説明

情報再生装置および情報再生方法

【課題】コンテンツタイプと媒体種別とに応じてグループ化した各階層が含むコンテンツタイプと媒体種別とを独立に表示するとともに、再生のために選択された階層の表示を、残りの階層に表示に比較して、前面側に表示して強調することで、任意の階層構造からコンテンツの再生を指示可能な情報再生装置および情報再生方法を提供する。
【解決手段】この発明の実施の一形態は、再生可能な媒体の種別と再生可能なコンテンツの種別を抽出し、抽出した媒体の種別を第1の表示領域に表示し、抽出したコンテンツの種別を第2の表示領域に表示し、第1および第2の表示領域のうち、選択指示を受けつけた表示領域を非選択の表示領域に対して強調表示することにより、ファイルの視認性を高め、容易な選択を可能とする情報再生装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動画、静止画、音楽もしくは音声等のコンテンツを再生する情報再生装置および情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオデータ(音声あるいは音楽ファイル付動画ファイル)あるいはオーディオデータ(音声ファイル)、もしくは静止画等のコンテンツ(番組またはタイトルと称されることもある)は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)規格の光ディスクや、半導体メモリ、例えばSD(Secure Digital)カード、もしくは大容量メモリ、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ等を媒体(メディア)として、視聴者(ユーザー)に提供される。なお、コンテンツの供給元としては、ネットワーク(LAN)上に配信事業者が用意するサーバや、放送事業者により提供される空間波が含まれる。
【0003】
一方、コンテンツは、データサイズ(メモリ使用量)を低減するため、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−2、MPEG−4(H.264−AVC)、WMA(Windows(登録商標)Media Audio)、MP3(MPEG Audio layer-3)あるいはJPEG(Joint Photographic Experts Group)等のさまざまな方式で圧縮される。
【0004】
上述のように、コンテンツの供給に用いられる媒体と圧縮方式の多様化に伴い、異なるメディアに任意の圧縮方式で記録された圧縮されたコンテンツを再生できる情報再生装置が既に実用化されている。反面、その操作性は、GUI(Graphical User Interface)の登場により向上しているが、GUIおよびその視認性については、改良が求められることが少なくない。
【0005】
特許文献1(先行技術文献)には、2以上の階層からなる階層画面を切替えて表示する階層画面切替え用のタブスイッチを有する表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−11107号公報、要約、図2、図3、段落[0017]〜[0032]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、タブスイッチを2以上の群とし、それぞれの群を、同一軸線上からずらした直交する方向に配置している。この配置は、画面表示(表示画面)の大きさが比較的大きく、ユーザーが、直接、指をふれることによりタブスイッチを切替える場合には有益である。なお、特許文献1においては、全ての階層は、直列的な順列が与えられている。
【0008】
しかしながら、GUI画面の表示、例えばタッチパネル式のボタン表示(特許文献1におけるタブスイッチに相当する)の1つを、リモコン端末(リモートコントローラ)等により選択して制御指示を入力する場合、制御指示を入力するためのリモコン端末の操作が煩雑になりやすいことが知られている。特に、比較的離れた位置に表示された2つ以上のGUI画面の表示を、交互に(または順に)選択するような制御指示が必要な場合、要求されるリモコン端末の操作回数が増大する。このことは、入力間違い(必要な制御指示とは異なる制御指示の入力)を引き起こす要因に他ならない。
【0009】
この発明の目的は、再生可能なコンテンツに適用されるコンテンツタイプとコンテンツを収容した媒体種別のそれぞれを、コンテンツタイプと媒体種別に応じてグループ化して階層構造を構成し、各階層が含むコンテンツタイプと媒体種別とを独立に表示するとともに、任意の階層構造からコンテンツの再生を指示可能な情報再生装置および情報再生方法を提供することである。
【0010】
