説明

情報処理システム、情報処理装置、情報通信方法、および情報処理装置で実行されるプログラム。

【課題】操作負担を軽減し、通信環境やデータの種類に応じて適切な通信技術を適用して効率よく情報処理ができる情報処理システム、情報処理装置、情報通信方法、および情報処理装置で実行されるプログラムを提供する。
【解決手段】第2の通信手段と第4の通信手段とによる通信を確立するために通信設定情報および第2の通信手段によって受信または送信する実体情報に対する処理を示す設定情報を、第1の通信手段を介して情報処理装置に送信し、実体情報を第2の通信手段を介した非接触通信で情報処理装置に送信または情報処理装置から受信し、設定情報の送信指示の入力を受け付け、情報処理装置との間でいずれの通信が可能か否かを判定し、情報処理装置は、第3の通信手段を介して通信設定情報および設定情報を携帯端末装置から受信または携帯端末装置に送信し、設定情報に応じた設定で実体情報を処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触による通信が可能な情報処理システム、情報処理装置、情報通信方法、および情報処理装置で実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信技術の普及に伴い、時間や場所を気にすることなく情報機器同士を自由に接続できる環境が整備されつつある。そして、無線通信技術による情報機器同士の接続は、有線通信技術による接続の場合に比べて、使用範囲の制限が緩やかであるため、ユーザにとっては、その情報機器を使った作業(例えば、遠隔操作による文書の印刷等)が行いやすいという利点がある。しかし、一方で無線通信をするための無線機器同士の接続設定は、有線通信技術による通信の場合に比べて複雑な操作が必要となる場合が多い。例えば、ユーザがオフィス等の職場環境にいる場合には、システム管理者等通信技術に習熟した人間にその通信設定を依頼する等して、その設定作業を軽減することができるが、外出先で仕事を行うモバイルワーカ等は、接続設定を自ら行う必要があり、その作業負担が大きいという問題があった。
【0003】
このような問題に対して、例えば特許文献1では、携帯通信端末が、近距離通信機能を用いて情報処理装置に指示情報を伝送し、その指示情報によって情報処理装置が遠距離通信機能可能な設定を行い、大容量のデータを携帯通信端末から取得して処理する技術が開示されている。この特許文献1に開示された技術によれば、ユーザは通信設定接続したいMFP(Multi Function Peripheral)を携帯端末装置で設定し、そのMFPに近づくだけで近距離通信が確立するので、ユーザは容易に通信接続をすることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−163791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、MFPとの近距離通信が確立していても、一旦その近距離通信の範囲外の場所にユーザが移動してしまうと、近距離通信が確立されていたMFPとは、もはや近距離通信できないため、再びそのMFPに近づいて指示情報を送信する必要がり、ユーザの行動範囲が制限されてしまうという問題があった。さらには、携帯通信端末をMFPとの近距離通信の範囲にまで近づけてからでないと指示情報を送信することができないので、例えば、近距離通信範囲の外にいるユーザが、その指示情報に応じて文書データを印刷する場合には、一旦MFPに近づく必要があり、印刷完了までに時間がかかって業務効率が悪くなってしまうという問題があった。
【0006】
また、MFPにおいては、文書データを複数部数印刷する場合に、その1部のみを印刷して、ユーザがその文書の印刷具合を確認できる「試し印刷」という機能があるが、ユーザが印刷具合を確認して、残りの文書を印刷したい場合であっても、その印刷指示を遠距離通信によって指示を送信できないという問題があった。さらには、ユーザがMFPの近くにいて、ページ数が少ない等比較的容量が小さい文書データをMFPから印刷する場合であっても、既に確立している近距離通信から遠距離通信に通信方法に切り替えてから文書データを印刷する必要があり、ユーザにとって操作負担が大きいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの操作負担を軽減するとともに、通信環境やデータの種類に応じて適切な通信技術を適用して効率よく情報処理ができる情報処理システム、情報処理装置、情報通信方法、および情報処理装置で実行されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、互いに異なる通信範囲の第1の通信手段および第2の通信手段を備える携帯端末装置と、前記第1の通信手段と同一の通信方法の第3の通信方法および前記第2の通信手段と同一の通信方法の第4の通信手段を備える情報処理装置とを備え、前記携帯端末装置と前記情報処理装置の間を前記第1の通信手段と第3の通信手段とで非接触通信により通信し、前記携帯端末装置と前記情報処理装置との間を前記第2の通信手段と第4の通信手段とで非接触通信により通信する情報処理システムにおいて、前記携帯端末装置は、前記第1の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段と前記第4の通信手段とによる通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記情報処理装置に送信し、前記第2の通信手段は、前記情報処理装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記情報処理装置に送信または前記情報処理装置から受信し、前記設定情報の送信指示の入力を受け付ける入力受付手段と、前記情報処理装置との間で前記第1の通信手段による通信または前記第2の通信手段による通信のいずれの通信が可能か否かを判定する判定手段と、を備え、前記第2の通信手段は、前記判定手段が前記第1の通信手段による通信が可能でないと判定した場合に、入力された前記送信指示に基づいて、前記設定情報を送信し、前記情報処理装置は、前記第3の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記通信設定情報および前記設定情報を非接触通信で前記携帯端末から受信し、前記第4の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在しない場合に、前記通信設定情報および前記設定情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、前記第3の通信手段または前記第4の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理する処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、携帯端末装置と非接触通信により通信し、互いに異なる通信範囲を有する第1の通信手段および第2の通信手段を備える情報処理装置において、前記第1の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段による通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、前記第2の通信手段は、前記第1の通信手段によって受信した前記通信設定情報に基づいて前記携帯端末装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、前記第1の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理する処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記設定情報は、印刷に関する情報であり、前記処理手段は、前記印刷に関する情報に基づいて、前記第2の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記実体情報を印刷すること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記設定情報は、スキャンに関する情報であり、前記処理手段は、前記第1の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記スキャンに関する情報に基づいて原稿をスキャンして画像データを生成し、前記第2の通信手段は、生成された前記画像データを前記携帯端末装置に送信すること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、携帯端末装置と非接触通信により通信し、互いに異なる通信範囲を有する第1の通信手段および第2の通信手段を備える情報処理装置で実行される情報通信方法において、前記第1の通信手段が、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段による通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、前記第2の通信手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記通信設定情報に基づいて前記携帯端末装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、処理手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理する処理ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の情報通信方法において、前記設定情報は、印刷に関する情報であり、前記処理ステップは、前記印刷に関する情報に基づいて、前記第2の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記実体情報を印刷すること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項5に記載の情報通信方法において、前記設定情報は、スキャンに関する情報であり、前記処理ステップは、前記第1の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記スキャンに関する情報に基づいて原稿をスキャンして画像データを生成し、前記第2の通信ステップは、生成された前記画像データを前記携帯端末装置に送信すること、を特徴とする。
【0015】
また、請求項8にかかる発明は、請求項5乃至7のいずれか1項に記載された情報通信方法を情報処理装置で実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1にかかる発明によれば、互いに異なる通信範囲の第1の通信手段および第2の通信手段を備える携帯端末装置と、前記第1の通信手段と同一の通信方法の第3の通信方法および前記第2の通信手段と同一の通信方法の第4の通信手段を備える情報処理装置とを備え、前記携帯端末装置と前記情報処理装置の間を前記第1の通信手段と第3の通信手段とで非接触通信により通信し、前記携帯端末装置と前記情報処理装置との間を前記第2の通信手段と第4の通信手段とで非接触通信により通信する情報処理システムにおいて、前記携帯端末装置は、前記第1の通信手段が、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段と前記第4の通信手段とによる通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記情報処理装置に送信し、前記第2の通信手段が、前記情報処理装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記情報処理装置に送信または前記情報処理装置から受信し、入力受付手段が、前記設定情報の送信指示の入力を受け付け、判定手段が、前記情報処理装置との間で前記第1の通信手段による通信または前記第2の通信手段による通信のいずれの通信が可能か否かを判定し、前記第2の通信手段は、前記判定手段が前記第1の通信手段による通信が可能でないと判定した場合に、入力された前記送信指示に基づいて、前記設定情報を送信し、前記情報処理装置は、前記第3の通信手段が、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記通信設定情報および前記設定情報を非接触通信で前記携帯端末から受信し、前記第4の通信手段が、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在しない場合に、前記通信設定情報および前記設定情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、処理手段が、前記第3の通信手段または前記第4の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理するので、指示に基づいて、前記設定情報を前記第2の通信手段を介して送信するので、ユーザにとって好ましい通信方法を選択させ、通信操作の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0017】
