説明

情報を表示する端末、システム、方法及びプログラム

【課題】速報性の高さを維持しつつ、ユーザが求める情報をより確実に表示することの可能な端末を提供、システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】端末3は、タッチパネル式の情報表示部33に逐次表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付部31と、ユーザがタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、情報表示部33に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付部34とを備え、情報表示部33は、縮減操作受付部34が操作を受け付けたことに応じて、表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで情報表示部33に表示する情報の量を縮減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する端末、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、TWITTER(登録商標)等のサービスが急速に普及している(例えば、非特許文献1参照)。TWITTER(登録商標)は、単にユーザがつぶやいた独り言の文字列等を通信ネットワークを介して受信して公衆に閲覧可能に記憶するだけのものであるが、所定のユーザのつぶやきを更新のつど閲覧したり(フォロー)、あるユーザのつぶやきに対して他のユーザがそれを引用して自らのつぶやきとしたり(リツイート)、所定のユーザのつぶやきに自らのコメントを追加して投稿したり(クオートツイート)することもできる。このように、さまざまな形態での応答が発展することにより、あたかも大勢で会話しているかのような感覚を与えることができる。
【0003】
また、TWITTER(登録商標)の魅力として、速報性の高さも挙げられる。例えば、どこかで地震が起こると、「地震だ!」というつぶやきが投稿され、このつぶやきに対し、フォロー、リツイート、クオートツイートが次々に行われる。その結果、地震が発生したことの情報をテレビのニュースやインターネットのニュースサイトよりも早く提供できる場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ツイッター完全活用術、日本、アスキー・メディアワークス、2010年2月26日、8〜9頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、既存の技術では、サーバから配信される情報を、配信された順に順次表示するだけである。そのため、例えば、地震の震源地から遠いユーザにとって、地震の情報は、特段重要ではないが、この地震の情報が短時間に多数配信されることにより、ユーザは、より重要な情報を閲覧できなくなる可能性がある。
【0006】
本発明は、速報性の高さを維持しつつ、ユーザが求める情報をより確実に表示することの可能な端末、システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
(1) サーバから配信される情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段が受信した情報を、受信した順に配列して逐次表示するタッチパネル式の情報表示手段とを備える端末であって、前記情報表示手段に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付手段と、ユーザが前記情報表示手段のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示手段に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付手段とをさらに備え、前記情報表示手段は、前記縮減操作受付手段が操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示手段に表示する情報の量を縮減する端末。
【0009】
(1)に記載の発明によれば、表示優先順位指定操作受付手段は、情報表示手段に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付け、縮減操作受付手段は、ユーザがタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、情報表示手段に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける。そして、情報表示手段は、縮減操作受付手段が操作を受け付けたことに応じて、表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで、情報表示手段に表示する情報の量を縮減する。これにより、ユーザにとって表示優先順位の低い情報が短時間に多数配信された場合であっても、表示優先順位の低い情報から順に適宜非表示とし、表示優先順位の高い情報だけを残して表示できるので、速報性の高さを維持しつつ、ユーザに対し、表示優先順位の高い情報を確実に伝えることの可能な端末を提供できる。
【0010】
