説明

情報共有システムおよび情報保持装置

【課題】サーバによる管理を伴うことなく、複数の装置の相互間で情報を共有する情報共有システムにおいて、複数の装置のうち一部の装置が電源オフ状態である場合においても、情報を適切に共有することが可能な技術を提供する。
【解決手段】複数の情報保持装置の相互間で情報を共有する情報共有システムはMFP10a,10b,10c,10dを備える。MFP10aの送信手段はMFP10b,10c,10dが電源オフ状態である場合には、MFP10aが電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、共有情報に係るデータの最新情報をMFP10b,10c,10dに向けて電子メールで送信する。MFP10cの受信手段は、MFP10cが電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、共有情報に係るデータの最新情報を前記電子メールで受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報共有システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバによる管理を伴うことなく、複数の装置の相互間で情報を共有することが可能な技術が存在する。例えば、特許文献1に記載の技術においては、複数の画像形成装置にて、一の画像形成装置に係る動作データが更新されると、当該更新内容が他の画像形成装置内の管理データ(動作データを管理するデータ)に反映される技術が示されている。より詳細には、一の画像形成装置に係る動作データが更新されると、当該一の画像形成装置は、他の画像形成装置に当該動作データの更新に関する通知を行い、当該他の画像形成装置は、当該動作データに基づいて管理データを更新する。
【0003】
これによれば、他の画像形成装置は、一の画像形成装置に係る動作データの更新内容を管理データに反映させることによって、当該一の画像形成装置に係る動作データを利用することが可能である。即ち、複数の画像形成装置は、サーバによる管理を伴うことなく、当該複数の画像形成装置の相互間で情報(動作データ)を共有することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−300361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、複数の装置(画像形成装置)が電源オン状態であることを前提とする技術であり、複数の装置のうち電源オフ状態の装置が存在するときには、情報(動作データ)を適切に共有できない場合が有る。例えば、一の装置に係る共有情報が更新された際に、他の全ての装置が電源オフ状態である場合には、当該一の装置は他の装置に当該通知を行うことが困難である。
【0006】
そこで、この発明の課題は、サーバによる管理を伴うことなく、複数の装置の相互間で情報を共有する情報共有システムにおいて、複数の装置のうち一部の装置が電源オフ状態である場合においても、情報を適切に共有することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、複数の情報保持装置の相互間で情報を共有する情報共有システムであって、一の情報保持装置と、ネットワークを介して前記一の情報保持装置に接続される他の情報保持装置と、を備え、前記一の情報保持装置は、共有情報に係る第1のデータを格納する第1の格納手段と、前記第1のデータの最新情報を前記他の情報保持装置に送信する送信手段と、を有し、前記他の情報保持装置は、前記共有情報に係る第2のデータを格納する第2の格納手段と、前記一の情報保持装置から前記最新情報を受信する受信手段と、前記最新情報に基づいて前記第2のデータを更新する更新手段と、を有し、前記送信手段は、前記複数の情報保持装置のうち前記一の情報保持装置以外の情報保持装置が全て電源オフ状態である場合には、前記一の情報保持装置が電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、前記最新情報を前記他の情報保持装置に向けて電子メールで送信し、前記受信手段は、前記他の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記最新情報を前記電子メールで受信することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る情報共有システムにおいて、前記受信手段は、前記複数の情報保持装置のうち前記他の情報保持装置以外の1又は2以上の情報保持装置のいずれもが電源オフ状態である場合には、前記他の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記最新情報を前記電子メールで受信することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る情報共有システムにおいて、前記更新手段は、前記受信手段によって複数の電子メールを受信した場合には、当該複数の電子メールのうち最新の電子メールで受信した最新情報に基づいて前記第2のデータを更新することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る情報共有システムにおいて、前記複数の情報保持装置のうち前記他の情報保持装置以外の情報保持装置である第1の情報保持装置は、前記複数の情報保持装置のうち前記第1の情報保持装置以外の情報保持装置である第2の情報保持装置が電源オン状態である場合には、当該第1の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記第2の情報保持装置から前記共有情報に係る最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係る情報共有システムにおいて、前記第1の情報保持装置は、前記第1の情報保持装置以外の2以上の情報保持装置が電源オン状態である場合には、当該第1の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記2以上の情報保持装置のうちその電源オン継続時間が最長の情報保持装置から前記共有情報に係る最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、複数の情報保持装置の相互間で情報を共有する情報共有システムにおいて他の情報保持装置との間でネットワーク通信を行うことが可能な情報保持装置であって、共有情報に係るデータを格納する格納手段と、前記データの最新情報を前記他の情報保持装置に送信する送信手段と、を備え、前記送信手段は、前記複数の情報保持装置のうち自機以外の情報保持装置が全て電源オフ状態である場合には、前記情報保持装置が電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、前記最新情報を前記他の情報保持装置に向けて電子メールで送信することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、複数の情報保持装置の相互間で情報を共有する情報共有システムにおいて他の情報保持装置との間でネットワーク通信を行うことが可能