説明

情報公開制御装置、情報公開制御方法および情報公開制御プログラム

【課題】情報の公開・非公開を指定する際の情報発信者の手間を削減することができる情報公開制御装置を提供する。
【解決手段】開示先の各情報受信者に対する公開状態を示す公開パターンが格納された公開パターン参照テーブル12と、前記テーブル12を参照し、平均的な情報受信者をサンプル受信者として選出するサンプル受信者選出手段13と、情報発信者によりなされる、前記選出されたサンプル受信者に対する新規情報の公開、非公開の指定と、前記テーブル12内の公開パターンとに基づいて前記情報受信者に対する前記新規情報の公開、非公開を推測して設定し、新規情報公開レコード16に格納し、前記推測済データを前記テーブル12から削除する新規情報公開推測設定手段15と、全ての情報受信者に対する公開、非公開の設定が終了するまで前記動作の繰り返しを制御する情報公開制御手段17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 情報発信者(提供者)が提供する情報に対して、情報発信者が提供情報の公開・非公開を制御する情報公開制御装置、情報公開制御方法および情報公開制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報発信者がある情報を公開情報として提供する際、情報発信者は公開対象とする情報閲覧者と非公開とする情報閲覧者を指定する。
【0003】
従来、情報開示システムとしては例えば特許文献1に記載のものが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−346251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の情報公開制御手法では、情報閲覧者が多いと、公開・非公開を指定するのは手間がかかり、情報閲覧者の要望も反映が困難となる。
【0006】
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、情報の公開・非公開を指定する際の情報発信者の手間を削減することができる情報公開制御装置、情報公開制御方法および情報公開制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、例えば日記やお知らせなどのテキスト文書、写真や動画などの映像音声コンテンツなど、情報発信者が作成したあるいは保有する情報を開示先の受信者へ新規に公開する際、情報発信者が既に公開している既存情報に関する開示先の各受信者に対する公開状態を参照して、サンプル的に選んだ開示先の受信者に対して公開・非公開を情報発信者に順次問い合わせながら、新規情報に対する全受信者の公開・非公開を推定していくように構成した。
【0008】
すなわち、請求項1に記載の情報公開制御装置は、情報発信者が既に公開している既存情報に関する開示先の各情報受信者に対する、非公開、既閲覧、未閲覧の公開状態を示す公開パターンが格納された公開パターン参照テーブルと、前記公開パターン参照テーブルを参照し、ある情報受信者に対して公開した情報の項目数のうち、既閲覧の項目数が占める割合で定義される親密度の平均値に最も近い情報受信者をサンプル受信者として選出するサンプル受信者選出手段と、情報発信者によりなされる、前記選出されたサンプル受信者に対する新規情報の公開、非公開の指定と、前記公開パターン参照テーブル内の公開パターンとに基づいて前記情報受信者に対する前記新規情報の公開、非公開を推測して設定し、前記設定した公開状態の情報を新規情報公開記憶手段に格納し、前記推測が確定した情報受信者のデータを前記公開パターン参照テーブルから削除する新規情報公開推測設定手段と、前記新規情報公開推測設定手段により設定された、情報受信者に対する新規情報の公開状態の情報が格納される新規情報公開記憶手段と、前記新規情報公開記憶手段に全ての情報受信者に対する公開、非公開の公開状態が格納されたか否かを判定し、格納されていない場合は、前記サンプル受信者選出手段および新規情報公開推測設定手段を順次繰り返し動作させ、格納された場合は、前記新規情報公開記憶手段内の、新規情報に対する全ての情報受信者の公開状態を提示する情報公開制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば次のような優れた効果が得られる。
(1)情報発信者は、公開しようとしているそれぞれの情報ごとに、公開範囲の指定、すなわち開示先の情報受信者を誰にするかの指定をきめ細かく容易に行うことができ、ライフログや個人情報の適切な管理が可能となる。また情報発信者にとっては、前記情報受信者を指定する際の手間を削減することができる。
