説明

情報再生装置及び方法

【課題】更新情報の不具合があったとしても装置の再生状態を保証することができる。さらに、オリジナル情報の利用も可能である。
【解決手段】 第1の情報保存部301が光ディスクに記録されている第1の再生管理情報を保存し、第2の管理情報保存部302が外部から取り込んだ第2の再生管理情報を保存する。フラグ判定部303が第2の再生管理情報の書き込み終了フラグが正常か否かを判断し、最新情報判定部304aが第1と第2の再生管理情報のいずれが新しいかを判断し、再生管理情報選択部304bが、新しいほうの再生管理情報を用いてコンテンツを再生する指示を出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報再生装置及び方法に関するものであり、例えば、管理情報が更新されるタイプの情報再生装置に適用して効果的な機能を提供できる。
【背景技術】
【0002】
近年、Digital Versatile Disc(DVD)のように映画や音楽などのデジタル化された映像音響作品などを蓄積する媒体としての光ディスクが開発されて普及している。このDVDは、DVDフォーラムが作成したフォーマットで、DVD ブック(Book)として公開され(ワールド・ワイド・ウエブ.dvdforum.org参照)、また国際規格やJISとしても定められている。
【0003】
上記DVD(既存DVDと称する)に比べて、さらに大容量のディスクの開発が進み、これはHD(High Definition) 映像(高精細映像)を、1枚のディスク(次世代DVDと仮に称する)に入れたいという要求から生じている。この次世代DVDは、HD DVD(High Density DVD)として規格化されている。
【0004】
このDVDディスクには、映画や音楽などのコンテンツと、このコンテンツを再生するために必要な管理情報とが記録されている。再生装置は、まず管理情報を読み取り、ディスクの物理的な特性、記録されている内容の把握、再生手順などの把握を行い、実際の映画や音楽などのコンテンツを再生する。
【0005】
上記のHD DVD規格では、管理情報として、最初からディスクに記録されている管理情報(以下、例えばオリジナル情報と称する)が、例えばインターネットを介して更新された管理情報(以下オリジナル情報と区別するために更新情報)に置き換わることを許容している。
【0006】
更新情報は、プロバイダーにより提供されるもので、再生装置に保持される。また更新情報としては、管理情報だけでなく映画音楽などの一部を補充するコンテンツ自身も含まれる。
【0007】
ところで、上記の管理情報が、複数存在ケースを取り扱う技術として、例えば特許文献1がある。この文献では、複数の記録媒体を取り扱う装置が開示されている。この装置では、第1の記録媒体の再生中に第2の記録媒体が、装着された場合、再生を継続しながら再生管理情報を再構築し、再生中のトラックの再生終了後、再構築した再生管理情報に従って再生を行うというものである。
【特許文献1】特開2004−240832
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように管理情報の再構築と、取替えについての技術が特許文献1には、開示されている。一方、HD DVDの再生装置においては、更新情報を、インターネットを介して取り込み使用することがある。この場合、更新情報の安全性に関しての対策が不十分である。更新情報に欠損があると再生装置がデッドロック状態に陥り、ユーザに不審感を与えてしまうという問題がある。
【0009】
そこでこの発明では、更新情報の不具合があったとしても装置の再生状態を保証することができるようにした情報再生装置及び方法を提供することを目的とする。さらに、オリジナル情報の利用も可能である情報再生装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では上記の課題を解決するために、情報記録媒体のコンテンツを再生するための第1の再生管理情報を保存する第1の情報保存部と、前記情報記録媒体の前記コンテンツを再生するための第2の再生管理情報を保存する第2の管理情報保存部と、前記第2の再生管理情報に付加されている書き込み終了フラグが正常か否かを判断するするフラグ判定部と、前記書き込み終了フラグが正常である場合は、前記第1と第2の再生管理情報のバージョン情報を判断し、いずれの管理情報が新しいかを判断する最新情報判定部と、前記第1の再生管理情報が新しい場合には、この第1の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示し、前記第2の再生管理情報が新しい場合には、この第2の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示する再生管理情報選択部を有する。