な情報保持装置であって、共有情報に係る第1のデータを格納する格納手段と、前記共有情報に係る第2のデータの最新情報を前記他の情報保持装置から受信する受信手段と、前記最新情報に基づいて前記第1のデータを更新する更新手段と、を備え、前記受信手段は、前記情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記最新情報を前記他の情報保持装置から送信された電子メールを用いて受信することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7の発明に係る情報保持装置において、前記受信手段は、前記複数の情報保持装置のうち自機以外の1又は2以上の情報保持装置のいずれもが電源オフ状態である場合には、前記情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記第2のデータの最新情報を前記電子メールで受信することを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係る情報保持装置において、前記更新手段は、前記受信手段によって複数の電子メールを受信した場合には、当該複数の電子メールのうち最新の電子メールで受信した最新情報に基づいて前記第1のデータを更新することを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項7ないし請求項9のいずれかの発明に係る情報保持装置において、前記受信手段は、前記他の情報保持装置が電源オン状態である場合には、前記情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記他の情報保持装置から前最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、請求項10の発明に係る情報保持装置において、前記受信手段は、前記複数の情報保持装置のうち2以上の情報保持装置が電源オン状態である場合には、前記2以上の情報保持装置のうちその電源オン継続時間が最長の情報保持装置から前記最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、複数の情報保持装置のうち自機以外の情報保持装置が全て電源オフ状態である場合には、一の情報保持装置が電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、第1のデータの最新情報が一の情報保持装置から当該他の情報保持装置に向けて電子メールで送信される。そして、当該他の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、第1のデータの最新情報が当該電子メールで受信される。そのため、当該他の情報保持装置が電源オフ状態であっても、当該第1のデータの更新内容を第2のデータに反映させることが可能である。
【0019】
特に、請求項3に記載の発明によれば、更新手段は、最新の電子メールに基づく1回の更新動作を行うことによって、第2のデータを更新することが可能である。
【0020】
また特に、請求項5に記載の発明によれば、第1の情報保持装置は、2以上の情報保持装置のうちその電源オン継続時間が最長の情報保持装置から共有情報に係る最新情報をデータ通信で受信するので、より正確に最新情報を反映することが可能である。
【0021】
また、請求項6に記載の発明によれば、複数の情報保持装置のうち自機以外の情報保持装置が全て電源オフ状態である場合には、情報保持装置が電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、データの最新情報が情報保持装置から他の情報保持装置に向けて電子メールで送信される。そのため、当該他の情報保持装置が電源オフ状態であっても、当該データの更新内容を当該他の情報保持装置に反映することが可能である。
【0022】
また、請求項7ないし請求項11に記載の発明によれば、情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、他の情報保持装置から送信された第2のデータの最新情報が電子メールで受信される。そのため、当該情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移する前における当該第2のデータの更新内容を第1のデータに反映させることが可能である。
【0023】
また特に、請求項9に記載の発明によれば、更新手段は、最新の電子メールに基づく1回の更新動作を行うことによって、第1のデータを更新することが可能である。
【0024】
また特に、請求項11に記載の発明によれば、受信手段は、2以上の情報保持装置のうちその電源オン継続時間が最長の情報保持装置から共有情報に係る最新情報をデータ通信で受信するので、より正確に最新情報を反映することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態に係る情報共有システムの構成を示す概略図である。
【図2】MFPの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】グループデータの一例を示す図である。
【図4】MFPにおける動作を示すフローチャートである。
【図5】MFPにおける動作を示すフローチャートである。
【図6】MFPにおける動作を示すフローチャートである。
【図7】各MFPにおける電源状態と時間との関係を示す概念図である。
【図8】各MFPにおける電源状態と時間との関係を示す概念図である。
【図9】電子メールの記述例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成概要>
図1は、この実施形態に係る情報共有システム100の構成を示す概略図である。この情報共有システム100は、複数の情報保持装置10(ここでは4つの情報保持装置10a,10b,10c,10d)を備えている。複数の情報保持装置10は、情報共有システム100において、同一のグループGPに属する装置群として管理されており、相互間で情報を共有する。ここでは、情報保持装置10は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))10として構成されているものとする。
【0028】
MFP10は、ネットワークNWを介して互いに接続されており、ネットワーク通信(データ通信)を行うことが可能である。ここにおいて、ネットワークNWは、LAN、WAN、インターネットなどによって構成される。各MFP10のネットワークNWへの接続形態は、有線接続であってもよく或いは無線接続であってもよい。
【0029】
また、ここでは、複数のMFP10は、類似の構成を有しているものとする。以下では、複数のMFP10に共通する構成について説明する。
【0030】
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、MFP10は、通信部4、格納部5およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0031】
