説明

情報、著作権保護されたコンテンツの利用方法およびプログラム

【課題】管理負担を大きくすることなく、メディアや再生機器に必要となる制約を大きくすることなく、情報の不正なコピーを防止しえる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】著作権保護されたコンテンツは暗号化され、ROMタイプのOTPメモリ50に格納されてユーザに提供される。ユーザは、WEBサーバ12にアクセスし(S1)、再生プログラム55をダウンロードする(S2)。再生プログラム55には、コンテンツの復号鍵が組み込まれている。再生プログラム55は、まず、OTPメモリ50に対して任意のデータの書き込み処理を実行する(S3)。そして、書き込み処理がエラーとなった場合のみ、OTPメモリ50に格納されたコンテンツ52にアクセスする(S4、S5)。そして、コンテンツ52を読み出し(S6)、復号化し(S7)、再生する(S8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピーあるいは利用に制限が必要な情報の提供技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD規格で採用されているCPPM、CPRMと呼ばれる著作権保護技術が存在する。この技術は、メディアに記録されているID情報を利用して、著作権保護されたコンテンツのコピーコントロール、再生コントロールを行うものである。
【0003】
CPPM、CPRM技術を用いるためには、メディアにはID情報のほかに、さらに、鍵束が格納されている必要がある。また、メディアを再生する機器にはデバイスキーが格納されている必要がある。つまり、メディアに格納されたコンテンツを再生するためには、メディアに格納されたID情報と鍵、機器に格納された鍵が必要である。
【0004】
【非特許文献1】特許庁ホームページ、“標準技術集−クライアント上の情報セキュリティ技術−パッケージメディア”、[平成18年2月20日検索]、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/index.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、CPPM、CPRMという技術を用いることで、メディアに格納されたコンテンツのコピーコントロールあるいは再生コントロールが可能となり、コンテンツの著作権を保護するようにしている。
【0006】
しかし、CPPM、CPRMという技術は、メディアにID情報や鍵束を格納しておく必要がある。また、再生を行う機器にも、機器の固有の鍵を格納する必要がある。そして、その鍵の配布はライセンス会社によって管理される必要がある。このように、CPPM、CPRMといった技術は、コンテンツの提供者、メディアの製造会社、再生機器の製造会社などが一体となって、コピーコントロール、再生コントロールのための仕組みを維持、管理していく必要がある。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、管理負担を大きくすることなく、且つ、メディアや再生機器に必要となる制約を大きくすることなく、情報あるいは著作権保護されたコンテンツの不正なコピーを防止しえる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、情報を暗号化して読み出し専用の記憶媒体に格納する工程と、前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記情報を復号化する工程と、復号化された前記情報を利用する工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、情報を暗号化した上で読み出し専用の記憶媒体に格納してユーザに提供する工程と、前記情報を復号するためのプログラムをユーザに提供する工程と、前記プログラムがインストールされた端末に前記記憶媒体を装着し、前記プログラムを動作させることによって前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記プログラムが前記情報を復号化する工程と、復号化された前記情報を利用する工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の情報の利用方法であって、前記書き込み処理は、データの消去処理、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、著作権保護されたコンテンツを暗号化して読み出し専用の記憶媒体に格納する工程と、前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記著作権保護されたコンテンツを復号化する工程と、復号化された前記著作権保護されたコンテンツを利用する工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、著作権保護されたコンテンツを暗号化した上で読み出し専用の記憶媒体に格納し、ユーザに提供する工程と、前記著作権保護されたコンテンツを復号するためのプログラムをユーザに提供する工程と、前記プログラムがインストールされた端末に前記記憶媒体を装着し、前記プログラムを動作させることによって前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記プログラムが前記著作権保護されたコンテンツを復号化する工程と、復号化された前記著作権保護されたコンテンツを利用する工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の著作権保護されたコンテンツの利用方法であって、前記書き込み処理は、データの消去処理、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、コンピュータを、前記コンピュータに装着された記憶媒体に対して任意のデータの書き込み処理を実行させる手段、前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記記憶媒体に格納されている情報を復号化する手段、として機能させるためのプログラムである。
【0015】
請求項8記載の発明は、コンピュータを、前記コンピュータに装着された記憶媒体に対して任意のデータの書き込み処理を実行させる手段、前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記記憶媒体に格納されている著作権保護されたコンテンツを復号化する手段、として機能させるためのプログラムである。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8に記載のプログラムであって、前記書き込み処理にはデータの消去処理が含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の情報の利用方法は、情報を暗号化して読み出し専用の記憶媒体に格納し、記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ情報を復号化する。これにより、情報を書き込み可能な記憶媒体に不正にコピーしても利用することが不可能である。
【0018】
また、本発明の著作権保護されたコンテンツの利用方法は、著作権保護されたコンテンツを暗号化して読み出し専用の記憶媒体に格納し、記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ著作権保護されたコンテンツを復号化する。これにより、著作権保護されたコンテンツを書き込み可能な記憶媒体に不正にコピーしても利用することが不可能である。
【0019】
したがって、CPPM、CPRMといった技術を用いることなく、著作権保護されたコンテンツを保護することが可能である。特に、本発明の技術を用いれば、記憶媒体は、読み出し専用のタイプのものを使用するという制限があるのみで、それ以外に特別な仕組みを必要としないので、大掛かりな仕組みを必要とすることなく、コンテンツを保護することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、著作権保護されたコンテンツの提供から再生までの一連の流れを示す図である。コンテンツプロバイダ10は、音楽ファイル、動画ファイルなどの著作権保護されたコンテンツ51を提供する会社である。著作権保護されたコンテンツ51は、著作者を保護するために不正なコピーが排除されなければならない。また、正当な購入者以外の者によって再生、利用されることが排除されなければならない。
【0021】
コンテンツプロバイダ10は、工場11において、コンテンツ51を暗号化し、暗号化されたコンテンツ52をROM(Read Only Memory)タイプのOTP(One Time
Programmable)メモリ50に格納する。OTPメモリとは、データを1回のみ書き込み可能なメモリであり、データを消去することが不可能なメモリである。OTPメモリには、ROMタイプのものと追記可能なタイプのものが存在するが、本実施の形態においては、ROMタイプのOTPメモリ50を利用する。ROMタイプのOTPメモリ50にデータを書き込むには専用の機器が必要であるため、一般のユーザがデータを書き込むことは実質的に不可能である。つまり、このOTPメモリ50には工場においてデータが書き込まれ、ユーザは、そのOTPメモリ50を読み出し専用の記憶媒体として利用するのである。OTPメモリ50としては、たとえば、SD−OTPメモリなどを利用することが可能である。
【0022】
コンテンツ51に対して行う暗号化方法は特に限定されるものではない。暗号化方法は、公開鍵方式であってもよいし、秘密鍵方式であってもよい。また、データスクランブル方式であってもよい。著作権保護されたコンテンツ51の保護を目的としているので、その目的に応じた強度の暗号処理が施されればよい。
【0023】
また、コンテンツプロバイダ10は、WEBサーバ12において再生プログラム55をダウンロード可能な状態でユーザに提供する。この再生プログラム55は、コンテンツ52の再生プログラムである。たとえば、コンテンツ52が音楽ファイルであれば、音声再生プログラムであり、コンテンツ52が動画ファイルであれば、動画再生プログラムである。
【0024】
再生プログラム55は、また、暗号化されたコンテンツ52を再生すべきか否かを判定する機能と、コンテンツ52を再生してよいと判定した場合に、コンテンツ52を復号化する機能を備えている。
【0025】
