説明

快適表面を備える座席

椅子は、ベースと、座部と、背もたれと、座部及び背もたれをベース上に動作可能に支持して、直立位置及びリクライニング位置間を移動できるようにする制御部とを備える。座部及び背もたれは、向き合った外周セクションを有する剛直な外周フレームと、それぞれ垂直方向及び傾斜方向に独立して曲げ可能な複数のロッドとを備える。ロッド上の端部軸受が、外周フレーム内のポケット内に捕捉され、これにより、それらの内向き摺動及び外向き摺動が制限される。制御部は、前後板ばねと、同期移動するように座部及び背もたれを動作可能に支持するピボットアームとを有し、その移動方向は、リクライニング中にエネルギーを蓄積するものである。リクライニング中に蓄積されたエネルギーは、リクライニング中に付加的な釣り合い力を、体重が比較的重い人に与えるのを助ける。リクライニング時に付加的な支持を行うために、ブースター機構も選択的に係合可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部と、リクライニング式背もたれとを備え、その両方が、座部及び背もたれのすべての位置で快適且つ優れた人間工学的支持を行うように構成された支持面を有する座席ユニットに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2004年3月18日に公開された「CONTROL MECHANISM FOR SEATING UNIT」と題する米国特許出願公開第2004/0051358号明細書、及び2003年6月5日に出願された「COMBINED TENSION AND BACK STOP FUNCTION FOR SEATING UNIT」と題する米国特許出願第10/455,076号明細書に関連し、これらの両方の内容全体は、参照によって本明細書に援用される。
【0003】
[背景]
快適性は、依然として、着座の際に強く求められる特徴である。これの1つの理由は、ビジネスにおいて、作業者が快適であれば、作業者の生産性及び創造性が高まることがわかっているからである。しかし、「快適性」は、まぎらわしい基準である。人々は異なった体型を有するだけでなく、大きく異なった好みを有する。リクライニング式背もたれを有する椅子の場合、着座しているユーザを直立、中間及びリクライニング位置に支持しなければならないので、そのような椅子に快適性を与える仕事はさらにもっと困難である。人がリクライニングしているとき、その体勢が変化し、支持の圧力点が変化するため、これは特に困難である。たとえば、人がリクライニングすると、その人の骨盤が回転して、椅子の座部及び背もたれから支持を受ける骨格の形状及び位置に変化が生じる。さらに、着座しているユーザはしばしば体を伸ばしたり、向きを変えたり、横方向に手を伸ばし、そのため、座部の横方向全体を均一に支持することは、必ずしも最適支持又は最適快適性を与えない。点応力を除去するために厚い発泡体クッションを設けるだけでは、満足できる解決にはならず、その理由は、発泡体は呼吸しないとともに、環境に優しくなく、一定領域に必要な分散支持レベルを与えることができないであろうからである。たとえば、異なった領域に選択的に異なった密度を生じるように発泡体を制御することは容易ではないので、着座しているユーザの骨盤の下側をより剛直に支持し、ユーザの膝の下側の支持を弱くするように発泡体を形成することは容易ではない。加えて、「適切な」支持を行うのに十分な厚さの発泡体クッションは、薄く滑らか(sleek)な外観を有するように設計された椅子には美的に合わないであろう。調節可能な椅子も、ユーザが椅子を不適切に調節するか、まったく調節しない傾向があるので、点応力による不快感の問題を満足できるように解決しない。さらに、多くの着座しているユーザは、最適快適性を得るために椅子をどのように調節すべきかがわかっていない。それにもかかわらず、着座しているユーザは、快適であるときとそうでないときがわかる。
【0004】
コンピュータ及びキーボードオペレータや、オペレータが着座したままの仕事に関連する職業の場合、そのようなユーザは長時間にわたって椅子に腰掛けたままでいることが多いので、椅子の快適性が特に重要である。良好な血液循環及び健康のために、且つ背中の異常を回避するために運動が重要であるので、これらの着座しているユーザが、仕事に関連した作業を続けながら、椅子に座って動き回ることができることが重要である。特に、仕事に関連した作業をする間に良好な支持が望まれる1つのタイプの椅子は、リクライニング式背もたれを有する作業用椅子である。体重が重いユーザが、背もたれ支持部の張力装置を調節しなくても、リクライニング時に付加的な支持を自動的に受けるように、そのような椅子に体重作動式機構を設けることは既知である。たとえば、一部の椅子は、背もたれリクライニング中に持ち上がる座部を有し、それにより、ユーザ自身の体重が、背もたれのリクライニングに抵抗する力を与えるのを助ける。しかし、これらの椅子にはさまざまなタイプの問題がある。座部の前部が持ち上がる場合、着座しているユーザの大腿部の下側の膝に不快な圧力がかかる。座部の後部が持ち上がる場合、ユーザは、特に座部が前方に傾く場合、その傾斜した背もたれから滑り落ちて座部から前方に落ちやすいと感じる。座部が水平向きのままである場合でも、傾斜/リクライニング状態の背もたれは、着座しているユーザの体重を座部に対して前向きの角度に誘導し、そのため、着座しているユーザは、背もたれから滑り落ちて座部上を前方に滑りやすく、座部及び背もたれに対するユーザの体の摩擦だけでユーザを所定位置に保持する状態となる。
【0005】
加えて、製造及び組立が簡単であり、低コストであり、且つ現代的な薄い滑らかな外観を有する表面支持構造部を提供することも望ましい。さらに、表面支持構造部が、リクライニング時の体重作動式支持を行う能力を補完し、それにより、着座している体重の重いユーザが、リクライニング時に調節しなくても安定感を感じることが望ましい。
【0006】
上記に加えて、リサイクル可能な部品やリサイクル可能な材料を使用するのに最適な構造であり、且つリサイクル及び/又は修理のために容易に分離することができる構成要素を使用する椅子を提供することが望ましい。発泡した熱硬化性ウレタンフォーム製品は通常、リサイクルできないものとして分類され、さらに、鋼、再溶融可能な熱可塑性樹脂、リサイクル可能な材料、及び/又はより天然の材料と比べて、環境に優しくないと一般的に考えられている。熱硬化性発泡体を排除することは、椅子を100%リサイクル可能にすることに向けた重要なステップであろう。しかし、そのような変更はすべて、競争力の理由のため、高レベルの快適性及びコスト利益を維持しなければならない。
【0007】
したがって、上記問題を解決するとともに、上記利点を有する装置が望まれる。
【0008】
[本発明の概要]
本発明の一態様では、座席ユニットは、着座しているユーザを支持するようになっているフレームを有し、このフレームは、向き合って離隔して配置された側部セクションを有し、該側部セクションはそれぞれ、少なくとも1つのリセスを内部に有する。複数の弾性支持部材が、向き合った側部セクション間に延在し、各支持部材は、独立して曲げ可能である長尺部分を有するとともに、さらに、少なくとも1つのリセス内に動作可能に(operably)摺動可能に配置され、且つ側部セクションに結合され、それにより、少なくとも1つのリセスの内端面に係合して制御された内向き摺動を行うことができるようにする端部を各々が有する。
【0009】
本発明の別の態様では、座席ユニットは、それぞれが内側及び外側壁を有する離隔された側部セクションを有するフレームを備える。細長い中間セクションを有する、複数の弾性的に曲げ可能且つ長手方向に剛直な支持部材が、側部セクション間でフレームを横切って延在している。支持部材は、側部セクションに結合され、且つそれに関連付けられた端部を有し、また、端部の内向き及び外向き摺動を制限し、その結果、支持部材の細長い中間セクションの横方向たわみを制限するように、内側及び外側壁に係合している。
【0010】
本発明の別の態様では、座席ユニットは、ベースと、ベースによって動作可能に支持された座部とを有する。座部は、着座しているユーザを支持するようになっているフレームを有し、このフレームは、向き合った側部セクションを有する。座部はさらに、側部セクション間に延在する、弾性的に曲げ可能且つ長手方向に剛直な支持部材を有する。側部セクションはそれぞれ、前後部分を有し、その間にたわみ点が画定され、たわみ点は、側部セクションの前部分を下向きにたわませ、それにより、着座しているユーザの膝及び大腿部の下側の圧力を逃がすようになっており、また、各側部セクションはさらに、前後部分間に延在し、それにより、側部セクションをたわみ点で支持して剛直化することができる弾性支持ばねを有する。
【0011】
本発明の別の態様では、座席ユニットは、離隔された左右側部フレームセクションを有する背もたれであって、側部フレームセクション間に延在し、且つ側部フレームセクションの支持面上に支持された、弾性的に曲げ可能且つ長手方向に剛直な支持部材を有する背もたれを備える。個別の左右腰部支持デバイスが、左右側部フレームセクションに調節可能に係合して、背もたれの腰部領域で独立して垂直移動できるようになっており、左右腰部支持デバイスはそれぞれ、側部フレームセクション上の支持面の内側で支持部材の選択されたものを支持するようになっている。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、たわみ腰部領域、及び腰部領域に調節可能に係合し、それにより、腰部領域に対する腰部支持力を調節するための腰部デバイスを備える背もたれを有する座席ユニットにおいて、改良は、背もたれの腰部領域に移動可能に係合する少なくとも2つの個別の調節可能な腰部デバイスであって、それぞれが、使用不可能格納位置と、腰部支持力を選択位置で増加させる複数の使用位置との間を移動可能である、少なくとも2つの個別の調節可能な腰部デバイスを含む。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、座席ユニットは、着座しているユーザを支持するようになっているフレームであって、向き合った側部セクションを有し、その各々が内部に複数のリセスを有する、フレームと、向き合った側部セクション間に延在する複数の弾性支持部材とを備える。各支持部材は、独立して曲げ可能な或る長さを有し、それぞれさらに、リセス内に動作可能に摺動可能に配置され、且つリセス内で限定的に摺動できるように側部セクションに結合されたL字形端部を有する。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、座席ユニットは、着座しているユーザを支持するようになっているフレームであって、向き合った側部フレームセクションを有するフレームを備える。複数の弾性ワイヤが、側部フレームセクション間に延在し、各ワイヤは、独立して曲げ可能な或る長さと、ワイヤが弾性的に曲げられたとき、限定的に摺動できるようにワイヤを支持するための手段とを備える。
【0015】
本発明の別の態様では、座席ユニットは、着座しているユーザを支持するようになっている座部フレームであって、たわみセクションによって連結された主セクション及び前セクションを有する座部フレームを備える。前セクション及びたわみセクションは、着座しているユーザの大腿部及び膝を快適に支持する形状を有し、快適に支持するようになっている。ばねが、前後方向に長く延びて、たわみセクションを横切り、且つ主セクション及び前セクションの各々の内部へ部分的に延在し、それにより、前セクションを弾性的に支持することができる。
【0016】
本発明のこれら及び他の態様、目的、及び特徴は、以下の明細書、添付の特許請求の範囲、及び添付図面を検討すれば、当業者には理解及び認識されるであろう。
【0017】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本発明を具現した椅子20(図1)は、ベース21と、座部22と、背もたれ23とを含み、座部22及び背もたれ23は、座部下制御機構24によってベース21上に動作可能に支持され、背もたれ23のリクライニング時に同期移動する。リクライニング時には、制御機構24が移動して座部22を上方前方に持ち上げ、リクライニング時に背もたれ23(及び着座しているユーザ)に体重作動式背もたれ支持力が自動的に与えられるようにする。有利には、着座しているユーザの体重が重いほど大きい背もたれ支持力を受けるため、ユーザが椅子のリクライニング時に背もたれ支持のための張力デバイスを調節する必要がなくなる(又は少なくとも低減する)。座部22(及び同様に背もたれ23)は、局部的に服従する(locally-compliant)支持構造により形成される快適性の高い支持表面(本明細書の以下では「快適表面」と呼ぶ)を含み、これは、直立位置及びリクライニング位置のいずれにある場合にも、着座しているユーザの体勢の変化(changing shape)及び人間工学的支持に対する要求に適応する。特に、快適表面は、リクライニング時に着座しているユーザを椅子に快適に保持する一方で、着座しているユーザの骨盤がリクライニング時に回転する際に、ユーザの体勢の変化に最適な局部的な人間工学的支持を与えるように、形状を変化させる。さらに、椅子20は、膝における不快な持ち上げ力をうまく分配することにより、及び/又は膝領域から部分的に逸れてたわむことにより、着座しているユーザの膝及び腿の下にそのような力を加えることを避ける。さらに、座部22及び背もたれ23の快適表面により、着座しているユーザを「把持する」とともに局部付近に応力を能動的に分配する、変化するバケット(bucket)形状(図2A及び図2B)が形成され、以下で説明するように、着座しているユーザが座部22に快適に保持されていると感じ、リクライニング時に傾斜した/リクライニングした背もたれから滑り落ちて座部から前方に落ちるように感じないようにする。
【0018】