(2) (1)に記載の端末であって、ユーザが前記情報表示手段のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を、前記情報表示手段に表示する情報の量の増大指示として受け付ける増大操作受付手段をさらに備え、前記情報表示手段は、前記増大操作受付手段が操作を受け付けたことに応じて、前記情報表示手段が非表示にした情報であっても、前記表示優先順位の高い情報から順に表示することで、前記情報表示手段に表示する情報の量を増大する端末。
【0011】
(2)に記載の発明によれば、優先順位の高い情報を全て閲覧し、優先順位の低い情報についても詳細に閲覧したい場合、ユーザは、タッチパネル上の二点に接触し、その接触した二点間の距離であって、情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を行うだけで、増大操作受付手段がその操作を受け付け、情報表示手段は、優先順位の高い順にその情報を表示する。よって、情報を閲覧できる時間等に応じて、優先順位の高い情報だけに絞って閲覧するか、優先順位の低い情報も詳細に見るかを、タッチパネル上の二点に接触し、その接触した二点間の距離の伸縮操作だけで自在に選択可能な端末を提供できる。
【0012】
(3) 情報を配信するサーバと、このサーバから配信される情報を、受信した順に配列して表示する端末とを備えるシステムであって、前記サーバは、前記情報を配信する情報配信手段を有し、前記端末は、前記サーバから配信された情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段が受信した情報を、受信した順に配列して逐次表示するタッチパネル式の情報表示手段と、前記情報表示手段に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付手段と、ユーザが前記情報表示手段のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示手段に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付手段とを有し、前記情報表示手段は、前記縮減操作受付手段が操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示手段に表示する情報の量を縮減するシステム。
【0013】
(4) サーバから配信される情報を、受信した順に逐次配列して端末に表示する方法であって、前記端末が、前記サーバから配信された情報を受信する情報受信工程と、前記端末が、前記情報受信工程で受信した情報を、受信した順に配列してタッチパネル式の画面に逐次表示する情報表示工程と、前記端末が、前記情報表示工程で表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付工程と、前記端末が、ユーザが前記タッチパネル式の画面上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示工程で表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示工程で表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付工程とを含み、前記情報表示工程では、前記縮減操作受付工程で操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示工程で表示する情報の量を縮減する方法。
【0014】
(5) サーバから配信される情報を、受信した順に逐次配列して端末に表示させるためのプログラムであって、前記サーバから配信された情報を受信する情報受信工程と、前記情報受信工程で受信した情報を、受信した順に配列してタッチパネル式の画面に逐次表示する情報表示工程と、前記情報表示工程で表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付工程と、ユーザが前記タッチパネル式の画面上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示工程で表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示工程で表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付工程とを前記端末に実行させ、前記情報表示工程では、前記縮減操作受付工程で操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示工程で表示する情報の量を縮減させる処理を前記端末に実行させるためのプログラム。
【0015】
(3)に記載のシステムによれば、当該システムに係る発明を実施することにより、(1)と同様の効果が期待できる。(4)に記載の方法によれば、当該方法に係る発明を実施することにより、(1)と同様の効果が期待できる。また、(5)記載のプログラムによれば、当該プログラムに係る発明を実施することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、速報性の高さを維持しつつ、ユーザが求める情報をより確実に表示することの可能な端末を提供、システム、方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るシステム1を説明するための全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る表示優先順位データベース41を示す図である。
