説明

心血管疾患を処置及び/又は予防するための組成物及び方法

種々の実施形態において、本発明は、脂肪酸を含む医薬組成物、及び当該組成物を使用して対象を処置する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]心血管疾患は、米国及び多くの欧州諸国における主な死因の一つである。推定によると、米国だけで7000万人を超える人々が、心血管疾患又は障害、例えば、限定されないが、高血圧、冠動脈疾患、脂質異常症(dislipidemia)、うっ血性心不全、及び脳卒中、に罹患していると推定されている。心血管関連疾患及び障害に対する改善された処置が必要とされている。
【発明の概要】
【0002】
[0002]種々の実施形態において、本発明は、血漿、血清及び/又は赤血球(RBC)のEPAレベルを増加させるための、並びに/或いは心血管関連疾患を処置又は予防するための、医薬組成物及びかかる組成物の使用方法を提供する。
【0003】
[0003]一実施形態において、本発明は、少なくとも95重量%のエイコサペンタエン酸エチル(EPA−E)、約0.2重量%〜約0.5重量%のオクタデカテトラエン酸エチル(ODTA−E)、約0.05重量%〜約0.25重量%のノナデカペンタエン酸エチル(ethyl nonaecapentaenoate、NDPA−E)、約0.2重量%〜約0.45重量%のアラキドン酸エチル(AA−E)、約0.3重量%〜約0.5重量%のエイコサテトラエン酸エチル(ETA−E)、及び約0.05%〜約0.32%のヘネイコサペンタエン酸エチル(HPA−E)を含む、からなる、又は、から本質的になる、医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本組成物は、カプセルシェルに存在する。別の実施形態において、本組成物は、ドコサヘキサエン酸(DHA)又はエチル−DHA(DHA−E)などのその誘導体を、実質的に含まないか又は含まず、例えば、約0.06重量%以下、約0.05重量%以下、又は約0.04重量%以下の量で含有する。
【0004】
[0004]別の実施形態において、本発明は、本明細書に記載の組成物を、血清、血漿及び/又はRBCのEPAレベルを増加させる必要のある対象に投与するステップを含む、血清、血漿及び/又は赤血球(RBC)のEPAレベルを増加させる方法を提供する。関連する実施形態において、対象は、約50μg/gを超えないベースラインEPA血漿、血清及び/又はRBCレベルを有し、組成物を対象に少なくとも約6週間投与するにあたり、対象は、ベースラインと比較して、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、又は少なくとも400%の、血漿、血清及び/又はRBCのEPAレベルにおける増加(EPAレベルの変化をベースラインEPAレベルで割ったもの)を示す。関連する実施形態において、対象は、約50μg/gを超えないベースラインEPA血漿、血清及び/又はRBCレベルを有する。別の実施形態において、対象は、前記EPAレベルの増加を達成するのに有効な量の前記組成物を与えられる。別の実施形態において、対象は、1日あたり約2g〜約4gの前記組成物を与えられる。
【0005】
[0005]別の実施形態において、本発明は、本明細書に記載の組成物を、必要とする対象に投与するステップを含む、対象において心血管関連疾患を処置する方法を提供する。関連する実施形態において、対象は、約50μg/gを超えないベースラインEPA血漿、血清及び/又はRBCレベルを有し、組成物を対象に少なくとも約6週間投与するにあたり、対象は、ベースラインに比較して、少なくとも約100%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、又は少なくとも約400%の、血漿、血清及び/又はRBCのEPAレベルにおける増加を示す。関連する実施形態において、対象は、約50μg/gを超えないベースラインEPA血漿、血清及び/又はRBCレベルを有する。別の実施形態において、対象は、1日あたり約2g〜約4gの前記組成物を与えられる。
【0006】
[0006]本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、以下でさらに詳細に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】[0007] 種々のEPA投与後の、血液EPAレベルを示す図面である。
【図2】[0008] 種々のEPA投与後の、ベースラインに対するEPAの増加を示す図面である。
【発明の詳細な説明】
【0008】
[0009]本発明は、種々の実施形態で具現化することができる一方で、下記の幾つかの実施形態の記述は、本開示が本発明の例示として考慮され、例証される特定の実施形態に本発明を限定することを意図していないとの理解でなされる。表題は、利便性のためのみに提供され、いかなる様式でも本発明を限定するようには解釈されない。任意の表題の下で例証される実施形態は、任意の他の表題の下で例証される実施形態と組み合わせることができる。
【0009】
[0010]本出願で特定される種々の定量的値における数値の使用は、他の方法で明確に指示されない限り、陳述範囲内の最小値及び最大値が両方とも用語「約」によって先行されているかのように、近似値として示される。また、範囲の開示は、引用される最小値と最大値の間の全ての値、並びに、かかる値で形成され得る任意の範囲を含む、連続する範囲を意図している。また本明細書は、開示された数値を、任意の他の開示された数値で割ることによって形成され得るあらゆる比率(及び任意のかかる比率の範囲)を開示する。したがって、当業者は、多くのかかる比率、範囲、及び比率の範囲が、本明細書に提示された数値から明確に導かれ得ること、及び全ての場合で、かかる比率、範囲及び比率の範囲が、本発明の様々な実施形態を表すことを認識するであろう。
【0010】
[0011]一実施形態において、本発明は、エイコサペンタエン酸又はその誘導体を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、かかる組成物は、本明細書において集約的に「EPA」と称されるエイコサペンタエン酸、又はその薬学的に許容されるエステル、誘導体、複合体、若しくは塩、或いはこれらの任意の混合物を含む。用語「医薬的に許容可能」は、本文脈において、検討されている物質が、対象又は組成物の他の成分との相互作用に対して、許容できない毒性を有しないことを意味する。
【0011】
[0012]一実施形態において、EPAには、all−cisエイコサ−5、8、11、14、17−ペンタエン酸が含まれる。別の実施形態において、EPAには、エイコサペンタエン酸エステルが含まれる。別の実施形態において、EPAには、エイコサペンタエン酸のC〜Cアルキルエステルが含まれる。別の実施形態において、EPAには、エイコサペンタエン酸エチルエステル、エイコサペンタエン酸メチルエステル、エイコサペンタエン酸プロピルエステル、又はエイコサペンタエン酸ブチルエステルが含まれる。別の実施形態において、EPAには、all−cisエイコサ−5、8、11、14、17−ペンタエン酸エチルエステルが含まれる。
【0012】
[0013]別の実施形態において、EPAは、エチル−EPA、リチウムEPA、モノ−、ジ−若しくはトリグリセリドEPA、又はEPAの任意の他のエステル若しくは塩、或いはEPAの遊離酸の形態である。EPAは、2−置換誘導体、又は酸化速度を低下させるが他の生物学的作用は何ら実質的な程度に変化させない他の誘導体の形態であってもよい。
【0013】
[0014]別の実施形態において、組成物は、投薬単位(例えば、カプセル)に、約50mg〜約5000mg、約75mg〜約2500mg、又は約100mg〜約1000mg、例えば、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約875mg、約900mg、約925mg、約950mg、約975mg、約1000mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1100mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1200mg、約1225mg、約1250mg、約1275mg、約1300mg、約1325mg、約1350mg、約1375mg、約1400mg、約1425mg、約1450mg、約1475mg、約1500mg、約1525mg、約1550mg、約1575mg、約1600mg、約1625mg、約1650mg、約1675mg、約1700mg、約1725mg、約1750mg、約1775mg、約1800mg、約1825mg、約1850mg、約1875mg、約1900mg、約1925mg、約1950mg、約1975mg、約2000mg、約2025mg、約2050mg、約2075mg、約2100mg、約2125mg、約2150mg、約2175mg、約2200mg、約2225mg、約2250mg、約2275mg、約2300mg、約2325mg、約2350mg、約2375mg、約2400mg、約2425mg、約2450mg、約2475mg又は約2500mgの量で存在する。
【0014】
[0015]別の実施形態において、本発明に従って有用な組成物は、あるとしても、約10重量%以下、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、又は約0.5重量%以下のドコサヘキサエン酸(DHA)又はエチル−DHAなどのその誘導体を含有する。別の実施形態において、本発明の組成物は、DHA又はエチル−DHAを実質的に含有しない。さらに別の実施形態において、本発明の有用な組成物は、DHA又はDHA−Eなどのその誘導体を含有しない。
【0015】
[0016]別の実施形態において、EPAは、本発明による組成物に存在する全ての脂肪酸の、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、又は100重量%で含まれる。
【0016】
[0017]別の実施形態において、本発明に従って有用な組成物は、全組成物又は全脂肪酸量の10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満又は0.25重量%未満で、EPA以外の任意の脂肪酸又はその誘導体を含有する。「EPA以外の脂肪酸」として例証されるものには、リノレン酸(LA)、アラキドン酸(AA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α−リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸(stearadonic acid)(STA)、エイコサトリエン酸(ETA)及び/又はドコサペンタエン酸(DPA)が挙げられる。別の実施形態において、本発明に従って有用な組成物は、約0.1重量%〜約4重量%、約0.5重量%〜約3重量%、又は約1重量%〜約2重量%で、EPA以外の全脂肪酸及び/又はDHAを含有する。
【0017】
[0018]別の実施形態において、本発明に従う組成物は、1又は複数の以下の特徴を有する:(a)エイコサペンタエン酸エチルエステルが、組成物中に存在する全脂肪酸の少なくとも約96重量%、少なくとも約97重量%、若しくは少なくとも約98重量%に相当する、(b)組成物が、約4重量%以下、約3重量%以下、若しくは約2重量%以下で、エイコサペンタエン酸エチルエステル以外の全脂肪酸を含有する、(c)組成物が、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、若しくは約0.4重量%以下で、エイコサペンタエン酸エチルエステル以外の任意の個々の脂肪酸を含有する、(d)組成物が、約1〜約2、約1.2〜約1.8、若しくは約1.4〜約1.5の屈折率(20℃)を有する、(e)組成物が、約0.8〜約1.0、約0.85〜約0.95、若しくは約0.9〜約0.92の比重(20℃)を有する、(e)組成物が、約20ppm以下、約15ppm以下、若しくは約10ppm以下で、重金属を含有する、(f)組成物が、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、若しくは約2ppm以下で、ヒ素を含有する、及び/又は(g)組成物が、約5meq/kg以下、約4meq/kg以下、約3meq/kg以下、若しくは約2meq/kg以下の過酸化値を有する。
【0018】
[0019]別の実施形態において、本発明は、少なくとも95重量%、96重量%又は97重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.5重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.05重量%〜約0.25重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.45重量%のアラキドン酸エチル、約0.3重量%〜約0.5重量%のエイコサテトラエン酸エチル、及び約0.05%〜約0.32%のヘネイコサペンタエン酸エチルを含む、から本質的になる、又は、からなる、組成物を提供する。場合により、組成物は、約0.06重量%以下、約0.05重量%以下、又は約0.04重量%以下のDHA又はエチル−DHAなどのその誘導体を含有する。一実施形態において、組成物は、DHA又はエチル−DHAなどのその誘導体を実質的に含有しないか、若しくは全く含有しない。さらに組成物は、場合により、約0.5%以下、又は0.05%以下の量で、1若しくは複数の酸化防止剤(例えば、トコフェロール)又は他の不純物を含む。別の実施形態において、組成物は、約0.05重量%〜約0.4重量%、例えば約0.2重量%のトコフェロールを含む。別の実施形態においては、約500mg〜約1gの組成物が、カプセルシェルで提供される。