請求項2にかかる発明によれば、携帯端末装置と非接触通信により通信し、互いに異なる通信範囲を有する第1の通信手段および第2の通信手段を備える情報処理装置において、前記第1の通信手段が、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段による通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、前記第2の通信手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記通信設定情報に基づいて前記携帯端末装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、処理手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理するので、通信操作の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0018】
請求項3にかかる発明によれば、請求項2に記載の情報処理装置において、前記設定情報は、印刷に関する情報であり、前記処理手段は、前記印刷に関する情報に基づいて、前記第2の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記実体情報を印刷するので、印刷操作および通信操作の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0019】
請求項4にかかる発明によれば、請求項2に記載の情報処理装置において、前記設定情報は、スキャンに関する情報であり、前記処理手段は、前記第1の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記スキャンに関する情報に基づいて原稿をスキャンして画像データを生成し、前記第2の通信手段は、生成された前記画像データを前記携帯端末装置に送信するので、スキャン操作および通信操作の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0020】
請求項5にかかる発明によれば、携帯端末装置と非接触通信により通信し、互いに異なる通信範囲を有する第1の通信手段および第2の通信手段を備える情報処理装置で実行される情報通信方法において、前記第1の通信手段が、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段による通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、前記第2の通信手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記通信設定情報に基づいて前記携帯端末装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、処理手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理する処理ステップと、を含むので、通信操作の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0021】
請求項6にかかる発明によれば、請求項5に記載の情報通信方法において、前記設定情報は、印刷に関する情報であり、前記処理ステップは、前記印刷に関する情報に基づいて、前記第2の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記実体情報を印刷するので、印刷操作および通信操作の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0022】
請求項7にかかる発明によれば、請求項5に記載の情報通信方法において、前記設定情報は、スキャンに関する情報であり、前記処理ステップは、前記第1の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記スキャンに関する情報に基づいて原稿をスキャンして画像データを生成し、前記第2の通信ステップは、生成された前記画像データを前記携帯端末装置に送信するので、スキャン操作および通信操作の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0023】
請求項8にかかる発明によれば、請求項5乃至7のいずれか1項に記載された情報通信方法を情報処理装置で実行させることができる情報処理プログラムを提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる情報処理システム、情報処理装置、情報通信方法、および情報処理装置で実行されるプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態は、情報処理装置の一例として、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像データ(スキャナ機能により読取られた画像データや、プリント機能により形成された画像データ、FAX機能により受信した画像データ)を配信する機能等を備えたいわゆる複合機(MFP:Multi Function Peripheral)に適用する。尚、以下では、情報処理装置の一例として複合機に適用して説明しているが、印刷機能のみを備える印刷装置、スキャナ機能のみを備えるスキャナ装置のほか、これらの機能を備える画像形成装置等の情報処理装置であれば適用可能であり、上述した複合機に限られるものではない。
【0026】
まず、本発明が適用される複合機および携帯端末装置を含む情報処理システムの構成例について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示すイメージ図である。本実施の形態にかかる情報処理システム10は、複合機100と、携帯端末装置200とを備え、複合機100と携帯端末装置200とは、後述するように2つの通信手段によって、破線で示す通信範囲1及び2点鎖線で示す通信範囲2の範囲での通信が可能である。
【0027】
図2は、本実施の形態にかかる情報処理システム10の構成を示すブロック図である。複合機100は、NFC通信部101と、ブルートゥース通信部102と、スキャナ部103と、データ処理部104と、プリンタ部105と、ファクシミリ送受信部106とを備えている。
【0028】
NFC通信部101は、NFC(Near Field Communication)と呼ばれる非接触ICなどを含む無線通信規格により携帯端末装置200と非接触で双方向通信するものであり、具体的には、後述する携帯端末装置のNFC通信部201からの情報を非接触で読み出す通信制御プログラムを内蔵したリーダ/ライタおよび/またはタグの機能を有する。NFC通信部101は、もう一つの通信手段であるブルートゥース通信部102と比較して近距離、すなわち通信距離が0〜10数cmの非接触無線通信によりデータを送受信する。また、NFC通信部101によるNFC規格の非接触通信では、データ転送速度(100〜400kbps)がブルートゥース通信部102よるBluetooth(R)規格の無線通信のデータ転送速度(1〜10Mbps)よりも遅いため、比較的小容量のデータの通信に用いる。なお、NFC通信部101は、通信規格をNFCに限る必要はなく、比較的近距離、すなわち後述するBluetooth(R)規格の無線通信の通信範囲より狭い通信範囲での無線通信が可能であればIrDA(Infrared Data Association)など他の通信規格であってもよい。NFC通信部101は、本発明にかかる第1の通信手段を構成する。
【0029】
また、NFC通信部101は、携帯端末装置200がNFC通信部101の通信圏内に存在した場合に、携帯端末装置200のNFC通信部201の通信制御プログラムと同じ通信プロトコルによって携帯端末装置200のNFC通信部201との通信を確立し、携帯端末装置200から送信された通信設定情報、印刷設定情報を受信する。ここで、通信設定情報とは、ブルートゥース通信部102での無線通信を行う際に必要となる初期設定情報である。また、印刷設定情報とは、携帯端末装置200において設定され、図3に示すように印刷対象となる文書名、および図4に示すようにその文書を複合機100から印刷するための印刷設定情報(例えば、倍率変更、両面印刷、集約、ステープル有無、部数等の設定情報)である。このように、データの送受信が容易なNFC通信によって携帯端末装置200と複合機100の間でブルートゥース通信の通信設定情報や、印刷設定情報を受信することにより、ユーザは複合機100に携帯端末装置200を近づけるだけで特別な操作を行うことなく、通信相手である複合機100を特定でき、ブルートゥース通信が可能となるため、利便性が向上する。
【0030】
ブルートゥース通信部102は、Bluetooth(R)規格により携帯端末装置200と非接触で通信するものである。Bluetooth(R)規格の無線通信方式を採用したブルートゥース通信部102は、NFC規格の非接触通信方式のNFC通信部101と比較して大容量かつ高速(1〜10Mbps)でデータの送受信を行う。また、Bluetooth(R)規格の無線通信方式を採用したブルートゥース通信部102では、機器間の距離が10m以内であれば障害物があっても利用することができ、NFC規格の通信方式の通信範囲に比べて通信範囲が長くなっている。
【0031】
ブルートゥース通信部102は、具体的には、データの送受信を担うBluetooth(R)規格のトランシーバ等のBluetooth(R) I/F(インタフェース)と、通信制御部とから構成される。Bluetooth(R) I/Fは、接続先の携帯端末装置200との間でデータの送受信を担うものである。通信制御部は、携帯端末装置200との間でデータを送受信する前に、Bluetooth(R) I/Fを介して通信設定情報を通信先と交換して、Bluetooth(R)規格の無線通信を確立する処理を行う通信制御プログラムである。この通信設定情報としては、Bluetooth(R) I/Fに割り当てられた固有のアドレス情報を用いる。
【0032】
なお、本実施の形態では、無線通信としてBluetooth(R)規格に準拠したブルートゥース通信部102を用いているが、これに限定されるものではなく、Bluetooth(R)規格に代えて他の規格、例えば、IEEE802.11a/IEEE802.11b/IEEE802.11n/IEEE802.11gなどいわゆる無線LAN規格の方式で無線通信を行うように構成することができる。この場合、データの送受信を担うIEEE802.11a/IEEE802.11b規格のネットワークボードとIEEE802.11a/IEEE802.11bによる無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)で無線LAN通信部を構成すればよい。また、UWB通信方式で機器間の距離が3m以内なら有線のUSB2.0と同等の480Mbpsでの通信が可能なWireless USB規格で無線通信を行うように構成することができる。この場合には、データの送受信を担うWireless USB規格としてUWBデバイス、無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)によりWireless USB通信部を構成すればよい。
【0033】
また、ブルートゥース通信部102は、NFC通信によって携帯端末装置200から通信設定情報を受信し、受信された通信設定情報によって携帯端末装置200とのブルートゥース通信が確立した場合は、ユーザがあらかじめ携帯端末装置200で指定した送信対象となるデータを送受信する。なお、送受信されるデータは、画像データや文書データ、テキストデータ、その他様々な種類のデータ(すなわち、実体となるデータ)であれば、いずれのデータであってもよい。
【0034】
スキャナ部103は、CCD(Charge Coupled Devices)等のような撮像素子で原稿を読み取る。なお、スキャナ部103には、ADF(Auto Document Feeder)を搭載して、自動原稿送りを行う機構を設けてもよい。
【0035】