またこの発明の目的は、再生可能なコンテンツに適用されるコンテンツタイプとコンテンツを収容した媒体種別のそれぞれを、コンテンツタイプと媒体種別に応じてグループ化して階層構造を構成し、各階層が含むコンテンツタイプと媒体種別とを独立に表示するとともに、任意の階層構造からコンテンツの再生を指示する制御指示における操作性が向上可能な情報再生装置および情報再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、媒体の種別を表示する第1の表示領域と、前記媒体が収容したコンテンツの種別を表示する第2の表示領域と、前記第1の表示領域または第2の表示領域のいずれかが選択された場合、選択された表示領域の全てを強調して表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする情報再生装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明の一つの実施の形態を適用することにより、再生可能なコンテンツに適用されるコンテンツタイプとコンテンツを収容した媒体種別のそれぞれを、コンテンツタイプと媒体種別に応じてグループ化して階層構造を構成し、各階層が含むコンテンツタイプと媒体種別とを独立に表示するとともに、再生のために選択された階層の表示を、残りの階層に表示に比較して拡大するとともに、前面側に表示して強調することで、再生指示である制御指示の入力のための操作性が向上する。
【0013】
また、再生のために選択された階層の表示を、残りの階層に表示に比較して、前面側に表示して強調することで、現在選択されている階層が、どの層から順に選択されたか示す選択済み状態を表示できる(後から選択された層が拡大されて表示される)ため、現在選択されているコンテンツやメディアを選択するまでの選択経路が、容易に理解できる機能的な表示が得られる
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の一形態が適用可能な情報再生装置(プレーヤ装置)の一例を示す概略図。
【図2】図1に示した情報再生装置が出力する表示出力(「起動画面」)の一例を示す概略図。
【図3】図2により説明した「起動画面」において選択された特定の機能、例えばメディアプレーヤ機能において、媒体とコンテンツとを独立して選択可能な制御指示の入力を受けつける画面表示の一例を示す概略図。
【図4】図3により説明したメディアプレーヤ機能において、『第1のタブ(メディアタイプ表示領域)』を介して、ユーザーが再生しようとしているコンテンツを主要したメディア(媒体)タイプが選択された状態を説明する概略図。
【図5】図3により説明したメディアプレーヤ機能において、『第2のタブ(コンテンツタイプ表示領域)』を介して、ユーザーが再生しようとしているコンテンツのタイプが選択された状態を説明する概略図。
【図6】図4および図5を用いて説明した第1および第2のタブの表示方式を変更する機能を、ソフトウエア的に説明する概略図。
【図7】図6により説明した表示を変更する方法の別の実施の形態を、ソフトウエア的に説明する概略図。
【図8】図4により説明したタブ表示の拡大(選択されたタブの表示の変更)において、表示画面の向きが異なる一例を示す概略図。
【図9】図5により説明したタブ表示の拡大(選択されたタブの表示の変更)において、表示画面の向きが異なる一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施の一形態が適用される情報再生装置(プレーヤ装置)の一例を示す。
【0017】
情報再生装置1は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)規格の光ディスクや半導体メモリ、例えばSD(Secure Digital)カード、もしくは大容量メモリ、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ等を媒体(メディア)として供給される映像すなわちビデオデータ(音声あるいは音楽ファイル付動画ファイル)あるいはオーディオデータ(音声ファイル)もしくは静止画等のコンテンツ(番組またはタイトルと称されることもある)を再生するための光ディスクドライブユニット3、カードリーダ5、USB入力ポート7を有する。
【0018】
光ディスクドライブユニット3は、DVD規格およびCD規格の光ディスクを再生可能で、サポートしているファイルタイプ(コンテンツタイプ)は、動画として、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−2やMPEG−4(H.264−AVC)等、オーディオとして、例えばWMA(Windows Media Audio)、MP3(MPEG Audio layer-3)、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ等、および静止画として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等、である。