【図3】本実施形態に係る端末3のフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るシステム1、端末3、方法及びプログラムを実施したときの端末3による情報の受信例を示す図である。
【図5】端末3が図4の例にしたがって情報を受信したときの端末3の画面50での表示例を示す図である。
【図6】図5に続く図である。
【図7】変形例に係る配信情報データベースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0019】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るシステム1及び端末3を説明するための全体構成を示す図である。システム1は、情報を配信するサーバ2と、このサーバ2とネットワークを介して接続され、サーバ2から配信される情報を、受信した順に配列して表示する端末3とを備える。端末3は、タッチパネル式のものであれば、種類を問うものではない。例えば、端末3は、携帯端末であってもよいし、店舗等に設置されるデジタルサイネージであってもよい。
【0020】
まず、サーバ2の構成について説明する。サーバ2は、制御部10を備える。制御部10は、サーバ2に係る各機能を統括的に制御する部分であり、端末3に情報を配信する情報配信部11を備える。この情報配信部11は、情報配信手段として機能する。
【0021】
続いて、端末3の構成について説明する。端末3は、制御部30と、記憶部40とを備える。制御部30は、端末3に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付部31を備え、記憶部40は、表示優先順位指定操作受付部31で受け付けた表示優先順位の内容を記憶する表示優先順位データベース41とを備える。これら表示優先順位指定操作受付部31及び表示優先順位データベース41は、表示優先順位指定操作受付手段として機能する。
【0022】
表示優先順位データベース41は、図2に例示される。表示優先順位データベース41は、サーバ2に情報を送信した端末(図示せず)を識別するための「受信情報ID」フィールドと、この受信情報IDに対応する端末からサーバ2に送信された情報を、実際に端末3で表示する優先順位を識別するための「表示優先順位」フィールドとを有する。例えば、ユーザが、優先順位を受信情報ID「A」、「B」、「C」の順であると指定したときは、表示優先順位データベース41の受信情報IDフィールドAに対しては1が、Bに対しては2が、Cに対しては3が記憶される。
【0023】
図1に戻り、制御部30は、情報配信部11から配信された情報を受信する情報受信部32を備える。情報受信部32は、情報受信手段として機能する。
【0024】
制御部30は、情報受信部32が受信した情報を、受信した順に配列して逐次表示する情報表示部33を備える。情報表示部33は、情報表示手段として機能する。ここで、「受信した順」は、最も新しく受信した順であり、情報表示部33には、最も新しく受信した情報が最初に表示され、他の情報は、時系列に遡って一方向に配列して表示される。情報表示部33は、後に説明する縮減操作及び増大操作を行うため、タッチパネル式であることを要するが、その他の制限はない。
【0025】
制御部30は、ユーザが情報表示部33のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を縮める縮減操作を、情報表示部33に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付部34を備える。縮減操作受付部34は、縮減操作受付手段として機能する。
【0026】
縮減操作受付部34が縮減操作を受け付けると、情報表示部33は、縮減操作受付部34が操作を受け付けたことに応じて、表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで情報表示部33に表示する情報の量を縮減する。例えば、情報表示部33が受信情報ID「A」〜「C」の情報を表示する間に縮減操作受付部34が縮減操作を受け付けた場合、情報表示部33は、表示優先順位データベース41を参照し、表示優先順位が最も低い受信情報ID「C」の情報を非表示にすることで情報表示部33に表示する情報の量を縮減する。そして、縮減操作受付部34がさらに縮減操作を受け付けた場合、情報表示部33は、表示優先順位データベース41を参照し、次に表示優先順位が低い受信情報ID「B」の情報を非表示にすることで情報表示部33に表示する情報の量を縮減する。
【0027】
また、制御部30は、ユーザが情報表示部33のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を、情報表示部33に表示する情報の量の増大指示として受け付ける増大操作受付部35を備える。増大操作受付部35は、増大操作受付手段として機能する。
【0028】
