情報の光学的記憶及び検索のための記録担体
本発明は、情報の光学的記憶及び検索のための記録担体であって、基板(1)と、情報の保持のための活性層(2)であって、情報の記憶及び検索のためのビット位置符号化を採用している、活性層と、活性層における情報の書き込み中にエネルギーを遮断するためのエネルギー遮断層とを有することを特徴とする記録担体に関する。好適には、パターニングされた反射マスク層(3)は比較的高い熱伝導性を有する材料を有する。好適には、パターニングされた反射マスク層は、アルミニウム、銀、金又は銅を有する金属又は金属合金を有する。スイッチング可能マスク層はサーモクロミック層を有し、活性層からの情報の前記検索中、実質的に透明である。本発明に従って、記録担体は比較的高い情報密度を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の光記憶及び検索のための記録担体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化時代は、ユーザに利用可能な情報の爆発的な拡大に繋がっている。(パーソナル)コンピュータは遍く存在し、コンピュータネットワークの世界規模のネットワークにより接続されている。情報を記憶するコストの削減及び同じ装置フットプリントの小さい記憶容量の増大は、この革命の重要なイネーブラである。今日の記憶装置に対する要求が適合される一方、記憶技術は急速な要求の増大に対応するように継続して改善されている。
【0003】
冒頭の段落で述べた種類の光記憶のための記憶担体は当該技術分野において周知である。しかしながら、記録媒体の表面において明瞭な磁気的又は光学的変化として個々のビットが記憶される、光磁気情報記憶技術及び従来の光情報記憶技術の両方は、個々のビットが小さ過ぎて及び/又は異なり過ぎて記憶することができない及び/又は区別することができない物理的限界に近付いている。画素間又はシンボル間干渉は、1つの特定な画素における強度が近くの画素における情報を汚染する現象である。物理的に、このような干渉は、レンズ系における経時変化収差又は光回折からもたらされる(光)チャネルの帯域制限から生じる。
【0004】
二次元(2D)情報記憶は、データ密度における増加と共にデータレートにおける増加の可能性を提供する。(並行)読み出し中、信号におけるクロストークの増大を処理することができる。しかしながら、情報の書き込み中にビットの近傍においては、著しいクロストークを伴わずに、ビットの独立したスイッチングを可能にするための手段が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、全体的に又は部分的に上記の不利点を削除することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、上記目的のために冒頭の段落において述べた種類の情報の光記憶及び検索のための記録担体は:
基板;
情報の保持のための活性層であって、記憶及び検索のためのビット位置符号化を採用している、活性層;及び
活性層における情報の書き込み中、エネルギーを遮断するためのエネルギー遮断層;
を有する。
【0007】
従来の一次元(光)記録担体においては、単一のビット行は螺旋に沿って書き込まれる。一般に、トラックピッチは、許容可能なレベルまで隣接トラック間の熱的なクロストークを減少させるために十分大きく選択される。更に、記録色素層は、又は、代替として、無機相変化層は、記録媒体において均一に分布している。色素層の場合、それらの色素層は、例えば、スピンコーティング中、グルーブ及びランドにおける色素の厚さに影響を与えるプリグルーブ構造の存在のために、記録媒体において均一にならない。スピンコーティングの条件に依存して、ランド及びグルーブにおける記録材料の厚さのコントラストは重要である。
【0008】
情報が記録担体において記憶される(記録される又は符号化される)とき、記憶手段(例えば、レーザビーム)のスポットサイズは、好適には、所望のビット位置における活性層のみが活性化又は非活性化され及び隣接ビット位置が(実際には)記憶手段により影響されないようにされる。しかしながら、ビット密度が記憶手段のスポットサイズの解像度より高い場合、好ましくない(隣接)ビット位置間のクロストークがもたらされる。本発明に従ったエネルギー遮断層は、記憶手段のスポットサイズを実際に減少させる活性層に情報を書き込む際にエネルギーを遮断する。エネルギー遮断層は、情報が書き込まれるビットの位置における記憶手段の(スポットサイズ)の効果を高める一方、同時に、エネルギー遮断層は、情報が書き込まれるビットに隣接するビットにおける記録手段の(スポットサイズ)の影響を減少させる。エネルギー遮断層の影響は、記録手段のスポットサイズが記録手段のスポットの物理的サイズより小さいサイズにビット位置に対して、実際には制限される。このようにして、(隣接)ビット位置間のクロストークは非常に減少する。それ故、比較的高い密度のビット位置を、本発明に従った記録担体において実現することができる。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲における活性層は、情報が記憶(符号化)され、変更されることができる層であると理解される。本明細書及び特許請求における“情報”は、記録担体から記憶される又は検索される情報(例えば、音楽又は映像画像等)、及び案内情報、コピー保護に関する情報等のような記録担体において存在し得る他の情報又はデータを有するとして理解される。
【0010】
本発明に従った記録担体は、光ディスク、コンパクトディスク(CD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、BD、光メモリカード及び類似するプロダクトであることが可能である。更に、本発明に従った記録担体は、HDD又は光学的支援を伴う磁気カードであることが可能である。
【0011】
エネルギー遮断層を備えることにより、記録担体の光学的特性は実際にはパターニングされる。エネルギー遮断層は種々の実施形態において実現されることができる。エネルギー遮断層の実施形態においては、エネルギー遮断層においてパターニングされたマスクを備えるようになっている。エネルギー遮断層の他の実施形態においては、スイッチング可能なマスク層を備えるようになっている。
【0012】
本発明に従った記録担体の好適な実施形態は、エネルギー遮断層がパターニングされた反射マスク層を有することを特徴とする。活性層において備えられたパターニングされた反射マスク層を用いることにより、記録手段のスポットサイズより共に近いビット位置は、クロストークを伴わずに個別に識別されることができる。パターニングされた反射マスク層は、実際には、記録手段の解像度より大きいビット位置の間の光学的分離を可能にする。パターニングされた反射マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットの位置において記憶手段の(スポットサイズ)の効果を高める一方、同時に、パターニングされた反射マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットに隣接するビットにおける記録手段の(スポットサイズ)の影響を低減させる。このように、ビット位置間のクロストークは非常に低減されることとなる。
【0013】
好適には、パターニングされた反射マスク層は、比較的高い熱伝導性を有する材料を有する。比較的高い熱伝導性を有するパターニングされた反射マスク層は、活性層のビット間部分における放熱層として機能する。活性層のビット間部分は放熱により冷却される。
【0014】
好適には、パターニングされた反射マスク層は金属又は金属合金であって、好適には、アルミニウム、銀、金又は銅を有する。金属であって、特にアルミニウムは適切な放熱材料である。更に、アルミニウムは好ましい材料特性を有する。選択される材料は、好適には、酸化に対して不活性である必要がある。適切な金属合金はAu合金、Ag合金、Al合金である。記録スタック(マスク及び記録層を有し、又、他の誘電体及び金属層を有することが可能である)の熱的及び光学的特性は適切な材料を選択することにより調整される。例えば、厚い金属反射マスク層は(多層)干渉スタックを構成するように調整される。
【0015】