【発明の効果】
【0011】
上記の手段によると、前記第2の再生管理情報に不具合があっても、第1の再生管理情報を用いることができるために、装置の再生状態を保証することができる。また両方の再生管理情報が正常であれば、最新の再生管理情報を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明が適用されたDVD装置の主要構成を示している。以下、簡単に説明する。スピンドルモータ12は、ターンテーブルを回転駆動する。クランパ11は、光ディスク1001をターンテーブル上に把持する。スピンドルモータ12は、モータドライバ13により制御される。
【0013】
光ヘッド14は、対物レンズ10及び光学系15を含む。光学系15は、フォーカス及びトラッキングアクチュエータ16により駆動される。フォーカス及びトラッキングアクチュエータ16がアクチュエータドライバ17により制御されると、レーザ光が光ディスクのトラックに焦点を合わせ、かつ追従する。ラジアルアクチュエータ18は、光ヘッド14をディスクの半径方向へ移動させるものであり、アクチュエータドライバ17により制御される。
【0014】
ディスクからの反射光は、光学系15から導出され、変換ユニット21のフォトディテクタで電気信号に変換される。この電気信号は、ゲイン調整ユニット22の再生信号増幅器でゲイン調整され、信号処理回路23に入力される。信号処理回路23では、復調処理及バッファリング、エラー訂正などが行われ、その出力はデータ処理回路24に入力される。
【0015】
ここでは、パケット分離、制御信号分離などが行われ、映像及び音声の情報はAVデコーダ25に入力される。AVデコーダ25で復調された、映像信号及び音声信号、副映像信号などは、AV増幅器26を介してベースバンド信号として出力される。
【0016】
サーボコントローラ27は、例えば4分割フォトダイオードからの再生信号を演算処理したフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を用いて、アクチュエータドライバ17に対して制御信号を与える。
【0017】
システムコントローラ30は、入力端末(例えばリモートコントローラ、あるいは操作キー入力部)31からの信号に応答して、装置の再生、停止、一時停止などを制御する。また、ゲイン調整ユニット22内のレーザダイオードドライバを制御する。レーザダイオードドライバは、光ヘッド14に搭載されている赤色レーザダイオードあるいは青色レーザダイオードを駆動する。システムコントローラ30は、再生装置の各部のブロックを統括して制御する。
【0018】
光ディスク1001が装填されると、スピンドルモータ12が所定の回転数まで回転する。次に、フォーカス制御ループ、トラッキング制御ループにより、トラッキングオンとなる。この状態で、Data frameのIDを読み、ディスクのArea type, Reflectivity, Layer numberなどをチェックし、続いて、光ヘッド14をLead in areaに移動させる。次に、Control data zoneに移動し、Physical format informationを読み、DVDディスクの確認を行う。さらに各種の管理情報を読み取り、この管理情報に基づいて、DVD映像・音声の再生状態に移行する。
【0019】
さらに上記の再生装置は、ネットワークインターフェース32を介してインターネットに接続することが可能である。予めプロバイダにより仕組まれた光ディスクの場合、システムコントローラ30は、光ディスクに記録されているアドレスを用いて、プロバイダが指定しているサーバーに接続可能である。そして、当該光ディスクのコンテンツを再生するための最新の再生管理情報、あるいは映像・音声などのコンテンツの一部を再生装置のメモリ(図示せず)に取り込むことができる。メモリとしては、半導体メモリあるいはハードディスクであってもよい。
【0020】
図2には、この発明の特徴部分を取り出して示している。この発明の装置は、光ディスク1001(情報記録媒体)のコンテンツを再生するための第1の再生管理情報を保存する第1の情報保存部301と、光ディスク1001及び又は外部からのコンテンツを再生するための第2の再生管理情報を保存する第2の管理情報保存部302を有する。ここで、第2の再生管理情報には、書き込み終了フラグが付加されている。この書き込み終了フラグは、第2の再生管理情報がインターネットを介して取り込まれたときに、データの終わりを識別するために付加される。
