説明

情報処理システム、情報処理装置、通信装置、画像形成システム及び画像形成装置

【課題】情報処理装置(通信相手先、画像形成装置)及び通信装置(送受信相手先、携帯通信装置、通信相手先)の間の接続確立を容易にすると共に、これらの間のデータの送受信(通信)においてユーザの手間を省くことが出来る情報処理システム、情報処理装置、通信装置、画像形成システム及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】デジタル複合機1が相手の携帯電話機2に自機の識別データを送信して接続を確立し、携帯電話機2の送受信に係るアプリケーションのプログラムをデジタル複合機1から実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置と、該通信装置との通信を行う情報処理装置とを備える情報処理システム及び画像形成装置と、該画像形成装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、カメラ機能が搭載された携帯電話機が普及されており、何時でも、何処でも、手軽にデジタル写真の撮影ができる。また、携帯電話機に装着されたメモリが大容量化しており、デジタル写真、ビジネス文書等のデータを保存する、パーソナルな記憶デバイスとしての利用例も増えている。
【0003】
特許文献1では、ユーザが自分の非接触IDカード(又は該非接触IDカードを内蔵した無線通信機器)を画像処理装置のカードリーダライタ部に近づけた場合、前記非接触IDカードのICチップが、前記カードリーダライタ部から常に出されている、前記画像処理装置のIDを示す端末IDを含んだ微弱な電波を受信して、前記端末IDを取得し、該端末IDを用いて非接触IDカードのユーザIDを画像処理装置へ送信する無線通信方法が開示されている。
【0004】
一方、特許文献2では、パーソナルコンピュータのリーダライタと電磁波により通信する非接触ICカードが設けられている携帯電話機を、ユーザが前記パーソナルコンピュータに近接させることにより、前記リーダライタから輻射される電磁波が前記非接触ICカードにおいて受信されたとき、前記携帯電話機は、前記非接触ICカードに設定されているカードIDを前記パーソナルコンピュータに通知し、該パーソナルコンピュータは、通知されたカードIDに基づいて、前記携帯電話機を識別し、通信相手として特定する通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−267370号公報
【特許文献2】特開2003−32176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、ユーザが前記携帯電話機のメモリ内に保存したデジタル写真、ビジネス文書等のデータを印刷する方法の一つとしては、前記携帯電話機と無線のデータ送受信可能な画像形成装置に、印刷すべきデータ(以下、印刷データ)を無線で送信して印刷を行う方法等がある。
【0007】
このような、画像形成装置に無線で印刷データを送信して印刷を行う方法としては、例えば、ブルートゥース(登録商標)通信方式による無線通信を行う場合、RFIDシステムを用いた無線通信を行う場合、又は前記携帯電話機及び画像形成装置の間で赤外線通信が行われる場合等がある。
【0008】
その中、ブルートゥース通信方式による無線通信を行う場合においては、双方の機器間を通信可能な状態に設定(認証)を行う操作が必要である。例えば、前記携帯電話機及び画像形成装置が、共にブルートゥース対応可能であって、互いにブルートゥース通信方式による無線通信を行う場合、通称ペアリング(又はボンディング)と呼ばれる設定操作によって相手を特定し、双方を通信可能な状態に設定する必要がある。
【0009】
しかしながら、前記ペアリングには複雑で面倒な操作が必要である。詳しくは、ユーザが前記携帯電話機のメモリ内の画像データを、所定の画像形成装置に送信して印刷する場合、ユーザは前記携帯電話機を用いて、所定半径範囲(例えば、100m)に在って、該携帯電話とブルートゥース通信方式による無線通信が可能な画像形成装置を検索し、該検索の結果として前記携帯電話機の表示部に表示される複数の画像形成装置のブルートゥースアドレスの中から、前記所定の画像形成装置のブルートゥースアドレスを判別することを必要とするが、前記判別は非常に煩わしい作業である。なお、前記判別が正常的に行われたとしても、その後、双方を通信可能な状態に設定するための細かい操作が更に必要である。なお、前記画像形成装置が、コンビニエンスストアに設置された貸し出し用の画像形成装置である場合は、新規のユーザが多いので、はじめてのブルートゥース機器に対する無線通信が多く、その都度前記ペアリングの操作を行う必要もある。
【0010】
一方、前記携帯電話機及び画像形成装置の間で赤外線通信が行われる場合には、ユーザは、前記印刷データを無線で送信する間、印刷すべき前記携帯電話機の赤外線ポートと、画像形成装置の赤外線ポートとを向き合わせた状態で、前記携帯電話機を所定時間固定する煩雑な操作も必要である。
【0011】
また、例えば、Felica(登録商標)、Edy(登録商標)等のRFIDシステムを用いた無線通信を行う場合、通信速度が遅いことから、前記印刷データを無線で送信するために、前記携帯電話を前記画像形成装置に所定時間かざしておく必要がある。
【0012】
これらを簡単に行う方法として特許文献1の無線通信方法及び特許文献2の通信システムが知られている。上述したように、特許文献1の無線通信方法及び特許文献2の通信システムは何れも、いわゆるRFIDシステムを用い、非接触IDカード(非接触ICカード)を画像処理装置のカードリーダライタ部(パーソナルコンピュータのリーダライタ)に近づけた場合は、自動的に非接触IDカードのユーザID(非接触ICカードのカードID)を画像処理装置(パーソナルコンピュータ)へ送信するように構成されている。