【0019】
[0020]別の実施形態において、本発明は、少なくとも96重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.22重量%〜約0.4重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.075重量%〜約0.20重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.25重量%〜約0.40重量%のアラキドン酸エチル、約0.3重量%〜約0.4重量%のエイコサテトラエン酸エチル、及び約0.075%〜約0.25%のヘネイコサペンタエン酸エチルを含む、からなる、又は、から本質的になる、組成物を提供する。場合により、組成物は、約0.06重量%以下、約0.05重量%以下、又は約0.04重量%以下で、DHA又はエチル−DHAなどのその誘導体を含有する。一実施形態において、組成物は、DHA又はエチル−DHAなどのその誘導体を実質的に含有しないか、若しくは全く含有しない。さらに組成物は、場合により、約0.5重量%以下、又は0.05重量%以下の量で、1若しくは複数の酸化防止剤(例えば、トコフェロール)又は他の不純物を含む。別の実施形態において、組成物は、約0.05重量%〜約0.4重量%、例えば約0.2重量%のトコフェロールを含む。別の実施形態において、本発明は、約500mg〜約1gの前記組成物をカプセルシェルに含む投薬形態を提供する。
【0020】
[0021]別の実施形態において、本発明は、少なくとも96重量%、97重量%若しくは98重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.25重量%〜約0.38重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.10重量%〜約0.15重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.25重量%〜約0.35重量%のアラキドン酸エチル、約0.31重量%〜約0.38重量%のエイコサテトラエン酸エチル、及び約0.08%〜約0.20%のヘネイコサペンタエン酸エチルを含む、からなる、又は、から本質的になる、組成物を提供する。場合により、組成物は、約0.06重量%以下、約0.05重量%以下、又は約0.04重量%以下で、DHA又はエチル−DHAなどのその誘導体を含有する。一実施形態において、組成物は、DHA又はエチル−DHAなどのその誘導体を実質的に含有しないか、若しくは全く含有しない。さらに組成物は、場合により、約0.5%以下、又は0.05%以下の量で、1若しくは複数の酸化防止剤(例えば、トコフェロール)又は他の不純物を含む。別の実施形態において、組成物は、約0.05重量%〜約0.4重量%、例えば約0.2重量%のトコフェロールを含む。別の実施形態において、本発明は、約500mg〜約1gの前記組成物をカプセルシェルに含む投薬形態を提供する。
【0021】
[0022]別の実施形態において、本発明は、本明細書に記載の組成物を、血清、血漿及び/又は赤血球(RBC)のEPAレベルを増加させる処置を必要とする対象に投与するステップを含む、血清、血漿及び/又は赤血球(RBC)のEPAレベルを増加させる方法を提供する。一実施形態においては、本明細書に記載の組成物を、対象に、少なくとも約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約42、約45又は約50日間経口投与するにあたり、対象は、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約3.75倍、又は少なくとも約4倍の血清、血漿及び/又はRBCのEPAにおける変化(最終絶対EPAレベルをベースラインEPAレベルで割ったもの)を示す。一実施形態において、本方法は、前記投与ステップの前に、血清、血漿及び/又は赤血球(RBC)のEPAの増加を必要とする患者を同定するステップを含む。関連する実施形態において、対象は、約50μg/gを超えない、ベースラインEPA血漿、血清及び/又はRBCレベルを有する。別の実施形態において、対象は、1日あたり約2g〜約4gの前記組成物を与えられる。別の実施形態において、組成物を上記のとおり対象に投与するにあたり、対象は、DHA、AA及び/又はDGLAの血漿、血清及び/又はRBCレベルにおける低下を示す。別の実施形態において、組成物を上記のとおり対象に投与するにあたり、対象は、DPAの血漿、血清及び/又はRBCレベルにおける増加を示す。さらに別の実施形態においては、組成物を上記のように対象に投与するにあたり、DHAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも16%低下し、DGLAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも31%低下し、AAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも20%低下し、及び/又はDPAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは、130%を超えて増加する。
【0022】
[0023]別の実施形態において、本発明は、血清、血漿及び/又はRBCのEPAレベルを増加させる必要のある対象に、本明細書に記載の組成物を投与するステップを含む、血清、血漿及び/又は赤血球(RBC)のEPAレベルを増加させる方法を提供する。関連する実施形態において、対象に組成物を少なくとも約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約42、約45、又は約50日間投与するにあたり、対象は、ベースラインと比較して、少なくとも約100%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、若しくは少なくとも約400%の血漿、血清及び/又はRBCのEPAレベルにおける増加(ベースラインからのEPAレベルの変化をベースラインEPAレベルで割ったもの)を示す。関連する実施形態において、対象は、約50μg/gを超えない、ベースラインEPA血漿、血清及び/又はRBCレベルを有する。別の実施形態において、対象は、1日あたり約2g〜約4gの前記組成物を与えられる。別の実施形態において、組成物を上記のとおり対象に投与するにあたり、対象は、DHA、AA及び/又はDGLAの血漿、血清及び/又はRBCレベルにおける低下を示す。別の実施形態において、組成物を上記のとおり対象に投与するにあたり、対象は、DPAの血漿、血清及び/又はRBCレベルにおける増加を示す。さらに別の実施形態においては、組成物を上記のように対象に投与するにあたり、DHAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも16%低下し、DGLAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも31%低下し、AAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも20%低下し、及び/又はDPAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは、130%を超えて増加する。
【0023】
[0024]関連する実施形態においては、1日あたり約2g〜約4gの本明細書に記載の組成物を、対象に、少なくとも約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45又は約50日間投与するにあたり、対象は、ベースラインと比較して、血清、血漿及び/又はRBCのEPAの少なくとも約10μg/gの増加、少なくとも約15μg/gの増加、少なくとも約20μg/gの増加、少なくとも約25μg/gの増加、少なくとも約30μg/gの増加、少なくとも約35μg/gの増加、少なくとも約40μg/gの増加、少なくとも約45μg/gの増加、少なくとも約50μg/gの増加、少なくとも約75μg/gの増加、少なくとも約100μg/gの増加、又は少なくとも約150μg/gの増加を示す。別の実施形態において、組成物を上記のとおり対象に投与するにあたり、対象は、DHA、AA及び/又はDGLAの血漿、血清及び/又はRBCレベルにおける低下を示す。別の実施形態において、組成物を上記のとおり対象に投与するにあたり、対象は、DPAの血漿、血清及び/又はRBCレベルにおける増加を示す。さらに別の実施形態においては、組成物を上記のとおり対象に投与するにあたり、DHAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも16%低下し、DGLAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも31%低下し、AAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは少なくとも20%低下し、及び/又はDPAの血漿、血清及び/又はRBCレベルは130%を超えて増加する。
【0024】
[0025]別の実施形態において、対象は、本明細書に記載の治療を開始する少なくとも2週間、3週間、4週間、6週間、又は12週間前に、オメガ−3−脂肪酸の治療又は補充を受けていない。
【0025】
[0026]一実施形態において、本発明は、心血管関連疾患の処置又は予防を必要とする対象に、本明細書に記載の組成物を投与するステップを含む、心血管関連疾患を処置及び/又は予防する方法を提供する。用語「心血管関連疾患」は、本明細書において、心臓若しくは血管(即ち、動脈及び静脈)に関する任意の疾患若しくは障害、又は任意のその症状を指す。心血管関連疾患及び障害の非限定的な例としては、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、冠動脈性心疾患、血管性疾患、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、不整脈、高血圧、心筋梗塞、及び他の心血管事象が挙げられる。
【0026】
[0027]用語「処置」には、所与の疾患又は障害との関連において、限定されないが、疾患若しくは障害を阻害すること、例えば、疾患若しくは障害の発達を抑止すること、疾患若しくは障害を緩和すること、例えば、疾患若しくは障害の退行を引き起こすこと、又は疾患若しくは障害により引き起こされる若しくは生じる状態を緩和すること、例えば、疾患若しくは障害の症状を緩和、予防若しくは処置することが含まれる。用語「予防」は、所与の疾患若しくは障害との関連において、発症していない場合には疾患の発達の開始を予防すること、疾患若しくは障害の素因を有するが疾患又は障害を有すると未だ診断されていない対象における疾患若しくは障害の発症を予防すること、及び/又は、既に疾患又は障害が存在する場合に疾患/障害の更なる発達を予防することを意味する。
【0027】
[0028]一実施形態において、本発明は、必要とする対象又は対象群に、本明細書に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、血液脂質治療の方法を提供する。別の実施形態において、対象又は対象群は、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症及び/又は非常に高いトリグリセリドを有している。
【0028】
[0029]別の実施形態において、処置される対象又は対象群は、ベースラインのトリグリセリドレベル(又は、対象群の場合には、ベースラインのトリグリセリドレベルの平均又は中央値)が、摂食時又は空腹時において、約200mg/dl〜約500mg/dlである。別の実施形態において、対象又は対象群は、ベースラインのLDL−Cレベル(又は、対象群の場合はベースラインのLDL−Cレベルの平均又は中央値)が、スタチン治療にもかかわらず、約40mg/dl〜約100mg/dlである。
【0029】
[0030]一実施形態において、本発明の方法に従って処置される対象又は対象群は、併用してスタチン治療、例えばアトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン治療(エゼチミブを伴う又は伴わない)を受けている。別の実施形態において、対象は、超高純度EPA治療の開始時点で、安定スタチン治療を同時に受けている。
【0030】
[0031]別の実施形態において、本発明の方法に従って処置される対象又は対象群は、ボディマス指数(BMI又は平均BMI)が、約45kg/m以下である。