【0019】
カードリーダ5およびUSBポート7は、同じく動画として、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−2やMPEG−4(H.264−AVC)等、オーディオとして、例えばWMA(Windows Media Audio)、MP3(MPEG Audio layer-3)、あるいはMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ等、および静止画として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等を再生可能である。
【0020】
主制御ブロック9は、光ディスクドライブユニット3、カードリーダ5あるいはUSB入力ポート7を経由して媒体(メディア)から供給されるコンテンツを、メモリユニット(ワークメモリ)11により再生する。なお、メモリユニット11は、例えばSDRAM(Synchronous DRAM,DRAM = Dynamic Random Access Memory)等に代表される書き換え可能型のメモリである。また、コンテンツを再生するために用いるアプリケーション(プログラム/プロトコル)等は、メモリユニット11の所定の領域に格納(記憶)されているが、新たなアプリケーションが供給された場合、プラグイン機能により、空き領域に(そのアプリケーションを)収容可能である。
【0021】
主制御ブロック9は、媒体(メディア)から供給されるデータ、すなわちコンテンツを取得するデータ取得部9a、取得したコンテンツのタイプ(種類)を、メディア(媒体)と関連づけて表示するための「表示画像」を生成する表示生成部(タブ列生成部)9b、ユーザー操作に基いてユーザーにより選択されたメディアあるいはコンテンツを特定し、表示生成部9bにより現在生成されている「表示画像」を変更するか否かを判断する選択比較部(タブ列比較部)9c、選択比較部9cにより新たに表示すべきと判断された「表示画像」が表示生成部9bにより現在生成されている「表示画像」と異なる場合、新たな「表示画像」の表示を指示する表示指示部(タブ列表示切替部)9dおよび表示生成部9bが生成した「表示画像」を、外部に接続される映像表示装置101が表示可能に、『映像信号』として出力する再生部9eを含む。
【0022】
なお、主制御ブロック9については、上述したデータ取得部9a、表示生成部9b、選択比較部9c、表示指示部9dおよび再生部9eは、ユーザー操作に対応して映像表示装置101に表示すべき「表示画像」に関する機能および対応する処理機構を抜き出して説明したものであり、映像およびオーディオデータあるいは静止画の再生については、データ処理部(Digital Signal Processor,以下DSPと呼称する)13が分担することはいうまでもない。また、その詳細な処理方法やその処理に必要となる要求される構成は、周知であるから詳細な説明は省略する。
【0023】
なお、主制御ブロック9へのユーザー指示(制御指示)すなわちユーザー操作入力は、主制御ブロック9と接続されたユーザー操作入力部15へのユーザーの直接入力、あるいはリモートコントローラ(リモコン端末)Rによるリモコン受信部17へのリモコン入力のいずれかによる。また、主制御ブロック9は、図示しないが、OSD(On Screen Display)ユニットを含み、例えばユーザー操作入力部15またはリモコン受信部17を介して入力された操作情報(制御入力)に対応する選択画面や操作画面を、出力部19に接続される映像再生装置101に表示可能に、出力する。
【0024】
DSP13は、詳述しないが、ビデオエンコーダ部、ビデオデコーダ部、オーディオエンコーダ部、およびオーディオデコーダ部、等を含む。
【0025】
DSP13は、主制御ブロック9の制御に従い、例えば光ディスクドライブユニット3にセットされたDVD規格あるいはCD規格の光ディスクから読み込まれた情報すなわち動画、オーディオ(音声)あるいは静止画等のコンテンツを処理し、再生する。なお、カードリーダ5に装着されたメモリカードやUSB入力ポート7に接続されたメモリユニットに格納されている情報についても同様である。また、DSP13は、光ディスクドライブユニット3にセットされた光ディスクがDVD規格で、収容しているコンテンツがストリーム形式であるような場合についても、そのコンテンツを再生できることはいうまでもない。
【0026】
DSP13により処理された動画、オーディオあるいは静止画等は、出力部19を経由し、出力部19と接続される映像再生装置101に、主制御ブロック9の制御に従い、適宜、出力される。なお、映像再生装置101は、映像を再生するモニタ装置と音声(オーディオ)を再生するスピーカ装置とが一体に設けられたものであってもよいし、それぞれが独立して用意されているものであってもよい。また、モニタ装置とAV(Audio Visual)アンプ装置等の組み合わせであってもよいことはいうまでもない。