データ処理部104は、ブルートゥース通信部102によって受信したデータまたはブルートゥース通信部102によって送信するデータ等に対してNFC通信部101によって受信した印刷設定情報に応じた処理を行う。例えば、文書データがPDF(Portable Document Format)データの場合であって、印刷設定情報として、図4に示すような印刷設定情報が、“倍率変更”が“100%”、“両面・片面”の設定が“両面”、“集約”の設定が“集約なし”、製本(ステープル)“の設定が“ステープルなし”、“部数”の設定が“1部”となっている場合には、これらの設定情報をそのPDFデータの形式に対応したPJL(Printer Job Language)データに変換した形式データを生成する。また、PDF等の文書データを携帯端末装置200から受信すると、生成した形式データをPDFデータのヘッダ情報やフッタ情報等として読み取って、上述した倍率変更や両面印刷等のレイアウト加工の処理を行う。また、スキャナ部103から読取ったデータに対しては、携帯端末装置200から受信したスキャナ設定情報に従って画像処理やレイアウト加工等を行う。
【0036】
プリンタ部105は、データ処理部104によって画像処理やレイアウト加工等されたデータを印刷する。
【0037】
ファクシミリ送受信部106は、スキャナ部103によって読込まれたデータや携帯端末装置200から送信されたデータを、ネットワークを介して他の複合機やファクシミリ装置、クライアント端末などに送信する。
【0038】
次に、携帯端末装置200について説明する。携帯端末装置200は、NFC通信部201と、ブルートゥース通信部202と、データ記憶部203と、操作入力部204と、操作表示部205と、通信判断部206と、データ処理部207とを備えている。なお、携帯端末装置200は、具体的には携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistants)、ノートパソコン、携帯型記憶媒体等である。
【0039】
NFC通信部201は、携帯端末装置200が複合機100のNFC通信部101の通信圏内に存在した場合に、複合機100のNFC通信部100の通信制御プログラムと同じ通信プロトコルによって複合機100のNFC通信部101との通信を確立し、携帯端末装置200から、ブルートゥース通信部202による通信を確立するための通信設定情報、複合機100から文書等を印刷するための印刷設定情報を送信する。
【0040】
具体的には、NFC通信部201は、タグと、通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御プログラムとを内蔵したNFCチップであり、このタグに上記通信設定情報が記憶されている。このNFC通信部201が複合機100に近接し、複合機100の通信範囲内にNFC通信部201が存在すると、通信が確立され複合機100のNFC通信部(リーダ/ライタ)101によってタグ内の情報が読み取られることにより送信されるようになっている。
【0041】
なお、この場合には、タグと通信制御プログラムとを内蔵したNFCチップを非接触式ICカードに保存しておき、携帯端末装置200の本体と独立して、通信設定情報を複合機100に送信する構成としてもよい。
【0042】
なお、本実施の形態では、携帯端末装置200のNFC通信部201に通信設定情報を記憶したタグを設け、複合機100のNFC通信部101をリーダ/ライタとして構成したが、これに限定されるものではない。携帯端末装置200のNFC通信部201をリーダ/ライタとし、複合機100のNFC通信部101をタグとして構成してもよい。この場合には、複合機100のNFC通信部101に通信設定情報を記憶しておき、携帯端末装置200のNFC通信部201をNFC通信部101に近接させて通信を確立し、図示しない制御部によって、NFC通信部101の通信設定情報をNFC通信部201に転送し、NFC通信部201のリーダ/ライタによって、転送された通信設定情報を携帯端末装置200の制御部で処理するように構成すればよい。
【0043】
また、携帯端末装置200のNFC通信部201と複合機100のNFC通信部101の両方にタグとリーダ/ライタの両機能を設けるように構成してもよい。
【0044】
ブルートゥース通信部202は、複合機100のブルートゥース通信部102の通信制御プログラムと同じ通信プロトコルによって複合機100のブルートゥース通信部102との通信を確立し、通信が確立した場合は、データ記憶部203に格納されているデータを複合機100に送信する。また、ブルートゥース通信部202は、複合機100の機能を利用して処理されたデータを受信する。
【0045】
データ記憶部203は、複合機100の機能を利用するためのデータを格納する。例えば、複合機100のプリント機能を利用する場合には、その文書データ(例えば、図3に示すような“文書1”乃至“文書4”等の文書データ)であり、スキャナ機能を利用する場合には、複合機100がスキャンした文書データを受信した場合の文書データのことである。また、データ記憶部203は、図4に示すような、複合機100からの印刷機能を利用して文書データを印刷するための印刷設定や、スキャナを利用するためのスキャン設定情報等があらかじめ記憶されている。ユーザは後述する操作入力部204を操作することによって、これらの設定情報を指定して、複合機100からその設定に従った文書データの印刷等をすることができる。
【0046】
操作入力部204は、プッシュボタン等の操作ボタンから構成され、ユーザからの文書データの選択指示や、印刷設定情報、スキャナ設定情報の入力を受付ける。例えば、ユーザは、図3に示すように、携帯端末装置200のボタン操作等によって、データ記憶部203に格納された文書データを選択したり、図4に示すように、ボタン操作等によって印刷設定情報や、スキャナ設定情報を指定する。また、操作入力部204は、NFC通信部201による通信を行うか、ブルートゥース通信部202による通信を行うかの指示入力をユーザから受け付ける。この指示入力を受け付けることによって、後述する通信判断部206が、NFC通信部201による通信が可能でないと判断した場合には、その指示内容に応じて、ブルートゥース通信部202が印刷設定情報等を送信することとなる。
【0047】
操作表示部205は、液晶ディスプレイ等の画面から構成され、データ記憶部203に記憶された文書データの名称や、その印刷設定情報やスキャナ設定情報を表示する。例えば、印刷設定情報を指定する場合には、図3または図4に示すように、操作表示部205は、ユーザの操作入力部204の操作に応じて、データ記憶部203に記憶された文書データの名称“文書2”や、その文書データの印刷設定情報である“倍率変更”“両面・片面”“集約”“製本(ステープル)”“部数”等の各種印刷設定情報を表示する。また、スキャン設定情報を指定する場合には、“原稿種類”、“解像度”、“読み取りサイズ”等のスキャン設定情報を表示する。その他電波強度の強弱を示すメッセージ等を表示する。
【0048】
通信判断部206は、携帯端末装置200の使用状況、例えば、携帯端末装置200と複合機100との通信距離や、NFC通信部201、ブルートゥース通信部202の電波強度等によって、NFC通信またはブルートゥース通信が確立した後、その携帯端末装置200と複合機100との間の通信が維持されているか否かを判断し、NFC通信部201によって通信するか、ブルートゥース通信部202によって通信するかを選択する。ここでは通信判断部206は、上述した電波強度等によって、複合機100との間の通信を、NFC通信部201で通信するか、ブルートゥース通信部202で通信するかを選択するが、複合機100と携帯端末装置200の通信範囲を定めるものであれば、これらに限定されるものではない。
【0049】
データ処理部207は、ブルートゥース通信部202によって送信する文書データ等に対してNFC通信部201によって送信する印刷設定情報や、スキャナ設定情報に応じた処理を行う。このデータ処理部207は、ユーザが、複合機100の処理能力が低いと考えられると判断した場合には、操作入力部204からの操作によって、形式データを生成し、印刷用のデータ形式に加工する処理を行う。例えば、文書データがPDF(Portable Document Format)データの場合であって、印刷設定情報として、図4に示すように、“倍率変更”が“100%”、“両面・片面”の設定が“両面”、“集約”の設定が“集約なし”、製本(ステープル)“の設定が“ステープルなし”、“部数”の設定が“1部”となっている場合には、これらのデータをそのPDFデータの形式に対応したPJL(Printer Job Language)データに変換した形式データを生成し、その形式データをPDFデータのヘッダ情報やフッタ情報等として結合する。
【0050】
次に、以上のように構成されている複合機100と携帯端末装置200とを備える情報処理システム10による無線通信確立およびデータ処理について説明する。図5は、情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。尚、以下の説明では、ユーザは、携帯端末装置200の操作入力部204を操作して、文書データ(例えば、図3において網掛けして示す“文書2”)を選択し、さらに図4に示す各印刷設定情報を既に指定しているものとする。
【0051】
まず、携帯端末装置200において、NFC通信部201は、携帯端末装置200のNFC通信部201と複合機100のNFC通信部101との通信が確立したか否かを判断する(ステップS501)。複合機100のNFC通信部101との通信が確立していない、すなわち携帯端末装置200が通信圏内に存在せず電波強度が一定の値に達していないと判断した場合は(ステップS501:No)、ステップS501に戻り、複合機100のNFC通信部101との通信が可能となるまで繰り返す。
【0052】
同様に、複合機100において、NFC通信部101は携帯端末装置200のNFC通信部201との通信が確立したか否かを判断する(ステップS502)。携帯端末装置200のNFC通信部201との通信が確立していない、すなわち携帯端末装置200が通信圏内に存在せず電波強度が一定の値に達していないと判断した場合は(ステップS502:No)、ステップS502に戻り、携帯端末装置200のNFC通信部201との通信が確立するまで繰り返す。
【0053】
次に、携帯端末装置200のNFC通信部201との通信を確立すると、NFC通信部201は、ユーザが操作入力部204から入力した図3に示すような文書データ名、図4に示すような印刷設定情報を、複合機100のNFC通信部101に送信する(ステップS503)。ここで、携帯端末装置200との通信が確立した場合とは、ユーザが携帯端末装置200のNFC通信部201と複合機100のNFC通信部101とをタッチさせるような場合であり、ユーザが利用したい複合機100を確実に指示することができる。
【0054】
そして、複合機100においてNFC通信部101は、携帯端末装置200のNFC通信部201から送信された文書データ名、印刷設定情報を受信する(ステップS504)。
【0055】
続いて、データ処理部104は、携帯端末装置200から受信した印刷設定情報から、PJLデータ等の形式データを生成する(ステップS505)。
【0056】
そして、NFC通信部101は携帯端末装置200との間で通信設定情報を交換する(ステップS506、S507)。具体的には、複合機100のNFC通信部101から携帯端末装置200に対して通信設定情報の送信を要求し、携帯端末装置200のNFC通信部201はブルートゥース通信の通信設定情報を送信する。なお、ブルートゥース通信の通信設定情報は、ステップS507、S508において、文書データ名や印刷設定情報とともに送信してもよい。
【0057】
携帯端末装置200において、NFC通信部201は、携帯端末装置200のブルートゥース通信部202と複合機100のブルートゥース通信部102との通信が確立したか否かを判断する(ステップS508)。複合機100のブルートゥース通信部102との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS508:No)、処理を終了する。複合機100のブルートゥース通信部102との通信が確立したと判断した場合は(ステップS508:Yes)、ブルートゥース通信部202は、操作入力部204からの操作によって指定されたデータ記憶部203に格納されている文書データを複合機100に送信する(ステップS510)。
【0058】
また、複合機100において、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立したか否かを判断する(ステップS509)。携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS509:No)、処理を終了する。