【0031】
[0032]別の実施形態において、本発明は、安定スタチン治療を受けており、トリグリセリド低下治療を必要とする対象を同定するステップと、対象に、1日あたり約1g〜約4gのEPA(例えば、超高純度E−EPA)を含む薬学的に許容される組成物を投与するステップとを含む、安定スタチン治療を受けており、トリグリセリド低下治療を必要とする対象においてLDL制御を維持する方法であって、組成物を対象に投与するにあたり、対象が対照と比較して臨床的に有意な空腹時トリグリセリドの低下を示す、方法を提供する。本文脈において、用語「臨床的に有意な空腹時トリグリセリドの低下」は、有害な心血管事象のリスクの低下に相当する量のトリグリセリドの低下を意味する。典型的には、それぞれ10mg/dlのトリグリセリドの低下によって、死、心筋梗塞及び再発性急性冠症候群のリスクが1.6%低下する。例えば、引用によって本明細書に組み込まれるMillerら、Impact of triglyceride level beyond low−density lipoprotein cholesterol after acute coronary syndrome in the PROVE IT−TIMI 22 trial、JACC Vol.51、No.7(2008)を参照のこと。従って、一実施形態において、「臨床的に有意な空腹時トリグリセリドの低下」は、10mg/dlの低下を意味する。本文脈において、用語「LDL制御を維持すること」は、治療中にLDLレベルにおいて臨床的に有意な有害な変化が生じないことを意味する。
【0032】
[0033]一実施形態において、本発明は、安定スタチン治療(stable statin therapy)を受けており、ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlである対象に、約1g〜約4gのEPA(例えば、超高純度EPA)を含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象においてトリグリセリドを低下させる方法であって、対象に毎日、約12週間組成物を投与するにあたり、対象が、超高純度EPAを併用することなく安定スタチン治療を約12週間受けている対照対象と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、又は少なくとも75%低い空腹時トリグリセリドを示し、上記対照対象は、ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlである、方法を提供する。用語「安定スタチン治療」は、本明細書において、検討されている対象、対象群、対照対象又は対照対象群が、安定した1日用量のスタチン(例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン)を、ベースライン空腹時トリグリセリド測定の少なくとも4週間前(「適格化期間(qualifying period)」)に受けていることを意味する。例えば、安定スタチン治療を受けている対象又は対照対象は、一定の一日用量(即ち、毎日同じ用量)のスタチンを、ベースライン空腹時トリグリセリド測定の直前の少なくとも4週間前に受けている。一実施形態において、対象及び対照対象のLDL−Cは、適格化期間中、約40mg/dl〜約100mg/dlに維持される。その後、対象及び対照対象には、その安定したスタチンの投与がベースライン後の12週間継続される。
【0033】
[0034]一実施形態において、スタチンは、対象及び対照対象に、約1mgから約500mg、約5mgから約200mg、又は約10mgから約100mg、例えば約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、又は約10mg;約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、又は約500mgの量で投与される。別の実施形態において、対象(及び場合により、対照対象)は、安定スタチン治療にかかわらず、ベースラインLDL−Cレベルが約40mg/dl〜約100mg/dlである。別の実施形態において、対象及び/又は対照対象は、ボディマス指数(BMI、又は平均BMI)が、約45kg/m以下である。
【0034】
[0035]別の実施形態において、本発明は、安定スタチン治療を受けており、平均ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlである対象群のメンバーに、1日あたり約1g〜約4gの超高純度EPAを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象群においてトリグリセリドを低下させる方法であって、対象群のメンバーに毎日、約12週間組成物を投与するにあたり、対象群が、約12週間超高純度EPAを併用することなく安定スタチン治療を受けている対照対象群と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%低い平均空腹時トリグリセリドを示し、上記対照対象群は、平均ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlでもある、方法を提供する。関連する実施形態において、安定スタチン治療は、ベースライン空腹時トリグリセリド測定の直前4週間に対象群が少なくとも約40mg/dl〜約100mg/dl以下の平均LDL−Cレベルを有するに十分なものである。
【0035】
[0036]別の実施形態において、本発明は、安定スタチン治療を受けており、平均ベースライン空腹時トリグリセリドレベルが約200mg/dl〜約500mg/dlである対象群のメンバーに、約1g〜約4gの超高純度EPAを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象群においてトリグリセリドを低下させる方法であって、対象群のメンバーに毎日、約12週間組成物を投与するにあたり、対象群が、(a)約12週間超高純度EPAを併用することなく安定スタチン治療を受けている対照対象群と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%低い平均空腹時トリグリセリド、並びに(b)ベースラインと比較して増加のない平均血清LDL−Cレベルを示し、上記対照対象群は、平均ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlでもある、方法を提供する。
【0036】
[0037]別の実施形態において、本発明は、安定スタチン治療を受けており、平均ベースライン空腹時トリグリセリドレベルが約200mg/dl〜約500mg/dlである対象に、約1g〜約4gの超高純度EPAを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象においてトリグリセリドを低下させる方法であって、対象に毎日、約12週間組成物を投与するにあたり、対象が、(a)約12週間超高純度EPAを併用することなく安定スタチン治療を受けている対照対象と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、又は少なくとも75%低い平均空腹時トリグリセリド、並びに(b)ベースラインと比較して増加のない血清LDL−Cレベルを示し、上記対照対象は、平均ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlでもある、方法を提供する。
【0037】
[0038]別の実施形態において、本発明は、安定スタチン治療を受けており、平均ベースライン空腹時トリグリセリドレベルが約200mg/dl〜約500mg/dlである対象群のメンバーに、約1g〜約4gの超高純度EPAを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象群においてトリグリセリドを低下させる方法であって、対象群のメンバーに毎日、約12週間投与するにあたり、対象群が、約12週間超高純度EPAを併用することなく安定スタチン治療を受けている対照対象と比較して、(a)少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%低い平均空腹時トリグリセリド、並びに(b)少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低い平均血漿又は血清LDL−Cレベルを示し、上記対照対象は、平均ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlでもある、方法を提供する。
【0038】
[0039]別の実施形態において、本発明は、安定スタチン治療を受けており、平均ベースライン空腹時トリグリセリドレベルが約200mg/dl〜約500mg/dlである対象群のメンバーに、約1g〜約4gの超高純度EPAを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象群においてトリグリセリドを低下させる方法であって、対象群のメンバーに毎日、約12週間組成物を投与するにあたり、対象群が、約12週間超高純度EPAを併用することなく安定スタチン治療を受けている対照対象群と比較して、(a)少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%低い平均空腹時トリグリセリドと、(b)少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低い平均血漿又は血清LDL−Cレベルを示し、上記対照対象群は、平均ベースライン空腹時トリグリセリドが約200mg/dl〜約500mg/dlでもある、方法を提供する。
【0039】
[0040]別の実施形態において、本発明の方法に従って処置を受けている対象又は対象群は、約300nmol/mlを超えない、約250nmol/mlを超えない、約200nmol/mlを超えない、約150nmol/mlを超えない、約100nmol/mlを超えない、又は約50nmol/mlを超えない空腹時ベースライン絶対血漿レベルの遊離総脂肪酸(又はその平均)を示す。
【0040】
[0041]別の実施形態において、本発明の方法に従って処置される対象又は対象群は、約0.70nmol/mlを超えない、約0.65nmol/mlを超えない、約0.60nmol/mlを超えない、約0.55nmol/mlを超えない、約0.50nmol/mlを超えない、約0.45nmol/mlを超えない、又は約0.40nmol/mlを超えない、遊離EPAの空腹時ベースライン絶対血漿レベル(又は対象群の場合にはその平均)を示す。別の実施形態において、本発明の方法に従って処置される対象又は対象群は、遊離EPAのベースラインの空腹時血漿レベル(又はその平均)が、全遊離脂肪酸に対する%で表して、約3%以下、約2.5%以下、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.5%以下、約0.25%以下、約0.2%以下、又は約0.15%以下である。かかる実施形態の一つにおいて、遊離血漿EPA及び/又は全脂肪酸レベルは、治療を開始する前に判定される。
【0041】
[0042]別の実施形態において、本発明の方法に従って処置される対象又は対象群は、約1nmol/mlを超えない、約0.75nmol/mlを超えない、約0.50nmol/mlを超えない、約0.4nmol/mlを超えない、約0.35nmol/mlを超えない、又は約0.30nmol/mlを超えない空腹時ベースライン絶対血漿レベルの遊離EPA(又はその平均)を示す。
【0042】
[0043]別の実施形態において、本発明の方法に従って処置される対象又は対象群は、約150μg/mlを超えない、約125μg/mlを超えない、約100μg/mlを超えない、約95μg/mlを超えない、約75μg/mlを超えない、約60μg/mlを超えない、約50μg/mlを超えない、約40μg/mlを超えない、約30μg/mlを超えない、又は約25μg/mlを超えない、空腹時ベースラインの血漿、血清又は赤血球膜のEPAレベルを示す。
【0043】
[0044]別の実施形態において、本発明の方法は、治療を開始する前に、対象(又は対象群の平均)のベースライン脂質プロファイルを測定するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、以下の1又は複数を有する対象又は対象群を同定するステップを含む:ベースライン非HDL−C値が約200mg/dl〜約400mg/dl、例えば少なくとも約210mg/dl、少なくとも約220mg/dl、少なくとも約230mg/dl、少なくとも約240mg/dl、少なくとも約250mg/dl、少なくとも約260mg/dl、少なくとも約270mg/dl、少なくとも約280mg/dl、少なくとも約290mg/dl、若しくは少なくとも約300mg/dl;ベースライン総コレステロール値が約250mg/dl〜約400mg/dl、例えば少なくとも約260mg/dl、少なくとも約270mg/dl、少なくとも約280mg/dl、若しくは少なくとも約290mg/dl;ベースラインvLDL−C値が約140mg/dl〜約200mg/dl、例えば少なくとも約150mg/dl、少なくとも約160mg/dl、少なくとも約170mg/dl、少なくとも約180mg/dl、若しくは少なくとも約190mg/dl;ベースラインHDL−C値が約10〜約100mg/dl、例えば約90mg/dl以下、約80mg/dl以下、約70mg/dl以下、約60mg/dl以下、約60mg/dl以下、約50mg/dl以下、約40mg/dl以下、約35mg/dl以下、約30mg/dl以下、約25mg/dl以下、約20mg/dl以下、若しくは約15mg/dl以下;及び/又はベースラインLDL−C値が約30〜約300mg/dl、例えば約40mg/dl以上、約50mg/dl以上、約60mg/dl以上、約70mg/dl以上、約90mg/dl以上、若しくは約90mg/dl以上。
