説明

情報コンセント

【課題】汎用性のある情報コンセントにおいて、FTTHの先行配線が可能となるとともに、光ケーブルの交換作業が容易な情報コンセントを提供する。
【解決手段】情報コンセントは、加入者線のケーブルと接続される加入者線接続部30と、通信機器とLANケーブルにて接続されるLANケーブル接続部20と、ONUと光ケーブルにて接続される光コンセント部10と、加入者線接続部30、LANケーブル接続部20、及び光コンセント部10を一体的に収容するハウジングとを備える。そして、ハウジングには、壁面の裏面側に配線された第1光ケーブルの端部に設けられたプラグを接続するレセクタプル11が取り付けられ、且つ、ハウジングには、第1光ケーブルの余長分が許容最小曲率半径より大きい曲率半径で巻き付ける外側巻付部62及び内側巻付部63を有する余長収容部60が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加入者線のケーブルと接続される加入者線接続端子と、通信機器とメタル線にて接続されるメタル線接続端子と、通信機器と光ケーブルにて接続される光ケーブル接続端子と、これら加入者線接続端子、メタル線接続端子、及び光ケーブル接続端子を一体的に収容するハウジングとを備える情報コンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電話機やファクシミリ等の通信機器に接続されたプラグをそれぞれ接続可能な複数個の接続端子を備える情報コンセントが提供されている。また、近年、ケーブルテレビ用の回線や光ケーブルの回線を用いたインターネットへの接続サービスがあり、従来の電話機用の接続端子では対応できないような多様な通信サービスが提供されている。
【0003】
上記サービスに対応するため、本出願人は、特許文献1のように、ハウジングに電話機用の接続端子と、ケーブルテレビ用の同軸ケーブルや光ケーブルを挿通可能とする貫通孔を設けた汎用性のある情報コンセントを提案している。
【0004】
図15を参照して、特許文献1のような情報コンセントの構造について説明する。
図15に示すように、情報コンセント100の外枠を構成するハウジング110には、3個のプラグ挿入穴111〜113と、壁面等の造営材の施工面から引き出された光ケーブルが挿通されるケーブル挿入穴114とが設けられている。
【0005】
これらプラグ挿入穴111〜113は、電話機用プラグ挿入穴111と、LAN用プラグ挿入穴112,113とにより構成されている。そして、ケーブル挿入穴114には、光ケーブルCが情報コンセント100の裏側から表側へ引き出されている。
【特許文献1】特開2007−227175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、光ケーブルは、家屋等の造営物に設けられるとともに、屋外の電線と光ケーブルを介して接続するキャビネットから情報コンセント100に向かい配線されている。そして、ケーブル挿入穴114を介して情報コンセント100の裏側から表側へ引き出された光ケーブルは、回線終端装置(ONU)に接続されている。そして、回線終端装置は、ルータを介してパソコン等の通信機器に接続されている。したがって、光ケーブルは、造営物に設けられた部屋内にも配線されることとなる。
【0007】
ここで、情報コンセント100から回線終端装置に接続される光ケーブルは、何らかの原因によって折れてしまった場合、光ケーブルの光伝送損失が増大してしまう。その結果、光ケーブルを交換必要がある。しかしながら、光ケーブルは、キャビネットから回線終端装置までを直接接続することにより、壁面の内側の光ケーブルの部分から全てを交換する必要があった。そのため、光ケーブルCの交換作業が困難であった。
【0008】
その上、光ケーブルが回線終端装置に直接接続されるため、FTTH(Fiber To The Home)を導入する際に、光通信サービスの加入前に光ケーブルの配線を行う、いわゆる、先行配線を行うことができない問題がある。
【0009】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、汎用性のある情報コンセントにおいて、FTTHの先行配線が可能となるとともに、光ケーブルの交換作業が容易な情報コンセントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、加入者線のケーブルと接続される加入者線接続部と、第1の通信機器とメタル線にて接続されるメタル線接続部と、第2の通信機器と光ケーブルにて接続される光ケーブル接続部と、造営材の表面側に取り付けられるとともに、前記加入者線接続部、メタル線接続部、及び光ケーブル接続部を一体的に収容するハウジングとを備える情報コンセントにおいて、前記ハウジングには、前記造営材の裏面側に配線された第1光ケーブルの端部に設けられたプラグを接続するとともに、前記第2の通信機器と接続する第2光ケーブルの端部に設けられたプラグを接続することにより、前記第1光ケーブル及び前記第2光ケーブルを互いに光学的に接続する光接続具が取り付けられ、且つ、前記ハウジングには、前記第1光ケーブルの余長分が許容最小曲率半径より大きい曲率半径で巻き付ける巻付部を有する余長収容部が形成されることを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、FTTH用の光ケーブルを配線する際において、光接続具を有することにより、光ケーブルを造営材の裏面側に配線される第1光ケーブルと、第2の通信機器に接続される第2光ケーブルとの2つの光ケーブルに分けることができる。したがって、従来構造のように単一の光ケーブルを造営材の裏面から第2の通信機器まで直接配線する必要がないため、FTTHを先行配線することができる。
【0012】
その上、従来構造では、情報コンセントから第2の通信機器に向かい引き出された光ケーブルが折れてしまった場合、造営材の裏面側に配線されている光ケーブル全体の交換が必要であった。その点において、本発明の情報コンセントでは、情報コンセントから第2の通信機器に向かい引き出される光ケーブルは、第2光ケーブルであるため、光接続具から第2光ケーブルを取り外すことにより交換することができる。したがって、第1光ケーブルを交換する必要がなくなるため、従来構造よりも光ケーブルの交換作業を容易に行うことができる。
