情報再生装置、情報再生方法
【課題】グルーブのウォブリングによって記録された情報の検出精度を高める。
【解決手段】グルーブのウォブリングによって記録されているアドレス情報等の再生専用情報の再生において、ウォブリングの複数の位相変化によって表される情報語の復号に最尤復号を用いる。このとき、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって情報語を復号することで、アドレス情報等の検出精度を高め、外乱が発生した条件のもとでもより安定に記録等の動作ができるようにする。そして特に、1ビットの情報語の符号化則に基づくことで、最尤復号過程での状態の遷移を縮退し、回路規模の肥大化を招かない効率的な復号処理を行う。
【解決手段】グルーブのウォブリングによって記録されているアドレス情報等の再生専用情報の再生において、ウォブリングの複数の位相変化によって表される情報語の復号に最尤復号を用いる。このとき、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって情報語を復号することで、アドレス情報等の検出精度を高め、外乱が発生した条件のもとでもより安定に記録等の動作ができるようにする。そして特に、1ビットの情報語の符号化則に基づくことで、最尤復号過程での状態の遷移を縮退し、回路規模の肥大化を招かない効率的な復号処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクなどの光記録媒体に対する情報再生装置、情報再生方法に関し、特に蛇行された案内溝(ウォブリンググルーブ)によって記録されている再生専用情報の再生に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−213870号公報
【0003】
光学的に情報の記録又は再生が可能な光記録媒体として、光ディスク、光カード等が知られている。これらの光記録媒体に対しては、半導体レーザ等のレーザ光を用い、レンズを介して微小に集光した光ビームを照射することで、情報の記録或いは再生を行う。
【0004】
光ディスクのフォーマットの1つであるDVD+R(Digital Versatile Disc + Recordable)、DVD+RW(Digital Versatile Disc + ReWritable) におけるアドレス記録には、ADIP(Address in PreGroove) 方式が用いられている。
これは、ディスクのトラックの案内溝(グルーブ)を微少な振幅で蛇行(ウォブリング)させ、蛇行の位相によって再生専用の情報としてアドレス等を記録するものである。
溝の蛇行からの再生信号はウォブル再生信号と呼ばれ、ほぼ正弦波状に形成される。このウォブル再生信号の一周期分の位相を反転させる個所を設けるという変調を用いて、ウォブリンググルーブによる情報記録が行われている。
【0005】
例えば図10(a)に示すように、通常位相の個所をP(positive wobble) 、位相反転部分をN(negative wobble)としたとき、NPPPPPNNの列が情報語の「0」を表すという規則になっている。また図10には示していないが、NPPPNNPPの列が情報語の「1」を表す。
これまでの技術では、例えば図11に示すウォブル検出部100の構成によりウォブル再生信号から情報語を検出していた。即ち、まずウォブル再生信号をサンプリング部101でA/D変換してデジタル信号とする。続いてしきい値判定部102では、サンプリング部101でサンプルされた値を、図10(b)のように或るしきい値と比較し、サンプル値がしきい値を越えた場合はN(ネガティブウォブル)、サンプル値はしきい値を下回った場合はP(ポジティブウォブル)とする。しきい値判定部102では、このような検出結果として、図10(c)のようにサンプル値毎にP、Nが検出されるが、この検出されたP、Nの列がパターン検出部103でパターン検出される。そしてNPPPPPNNのパターンが検出されたら、その部分が情報語の「0」の1ビットとして検出される(検出ビット)。
このような検出方式によれば、ノイズや歪みなどのない安定した条件での動作時には正しく例えば図10(c)のようにNPPPPPNNの列が検出され、ウォブル再生信号から情報語が検出されることになる。
このように1ビットの情報語が検出されたら、その情報語の列は後段のアドレスデコード部に供給され、アドレスデコード部においてアドレス値がデコードされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら実際のディスク記録再生装置においては、ディスクの回転むらやノイズの発生などによりウォブル再生信号には外乱が重畳されるため、情報語の検出誤りが起きやすいという問題がある。ADIPとしてのアドレス値はディスク上の位置を示す信号であり、これを基に情報の記録を行うためのものであるから、この情報語の検出誤りによりアドレス情報を誤ると、正常に記録が行えなくなる。
【0007】
そこで本発明では、グルーブのウォブリングによって記録された情報の検出精度を高めた検出方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報再生装置は、情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報(例えばアドレス情報)が記録されている光記録媒体に対して再生を行う情報再生装置である。そして、上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するウォブル再生信号検出手段と、上記ウォブル再生信号検出手段で検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号手段と、上記復号手段で得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコード手段とを備える。
【0009】
また、上記復号手段は、上記ウォブル再生信号から上記案内溝の蛇行の一周期ごとに、その位相を表す情報を検出する位相検出部と、上記位相を表す情報から、上記情報語の符号化則の中で存在しうるデータパターンに対するメトリックを演算するメトリック演算部と、上記演算されたメトリックから最尤であるデータ遷移を選択する選択部と、上記データパターンの候補の遷移を記憶する記憶部とを備える。
また上記復号手段では、上記位相変化による値を状態とするトレリス線図に基づいた最尤復号処理を行う。
また上記1ビットの情報語は、上記案内溝の蛇行の8周期の位相変化によって構成されており、上記復号手段では、16個の状態数を持つ復号処理によって復号を行う。
また上記復号手段では、上記最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号する。
【0010】
本発明の情報再生方法は、情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報が記録されている光記録媒体から、上記再生専用情報を再生する情報再生方法である。そして、上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するステップと、上記検出ステップで検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号ステップと、上記復号ステップで得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコードステップとを備える。
【0011】
即ち本発明ではグルーブのウォブリングによって記録されているアドレス情報等の再生専用情報の再生において、ウォブリングの複数の位相変化によって表される情報語の復号に最尤復号を用いる。
このとき、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号することで、アドレス情報等の検出精度を高め、外乱が発生した条件のもとでもより安定に記録等の動作ができるようにする。そして特に、1ビットの情報語の符号化則に基づくことで、最尤復号過程での状態(ステート)の遷移を縮退し、回路規模の肥大化を招かない効率的な復号処理を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光記録媒体のウォブリンググルーブによる情報を検出する方式として最尤復号(ビタビ復号)を適用することにより、信号品質の劣化した状態でも良好に情報語を検出でき、これによりアドレス等の再生専用情報を精度良く検出できるようになる。従って、例えば光ディスクの劣化や装置の振動の発生などの条件の悪い状態でも良好にディスクへのアクセス等の動作が可能となる。
また、最尤復号器として、縮退された状態を用いた演算方式を用いることにより最尤復号回路規模の肥大化を防ぎ、効率的な構成とすることができる。
また最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から1ビットの情報語を直接復号することで、パターン検出回路も不要とでき、回路規模の最小化によるコストダウンを実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.基本的な考え方]
[2.記録再生装置の構成]
[3.ウォブルデコード部の構成及び動作]
【0014】
[1.基本的な考え方]
実施の形態の記録再生装置は、DVD+R、DVD+RWとしての光ディスクに対して記録再生を行う装置とする。 DVD+R、DVD+RWにおいてADIPとしてグルーブのウォブリングで記録される情報の符号化方法としては、以下のルールにしたがった変換がなされている。
すなわち、図10で説明したようにウォブリングの波形の位相をP、Nで示した場合において、情報語としての「0」を8周期のウォブリングにおけるNPPPPPNN、情報語としての「1」を8周期のウォブリングにおけるNPPPNNPP、同期マークを表す情報を8周期のウォブリングにおけるNNNNPPPPで表すように符号化がされ、これらのパターンとパターンの間には85個のPがはさまるようになされている。
【0015】
この場合、フォーマット上規定されている符号語としては、NPPPPPNN、NPPPNNPP、NNNNPPPP、85個のPの4種類しか存在しない。
従って、これらの最小符号間ユークリッド距離dminは、NとPの距離を1とすると、例えば、
符号1:PPP・・・PPPNNNNPPPPPP・・・PPPと、
符号2:PPP・・・PPNNNNPPPPPPP・・・PPPとの距離であり、
【数1】
から
【数2】
となる。
【0016】
最小符号間距離が1より大きいため、符号の制約条件を使って最尤復号によって復号することにで符号化利得を稼ぐことが可能となる。
具体的には、この符号の制約条件を使い、入力信号をNまたはPとするビタビ復号器に適用することによって利得を実現する。
【0017】
なお、上記特許文献1として示した公報に記載された技術として、ウォブルの位相変調によって形成されたアドレス情報から最尤復号器にてアドレス情報を再生する手法が提案されているが、その手法では4つの位相の変化分を状態とする最尤復号を行う手法であり、そこで演算されている最小符号間距離は、例えばPPPPPPPとPPPNPPPのふたつの符号の場合である。この場合、
【数3】
から、
【数4】
となる。従って、この場合では符号化利得は1であるが、本発明の実施の形態における最小符号間距離はその√2倍あるため、さらに約3dBの検出利得を得ることが可能となり、より良好なアドレス検出を実現することができるものである。
【0018】
以下、本実施の形態の考え方の説明において、簡単のためにP(ポジティブウォブル)を「0」、N(ネガティブウォブル)を「1」と記述し、まず符号語としてモノトーンの「0000」と、同期マークである「1111」のみが存在する場合を例にとって、復号アルゴリズムと回路としての実現方法を説明する。
【0019】
ここでは、4ビット長の符号語が存在するので、24=16個の状態数を持つトレリス線図を図1に示す。図1では、各状態(ステート)として「0000」「0001」・・・「1111」の16個の状態が示され、矢印により、あり得る状態遷移を示している。○、●はそれぞれ各時点の状態である。
【0020】
初期状態としモノトーン、すなわち「0000」からスタートするとする。89個の「0」が連続している期間(同期マーク「NNNNPPPP」の後半の4個の「PPPP」の期間と85個のPの期間)は、状態「0000」→「0000」の遷移が継続される。
同期マークの最初の「1」がくると、状態「0000」から「0001」に遷移し、その後「0011」→「0111」→「1111」に至る。 このときに遷移する状態を●で示している。
同期マークの1は4ビット続き、その次は必ず「0」であるから、状態「1111」に至った後は、破線で示すように「1110」→「1100」→「1000」と遷移した後、「0000」に戻る。
【0021】
従って、実際に必要な状態数は16個ではなく、( )を付した状態を除いた8個となる。つまり同期マークのみを考えた場合、「0010」「0100」「0101」「0110」「1001」「1010」「1011」「1101」は不要であり、8個の状態として状態「0000」「0001」「0011」「0111」「1000」「1100」「1110」「1111」を考えればよい。
