説明

応急処置システム、その運用手順及び、特に本システム用の携帯型応急処置機器

【課題】特殊技能を全く有さず、又は最低限のみの特殊技能を有する人であっても、体調不良、事故又は他の出来事の場合に安全且つ効率的に必要な応急処置介入を行うことができる応急処置システムの提供
【解決手段】応急処置ツール及び情報を送信するための機器を含む、少なくとも1つの設置ユニット1を有する応急処置適用システムに関し、その設置ユニット1は、応急処置適用に関する情報を送受信するセンター2と通信接続する。システムは、設置ユニット1の情報媒介機器が、宣伝、告知又は他の、例えば、応急処置情報以外の広報を表示するのに適するように構成され、又は/及びこれを目的とするツールも含む。更に、設置ユニット1は応急処置ツールとして少なくとも除細動器7及び呼吸装置6を有する。本発明による手順は、事故又は/及び体調不良の場合、その出来事に関する情報が設置ユニット1からセンター2に送信され、センター2から受信した情報に基づき、必要な場合、事故に遭い、又は体調が悪化した人が現場で介護される。応急処置の適用と次の同様の適用との間の期間、設置ユニットを用いて継続的又は中断的に宣伝又は他の情報が提供される。携帯型応急処置ツールは少なくとも呼吸装置6及び除細動器7を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応急処置ツール及び情報を送信するためのツールを含むとともに、応急処置情報を送受信するセンターと通信する少なくとも1つの設置ユニットを有する応急処置システムに関する。本発明は、このシステムの運用手順及び、特に、前記システムで用いることができる携帯型応急処置機器にも関する。
【背景技術】
【0002】
どのような状況下でも事実上どこでも人は体調が悪くなり、又は事故が起こり得る。永続的な健康障害を被らない生存又は回復の見込みは、患者がどの程度迅速に適切な処置を受けるかに依存する場合が多い。一般的に、そのような処置の最初の救命となることが多い段階は、現時点で患者の近くにいる人によって行われ、彼らは医学的面から未熟であり、医師が到着するまで彼ら自身の知識、これは明らかにほとんどの場合、不十分であるが、係る知識に依拠する必要がある。
【0003】
専門的な知識/経験なくしてなされる介入、又は介入の欠如は、最善の意図に沿っていても重篤又は更には致命的な作用をもたらす場合がある。従って、事故が発生する可能性がより高い場所で働く/に留まる人、例えば、工場で働く人、車両運転者などは、異なるレベルの応急処置講座に参加する義務があり、そのような場所には数個の基本的ツールを含む応急処置キットが保管されている。
【0004】
最近になり、繁華な場所に除細動器を設置する傾向が見られ、この機器は熟練者の手腕で幾度か極めて有用であることがわかった。しかし、この面から未熟な者による除細動器の不適切な使用は、重篤な障害又は更には死亡をもたらす場合があることを指摘せねばならない。
【0005】
同時に、大部分の事故又はほとんどの場合の体調不良では、訓練コースに参加し、又は応急処置キット若しくは他のツールを手元に有することは、専門技術がまだ欠けており、医師(救急隊)が到着するまでそれらは使用されないため、十分なレベルの介入を保証しない。
【0006】
未熟練者又は専門知識をほとんど有さない人によって行われる介入、又は介入の欠如は幾つかの危険源を含む。即ち、
a)そのような人は経験不足のため、介入を行うことを恐れ、また、「何か誤ったこと」をすることを恐れ、そのため、援助するようなことは何もせず、又は単に不十分なレベルで援助しようとして行為を行う;
b)彼らは問題(単数又は複数)を認識せず、又は過ちを犯し、介入に必要なツールを誤選択し、若しくは介入行為の順序を誤判断する;
c)彼らは利用可能な応急処置ツールを使用せず、又はそれらを誤使用する。
【0007】
上記不利点を少なくとも部分的に克服することを目的とした解決手法が、特許文献1に記載されており、その主題は支援を求め、且つ基本的に交通事故の場合に応急処置を提供するために用いられる救急装置に関する。この装置は救急ユニット及び情報・通信ユニットを含み、後者のユニットを介し、事故現場で援助を提供する人、例えば車両の運転者又は乗客が、人、例えば、事故に遭った負傷者の、手当てに関する指示及び支援、例えば、救急車が事故現場に到着することが期待できる時間に関する情報を受けることができる特定の基地局との電話又はテレビ接続が確立され得る。
【0008】
上述の救急装置はその所有者(使用者)、まず第一に、車両運転者の所有物であり、情報/通信要素及び応急処置ツール、(該明細書では包帯について述べられている)を含む、適切に小型の箱が、実用的に取り外し可能な様式にて運転者の車両内に固定されている。この結果として、一方では、救急装置の適用性は車両運転者及び/又は乗客に限定され、他方では、事故によって生じる心不全又は呼吸不全の処置には適さず、それは、そのような処置に必要なサイズの医療機器を収容するのに十分なスペースが小型箱にないためである。
【0009】
特許文献2では、まず第一に、主に高層の公共建物、例えば、病院、教育施設、輸送基地(例えば、空港、バスターミナル、鉄道駅など)内で火災、事故などが発生する場合に実施され得る救急処置を提供するシステムについて述べている。システムは、施設の部分ユニットにおいて、各々別個のサブユニット、例えば、高層建物の各階に消火器、警報器、除細動器;電話、コンピュータ通信システムなどの通信機器のような救急活動に必要なツールが配置され、サブユニットと通信する内部中央ステーションが各ユニット、例えば、各高層建物に所属し、その中央ステーションが遠隔中央救急ステーションと、例えば、インターネット、衛星、電話により、通信接続し、火災又は事故の場合、そこから緊急支援のために、例えば、消防器具、救急車などが所定の場所に送り出され得るということに基づく。従って、これは、基本的に火災損害をなくすことを目的とした多少複雑な緊急支援を可能にする、特定の公共施設に割り当てられるシステムであるが、該明細書では可能な救急機器として除細動器のみが数行で述べられている
