol/kg/分にて心拍数を増強する傾向があった(図5cおよびd)。
【0275】
先の結果と関連して、グルカゴンが心臓収縮能を増強することは知られているが、付随する心拍数の増大が心筋酸素需要の増大につながり、そしてそれが、冠動脈障害を患っている患者の狭心症を助長し、その結果、心不全患者への有意な危険性をもたらす可能性がある。当該実験は、二重グルカゴン‐GLP‐1作動薬がグルカゴンと同程度まで心臓の変力状態を改善することを示すが、変力の増大が、グルカゴンの注入で観察されたような心拍数の増強につながっていないように思える。総合すれば、先に示した結果は、二重グルカゴン‐GLP‐1作動薬が、グルカゴンによって観察された付随する心拍数の増加を引き起こすことなく心臓収縮を改善することによって作用するということを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における心臓病または心機能不全、例えば鬱血性心不全、収縮機能障害、拡張機能障害、心筋梗塞、虚血性心疾患、糖尿病性心筋症、またはそれらの組み合わせの処置方法であって、前記対象に陽性変力剤としてグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬を投与することを含んでなる前記方法。
【請求項2】
前記対象が、12時間超、24時間超、36時間超、48時間超、3日間超、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13もしくは14日間、2週間超、3週間超、4週間超、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月または5カ月超の期間にわたってグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬で処置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象が、以下の期間:
1週間〜6週間、2週間〜6週間、3週間〜6週間、4週間〜6週間、5週間〜6週間、1週間〜5週間、2週間〜5週間、3週間〜5週間、4週間〜5週間;
1週間〜4週間、2週間〜4週間、3週間〜4週間;
1週間〜3週間、2週間〜3週間;
1週間〜6カ月、1週間〜5カ月、1週間〜4カ月、1週間〜3カ月、1週間〜2カ月、1週間〜1カ月;
2週間〜6か月、2週間〜5か月、2週間〜4カ月、2週間〜3カ月、2週間〜2カ月、2週間〜1カ月;
3週間〜6か月、3週間〜5か月、3週間〜4カ月、3週間〜3カ月、3週間〜2カ月、3週間〜1カ月;
4週間〜6か月、4週間〜5か月、4週間〜4カ月、4週間〜3カ月、4週間〜2カ月、4週間〜1カ月;
1カ月〜6カ月、2カ月〜6カ月、3カ月〜6カ月、4カ月〜6カ月、5カ月〜6カ月;
1カ月〜5カ月、2カ月〜5カ月、3カ月〜5カ月、4カ月〜5カ月;
1カ月〜3カ月、2カ月〜3カ月;または1カ月〜2カ月、
にわたり処置される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、静脈内、皮下または経皮経路によって投与される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、心不全、糖尿病、肥満、心筋梗塞、低脂血症または高血圧の処置のための薬剤と組み合わせて投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、以下の式:
1‐X‐Z1‐Z2‐R2
{式中、
1が、水素、C1‐4アルキル(例えば、メチル)、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
Xが、以下の式I:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐X10‐Ser‐X12‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐X17‐X18‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
(式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、α,α‐ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、N‐メチルHis、α‐メチルHisまたはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、AibまたはD‐Serであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X10が、TyrまたはTrpであり;
X12が、Lys、Arg、His、Ala、Leu、Dpu、Dpr、Orn、シトルリンまたはオルニチンであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Thr、Lys、Arg、His、Glu、Asp、Ala、Gly、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X17が、Arg、Lys、His、Glu、Gln、Ala、Leu、Dpu、Dpr、Orn、Cys、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X18が、Arg、Lys、His、Tyr、Ala、Ser、Leu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X20が、Gln、Lys、Arg、His、Glu、Asp、Ala、Cys、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Asp、Glu、Gln、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、Val、IleまたはLeuであり;
X24が、Gln、Lys、Arg、Glu、Asp、Ser、Ala、Leu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、Lys、Arg、Glu、Leu、Nle、Cysまたは不存在であり;
X28が、Asn、Lys、Arg、Glu、Asp、Ser、Ala、Leu、Cys、シトルリン、Orn、または不存在であり;
X29が、Thr、Lys、Arg、Glu、Ser、Ala、Gly、Cys、Orn、ホモシステイン、アセチルフェニルアラニンまたは不存在である)を有し;
2が、NH2またはOHであり;
1が、不存在であるかまたは以下の配列:
Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser;
Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys;
Lys-Arg-Asn-Arg-Asn-Asn-Ile-Ala;または、
Lys-Arg-Asn-Arg;
を有し;
2が、不存在であるかまたはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列であり;
式中、Z1が存在している場合には、X27、X28、およびX29も存在し;そして
1が不存在である場合には、当該化合物には、位置X1、X2、X3、X10、X12、X15、X16、X17、X18、X20、X21、X23、X24、X27、X28、およびX29のうちの1もしくは2以上にてヒト・グルカゴンに対する置換または欠失がある}を有する化合物、または医薬的に許容し得るその塩または誘導体であって、ここで、前記化合物はヒト・グルカゴンより高いGLP‐1受容体選択性を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式IV:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Ile‐Glu‐Trp‐Leu‐Leu‐Ser‐Ala
を有するペプチドであるか、或いは、式IVと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lys、Argから選択され;
18位の残基が:Alaであり;
20位の残基が:Gln、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
23位の残基が:Valであり;
24位の残基が:Gln、Asp、Lys、Arg、Alaから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lysから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Ala、Glu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Argから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大4か所にて式IVと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成る配列である}を有するか、または医薬的に許容し得るその塩である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記Xが、式IVと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lysから選択され;
20位の残基が:Gln、Arg、Gluから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lysから選択され;および
28位の残基が:Asn、Arg、Alaから選択される;
のうちの最大4か所にて式IVと異なる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記Xが、式IVと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lysから選択され;および
20位の残基が:Gln、Arg、Gluから選択される;
