説明

患者の健康を自動診断するシステムおよび方法

患者の健康の臨床的にモデル化された自動診断を提供するための方法およびシステムが開示される。好ましい実施形態は、診療基準と一致している態様で患者データを分析するために医科装置およびネットワークを使用する。また、ここに開示されたシステムのいくつかの実施形態は、慢性疾患をより良好に監視、予測および管理するのを助ける高度患者管理システムとして構成され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国国民および居住者であるカーディアック・ペースメーカーズ社(CARDIAC PACEMAKERS,INC.)は、この出願を米国以外の全部の国を指定するPCT出願として作成し、2002年11月26日出願の米国特許出願第10/306,855号以前のクレームを主張する。
【0002】
本システムは、一般に高度患者管理システム(Advanced Patient Management System)に、詳細には、限定としてではないが、多次元健康状態指標および病気の傾向予測をもたらすために探知された患者健康データを母集団データと比較して分析することによって患者の健康を自動的に診断することができる当該システムに関する。
【背景技術】
【0003】
プラトンによれば、「健康に対する注意は人生最大の妨げである。」歴史家たちは、プラトンが、思想への完全な傾倒を邪魔した彼の体の身体的制約を嘆いていたと考えている。しかし、現代の世界でも健康に対する注意はやはり、増大する量の医学データを消化し総合するために臨床家にかかる身体的負担によって、また、HMO(ヘルス・メンテナンス・オーガニゼーション;health maintenance organization)および他の頭割りでかかる費用の装置使用によるコストを抑制するために必死な現代医療システムの会計的負担によって、限定(制約)されている。
【0004】
過去20年にわたって、医療コストは、他の経済と比較して2倍を超えるインフレ率で毎年上昇している。主要なコスト要因は、従来の健康管理環境(すなわち、医院または病院)において患者の健康を評価する際にかかる時間および費用である。増大するコストの流れを食い止めるために、医師や他の健康管理専門職は、コストを抑制することと良質な医療を提供することとの間で合理的なバランス(慢性疾患を治療するという難題に直面した時に往々にして難しいバランス)をとらなければならない。
【0005】
現代医学は一般に、病気を慢性または急性のどちらかとして分類する。慢性心疾患、高血圧や糖尿病といった慢性疾患はしばしば、患者の生存期間に定期的な治療計画を必要とする。慢性疾患はまた、他の健康管理問題を引き起こす傾向を有する。例えば、慢性心疾患はしばしば、慢性的な心臓の問題の治療とは別の治療法を必要とする浮腫や他の循環系の問題を生じる。糖尿病はしばしば、神経障害や終局的な切断につながる。従って、慢性疾患を治療する医師は、彼らの時間と資源の大部分を、病気を治癒することよりもむしろ管理することに充てる。
【0006】
慢性疾患とは対照的に、急性疾患は一般に、徴候の突然または深刻な発現、または患者の状態の急激な変化や悪化によって発症する。急性疾患はしばしば、即時的かつ往々にして高額な医学的介入を必要とする。しかし、急性症状の出現は、それらが予測可能な程度まで管理に適するか、または慢性状態に関連するかもしれない。
【0007】
病気の管理は、病気の急性症状の出現を防ぐか最小限にするために患者教育を提供し監視する意図を伴い既知の診断により患者を管理することとして定義され得る。急性症状の出現の数を減らすかまたは無くすことは転じて、医療費を低減または削除するとともに、患者の主観的な健康感覚を改善する。治療医は、主観的な健康感覚が患者の健康の客観的な改善としばしば相関し、有用な予測的健康管理・評価ツールとして役立つことを認めている。要するに、病気の管理は、患者の母集団全体の健康を増進するのを助成し得る、病気の傾向を監視するための予防的、包括的なケアをより重視する。
【0008】
遺伝子検査(特定の健康状態の素因を決定するか、または遺伝子疾患の診断を確認するために個人の遺伝物質を分析すること)の進歩により、病気の管理は、誕生から死までの協調した患者ケアの形態をとり得る。この“ゆりかごから墓まで”方式において、医師は、臨床的に明らかな病気や徴候を有する患者だけでなく、全く健康に見える患者も管理する。
【0009】
しかし、慢性、急性または素質的病態を効果的に管理するために、医師はまず最初に正しい診断を下さなければならない。診断は、その症状および徴候から病気を識別する技術または行為として定義される。診断を行うために患者に関するデータを求める医師は必ず、例えば血液または尿検査などの1つ以上の診断手順を患者に受けさせる。一般に、医療技士が患者から血液を採血するか、または尿を採る。試料はその後、その試料について相当量のデータを生成する態様で分析される。しかし、正確な診断はしばしば、患者の医学的履歴および医療行為や治療上の主たる傾向を含む、試料データ以外の源泉からの患者健康データの収集および分析を必要とする。その結果、医師は、収集した情報をまとまりのある有意味な診断に総合することを求められる。この総合の質は大部分、医師の技能や教育に左右されるので、誤り、つまり誤診の可能性は相当になり得る。データが医師の知識の範囲内で徴候または不調を明らかにすることができなければ、医師はその問題を誤診するかもしれない。加えて、医師の予断が試料データの誤用や誤解をもたらし得る。
【0010】
医師の誤りおよび/または誤診を最小限にする1法は、診断プロセスの少なくとも一部を自動化することである。現代医学の実践の多くはアルゴリズム的表現に簡約され得るので、自動化は可能である。すなわち、健康問題の診断はしばしば、問題の原因を分離する働きをする一連のステップに従う。アドバンスト・カーディアック・ライフ・サポート(ACLS)およびアドバンスト・トラウマ・ライフ・サポート(ATLS)方法論は、どれほどの患者のケアがケアの標準を設定することによって改善され得るかを示してきた。いくつかの標準は、ケアの標準に客観的なコンピュータアクセス可能なフレームワークを付与する臨床アルゴリズムに移し替えられ得る。これまで、治療医は、患者の医学情報の重要な宝庫であり、しばしば、それに臨床的意味を与えることができる唯一の者であった。現在、コンピュータ技術がこのプロセスを部分的に自動化することができる。
【0011】
医師や他の健康管理専門職は、現在、ほとんどすべての「知識ベースの」臨床的推論がコンピュータによって良好かつより確実に実行され得ることを認識している。しかし、その臨床的推論の質は、コンピュータにプログラムされる人工知能パラメータの質に依存する。その最も基本的レベルにおいて、人工知能は入力された生データの操作として定義され得る。しかし、生データが構造または順序を与えられた時、そのデータは情報に変わる。言い換えると、生データは、意味のあるものに純化される。有意味な情報を編集するプロセスは、知識ベースを創成する際の最初のステップである。コンピュータベースのシステムがより博識になるにつれて、そうしたシステムは、現実のパラメータを反映するアルゴリズムを使用することによって、以降のデータ入力に関して識別的判断を下す能力を高めることができる。コンピュータベースのシステムが判断を発達できるようにする形でデータを編成することによって、システムは知恵と呼ばれ得るものを獲得するうえで最初のステップを踏み出した。
【0012】
医学データまたは患者健康データのコンピュータ分析の分野において、ファジィ論理の原理は、人間の知恵に近づくために使用され得る。基本的に、ファジィ論理は、ブール論理の特徴である絶対値の代わりに、特定の確率の可能性を扱う。最適には、ファジィ論理は、「元の状況の諸要素を統一された全体に変換するほどにその成分をなす区別および関係に関して決定力がある。」(ジョン・デューイ、『論理学−探求の理論』、1938)。臨床診断の異種の要素をファジィ論理原理で統一することによって、結果として得られる出力は、臨床行為および経験によって得られた知恵を反映する臨床的に許容可能な診療基準(a standard of medical care)により密接に近づく。