さらに、同期マークのあとには必ず89個の「0」が来るという条件があるので、破線で示した「1111」→「1110」→「1100」→「1000」→「0000」の遷移は、「1111」→「0000」としても最小距離に変化はないため、状態「1110」「1100」「1000」は状態「0000」に縮退することができる。
すなわち、これらの4つの状態をまとめて「***0」と表現することで、最終的に、図に☆を付した「***0」「0001」「0011」「0111」「1111」の5つの状態だけあればよいということができる。
【0022】
次に、実際のADIPパターンに適用する場合について説明する。
実際のフォーマットでは、85個の「0」の連続と、「10001100」「10000011」「11110000」が存在しているので、これらを処理するビタビ復号器は以下のようにして構成する。
【0023】
この場合の符号語は8ビット長であるから、最大28=256個の状態が考えられるが、符号語として「0000」と「1111」のみが存在するとして説明した上記図1の場合と同様に、状態数縮退法を適用することにより、トレリス線図は図2に示すように簡略化することができる。
即ち、図2のように状態S00、S01・・・S15の16個の状態数に縮退できる。各状態を8ビットで表すと次のようになる。
状態S00:00000000
状態S01:00000001
状態S02:00000011
状態S03:00000111
状態S04:00001111
状態S05:00000010
状態S06:00000100
状態S07:00001000
状態S08:00010001
状態S09:00100011
状態S10:01000110
状態S11:10001100
状態S12:00010000
状態S13:00100000
状態S14:01000001
状態S15:10000011
【0024】
図3は、図2のトレリス線図における状態遷移を、各状態にあるときから、次に入力される値「0」「1」に応じて遷移するパスを示したものである。
状態S00からは、状態S00又は状態S01へのパスが存在する。
状態S01からは、状態S02又は状態S05へのパスが存在する。
状態S02からは、状態S03へのパスが存在する。
状態S03からは、状態S04へのパスが存在する。
状態S04からは、状態S00へのパスが存在する。
状態S05からは、状態S06へのパスが存在する。
状態S06からは、状態S07へのパスが存在する。
状態S07からは、状態S08又は状態S12へのパスが存在する。
状態S08からは、状態S09へのパスが存在する。
状態S09からは、状態S10へのパスが存在する。
状態S10からは、状態S11へのパスが存在する。
状態S11からは、状態S00へのパスが存在する。
状態S12からは、状態S13へのパスが存在する。
状態S13からは、状態S14へのパスが存在する。
状態S14からは、状態S15へのパスが存在する。
状態S15からは、状態S00へのパスが存在する。
【0025】
この図2,図3のように状態数は16個であり、パスのマージは状態S00(=「00000000」)に来る一カ所のみであるから、ビタビ復号器内のACS(add compare select)としては1個であり、「compare」と「select」のないACS、つまり単なる加算器が15個の構成となる。
このような手法でビタビ復号器を構成することにより、最小符号間距離を√2とする検出器を実現できる。
この方式によるビタビ検出を組み込んだビタビ復号器の構成については図7、図8、図9で後述するが、このビタビ復号器の検出性能の例を図4に示しておく。
【0026】
図4の特性は、ウォブル再生信号のSN比(信号とノイズの比)を変えたときの検出エラーレートをシミュレーションによって求めたものであり、従来型の図11のようなレベル検出方式を用いる場合を■で、本発明にかかるビタビ検出方式を用いる場合を△で示している。
例えば同じビットエラーレート10-6を得るのに必要なSN比は従来のレベル検出方式の場合は約19dB必要であるのに対し、本例のビタビ検出方式を用いる場合には.16dB以下ですむ。
すなわち、ウォブル再生信号のSN比が3dB以上劣化した条件でも同等のエラー特性を得ることができる。
【0027】
以上のように、本実施の形態は、アドレス符号化における制約条件を利用し、最小符号間距離が1より大きいことを利用して、ビタビ復号器によってADIPとしてのアドレス情報を復号することにより、信号検出利得を高め、信号品質の悪い条件でも高い復号性能を実現するようにするものである。
さらに、ビタビ復号器内のパスメモリは系列推定を行うものであることを利用し、ビタビ復号器からの出力として直接情報語を出力することで、パターン検出器を不要とし、回路規模を小さくするような構成をとる。
【0028】
[2.記録再生装置の構成]
本発明の情報再生装置の実施の形態となる記録再生装置の構成を図5に示す。
この記録再生装置は、DVD+R、DVD+RW、DVD−ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory) としてのDVD方式のディスクや、CDDA(Compact Disc Digital Audio)、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory) 、CD−R(Compact Disc - Recordable)、CD−RW(Compact Disc - Rewritable)等のCD方式の光ディスク90に対して情報の記録及び再生を行う装置である。
【0029】
光ディスク90は、図示しないターンテーブルに積載され、記録再生動作時においてスピンドルモータ3によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。
そしてピックアップ1によるレーザ照射及び反射光の検出によって、光ディスク90にエンボスピット形態、色素変化ピット形態(DVD+R等の場合)、或いは相変化ピット形態(DVD+RW等の場合)などで記録されているデータの読み出しや、光ディスク90上に形成されているウォブリンググルーブによるADIP情報の読み出しが行なわれることになる。また、DVD+R、DVD+RW等の記録可能な光ディスク90に対しては、ピックアップ1によるレーザ照射により、色素変化ピットや相変化ピットを形成する情報記録動作が行われる。
【0030】
ピックアップ1内には、レーザ光源となるレーザダイオード1cや、レーザダイオード1cをレーザ発光駆動するレーザドライバ1d、光ディスク1からの反射光やレーザパワーを検出するための複数の検出部からなるフォトディテクタ1b、レーザ光の出力端となる対物レンズを保持するとともに対物レンズをトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持する二軸アクチュエータ1a、さらには図示しないが、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタ1bに導く光学系などが形成される。
またピックアップ1全体はスレッド機構2によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0031】
光ディスク90からの反射光情報はフォトディテクタ1bによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてRFアンプ/マトリクス部4に供給される。
RFアンプ/マトリクス部4には、ピックアップ1内の複数のフォトディテクタ1bからの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、ウォブリンググルーブの情報となる例えばプッシュプル信号としてのウォブル再生信号などを生成する。
またRFアンプ/マトリクス部4は、フォトディテクタ1bにおけるレーザパワーのモニタ用の検出部からの信号から、レーザーパワーの制御信号を生成し、レーザドライバ1dにフィードバックする。レーザドライバ1dでは、この制御信号に応じてレーザダイオードの駆動パワーがコントロールされることで、APC(Automatic Power Control)動作として目的とするレーザーパワーでの安定したレーザ出力が行われる。
【0032】
再生時においてRFアンプ/マトリクス部4で得られた再生RF信号は、EFM+/EFM復調部6において、2値化、EFM+信号(8−16変調信号)又はEFM信号(8−14変調信号)に対する復調処理が行われる。
また、この復調処理に用いる再生クロックがPLL回路5で生成される。
さらに復調された信号については、DVD/CDデコード部7で、ディスクフォーマットに応じたデコード処理、エラー訂正処理、デインターリーブ等が施され、再生データが得られる。
なお、DVD/CDデコード部7では、デコード処理時に得られた情報の中から、サブコード情報やセクターID情報などを抜き出しており、これらの情報をCPU11に供給する。
【0033】
RAM9は、バッファマネージャ8の管理のもと、インターフェース10から得られたデータを保存したり、ホスト機器に対してデータ転送する為のバッファメモリとして用いられる。
DVD/CDデコード部7で得られた再生データは、バッファマネージャ8によりRAM9に一時的に格納される。
【0034】
インターフェース10は、外部のパーソナルコンピュータ等のホスト機器と接続され、ホスト機器との間で再生データやリード/ライトコマンド等の通信を行う。
そして、この記録再生装置からの再生出力としては、バッファマネージャ8によりRAM9にバファリングされているデータが読み出され、インターフェース10を介してホスト機器に転送出力されることになる。
またホスト機器からのリード/ライトコマンドや記録データ、その他の信号はインターフェース10を介してバッファマネージャ8に受け渡されてRAM9にバッファリングされたり、CPU11に供給される。
このインターフェース10は例えばATAPI(AT Attachment Packet Interface)とされる。
【0035】
CPU11は、例えばマイクロコンピュータで形成され、装置全体の制御を行う。CPU11の動作プログラムはプログラムROM12に格納される。
CPU11は、インターフェース10を介して受け取ったホスト機器からのコマンドに応じて、動作プログラムで規定された各種処理を行う。
【0036】
ホスト機器からライトコマンド及び記録データが供給されることで光ディスク90に対する記録が行われる。
データの記録時においては、RAM9にバッファリングされた記録データは、DVD/CDエンコード部16においてインターリーブやエラー訂正コード付加などが施され、さらにEFM+/EFM変調部17で、EFM+変調又はFEM変調が施される。
そしてこのように変調された記録データがライトストラテジ18に供給される。ライトストラテジ18は、変調された記録データに応じてレーザ駆動パルスの生成、波形整形、記録タイミング補正等を行い、レーザ駆動パルスをレーザドライバ1dに供給する。レーザドライバ1dは、レーザ駆動パルスに応じてレーザダイオード1cを駆動し、記録データに応じたレーザ出力を実行させ、光ディスク90にデータ書込を行う。
【0037】
この記録動作時においては、CPU11は、光ディスク90の記録領域に対してピックアップ1から記録パワーでレーザ光を照射するように制御する。
光ディスク90が色素変化膜を記録層としたライトワンス型のものである場合は、記録パワーのレーザ照射により、色素変化によるピットが形成されていく。
またディスク90が相変化記録層のリライタブルディスクの場合は、レーザ光の加熱によって記録層の結晶構造が変化し、相変化ピットが形成されていく。
【0038】
記録時及び再生時において、RFアンプ/マトリクス部4から出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号は、A/D変換器21でデジタルデータ化され、サーボ制御部14へ供給される。なおSRAM(Static Random Access Memory)13には、サーボ制御部14の処理のための係数、定数、サーボ設定値等が記憶される。
サーボ制御部14は、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号や、例えばPLL回路5(又はPLL回路19)のクロックから生成される回転速度信号等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号を生成し、アクチュエータドライバ23に供給する。アクチュエータドライバ23は、ピックアップ1における二軸アクチュエータ1aのフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動し、対物レンズの位置を制御する。これによってピックアップ1内の対物レンズ、RFアンプ/マトリクス部4、サーボ制御部14、アクチュエータドライバ23、二軸アクチュエータ1aによるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0039】
サーボ制御部14はさらに、スピンドルモータドライバ24に対して、回転速度信号から得たスピンドルエラー信号に基づくスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータドライバ24はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ3に印加し、スピンドルモータ3の回転を実行させる。またサーボ制御部14はCPU11からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ24によるスピンドルモータ3の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