増大操作受付部35が増大操作を受け付けると、情報表示部33は、いったん非表示にした情報であっても、表示優先順位の高い情報から順に表示することで、情報表示部33に表示する情報の量を増大する。例えば、受信情報ID「C」の情報及び受信情報ID「B」の情報を非表示にし、いったん情報表示部33に表示する情報の量を縮減した場合であっても、増大操作受付部35が縮減操作を受け付けた場合、情報表示部33は、表示優先順位データベース41を参照し、非表示にした受信情報IDの中で最も表示優先順位の高い受信情報ID「B」の情報を表示し、情報表示部33に表示する情報の量を増大する。そして、増大操作受付部35がさらに縮減操作を受け付けた場合、情報表示部33は、表示優先順位データベース41を参照し、次に表示優先順位が高い受信情報ID「C」の情報を表示し、情報表示部33に表示する情報の量を増大する。
【0029】
[本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成]
本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成について説明する。サーバ2及び端末3のハードウェアには、制御装置(制御部)としてのCPUの他、記憶装置(記憶部)、通信装置(通信部)、表示装置(表示部)及び入力装置(入力部)が含まれる。記憶装置(記憶部)としては、例えば、メモリ(RAM、ROM等)、ハードディスクドライブ(HDD)又は光ディスク(CD、DVD等)ドライブ等が挙げられる。通信装置(通信部)としては、例えば、各種有線又は無線インターフェース装置等が挙げられる。表示装置(表示部)としては、例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置(入力部)としては、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス(マウス等)又はリモコン装置等が挙げられる。
【0030】
サーバ2及び端末3のソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するプログラムやデータが含まれる。プログラムやデータは、記憶装置(記憶部)により記憶され、制御装置(制御部)により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、電磁的方法により配布することも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布することも可能である。
【0031】
[フローチャート]
図3は、本実施形態に係る端末3のフローチャートである。
【0032】
ステップS1では、表示優先順位指定操作受付部31は、情報表示部33に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける。この処理で受け付けた内容は、表示優先順位データベース41に記憶される。例えば、図2で例示したように、ユーザが、受信情報ID「A」を優先順位「1」と指定し、受信情報ID「B」を優先順位「2」と指定し、受信情報ID「C」を優先順位「3」と指定する場合、表示優先順位指定操作受付部31は、この指定の操作を受け付け、表示優先順位データベース41に記憶させる。
【0033】
例えば、端末3のユーザが企業等の組織に所属している場合には、所属する企業等の組織が配信する情報の受信情報IDを優先順位「1」にし、業界紙の配信元の受信情報ID、一般ニュースの配信元の受信情報ID、趣味や芸能ニュースの配信元の受信情報ID、・・・といった順番で表示優先順位を指定することが考えられる。また、例えば、端末3のユーザが学生であるならば、所属する学校や学部が配信する情報の受信情報ID(オフィシャルID)を優先順位「1」にし、履修中のクラスの担当教授が配信する情報の受信情報IDや自身が所属するゼミが配信する情報の受信情報ID、自身が所属するサークルが配信する情報の受信情報ID、・・・といった順番で表示優先順位を指定することが考えられる。また、ユーザの属性にかかわらず、地震速報や災害情報を流す「気象庁」や「自治体」の配信する情報の受信情報IDを最上位の優先順位にしておくことも考えられる。
【0034】
ステップS2では、情報受信部32は、サーバ2の情報配信部11から配信された情報を受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、情報受信部32は、処理をステップS3に移し、NOのときは、情報受信部32は、ステップS2の処理を繰り返す。ステップS3では、情報受信部32は、サーバ2の情報配信部11から配信された情報を受信する。ステップS4では、情報表示部33は、情報受信部32が受信した情報を、受信した順に配列して逐次表示する。
【0035】
ステップS5では、縮減操作受付部34が縮減操作を受け付けたか否かを判別する。この処理では、縮減操作受付部34が、ユーザが情報表示部33のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を受け付けたか否かを判別する。この判別がYESのときは、縮減操作受付部34は、処理をステップS6に移し、NOのときは、縮減操作受付部34は、処理をステップS7に移す。ステップS6では、情報表示部33は、表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで、情報表示部33に表示する情報の量を縮減する。
【0036】