通信部4は、通信ネットワークNWを介してネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種プロトコルが利用され、当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種データを授受することが可能である。また、MFP10は、この通信部4を用いて、電子メールの送受信を行うことも可能である。
【0032】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)および不揮発性メモリ等の記憶装置で構成される。この格納部5は、グループGP内の各MFP10の相互間で共有する情報(以下、共有情報とも称する)に係るグループデータGD(後述)を格納する。
【0033】
具体的には、MFP10aの格納部5はグループデータGD1を格納し、MFP10bの格納部5はグループデータGD2を格納する。また、MFP10cの格納部5はグループデータGD3を格納し、MFP10dの格納部5はグループデータGD4を格納する。
【0034】
このように、グループGP内の各MFP10(10a〜10d)は、それぞれの格納部5にグループデータGD(GD1〜GD4)を個別に保持する。
【0035】
また、格納部5は、グループGP内の各MFP10の電子メールアドレスAD(不図示)を格納する。
【0036】
コントローラ9は、MFP10内に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウェアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種処理部を実現する。
【0037】
具体的には、図2に示すように、コントローラ9は、最新情報送信部91と最新情報受信部93とデータ更新部95とを有している。
【0038】
最新情報送信部91は、共有情報に係るグループデータ(自機内のグループデータ)GDの最新情報を他のMFP10に送信する処理部である。
【0039】
最新情報受信部93は、他のMFP10内のグループデータGDの最新情報を当該他のMFP10から受信する処理部である。
【0040】
データ更新部95は、グループデータ(自機内のグループデータ)GDを更新する処理部である。
【0041】
複数のMFP10a,10b,10c,10dは、それぞれ、このような概略構成を有している。
【0042】
つぎに、図3を参照しつつ、グループデータGDについて説明する。なお、図3は、グループデータGDの一例を示す図である。
【0043】
ここでは、図3に示すように、グループデータGDは、MFP10の電源に関するデータとハードディスクに関するデータとを備える。
【0044】
具体的には、電源に関するデータは、MFP10における電源状態を示すデータと電源オン状態への遷移時刻を示すデータとを有する。なお、電源オン状態への遷移時刻を示すデータは、電源オン状態MFP10aに対してのみ記憶される。
【0045】
例えば、図3に示すように、MFP10aの電源状態を示すデータには電源オン状態を示す「ON」が記憶されており、MFP10b,10c,10dの電源状態を示すデータには、それぞれ、電源オフ状態を示す「OFF」が記憶されている。
【0046】
また、MFP10aの電源オン状態への遷移時刻を示すデータには、遷移時刻を示す「2009/10/14/8:30」が記憶されている。
【0047】
また、ハードディスクに関するデータは、MFP10におけるユーザ毎のハードディスクの使用量(GB)(ギガバイト)を示すデータを有する。
【0048】
例えば、図3に示すように、MFP10aにおけるユーザUA1のハードディスクの使用量を示すデータには「1(GB)」が記憶されており、MFP10aにおけるユーザUA2のハードディスクの使用量を示すデータには「0(GB)」が記憶されている。また、MFP10bにおけるユーザUA1のハードディスクの使用量を示すデータには「3(GB)」が記憶されており、MFP10bにおけるユーザUA2のハードディスクの使用量を示すデータには「25(GB)」が記憶されている。また、MFP10cにおけるユーザUA1のハードディスクの使用量を示すデータには「0.5(GB)」が記憶されており、MFP10cにおけるユーザUA2のハードディスクの使用量を示すデータには「1(GB)」が記憶されている。また、MFP10dにおけるユーザUA1のハードディスクの使用量を示すデータには「2.5(GB)」が記憶されており、MFP10dにおけるユーザUA2のハードディスクの使用量を示すデータには「15(GB)」が記憶されている。
【0049】
上述のハードディスクに関するデータは、グループGPにおけるハードディスクの利用制限等に用いられる。より詳細には、当該ハードディスクに関するデータは、ユーザ毎の利用制限に用いられる。
【0050】
例えば、グループGPにおいて、ユーザUA1の利用可能なハードディスクの合計値(上限値)が40(GB)に設定されているとする。このとき、MFP10は、ユーザUA1の現状の使用量をグループデータGDに基づいて算出するとともに、利用の可否を決定する。当該使用量が上限値(40(GB))に達している場合には、MFP10は、ユーザUA1のハードディスクの利用を制限する。一方、当該使用量が上限値(40(GB))に達していない場合には、MFP10は、ユーザUA1のハードディスクの利用を許可する。たとえば、図3においては、ユーザUA1のハードディスクの使用量の合計は、7(=1+3+0.5+2.5)(GB)であり、ユーザUA1の現状の使用量は40(GB)に達していないので、MFP10は、ユーザUA1のハードディスクの利用を許可する。
【0051】
また、電源に関するデータは、次述するMFP10における各種動作を決定するために用いられる。
【0052】
<1−2.動作>
以下では、図4〜図7を参照しながら、MFP10における動作について説明する。
【0053】
図4〜図6は、MFP10の動作を示すフローチャートである。詳細には、図4は、ハードディスクの使用量の変化に伴うMFP10の動作を示すフローチャートであり、図5は、電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際のMFP10の動作を示すフローチャートである。また、図6は、電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後のMFP10の動作を示すフローチャートである。
【0054】
また、図7は、MFP10(10a〜10d)の電源状態と時間との関係を示す概念図である。
【0055】
この第1実施形態では、4台のMFP10において、図7に示すような電源状態の遷移が行われる場合を例示する。
【0056】
具体的には、時刻T1においてMFP10dが電源オン状態から電源オフ状態に遷移し、時刻T2においてMFP10cが電源オン状態から電源オフ状態に遷移する。さらに、時刻T3においてMFP10bが電源オン状態から電源オフ状態に遷移し、時刻T4においてMFP10aが電源オン状態から電源オフ状態に遷移する。
【0057】
また、時刻T5においてMFP10cが電源オフ状態から電源オン状態に遷移し、時刻T6においてMFP10bが電源オフ状態から電源オン状態に遷移する。さらに、時刻T7においてMFP10dが電源オフ状態から電源オン状態に遷移し、時刻T8においてMFP10aが電源オフ状態から電源オン状態に遷移する。