【0021】
この書き込み終了フラグが正常か否かは、フラグ判定部303により判断される。書き込み終了フラグが正常である場合は、最新情報判定部304aが、第1と第2の再生管理情報のバージョン情報を判断し、いずれの管理情報が新しいかを判断する。この判定結果に基づいて、再生管理情報選択部304bは、第1の再生管理情報が新しい場合には、この第1の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示し、第2の再生管理情報が新しい場合には、この第2の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示する。指示先は、再生制御部305である。再生制御部305は、再生管理情報選択部で選択された再生管理情報を用いて、コンテンツの再生を制御する。
【0022】
ネットワーク接続処理部306は、第2の管理情報保持部302に保持する第2の再生管理情報を、ネットワークを介して外部から取り込むことができる。これに対して第1の管理情報保持部301に保持されている第1の再生管理情報は、光ディスク1001から読み取られた情報である。
【0023】
また、再生管理情報の異常チェック部307が設けられている。このチェック部307は、光ディスク1001から読み取った映像・音声の再生の途中で、再生制御部305が用いている再生管理情報に異常が生じたか否かを検出することができる。このチェック部305が異常を検出したときは、再生管理情報切り換え部308は、再生制御部305が用いている再生管理情報を他の再生管理情報に切り替える。
【0024】
また、再更新部309が設けられており、この再更新部309は、チェック部307が異常を検出したときに、再生制御部が用いている再生情報を再更新することができる。さらにまた、この再更新部309は、第1と第2の再生管理情報のうち、ディスクからの再生管理情報よりネットワークから取り込んだ再生管理情報が古いバージョンのときは、ネットワークから再度再生管理情報を取り込む処理を行うこともできる。
【0025】
さらにまた、表示処理部310が設けられており、チェック部307が異常を検出したときに、使用する再生管理情が異常であることを表示することができる。またこの表示処理部310は、後述するようい、ユーザに再生管理情報が複数ある場合、いずれかの選択を促すことができる。
【0026】
図3には、光ディスクが再生装置に装填され、光ディスクの再生が開始されるときの特徴的な一例を示している。図2で説明した第2の再生管理情報に付加されている書き込み終了フラグの確認が行われる。書き込み終了フラグが正常であれば(ステップSA2)、第1の再生管理情報と第2の再生管理情報とのバージョン情報が比較され、どちらが最新のものであるかを判断される(ステップSA3、SA4)。
【0027】
ここで、第1の再生管理情報が新しいということは、例えば、同じタイトルのディスクであるけれども、改定版のディスクが装填され他可能性が高い。この場合は、第1の再生管理情報が新しいとい判断し、第1の再生管理情報が選択されて、再生のために利用される。しかし、ステップSA3、SA4で、第2の再生管理情報が新しいと判定された場合には、第2の再生管理情報が選択されて、再生のために利用される。
【0028】
ステップSA2において、書き込み終了フラグが異常の場合には、第1の再生管理情報が使用されるべく選択される。なお、取り扱う再生管理情報は、例えばディスク識別情報、あるいはディスク番号ごとにテーブル化されて管理されている。したがって、第1の再生管理情報と比較される第2の管理情報が、現在装填されているディスクと全く異なるディスクに対応したものであるようなことは無い。
【0029】
上記したように、本装置によると、再生管理情報としては、再生しようとする光ディスクに対する最新の再生管理情報が適用されて、再生が実行される。ここで、ネットワークから取り込んだ最新の再生管理情報にエラーがあった場合、あるいは不具合があった場合には、ディスクにもともと記録されていたオリジナルの再生管理情報が利用されるので、再生装置がデッドロック状態に陥ることはない。
【0030】
この発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。図4に示すように、再生管理情報が選択されて使用される途中においても再生管理情報の異常・正常をチェックし、異常が生じた場合の処理対策を講じてもよい。再生管理情報が選択されて再生装置による再生動作が開始されるものとする(ステップSB1)。このとき再生管理情報のいずれを選択しているかをメモリに保持する(ステップSB2)。コンテンツの再生が継続される(ステップSB3、SB4)。