ステップS7では、増大操作受付部35が増大操作を受け付けたか否かを判別する。この処理では、増大操作受付部35が、ユーザが情報表示部33のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を受け付けたか否かを判別する。この判別がYESのときは、増大操作受付部35は、処理をステップS8に移し、NOのときは、増大操作受付部35は、処理をステップS9に移す。ステップS8では、情報表示部33は、いったん非表示にした情報であっても、表示優先順位の高い情報から順に表示することで、情報表示部33に表示する情報の量を増大する。
【0037】
ステップS9では、情報受信部32は、サーバ2の情報配信部11から配信された情報を受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、情報受信部32は、処理をステップS3に移し、NOのときは、処理をステップS10に移す。
【0038】
ステップS10では、制御部30は、処理を終了するか否かを判別する。この判別がYESのときは、制御部30は、処理を終了し、NOのときは、処理をステップS5に移す。
【0039】
[本実施形態に係るシステム1の実施例]
図4は、本実施形態に係るシステム1、端末3、方法及びプログラムを実施したときの端末3による情報の受信時刻、受信情報ID及び受信情報の内容の例を示す図である。
図5及び図6は、端末3がタッチパネル式の携帯電話機である場合に、本実施形態に係るシステム1、端末3、方法及びプログラムを実施し、端末3が図4の例にしたがって情報を受信したときの端末3の画面50での表示例を示す図である。
【0040】
図4において、端末3の情報受信部32は、サーバ2の情報配信部11から配信される情報を逐次受信する。例えば、情報受信部32は、2010年3月29日10時2分に、受信情報ID「B」に対応する、フィギュアスケートの感想を入力する端末から情報配信部11に送信した情報「フィギュア世界選手権、男子も女子も金メダル!!!」を受信し、続いて、同5分に、受信情報ID「A」に対応する、ニュースを提供する端末から情報配信部11に送信した情報「日経平均株価が○○円に回復する勢いです。」を受信する。
【0041】
図5の(a)は、情報受信部32が情報配信部11から情報を受信し、その受信した情報を情報表示部33に表示させたときの一例を示す図である。図5の(b)は、図5の(a)の例において、縮減操作受付部34が縮減操作を受け付けたときの情報表示部33の一例を示す図である。図6の(a)は、図5の(b)の例において、縮減操作受付部34が縮減操作をさらに受け付けたときの情報表示部33の一例を示す図である。図6の(b)は、図6の(a)の例において、増大操作受付部35が増大操作を受け付けたときの情報表示部33の一例を示す図である。
【0042】
以下では、図5及び図6について詳細に説明する。
【0043】
図5の(a)は、情報受信部32が情報配信部11から情報を受信し、その受信した情報を情報表示部33に表示させたときの一例を示す図である。情報受信部32は、図4の例にしたがい、情報配信部11から情報を受信する。そして、情報表示部33は、情報受信部32が受信した情報を、受信した順に配列して逐次表示する。
【0044】
図5の(a)は、このときの画面50での表示例である。画面50には、情報受信部32が受信した情報が、受信した順に配列して逐次表示される。図4を例にすると、2010年3月9日10時25分現在、画面の最も上には、受信情報ID「A」に対応する端末から10時20分に配信された情報、すなわち「スカイツリーが東京タワーを超える高さになりました。」という情報が表示され、以下、受信情報ID「C」に対応する、サッカー観戦の感想を入力する端末から同19分に配信された情報、すなわち「入ったあ。勝ち越しだあ。」という情報、受信情報ID「B」に対応する端末から同18分に配信された情報、すなわち「エキシビジョンが楽しみだね。」という情報の順に表示される。
【0045】
この表示例では、受信情報ID「A」〜「C」の情報が全て表示されているため、優先順位が高い受信情報IDの情報であっても、10時25分以前に配信された情報を一目で確認することができない。そこで、ユーザは、画面50のタッチパネル上の二点に接触し、さらに、その接触した二点間の距離であって、画面50で表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を行っている。
【0046】
図5の(b)は、図5の(a)の例において、縮減操作受付部34が縮減操作を受け付けたときの情報表示部33の一例を示す図である。縮減操作受付部34が縮減操作を受け付けると、情報表示部33は、表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで情報表示部33に表示する情報の量を縮減する。図4の例では、最も優先順位が低い受信情報IDは「C」なので、図6の画面50には、表示優先順位の低い受信情報ID「C」の情報が非表示になり、受信情報ID「B」の情報及び受信情報ID「A」の情報だけが表示される。図5の(b)例では、ユーザは、さらに縮減操作を行っている。
【0047】
図6の(a)は、図5の(b)の例において、縮減操作受付部34が縮減操作をさらに受け付けたときの情報表示部33の一例を示す図である。図4の例では、次に優先順位が低い受信情報IDはBなので、図6の(a)の画面50には、次に表示優先順位の低い受信情報ID「B」の情報が非表示になり、受信情報ID「A」の情報だけが表示される。図6の(a)の例では、ユーザは、続いて画面50のタッチパネル上の二点に接触し、さらに、その接触した二点間の距離であって、画面50で表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を行っている。