【0010】
特許文献3は、個人用消火救急機器の遠隔検査及びその操作の制御のためのシステムに関し、それは、消防士が消火をしながら着用している圧縮空気呼吸装置にモバイルユニットも接続され、そのモバイルユニットが中央遠隔制御ステーションと常時無線接続しており、システムの基本データと比べて消防士を危険にさらす異常が検出された場合、ステーションが呼吸装置の操作に介入するということに基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許第10352210A1号
【特許文献2】米国特許第2005/0006109Al号
【特許文献3】米国特許第6,472,988B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明に関して解決されるべき課題は、公共用の応急処置システムを提供し、その支援により、専門的医療従事者ではなく、システムを操作するように訓練を受けた人;特殊技能を全く有さず、又は最低限のみの特殊技能を有する人であっても、体調不良、事故又は他の出来事の場合に安全且つ効率的に必要な応急処置介入を行うことができるようにすることである。更に、本発明に関して解決されるべき課題は、一方では、公共の場での公共利用を可能にし、公共施設、例えば、病院、他の保健、科学、商業、金融等の機関において、できる限り広範に用いられる応急処置システムの構築を可能にし、他方では、事故又は体調不良現場、まず第一に、公共の場及び更に公共施設において病院外の効率的な救急救命介入の最適条件を確保することである。
【0013】
本発明は以下の認識に基づく:
公共応急処置場所の設立、維持及び運用並びに、例えば、上述の特許文献2に述べられている中央制御高水準システムのコストは極めて高いので、国家予算源から資金提供を受けることはほぼ不可能であろう。しかし、限られた期間の応急処置適用の比較的稀なケースの合間の期間、公共の場及び公共施設に配置される応急処置ツールが、宣伝、情報、公示及び他の告知のために用いられるような方法でシステムが構築・運用されれば、応急処置システムに関連して被るコストは少なくとも削減され、又は更には所定の場合には完全に賄われ得、システムは経済的に運用され得る。
【0014】
本発明は、例えば、意識喪失をもたらす体調不良又は他の事故の場合、除細動器と呼吸装置とが併用されれば、特許文献2に述べられているようにこれらの機器の1つのみを用いる場合より救命介入が有意により効率的であるという認識にも基づく。除細動の間、除細動器は心筋に生じる電気的カオスを制御することができることは既知である。除細動の間、心臓を通過する電流の結果として心筋細胞は同時に脱分極し、再分極も同時に生じれば、正常な心拍を回復する見込みがある。同時に、除細動の効率に影響を与える因子中、アシドーシス、低酸素及び電解質は除細動器のみでは効率的に影響を受け得ないが、酸素供給及び細胞の酸塩基平衡は酸素を加えることにより人工呼吸によって改善され得、アシドーシス性低酸素心筋が除細動に対するより緩徐な応答を示すため、これは支配的且つ重要な因子である。しかし、細胞がそれらに酸素を供給することによって「用意が整っている」場合、除細動の効率は有意に向上する可能性が高い。更に、除細動と同時に行われる人工呼吸も適切な組織の酸素化を確実にする。
【0015】
設定課題を解決するためには明らかに、情報を送信、又は交換するためのコミュニケーションツールも、互いに遠く離れた異なる場所に配置される応急処置ツールに割り当てられる必要があり、この場合、前記コミュニケーションツールは応急処置ツールと共に一つの単一ユニットに組み込まれ、前記コミュニケーションツールの支援により、事故に遭い、又は体調が悪くなった人の状態に関する情報が、所定の現場に留まらず、本人が早急に現場に出向くことができない遠方の熟練者、実際的には医師に送信され得、熟練者は前記コミュニケーションツールを介し、所定の場合に専門的保健技能を全く有さない、患者を介護する人に専門的指示を与えることができる。一方では、事故/体調不良の現場から情報を提供するための別個の情報媒介機器と、事故/体調不良の現場で患者を介護する、概して未熟な人に、患者を介護する人に必要な情報を提供するための別個のツールとが用いられてもよい。このようなシステムでは、応急処置はより高度な専門レベルで患者に適用され得、これにより、永続的な健康障害を伴わずに生存及び回復の見込みが高まる。
【0016】
最後に、もう1つの重要な認識は、本発明によるシステムが、現時点で得られる財源によっては、異なるサービス基準を保証する形で実現され得ることである。十分な資金がある場合、設置ユニットは、最大効率の通信を保証する、カメラ、スクリーン、電話;血圧計、ECG記録器などのツール、除細動器、呼吸装置及び他の応急処置ツール・装置を含むバッグを含み得る。この結果として、設置ユニットの地域において比較的広い区域で蘇生を行い、応急処置を適用することができる。
【0017】
しかし、財政上の制約又は他の側面のため、単に救命機能が多数の人々により利用される特定の比較的小さい区域、例えば、鉄道駅、ショッピングセンター、競技場などでのみ保証される場合、センターと連絡を取り合うためのコミュニケーションツール(スクリーン及びカメラ)を含む設置ユニットを用いることで十分であるが、そのバッグ内には呼吸装置及び除細動器があるだけである。この場合、そのツールを使用する訓練を過去に受けた人が設置ユニットに割り当てられる必要があり、明らかに、この人はセンターから情報を受けることもできる。