【0013】
以上により、本発明では、電話機やファクシミリ等の通信機器への対応、及びADSL等のサービスに対応するのみではなく、光ケーブルによるインターネット接続のサービスに対応可能である汎用の情報コンセントにおいて、FTTHの先行配線が可能となるとともに、光ケーブルの交換作業を容易に行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報コンセントにおいて、前記第1光ケーブルは、前記プラグに挿入されるケーブル部を備え、前記余長収容部は、前記第1光ケーブルの前記プラグの前記ケーブル部が挿入される背面の付近に配置されるとともに、前記ケーブル部を前記巻付部との間に挟むことにより保持するケーブル保持部を有することを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、ケーブル部がケーブル保持部に接触することにより、ケーブル部が折れることを抑制するため、第1光ケーブルのケーブル部に外力によるストレスが加わることを抑制することができる。その結果、第1光ケーブルに加わるストレスに起因する光伝送損失の増大を抑制することができる。
【0016】
プラグの背面とケーブル部との連結部分は、背面が支点となることによりケーブル部が曲がることによるストレスを受けやすい。その点において、本発明では、ケーブル保持部がプラグの背面の付近に配置されるため、ケーブル保持部は、プラグの背面とケーブル部との連結部分を保持することができる。その結果、第1光ケーブルに加わるストレスに起因する光伝送損失の増大を効果的に抑制することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の情報コンセントにおいて、前記余長収容部は、前記造営材の表面側に設けられることを要旨とする。
この発明によれば、余長収容部が造営材の表側に設けられることにより、第1光ケーブルの余長を収容する作業を造営材の表面において行うことが可能となる。したがって、造営材の裏面において第1光ケーブルの余長を収容する作業を行う場合と比較して、同作業の作業性を向上させることができる。その上、余長収容部に第1光ケーブルの余長を収容した後、作業者が目視にて、第1光ケーブルの巻き付け具合及び曲がり具合を確認することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、前記加入者線接続部及び前記メタル線接続部と、前記光ケーブル接続部とは、前記造営材に別個に取り付けられることを要旨とする。
【0019】
この発明によれば、加入者線接続部及びメタル線接続部の施工と、光ケーブル接続部の施工とを別々に行うことが可能となる。したがって、加入者線接続部及びメタル線接続部の施工をした後、光ケーブル接続部の施工を行う場合、加入者線接続部及びメタル線接続部を一度造営材から取り外す作業を行う必要がなくなり、光ケーブル接続部の施工を容易に行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、当該情報コンセントには、前記加入者線接続部及び前記メタル線接続部の前記造営材からの高さを調整する高さ調整部材が取り付けられることを要旨とする。
【0021】
この発明によれば、高さ調整部材を加入者線接続部及びメタル線接続部に取り付けて、造営材からの高さを調整することにより、加入者線接続部、メタル線接続部、及び光ケーブル接続部の造営材の表面からの高さが互いに略一致させることが可能となる。したがって、加入者線接続部、メタル線接続部、及び光ケーブル接続部の造営材の表面からの高さに差が少なくなる、或いは差がなくなるため、ハウジングの表面を段差のない平面形状とすることが可能となる。その結果、ハウジングの表面を段差が設けられた形状と比較して、情報コンセントのデザイン性を向上することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、前記ハウジングには、前記造営材の裏面から引き出された前記第1光ケーブルの前記プラグが挿通可能な貫通孔が設けられることを要旨とする。
【0023】
従来構造の情報コンセントでは、光ケーブルを造営材の裏面側から表面側に引き出す作業の前に、光ケーブルとプラグとを接続する作業を行った場合、情報コンセントから光ケーブルを第2の通信機器に向かい引き出すことができなくなっていた。その結果、光ケーブルを交換しなければならなかった。その点において、本発明では、第1光ケーブルを光接続具に接続する作業時において、ハウジングに貫通孔が設けられることにより、第1光ケーブルとプラグとを接続する作業と、第1光ケーブルを造営材の裏面側から表面側に引き出す作業との順番をなくすことが可能となる。したがって、上記作業の順番を間違えたとしても、第1光ケーブルを全て交換する必要がなくなる。その結果、前記従来構造と比較して、情報コンセントの光ケーブルの配線を容易に行うことができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、前記ハウジングの裏面には、耐火パネルが設けられることを要旨とする。
この発明によれば、ハウジングの裏面に耐火パネルが設けられることにより、耐火パネルの形状を簡素化することができるとともに、情報コンセントの簡易耐火性能を向上させることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、前記ハウジングには、テレビ用同軸ケーブルが挿通可能な貫通孔と、前記テレビ用同軸ケーブルを保持する保持部とが設けられることを要旨とする。
【0026】
この発明によれば、情報コンセントがテレビ用同軸ケーブルにも適用することが可能となり、FTTHに加え、CATVによるインターネット接続のサービスにも対応することができる。したがって、情報コンセントの汎用性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、汎用性のある情報コンセントにおいて、FTTHの先行配線が可能となるとともに、光ケーブルの交換作業が容易な情報コンセントを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1の実施形態)