【0048】
図6の(b)は、図6の(a)の例において、増大操作受付部35が増大操作を受け付けたときの情報表示部33の一例を示す図である。図4の例では、非表示にした受信情報IDの中で最も表示優先順位の高い受信情報IDは「B」なので、図6の(a)の画面50には、すでに表示されている情報に加え、受信情報ID「B」の情報も表示される。
【0049】
本実施例によると、表示優先順位指定操作受付部31は、情報表示部33に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付け、縮減操作受付部34は、ユーザがタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、情報表示部33に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける。そして、情報表示部33は、縮減操作受付部34が操作を受け付けたことに応じて、表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで、情報表示部33に表示する情報の量を縮減する。これにより、TWITTER(登録商標)のようにサーバ2で情報を管理しておらず、サーバ2があらゆる情報を端末3に配信することにより、情報受信部12がユーザにとって表示優先順位の低い情報を短時間に多数受信するような場合であっても、ユーザは、表示優先順位の低い情報から順に適宜非表示とし、表示優先順位の高い情報だけを残して情報表示部33に表示できるので、速報性の高さを維持しつつ、ユーザに対し、表示優先順位の高い情報を確実に伝えることの可能な端末3を提供できる。
【0050】
また、増大操作受付部35は、ユーザが情報表示部のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を、情報表示部33に表示する情報の量の増大指示として受け付ける。そして、情報表示部33は、増大操作受付部35が操作を受け付けたことに応じて、情報表示部33が非表示にした情報であっても、表示優先順位の高い情報から順に表示することで、情報表示部33に表示する情報の量を増大する。ユーザにとってみると、優先順位の高い受信情報IDの情報を全て閲覧し、優先順位の低い受信情報IDの情報についても詳細に閲覧したい場合、タッチパネル上の二点に接触し、その接触した二点間の距離であって、情報表示部33が表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を行うだけで、増大操作受付部35がその操作を受け付け、情報表示部33は、優先順位の高い受信情報IDの順にその受信情報IDの情報を表示する。よって、情報を閲覧できる時間等に応じて、優先順位の高い受信情報IDの情報だけに絞って閲覧するか、優先順位の低い受信情報IDの情報も詳細に見るかを、タッチパネル上の二点に接触し、その接触した二点間の距離の伸縮操作だけで自在に選択可能な端末3を提供できる。
【0051】
本実施例では、TWITTER(登録商標)に適用した例を説明しているが、これに限るものでなく、例えば、デジタルサイネージにも適用できる。デジタルサイネージに適用する場合、TWITTER(登録商標)と異なり、端末3に配信する情報を、この情報の属性を識別するためのカテゴリとともにサーバ2が管理してもよい。例えば、図7に示すように、商品の概略を示す情報をカテゴリ「a」とし、商品の詳細を示す情報をカテゴリ「b」とし、ユーザの感想を示す情報をカテゴリ「c」とする。そして、端末3のユーザは、同じ受信情報ID(デジタルサイネージの場合は、広告の配信元のID等がこれにあたる)であっても、カテゴリ「a」、「b」、「c」の順に表示優先順位を規定する。これにより、商品の概略を知りたい人は、縮減操作を繰り返すことにより、優先順位の高いカテゴリ「a」の情報だけを閲覧し、商品の詳細を知りたい人は、増大操作を繰り返すことにより、優先順位の低いカテゴリ「b」、「c」の情報も含めて閲覧することの可能なデジタルサイネージを提供できる。また、図示は省略するが、受信情報IDとカテゴリの各々について表示優先順位を規定し、受信情報IDとカテゴリの各々について縮減操作・増大操作をできるようにしてもよい。これにより、例えば、受信情報ID「A」と「B」とを表示させ、さらに受信情報ID「A」については、カテゴリ「a」と「b」との両方を表示させ、受信情報ID「B」については、カテゴリ「a」だけを表示させるといったことが可能となる。
【0052】
なお、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 システム
2 サーバ
3 端末
10 サーバの制御部
11 情報配信部
20 サーバの記憶部
21 配信情報データベース
30 端末の制御部
31 表示優先順位指定操作受付部
32 情報受信部
33 情報表示部
34 縮減操作受付部
35 増大操作受付部
40 端末の記憶部