【0058】
なお、時刻T1以前および時刻T8以降においては、各MFP10のいずれもが電源オン状態である。また、時刻T4から時刻T5までの期間においては、各MFP10のいずれもが電源オフ状態である。
【0059】
<1−2−1.ハードディスクの使用量の変化に伴う動作>
はじめに、図4のフローチャートを参照しながら、ハードディスクの使用量の変化に伴うMFP10の動作について説明する。
【0060】
まず、図4のステップS11において、MFP10自身(以下、自機とも称する)のハードディスクの使用量が変化すると、当該自機のデータ更新部95は、当該自機内のグループデータGDを更新する。
【0061】
例えば、MFP10aにおけるユーザUA1のハードディスクの使用量が1(GB)から1.5(GB)に変化したとする。このとき、MFP10aのデータ更新部95は、グループデータGD1におけるユーザUA1のハードディスクの使用量を示すデータを1(GB)から1.5(GB)に更新する(ステップS11)。
【0062】
ステップS12においては、自機の最新情報送信部91は、自機以外の他のMFP10(以下、他機とも称する)の中に電源オン状態のものが存在するか否かを判定する。ここで、自機の最新情報送信部91が他機の中に電源オン状態のものが存在すると判定すると、ステップS13に進み、それ以外の場合には、処理を終了する。
【0063】
ステップS13においては、自機の最新情報送信部91は、他機のうち電源オン状態のものにグループデータGDの最新情報をデータ通信DC1で送信する。ここでは、データ通信DC1は、電子メールよりも高速なデータ伝送手法(例えばFTP通信)により実行される。また、自機の最新情報送信部91は、グループデータGDの最新情報としてグループデータGD自体を送信するものとする。このとき、当該最新情報を受信した他機のデータ更新部95は、当該最新情報に基づいて当該他機内のグループデータGDを即時に更新する。
【0064】
例えば、時刻T1から時刻T2までの期間(図7参照)において、MFP10aのハードディスクの使用量が更新されると、当該MFP10aのデータ更新部95は、MFP10a内のグループデータGD1を更新する(ステップS11)。この後、MFP10aの最新情報送信部91は、MFP10b,10c,10d(他機)のうち電源オン状態のものが存在するか否かを判定する(ステップS12)。図7に示すように、時刻T1から時刻T2までの期間において、MFP10b,10cは電源オン状態である。そのため、ステップS12においては、MFP10aの最新情報送信部91は、MFP10b,10c,10dの中に電源オン状態のものが存在すると判定し、ステップS13に進む。そして、MFP10aの最新情報送信部91は、MFP10b,10cに向けてグループデータGD1をデータ通信DC1で送信する(ステップS13)。このとき、MFP10bのデータ更新部95は当該グループデータGD1に基づいて当該MFP10b内のグループデータGD2を即時に更新し、MFP10cのデータ更新部95は当該グループデータGD1に基づいて当該MFP10c内のグループデータGD3を即時に更新する。
【0065】
また、時刻T3から時刻T4までの期間(図7参照)において、MFP10aのハードディスクの使用量が更新されると、当該MFP10aのデータ更新部95は、MFP10a内のグループデータGD1を更新する(ステップS11)。この後、MFP10aの最新情報送信部91は、MFP10b,10c,10d(他機)のうち電源オン状態のものが存在するか否かを判定する(ステップS12)。図7に示すように、時刻T3から時刻T4までの期間において、MFP10b,10c,10dのいずれもが電源オフ状態である。そのため、ステップS12において、MFP10aの最新情報送信部91は、MFP10b,10c,10dの中に電源オン状態のものが存在しないと判定し、処理を終了する。
【0066】
このように、MFP10は、自機のハードディスクの使用量が変化すると、当該自機内のグループデータGDを更新するとともに、他機のうち電源オン状態のものにグループデータGDをデータ通信DC1で送信する。
【0067】
<1−2−2.電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際の動作>
つぎに、図5のフローチャートを参照しながら、MFP10が電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際の当該MFP10の動作について説明する。
【0068】
MFP10は、電源オン状態から電源オフ状態への遷移指示(例えば操作者から操作入力による遷移指示)を受け付けると、図5のフローチャートの処理を実行する。
【0069】
まず、自機が電源オン状態から電源オフ状態への遷移指示を受け付けると、図5のステップS21において、自機のデータ更新部95は、自機内のグループデータGDの電源状態を示すデータを更新する。
【0070】
ステップS22においては、自機の最新情報送信部91は、他機の中に電源オン状態のものが存在するか否かを判定する。ここで、自機の最新情報送信部91が他機の中に電源オン状態のものが存在すると判定すると、ステップS23に進み、それ以外の場合には、ステップS24に進む。
【0071】
ステップS23においては、自機の最新情報送信部91は、他機のうちの電源オン状態のものにグループデータGDの最新情報をデータ通信DC1で送信する。なお、ここでは、自機の最新情報送信部91は、他機のうちの電源オン状態のものにグループデータGD自体を当該グループデータGDの最新情報として当該データ通信で送信する。このとき、当該最新情報を受信した他機のデータ更新部95は、当該最新情報に基づいて当該他機内のグループデータGDを即時に更新する。
【0072】
ステップS24においては、自機の最新情報送信部91は、自機内のグループデータGDの最新情報を他機に向けて電子メールMLで送信する。
【0073】
具体的には、自機の最新情報送信部91は、更新後のグループデータGDを他機において認識可能な特定のファイル形式(例えばテキスト形式)に変換する。この後、自機の最新情報送信部91は、当該特定のファイルを送付するための電子メールMLを作成する。そして、自機の最新情報送信部91は、当該電子メールMLをネットワークNWを介して他機の電子メールアドレスAD宛に送信する。この電子メールMLにおいて、例えば、テキスト文書化された最新情報がメール本文内に記述される。より詳細には、図9に示すように、自機の最新情報送信部91は、当該メール本文に、グループデータGDにおける各データをタブ区切りで記述する。また、自機の最新情報送信部91は、当該電子メールMLがグループデータGDの最新情報を含むことを明示するため、標題にその旨(例えば「グループデータの最新情報」)を記述する。なお、図9は、電子メールMLの記述例を示す図である。
【0074】
以下では、時刻T2(図7参照)においてMFP10cが電源オン状態から電源オフ状態への遷移指示を受け付ける場合をと、時刻T4(図7参照)においてMFP10aが電源オン状態から電源オフ状態への遷移指示を受け付ける場合とについてさらに詳細に説明する。
【0075】