図示の制御機構24は、いくつかの利点及び進歩的態様も有する。制御機構24は、着座しているユーザがリクライニング時にさらなる支持を望む場合、リクライニング時にさらに大きい背もたれ支持を与えるように(難なく)係合することができる「ブースター」機構25(図19)を含む。有利には、制御機構24は薄型の外形を有し、製造及び組み立てで非常に費用効率が良いため、薄型の側面外形を有する椅子構造にうまく組み込むことができる。背もたれ22及び座部23(図1)の快適表面と制御機構24との組み合わせにより、直立位置及びリクライニング位置を含む椅子のあらゆる位置において非常に快適で支持性が高い「座り心地(ride)」という形で、驚くべき予想外の結果が得られる。快適な「座り心地」が得られる理由の少なくとも一部は、リクライニング時に座部が持ち上がって体重作動式背もたれ支持力を与えている間に、座部22及び背もたれ23の表面が、着座しているユーザの膝の後ろの圧力を軽減するように動的に形状を変えるからである。また、座部22及び背もたれ23の快適表面は、リクライニング時に骨盤が「回転して」形状を変える際に骨盤を支持する、変化するバケット(図2A及び図2Bを参照)も形成し、これは、着座しているユーザの体が背もたれ23のリクライニングした/傾斜した表面から滑り落ちて座部22から前方に落ちるように作用する重力に反作用する。また、制御機構24のブースター機構25は係合又は係合の解除が非常に容易であるため、(まるで押してオン・オフを切り替えるスイッチのように)用いられやすくなる。また、このことにより、電子的、機械的、及び他の方法を含む自動パネル及び/又は遠隔デバイスによって、ブースター機構25を動作させることができる。有利には、制御機構24を含む椅子20の主要構成要素全てが分離可能且つリサイクル可能であることにより、修理が容易になり、環境に優しい構成要素及びプロセスが促進される一方で、低コスト、効率的な組み立て、比較的少数の複雑な部品、及び他の競争上の利点が維持される。
【0019】
座部22(図3及び図4)は、ナイロン等から成る成形周囲フレーム30を含む。図示のフレーム30は半剛直(semi-rigid)であるが、限られた量だけたわみ、且つねじれることができるため、曲がって、仕事の作業中に物品を取ろうと手を伸ばす着座しているユーザとともに動くことができる。フレーム30は、横方向後部セクション32により接続される水平方向側部セクション31を有するU字形後部を含み、側部セクション31の前部を接続するU字形前部33をさらに含む。周囲フレーム30は、一体成形品であってもよく、又は複数部品アセンブリであってもよいことが意図される。図示のフレーム30は一続きのループを画定するが、例えば前部が開放されたU字形であってもよいことが意図される。U字形前部33は、側部セクション31の端部につながって下方後方に延びる側部セクション34を含み、側部セクション34につながる横方向セクション35をさらに含む。U字形前部33は、前部から見た場合「U」を形成し、下方後方に傾斜しており、周囲フレーム30の前部の着座しているユーザの膝の下に対応する場所に、上方開口領域を残すようにする。これにより、周囲フレーム30は、以下で説明するように、座部22が上昇している場合でもリクライニング時に着座しているユーザの膝の裏を圧迫することがない。
【0020】
側部セクション31は、側部セクション31の前端部の後方に約3〜7インチ(約7.6〜17.8cm)、又はより好ましくは4〜6インチ(10.2〜15.2cm)のところに一連のノッチ36(かかるノッチは6個図示されている)を含む。ノッチ36はたわみ点(flex point)を形成し、たわみ点は、側部セクション31の前端部に圧力が加わると側部セクション31の前部セクション37が下方にたわむようにする。例えば、前部セクション37は、座部22の前部が、着座しているユーザの膝に突き当たるように持ち上げられてユーザが持ち上げられるとたわみ、これは背もたれ23のリクライニング時に生じる。
【0021】
一対のトラック38が、側部セクション31の底部、ノッチ36の後方に取り付けられる。一対のトラック38は、座部支持構造と摺動係合して椅子20の深さ調節可能特徴部を提供するようになっている。とはいえ、本発明の概念は、深さ調節特徴部を有さない椅子でも用いることができることに留意されたい。
【0022】
周囲フレーム30(図5)の側部セクション31はそれぞれ、鋼製ロッド42(図3及び図12)を受け入れる長手方向に延びるリセス40それぞれを上面に含む。側部ロッド42は、側部セクション31の特にノッチ36の領域を弾性支持し、且つ補強する。図示されるように(図3及び図4)、リセス40は主にノッチ36の後方に位置するが、ノッチ36よりも前方に延びて、ノッチ36において側部セクション31にさらなる弾性支持を与える前部部分も含む。ロッド42は異なる形状又はサイズであってもよく、又は複数のロッドを用いてもよいことに留意されたい。また、所望であれば、プラスチック又は複合材料等の種々の材料をロッド42に用いることができる。しかしながら、図示のロッド42は直線状であり、最適な強度、低い重量、長い耐用寿命、及び競争力のあるコストを実現するために「硬ばね鋼(hard-drawn spring steel)」から成る。さらに、ロッド42の前部及び後部は所定位置に機械的に取り付けられる。ロッド42は、インサート成形、スナップ嵌め、又は他の方法で所定位置に固定されることもできる。
【0023】
座部22(図3)(及び背もたれ)の快適表面は、側部セクション31のポケット50と摺動可能に係合するU字形端部52及び平行な長寸セクション51とともに、個々の支持部材45により形成される。ポケット50は13個図示されているが、椅子のデザイン及びそのデザインの機能要件に応じて、それよりも多くても少なくてもよいことが意図される。さらに、所望であれば、複数のポケット50の代わりに、側部セクション31に長手方向に沿って形成される一続きの長い溝路を用いてもよい。各ポケット50は内方に向いた開口51’の対(図5)を含み、開口51’間には「上方」突出部51’’が形成される。以下で説明するように、前部の8つの支持部材45の端部52は、内方及び外方移動の制限のために前部の8つのポケット50に入って直接摺動可能に係合し、後部の5つの支持部材45の端部52は、後部の5つのポケット50の軸受53によって保持される。ポケット50の内側面(すなわち、開口51’間に形成される「上方」突出部51’’)は、支持部材45の端部52の内方摺動移動を制限する停止部を形成する。これを行うことにより、当該内側面は、人が座部22の快適表面に座った時に「スリング(sling)」式動作で長寸セクション51が下方にたわむのを制限する。特に、これにより、着座しているユーザによって長寸セクション51が最大限にたわむ時に「緩やかな(soft)」停止動作が行われる。「緩やかな」停止動作の理由の一部は、端部52がポケット50の底部に到達すると(bottom out)側部セクション31が内方にたわむことであるが、「緩やかな」停止動作の理由の他の一部は、個々の支持部材45が独立して動作すること、及び支持部材45上に長寸セクション51が対になって配置されることでもある。この構成により、着座しているユーザの快適性が維持され、座部22を最大限に窪ませた場合であっても、不快感をもたらす急激な突然の停止を感じることがない。
【0024】
支持部材45(図7)は、円形の断面を有する硬ばね鋼ロッド(図11)である。ロッド(すなわち支持部材45)は、比較的鋭く曲がった角を有する矩形ループ形状に曲がっており、平行な/直線状の長寸セクション51及び平坦な/短寸の端部セクション52を含む。図示の端部セクション52は、比較的正方形のU字形構成を形成するように、比較的鋭く曲がった角を有する。また、図示の端部セクション52の一方では、ワイヤの両端部が隣接している(abut)が接合されていない(unattached)。一方の端部セクション52の隣接端部は、必要であれば互いに溶接されてもよいことが意図されるが、これは本発明の椅子20では、特に軸受53が用いられる場合には必要ではないことがわかっており、これに関しては以下で説明する。また、所望であれば、平行な長寸セクション51を有する矩形ループ形状の支持部材45の代わりに、個別の直線状ロッドを用いてもよいことが意図される。このような場合、端部52は、ポケット50の「上方」突出部と係合して、人が座部22に座っている時の内方移動を制限するように、フック形状又はL字形であってもよい。しかしながら、端部セクション52によって長寸セクション51の隣接する対を相互接続することにより、各対にさらなる安定性及び「連係」協調移動をもたらすことができ、これは有利な効果を有すると考えられる。特に、後部の5つの支持部材45は軸受53のところで、椅子20に着座しているユーザがリクライニングした時/動き回った時にかなりの移動及びたわみを受けるので、これら5つの支持部材45では、軸受53がワイヤセクション51が接合された状態であることが望ましいことがわかっている。
【0025】
上述のように、最後部の5つの支持部材45(図7)は、端部セクション52に取り付けられる軸受シュー53(本明細書では「軸受」とも呼ぶ)(図8〜図10)を含む。軸受シュー53は、アセタールポリマーから成り、ポケット50内に動作可能に嵌まる形状になっており、椅子20に着座しているユーザが動き回って支持部材45の長寸セクション51がたわんだ時に横方向に往復(内方及び外方)摺動移動を行う。軸受シュー53は、U字形の端部セクション52を噛み合い可能に受け入れる形状のU字形の溝路54を含む。軸受シュー53は、所望であれば、U字形の端部52にスナップ取り付けされる摩擦タブを位置55に含んでもよいが、ポケット50に軸受シュー53を捕捉する上蓋が設けられる場合、摩擦タブ自体は必要ない。特に、軸受シュー53は、ワイヤの隣接する端部が溶接により互いに直接接合されていない場合であっても、ワイヤ端部が互いに接触している端部セクション52を合わせて保持する。
【0026】
左右の上蓋57(図13及び図14)は、ねじ取り付け、熱かしめ(heat-staked)、又は他の方法で側部セクション31に取り付けられる。上蓋57(図7)は、ポケット50を覆う形状のボディ(body)58を含み、軸受シュー53を所定位置に動作可能に保持する。ボディ58の後部は横方向に延び、ポケット50の最後部の1つをより完全に覆う一方で、最後部のワイヤセクション51は自由にたわむようにしておくためのスロット59を場合によっては含む(図7)。側部セクション31及び上蓋57はいずれもナイロンから成り、軸受シュー53はアセタールから成ることが意図されるが、これは、これらの材料が互いに係合した場合の摩擦係数が非常に低いからである。さらに、開口51’(図7)は、ロッド支持部材45の長寸セクション51の直径よりも大きいサイズになっており、支持部材45がたわむと同時にポケット50内で軸受シュー53が動く際に引きずり(drag)が生じないようにする。
【0027】
図示の座部22(図1)は、布60で覆われており、場合によっては、座部22及び背もたれ23の両方において、布60の下に上部(top)薄発泡体又は不織PET繊維のクッションを含む。しかしながら、試験によると、本発明の座部22はクッションが不要なほど快適であるため、座部22及び/又は背もたれ23は発泡体クッションを必要としなくてもよいことが意図される。さらに、ワイヤセクション51間に空間があることにより、構造体が呼吸することができるため、着座しているユーザは本発明の椅子20に座っている間に汗ばむことがなく、これも競争上の利点であり得る。薄い上層(topper)クッション又はウェビングは、所望であれば、美観上布の下で用いることもできる。
【0028】
本発明の座部22の構成により、いくつかの利点が得られる。組み立てが簡単であるため、座部の組み立てを間違えにくい。本構成により、ワイヤセクションの異なる対はそれぞれ、異なる量だけたわむことができ、さらに、所与の支持部材の各長寸セクション51は、その対の他方の長寸セクション51よりも大きく又は小さくたわむことができる(また異なる方向にたわむことができる)。ポケット50は、軸受シュー53と係合してそれらの移動を制限し、軸受シュー53の方は、支持表面が「過度に」たわむことができないように、ワイヤ長寸セクション51がたわむ最大量を制限する。試験によると、ポケット54により許されるたわみの最大限度は、着座しているユーザが最大限にたわんだ時に不意に停止又は「衝突」したと感じないような緩やかな制限である。本発明のワイヤ長寸セクション51/52は、全て同じ直径及び形状であるが、異なる直径、剛性、又は形状であってもよいことに留意されたい。個々のワイヤ長寸セクション51は、着座しているユーザの体を別個の独立した支持ラインに沿って支持するように動き、体と一致してユーザを支持するように出入りする。具体的には、着座しているユーザがリクライニングすると、ワイヤは着座しているユーザに対して移動する新たな「支持ポケット」を形成するように移動してたわむ。図2は、座部22にユーザが着座していない場合の、比較的平坦な(すなわち位置P1、実線を参照)座部22の快適表面60を示す。(すなわち、座部22の支持部材45のワイヤ長寸セクション51はほぼ水平な共通平面に位置する。)着座しているユーザが椅子20に直立位置で座っている場合、快適表面60は新たな形状にたわみ(すなわち位置P2、仮想線を参照)、この形状は、着座しているユーザの臀部の突出した骨格、筋肉、及び組織によって形成される(またこれらを受け入れて支持する)「直立位置」支持ポケット63を含む。着座しているユーザが背もたれ23を完全リクライニング位置(図2A)にリクライニングさせると、快適表面60は新たな形状(すなわち位置P3、破線を参照)にたわみ、この形状は、着座しているユーザの臀部の突出部分、筋肉、及び組織によって形成される(またこれらを受け入れて支持する)新たな形の「リクライニング位置」支持ポケット65を含む。特に、リクライニング位置(図2B)にある際に座部22に形成される支持ポケット65は、リクライニング位置(図2Bを参照、この図では、直立位置及びリクライニング位置の座部の形状は、形状の変化をよりわかりやすく示すように重ねてある)にある場合に座部22に形成される支持ポケット63の後方に位置する。これは、リクライニング時の臀部の転動により生じる。ロッド支持部材45の長寸セクション51は独立しており、以前の作業用椅子には見られない新規且つ非自明の方法で、着座しているユーザの臀部の転動活動に快適に対応することができる局部的な移動の自由度及び力関係(dynamic)を与える。
【0029】