(2)開示先の情報受信者は、あまり閲覧しない情報発信者からの情報が次第に公開されなくなるため、情報受信者にとって必要な情報を容易に見つけ出すことができる。
(3)情報受信者が受け取る情報が適正化されるため、システム全体で流通する情報の効率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の情報公開制御装置の実施形態例を示す構成図。
【図2】本発明の実施形態例における新規情報公開設定を行うときの処理を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施形態例におけるサンプル受信者選出処理のフローチャート。
【図4】本発明の実施形態例における新規情報公開推測設定処理のフローチャート。
【図5】本発明の実施形態例における既存情報公開テーブルの一例を示す説明図。
【図6】本発明の実施形態例における公開パターン参照テーブルと新規情報公開レコードの初期状態を示す説明図。
【図7】本発明の実施形態例における公開パターン参照テーブルと新規情報公開レコードの2回目処理時の状態を示す説明図。
【図8】本発明の実施形態例における公開パターン参照テーブルと新規情報公開レコードの3回目処理時の状態を示す説明図。
【図9】本発明の実施形態例における公開パターン参照テーブルと新規情報公開レコードの4回目処理時の状態を示す説明図。
【図10】本発明の実施形態例における公開パターン参照テーブルと新規情報公開レコードの5回目処理時の状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
【0012】
まず、本発明で使用する用語の定義を以下に示す。
(用語の定義)
・公開状態
ある受信者に対して、情報発信者が管理するある情報が以下の3つの状態のどれに対応しているかを示す。
【0013】
1.情報発信者によって、その受信者に対してその情報が非公開とされている、非公開状態
2.情報発信者によって、その情報は公開されているが、その受信者はまだその情報を閲覧していない、未閲覧状態
3.情報発信者によって、その情報は公開されており、その受信者は既にその情報を閲覧済みである、既閲覧状態
・既存情報公開テーブル
情報発信者が既に公開している既存情報に関する開示先の各受信者に対する公開状態からなるテーブル
・親密度
ある情報受信者に対する公開情報の項目数(lとする)と、その既閲覧状態の公開情報の項目数(nとする)の比(n/l)であらわす。ただし、公開情報の項目数(l)は、公開状態が未閲覧(mとする)と既閲覧(n)のものとを足したものになる。すなわち、l=m+nとなる。
・公開パターン
ある情報に関する開示先の各情報受信者に対する公開状態を示したレコード
・公開パターン参照テーブル
情報発信者の公開パターンを一定の条件で集めたテーブル
・サンプル受信者
公開パターンから算出した親密度に対して最も平均的な値をもつ開示先の情報受信者
・新規情報公開レコード
情報発信者が新規に公開状態を設定しようとしている新規情報に関して、開示先の各受信者に対する公開状態を指定するテーブル
図1に本実施形態例による情報公開制御装置100の構成を示す。図1において、11は情報発信者が既に公開している既存情報に関する開示先の各受信者に対する公開状態の情報が格納された既存情報公開テーブルである。
【0014】
12は、情報開示先の各情報受信者に対する、非公開、既閲覧、未閲覧の公開状態を示す公開パターンが格納される公開パターン参照テーブルである。
【0015】
13は、前記公開パターン参照テーブル12を参照し、ある情報受信者に対して公開した情報の項目数のうち、既閲覧の項目数が占める割合(すなわち、ある情報受信者に対する公開情報の項目数(lとする)と、その既閲覧状態の公開情報の項目数(nとする)の比(n/l))で定義される親密度の平均値に最も近い情報受信者をサンプル受信者として選出するサンプル受信者選出手段である。
【0016】
14は、前記サンプル受信者選出手段13により算出された親密度の情報が格納される親密度算出テーブルである。
【0017】
15は、情報発信者によりなされる、前記選出されたサンプル受信者に対する新規情報の公開、非公開の指定と、前記公開パターン参照テーブル12内の公開パターンとに基づいて前記情報受信者に対する前記新規情報の公開、非公開を推測して設定し、該設定した公開状態の情報を新規情報公開記憶手段としての新規情報公開レコード16に格納し、前記推測が確定した情報受信者のデータを前記公開パターン参照テーブル12から削除する新規情報公開推測設定手段である。
【0018】