【0031】
コンテンツの再生の途中で、使用中の管理情報の異常が検出されたとする。すると、この場合は、表示部に異常が生じましたというメッセージを表示する。ここで、ユーザは、操作を行って、再生装置の動作を停止させてもよい(ステップSB5)。しかし、自動処理に設定することもできる。この場合は、ユーザは、以下の自動処理を設定することができる。(a)現在の異常である再生管理情報を破棄して再生を終了する。(b)現在使用中の再生管理情報を再更新処理して(ステップSB9)、コンテンツ再生モードに戻る(ステップSB3)。(c)現在使用している再生管理情報とは異なる再生管理情報を選択して(ステップSB10)最初のステップSB1に戻る。
【0032】
したがって、自動処理モードに設定しておくことで、再生途中で再生管理情報に異常が生じたとしても、別の再生管理情報を用いるか、再更新するかして、コンテンツの再生を継続することができる。
【0033】
図5は、さらに別の実施の形態を示している。この例は、例えば図6のように、再生管理情報が複数あることを、モニタ75のメニュー画面で知らせ、ユーザに選択させたような場合に有効である。即ち、図6に示すようにディスクが装填されたときに、メニュー画面で“再生管理情報が複数あります”とコメント75aを表示し、選択ボタンを表示する。例えば“オリジナルを使用する”という選択ボタ75bンと、“最新のものを使用する”という選択ボタン75cを表示する。ユーザは、リモートコントローラを操作し、いずれか一方の選択ボタンにカーソルを移動させて、決定ボタンを押すことで、使用する管理情報が指示される。図5に戻って説明する。今、第2の管理情報保持部302が保持している第2の再生管理情報が選択されたとする。このとき、最新情報判定部304aは、この場合第1と第2の再生管理情報のバージョンを比較し、どちらが古いかを判定する。ここで、ディスクから読み取った第1の再生管理情報よりも、第2の再生管理情報が古いバージョンであったとする(ステップSC1,SC2)。この場合は、第2の再生管理情報がサーバー側で新しいバージョンに更新されている可能性が高い。このために、第2の再生管理情報を再更新するために再取得処理が行われる(ステップSC3)。
【0034】
再取得が行われると、コンテンツの再生が実行され(ステップSC4)、停止命令があると(ステップSC5)、再生が停止され終了する(ステップSC6)。
【0035】
上記した装置は、図1に示したように再生専用の装置として示したが本発明は、再生専用の装置に使用されるものではない。
【0036】
図7に示すような、記録再生装置に適用されても全く同様な機能効果を奏するものである。以下、簡単に説明する。この映像録画装置は、2種類のディスクドライブ部を有する。まず、先に説明した光ディスク1001を回転駆動し、情報の読み書きを実行するディスクドライブ部1002を有する。また、第2のメディアとしてのハードディスク(HDD)を駆動するハードディスクドライブ部2001を有する。データプロセッサ部1003は、図1の、ゲイン調整ユニット22、信号処理回路23、データ処理回路24を含む。
【0037】
またこのデータプロセッサ部1003は、ディスクドライブ部1002及びハードディスクドライブ部2001に記録データを供給することができ、また、再生された信号を受け取ることができる。ディスクドライブ部1002は、光ディスク1001に対する回転制御系、レーザ駆動系(波長が650nmの赤色レーザ、あるいは405nmもしくはそれ以下の青色レーザを用いる)、光学系などを有する。データプロセッサ部1003は、記録または再生単位のデータを取り扱うもので、バッファ回路、変調・復調回路、エラー訂正部などを含む。
【0038】
また図1の映像録画装置は、録画側を構成するエンコーダ部50と、再生側を構成するデコーダ部60と、装置本体の動作を制御するマイクロコンピュータブロック(システム制御部と称してもよい)30とを主たる構成要素としている。このマイクロコンピュータブロック30が先のシステムコントローラ30に対応している。
【0039】
エンコーダ部50は、入力されたアナログビデオ信号やアナログオーディオ信号をデジタル化するビデオ用及びオーディオ用のアナログデジタルコンバータと、ビデオエンコーダと、オーディオエンコーダとを有する。さらに、副映像エンコーダも含む。エンコーダ部50の出力は、バッファメモリを含むフォーマッタ51にて所定のDVD−RAMのフォーマットに変換され、先のデータプロセッサ部1003に供給される。エンコーダ部50には、AV入力部41からの外部アナログビデオ信号と外部アナログオーディオ信号、あるいはTVチューナ部42からのアナログビデオ信号とアナログオーディオ信号が入力される。