まず、時刻T2において、MFP10cが電源オン状態から電源オフ状態への遷移指示を受け付けた場合について説明する。
【0076】
ステップS21において、MFP10cのデータ更新部95は、グループデータGD3におけるMFP10cの電源状態を示すデータを、電源オン状態(ON)から電源オフ状態(OFF)に更新する。
【0077】
ステップS22においては、MFP10cの最新情報送信部91は、MFP10a,10b,10d(他機)の中に電源オン状態のものが存在するか否かを判定する。図7に示すように、時刻T2においては、MFP10a,10bが電源オン状態である。そのため、ステップS22において、MFP10cの最新情報送信部91は、MFP10a,10b,10d(他機)の中に電源オン状態のもの(MFP10a,10b)が存在すると判定し、ステップS23に進む。
【0078】
ステップS23において、MFP10cの最新情報送信部91は、MFP10a,10b(他機のうち電源オン状態のもの)にグループデータGD3をデータ通信DC1で送信する(ステップS23)。このとき、MFP10aのデータ更新部95はグループデータGD3に基づいて当該MFP10a内のグループデータGD1を即時に更新し、MFP10bのデータ更新部95はグループデータGD3に基づいて当該MFP10b内のグループデータGD2を即時に更新する。
【0079】
つぎに、時刻T4において、MFP10aが電源オン状態から電源オフ状態への遷移指示を受け付けた場合について説明する。
【0080】
ステップS21において、MFP10aのデータ更新部95は、グループデータGD1におけるMFP10aの電源状態を示すデータを、電源オン状態(ON)から電源オフ状態(OFF)に更新する。
【0081】
ステップS22においては、MFP10aの最新情報送信部91は、MFP10b,10c,10d(他機)の中に電源オン状態のものが存在するか否かを判定する。図7に示すように、時刻T4においては、MFP10b,10c,10dのいずれもが電源オフ状態である。そのため、ステップS22において、MFP10aの最新情報送信部91は、MFP10b,10c,10d(他機)の中に電源オン状態のものが存在しないと判定し、ステップS24に進む。
【0082】
ステップS24において、MFP10aの最新情報送信部91は、グループデータGD1の最新情報をMFP10b,10c,10d(他機)に向けて電子メールML(ML1)で送信する。
【0083】
<1−2−2.電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後の動作>
つぎに、図6のフローチャートを参照しながら、MFP10が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後の当該MFP10の動作について説明する。
【0084】
MFP10は、電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付けると、図6のフローチャートの処理を実行する。
【0085】
まず、図6のステップS31において、自機が電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付けると、当該自機のデータ更新部95は当該自機内のグループデータGDを更新する。
【0086】
ステップS32においては、自機の最新情報受信部93は、他機の中に電源オン状態のものが存在するか否かが判定される。ここで、自機の最新情報受信部93が他機の中に電源オン状態のものが存在すると判定すると、ステップS35に進み、それ以外の場合には、ステップS33に進む。
【0087】
ステップS33において、当該自機が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、自機の最新情報受信部93は、他機から送信されたグループデータGDの最新情報を電子メールで受信する。
【0088】
ステップS34において、自機のデータ更新部95は、ステップS33において受信した最新情報に基づいて、当該自機内のグループデータGDを更新する。ただし、ステップS33において複数の電子メールを受信した場合には、当該自機のデータ更新部95は、当該複数の電子メールのうち最新の電子メールで受信した最新情報に基づいて、当該自機内のグループデータGDを更新する。
【0089】
ステップS35において、自機の最新情報送信部91は、他機のうち、既に電源オン状態のもの、換言すれば、先行して電源オン状態に復帰しているMFP(以下、先行復帰MFPとも称する)にグループデータGDの最新情報をデータ通信DC1で送信する。なお、ここでは、当該自機の最新情報送信部91は、グループデータGDの最新情報として当該グループデータGD自体を送信するものとする。このとき、当該最新情報を受信した他機のデータ更新部95は、当該最新情報に基づいて当該他機内のグループデータGDを即時に更新する。
【0090】
ステップS36において、自機の最新情報受信部93は、先行復帰MFP内のグループデータGDの最新情報を当該先行復帰MFPからデータ通信DC1で受信する。ただし、自機の最新情報受信部93は、先行復帰MFPが複数存在する場合には、当該先行復帰MFPのうち「最先行復帰MFP」から当該最先行復帰MFP内のグループデータGDの最新情報を受信する。ここで、最先行復帰MFPは、1つ又は複数の先行復帰MFPのうちその電源オン継続時間が最長のもの、換言すれば、複数のMFP10のうち最も先行して電源オン状態に復帰しているMFP(以下、最先行復帰MFPとも称する)である。
【0091】
ステップS37において、自機のデータ更新部95は、ステップS36において受信した最新情報に基づいて、自機内のグループデータGDを更新する。
【0092】
以下では、まず、時刻T5(図7参照)においてMFP10cが電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付ける場合を例示する。つぎに、時刻T6(図7参照)においてMFP10bが電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付ける場合を例示し、さらに、時刻T7(図7参照)においてMFP10dが電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付ける場合について例示する。
【0093】
はじめに、時刻T5において、MFP10cが電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付けた場合について説明する。
【0094】
ステップS31において、MFP10cのデータ更新部95は、グループデータGD3におけるMFP10cの電源状態を示すデータを、電源オフ状態(OFF)から電源オン状態(ON)へ更新する。
【0095】
ステップS32においては、MFP10cの最新情報受信部93は、MFP10a,10b,10d(他機)の中に電源オン状態のものが存在するか否かを判定する。ここでは、時刻T5において、MFP10a,10b,10dのいずれもが電源オフ状態である。そのため、ステップS32において、MFP10cの最新情報受信部93は、MFP10a,10b,10dの中に電源オン状態のものが存在しないと判定し、ステップS33に進む。