本発明に従った記録担体の代替としての好適な実施形態は、エネルギー遮断層がスイッチング可能マスク層を有することを特徴とする。活性層において情報を記憶している間、スイッチング可能マスク層は、情報が記憶されるビット位置の場所において、実質的に透明である一方、同時に、スイッチング可能マスク層は、情報が記憶されるようになっているビット位置の周りのビット位置において、実質的に不透明である。情報が記憶されるようになっているビット位置の場所における活性層に情報を記憶している間、記録手段のスポットのパワーは、情報が記憶されるようになっているビット位置の周りのビット位置と、情報が記憶されるようになっているビット位置の場所において不透明な(吸収性又は反射性)スイッチング可能マスク層をレンダリングする所定閾値以上に増加する。情報が記憶されるようになっているビット位置の場所において記録手段のスポットが更に大きいパワーを有することにより、情報が記憶されるようになっているビット位置の場所においてスイッチング可能マスク層は、再び透明になる一方、同時に、スイッチング可能マスク層は、情報が記憶されるようになっているビット位置の周りのビット位置においては実質的に不透明のまま維持される。
【0016】
スイッチング可能マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットの場所において記憶手段の(スポットサイズの)効果を高める一方、同時に、スイッチング可能マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットに隣接するビットへの記録手段の(スポットサイズの)影響を低減させる。スイッチング可能マスク層を適用する付加的有利点は、スイッチング可能マスク層のブロッキング部は最近接ビットまでの距離より非常に大きいことである。更に他のスイッチング可能マスク層の有利点は、非スイッチング可能マスクバージョンと共に達成することが比較的困難である多層記憶(2つ又はそれ以上の記録層)と適合することである。
【0017】
本発明に従った記録担体の好適な実施形態は、スイッチング可能マスク層が活性層からの情報の検索中、実質的に透明であることを特徴とする。情報が記憶されるようになっているビット位置の場所において活性層に情報を記憶している間にのみ、記録手段のスポットのパワーは、スイッチング可能マスク層を不透明にする所定の閾値以上に増加する。情報の検索中、スイッチング可能マスク層は、実質的に透明である。
【0018】
好適には、スイッチング可能マスク層はサーモクロミック層を有する。サーモクロミック材料は、所定の波長領域において温度依存性吸収又は反射特性を示す。例えば、温度上昇時には、吸収最大値は、深色方向に(レッドシフト)又は淡色方向に(ブルーシフト)シフトする。代替の実施形態においては、異なる温度依存性吸収又は反射特性を有する2つの異なるサーモクロミック材料が用いられる。
【0019】
境界条件は、情報が活性層に記憶される時間毎に起こる必要がある可逆的サーモクロミック効果の周期性(即ち、サーモクロミック遷移が生じる回数)である。更に、その効果を開始させるために必要な温度差は、消費電力及び材料安定性の理由のために比較的小さい必要がある。他方、サーモクロミック効果は、記録担体の動作温度より高い必要がある。
【0020】
他の代替として、本発明に従った記録担体の好適な実施形態は、エネルギー遮断層はパターニングされた反射マスクとスイッチング可能マスク層とを有することを特徴とする。
【0021】
他の有利な実施形態及び他の成果については従属請求項に規定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明に従った情報の光学的記憶及び検索のための記録担体を非常に模式的に示している。図1においては、基板1は、有効なビット位置の螺旋の形でストライプとトラックとを備えている。情報の記憶及び検索時に、螺旋は記憶手段及び検索手段それぞれにより追跡される。
【0023】
図2Aは、予め選択されたビット位置における活性層に情報を記憶している間に、パターニングされたマスク層3を有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態の側面図の非常に模式的に示している。図2Bは、図2Aに示している記録担体の平面図である。記録担体は基板1を有する。基板1は、情報の保持のための活性層2を備えている。活性層2においては、情報の記憶及び保持のためのビット位置符号化を採用している。
【0024】
好適には、活性層2は記録色素層(典型的には、WORM記録媒体に対する)である。好適には、そのような層は、例えば、スピンコーティング、エンボス加工、成形、(フォト)リソグラフィ、マイクロコンタクトプリンティング又は気相成長法等の従来技術により堆積される。代替として、無機相変化層は又、WORM又は書き換え可能記録媒体として用いられることが可能である。好適には、後者の層はスパッタリングにより堆積される。
【0025】
図2A及び2Bにおいて非常に模式的に、有効なビット位置5、5´、5"が活性層2に示されている。記録担体において、情報は記憶され、それらのビット位置5、5´、5"、...から検索される。
【0026】
図2Aにおいて、活性層1における情報の書き込み中にエネルギーを遮断するためのエネルギー遮断層が活性層2において備えられている。図2Aの例において、エネルギー遮断層は、透明なカバー層18に埋め込まれたパターニングされた反射マスク層3である。パターニングされた反射マスク層3は、好適には、金属であって、好適には、アルミニウムである比較的高い熱伝導性を有する材料の壁6、6´、...を有する。図2A及び2Bにおける壁6、6´、...は有効なビット位置5、5´、5"、...を取り囲んでいる。代替としての実施形態においては、壁6、6´、...の一部のみが与えられている。
【0027】
図2A及び2Bに示すような記録担体に情報が記憶(記録又は符号化)されるとき、記憶手段(例えば、レーザビーム)のスポットサイズは、好適には、所望のビット位置における活性層のみが活性化又は非活性化され、そして、隣接ビット位置は、(好適には)記憶手段により影響されない。しかしながら、ビット密度が記憶手段のスポットサイズの解像度より高い場合、(隣接)ビット位置間の好ましくないクロストークがもたらされる。
【0028】
記憶手段により放射される光ビームを、図2Aにおいては、光円錐8により模式的に示している。更に、記憶手段のスポットの強度プロファイルは図2Aにおいて曲線9により示されている。図2Bにおいては、強度プロファイルを参照番号9を有する破線の円により示している。図2Aに示している記憶手段のスポットの熱プロファイルは曲線10により示している。パターニングされた感謝マスク層3の壁6、6´、...は、図2A及び2Bの例においては、記録担体の活性層2において六方構造を構成している。これに対して、熱プロファイルを、図2Bにおいては、参照番号10を有する破線の六角形により示している。パターニングされた反射マスク層3は、記憶手段のスポットサイズを実際に減少させることにより活性層2に情報を書き込む際にエネルギーを遮断する。パターニングされた反射マスク層の効果は、スポットサイズが図2A及び2Bにおける参照番号5を有する“中心”ビットのサイズに実際には制限されることである。
【0029】
活性層2に備えられたパターニングされた反射マスク層3を用いることにより、ビット位置5、5´、5"、...は、クロストークを伴わずに、個別に識別されることができる。パターニングされた反射マスク層3はビット位置5、5´、5"、...間の光学的分離が可能であり、その光学的分離は、実際には、記録手段の解像度より大きい。それ故、比較的高いビット位置5、5´、5"、...の密度は、本発明に従った記録担体において認識されることができる。
【0030】
図2Aにおいては、パターニングされた反射マスク層3を活性層2の上部に示しているが、パターニングされた反射マスク層は又、記録スタックの一体的な一部を構成することができる。
【0031】
図3Aは、活性層2における位置xの関数として、本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の活性層に書き込む間の温度プロファイルWを示している。これと対応して、図3Bは、サーモクロミック層を有する記録担体の活性層2中からの情報の検索中の温度tの関数としての透過率Tを示している。記録手段のスポットのパワーが所定の第1閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域21により示されている)より小さい限り、スイッチング可能マスク層13は透明である。
【0032】