背もたれ23(図2)もまた、無応力位置P1(無応力、ユーザが着座していない)の快適表面66、直立応力位置P2(ユーザが着座している「直立位置」)のたわんだ快適表面66、及びリクライニング応力位置P3(ユーザが着座している「リクライニング位置」)のたわんでリクライニングした快適表面66で示すように、形状変化を受ける(図2A)。
【0030】
長寸ワイヤセクション51の対は、連係して分配動的様式(coordinated distributed dynamic fashion)(主に垂直方向)で働き、これにより最適な快適表面がもたらされる。これは、ロッド支持部材45の長寸セクション51の隣接する対に対する軸受シュー53の拘束/制限された移動の結果であり、布60が長寸セクション51上に延びて長寸セクション51を覆う結果でもある。とはいえ、長寸セクション51は、着座しているユーザの体のための支持ポケットの形状が変化しても着座しているユーザを挟んだり締め付けたりしないようにたわむため、布60がなくても極めて快適な支持を得ることができることに留意されたい。
【0031】
座部22の長寸セクション51は、主に垂直方向に支持を与えるようにたわみ移動するが、長寸セクション51の一部は、着座しているユーザに水平又は傾斜移動成分を有してもよく、且つ/又は水平又は傾斜分力を提供してもよいことに留意されたい。特に、「リクライニング」支持ポケット65(ワイヤ51Aを参照)の手前にある長寸セクション51は、着座しているユーザの突出した臀部領域の手前で(すなわち、着座しているユーザの腿の後ろで、且つ着座しているユーザの「主な」臀部領域の手前で)、着座しているユーザの肉の窪みに嵌まる傾向があり、これにより、着座しているユーザを座部22にしっかりと保持する傾向がある。これは、座部22の複数の独立してたわむ長寸セクション51により、特定の着座しているユーザの肉の窪みの場所に関係なく行われる。この付加的な保持力は、着座しているユーザが傾斜した背もたれ(リクライニング時等)から滑り落ちて座部から前方に落ちるように感じないようにするのに重要であると思われる。本発明者らは、この利点は些細なことではあるが、椅子20の非常に重要且つ顕著な利点であると考える。特に、布カバーがある場合であっても、布の下の長寸セクション51の移動、布の伸縮性、軸受シュー53の移動、及び着座しているユーザの臀部の転動動作により発生する力によってのみ制限される、長寸セクション51により与えられる水平分力が存在し得る。
【0032】
座部22の動作を図2〜図2Bに示す。図2は、無応力状態(すなわち、ユーザが着座していない、実線P1を参照)と応力状態(すなわち、ユーザが着座している、仮想線P2を参照)との間での支持部材45の長寸セクション51の中心部のたわみ(どちらも椅子20が直立状態で)を示す。図2Aは、椅子20に着座しているユーザが直立位置(実線)及びリクライニング位置(破線)にある場合の椅子20を示す。図2Bは、直立位置(実線P2を参照)とリクライニング位置(破線P3を参照)との間での座部22の快適表面の形状の変化を示すように意図される概略図である。図2Bでは、着座しているユーザの臀部が位置付けられる座部22の「ポケット」に形状の変化をよりわかりやすく示すために、座部22はリクライニング時に前方に移動していなかったかのようにして、座部22を比較する。しかしながら、座部22は本発明の椅子20ではリクライニング時に前方に移動することに留意されたい。
【0033】
図7は、長寸セクション51が無応力状態である(すなわち、各ポケット50の外側位置に位置する)支持部材45のいくつかを示し、ワイヤ51がたわんだ状態である(すなわち、場所「B」にある、各ポケット50の内側位置に位置する軸受シュー53を参照)ロッド支持部材45のいくつかを示す。図7は、ポケット50から分解され、ロッド支持部材45の端部に予め取り付けられた軸受シュー53のいくつかも示す(場所「C」を参照)。これらの軸受シュー53は、ポケット50に嵌め込む(drop downward)用意ができている状態にあり、これは第1の組み立て技法を示す。図7は、ポケット50に配置された軸受シュー53の1つも示し、関連するロッド支持部材45がその上に配置され、下方に移動して軸上シュー53のリセスと係合する準備ができている状態(場所「D」を参照)も示し、これは第2の組み立て方法を示す。
【0034】
背もたれ23(図15〜図17)は座部22と同様である。したがって、背もたれ23の詳細な説明は非常に冗長になるため、当業者が理解するには必要ない。しかしながら、上記の座部22に関する説明に鑑みて、背もたれに関して用いられる本発明を理解するのに十分な説明を以下に記載する。
【0035】
簡単に言えば、背もたれ23(図15〜図17)は、L字形の側部フレーム部材71から成る背もたれ周囲フレーム70を含む。側部フレーム部材71には上部横フレーム部材72及び底部横フレーム部材73が取り付けられて、半剛直な周囲を形成する。フレーム70は一体部品でも複数部品でもよい。強度及び安定性のために必要であれば、さらなる横フレーム部材72A(図1)を加えることもできる。側部フレーム部材71は、底部横フレーム部材73の下に延びて前方に延びる下部セクション74を含む。以下で説明するように、下部セクション74は、位置75において制御機構24の座部支持体122に枢着され(pivot)、位置141において制御機構24のたわみアーム部分に枢着される。
【0036】
座部22と同様に、背もたれの側部フレーム部材71は、ポケット77(座部のフレームポケット50を参照)と、ポケット77を覆うカバー77’(左側のカバー77’のみを図示する)と、支持部材78(座部の支持部材45と同様)とを含み、支持部材78は、長寸セクション79(座部の長寸セクション51と同様)を有する硬ばね鋼ワイヤとして設けられる。支持部材78のいくつかは、軸受シュー80(軸受シュー53と同様)により動作可能に支持される端部を有する。特に、図示の背もたれ支持部材78は、背もたれ23の上部の幅の方が小さく、底部の幅の方が大きいことから、2つの異なる長さとなる。(図15を参照し、側部フレーム部材71の中間領域におけるポケット77の位置の変化に注目せよ。)側部フレーム部材71の上部半分は、軸受シュー80なしでワイヤ79を受け入れる複数のU字形ポケット81を含む。上部フレーム部材72の上縁部はU字形であり、着座しているユーザに対する首の支持及び快適性を高めるために後方に曲がっている。ワイヤストリップ83が、背もたれフレーム70の上隅部から着座しているユーザの肩の間にある中心点まで延び、続いて下方に延びて底部横部材73の中心とつながる。引っ張られると、ワイヤストリップ83は背もたれの快適表面(すなわち支持部材78)が初期凹面形状(「プリングルスポテトチップ形状」と呼ぶ場合がある)をとるようにする。この凹面形状は、ユーザが椅子20に最初に座った時に、着座しているユーザが収まるのにより優しい「ポケット」を背もたれ23に与えることにより快適性を高める。
【0037】
背もたれには調節可能な腰部支持体85(図15〜図17)が設けられ、これは側部フレーム部材71のそれぞれの内側リブ87に摺動可能に接続される一対のボディ86を含む。ボディ86はクロス部材により接続されていてもよい(又はされていなくてもよい)。ボディ86は、側部フレーム部材71及びワイヤ79に隣接してワイヤ79の後ろに位置付けられる。着座しているユーザが背もたれ23の後ろに手を伸ばして掴むためのハンドル88が、ボディ86の後部から延びる。ボディ86はそれぞれ、ワイヤ79がポケット77から内側方向に延びるにつれてワイヤ79の一部と係合するフランジ90を含む。ボディ86を垂直方向に調節することにより、フランジ90は異なるワイヤ79の後ろに移動し、種々のレベルの支持を行う(支持されるワイヤの有効長が短くなるため)。代替的に、フランジ90は、所望であれば、垂直方向に調節されるとワイヤ79と物理的に係合してワイヤ79を曲げることができる。図17はまた、線95で示すように、ワイヤ79の最大限の後方たわみを示す。
【0038】
本発明の制御機構24(図18)は、ベース21の一部を形成する固定ベース支持体121を含む。座部22は座部支持体122を含み、背もたれ23は背もたれ支持体123を含む。座部支持体122及び背もたれ支持体123は、以下のようにベース支持体121に動作可能に取り付けられる。ベース支持体121は、プレート115Aにより一部が覆われた上向きリセス115を含む。リセス115は、ブースター機構25を受け入れる第1のポケット116を形成する。リセス115は、ベース支持体121を通って垂直下方に延びて、高さ調節ポスト21Aのテーパ状上部セクション118を受け入れるテーパ状の第2のポケット117も形成する。図示のベース21(図1)はポスト21Aの底部のハブと、ハブから延びる半径方向に延びる側部セクションと、椅子20を支持する側部セクションの端部にキャスターとを含む。ロック可能な空気ばねがポスト21Aに組み込まれて、高さ調節時に釣り合い支持(counterbalancing support)を与える。ポスト21A(図18)は、ベース支持体121の上部に配置される垂直作動式リリースボタン21Bを含む。この場所において、リリースボタン21Bは、ベース支持体121の上部又は側部に動作可能に取り付けられるハンドル(図示せず)により作動されることができ、ハンドルは、ハンドルをリリースボタン21Bと押下係合(depressingly engage)させて、椅子の高さ調節のために空気ばねを解放させることを選択的に行うように、枢動可能又は回動可能である。1つの特定のベースを図示しているが、本発明の椅子20と組み合わせて種々の異なる椅子ベースを用いることができることが、特に意図される。
【0039】
座部支持体122(図36)は、前部板ばね123’により、及びこの板ばね123’の後方に離隔したピボット機構124により、ベース支持体121上に動作可能に支持される。具体的には、前部板ばね123’は、ねじ締結具によりベース支持体121の傾斜前面126(約45°に向けられる)上に支持されて取り付けられる中央部分125を含み、座部支持体122の側部部材130の円筒状リセス129に摺動可能且つ回転可能に嵌まる樽状又は球状軸受128を各端部に有するアーム127を含む。軸受128は、円筒状ではなく樽状であることにより、アーム127がたわむと或る程度の非軸方向回転及び軸方向摺動を可能にするため、リクライニング時の高応力領域を減らすのに役立つとともにより広い移動範囲に適応するのを助ける。しかしながら、本発明の概念の要求を依然として満たし得る異なる軸受構成が可能であることが意図される。
【0040】
側部部材130は、横梁(cross beam)131(図36)によりしっかりと相互接続される。ピボット機構124は、1つ(又は複数)のピボット式アーム132を含む。ピボット式アーム132は、その一端がピボットピン133によりベース支持体121上に枢支され、且つ他端134がピボットピン134’’及びピン軸受134’により横梁131の中心に枢動可能に接続される。ピン軸受134’は、ねじ等により横片131に取り付けられる。ピボットピン133は、アーム132にキー式に取り付けられ(keyed to)、それにより、ピボットピン133が座部の移動時(すなわちリクライニング時)に回転するようにする。したがって、座部支持体122(及び座部22)の移動の方向及び向きは、板ばね123’のアーム127がたわんだ時の軸受端部128の直線移動(前方上方に45°の角度、図38のR1を参照)により、及びピボットアーム132が回転した時のピボット機構124のピボット式アーム132の円弧状移動(45°の角度から始まって、背もたれ23が完全リクライニング位置に近づくと約10°の角度になる、図38のR2を参照)により、方向付けられる。座部22の前部の移動距離は、好ましくは約1/2〜2インチ(約1.3〜5.1cm)の範囲、又はより好ましくは約1インチ(約2.5cm)上方及び1インチ(約2.5cm)前方であるが、所望であればそれより大きくしても小さくしてもよい。また、座部の後部の移動距離の垂直成分は、約1/2〜1インチ(約1.3〜2.5cm)の範囲であるが、所望であればそれよりも大きくしても小さくしてもよい。特に、座部の移動の垂直成分は、椅子20のリクライニング時に蓄積される位置エネルギーに最も直接的に影響を与える成分である。言い換えれば、リクライニング時の座部の垂直成分(すなわち、垂直方向の持ち上げ量)が大きければ大きい程、リクライニング時に着座しているユーザが受ける体重作動式支持は大きくなる。
【0041】
背もたれ支持直立体(upright)123(図36)は、ピボット場所75において座部支持体122の側部部材130に枢着される側部セクション135を含み、ピボット位置75はピボット129の場所とピボット134との間のほぼ中間にある。図示のピボット位置75は、軸受128(図19を参照)と高さがほぼ同じであるが、所望であれば、特定の椅子デザインに合わせてそれよりも高い位置にあっても低い位置にあってもよい。後部板ばね137(図36)は、ベース支持体121の後部の前方傾斜面139に取り付けられる中央部分138を含み、背もたれ直立体123の側部セクション135の円筒状リセス142と枢動可能且つ摺動可能に係合する、樽状又は球状軸受141を有するアーム140を含む。後面139は、垂直線に対して約30°前方に傾斜して向けられ、これは前面126の後方傾斜角度(rearward angle)とは逆の角度である。結果として、後部ばね137の側部セクション135がリクライニング時にたわむと、後部軸受141は後部傾斜面139に対して垂直な方向に前方下方に移動するよう強いられる(図38の方向R3及び方向R4を参照)。したがって、ピボット75は、リクライニング時にラインR1及びR2に沿って座部22を前方に駆動し、続いて背もたれ23のリクライニング移動が、背もたれ支持体122を前方上方に移動させる。上述のように、背もたれ支持体122の移動は、前部領域では、軸受128を45°の角度で直線方向に(方向「R1」に、上方前方に)移動させる前部ばね123の端部のたわみによって制御され、後部領域では、ピボット式アーム132の円弧状(経路「R2」に沿って上方前方)の枢動によって制御される。ピボットアーム132は、直立静止位置(図19及び図38)にある場合は約45°の角度であり、完全リクライニング位置(図39)にある場合は約10°の角度であり、リクライニング時は2つの両極位置間を円弧状に移動する。座部支持体122が移動すると、ピボット場所136(図38)が曲線経路に沿って前方に移動する。その結果、背もたれ直立体123はリクライニング時に主に後方下方に回転するが(ラインR3を参照)、下部側部セクション74は、矢印R1及びR2(座部22に関して)並びにR3〜R5(背もたれ23に関して)(図38)で示すように、座部22との連係同期移動により前方に移動する。