【0040】
エンコーダ部50に含まれるビデオエンコーダでは、デジタルビデオ信号はMPEG2(またはMPEG1もしくはMPEG4−AVC)規格に基づいた可変ビットレートで圧縮されたデジタルビデオ信号に変換される。デジタルオーディオ信号は、MPEGまたはAC−3規格に基づいて固定ビットレートで圧縮されたデジタルオーディオ信号、あるいはリニアPCMのデジタルオーディオ信号に変換される。
【0041】
この装置では、フォーマッタ51でフォーマット化された情報(ビデオ、オーディオ、副映像データなどのパック)及び作成された管理情報を、データプロセッサ部1003を介してハードディスクドライブ部2001あるいはデータディスクドライブ部1002に供給し、ハードディスクあるいは光ディスク1001に記録することができる。またハードディスクあるいは光ディスク1001に記録された情報を、データプロセッサ部1003、ディスクドライブ部1002を介して光ディスク1001あるいはハードディスクに記録することもできる。
【0042】
マイクロコンピュータブロック30のMPUは、そのROMに格納された制御プログラムに従い、RAMをワークエリアとして用いて、欠陥場所検出、未記録領域検出、録画情報記録位置設定、UDF記録、AVアドレス設定、履歴情報検索処理などを実行する。マイクロコンピュータブロック30は、システム全体を統括制御するために必要な情報処理部を有するもので、ファームウエアROM、ワークRAM、ディレクトリ検出部のほか、図示しないがVMG(全体のビデオ管理情報)情報作成部、コピー関連情報検知部、コピー及びスクランブリング情報処理部(RDI処理部)、パケットヘッダ処理部、シーケンスヘッダ処理部、アスペクト比情報処理部などを備える。
【0043】
この装置においては、情報記録媒体のデータ記録領域に対して、アドレスとデータのサイズの情報とを用いてアクセス単位を表すエクステントが定義されており、前記エクステントの複数を含み、ファイルを管理するファイルエントリーを利用することでデータの記録再生を行っている。
【0044】
上記のMPUの実行結果のうち、ユーザに通知すべき内容は、映像データ記録再生装置の表示部43に表示されるか、またはモニターディスプレイ75にOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。またマイクロコンピュータブロック30は、この装置を操作するための操作信号を与えるキー入力部44を有する。このキー入力部44は、例えば映像録画装置の本体上に設けた操作スイッチ類や、あるいはリモコン装置などに相当する。また、入力部44は、この発明の一実施の形態に係る映像録画装置と有線通信あるいは無線通信あるいは光通信や赤外線通信などの手段を用いて接続されたパーソナルコンピューター、先のネットワークインターフェースであってもよい。
【0045】
なお、マイクロコンピュータブロック30が、ディスクドライブ部1002、ハードディスクドライブ部2001、データプロセッサ部1003、エンコーダ部50および/またはデコーダ部60などを制御するタイミングは、STC(システムタイムクロック)38からの時間データに基づいて実行することができる。録画や再生の動作は、通常はSTC38からのタイムクロックに同期して実行されるが、それ以外の処理はSTC38とは独立したタイミングで実行されてもよい。
【0046】
デコーダ部60は、パック構造を持つDVDフォーマットの信号から各パックを分離して取り出すセパレータと、パック分離やその他の信号処理実行時に使用するメモリと、セパレータで分離された主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードするVデコーダと、セパレータで分離された副映像データ(副映像パックの内容)をデコードするSPデコーダと、セパレータで分離されたオーディオデータ(オーディオパックの内容)をデコードするAデコーダとを有する。またデコードされた主映像にデコードされた副映像を適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕やその他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサを備えている。
【0047】