【0096】
ステップS33においては、MFP10cが電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、MFP10cの最新情報受信部93は、グループデータGD1の最新情報を電子メールML1で受信する。なお、電子メールML1は、時刻T4(図7参照)において、MFP10aが電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、MFP10aの最新情報送信部91によって送信されたものである。
【0097】
ステップS34においては、MFP10cのデータ更新部95は、当該電子メールML1で受信したグループデータGD1の最新情報に基づいて、MFP10c内のグループデータGD3を更新する。
【0098】
つぎに、時刻T6において、MFP10bが電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付けた場合について説明する。
【0099】
ステップS31において、MFP10bのデータ更新部95は、グループデータGD2におけるMFP10bの電源状態を示すデータを、電源オフ状態(OFF)から電源オン状態(ON)へ更新する。
【0100】
ステップS32においては、MFP10bの最新情報受信部93は、MFP10a,10c,10d(他機)の中に電源オン状態のものが存在するか否かを判定する。ここでは、図7に示すように、時刻T6において、MFP10cが電源オン状態である。そのため、ステップS32においては、MFP10bの最新情報受信部93は、MFP10a,10c,10dの中に電源オン状態のもの(MFP10c)が存在すると判定し、ステップS35に進む。
【0101】
ステップS35においては、MFP10bの最新情報送信部91は、MFP10c(先行復帰MFP)にグループデータGD2の最新情報をデータ通信DC1で送信する。なお、ここでは、MFP10bの最新情報送信部91は、当該グループデータGD2の最新情報として当該グループデータGD2自体を送信する。このとき、MFP10cのデータ更新部95は、当該グループデータGD2に基づいて当該MFP10c内のグループデータGD3を即時に更新する。
【0102】
ステップS36においては、MFP10bの最新情報受信部93は、MFP10cからグループデータGD3の最新情報を受信する。換言すれば、当該MFP10bは、当該MFP10cとの間で当該最新情報を送受信する。
【0103】
ステップS37においては、MFP10bのデータ更新部95は、当該グループデータGD3の最新情報に基づいてMFP10b内のグループデータGD2を更新する。
【0104】
続いて、時刻T7において、MFP10dが電源オフ状態から電源オン状態への遷移指示を受け付けた場合について説明する。
【0105】
ステップS31において、MFP10dのデータ更新部95は、グループデータGD4におけるMFP10dの電源状態を示すデータを、電源オフ状態(OFF)から電源オン状態(ON)へ更新する。
【0106】
ステップS32において、MFP10dの最新情報受信部93は、MFP10a,10b,10c(他機)の中に電源オン状態のものが存在するか否かを判定する。ここでは、図7に示すように、時刻T7において、MFP10b,10cが電源オン状態である。そのため、ステップS32において、MFP10dの最新情報受信部93は、MFP10a,10b,10cの中に電源オン状態のもの(MFP10b,10c)が存在すると判定し、ステップS35に進む。
【0107】
ステップS35においては、MFP10dの最新情報送信部91は、MFP10b,10c(先行復帰MFP)にグループデータGD4の最新情報をデータ通信DC1で送信する。なお、ここでは、MFP10dの最新情報送信部91は、当該グループデータGD4の最新情報として当該グループデータGD4自体を送信する。このとき、MFP10bのデータ更新部95は当該グループデータGD4に基づいて当該MFP10b内のグループデータGD2を即時に更新し、MFP10cのデータ更新部95は当該グループデータGD4に基づいて当該MFP10c内のグループデータGD3を即時に更新する。
【0108】
ステップS36においては、MFP10dの最新情報受信部93は、MFP10b,10cのうちその電源オン継続時間が最長のMFP10c(最先行復帰MFP)からグループデータGD3の最新情報を受信する。換言すれば、当該MFP10dは、当該MFP10cとの間で当該最新情報を送受信する。
【0109】
ステップS37においては、MFP10dのデータ更新部95は、当該グループデータGD3の最新情報に基づいて、MFP10d内のグループデータGD4を更新する。
【0110】
以上の動作によれば、MFP10a(自機)の最新情報送信部91は、自機が電源オフ状態に遷移しようとする時点(時刻T4)で他機のいずれもが電源オフ状態である場合には、当該自機内のグループデータGDの最新情報を当該他機に向けて電子メールML1で送信する。そのため、時刻T4にて、他機のいずれもが電源オフ状態である場合であっても、当該自機内のグループデータGD(GD1)の更新内容を他機(MFP10b,10c,10d)内のグループデータGD(GD2,GD3,GD4)に反映させることが可能である。例えば、時刻T5において、複数のMFPのうち最初に電源オン状態に遷移するMFP10cは、MFP10aから電子メールML1で受信したグループデータGD1の最新情報に基づいて、当該グループデータGD1の更新内容を当該MFP10c内のグループデータGD3に反映することが可能である。
【0111】
また、MFP10b(自機)の最新情報受信部93は、先行復帰MFP(MFP10c)から当該先行復帰MFP内のグループデータGD(GD3)の最新情報をデータ通信DC1で受信する。そのため、当該先行復帰MFP(MFP10c)が電源オン状態に復帰してからMFP10b(自機)が電源オン状態に遷移するまでの期間(時刻T5〜時刻T6)における当該先行復帰MFP内のグループデータGD(GD3)の更新内容をも、自機内のグループデータGD(GD2)に反映させることが可能である。
【0112】
同様に、MFP10d(自機)の最新情報受信部93は、先行復帰MFP(MFP10c)から当該先行復帰MFP内のグループデータGD(GD3)の最新情報をデータ通信DC1で受信する。そのため、当該先行復帰MFP(MFP10c)が電源オン状態に復帰してからMFP10d(自機)が電源オン状態に遷移するまでの期間(時刻T5〜時刻T7)における当該先行復帰MFP内のグループデータGD(GD3)の更新内容をも、自機内のグループデータGD(GD4)に反映させることが可能である。
【0113】
ところで、図7において、時刻T6と時刻T7とに僅かな時間差しかない場合(ほぼ同時の場合)が考えられる。このとき、時刻T7において、MFP10dが電源オフ状態から電源オン状態に復帰した際に、MFP10b内のグループデータGD2の更新が完了していない状況が存在する。このような状況下においては、MFP10dの最新情報受信部93は、MFP10b内のグループデータGD2の最新情報を利用しても、当該MFP10bから正確な共有情報を得ることは困難である。
【0114】