【0044】
[0045]関連する実施形態において、本発明に従った処置、例えば、約1〜約200週間、約1〜約100週間、約1〜約80週間、約1〜約50週間、約1〜約40週間、約1〜約20週間、約1〜約15週間、約1〜約12週間、約1〜約10週間、約1〜約5週間、約1〜約2週間、若しくは約1週間にわたる処置にあたり、対象又は対象群は、以下の1又は複数のアウトカムを示す:
[0046](a)ベースラインと比較して低下したトリグリセリドレベル;
[0047](b)ベースラインと比較して低下したアポBレベル;
[0048](c)ベースラインと比較して増加したHDL−Cレベル;
[0049](d)ベースラインと比較して増加のないLDL−Cレベル;
[0050](e)ベースラインと比較したLDL−Cレベルの低下;
[0051](f)ベースラインと比較した非HDL−Cレベルの低下;
[0052](g)ベースラインと比較したvLDLレベルの低下;
[0053](h)ベースラインと比較したアポA−Iレベルの増加;
[0054](i)ベースラインと比較したアポA−I/アポB比率の増加;
[0055](j)ベースラインと比較したリポタンパク質レベルの低下;
[0056](k)ベースラインと比較したLDL粒子数の低下;
[0057](l)ベースラインと比較したLDLサイズの低下;
[0058](m)ベースラインと比較したレムナント様粒子コレステロールの低下;
[0059](n)ベースラインと比較した酸化LDLの低下;
[0060](o)ベースラインと比較した空腹時血漿グルコース(FPG)の低下;
[0061](p)ベースラインと比較したヘモグロビンA1c(HbA1c)の低下;
[0062](q)ベースラインと比較したホメオスタシスモデルのインスリン抵抗の低下;
[0063](r)ベースラインと比較したリポタンパク質関連ホスホリパーゼA2の低下;
[0064](s)ベースラインと比較した細胞間接着分子−1の低下;
[0065](t)ベースラインと比較したインターロイキン−2の低下;
[0066](u)ベースラインと比較したプラスミノーゲン活性化因子阻害因子−1の低下;
[0067](v)ベースラインと比較した高感度C−反応性タンパク質(hsCRP)の低下;
[0068](w)ベースラインと比較した血漿又は血清リン脂質のEPAの増加;
[0069](x)ベースラインと比較した赤血球膜のEPAの増加;及び/又は
[0070](y)ベースラインと比較した、ドコサヘキサエン酸(DHA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、アラキドン酸(AA)、パルミチン酸(PA)、ステアリドン酸(staeridonic acid)(SA)又はオレイン酸(OA)の1又は複数の血漿、血清リン脂質、及び/又は赤血球における量の低下又は上昇。
【0045】
[0071]一実施形態において、本発明の方法は、対象又は対象群へ投与するステップの前に、上記(a)〜(y)に記載した1又は複数のマーカーのベースラインレベルを測定するステップを含む。別の実施形態において、本方法は、(a)〜(y)に記載した1又は複数のマーカーのベースラインレベルを判定した後に、対象に本明細書に記載の組成物を投与するステップと、及び続けて、前記1又は複数のマーカーについてさらなる測定を行うステップとを含む。
【0046】
[0072]別の実施形態においては、本発明の組成物を用いて、例えば約1〜約200週間、約1〜約100週間、約1〜約80週間、約1〜約50週間、約1〜約40週間、約1〜約20週間、約1〜約15週間、約1〜約12週間、約1〜約10週間、約1〜約5週間、約1〜約2週間、若しくは約1週間処置するにあたり、対象又は対象群は、すぐ上に記載したアウトカム(a)〜(y)の任意の2以上、任意の3以上、任意の4以上、任意の5以上、任意の6以上、任意の7以上、任意の8以上、任意の9以上、任意の10以上、任意の11以上、任意の12以上、任意の13以上、任意の14以上、任意の15以上、任意の16以上、任意の17以上、任意の18以上、任意の19以上、任意の20以上、任意の21以上、任意の22以上、任意の23以上、任意の24以上、又は全ての25のアウトカムを示す。
【0047】
[0073]別の実施形態において、本発明の組成物を用いた処置にあたり、対象又は対象群は、以下の1又は複数のアウトカムを示す:
【0048】
[0074](a)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、又は少なくとも約75%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のトリグリセリドレベルの低下。
【0049】
[0075](b)ベースラインと比較して、30%未満の増加、20%未満の増加、10%未満の増加、5%未満の増加、若しくは増加なしである非HDL−Cレベル、又は少なくとも約1%、少なくとも約3%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、若しくは少なくとも約75%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の非HDL−Cレベルの低下;
【0050】
[0076](c)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、若しくは少なくとも約75%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のHDL−Cレベルの増加;
【0051】
[0077](d)ベースラインと比較して、30%未満の増加、20%未満の増加、10%未満の増加、5%未満の増加、若しくは増加なしであるLDL−Cレベル、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約55%、若しくは少なくとも約75%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のLDL−Cレベルの低下;
【0052】
[0078](e)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、若しくは少なくとも約75%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のアポBレベルの減少;
【0053】
[0079](f)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のvLDLレベルの低下;
【0054】
[0080](g)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のアポA−Iレベルの増加;
【0055】
[0081](h)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のアポA−I/アポB比率の増加;
【0056】
[0082](i)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のリポタンパク質(a)レベルの低下;
【0057】
[0083](j)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の平均LDL粒子数の低下;
【0058】
[0084](k)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の平均LDL粒子サイズの増加;
【0059】
[0085](l)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のレムナント様粒子コレステロールの低下;
【0060】
[0086](m)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の酸化LDLの低下;
【0061】
[0087](n)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の空腹時血漿グルコース(FPG)の低下;
【0062】
[0088](o)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、若しくは少なくとも約50%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のヘモグロビンA1c(HbA1c)の低下;
【0063】
[0089](p)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のホメオスタシスモデル評価インスリン抵抗性(homeostasis model index insulin resistance)の低下;
【0064】
[0090](q)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のリポタンパク質関連ホスホリパーゼA2の低下;
【0065】
[0091](r)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の細胞間接着分子−1の低下;
【0066】
[0092](s)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のインターロイキン−2の低下;
【0067】
[0093](t)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)のプラスミノーゲン活性化因子阻害因子−1の低下;
【0068】
[0094](u)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の高感度C−反応性タンパク質(hsCRP)の低下;
【0069】
[0095](v)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、若しくは少なくとも約400%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の血漿、血清リン脂質又はRBCのEPAの増加;
【0070】
[0096](w)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、若しくは少なくとも約400%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の血漿、血清リン脂質及び/又はRBC膜のEPAの増加;
【0071】
[0097](x)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、若しくは少なくとも約75%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の、1又は複数の血漿、血清リン脂質及び/又はRBCのDHA、DPA、AA、PA及び/若しくはOAの低下又は増加;並びに/或いは
【0072】
[0098](y)ベースラインと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、若しくは少なくとも約75%(実際の変化%、又は中央値の変化%)の総コレステロールの低下。
【0073】
[0099]一実施形態において、本発明の方法は、対象又は対象群へ投与するステップの前に、(a)〜(y)に記載した1又は複数のマーカーのベースラインレベルを測定するステップを含む。別の実施形態において、本方法は、(a)〜(y)に記載した1又は複数のマーカーのベースラインレベルを判定した後に、対象に本明細書に記載の組成物を投与するステップと、続けてベースラインで測定されたものと同様の1又は複数のマーカーについて比較のための第2の測定を行うステップとを含む。
【0074】
[0100]別の実施形態においては、本発明の組成物を用いて、例えば約1〜約200週間、約1〜約100週間、約1〜約80週間、約1〜約50週間、約1〜約40週間、約1〜約20週間、約1〜約15週間、約1〜約12週間、約1〜約10週間、約1〜約5週間、約1〜約2週間、若しくは約1週間処置するにあたり、対象又は対象群は、すぐ上に記載したアウトカム(a)〜(y)の任意の2以上、任意の3以上、任意の4以上、任意の5以上、任意の6以上、任意の7以上、任意の8以上、任意の9以上、任意の10以上、任意の11以上、任意の12以上、任意の13以上、任意の14以上、任意の15以上、任意の16以上、任意の17以上、任意の18以上、任意の19以上、任意の20以上、任意の21以上、任意の22以上、任意の23以上、任意の24以上、又は全ての26以上のアウトカムを示す。