デコーダ部60の出力ビデオ信号は、ビデオミキシング部71に入力される。ビデオミキシング部71では、テキストデータの合成が行われる。またビデオミキシング部71には、TVチューナ42やA/V入力部41からの信号を直接取り込むラインもまた接続されている。ビデオミキシング部71には、バッファとして用いるフレームメモリ72が接続されている。ビデオミキシング部71の出力がアナログ出力の場合はI/F(インタフェース)73を介して外部出力され、デジタル出力の場合はデジタルアナログ変換器74を介して外部へ出力される。
【0048】
デコーダ部60の出力オーディオ信号は、セレクタ76を介してデジタルアナログ変換器77でアナログ変換され外部に出力される。
【0049】
データプロセッサ部1003は、エンコーダ部50のフォーマッタからVOBU単位のデータを受け取り、エクステント単位のデータをディスクドライブ部1002あるいはハードディスクドライブ部2001に供給している。またマイクロコンピュータブロック30のMPUは、記録したデータを再生するのに必要な管理情報を作成し、データ記録終了のコマンドを認識すると、作成した管理情報をデータプロセッサ部1003に送る。これにより、管理情報がディスクに記録される。従って、エンコードが行われているとき、エンコーダ部50からマイクロコンピュータブロック30のMPUは、データ単位の情報(切り分け情報など)を受け取る。また、マイクロコンピュータブロック30のMPUは、記録開始時には光ディスク及びハードディスクから読み取った管理情報(ファイルシステム)を認識し、各ディスクの未記録エリアを認識し、そして、データプロセッサ部1003を介してディスク上にデータ記録エリアを設定している。
【0050】
上記したようにこの発明によると、更新情報の不具合があったとしても装置の再生状態を保証することができるようにした情報再生装置及び方法を提供することを目的とする。さらに、オリジナル情報の利用も可能である情報再生装置及び方法を提供することを目的とする。
【0051】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明が適用された情報再生装置の全体構成を示す図である。
【図2】この発明の要部の一例を取り出して示す構成説明図である。
【図3】この発明の一実施の形態の動作を説明するために示したフローチャートである。
【図4】この発明の他の実施の形態の動作を説明するために示したフローチャートである。
【図5】この発明のさらに他の実施の形態の動作を説明するために示したフローチャートである。
【図6】この発明の装置により表示器に表示される画面の例を示す説明図である。
【図7】この発明が適用された情報記録再生装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
30…システムコントローラ、301…第1の管理情報保存部、302…第2の管理情報保存部、303…フラグ判定部、304a…最新情報判定部、304b…再生管理情報選択部、305…操作入力判定部、306…ネットワーク接続処理部、307…再生管理情報の異常チェック部、308…再生管理情報の切り換え部、309…再生管理情報の再更新部、310…表示処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体のコンテンツを再生するための第1の再生管理情報を保存する第1の情報保存部と、
前記情報記録媒体の前記コンテンツを再生するための第2の再生管理情報を保存する第2の管理情報保存部と、
前記第2の再生管理情報に付加されている書き込み終了フラグが正常か否かを判断するフラグ判定部と、
前記書き込み終了フラグが正常である場合は、前記第1と第2の再生管理情報のバージョン情報を判断し、いずれの管理情報が新しいかを判断する最新情報判定部と、
前記第1の再生管理情報が新しい場合には、この第1の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示し、前記第2の再生管理情報が新しい場合には、この第2の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示する再生管理情報選択部と、
前記再生管理情報選択部で選択された再生管理情報を用いて、前記コンテンツの再生を制御する再生制御部を有する
ことを特徴する情報再生装置。
【請求項2】
前記第2の管理情報保持部に保持する前記第2の再生管理情報を、ネットワークを介して外部から取り込むためのネットワーク接続処理部を有したことを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記第1の管理情報保持部に保持されている前記第1の再生管理情報は、前記情報記録媒体から読み取られた情報であることを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記情報記録媒体から読み取った映像・音声の再生の途中で、前記再生制御部が用いている再生管理情報に異常が生じたか否かを検出するチェック部と、