【0059】
一方、携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立したと判断した場合は(ステップS509:Yes)、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200から送信されたデータを受信する(ステップS511)。ここで、受信するデータは、印刷設定情報に従って加工される前のデータである。
【0060】
データ処理部104は、ステップS506で生成した形式データと、ステップS511で受信した文書データを結合して印刷用データを生成する(ステップS512)。そして、プリンタ部107は、処理されたデータを印刷する(ステップS513)。
【0061】
このように、NFC通信部201が、複合機100がNFC通信部201の通信範囲内に存在した場合に、ブルートゥース通信部202の通信を確立するための通信設定情報およびブルートゥース通信部202によって送信する文書または画像を含んだ実体情報を処理する設定を示す設定情報を、NFC通信部201を介した非接触通信で前記情報処理装置に送信し、ブルートゥース通信部202が、NFC通信部201によって送信した通信設定情報に基づいて複合機100との通信を確立し、実体情報をブルートゥース通信部202を介して非接触通信で複合機100に送信するので、通信操作の負担を軽減することができる。
【0062】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、携帯端末装置200のNFC通信部201と複合機100のNFC通信部101との間の通信によって印刷設定情報を複合機100に送信し、その後ブルートゥース通信部202とブルートゥース通信部102との間の通信によって文書データを複合機100に送信し、データ処理部104で印刷設定情報と文書データを結合して印刷することとした。しかし、複合機100の種類によっては、携帯端末装置200に比べて処理能力が劣る場合も存在する。そこで、印刷設定情報と文書データを結合した印刷用のデータを携帯端末装置200で生成した上で複合機100に送信し、複合機100が受信した印刷用データを印刷する場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第1の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0063】
図6は、第2の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0064】
携帯端末装置200のNFC通信部201と複合機100のNFC通信部101との通信が確立すると(ステップS501、S502)、データ処理部207は、操作入力部204で設定された印刷設定情報から形式データを生成する(ステップS601)。
【0065】
そして、データ処理部207は、ステップS601で生成した形式データと、ユーザによって操作入力部204から指定された文書データとを結合して印刷用データを生成する(ステップS602)。
【0066】
そして、ブルートゥース通信部の通信設定情報の交換(ステップS506、S507)等の処理を行い、ブルートゥース通信部202とブルートゥース通信部102との間の通信が確立すると(ステップS508、S509)、ブルートゥース通信部202は、ステップS602で生成した印刷用データを複合機100に送信し(ステップS603)、複合機100のブルートゥース通信部102は、携帯端末装置200から送信されたデータを受信する(ステップS604)。ここで、ブルートゥース通信部102が受信するデータは、ステップS602において印刷設定情報に従って加工された後の印刷用データである。
【0067】
このように、複合機100の処理能力が低い場合であっても、NFC通信部201が、複合機100がNFC通信部201の通信範囲内に存在した場合に、ブルートゥース通信部202の通信を確立するための通信設定情報およびブルートゥース通信部202によって送信する文書または画像を含んだ実体情報を処理する設定を示す設定情報を、NFC通信部201を介した非接触通信で前記情報処理装置に送信し、ブルートゥース通信部202が、NFC通信部201によって送信した通信設定情報に基づいて複合機100との通信を確立し、実体情報をブルートゥース通信部202を介して非接触通信で複合機100に送信するので、通信操作の負担を軽減することができる。
【0068】
(第3の実施の形態)
第1および第2の実施の形態では、携帯端末装置200を複合機100に近づけることによってNFC通信部101、NFC通信部201が印刷設定情報等を送受信するようにしたが、ユーザが複合機100の位置から離れてしまい、NFC通信部による通信ができなくなってしまう場合もある。そこで、NFC通信部による通信ができない場合であっても、ブルートゥース通信部による通信をして印刷設定情報を送受信する場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第1、および第2の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、上述した第1および第2の実施の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0069】
図7は、第3の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0070】
まず、携帯端末装置200において、ブルートゥース通信部202は、携帯端末装置200のブルートゥース通信部202と複合機100のブルートゥース通信部102との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS701)。複合機100のブルートゥース通信部102との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS701:No)、第1の実施の形態におけるステップS501に進み、第1の実施の形態における各処理を行う。
【0071】
また、複合機100において、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS702)。携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS702:No)、第1の実施の形態におけるステップS502に進み、第1の実施の形態における各処理を行う。
【0072】
そして、ブルートゥース通信部202が、ブルートゥース通信部202とブルートゥース通信部102との通信が確立されていると判断した場合(ステップS701:Yes)において、通信判断部206は、NFC通信部による通信が確立されているか否かを判断し(ステップS703)、NFC通信部による通信が確立されていない(ステップS703:No)と判断した場合は、通信判断部206は、操作入力部204が、ユーザから送信指示を受けているか否かを判断する(ステップS704)。通信判断部206は、操作入力部204が送信指示を受けていないと判断すると(ステップS704:No)、操作入力部204が送信指示を受けるまで待機する。
【0073】
一方、通信判断部206が操作入力部204からの送信指示を受けたと判断した場合(ステップS704:Yes)、ブルートゥース通信部202は、ユーザが操作入力部204から指定された文書データ名、印刷設定情報を、複合機100のブルートゥース通信部102に送信する(ステップS705)。そして、複合機100のブルートゥース通信部102は、携帯端末装置200の操作入力部204で指定された文書データ名、印刷設定情報を受信する(ステップS706)。尚、このステップS706以降、複合機100で行われる処理は、第1の実施の形態の場合におけるステップS505、S511、S512、S513の各処理と同様の処理を行うため、ここではその説明を省略する。
【0074】
また、NFC通信部による通信が可能である(ステップS703:Yes)と判断した場合は、第1の実施の形態におけるステップS504と同様の処理を行う。そして、このステップS504以降の処理は、上述した第1の実施の形態の場合におけるステップS505、S511、S512、S513の各処理と同様の処理を行うため、ここではその説明を省略する。
【0075】
このように、NFC通信部201が、複合機100がNFC通信部201の通信範囲内に存在した場合に、ブルートゥース通信部202の通信を確立するための通信設定情報およびブルートゥース通信部202によって送信する文書または画像を含んだ実体情報を処理する設定を示す設定情報を、NFC通信部201を介した非接触通信で複合機100に送信し、ブルートゥース通信部202が、NFC通信部201によって送信した通信設定情報に基づいて複合機100との通信を確立し、実体情報を介してブルートゥース通信部202が非接触通信で複合機100に送信し、操作入力部204が、設定情報の送信指示の入力を受け付け、通信判断部206が、複合機100との間でNFC通信部201による通信またはブルートゥース通信部202による通信のいずれの通信が可能か否かを判定し、ブルートゥース通信部202は、通信判断部206がNFC通信部201による通信が可能でないと判定した場合に、入力された送信指示に基づいて、設定情報をブルートゥース通信部202を介して送信するので、ユーザにとって好ましい通信方法を選択させ、通信操作の負担を軽減することができる。
【0076】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では、NFC通信部による通信ができない場合であっても、ブルートゥース通信部による通信にしたがって、印刷設定情報を送受信する場合について説明したが、複合機100の種類によっては、携帯端末装置200に比べて処理能力が劣る場合も存在する。そこで、印刷設定情報と文書データを結合した印刷用のデータを携帯端末装置200で生成した上で複合機100にNFC通信部またはブルートゥース通信部による通信によって送信し、複合機100は受信した印刷用データを受信して印刷する場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第1の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0077】
図8は、第4の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0078】
まず、携帯端末装置200において、ブルートゥース通信部202は、携帯端末装置200のブルートゥース通信部202と複合機100のブルートゥース通信部102との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS801)。複合機100のブルートゥース通信部102との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS801:No)、第2の実施の形態におけるステップS601に進み、第2の実施の形態における各処理を行う。
【0079】
また、複合機100において、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS802)。携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS802:No)、第2の実施の形態におけるステップS502に進み、第1の実施の形態における各処理を行う。
【0080】
そして、データ処理部207が、形式データと文書データを結合して印刷用データを生成した後(ステップS601、S602)、通信判断部206は、NFC通信が可能か否かを判断する(ステップS803)。そして、NFC通信部による通信が可能であると判断した場合には(ステップS803:Yes)、NFC通信部201は、生成した印刷用データをNFC通信部101に送信する(ステップS804)。
【0081】
一方、通信判断部206は、NFC通信部による通信が可能でないと判断した場合には(ステップS803:No)、図7におけるステップS704、図6におけるステップS603の処理と同様に、ブルートゥース通信部202が、生成した印刷用データをブルートゥース通信部102に送信する。
【0082】
そして、複合機100において、NFC通信部101またはブルートゥース通信部102が、印刷用データを受信し(ステップS805、S604)、プリンタ部107は、ステップS805またはステップS604で受信した印刷用データを印刷する(ステップS806)。
【0083】