【0013】
加えて、診断プロセスを自動化するシステムは、頭割りの健康管理環境において著しい競争上の強みを有しているはずである。そのようなシステムは、介入が経済的、臨床的および人道的に最大限にされるように、あらゆる病気の過程における極めて重大な時点を自動的に識別するために患者データを分析できるはずである。
【0014】
このように、自動化された診断を用いた病気の管理は、医学の実践における革命的なステップである。小型化コンピュータ技術の急速な進歩のために、病気の管理における先駆的な前進が今や可能である。これまで、治療医は、患者の医学情報の重要な宝庫であったばかりでなく、その医師が死亡した時にはその情報の大部分が失われてもいた。現在、診断およびデータ記憶機能は、コンピュータ技術を用いて部分的に自動化され保存され得ており、それは、順序だった履歴的な形で医学的知識を提示および保存する手段を提供している。
【0015】
しかし、そのような自動診断は、迅速かつ効率的に診断を提供することができるシステムに対する患者または臨床家のアクセスによって限定されるかもしれない。コンピュータ技術の臨床家の使用が医院または病院といった従来の環境に限られるならば、自動診断は、コストを低減し効率を改善する観点からほとんど価値がない。加えて、患者情報を収集する主要手段として患者の来院に頼ることはしばしば、多くの患者が定期的に計画された予約を行ったり維持することができないので、信頼できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、上記および他の理由から、その成分をなす区別および関係に関して決定力があり、患者または医師が容易にアクセス可能である、患者の健康の臨床的にモデル化された自動診断を提供するために患者健康データを保存し効率的に分析することができるデータ管理システムを含むか、またはそれとして構成された高度患者管理システムの必要性が存在する。このようにして、データ管理システムは、医療のコストを引き下げ、増大する量の臨床データに直面する臨床家の分析上の負担を低減するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の1態様によれば、より包括的な高度患者管理(APM)システムという構成要素を含み得るか、またはそれとして構成され得る、データ管理システムを用いて患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法が提供される。データ管理システムは、医科装置およびネットワークを構成要素として含む。医科装置は移植可能医科装置を含み、ネットワークは線形または非線形どちらか一方の分析ネットワークを含む。そのような非線形分析ネットワークの非限定的な例が、ファジィ論理システムである。ここで使用される通り、「患者の健康の多次元指標」、「患者の健康の初期評価」、「患者の健康評価」、「分析された患者健康データ」、「事前評価」および「自動診断」は、可変の範囲の実質上同義の用語である。例えば、「患者の健康の多次元指標」は「事前評価」よりも概念的に広く、後者は多次元データのさらなるアルゴリズム分析から取得される。それにもかかわらず、全部の前記用語は、診療基準を反映する患者データの臨床的に導出されたアルゴリズム分析に基づく患者の健康の体系的評価を表現する。また、ここで使用される通り、「臨床家」は、医師、医師助手(PA)、看護師、医療技士または他のあらゆる患者健康管理提供者とし得る。
【0018】
1実施形態において、データ管理システムの装置構成要素はデータ評価システムを含み、ネットワーク構成要素はデータ教育システムを含む。データ評価システムはさらに、センシングモジュール、データ管理モジュール、分析モジュールおよび通信モジュールを含む。
【0019】
センシングモジュールは、患者健康データを探知するよう設計されている。患者健康データは、センシングモジュールによる測定に適格なあらゆる生理学的パラメータを含み得る。非限定的な例にすぎないが、そのような生理学的パラメータは、患者の体温、人間の心臓が(ペースメーカが機能する形に類似の)心臓周期を完成するのにかかる時間、患者の活動を含む。
【0020】
データ管理モジュールは、患者データ、探知された患者健康データおよび患者母集団データを格納し、アーカイブする(アーカイブに保管する)よう設計されている。患者データは、アルゴリズム的医学診断または分析のためにコード化された患者の健康のあらゆる統計、測定値または値を含み得る。そのようなコード化された患者データは、患者履歴情報のデータベースを読み込む(populate)ためにデータ管理モジュールにダウンロードされ得る。また、患者から探知された患者健康データの形態の患者データは、データベースまたは患者履歴データベースを読み込むためにデータ管理モジュールにダウンロードされ得る。患者母集団データの形態の患者データは、類似疾患患者または遺伝的に類似の患者からのデータを含み得る。そのような患者母集団データもまた、患者母集団データベースを読み込むためにデータ管理モジュールにダウンロードされ得る。
【0021】
分析モジュールは、患者の健康の多次元指標をもたらすために臨床的に導出されたアルゴリズムを用いて、探知された患者データおよび/または患者履歴データに対して患者母集団データを採点または分析するよう設計されている。そのような分析は、既知のデータ相関技法を用いて患者健康データを相関させる形態を取り得る。臨床的に導出されたアルゴリズムは、診療基準を反映するためにカスタマイズされ得る。非限定的な例にすぎないが、分析モジュールは、心臓の不整脈を評価および治療するためにメイヨー・クリニックで使用される臨床方法論を反映するアルゴリズムを含み得る。別の非限定的な例にすぎないが、分析モジュールは、ホルモン障害を評価および治療するためにクリーブランド・クリニックで使用される臨床方法論を反映するアルゴリズムを含み得る。アルゴリズム的表現になっているか、または簡約され得る他の臨床方法論が、患者健康データを分析するために他の臨床方法論とともに使用または組み合わされ得る。このようにして、システムは、地方または地域の診療基準、または患者のニーズに特定的にカスタマイズされたケアの標準を反映するように微調整され得る。さらに、診療基準を表現する臨床的に導出されたアルゴリズムを使用することによって、健康管理の質の一貫した受け渡しが存在する。そうした一貫性は、臨床家に掛かっていた診断上の負担をデータ管理システムに肩代わりさせることによって治療の費用対効果を改善するのに役立つ。患者の健康の多次元指標は、病気の傾向の予測、病気の進行の次の段階の予測、共存症、即ち併存疾患の予測、他のあり得る病態の推論、患者の健康の傾向の予測または他の臨床的経過を含み得る。
【0022】
通信モジュールは、採点または分析されたデータおよび患者の健康評価を、さらなる評価および分析のために医師または他の臨床家に伝達するよう設計されている。通信モジュールはまた、採点または分析されたデータおよび患者の健康評価を、将来の診断または教育目的のためにデータ管理モジュールまたはファジィ論理分析ネットワークに伝達するよう設計されている。通信モジュールはさらに、採点または分析されたデータおよび患者の健康評価を患者に伝達するよう設計されている。
【0023】