これに対して、この実施形態に係るMFP10dの最新情報受信部93は、先行復帰MFP10b,10cのうちその電源オン継続時間が最長のMFP10cから当該MFP10c内のグループデータGD3の最新情報を受信する。換言すれば、MFP10dの最新情報受信部93は、複数の先行復帰MFPのうち最先行復帰MFPから当該最先行復帰MFP内のグループデータGDの最新情報を受信する。
【0115】
これによれば、遷移指示受付MFP10の最新情報受信部93は、複数の先行復帰MFPのうち最先行復帰MFPから当該最先行復帰MFP内のグループデータGDの最新情報を受信することによって、より正確に最新情報を受信することが可能である。
【0116】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0117】
上記第1実施形態では、図7に示すように、時刻T5において、MFP10cが電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、MFP10cの最新情報受信部93は、1通の電子メールML1を受信する場合を例示した。
【0118】
この第2実施形態では、図8に示すように、時刻T10において、MFP10dが電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、MFP10dの最新情報受信部93は、2通の電子メールML1,ML2を受信する場合を例示する。後述するように、この第2実施形態では、図6のステップS34での動作が第1実施形態と相違する。
【0119】
具体的には、この第2実施形態では、時刻T9において、MFP10cが、再び、電源オン状態から電源オフ状態に遷移する。このとき、MFP10cは、図5のフローチャートの処理を実行する。図8に示すように、時刻T9において、MFP10a,10b,10dは電源オフ状態である。そのため、MFP10cが電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、MFP10cの最新情報送信部91は、グループデータGD3の最新情報をMFP10a,10b,10dに向けて電子メールML2で送信する(図5のステップS24)。
【0120】
この後、時刻T10において、MFP10dが電源オフ状態から電源オン状態に遷移し、当該MFP10dは図6のフローチャートの処理を実行する。図8に示すように、時刻T10において、MFP10a,10b,10cは電源オフ状態である。そのため、MFP10dが電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、MFP10dの最新情報受信部93は、グループデータGD1の最新情報を電子メールML1で受信するとともに、グループデータGD3の最新情報を電子メールML2で受信する。即ち、MFP10dが電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、MFP10dの最新情報受信部93は、複数の電子メール(電子メールML1および電子メールML2)を受信する(図6のステップS33)。
【0121】
さらに、MFP10dのデータ更新部95は、ステップS33で受信した電子メールに含まれる最新情報に基づいて、グループデータGD4を更新する(ステップS34)。ただし、この第2実施形態においては、ステップS34(図6)において、複数の電子メールのうち最新の電子メールで受信した最新情報に基づいて、グループデータGD4を更新する。
【0122】
この第2実施形態においては、図8に示すように、電子メールML1は時刻T5において送信されており、電子メールML2は時刻T9(>T5)において送信されている。即ち、電子メールML2が最新の電子メールである。そして、上述のように、MFP10dのデータ更新部95は、当該最新の電子メールML2で受信したグループデータGD3の最新情報に基づいてMFP10d内のグループデータGD4を更新する。
【0123】
なお、時刻T5(図8参照)においては、第1実施形態と同様に、MFP10cが電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、MFP10cの最新情報受信部93は、グループデータGD1の最新情報を電子メールML1で受信する。さらに、MFP10cのデータ更新部95は、電子メールML1で受信した最新情報に基づいて、MFP10c内のグループデータGD3を更新する。即ち、MFP10c内のグループデータGD3には、グループデータGD1の最新情報が反映されている。
【0124】
したがって、時刻T10(図8参照)において、電子メールML2で受信したグループデータGD3の最新情報に基づいてグループデータGD4が更新されると、当該グループデータGD4には、グループデータGD1の最新情報も反映される。
【0125】
以上の動作によれば、自機のデータ更新部95は、他機から複数の電子メールを受信した場合には、当該複数の電子メールのうち最新の電子メールで受信した最新情報に基づいて自機内のグループデータGDを更新する。そのため、自機のデータ更新部95は、複数の電子メールを受信した場合においても、最新の電子メールに基づく1回の更新動作を行うことによって、自機内のグループデータGDを最新の状態に更新することが可能である。すなわち、複数の電子メールに基づく複数回の更新動作を行うことを要しない。
【0126】
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記で説明した内容のものに限定されるものではない。
【0127】
たとえば、上記各実施形態においては、自機の最新情報送信部91は、データ通信において、自機内のグループデータGD自体を当該グループデータGDの最新情報として他機に送信する場合を例示したが、これに限定されず、差分データを用いるようにしてもよい。具体的には、自機の最新情報送信部91は、データ通信において、自機内のグループデータGDの更新後の差分データを当該グループデータGDの最新情報として他機に送信するようにしてもよい。
【0128】
また、上記各実施形態においては、グループデータGDが各MFP10の電源に関するデータとハードディスクに関するデータとを備えて構成される場合を例示したが、これに限定されず、グループデータGDが各種データを備えて構成されるようにしてもよい。たとえば、グループデータGDが各MFP10の電源に関するデータとユーザ情報(ユーザIDデータおよびパスワードデータ等)に関するデータとを備えて構成されるようにしてもよい。
【0129】
また、上記各実施形態では、図4のステップS13、図5のステップS23、図6のステップS35および図6のステップS36のそれぞれにおいて、最新情報がデータ通信DC1で送受信される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、ステップS13、ステップS23、ステップS35およびステップS36のそれぞれにおいて、当該最新情報が電子メールMLで送受信されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0130】
10(10a〜10d) 情報保持装置(MFP)
100 情報共有システム
GD(GD1〜GD4) グループデータ
T1〜T10 時刻