前記チェック部が前記異常を検出したときに、前記再生制御部が用いている再生管理情報を他の再生管理情報に切り替える切り換え部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記情報記録媒体から読み取った映像・音声の再生の途中で、前記再生制御部が用いている再生管理情報に異常が生じたか否かを検出するチェック部と、
前記チェック部が前記異常を検出したときに、前記再生制御部が用いている再生情報を再更新する再更新部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記情報記録媒体から読み取った映像・音声の再生の途中で、前記再生制御部が用いている再生管理情報に異常が生じたか否かを検出するチェック部と、
前記チェック部が前記異常を検出したときに、使用する再生管理情が異常であることを表示する表示信号を生成する表示処理部を有した
ことを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記再生管理情報選択部は、操作入力に基づいて2の再生管理情報を選択したとき、
前記第1の再生管理情報と前記第2の再生管理情報のバージョンを比較し、新しい再生管理情報を判定する最新情報判定部と、
前記第2の再生管理情報のバージョンが古い場合には、第2の再生管理情報を再更新する再更新部を有した
ことを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項8】
情報記録媒体から情報を読み取る読み取り部と、前記読み取り部から出力された信号を処理する信号処理部と、再生動作を制御する制御部と、前記制御部の制御に基づいて外部のネットワークに接続されるネットワークインターフェースとを有した装置の情報再生方法において、前記制御部は、
前記信号処理部から出力された第1の再生管理情報を保存し、
前記ネットワークインターフェースから取り込まれた第2の再生管理情報を保存し、
前記第2の再生管理情報に付加されている書き込み終了フラグが正常か否かを判断し、
前記書き込み終了フラグが正常である場合は、前記第1と第2の再生管理情報のバージョン情報を判断し、いずれの管理情報が新しいかを判断し、
前記第1の再生管理情報が新しい場合には、この第1の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示し、前記第2の再生管理情報が新しい場合には、この第2の再生管理情報を用いて前記コンテンツの再生を指示し、
前記再生管理情報選択部で選択された再生管理情報を用いて、前記コンテンツの再生を制御する、
ことを特徴する情報再生方法。
【請求項9】
さらに、前記情報記録媒体から読み取った映像・音声の再生の途中で、使用中の再生管理情報に異常が生じたか否かを検出し、
前記異常を検出したときに、前記再生制御部が用いている再生管理情報を他の再生管理情報に切り替える
ことを特徴とする請求項8記載の情報再生方法。
【請求項10】
さらに、前記情報記録媒体から読み取った映像・音声の再生の途中で、使用中の再生管理情報に異常が生じたか否かを検出し、
前記異常を検出したときに、前記再生制御部が用いている再生情報を再更新する
ことを特徴とする請求項8記載の情報再生方法。
【請求項11】
さらに、前記情報記録媒体から読み取った映像・音声の再生の途中で、使用中の再生管理情報に異常が生じたか否かを検出し、
前記異常を検出したときに、使用する再生管理情が異常であることを表示する表示信号を生成する
ことを特徴とする請求項8記載の情報再生方法。
【請求項12】
操作入力に基づいて前記第2の再生管理情報が選択されたとき、
前記第1の再生管理情報と前記第2の再生管理情報のバージョンを比較し、新しい再生管理情報を判定し、
前記第2の再生管理情報のバージョンが古い場合には、第2の再生管理情報をネットワークを介して再更新する
ことを特徴とする請求項8記載の情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−172746(P2007−172746A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369571(P2005−369571)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】