【0040】
またサーボ制御部14は、例えばトラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、CPU11からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ22に供給する。スレッドドライバ22はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構2を駆動する。スレッド機構2には、図示しないが、ピックアップ1を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライバ22がスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構2を駆動することで、ピックアップ1の所要の半径方向のスライド移動が行なわれる。
【0041】
CPU11は、ホスト機器からの指示に基づいて上述の再生動作や記録動作を実行する際には、サーボ制御部14に指示して、ピックアップ1の記録再生位置の制御やスピンドルモータ3の回転駆動など必要な動作を実行させることになる。
【0042】
記録時及び再生時には、RFアンプ/マトリクス部4で例えばプッシュプル信号としてウォブル再生信号が得られる。このウォブル再生信号はA/D変換器20でデジタルデータ化されウォブルデコード部15に供給される。
詳しくは後述するが、ウォブルデコード部15は、ウォブル再生信号に対してデコード処理を行い、ADIP情報として記録されているアドレス情報を得る。アドレス情報はサーボ制御部14及びCPU11に供給される。特に光ディスク90にデータが記録されていない記録時には、このADIP情報としてデコードされたアドレス情報を頼りに、記録動作が行われることになる。
また、記録時にはウォブル再生信号に基づいてPLL回路19が記録用のクロック生成し、ライトストラテジ18の記録タイミング補正処理等のために供給される。
【0043】
[3.ウォブルデコード部の構成及び動作]
本例では、ウォブルデコード部15において、ADIP情報をビタビ復号(最尤復号)方式を利用して復号することを特徴の一つとしている。
図6はDVD+R、DVD+RWとしての光ディスク90におけるウォブリンググルーブの様子を示している。
【0044】
光ディスク90には、盤面上の位置を表すアドレス情報が、記録トラック形成する溝の微少な蛇行としてのウォブリンググルーブによって記録されている。
このウォブリンググルーブは図6(a)に示すように、モノトーン部分においては、データビットの周期Tの32ビット分を1周期として蛇行するように形成されている。このモノトーン部分の蛇行を検出する信号、即ちウォブル再生信号は、図6(b)のような信号波形となり、例えばウォブル一周期の前から3/4のタイミングのところをサンプリングすると、常にボトム側のピーク値が得られることになるので、例えばウォブル再生信号のピークとボトムの中点をしきい値として、しきい値検出をすることで、すべてしきい値より下であることがわかる。
一方、アドレス情報を埋め込んだ部分については、図6(c)のように、ところどころ蛇行の位相が反転するように形成されている。モノトーン部と同じ位相の部分をP、反転した位相の部分をNとすると、ここではNPPPNNPPとなるように形成されている例を示している。このような個所のウォブル再生信号は、図6(d)のような信号が観測される。このときモノトーン部分と同様にしきい値検出をすると、Nの位相部分ではしきい値より上、Pの位相部分ではしきい値より下となることがわかる。これにより、この個所のアドレス情報を構成する情報語としてはNPPPNNPPであることがわかる。
【0045】
実際のアドレスの表現方法としては、アドレスの情報語「0」を表すウォブルパターンとしてNPPPPPNN、アドレスの情報語「1」を表すウォブルパターンとしてNPPPNNPP、タイミング同期のためのウォブルパターンとしてNNNNPPPP、これら3つのパターンの間に85周期のPパターンによるモノトーンが形成されるように符号化がされている。
【0046】
本例では、このようなウォブリンググルーブから検出されるウォブル再生信号から、アドレス情報を得るため、ウォブルデコード部15においては図7の構成がとられる。即ちサンプリング部31、ビタビ復号器32、アドレスデコーダ35による構成となる。
サンプリング部31は、ウォブル再生信号をしきい値検出して、ウォブル周期毎に位相を表す上記のP、Nの位相検出信号としてのサンプル値Zを出力する。例えばPを「0」、Nを「1」としたサンプル値Zを出力する。
ビタビ復号器32は、サンプル値Zについてビタビ復号を行い、復号データDTを得る。復号データDTは、アドレスを構成する情報語としての「0」「1」及び同期パターンの検出データである。
アドレスデコーダ35は、復号データDTからアドレス値をデコードする。即ち同期パターンを基準として、情報語「0」「1」のデータ列から、アドレス値をデコードする。このアドレス値が、デコードされたアドレスとして例えばサーボ制御部14やCPU11に供給され、記録時の動作制御に用いられる。
【0047】
ビタビ復号器32は、メトリックの演算、比較などを行うACS演算部33と、その演算結果から最終的に確からしいシーケンスを求めるパスメモリ部34から構成されている。
【0048】
ACS演算部33は、内部に図2で述べた状態S00〜S15の16個の状態を持っており、図3に示した状態遷移図で表される演算を行う。この状態遷移をトレリス線図にしたものが、上述した図2である。
図2のトレリス線図に基づく演算を行うACS演算部33の構成例を図8に示す。
なお、サンプリング部31でサンプリングされたボトム値の平均が0となるようにオフセットが調整されているとし、時刻kにおけるサンプル値をZk、ピーク値の平均値をRとする。また時刻kにおける、状態S00のメトリック値をL00,kとする。
【0049】
図示するようにACS演算部33は、乗算器51、減算器52、加算器53〜60、比較器61、レジスタ62、及びメトリックL00〜L15を記憶するメトリックレジスタ63-00〜63-15を有する構成とされる。メトリックL00・・・L15はそれぞれ、入力されるサンプル値Zのデータ列(Zk、Zk-1、Zk-2・・・Zk-7)についての状態S00(=00000000)・・・状態S15(=10000011)に対するメトリックである。
【0050】
乗算器51は、入力されるサンプル値Zと値「2」を乗算する。
加算器52は、乗算器51からの出力(2・Zk)から、ピーク値の平均値Rを減算する。
メトリックレジスタ63-00は、比較器61で比較されるk-1時点のメトリックL00,k-1、L04,k-1、L11,k-1、L15,k-1のうち、最も小さい値をk時点のメトリックL00,kとして保持する。
加算器53は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-00に保持されたk-1時点のメトリックL00,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL01,kとしてメトリックレジスタ63-01に保持される。
加算器54は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-01に保持されたk-1時点のメトリックL01,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL02,kとしてメトリックレジスタ63-02に保持される。
加算器55は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-02に保持されたk-1時点のメトリックL02,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL03,kとしてメトリックレジスタ63-03に保持される。
加算器56は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-03に保持されたk-1時点のメトリックL03,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL04,kとしてメトリックレジスタ63-04に保持される。
メトリックレジスタ63-05は、メトリックレジスタ63-01に保持されたk-1時点のメトリックL01,k-1を、k時点のメトリックL05,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-06は、メトリックレジスタ63-05に保持されたk-1時点のメトリックL05,k-1を、k時点のメトリックL06,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-07は、メトリックレジスタ63-06に保持されたk-1時点のメトリックL06,k-1を、k時点のメトリックL07,kとして保持する。
加算器57は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-07に保持されたk-1時点のメトリックL07,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL08,kとしてメトリックレジスタ63-08に保持される。
加算器58は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-08に保持されたk-1時点のメトリックL08,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL09,kとしてメトリックレジスタ63-09に保持される。
メトリックレジスタ63-10は、メトリックレジスタ63-09に保持されたk-1時点のメトリックL09,k-1を、k時点のメトリックL10,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-11は、メトリックレジスタ63-10に保持されたk-1時点のメトリックL10,k-1を、k時点のメトリックL11,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-12は、メトリックレジスタ63-07に保持されたk-1時点のメトリックL07,k-1を、k時点のメトリックL12,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-13は、メトリックレジスタ63-12に保持されたk-1時点のメトリックL12,k-1を、k時点のメトリックL13,kとして保持する。
加算器59は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-13に保持されたk-1時点のメトリックL13,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL14,kとしてメトリックレジスタ63-14に保持される。
加算器60は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-14に保持されたk-1時点のメトリックL14,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL15,kとしてメトリックレジスタ63-15に保持される。
【0051】
このようなメトリックL00,k〜L15,kは、次のように表される。
L00,k=min(L00,k-1、L04,k-1、L11,k-1、L15,k-1)
L01,k=L00,k-1+2Zk−R
L02,k=L01,k-1+2Zk−R
L03,k=L02,k-1+2Zk−R
L04,k=L03,k-1+2Zk−R
L05,k=L01,k-1
L06,k=L05,k-1
L07,k=L06,k-1
L08,k=L07,k-1+2Zk−R
L09,k=L08,k-1+2Zk−R
L10,k=L09,k-1
L11,k=L10,k-1
L12,k=L07,k-1
L13,k=L12,k-1
L14,k=L13,k-1+2Zk−R
L15,k=L14,k-1+2Zk−R
なお、min(a、b、c、d)は、a〜dのうち、最も小さい値という意味である。
【0052】
メトリックレジスタ63-00、63-04、63-11、63-15のメトリック(L00、L04、L11、L15)は比較器61に入力されて比較される。比較器61の比較結果により、レジスタ62に記憶される値SELが決まる。
即ちメトリックL00が最小であった場合、SEL=0となる。
メトリックL04が最小であった場合、SEL=4となる。
メトリックL11が最小であった場合、SEL=11となる。
メトリックL15が最小であった場合、SEL=15となる。
【0053】
このようにACS演算部33は、加算/比較/選択を行うのはメトリックL00,kの1つに対してのみであり、メトリックL01,k〜L15,kの15個については、単なる加算結果またはそのままの値を保持することになる。
【0054】
ACS演算部33で得られた値SELは、パスメモリ部34に送られる。