図1〜図12を参照して、本発明の情報コンセントを具体化した第1の実施形態について説明する。
【0029】
まず、図1を参照して、家屋等の造営物にFTTHにて配線される回線の構成について説明する。
図1に示すように、造営物の壁面に設けられた情報コンセント1は、屋外の電線と接続するキャビネット2と第1光ケーブルC1よって接続されている。また、情報コンセント1は、造営物の情報コンセント1が配置された部屋以外の部屋に設けられたコンセント4,5と壁面の内側に配線された第1LANケーブルL1及び第1加入者線K1のそれぞれによって接続されている。
【0030】
また、情報コンセント1は、通信機器であるONU3と第2光ケーブルC2にて接続されている。そして、ONU3は、第2LANケーブルL2によって通信機器であるルータ6に接続されている。また、情報コンセント1のLANケーブル接続部20は、それぞれ第3LANケーブルL3によってルータ6に接続されている。そして、ルータ6は、第4LANケーブルL4によってパソコン7に接続されている。また、加入者線接続部30は、第2加入者線K2によって、電話機8に接続されている。
【0031】
この構成により、光ケーブルによる通信サービス、ADSLによる通信サービスや電話機やファクシミリをこの一つの情報コンセント1にて対応することができる。また、情報コンセント1とコンセント4,5とが互いに接続されることにより、各部屋においても、コンセント4,5とパソコン7及びファクシミリ9とを第5LANケーブルL5や第3加入者線K3にて接続するのみにて、ADLSによる通信サービスやファクシミリを使用することができる。
【0032】
次に、図2及び図3を参照して、情報コンセント1の全体構成について説明する。以降では、情報コンセント1において、カバー42及び化粧プレート43が配置される側を「表側」とし、耐火パネル50,51が配置される側を「裏側」とする。また、情報コンセント1の短手方向を「短手方向」とし、情報コンセント1の長手方向を「長手方向」とする。そして、短手方向及び長手方向において、情報コンセント1の内部側を「内側」とし、情報コンセント1の外部側を「外側」とする。
【0033】
図2に示すように、情報コンセント1は、第1光ケーブルC1(図1参照)を接続するレセクタプル11を有する光コンセント部10(光ケーブル接続部)と、第1LANケーブルL1及び第3LANケーブルL3(図1参照)を接続する複数のLANモジュラジャック21を有するLANケーブル接続部20(メタル線接続部)と、第1加入者線K1及び第2加入者線K2(図1参照)をそれぞれ接続する加入者線モジュラジャック31を有する加入者線接続部30とにより構成されている。そして、光コンセント部10、LANケーブル接続部20、及び加入者線接続部30は、情報コンセント1の外枠を構成するハウジング40により一体的に収容されている。
【0034】
ハウジング40は、レセクタプル11が表側から取り付けられるとともに、LANケーブル接続部20、及び加入者線接続部30がプレートねじB1により裏側から固定されるボディ41を有している。そして、ボディ41の表側には、情報コンセント1の表面を構成するカバー42及び化粧プレート43が取り付けられ、ボディ41の裏側には、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を壁面に固定する継枠44(高さ調整部材)が取り付けられている。
【0035】
また、継枠44の裏面側及びボディ41の光コンセント部10が形成される部位の裏側には、それぞれ耐火パネル50,51が固定されている。即ち、耐火パネル50,51は、ハウジング40の裏面側に取り付けられている。以下、光コンセント部10及び耐火パネル50,51以外の各構成要素についてそれぞれ説明する。
【0036】
LANケーブル接続部20は、3個のLANモジュラジャック21を取付枠22に取り付けることにより構成されている。
加入者線接続部30は、加入者線モジュラジャック31が取付枠32に取り付けられることにより構成されている。
【0037】
ハウジング40のボディ41には、光コンセント部10を形成する光コンセント形成部41aと、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を固定する固定部41bとが設けられている。固定部41bには、表側に向かい突出する枠形状の枠体部411が設けられている。そして、枠体部411には、LANモジュラジャック21及び加入者線モジュラジャック31を表面側に露出するための開口穴412が形成されている。そして、カバー42及び化粧プレート43は、それぞれボディ41の光コンセント形成部41a及び固定部41bに取り付けられる。
【0038】
継枠44は、樹脂材料を射出成形することにより一体的に成形されている。そして、継枠44は、取付枠22,32が当接する外枠部44aと、LANモジュラジャック21と加入者線モジュラジャック31とを仕切る仕切板44bとにより構成されている。この仕切板44bにより、継枠44には、LANモジュラジャック21を挿通する第1挿通孔44cと、加入者線モジュラジャック31を挿通する第2挿通孔44dとが形成されている。そして、図3に示すように、第1挿通孔44cの長手方向の幅W1の大きさは、第2挿通孔44dの長手方向の幅W2の大きさよりも大きく形成されている。これにより、第1挿通孔44cは、加入者線モジュラジャック31の長手方向の幅の大きさよりも大きい長手方向の幅を有するLANモジュラジャック21を挿通可能とすることができる。
【0039】
次に、図2及び、図4〜図6を参照して、光コンセント部10の構成について説明する。
図4に示すように、光コンセント部10は、第1光ケーブルC1(図1参照)の余長部を収容する余長収容部60と、レセクタプル11を保持するレセクタプル保持部70とを有している。これら余長収容部60及びレセクタプル保持部70は、それぞれ光コンセント形成部41aに設けられている。また、レセクタプル保持部70の下部には、レセクタプル11を露出するための貫通孔12が形成されている。
【0040】
また、第1光ケーブルC1は、レセクタプル11に光学的に接続されるプラグC11と、プラグC11から引き出されるケーブル部C12とにより構成されている。なお、本実施形態のプラグC11には、外被把持型のSCプラグが用いられている。