このように、複合機100の処理能力が低い場合であっても、NFC通信部201が、複合機100がNFC通信部201の通信範囲内に存在した場合に、ブルートゥース通信部202の通信を確立するための通信設定情報およびブルートゥース通信部202によって送信する文書または画像を含んだ実体情報を処理する設定を示す設定情報を、NFC通信部201を介した非接触通信で複合機100に送信し、ブルートゥース通信部202が、NFC通信部201によって送信した通信設定情報に基づいて複合機100との通信を確立し、実体情報を介してブルートゥース通信部202が非接触通信で複合機100に送信し、操作入力部204が、設定情報の送信指示の入力を受け付け、通信判断部206が、複合機100との間でNFC通信部201による通信またはブルートゥース通信部202による通信のいずれの通信が可能か否かを判定し、ブルートゥース通信部202は、通信判断部206がNFC通信部201による通信が可能でないと判定した場合に、入力された送信指示に基づいて、設定情報をブルートゥース通信部202を介して送信するので、ユーザにとって好ましい通信方法を選択させ、通信操作の負担を軽減することができる。
【0084】
(第5の実施の形態)
第1乃至第4の実施の形態では、携帯端末装置200と複合機100がNFC通信部またはブルートゥース通信部によって通信が可能か否か、すなわちこれらの通信範囲に携帯端末装置200または複合機100が存在するか否かによって、印刷設定情報や文書データ等の通信方法を定めていた。しかし、データ容量が一定のバイト数以下のものや一定のページ数以下のもの、あるいは秘匿性の高いデータ等の場合には、携帯端末装置200と複合機100との通信範囲にかかわらず、前者は接続処理が素早く行える点、後者はセキュリティが高いという点から、NFC通信部による通信によって文書データの送受信を行うことが望ましい場合がある。そこで、携帯端末装置200において、データの大きさ、ページ数、秘匿性の高さ等の文書データの属性を判定した上で、NFC通信部による通信を行うか、またはブルートゥース通信部による通信を行う場合について説明する。
【0085】
図9は、本実施の形態にかかる情報処理システム20の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる携帯端末装置2000は、文書データの属性を判定する属性判定部901と、データ記憶部203とは異なるデータ記憶部2030を備える点で、第1乃至第4の実施の形態の携帯端末装置200と異なっている。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0086】
図10は、第5の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0087】
データ記憶部2030は、複合機100の機能を利用するためのデータを格納するほか、NFC通信部による通信を行うか、ブルートゥース通信部による通信を行うかを判定するための基準値(例えば、“データ容量”を基準とする場合は“128KB”、“ページ数”を基準とする場合は“100ページ”、“ファイルの種類”を基準とする場合は“拡張子がテキストファイル形式(.txt)”、あるいは“データ内容”を基準とする場合は、“暗号化の有無”等)を記憶する。尚、暗号化の方法は、公開鍵暗号方式、秘密鍵暗号方式等、いずれの方式によるものでもよい。
【0088】
属性判定部901は、データ記憶部203に記憶された文書データの属性の基準値に応じて、NFC通信部によって通信すべきものか、ブルートゥース通信部によって通信すべきものかを判定する。属性の判定に用いる基準値は、上述したような“データ容量”“ページ数”等あらかじめ固定的に記憶されたものであるが、これらを組み合わせた基準値を用いることによって属性を判定することとしても良い。
【0089】
次に、以上のように構成されている複合機100と携帯端末装置2000とを備える情報処理システム20による無線通信確立およびデータ送信処理について説明する。図10は、情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ送信処理手順を示すフローチャートである。以下の説明では、上述した第1乃至第4の実施の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0090】
属性判定部901は、NFC通信部101、NFC通信部201によって操作入力部204で選択された印刷設定情報が送受信されると(ステップS504、S505)、データ記憶部2030に記憶された文書データの属性の基準値を参照して、操作入力部204で指定された文書データがNFC通信部による通信が可能か否かを判定する(ステップS1001)。例えば、文書データの属性の基準値が、“データ容量”を基準とする場合は、指定された文書データのファイルサイズが“128KB”以下であれば、NFC通信部による通信が可能であると判定し、“128KB”より大きいのであれば、NFC通信部による通信が不可能であると判定する。同様に、文書データの属性の基準値が、“ファイルの種類”を基準とする場合は、指定された文書データの拡張子を参照して“.txt”である場合には、NFC通信部による通信が可能であると判定し、“.txt”でないのであれば、NFC通信部による通信が不可能であると判定する。
【0091】
そして、NFC通信部201は、属性判定部901がNFC通信部による通信が可能であると判定した場合には(ステップS1001:Yes)、操作入力部204で指定された文書データをNFC通信部101に送信し(ステップS1002)、NFC通信部101は、NFC通信部201から送信された文書データを受信する(ステップS1003)。そして、データ処理部104は、NFC通信部101が受信した文書データ(ステップS1003)または、ブルートゥース通信部102が受信した文書データ(ステップS511)と、ステップS505で生成した形式データを結合して印刷用データを生成し(ステップS1004)、いずれかの印刷用データを印刷する(ステップS1005)。
【0092】
一方、属性判定部901がNFC通信部による通信が可能でないと判定した場合には(ステップS1001:No)、ステップS506等の第1の実施の形態と同様の各処理を行う。
【0093】
このように、通信判断部206は、文書または画像を含んだ実体情報の属性を判定する属性判定部901と、をさらに備え、NFC通信部201は、通信判断部206がNFC通信部201による通信が可能であると判定した場合であって、属性判定部901が判定した実体情報の属性に応じて、実体情報をNFC通信部201を介して送信し、ブルートゥース通信部202は、通信判断部206がNFC通信部201による通信が可能でないと判定した場合であって、属性判定部901が判定した実体情報の属性に応じて、実体情報をブルートゥース通信部202を介して送信するので、携帯端末装置における通信接続処理を軽減できるとともに、安全に通信することができる。
【0094】
また、NFC通信部201は、属性判定部901が所定の条件を満たした場合に、文書または画像を含んだ実体情報をNFC通信部201を介して送信するので、携帯端末装置における通信接続処理を軽減できるとともに、より安全に通信することができる。
【0095】
また、上述した所定の条件に、文書または画像を含んだ実体情報の大きさが所定のサイズ以下であるとすることによって、容量に応じて携帯端末装置における通信接続処理を軽減できる。
【0096】
また、所定の条件に、文書または画像を含んだ実体情報の大きさが所定のページ数以下であるとすることによって、ページ数に応じて携帯端末装置における通信接続処理を軽減できる。
【0097】
また、所定の条件に、文書または画像を含んだ実体情報が所定の形式で作成されているとすることによって、データの形式に応じて携帯端末装置における通信接続処理を軽減できる。
【0098】
また、所定の条件に、属性情報が秘密状態を示すものが含まれるものであるとすることによって、より安全な通信操作を確保することができる。
【0099】
(第6の実施の形態)
第5の実施の形態では、接続処理が素早く行える点、セキュリティが高いという点から、携帯端末装置2000において、データの大きさ、ページ数、秘匿性の高さ等の文書データの属性を判定した上で、NFC通信部による通信を行うか、またはブルートゥース通信部による通信を行い、複合機100のデータ処理部104が印刷用データを生成して印刷することとした。しかし、複合機100の種類によっては、携帯端末装置200に比べて処理能力が劣る場合も存在する。そこで、印刷設定情報と文書データを結合した印刷用データを携帯端末装置200で生成し、その印刷用データの属性を判定した上で、複合機100に送信し、複合機100は受信した印刷用データを単純に受信する場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第5の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、上述した第5の実施の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0100】
図11は、第6の実施の形態にかかる情報処理システム20が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0101】
まず、携帯端末装置2000において、NFC通信部201は、第1、第2の実施の形態におけるステップS501等の各処理を行い、データ処理部207が印刷用データを生成すると(ステップS602)、属性判定部901は、操作入力部204で指定された文書データの属性の基準値を参照して、操作入力部204で指定された文書データがNFC通信部による通信が可能か否かを判定する(ステップS1101)。
【0102】
そして、属性判定部901が、NFC通信部による通信が可能であると判定した場合には(ステップS1101:Yes)、NFC通信部201は、操作入力部204で指定された文書データをNFC通信部101に送信し(ステップS1102)、NFC通信部101は、NFC通信部201から送信された文書データを受信する(ステップS1103)。そして、データ処理部104は、ステップS604またはステップS1103で受信したいずれかの印刷用データを印刷する(ステップS1104)。
【0103】
一方、属性判定部901が、NFC通信部による通信が可能でないと判定した場合には(ステップS1101:No)、第1、第2の実施の形態と同様の処理を行って、印刷用データを印刷等する。
【0104】
このように、複合機100の処理能力が低い場合であっても、第5の実施の形態と同様の処理を行うことができる。
【0105】
(第7の実施の形態)
第1乃至第6の実施の形態では、NFC通信部による通信とブルートゥース通信部による通信を通信範囲で判別する、もしくは接続処理が素早く行える点、セキュリティが高いという点から、携帯端末装置2000において、データの大きさ、ページ数、秘匿性の高さ等の文書データの属性を判定する等、各実施の形態において最良の形態を示したが、これらを組み合わせることによって、ユーザにとってより負担の少なくかつ安全な通信を行うことができると考えられる。そこで、上述した第1乃至第6の実施の形態を組み合わせた場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第5の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、上述した第5の実施の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0106】
図12は、第7の実施の形態にかかる情報処理システム20が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0107】
まず、携帯端末装置200において、ブルートゥース通信部202は、携帯端末装置200のブルートゥース通信部202と複合機100のブルートゥース通信部102との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS1201)。複合機100のNFC通信部101との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS1201:No)、図10に示す第5の実施の形態におけるステップS501に進み、第5の実施の形態における各処理を行う。
【0108】
また、複合機100において、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS1202)。携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS1202:No)、図10に示す第5の実施の形態におけるステップS502に進み、その後第5の実施の形態における各処理を行う。