17は、前記新規情報公開レコード16に全ての情報受信者に対する公開、非公開の公開状態が格納されたか否かを判定し、格納されていない場合は、前記サンプル受信者選出手段13および新規情報公開推測設定手段15を順次繰り返し動作させ、格納された場合は、前記新規情報公開レコード16内の、新規情報に対する全ての情報受信者の公開状態を提示する情報公開制御手段である。
【0019】
前記情報公開制御装置100内のサンプル受信者選出手段13、新規情報公開推測設定手段15および情報公開制御手段17の各機能は例えばコンピュータによって達成される。
【0020】
尚、前記サンプル受信者選出手段13により選出されたサンプル受信者の確認をとり、公開、非公開の指定を行わせるために該サンプル受信者を情報発信者に提示する提示手段、新規情報を公開してよいかを情報発信者へ確認するために新規情報に対する全ての受信者の公開状態を提示する提示手段は、例えば図示省略のコンピュータ端末のディスプレイにより構成される。
【0021】
また、前記提示手段により提示されたサンプル受信者に対する新規情報の公開、非公開の指定を行う指定手段は、例えば図示省略のコンピュータ端末のキーボードにより構成される。
【0022】
また前述の、情報発信者へのサンプル受信者の提示および新規情報に対する全ての受信者の公開状態の提示は、それら提示する情報を外部装置に送出して提示し、前記サンプル受信者に対する新規情報の公開、非公開の指定を外部装置により情報発信者が行って、その指定した情報を情報公開制御装置100に返送するように構成してもよい。
【0023】
次に図1の装置の動作を新規情報公開設定の際の全体の処理を示す図2のフローチャートとともに説明する。
【0024】
(ステップ110)テーブル初期化
既存情報公開テーブル11を公開パターン参照テーブル12へコピーする。また、新規情報公開レコード16を初期化する。
【0025】
(ステップ120)サンプル受信者選出
サンプル受信者選出手段13は、公開パターン参照テーブル12から平均的な親密度をもつ情報受信者をサンプル受信者として選出する(後述の図3の処理により実行される)。
【0026】
(ステップ130)サンプル受信者公開確認
提示手段は、情報発信者へ、情報発信者が公開しようとしている情報を、前記ステップ120で選出したサンプル受信者に対して、公開するかどうかを例えばディスプレイに表示して問い合わせる。そして情報発信者はサンプル受信者に対して公開するか、非公開とするかを指定する。
【0027】
(ステップ140)新規情報公開推定設定
新規情報公開推定設定手段15は、サンプル受信者に対する情報発信者からの公開か非公開の指定によって、公開パターン参照テーブル12から、その他の受信者の推測に参考にならない公開パターンを削除した上、公開か非公開が定まりそうな受信者を特定し、新規情報公開レコード16に記録する。公開か非公開かが推測できた受信者に関するデータを公開パターン参照テーブル12から削除し、次の推測における対象範囲を狭めておく(後述の図4の処理により実行される)。
【0028】
(ステップ150)公開設定終了判定
情報公開制御手段17は、新規情報公開レコード16において、全ての情報受信者に対して公開・非公開の公開状態が設定されているかどうかを検査する。全ての情報受信者に対して公開状態が設定されていれば、次のステップ160[新規情報公開確認]へ進む。公開状態が設定されていなければ、前記ステップ120[サンプル受信者選出]へ戻り以降の処理を繰り返す。
【0029】
(ステップ160)新規情報公開確認
提示手段は、情報発信者へ、新規情報に対する全ての受信者の公開状態を提示し、公開してよいかどうかを確認する。
【0030】
次に、図2のステッ120のサンプル受信者選出処理の詳細を図3のフローチャートとともに説明する。図3のサンプル受信者選出処理では、公開パターン参照テーブル12から平均的な親密度をもつ情報受信者を選出し、情報発信者へのより少ない問い合わせで、情報受信者に対する公開・非公開を推測し、情報発信者の手間を削減するものである。
【0031】
(ステップ210)親密度算出
公開パターン参照テーブル12上の各情報受信者に対して親密度を計算し、情報受信者に対する親密度の対応表を作成し、それを親密度算出テーブル14に格納する。
【0032】
(ステップ220)サンプル受信者特定
親密度算出テーブル14を参照して、親密度の平均値を算出し、その値に最も近い情報受信者を特定し、サンプル受信者とする。
【0033】
次に図2のステップ140の新規情報公開推定設定処理の詳細を図4のフローチャートとともに説明する。
【0034】