【0018】
上述のどちらの場合も、設置ユニットが救命/応急処置適用モードでない場合、設置ユニットのスクリーン上に宣伝、情報、告知が所定時間内で継続的に又は中断的に表示され得る。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記認識に基づき、設定課題は、応急処置ツール及び情報を送信するためのツールを含む、少なくとも1つの設置ユニットを有し、その設置ユニットが応急処置適用に関する情報を送受信するセンターと通信接続する応急処置適用システムにより解決され、そのシステムは、
−設置ユニットの情報媒介機器が、宣伝、告知又は他の、例えば、応急処置情報以外の広報を表示するのに適するように構成され、又は/及びこれを目的とするツールも含み、
−設置ユニットが応急処置ツールとして少なくとも除細動器及び呼吸装置を有する
ことを特徴とする。
【0020】
好ましくは、センターは複数の設置ユニットと通信接続する。
【0021】
呼吸装置は、手動、自動又は半自動式でよく、本発明によるシステムでは自動呼吸装置を含むことが特に好ましい。所定の場合、呼吸装置は酸素タンク若しくは酸素を含む気体の混合物で充填されたタンク及び患者の顔面に配置され得る酸素マスクも含む。本発明によるシステムに含まれ得るそのような呼吸装置は、「Oxylator」という名称により商取引上公知であり、まず第一に、自動式の「Oxylator FR300」型の使用が好ましい。除細動器及び呼吸装置を含む、本発明によるシステムの一部を形成するユニットは、いわゆる「心肺」系を成す。除細動器も患者の状態に関する直接情報、例えば、ECG記録をセンター又は救急ユニット、例えば、救急車に提供するのに適するように構成されてもよい。
【0022】
本システムの別の構成は、情報媒介機器としてディスプレーユニット、実際的にはスクリーン、好ましくはフラットスクリーン、特に好ましくはプラズマスクリーン若しくはLCDスクリーン;若しくはタッチスクリーン及び/又はカメラ、好ましくはデジタルカメラ、特に好ましくはCCDカメラ、監視カメラ、及び/又は有線若しくは無線電話;及び/又はマイクロホン、特にヘッドマイクロホン若しくは屋外監視マイクロホン;及び/又はラウドスピーカー;及び/又は位置探知機、特に全地球位置探知機、即ち、GPS(全地球測位システム)ベースの位置探知機を有し、且つ応急処置ツールとして包帯及び/又は消毒剤;及び/又はEKG記録器;及び/又は血圧モニター;及び/又は血液型検査キット;及び/又は薬剤、特に鎮痛剤;及び/又は切断用ツール、特にハサミ又は/及びメスを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明によるシステムの設置ユニットは複雑な小型応急処置ステーションとみなすことができ、所定の場合に他の応急処置機能を満たす以外に心臓と肺とを単一単位とみなして処置し、互いに相互作用する2つの基本的生命機能、すなわち呼吸及び血液循環を同時に回復又は再開させることにより、最大効率にて生存の見込みを与える。好ましくは救命機器の取り扱いを段階的に示すプラズマスクリーンを用いた情報システムは、事故排除/救急及び応急処置活動の最適実行を可能にする。このため、実際的には、センターは情報を送受信・処理し、所定の場合、保存するのに適するように構成され、設置ユニットは情報を自動的に送信するのに適した情報媒介機器(単数・複数)を有し、設置ユニットの情報媒介機器(単数・複数)は、応急処置ツールの使用に関する情報を提供するのに適するように構成される。自動送信により、事故/体調不良に関する情報は事実上早急にセンター又は派遣/救急ユニットなどに送信され得る。明らかに、応急処置ツールの使用に関する情報は、基本的に、力添えしようとしている、事故/体調不良現場に留まっている未熟練者用である。
【0024】
本発明に関する限り、応急処置ツールとは、その語句の一般的に用いられる意味は別として、患者の状態を安定させ、悪化を遅延させ、又は患者の状態の改善を促進するのに用いられてもよいあらゆるツールを指す。
【0025】
本発明に関する限り、情報媒介機器とは、設置ユニット及び本発明によるシステムの任意の他の要素及び、情報の作成・処理・送信を含め、何らかの形でシステムを使用し、若しくはシステムに接続している人の間の情報の流れに関与するあらゆる機器を指す。この情報に従って、媒介機器は、特に、音声及び画像情報を作成・送信するための機器、例えば、カメラ、マイクロホン、スクリーン、ラウドスピーカー、位置探知機、例えば、GPS(全地球測位システム)ベースの機器及びそのようなデータを送信する機器、診断機器、例えば、血圧モニター、ECG記録器並びに有線及び無線データ転送システムなどである。情報媒介機器がデータキャリア機器及びデータ記録機器も含むことは専門家には明らかである。
【0026】
現場又は事故現場とは、患者が設置ユニットの支援により、更にはその着脱可能な携帯型ツールを用いることにより、応急処置を受けることができるように設置ユニットに十分近い、処置を必要とする患者がいる範囲内の設置ユニットの周囲を指す。本発明の記載では、「事故現場」という語句は、実際の事故又は体調不良がない場合でも、設置ユニットの周囲を指すのに用いられる。
【0027】
センターとは、個々の設置ユニットから受信する情報を収集し、収集情報に従って設置ユニット又はシステムの一部を成す他のユニット、例えば、救急ユニットに更なる指示を与える本発明によるシステムの一部を指す。センターは人間制御又は自動式でよい。