【0075】
[0101]パラメーター(a)〜(y)は、臨床的に許容可能な任意の方法論に従って測定することができる。例えば、トリグリセリド、総コレステロール、HDL−C及び空腹時血糖は、血清から試料を抽出し、標準的な光度測定技術を使用して分析することができる。VLDL−TG、LDL−C及びVLDL−Cは、調製用超遠心分離による血清リポタンパク質画分、及び続いての屈折率測定による定量分析、又は、分析的超遠心方法論により、計算又は判定することができる。アポA1、アポB及びhsCRPは、標準的ネフェロ分析技術を使用して、血清から判定することができる。リポタンパク質(a)は、標準的な免疫比濁技術を使用して、血清から判定することができる。LDL粒子数及び粒子サイズは、核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して判定することができる。レムナントのリポタンパク質及びLDL−ホスホリパーゼA2は、EDTA血漿若しくは血清及び血清から、それぞれ酵素免疫分離技術を使用して判定することができる。酸化LDL、細胞間接着分子−1、及びインターロイキン−2のレベルは、標準的な酵素免疫測定技術を使用して、血清から判定することができる。これらの技術は、標準的な教本、例えば、Tietz Fundamentals of Clinical Chemistry、第6版(Burtis、Ashwood and Borter Eds.)、WB Saunders Companyに詳細に記載されている。
【0076】
[0102]一実施形態において、対象は、血液試料の回収前に最大12時間、例えば約10時間、絶食させる。
【0077】
[0103]別の実施形態において、本発明は、必要とする患者に本明細書に開示の1又は複数の組成物を投与するステップを含む、前記患者において初期高コレステロール血症及び/又は混合型脂質異常症(フレドリクソン(Fredrickson)IIa型及びIIb型)を処置又は予防する方法を提供する。関連する実施形態において、本発明は、スタチン又はナイアシン徐放性単独治療による処置が不十分であると考えられるとき(フレドリクソンIV型高脂血症)の単数又は複数の対象におけるトリグリセリドレベルを低下させる方法を提供する。
【0078】
[0104]別の実施形態において、本発明は、心筋梗塞の病歴を有する患者に本明細書に開示の1又は複数の組成物を投与するステップを含む、前記患者において非致死性心筋梗塞の再発リスクを処置又は予防する方法を提供する。
【0079】
[0105]別の実施形態において、本発明は、必要とする対象に本明細書に開示の1又は複数の組成物を投与するステップを含む、必要とする患者においてアテローム動脈硬化性疾患の進行を減速する又は退縮を促進する方法を提供する。
【0080】
[0106]別の実施形態において、本発明は、必要とする患者に本明細書に開示の1又は複数の組成物を投与するステップを含む、前記患者において非常に高い血清トリグリセリドレベル(例えば、IV型及びV型高脂血症)を処置又は予防する方法を提供する。
【0081】
[0107]一実施形態において、本発明の組成物は、約1mgから約10000mg、25から約5000mg、約50から約3000mg、約75mgから約2500mg、又は約100mgから約1000mg、例えば約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約875mg、約900mg、約925mg、約950mg、約975mg、約1000mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1100mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1200mg、約1225mg、約1250mg、約1275mg、約1300mg、約1325mg、約1350mg、約1375mg、約1400mg、約1425mg、約1450mg、約1475mg、約1500mg、約1525mg、約1550mg、約1575mg、約1600mg、約1625mg、約1650mg、約1675mg、約1700mg、約1725mg、約1750mg、約1775mg、約1800mg、約1825mg、約1850mg、約1875mg、約1900mg、約1925mg、約1950mg、約1975mg、約2000mg、約2025mg、約2050mg、約2075mg、約2100mg、約2125mg、約2150mg、約2175mg、約2200mg、約2225mg、約2250mg、約2275mg、約2300mg、約2325mg、約2350mg、約2375mg、約2400mg、約2425mg、約2450mg、約2475mg又は約2500mgの一日用量のエイコサペンタエン酸エチルを提供するのに十分な量で対象に投与される。
【0082】
[0108]別の実施形態において、本明細書に開示される任意の方法は、伝統的な西洋型食事を摂取している単数又は複数の対象の処置に使用される。一実施形態において、本発明の方法は、西洋型食事の摂取者又は配慮された食事の摂取者として対象を同定するステップと、次いで対象が西洋型食事の摂取者であるとみなされる場合に当該対象を処置するステップとを含む。本明細書において、用語「西洋型食事」は、一般に、総カロリーの百分率で、約45%〜約50%の炭水化物、約35%〜約40%の脂肪、及び約10%〜約15%のタンパク質からなる典型的な食事を指す。西洋型食事は、代替的又は追加的に、赤身及び加工食肉、菓子類、精製穀物、及びデザートの摂取率が比較的高いこと、例えば、総カロリーの50%より多く、60%より多く、若しくは70%以上がこれらの供給源に由来することによって特徴付ける場合もある。
【0083】
[0109]別の実施形態において、本明細書に開示される任意の方法は、1日あたりの魚の摂取が(実際の量又は平均で)約150g未満、約125g未満、約100g未満、約75g未満、約50g未満、約45g未満、約40g未満、約35g未満、約30g未満、約25g未満、約20g未満又は約15g未満である単数又は複数の対象の処置に使用される。
【0084】
[0110]別の実施形態において、本明細書に開示される任意の方法は、食物源からの1日あたりのオメガ−3脂肪酸の摂取が(実際の量又は平均で)約10g未満、約9g未満、約8g未満、約7g未満、約6g未満、約5g未満、約4g未満、約3g未満、約2g未満である単数又は複数の対象の処置に使用される。
【0085】
[0111]別の実施形態において、本明細書に開示される任意の方法は、食物源からの1日あたりのEPA及びDHAの(組み合わせた)摂取が(実際の量又は平均で)約2.5g未満、約2g未満、約1.5g未満、約1g未満、約0.5g未満、約0.25g未満、若しくは約0.2g未満である単数又は複数の対象の処置に使用される。
【0086】
[0112]一実施形態において、本明細書に記載される組成物は、対象に1日1回又は2回投与される。別の実施形態においては、本明細書に記載の組成物をそれぞれ約500mg〜約1g含む1、2、3又は4個のカプセルが、毎日、対象に投与される。別の実施形態においては、本明細書に記載の組成物をそれぞれ約1g含む1又は2個のカプセルが、朝に、例えば約午前5時〜約午前11時の間に、対象に投与され、及び本明細書に記載の組成物をそれぞれ約1g含む1又は2個のカプセルが、夕方に、例えば約午後5時〜約午後11時の間に、対象に投与される。
【0087】
[0113]一実施形態において、本発明の方法に従って処置される対象は、フィブラート系薬物又は硝酸塩薬による治療を受けていない。
【0088】
[0114]別の実施形態において、本発明の方法に従って有用な組成物は、経口的に送達可能である。用語「経口的に送達可能」又は「経口投与」は、本明細書において、治療剤又は組成物が飲み込まれるか否かを問わず、治療剤又は組成物が対象の口内に配置される、対象への治療剤又は組成物の任意の送達形態を含む。従って、「経口投与」には、口腔投与、舌下投与、及び食道投与が含まれる。一実施形態において、組成物は、カプセル、例えば軟質ゼラチンカプセル内に存在させる。
【0089】
[0115]本発明に従って使用される組成物は、1又は複数の投薬単位として処方され得る。用語「投与単位」及び「投薬単位」は、本明細書において、治療効果をもたらすために適切な治療剤の量を含有する単独投与に適した医薬組成物の分量を指す。かかる投薬単位は、1日に1回〜複数回(即ち、1〜約10、1〜8、1〜6、1〜4又は1〜2)、或いは治療的反応を引き出すために必要な回数、投与され得る。
【0090】
[0116]別の実施形態において、本発明は、空腹時ベースライントリグリセリドレベルが約500mg/dl〜約1500mg/dlである対象を特定するステップと、及び対象に本明細書に記載の医薬組成物を投与するステップとを含む、必要とする対象において中度〜重度の高トリグリセリド血症を処置するための、本明細書に記載される任意の組成物の使用を提供する。一実施形態において、組成物は、約1g〜約4gのエイコサペンタエン酸エチルエステルを含んでおり、実質的にドコサヘキサエン酸を含有しない。
【0091】
[0117]別の実施形態において、処置される対象は糖尿病を患っている。
【実施例】
【0092】
[0118]以下の実施例は、例証のみを目的とし、いかなる点においても、本発明の範囲を制限するものとは解釈されない。
【0093】
実施例1
[0119]E−EPAの単一施設、二重盲検、無作為抽出、並行群間、プラセボ対照化、用量範囲探索試験を、年齢関連障害(AAMI)を有する対象に対して行った。第1の目的は、6週間にわたるコンピューター化テストバッテリー(computerized test batter)の課題注意力による測定を行って、AAMIを有する対象の認知パフォーマンスに対するエチル−EPAのプラセボと比較した効果を調べることであった。
【0094】
第2の目的は、
[0120](1)6週間にわたる、コンピューター化認知バッテリー(課題注意の継続性、作業記憶課題の質、エピソード記憶課題の質、課題注意の速度)に対する、E−EPAのプラセボと比較した効果を調べること、
[0121](2)日常的な臨床検査試験、有害事象(AE)の監視、及び生命徴候から、E−EPAのプラセボと比較した安全性及び忍容性を評価すること、及び
[0122](3)血漿及び赤血球膜中の必須脂肪酸の測定によって、認知評価終点でのE−EPAの用量効果関係の可能性を評価すること
であった。94人の対象を、無作為抽出した。
【0095】
[0123]試験計画では、96人の対象を登録し、以下の6週間の間4つの考えられる処置群の1つに、均衡のとれたブロック計画(1群あたり24人の対象)で、無作為に割り当てた。
1.1gのエチル−EPAを毎日
2.2gのエチル−EPAを毎日
3.4gのエチル−EPAを毎日
4.プラセボ(パラフィン油)を毎日
【0096】
[0124]エチル−EPAは、96%を超える純度のエチル−EPA、0.25重量%〜0.38重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、0.075重量%〜0.15重量%のノナデカペンタエン酸エチル、0.25重量%〜0.35重量%のアラキドン酸エチル、0.3重量%〜0.4重量%のエイコサテトラエン酸エチル(ETA−E)、0.075%〜0.15%のヘネイコサペンタエン酸エチル、及び酸化防止剤としての0.2%dl−α−トコフェロールを含む500mgの軟質ゲルカプセルとして与えた。対応するプラセボのカプセルには、467gの液体パラフィンと0.2%のdl−α−トコフェロールを含有させた。プラセボ群をさらに無作為抽出して、1g、2g又は4gのプラセボに、同数の対象(8人)を割り当てた。試験薬は、1日2回(BID)の分割用量で(例えば、用量1gの場合には、朝に500mgを投与し、さらに夕方に500mgを投与した)、おやつ又は軽食とともに摂取させた。
【0097】
[0125]試験は、スクリーニング来院、訓練来院、及び4回の試験来院で構成した。スクリーニング来院では、対象の適格性を、認知検査(言語的対連合学習[PAL]下位尺度、語彙下位検査、記憶評価臨床質問票[MAC−Q]、ミニメンタルステート検査[MMSE]及びMINI[精神疾患簡易構造化面接法;精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)、第4版、(DSM−IV)のセクション1及び2、加えて、胸腺不全])、血液検査、臨床化学検査、及び12誘導心電図(ECG)により、判定した。訓練来院では、対象に、CDRコンピューター化システムの使用方法を示した。対象に、試験薬を6週間服用させ、0、14、28及び42日目にCDR認知テストバッテリーを受けさせた。
【0098】
[0126]組入基準
1.書面によるインフォームドコンセントがあること、
2.年齢が50〜70歳の男性及び女性のボランティアであること、
3.記憶喪失の日常の問題(例えば、紹介後に個人の名前を思い出すことの困難、物体の置き違え、購入すべき複数の物品若しくは実施すべき複数の課題を思い出すことの困難、電話番号若しくは郵便番号を思い出すことの困難、及びMAC−Q調査票での25以上のスコアにより判定される、情報を迅速に思い起こすことの困難若しくは追随注意散漫)に反映される自己申告による訴えがあること。記憶喪失の開始は、最近数ヶ月内の突然の悪化がない場合は、漸進的として記載した。