活性層に情報を記憶している間、スイッチング可能マスク層13は、情報が記憶されるビット位置5の場所において実質的に透明である必要がある一方、同時に、スイッチング可能マスク層13は、ビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...において実質的に不透明である。ビット位置5の場所において活性層2に情報を記憶する間に、記録手段のスポットのパワーは、ビット位置5の場所において及びビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...においてスイッチング可能マスク層13を不透明(吸収か又は反射)にする所定の第1閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域22により示されている)以上に増加される。所定の第2閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域23により示されている)以上にビット位置5の場所5において記録手段のスポットのパワーを更に増加させることにより、ビット位置5の場所5におけるスイッチング可能マスク層13は再び透明になる一方、同時に、スイッチング可能マスク層13は、ビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...において実質的に不透明のまま維持される。
【0033】
スイッチング可能マスク層13は、情報が書き込まれるようになっているビット5の場所において記憶手段の(スポットサイズ)の効果を高める一方、同時に、スイッチング可能マスク層13は、情報が書き込まれるようになっているビット5に隣接するビット5´、5"、...において記録手段の(スポットサイズ)の影響を減少させる。スイッチング可能マスクの適用の付加的有利点は、スイッチング可能マスク層のブロッキング部が最近接ビットまでの距離より非常に大きいことである。
【0034】
図3Aは又、本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の活性層から読み出し中の温度プロファイルRを示している。読み出し中、記録手段のスポットのパワーは所定の第1閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域21により示されている)より非常に小さく、スイッチング可能マスク層13は透明である。
【0035】
図4Aは、予め選択されたビット位置5の活性層2において情報を記憶している間の本発明に従ったサーモクロミック層13を有する記録担体の側面図を示している。それに対応して、図4Bは、図4Aに示しているような記録担体の平面図を模式的に示している。ビット位置5の場所において、記録手段のスポットのパワーは、ビット位置5の場所におけるスイッチング可能マスク層13を透明にする図3A及び3Bに示す所定の第2閾値より大きい。その透明領域は、図4A及び4Bにおいて参照番号23により示されている。更に、ビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...の場所における記録手段のスポットのパワーは、所定の第1閾値より大きく、ビット位置5´、5"、...の場所におけるスイッチング可能マスク層13を不透明にする図3A及び3Bに示している第2閾値より小さい。その不透明な領域は、図4A及び4Bにおいて参照番号22により示されている。
【0036】
図5Aは、予め選択されたビット位置における活性層からの情報の読み出し中の図3Aに示す記録担体の側面図を模式的に示している。それに対応して、図5Bは、図5Aに示す記録担体の平面図を模式的に示している。読み出し中、記録手段のスポットのパワーは、ビット位置5、5´、5"、...の場所においてスイッチング可能マスク層13を透明にする図3A及び3Bに示すような所定の第1閾値より非常に小さい。ビット位置5の回りのその透明な領域は図5Bにおいて参照番号21により示されている。
【0037】
図6Aは、深色サーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収特性を示している。図6Aの例においては、記録手段の波長λlaは約570nmに設定される。サーモクロミック層に対して用いられる材料の吸収特性は、環境温度(即ち、読み出し中の温度)において、吸収が殆どないか全くないように、例えば、サーモクロミック層が青色波長領域において吸収の最大値を示す(図6A、曲線a)ように選択される。その材料のサーモクロミック挙動のために、レッドシフトが温度上昇において観測され(図6A、曲線b)、図4A及び4Bのマスク領域22に対応している。更なる上昇の際に、レーザ波長におけるサーモクロミック層の吸収は又、減少し、連続するサーモクロミック挙動からもたらされたものである(図6A、曲線c)。
【0038】
サーモクロミックレッドシフトを用いることに代えて、サーモクロミックブルーシフトを用いることにより、類似する状態を得ることができる。図6Bは、淡色サーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収を示している。図6Bの実施例においては、記録手段の波長λlaは約570nmに設定されている。サーモクロミック層に対して用いられる材料の吸収特性は、環境温度(即ち、読み出し中の温度)において、吸収が殆どないか全くないように、例えば、サーモクロミック層が赤色波長領域において吸収の最大値を示す(図6B、曲線a)ように選択される。その材料のサーモクロミック挙動のために、ブルーシフトが温度上昇において観測され(図6B、曲線b)、図4A及び4Bのマスク領域22に対応している。更なる上昇の際に、レーザ波長におけるサーモクロミック層の吸収は又、減少し、連続するサーモクロミック挙動からもたらされたものである(図6B、曲線c)。
【0039】
図6A及び6Bにおいて示している挙動は十分に可逆的であり、数千を越える循環数が報告されている。WORMを適用する場合、その効果は1回又は2回のみ起こる必要があり、材料に関する要求を減少させる。
【0040】
上記のサーモクロミック層の実施は、特定波長及び吸収特性に調整された化学組成及び混合物組成を有する、単一の色素又は色素の混合物の使用に基づいている。代替として、
淡色(強度減少)シフトにより後続される、温度上昇と共に初期的サーモクロミック吸収効果(例えば、レッドシフト又はブルーシフト)を示す単一の色素又は色素の混合物を用いることが可能である。好適には、淡色効果は可逆的色素温度相互作用からもたらされる。
【0041】
好適には、サーモクロミック層は、有機であって好適には高分子の、無機の又は有機−無機混合の特性を有する固形体、半固形体又はタイプマトリクス状の高純度の細長いπ共役オリゴマー又はπ共役材料の高分子であって、特に、1乃至100%の範囲内の濃度のπ共役材料を有する。細長い(π)共役分子又は高分子においては、サーモクロミック効果は、温度に伴う立体配座の自由度における変化によりもたらされる。低い温度においては、立体配座の自由度は制限され、その結果、共役分子は比較的平面的な幾何学的構成を有する。温度の上昇と共に、立体配座の自由度が大きくなり、分子の幾何学的構成の平面性は低下する。従って、分子における有効な共役は温度の増加と共に減少し、結果的に吸収帯域のブルーシフトが得られる。
【0042】
好適には、サーモクロミック層はpH感応性色素分子と顕色剤とを有する。pHの変化と共に色(吸収スペクトル)が変化する多くの成分が知られている。そのような成分の例としては、フルオラン誘導体、クリスタルバイオレットラクトンがある。サーモクロミック混合物を、pH感応性色素が顕色剤及び溶剤と混合される場合に得ることができる。可逆的サーモクロミックシステムに対して、顕色剤は、一般に、弱酸である。pH感応性色素及び顕色剤は第3化合物中に溶解又は混合され、一般に、アルコール又はエステル系に属す。第3化合物(溶剤)の融点は、色変化が起こる温度を決定する。溶剤が溶ける又は柔らかくなるにつれて、色素はその弱酸と反応し、その結果、色変化が起こる。一般に、着色体は急速冷却により凍結され、無着色色素はゆっくりした冷却の際に形成される。
【0043】
好適には、サーモクロミック層は、色素分子が温度に依存して凝集することが可能である色素材料であって、特に、J型凝集又はH型凝集が可能である色素材料である。J型凝集の形成は吸収最大値のレッドシフトを結果としてもたらす一方、H型凝集の形成は吸収最大のブルーシフトと吸収のオフセットのレッドシフトとを結果としてもたらす。
【0044】