【0027】
ユーザー操作入力部15は、図示しないが、情報再生装置1本体に設けられている操作ボタン群により直接指示される(ユーザーからの)操作入力を受け付ける。例えば、情報再生装置1本体に通常設けられている再生(PLAY)ボタンによる再生指示等が、ユーザー操作入力部15により入力可能である。
【0028】
リモコン受信部17は、リモコンRを介してユーザーから指示される制御情報、例えばコンテンツ供給元として選択可能な光ディスクドライブユニット3、カードリーダ5、あるいはUSB入力ポート7のいずれかを選択的に動作させる起動信号(制御指示)を受けつける。なお、光ディスクドライブユニット3が選択された場合、挿入されるディスクの種類に応じて、後段に説明するが[DVDプレーヤ]もしくは[CDプレーヤ]のいずれかとして起動される。
【0029】
なお、ネットワークNTと接続可能な通信部21が用意されることで、ネットワーク上に位置するサーバや、別のプレーヤ装置をコンテンツ供給元とみなし、コンテンツを取得することもできる。また、上述した各要素は、ハードウエアで実現するものであってもよいし、CPU(マイクロコンピュータ)等を用いて、ソフトウエアで実現するものであってもよい。
【0030】
図2は、図1を用いて概略を説明した情報再生装置において、起動時に、映像再生装置(モニタ装置)に向けて出力される『映像信号』の一例を示す。なお、図2に示す例は、説明のため、実際に映像再生装置に表示される映像を模式化して示したものであり、本来の映像信号とは異なる(場合を含む)。
【0031】
図示しない電源スイッチ(メインスイッチ)がオンされることで、イニシャライズ動作が終了すると、図2に一例を示す「起動画面」と呼ばれる『表示』201を、表示可能な映像信号がモニタ装置(映像再生装置)101に出力される。
【0032】
『表示』201は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)規格の光ディスクから映像および音声すなわち動画、あるいは静止画を再生可能な[DVDプレーヤ]を起動するための制御信号を入力可能な『表示』211、例えばCD(Compact Disk)規格の光ディスクから音楽(オーディオ)または朗読等の音声を再生可能な[CDプレーヤ]を起動するための制御信号を入力可能な『表示』213、例えばウィジェット(Widget)を起動するための制御信号を入力可能な『表示』215やユーザーガイド(User’s guide)を起動するための制御信号を入力可能な『表示』217、および情報再生装置1が再生可能な任意のメディアから任意のタイプのコンテンツを直接的に再生可能な[メディアプレーヤ]を起動するための制御信号を入力可能な『表示』219等を含む。なお、各『表示』211,213,・・・,219は、広義には、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や携帯端末において広く利用されている「アイコン(icon)」と同等である。
【0033】
それぞれの機能あるいはプログラムに対応する『表示』211,213,・・・,219が表示される位置は、任意に設定される。なお、通常は、予め用意された初期位置(デフォルト位置)に位置されることは言うまでもない。また、それぞれの『表示』211,213,・・・,219が表示される位置は、ユーザーの好み、すなわちユーザーが指定する位置に移動可能である。
【0034】
図3は、図2により説明した「起動画面」において、メディアプレーヤ機能を起動する『表示』が選択され、[メディアプレーヤ]が起動した状態の画面表示の一例を示す。なお、「起動画面」は、ユーザーによるカスタマイズ(ユーザー毎のユーザーの希望を反映した「起動画面」の設定)が可能であり、図8および図9に一例を示すように、再生可能なコンテンツの一覧が表示されてもよい。なお、図3に示す例は、図2に示した例と同様に、説明のため、実際に映像再生装置に表示される映像を模式化して示したものであり、本来の映像信号とは異なる(場合を含む)。
【0035】
図3に示した[メディアプレーヤ]のメインメニュー([メディアプレーヤ]が起動された際の非カスタマイズ(デフォルト)起動画面)301においては、再生中のコンテンツが静止画または動画である場合に、その再生像を表示する『画像表示領域』311、再生中のコンテンツに付与されている名称、例えば動画や静止画である場合には番組名、静止画である場合には個別の名称、音楽である場合には曲名等を表示する『タイトル表示領域』313、再生中のコンテンツの供給元すなわちコンテンツを収容しているメディア(媒体)の種別(タイプ)を表示する『メディアタイプ表示領域(第1のタブ)』321、再生中のコンテンツの種別(タイプ)を表示する『コンテンツタイプ表示領域(第2のタブ)』331、および選択されたメディアタイプとコンテンツタイプに従い、再生対象となるコンテンツの個別のファイル名を表示する『詳細情報表示領域』341が表示される。なお、『詳細情報表示領域』341には、選択されたメディアタイプとコンテンツタイプとに応じて、例えば再生可能なコンテンツ(ファイル)が記録されていないことを報知する「NO FILE」表示や選択されたメディアが用意されていないことを報知する「NO MEDIA」表示等のアラート表示も表示される。