図4の新規情報公開推定設定処理では、サンプル受信者に対する情報発信者からの公開か非公開の指定によって、公開パターン参照テーブル12から、その他の受信者の推測に参考にならない公開パターンを削除し、公開か非公開が定まりそうな受信者を推測し、新規情報公開レコード16に記録する。
【0035】
その推測の基準としては、公開パターン参照テーブル12上、一つも既閲覧となっていない受信者は新規情報に対する公開設定を非公開とする。それに対して、全ての公開設定が既閲覧となっている受信者は新規情報に対する公開設定を公開とする。そして、公開か非公開かが推測できた受信者に関するデータを公開パターン参照テーブル12から削除し、次回の推測における対象範囲を狭めておく。
【0036】
以上の処理により、サンプル受信者への公開指定に応じて公開パターン参照テーブル12を限定することで、順次、正確に情報受信者に対する公開・非公開を推測し、情報発信者の手間を削減する。
【0037】
また、公開パターン参照テーブル12の中で、公開状態が未閲覧である受信者には、新規情報を公開しないように推測するため、開示先の受信者は、あまり閲覧しない情報発信者からの情報が公開されなくなる。
【0038】
(ステップ310)受信者公開推測設定
公開パターン参照テーブル12から、全ての公開設定が非公開となっている受信者を特定し、その受信者の新規情報公開レコード16上の公開設定を非公開と推測し設定する。それに対して、全ての公開設定が既閲覧となっている受信者を特定し、その受信者の新規情報公開レコード16上の公開設定を公開と推測し設定する。そして推測が確定した受信者を出力する。
【0039】
(ステップ320)無関係公開パターン削除
サンプル受信者に対する情報発信者からの公開か非公開の指定によって、公開パターン参照テーブル12から、その他の受信者の推測に参考にならない公開パターンを削除する。サンプル受信者に対して公開が指定された場合は、そのサンプル受信者に対する公開設定が非公開となっている公開パターンを公開パターン参照テーブル12から削除する。また、サンプル受信者に対して非公開が指定された場合は、そのサンプル受信者に対する公開設定が公開となっている公開パターンを公開パターン参照テーブル12から削除する。
【0040】
(ステップ330)推測確定受信者削除
推測が確定した受信者のデータを公開パターン参照テーブル12から削除する。
【0041】
次に前記既存情報公開テーブル11の内容と、前記図2〜図4の各処理の実行にともなって公開パターン参照テーブル12および新規情報公開レコード16が更新されていく様子の一例を図5〜図10とともに説明する。
【0042】
まず、既存情報公開テーブル11には図5に示すように、例えば既存の情報1〜8に関する開示先の各情報受信者A〜Hに対する公開状態を示す公開パターンが格納されている。
【0043】
(初期状態)
図2のステップ110においてテーブル初期化が実行されると、公開パターン参照テーブル12には図6(a)に示すように、図5の既存情報公開テーブル11の公開パターンがコピーされる。
【0044】
次にステップ120において、サンプル受信者として受信者Bが選出される。
【0045】
次にステップ130において、情報発信者はサンプル受信者Bに対して「公開」を指定する。
【0046】
この図6の状態におけるステップ310の受信者公開推定設定処理では、一つも既閲覧となっていないか、又は全て既閲覧となっている受信者が居ないので、新規情報公開レコード16には、ステップ130にて情報発信者がサンプル受信者Bに対して指定した「公開」のみが設定される。
【0047】
次にステップ320において、前記指定されたサンプル受信者Bに対して「公開」が設定されたので、該受信者Bに対して非公開となっている情報8の公開パターンを削除し、図7(a)の状態となる。
【0048】
またステップ330において、推測が確定した受信者Bのデータを削除し、図7(a)の状態となる。
【0049】
(2回目処理)
ステップ120において、サンプル受信者として受信者Eが選出される。
【0050】
次にステップ130において、情報発信者はサンプル受信者Eに対して「公開」を指定する。
【0051】
この図7の状態におけるステップ310の受信者公開推定設定処理では、一つも既閲覧となっていないか、又は全て既閲覧となっている受信者が居ないので、新規情報公開レコード16には、ステップ130にて情報発信者がサンプル受信者Eに対して指定した「公開」のみが新たに設定される。
【0052】
次にステップ320において、前記指定されたサンプル受信者Eに対して「公開」が設定されたので、該受信者Eに対して非公開となっている情報5,6,7の公開パターンを削除し、図8(a)の状態となる。
【0053】
またステップ330において、推測が確定した受信者Eのデータを削除し、図8(a)の状態となる。