好適には、スイッチング可能マスク層は液晶材料であって、好適には、カイラルネマチック又はコレステリック液晶材料を有する。カイラルネマチック相又はコレステリック相は又、他の非コレステリックネマチック材料にカイラルドーパントを少量であって、典型的には、重量%で0.02乃至20%を添加することにより得られる。カイラルネマチック又はコレステリック液晶は、円偏光入力光の波長が次式のような反射条件を満たす場合に、偏光選択反射を示し、
【0045】
【数1】
ここで、λは反射光の波長であり、
【0046】
【数2】
は液晶の屈折率であり、そしてpは液晶ディレクタの螺旋のピッチ長さである。一体的に位置合わせされた液晶が用いられる(例えば、グランジャン(Grandjean)又はフィンガープリントテクスチャを有する)場合、入射円偏光光の1つの利き手(handedness)は吸収及び反射され、他の利き手は透過される。図7は、典型的なコレステリック材料に対する波長の関数としての透過率特性を示している。図7の曲線a乃至cの実施例においては、吸収スペクトルの位置は、コレステリックヘリックスの温度依存性ピッチ変動のために、温度の関数として移動する。それ故、異なる温度に対してのみ、円偏光入力レーザ波長のウィンドウ選択反射が生じる。任意に、温度は、コレステリック−アイソトロピック転移点以上に増加させることが可能である。図7の状態においては、用いられるレーザ波長が可視光の範囲内にある場合(図7、曲線d参照)、吸収及び/又は反射は生じない。用いるコレステリック材料の選択は、用いるレーザ波長と、必要な液晶材料及び環境の必要な温度ウィンドウ及び屈折率とに依存する。透過層の厚さの関係とそれらの材料のスイッチング動力学は液晶材料を有するスイッチング可能マスク層の重要なパラメータである。特に、実質的な吸収及び反射が起こるためには、少なくとも10ピッチ長が、好適には、必要である。これは、比較的厚い層が必要とされることを意味している。
【0047】
図4A及び図5Aにおいては、スイッチング可能マスク層13は活性層2の上部に示されているが、スイッチング可能マスク層13は又、活性層の一体的な一部を構成することができる。
【0048】
図8は、活性層2を備えた基板1において、本発明に従ったスイッチング可能マスク層13とパターニングされた反射マスク層3を有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態を模式的に示している。
【0049】
上記の実施形態は本発明を限定するのではなく例示しているものであり、当業者は、同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく多くの代替の実施形態を設計することができることに留意する必要がある。表現“を有する”及びその派生表現を使用することは、請求項に記載されている要素又は段階以外の存在を排除するものではない。要素の単数表現はその要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの異なる要素を有するハードウェアにより及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施されることが可能である。幾つかの手段を列挙している装置請求項において、それらの手段の幾つかがハードウェアの同一のアイテムにより実施されることが可能である。特定の手段が互いに異なる従属請求項に挙げられているという事実のみで、それらの手段の組み合わせが有利に用いられることができないことを表すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に従った情報の光学的記憶及び検索のための記録担体を示す図である。
【図2A】予め選択されたビット位置の活性層において情報を記憶している間にパターニングされた反射マスク層を有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態の側面図である。
【図2B】図2Aに示す記録担体の平面図である。
【図3A】本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の温度プロファイルを示す図である。
【図3B】温度の関数として図2Aに示すサーモクロミック層の透過関数を示す図である。
【図4A】予め選択されたビット位置の活性層において情報を記憶している間に本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の側面図である。
【図4B】図4Aに示す記録担体の平面図である。
【図5A】予め選択されたビット位置の活性層からの情報の読み出し中の図3Aに示す記録担体の側面図である。
【図5B】図5Aに示す記録担体の平面図である。
【図6A】深色のサーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収特性を示す図である。
【図6B】淡色のサーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収特性を示す図である。
【図7】コレステリック材料に対する波長の関数としての透過特性を示す図である。
【図8】本発明に従ったスイッチング可能マスク層とパターニングされた反射マスク層とを有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態を示す図である。
【図1A】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の光記憶及び検索のための記録担体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化時代は、ユーザに利用可能な情報の爆発的な拡大に繋がっている。(パーソナル)コンピュータは遍く存在し、コンピュータネットワークの世界規模のネットワークにより接続されている。情報を記憶するコストの削減及び同じ装置フットプリントの小さい記憶容量の増大は、この革命の重要なイネーブラである。今日の記憶装置に対する要求が適合される一方、記憶技術は急速な要求の増大に対応するように継続して改善されている。
【0003】
冒頭の段落で述べた種類の光記憶のための記憶担体は当該技術分野において周知である。しかしながら、記録媒体の表面において明瞭な磁気的又は光学的変化として個々のビットが記憶される、光磁気情報記憶技術及び従来の光情報記憶技術の両方は、個々のビットが小さ過ぎて及び/又は異なり過ぎて記憶することができない及び/又は区別することができない物理的限界に近付いている。画素間又はシンボル間干渉は、1つの特定な画素における強度が近くの画素における情報を汚染する現象である。物理的に、このような干渉は、レンズ系における経時変化収差又は光回折からもたらされる(光)チャネルの帯域制限から生じる。
【0004】
二次元(2D)情報記憶は、データ密度における増加と共にデータレートにおける増加の可能性を提供する。(並行)読み出し中、信号におけるクロストークの増大を処理することができる。しかしながら、情報の書き込み中にビットの近傍においては、著しいクロストークを伴わずに、ビットの独立したスイッチングを可能にするための手段が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、全体的に又は部分的に上記の不利点を削除することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、上記目的のために冒頭の段落において述べた種類の情報の光記憶及び検索のための記録担体は:
基板;
情報の保持のための活性層であって、記憶及び検索のためのビット位置符号化を採用している、活性層;及び
活性層における情報の書き込み中、エネルギーを遮断するためのエネルギー遮断層;
を有する。
【0007】
従来の一次元(光)記録担体においては、単一のビット行は螺旋に沿って書き込まれる。一般に、トラックピッチは、許容可能なレベルまで隣接トラック間の熱的なクロストークを減少させるために十分大きく選択される。更に、記録色素層は、又は、代替として、無機相変化層は、記録媒体において均一に分布している。色素層の場合、それらの色素層は、例えば、スピンコーティング中、グルーブ及びランドにおける色素の厚さに影響を与えるプリグルーブ構造の存在のために、記録媒体において均一にならない。スピンコーティングの条件に依存して、ランド及びグルーブにおける記録材料の厚さのコントラストは重要である。
【0008】