パスメモリ部34は、16列のシフトレジスタによって構成され、各シフトレジスタは8段の長さを持っており、これらをM0,0〜M0,7、M1,0〜M1,7、・・・M15,0〜M15,7と記述することにする。
各シフトレジスタの初段M0,0、M1,0、・・・M15,0には、それぞれ以下の値が入力される。
M0,0=0
M1,0=0
M2,0=0
M3,0=0
M4,0=0
M5,0=3
M6,0=0
M7,0=0
M8,0=0
M9,0=0
M10,0=0
M11,0=2
M12,0=0
M13,0=0
M14,0=0
M15,0=1
【0055】
また各シフトレジスタのi段めM0,i、M1,i、・・・M15,i(但し、1≦i≦7)には、それぞれ以下の値が入力される。
M0,i=MSEL,i-1
M1,i=M0,i-1
M2,i=M1,i-1
M3,i=M2,i-1
M4,i=M3,i-1
M5,i=M1,i-1
M6,i=M5,i-1
M7,i=M6,i-1
M8,i=M7,i-1
M9,i=M8,i-1
M10,i=M9,i-1
M11,i=M10,i-1
M12,i=M7,i-1
M13,i=M12,i-1
M14,i=M13,i-1
M15,i=M14,i-1
【0056】
パスメモリ部34からはMSEL,7が出力されるようになっており、各シフトレジスタの初段に上記の値を入力することにより、パスメモリ部34から1が出力されたときにはその部分がアドレスを構成する情報語が「0」であり、2が出力されたときにはその部分が情報語「1」であり、3が出力されたときにはその部分が同期マークであり、0が出力されたときにはその部分がそれ以外のパターン(モノトーンなど)であることを示している。
【0057】
実際のパスメモリ部34の回路構成を図9(a)に示す。
上記のようにパスメモリ部34は、各8段の16列のシフトレジスタ構成となるが、実際には、上記のレジスタの内、例えばM1,7のように出力信号がどこにも使われないレジスタは省略できる。またM1,0のように選択回路を通っていない信号が入力されるレジスタは常に固定値のためこれも省略可能である。
従って、パスメモリ部34の回路構成は、図9(a)に示すように簡略化されたもので実現できる。
【0058】
この図9(a)のパスメモリ部34は、選択回路71〜79と、レジスタM0,0、M0,1、M0,2、M0,3、M0,4、M0,5、M0,6、M0,7、M1,1、M1,2、M1,3、M1,4、M2,2、M2,3、M2,4、M2,5、M3,3、M3,4、M3,5、M3,6、M4,4、M4,5、M4,6、M4,7で構成される。上述した各8段の16列のシフトレジスタとして考えた場合の128個のレジスタの内、図示する24個のレジスタ以外は、上記の理由で省略できるものである。
【0059】
選択回路71〜79は、それぞれ図9(b)に示す選択動作を行う。即ちACS演算部33からのSEL値に応じて、入力A,B,C,Dの1つを選択する。
SEL値=0の場合は、入力Aを出力する。
SEL値=4の場合は、入力Bを出力する。
SEL値=11の場合は、入力Cを出力する。
SEL値=15の場合は、入力Dを出力する。
【0060】
選択回路71は、入力A,B,C,Dとして、それぞれ固定値0、固定値3、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,0に出力する。
選択回路72は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,0の値、固定値0、固定値2、固定値1が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,1に出力する。
選択回路73は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,1の値、固定値0、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,2に出力する。
選択回路74は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,2の値、固定値0、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,3に出力する。
選択回路75は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,3の値、固定値0、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,4に出力する。
選択回路76は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,4の値、レジスタM4,4の値、固定値0、固定値2が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,5に出力する。
選択回路77は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,5の値、レジスタM4,5の値、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,6に出力する。
選択回路78は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,6の値、レジスタM4,6の値、固定値3、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,7に出力する。
選択回路79は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,7の値、レジスタM4,7の値、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値を出力する。この選択回路79から出力される値が、情報語としての復号データDTとなる。
この復号データDTが図7のアドレスデコーダ35に供給され、アドレス値がデコードされることになる。
【0061】
このようにパスメモリ部34は、レジスタ構成が非常に簡略化でき、回路規模が最小化できる。
またこの構成からわかるように、パスメモリ部34は、パターン検出器の動作も兼ねるため、選択回路79の出力信号がアドレスを構成する情報語そのものとなる。つまり、最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号する。このこともビタビ復号器32の回路規模の削減に寄与している。
なお、パターン検出器の動作を兼ねるという意味を、図2のトレリス線図で述べると次のようになる。
図2において、◎で示した状態S02、S08、S12に注目する。このトレリス線図で見られる状態遷移からわかるように、状態S02となった場合は、必ず状態S04に至るものであり、つまりそのパターンは同期パターン(=00001111)である。
また、状態S08となった場合は、必ず状態S11に至るものであり、そのパターンは情報語の「1」(=10001100)である。
また、状態S12となった場合は、必ず状態S15に至るものであり、そのパターンは情報語の「0」(=10000011)である。
つまり、状態S02、S08、S12を検出することで、パターンマッチングを行わなくとも情報語「0」「1」のパターン及び同期パターンを判別できるものとなる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態では、ウォブルデコード部15においてビタビ復号を適用してウォブル再生信号から情報語を復号し、この情報語からアドレス値を得るようにしている。この結果図4で説明したようなアドレス情報の検出特性を得ることができ、即ち信号品質の劣化した状態でも良好にアドレス検出することが可能となる。このため光ディスクの劣化や記録再生装置の振動の発生などの条件の悪い状態でも良好に光ディスク90へのアクセスが可能となる。
また、ウォブルデコード部15内のビタビ復号器32として、縮退された状態を用いた演算方式を用いることにより回路構成の肥大化を防ぎ、最小限の回路規模にてこれを実現することができる。
また、上記のようにビタビ復号器32は、通常位相と反転位相のパターンを検出する機能もあわせて持っているため、従来方式で必要であったパターン検出回路を不要とすることができ、これも回路規模の最小化に寄与し、コストダウンを実現できる。
【0063】
なお、実施の形態では、ウォブリンググルーブによって記録されたアドレス情報の再生という例で述べたが、もちろんウォブリンググルーブを用いて記録されたアドレス情報以外の情報の再生にも本発明を適用できる。
またDVD+R、DVD+RWとしての光ディスクを記録再生対象とする記録再生装置の例を述べたが、他の種の光ディスクや、ディスク以外の光記録媒体でも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態における状態の縮退の説明のためのトレリス線図である。
【図2】実施の形態のADIPパターンを処理するトレリス線図である。
【図3】実施の形態のビタビ復号器での状態遷移の説明図である。
【図4】実施の形態のエラーレート特性の説明図である。
【図5】実施の形態の記録再生装置のブロック図である。
【図6】実施の形態のウォブリンググルーブ及びウォブル再生信号の説明図である。
【図7】実施の形態のウォブルデコード部のブロック図である。
【図8】実施の形態のACS演算部のブロック図である。
【図9】実施の形態のパスメモリ部のブロック図である。
【図10】ウォブリンググルーブの位相変調の説明図である。
【図11】従来のウォブル再生信号の検出部のブロック図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ピックアップ、3 スピンドルモータ、4 RFアンプ/マトリクス部、11 CPU、15 ウォブルデコード部、31 サンプリング部、32 ビタビ復号器、33 ACS演算部、34 パスメモリ部、35 アドレスデコーダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクなどの光記録媒体に対する情報再生装置、情報再生方法に関し、特に蛇行された案内溝(ウォブリンググルーブ)によって記録されている再生専用情報の再生に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−213870号公報
【0003】
光学的に情報の記録又は再生が可能な光記録媒体として、光ディスク、光カード等が知られている。これらの光記録媒体に対しては、半導体レーザ等のレーザ光を用い、レンズを介して微小に集光した光ビームを照射することで、情報の記録或いは再生を行う。
【0004】
光ディスクのフォーマットの1つであるDVD+R(Digital Versatile Disc + Recordable)、DVD+RW(Digital Versatile Disc + ReWritable) におけるアドレス記録には、ADIP(Address in PreGroove) 方式が用いられている。
これは、ディスクのトラックの案内溝(グルーブ)を微少な振幅で蛇行(ウォブリング)させ、蛇行の位相によって再生専用の情報としてアドレス等を記録するものである。
溝の蛇行からの再生信号はウォブル再生信号と呼ばれ、ほぼ正弦波状に形成される。このウォブル再生信号の一周期分の位相を反転させる個所を設けるという変調を用いて、ウォブリンググルーブによる情報記録が行われている。
【0005】
例えば図10(a)に示すように、通常位相の個所をP(positive wobble) 、位相反転部分をN(negative wobble)としたとき、NPPPPPNNの列が情報語の「0」を表すという規則になっている。また図10には示していないが、NPPPNNPPの列が情報語の「1」を表す。
これまでの技術では、例えば図11に示すウォブル検出部100の構成によりウォブル再生信号から情報語を検出していた。即ち、まずウォブル再生信号をサンプリング部101でA/D変換してデジタル信号とする。続いてしきい値判定部102では、サンプリング部101でサンプルされた値を、図10(b)のように或るしきい値と比較し、サンプル値がしきい値を越えた場合はN(ネガティブウォブル)、サンプル値はしきい値を下回った場合はP(ポジティブウォブル)とする。しきい値判定部102では、このような検出結果として、図10(c)のようにサンプル値毎にP、Nが検出されるが、この検出されたP、Nの列がパターン検出部103でパターン検出される。そしてNPPPPPNNのパターンが検出されたら、その部分が情報語の「0」の1ビットとして検出される(検出ビット)。
このような検出方式によれば、ノイズや歪みなどのない安定した条件での動作時には正しく例えば図10(c)のようにNPPPPPNNの列が検出され、ウォブル再生信号から情報語が検出されることになる。
このように1ビットの情報語が検出されたら、その情報語の列は後段のアドレスデコード部に供給され、アドレスデコード部においてアドレス値がデコードされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら実際のディスク記録再生装置においては、ディスクの回転むらやノイズの発生などによりウォブル再生信号には外乱が重畳されるため、情報語の検出誤りが起きやすいという問題がある。ADIPとしてのアドレス値はディスク上の位置を示す信号であり、これを基に情報の記録を行うためのものであるから、この情報語の検出誤りによりアドレス情報を誤ると、正常に記録が行えなくなる。