再生プログラム55は、暗号化されたコンテンツ52の再生を行うか否かを判定するために、コンテンツ52が格納されたメモリに対する書き込み処理を実行する。そして、メモリに対して書き込みコマンドを送り、書き込みエラー信号を受け取るなど、書き込み処理に失敗した場合に、コンテンツ52を再生してよいと判定するのである。
【0026】
この判定に関する根拠は以下の通りである。本実施の形態においては、著作権保護されたコンテンツ52の不正なコピーや不正な再生を排除することを目的としている。この点、コンテンツプロバイダ10が工場11において製造したOTPメモリ50は正規の製品である。つまり、コンテンツプロバイダ10は、著作権者に正当な著作権料を支払うことによって、コンテンツ52の販売権を得て、OTPメモリ50を製造しているのである。したがって、このOTPメモリ50を購入したユーザは、格納されているコンテンツ52を再生する権利を所有している。しかし、ユーザは、OTPメモリ50に格納されているコンテンツ52を他の記憶媒体にコピーして利用する権利は持っていない。このような行為が許されると、OTPメモリ50を購入したユーザによって不正な複製品が自由に作成され、著作権者の権利が守られないからである。したがって、OTPメモリ50から他の記憶媒体にコピーされたコンテンツ52は再生不可能とする必要がある。
【0027】
そこで、再生プログラム55は、メモリに対して書き込み処理を実行するのである。そして、書き込みが失敗したということは、メモリがROMタイプのメモリであることが判明する。ROMタイプのメモリは、ユーザがデータを書き込むことができないメモリであり、工場でデータを書き込む必要がある。したがって、そのメモリに格納されている情報は、ユーザによって不正にコピーされた情報ではないと判断するのである。
【0028】
もし、ユーザが、OTPメモリ50に格納されているコンテンツ52をNANDフラッシュ型のメモリカードなどに不正にコピーした場合(つまり、書き込み可能なメモリにコピーした場合)、再生プログラム55によって実行された書き込み処理はエラーとならない。したがって、再生プログラム55は、コンテンツ52を再生することを拒否するのである。
【0029】
なお、書き込み処理を行う場合には、どのようなデータの書き込み処理を実行してもよい。適当なダミーのデータの書き込み処理を実行すればよい。目的は、書き込み処理がエラーとなることを確認することであるので、処理速度を高速化させるためにも、1クラスタ分のデータなど、小さなデータを用いるとよい。
【0030】
なお、再生プログラム55は、書き込み処理を実行することによってメモリを認証すると説明したが、データの消去処理により認証を行ってもよい。つまり、再生プログラム55は、メモリに対してデータの消去処理を実行し、消去処理が失敗した場合にもコンテンツ52を再生してよいと判定するのである。また、消去処理は、どのアドレスに対する消去処理であってもよい。
【0031】
もし、ユーザが不正に他の記憶媒体にコンテンツ52をコピーし、再生プログラム55以外のプログラムを用いてコンテンツ52を再生しようとしても、再生は不可能である。コンテンツ52を復号化するための復号鍵は、コンテンツプロバイダ10のみが知っている鍵であり、再生プログラム55だけが、この復号鍵を持っているからである。
【0032】
工場10で製造されたOTPメモリ50は、店舗20において販売される。ユーザ30は、店舗20においてOTPメモリ50を購入する。このOTPメモリ50には、暗号化されたコンテンツ52が格納されている。
【0033】
ユーザ30は、このOTPメモリ50に格納されたコンテンツ52を再生するために、再生プログラム55のダウンロードを行う。この実施の形態においては、図1に示すように、ユーザ30は、携帯電話機31を利用してコンテンツ52を再生する。そして、ユーザ30は、携帯電話機31を操作してネットワークに接続し、WEBサーバ12から再生プログラム55のダウンロードを実行する。そして、ユーザ30は、携帯電話機31のメモリカードスロットにOTPメモリ50を挿入し、再生プログラム55を実行することで、上述したような仕組みによりコンテンツ52の再生を行うのである。
【0034】
図2は、コンテンツ52の再生処理に関わるフローチャートである。前提として、ユーザ30は、店舗20においてOTPメモリ50を購入している。まず、ユーザ30は、携帯電話機31を操作して所定のURLを指定し、WEBサーバ12にアクセスする(ステップS1)。本実施の形態においては、携帯電話機31を利用しているので、携帯電話機31は、携帯電話回線網、インターネット網などを介してWEBサーバ12にアクセスする。したがって、携帯電話機31は、ネットワーク接続機能を備えている必要がある。
【0035】
携帯電話機31は、WEBサーバ12からコンテンツ再生用のアプリケーションソフトウェアのダウンロードを行う(ステップS2)。つまり、WEBサーバ12がネットワークに公開している再生プログラム55のダウンロードを行う。この再生プログラム55のダウンロードは特に制限を設ける必要はない。誰でも自由にダウンロードできるようになっていればよい。
【0036】
携帯電話機31が再生プログラム55をダウンロードすると、再生プログラム55が携帯電話機31にインストールされる。次に、ユーザ30が再生プログラム55を実行させると、再生プログラム55は、メモリスロットに装着されているメモリカードにアクセスし、認証を行う(ステップS3)。メモリスロットにOTPメモリ50が装着されている場合には、再生プログラム55は、OTPメモリ50にアクセスして認証処理を行う。