【0042】
具体的には、リクライニング時には、座部支持体122の後部は最初に、座部支持体122の前部を同時に持ち上げることにより移動し始める。さらにリクライニングすると、座部支持体122の後部は(アーム132が10°の角度に近づくにつれて)低速を保って上昇し、座部支持体122の前部も同じ速度で上昇し続ける。背もたれ23(すなわち背もたれ支持体123)は、リクライニング時に下方前方に角度移動する。したがって、座部支持体122は背もたれ直立体123と同期移動するが、その動きは複雑である。椅子デザインの当業者には理解されるように、種々の構成要素の角度及び長さを変えることにより、多様な動きが可能である。
【0043】
ブースター機構25(図19)は、ピボットピン133により座部支持体121に取り付けられるねじりばね150を含む。ねじりばね150は、ピボットピン133にキー式に取り付けられる内側リング151(図37)と、弾性ゴムリング152と、アーム154が半径方向外方に延びる外側リング153とを含む。停止部材155が、ピボットピン155’によりベース支持体121に枢着され(且つピボットピン155’にキー式に取り付けられ)、アーム154と選択的に係合する又は係合を解除するように移動可能な停止面156を含む。停止部材155がアーム154から停止面156の係合を解除させるように移動する場合(図19)、ねじりばね150は自由に動き(freewheel)、リクライニング時に制御部120にいかなる付勢も与えない。しかしながら、停止部材155が停止面156をアーム154と係合させるように移動する場合(図20)、外側リング153がリクライニング時に移動することを阻止される。これにより、ピボットピン133がリクライニング時に回転するため、ねじりばね150はリクライニング時に応力及び張力を受け、リクライニング時にねじりばね150に蓄積されるエネルギー量は「増加する」ため、リクライニング時に着座しているユーザが受ける支持の量が増える。ねじりばね150はリクライニング時の付勢力の約15%〜20%を占め、残りの付勢力は、板ばね123及び137の曲げと、リクライニング時に座部支持体及び着座しているユーザを持ち上げることにより蓄積されるエネルギーとにより供給されることが意図される。しかしながら、力の割合は当然、特定の椅子デザインの特定の機能的要件及び美的要件を満たすような設計により変わり得る。
【0044】
動作について、ブースター機構25が「オフ」のとき(図19)、着座しているユーザが椅子をリクライニングさせるとアーム154が自由に移動する。したがって、リクライニング時には、座部が上昇して着座しているユーザを持ち上げると、板ばね123’及び137のたわみアーム127及び140がたわんでエネルギーを蓄積する。これにより、着座しているユーザはリクライニング時の第1のレベルの背もたれ支持を受ける。さらなる支持が必要である場合(すなわち、従来の椅子の背もたれ支持のばね張力を増加させることと同等のもの)、停止部155を回転させることによりブースター機構25を係合させる(図20)。これにより、アーム154の移動が阻止されるが、ピボットピン133はアーム132により回転させられる。したがって、リクライニング時には、ねじりばね150のゴムリング152が伸びて、リクライニング時に着座しているユーザにさらなる支持を与える。言い換えれば、リクライニング時に背もたれ23に与えられる支持は、ブースター機構25の係合により「増大」する。
【0045】
いくつかの別個のねじりばね150をピボット154’の軸に加えてもよく、(各停止部155をわずかに異なる角度で係合させること等により)それらを順次係合させてもよいことが意図される。これにより、ねじりばねが1つ係合されるごとに背もたれ支持が増大する。(図25を参照。)別の代替形態では、1つの長いゴムリング152を用いて、1つの場所でピボットピン133に固着してもよいこと、及びいくつかの異なる外側リング153及びアーム154(共通の軸上で並んで配置される)を用いてもよいことが意図される。さらなるアームが係合されると、リクライニング時にねじりばねのねじり力が増大する速度が速くなる。停止部205(図21)のように停止部155にステップを設けて、「ブースター」ねじりばね150がリクライニング中に適時に異なる角度地点で係合して作動可能(active)になるようにしてもよいとも考えられる。当業者が理解するとともに本開示から製造できるであろう他の構成及び変形形態もいくつかある。これらのさらなる概念は、本出願により包含されることが意図される。
【0046】
アーム132には停止ピン290(図37)が設けられ、ねじりばね150の外側リング153には当接部291が設けられる。構成要素290と291とが係合し、またアーム132がベース支持体121と係合すると、背もたれ23が直立位置に確実に位置決め(positive location)される。ゴムリング152には、ピン290と当接部291との係合により予張力がかけられ得る。したがって、停止部材156が係合すると、ゴムリング152におけるこの予荷重は、背もたれ23のリクライニングの開始前に克服されねばならない。これにより、停止部材155が係合されている場合は常に(図20を参照)、予張力が増加する(図24を参照)。代替の構造では、停止ピン290’がアーム132に配置され、背もたれ23の直立位置を設定する手段として椅子制御部のベース支持体121の表面と当接するように位置付けられる。
【0047】
停止部材155には背もたれ停止部(backstop)205(図21)が形成される。背もたれ停止部205は、ピボットピン155’とともに動くようにピボットピン155’に直接キー式に取り付けられる。図示の背もたれ停止部205にはねじりばね要素がない。アーム132は、当接面203を有するレバー202を含む。背もたれ停止部205は、ブースター停止部材155に隣接した場所でピボットピン155’に枢着される。背もたれ停止部205は、第1の当接面206及び第2の当接面207を含む。
【0048】
手動制御機構220(図26)は、座部支持構造122の下でベース支持体121に取り付けられるセレクタデバイス227を含む。セレクタデバイス227は、ブースター停止部155及び背もたれ停止部205を移動させるために、以下で説明するようにピボットピン155’に動作可能に接続される。背もたれ停止部205は、ブースター機構25及び背もたれ停止部205の手動制御機構220が「ホーム」係合解除位置にある場合には、レバー202の当接面203と係合しない(図19及び図21)。ブースター機構25の停止部材155は、セレクタデバイス227が第1の調節位置に移動するときに、ねじりばね150と係合してねじりばね150を作動させる(図20)。第1の位置では、当接面203はまだ係合していない(図20)。しかしながら、制御部220が第2の調節位置(図22)に移動するとき、背もたれ停止部の当接面206はレバー202の当接面203と係合し、背もたれ23はその完全角度リクライニングの1/3のみに制限される。(背もたれ停止部205は、当然ながら、所望であればさらなる中間ステップを有してもよい。)セレクタデバイス227が第3の調節位置(図23)にある場合、背もたれ停止部の当接面207がレバー202の当接面203と係合し、背もたれ23はリクライニングがない状態に制限される。セレクタデバイス227のこれらの複数位置の効果は、図24のグラフにおいてそれぞれ211〜214と記されたラインによって示される。
【0049】
図24に示すように、ブースター機構25と背もたれ停止部205とを組み合わせると、独自の調節可能制御機構ができる。実際に、このデバイスは全く新しい方法で2つの機能を組み合わせたものであり、背もたれ機能(すなわち、背もたれ停止機構202/205)及び背もたれ張力調節機能(すなわち、ブースター機構150/155)を(1つの部材で)選択的に果たす1つのデバイスである。
【0050】
ピボットピン155’は、座部支持体122の下の、又は座部支持体122に組み込まれた、座部22の縁部に位置する一端を有するように延びてもよいことが意図される。このような場合、ピボットピン155’の当該端部は、ピボットピン155’を掴むとともに回転させるハンドルを含み得る。しかしながら、手動制御機構220のセレクタデバイス227(図26及び図27)は、椅子20のどの場所にあってもよい。
【0051】
手動制御機構220(図26)は、第1の端部221’がベース支持体121に取り付けられるスリーブ221と、スリーブ221内で可動な内部調節伸縮ケーブル(internal telescoping cable)222(図27)とを有するボーデンケーブル251を含む。背もたれブースター及び背もたれ停止機構のピボットピン155’には、ホイールセクション223がキー式に取り付けられるか、又は他の方法で取り付けられる。ケーブル222の端部224がホイールセクション223の外周に接線方向に取り付けられる。(代替的に、ピボットピン155’の直径が十分に大きい場合、ケーブルの端部224はピボットピン155’に直接接線方向に接続することができる。)任意選択的に、ばね225を用いてホイールセクション223を方向225’に付勢し、ケーブルを第1の方向225に引っ張ることができる。しかしながら、ケーブル222の強度が伸縮自在に押し引きするのに十分である場合、ばね225は必要ない。ケーブルスリーブ221は、座部支持体122の、座部支持体122から延びる固定ロッド支持体226の端部等に取り付けられる第2の端部を含む。セレクタデバイス227は、種々の背もたれ支持/停止状態(back supporting/stopping conditions)を選択するようにケーブル222を操作するために、ロッド支持体226の一端付近に取り付けられる。
【0052】
セレクタデバイス227(図28)は、自転車のギアをシフトする自転車ハンドルバーにおいて見られるギアシフトに非常によく似た動作をする。セレクタデバイス227は、米国特許第6,179,384号明細書に示す腰部力調節デバイス(ギア56及び56’を除く)にもよく似ている。2001年1月30日に発行された「FORCE ADJUSTING DEVICE」と題する特許、すなわち米国特許第6,179,384号明細書は、所定のクラッチデバイスを開示していること、また、スプラグクラッチとその動作との基本的な詳細を開示及び教示するために、米国特許第6,179,384号明細書の全容はその全体が参照により本明細書に援用されることに留意されたい。
【0053】
図示のセレクタデバイス227(図28〜図30)は、ロッド支持体226に取り付けられるハウジング228を含み、ハウジング228は、ロッドに取り付けられる内側リングセクション229と、当該リングから外側に延びる(rising from)とともにリング229の回りに横方向に開口したキャビティ231を形成する環状カバー230とを有する。カバー230の内周面(around an inside of)に移動止め(detent)リセス237が形成される。ハブ242を含む一体プラスチック成形の回転可能なクラッチ部材233は、キャビティ231内に配置され、ケーブル端部221’’に取り付けられる第1のセクション234を含む。回転可能なクラッチ部材233は、ハブ242と一体形成されるクラッチ部分235をさらに含む。ハンドル236は、支持体226の一端に回転可能に取り付けられ、クラッチ235と係合して以下のように移動止めリセス237との係合を制御する突出部238を含む。
【0054】
クラッチ部分235(図28)は、1つ又は複数の側部セクション240(好ましくは少なくとも2つの側部セクション240、最も好ましくは、図示の6つの側部セクションのような、円周方向に対称且つ均一ないくつかの側部セクション)を含み、側部セクション240は、ハブ242から移動止めリセス237と接触するエルボー243まで一定の角度で延びる弾性の第1のセクション241と、第1のセクション241の端部からハブ242及び移動止めリセス237間に位置する自由端245との間に、逆方向に延びる第2のセクション244とを有する。各自由端245は穴248を含む。ハンドル236は、突出部238それぞれが側部セクション240それぞれの関連する自由端245の穴248と係合する場所において突出部238を支持する、クラッチ隣接セクション246を含む。移動止め237を画定するハウジングの内面に対する第1のセクション241の角度(図31A、矢印280を参照)により、第1のセクション241は、ケーブル222の張力により伝えられるばね225の付勢(矢印281を参照)に抗して、移動止めリセス237と噛み合い係合し、クラッチ235がハブ242により方向249(図31)に付勢される時のクラッチ235の移動を防止する。したがって、ハンドル236が解除されると、クラッチ235は、ケーブル222によってクラッチ235に伝えられるばね225(図27)の力281に抗して再びロックする。しかしながら、ハンドル236が把持されてハウジング228に対して回転方向283(図31A)に移動されると、ハンドルの突出部238は第2のセクション244を引っ張り、したがって第1のセクション241及び第2のセクション244を引っ張り、これにより、回転可能部材230(及びクラッチ231)が回転するようになる。ハンドル236が回転方向282(図31A)に移動されると、ハンドルの突出部238は第2のセクション(単数又は複数)244を移動止めリセス237に対して低角度で押し、第2のセクション244(及び第1のセクション241)が移動止めリセス237(図31B)を越えて滑り出すため、回転可能部材230(及びクラッチ231)が方向281に調節移動することができる。したがって、本構成は、いずれの方向への調節も可能にするが、ばね付勢力に抗した特定の方向への望ましくない調節はインターロックし、防止する。
【0055】