データ管理システムのデータ教育システムは、ニューラルネットワーク(または等価な)システムを含む分析ネットワークを含む。ニューラルネットワークは、データ評価システムによってアクセス可能な関連する臨床データの一元化されたリポジトリを含む。ニューラルネットワークは、病気および共存症の時間的展開とともに、履歴的徴候、診断および結果を反映する患者データのデータベースを含む。ニューラルネットワークは、データセット間の臨床的に有用な相関を見つけ、一連の出力を生成するためにデータを分析する。さらに、新しい臨床情報がデータ評価システムによって探知、分析および伝達されると、その情報はニューラルネットワークに伝達される。このように、ニューラルネットワークは、正確な識別的判断を下すその能力を高めることによってシステムの診断精度を改善するために、その知識データベースを新しい臨床情報で絶えずグレードアップするよう設計され得る。
【0024】
別の実施形態において、患者データは、より決定論的なブールモデルとは対照的に、ファジィ論理の原理の下で分析される。ファジィ論理は、部分的な真の概念、「完全に真」と「完全に偽」との間の真値を取り扱うことが知られている。「ファジィ化」のプロセスは、いずれかの特定の理論をクリスプな(離散的な)形態から連続的な(ファジィな)形態に一般化する方法論である。
【0025】
診療基準と一致した態様で患者データを分析するためにファジィ論理の原理を臨床的に導出されたアルゴリズムに適用することができるデータ管理システムとして構成された医科装置およびネットワークを用いた患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法の好ましい実施形態において、医科装置は、患者にとって内部であり、センシング、データ管理、分析および通信の各モジュールを含むデータ評価システムおよび、データ教育システムを、全体的または部分的に含み得る。ニューラルネットワークは、システムの好ましい実施形態において、コンピュータアクセス可能な患者データ、履歴データおよび、類似疾患患者もしくは遺伝的に類似の患者の患者母集団データを含む。
【0026】
上述した種々の実施形態は、例証としてのみ与えられており、本発明を限定するように解釈してはならない。当業者は、ここで例示説明された例示実施形態および応用に従うことなく、かつ以下の請求項に記載されている本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の修正および変更が本発明に行い得ることを容易に理解するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない図面において、同じ数字はいくつかの図にわたり実質的に類似の構成要素を示す。異なる添字を有する同じ数字は、実質的に類似の構成要素の異なる例を表す。図面は一般に、本書において検討される種々の実施形態を、限定としてではなく、例として示す。
【0028】
以下の詳細な説明において、この一部を成し、特定の実施形態または事例が例証として示されている、添付図面に言及する。本発明の精神および範囲を逸脱しなければ、これらの実施形態は組み合わされ得るし、他の実施形態が利用され得るし、また、構造的、論理的および電気的変更が行い得る。それゆえ、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈してはならず、本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの等価物によって規定される。
【0029】
本システムおよび方法は、診療基準を反映する臨床的に導出されたアルゴリズムを用いて患者の健康を自動的に診断することができるデータ管理システムとして構成された医科装置およびネットワークに関して説明される。本システムによってなされた診断は、医師または他の健康管理専門職によるさらなる評価、分析または確認のための出発点を提供する患者の健康の初期評価として最善に理解される。さらに、システムが定期的に患者健康データを自動的に探知するよう設計されているので、システムは、たいてい頻回でなく不定期である患者による来院の間に医師が得られ得る情報量を著しく上回る臨床的に適切な情報のサンプルを提供する。患者の健康の初期評価を提供する際に、システムは、臨床家によるデータ収集および検分の量を低減する。これは、コストを低減し、患者および患者の病気の管理を改善するのを助ける。
【0030】
図1は、臨床的に導出されたアルゴリズムを用いて患者の健康を自動的に診断することができるデータ管理システム100の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。システムは、データ評価システム101およびデータ教育システム102をさらに含む。
【0031】
図2は、患者202からデータを探知するよう設計されたセンシングモジュール200と、データを格納およびアーカイブするよう設計されたデータ管理モジュール201と、患者の健康の初期評価を行うためにデータを分析するよう設計された分析モジュール203と、患者の健康の分析されたデータおよび初期評価を伝達するよう設計された通信モジュール204とを含む、データ管理システム100のデータ評価システム101の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。
【0032】
1実施形態において、図3に例示された通り、データ管理システム100のデータ評価構成要素101は、移植可能医科装置101aよりなる。この実施形態では、移植可能医科装置は、図2に例示されたセンシングモジュール200、データ管理モジュール201、分析モジュール203および通信モジュール204よりなる。
【0033】
図4は、データ管理システム100のデータ評価構成要素101の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図であり、データ評価構成要素101のセンシング(探知)モジュール200および分析モジュール203は、内部モジュールおよび外部モジュールの組合せよりなる。例えば、探知モジュール200は患者202にとって内部であり得る一方、分析モジュール203は患者にとって外部であり得る。別の例では、探知モジュール200が患者202の外部であり得る一方、分析モジュール203は内部であり得る。加えて、探知モジュール200および分析モジュール203の両方が、内部または外部のどちらか一方であってもよい。当業者は、探知モジュール200および分析モジュール203の様々な内部および外部装置(機器)構成が本発明の精神および範囲から逸脱することなく可能であることを理解するであろう。
【0034】
探知モジュール200は、患者健康データを探知するよう設計されている。患者健康データは、内部または外部患者データ、すなわち心臓血管データ、電気化学的データ、血液化学データ、体温、楔入圧、酸素飽和度、体重、主観的健康状態入力、血圧、EKGデータまたは、探知モジュール200による測定に適格なあらゆる他の生理学的パラメータを含み得る。
【0035】
データ管理モジュール201は、同時的および将来の分析のために患者データを格納およびアーカイブするよう設計されている。患者データは、患者健康データ、患者履歴データおよび患者母集団データより構成され得る。患者履歴データは、ある期間にわたって定期的にその患者から探知または収集された累積的な患者健康データ、またはコード化された患者健康データを含み得る。患者母集団データは、類似疾患患者もしくは遺伝的に類似の患者または両方の母集団からのデータを含み得る。データ管理モジュール201はまた、通信モジュール204によってデータをリトリーブ(探し出して読み出すこと)できるよう設計されている。
【0036】
通信モジュール204は、分析モジュール203による分析のために定期的にデータ管理モジュール201からデータをリトリーブするよう設計されている。通信モジュール204はまた、探知または分析された患者データをデータ管理モジュール201および/またはニューラルネットワーク500に伝達するよう設計されている。これは、データ管理モジュール201が以降の患者の健康の評価において探知または分析された患者データを利用できるようにし、ニューラルネットワーク500がそのデータベースを最新の患者データで自動的に更新できるようにする。通信モジュール204はさらに、探知または分析されたデータを医師501または他の健康管理臨床家に伝達するよう設計されている。このようにして、通信モジュール204は、医師501、臨床家または患者202に対し、事前評価に基づいて介入の相対的緊急性を伝達することができる。