【0109】
そして、ブルートゥース通信部202が、ブルートゥース通信部202とブルートゥース通信部102との通信が確立したと判断した場合(ステップS1201:Yes)、順次第1乃至第6の実施の形態における各処理を行い、印刷用データを印刷する。
【0110】
(第8の実施の形態)
第7の実施の形態では、上述した第1乃至第6の実施の形態を組み合わせた場合について説明したが、複合機100の種類によっては、携帯端末装置200に比べて処理能力が劣る場合も存在する。そこで、第7の実施の形態において、印刷設定情報と文書データを結合した印刷用のデータを携帯端末装置200で生成した上で複合機100にNFC通信部またはブルートゥース通信部による通信によって送信し、複合機100は受信した印刷用データを単純に受信して印刷する場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第7の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、上述した第7の実施の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0111】
図13は、第8の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0112】
まず、携帯端末装置200において、通信判断部206は、携帯端末装置200のブルートゥース通信部202と複合機100のブルートゥース通信部102との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS1301)。複合機100のNFC通信部101との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS1301:No)、図11に示す第6の実施の形態におけるステップS501に進み、第6の実施の形態における各処理を行う。
【0113】
また、複合機100において、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS1302)。携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS1302:No)、図11に示す第6の実施の形態におけるステップS502に進み、その後第6の実施の形態における各処理を行う。
【0114】
そして、ブルートゥース通信部202が、ブルートゥース通信部202とブルートゥース通信部102との通信が確立したと判断した場合(ステップS1301:Yes)、順次第1乃至第6の実施の形態における各処理を行い、印刷用データを印刷する。
【0115】
(第9の実施の形態)
第1乃至第8の実施の形態では、携帯端末装置200または携帯端末装置2000に記憶されたデータは文書データであり、複合機100のプリンタ部105による印刷機能を用いて文書データを印刷する場合について説明した。しかし、複合機100にはスキャナ部103を備えており、文書データの原稿をスキャナ部103で読み取って画像データに変換し、複合機100から携帯端末装置200または携帯端末装置2000に、その画像データを転送して携帯端末装置200または携帯端末装置2000のデータ記憶部203またはデータ記憶部2030に記憶することも可能であるため、このような画像データを取り扱う場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第1乃至第8の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、取り扱うデータは画像データであっても、NFC通信部またはブルートゥース通信部による通信や、通信設定情報の送受信等第1の実施の形態乃至第8の実施の形態と同一の処理を行う場合があるので、その場合には、同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0116】
図14は、第9の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0117】
NFC通信部201は、ブルートゥース通信部202とブルートゥース通信部102との間の通信が確立すると(ステップS508、S509)、操作入力部204で指定したスキャン設定情報を複合機100のNFC通信部101に送信し(ステップS1401)、NFC通信部101は、そのスキャン設定情報受信する(ステップS1402)。
【0118】
スキャナ部103は、画像データの原稿の読み取り(ステップS1403)、データ処理部104は、ステップS1403で読み取った画像の原稿イメージを、ステップS1402で受信したスキャナ設定情報(例えば、“原稿種類”、“解像度”、“読み取りサイズ”等)に基づいて画像データを生成する(ステップS1404)。
【0119】
そして、ブルートゥース通信部102は、携帯端末装置2000のブルートゥース通信部202に、生成した画像データを送信し(ステップS1405)、ブルートゥース通信部202は、画像データを受信し(ステップS1406)、データ処理部207は、受信した画像データをデータ記憶部2030に記憶する(ステップS1407)。
【0120】
(第10の実施の形態)
第9の実施の形態では、文書データの原稿をスキャナ部103で読み取って画像データに変換し、複合機100から携帯端末装置200または携帯端末装置2000に、その画像データを転送して携帯端末装置200または携帯端末装置2000のデータ記憶部203またはデータ記憶部2030に記憶する場合について説明したが、ユーザが複合機100の位置から離れてしまい、NFC通信部による通信ができなくなってしまう場合もある。そこで、NFC通信部による通信ができない場合であっても、ブルートゥース通信部による通信にしたがって、スキャン設定情報を送受信する場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第9の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、上述した第9の形態と同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0121】
図15は、第10の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0122】
まず、携帯端末装置2000において、ブルートゥース通信部202は、携帯端末装置2000のブルートゥース通信部202と複合機100のブルートゥース通信部102との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS1501)。複合機100のブルートゥース通信部102との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS1501:No)、第9の実施の形態におけるステップS501に進み、第9の実施の形態における各処理を行う。
【0123】
また、複合機100において、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS1502)。携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS1502:No)、図14に示す第9の実施の形態におけるステップS502に進み、その後第9の実施の形態における各処理を行う。
【0124】
そして、NFC通信部201による通信が可能か否かを判定した後(ステップS703)、NFC通信部201による通信が可能でないと判定した場合(ステップS703:No)、通信判断部206は、操作入力部204が、ユーザからスキャン設定情報の送信指示を受けているか否かを判断する(ステップS1502)。通信判断部206は、操作入力部204が送信指示を受けていないと判断すると(ステップS1502:No)、操作入力部204が送信指示を受けるまで待機する。
【0125】
一方、通信判断部206が、操作入力部204が送信指示を受けていると判断すると(ステップS1502:Yes)、ブルートゥース通信部202は、操作入力部204で指定されたスキャン設定情報を、ブルートゥース通信部102に送信し(ステップS1503)、ブルートゥース通信部102は、ブルートゥース通信部202からスキャン設定情報を受信する(ステップS1504)。
【0126】
(第11の実施の形態)
第9乃至第10の実施の形態では、携帯端末装置200と複合機100がNFC通信部またはブルートゥース通信部によって通信が可能か否か、すなわちこれらの通信範囲に携帯端末装置200または複合機100が存在するか否かによって、スキャン設定情報や画像データ等の通信方法を定めていた。しかし、データ容量が一定のバイト数以下のものや一定のページ数以下のもの、あるいは秘匿性の高いデータ等の場合には、携帯端末装置200と複合機100との通信範囲にかかわらず、前者は接続処理が素早く行える点、後者はセキュリティが高いという点から、NFC通信部による通信によってスキャンした画像データの送受信を行うことが望ましい場合がある。そこで、携帯端末装置200において、データの大きさ、ページ数、秘匿性の高さ等の画像データの属性を判定した上で、NFC通信部による通信を行うか、またはブルートゥース通信部による通信を行う場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第9または第10の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、取り扱うデータは画像データであっても、NFC通信部またはブルートゥース通信部による通信や、通信設定情報の送受信等第1の実施の形態乃至第8の実施の形態と同一の処理を行う場合があるので、その場合には、同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0127】
図16は、第11の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0128】
NFC通信部201がNFC通信部101に操作入力部204で指定したスキャナ設定情報を送信し(ステップS504)、NFC通信部101がそのスキャナ設定情報を受信すると(ステップS505)、通信判断部206は、再びNFC通信部201とNFC通信部101との通信が確立したかを判定する(ステップS1601)。そして、通信判断部206は、NFC通信部201による通信が確立したと判断した場合(ステップS1601:Yes)、NFC通信部101は、画像データの属性情報をNFC通信部201に送信し、NFC通信部201は、その属性情報を受信する(ステップS1605、S1606)。
【0129】
一方、通信判断部206は、NFC通信部201による通信が確立していないと判断した場合(ステップS1601:No)、操作表示部205に、ユーザに対して“電波強度が弱いため、複合機に近づいてください”等のメッセージを出力し(ステップS1602)、電波強度の条件が満たされるまで待機する。
【0130】
その後、属性判断部901は、画像データの属性情報からNFC通信部201による通信が可能か否かを判断し(ステップS1607、S1608)、ブルートゥース通信部による通信を確立する等の処理を行い(ステップS507、S508等)、NFC通信部101は、画像データをNFC201に送信し(ステップS1609、S1610)、NFC通信部201によって受信した画像データをデータ記憶部2030に格納する(ステップS1611)。
【0131】
(第12の実施の形態)
第11の実施の形態では、NFC通信部による通信とブルートゥース通信部による通信を通信範囲で判別する、もしくは接続処理が素早く行える点、セキュリティが高いという点から、携帯端末装置2000において、画像データの大きさ、ページ数、秘匿性の高さ等の画像データの属性を判定する等、各実施の形態において最良の形態を示したが、これらを組み合わせることによって、ユーザにとってより負担の少なくかつ安全な通信を行う句とができると考えられる。そこで、上述した第9乃至第11の実施の形態を組み合わせた場合について説明する。本実施の形態にかかる情報処理システムにおける機器構成は第9乃至第11の実施の形態と同じ構成であるため、ブロック図による各構成の説明については省略し、無線通信確立処理手順およびデータ処理手順について、フローチャートを用いて説明する。また、以下の説明では、取り扱うデータは画像データであっても、NFC通信部またはブルートゥース通信部による通信や、通信設定情報の送受信等第1の実施の形態乃至第8の実施の形態と同一の処理を行う場合があるので、その場合には、同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる処理についてのみ説明している。