4.主観的及び客観的な認識障害に関して、ウェクスラー記憶尺度のPAL下位項目の合計スコア13〜20によって判定される年齢相応高齢者集団の平均より、少なくとも1標準偏差(SD)低いスコアを有していること、
5.ウェクスラー成人知能検査(WAIS)による語彙の下位検査で、少なくとも9の換算スコア(少なくとも32の未処理スコア)により判定される十分な知的機能があることの証拠、
6.MMSEによるスコアで24以上と判定される認知症でないこと、
7.非喫煙者、又は3ヶ月を超える禁煙者であること、
8.試験期間の間、施設への移動が可能であること、及び試験責任医師によって移動を続けることが可能と判断されること、試験の合理的側面に適合すること、
9.ボディマス指数(BMI)が29.5kg/m未満であること。
【0099】
[0127]除外基準
1.調査の医薬投与要件に適合しない可能性が高いこと又は適合不可能であること、
2.MINI/DSM−IVテキスト改訂版(TR)基準により定義される大うつ病性障害、アルツハイマー病又は血管性認知症と診断されていること、
3.認知機能に影響を与え得る神経学的又は精神医学的障害に関する過去又は現在の病歴があること、
4.クローン病又は潰瘍性大腸炎などの炎症性胃腸疾患に関する過去又は現在の病歴があること、
5.積極的処置を必要とする便秘であること、
6.がん(但し基底細胞癌の診断を除く)に関して、現在又は先行の病歴があること、
7.12誘導ECGにより測定される、臨床的に有意な心臓異常の病歴又は証拠があること、
8.試験に参加するときに対象を危険な状態とする可能性があるか、試験の結果に影響を与える可能性があるか、又は試験に参加する対象の能力に影響を与える可能性があると試験責任医師が考える、任意の他の医学的状態又は十分に制御されていない併発疾患があること、
9.試験に対する対象の適合性に影響を与えると試験責任医師が考える、本集団の正常な範囲外となるスクリーニング又は生命徴候に関する臨床的に有意な異常なスクリーニング検査結果(血液検査、生化学検査)があること、
10.ベースライン来院の4週間以内に、医学的状態に関する処方医薬に何らかの変更があること、
11.ベースライン来院の4週間以内又は試験処置期間中に、オメガ−3が補充されていること、
12.抗凝固剤又は1日用量で325mgを超えるアスピリンを現在服用していること、
13.ベースライン来院の2週間以内又は6週間の処置期間中に、アヘン剤又は抗ヒスタミン剤を含む、咳又は風邪インフルエンザに対する療法を受けていること、
14.試験薬又はプラセボの任意の添加成分に対する既知のアレルギーがあること。
【0100】
[0128]対象の継続する試験の参加が対象にとって最善の利益とならない場合又は重篤若しくは予測できないAEを生じる場合には、対象又は保護監察者の要求により、若しくは試験責任医師の指示により、いずれの対象も任意の時点で試験から離脱可能とした。離脱に対しては、対象のアウトカムと理由を書面化するためのあらゆる合理的な努力を行った。進行中の有害事象は、事象が解決するか、安定化するか、又は別の方法で説明されるまで、いずれも追跡した。離脱した対象は入れ替えなかった。Catalent Pharma Solutionsによって作成され、薬物の包装に使用される判定前無作為割り付け表に従い、対象には、特有の個別の数字を割り当てた。
【0101】
[0129]試験薬は、1日2回の分割した用量で、6週間、食事とともに経口投与した。対象は、6つの考えられる処置群の1つに無作為に割り当てた(表1)。
【0102】
【表1】

【0103】
[0130]試験薬は、来院3、4及び5に分けて投与した。来院3と後続の各来院との間の最大期間は、以下のとおりであった。
来院3から来院4(来院3から2週間±2日)
来院3から来院5(来院3から4週間±2日)
来院3から来院6(来院3から6週間±2日)
【0104】
[0131]試験の間、対象と試験責任医師にとって見分けができないように、全ての処置の包装物は、外見を同一とした。試験責任医師、後援者/臨床検査機関担当者と対象とは、本試験を通して、非開示とした。試験責任医師は、医学的に必要と考えられる場合に、個々の対象への開示が可能とした。開示するプロセスについて、下記に概要を示す。
【0105】
[0132]オメガ−3の補充は、ベースライン来院(来院3)の少なくとも4週間前に休止させた。アヘン剤又は抗ヒスタミン剤を含む、風邪及びインフルエンザに対する療法は、ベースライン来院(来院3)の2週間前に休止させ、試験期間中も認めなかった。
【0106】
[0133]服用中の医薬は、ベースライン来院(来院3)の4週間前に安定にさせ、試験期間中、用量を一定とした。用量の変化が絶対的に必要である場合は、電子式症例報告書(eCRF)に記載した。
【0107】
[0134]試験期間中に抗凝固剤の医薬を必要とする対象は、離脱させた。心理学的カウンセリング又は治療は、試験のアウトカムに影響を及ぼす可能性があるため、試験期間中、許可しなかった。未使用の試験薬は、試験場所に戻した。対象が処方された用量の80%未満しか使用していない場合、不遵守とみなした。
【0108】
[0135]スクリーニングにおいて、認知検査及び試験に対する適性は、言語的対連合1(ウェクスラー記憶尺度)、WAISの語彙下位検査、MAC−Q、MMSE及びMINI(DSM−IVのセクション1及び2、加えて胸腺不全)を使用して評価した。
【0109】
[0136]CDRコンピューター化認知評価システムから選択した課題を、来院2(訓練来院)、来院3(ベースライン)、来院4(14日目)、来院5(28日目)及び来院6(42日目)において、実施した(プロトコルの付属8)。並列形式の検査を、各検査の施行に際して行った。全ての課題はコンピューター管理し、情報は高解像度モニターで提示し、応答は2つのボタン(1つが「いいえ」を示し、他方が「はい」を示す)を含む応答モデルを介して記録した。5つのCDR総合スコアを、第1/第2アウトカム変数として使用した。
【0110】
[0137]課題の表題は以下であった。
単語提示
即時単語想起
絵画提示
単純反応時間
数字ビジランス(Digit Vigilance)
選択反応時間
空間作業記憶
数値作業記憶
遅延単語想起
単語認識
絵画認識
Bond−Lader視覚アナログ気分及び覚醒尺度(Bond−Lader Visual Analogue Scales of Moodand Alertness)
スクリーン、コンピュータマウスの使用
【0111】
[0138]アプローチの一貫性を確保するために、認知検査及びCDR検査の全訓練一式を、試験場所の係員及び試験対象に学習させた。各変数の結果は、CDRにより開発された機械インターフェースを使用して自動的に記録した。
【0112】
[0139]AEは、医薬製品との関係が考えられるか否かにかかわらず、医薬製品の使用と時間的に関連する、医療上好ましくないあらゆる事象の発生と定義した。
【0113】
[0140]試験責任医師を、AEの検出と記録化の責任者とした。各来院時に、非誘導的な問いかけによって、AEについて対象に質問した。AEの記録は、対象が書面によるインフォームドコンセントを提供して参加適格を有すると認定された時点から、処置期間の完了まで行った。処置期間の終了時に進行中のAEは、解決するまで、ベースライン若しくは正常値に戻るまで、又は試験薬に関係しないと考えられるまで、追跡調査した。
【0114】
[0141]重篤有害事象(SAE)は、任意の用量での何等かのAEであって、
死に至ったもの、
生死にかかわったもの、
入院又は現在の入院の延長を必要としたもの、
身体障害又は身体不能に至ったもの、又は
先天性異常/出生時障害に至ったもの
と定義した。
【0115】
[0142]他の事象が、対象を危険にさらす場合又は上記アウトカムの1つを予防するために医薬的若しくは手術的介入を必要とする場合、SAEとみなした。
【0116】
[0143]上記基準にかかわらず、後援者又は試験責任医師が重篤と考えるあらゆるAEを、直ちにSAEとして報告した。調査医薬製品の服用中又は最終投与から30日以内に生じるいかなる患者の死又は患者が経験するSAEも、迅速に(事象を知ってから24時間以内に)、医薬品安全性監視へ報告しなければならない。調査医薬製品の投与開始から最終投与後30日まで、全てのAE(SAEを含む)は、対象のeCRFの有害事象の頁に正確に記載されることとする。
【0117】
[0144]表2に列挙した血液検査(5mL血液試料)及び臨床化学検査(10mL血液試料)に関して臨床検査で評価するための血液試料は、スクリーニング来院(来院1)で回収した。試料は、Simbec Laboratories Ltd.により処理及び分析した。
【0118】
【表2】

【0119】
[0145]薬力学:必須脂肪酸(EFA)測定
[0146]血液試料(10mL)は、来院1(スクリーニング)並びに来院4、5及び6で回収した。分析は、MSR Lipid Analysis、Scottish Crop Research Institute、Dundee、UKによって行った。スクリーニング試料は、EFA測定に対するベースラインとして役立てた。
【0120】
[0147]脂質は、血漿、血清及びRBC懸濁液から抽出し、脂肪酸メチルエステルに変換させ、この脂肪酸メチルエステルをガスクロマトグラフィーにより分析して、試料1グラムあたりの脂肪酸マイクログラム(μgFA/g)としての脂肪酸プロファイルと正規化面積%とを得た。CDRコンピューター化システムを使用して、種々の臨床試験における認知機能に対する薬剤の効果を測定した。有効性は、CDRにより設計した認知テストバッテリーで評価した。安全性データは、Quanticateにより分析を行った。
【0121】
[0148]分析した集団には、以下を含めた:
解析対象(ITT)集団:この集団には、ベースライン後に少なくとも1回の来院のあった対象を、実際の処置を受けたかどうかにかかわらず、全て無作為化して含めた。
治験実施計画に適合した集団(PP):プロトコルから著しく離脱した者を除いて、試験を完了した対象を全て無作為化して、安全性PP集団として定義した。有効性PP集団は、有効性試験完了者に基づくものとした。安全性PP集団と有効性PP集団の切片により、試験PP集団を定義した。
安全性集団:少なくとも1用量の試験医薬を服用した対象を全て無作為化した。
【0122】
[0149]簡易統計により、ITT及び試験PP集団について、別個に、全ての総合スコア、主変数、及び補足的変数を得た。簡易統計は、未補正データ及びベースラインを差し引いたデータ(即ち、0日目の投与前の評価に対応する時間点からの差)の両方について行った。簡易統計は、処置ごと、日ごと、及び時間点ごとで計算した。簡易統計には、個数(n)、平均、中央値、SD、平均の標準誤差(SEM)、最小値、及び最大値を含めた。
【0123】
[0150]ベースラインデータからの各主変数の差異は、SAS(登録商標)PROC MIXED バージョン8.2を使用して、共分散分析(ANCOVA)により評価した。
【0124】
[0151]処置、日、時間点、日ごとの処置、時間点ごとの処置、日ごと時間点ごとの処置に対して固定効果を適合させた。処置中の対象は、連用ステートメントを使用した連用効果として適合させた。複合対称性共分散構造を使用した。対象の0日目の投与前評価に対応する時間を、分析において共変数として使用した。最小二乗平均(LS平均)を、日ごとの処置、時間点ごとの処置、及び日ごと時間点ごとの処置相互作用に対して計算した。この形式的分析は、ITT集団及び試験PP集団に対して個別に行った。
【0125】
[0152]安全性評価は、安全性集団に基づいて行った。安全性及び忍容性は、AE、生命徴候、12誘導ECG、臨床検査データ、病歴、及び試験薬服薬遵守の観点で評価した。安全性及び忍容性データは、処置群ごとに提示した。全ての安全性データは、対象ごとで個々に列挙した。
【0126】
[0153]RBC及び血漿EFAデータは、ベースライン、14日目、28日目、及び42日目に回収し、各処置群に対し、来院ごとにまとめた。ベースラインからの変化、及びベースラインからの変化%もまとめた。エチル−EPA投与群とエチル−EPA対プラセボとのANCOVA比較を行った。
【0127】
[0154]試料の大きさの計算は、注意力に基づいた。神経型ニコチン性アセチルコリン受容体部分アゴニストであるイソプロニクリン(50mg)により、AAMIを有する対象において、先の研究の繰り返し投与の21日目に、注意力に対して61msec(50mg平均=−32.54、SD=61.22;プラセボ平均=28.25、SD=49.64)の有益性が得られた。プールされたSDの使用により、61msecの差異を80%の注意力、5%の有意レベル(多重検定に対する調整なし)で検出するために、処置群あたり15人の対象の試料サイズが十分と考えられた。これらの認知手段を用いる化合物及び作用機構に関する先行する実験はないことから、処置群あたり24人の対象の試料サイズを、早期離脱を認めるのに十分なものとして選定した。
【0128】