のうち最大3か所にて式IVと異なる、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記Xが、式IVと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:D‐Ser、Aibから選択され;
16位の残基が:Ser、Asp、Lysから選択され;
18位の残基が:Alaであり;および
20位の残基が:Gln、Arg、Gluから選択される;
のうちの最大4か所にて式IVと異なる、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記Xが、式IVと異なる場合には、以下の位置:
23位の残基が:Valであり;
24位の残基が:Gln、Asp、Lys、Arg、Alaから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lysから選択され;および
28位の残基が:Asn、Arg、Alaから選択される;
のうちの最大4か所にて式IVと異なる、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
1もしくは2以上の分子内架橋が、前記ペプチド配列Xの中に形成される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記の各架橋が、Xの線形配列の中で3アミノ酸だけ離れたXの2つのアミノ酸残基の側鎖間で形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記の16位と20位の残基が塩橋を形成する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記の16位と20位の残基が、以下の:
16‐Asp、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;および
16‐Arg、20‐Glu;
から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
20位と24位の残基が塩橋を形成する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項17】
前記の20位と24位の残基が、以下の:
20‐Asp、24‐Lys;
20‐Glu、24‐Lys;
20‐Asp、24‐Arg;
20‐Glu、24‐Arg;
20‐Lys、24‐Asp;
20‐Arg、24‐Asp;
20‐Lys、24‐Glu;および
20‐Arg、24‐Glu;
から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記Xが、以下の残基のセット:
20‐Lys、24‐Glu;
20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu;
16‐Glu、20‐Lys、24‐Glu;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys、29‐Ala;
16‐Glu、20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu;
16‐Glu、20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu、29‐Ala;
16‐Glu、20‐Lys、24‐Glu、29‐Ala;
20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu、29‐Ala;
27‐Leu、28‐Ser、29‐Ala;
29‐Ala;
16‐Ser;
20‐Gln;
23‐Val;
24‐Gln;
16‐Ser、20‐Gln;
16‐Asp、20‐Arg、24‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;
24‐Arg;または
28‐Arg;
のうちの1または2以上を含んでなる、請求項7〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記Xが、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDERRAQDFIEWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVEWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIQWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFIEWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDDRRARDFIDWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDKRRAEDFIKWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIRWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIEWLLRA;
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAKDFIEWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDERAAKDFIEWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIDWLLSA;
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIEWLLAA;または
HSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFIEWLLSA;
を有する、請求項7〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、水素、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式II:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Arg‐Ala‐Arg‐Ala‐Asp‐Asp‐Phe‐Val‐Ala‐Trp‐Leu‐Lys‐Glu‐Ala
を有するペプチドであるか、または式IIと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Lys、Asp、Gluであり;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Lys、Arg、Gluから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
24位の残基が:Gln、Leu、Glu、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Arg、Glu、Leuから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Ser、Arg、Lys、Ala、Leu、Glu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大4か所にて式IIと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成る配列である}を有するか、または医薬的に許容し得るその塩である、請求項6に記載の方法。
【請求項21】
前記Xが、式IIと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Glu、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Arg、Glu、Leuから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Arg、Lys、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIと異なる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記Xが、残基27‐Lysおよび28‐Serを含んでなる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記Xが、式IIと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Glu、Lys、Argから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの1または2か所にて式IIと異なる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
1もしくは2以上の分子内架橋が、前記ペプチド配列Xの中に形成される、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記の各架橋が、Xの線形配列の中で3アミノ酸だけ離れたXの2つのアミノ酸残基の側鎖間で形成される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記の16位と20位の残基が塩橋を形成する、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記塩橋が、以下の残基対:
16‐Asp、20‐Lys;
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;および
16‐Arg、20‐Glu;
のうちのいずれか1つの間に形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記Xが、以下の残基のセット:
16‐Arg;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp、24‐Ala;
16‐Arg、20‐Asp、27‐Lys、28‐Ser;
16‐Arg、20‐Asp、29‐Ala;
16‐Arg、27‐Lys、28‐Ser;
16‐Arg、27‐Lys、28‐Ser、29‐Ala;