【0036】
『メディアタイプ表示領域(第1のタブ)』321と『コンテンツタイプ表示領域(第2のタブ)』331は、画面表示において、上下方向の概ね中央に2段に表示され、リモコン端末Rを介してフォーカスが当てられた(すなわち、図示しないリモコン端末が操作され、画面表示されている第1のタブ321または第2のタブ331のいずれか一方を選択する制御信号が入力された)際に、例えば輝度が増加され、もしくは色が変化される等の視覚により認識可能な『フォーカス表示』が可能である。なお、『フォーカス表示』は、リモコン端末Rにより選択されたタブが変更される毎に、すなわち『第1のタブ』321と『第2のタブ』331が交互に選択されるごとに、選択されたタブの側に変更される。なお、上述したフォーカスは、例えば周知のカーソルの移動とその位置の選択によっても実現できる。
【0037】
一方、『フォーカス表示』状態において、リモコン端末Rにより、『第1のタブ』321すなわちメディアタイプまたは『第2のタブ』331すなわちコンテンツタイプのいずれかが選択された状態で、そのタブ内のいずれかの『表示』、すなわち『第1のタブ』321のうちの『DVD』表示323、『SD』表示325または『USB』表示327のいずれか1つが、選択された場合、その『表示』が画面表示において、左右方向の概ね中央に移動され、さらに輝度が増加される『ハイライト(Highlight)表示』等、に変更される。同じく『第2のタブ』331のうちの『Photo』表示333、『Video』表示335、あるいは『Music』表示337のいずれか1つが、選択された場合、その『表示』が画面表示において、左右方向の概ね中央に移動され、さらに輝度が増加される『ハイライト(Highlight)表示』等、に変更される。
【0038】
なお、任意のタブの選択および任意のコンテンツタイプまたはメディアタイプの選択は、リモコン端末Rによりフォーカスが当てられた後、図示しないが[決定(あるいはOK)]ボタンがオンされることで、対応する制御信号が出力され、画面表示が変更される。また、特定のタブすなわち『第1のタブ』321/『第2のタブ』331の一方を選択することは実質的に、そのタブ内の任意の表示すなわち、『DVD』表示323、『SD』表示325、『USB』表示327、『Photo』表示333、『Video』表示335、あるいは『Music』表示337のいずれかを選択し、決定する動作によって兼用される。すなわち、『DVD』表示323、『SD』表示325、『USB』表示327、『Photo』表示333、『Video』表示335、あるいは『Music』表示337のいずれかを選択するリモコン端末Rの操作に伴って、『第1のタブ』321と『第2のタブ』331は、自動的に変更(選択)される。
【0039】
従って、リモコン端末Rの操作に従い、『第1のタブ』321内におけるメディアタイプ、あるいは『第2のタブ』331内におけるコンテンツタイプの選択に際して、どれを選択しても、そのタブ内の中央に、選択されたメディアタイプあるいはコンテンツタイプの表示が移動される。
【0040】
なお、『第1のタブ』321と『第2のタブ』331との間の相互の切り替え、すなわち[上向きの矢印]により規定される(現在選択されている(フォーカスが当てられている)タブに対して)上側に位置するタブへの移動、または[下向きの矢印]により規定される(現在選択されている(フォーカスが当てられている)タブに対して)下側のタブへの移動については、[上向きの矢印]または[下向きの矢印]のいずれか一方の操作のみで、容易に切替えることができる。
【0041】
なお、任意のタブにおける左右方向の『表示』の切り替えは、リモコン端末Rの[左向きの矢印]または[右向きの矢印]が操作される(制御指示が入力される)毎に、その表示が属する(配置されている)タブ内で、左右方向に1つ分だけ順に移動するよう、制御される。これにより、ユーザーから見た視認性が向上する。
【0042】
図4および図5は、図3を用いて説明した[メディアプレーヤ]機能において、第1および第2のタブを用い、任意のコンテンツおよびメディアを再生する際の画面表示の遷移(変化)とリモコン端末の操作による制御信号の入力との関係を説明する(画面)表示例を示す。
【0043】