41 表示優先順位データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから配信される情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段が受信した情報を、受信した順に配列して逐次表示するタッチパネル式の情報表示手段とを備える端末であって、
前記情報表示手段に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付手段と、
ユーザが前記情報表示手段のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示手段に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付手段とをさらに備え、
前記情報表示手段は、前記縮減操作受付手段が操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示手段に表示する情報の量を縮減する端末。
【請求項2】
請求項1に記載の端末であって、
ユーザが前記情報表示手段のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を伸ばす操作を、前記情報表示手段に表示する情報の量の増大指示として受け付ける増大操作受付手段をさらに備え、
前記情報表示手段は、前記増大操作受付手段が操作を受け付けたことに応じて、前記情報表示手段が非表示にした情報であっても、前記表示優先順位の高い情報から順に表示することで、前記情報表示手段に表示する情報の量を増大する端末。
【請求項3】
情報を配信するサーバと、このサーバから配信される情報を、受信した順に配列して表示する端末とを備えるシステムであって、
前記サーバは、
前記情報を配信する情報配信手段を有し、
前記端末は、
前記サーバから配信された情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段が受信した情報を、受信した順に配列して逐次表示するタッチパネル式の情報表示手段と、
前記情報表示手段に表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付手段と、
ユーザが前記情報表示手段のタッチパネル上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示手段が表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示手段に表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付手段とを有し、
前記情報表示手段は、前記縮減操作受付手段が操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示手段に表示する情報の量を縮減するシステム。
【請求項4】
サーバから配信される情報を、受信した順に逐次配列して端末に表示する方法であって、
前記端末が、前記サーバから配信された情報を受信する情報受信工程と、
前記端末が、前記情報受信工程で受信した情報を、受信した順に配列してタッチパネル式の画面に逐次表示する情報表示工程と、
前記端末が、前記情報表示工程で表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付工程と、
前記端末が、ユーザが前記タッチパネル式の画面上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示工程で表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示工程で表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付工程とを含み、
前記情報表示工程では、前記縮減操作受付工程で操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示工程で表示する情報の量を縮減する方法。
【請求項5】
サーバから配信される情報を、受信した順に逐次配列して端末に表示させるためのプログラムであって、
前記サーバから配信された情報を受信する情報受信工程と、
前記情報受信工程で受信した情報を、受信した順に配列してタッチパネル式の画面に逐次表示する情報表示工程と、
前記情報表示工程で表示する情報の表示優先順位を指定する操作を受け付ける表示優先順位指定操作受付工程と、
ユーザが前記タッチパネル式の画面上の二点に接触する操作を受け付け、さらに、その接触した二点間の距離であって、前記情報表示工程で表示する情報の配列の方向における距離を縮める操作を、前記情報表示工程で表示する情報の量の縮減指示として受け付ける縮減操作受付工程とを前記端末に実行させ、
前記情報表示工程では、
前記縮減操作受付工程で操作を受け付けたことに応じて、前記表示優先順位の低い情報から順に非表示にすることで前記情報表示工程で表示する情報の量を縮減させる処理を前記端末に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−215861(P2011−215861A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83062(P2010−83062)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】