24‐Ala、27‐Lys、28‐Ser;
24‐Ala、27‐Lys、28‐Ser、29‐Ala;
24‐Ala;
27‐Lys;
28‐Ser;
20‐Glu、28‐Ser、29‐Thr;
24‐Glu、28‐Ser、29‐Thr;
27‐Glu、28‐Arg;
2‐D‐Ser、28‐Ser、29‐Thr;または、
20‐His、28‐Ser、29‐Thr;
のうちの1または2以上を含んでなる、請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記Xが、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKSA;
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKEA;
HSQGTFTSDYSKYLDRARAEDFVAWLKST;
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVEWLKST;
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLERA;
H‐DSer‐QGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKST;
HSQGTFTSDYSKYLDRARAHDFVAWLKST;または
HSQGTFTSDYSKYLDRARADDFVAWLKST;
を有する、請求項20〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式III:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Leu‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Ile‐Glu‐Trp‐Leu‐Glu‐Ser‐Ala
を有するペプチドであるか、または式IIIと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Gly、Aspから選択され;
17位の残基が:Lys、Leuから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、His、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
23位の残基が:Val、Leuから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Leuから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Glu、Ala、Leu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列である}を有するか、または医薬的に許容し得るその塩である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記Xが、式IIIと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
17位の残基が:Lys、Leuから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;
23位の残基が:Val、Leuから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Leuから選択され;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記Xが、式IIIと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
17位の残基が:Lys、Leuから選択され;
18位の残基が:Lys、His、Ala、Ser、Tyrから選択され;および
23位の残基が:Val、Leuから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なる、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記Xが、式IIIと異なる場合に、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
23位の残基が:Val、Leuから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Leuから選択され;
28位の残基が:Asn、Arg、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式IIIと異なる、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記Xが、以下の残基のセット:
20‐Lys、24‐Glu;
20‐Lys、24‐Glu、29‐Ala;
20‐Lys、23‐Ile、24‐Glu;
27‐Glu、28‐Ser、29‐Ala;
29‐Ala;
20‐Gln;
23‐Val;
24‐Gln;
29‐Thr;
27‐Met、28‐Asn、29‐Thr;
20‐Gln、23‐Val、24‐Gln;
20‐Glu、24‐Lys;または
28‐Arg;
の1もしくは2以上を含んでなる、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
1もしくは2以上の分子内架橋が、前記ペプチド配列Xの中に形成される、請求項30〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記の各架橋が、Xの線形配列の中で3アミノ酸だけ離れたXの2つのアミノ酸残基の側鎖間で形成される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記架橋が、残基対16と20、17と21、20と24、または24と28の側鎖間で形成される、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記の20位と24位の残基が分子内架橋を形成する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記の20位と24位の残基が、以下の:
20‐Asp、24‐Lys;
20‐Glu、24‐Lys;
20‐Asp、24‐Arg;
20‐Glu、24‐Arg;
20‐Lys、24‐Asp;
20‐Arg、24‐Asp;
20‐Lys、24‐Glu;および
20‐Arg、24‐Glu;
から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記Xが、以下の配列:
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAQDFIEWLESA;
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFVEWLESA;
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIQWLESA;
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIEWLEST;
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIEWLMNT;
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAQDFVQWLESA;
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAEDFIKWLESA;または
HSQGTFTSDYSLYLDSRRAKDFIEWLERA;
を有する、請求項30〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式V:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Lys‐Ala‐Ala‐His‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Leu‐Arg‐Ala
を有するペプチドであるか、または式Vと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
12位の残基が:Leu、Arg、Dpu、Dpr、Ornから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Aspから選択され;
17位の残基が:Arg、Leu、Dpu、Dpr、Ornから選択され;
18位の残基が:Arg、Lys、His、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大4か所にて式Vと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列である}を有するか、または医薬的に許容し得るその塩である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記Xが、式Vと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Gluから選択され;
17位の残基が:Arg、Leuから選択され;
18位の残基が:Arg、Lys、His、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式Vと異なる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記Xが、式Vと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式Vと異なる、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記Xが、以下の残基のセット:
17‐Lys、18‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、20‐His;
17‐Leu、18‐Ala、20‐His;