【0028】
システムの可能な構成は、設置ユニットが、情報、宣伝、緊急警報及び他の告知を、実際的にはセンターから設置ユニットの周囲における所定の行動半径内にて現地において、例えば、SMS,MMSなどを介して携帯電話、PDA及び類似の機器に媒介するのに適したツールを含むことを特徴とする。更に、設置ユニットが所定の行動半径内のその周囲においてWiFiアクセスを付与する機器を含めば有用であり得る。
【0029】
本発明は、上述の応急処置システムを運用するための手順にも関し、その手順は、
−事故又は/及び体調不良の場合、その出来事に関する情報が設置ユニットからセンターに送信され、
−センターから受信した情報に基づき、必要な場合、事故に遭い、又は体調が悪化した人が現場で介護され、
−応急処置の適用と次の同様の適用との間の期間、設置ユニットを用いて継続的又は中断的に宣伝又は他の情報が提供される
ことを特徴とする。
【0030】
手順の好都合な実現に従って、応急処置の適用に関する情報を表示するために用いられるものと同じ情報送信機器、特にフラットスクリーン、好ましくはプラズマスクリーン、LCDスクリーン又はタッチスクリーンを用いて宣伝又は他の情報が媒介される。
【0031】
例えば、設置ユニットの周囲において意識喪失を伴う事故又は体調不良に由来する緊急事態が存在する場合、生命機能を開始させ、又は蘇生を行うべく、救命介入のため除細動と人工呼吸とが同時に適用される。しかし、異なるタイプの事故/体調不良が生じた場合、例えば、創傷に包帯をする必要がある等の場合、従来の様式で設置ユニット内の応急処置ツールが用いられる。
【0032】
手順の更なる実現に従って、事故現場及び患者の状態並びに、所定の場合、患者の年齢、性別、1つ以上の身分証明に関する情報が事故/体調不良現場からセンターに送信され、患者又は/及び患者の身体部分、例えば、損傷部に関する静止画又は動画が媒介され、必要な場合、患者の血液型、血圧及びECG記録に関する情報が提供される。
【0033】
患者の身分証明とは、それに基づいて患者に関する情報が得られる任意のデータを指す。そのような身分証明は、例えば、個人識別番号、医療保険番号などであり得る。このようにして、適切なデータベースへのアクセスを有する場合、患者を介護するのに必要なデータが医師又は同様の専門家に即座に利用可能になるため、身分証明の利用は有益である。例えば、医療保険身分証明を利用することにより、医師は、患者の血液型、薬剤感受性などに関する情報を即座に入手できる。
【0034】
本発明は、特に本システムで用いる携帯型応急処置機器にも関し、その機器は、保管・携行ユニット内にある応急処置の適用のためのツールを有し、少なくとも呼吸装置及び除細動器を含むことを特徴とする。実際的には、このツールは自動呼吸装置を有する。患者の状態に関する情報を、特に、ECG検査が行われ、その検査結果が評価される場所に送信するのに適するように除細動器が構成される場合も有益たり得る。
【0035】
医師又は同様の専門家に送信される情報は、1回のみ又は継続的に送信され得る。明らかに、患者の身分証明のような恒久データは1回だけ送信すれば十分である。同時に、患者の状態を示す、連続的に変化するデータ、例えば、血圧又はECGに関するデータが医師に継続的に利用可能であれば有益である。所定の場合、除細動器自体もこの機能を満たすように構成されてもよい。
【0036】
手順の別の特に好ましい実現に従って、事故現場に送信される情報は互いに独立して以下の情報から選択される:患者の状態を安定させるために為すべきこと;利用可能な応急処置ツールの使用法;更なる作業課題を判定するための質問。
【0037】
手順の更なる基準に従って、特に、患者の状態の安定及び利用可能な応急処置ツール、特に除細動器と呼吸装置とを共に又は同時に使用する方法に関する情報がセンターから、又はセンターを通じて事故現場に送信される。別の実現方法に従って、センターから、又はセンターを通じて事故/体調不良現場へ救急ユニットが派遣され、その救急ユニットは、患者の処置に必要な、事故現場から受ける情報を提供される。
【0038】
本発明によるシステム及び本システムの設置ユニットの構成例を示す添付図面に基づき、以下に事故について詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるシステムの運用を示す概略図である。
【図2】設置ユニットを示す概略正面図である。
【図3】設置ユニットの別の可能な構成を示す斜視図である。
【図4】図3のような設置ユニットの扉部が開いた状態のブロックのハウスを示す斜視図である。
【図5】内部の応急処置ツールを示す、より大きい縮尺でのハウス内にあるバッグの内部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
設置ユニット1はセンター2に接続され、その接続は実際的に両方向にて情報が媒介されるということである。更に、センター2は機動救急ユニット3に接続され、その場合も接続は両方向にて情報が媒介されるということである。現実には、設置ユニット1、センター2及び救急ユニット3の数が図面に示される数と有意に異なり得ることは専門家には明らかである。設置ユニット数は運用者により決定され、技術的意味においてこの数は上限を有さず、好ましくは、本発明によるシステムにできる限り多くの救急ユニットが含められるべきであることも明らかである。一方で、センター2が互いに遠方に位置するユニットから成り得ることも指摘され、同じ救急ユニットが複数の独立したセンターに所属する配置も本発明の保護範囲内である。
【0041】