ML1,ML2 電子メール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報保持装置の相互間で情報を共有する情報共有システムであって、
一の情報保持装置と、
ネットワークを介して前記一の情報保持装置に接続される他の情報保持装置と、
を備え、
前記一の情報保持装置は、
共有情報に係る第1のデータを格納する第1の格納手段と、
前記第1のデータの最新情報を前記他の情報保持装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記他の情報保持装置は、
前記共有情報に係る第2のデータを格納する第2の格納手段と、
前記一の情報保持装置から前記最新情報を受信する受信手段と、
前記最新情報に基づいて前記第2のデータを更新する更新手段と、
を有し、
前記送信手段は、前記複数の情報保持装置のうち前記一の情報保持装置以外の情報保持装置が全て電源オフ状態である場合には、前記一の情報保持装置が電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、前記最新情報を前記他の情報保持装置に向けて電子メールで送信し、
前記受信手段は、前記他の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記最新情報を前記電子メールで受信することを特徴とする情報共有システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報共有システムにおいて、
前記受信手段は、前記複数の情報保持装置のうち前記他の情報保持装置以外の1又は2以上の情報保持装置のいずれもが電源オフ状態である場合には、前記他の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記最新情報を前記電子メールで受信することを特徴とする情報共有システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報共有システムにおいて、
前記更新手段は、前記受信手段によって複数の電子メールを受信した場合には、当該複数の電子メールのうち最新の電子メールで受信した最新情報に基づいて前記第2のデータを更新することを特徴とする情報共有システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の情報共有システムにおいて、
前記複数の情報保持装置のうち前記他の情報保持装置以外の情報保持装置である第1の情報保持装置は、前記複数の情報保持装置のうち前記第1の情報保持装置以外の情報保持装置である第2の情報保持装置が電源オン状態である場合には、当該第1の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記第2の情報保持装置から前記共有情報に係る最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする情報共有システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報共有システムにおいて、
前記第1の情報保持装置は、前記第1の情報保持装置以外の2以上の情報保持装置が電源オン状態である場合には、当該第1の情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記2以上の情報保持装置のうちその電源オン継続時間が最長の情報保持装置から前記共有情報に係る最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする情報共有システム。
【請求項6】
複数の情報保持装置の相互間で情報を共有する情報共有システムにおいて他の情報保持装置との間でネットワーク通信を行うことが可能な情報保持装置であって、
共有情報に係るデータを格納する格納手段と、
前記データの最新情報を前記他の情報保持装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記送信手段は、前記複数の情報保持装置のうち自機以外の情報保持装置が全て電源オフ状態である場合には、前記情報保持装置が電源オン状態から電源オフ状態に遷移する際に、前記最新情報を前記他の情報保持装置に向けて電子メールで送信することを特徴とする情報保持装置。
【請求項7】
複数の情報保持装置の相互間で情報を共有する情報共有システムにおいて他の情報保持装置との間でネットワーク通信を行うことが可能な情報保持装置であって、
共有情報に係る第1のデータを格納する格納手段と、
前記共有情報に係る第2のデータの最新情報を前記他の情報保持装置から受信する受信手段と、
前記最新情報に基づいて前記第1のデータを更新する更新手段と、
を備え、
前記受信手段は、前記情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記最新情報を前記他の情報保持装置から送信された電子メールを用いて受信することを特徴とする情報保持装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報保持装置において、
前記受信手段は、前記複数の情報保持装置のうち自機以外の1又は2以上の情報保持装置のいずれもが電源オフ状態である場合には、前記情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記第2のデータの最新情報を前記電子メールで受信することを特徴とする情報保持装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の情報保持装置において、
前記更新手段は、前記受信手段によって複数の電子メールを受信した場合には、当該複数の電子メールのうち最新の電子メールで受信した最新情報に基づいて前記第1のデータを更新することを特徴とする情報保持装置。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の情報保持装置において、
前記受信手段は、前記他の情報保持装置が電源オン状態である場合には、前記情報保持装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後に、前記他の情報保持装置から前最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする情報保持装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報保持装置において、
前記受信手段は、前記複数の情報保持装置のうち2以上の情報保持装置が電源オン状態である場合には、前記2以上の情報保持装置のうちその電源オン継続時間が最長の情報保持装置から前記最新情報をデータ通信で受信することを特徴とする情報保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−4709(P2012−4709A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135946(P2010−135946)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】