【0037】
分析モジュール203は、通信モジュール204から患者データを受け取り、診療基準を反映または具体化している臨床的に導出されたアルゴリズムを用いて患者母集団データを参照してそのデータを採点または分析するよう設計されている。そのような診療基準は、非限定的な例にすぎないが、クリーブランド・クリニック、メイヨー・クリニックまたはカイザー・パーマネント・システムのような、アルゴリズム的表現に簡約されている機関の組織的実践および方法論を反映し得る。
【0038】
医療を行う単数または複数の標準を考慮した患者の健康の比較分析は、患者の健康の多次元評価または臨床行為に確実に根ざした事前評価をもたらす。そのような比較分析は、非限定的な例にすぎないが、重回帰分析、クラスター分析、因子分析、判別関数分析、多次元尺度構成法、対数線形分析、正準相関、ステップワイズ線形/非線形回帰、対応分析、時系列分析、分類木および、当業において周知の他の方法といった、既知のデータ相関技法を用いた患者健康データの相関によって遂行され得る。多次元評価は、病気の傾向の予測、病気の進行の次の段階の予測、共存症の予測、他のあり得る病態の推論、患者の健康の傾向または他の臨床的経過の予測を含む。
【0039】
事前評価を行うために、データ管理システム100は、患者データを臨床結果に一致させるために臨床的に導出されたアルゴリズムを使用する。アルゴリズムは、医学的状態の分析または診断のために収集された専門知識の抽出、体系化および使用の結果とすることができる。例えば、アルゴリズムは、特定の臨床環境において使用される組織的な診断技法を含み得る。クリーブランド・クリニック、メイヨー・クリニックまたはカイザー・パーマネント・システムのような機関の診断上の方法論をアルゴリズム的表現に簡約することによって、患者は、その機関を訪れる必要なく先進的医療機関の診断上の専門知識の利益に浴するであろう。診療基準はしばしば地方または地域の標準として考えられるので、データ管理システム100は、地方または地域のケアの標準または患者の特定のニーズを最善に反映している特定の機関または機関の組合せの診断上の技法または方法論を医師が選択できるようにし得る。
【0040】
実際、患者履歴データと比較した同時的患者健康データのアルゴリズム分析は、患者の健康悪化および病気の進行を予測する患者の健康の初期または事前評価をもたらし得る。この初期診断はその後、さらなる評価、分析または確認のために医師501に伝達される。
【0041】
図5は、データ管理システム100の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。この実施形態では、データ管理システム100のデータ評価構成要素101は主に、探知モジュール200、データ管理モジュール201、通信モジュール204および分析モジュール203を全体的または部分的に含む、移植可能医科装置101aである。医科装置101aの移植後、探知モジュール200は生理学的データを探知するよう設計されている。例えば心臓血管機能といったそのデータは、通信モジュール204によってデータ管理モジュール201に電子的に伝送される。データ管理モジュール201は、探知された生理学的(患者)データを格納するよう設計されている。データ管理モジュール201は、履歴的およびコード化された患者データに加え、類似疾患患者または遺伝的に類似の患者の患者母集団データを含み得る。同時的な生理学的データはその後、分析され、診療基準を反映または具体化している患者の健康の臨床的に導出されたアルゴリズムを用いて患者履歴データおよび/または患者母集団データと比較される。このようにして、患者の健康の初期評価が、客観的または患者履歴データと比較して患者の現在の健康状態を評価するために、臨床的に導出されたアルゴリズムを用いて行われる。さらに図5に例示された通り、患者の健康のこの初期評価はその後、さらなる評価、分析または確認のために通信モジュール204によって医師501に伝達される。この実施形態では、通信は、医師501がアクセス可能なニューラルネットワーク500に患者データを伝送することによって達成され得る。医師501は、介入の緊急性または他の要因のために事前評価をさらに評価することができる。加えて、医師の評価は、患者の健康の今後の初期評価の精度を改善するためにそのデータベースに同時的患者データを読み込むためにニューラルネットワーク500に通信され得る。
【0042】
図5に例示された通り、データ教育システム102は、ニューラルネットワーク500(または等価な)システムから構成される。抽象的には、ニューラルネットワークは、脳の認知システムおよび神経機能における学習の仮説プロセスにならってモデル化された分析技法である。ニューラルネットワークは、既存データからのいわゆる学習のプロセスを実行した後に、(特定の変量に関する)新しい観察結果を(同一または他の変量に関する)他の観察結果から予測することができる。ニューラルネットワークはしばしば、1組のニューロンをさらに含む一連の階層を含むものとして説明される。ニューラルネットワークの主要な利益のうちの1つは、あらゆる連続関数に近似できるその能力である。
【0043】
1実施形態において、ニューラルネットワーク500は、病気および共存症の時間的進展とともに、履歴的な徴候、診断および結果の集合を含む。臨床データのこの集合は、コード化され、ニューラルネットワーク500に入力されて、1組のベースライン健康評価出力が導出され得る初期臨床データベースをネットワーク500に読み込み得る。このようにして、本発明のニューラルネットワーク500は、臨床情報によりある程度訓練され得る。代替として、ニューラルネットワーク500の臨床データベースは、同時的に探知および格納された患者健康データを含み得る。どちらの構成でも、ニューラルネットワーク500は、病態の進行の時間従属的次元を捕捉する能力を有する。従って、新しい臨床情報がニューラルネットワーク500に提示されると、ネットワークは、ニューラルネットワークまたはデータ教育システム102の知識の向上として配布され得る新しいニューラルネットワーク係数を生成する。ニューラルネットワーク500を患者データで絶えず更新することによって、ニューラルネットワーク500は、臨床パラメータの変更設計されている。本発明のニューラルネットワーク500はまた、臨床精度および重要性についてニューラルネットワークの結論を確かめるための手段を含む。ニューラルネットワーク500はさらに、テストケース、適切な結果および、適正な結果または診断の誤認の相対的発生のデータベースを含む。ニューラルネットワーク500は、許容できる誤認または誤診のスレショルドを確立するよう設計されている。
【0044】
1実施形態において、ニューラルネットワーク500は、システム100の分析的機能を全体的または部分的に実行し、単数または複数の組の臨床方法論を考慮した患者健康データの分析を通じて決定される病気の考えられる原因に基づく識別的判断を行うことによって、医師および診療基準の知識に近づくように構成されている。この医学データを分析するための1つの方法は、ファジィ論理の原理を使用することである。ファジィ論理は、より決定論的なブールモデルとは対照的に、より厳密な絶対的なものに比べて臨床的確率に関する医療データセットの分析出力を提供する。
【0045】