[0155]試験の方針に変更はなかった。計画した分析において、以下の変更を行った。記憶の速度を計算するための式を、SPEEDMEM(記憶の速度)=SPMRT(空間作業記憶速度)+NWMRT(数値作業速度)+DRECRT(単語認識速度)+DPICRT(絵画認識速度)に変更した。
0日目の投与前評価に対応する対象の時間を、分析において共変数として使用した。
0日目は、ANCOVA共変数値のリストにおける日数の値から除いた。共変数=ベースラインは、共変数=ANCOVA共変数値のリストにおいて0日目の投与前評価に対応する時間に変更した。
時間点ごとの日を、ANCOVAモデルに対するSAS(登録商標)コードにおけるモデル効果のリストに追加した。
F検定表と処置効果表を、ANCOVA要約表のリストに追加した。
ANCOVA要約表は、ANCOVAの未処理の出力から生じるものに従って再度番号付けした。
図には、ANCOVA最小二乗平均のための、処置、日ごとの処置、時間点ごとの処置、日ごと時間点ごとの処置の効果を含めた。
図には、プラセボに対するANCOVA最小二乗平均の差(95%信頼区間[CI])を加えた。
事後分析は、個々のプラセボ群(1g、2g及び4gのパラフィン油)を、プールしたプラセボ群に対してではなく、対応するエチル−EPA投与と比較して行った。
【0129】
[0156]91人の対象について試験を完了し、3人の対象について試験を中断した。2人の対象は、エチル−EPA2gの処置群に由来し、このうち1人の対象は、試験薬とは無関係と考えられるSAEが原因であり、1人はプロトコルの不遵守が原因であった。1人の対象は、プラセボ2gの群に由来し、AEが原因であった。
【0130】
[0157]注意力に関して、日ごとの処置、時間点ごとの処置、又は日ごと時間点ごとの処置相互作用のいずれにおいても、処置による統計的に有意な効果は認められなかった。いずれの時間点においても、積極的処置とプラセボとの間に最小二乗平均の差異は認められなかった。選択反応時間に関して、28日目のエチル−EPA1g及び2gにおいて統計的に有意な有益性があり、42日目の1及び4gのエチル−EPAにおいて、プラセボに対して有益な傾向があったが、処置に関係する明確なパターンは観察されなかった。
【0131】
[0158]注意の継続性は、プラセボとエチル−EPAとの間で差異は見られなかったが、例外として、2gのエチル−EPAで、全体的な低下がITT集団においてのみ見られた。下位課題である数字ビジランス検出標的(Digit Vigilance Targets Detected)では、プラセボに対する積極的処置において独立した低下が示されたが、処置に関連する明確なパターンはなかった。
【0132】
[0159]作業記憶の質では、総合的スコアのみが、F比における日ごとの処置相互作用で統計的な有意性を示した。但し、14日目と28日目にプラセボに対するエチル−EPAの1gと2gの孤立した統計的に有意な低下があるのみであり、これらの低下は偶然であって、処置に関連するものではない可能性が最も高かった。
【0133】
[0160]エピソード二次記憶の質では、種々の時間点で、プラセボに対するエチル−EPAにおいて統計的に有意な低下が示された。しかし、未補正データにより、処置群の間に予め差異が存在することが示され、最初の評価実施では0日目でその差異が最も顕著であったため、前記低下は、積極的処置の効果によるものではないようであった。ANCOVA分析の前に計算したベースラインデータからの差異では、もはや前記差異は現れなかった。このことは、ANCOVAモデルが、ベースラインの値と強い負の相関関係にあることを示唆している。これは、対象内の変動性が対象間の変動性と重複するときによく生じる。
【0134】
[0161]記憶の速度、下位課題である空間作業記憶及び数値作業記憶の速度、並びに単語認識速度及び絵画認識速度では、エチル−EPAとプラセボの間で、F比の統計における成績の差異は見られなかった。
【0135】
[0162]自己評定による覚醒度では、エチル−EPAとプラセボの間で、評定に明らかな差異はなかった。プラセボに対する積極的処置の評定において、化合物に関係するとは考えにくい孤立した低下があった。
【0136】
[0163]自己評定による満足感は、エチル−EPAの2gの28日目の複数の評定において統計的に有意な低下を示した。しかし、これらの低下は、個別には、統計的に有意でなかった。低下が示されたのは1日に限定され、他の用量レベルではいずれの日も同様のパターンが示されなかったことから、前記低下が処置に関連する効果であったとは考えにくい。自己評価による静穏度に関しては、積極的処置とプラセボとの間で評定に差異はなかった。
【0137】
[0164]各エチル−EPA投与の結果と対応するプラセボ投与の結果とを比較したとき(事後分析)、4gのエチル−EPAにおいて、注意課題(注意力、単純反応時間及び選択反応時間)における対象の反応時間が改善したと考えられた。この改善は、選択反応時間に関して最も明確に見られ、4gの日ごとの評価において漸進的改善のパターンが見られた。投与期間をより長くすることで、これらのパラメーターに対するエチル−EPAの効果が明確になると考えられる。
【0138】
[0165]EPA(表3に示す)、DPAn−3及びEPA/AA比率(データは示さず)の血漿及びRBC値は、ベースラインから42日目にかけて、AMR−101の1、2、及び4gの処置群において実質的に増加した。AA、DHA及びDGLAの値は、ベースラインから実質的に低下した(データは示さず)。
【0139】
【表3】

【0140】
[0166]表3から分かるように、1日あたり2gのAMR101の用量では、ベースラインと比較して血漿EPAレベルが42日後に297%増加し、1日あたり4gのAMR101の用量では、ベースラインと比較して血漿EPAレベルが417%増加した。
【0141】
[0167]先に公開されているGrimsgaardらの文献には、ベースラインの血清リン脂質レベルと、1日あたり4gの90%エチル−DHA、1日あたり4gの95%エチル−EPA及び少量の存在するDHA、又はコーン油を7週間補充した後の血清リン脂質レベルとが記載されている(Am.J.Clin.Nutr.1997、66、649−59(1997))。これらの組成物に存在する更なる脂肪酸と構成成分の完全なプロファイルは明らかにされていない。7週間の補充後、対象が示した血清リン脂質EPAの増加はたった297%である。これに対して、本発明の組成物では、上記のように417%増加している。血漿/血清脂肪酸における他の変化の比較を、表4に示す。
【0142】
【表4】

【0143】
[0168]さらに、日本でのエイコサペンタエン酸(EPA)脂質介入試験(JELIS)において、Yokoyamaらは、18000人超の患者を、EPA組成物(Epadel)1800mgをスタチンと共に摂取するか、又はスタチンのみを摂取するかに無作為に割り当て、5年間の追跡調査を行ったことを報告している(Lancet 2007、369、1090−98)。5年間の処置後、対象が示した血漿EPAの増加はたった70%であった(ベースラインの93mg/Lから169mg/Lへ)。
【0144】
[0169]図1及び2は、現行試験のAMR101処置により観察される血漿/血清EPAレベルの変化を、JELIS試験及びGrimsgaardにおける異なるEPA組成物で観察される血漿/血清EPAレベルの変化と比較して示している。気づくように、1日あたり約2gのAMR101により、ベースラインと比較した血漿EPAにおいて、たった6週間後に、JELIS試験で5年間の処置後に観察された増加(2倍未満)よりもはるかに大きい増加(約4倍)が達成された。さらに、1日あたり4gの用量のAMR101の6週間にわたる処置によって、Grimsgaardにより報告された7週間の処置後の値(87.66μg/g血清)よりもはるかに高い血漿EPAレベル(>250μg/g)が達成された。全体として、1日あたり4gの用量のAMR101では、血漿EPAにおいて、ベースラインに対して5倍を超える増加があった。一方、1日あたり4gの用量のGrimsgaard組成物では、血清EPAの増加が3倍未満であった。これらの結果は予想し得ないものであった。
【0145】
実施例2
[0170]1g、1日2回の6ヶ月にわたるEPAによる、多施設、無作為抽出、二重盲検、プラセボ対照化試験を、北アメリカで実施し、ハンチントン病患者の運動パフォーマンスが改善するかどうかを判定した。事後分析を行って、EPAの非空腹時トリアシルグリセロールに対する効果を評価した。
【0146】
[0171]ハンチントン病の進行に対するエチル−EPAの効果についての試験では、カナダ及び米国における41箇所で試験参加者を登録した。先行する試験の結果に基づいて、試験の組入基準は、CAG繰り返しが45未満のハンチントン病罹患個体の参加を多くするように設計し、伸長の長さを研究参加者又は試験責任医師に明らかにさせる遺伝的検査は要求しなかった。試験に参加するために、個体はハンチントン病(HD)の臨床的特徴を有するか、確証のある家族歴があるか、若しくはCAG伸長を有することが既知でなければならなかった。適格基準には、年齢が少なくとも35歳以上であること、少なくとも7の全機能能力を有していること、ジストニアが最小であること(体幹若しくは四肢のいずれかでUHDRSが2を超えないこと)、運動緩慢度が最小であること(運動緩慢に対するUHDRSが2を超えないこと)、十分な受胎調節を行っていること、経口医薬の服用能力があること、並びに試験の要件を遵守する意思及び能力があることが含まれた。ベースライン来院から60日以内に、オメガ−3脂肪酸補充剤、テトラベナジン若しくはレセルピン、高用量又は可変量の経口抗精神病薬(例えば、ハロペリドール)、局所製剤以外のステロイド剤、高用量のセレニウム補充剤、リチウム、高用量のベンゾジアゼピン、抗凝固薬(例えば、クマジン)、高用量の(1日あたり325mgを超える)アスピリン、不定用量のNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、又は不定用量の抗てんかん医薬を使用した場合、或いは他の調査性薬物試験に参加した場合は、個体は参加適格性を有しないとした。更なる除外基準は、ベースライン来院時から6ヶ月以内の持効性神経弛緩薬の使用、遅発性ジスキネジーの病歴、不安定な医学的又は精神的容態、大うつ病(ベックうつ病特定尺度IIで20を超えるスコアで定義されるもの)、自殺念慮、ベースライン来院から12ヶ月以内の臨床的に有意な物質乱用、妊娠中又は授乳中の女性、エチル−EPA又はプラセボに対する既知のアレルギー、又は、EPAの調査研究への以前の参加であった。
【0147】
[0172]本試験は、EPAの無作為抽出、二重盲検、プラセボ対照化、並行群間試験であった(1g、1日2回)。各参加場所における治験審査委員会で、研究計画と同意文書の承認を得た。適格な試験参加者には、書面による同意書を用意した。ベースライン来院では、参加者を、場所により層別化し、ロチェスター大学の生物統計センターにより作成されたブロック平衡計算機処理無作為化計画に従って無作為化した。AMR101の500mgの経口カプセル2個の形態での活性薬物を1日2回、6ヶ月間服用する群(n=158)、又は軽パラフィン油及び0.2%dl−α−トコフェロールを含有する500mgの経口カプセル2個の形態でのプラセボを1日2回、6ヶ月間服用する群(n=154)のいずれかに、1:1の比率で個体を無作為化した。6ヶ月後、全てのTREND−HD参加者に、オープンラベル方式で6ヶ月間AMR101を処置した。最初の6ヶ月におけるデータのみを、AMR101の脂質に対する効果を評価するために使用した。
【0148】
[0173]この試験のアウトカム測定は、プラセボ服用者と比較したAMR101服用者の非空腹時トリアシルグリセロール(TG)レベルの変化であった。
【0149】
[0174]安全性は、全ての試験来院で評価し、評価には、有害事象及び重篤有害事象の審査及び評価、並びに臨床検査試験の再検査(全血球計算、血清化学検査、及び尿妊娠検査)を含めた。研究参加者の安全性は、後援者及びハンチントン試験群の両方からの医学的監視によって、盲検方式で監視した。さらに、処置評価の入手権限を有する独立した安全性監視委員会が、試験を通して、試験の実施に何等かの修正が必要かどうかを判断するために安全性を再検査した。
【0150】
[0175]脂質レベルの変化は、共分散分析(ANCOVA)を使用して、処置群を関心因子として、場所を層別化因子として、及びベースライン値を共変数として、比較した。試験医薬を服用した全ての個体を安全性分析に含めた。各種の有害事象に対して、フィッシャーの正確確率検定を使用して、少なくとも1事象の発生に関して処置群を比較した。安全性の継続的な評価、例えば、検査室での試験結果及び生命徴候は、上記に記載した主要変動アウトカム項目に対するものと同様の方法(ANCOVA)を使用して分析を行った。安全性データの審査において、多重比較のための補正は行わなかった。
【0151】