ブースター機構25及び背もたれ停止部205の作動動作には、ばねの力に打ち勝つことも、ばね150により発生する摩擦力に打ち勝つことも必要ではないため、この作動は特に容易に行われることに留意されたい。さらに、その作動動作は、エネルギーを蓄積させる移動を必要としない(すなわち、ばねを圧縮又は伸張する必要がない)。したがって、単純なバッテリー駆動式直流電動機又はスイッチ制御式ソレノイドが、ブースター機構25及び/又は背もたれ停止部205を動作させる機能を果たすであろう。図26は、バッテリーパック及び電気回転モチベータ(motivator)(DCモータ等)を支持し、且つ端部に取り付けられたスイッチを含むハウジング300を示す。図27Aは、ケーブル222に動作可能に接続されるリニアモチベータ301を示し、軸155’に接続される回転モチベータ302も示す。ブースター機構25及び背もたれ停止部205の移動には、最小限の摩擦抵抗を伴ったごく少量のエネルギーしか必要ないため、大型のエネルギー源を必要とせずに移動を行うことができる。したがって、小型のバッテリー駆動式デバイスでも、バッテリーの再充電が必要となるまで長時間にわたって十分に機能するであろう。
【0056】
上記の図示の制御機構24は、座部及び背もたれを支持するたわみ体重支持部材として用いられて、同期移動を修正する、前部及び後部板ばねを有し、また座部の後部の移動を方向付けるのに役立つピボット式連結部/アームを有する。しかしながら、本構成は、ベース支持体121に枢着される剛性アームも含むことができ、又は「SEATING UNIT HAVING MOTION CONTROL」と題する2004年3月18日に出願された米国特許出願公開第2004/0051362号明細書(その全容は、全体を参照により本明細書に援用する)に示す支持構造のいずれかを含んでもよい。また、「ブースター」機構25は、リクライニング時に停止部が係合されるとさらなる付勢支持をもたらす。しかしながら、ブースター機構25の代わりに、ばね張力を調節するねじ部材又はカム等の継続的に調節可能な付勢デバイスを用いてもよいことが意図される。
【0057】
座部支持体122はリクライニング時に上昇するため、リクライニング時には位置エネルギーが蓄積される。したがって、リクライニング時には、体重の軽い着座しているユーザよりも体重の重い着座しているユーザの方が大きい支持を受ける。また、着座しているユーザがリクライニング位置から直立位置に移動すると、このエネルギーが回復されるため、直立位置への移動を補助する。これにより、体重作動式移動座部が提供され、この場合、座部はリクライニング時に持ち上がることにより、体重作動式運動制御部としての役割を果たす。(すなわち、着座しているユーザの体重が重ければ重い程、リクライニング時にユーザを支持する付勢支持が大きくなる。)様々な異なる構造により体重作動式制御部を提供することができ、これらの構造は依然として本発明の範囲内にあることに留意されたい。
【0058】
変更形態
変更した椅子すなわち座席ユニット20B(図40〜図42)は、椅子20からの変更点及び改良点を含む。冗長な説明を最小限に抑えて比較を容易にするために、椅子20と同様又は同一の椅子20Bの構成要素及び特徴は、同じ識別番号の多くを用いて示すが、「B」という文字を加えてある。
【0059】
椅子20B(図40)は、ベース21Bと、座部22Bと、背もたれ23Bとを含み、座部22B及び背もたれ23Bは、座部下制御機構24Bによってベース21B上に動作可能に支持され、背もたれ23Bのリクライニング中に同期移動する。椅子20と同様に、椅子20Bのリクライニング時には、制御機構24Bは座部22Bを上方前方に移動させて持ち上げ、リクライニング時に背もたれ23B(及び着座しているユーザ)に体重作動式背もたれ支持力を自動的に与えるようにする。座部22B(及び同様に背もたれ23B)は、局部的に服従する支持構造(本明細書の以下では「快適表面」と呼ぶ)により形成される快適性の高い支持表面を含み、この支持構造は、直立位置及びリクライニング位置のいずれにある場合も、着座しているユーザの体勢の変化及び人間工学的支持に対する要求に適応する。特に、快適表面は、リクライニング中に着座しているユーザを椅子に快適に保持する一方で、着座しているユーザの骨盤の骨がリクライニング時に回転する際に、ユーザの体勢の変化に最適な局部的な人間工学的支持を与えるように、形状を変化させる。さらに、椅子20Bは、着座しているユーザの膝及び腿における不快な持ち上げ力をうまく分配することにより、且つ/又は膝領域から部分的に逸れてたわむことにより、着座しているユーザの膝及び腿の下にそのような力を加えることを避ける。さらに、座部22B及び背もたれ23Bの快適表面により、着座しているユーザを「把持する」とともに局部付近に応力を能動的に分配する、変化するバケット形状(図2A及び図2Bに示すものと同様)が形成され、以下で説明するように、着座しているユーザが座部22bに快適に保持されていると感じ、リクライニング中に傾斜した/リクライニングした背もたれから滑り落ちて座部から前方に落ちるように感じないようにする。
【0060】
椅子制御機構24B(図43)は、ブースター/背もたれ停止セレクタデバイス227Bを含み、これは、図19、図20、図22、及び図23に示す複数の位置の間で背もたれ停止及びブースター機構(図19〜図23を参照)(構成要素156及び205)を選択的に移動させる、第1の軸301を中心に回転可能なハンドル300を有する。制御機構24Bはさらに、第2の軸304’を形成するロッド304を中心に回転可能な半径方向に延びるレバーハンドル303を有する、第2の制御デバイス302を含む。第2の軸は、第1の軸301と平行ではあるが離隔して延びる。ハンドル303はハンドル300に隣接して配置され、ハンドル300と係合してハンドル303の逆回転(back rotation)を制限する停止面を形成する突起部を含む。ロッド304(図48)の内端には、半径方向に延びるフィンガ305がある。ベース21B(図45)は、ケーブルスリーブのシースと係合する2つの固定タブ308と、ばね307の内部解除ボタンと動作可能に係合する1つの側部作動可能レバー309とを有する解除可能な自己ロック空気ばね307を含む。空気ばね307等の側部作動可能な空気ばねは市販されているため、本出願では詳細に説明する必要はない。(Choの米国特許第6,276,756号明細書を参照。)ケーブルアセンブリ(図48)は、一端311がフィンガ305に接続され、他端312(図45)がレバー309に接続されるケーブル310を含む。ケーブルアセンブリはさらに、スリーブ313(図48)を含み、これは、ハンドル303の付近でベース支持体121Bに接続され、空気ばね307のタブ308(図45)まで延びてタブ308に接続される。
【0061】
図44〜図46に示すように、ベース支持体121Bは、ベース支持体121を裏返しにしたものである。具体的には、ベース支持体121B(図46)は、ベース支持体121と同様に、同様のキャビティ及び内面と、ベース支持体121B内にレバー、停止部、及びブースター機構を支持する構造とを含む。しかしながら、ベース支持体121Bのキャビティの前部部分116Bは下方に開いており、カバー115Bはベース支持体121Bの底部と係合する。直立アーム315(図45)が停止部材155Bに取り付けられ、ベース支持体121Bの上部開口155B’を通って上方に延びる。ケーブル316の端部316’は、アーム315に取り付けられ、ブースター/背もたれ停止セレクタデバイス227B(図48)の接線方向の接続部(tangential connection)まで延び、ハンドル300が回転するとケーブル316が引っ張られ(且つ/又は押され)、したがって停止部材155Bが選択位置に移動するようになる(図19、図20、図22、及び図23を参照)。
【0062】
前部ばね123B’(図47)の横方向に延びるアーム127Bは、球面軸受321に取り外し不可能にスナップ取り付けされるタブ320を含む。座部支持体122B(図45)は、一対の側部フレーム部材322と、対向する側部フレーム部材322同士をしっかりと接続する横方向クロス部品323とを含む。各側部フレーム部材322は、ボア324を含み、ボア324は所望であれば軸受スリーブ325を含む。板ばね123’の各端部の球面軸受321はそれぞれ、スリーブ325/ボア324と回転可能且つ伸縮摺動係合し、背もたれ23Bのリクライニング時に球面軸受321の非直線移動に対応する。穴75B(図47)は、背もたれ支持直立体123Bの各側部セクション135Bを座部支持体122Bに回転可能に接続するピボットピンを受け入れる。フランジ327は、側部フレーム部材322の上部に沿ってスロット328を形成する。
【0063】
各座部22B(図43)は、「L字形」の肘掛け支持構造482(図42)及びT字型の肘掛け483を受け入れて固定支持する取り付けソケット481を座部の側部フレーム部材322上に形成する、ブラケット480を含む。
【0064】
座部22Bは深さ調節可能であり、各側に取り付けられて摺動深さ調節を行うための一対の座部キャリア330(図45)を含む。具体的には、座部キャリア330はそれぞれ、座部支持体122Bの側部フレーム部材322の上部に摺動可能に係合するようになっているボディ331(図65)を含み、さらに、スロット328に嵌まって摺動可能に係合し、座部22Bの前部/後部深さ調節を行うための側方フランジ332を含む。右側及び左側の座部キャリア330のフランジ332が逆方向を向いているため、座部22Bは座部支持体122B上に捕捉される。座部キャリア330の上部内側に或る一連のノッチ333は、座部キャリア330に取りつけられるラッチ334により係合され、ラッチ334は係合位置まで下方に可動であることにより、座部22Bを選択した深さ位置に保持するために選択されたノッチ333と係合する。ラッチ334は、ノッチ333との係合を解除するように上方に可動であり、それにより座部22Bの水平方向の深さ調節を可能にする。ラッチ334は、座部22Bに取り付けられて垂直移動するブレード、又は回転するとノッチ333と係合するように、及び係合を解除するように移動する端部セクションを有する屈曲線材(bent wire rod)等の、様々な異なる構成であってもよいことが意図される。他のラッチ及び調節機構を組み立ててもよいことが意図される。
【0065】
図示の椅子デザインでは、ラッチ334は両側にあり(two-sided)(図63)、座部22Bの両側に係合して、座部22Bのラッキング(racking)、並びに望ましくない角度方向のねじれ及び水平平面の回転を防止するようになっている。言い換えれば、ラッチされると両方の座部キャリア330がそれぞれの側部フレーム部材322に固定され、着座しているユーザがリクライニングしようとしている時に、望ましくない不均衡な形でトルク及びねじりを与えることがない安定した座部配置を提供するようにすることが好ましい。
【0066】
図示のラッチ334(図63)は、U字形の屈曲ワイヤアクチュエータ334’により作動され、アクチュエータ334’は、座部の前部セクション388の下で把持可能なハンドルを形成する横方向ハンドルセクション470と、一対の脚部471及び472とを含む。各脚部471(及び472)(図64)は、座部22Bの側壁365と側部セクション359との間(及び側壁366と側部セクション359との間)の空間に嵌まる。環状溝473(図64)が、壁365と366との間のリブ475のノッチ474に噛み合い可能に嵌まって、脚部471(及び472)のためのピボットを形成する。ラッチ334は軸476上で枢動し、ノッチ333と係合するように、及び係合を解除するように移動する形状のラッチ端部477を含み、且つ脚部471の後端479に方向「D」に動作可能に接続される第2の端部478を含む。ハンドルセクション470が上方に移動すると、側部の脚部471及び472はリブ475において枢動し、それにより脚部の先端479が下方に移動する。脚部の先端479が下方に移動すると、ラッチ部材334がピボット476を中心に枢動して、ノッチ333からラッチ端部477を持ち上げる。すると、座部22Bの深さを調節することができる。横方向ハンドルセクション470と座部の前部セクション388との間にある1つ又は複数の弾性ばね480(図63)が、セクション470を下方に付勢することにより、ハンドルセクション470が解除されるとラッチ先端479が選択されたノッチ333と再び係合するようにする。
【0067】
上述のように、椅子制御機構24B(図43)は、ブースター/背もたれ停止セレクタデバイス227Bを含み、これは、図19、図20、図22、及び図23に示す複数の位置の間で背もたれ停止及びブースター機構(図19〜図23を参照)(構成要素156及び205)を選択的に移動させる、第1の軸301を中心に回転可能なハンドル300を有する。より詳細には、管状支持体340(図48)が、右側側部フレーム部材322の外側に取り付けられる。軸受スリーブ341が、圧縮コイルばね342、先細の軸方向先端344を有するクラウン形移動止めリング343、及びハンドル300とともに、管状支持体340内に配置される。ロッド345が、ハンドル300から構成要素343、342、及び340を通って側部フレーム部材322の内側まで延びる。ハンドル300は、移動止めリング343の軸方向先端344と係合する歯状突起部346(図49)を含み、移動止めリング343は、先端344が突起部346と係合し続けるように軸方向及び外側方向に付勢される。さらに、移動止めリング343は、移動止めリング343が回転できないが軸方向に伸縮可能であるように、管状支持体340にキー式に取り付けられる。先端344及び突起部346は傾斜表面を含むため、ハンドル300の回転時に移動止めリング343がばね342の付勢に抗して軸方向内方に移動し、続いて先端344が隣接する突起部346間に嵌まると外方に跳ね返ることにより、ハンドル300が方向347に回転することを可能にする。この構成により、ハンドル300は移動止め回転で動く。図示の配置は、ハンドル300に4つの突起部346と、移動止めリング343に16の先端とを含むが、それぞれそれ以外の数を用いてもよいことが意図される。ハンドル300は、その機能を示すためにマーク349を含んでもよく、椅子技術分野で一般に用いられるハンドル形状のいずれを図示のデザインに組み込んでもよいことが意図される。
【0068】