図4は、図3に示した[メディアプレーヤ]のメインメニューから、『第1のタブ(メディアタイプ表示領域)』を介して、ユーザーが再生しようとしているコンテンツを収容したメディア(媒体)タイプを指定した状態を示す。
【0044】
ユーザーのリモコン端末Rの操作により、第1のタブ321にフォーカスが当てられると、第1のタブ321は、表示画面の上下方向に拡大される。このとき、第1のタブ321は、第2のタブ331に対して前面に位置するよう、表示形態が変更される。すなわち、第1のタブ321は、第2のタブ331に対して、平面で見た場合に(第2のタブ331よりも)上面に位置するよう視覚的に目視可能に、表示方法が変更される。
【0045】
従って、第1のタブ321にフォーカスを当て、第1のタブ321を用いてメディアを選択しようとしているユーザーの視認性が向上する。これにより、操作ミスが生じることが低減され、ユーザーの利便性が高められる。
【0046】
図5は、図3に示した[メディアプレーヤ]のメインメニューから、『第2のタブ(コンテンツタイプ表示領域)』を介して、ユーザーが再生しようとしているコンテンツのタイプを、指定した状態を示す。
【0047】
ユーザーのリモコン端末Rの操作により、第2のタブ331にフォーカスが当てられると、第2のタブ331は、表示画面の上下方向に拡大される。このとき、第2のタブ331は、第1のタブ321に対して前面に位置するよう、表示形態が変更される。すなわち、第2のタブ331は、第1のタブ321に対して、平面で見た場合に(第1のタブ321よりも)上面に位置するよう視覚的に目視可能に、表示方法が変更される。
【0048】
従って、第2のタブ331にフォーカスを当て、第2のタブ331を用いてコンテンツタイプを選択しようとしているユーザーの視認性が向上する。これにより、操作ミスが生じることが低減され、ユーザーの利便性が高められる。
【0049】
なお、図4および図5に示した第1のタブまたは第2のタブの表示形態(表示方法)の変更、すなわち選択された(フォーカスが当てられた)タブの拡大・前面表示は、図3に示した起動画面からの遷移のみならず、図4および図5により説明したそれぞれのタブが選択されている状態から、残りのタブを選択しようとした場合においても、同様の表示となる。
【0050】
すなわち、図4に示したように、第1のタブ321により、メディアタイプとして、例えば[SD]を選択した状態で、コンテンツタイプを設定するために、第2のタブ331にフォーカスを当てた時点で、図5に示したように、それまで、第2のタブ331よりも幅が広く、第2のタブ331に比較して前面側に見えるよう表示されていた第1のタブ321に対して、第2のタブ331が前面側に見えるよう、かつ第2のタブ331の幅が広くなるよう、表示が変更される。もちろん、図5に示した第2のタブ331にフォーカスが当てられている状態から第1のタブ321へフォーカスが移動された場合には、図4に示したように、第1のタブ321の表示が変更される。
【0051】
なお、図4および図5を用いて説明したタブの表示方式の変更は、3以上のタブが用いられる系(画面表示)においても同様に適用可能であり、フォーカスが当てられたタブが最も前面に位置するよう、表示方式が変更される。
【0052】
このように、近接して表示される2以上のタブについて、選択されたタブを、前面(上層)側に見えるよう、視覚的な表示を適用することにより、一層目と二層目(3層以上の場合には各層のうち)のどれが選択されているかが、明確に視認できる。
【0053】
また、一層目と二層目(3層以上の場合には各層のうちの選択された層)について、選択されたタブを、拡大して前面(上層)側に見えるよう、視覚的な表示を適用することにより、現在選択されている階層が、どの層から順に選択されたか示す選択済み状態(選択経路)を表示できる。
【0054】
図6は、図4および図5を用いて説明した第1および第2のタブの表示方式を変更する機能を、ソフトウエア的に説明する概略図である。
【0055】
図2に示した「起動画面」が表示され、イニシャライズ動作が完了したのち、メディアプレーヤ機能が選択された場合、図3により説明した[メディアプレーヤ]機能画面における第1のタブに[メディアタイプ]として表示すべき、情報の再生が可能なメディアの有無や、各メディアからのデータの読み出しの可否、各メディアに格納されているコンテンツのタイプとその個数等の情報、すなわち[メディアプレーヤ]としての動作に必要なデータが取得される[01]。
【0056】
続いて、取得したデータに基づいて、図3に示したような[メディアプレーヤ」の起動画面を表示するための『表示データ』が生成され、出力部19(図1参照)を経由して、映像表示装置101に向けて出力される[02]。
【0057】