【0007】
そこで本発明では、グルーブのウォブリングによって記録された情報の検出精度を高めた検出方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報再生装置は、情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報(例えばアドレス情報)が記録されている光記録媒体に対して再生を行う情報再生装置である。そして、上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するウォブル再生信号検出手段と、上記ウォブル再生信号検出手段で検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号手段と、上記復号手段で得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコード手段とを備える。
【0009】
また、上記復号手段は、上記ウォブル再生信号から上記案内溝の蛇行の一周期ごとに、その位相を表す情報を検出する位相検出部と、上記位相を表す情報から、上記情報語の符号化則の中で存在しうるデータパターンに対するメトリックを演算するメトリック演算部と、上記演算されたメトリックから最尤であるデータ遷移を選択する選択部と、上記データパターンの候補の遷移を記憶する記憶部とを備える。
また上記復号手段では、上記位相変化による値を状態とするトレリス線図に基づいた最尤復号処理を行う。
また上記1ビットの情報語は、上記案内溝の蛇行の8周期の位相変化によって構成されており、上記復号手段では、16個の状態数を持つ復号処理によって復号を行う。
また上記復号手段では、上記最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号する。
【0010】
本発明の情報再生方法は、情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報が記録されている光記録媒体から、上記再生専用情報を再生する情報再生方法である。そして、上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するステップと、上記検出ステップで検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号ステップと、上記復号ステップで得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコードステップとを備える。
【0011】
即ち本発明ではグルーブのウォブリングによって記録されているアドレス情報等の再生専用情報の再生において、ウォブリングの複数の位相変化によって表される情報語の復号に最尤復号を用いる。
このとき、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号することで、アドレス情報等の検出精度を高め、外乱が発生した条件のもとでもより安定に記録等の動作ができるようにする。そして特に、1ビットの情報語の符号化則に基づくことで、最尤復号過程での状態(ステート)の遷移を縮退し、回路規模の肥大化を招かない効率的な復号処理を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光記録媒体のウォブリンググルーブによる情報を検出する方式として最尤復号(ビタビ復号)を適用することにより、信号品質の劣化した状態でも良好に情報語を検出でき、これによりアドレス等の再生専用情報を精度良く検出できるようになる。従って、例えば光ディスクの劣化や装置の振動の発生などの条件の悪い状態でも良好にディスクへのアクセス等の動作が可能となる。
また、最尤復号器として、縮退された状態を用いた演算方式を用いることにより最尤復号回路規模の肥大化を防ぎ、効率的な構成とすることができる。
また最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から1ビットの情報語を直接復号することで、パターン検出回路も不要とでき、回路規模の最小化によるコストダウンを実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.基本的な考え方]
[2.記録再生装置の構成]
[3.ウォブルデコード部の構成及び動作]
【0014】
[1.基本的な考え方]
実施の形態の記録再生装置は、DVD+R、DVD+RWとしての光ディスクに対して記録再生を行う装置とする。 DVD+R、DVD+RWにおいてADIPとしてグルーブのウォブリングで記録される情報の符号化方法としては、以下のルールにしたがった変換がなされている。
すなわち、図10で説明したようにウォブリングの波形の位相をP、Nで示した場合において、情報語としての「0」を8周期のウォブリングにおけるNPPPPPNN、情報語としての「1」を8周期のウォブリングにおけるNPPPNNPP、同期マークを表す情報を8周期のウォブリングにおけるNNNNPPPPで表すように符号化がされ、これらのパターンとパターンの間には85個のPがはさまるようになされている。
【0015】
この場合、フォーマット上規定されている符号語としては、NPPPPPNN、NPPPNNPP、NNNNPPPP、85個のPの4種類しか存在しない。
従って、これらの最小符号間ユークリッド距離dminは、NとPの距離を1とすると、例えば、
符号1:PPP・・・PPPNNNNPPPPPP・・・PPPと、
符号2:PPP・・・PPNNNNPPPPPPP・・・PPPとの距離であり、
【数1】
から
【数2】
となる。
【0016】
最小符号間距離が1より大きいため、符号の制約条件を使って最尤復号によって復号することにで符号化利得を稼ぐことが可能となる。
具体的には、この符号の制約条件を使い、入力信号をNまたはPとするビタビ復号器に適用することによって利得を実現する。
【0017】
なお、上記特許文献1として示した公報に記載された技術として、ウォブルの位相変調によって形成されたアドレス情報から最尤復号器にてアドレス情報を再生する手法が提案されているが、その手法では4つの位相の変化分を状態とする最尤復号を行う手法であり、そこで演算されている最小符号間距離は、例えばPPPPPPPとPPPNPPPのふたつの符号の場合である。この場合、
【数3】
から、
【数4】
となる。従って、この場合では符号化利得は1であるが、本発明の実施の形態における最小符号間距離はその√2倍あるため、さらに約3dBの検出利得を得ることが可能となり、より良好なアドレス検出を実現することができるものである。
【0018】
以下、本実施の形態の考え方の説明において、簡単のためにP(ポジティブウォブル)を「0」、N(ネガティブウォブル)を「1」と記述し、まず符号語としてモノトーンの「0000」と、同期マークである「1111」のみが存在する場合を例にとって、復号アルゴリズムと回路としての実現方法を説明する。
【0019】
ここでは、4ビット長の符号語が存在するので、24=16個の状態数を持つトレリス線図を図1に示す。図1では、各状態(ステート)として「0000」「0001」・・・「1111」の16個の状態が示され、矢印により、あり得る状態遷移を示している。○、●はそれぞれ各時点の状態である。
【0020】
初期状態としモノトーン、すなわち「0000」からスタートするとする。89個の「0」が連続している期間(同期マーク「NNNNPPPP」の後半の4個の「PPPP」の期間と85個のPの期間)は、状態「0000」→「0000」の遷移が継続される。
同期マークの最初の「1」がくると、状態「0000」から「0001」に遷移し、その後「0011」→「0111」→「1111」に至る。 このときに遷移する状態を●で示している。
同期マークの1は4ビット続き、その次は必ず「0」であるから、状態「1111」に至った後は、破線で示すように「1110」→「1100」→「1000」と遷移した後、「0000」に戻る。
【0021】
従って、実際に必要な状態数は16個ではなく、( )を付した状態を除いた8個となる。つまり同期マークのみを考えた場合、「0010」「0100」「0101」「0110」「1001」「1010」「1011」「1101」は不要であり、8個の状態として状態「0000」「0001」「0011」「0111」「1000」「1100」「1110」「1111」を考えればよい。
さらに、同期マークのあとには必ず89個の「0」が来るという条件があるので、破線で示した「1111」→「1110」→「1100」→「1000」→「0000」の遷移は、「1111」→「0000」としても最小距離に変化はないため、状態「1110」「1100」「1000」は状態「0000」に縮退することができる。
すなわち、これらの4つの状態をまとめて「***0」と表現することで、最終的に、図に☆を付した「***0」「0001」「0011」「0111」「1111」の5つの状態だけあればよいということができる。
【0022】
次に、実際のADIPパターンに適用する場合について説明する。
実際のフォーマットでは、85個の「0」の連続と、「10001100」「10000011」「11110000」が存在しているので、これらを処理するビタビ復号器は以下のようにして構成する。
【0023】
この場合の符号語は8ビット長であるから、最大28=256個の状態が考えられるが、符号語として「0000」と「1111」のみが存在するとして説明した上記図1の場合と同様に、状態数縮退法を適用することにより、トレリス線図は図2に示すように簡略化することができる。
即ち、図2のように状態S00、S01・・・S15の16個の状態数に縮退できる。各状態を8ビットで表すと次のようになる。
状態S00:00000000
状態S01:00000001
状態S02:00000011
状態S03:00000111
状態S04:00001111
状態S05:00000010
状態S06:00000100
状態S07:00001000
状態S08:00010001
状態S09:00100011
状態S10:01000110
状態S11:10001100
状態S12:00010000
状態S13:00100000
状態S14:01000001
状態S15:10000011
【0024】
図3は、図2のトレリス線図における状態遷移を、各状態にあるときから、次に入力される値「0」「1」に応じて遷移するパスを示したものである。
状態S00からは、状態S00又は状態S01へのパスが存在する。
状態S01からは、状態S02又は状態S05へのパスが存在する。
状態S02からは、状態S03へのパスが存在する。
状態S03からは、状態S04へのパスが存在する。
状態S04からは、状態S00へのパスが存在する。
状態S05からは、状態S06へのパスが存在する。
状態S06からは、状態S07へのパスが存在する。
状態S07からは、状態S08又は状態S12へのパスが存在する。
状態S08からは、状態S09へのパスが存在する。
状態S09からは、状態S10へのパスが存在する。
状態S10からは、状態S11へのパスが存在する。
状態S11からは、状態S00へのパスが存在する。
状態S12からは、状態S13へのパスが存在する。
状態S13からは、状態S14へのパスが存在する。
状態S14からは、状態S15へのパスが存在する。
状態S15からは、状態S00へのパスが存在する。
【0025】
この図2,図3のように状態数は16個であり、パスのマージは状態S00(=「00000000」)に来る一カ所のみであるから、ビタビ復号器内のACS(add compare select)としては1個であり、「compare」と「select」のないACS、つまり単なる加算器が15個の構成となる。
このような手法でビタビ復号器を構成することにより、最小符号間距離を√2とする検出器を実現できる。
この方式によるビタビ検出を組み込んだビタビ復号器の構成については図7、図8、図9で後述するが、このビタビ復号器の検出性能の例を図4に示しておく。
【0026】
図4の特性は、ウォブル再生信号のSN比(信号とノイズの比)を変えたときの検出エラーレートをシミュレーションによって求めたものであり、従来型の図11のようなレベル検出方式を用いる場合を■で、本発明にかかるビタビ検出方式を用いる場合を△で示している。
例えば同じビットエラーレート10-6を得るのに必要なSN比は従来のレベル検出方式の場合は約19dB必要であるのに対し、本例のビタビ検出方式を用いる場合には.16dB以下ですむ。
すなわち、ウォブル再生信号のSN比が3dB以上劣化した条件でも同等のエラー特性を得ることができる。
【0027】
以上のように、本実施の形態は、アドレス符号化における制約条件を利用し、最小符号間距離が1より大きいことを利用して、ビタビ復号器によってADIPとしてのアドレス情報を復号することにより、信号検出利得を高め、信号品質の悪い条件でも高い復号性能を実現するようにするものである。
さらに、ビタビ復号器内のパスメモリは系列推定を行うものであることを利用し、ビタビ復号器からの出力として直接情報語を出力することで、パターン検出器を不要とし、回路規模を小さくするような構成をとる。
【0028】
[2.記録再生装置の構成]
本発明の情報再生装置の実施の形態となる記録再生装置の構成を図5に示す。