ロッド345の内端からはレバー351(図48)が延び、これはケーブル316の一端353に動作可能に接続される。ケーブル316の他端316’(図45)が、ブースター及び背もたれ停止係合部材155Bの停止部材155Bのアーム315に接続されることを想起されたい。
【0069】
座部22B(図50)は、上部フレーム構成要素358と、上部フレーム構成要素358の右側及び左側に取り付けられる右側及び左側下部フレーム構成要素359及び360とを備える、座部フレーム357を含む。下部フレーム構成要素359及び360は、前述の座部キャリア330(図45)の上部に直接取り付けられるか、又は図示のキャリア330の特徴を組み込むように一体形成されてもよい。支持部材45B(図50)は、以下で説明するように、ダウンフック(down-hooks)が各端部に形成された単線を備える。
【0070】
下部フレーム部材359及び360(図50)は、互いの鏡像であるため、下部フレーム構成要素359のみを説明する。下部フレーム構成要素359は、底壁362と、前部端壁363及び後部端壁364と、3つの長手方向壁365〜367とを有する、プラスチック成形構成要素である。外壁365は美観上及び構造上の外面を形成する。中間壁366は、上部及び下部フレーム構成要素358及び359/360を互いに取り付けるねじ(図示せず)を受け入れる複数の開口ボス368を含む。内壁367は、その上面からその高さのほぼ半分まで延びる複数の垂直方向に開いたスロット369を含み、さらに、スロット369の各側で壁367から壁366まで延びる平行壁370及び371を含む。以下で説明するように、平行壁370及び371それぞれの間には、端部セクション52Bを受け入れるリセスすなわちポケット50Bが形成される。中間壁366の内側は第1の停止面372(図52)を形成し、内壁367の外側は第2の停止面373を形成し、傾斜ランプ面(angled ramp surface)374が第2の停止面373から内方下方に延びる。
【0071】
各支持部材45B(図50)は、上述の支持部材45と同じタイプのワイヤの単線を備える。各支持部材45Bは長寸セクション51Bを有するとともに、フックを形成する下向きL字形の(L-shaped down-formed)端部セクション52Bを有する。長寸セクション51Bは直線状であり、ユーザが座部22Bに座っていない状態で取り付け位置にある場合、スロット369の底部を通ってほぼ水平方向に延びる。端部セクション52Bは直線状であり、ポケット50B内に下方に延びる。ユーザが座部22Bに座っていない状態で取り付け位置にある場合(図52の実線を参照)、端部セクション52Bは外側(第1の)停止面372に当接し、ワイヤの長寸セクション51Bが中央領域の場所374’においてわずかに下方に曲がるようにする。これにより、ワイヤの支持部材45Bに予張力がかけられ、予め形状が与えられる(pre-form)。ユーザが座部22Bに座ると(図52の破線を参照)、長寸セクション51Bは、端部セクション52Bが内側(第2の)停止面373と係合するまで曲がる。これにより、長寸セクション51Bのさらなる曲がりすなわち屈曲が制限される。さらに、傾斜ランプ面374は、端部セクション52Bの内側の長寸セクション51Bの端部をさらに支持するため、長寸セクション51Bの有効長が減る。これにより、支持部材45Bの予め設定された最大屈曲は内側停止面373により制限され(すなわちスリング式効果)、ワイヤの長寸セクション51Bの有効長が短くなることによりさらに制限される(これはより硬い感覚を与える)。これらの状況の両方により、ワイヤの支持部材45Bが最大屈曲までたわむと緩やかに底付きするようになる。これと同時に、ワイヤの支持部材45Bは、その中心点だけでなくどの場所においても曲がることができるため、着座しているユーザは特に快適な人間工学的支持を受ける。
【0072】
座部22Bは、クッションと上張り地(upholstery)又は布カバーとを備えるクッションアセンブリ375(図40)も含む。支持体45Bはたわみ性及び快適性が非常に高いため、クッションがなくてもよいことが意図される。代替的に、厚さ1/4インチ〜1インチ(約0.64cm〜2.5cm)の範囲であることが好ましいクッションアセンブリ375を用いてもよい。上張り地カバーはいかなる材料であってもよいが、好ましくは或る程度の(但し大きすぎない)弾性伸びを可能にすべきであり、且つ支持部材45Bの個別移動により与えられる形状変化に対応するように曲がるべきである。
【0073】
クッションアセンブリ375が十分な弾力性及び弾性を有する(elastic and resilient)場合、クッションアセンブリ375は、座部支持構造(すなわちフレーム30B)の前部及び後部にフック式に取り付けられることを可能にする、前部及び後部フック状形状部(formations)を含んでもよい。(図70及び図71に関する以下の説明を参照。)
【0074】
支持部材45Bは、屈曲端部を有する1本の長寸ワイヤを備える代わりに、端部がヒンジにより側部フレーム構成要素に対して支持される長寸弾性ワイヤ又は剛性部材を含むようにしてもよく、その場合、ヒンジの回転軸が前方に延びるとともに長寸弾性ワイヤにおいて、又はそれよりもわずかに下にあることが意図される。例えば、図52Aは、下方にオフセットした一体ヒンジ381により支持されるストラップ380を含むようにされる、変更形態の下部フレーム構成要素359を有する座部を開示しており、一体ヒンジ381の底部に第2の(内側)停止面373がくるようになる。ストラップ380は、ワイヤの直線長さ382を受け入れる形状の溝を有する。着座しているユーザがいない場合、ワイヤ382は水平方向に延び、一体ヒンジ381は、内壁367’が通常の上昇位置に移動することができるように移動する。人が座部に座ると、一体ヒンジ381はたわみ、壁367’を内方下方に倒す。(破線を参照。)これにより、座部22Bに関して上述したのと同様の動作及び移動が行われる。
【0075】
座部の上部フレーム構成要素358(図50)は、側部セクション385及び386と、後部セクション387と、膝下「滝状(waterfall)」前部セクション388とを含む周囲フレーム部分を含み、これは支持部材45Bが延びる大開口389を画定する。側部セクション385及び386は、下部側部フレーム構成要素359及び360にねじ式に取り付けられ、いずれも、側部フレーム構成要素359及び360を補強するとともに、ポケット50Bに端部セクション52Bを捕捉する。後部セクション387は、座部22Bの剛性の後部領域を形成する。前部セクション388は、前方に3〜6インチ(約7.6〜15.2cm)延び、椅子20Bの着座しているユーザの腿領域を快適に支持する前部「滝状」前面を形成する。複数のスロット390及び/又は補強リブが最適な剛性を与えることにより、前部セクション388が弾性的にたわむ一方で、椅子20Bの直立位置及びリクライニング位置の両方で十分な支持及び良好な感覚を与えるようにする。セクション385〜388のいずれか1つを最適化するために、前後板ばね及び横置き板ばねを追加してもよい。特に、前部/後部ばねを追加すると、側部セクション385及び386の前部付近の前部セクション388の端部における遷移領域の支持が補助されることが意図される。
【0076】
図示の補強プラスチックばね490(図63)は、永久歪みを伴わずにたわむようにされる、引き抜き成形された平坦板ばねである。ばね490は、上部フレーム構成要素358のリセスにぴったりと嵌まり、下部フレーム構成要素359によりそこに保持される。ばね490は、平坦な水平断面形状を有し、側部セクション359の前端部から前方に延びるが、他の構成及び配置も可能であり、依然として同じ機能を果たす、ということが意図される。
【0077】
背もたれ23B(図53及び図54)の構造は、座部22Bの構造と似ている。したがって、詳細な説明を繰り返す必要はない。しかしここで、背もたれ23Bは、直立側部セクション400、401と、上部横方向セクション402と、底部横方向セクション403とを含む、大きい開放領域404を画定する背もたれ周囲フレーム70Bを含むことに留意されたい。側部セクション400及び401の底部は、前方に延びる側部脚部セクション135Bを形成するように前方に延び、ピボット75Bにおいて座部の側部セクションに枢着される。直立側部セクション400及び401は、底壁405(図53)と、端壁406、407と、内壁408と、外壁410とを含む。半分の深さのスロット411(図54)が内壁408に形成され、平行壁412及び413が、内壁408と外壁410との間の各スロット411の各側に形成される。ポケット77Bが、平行壁409と410との間で底壁405に形成される。ボス409’が、内壁408と外壁410との間に形成され、平行壁412及び413の隣接するもの同士の間に(リセスすなわちポケット77Bに干渉しない場所に)延びる短寸中間壁409により支持される。支持部材78B(座部22Bの支持部材50Bと同様)が背もたれ23Bに配置され、これらはそれぞれ、スロット411内に延びる長寸ワイヤセクション414と、ポケット77B内に下方に延びるL字形屈曲端部セクション415とを含む。ポケット77B内での端部セクション415の動きは、座部22Bに関して上述したのと同様である。静止位置では、端部セクション415はポケット77Bの外面417に当接することにより、ワイヤを部分的に曲がった状態に保持する。着座しているユーザが椅子に座って背もたれに寄り掛かると、端部セクション415が内側停止面418に当接移動してワイヤの支持部材78Bがさらにたわむのを制限するまで、長寸セクション414がたわむ。前部カバー420及び421は(図53)が、背もたれの直立側部セクション400及び401の前部に取り付けられる。カバー420及び421はいずれも、側部セクション400及び401を補強し、またポケット77B内に端部セクション415を保持する。
【0078】
座部22Bに関して上述したものと同様のクッションアセンブリ375’(図40)が、背もたれフレーム70Bに取り付けられる。これは異なる方法で取り付けられてもよい。1つの最適な方法は、クッションアセンブリを広げて、上部横フレームセクション402及び底部横フレームセクション403にフック式に取り付けることであることが意図される。当業者は、背もたれ23Bの上部及び底部への背もたれクッションアセンブリ375’の取り付け、及び座部22Bの前部及び後部への座部クッションアセンブリ375の取り付けに、図70及び図71に示す取り付け構造を用い、且つ適合させることができることが意図される。したがって、それぞれの詳細な説明は必要ない。
【0079】
図71に示すように、背もたれフレーム400の底部フレームセクション403は、一対のリッジ(ridge)528及び529を含み、リッジ528及び529は、背もたれフレーム400の幅に一続きに延びる下向きの矩形ポケットすなわち溝路530を画定する。移動止め溝路531(又は所望であればリッジ)が、底部フレームセクション403の外側前面に沿って溝路530と平行に形成される。クッションアセンブリ375’は、U字形の押し出し成形プラスチック取り付けクリップ532を含み、これは、平坦脚部533と、有刺脚部534と、脚部533及び534を接続する弾性セクション535とを含む。脚部533及び534は、前方のリッジ529を受け入れてそのリッジ529と噛み合い係合するように離隔している。移動止め突出部536が付勢され、弾性セクション535によって移動止め溝路531と係合する。
【0080】
クッションアセンブリ375’はさらに、弾性シート材料のストリップ541により平坦脚部533に接続される上張り地(upholstery material)540のシートを含む。(代替的に、試験により弾性シート材料541による弾性伸びを加える必要がないことが示された場合、弾性シート材料541を省いて、上張り地540を平坦脚部533に直接取り付けてもよい。)具体的には、弾性シート材料541の一縁部が縫い付け部542によって平坦脚部533のクリップ532に縫い付けられ、反対側の縁部が縫い付け部543によって上張り地540に縫い付けられる。ストリップ541は、背もたれフレーム400の全幅に完全に延びる。上張り地540をストリップ541に取り付けて縫い付け、また、ストリップ541を平坦脚部533に取り付けて縫い付ける種々の方法が既知であり、1つの簡単な縫い目のみが図示されている。好ましい形態では、シート材料541に加えて、発泡体層544及び安定背もたれシート545がクッションアセンブリ375’に取り付けられるが、これは必須ではない、ということが意図される。
【0081】
クッションアセンブリ375’を背もたれフレーム400に取り付けるために、クッションアセンブリ375’の押し出し成形クリップ532の平坦脚部533は、背もたれフレーム400の底部フレームセクション403の溝路530に押し込まれ、対向する脚部534は、底部フレームセクション403の外側前面と摩擦係合する。溝路530内に捕捉される弾性シート材料541と平坦脚部533とを合わせた厚さと、移動止め溝路531と移動止め突出部535との係合とにより、背もたれフレーム400にクッションアセンブリ375’を維持及び保持する強力で確実な接続が形成される。シート540及び541は、クッションアセンブリ375’が背もたれフレーム400に完全に装着されると、有刺脚部534の上に重なることに留意されたい(図71の矢印548及び図70の組み立て状態を参照)。有刺脚部534の断面は厚みを増しているため、シート540及び541の張力が、移動止め突出部535をさらに付勢して移動止め溝路531と係合させる。また、有刺脚部534の厚みを増した断面は、縫い付け領域を受け入れるとともに、縫い付け領域の襞の複数の厚みを受け入れる空間を提供することにより、縫い付け部を隠すのに役立つことができる。
【0082】
レール424(図55)が、側部セクション400及び401の内向き(inwardly directed)フランジ425の前部に形成される。レール424は、側部セクション400及び401の長さの約半分〜2/3にわたって垂直方向に延び、レール424と係合するアクセスポートを形成する上部終端部又は端部426を含む。レール424には種々の付属品を取り付けることができる。例えば、腰部デバイス427及びヘッドレスト支持体428(図40)が図示される。