17‐Lys、18‐Ala、24‐Glu;
17‐Leu、18‐Ala、24‐Glu;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu;
17‐Lys、18‐Ala、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、29‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu、29‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu、28‐Arg、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu、28‐Arg、29‐Ala;
24‐Glu、28‐Arg;
24‐Glu、28‐Arg、27‐Leu;
24‐Glu、28‐Arg、27‐Leu、29‐Ala;
27Leu、28‐Arg、29‐Ala;
29‐Ala;
20‐Arg、24‐Arg、27‐Lys、28‐Leu;
17‐Arg;
18‐Arg;
20‐Gln;
24‐Gln;
27Met、28‐Asn、29‐Thr;または
24‐Lys;
のうちの1または2以上、およびその組み合わせを含んでなる、請求項41〜43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記Xが、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDSKAARDFVRWLKLA;
HSQGTFTSDYSKYLDSRAAHDFVEWLLRA;
HSQGTFTSDYSKYLDSKRAHDFVEWLLRA;
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAQDFVEWLLRA;
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVQWLLRA;
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVKWLLRA;
H‐DSer‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRA;
H‐Aib‐QGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRA;
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAKDFVEWLLRA;
HSQGTFTSDYSKYLDKKAAHDFVEWLLRA;または
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAHDFVEWLLRA;
を有する、請求項41〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、以下の式:
1‐X‐Z2‐R2
{式中、
1が、H、C1‐4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
2が、OHまたはNH2であり;
Xが、以下の式VI:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Lys‐Ala‐Ala‐His‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Leu‐Arg‐Ala
を有するペプチドであるか、または、式VIと異なる場合には、Xは、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Gluから選択され;
17位の残基が:Arg、Leu、Dpu、Dpr、Ornであり;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Glu、Aspから選択され;
21位の残基が:Gluであり;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Arg、Aspから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択されるか、または不存在であり;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leu、Aspから選択されるか、または不存在であり;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択されるか、または不存在である;
のうちの最大5か所にて式VIと異なっているペプチドであり;そして、
2が、不存在であるか、またはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Cys、Glu、Lys、Arg、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列である}を有するか、または医薬的に許容し得るその塩である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記Xが、式VIと異なる場合には、以下の位置:
2位の残基が:Aib、D‐Serから選択され;
16位の残基が:Arg、His、Lys、Glu、Glyから選択され;
17位の残基が:Arg、Leuから選択され;
18位の残基が:Arg、Lys、His、Ser、Tyrから選択され;
20位の残基が:Gln、Lys、Arg、Gluから選択され;
24位の残基が:Gln、Leu、Ala、Lys、Argから選択され;
27位の残基が:Met、Cys、Lys、Arg、Gluから選択され;
28位の残基が:Asn、Ser、Lys、Glu、Ala、Leuから選択され;および
29位の残基が:Thr、Glu、Lysから選択される;
のうちの最大4か所にて式VIと異なる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記Xが、以下の残基のセット:
17‐Lys、18‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、20‐His;
17‐Leu、18‐Ala、20‐His;
17‐Lys、18‐Ala、24‐Glu;
17‐Leu、18‐Ala、24‐Glu;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu;
17‐Lys、18‐Ala、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、29‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu、29‐Ala;
17‐Lys、18‐Ala、27‐Leu、28‐Arg、29‐Ala;
17‐Leu、18‐Ala、27‐Leu、28‐Arg、29‐Ala;
24‐Glu、28‐Arg;
24‐Glu、28‐Arg、27‐Leu;
24‐Glu、28‐Arg、27‐Leu、29‐Ala;
27Leu、28‐Arg、29‐Ala;
29‐Ala;
20‐Arg、24‐Arg、27‐Lys、28の‐Leu;
17‐Arg;
18‐Arg;
20‐Gln;
24‐Gln;
27Met、28‐Asn、29‐Thr;
24‐Lys;または
20‐Gln、24‐Gln、27‐Met、28‐Asn、29‐Thr;もしくは
17‐Leu、20‐Gln、24‐Gln、28‐Asn、29‐Thr、
のうちのいずれかを含んでなる、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記Xが、以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAQDFVQWLMNT;または
HSQGTFTSDYSKYLDSLAAQDFVQWLLNT、
を有する、請求項46〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ペプチドXが、1もしくは2以上の分子内架橋を有する、請求項41〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記の各架橋が、Xの線形配列の中で3アミノ酸だけ離れたXの2つのアミノ酸残基の側鎖間で形成される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記架橋が、残基対12と16、16と20、17と21、20と24、または24と28の側鎖間で形成される、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
前記の16位および20位の残基が、以下の:
16‐Glu、20‐Lys;
16‐Asp、20‐Arg;
16‐Glu、20‐Arg;
16‐Lys、20‐Asp;
16‐Arg、20‐Asp;
16‐Lys、20‐Glu;および
16‐Arg、20‐Glu、
から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、以下の式:
1‐X‐Z1‐Z2‐R2
{式中、
1が、水素、C1‐4アルキル(例えば、メチル)、アセチル、ホルミル、ベンゾイルまたはトリフルオロアセチルであり;
ここで、Xは、以下の式VII:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐X10‐Ser‐X12‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐X17‐X18‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
(式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、α,α‐ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、アミノイソ酪酸(Aib)またはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X10が、TyrまたはTrpであり;