設置ユニット1はセンター2に持続的に接続されてもよく、又は起動によりセンターに接続することも可能である。持続的接続の場合、センターは、例えば、静止画若しくは動画により所定の設置ユニットの周囲又は設置ユニットの個々の応急処置ツールの現状に関する情報を継続的に受けてもよい。継続的に接続を維持すると、センターの要員を不必要に占有し得る場合、設置ユニット1を監視又はモニターする必要がないという理由により、起動により接続を確立する方法を用いることができる。起動は、特にこれを目的として構成されたスイッチを操作することにより、又は、例えば、所定の場合、設置ユニット1に設置された緊急用電話を操作することにより、例えば、設置ユニット1の任意の応急処置ツールの操作の結果として生じ得る。
【0042】
センター2が設置ユニット1から情報を受け、その情報が医師又は同様の専門家を必要とし得る場合、従前に決定された規則に基づき、センター2はこの情報を適切な場所に送信する。そのような規則は、例えば、センター2が所定の設置ユニット1に最も近く位置する救急ステーション又は最も近い救急ユニット3(救急車)に情報を送信せねばならないということであり得る。最も近い救急ユニット3は、既知の最新技術を用い、操作された設置ユニット1及び本発明によるシステムの一部を成す救急ユニット3の実際の位置を比較することにより確定され得る。例えば、所与の時間にて救急ユニット3の実際の位置は最新の全地球測位システム(GPS)の支援により確定され得る。そのような位置データ、例えば、座標は、一定間隔にて、例えば、毎分、個々の救急ユニット3によって送信されるデータに基づいてセンター2により保存される。センター2は、過去に保存されたデータベース又は操作中に設置ユニット1によって送信されるデータから操作された設置ユニット1の位置データを得ることができる。従って、設置ユニット1及び救急ユニット3の現位置データを比較することにより、センター2は設置ユニット1の場所に最も近い救急ユニット3を確定し、設置ユニット1が操作されたという情報をそれに対して送信する。
【0043】
実施例に従って、センター2は必要な情報を救急ユニット3に送信する。そのような情報は、例えば、所定の設置ユニット1の正確な位置であり得、それは、住所、座標及び/又は救急ユニット3に設置されたルート選定プログラムの入力データである。更に、好ましくは、センター2は所定の設置ユニット1に関する他の情報、例えば、処置対象患者に関する静止画若しくは動画又は患者の血圧、ECG、血液型などに関する情報も送信する。この結果として、救急ユニット3は設置ユニット1へ向かう途中で処置対象患者の状態に関する重要な情報を入手してもよい。
【0044】
本発明の好ましい構成に従って、救急ユニット3もセンター2を介して設置ユニット1に情報を送信することができる。そのような情報は、例えば、患者の状態を安定させるためにする必要があることに関する、現場にいる人に与えられる指示を含み得る。他方では、救急ユニット3は設置ユニット1の応急処置ツールの使用に関連する指示を与えることができ、それは、救急ユニット3が現場から画像情報を受け、従って、救急ユニット3のスタッフが進行中の介入を見ることができ、必要な場合には口頭で介入することができる場合に特に効率的である。
【0045】
図2は設置ユニット1の可能な構成の概略図を示す。図の底部において、応急処置及び救命の適用に好適な、符号4を付された携帯型応急処置機器は応急処置ツール及び数台の情報媒介機器を含む;この場合はフラットスクリーンによって形成される、情報媒介機器であるディスプレーユニットは符号5を付されている。実施例による設置ユニット1は、応急処置ツールとして呼吸装置6及び除細動器7を、情報媒介機器としてスクリーン8、カメラ9、電話10及びGPSベースの位置探知機11を含む。符号6,7,8,9,10及び11を付された機器はバッグ12において設置ユニット1から共に取り出され得、このバッグ12の内部からそれらはすべて処置を必要とする患者へ直接運ばれ得る。携帯型応急処置機器4とディスプレーユニット5との間には作動接続を確立するためのデータケーブル13がある。実際的には、呼吸装置6は「Oxylator FR300」という名称により商取引上公知の自動呼吸装置である。除細動器7は、事故に遭い、又は体調が悪化した人の状態に関する情報、例えば、ECG又は血圧結果などがそれから直接提供され得る構成又はタイプでよい。
【0046】
一般的に、処置を必要とする患者が設置ユニット1に直接隣接しているのではなく、更に遠方に、おそらく何百メートルも離れているため、実際的に、バッグ12内の応急処置ツール及び情報媒介機器を取り出すことを可能とするようにすべきである。このため、実施例による設置ユニット1は、設置ユニット1の固定部分を成すより大きい情報媒介機器、ディスプレーユニット5と、更には携帯型バッグ12の一部を成すより小さいスクリーン8とを有する。
【0047】
実施例による呼吸装置6及び除細動器7は最も頻繁に必要とされる応急処置(又は救命)ツールであるが、それらを操作するには専門知識が必要である。このため、本発明の好ましい構成に従って、処置を必要とする患者へ直接運ばれるバッグ12は、到着しようとしている機動救急ユニット3が処置を必要とする患者を迅速に見つけ出すことができるように、GPSベースの位置探知機11を含む。上記に指摘したように、情報媒介機器を介し、設置ユニット1も設置ユニット1の正確な位置又はより正確には設置ユニット1のバッグ12の正確な位置を、センター2を通じて救急ユニット3に送信することができる。更に、バッグ12は救急ユニット3との継続的な画像及び音声ベースの接触を確実にするため、スクリーン8、カメラ9及び電話10を含む。バッグ12・救急ユニット3間の情報は、それ自体が公知の最新の有線、無線又は有線・無線併用データ転送システムの支援により、センター2を通じて媒介され得る。実施例によるバッグ12は、救急ユニット3から受信する指示に基づいて患者を介護する人によって使用される呼吸装置6及び除細動器7も含み、そのような使用は、媒介画像・音声情報に基づいて救急ユニット3のスタッフによりモニターされ得る。所定の場合、呼吸装置6及び除細動器7の操作はディスプレーユニット5上にも表示され得る。