【0083】
図示の腰部デバイス427(図55)は、フランジ425の周りに延びるプラスチックボディ430と、レール424と摺動可能に係合する一対のフック状リテーナフィンガ(retainer finger)431と、ボディ430からリテーナ431の反対側に延びるハンドル432とを含む。一対の移動止めバンプ又はリセス433が、リテーナフィンガ431に隣接してボディ430に形成され、腰部デバイス427が上下移動すると一連のワイヤ支持部材78Bと移動止め係合するようになっている。興味深いことに、腰部デバイス427は、下方に調節して非使用格納位置(図59を参照)におくことができ、この位置では、腰部支持デバイス427が低すぎるため、着座しているユーザに腰部支持を与える効果がもはやないことにより、腰部支持デバイス427は事実上使用不可能である。腰部デバイス427が上方に移動すると、移動止めバンプ433に隣接するボディ430の領域は、内壁408の内側の位置で長寸ワイヤセクション414を支持する。(図56を参照。)したがって、図56及び図57に示すように、長寸ワイヤセクション414の屈曲可能な有効長が短縮される。このため、付加的な腰部支持は、長寸ワイヤセクション414があまりたわまないことにより得られるが、背もたれ23Bの腰部支持領域の形状変化が強いられることによっては得られない(但し、所望であれば、腰部の形状変化をもたらすように設計することもできる)。着座しているユーザが所望の付加的な腰部支持を受けるが、着座しているユーザの背中及び胴は異なる体勢(body shape)をとるように強いられないため、この「平坦」調節は優れた人間工学的利点を有すると考えられる。
【0084】
別の重要な発見は、右側及び左側腰部デバイス427が独立して動作することである。右側及び腰部デバイス427を同じ高さに調節することにより、最大腰部支持力が特定の領域で得られる(すなわち、2つのワイヤ長寸支持セクション414が支持される)。右側及び左側腰部デバイス427を異なる高さに調節することにより腰部支持領域が効果的に拡大される(すなわち、4つのワイヤ長寸支持セクション414が支持される)。さらに、一方の腰部デバイス427を高く調節し、他方を比較的低く、但し依然として効果的な腰部支持領域に調節する場合、腰部デバイス427は非常に広範囲の不均一調節性を提供する、すなわち、或る領域では右寄りに、別の領域では左寄りに調節される。ユーザが適当な腰部デバイス427を選択することにより所望の腰部支持を選択することができるように、種々の腰部デバイス427を設けることができることも考えられる。
【0085】
図示の腰部デバイス427を1つだけ用いる場合(例えば、他方の側部腰部支持デバイス427が使用不可能位置に停止している場合)でも、着座しているユーザは背もたれ23Bから受ける腰部支持が不均衡だとは感じない。しかしながら、本発明の腰部デバイス427は、腰部支持を片側に大きく移すように設計することができると考えられる(すなわち、長寸ワイヤセクション414が片側のみで支持されて、椅子の片側の方がより大きい腰部支持を与えられ、他方の側の方が小さい支持を与えられる)。腰部支持が不均衡であることから、これは最初は望ましくないと思われるかもしれない。しかしながら、着座しているユーザの中には不均衡な腰部支持を望む、さらには好む者もいることが、試験により示されている。これは、不均一な支持が健康上有利な効果を有する、脊椎が曲がったユーザに特に当てはまる可能性がある。また、ユーザが非対称的な位置に座り、且つ/又は片側でリクライニングする時、またユーザが椅子に座って種々の不均衡な位置に向いて移動する時に、ユーザはその時々で異なる腰部支持を望む場合がある。
【0086】
図示の背もたれフレーム70B(図67)は、組み立てを容易にする特有の構造を有する。側部セクション400及び401の底部500は中空であり、それぞれが円弧状のキャビティ501を画定する。側部脚部セクション135Bは、キャビティ501内に伸縮摺動するように構成される円弧状ボディ502を含む。ともに伸縮されると、底部500の穴503及び側部脚部セクション135Bの穴504が一致する。ピボットピンが穴503及び504を通って延び、ピボット75Bを形成し、ピボットピンはいずれも構成要素(底部500並びに側部脚部セクション503及び504)を互いに固定するが、座部22B上の背もたれフレーム70Bのピボットとしての役割も果たす。
【0087】
座部22Bの側部フレーム部材322は、穴75Bの周りで円周方向に部分的に延びる一対の円弧状リセス510(図48及び図67)を含む。リセス510及び穴75Bは、蝶ネクタイ形の特徴部を形成する。側部脚部セクション135Bの内側は、リセス510に嵌まる一対の対向する突起部511(図67)を含む。背もたれ70B(すなわち背もたれ23B)がピボットピン505を中心に直立位置と完全リクライニング位置との間で回転する時に、突起部511はリセス510の対向する両端部と係合することにより、背もたれ23Bの最大リクライニング位置を設定する停止部としての役割を果たす。
【0088】
ヘッドレスト440(図60)を椅子20Bに加えてもよい。ヘッドレスト440は、ヘッドレスト支持体441と、垂直方向及び角度方向に調節可能なヘッドレストアセンブリ442とを含む。ヘッドレスト支持体441は、中心管443と、背もたれフレーム70Bの側部セクション400及び401まで延びる右側及び左側アーム444及び445とを含む。中心管443は、横方向上部フレームセクション402の後部に配置され、背もたれフレーム70Bの上部フレームセクション402にしっかりと係合して取り付けられるように構成されるタブ443’を含む。代替的に、管443は、背もたれ238の後方に張り出した(flared)上部フレーム部材402の開口の下に沿って配置されてもよいことが意図される。アーム444及び445はそれぞれ、安定性を得るために付属レール424と係合するように構成される端部447を有する。ヘッドレストアセンブリ442は、クッション付きのC字形ヘッド係合支持体441を含む。一対のマウント449が、C字形支持体441の下の剛性シート448の後部に取り付けられる。直立支持体450は、中心管443の開口を通って摺動可能に延びる垂直脚部451を含む。ヘッドレストを選択位置に保持するために、直立支持体450及び管443に移動止めを設けてもよい。
【0089】
直立支持体450の上部は、マウント449間に延びる横方向T字形ハンド452(図61)を含む。ハンド452(図61)は、内面に長手方向の歯(serrations:セレーション)454を有する中空管部材453を含む。マウント449の間にはバー455が延び、マウント449に固定される。バー455は一対の長手方向溝路456を含み、一対の移動止めロッド457が溝路456内に配置される。ばね458がバー455の横方向の穴に配置され、移動止めロッド457を外方に付勢して歯454と係合させる。この構成により、ヘッドレストアセンブリ442は、ヘッドレスト支持体441上で角度方向に調節されることができる。C字形ヘッドレスト支持構造448は、断面が螺旋状であり、且つバー455を中心に非対称的である前面を有する。C字形ヘッドレスト支持構造448の形状により、着座しているユーザの頭部を支持する有効面積は、ヘッドレスト支持構造448が角度方向に回転調節されると前方に移動する。
【0090】
座部支持体(図50)、背もたれ支持体78B(図53)、座部フレーム30B(図45及び図50)、背もたれフレーム70B(図53及び図69)、ばね123B’及び137B、並びに制御機構24(図45)は、背もたれ23Bが完全直立位置に達すると緩やかに停止し、背もたれ23Bが完全リクライニング位置に達すると緩やかに停止する、服従椅子アセンブリを形成する。リクライニング中の座り心地が流れるように滑らかであることと組み合わせて、激しい「衝撃」(hard "clunk")又は滑らかさに欠ける停止がこのように避けられることは注目に値し、着座しているユーザに対する驚くべき予想外のレベルの支持及び快適性が得られる。
【0091】
椅子20B(図40)(及び同様に図1の椅子20)のリクライニング中に、連結部132B及びアーム127B及び背もたれフレーム直立体123Bの構造は、背もたれ停止部材205Bが係合されている場合であっても背もたれ23Bが或る程度服従運動することを可能にすることがわかっている。具体的には、図示の構成要素の場合、リクライニング中に背もたれ23Bが背もたれ停止部に対して「底付きする」と、支持アーム127B及び本発明の椅子制御部において関連する構成要素は、これまで従来の椅子制御部では見られなかった服従性を制御部内に与える。具体的には、アーム127B及び関連する構成要素は、背もたれ23Bが限られてはいるが顕著な(noticeable)量だけ曲がって服従することを可能にする。したがって、背もたれ停止部が係合した時点で、高い背もたれ支持力が着座しているユーザに与えられるが、硬い「れんが壁」に衝突したような停止感は避けられる。その代わりに、服従支持アーム127B及び背もたれフレーム直立体123Bはたわんで、背もたれ23Bが限られた変更経路に沿って移動して、対応した「緩やかな停止」をもたらすことを可能にする。椅子及び座席ユニットの製造技術分野の当業者には理解されるように、この限られた変更経路に沿った背もたれ23Bに対する力は、椅子の種々の構造要素の強度及び大きさを変えることにより制御することができる。
【0092】
本発明による図示の椅子の外観及びデザイン、並びに椅子の個々の構成要素(肘掛け、ヘッドレスト、背もたれの後部に見えるワイヤ、座部下制御ばねの「かもめ型翼(gull wing)」形状、及び他の部品)は、当業者にとって新規、装飾的、且つ非自明であると本発明者は考え、したがって特許性を有すると考えられることに留意されたい。
【0093】
事務用椅子が図示されているが、事務用椅子以外の他の座席ユニットでも本発明の概念が有用であることが特に意図される。本発明の概念は、第2の構造に対して第1の構造が移動することが望ましい、特に同時連係又は同期移動が望ましい、及び/又は付勢力が望ましいか又は調節可能な停止が望ましい、椅子以外の家具及び他の用途で有用であることも意図される。
【0094】
本発明の概念から逸脱することなく、上述の構造に変形及び変更を加えることができることを理解すべきであり、さらに、添付の特許請求の範囲においてその文言により特に明記されない限り、かかる概念は当該特許請求の範囲により包含されることが意図されることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】座席ユニットが背もたれ及び座部に快適支持表面を形成する横方向ワイヤを含む、本発明を具現した座席ユニットの斜視図である。
【図2】図1の座部及び背もたれの横方向ワイヤの位置を示し、ユーザが着座していない状態のワイヤ支持部材が実線で示され、ユーザが直立位置で着座している状態のワイヤ支持部材が仮想線で示される、概略断面図である。
【図2A】図2と同様であるが、ユーザが直立位置で着座している状態の椅子を仮想線で示し、リクライニング位置で着座している状態の椅子を破線で示す図である。
【図2B】図2Aと同様であるが、リクライニング時の座部の平行移動/回転移動(上方移動及び前方移動)により生じる混乱をなくすために、座部の形状変化が重ねられた概略図である。
【図3】図1の座部の平面図である。
【図4】図1の座部の側面図である。
【図5】図3の座部フレームの平面図である。
【図6】図3の座部フレームの側面図である。
【図7】図3の座部の角部分の部分分解斜視図である。
【図8】図7に示すワイヤの1つの端部を摺動可能に支持するために用いられる軸受シューの側面図である。
【図9】図7に示すワイヤの1つの端部を摺動可能に支持するために用いられる軸受シューの上面図である。
【図10】図7に示すワイヤの1つの端部を摺動可能に支持するために用いられる軸受シューの端面図である。
【図11】図3に示す座部で用いられるワイヤの平面図である。
【図12】図3に示す座部で用いられる、図11とは異なるワイヤの平面図である。
【図13】図5及び図6に示す座部フレームの側部セクション用のカバーの側面図である。
【図14】図5及び図6に示す座部フレームの側部セクション用のカバーの平面図である。
【図15】図1に示す背もたれの正面斜視図である。
【図16】図1に示す背もたれの後面斜視図である。
【図17】図15に示す背もたれの側面図である。
【図18】図1に示す座部下制御部の側面図である。
【図19】図18と同様であるが、構成要素の断面を示し、図33の線XIXに沿って係合を解除されたブースター機構を示す断面図である。
【図20】図18と同様であるが、構成要素の断面を示し、係合されたブースター機構を示す断面図である。
【図21】図18と同様であるが、構成要素の断面を示し、図33の線XXIに沿って係合を解除された背もたれ停止機構を示す断面図である。
【図22】図18と同様であるが、構成要素の断面を示し、背もたれの部分的リクライニングのために第1のレベルに係合された背もたれ停止機構を示す断面図である。
【図23】図18と同様であるが、構成要素の断面を示し、背もたれのリクライニングがない状態のための第2のレベルに係合された背もたれ停止機構を示す断面図である。
【図24】ブースターの係合が解除されているか係合されているか、及び、背もたれ停止部が部分的リクライニングのために係合されているか又はリクライニング防止のために係合されているかに応じて、背もたれ支持力対たわみの種々の線を示すグラフである。
【図25】椅子における異なる強度のブースター機構が、連続して1つずつ係合されるとエネルギー量を選択的に増加させる様子を示すグラフである。
【図26】ブースター及び背もたれ停止機構のための、座部下に配置される手動制御部を示す分解斜視図である。
【図26A】図26と同様であるが、代替の実施形態を示す図である。
【図27】図33の線XXVIIに沿った断面図である。
【図27A】図27と同様であるが、代替の実施形態を示す図である。
【図28】図26の手動制御部の分解斜視図である。
【図29】完全に組み立てられた図28の手動制御部の断面図である。
【図30】分解された図28の手動制御部の断面図である。
【図31】クラッチをロック位置で示す、クラッチ及び外部ハウジングとのその係合の部分拡大図である。