X12が、Lys、シトルリン、OrnまたはArgであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X17が、Arg、Gln、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X18が、Arg、Ala、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、Arg、シトルリン、Orn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンである。)を有し;
2が、NH2またはOHであり;
1が、不存在であるか、または以下の配列:
Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser;
Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser‐Cys;
Lys‐Arg‐Asn‐Arg‐Asn‐Asn‐Ile‐Ala;または
Lys‐Arg‐Asn‐Arg;
を有し;
2が、不存在であるかまたはAla、Leu、Ser、Thr、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、His、Met、Har、Dbu、Dpr、およびOrnから成る群から選択される1〜20個のアミノ酸単位から成るペプチド配列であり;
式中、Z1が不存在である場合には、当該化合物には、位置X1、X2、X3、X10、X12、X15、X16、X17、X18、X20、X21、X23、X24、X27、X28、およびX29のうちの1もしくは2以上にてヒト・グルカゴンに対する置換または欠失がある}を有するか、または医薬的に許容し得るその塩または誘導体であって;
ここで前記化合物は、ヒト・グルカゴンに比べ、高いGLP‐1受容体選択性を有し、および/またはここで前記化合物は、GLP‐1受容体にて天然GLP‐1の活性の少なくとも20%を発揮するものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記Xが、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28および29から選択される位置における1〜3つのアミノ酸修飾によって式VIIと異なる、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記Xが、以下の式VII.2:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐X17‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X17が、Arg、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuであるまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記Xが、以下の式VII.3:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記Xが、以下の式VII.4:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X24が、Gln、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記Xが、以下の式VII.5:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X24が、Gln、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記Xが、以下の式VII.6:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐X21‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
X21がAsp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記Xが、以下の式VII.7:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
X24が、Gln、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記Xが、以下の式VII.8:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
{式中、
X16が、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記Xが、以下の式VII.9:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記Xが、以下の式VII.19:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐X30
{式中、
X30が、任意の好適なアミノ酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記Xが、以下の式VII.20:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、AspまたはLysであり;
X29が、ThrまたはGlyである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記Xが、以下の式VII.21:
His‐X2‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
{式中、
X2が、D‐Ser、Ala、Gly、N‐メチルSerまたはアミノイソ酪酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記Xが、以下の式VII.22:
His‐X2‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
{式中、X2がアミノイソ酪酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記Xが、以下の式VII.23:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Cys‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
17位のCysが、ペグ化され;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記Xが、以下の式VII.24:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Cys‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
21位のCysが、ペグ化され;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記Xが、以下の式VII.25:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Cys‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr
{式中、
24位のCysが、ペグ化され;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記Xが、以下の式VII.30:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記Xが、以下の式VII.31:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr‐Lys‐Arg‐Asn‐Arg‐Asn‐Asn‐Ile‐Ala
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記Xが、以下の式VII.32:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐X27‐Asn‐Thr‐Lys‐Arg‐Asn‐Arg
{式中、
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記Xが、以下の式VII.33:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15−X16−Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thr、Glyまたは酸性アミノ酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記Xが、以下の式VII.36:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser
を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記Xが、以下の式VII.37:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Cys‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
{式中、
24位で2‐ブチロラクトンがCysのチオール基を通して結合している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記Xが、以下の式VII.38:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Cys‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
{式中、
24位でカルボキシメチル基がCysのチオール基を通して結合している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記Xが、以下の式VII.39:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Arg‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser
を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記Xが、以下の式VII.40:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記Xが、以下の式VII.41:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspであり;
ラクタム環が、12位と16位のに側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記Xが、以下の式VII.42:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspであり;
ラクタム環が、16位と20位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記Xが、以下の式VII.43:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Thr
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X28が、GluまたはAspであり;
ラクタム環が、20位と24位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記Xが、以下の式VII.44:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Lys‐X29
{式中、
X15が、GluまたはAspであり;
X29が、GluまたはThrである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記Xが、以下の式VII.45:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐X12‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X12が、LysまたはGluであり;
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Gln、Glu、Lys、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、GluまたはLysであり;
X24が、Gln、LysまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thr、Glyまたは酸性アミノ酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記Xが、以下の式VII.46:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
{式中、
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記Xが、以下の式VII.47:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記Xが、以下の式VII.48:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記Xが、以下の式VII.49:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記Xが、以下の式VII.50:
His‐Ala‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Val‐Ser‐Ser‐Tyr‐Leu‐Glu‐Gly‐Gln‐Ala‐Ala‐Lys‐Glu‐Phe‐Ile‐Ala‐Trp‐Leu‐Val‐Lys‐Gly‐Arg‐Gly
を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記Xが、以下の式VII.51:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thr、Glyまたは酸性アミノ酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記Xが、以下の式VII.52:
His‐Ala‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Val‐Ser‐Ser‐Tyr‐Leu‐Glu‐Gly‐Gln‐Ala‐Ala‐Lys‐Glu‐Phe‐Ile‐Ala‐Trp‐Leu‐Val‐Lys‐Gly‐Arg
を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記Xが、以下の式VII.53:
His‐Ser‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Xl6‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X3が、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、Lysまたは酸性アミノ酸であり;
X29が、Thrまたは酸性アミノ酸である}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記Xが、以下の式VII.54:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐X17‐X18‐Ala‐Lys‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐Thr
{式中、
X17が、ArgまたはGlnであり;
X18が、ArgまたはAlaであり;
X21が、AspまたはGluであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、GlnまたはAlaである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記Xが、以下の式VII.56:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸ホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸、またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp.Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Gly、Thr、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記Xが、以下の式VII.57:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg、Orn、またはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が12位と16位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記Xが、以下の式VII.58:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐X21‐Phe‐X23‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X24が、Ala、Gln、Glu、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が16位と20位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記Xが、以下の式VII.59:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐X21‐Phe‐X23‐Glu‐Trp‐Leu‐X27‐X28‐X29
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X28が、Asn、LysまたはAspであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が20位と24位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記Xが、以下の式VII.60:
X1‐X2‐X3‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐X23‐Glu‐Trp‐Leu‐X27‐Lys‐X29
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、D‐Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、AibまたはN‐メチルAlaであり;
X3が、Gln、Glu、OrnまたはNleであり;
X15が、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、Gln、Lys、Arg.Ornまたはシトルリンであり;
X21が、Gln、Glu、Asp、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X23が、ValまたはIleであり;
X27が、Met、LeuまたはNleであり;
X29が、Thr、Gly、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
ここで、ラクタム架橋が24位と28位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記Xが、以下の式VII.63:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐X21‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐X27‐Asp‐Thr