【0041】
図5に示すように、余長収容部60は、第1光ケーブルC1を挿通する貫通孔61と、第1光ケーブルC1を巻き付ける外側巻付部62及び内側巻付部63と、内側巻付部63に巻き付けられた第1光ケーブルC1を保持するケーブル保持部64とにより構成されている。
【0042】
貫通孔61は、第1光ケーブルC1のプラグC11が挿通可能な大きさに設定されている。この貫通孔61の構成により、第1光ケーブルC1のケーブル部C12にプラグC11を取り付けた状態において、情報コンセント1の裏側より表側に第1光ケーブルC1を引き出すことが可能となる。
【0043】
外側巻付部62は、底部413から表側に延設されるとともに、略C形状に形成された突起である。そして、外側巻付部62の各曲面部62aは、ケーブル部C12の許容最小曲率半径よりも大きくなるように形成されている。また、各曲面部62aには、ケーブル部C12が外側巻付部62から外れることを抑制する突起部62bが設けられている。
【0044】
内側巻付部63は、外側巻付部62よりも内側に設けられる。そして、内側巻付部63は、底部413から表側に延設されるとともに、略円環状に形成された突起である。そして、内側巻付部63の各曲面部63aは、ケーブル部C12の許容最小曲率半径よりも大きくなるように形成されている。また、内側巻付部63の各曲面部63aには、ケーブル部C12が内側巻付部63から外れることを抑制する突起部63bが設けられている。
【0045】
また、図4に示すように、内側巻付部63は、外側巻付部62よりも表側に突出している。ここで、外側巻付部62の底部413から高さH1は、ケーブル部C12を一回巻き付けるのみの高さである。一方、内側巻付部63の底部413からの高さH2は、ケーブル部C12を2回〜3回程度巻き付けることが可能な高さである。また、ケーブル保持部64の底部413からの高さは、内側巻付部63の高さH2と略同一である。
【0046】
レセクタプル保持部70は、図2に示すように、光コンセント形成部41aの底部413から表側に延設される一対の係止部71と、この一対の係止部71の間に配置されるとともに、底部413から表側に延設される突起部72とにより構成されている。この突起部72にレセクタプル11が当接することにより、レセクタプル11の底部413からの表側の高さが設定されている。そして、突起部72及び一対の係止部71にレセクタプル11が挟まれることにより、レセクタプル11は、レセクタプル保持部70に保持される。この突起部72の高さは、第1光ケーブルC1のケーブル部C12よりも高くなるように設定されている。
【0047】
次に、図6及び図7を参照して、第1光ケーブルC1が光コンセント部10に配線された状態の構造について説明する。
図6に示すように、第1光ケーブルC1は、貫通孔61により情報コンセント1の裏側から表側に引き出された後、ケーブル部C12が外側巻付部62に表側より見て反時計回りに巻き付けられる。その後、ケーブル部C12は、内側巻付部63に表側より見て反時計回りに巻き付けられる。
【0048】
ここで、レセクタプル11が短手方向に沿って保持されているため、プラグC11も短手方向に沿って延設されるようになる。この構成により、プラグC11が裏側から表側に向かい延設される場合、及びプラグC11が短手方向に向かうにつれて表側に傾斜する構造の場合と比較して、プラグC11の壁面Q1から表側に沿う高さを低くすることができる。
【0049】
また、ケーブル保持部64は、外側巻付部62と内側巻付部63との間に設けられている。そして、ケーブル保持部64は、第1光ケーブルC1のプラグC11のケーブル部C12が挿入される背面C13の付近に設けられている。より具体的には、ケーブル保持部64は、プラグC11の背面C13より短手方向の外側に近接して配置されている。また、ケーブル保持部64は、短手方向に沿って延設されている。
【0050】
ここで、ケーブル保持部64と長手方向に対して対向する内側巻付部63には、ケーブル保持部64と平行となる、即ち、短手方向に沿って延設される直線部63cが設けられている。ケーブル部C12のうちのプラグC11と連結する連結部C14を直線部63cとケーブル保持部64とで挟むことにより、連結部C14を短手方向に沿って配線することが可能となる。
【0051】
次に、図8〜図10を参照して、造営材である壁面に情報コンセント1を取り付ける構造について説明する。
図8に示すように、情報コンセント1は、造営材である壁面Q1に設けられた壁面Q1の表面Q2と裏面Q3とを貫通する開口穴Q4に、LANケーブル接続部20、及び加入者線接続部30が挿通可能に配置されている。また、開口穴Q4は、光コンセント部10に対応している。即ち、壁面Q1の裏面Q3側に配線された第1光ケーブルC1は、開口穴Q4を介して、光コンセント部10の貫通孔61(図4参照)から情報コンセント1の表側に引き出される。
【0052】
壁面Q1の裏面Q3側には、スイッチボックス(不図示)が取り付けられている。そして、壁面Q1の表面Q2側には、継枠44が取り付けられている。ここで、LANケーブル接続部20の取付枠22及び加入者線接続部30の取付枠32は、それぞれスイッチボックスにねじB2により固定されている。この状態において、図8に示すように、取付枠22,32と壁面Q1とにより、継枠44は挟まれている。
【0053】
次いで、ボディ41を壁面Q1に取り付ける。具体的には、ボディ41の固定部41bの枠体部411内に継枠44を収容する。そして、枠体部411と取付枠22,32をプレートねじB1により固定する。また、光コンセント形成部41aに設けられた貫通孔414にボルトB3を挿入する。このボルトB3は、スイッチボックスに固定される。これらにより、ボディ41は、壁面Q1に取り付けられる。
【0054】
最後に、カバー42及び化粧プレート43をボディ41にそれぞれ取り付ける。具体的には、カバー42をボディ41の光コンセント形成部41aに、化粧プレート43を固定部41bにそれぞれ嵌合する。以上により、情報コンセント1は、壁面Q1に取り付けられる。
【0055】