この記録再生装置は、DVD+R、DVD+RW、DVD−ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory) としてのDVD方式のディスクや、CDDA(Compact Disc Digital Audio)、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory) 、CD−R(Compact Disc - Recordable)、CD−RW(Compact Disc - Rewritable)等のCD方式の光ディスク90に対して情報の記録及び再生を行う装置である。
【0029】
光ディスク90は、図示しないターンテーブルに積載され、記録再生動作時においてスピンドルモータ3によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。
そしてピックアップ1によるレーザ照射及び反射光の検出によって、光ディスク90にエンボスピット形態、色素変化ピット形態(DVD+R等の場合)、或いは相変化ピット形態(DVD+RW等の場合)などで記録されているデータの読み出しや、光ディスク90上に形成されているウォブリンググルーブによるADIP情報の読み出しが行なわれることになる。また、DVD+R、DVD+RW等の記録可能な光ディスク90に対しては、ピックアップ1によるレーザ照射により、色素変化ピットや相変化ピットを形成する情報記録動作が行われる。
【0030】
ピックアップ1内には、レーザ光源となるレーザダイオード1cや、レーザダイオード1cをレーザ発光駆動するレーザドライバ1d、光ディスク1からの反射光やレーザパワーを検出するための複数の検出部からなるフォトディテクタ1b、レーザ光の出力端となる対物レンズを保持するとともに対物レンズをトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持する二軸アクチュエータ1a、さらには図示しないが、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタ1bに導く光学系などが形成される。
またピックアップ1全体はスレッド機構2によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0031】
光ディスク90からの反射光情報はフォトディテクタ1bによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてRFアンプ/マトリクス部4に供給される。
RFアンプ/マトリクス部4には、ピックアップ1内の複数のフォトディテクタ1bからの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、ウォブリンググルーブの情報となる例えばプッシュプル信号としてのウォブル再生信号などを生成する。
またRFアンプ/マトリクス部4は、フォトディテクタ1bにおけるレーザパワーのモニタ用の検出部からの信号から、レーザーパワーの制御信号を生成し、レーザドライバ1dにフィードバックする。レーザドライバ1dでは、この制御信号に応じてレーザダイオードの駆動パワーがコントロールされることで、APC(Automatic Power Control)動作として目的とするレーザーパワーでの安定したレーザ出力が行われる。
【0032】
再生時においてRFアンプ/マトリクス部4で得られた再生RF信号は、EFM+/EFM復調部6において、2値化、EFM+信号(8−16変調信号)又はEFM信号(8−14変調信号)に対する復調処理が行われる。
また、この復調処理に用いる再生クロックがPLL回路5で生成される。
さらに復調された信号については、DVD/CDデコード部7で、ディスクフォーマットに応じたデコード処理、エラー訂正処理、デインターリーブ等が施され、再生データが得られる。
なお、DVD/CDデコード部7では、デコード処理時に得られた情報の中から、サブコード情報やセクターID情報などを抜き出しており、これらの情報をCPU11に供給する。
【0033】
RAM9は、バッファマネージャ8の管理のもと、インターフェース10から得られたデータを保存したり、ホスト機器に対してデータ転送する為のバッファメモリとして用いられる。
DVD/CDデコード部7で得られた再生データは、バッファマネージャ8によりRAM9に一時的に格納される。
【0034】
インターフェース10は、外部のパーソナルコンピュータ等のホスト機器と接続され、ホスト機器との間で再生データやリード/ライトコマンド等の通信を行う。
そして、この記録再生装置からの再生出力としては、バッファマネージャ8によりRAM9にバファリングされているデータが読み出され、インターフェース10を介してホスト機器に転送出力されることになる。
またホスト機器からのリード/ライトコマンドや記録データ、その他の信号はインターフェース10を介してバッファマネージャ8に受け渡されてRAM9にバッファリングされたり、CPU11に供給される。
このインターフェース10は例えばATAPI(AT Attachment Packet Interface)とされる。
【0035】
CPU11は、例えばマイクロコンピュータで形成され、装置全体の制御を行う。CPU11の動作プログラムはプログラムROM12に格納される。
CPU11は、インターフェース10を介して受け取ったホスト機器からのコマンドに応じて、動作プログラムで規定された各種処理を行う。
【0036】
ホスト機器からライトコマンド及び記録データが供給されることで光ディスク90に対する記録が行われる。
データの記録時においては、RAM9にバッファリングされた記録データは、DVD/CDエンコード部16においてインターリーブやエラー訂正コード付加などが施され、さらにEFM+/EFM変調部17で、EFM+変調又はFEM変調が施される。
そしてこのように変調された記録データがライトストラテジ18に供給される。ライトストラテジ18は、変調された記録データに応じてレーザ駆動パルスの生成、波形整形、記録タイミング補正等を行い、レーザ駆動パルスをレーザドライバ1dに供給する。レーザドライバ1dは、レーザ駆動パルスに応じてレーザダイオード1cを駆動し、記録データに応じたレーザ出力を実行させ、光ディスク90にデータ書込を行う。
【0037】
この記録動作時においては、CPU11は、光ディスク90の記録領域に対してピックアップ1から記録パワーでレーザ光を照射するように制御する。
光ディスク90が色素変化膜を記録層としたライトワンス型のものである場合は、記録パワーのレーザ照射により、色素変化によるピットが形成されていく。
またディスク90が相変化記録層のリライタブルディスクの場合は、レーザ光の加熱によって記録層の結晶構造が変化し、相変化ピットが形成されていく。
【0038】
記録時及び再生時において、RFアンプ/マトリクス部4から出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号は、A/D変換器21でデジタルデータ化され、サーボ制御部14へ供給される。なおSRAM(Static Random Access Memory)13には、サーボ制御部14の処理のための係数、定数、サーボ設定値等が記憶される。
サーボ制御部14は、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号や、例えばPLL回路5(又はPLL回路19)のクロックから生成される回転速度信号等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号を生成し、アクチュエータドライバ23に供給する。アクチュエータドライバ23は、ピックアップ1における二軸アクチュエータ1aのフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動し、対物レンズの位置を制御する。これによってピックアップ1内の対物レンズ、RFアンプ/マトリクス部4、サーボ制御部14、アクチュエータドライバ23、二軸アクチュエータ1aによるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0039】
サーボ制御部14はさらに、スピンドルモータドライバ24に対して、回転速度信号から得たスピンドルエラー信号に基づくスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータドライバ24はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ3に印加し、スピンドルモータ3の回転を実行させる。またサーボ制御部14はCPU11からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ24によるスピンドルモータ3の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
【0040】
またサーボ制御部14は、例えばトラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、CPU11からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ22に供給する。スレッドドライバ22はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構2を駆動する。スレッド機構2には、図示しないが、ピックアップ1を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライバ22がスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構2を駆動することで、ピックアップ1の所要の半径方向のスライド移動が行なわれる。
【0041】
CPU11は、ホスト機器からの指示に基づいて上述の再生動作や記録動作を実行する際には、サーボ制御部14に指示して、ピックアップ1の記録再生位置の制御やスピンドルモータ3の回転駆動など必要な動作を実行させることになる。
【0042】
記録時及び再生時には、RFアンプ/マトリクス部4で例えばプッシュプル信号としてウォブル再生信号が得られる。このウォブル再生信号はA/D変換器20でデジタルデータ化されウォブルデコード部15に供給される。
詳しくは後述するが、ウォブルデコード部15は、ウォブル再生信号に対してデコード処理を行い、ADIP情報として記録されているアドレス情報を得る。アドレス情報はサーボ制御部14及びCPU11に供給される。特に光ディスク90にデータが記録されていない記録時には、このADIP情報としてデコードされたアドレス情報を頼りに、記録動作が行われることになる。
また、記録時にはウォブル再生信号に基づいてPLL回路19が記録用のクロック生成し、ライトストラテジ18の記録タイミング補正処理等のために供給される。
【0043】
[3.ウォブルデコード部の構成及び動作]
本例では、ウォブルデコード部15において、ADIP情報をビタビ復号(最尤復号)方式を利用して復号することを特徴の一つとしている。
図6はDVD+R、DVD+RWとしての光ディスク90におけるウォブリンググルーブの様子を示している。
【0044】
光ディスク90には、盤面上の位置を表すアドレス情報が、記録トラック形成する溝の微少な蛇行としてのウォブリンググルーブによって記録されている。
このウォブリンググルーブは図6(a)に示すように、モノトーン部分においては、データビットの周期Tの32ビット分を1周期として蛇行するように形成されている。このモノトーン部分の蛇行を検出する信号、即ちウォブル再生信号は、図6(b)のような信号波形となり、例えばウォブル一周期の前から3/4のタイミングのところをサンプリングすると、常にボトム側のピーク値が得られることになるので、例えばウォブル再生信号のピークとボトムの中点をしきい値として、しきい値検出をすることで、すべてしきい値より下であることがわかる。
一方、アドレス情報を埋め込んだ部分については、図6(c)のように、ところどころ蛇行の位相が反転するように形成されている。モノトーン部と同じ位相の部分をP、反転した位相の部分をNとすると、ここではNPPPNNPPとなるように形成されている例を示している。このような個所のウォブル再生信号は、図6(d)のような信号が観測される。このときモノトーン部分と同様にしきい値検出をすると、Nの位相部分ではしきい値より上、Pの位相部分ではしきい値より下となることがわかる。これにより、この個所のアドレス情報を構成する情報語としてはNPPPNNPPであることがわかる。
【0045】
実際のアドレスの表現方法としては、アドレスの情報語「0」を表すウォブルパターンとしてNPPPPPNN、アドレスの情報語「1」を表すウォブルパターンとしてNPPPNNPP、タイミング同期のためのウォブルパターンとしてNNNNPPPP、これら3つのパターンの間に85周期のPパターンによるモノトーンが形成されるように符号化がされている。
【0046】
本例では、このようなウォブリンググルーブから検出されるウォブル再生信号から、アドレス情報を得るため、ウォブルデコード部15においては図7の構成がとられる。即ちサンプリング部31、ビタビ復号器32、アドレスデコーダ35による構成となる。
サンプリング部31は、ウォブル再生信号をしきい値検出して、ウォブル周期毎に位相を表す上記のP、Nの位相検出信号としてのサンプル値Zを出力する。例えばPを「0」、Nを「1」としたサンプル値Zを出力する。