【0132】
図17−1、図17−2は、第12の実施の形態にかかる情報処理システム10が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順についてのフローチャートである。
【0133】
まず、携帯端末装置200において、通信判断部206は、携帯端末装置200のブルートゥース通信部202と複合機100のブルートゥース通信部102との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS701)。複合機100のNFC通信部101との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS701:No)、図16に示す第6の実施の形態におけるステップS501に進み、第11の実施の形態における各処理を行う。
【0134】
また、複合機100において、ブルートゥース通信部102は携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が既に確立しているか否かを判断する(ステップS702)。携帯端末装置200のブルートゥース通信部202との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS702:No)、図16に示す第11の実施の形態におけるステップS502に進み、その後第11の実施の形態における各処理を行う。
【0135】
そして、通信判断部206が、NFC通信部201とNFC通信部101との通信が確立したと判断した場合(ステップS701:Yes)、順次第9乃至第11の実施の形態における各処理を行い、画像データをデータ記憶部2030に格納する。
【0136】
このように、設定情報として印刷に関する情報を用いて、データ処理部104は、印刷に関する情報に基づいて、ブルートゥース通信部102を介して非接触通信で携帯端末装置200または携帯端末装置2000から受信した文書または画像を含んだ実体情報を印刷するので、印刷操作および通信操作の負担を軽減することができる。
【0137】
また、設定情報としてスキャンに関する情報を用いて、データ処理部104は、文書または画像を含んだ実体情報をスキャンするための情報に基づいて、ブルートゥース通信部102を介して非接触通信で携帯端末装置200または携帯端末装置2000から受信したスキャンに関する情報に基づいて原稿をスキャンして画像データを生成し、NFC通信部101は、生成された前記画像データをNFC通信部101を介して携帯端末装置に送信するので、スキャン操作および通信操作の負担を軽減することができる。
【0138】
次に、複合機100のハードウェア構成を説明する。図18は、本実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成を示す説明図である。図18に示すように、複合機100は、コントローラ510とプリンタ部560およびスキャナ部570とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ510は、複合機100全体の制御と描画、通信、操作部520からの入力を制御するコントローラである。なお、プリンタ部560またはスキャナ部570には、2値化を行う誤差拡散や階調の補正を行うガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。操作部520は、スキャナ部570で読み取られた原稿の原稿画像情報等をLCD(Liquid Crystal Display)に表示するとともに操作者からの入力をタッチパネルを介して受け付ける操作表示部520aと、操作者からのキー入力を受け付けるキーボード部520bとを有している。
【0139】
本実施の形態にかかる複合機100は、操作部520のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となっている。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、スキャナ機能の選択時にはスキャナモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0140】
コントローラ510は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)511と、システムメモリ(MEM−P)512と、ノースブリッジ(NB)513と、サウスブリッジ(SB)514と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)516と、記憶部であるローカルメモリ(MEM−C)517と、記憶部であるハードディスクドライブ(HDD)518とを有し、NB513とASIC516との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス515で接続した構成となる。また、MEM−P512は、ROM(Read Only Memory)512aと、RAM(Random Access Memory)512bとをさらに有する。
【0141】
CPU511は、複合機100の全体制御を行うものであり、NB513、MEM−P512およびSB514からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0142】
NB513は、CPU511とMEM−P512、SB514、AGPバス515とを接続するためのブリッジであり、MEM−P512に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0143】
MEM−P512は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM512aとRAM512bとからなる。ROM512aは、CPU511の動作を制御するプログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM512bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0144】
SB514は、NB513とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB514は、PCIバスを介してNB513と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部580なども接続される。
【0145】
ASIC516は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス515、PCIバス、HDD518およびMEM−C517をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC516は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC516の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C517を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プリンタ部560やスキャナ部570との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。このASIC516には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)530、USB(Universal Serial Bus)540、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース550が接続される。
【0146】
MEM−C517は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD518は、画像データの蓄積、CPU511の動作を制御するプログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0147】
AGPバス515は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P512に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
【0148】
なお、本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0149】
さらに、本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の複合機100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0150】
本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムは、上述した各部(NFC通信部、ブルートゥース通信部、データ処理部、ファクシミリ送受信部など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、NFC通信部、ブルートゥース通信部、データ処理部、ファクシミリ送受信部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0151】
また、本実施の形態の携帯端末装置200で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、本実施の形態の携帯端末装置200で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0152】
さらに、本実施の形態の携帯端末装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の携帯端末装置200で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0153】
本実施の形態の携帯端末装置200で実行されるプログラムは、上述した各部(NFC通信部、ブルートゥース通信部など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、NFC通信部、ブルートゥース通信部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0154】
なお、上述した実施の形態では、複合機を一例として説明したが、本発明は複合機に限る必要はなく、コピー機、ファクシミリ、プリンタを含む様々な装置に適用することができる。
【0155】
(第13の実施の形態)
第13の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第13の実施の形態は、上述した複合機および携帯端末装置が備える構成および機能をカーナビゲーションシステムに適用した場合について説明する。
【0156】
本発明が適用されるカーナビゲーションシステムの構成例について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態とほぼ同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。図19は、第3の実施の形態にかかるカーナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【0157】
本実施の形態にかかるカーナビゲーションシステム30は、カーナビゲーション装置800と、携帯端末装置900とを備え、カーナビゲーション装置800と携帯端末装置900とは、2つの通信手段によって通信可能である。
【0158】
まず、携帯端末装置900について説明する。携帯端末装置900は、NFC通信部201と、ブルートゥース通信部202と、データ記憶部203と、操作表示部904と、GPS(Global Positioning System)部905とを備えている。ここで、NFC通信部201と、ブルートゥース通信部202と、データ記憶部203の構成、機能は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0159】
操作表示部904は、目的地情報の入力を受付ける。図20は、目的地情報の入力画面の一例を示す説明図である。図20に示すように、目的地情報として目的地の住所の入力を受付ける。また、操作表示部904は、カーナビゲーション装置800から送信された現在地から目的地までの経路情報を表示する。図21は、経路情報を表示した表示画面の一例を示す説明図である。なお、経路情報とは、経路表示に必要な地図データを含む情報である。