また、図9及び図10に示すように、2個の耐火パネル50,51は、継枠44の裏側、及びボディ41の光コンセント形成部41aの裏側にそれぞれ固定されている。即ち、耐火パネル50は、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30の裏側を覆い、耐火パネル51は、光コンセント部10の裏側を覆う。
【0056】
ここで、継枠44は、耐火パネル50が継枠44の裏側に取り付けられた状態において、壁面に取り付けられる。そして、ボディ41は、耐火パネル51がボディ41の光コンセント形成部41aの裏側に取り付けられた状態において、壁面に取り付けられる。
【0057】
耐火パネル50には、LANケーブル接続部20の裏側の一部が挿入される第1挿入孔50aと、加入者線接続部30の裏側の一部が挿入される第2挿入孔50bがそれぞれ設けられている。また、耐火パネル50の短手方向の上端部及び下端部並びに中央部には、継枠44と係合する突形状の係合部50cがそれぞれ設けられている。これにより、耐火パネル50は、継枠44に容易、且つ確実に取り付けられている。
【0058】
耐火パネル51には、ボディ41の光コンセント形成部41aの底部413の裏面を覆う。そして、耐火パネル51には、光コンセント形成部41aと係合する突形状の係合部51aが設けられている。これにより、耐火パネル51は、ボディ41に容易、且つ確実に取り付けられている。
【0059】
次に、図11及び図12を参照して、情報コンセントの外観について説明する。
図11に示すように、情報コンセント1は、カバー42及び化粧プレート43により、情報コンセント1の表側が一様な平面となる。具体的には、継枠44により、LANケーブル接続部20のLANモジュラジャック21及び加入者線接続部30の加入者線モジュラジャック31が、壁面Q1(図7参照)から表側に突出するため、光コンセント部10のレセクタプル11の壁面Q1からの高さと略同等となる。これにより、カバー42及び化粧プレート43を長手方向に連続した一面とすることが可能となる。
【0060】
一方、図12に示すように、情報コンセント1aは、カバー42が化粧プレート43よりも情報コンセント1aの表側に突出した形状にて構成されている。具体的には、継枠44が配置されていないため、LANケーブル接続部20の取付枠22及び加入者線接続部30の取付枠32は、それぞれ壁面Q1に当接した状態において、スイッチボックスに固定されている。図12の情報コンセント1aに対して、図11の情報コンセント1は、カバー42及び化粧プレート43が長手方向に連続した一面とすることができるため、デザイン性を向上することが可能となる。
【0061】
本実施形態の情報コンセント1によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、ハウジング40のボディ41にレセクタプル11を保持するレセクタプル保持部70が設けられる構成である。その上、壁面Q1の裏面Q3側に配線される第1光ケーブルC1がこのレセクタプル11に接続され、第2の通信機器であるONU3と接続する第2光ケーブルC2がレセクタプル11に接続される構成である。これらの構成によれば、レセクタプル11により、光ケーブルを第1光ケーブルC1と、第2光ケーブルC2とに分けることができる。したがって、図15に示す従来構造のように単一の光ケーブルを壁面の裏面側からONU3まで直接配線する必要がないため、FTTHを先行配線することができる。
【0062】
また、第1光ケーブルC1は、壁面Q1の裏面Q3側に配線されるため、第1光ケーブルC1が折れてしまう可能性が低い。一方、第2光ケーブルC2は、家屋の部屋に配線されるため、例えば、人の足で第2光ケーブルC2を引っ掛けてしまうことにより、第2光ケーブルC2が折れてしまう場合がある。このような場合において、図15に示す従来構造では、情報コンセント100からONUに向かい引き出された光ケーブルが折れてしまった場合、壁面Q1の裏面Q3側に配線されている光ケーブル全体の交換が必要であった。
【0063】
その点において、本実施形態の情報コンセント1では、第2光ケーブルC2が折れてしまった場合、レセクタプル11から第2光ケーブルC2を取り外して、新たな第2光ケーブルC2をレセクタプル11に接続することにより、光ケーブルによる通信サービスを再度受けることができる。したがって、第1光ケーブルC1を交換する必要がなくなるため、従来構造よりも光ケーブルの交換作業を容易に行うことができる。
【0064】
以上により、本実施形態では、電話機やファクシミリ等の通信機器への対応、及びADSL等の通信サービスに対応するのみではなく、光ケーブルによる通信サービスに対応可能である汎用の情報コンセント1において、FTTHの先行配線が可能となるとともに、光ケーブルの交換作業を容易に行うことができる。
【0065】
(2)本実施形態では、ハウジング40の光コンセント形成部41aに設けられた余長収容部60がケーブル保持部64を有する構成である。この構成によれば、第1光ケーブルC1のケーブル部C12がケーブル保持部64に接触することにより、ケーブル部C12が折れてしまうことを抑制することができるため、外力によりケーブル部C12に加わるストレスを抑制することができる。その結果、第1光ケーブルC1に加わるストレスに起因する光伝送損失の増大を抑制することができる。
【0066】
また、ケーブル部C12において、プラグC11の背面C13との連結部C14は、背面C13が支点となって折れ曲がることによるストレスを受けやすい部分である。その点において、本実施形態では、ケーブル保持部64が背面C13の付近に配置されることにより、連結部C14をケーブル保持部64と内側巻付部63の直線部63cとにより挟むことにより保持するため、連結部C14の折れ曲がりを抑制することができる。その結果、第1光ケーブルC1に加わるストレスに起因する光伝送損失の増大を効果的に抑制することができる。
【0067】
(3)第1光ケーブルC1の余長を収容する作業は、作業者が壁面Q1の表面Q2側、即ち、部屋内から行う。そのため、余長収容部が壁面Q1の裏面Q3側に設けられると、作業者が作業し難い問題がある。その点において、本実施形態では、余長収容部60が、壁面Q1の表面Q2側に設けられる構成であるため、第1光ケーブルC1を外側巻付部62及び内側巻付部63に巻き付けるための十分な作業スペースを確保することが可能となる。したがって、第1光ケーブルC1の余長を収容する作業を壁面Q1の裏面Q3において行う場合と比較して、同作業の作業性を向上させることができる。その上、余長収容部60に第1光ケーブルC1の余長を収容した後、作業者が目視にて、第1光ケーブルC1の巻き付け具合及び曲がり具合を確認することができる。