【0037】
この認証処理は、上述した通りである。つまり、再生プログラム55は、任意のデータをメモリカードに書き込む処理を実行し、書き込み処理がエラーとなった場合に、そのメメモリカードを認証する。言い換えると、メモリカードに対する書き込み処理がエラーとなると、そのメモリカードに格納されているコンテンツを再生することを許可する。メモリスロットにOTPメモリ50が装着されている場合には、OTPメモリ50はROMタイプのメモリであるので、書き込み処理はエラーとなる。したがって、再生プログラム55は、OTPメモリ50を認証する。なお、上述したように、データ消去処理を実行し、エラーとなった場合に認証する方法であってもよい。あるいは、データ書き込み処理と、データ消去処理の両方を実行し、いずれもがエラーとなった場合のみ、そのメモリカードを認証するようにしてもよい。
【0038】
再生プログラム55の認証処理に対してメモリカードは、照合結果を返す(ステップS4)。つまり、書き込み処理が失敗であればエラー信号を返し、書き込み処理が成功すれば、書き込みが正常に行われたことを通知する。再生プログラム55は、書き込み処理が正常に終了した場合には、メモリカードがROMタイプでないと判断し、コンテンツの再生処理を中止する。たとえば、携帯電話機31のモニタに、「このメモリカードに保存されているデータは利用できません。」といったメッセージを表示させ、処理を終了する。
【0039】
書き込み処理がエラーとなった場合、再生プログラム55は、メモリカードに格納されているデータにアクセスする(ステップS5)。そして、データの読み出し処理を実行する(ステップS6)。
【0040】
そして、再生プログラム55は、再生プログラム55に組み込まれている復号鍵を利用して、読み出したデータの復号化を実行するのである(ステップS7)。
【0041】
メモリスロットに装着されているのがOTPメモリ50の場合、OTPメモリ50に格納されているコンテンツ52にアクセスし、コンテンツ52を読み出し、コンテンツ52を復号化するのである。つまり、OTPメモリ50に格納されているコンテンツ52は、コンテンツプロバイダ10によって正規に提供されたコンテンツであり、コンテンツプロバイダ10によって暗号処理が加えられているので、再生プログラム55に組み込まれている復号鍵で復号することが可能である。
【0042】
コンテンツ52が復号化されると、再生プログラム55は、コンテンツ52の再生処理を実行するのである(ステップS8)。たとえば、コンテンツ52が著作権保護された音楽ファイルであれば、携帯電話機31においてその音楽が再生される。著作権保護された動画ファイルであれば、その動画が再生されるのである。
【0043】
このように、本実施の形態によれば、CPPM、CPRMといった大掛かりな仕組みを利用することなく、著作権保護されたコンテンツのコピーコントロール、再生コントロールを行うことが可能である。特に、本実施の形態の技術を用いれば、記憶媒体は、読み出し専用のタイプのものを使用するという制限があるのみで、それ以外に特別な仕組みを必要としないので、大掛かりな仕組みを必要とすることなく、コンテンツを保護することが可能である。
【0044】
本発明の仕組みによれば、OTPメモリ50に格納されているコンテンツ52は、他の記憶媒体にコピーしたとしても再生することができない。それはコンテンツ52を他の記憶媒体にコピーするためには、コピー先の記憶媒体が書き込み可能な媒体でなければならないからである。一方、コンテンツ52を再生するためには、復号化する必要があるが、この復号鍵は正規のソフトウェアである再生プログラム55にしか組み込まれていない。したがって、ユーザがコンテンツ52を書き込み可能な他の記憶媒体にコピーした場合、再生プログラム55を利用すると、その記憶媒体は認証を受けることができない。再生プログラム55以外のプログラムを利用すると、復号化できない。このようにして、不正なコピーを防止し、著作権を保護しているのである。
【0045】
そして、コンテンツ52を再生するためには、再生プログラム55の認証を受ける必要があるが、そのためには、コンテンツ52がROMタイプのOTPメモリ50に格納されている必要がある。このROMタイプのOTPメモリ50には、工場でしかデータを書き込むことができず、ユーザによりデータを書き込むことができない。したがって、再生プログラム55により認証を受けたメモリに格納されているコンテンツは、正規のコンテンツプロバイダにより提供されたものであると判断できるのである。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、コンテンツ52を再生する端末は、携帯電話機に限らず、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)などであってもよい。また、本実施の形態においては、OTPメモリ50に格納して提供される暗号化された情報が、著作権保護されたコンテンツである場合を例に説明したが、本発明の技術は、広く不正なコピーを排除したいデータについて適用可能である。
【0047】