ビタビ復号器32は、サンプル値Zについてビタビ復号を行い、復号データDTを得る。復号データDTは、アドレスを構成する情報語としての「0」「1」及び同期パターンの検出データである。
アドレスデコーダ35は、復号データDTからアドレス値をデコードする。即ち同期パターンを基準として、情報語「0」「1」のデータ列から、アドレス値をデコードする。このアドレス値が、デコードされたアドレスとして例えばサーボ制御部14やCPU11に供給され、記録時の動作制御に用いられる。
【0047】
ビタビ復号器32は、メトリックの演算、比較などを行うACS演算部33と、その演算結果から最終的に確からしいシーケンスを求めるパスメモリ部34から構成されている。
【0048】
ACS演算部33は、内部に図2で述べた状態S00〜S15の16個の状態を持っており、図3に示した状態遷移図で表される演算を行う。この状態遷移をトレリス線図にしたものが、上述した図2である。
図2のトレリス線図に基づく演算を行うACS演算部33の構成例を図8に示す。
なお、サンプリング部31でサンプリングされたボトム値の平均が0となるようにオフセットが調整されているとし、時刻kにおけるサンプル値をZk、ピーク値の平均値をRとする。また時刻kにおける、状態S00のメトリック値をL00,kとする。
【0049】
図示するようにACS演算部33は、乗算器51、減算器52、加算器53〜60、比較器61、レジスタ62、及びメトリックL00〜L15を記憶するメトリックレジスタ63-00〜63-15を有する構成とされる。メトリックL00・・・L15はそれぞれ、入力されるサンプル値Zのデータ列(Zk、Zk-1、Zk-2・・・Zk-7)についての状態S00(=00000000)・・・状態S15(=10000011)に対するメトリックである。
【0050】
乗算器51は、入力されるサンプル値Zと値「2」を乗算する。
加算器52は、乗算器51からの出力(2・Zk)から、ピーク値の平均値Rを減算する。
メトリックレジスタ63-00は、比較器61で比較されるk-1時点のメトリックL00,k-1、L04,k-1、L11,k-1、L15,k-1のうち、最も小さい値をk時点のメトリックL00,kとして保持する。
加算器53は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-00に保持されたk-1時点のメトリックL00,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL01,kとしてメトリックレジスタ63-01に保持される。
加算器54は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-01に保持されたk-1時点のメトリックL01,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL02,kとしてメトリックレジスタ63-02に保持される。
加算器55は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-02に保持されたk-1時点のメトリックL02,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL03,kとしてメトリックレジスタ63-03に保持される。
加算器56は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-03に保持されたk-1時点のメトリックL03,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL04,kとしてメトリックレジスタ63-04に保持される。
メトリックレジスタ63-05は、メトリックレジスタ63-01に保持されたk-1時点のメトリックL01,k-1を、k時点のメトリックL05,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-06は、メトリックレジスタ63-05に保持されたk-1時点のメトリックL05,k-1を、k時点のメトリックL06,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-07は、メトリックレジスタ63-06に保持されたk-1時点のメトリックL06,k-1を、k時点のメトリックL07,kとして保持する。
加算器57は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-07に保持されたk-1時点のメトリックL07,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL08,kとしてメトリックレジスタ63-08に保持される。
加算器58は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-08に保持されたk-1時点のメトリックL08,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL09,kとしてメトリックレジスタ63-09に保持される。
メトリックレジスタ63-10は、メトリックレジスタ63-09に保持されたk-1時点のメトリックL09,k-1を、k時点のメトリックL10,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-11は、メトリックレジスタ63-10に保持されたk-1時点のメトリックL10,k-1を、k時点のメトリックL11,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-12は、メトリックレジスタ63-07に保持されたk-1時点のメトリックL07,k-1を、k時点のメトリックL12,kとして保持する。
メトリックレジスタ63-13は、メトリックレジスタ63-12に保持されたk-1時点のメトリックL12,k-1を、k時点のメトリックL13,kとして保持する。
加算器59は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-13に保持されたk-1時点のメトリックL13,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL14,kとしてメトリックレジスタ63-14に保持される。
加算器60は、減算器52の出力(2Zk−R)と、メトリックレジスタ63-14に保持されたk-1時点のメトリックL14,k-1を加算する。この加算値がk時点のメトリックL15,kとしてメトリックレジスタ63-15に保持される。
【0051】
このようなメトリックL00,k〜L15,kは、次のように表される。
L00,k=min(L00,k-1、L04,k-1、L11,k-1、L15,k-1)
L01,k=L00,k-1+2Zk−R
L02,k=L01,k-1+2Zk−R
L03,k=L02,k-1+2Zk−R
L04,k=L03,k-1+2Zk−R
L05,k=L01,k-1
L06,k=L05,k-1
L07,k=L06,k-1
L08,k=L07,k-1+2Zk−R
L09,k=L08,k-1+2Zk−R
L10,k=L09,k-1
L11,k=L10,k-1
L12,k=L07,k-1
L13,k=L12,k-1
L14,k=L13,k-1+2Zk−R
L15,k=L14,k-1+2Zk−R
なお、min(a、b、c、d)は、a〜dのうち、最も小さい値という意味である。
【0052】
メトリックレジスタ63-00、63-04、63-11、63-15のメトリック(L00、L04、L11、L15)は比較器61に入力されて比較される。比較器61の比較結果により、レジスタ62に記憶される値SELが決まる。
即ちメトリックL00が最小であった場合、SEL=0となる。
メトリックL04が最小であった場合、SEL=4となる。
メトリックL11が最小であった場合、SEL=11となる。
メトリックL15が最小であった場合、SEL=15となる。
【0053】
このようにACS演算部33は、加算/比較/選択を行うのはメトリックL00,kの1つに対してのみであり、メトリックL01,k〜L15,kの15個については、単なる加算結果またはそのままの値を保持することになる。
【0054】
ACS演算部33で得られた値SELは、パスメモリ部34に送られる。
パスメモリ部34は、16列のシフトレジスタによって構成され、各シフトレジスタは8段の長さを持っており、これらをM0,0〜M0,7、M1,0〜M1,7、・・・M15,0〜M15,7と記述することにする。
各シフトレジスタの初段M0,0、M1,0、・・・M15,0には、それぞれ以下の値が入力される。
M0,0=0
M1,0=0
M2,0=0
M3,0=0
M4,0=0
M5,0=3
M6,0=0
M7,0=0
M8,0=0
M9,0=0
M10,0=0
M11,0=2
M12,0=0
M13,0=0
M14,0=0
M15,0=1
【0055】
また各シフトレジスタのi段めM0,i、M1,i、・・・M15,i(但し、1≦i≦7)には、それぞれ以下の値が入力される。
M0,i=MSEL,i-1
M1,i=M0,i-1
M2,i=M1,i-1
M3,i=M2,i-1
M4,i=M3,i-1
M5,i=M1,i-1
M6,i=M5,i-1
M7,i=M6,i-1
M8,i=M7,i-1
M9,i=M8,i-1
M10,i=M9,i-1
M11,i=M10,i-1
M12,i=M7,i-1
M13,i=M12,i-1
M14,i=M13,i-1
M15,i=M14,i-1
【0056】
パスメモリ部34からはMSEL,7が出力されるようになっており、各シフトレジスタの初段に上記の値を入力することにより、パスメモリ部34から1が出力されたときにはその部分がアドレスを構成する情報語が「0」であり、2が出力されたときにはその部分が情報語「1」であり、3が出力されたときにはその部分が同期マークであり、0が出力されたときにはその部分がそれ以外のパターン(モノトーンなど)であることを示している。
【0057】
実際のパスメモリ部34の回路構成を図9(a)に示す。
上記のようにパスメモリ部34は、各8段の16列のシフトレジスタ構成となるが、実際には、上記のレジスタの内、例えばM1,7のように出力信号がどこにも使われないレジスタは省略できる。またM1,0のように選択回路を通っていない信号が入力されるレジスタは常に固定値のためこれも省略可能である。
従って、パスメモリ部34の回路構成は、図9(a)に示すように簡略化されたもので実現できる。
【0058】
この図9(a)のパスメモリ部34は、選択回路71〜79と、レジスタM0,0、M0,1、M0,2、M0,3、M0,4、M0,5、M0,6、M0,7、M1,1、M1,2、M1,3、M1,4、M2,2、M2,3、M2,4、M2,5、M3,3、M3,4、M3,5、M3,6、M4,4、M4,5、M4,6、M4,7で構成される。上述した各8段の16列のシフトレジスタとして考えた場合の128個のレジスタの内、図示する24個のレジスタ以外は、上記の理由で省略できるものである。
【0059】
選択回路71〜79は、それぞれ図9(b)に示す選択動作を行う。即ちACS演算部33からのSEL値に応じて、入力A,B,C,Dの1つを選択する。
SEL値=0の場合は、入力Aを出力する。
SEL値=4の場合は、入力Bを出力する。
SEL値=11の場合は、入力Cを出力する。
SEL値=15の場合は、入力Dを出力する。
【0060】
選択回路71は、入力A,B,C,Dとして、それぞれ固定値0、固定値3、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,0に出力する。
選択回路72は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,0の値、固定値0、固定値2、固定値1が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,1に出力する。
選択回路73は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,1の値、固定値0、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,2に出力する。
選択回路74は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,2の値、固定値0、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,3に出力する。
選択回路75は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,3の値、固定値0、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,4に出力する。
選択回路76は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,4の値、レジスタM4,4の値、固定値0、固定値2が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,5に出力する。
選択回路77は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,5の値、レジスタM4,5の値、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,6に出力する。