情報が記録担体において記憶される(記録される又は符号化される)とき、記憶手段(例えば、レーザビーム)のスポットサイズは、好適には、所望のビット位置における活性層のみが活性化又は非活性化され及び隣接ビット位置が(実際には)記憶手段により影響されないようにされる。しかしながら、ビット密度が記憶手段のスポットサイズの解像度より高い場合、好ましくない(隣接)ビット位置間のクロストークがもたらされる。本発明に従ったエネルギー遮断層は、記憶手段のスポットサイズを実際に減少させる活性層に情報を書き込む際にエネルギーを遮断する。エネルギー遮断層は、情報が書き込まれるビットの位置における記憶手段の(スポットサイズ)の効果を高める一方、同時に、エネルギー遮断層は、情報が書き込まれるビットに隣接するビットにおける記録手段の(スポットサイズ)の影響を減少させる。エネルギー遮断層の影響は、記録手段のスポットサイズが記録手段のスポットの物理的サイズより小さいサイズにビット位置に対して、実際には制限される。このようにして、(隣接)ビット位置間のクロストークは非常に減少する。それ故、比較的高い密度のビット位置を、本発明に従った記録担体において実現することができる。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲における活性層は、情報が記憶(符号化)され、変更されることができる層であると理解される。本明細書及び特許請求における“情報”は、記録担体から記憶される又は検索される情報(例えば、音楽又は映像画像等)、及び案内情報、コピー保護に関する情報等のような記録担体において存在し得る他の情報又はデータを有するとして理解される。
【0010】
本発明に従った記録担体は、光ディスク、コンパクトディスク(CD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、BD、光メモリカード及び類似するプロダクトであることが可能である。更に、本発明に従った記録担体は、HDD又は光学的支援を伴う磁気カードであることが可能である。
【0011】
エネルギー遮断層を備えることにより、記録担体の光学的特性は実際にはパターニングされる。エネルギー遮断層は種々の実施形態において実現されることができる。エネルギー遮断層の実施形態においては、エネルギー遮断層においてパターニングされたマスクを備えるようになっている。エネルギー遮断層の他の実施形態においては、スイッチング可能なマスク層を備えるようになっている。
【0012】
本発明に従った記録担体の好適な実施形態は、エネルギー遮断層がパターニングされた反射マスク層を有することを特徴とする。活性層において備えられたパターニングされた反射マスク層を用いることにより、記録手段のスポットサイズより共に近いビット位置は、クロストークを伴わずに個別に識別されることができる。パターニングされた反射マスク層は、実際には、記録手段の解像度より大きいビット位置の間の光学的分離を可能にする。パターニングされた反射マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットの位置において記憶手段の(スポットサイズ)の効果を高める一方、同時に、パターニングされた反射マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットに隣接するビットにおける記録手段の(スポットサイズ)の影響を低減させる。このように、ビット位置間のクロストークは非常に低減されることとなる。
【0013】
好適には、パターニングされた反射マスク層は、比較的高い熱伝導性を有する材料を有する。比較的高い熱伝導性を有するパターニングされた反射マスク層は、活性層のビット間部分における放熱層として機能する。活性層のビット間部分は放熱により冷却される。
【0014】
好適には、パターニングされた反射マスク層は金属又は金属合金であって、好適には、アルミニウム、銀、金又は銅を有する。金属であって、特にアルミニウムは適切な放熱材料である。更に、アルミニウムは好ましい材料特性を有する。選択される材料は、好適には、酸化に対して不活性である必要がある。適切な金属合金はAu合金、Ag合金、Al合金である。記録スタック(マスク及び記録層を有し、又、他の誘電体及び金属層を有することが可能である)の熱的及び光学的特性は適切な材料を選択することにより調整される。例えば、厚い金属反射マスク層は(多層)干渉スタックを構成するように調整される。
【0015】
本発明に従った記録担体の代替としての好適な実施形態は、エネルギー遮断層がスイッチング可能マスク層を有することを特徴とする。活性層において情報を記憶している間、スイッチング可能マスク層は、情報が記憶されるビット位置の場所において、実質的に透明である一方、同時に、スイッチング可能マスク層は、情報が記憶されるようになっているビット位置の周りのビット位置において、実質的に不透明である。情報が記憶されるようになっているビット位置の場所における活性層に情報を記憶している間、記録手段のスポットのパワーは、情報が記憶されるようになっているビット位置の周りのビット位置と、情報が記憶されるようになっているビット位置の場所において不透明な(吸収性又は反射性)スイッチング可能マスク層をレンダリングする所定閾値以上に増加する。情報が記憶されるようになっているビット位置の場所において記録手段のスポットが更に大きいパワーを有することにより、情報が記憶されるようになっているビット位置の場所においてスイッチング可能マスク層は、再び透明になる一方、同時に、スイッチング可能マスク層は、情報が記憶されるようになっているビット位置の周りのビット位置においては実質的に不透明のまま維持される。
【0016】
スイッチング可能マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットの場所において記憶手段の(スポットサイズの)効果を高める一方、同時に、スイッチング可能マスク層は、情報が書き込まれるようになっているビットに隣接するビットへの記録手段の(スポットサイズの)影響を低減させる。スイッチング可能マスク層を適用する付加的有利点は、スイッチング可能マスク層のブロッキング部は最近接ビットまでの距離より非常に大きいことである。更に他のスイッチング可能マスク層の有利点は、非スイッチング可能マスクバージョンと共に達成することが比較的困難である多層記憶(2つ又はそれ以上の記録層)と適合することである。
【0017】
本発明に従った記録担体の好適な実施形態は、スイッチング可能マスク層が活性層からの情報の検索中、実質的に透明であることを特徴とする。情報が記憶されるようになっているビット位置の場所において活性層に情報を記憶している間にのみ、記録手段のスポットのパワーは、スイッチング可能マスク層を不透明にする所定の閾値以上に増加する。情報の検索中、スイッチング可能マスク層は、実質的に透明である。
【0018】
好適には、スイッチング可能マスク層はサーモクロミック層を有する。サーモクロミック材料は、所定の波長領域において温度依存性吸収又は反射特性を示す。例えば、温度上昇時には、吸収最大値は、深色方向に(レッドシフト)又は淡色方向に(ブルーシフト)シフトする。代替の実施形態においては、異なる温度依存性吸収又は反射特性を有する2つの異なるサーモクロミック材料が用いられる。
【0019】
境界条件は、情報が活性層に記憶される時間毎に起こる必要がある可逆的サーモクロミック効果の周期性(即ち、サーモクロミック遷移が生じる回数)である。更に、その効果を開始させるために必要な温度差は、消費電力及び材料安定性の理由のために比較的小さい必要がある。他方、サーモクロミック効果は、記録担体の動作温度より高い必要がある。
【0020】
他の代替として、本発明に従った記録担体の好適な実施形態は、エネルギー遮断層はパターニングされた反射マスクとスイッチング可能マスク層とを有することを特徴とする。
【0021】
他の有利な実施形態及び他の成果については従属請求項に規定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明に従った情報の光学的記憶及び検索のための記録担体を非常に模式的に示している。図1においては、基板1は、有効なビット位置の螺旋の形でストライプとトラックとを備えている。情報の記憶及び検索時に、螺旋は記憶手段及び検索手段それぞれにより追跡される。
【0023】
図2Aは、予め選択されたビット位置における活性層に情報を記憶している間に、パターニングされたマスク層3を有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態の側面図の非常に模式的に示している。図2Bは、図2Aに示している記録担体の平面図である。記録担体は基板1を有する。基板1は、情報の保持のための活性層2を備えている。活性層2においては、情報の記憶及び保持のためのビット位置符号化を採用している。