【0160】
GPS部905は、衛星測位システムを用いて地球上の現在位置を特定する。図20に示すような現在位置情報取得ボタンが押下された場合に、GPS部905が携帯端末装置900の地球上の現在位置を特定する。
【0161】
カーナビゲーション装置800は、NFC通信部101と、ブルートゥース通信部102と、データ処理部806と、操作表示部811と、GPS部812と、経路情報記憶部813を備えている。ここで、NFC通信部101と、ブルートゥース通信部102との構成、機能は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0162】
データ処理部806は、携帯端末装置900から送信された現在地情報と目的地情報から経路探索し、経路情報記憶部813から経路情報を取得する。操作表示部811は、データ処理部806によって取得された経路情報を表示画面に表示する。GPS部812は、GPS部905と同様に衛星測位システムを用いてカーナビゲーション装置800の地球上の現在位置を特定する。
【0163】
経路情報記憶部813は、カーナビゲーション装置800が経路探索の対象とする領域の経路情報を格納する。なお、経路情報記憶部813に格納されている経路情報は、一般のカーナビゲーション装置が通常のナビゲーション処理を実行するために保持しているデータである。
【0164】
上述したカーナビゲーション装置800の構成とすることにより、携帯端末装置900から、目的地情報等の設定情報をNFC通信部またはブルートゥース通信部を介してカーナビゲーション装置800に送信する。そして、データ処理部806は、その目的地情報等から経路情報記憶部813に記憶された地図データの所定の範囲の情報(例えば、目的地情報から半径5km以内の地図情報)を生成して、携帯端末装置900に送信し、データ記憶部203にそのデータを記憶する等、上述した複合機と同様の通信手順で地図情報を取得することができる。このような処理を行うことにより、ユーザは自動車を降車して徒歩で目的地に向かうような場合であっても、携帯端末装置を持ち歩いていれば、通信可能な範囲で目的地までのナビゲーションが可能となる。
【0165】
以上、本発明を第1乃至第13の実施の形態を用いて説明してきたが、上述した実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。なお、上述した第1乃至第13の実施の形態において説明した構成や機能は、自由に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示すイメージ図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】操作入力部で文書を指定するための表示画面の一例を示す説明図である。
【図4】操作入力部で設定情報を指定するための表示画面の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第4の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第5の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図10】第5の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第6の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第7の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図13】第8の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図14】第9の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図15】第10の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図16】第11の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図17−1】第12の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図17−2】第12の実施の形態にかかる情報処理システムが行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図18】第1乃至第12の実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成を示す説明図である。
【図19】第13の実施の形態にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図20】目的地情報の入力画面の一例を示す説明図である。
【図21】経路情報を表示した表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0167】
10 20 情報処理システム
30 カーナビゲーションシステム
100 複合機
101 NFC通信部
102 ブルートゥース通信部
103 スキャナ部
104 データ処理部
105 プリンタ部
106 ファクシミリ送受信部
107 プリンタ部
200 900 2000 携帯端末装置
201 NFC通信部
202 ブルートゥース通信部
203 データ記憶部
204 操作入力部
205 操作表示部
206 通信判断部
207 データ処理部
800 カーナビゲーション装置
806 データ処理部
811 操作表示部
812 GPS部
813 経路情報記憶部
901 属性判定部
904 操作表示部
905 GPS部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる通信範囲の第1の通信手段および第2の通信手段を備える携帯端末装置と、前記第1の通信手段と同一の通信方法の第3の通信方法および前記第2の通信手段と同一の通信方法の第4の通信手段を備える情報処理装置とを備え、前記携帯端末装置と前記情報処理装置の間を前記第1の通信手段と第3の通信手段とで非接触通信により通信し、前記携帯端末装置と前記情報処理装置との間を前記第2の通信手段と第4の通信手段とで非接触通信により通信する情報処理システムにおいて、
前記携帯端末装置は、
前記第1の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段と前記第4の通信手段とによる通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記情報処理装置に送信し、
前記第2の通信手段は、前記情報処理装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記情報処理装置に送信または前記情報処理装置から受信し、
前記設定情報の送信指示の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記情報処理装置との間で前記第1の通信手段による通信または前記第2の通信手段による通信のいずれの通信が可能か否かを判定する判定手段と、を備え、
前記第2の通信手段は、
前記判定手段が前記第1の通信手段による通信が可能でないと判定した場合に、入力された前記送信指示に基づいて、前記設定情報を送信し、
前記情報処理装置は、
前記第3の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記通信設定情報および前記設定情報を非接触通信で前記携帯端末から受信し、
前記第4の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在しない場合に、前記通信設定情報および前記設定情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、
前記第3の通信手段または前記第4の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理する処理手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
携帯端末装置と非接触通信により通信し、互いに異なる通信範囲を有する第1の通信手段および第2の通信手段を備える情報処理装置において、
前記第1の通信手段は、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段による通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、
前記第2の通信手段は、前記第1の通信手段によって受信した前記通信設定情報に基づいて前記携帯端末装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、
前記第1の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理する処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記設定情報は、印刷に関する情報であり、
前記処理手段は、前記印刷に関する情報に基づいて、前記第2の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記実体情報を印刷すること、
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定情報は、スキャンに関する情報であり、
前記処理手段は、前記第1の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記スキャンに関する情報に基づいて原稿をスキャンして画像データを生成し、
前記第2の通信手段は、生成された前記画像データを前記携帯端末装置に送信すること、
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
携帯端末装置と非接触通信により通信し、互いに異なる通信範囲を有する第1の通信手段および第2の通信手段を備える情報処理装置で実行される情報通信方法において、
前記第1の通信手段が、前記携帯端末装置が前記情報処理装置の通信範囲内に存在した場合に、前記第2の通信手段による通信を確立するために通信設定情報および前記第2の通信手段によって受信または送信する文書または画像を含んだ実体情報に対する処理を示す設定情報を、非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、
前記第2の通信手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記通信設定情報に基づいて前記携帯端末装置との通信を確立し、前記実体情報を非接触通信で前記携帯端末装置から受信または前記携帯端末装置に送信し、
処理手段が、前記第1の通信手段によって受信した前記設定情報に応じた設定で前記実体情報を処理する処理ステップと、
を含むことを特徴とする情報通信方法。
【請求項6】
前記設定情報は、印刷に関する情報であり、
前記処理ステップは、前記印刷に関する情報に基づいて、前記第2の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記実体情報を印刷すること、
を特徴とする請求項5に記載の情報通信方法。
【請求項7】
前記設定情報は、スキャンに関する情報であり、
前記処理ステップは、前記第1の通信手段を介して非接触通信で前記携帯端末装置から受信した前記スキャンに関する情報に基づいて原稿をスキャンして画像データを生成し、
前記第2の通信ステップは、生成された前記画像データを前記携帯端末装置に送信すること、
を特徴とする請求項5に記載の情報通信方法。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載された情報通信方法を情報処理装置で実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17−1】
image rotate

【図17−2】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2009−147896(P2009−147896A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69155(P2008−69155)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】