以下、ユーザーによりタブを変更する制御指示、すなわち第1のタブと第2のタブとを切替える指示入力された時点(どちらのタブにフォーカスを当てるかが選択された時点)[03−YES]で、選択されたタブの幅の変更が指示される。すなわち、タブの幅を広げ、残りのタブに比較して前面に位置するよう視認可能に、選択されたタブを拡大表示するよう(選択された)タブの表示が拡大表示される[04]。
【0058】
[04]でタブの表示が変更された後、タブの表示を変更する引き続く指示の入力の有無が一定期間の間、検知され[05]、引き続く変更の指示の入力が無い場合[05−NO]、図4または図5により説明した、いずれかのタブの幅が拡大された画面表示が表示される(全体表示)[06]。
【0059】
図7は、図6により説明した表示を変更する方法の別の実施の形態を、ソフトウエア的に説明する概略図である。
【0060】
図2に示した「起動画面」が表示され、イニシャライズ動作が完了したのち、メディアプレーヤ機能が選択された場合、図3により説明した[メディアプレーヤ]機能画面における第1のタブに[メディアタイプ]として表示すべき、情報の再生が可能なメディアの有無や、各メディアからのデータの読み出しの可否、各メディアに格納されているコンテンツのタイプとその個数等の情報、すなわち[メディアプレーヤ]としての動作に必要なデータが取得される[01]。
【0061】
続いて、取得したデータに基づいて、図3に示したような[メディアプレーヤ」の起動画面を表示するための『表示データ』が生成され、出力部19(図1参照)を経由して、映像表示装置101に向けて出力される[02]。
【0062】
以下、ユーザーにより、フォーカスが当てられる対象が、タブの選択(変更)であるか、タブ以外への移動であるかがチェックされる[11]。
【0063】
[11]において、タブの選択(変更)が指示された場合[11−YES]、選択されたタブの幅の変更が指示される。すなわち、タブの幅を広げ、残りのタブに比較して前面に位置するよう視認可能に、選択されたタブを拡大表示するよう(選択された)タブの表示が拡大表示される[12]。
【0064】
なお、[12]でタブの表示が変更された後、タブの表示を変更する引き続く指示の入力の有無が一定期間の間、検知され[13]、引き続く変更の指示の入力が無い場合[13−NO]、図4または図5により説明した、いずれかのタブの幅が拡大された画面表示が表示される(全体表示)[14]。
【0065】
一方、[11]において、タブ以外への移動が指示された場合[11−NO]、以前にタブが拡大表示されていたか否がチェックされ[15]、タブの拡大が選択されていない場合[15−NO]には、引き続く指示の入力の有無(タブの選択の有無)が一定期間の間、検知される[13]。
【0066】
これに対し、[11]において、タブ以外への移動が指示され[11−NO]、かつ、以前にタブが拡大表示されていたことが検知された場合[15−YES]、拡大されたタブが元の表示に戻された後[16]、引き続く指示の入力の有無(タブの選択の有無)が一定期間の間、検知される[13]。
【0067】
すなわち、タブの選択がなく、タブ以外の表示、例えば『リスト表示』や任意の機能を直接起動するために用いる『ボタン表示』が直接選択された場合、それまでにタブが拡大表示されていた場合には、タブの表示が元の大きさに戻される。これにより、タブが強調されて、直接指示のための『リスト表示』や『ボタン表示』が目立たなくなるような操作性に対して影響が及ぶことを抑止できる。
【0068】
なお、図4および図5ならびに図3により説明したタブ表示の拡大(選択されたタブの表示の変更)は、図8および図9に一例を示すが、表示画面の向きが異なる場合においても実現できる。
【0069】
すなわち、図8に示す表示例1301は、『第1のタブ(メディアタイプ表示領域)』1321を介して、ユーザーが再生しようとしているコンテンツを主要したメディア(媒体)タイプを指定した状態を示し、第1のタブ1321にフォーカスが当てられると、第1のタブ1321は、表示画面の左右方向に拡大される。このとき、第1のタブ1321は、第2のタブ1331に対して前面に位置するよう、表示形態が変更される。すなわち、第1のタブ1321は、第2のタブ1331に対して、平面で見た場合に(第2のタブ1331よりも)上面に位置するよう視覚的に目視可能に、表示方法が変更される。
【0070】
同様に、図9に示す表示例1301は、『第2のタブ(コンテンツタイプ表示領域)』1331を介して、ユーザーが再生しようとしているコンテンツのタイプを、指定した状態を示し、第2のタブ1331にフォーカスが当てられると、第2のタブ1331が表示画面の左右方向に拡大される。このとき、第2のタブ1331は、第1のタブ1321に対して前面に位置するよう、表示形態が変更される。
【0071】