【0048】
救急ユニット3に加え、設置ユニット1の周囲における人はすべきことに関する情報を、システムにおいてそのような情報を提供する資格がある他の人から、例えば、センター2の指令員からも受けることができる。他方では、患者を介護する人はすべきことに関する情報を自動的に受けることもできる。例えば、設置ユニット1は、応急処置ツールが設置ユニット1から取り外されると、応急処置ユニットを操作する方法に関する一連の図又はフィルムがスクリーン5及び/又は8上に示されるようにプログラムされ得る。
【0049】
呼吸装置6及び除細動器7を使用する場合、それらは調和のとれた形で操作される必要がある。このため、本発明の好ましい構成に従って、設置ユニット1は問題の2つの応急処置機器の操作パラメータを、所定の場合には患者のパラメータ、例えば、呼吸、ECGなどもモニターし、その情報媒介機器の1つに、好ましくはフラットスクリーン5上及び/又はスクリーン8上に、所定の短時間にてどちらの応急処置機器を用いる必要があり、何のパラメータを用いるかについての指示を表示する。
【0050】
ディスプレーユニット5は2つの基本機能を有する。一方では、バッグ12のスクリーン8がその携帯性に起因して有意により小さく、従って、そこに表示される情報がより詳細でないため、患者を介護しながら処置に関する情報が適切な詳細度にてそこに表示され得る。従って、例えば、呼吸装置6及び除細動器7の操作を示す図、一連の図、フィルムがディスプレーユニット5に表示され得る。
【0051】
ディスプレーユニット5は別の重要且つ可能な適用も有する。設置ユニットが応急処置を適用するために誰にも使用されない場合、宣伝、告知又は他の情報、所定の場合には広報がこのスクリーン上に表示され得る。ディスプレーユニット5のこの可能な適用は、本発明によるシステムの経済的運用を確実にし、本発明により確実にされるこの形態の高度な応急処置の適用を誰にでも容易にアクセス可能にする。更に、適切なデータ入力機器、例えば、キーボードを備える場合、ディスプレーユニット5は公共インターネットアクセスポイントとしても用いられ得る。
【0052】
設置ユニットに配置される応急処置ツール及び情報媒介機器が、極めて広範囲の異なる組合せにて用いられ得ることは専門家には明らかである。同じセンターによりモニターされる設置ユニットも、そこに組み込まれる種々の機器の点で互いに異なり得る。
【0053】
図1及び2に示される本発明による応急処置システムは、下述のように運用される:
設置ユニット1の周囲において生じる事故/体調不良の合間の期間、すなわち設置ユニット1が応急処置を適用するために使用されない時、宣伝、告知、広報が、実際的にはフラットプラズマスクリーンであるそのディスプレーユニット、所定の場合には更なるスクリーン上に、又は/及び設置ユニット1に属するラウドスピーカーを通じて媒介される。事故は、比較的稀にしか生じず、応急処置の適用が比較的短時間しかかからないため、前記期間はシステムの大部分の運用に及ぶ。その使用目的により、設置ユニット1が繁華な公共の場にあるため、例えば、鉄道駅、空港、繁華な公共の場などにおいてできる限り多くの人々の注意を引くはずであり、その場所は宣伝及び情報提供目的に全く好都合であり、従って、宣伝は最適効率にて保証され得、ディスプレーユニット5は企業自体又はその商品/サービスを宣伝しようとする企業により継続的に用いられることが予想され得る。
【0054】
設置ユニット1の周囲において事故又は体調不良事例が生じると、設置ユニット1を操作するように委任された人(単数又は複数)はディスプレーユニット5を宣伝モードから応急処置モードに切り替え、言い換えれば、宣伝及び情報の表示を中断し、その事件を早急にセンター2及び更には救急サービスに、好ましくは同時に報告する。次に、設置ユニット1を操作するように委任された、素人救命士、例えば、設置ユニットの近傍にある機関に勤務する者、警備員、交通安全専門家など又は救命装置、特に呼吸装置6及び除細動器7を使用するように訓練を受けた別の好適な人は、救急車が到着する前に救命の正確なプロセス又はその他の問題、例えば、損傷、骨折、脱臼などを手当てする方法を示す、ディスプレーユニット5に表示されるフィルムに基づき、また、必要な場合には例えば、電話でセンターにおける医師から与えられる指示に基づき、所定の場合に必要に応じて応急処置を適用する。救急車が患者を運び去ると、上述の操作者は応急処置を適用するために用いられたツールを設置ユニット1に戻し、言うまでもなく、全使用要素、例えば、包帯、薬剤を新しいものに取り換えた後;例えば、除細動器の電池、吸盤及び酸素タンクは各使用後に取り換えねばならず、設置ユニット1をロックし、スクリーン又はディスプレーユニット5に宣伝、告知及び情報を表示し続ける。
【0055】