{式中、
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X21が、Asp、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X24が、Gln、Lys、Cys、Orn、ホモシステインまたはアセチルフェニルアラニンであり;
X27が、Met、LeuまたはNleである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記Xが、以下の式VII.66:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X28が、AspまたはAsnであり;
X29が、ThrまたはGlyであり;
ここで、ラクタム環が12位と16位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記Xが、以下の式VII.67:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Gln‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X28が、AspまたはAsnであり;
X29が、ThrまたはGlyであり;
ここで、ラクタム環が16位と20位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記Xが、以下の式VII.68:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐X29
{式中、
X28が、AspまたはAsnであり;
X29が、ThrまたはGlyであり;
ここで、ラクタム環が20位と24位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記Xが、以下の式VII.69:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Ser‐Arg‐Arg‐Ala‐Gln‐Asp‐Phe‐Val‐Glu‐Trp‐Leu‐Met‐Lys‐X29
{式中、
X29が、ThrまたはGlyであり;
ここで、ラクタム環が24位と28位の側鎖間に存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記Xが、図3:表2に示されている配列を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記X‐Z1が、以下の式VII.61:
X1‐X2‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Arg‐X18‐Ala‐Lys‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐Asn‐X29‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser‐Cys
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、Aib、N‐メチルAlaまたはD‐Alaであり;
X18が、AlaまたはArgであり;
X24が、Ala、GlnまたはCys‐PEGであり;
X29が、Thr‐CONH2、Cys‐PEG、またはGlyであり;
40位が、Cys‐PEGであるか、または不存在であり;
但し、29位がGlyである場合にだけ、30〜40位(Z2)が存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項106】
前記X‐Z1が、以下の式VII.62:
X1‐X2‐Glu‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐Asp‐Glu‐Gln‐X18‐Ala‐Lys‐Glu‐Phe‐Ile‐X24‐Trp‐Leu‐Asn‐X29‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Ala‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser‐Cys
{式中、
X1が、His、D‐His、(デス−アミノ)His、ヒドロキシル‐His、アセチル‐His、ホモ‐His、DMIA、N‐メチルHis、α‐メチルHis、またはイミダゾール酢酸であり;
X2が、Ser、D‐Ser、Ala、Val、Gly、N‐メチルSer、Aib、N‐メチルAlaまたはD‐Alaであり;
X18が、AlaまたはArgであり;
X24が、Ala、GlnまたはCys‐PEGであり;
X29が、Thr‐CONH2、Cys‐PEG、またはGlyであり;
40位が、Cys‐PEGであるか、または不存在であり;
但し、29位がGlyである場合にだけ、30〜40位(Z2)が存在している}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記X‐Z1が、以下の式VII.64:
His‐Ser‐Gln‐Gly‐Thr‐Phe‐Thr‐Ser‐Asp‐Tyr‐Ser‐Lys‐Tyr‐Leu‐X15‐X16‐Arg‐Arg‐Ala‐X20‐Asp‐Phe‐Val‐X24‐Trp‐Leu‐Met‐X28‐Gly‐Gly‐Pro‐Ser‐Ser‐Gly‐Pro‐Pro‐Pro‐Ser
{式中、
X15が、Asp、Glu、ホモグルタミン酸、システイン酸またはホモシステイン酸であり;
X16が、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸またはホモシステイン酸であり;
X20が、GlnまたはLysであり;
X24が、GlnまたはGluであり;
X28が、Asn、LysまたはAspである}を有する、請求項1〜6または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記ペプチド配列Xが、29か所のうちの最低2か所、例えば29か所のうちの最低3、4、5、6か所にて天然ヒト・グルカゴンの配列と異なる、請求項1〜107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記Xが、X12、X17またはX18の1か所の位置だけでヒト・グルカゴンと異なる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記X12の残基が、AlaまたはArgである、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記X17の残基が、GluまたはLysである、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記X18の残基が、His、Ser、AlaまたはTyrである、請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記Xが、以下の配列:
HSQGTFTSDYSAYLDSRRAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSERAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSKRAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSRHAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSRSAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSRAAQDFVQWLMNT;または
HSQGTFTSDYSKYLDSRYAQDFVQWLMNT、
を有する、請求項109に記載の方法。
【請求項114】
前記Xが、以下の配列:
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAKDFVQWLLNT;
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAQDFVQWLLNT;
HSQGTFTSDYSRYLDSRRAQDFVQWLLNK;
HSQGTFTSDYSKYLDSALAQDFVQWLLNT;
HSQGTFTSDYSKYLDKRRAEDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDK()RRAE()DFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSRYLDERRAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSK()YLDE()RRAQDFVQWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFIEWLMNT;
HSQGTFTSDYSKYLDSKAAQDFVQWLMNT;または
HSQGTFTSDYSKYLDSLAAQDFVQWLLNT、
を有する、請求項108に記載の方法。
【請求項115】
前記Xが、最大10か所で、例えば、最大7、8、9または10か所でヒト・グルカゴンと異なる、請求項1〜108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記Z2が、1〜15個、1〜10個または1〜7個のアミノ酸残基、例えば1、2、3、4、5、6または7個のアミノ酸残基、例えば6個のアミノ酸残基から成るペプチド配列を表す、請求項6〜115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記Z2内のそれぞれアミノ酸残基が、Glu、Lys、およびCysから独立に選択される、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記Z2が、Lys3、Lys4、Lys5、Lys6またはLys7から選択される、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記Z2が、不存在である、請求項6〜115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記Z1が、不存在である、請求項6〜104または108〜119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬のC末端がアミド化されている、請求項6〜120のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