選択回路78は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,6の値、レジスタM4,6の値、固定値3、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値をレジスタM0,7に出力する。
選択回路79は、入力A,B,C,Dとして、レジスタM0,7の値、レジスタM4,7の値、固定値0、固定値0が入力され、SEL値によって選択された値を出力する。この選択回路79から出力される値が、情報語としての復号データDTとなる。
この復号データDTが図7のアドレスデコーダ35に供給され、アドレス値がデコードされることになる。
【0061】
このようにパスメモリ部34は、レジスタ構成が非常に簡略化でき、回路規模が最小化できる。
またこの構成からわかるように、パスメモリ部34は、パターン検出器の動作も兼ねるため、選択回路79の出力信号がアドレスを構成する情報語そのものとなる。つまり、最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号する。このこともビタビ復号器32の回路規模の削減に寄与している。
なお、パターン検出器の動作を兼ねるという意味を、図2のトレリス線図で述べると次のようになる。
図2において、◎で示した状態S02、S08、S12に注目する。このトレリス線図で見られる状態遷移からわかるように、状態S02となった場合は、必ず状態S04に至るものであり、つまりそのパターンは同期パターン(=00001111)である。
また、状態S08となった場合は、必ず状態S11に至るものであり、そのパターンは情報語の「1」(=10001100)である。
また、状態S12となった場合は、必ず状態S15に至るものであり、そのパターンは情報語の「0」(=10000011)である。
つまり、状態S02、S08、S12を検出することで、パターンマッチングを行わなくとも情報語「0」「1」のパターン及び同期パターンを判別できるものとなる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態では、ウォブルデコード部15においてビタビ復号を適用してウォブル再生信号から情報語を復号し、この情報語からアドレス値を得るようにしている。この結果図4で説明したようなアドレス情報の検出特性を得ることができ、即ち信号品質の劣化した状態でも良好にアドレス検出することが可能となる。このため光ディスクの劣化や記録再生装置の振動の発生などの条件の悪い状態でも良好に光ディスク90へのアクセスが可能となる。
また、ウォブルデコード部15内のビタビ復号器32として、縮退された状態を用いた演算方式を用いることにより回路構成の肥大化を防ぎ、最小限の回路規模にてこれを実現することができる。
また、上記のようにビタビ復号器32は、通常位相と反転位相のパターンを検出する機能もあわせて持っているため、従来方式で必要であったパターン検出回路を不要とすることができ、これも回路規模の最小化に寄与し、コストダウンを実現できる。
【0063】
なお、実施の形態では、ウォブリンググルーブによって記録されたアドレス情報の再生という例で述べたが、もちろんウォブリンググルーブを用いて記録されたアドレス情報以外の情報の再生にも本発明を適用できる。
またDVD+R、DVD+RWとしての光ディスクを記録再生対象とする記録再生装置の例を述べたが、他の種の光ディスクや、ディスク以外の光記録媒体でも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態における状態の縮退の説明のためのトレリス線図である。
【図2】実施の形態のADIPパターンを処理するトレリス線図である。
【図3】実施の形態のビタビ復号器での状態遷移の説明図である。
【図4】実施の形態のエラーレート特性の説明図である。
【図5】実施の形態の記録再生装置のブロック図である。
【図6】実施の形態のウォブリンググルーブ及びウォブル再生信号の説明図である。
【図7】実施の形態のウォブルデコード部のブロック図である。
【図8】実施の形態のACS演算部のブロック図である。
【図9】実施の形態のパスメモリ部のブロック図である。
【図10】ウォブリンググルーブの位相変調の説明図である。
【図11】従来のウォブル再生信号の検出部のブロック図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ピックアップ、3 スピンドルモータ、4 RFアンプ/マトリクス部、11 CPU、15 ウォブルデコード部、31 サンプリング部、32 ビタビ復号器、33 ACS演算部、34 パスメモリ部、35 アドレスデコーダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報が記録されている光記録媒体に対して再生を行う情報再生装置として、
上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するウォブル再生信号検出手段と、
上記ウォブル再生信号検出手段で検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号手段と、
上記復号手段で得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコード手段と、
を備えたことを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
上記再生専用情報は、光記録媒体上の位置を示すアドレス情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
上記復号手段は、
上記ウォブル再生信号から上記案内溝の蛇行の一周期ごとに、その位相を表す情報を検出する位相検出部と、
上記位相を表す情報から、上記情報語の符号化則の中で存在しうるデータパターンに対するメトリックを演算するメトリック演算部と、
上記演算されたメトリックから最尤であるデータ遷移を選択する選択部と、
上記データパターンの候補の遷移を記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項4】
上記復号手段では、上記位相変化による値を状態とするトレリス線図に基づいた最尤復号処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項5】
上記1ビットの情報語は、上記案内溝の蛇行の8周期の位相変化によって構成されており、
上記復号手段では、16個の状態数を持つ復号処理によって復号を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項6】
上記復号手段では、上記最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号することを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項7】
情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報が記録されている光記録媒体から、上記再生専用情報を再生する情報再生方法として、
上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するステップと、
上記検出ステップで検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号ステップと、
上記復号ステップで得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコードステップと、
を備えたことを特徴とする情報再生方法。
【請求項8】
上記再生専用情報は、光記録媒体上の位置を示すアドレス情報であることを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【請求項9】
上記復号ステップでは、上記位相変化による値を状態とするトレリス線図に基づいた最尤復号処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【請求項10】
上記1ビットの情報語は、上記案内溝の蛇行の8周期の位相変化によって構成されており、
上記復号ステップでは、16個の状態数を持つ復号処理によって復号を行うことを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【請求項11】
上記復号ステップでは、上記最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号することを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【請求項1】
情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報が記録されている光記録媒体に対して再生を行う情報再生装置として、
上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するウォブル再生信号検出手段と、
上記ウォブル再生信号検出手段で検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号手段と、
上記復号手段で得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコード手段と、
を備えたことを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
上記再生専用情報は、光記録媒体上の位置を示すアドレス情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
上記復号手段は、
上記ウォブル再生信号から上記案内溝の蛇行の一周期ごとに、その位相を表す情報を検出する位相検出部と、
上記位相を表す情報から、上記情報語の符号化則の中で存在しうるデータパターンに対するメトリックを演算するメトリック演算部と、
上記演算されたメトリックから最尤であるデータ遷移を選択する選択部と、
上記データパターンの候補の遷移を記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項4】
上記復号手段では、上記位相変化による値を状態とするトレリス線図に基づいた最尤復号処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項5】
上記1ビットの情報語は、上記案内溝の蛇行の8周期の位相変化によって構成されており、
上記復号手段では、16個の状態数を持つ復号処理によって復号を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項6】
上記復号手段では、上記最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号することを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項7】
情報記録トラックが蛇行された案内溝によって形成されているとともに、上記案内溝の蛇行における複数の位相変化による情報語により再生専用情報が記録されている光記録媒体から、上記再生専用情報を再生する情報再生方法として、
上記案内溝の蛇行に応じたウォブル再生信号を検出するステップと、
上記検出ステップで検出されたウォブル再生信号に対し、1ビットの情報語を表現する符号化則として最小符号間距離が1を越える符号化則によって決まる状態遷移に基づいた最尤復号によって上記情報語を復号する復号ステップと、
上記復号ステップで得られた情報語から、上記再生専用情報をデコードするデコードステップと、
を備えたことを特徴とする情報再生方法。
【請求項8】
上記再生専用情報は、光記録媒体上の位置を示すアドレス情報であることを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【請求項9】
上記復号ステップでは、上記位相変化による値を状態とするトレリス線図に基づいた最尤復号処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【請求項10】
上記1ビットの情報語は、上記案内溝の蛇行の8周期の位相変化によって構成されており、
上記復号ステップでは、16個の状態数を持つ復号処理によって復号を行うことを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【請求項11】
上記復号ステップでは、上記最尤復号での系列推定において、複数の位相変化系列から、1ビットの情報語を直接復号することを特徴とする請求項7に記載の情報再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−188555(P2007−188555A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3550(P2006−3550)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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