設置ユニット1の別の可能な構成が図3〜5に詳細に示される。この場合、図2に示されるような携帯型応急処置機器4は球状ハウス14に配置され、球状ハウス14はスタンド17の支援により、大型フラットプラズマスクリーンにより形成されるディスプレーユニット5に連結され、スタンド17の内部に図2に示される上述のデータケーブル13がある。脚部(図示せず)で立置してもよいハウス14は扉部15を有し、それは図3では閉位置に、図4では開位置にある;本実施例に従って、開閉は、連結要素16、例えば、油圧又は空圧作動シリンダーが取り付けられた扉部15を下方又は上方へ傾動させることにより行われる。頂部においてカメラ18がスタンド17の底部においてハウス14に取り付けられ、扉部15又は扉開放部の上方に実際的にはタッチスクリーンであり得る、より小さいディスプレーユニット19があり、操作プラットフォームはこの位置にある。
【0056】
図5において、図4に示される機器4のバッグ12が開位置にて見られ、即ち、その頂部12aがヒンジ12bの周囲にて上向きにされている。バッグ12の内部に除細動器7、マスク13を含み、応急処置を適用する際、それ自体は公知の方法にて処置を必要とする人の顔面にそれを配置するために用いられる呼吸装置6がより大きい縮尺にて示される。
【0057】
図3〜5に示される設置ユニット1は、バッグ12が除細動器7及び呼吸装置6のみを含むため、図1〜2に示されるものの機能と比べてより限定された機能を満たすように設計され、それは、基本的に救命のため、即ち、意識不明者の2つの基本的生命機能(呼吸及び循環)を回復させるため、即ち、蘇生のために設計されているためである。これに従って、図3〜5に示される設置ユニット1は、図1及び2に示されるものより有意に低いコストにて構築され得る。
【0058】
明らかに、カメラは極めて重要な機能を有するため、バッグ12が別個にカメラを有さない場合でもハウス14自体がカメラ18を備える:勤務中の医師・設置ユニット1の近傍にいる患者間の即時接続が確立され得る;医師の画像がスクリーン上に現れ得、患者・医師間に視聴覚通信が即座に確立され得る;所定の場合、カメラの支援により、医師は全蘇生プロセスを追跡し、補助者として行動し、指示などを与えることができる。上記以外にカメラは重要な更なる機能、例えば、公共地域のモニタリング;接触人数のモニタリング;防災なども有する。
【0059】
通常、図3〜5におけるような設置ユニット1は、持続的又は頻繁に多数の人々がいる区域、例えば、鉄道駅、ショッピングセンター、繁華な街の中心、スポーツ施設などにおいて設置・運用される。各設置ユニット1に操作スタッフが割り当てられ、スタッフのメンバーは救命機器を使用する訓練を受けているが、必ずしも健康専門家ではなく、例えば、警備員、受付助手、ローカルスタッフのメンバーなどであり得る。必要な訓練コースを修了する者は身分証明を付した電子カードを付与されてもよく、このカードを用いることにより、ハウス14の扉部15(図3及び4)は開放され得る。緊急時の場合、カードを所有する人が扉部15を開放し、バッグ12を取り出した後、少なくとも3つの電話が開始される必要があり、即ち、
−救急サービスが呼び出され、
−システムのセンターが呼び出され、
−システム保守サービスが呼び出され、それは、各使用後、除細動器の電池、吸盤及び酸素タンクを取り換える必要があるためである。
【0060】
この場合、同じ人物がセンターから受信する指示に基づき、宣伝及び情報を提供する責任も負ってもよいことが指摘される。
【0061】
明らかに、扉部15が開放されると、宣伝及び情報の表示が中断される;この場合、ディスプレーユニット5、実際的にはプラズマスクリーン、LCDスクリーン又はタッチスクリーン上に、素人救命士を支援するため、正確な救命プロセスを示すフィルムが見られる。
【0062】
本発明の基本的利点は、システムを構築・運用するのに必要な財政状態又は少なくともその一部が、宣伝、告知、情報などを表示することによりシステム自体によって実現されるような方法にて、多くの人々のための公共サービスの形で最大効率の救命介入及び他の応急処置適用作業課題を提供することができるということである。
【0063】
言うまでもなく、本発明は、上述の可能な解決法に限定されないが、特許請求の範囲において規定される保護範囲内にて複数の異なる方法にて実現され得る。
【符号の説明】
【0064】
1 設置ユニット
2 センター
3 救急ユニット
4 携帯型応急処置機器
5 ディスプレーユニット
6 呼吸装置
7 除細動器
8 スクリーン
9 カメラ
10 電話
11 位置探査機
12 バッグ
13 データケーブル
14 球状ハウス
15 扉部
16 連結要素
17 スタンド
18 カメラ
19 ディスプレーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
応急処置ツール及び情報を送信するための機器を含む、少なくとも1つの設置ユニット(1)を有し、前記設置ユニット(1)が応急処置適用に関する情報を送受信するセンター(2)と通信接続する応急処置適用システムであって、
前記設置ユニット(1)の情報媒介機器が、宣伝、告知又は他の、例えば、応急処置情報以外の広報を表示するのに適するように構成され、又は/及びこれを目的とするツールも含み、
前記設置ユニット(1)が応急処置ツールとして少なくとも除細動器(7)及び呼吸装置(6)を有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記センター(2)が複数の設置ユニット(1)と通信接続することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