ブール論理と部分集合の概念との間に強い関係が存在するのとまったく同様に、ファジィ論理とファジィ部分集合理論との間にも類似の強い関係が存在する。古典的な集合理論において、集合Sの部分集合Uは、Sの要素から集合{0,1}の要素への写像、U:S→{0,1}として定義され得る。この写像は、1組の順序対として表現され得て、Sの各要素について正に1つの順序対が存在する。順序対の1番目の要素は集合Sの要素であり、2番目の要素は集合{0,1}の要素である。値0は非成員を表現するために使用され、値1は成員を表現するために使用される。従って、「xはUにある」という言明の真偽は、1番目の要素がxである順序対を見つけることによって決定される。順序対の2番目の要素が1であれば、言明は真であり、それが0であれば、言明は偽である。
【0046】
同様に、集合Sのファジィ部分集合Fが1組の順序対として定義され得て、各々、Sからの1番目の要素、および区間[0,1]からの2番目の要素を備え、Sの各要素について正に1つの順序対が存在する。これは、集合Sの要素と区間[0,1]の値との間の写像を定義する。値0は完全な非成員を表現するために使用され、値1は完全な成員を表現するために使用され、中間の値は中間の成員の程度を表現するために使用される。集合Sは、ファジィ部分集合Fの「論議領域(Universe Of Discourse)」と呼ばれる。しばしば、写像は、Fのメンバーシップ関数といった関数として記述される。従って、「xはFにある」という言明が真である程度は、1番目の要素がxである順序対を見つけることによって決定される。言明の真の程度は、順序対の2番目の要素である。実際、用語「メンバーシップ関数」およびファジィ部分集合は交換可能に使用される。
【0047】
データ評価システム101はルールベースシステムに特有なより厳密な決定論的結果を上回る分析能力を備えるので、データ評価システム101は、厳密な決定論的出力が可能であるが、臨床確率を評価することも可能である。非限定的な例にすぎないが、ファジィ論理または確率論的モードで動作する時、データ評価システム101は、患者の健康のその事前評価に80%の信頼水準を報告し得る。加えて、データ評価システム101はまた、事前評価をさらに洗練するために詳細な情報を臨床家501または患者202に問い合わせるかもしれない。データ評価システム101はまた、予測された共存症への探知された患者データの影響を正確に評価するためにより多くの患者検査データを必要とすることを、臨床家501または患者202に助言し得る。データ評価システム101はさらに、その探知能力を修正または洗練するために医科装置に措置を講じるように助言し得る。決定論的または確率論的モードのどちらか一方において、データ評価システム101の分析出力は、データ教育システム102が、患者データを分析する、およびそれらにより容易にアクセスできるようになる際に、より賢明に、それゆえより正確になり得る態様で、ニューラルネットワーク知識ベースを向上させるために使用され得る。
【0048】
本発明のデータ管理システム100は、高度患者管理(APM)システム600として構成され得る。図6は、APMシステム600として構成されたデータ管理システム100の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。この構成において、システム100、600の分析機能は、臨床家の知識および知性ベースに近い診断能力を備える電子医師またはeDoc(商標)として考えられ得る。
【0049】
APMは、患者、彼らの医師および彼らの家族が慢性疾患をより良好に監視、予測および管理するのを援助するシステムである。図6に示された実施形態では、APMシステム600は3つの主要構成要素、1)生理学的機能を監視するよう設計されたセンサ200を備える移植可能医科装置(ICD、ペースメーカなど)101a、2)センサから収集されたデータを処理するよう設計されたデータ管理システム201および、3)装置収集データを、患者の医療記録、外部装置などからの外部利用可能データ601と結合するよう設計された分析エンジン203、eDoc(商標)から構成されている。APMは、患者に最善の可能なケアを提供するために、薬物療法とともに、多様な種々の装置、患者特定的データおよび非特定的データを使用するうえで医師および他の臨床家を支援するように設計されている。
【0050】
現在、移植可能装置がたいてい、唯一の治療を患者に提供している。APMは、装置を反応モードから予測モードに作動させ、その結果、患者に治療を提供することに加えて、他の生理学的指標に関する情報を収集する。非限定的な例にすぎないが、他の生理学的指標は、血中酸素濃度、自律神経バランスなどを含む。そのデータは、非限定的な例にすぎないが、スケール、パルスオキシメータなどから、患者特定的な外部収集データ601と結合され、傾向が取られる。内部測定値200および外部測定値601を履歴的情報201a、201bと結合することによって、医師および他の臨床家は、予測的診断を創出するためにAPMを使用することができる。
【0051】
データ管理システム100がeDoc(商標)として動作するよう設計されている場合、それは、診断分析のために医師501に提示されるデータの量を著しく低減し、それは時間および金銭を節約する。データ管理システム100はまた、生データを有用な情報に変える。コンピュータ技術をこのように使用することによって、臨床家は、彼らが通常取り扱えるはずの量よりもはるかに多くのデータを総合し、それらに臨床的意味を与えることができる。
【0052】
上記の説明は例示的なものであり、制限的ではないように意図されていることを理解しなければならない。例えば、上述の実施形態は互いに組合せて使用され得る。上記の説明を検分すれば、多くの他の実施形態が当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲は、当該請求項がその資格を与える等価物の全範囲とともに、添付請求項を参照して決定されなければならない。添付請求項において、用語「を含む」および「それにおいて」は、それぞれの用語「よりなる」および「ここにおいて」の平易な英語の相当語として使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】特に、本発明の患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法の1実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。
【図2】特に、本発明の患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法の別の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。
【図3】特に、本発明の患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法の別の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。
【図4】特に、本発明の患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法の別の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。
【図5】特に、本発明の患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法の別の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。
【図6】特に、本発明の患者の健康の自動診断のためのシステムおよび方法の別の実施形態を一般に例示している概略/ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の健康を自動的に診断するためのデータ管理システム使用方法であって、
a.データを格納し、アーカイブするよう設計されたデータ管理モジュールに患者母集団データを読み込むステップと、
b.前記医科装置を用いて患者からデータを探知するステップと、