また、本実施の形態においては、データの読み出しのみ可能な記憶媒体として、ROMタイプのOTPメモリ50を例に説明したが、これは一例である。たとえば、著作権保護されたコンテンツが暗号化され、DVD−ROMやCD−ROMに格納されて提供される場合にも、本発明の技術を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】コンテンツプロバイダによるコンテンツの提供から携帯電話機におけるコンテンツの再生までの全体の流れを示す図である。
【図2】携帯電話機におけるコンテンツ再生の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 コンテンツプロバイダ
31 携帯電話機
50 (ROMタイプ)OTPメモリ
51 コンテンツ
52 (暗号化された)コンテンツ
55 再生プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を暗号化して読み出し専用の記憶媒体に格納する工程と、
前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、
前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記情報を復号化する工程と、
復号化された前記情報を利用する工程と、
を備えることを特徴とする情報の利用方法。
【請求項2】
情報を暗号化した上で読み出し専用の記憶媒体に格納してユーザに提供する工程と、
前記情報を復号するためのプログラムをユーザに提供する工程と、
前記プログラムがインストールされた端末に前記記憶媒体を装着し、前記プログラムを動作させることによって前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、
前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記プログラムが前記情報を復号化する工程と、
復号化された前記情報を利用する工程と、
を備えることを特徴とする情報の利用方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報の利用方法であって、
前記書き込み処理にはデータの消去処理が含まれることを特徴とする情報の利用方法。
【請求項4】
著作権保護されたコンテンツを暗号化して読み出し専用の記憶媒体に格納する工程と、
前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、
前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記著作権保護されたコンテンツを復号化する工程と、
復号化された前記著作権保護されたコンテンツを利用する工程と、
を備えることを特徴とする著作権保護されたコンテンツの利用方法。
【請求項5】
著作権保護されたコンテンツを暗号化した上で読み出し専用の記憶媒体に格納し、ユーザに提供する工程と、
前記著作権保護されたコンテンツを復号するためのプログラムをユーザに提供する工程と、
前記プログラムがインストールされた端末に前記記憶媒体を装着し、前記プログラムを動作させることによって前記記憶媒体に任意のデータの書き込み処理を実行する工程と、
前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記プログラムが前記著作権保護されたコンテンツを復号化する工程と、
復号化された前記著作権保護されたコンテンツを利用する工程と、
を備えることを特徴とする著作権保護されたコンテンツの利用方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の著作権保護されたコンテンツの利用方法であって、
前記書き込み処理にはデータの消去処理が含まれることを特徴とする著作権保護されたコンテンツの利用方法。
【請求項7】
コンピュータを、
前記コンピュータに装着された記憶媒体に対して任意のデータの書き込み処理を実行させる手段、
前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記記憶媒体に格納されている情報を復号化する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
前記コンピュータに装着された記憶媒体に対して任意のデータの書き込み処理を実行させる手段、
前記記憶媒体に対する書き込み処理が失敗した場合のみ前記記憶媒体に格納されている著作権保護されたコンテンツを復号化する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のプログラムであって、
前記書き込み処理にはデータの消去処理が含まれることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−226294(P2007−226294A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43550(P2006−43550)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(504134265)株式会社メガチップスLSIソリューションズ (114)
【Fターム(参考)】