【図31A】図31の一部のロック位置を示す部分拡大図である。
【図31B】図31の一部の解除位置を示す部分拡大図である。
【図32】図18のベース及び制御部の後面部分斜視図である。
【図33】図18のベース及び制御部の正面部分斜視図である。
【図34】図33に示す制御部の部分正面図である。
【図35】図33に示す制御部の部分平面図である。
【図36】図33の分解斜視図である。
【図37】図36に示すエネルギーブースト機構の拡大図である。
【図38】図18と同様であるが、リクライニング時のピボット連結部の動作を示すために簡略化されている、図33の線XXXIXに沿った断面図であり、直立位置の制御部、座部、及び背もたれの側面図である。
【図39】図18と同様であるが、リクライニング時のピボット連結部の動作を示すために簡略化されている、図33の線XXXIXに沿った断面図であり、リクライニング位置の制御部、座部、及び背もたれの側面図である。
【図40】本発明の椅子の変更形態の正面斜視図である。
【図41】本発明の椅子の変更形態の後面斜視図である。
【図42】本発明の椅子の変更形態の側面図である。
【図43】図40の椅子の座部下制御部の斜視図である。
【図44】図43の座部下制御部及び関連するベース構成要素の一部の上部分解斜視図である。
【図45】図43の座部下制御部及び関連するベース構成要素の一部の第2の上部分解斜視図である。
【図46】図43の座部下制御部及び関連するベース構成要素の一部の底部分解斜視図である。
【図47】図43の座部下制御部の分解斜視図である。
【図48】図45に示すブースター及び背もたれ停止機構を調節するための手動制御部を示す、図43の座部下制御部の分解斜視図である。
【図49】図45に示すブースター及び背もたれ停止機構を調節するための手動制御部を示す、図43の座部下制御部の分解斜視図である。
【図50】図40に示す座部の斜視図である。
【図51】図40に示す座部の部分斜視図である。
【図52】図50に示すワイヤ支持部材の、ワイヤ支持部材のたわみを示す断面図である。
【図52A】代替の取り付け構造を示す図52と同様の図である。
【図53】図40に示す背もたれの分解斜視図である。
【図54】図40に示す背もたれの分解斜視図である。
【図55】腰部デバイスと、ワイヤ支持セクションに対するその作用との斜視図である。
【図56】腰部デバイスと、ワイヤ支持セクションに対するその作用との斜視図である。
【図57】腰部デバイスと、ワイヤ支持セクションに対するその作用との斜視図である。
【図58】図57の腰部デバイスを示す概略図である。
【図59】図55の腰部デバイスが使用不可能な格納位置にある、図40の椅子の斜視図である。
【図60】図40の椅子のヘッドレストアセンブリの分解斜視図である。
【図61】図60のヘッドレストアセンブリの分解斜視図である。
【図62】図60のヘッドレストアセンブリの分解断面図である。
【図63】深さ調節ラッチ及び解除ハンドルを含む、図50の座部フレーム及びワイヤ支持部材の分解斜視図である。
【図64】図51と同様であるが、図50の座部サブアセンブリの前部角に焦点を置いた上部拡大斜視図である。
【図65】ラッチ部材のラッチ位置で示す図64のラッチ領域を垂直方向から見た断面図である。
【図66】ラッチ部材の非ラッチ位置を示す図64のラッチ領域を垂直方向から見た断面図である。
【図67】図53の背もたれフレーム部材及び図45の側部フレーム部材の、直立部材の組み立てを示す部分図である。
【図68】図53の背もたれフレーム部材及び図45の側部フレーム部材の、直立部材の組み立てを示す部分図である。
【図69】図53の背もたれフレーム部材及び図45の側部フレーム部材の、完全な組み立て状態を示す部分図である。
【図70】クッションアセンブリを図53の背もたれフレームに取り付けるための取り付け構成を示す断面図である。
【図71】クッションアセンブリを図53の背もたれフレームに取り付けるための取り付け構成を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席ユニットであって、
着座しているユーザを支持するようになっているフレームであって、前記フレームは、離隔して向き合って配置されるとともにそれぞれ内部に複数のリセスを有し、前記リセスは、所定距離だけ離した平行壁によって画定される、フレームと、
前記向き合った側部セクション間に延在する複数の弾性支持部材であって、各支持部材は、前記所定距離にほぼ等しい断面幅を有し、且つ前記各支持部材が独立して曲げ可能であるとともに、さらに、前記リセスのうち対応するものの内部に動作可能に摺動可能に配置され、且つ前記側部セクションに結合され、それにより、前記対応するリセスに係合して制御された摺動を行うことができるようにした横方向成形端部を前記各支持部材が有する、複数の弾性支持部材と
を備える座席ユニット。
【請求項2】
座席ユニットであって、
フレームと、
前記フレームによって支持されたたわみ座席面と、
着座しているユーザを支持するとき、前記座席面の輪郭を制御するように前記座席面に関連する複数の細長い弾性力分散支持部材であって、前記弾性力分散支持部材は、全体的にその長さに沿ってたわみ可能且つ曲げ可能であるとともに、前記座席面の局部ゆがみを減少させ、それにより、着座しているユーザに付随する点接触圧力を減少させるのに、数及び前記座席面を横切る方向の配置の点で十分である、複数の細長い弾性力分散支持部材と、
を備え
前記フレームは、少なくとも1つのリセスを内部に設けて向き合った側部セクションを有し、
前記力分散支持部材は、前記少なくとも1つのリセス内に捕捉され、且つ前記少なくとも1つのリセスに摺動可能に係合して、前記力分散支持部材のたわみ時に制御された摺動を行うことができるようにした成形端部を有する
座席ユニット。
【請求項3】
前記支持部材の前記端部は、L字形である、請求項1又は2に記載の座席ユニット。
【請求項4】
前記リセスは、前記端部に係合してその内向き摺動を制限する表面を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項5】
前記側部セクションは、前記支持部材に係合してそのたわみを制限するように構成された傾斜面を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項6】
前記リセスは、前記端部に係合してその外向き摺動を制限する表面を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項7】
前記支持部材はそれぞれ、第1部分が前記長さを形成し、第2部分が前記端部を形成している曲がりワイヤを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項8】
前記第1部分は、無応力状態時に、ワイヤロッドの直線状セクションを有する、請求項7に記載の座席ユニット。
【請求項9】
前記第2部分は、L字形である、請求項7に記載の座席ユニット。
【請求項10】
前記ワイヤは、ばね鋼で形成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項11】
前記リセスは、個別のポケットを形成し、前記端部は、前記ポケット内に捕捉される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項12】
前記支持部材の前記端部を解放不能に捕捉されるのに十分に前記リセスを覆うカバーを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項13】
前記支持部材の前記端部の幾つかは、前記リセスの外端面に係合し、それにより、前記支持部材内に張力を発生し、結果的に前記幾つかの支持部材に弓形を生じさせる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項14】
前記支持部材の幾つかの隣接した部材は、細長いループを形成し、或る長さの前記ループは、一対の長い平行部材を有し、前記ループの前記端部は、短い横方向部材である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項15】
前記フレームは、背もたれを画定する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項16】
前記フレームは、座部を画定する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項17】
前記支持部材は、前記向き合った側部セクション間に延在する単一ストランドを有する個別のワイヤである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項18】
前記側部セクションは、前記リセスの少なくとも一部の内側に位置し、且つ垂線に対して傾斜した内端面であって、たわみ時に前記弾性支持部材を支持してそのたわみを制限するように構成された内端面を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項19】
前記支持部材の少なくとも1つに調節可能に係合して、前記1つの支持部材の前記端部の少なくとも一方の内側の位置で前記1つの支持部材を支持するようになっている腰部デバイスを備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項20】
前記フレーム上に置かれた上張りクッションを備える、請求項1〜19のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項21】
前記側部セクションはそれぞれ、前記支持部材が挿通する開口を有する内壁を備える、請求項1〜20のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項22】
前記支持部材は、ばね鋼で形成される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項23】
前記支持部材は、丸みのある断面を有する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項24】
前記支持部材の少なくとも一部は、それらの端部に取り付けられた軸受を有する、請求項1〜23のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項25】
前記軸受は、前記端部のうち対応する1つの端部を捕捉する溝路を画定する、請求項24に記載の座席ユニット。
【請求項26】
前記溝路は、前記対応する1つの端部にスナップ式に係合するような形状である、請求項25に記載の座席ユニット。
【請求項27】
前記支持部材を覆うたわみシートを備える、請求項1〜26のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項28】
前記支持部材上にクッションを備える、請求項1〜27のいずれか一項に記載の座席ユニット。
【請求項29】
座席ユニット用の快適表面であって、
複数のリセスを画定するたわみ座席面であって、内側方向に開放し、且つ前記リセスより小さい開口を有する、たわみ座席面と、
着座しているユーザを支持するとき、前記座席面の輪郭を制御するように前記座席面に関連する複数の細長い弾性力分散部材であって、前記弾性力分散部材は、全体的にその長さに沿って曲げ可能であるとともに、前記座席面の局部ゆがみを減少させ、それにより、着座しているユーザに付随する点接触圧力を減少させるのに、数及び前記座席面を横切る方向の配置の点で十分であり、また、前記力分散支持部材は、前記リセス内で前記開口に対して横方向に延在する端部分を有し、それにより、前記端部分の移動を制限するが、前記リセス内で限定的に摺動できるようにする、複数の細長い弾性力分散部材と、
を備える快適表面。
【請求項30】
座席ユニットであって、
着座しているユーザを支持するようになっているフレームであって、向き合った側部フレームセクションを有し、前記側部セクションはそれぞれ、内側方向に開放して深さ方向に延在する一連の平行な細長いリセスを有する、フレームと、
前記側部フレームセクション間に延在する複数の弾性支持部材であって、各支持部材は、前記リセス内に延在する端部、及び前記リセスのうち対応するものの内部に捕捉された曲がり部分を有する、複数の弾性支持部材と、
前記支持部材が弾性的に曲げられたとき、制御された摺動を行うことができるように前記ワイヤの前記端部を前記リセス内に支持するための手段と、
を備える座席ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図26A】
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【図27】
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【図27A】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図52A】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図58A】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【公表番号】特表2006−526484(P2006−526484A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515203(P2006−515203)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017777
【国際公開番号】WO2004/107915
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(301057048)スチールケース デベロップメント コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】Steelcase Development Corporation
【住所又は居所原語表記】6100 East Paris Avenue SE, Caledonia,Michigan 49316
【Fターム(参考)】