c.前記医科装置から前記データ管理モジュールに前記患者データを送達するステップと、
d.分析のためにデータ管理モジュールからデータをリトリーブするステップと、
e.リトリーブされたデータを、分析されたデータに基づき考えられる患者の健康の初期評価を提供するために、診療基準を反映する臨床的に導出されたアルゴリズムを含むニューラルネットワークを用いて分析するステップと、
f.探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するステップと、
から成る方法。
【請求項2】
各ステップは電子的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
データ管理モジュールに患者母集団データを読み込むステップは、データ管理モジュールに外部患者データを読み込むさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
データ管理モジュールに患者母集団データを読み込むステップは、データ管理モジュールに患者からの履歴データを読み込むさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
データ管理モジュールに患者母集団データを読み込むステップは、データ管理モジュールに類似疾患患者から構成されたデータを読み込むさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
データ管理モジュールに患者母集団データを読み込むステップは、データ管理モジュールに遺伝的に類似の患者から構成されたデータを読み込むさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
医科装置を用いて患者からデータを探知するステップは、患者の内部の医科装置を用いてデータを探知するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
医科装置を用いて患者からデータを探知するステップは、患者の外部の医科装置を用いてデータを探知するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
データ管理モジュールからデータをリトリーブするステップは、データを定期的にリトリーブするさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
リトリーブされたデータを分析するステップは、患者母集団データを参照して患者データを採点するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
リトリーブされたデータを分析するステップは、ファジィ論理の原理を用いて患者母集団データを参照して患者データを採点するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、患者の健康の多次元指標をもたらすためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、患者の健康の多次元指標をもたらすためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、病気の傾向を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、病気の進行の次の段階を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、共存症を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、他のあり得る病態を推論するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、患者の健康の傾向を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、病気の傾向を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、病気の進行の次の段階を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、共存症を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、他のあり得る病態を推論するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
患者母集団データを参照して患者データを採点するステップは、患者の健康の傾向を予測するためにデータを採点するさらなるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
リトリーブされたデータを分析するステップは、患者にとって内部のリトリーブデータを分析するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
リトリーブされたデータを分析するステップは、患者にとって外部のリトリーブデータを分析するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
リトリーブされたデータを分析するステップは、患者の健康の多次元指標をもたらすためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
リトリーブされたデータを分析するステップは、患者の健康の多次元指標をもたらすためにファジィ論理の原理を用いてデータを分析するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
データを分析するステップは、病気の傾向を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
データを分析するステップは、病気の進行の次の段階を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
データを分析するステップは、共存症を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
データを分析するステップは、他のあり得る病態を推論するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
データを分析するステップは、患者の健康の傾向を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
データを分析するステップは、病気の傾向を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
データを分析するステップは、病気の進行の次の段階を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
データを分析するステップは、共存症を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
データを分析するステップは、他のあり得る病態を推論するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
データを分析するステップは、患者の健康の傾向を予測するためにデータを分析するさらなるステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するステップは、将来の分析のためにデータ管理モジュールにデータおよび評価を伝達するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するステップは、臨床家によるアクセスのためにデータ管理モジュールにデータおよび評価を伝達するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するステップは、介入の相対的緊急性を伝達するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