【0013】
しかしながら、特許文献1の無線通信方法及び特許文献2の通信システムでは、無線通信機器(携帯電話機)及び画像処理装置(パーソナルコンピュータ)間が通信可能な状態に設定(認証)された後のデータ通信における、ユーザの使い勝手については工夫されていない。
【0014】
例えば、共にブルートゥース対応可能な携帯電話機及び画像形成装置の間において、ユーザが携帯電話機のメモリ内の画像データを、画像形成装置に送信して印刷を行う際、複数の画像から選択された幾つかの画像の印刷を希望する場合、自己の携帯電話機に現在表示されている画像のみの印刷を希望する場合等が想定できる。しかし、上記の携帯電話機に現在表示されている画像のみを印刷する場合には、該画像に係るデータを前記画像形成装置に送信するために、ユーザは更に何らかの操作をする必要があり、複数の画像から幾つかの画像を選択して印刷をする際には、携帯電話機の小さい表示部に表示される複数のファイル名(又はサムネイル)から、ユーザは希望する画像を選択する煩わしい操作をする必要があるという問題があった。特許文献1の無線通信方法及び特許文献2の通信システムでは、このようなユーザの使い勝手に対しては工夫されておらず、対応することができない。
【0015】
本発明は、斯かる事情に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、通信装置が、情報処理装置とのデータの送受信を行う第1送受信手段と、情報処理装置用の識別データを、前記情報処理装置から受信する受信手段と、前記情報処理装置とのデータの送受信に係るアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段とを備え、前記情報処理装置が、前記通信装置の第1送受信手段とのデータの送受信を行う第2送受信手段と、情報処理装置用の識別データを、前記通信装置の受信手段に送信する送信手段と、前記通信装置の記憶手段が記憶しているプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備え、前記情報処理装置が相手の通信装置に自機の識別データを送信することにより、また前記通信装置側の送受信に係るアプリケーションのプログラムを前記情報処理装置側から実行させることにより、前記情報処理装置及び通信装置の間の接続確立を容易にすると共に、前記情報処理装置及び通信装置の間のデータの送受信においてユーザの手間を省くことが出来る情報処理システムを提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、外部とデータの送受信を行う送受信手段と、送受信手段用の識別データを送信する送信手段と、送受信相手先が有する、データの送受信に係るアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備え、前記情報処理装置が送受信相手先に自機の識別データを送信することにより、また送受信相手先の送受信に係るアプリケーションのプログラムを自ら実行させることにより、送受信相手先との接続確立を容易にすると共に、送受信相手先とのデータの送受信においてユーザの手間を省くことが出来る情報処理装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、通信を行う通信手段と、通信相手先の識別データを、通信相手先から受信する受信手段と、前記通信相手先との通信に係る複数のアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段と、前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付ける選択受付手段と、所定のデータを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行させる実行手段とを備え、前記受信手段が通信相手先の識別データを受信することにより、また所定のデータ(例えば、通信相手先からの)を受信した場合、前記選択受付手段が選択を受け付けた、通信に係るプログラムを実行させることにより、通信相手先との接続確立を容易にすると共に、通信相手先との通信において、必要に応じて適宜ユーザの手間を省くことができる通信装置を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、携帯通信装置が、画像形成装置とのデータの送受信を行う第1送受信手段と、画像形成装置用の識別データを、前記画像形成装置から受信する受信手段と、前記画像形成装置とのデータの送受信に係るアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段とを備え、前記画像形成装置が、前記携帯通信装置の第1送受信手段とのデータの送受信を行う第2送受信手段と、画像形成装置用の識別データを、前記携帯通信装置の受信手段に送信する送信手段と、前記携帯通信装置の記憶手段が記憶しているプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備え、前記画像形成装置が相手の携帯通信装置に自機の識別データを送信することにより、また前記携帯通信装置側の送受信に係るアプリケーションのプログラムを前記画像形成装置側から実行させることにより、前記画像形成装置及び携帯通信装置の間の接続確立を容易にすると共に、前記画像形成装置が前記携帯通信装置からデータを取得して、該データに基づく画像を形成する際のユーザの手間を省くことが出来る画像形成システムを提