[0176]AMR101に関しては145人の対象(帰属者の92%)及びプラセボに関しては141人の対象(帰属者の92%)について、赤血球のEPA量を、ベースライン及び6ヶ月目で判定した。20:5n3(EPA)のベースライン赤血球量は、6ヶ月後、AMR101服用者では有意に増加したが(平均で0.52%から3.07%へ)、プラセボ服用者では減少した(平均で0.61%から0.55%へ)(p<0.0001)。6ヶ月後、AMR101を服用した個体は、TGが、ベースラインの171mg/dLから26mg/dL低下したが、プラセボを服用した個体では、ベースラインの187mg/dLから11mg/dL低下した(p=0.007)。総コレステロールでは、AMR101を服用した個体におけるベースライン204mg/dLからの減少(9.5mg/dL)は、プラセボを服用した個体のベースライン208mg/dLからの減少(2.5mg/dL)よりも有意に大きかった(p=0.009)。脂質及び運動スコア(Motor Scoer)データを、表5及び6にそれぞれ示す。
【0152】
【表5】

【0153】
【表6】


[0177]AMR101に対するこれらのデータと比較して、Grimsgaardの報告では、7週間の処置後のEPA群において、血清グリセリドの低下(ベースラインから)は12%のみであった。さらに、JELIS試験における現行のスタチン治療にEpadel EPA組成物を加えた結果では、5年間の処置後に、トリグリセリドの低下は9%のみであった。
【0154】
実施例3
[0178]Epadelカプセルの内容物を評価してAMR101カプセルと比較するための試験を行った。各組成物について6つのカプセルを選択し、ガスクロマログラフィーにより分析した。2つの組成物それぞれについて、6つのカプセルの平均を表7に示す。
【0155】
【表7】

【0156】
実施例4
[0179]フェーズIでは、単一施設で、健常男性ボランティアにおける複数回投与薬物動態試験を行った。24人の対象を、それぞれ12人の対象からなる2つの処置群に分けた(群A及び群B)。両方の群が受けたAMR101の1日合計用量は同じであったが、投与レジメンは異なっていた。全ての対象は、1日目に単独経口用量2gのAMR101を服用した。処置群Aは、28日間連続で1日1回、用量2gのAMR101を服用した。処置群Bは、27日間連続で1日2回、用量1gのAMR101を服用し、30日目に単独用量2gのAMR101を服用した。
【0157】
[0180]EPA及び他の必須脂肪酸のレベルは、血漿及び赤血球中で判定した。薬物動態分析のための血液試料は、処置群A及びBにおいて、以下の時間点で採取した。
[0181]1日目及び30日目:投与前、投与から1、2、3、4、5、6、8、20、12、24、36及び48時間後
[0182]9、16、23日目:朝の投与前
[0183]37、44、58日目:最終投与後
【0158】
[0184]最初の中間報告により、処置群Bについて、以下の薬物動態結果が提示される。
[0185]血漿−1日目(投与前、投与から1、2、3、4、5、6、8、20、12、24、36及び48時間後);
[0186]赤血球−1日目(投与前及び36時間)、30日目(投与から1時間後)、37日目、44日目、58日目。
【0159】
[0187]各試料採取時の濃度から投与前の濃度を差し引いて補正した値を使用するとき、単独経口用量で2gのAMR101により、血漿脂質EPAの急激な上昇が示された。EPAレベルでは、最大値が投与後5時間目に観察され、投与後48時間までベースラインを上回っていた。血漿脂質からのEPAの消失半減期は、87±65時間(ベースラインを差し引いていないもの)及び42±31時間(ベースラインを差し引いたもの)であった。薬物動態データの概要を表8に示す。
【0160】
【表8】

【0161】
[0188]治験実施計画に適合した集団においては、AMR101の経口投与により、RBCのEPAレベルが増加し、投与前1日目の平均値で190.4mg/gから30日目の最終投与1時間後の40.3mg/gとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象に、少なくとも96重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.5重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.05重量%〜約0.25重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.45重量%のアラキドン酸エチル、約0.3重量%〜約0.5重量%のエイコサテトラエン酸エチル、約0.05%〜約0.32%のヘネイコサペンタエン酸エチル、あるとしても0.05%以下のエチル−DHAを含む医薬組成物を、対象の血漿及び/又は血清EPAレベルをベースラインと比較して少なくとも約200%増加させるのに十分な量で毎日投与するステップを含む、対象において血漿及び/又は血清EPAを増加する方法。
【請求項2】
組成物が、対象の血漿及び/又は血清EPAレベルをベースラインと比較して少なくとも300%増加させるのに十分な量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
組成物が、対象の血漿及び/又は血清EPAレベルをベースラインと比較して少なくとも400%増加させるのに十分な量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
組成物が、対象に、少なくとも約6週間毎日投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
対象が、約50μg/ml以下のベースラインの血漿及び/又は血清EPAレベルを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
2gの組成物を、少なくとも約6週間対象に毎日投与するにあたり、対象が、ベースラインと比較して少なくとも200%の血漿及び/又は血清EPAの増加を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
4gの組成物を、少なくとも約6週間対象に毎日投与するにあたり、対象が、ベースラインと比較して少なくとも300%の血漿及び/又は血清EPAの増加を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
4gの組成物を、少なくとも約6週間対象に毎日投与するにあたり、対象が、ベースラインと比較して少なくとも400%の血漿及び/又は血清EPAの増加を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
組成物を、対象に毎日投与するにあたり、対象が、血清及び/又は血漿DPAレベルの増加、並びに血清及び/又は血漿AA、DHA及び/又はDGLAレベルの減少を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
組成物を、少なくとも6週間対象に毎日投与するにあたり、対象が、ベースラインと比較して、血清及び/又は血漿DPAレベルの増加、並びに血清及び/又は血漿AA、DHA及び/又はDGLAレベルの減少を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
組成物を、少なくとも6週間対象に毎日投与するにあたり、対象が、ベースラインと比較して少なくとも16%の血漿及び/又は血清DHAレベルの減少、ベースラインと比較して少なくとも31%の血漿及び/又は血清DGLAレベルの減少、ベースラインと比較して少なくとも20%の血漿及び/又は血清AAレベルの減少、並びに/或いはベースラインと比較して少なくとも130%の血漿及び/又は血清DPAレベルの増加を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、少なくとも96重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.22重量%〜約0.4重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.075重量%〜約0.20重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.25重量%〜約0.40重量%のアラキドン酸エチル、約0.3重量%〜約0.4重量%のエイコサテトラエン酸エチル、及び約0.075%〜約0.25%のヘネイコサペンタエン酸エチルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
組成物が、少なくとも98重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.25重量%〜約0.38重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.10重量%〜約0.15重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.25重量%〜約0.35重量%のアラキドン酸エチル、約0.31重量%〜約0.38重量%のエイコサテトラエン酸エチル、及び約0.08%〜約0.20%のヘネイコサペンタエン酸エチルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
組成物が、約0.1重量%〜約0.3重量%の量のトコフェロールをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
組成物が、カプセルシェルに存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
必要とする対象に、少なくとも96重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.5重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.05重量%〜約0.25重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.45重量%のアラキドン酸エチル、約0.3重量%〜約0.5重量%のエイコサテトラエン酸エチル、約0.05%〜約0.32%のヘネイコサペンタエン酸エチル、0.05%以下のエチル−DHAを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象において血漿及び/又は血清EPAを増加する方法であって、2gの組成物を対象に少なくとも約6週間毎日投与するにあたり、対象がベースラインと比較して少なくとも約200%の血漿及び/又は血清EPAの増加を示す、方法。
【請求項17】
対象が、約50μg/ml以下のベースラインの血漿又は血清EPAレベルを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
必要とする対象に、少なくとも96重量%のエイコサペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.5重量%のオクタデカテトラエン酸エチル、約0.05重量%〜約0.25重量%のノナデカペンタエン酸エチル、約0.2重量%〜約0.45重量%のアラキドン酸エチル、約0.3重量%〜約0.5重量%のエイコサテトラエン酸エチル、約0.05%〜約0.32%のヘネイコサペンタエン酸エチル、0.05%以下のエチル−DHAを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象において血漿又は血清EPAを増加する方法であって、4gの組成物を対象に少なくとも約6週間毎日投与するにあたり、対象がベースラインと比較して少なくとも約300%の血漿及び/又は血清EPAの増加を示す、方法。
【請求項19】
対象が、約50μg/ml以下のベースラインの血漿又は血清EPAレベルを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
安定スタチン治療を受けており、トリグリセリド低下治療を必要とする対象を同定するステップと、対象に1日あたり約1g〜約4gの超高純度E−EPAを含む薬学的に許容される組成物を投与するステップとを含む、安定スタチン治療を受けており、トリグリセリド低下治療を必要とする対象においてLDL制御を維持する方法であって、組成物を対象に投与するにあたり、対象が、対照と比較して臨床的に有意な空腹時トリグリセリドの低下を示す、方法。
【請求項21】
安定スタチン治療を受けており、トリグリセリド低下治療を必要とする対象におけるLDL制御の維持に使用するための、約1g〜約4gの超高純度E−EPAを含む医薬組成物であって、組成物を対象に投与するにあたり、対象が対照と比較して空腹時トリグリセリドの臨床的に有意な低下を示す、医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−521310(P2013−521310A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556265(P2012−556265)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/027218
【国際公開番号】WO2011/109724
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512228738)アマリン ファーマ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】