介入の相対的緊急性を伝達するステップは、臨床家に介入の相対的緊急性を伝達するさらなるステップを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
介入の相対的緊急性を伝達するステップは、患者に介入の相対的緊急性を伝達するさらなるステップを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するステップは、データ教育システムにデータおよび評価を伝達するさらなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をデータ教育システムに伝達するステップは、ニューラルネットワークにデータおよび評価を伝達するさらなるステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をニューラルネットワークに伝達するステップは、臨床精度および重要性についてデータおよび評価を確かめるさらなるステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をニューラルネットワークに伝達するステップは、許容できる誤認のスレショルドを確立するさらなるステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をニューラルネットワークに伝達するステップは、許容できる誤診のスレショルドを確立するさらなるステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
患者の健康を自動的に診断するためのデータ管理システム使用方法であって、
a.医科装置を患者に移植するステップと、
b.患者母集団データベースを生成するために、データを格納およびアーカイブするよう設計されたデータ管理モジュールに患者母集団データを読み込むステップと、
c.医科装置を用いて患者からデータを探知するステップと、
d.患者履歴データベースを生成するために医科装置から探知された患者データをデータ管理モジュールに送達するステップと、
e.探知された患者データおよび患者母集団データを分析のためにデータ管理モジュールからリトリーブするステップと、
f.リトリーブされたデータを、分析されたデータに基づき考えられる患者の健康の初期評価を提供するため、診療基準を反映する臨床的に導出されたアルゴリズムを含むニューラルネットワークを用いて分析するステップと
g.探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を臨床家によるアクセスのために伝達するステップと、
h.ニューラルネットワークからの患者データにアクセスするステップと、
から成る方法。
【請求項49】
患者の健康を自動診断するためのデータ管理システムであって、
a.患者からデータを探知するよう設計されたセンシングモジュールと、
b.データを格納およびアーカイブするよう設計されたデータ管理モジュールと、
c.診療基準を反映する臨床的に導出されたアルゴリズムを使用することによって、考えられる患者の健康の初期評価を行うためにデータを分析するよう設計された分析モジュールと、
d.患者の健康の探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するよう設計された通信モジュールと、
から成るデータ管理システム。
【請求項50】
システムは電子システムを含む、請求項49に記載のデータ管理システム。
【請求項51】
システムはデータ教育システムを含む、請求項49に記載のデータ管理システム。
【請求項52】
システムはニューラルネットワークを含む、請求項50に記載のデータ教育システム。
【請求項53】
ニューラルネットワークは病態進行の時間従属的次元を捕捉するよう設計されている、請求項52に記載のニューラルネットワーク。
【請求項54】
ニューラルネットワークはデータによりある程度訓練され得る、請求項53に記載のニューラルネットワーク。
【請求項55】
ニューラルネットワークは訓練されていない、請求項53に記載のニューラルネットワーク。
【請求項56】
ニューラルネットワークは、病気および共存症の時間展開とともに、履歴的徴候、診断および結果を反映しているデータにより訓練される、請求項54に記載のニューラルネットワーク。
【請求項57】
ニューラルネットワークは、ニューラルネットワーク知識グレードアップとして配布可能である新しいニューラルネットワーク係数を生成するよう設計されている、請求項56に記載のニューラルネットワーク。
【請求項58】
ニューラルネットワークは、テストケース、適切な結果および、適正な結果の誤認または誤診の相対的発生のデータベースを含む、請求項52に記載のニューラルネットワーク。
【請求項59】
ニューラルネットワークは許容できる誤認または誤診のスレショルドを確立するよう設計されている、請求項52に記載のニューラルネットワーク。
【請求項60】
システムは高度患者管理システムとして構成されている、請求項49に記載のデータ管理システム。
【請求項61】
前記システムは、
a.生理学的機能を監視するように構成されたセンサを備えるセンシングモジュールをさらに含む移植可能医科装置と、
b.センサから収集されたデータおよび外部入力データを処理するように構成されたデータ管理モジュールと、
c.予測的診断を実行するために装置収集データを外部入力データと結合するよう設計された分析エンジンとして構成された分析モジュールと、
d.予測的診断に基づき適切な治療を提供するように構成された治療モジュールとを含む、請求項60に記載の高度患者管理システム。
【請求項62】
システムは移植可能医科装置を含む、請求項49に記載のデータ管理システム。
【請求項63】
センシングモジュールは患者にとって内部である、請求項49に記載の探知モジュール。
【請求項64】
センシングモジュールは患者にとって外部である、請求項49に記載の探知モジュール。
【請求項65】
格納およびアーカイブされたデータは探知された患者データを含む、請求項49に記載のデータ管理モジュール。
【請求項66】
格納およびアーカイブされたデータは患者母集団データを含む、請求項49に記載のデータ管理モジュール。
【請求項67】
患者母集団データは患者からの履歴データを含む、請求項66に記載のデータ管理モジュール。
【請求項68】
患者母集団データは類似疾患患者から構成された患者母集団データを含む、請求項66に記載のデータ管理モジュール。
【請求項69】
患者母集団データは遺伝的に類似の患者から構成された患者母集団データを含む、請求項66に記載のデータ管理モジュール。
【請求項70】
データ管理モジュールは将来の分析のためにデータを格納およびアーカイブするよう設計されている、請求項49に記載のデータ管理モジュール。
【請求項71】
データ管理モジュールは通信モジュールによるアクセスのためにデータを格納およびアーカイブするよう設計されている、請求項49に記載のデータ管理モジュール。
【請求項72】
通信モジュールは分析モジュールによる分析のためにデータ管理モジュールからデータをリトリーブする、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項73】
通信モジュールはデータ管理モジュールからデータを定期的にリトリーブする、請求項72に記載の通信モジュール。
【請求項74】
分析モジュールは患者にとって内部である、請求項49に記載の分析モジュール。
【請求項75】
分析モジュールは患者にとって外部のニューラルネットワークを含む、請求項49に記載の分析モジュール。
【請求項76】
分析モジュールは、データ管理モジュールからリトリーブされた患者母集団データを参照してデータ管理モジュールからリトリーブされた患者データを採点する、請求項49に記載の分析モジュール。