【0068】
(4)本実施形態では、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を壁面Q1に取り付けることと、第1光ケーブルC1をレセクタプル11への接続することは、別個に行われる構成である。より具体的には、耐火パネル50を継枠44に取り付けた状態にて、壁面Q1に継枠44を取り付け、その継枠44を介して、スイッチボックスにLANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を壁面Q1に取り付ける作業と、光コンセント部10を形成する光コンセント形成部41aを有するボディ41を壁面Q1に取り付ける作業とが、別個に行われる。
【0069】
特に、第1光ケーブルC1を配線する業者は、専門家である必要があるため、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を配線する業者とは、別の業者であることが多い。その点において、本実施形態では、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を壁面Q1に取り付ける作業と、光コンセント形成部41aを有するボディ41を壁面Q1に取り付ける作業とが別個に行うことが可能であるため、別々の業者であっても良好に作業することができる。具体的には、例えば、一の業者がLANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を壁面Q1に取り付ける作業を行った後、他の業者が、第1光ケーブルC1をレセクタプル11に接続する作業を行う場合において、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を壁面Q1に取り付けた状態において、ボディ41を壁面Q1から外すことによりその作業を行うことができる。したがって、他の業者が、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30を壁面Q1から外さなくてもよいため、第1光ケーブルC1をレセクタプル11に接続する作業を容易に行うことができる。
【0070】
(5)本実施形態では、継枠44をLANケーブル接続部20及び加入者線接続部30に取り付けることにより、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30の壁面Q1から表側の高さと、光コンセント部10の壁面Q1から表側の高さとを略一致させることが可能となる。したがって、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30の壁面Q1から表側の高さと、光コンセント部10の壁面Q1から表側の高さとの差が少なくなる、或いは差がなくなるため、カバー42及び化粧プレート43のそれぞれの表面を長手方向において連続した一面に形成することができる。その結果、図11に示すカバー42及び化粧プレート43との間に段差が形成された情報コンセント1aと比較して、デザイン性を向上させることができる。
【0071】
また、継枠44を設けることにより、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30の壁面Q1から表側の高さを調整するために、例えば、取付枠22,32の形状を変更することがないため、既存の取付枠22,32を用いることができる。
【0072】
(6)従来構造の情報コンセントでは、光ケーブルを壁面Q1の裏面Q3側から情報コンセントの表側に引き出す作業の前に、光ケーブルのケーブル部とプラグとを接続する作業を行った場合、情報コンセントから光ケーブルをONU3に向かい引き出すことができなくなっていた。その結果、光ケーブル自体を交換しなければならなかった。
【0073】
その点において、本実施形態では、ボディ41の光コンセント形成部41aには、第1光ケーブルC1のプラグC11が挿通可能な貫通孔61が設けられる構成である。この構成によれば、第1光ケーブルC1のプラグC11が取り付けられた状態において、ボディ41に対して挿通可能となるため、第1光ケーブルC1にプラグC11を取り付ける作業と、第1光ケーブルC1を壁面Q1の裏面Q3側から情報コンセント1の表側に引き出す作業との順番をなくすことが可能となる。したがって、上記作業の順番を間違えたとしても、第1光ケーブルC1を交換する必要がなくなる。その結果、従来構造と比較して、情報コンセント1の第1光ケーブルC1の配線を容易に行うことができる。
【0074】
(7)本実施形態では、継枠44の裏側に耐火パネル50を取り付け、ボディ41の光コンセント形成部41aの裏側に耐火パネル51を取り付ける構成である。この構成によれば、情報コンセント1の簡易耐火性能を向上させることができる。
【0075】
また、これら耐火パネル50,51をハウジング40の表側、即ち、カバー42及び化粧プレート43とボディ41との間に配置した場合、情報コンセント1の簡易耐火性能を向上させるために、耐火パネル50,51はカバー42及び化粧プレート43の裏面の形状に沿った形状にしなければならない。そのために、耐火パネル50,51の形状は複雑に形成しなければならなかった。その点において、本実施形態では、耐火パネル50,51は、継枠44の裏側及び光コンセント形成部41aの裏側に取り付けられるため、耐火パネル50,51の形状は、略平面形状にて形成することができる。したがって、耐火パネル50,51の形状を簡素化することができる。
【0076】
(8)本実施形態では、第1光ケーブルC1のプラグC11が短手方向に沿って配置される構成である。即ち、プラグC11とレセクタプル11とが短手方向において接続される構成である。この構成によれば、プラグC11とレセクタプル11とが短手方向に対して傾いて、即ち、短手方向の外側に向かうにつれて、表側に傾斜して接続される場合と比較して、プラグC11及びレセクタプル11の壁面Q1から表側の高さを低くすることができる。その結果、情報コンセント1の壁面Q1からの厚みを薄くすることができる。