【0054】
(3回目処理)
ステップ120において、サンプル受信者として受信者Hが選出される。
【0055】
次にステップ130において、情報発信者はサンプル受信者Hに対して「非公開」を指定する。
【0056】
この図8の状態におけるステップ310の受信者公開推定設定処理では、受信者Dの公開パターンが全て「既閲覧」であるので該受信者Dの公開設定を「公開」とし、前記ステップ130にて情報発信者がサンプル受信者Hに対して指定した「非公開」とともに新規情報公開レコード16に設定される。
【0057】
次にステップ320において、前記指定されたサンプル受信者Hに対して「非公開」が設定されたので、該受信者Hに対して公開となっている情報1,2の公開パターンを削除し、図9(a)の状態となる。
【0058】
またステップ330において、推測が確定した受信者D,Hのデータを削除し、図9(a)の状態となる。
【0059】
(4回目処理)
ステップ120において、サンプル受信者として受信者Aが選出される。
【0060】
次にステップ130において、情報発信者はサンプル受信者Aに対して「公開」を指定する。
【0061】
この図9の状態におけるステップ310の受信者公開推定設定処理では、受信者FおよびGの公開パターンが一つも既閲覧となっていないので該受信者FおよびGの公開設定を「非公開」とし、前記ステップ130にて情報発信者がサンプル受信者Aに対して指定した「公開」とともに新規情報公開レコード16に設定される。
【0062】
次にステップ320において、前記指定されたサンプル受信者Aに対して「公開」が設定され、且つ受信者Aに対して非公開となっている情報はないので今回の処理では情報の削除は行わず、図10の状態となる。
【0063】
またステップ330において、推測が確定した受信者A,F,Gのデータを削除し、図10の状態となる。
【0064】
(5回目処理)
ステップ120において、サンプル受信者として受信者Cが選出される。
【0065】
次にステップ130において、情報発信者はサンプル受信者Cに対して「公開」を指定する。
【0066】
以上のようにして新規情報公開レコード16の設定が全て終了する。
【0067】
また、本実施形態の情報公開制御装置における各手段の一部もしくは全部の機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、本実施形態の情報公開制御方法における手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータでその機能を実現するためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えばFD(Floppy(登録商標) Disk)や、MO(Magneto−Optical disk)、ROM(Read Only Memory)、メモリカード、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM、CD−R、CD−RW、HDD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記のプログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0068】
11…既存情報公開テーブル
12…公開パターン参照テーブル
13…サンプル受信者選出手段
14…親密度算出テーブル
15…新規情報公開推測設定手段
16…新規情報公開レコード
17…情報公開制御手段
100…情報公開制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報発信者が既に公開している既存情報に関する開示先の各情報受信者に対する、非公開、既閲覧、未閲覧の公開状態を示す公開パターンが格納された公開パターン参照テーブルと、
前記公開パターン参照テーブルを参照し、ある情報受信者に対して公開した情報の項目数のうち、既閲覧の項目数が占める割合で定義される親密度の平均値に最も近い情報受信者をサンプル受信者として選出するサンプル受信者選出手段と、
情報発信者によりなされる、前記選出されたサンプル受信者に対する新規情報の公開、非公開の指定と、前記公開パターン参照テーブル内の公開パターンとに基づいて前記情報受信者に対する前記新規情報の公開、非公開を推測して設定し、前記設定した公開状態の情報を新規情報公開記憶手段に格納し、前記推測が確定した情報受信者のデータを前記公開パターン参照テーブルから削除する新規情報公開推測設定手段と、
前記新規情報公開推測設定手段により設定された、情報受信者に対する新規情報の公開状態の情報が格納される新規情報公開記憶手段と、