以上説明したように、この発明の実施の一形態を適用することにより、再生可能なコンテンツに適用されるコンテンツタイプとコンテンツを収容した媒体種別のそれぞれを、コンテンツタイプと媒体種別に応じてグループ化して階層構造を構成し、各階層が含むコンテンツタイプと媒体種別とを独立に表示するとともに、再生のために選択された階層の表示を、残りの階層に表示に比較して、前面側に表示して強調することで、再生指示である制御指示の入力のための操作性が向上する。
【0072】
また、再生のために選択された階層の表示を、残りの階層に表示に比較して、前面側に表示して強調することで、現在選択されている階層が、どの層から順に選択されたか示す選択済み状態を表示できる(後から選択された層が拡大されて表示される)ため、現在選択されているコンテンツやメディアを選択するまでの選択経路が、容易に理解できる機能的な表示が得られる。
【0073】
なお、この発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形もしくは変更が可能である。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて、もしくは一部を削除して実施されてもよく、その場合は、組み合わせもしくは削除に起因したさまざまな効果が得られる。
【符号の説明】
【0074】
1…情報再生装置(プレーヤ装置)、3…光ディスクドライブユニット、5…カードリーダ、7…USB入力ポート、9…主制御ブロック、9a…データ取得部、9b…表示生成部(タブ列生成部)、9c…選択比較部(タブ列比較部)、9d…表示指示部(タブ列表示切替部)、9e…再生部、11…メモリユニット、13…DSP(データ処理部)、15…ユーザー操作入力部、17…リモコン受信部、19…出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の種別を表示する第1の表示領域と、
前記媒体が収容したコンテンツの種別を表示する第2の表示領域と、
前記第1の表示領域または第2の表示領域のいずれかが選択された場合、選択された表示領域の全てを強調して表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
前記第1の表示領域は、再生可能な媒体を識別可能な複数の媒体表示区画を含み、任意の媒体表示区画から選択された媒体表示区画は、前記第1の表示領域の長手方向の中央に移動することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記第2の表示領域は、再生可能なコンテンツの種別を識別可能な複数のコンテンツ表示区画を含み、任意のコンテンツ表示区画から選択された表示は、前記第2の表示領域の長手方向の中央に移動することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記表示制御手段が出力する画像表示信号を映像信号として外部に出力する信号出力部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記第1の表示領域と前記第2の表示領域への上記強調表示は、非選択側の表示領域と比較して選択された表示領域の幅を広くすることを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項6】
上記強調表示は、選択された表示領域の幅全体で広くされることを特徴とする請求項5記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記第1の表示領域と前記第2の表示領域への上記強調表示は、非選択側の表示領域と比較して選択された表示領域が上層と視認可能に表示することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項8】
上記強調表示は、選択された表示領域の幅全体に適用されることを特徴とする請求項7記載の情報再生装置。
【請求項9】
再生可能な媒体の種別と再生可能なコンテンツの種別を抽出し、
抽出した媒体の種別を第1の表示領域に表示し、
抽出したコンテンツの種別を第2の表示領域に表示し、
第1および第2の表示領域のうち、選択指示を受けつけた表示領域を非選択の表示領域に対して強調表示することを特徴とする情報再生方法。
【請求項10】
強調表示は、非選択側の表示領域に比較して選択された領域の幅を広くすることにより実現されることを特徴とする請求項9記載の情報再生方法。
【請求項11】
強調表示は、非選択側の表示領域に比較して選択された領域が上層と視認可能に表示することを特徴とする請求項9記載の情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−287273(P2010−287273A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139594(P2009−139594)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】