【0077】
(9)本実施形態では、外側巻付部62及び内側巻付部63のそれぞれに突起部62b,63bが設けられる構成である。この構成によれば、外側巻付部62及び内側巻付部63に巻き付けられた第1光ケーブルC1のケーブル部C12が外れようとしたとしても、突起部62b,63bと接触することにより、ケーブル部C12の外側巻付部62及び内側巻付部63からの外れを抑制することができる。
【0078】
特に、突起部62b,63bは、外側巻付部62及び内側巻付部63の曲面部62a,63aに設けられる構成である。この構成によれば、曲面部62a,63aでは、ケーブル部C12が外側巻付部62及び内側巻付部63に接触した状態を維持しているため、突起部62b,63bの大きさを小さくすることができるとともに、確実にケーブル部C12が外側巻付部62及び内側巻付部63から外れてしまうことを抑制することができる。
【0079】
(第2の実施形態)
図13及び図14を参照して、本発明の情報コンセントを具体化した第2の実施形態について説明する。
【0080】
図13に示すように、情報コンセント1の光コンセント部10を構成するボディ41の光コンセント形成部41aの長手方向の中央部及び短手方向の中央部には、ケーブルテレビ用の同軸ケーブルTCが挿通可能な開口穴415が設けられている。そして、内側巻付部63において、開口穴415の短手方向の外側には、同軸ケーブルTCが通るスペースを確保する切欠部416が設けられている。
【0081】
また、光コンセント形成部41aの切欠部416の短手方向の外側には、同軸ケーブルTCを情報コンセント1より外部へ挿通可能とするためのノックアウト417が設けられている。このノックアウト417は、光コンセント形成部41aから容易に取り外しを可能とするための切込み部418を設けた構造である。
【0082】
また、図14に示すように、ノックアウト417を光コンセント形成部41aから取り外した状態において、開口穴415から引き出された同軸ケーブルTCをノックアウト417に挿通する。そして、ノックアウト417に同軸ケーブルTCを挿通した状態において、光コンセント形成部41aに設けられたインシュロック固定部419により、インシュロック80を用いて、同軸ケーブルTCを光コンセント形成部41aに係止している。以上の構成により、情報コンセント1は、CATVのインターネット接続による通信サービスにも対応することが可能となる。
【0083】
本実施形態の情報コンセント1によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(9)に加え、以下に示す効果を奏することができる。
(10)本実施形態では、情報コンセント1が同軸ケーブルTCにも適用可能となるため、情報コンセント1は、CATVのインターネット接続による通信サービスにも対応することができる。したがって、情報コンセント1の汎用性を向上させることができる。
【0084】
また、ノックアウト417を設けることにより、同軸ケーブルTCを適用しないときには、ノックアウト417が光コンセント形成部41aに取り付けられた状態にて維持されるため、情報コンセント1の外部から光コンセント形成部41aに埃等の異物の侵入を抑制することができる。そして、同軸ケーブルTCを用いるときには、切込み部418によりノックアウト417が容易に光コンセント形成部41aから取り外し可能であるため、作業者が同軸ケーブルTCの配線作業を容易に行うことができる。
【0085】
(その他の実施形態)
本発明の情報コンセントは、上記に例示した実施形態に限定されることなく、以下のように変更することができる。
【0086】
・上記実施形態では、継枠44において、外枠部44aに仕切板44bを設ける構成としたが、継枠44の形状はこれに限定されることはない。例えば、仕切板44bがない構成であってもよい。この仕切板44bがない構成によれば、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30のそれぞれを継枠44に対して挿通可能となる。したがって、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30のそれぞれに壁面Q1の裏面Q3側に配線されたケーブルを取り付けた状態において、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30の継枠44に対する位置を間違えた場合、LANケーブル接続部20及び加入者線接続部30の継枠44に対する位置を容易に修正することができる。即ち、仕切板44bがなくなるため、外枠部44a内にLANケーブル接続部20及び加入者線接続部30の移動が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の情報コンセントを具体化した第1の実施形態について、同情報コンセントを用いた造営物の光ケーブル、LANケーブル、及び加入者線の配線を示す模式図。
【図2】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントの分解斜視構造を示す分解斜視図。
【図3】同実施形態の情報コンセントについて、継枠の平面構造を示す平面図。
【図4】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントの光コンセント部に光ケーブルを挿通した状態の斜視構造を示す斜視図。
【図5】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントに光ケーブルを挿通した状態の正面構造を示す正面図。
【図6】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントに光コンセント部に光ケーブルを取り付けた状態の斜視構造を示す斜視図。
【図7】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントに光ケーブルを取り付けた状態の正面構造を示す正面図。
【図8】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントを壁面に取り付ける構造の分解斜視構造を示す斜視図。