【0024】
好適には、活性層2は記録色素層(典型的には、WORM記録媒体に対する)である。好適には、そのような層は、例えば、スピンコーティング、エンボス加工、成形、(フォト)リソグラフィ、マイクロコンタクトプリンティング又は気相成長法等の従来技術により堆積される。代替として、無機相変化層は又、WORM又は書き換え可能記録媒体として用いられることが可能である。好適には、後者の層はスパッタリングにより堆積される。
【0025】
図2A及び2Bにおいて非常に模式的に、有効なビット位置5、5´、5"が活性層2に示されている。記録担体において、情報は記憶され、それらのビット位置5、5´、5"、...から検索される。
【0026】
図2Aにおいて、活性層1における情報の書き込み中にエネルギーを遮断するためのエネルギー遮断層が活性層2において備えられている。図2Aの例において、エネルギー遮断層は、透明なカバー層18に埋め込まれたパターニングされた反射マスク層3である。パターニングされた反射マスク層3は、好適には、金属であって、好適には、アルミニウムである比較的高い熱伝導性を有する材料の壁6、6´、...を有する。図2A及び2Bにおける壁6、6´、...は有効なビット位置5、5´、5"、...を取り囲んでいる。代替としての実施形態においては、壁6、6´、...の一部のみが与えられている。
【0027】
図2A及び2Bに示すような記録担体に情報が記憶(記録又は符号化)されるとき、記憶手段(例えば、レーザビーム)のスポットサイズは、好適には、所望のビット位置における活性層のみが活性化又は非活性化され、そして、隣接ビット位置は、(好適には)記憶手段により影響されない。しかしながら、ビット密度が記憶手段のスポットサイズの解像度より高い場合、(隣接)ビット位置間の好ましくないクロストークがもたらされる。
【0028】
記憶手段により放射される光ビームを、図2Aにおいては、光円錐8により模式的に示している。更に、記憶手段のスポットの強度プロファイルは図2Aにおいて曲線9により示されている。図2Bにおいては、強度プロファイルを参照番号9を有する破線の円により示している。図2Aに示している記憶手段のスポットの熱プロファイルは曲線10により示している。パターニングされた感謝マスク層3の壁6、6´、...は、図2A及び2Bの例においては、記録担体の活性層2において六方構造を構成している。これに対して、熱プロファイルを、図2Bにおいては、参照番号10を有する破線の六角形により示している。パターニングされた反射マスク層3は、記憶手段のスポットサイズを実際に減少させることにより活性層2に情報を書き込む際にエネルギーを遮断する。パターニングされた反射マスク層の効果は、スポットサイズが図2A及び2Bにおける参照番号5を有する“中心”ビットのサイズに実際には制限されることである。
【0029】
活性層2に備えられたパターニングされた反射マスク層3を用いることにより、ビット位置5、5´、5"、...は、クロストークを伴わずに、個別に識別されることができる。パターニングされた反射マスク層3はビット位置5、5´、5"、...間の光学的分離が可能であり、その光学的分離は、実際には、記録手段の解像度より大きい。それ故、比較的高いビット位置5、5´、5"、...の密度は、本発明に従った記録担体において認識されることができる。
【0030】
図2Aにおいては、パターニングされた反射マスク層3を活性層2の上部に示しているが、パターニングされた反射マスク層は又、記録スタックの一体的な一部を構成することができる。
【0031】
図3Aは、活性層2における位置xの関数として、本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の活性層に書き込む間の温度プロファイルWを示している。これと対応して、図3Bは、サーモクロミック層を有する記録担体の活性層2中からの情報の検索中の温度tの関数としての透過率Tを示している。記録手段のスポットのパワーが所定の第1閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域21により示されている)より小さい限り、スイッチング可能マスク層13は透明である。
【0032】
活性層に情報を記憶している間、スイッチング可能マスク層13は、情報が記憶されるビット位置5の場所において実質的に透明である必要がある一方、同時に、スイッチング可能マスク層13は、ビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...において実質的に不透明である。ビット位置5の場所において活性層2に情報を記憶する間に、記録手段のスポットのパワーは、ビット位置5の場所において及びビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...においてスイッチング可能マスク層13を不透明(吸収か又は反射)にする所定の第1閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域22により示されている)以上に増加される。所定の第2閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域23により示されている)以上にビット位置5の場所5において記録手段のスポットのパワーを更に増加させることにより、ビット位置5の場所5におけるスイッチング可能マスク層13は再び透明になる一方、同時に、スイッチング可能マスク層13は、ビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...において実質的に不透明のまま維持される。
【0033】
スイッチング可能マスク層13は、情報が書き込まれるようになっているビット5の場所において記憶手段の(スポットサイズ)の効果を高める一方、同時に、スイッチング可能マスク層13は、情報が書き込まれるようになっているビット5に隣接するビット5´、5"、...において記録手段の(スポットサイズ)の影響を減少させる。スイッチング可能マスクの適用の付加的有利点は、スイッチング可能マスク層のブロッキング部が最近接ビットまでの距離より非常に大きいことである。
【0034】
図3Aは又、本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の活性層から読み出し中の温度プロファイルRを示している。読み出し中、記録手段のスポットのパワーは所定の第1閾値(図3Aの温度Wにおける及び対応する図3Bの透過率Tにおける領域21により示されている)より非常に小さく、スイッチング可能マスク層13は透明である。
【0035】
図4Aは、予め選択されたビット位置5の活性層2において情報を記憶している間の本発明に従ったサーモクロミック層13を有する記録担体の側面図を示している。それに対応して、図4Bは、図4Aに示しているような記録担体の平面図を模式的に示している。ビット位置5の場所において、記録手段のスポットのパワーは、ビット位置5の場所におけるスイッチング可能マスク層13を透明にする図3A及び3Bに示す所定の第2閾値より大きい。その透明領域は、図4A及び4Bにおいて参照番号23により示されている。更に、ビット位置5の周りのビット位置5´、5"、...の場所における記録手段のスポットのパワーは、所定の第1閾値より大きく、ビット位置5´、5"、...の場所におけるスイッチング可能マスク層13を不透明にする図3A及び3Bに示している第2閾値より小さい。その不透明な領域は、図4A及び4Bにおいて参照番号22により示されている。
【0036】
図5Aは、予め選択されたビット位置における活性層からの情報の読み出し中の図3Aに示す記録担体の側面図を模式的に示している。それに対応して、図5Bは、図5Aに示す記録担体の平面図を模式的に示している。読み出し中、記録手段のスポットのパワーは、ビット位置5、5´、5"、...の場所においてスイッチング可能マスク層13を透明にする図3A及び3Bに示すような所定の第1閾値より非常に小さい。ビット位置5の回りのその透明な領域は図5Bにおいて参照番号21により示されている。
【0037】