情報媒介機器として(好ましくは、ラウドスピーカーを備え)ディスプレーユニット(5,8)、実際的にはスクリーン、好ましくはフラットスクリーン、特に好ましくはプラズマスクリーン若しくはLCDスクリーン若しくはタッチスクリーン;及び/又はカメラ(9)、好ましくはデジタルカメラ、特に好ましくはCCDカメラ、監視カメラ、及び/又は有線若しくは無線電話(10);及び/又はマイクロホン、特にヘッドマイクロホン若しくは屋外監視マイクロホン;及び/又はラウドスピーカー;及び/又は位置探知機(11)、特に全地球測位システム(GPS)に基づく位置探知機を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記設置ユニット(1)が、応急処置ツールとして包帯及び/又は消毒剤;及び/又はEKG記録器;及び/又は血圧モニター;及び/又は血液型検査キット;及び/又は薬剤、特に鎮痛剤;及び/又は切断用ツール、特にハサミ又は/及びメスを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記センター(2)が、情報を送受信・処理し、所定の場合、保存するのに適するように構成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記設置ユニット(1)が、情報を自動的に送信するのに適した情報媒介機器を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記設置ユニット(1)の情報媒介機器が、応急処置ツールの使用に関する情報を提供するのに適するように構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記設置ユニット(1)が、情報、宣伝、緊急警報及び他の告知を、実際的にはセンターから前記設置ユニットの周囲における所定の行動半径内にて現地において、例えば、SMS,MMSなどを介して携帯電話、PDA及び類似の機器に媒介するのに適した機器を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記設置ユニット(1)が、所定の行動半径内のその周囲においてWiFiアクセスを付与する機器を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
事故又は/及び体調不良の場合、その出来事に関する情報が前記設置ユニット(1)から前記センター(2)に送信され、
前記センター(2)から受信した情報に基づき、必要な場合、事故に遭い、又は体調が悪化した人が現場で応急処置を適用されて介護され
応急処置の適用と次の同様の適用との間の期間、前記設置ユニットを用いて継続的又は中断的に宣伝又は他の情報が提供される
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステムの運用手順。
【請求項11】
応急処置の適用に関する情報を表示するために用いられるものと同じ情報送信機器、特にフラットスクリーン、好ましくはプラズマスクリーン、LCDスクリーン又はタッチスクリーンを用いて宣伝又は他の情報が媒介されることを特徴とする、請求項10に記載の手順。
【請求項12】
救命介入の場合、除細動と人工呼吸とが同時に適用されることを特徴とする、請求項10又は11のいずれか一項に記載の手順。
【請求項13】
事故現場及び患者の状態並びに、所定の場合、患者の年齢、性別、1つ以上の身分証明に関する情報が事故/体調不良現場から前記センターに送信され、患者又は/及び患者の身体部分、例えば、損傷部に関する静止画又は動画が媒介され、必要な場合、患者の血液型、血圧及びECG記録に関する情報が提供されることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の手順。
【請求項14】
特に、患者の状態の安定及び利用可能な応急処置ツール、主に除細動器と呼吸装置、特に「Oxylator FR300」型、好ましくは自動呼吸装置とを共に又は同時に使用する方法に関する情報が、センターから、又はセンターを通じて事故現場に送信されることを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の手順。
【請求項15】
前記センターから、又は前記センターを通じて事故/体調不良現場へ救急ユニットが派遣され、前記救急ユニットが、患者の処置に必要な、事故現場から受ける情報を提供されることを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の手順。
【請求項16】
少なくとも呼吸装置(6)及び除細動器(7)を含むことを特徴とする、保管・携行ユニット内にある応急処置の適用のための機器を有する、特に、請求項1から10のいずれか一項に記載の応急処置システムで用いる携帯型応急処置機器。
【請求項17】
自動呼吸装置(6)を有することを特徴とする、請求項16に記載の機器。
【請求項18】
前記除細動器(7)が、患者の状態に関する情報を、特に、ECG検査が行われ、その検査結果が評価される場所に送信するのに適するように構成されることを特徴とする、請求項16又は17のいずれか一項に記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−519977(P2010−519977A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551942(P2009−551942)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【国際出願番号】PCT/HU2008/000021
【国際公開番号】WO2008/104818
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(509243388)
【氏名又は名称原語表記】ADLIFE MEDIA POINT Zrt.
【Fターム(参考)】