【図9】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントに耐火パネルを取り付ける前の状態の分解斜視構造を示す斜視図。
【図10】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントに耐火パネルを取り付けた後の状態の斜視構造を示す斜視図。
【図11】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントの斜視構造を示す斜視図。
【図12】比較例の情報コンセントについて、同情報コンセントの斜視構造を示す斜視図。
【図13】本発明の情報コンセントを具体化した第2の実施形態について、同情報コンセントからカバーを取り外した状態の斜視構造を示す斜視図。
【図14】同実施形態の情報コンセントについて、同情報コンセントに同軸ケーブルを挿通した状態の斜視構造を示す斜視図。
【図15】従来の情報コンセントについて、同情報コンセントの斜視構造を示す斜視図。
【符号の説明】
【0088】
B1…プレートねじ、B2…ねじ、B3…ボルト、C1…第1光ケーブル、C11…プラグ、C12…ケーブル部、C13…背面、C14…連結部、C2…第2光ケーブル、CT…同軸ケーブル、K1…第1加入者線、K2…第2加入者線、K3…第3加入者線、L1…第1LANケーブル(メタル線)、L2…第2LANケーブル、L3…第3LANケーブル(メタル線)、L4…第4LANケーブル、L5…第5LANケーブル、Q1…壁面、Q2…表面、Q3…裏面、Q4…開口穴、1…情報コンセント、1a…比較例の情報コンセント、2…キャビネット、3…ONU(第2の通信機器)、4,5…コンセント、6…ルータ(第1の通信機器)、7…パソコン、8…電話機、9…ファクシミリ、10…光コンセント部(光ケーブル接続部)、11…レセクタプル(光接続具)、12…貫通孔、20…LANケーブル接続部(メタル線接続部)、21…LANモジュラジャック、22…取付枠、30…加入者線接続部、31…加入者線モジュラジャック、32…取付枠、40…ハウジング、41…ボディ、41a…光コンセント形成部、41b…固定部、411…枠体部、412…開口穴、413…底部、414…貫通孔、415…開口穴、416…切欠部、417…ノックアウト、418…切込部、419…インシュロック固定部、42…カバー、43…化粧プレート、44…継枠(高さ調整部材)、44a…外枠部、44b…仕切板、44c…第1挿入部、44d…第2挿入部、50,51…耐火パネル、60…余長収容部、61…貫通孔、62…外側巻付部、62a…曲面部、62b…突起部、63…内側巻付部、63a…曲面部、63b…突起部、63c…直線部、64…ケーブル保持部、70…レセクタプル保持部、71…係止部、72…突起部、80…インシュロック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者線のケーブルと接続される加入者線接続部と、第1の通信機器とメタル線にて接続されるメタル線接続部と、第2の通信機器と光ケーブルにて接続される光ケーブル接続部と、造営材の表面側に取り付けられるとともに、前記加入者線接続部、メタル線接続部、及び光ケーブル接続部を一体的に収容するハウジングとを備える情報コンセントにおいて、
前記ハウジングには、前記造営材の裏面側に配線された第1光ケーブルの端部に設けられたプラグを接続するとともに、前記第2の通信機器と接続する第2光ケーブルの端部に設けられたプラグを接続することにより、前記第1光ケーブル及び前記第2光ケーブルを互いに光学的に接続する光接続具が取り付けられ、且つ、前記ハウジングには、前記第1光ケーブルの余長分が許容最小曲率半径より大きい曲率半径で巻き付ける巻付部を有する余長収容部が形成される
ことを特徴とする情報コンセント。
【請求項2】
請求項1に記載の情報コンセントにおいて、
前記第1光ケーブルは、前記プラグに挿入されるケーブル部を備え、
前記余長収容部は、前記第1光ケーブルの前記プラグの前記ケーブル部が挿入される背面の付近に配置されるとともに、前記ケーブル部を前記巻付部との間に挟むことにより保持するケーブル保持部を有する
ことを特徴とする情報コンセント。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報コンセントにおいて、
前記余長収容部は、前記造営材の表面側に設けられる
ことを特徴とする情報コンセント。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、
前記加入者線接続部及び前記メタル線接続部と、前記光ケーブル接続部とは、前記造営材に別個に取り付けられる
ことを特徴とする情報コンセント。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、
当該情報コンセントには、前記加入者線接続部及び前記メタル線接続部の前記造営材からの高さを調整する高さ調整部材が取り付けられる
ことを特徴とする情報コンセント。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、
前記ハウジングには、前記造営材の裏面から引き出された前記第1光ケーブルの前記プラグが挿通可能な貫通孔が設けられる
ことを特徴とする情報コンセント。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、
前記ハウジングの裏面には、耐火パネルが設けられる
ことを特徴とする情報コンセント。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の情報コンセントにおいて、
前記ハウジングには、テレビ用同軸ケーブルが挿通可能な貫通孔と、前記テレビ用同軸ケーブルを保持する保持部とが設けられる
ことを特徴とする情報コンセント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−146970(P2010−146970A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325939(P2008−325939)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】