図6Aは、深色サーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収特性を示している。図6Aの例においては、記録手段の波長λlaは約570nmに設定される。サーモクロミック層に対して用いられる材料の吸収特性は、環境温度(即ち、読み出し中の温度)において、吸収が殆どないか全くないように、例えば、サーモクロミック層が青色波長領域において吸収の最大値を示す(図6A、曲線a)ように選択される。その材料のサーモクロミック挙動のために、レッドシフトが温度上昇において観測され(図6A、曲線b)、図4A及び4Bのマスク領域22に対応している。更なる上昇の際に、レーザ波長におけるサーモクロミック層の吸収は又、減少し、連続するサーモクロミック挙動からもたらされたものである(図6A、曲線c)。
【0038】
サーモクロミックレッドシフトを用いることに代えて、サーモクロミックブルーシフトを用いることにより、類似する状態を得ることができる。図6Bは、淡色サーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収を示している。図6Bの実施例においては、記録手段の波長λlaは約570nmに設定されている。サーモクロミック層に対して用いられる材料の吸収特性は、環境温度(即ち、読み出し中の温度)において、吸収が殆どないか全くないように、例えば、サーモクロミック層が赤色波長領域において吸収の最大値を示す(図6B、曲線a)ように選択される。その材料のサーモクロミック挙動のために、ブルーシフトが温度上昇において観測され(図6B、曲線b)、図4A及び4Bのマスク領域22に対応している。更なる上昇の際に、レーザ波長におけるサーモクロミック層の吸収は又、減少し、連続するサーモクロミック挙動からもたらされたものである(図6B、曲線c)。
【0039】
図6A及び6Bにおいて示している挙動は十分に可逆的であり、数千を越える循環数が報告されている。WORMを適用する場合、その効果は1回又は2回のみ起こる必要があり、材料に関する要求を減少させる。
【0040】
上記のサーモクロミック層の実施は、特定波長及び吸収特性に調整された化学組成及び混合物組成を有する、単一の色素又は色素の混合物の使用に基づいている。代替として、
淡色(強度減少)シフトにより後続される、温度上昇と共に初期的サーモクロミック吸収効果(例えば、レッドシフト又はブルーシフト)を示す単一の色素又は色素の混合物を用いることが可能である。好適には、淡色効果は可逆的色素温度相互作用からもたらされる。
【0041】
好適には、サーモクロミック層は、有機であって好適には高分子の、無機の又は有機−無機混合の特性を有する固形体、半固形体又はタイプマトリクス状の高純度の細長いπ共役オリゴマー又はπ共役材料の高分子であって、特に、1乃至100%の範囲内の濃度のπ共役材料を有する。細長い(π)共役分子又は高分子においては、サーモクロミック効果は、温度に伴う立体配座の自由度における変化によりもたらされる。低い温度においては、立体配座の自由度は制限され、その結果、共役分子は比較的平面的な幾何学的構成を有する。温度の上昇と共に、立体配座の自由度が大きくなり、分子の幾何学的構成の平面性は低下する。従って、分子における有効な共役は温度の増加と共に減少し、結果的に吸収帯域のブルーシフトが得られる。
【0042】
好適には、サーモクロミック層はpH感応性色素分子と顕色剤とを有する。pHの変化と共に色(吸収スペクトル)が変化する多くの成分が知られている。そのような成分の例としては、フルオラン誘導体、クリスタルバイオレットラクトンがある。サーモクロミック混合物を、pH感応性色素が顕色剤及び溶剤と混合される場合に得ることができる。可逆的サーモクロミックシステムに対して、顕色剤は、一般に、弱酸である。pH感応性色素及び顕色剤は第3化合物中に溶解又は混合され、一般に、アルコール又はエステル系に属す。第3化合物(溶剤)の融点は、色変化が起こる温度を決定する。溶剤が溶ける又は柔らかくなるにつれて、色素はその弱酸と反応し、その結果、色変化が起こる。一般に、着色体は急速冷却により凍結され、無着色色素はゆっくりした冷却の際に形成される。
【0043】
好適には、サーモクロミック層は、色素分子が温度に依存して凝集することが可能である色素材料であって、特に、J型凝集又はH型凝集が可能である色素材料である。J型凝集の形成は吸収最大値のレッドシフトを結果としてもたらす一方、H型凝集の形成は吸収最大のブルーシフトと吸収のオフセットのレッドシフトとを結果としてもたらす。
【0044】
好適には、スイッチング可能マスク層は液晶材料であって、好適には、カイラルネマチック又はコレステリック液晶材料を有する。カイラルネマチック相又はコレステリック相は又、他の非コレステリックネマチック材料にカイラルドーパントを少量であって、典型的には、重量%で0.02乃至20%を添加することにより得られる。カイラルネマチック又はコレステリック液晶は、円偏光入力光の波長が次式のような反射条件を満たす場合に、偏光選択反射を示し、
【0045】
【数1】
ここで、λは反射光の波長であり、
【0046】
【数2】
は液晶の屈折率であり、そしてpは液晶ディレクタの螺旋のピッチ長さである。一体的に位置合わせされた液晶が用いられる(例えば、グランジャン(Grandjean)又はフィンガープリントテクスチャを有する)場合、入射円偏光光の1つの利き手(handedness)は吸収及び反射され、他の利き手は透過される。図7は、典型的なコレステリック材料に対する波長の関数としての透過率特性を示している。図7の曲線a乃至cの実施例においては、吸収スペクトルの位置は、コレステリックヘリックスの温度依存性ピッチ変動のために、温度の関数として移動する。それ故、異なる温度に対してのみ、円偏光入力レーザ波長のウィンドウ選択反射が生じる。任意に、温度は、コレステリック−アイソトロピック転移点以上に増加させることが可能である。図7の状態においては、用いられるレーザ波長が可視光の範囲内にある場合(図7、曲線d参照)、吸収及び/又は反射は生じない。用いるコレステリック材料の選択は、用いるレーザ波長と、必要な液晶材料及び環境の必要な温度ウィンドウ及び屈折率とに依存する。透過層の厚さの関係とそれらの材料のスイッチング動力学は液晶材料を有するスイッチング可能マスク層の重要なパラメータである。特に、実質的な吸収及び反射が起こるためには、少なくとも10ピッチ長が、好適には、必要である。これは、比較的厚い層が必要とされることを意味している。
【0047】
図4A及び図5Aにおいては、スイッチング可能マスク層13は活性層2の上部に示されているが、スイッチング可能マスク層13は又、活性層の一体的な一部を構成することができる。
【0048】
図8は、活性層2を備えた基板1において、本発明に従ったスイッチング可能マスク層13とパターニングされた反射マスク層3を有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態を模式的に示している。
【0049】
上記の実施形態は本発明を限定するのではなく例示しているものであり、当業者は、同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく多くの代替の実施形態を設計することができることに留意する必要がある。表現“を有する”及びその派生表現を使用することは、請求項に記載されている要素又は段階以外の存在を排除するものではない。要素の単数表現はその要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの異なる要素を有するハードウェアにより及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施されることが可能である。幾つかの手段を列挙している装置請求項において、それらの手段の幾つかがハードウェアの同一のアイテムにより実施されることが可能である。特定の手段が互いに異なる従属請求項に挙げられているという事実のみで、それらの手段の組み合わせが有利に用いられることができないことを表すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に従った情報の光学的記憶及び検索のための記録担体を示す図である。
【図2A】予め選択されたビット位置の活性層において情報を記憶している間にパターニングされた反射マスク層を有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態の側面図である。
【図2B】図2Aに示す記録担体の平面図である。
【図3A】本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の温度プロファイルを示す図である。