前記X3の位置の残基が、アセトアミドメチル‐システイン、アセチルジアミノブタン酸、カルバモイルジアミノプロパン酸、メチルグルタミン、およびメチオニンスルホキシドから代わりに選択される、請求項6〜121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記グルカゴン‐GLP‐1作動薬の1もしくは2以上のアミノ酸側鎖が、親油性置換基に結合している、請求項6〜122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
前記親油性置換基が、アミノ酸側鎖内の原子に直接共有結合している、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
16、17、20、24、27、28位の残基のうちの1もしくは2以上の側鎖、またはZ2の残基のうちの1つの側鎖が、親油性置換基に結合している、請求項123または124に記載の方法。
【請求項126】
16、17、20、および28位のうちの少なくとも1か所が、親油性置換基に結合している、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
1が不存在であり、かつ、Z2がたった1つのアミノ酸残基であるX30から成る、請求項122〜126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
前記X30がCysまたはLysである、請求項127に記載の方法;
【請求項129】
前記X30が、親油性置換基に結合している、請求項127または128に記載の方法。
【請求項130】
一方の側鎖だけが親油性置換基に結合している、請求項123〜129のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記の一方の側鎖が、16、17、18、20、24、27、28または30位、例えば16、17または20位、例えば17位に存在する、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
正確に2個の側鎖が、親油性置換基に結合している、請求項123〜129のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
それぞれの置換基が、16、17、18、20、24、27、28または30位のうちの1か所、例えば16、17または20位のうちの1か所に存在する、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
それぞれの親油性置換基が、スペーサーによってアミノ酸側鎖に結合している親油性部分を含んでなる、請求項123〜133のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
前記の親油性部分とスペーサーの組み合わせが、ドデカノイル‐γ‐Glu、ヘキサデカノイル‐γ‐Glu、ヘキサデカノイル‐Glu、ヘキサデカノイル‐[3‐アミノプロパノイル]、ヘキサデカノイル‐[8‐アミノオクタノイル]、ヘキサデカノイル‐ε‐Lys、2‐ブチルオクタノイル‐γ‐Glu、オクタデカノイル‐γ‐Gluおよびヘキサデカノイル‐[4‐アミノブタノイル]から選択される、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬の1もしくは2以上のアミノ酸側鎖が、重合体部分に結合している、請求項6〜135のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
前記重合体部分が、水溶性(両親媒性または親水性)であり、無毒性であり、かつ、医薬的に不活性である、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記重合体部分が、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGのホモポリマーもしくはコポリマー、PEGのモノメチル置換重合体(mPEG)、ポリオキシエチレングリセロール(POG)、およびポリ‐アミノ酸から選択される、請求項136または137に記載の方法。
【請求項139】
前記ポリ‐アミノ酸が、ポリ‐リジン、ポリ‐アスパラギン酸、およびポリ‐グルタミン酸から選択される、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記重合体部分が、直鎖である、請求項136〜139のいずれか1項に記載の方法。
【請求項141】
前記重合体部分が、分岐している、請求項136〜139のいずれか1項に記載の方法。
【請求項142】
前記重合体部分が、500〜40,000Da、500〜5,000Da、500〜10,000Da、1000〜5000Da、10,000〜20,000Da、または20,000〜40,000Daの分子量を有する、請求項136〜139のいずれか1項に記載の方法。
【請求項143】
前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、2個以上の重合体部分を含んでなる、請求項136〜142のいずれか1項に記載の方法。
【請求項144】
すべての重合体部分の総分子量が、500〜40,000Da、500〜5,000Da、500〜10,000Da、1000〜5000Da、10,000〜20,000Da、または20,000〜40,000Daである、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記重合体部分が、アミノ酸側鎖のアミノ基、カルボキシル基またはチオール基に共有結合している、請求項136〜144のいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
前記重合体部分が、Cys残基のチオール基、Lys残基のεアミノ基、またはAspもしくはGlu残基のカルボキシル基に共有結合している、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記重合体部分が、16、17、20、21、24または29位のうちの1もしくは2以上にて残基の側鎖に、またはペプチドのC末端に結合している、請求項136〜146のいずれか1項に記載の方法。
【請求項148】
前記重合体部分が、16、17、21および24位のうちの1もしくは2以上にて結合している、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
心臓病または心臓機能不全の処置における変力剤としてのグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬の使用。
【請求項150】
心臓病または心臓機能不全の治療薬の調製におけるグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬の使用であって、前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬が、変力剤としての使用のために投与され得る、前記使用。
【請求項151】
付随する心拍数の増大を引き起こすことなく心臓収縮を改善することができる医薬の調製におけるグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬の使用。
【請求項152】
心臓病または心臓機能不全の処置における変力剤としての使用のためのグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬。
【請求項153】
心臓病または心臓機能不全の治療薬の調製における使用のためのグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬であって、変力剤としての使用のために投与され得る、前記グルカゴン‐GLP‐1二重作動薬。
【請求項154】
請求項6〜148のいずれか1項において定義された通りである、請求項149〜153のいずれか1項に記載の使用のためのグルカゴン‐GLP‐1二重作動薬。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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【図3−9】
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【図3−10】
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【図3−11】
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【図3−12】
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【図3−13】
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【図3−14】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【公表番号】特表2013−517307(P2013−517307A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549249(P2012−549249)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際出願番号】PCT/DK2011/050018
【国際公開番号】WO2011/088837
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(502453045)ジーランド ファーマ アクティーゼルスカブ (13)
【Fターム(参考)】