【請求項77】
分析モジュールは、ファジィ論理の原理を用いてデータ管理モジュールからリトリーブされた患者母集団データを参照してデータ管理モジュールからリトリーブされた患者データを採点する、請求項49に記載の分析モジュール。
【請求項78】
患者母集団データを参照して採点された患者データは患者の健康の多次元評価をもたらす、請求項76に記載の分析モジュール。
【請求項79】
患者母集団データを参照して採点された患者データは患者の健康の多次元評価をもたらす、請求項77に記載の分析モジュール。
【請求項80】
患者母集団データを参照して採点された患者データは病気の傾向を予測する、請求項78に記載の分析モジュール。
【請求項81】
患者母集団データを参照して採点された患者データは病気の進行の次の段階を予測する、請求項78に記載の分析モジュール。
【請求項82】
患者母集団データを参照して採点された患者データは共存症を予測する、請求項78に記載の分析モジュール。
【請求項83】
患者母集団データを参照して採点された患者データは他のあり得る病態を推論する、請求項78に記載の分析モジュール。
【請求項84】
患者母集団データを参照して採点された患者データは患者の健康の傾向を予測する、請求項78に記載の分析モジュール。
【請求項85】
患者母集団データを参照して採点された患者データは病気の傾向を予測する、請求項79に記載の分析モジュール。
【請求項86】
患者母集団データを参照して採点された患者データは病気の進行の次の段階を予測する、請求項79に記載の分析モジュール。
【請求項87】
患者母集団データを参照して採点された患者データは共存症を予測する、請求項79に記載の分析モジュール。
【請求項88】
患者母集団データを参照して採点された患者データは他のあり得る病態を推論する、請求項79に記載の分析モジュール。
【請求項89】
患者母集団データを参照して採点された患者データは患者の健康の傾向を予測する、請求項79に記載の分析モジュール。
【請求項90】
分析モジュールはデータ管理モジュールからリトリーブされたデータを分析する、請求項49に記載の分析モジュール。
【請求項91】
分析モジュールはファジィ論理の原理を用いてデータ管理モジュールからリトリーブされたデータを分析する、請求項49に記載の分析モジュール。
【請求項92】
分析されたデータは患者の健康の多次元評価をもたらす、請求項90に記載の分析モジュール。
【請求項93】
分析されたデータは患者の健康の多次元評価をもたらす、請求項91に記載の分析モジュール。
【請求項94】
分析されたデータは病気の傾向を予測する、請求項92に記載の分析モジュール。
【請求項95】
分析されたデータは病気の進行の次の段階を予測する、請求項92に記載の分析モジュール。
【請求項96】
分析されたデータは共存症を予測する、請求項92に記載の分析モジュール。
【請求項97】
分析されたデータは他のあり得る病態を推論する、請求項92に記載の分析モジュール。
【請求項98】
分析されたデータは患者の健康の傾向を予測する、請求項92に記載の分析モジュール。
【請求項99】
分析されたデータは病気の傾向を予測する、請求項93に記載の分析モジュール。
【請求項100】
分析されたデータは病気の進行の次の段階を予測する、請求項93に記載の分析モジュール。
【請求項101】
分析されたデータは共存症を予測する、請求項93に記載の分析モジュール。
【請求項102】
分析されたデータは他のあり得る病態を推論する、請求項93に記載の分析モジュール。
【請求項103】
分析されたデータは患者の健康の傾向を予測する、請求項93に記載の分析モジュール。
【請求項104】
通信モジュールは分析されたデータをデータ管理モジュールに伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項105】
通信モジュールは臨床家によるアクセスのために分析されたデータを伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項106】
通信モジュールは分析されたデータに基づき介入の相対的緊急性を伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項107】
介入の相対的緊急性は臨床家に伝達される、請求項106に記載の通信モジュール。
【請求項108】
介入の相対的緊急性は患者に伝達される、請求項106に記載の通信モジュール。
【請求項109】
通信モジュールは、臨床家によるアクセスのために探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項110】
通信モジュールは、探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をデータ教育システムに伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項111】
通信モジュールはニューラルネットワークを含む、請求項110に記載のデータ教育システム。
【請求項112】
通信モジュールは、臨床精度および重要性についてデータおよび評価を確かめるために探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をニューラルネットワークに伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項113】
通信モジュールは、許容できる誤認のスレショルドを確立するために探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をニューラルネットワークに伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項114】
通信モジュールは、許容できる誤診のスレショルドを確立するために探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価をニューラルネットワークに伝達するよう設計されている、請求項49に記載の通信モジュール。
【請求項115】
患者の健康を自動診断するためのデータ管理システムであって、
a.移植可能医科装置と、これはさらに、
i.患者からデータを探知するよう設計されたセンシングモジュールと、
ii.患者履歴データベースを生成するためにセンシングモジュールによって探知された患者データおよび、患者母集団データベースを生成するために患者母集団データを格納およびアーカイブするよう設計されたデータ管理モジュールと、
iii.診療基準を反映する臨床的に導出されたアルゴリズムを使用することによって考えられる患者の健康の初期評価を行うために患者母集団データと比較して患者履歴データを分析するよう設計された分析モジュールと、
iv.臨床家によるアクセスのために患者の健康の探知されたデータ、分析されたデータおよび患者の健康評価を伝達するよう設計された通信モジュールとを含み、
b.患者データを格納するよう設計されたニューラルネットワークと、
から成るデータ管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2006−507875(P2006−507875A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555801(P2004−555801)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/037950
【国際公開番号】WO2004/047624
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505003528)カーディアック・ペースメーカーズ・インコーポレーテッド (466)
【Fターム(参考)】