【図3B】温度の関数として図2Aに示すサーモクロミック層の透過関数を示す図である。
【図4A】予め選択されたビット位置の活性層において情報を記憶している間に本発明に従ったサーモクロミック層を有する記録担体の側面図である。
【図4B】図4Aに示す記録担体の平面図である。
【図5A】予め選択されたビット位置の活性層からの情報の読み出し中の図3Aに示す記録担体の側面図である。
【図5B】図5Aに示す記録担体の平面図である。
【図6A】深色のサーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収特性を示す図である。
【図6B】淡色のサーモクロミック層に対する波長の関数としての吸収特性を示す図である。
【図7】コレステリック材料に対する波長の関数としての透過特性を示す図である。
【図8】本発明に従ったスイッチング可能マスク層とパターニングされた反射マスク層とを有する情報の光学的記憶及び検索のための記録担体の実施形態を示す図である。
【図1A】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の光学的記憶及び検索のための記録担体であって:
基板;
情報の保持のための活性層であって、前記情報の前記記憶及び前記検索のためのビット位置符号化を採用している、活性層;並びに
前記活性層における前記情報の書き込み中にエネルギーを遮断するためのエネルギー遮断層;
を有することを特徴とする記録担体。
【請求項2】
請求項1に記載の記録担体であって、前記エネルギー遮断層はパターニングされた反射マスク層を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項3】
請求項2に記載の記録担体であって、前記のパターニングされた反射マスク層は比較的高い熱伝導性を有する材料を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の記録担体であって、前記のパターニングされた反射マスク層は、好適には、アルミニウム、銀、金又は銅を有する金属又は金属合金を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項5】
請求項1に記載の記録担体であって、前記エネルギー遮断層はスイッチング可能マスク層を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項6】
請求項5に記載の記録担体であって、前記スイッチング可能マスク層は、前記活性層からの情報の前記検索中、実質的に透明である、ことを特徴とする記録担体。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の記録担体であって、前記スイッチング可能マスク層はサーモクロミック層を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項8】
請求項7に記載の記録担体であって、前記サーモクロミック層は、有機であって好適には高分子の、無機の又は有機−無機混合の特性を有する固形体、半固形体又はゲルタイプマトリクス状の高純度の細長いπ共役オリゴマー又はπ共役材料の高分子であって、特に、1乃至100%の範囲内の濃度のπ共役材料を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項9】
請求項7に記載の記録担体であって、前記サーモクロミック層はpH感応性色素分子と顕色剤とを有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項10】
請求項7に記載の記録担体であって、前記サーモクロミック層は、前記色素分子が凝集する色素材料であって、特に、J型凝集又はH型凝集を形成する、色素材料である、ことを特徴とする記録担体。
【請求項11】
請求項5又は6に記載の記録担体であって、前記スイッチング可能マスク層は液晶材料であって、好適には、カイラルネマチック又はコレステリック液晶材料を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項12】
請求項1、2、5及び6の何れ一項に記載の記録担体であって、前記エネルギー遮断層はパターニングされた反射マスク層とスイッチング可能マスク層とを有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項1】
情報の光学的記憶及び検索のための記録担体であって:
基板;
情報の保持のための活性層であって、前記情報の前記記憶及び前記検索のためのビット位置符号化を採用している、活性層;並びに
前記活性層における前記情報の書き込み中にエネルギーを遮断するためのエネルギー遮断層;
を有することを特徴とする記録担体。
【請求項2】
請求項1に記載の記録担体であって、前記エネルギー遮断層はパターニングされた反射マスク層を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項3】
請求項2に記載の記録担体であって、前記のパターニングされた反射マスク層は比較的高い熱伝導性を有する材料を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の記録担体であって、前記のパターニングされた反射マスク層は、好適には、アルミニウム、銀、金又は銅を有する金属又は金属合金を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項5】
請求項1に記載の記録担体であって、前記エネルギー遮断層はスイッチング可能マスク層を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項6】
請求項5に記載の記録担体であって、前記スイッチング可能マスク層は、前記活性層からの情報の前記検索中、実質的に透明である、ことを特徴とする記録担体。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の記録担体であって、前記スイッチング可能マスク層はサーモクロミック層を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項8】
請求項7に記載の記録担体であって、前記サーモクロミック層は、有機であって好適には高分子の、無機の又は有機−無機混合の特性を有する固形体、半固形体又はゲルタイプマトリクス状の高純度の細長いπ共役オリゴマー又はπ共役材料の高分子であって、特に、1乃至100%の範囲内の濃度のπ共役材料を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項9】
請求項7に記載の記録担体であって、前記サーモクロミック層はpH感応性色素分子と顕色剤とを有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項10】
請求項7に記載の記録担体であって、前記サーモクロミック層は、前記色素分子が凝集する色素材料であって、特に、J型凝集又はH型凝集を形成する、色素材料である、ことを特徴とする記録担体。
【請求項11】
請求項5又は6に記載の記録担体であって、前記スイッチング可能マスク層は液晶材料であって、好適には、カイラルネマチック又はコレステリック液晶材料を有する、ことを特徴とする記録担体。
【請求項12】
請求項1、2、5及び6の何れ一項に記載の記録担体であって、前記エネルギー遮断層はパターニングされた反射マスク層とスイッチング可能マスク層とを有する、ことを特徴とする記録担体。
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2007−503675(P2007−503675A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530831(P2006−530831)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050668
【国際公開番号】WO2004/102543
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050668
【国際公開番号】WO2004/102543
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】
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