前記新規情報公開記憶手段に全ての情報受信者に対する公開、非公開の公開状態が格納されたか否かを判定し、格納されていない場合は、前記サンプル受信者選出手段および新規情報公開推測設定手段を順次繰り返し動作させ、格納された場合は、前記新規情報公開記憶手段内の、新規情報に対する全ての情報受信者の公開状態を提示する情報公開制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報公開制御装置。
【請求項2】
前記新規情報公開推測設定手段は、
前記公開パターン参照テーブルから、一つも既閲覧となっていない情報受信者を特定し、該特定された情報受信者の公開設定を非公開と推測して設定し、全ての公開設定が既閲覧となっている情報受信者を特定し、該特定された情報受信者の公開設定を公開と推定して設定する受信者公開推測設定手段と、
情報発信者によりなされた、前記サンプル受信者に対する指定が公開である場合は、当該サンプル受信者に対する公開設定が非公開となっている公開パターンを前記公開パターン参照テーブルから削除し、前記指定が非公開である場合は、当該サンプル受信者に対する公開設定が公開となっている公開パターンを前記公開パターン参照テーブルから削除する無関係公開パターン削除手段と、
前記受信者公開推測設定手段により推測が確定した情報受信者のデータを前記公開パターン参照テーブルから削除する推測確定受信者削除手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報公開制御装置。
【請求項3】
サンプル受信者選出手段が、情報発信者が既に公開している既存情報に関する開示先の各情報受信者に対する、非公開、既閲覧、未閲覧の公開状態を示す公開パターンが格納された公開パターン参照テーブルを参照し、ある情報受信者に対して公開した情報の項目数のうち、既閲覧の項目数が占める割合で定義される親密度の平均値に最も近い情報受信者をサンプル受信者として選出するサンプル受信者選出ステップと、
新規情報公開推測設定手段が、情報発信者によりなされる、前記選出されたサンプル受信者に対する新規情報の公開、非公開の指定と、前記公開パターン参照テーブル内の公開パターンとに基づいて前記情報受信者に対する前記新規情報の公開、非公開を推測して設定し、前記設定した公開状態の情報を新規情報公開記憶手段に格納し、前記推測が確定した情報受信者のデータを前記公開パターン参照テーブルから削除する新規情報公開推測設定ステップと、
情報公開制御手段が、前記新規情報公開記憶手段に全ての情報受信者に対する公開、非公開の公開状態が格納されたか否かを判定し、格納されていない場合は、前記サンプル受信者選出ステップおよび新規情報公開推測設定ステップを順次繰り返し実行させ、格納された場合は、前記新規情報公開記憶手段内の、新規情報に対する全ての情報受信者の公開状態を提示する情報公開制御ステップと、
を備えたことを特徴とする情報公開制御方法。
【請求項4】
前記新規情報公開推測設定ステップは、
受信者公開推測設定手段が、前記公開パターン参照テーブルから、一つも既閲覧となっていない情報受信者を特定し、該特定された情報受信者の公開設定を非公開と推測して設定し、全ての公開設定が既閲覧となっている情報受信者を特定し、該特定された情報受信者の公開設定を公開と推定して設定する受信者公開推測設定ステップと、
無関係公開パターン削除手段が、情報発信者によりなされた、前記サンプル受信者に対する指定が公開である場合は、当該サンプル受信者に対する公開設定が非公開となっている公開パターンを前記公開パターン参照テーブルから削除し、前記指定が非公開である場合は、当該サンプル受信者に対する公開設定が公開となっている公開パターンを前記公開パターン参照テーブルから削除する無関係公開パターン削除ステップと、
推測確定受信者削除手段が、前記受信者公開推測設定ステップにより推測が確定した情報受信者のデータを前記公開パターン参照テーブルから削除する推測確定受信者削除ステップと、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の情報公開制御方法。
【請求項5】
コンピュータを請求項1又は2に記載の各手段として機能させる情報公開制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−176381(P2010−176381A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18186(P2009−18186)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】