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、ブルートゥース通信方式を用い、データの通信を行う通信手段と、該通信手段の固有アドレスを、RFID通信方式を用い、送信する送信手段と、通信相手先が有する、データの通信に係るアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備え、通信相手先に自機の固有アドレスを送信することにより、また通信相手先のデータの通信に係るアプリケーションのプログラムを自ら実行させることにより、通信相手先との接続確立を容易にすると共に、通信相手先からデータを受信して、該データに基づく画像を形成する際のユーザの手間を省くことが出来る画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る情報処理システムは、通信装置と、該通信装置からデータを取得して、該データの処理を行う情報処理装置とを備える情報処理システムにおいて、前記通信装置は、前記情報処理装置とのデータの送受信を行う第1送受信手段と、情報処理装置用の識別データを、前記情報処理装置から受信する受信手段と、前記情報処理装置とのデータの送受信に係るアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段とを備え、前記情報処理装置は、前記通信装置の第1送受信手段とのデータの送受信を行う第2送受信手段と、情報処理装置用の識別データを、前記通信装置の受信手段に送信する送信手段と、前記通信装置の記憶手段が記憶しているプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備えていることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、前記通信装置及び情報処理装置のデータの送受信の場合、情報処理装置の送信手段が、情報処理装置用の識別データを前記通信装置の受信手段に送信し、前記第1送信手段は、前記受信手段によって受信した識別データを用い、前記第2送受信手段との接続を確立する。その後、前記情報処理装置の指示送信手段は前記指示データを前記通信装置に送信し、前記記憶手段に記憶されているアプリケーションのプログラムを実行させる。
【0022】
本発明に係る情報処理システムは、前記通信装置は、前記記憶手段が複数のアプリケーションのプログラムを記憶しており、前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付ける選択受付手段と、前記指示データを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行させる実行手段とを備えていることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、前記通信装置の選択受付手段は、ユーザから前記複数のアプリケーションのプログラムの中の何れかの選択を受け付け、前記実行手段は、前記情報処理装置から前記指示データを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行させる。
【0024】
本発明に係る情報処理システムは、前記通信装置は、記憶しているコンテンツに係る画像を表示する表示部を備えており、前記記憶手段は、記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを前記情報処理装置に送信する処理を含む第1アプリケーションのプログラム、又は前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを前記情報処理装置に送信する処理を含む第2アプリケーションのプログラムを記憶するように構成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、前記記憶手段には、記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを前記情報処理装置に送信する処理を含む第1アプリケーションのプログラム、又は前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを前記情報処理装置に送信する処理を含む第2アプリケーションのプログラムが記憶される。
【0026】
本発明に係る情報処理システムは、前記通信装置は、前記選択受付手段が前記第1アプリケーションのプログラムの選択を受け付けた場合は、前記情報処理装置から所定距離以内に接近したとき、前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを前記情報処理装置の第2送受信手段に送信するように構成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、前記通信装置の選択受付手段が前記第1アプリケーションのプログラムの選択を受け付けた場合において、前記通信装置が前記情報処理装置から所定距離以内に接近したとき、前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを、前記第1送受信手段が前記情報処理装置の第2送受信手段に送信する。
【0028】
本発明に係る情報処理システムは、前記情報処理装置は、表示部と、受信した一覧データに基づく一覧画面を、前記表示部に表示する表示手段と、前記一覧画面に表示されたコンテンツの中から、コンテンツの選択を受け付けるコンテンツ選択受付手段と、該コンテンツ選択受付手段が受け付けたコンテンツのデータを要求する要求データを前記通信装置に送信する要求送信手段とを備えていることを特徴とする。
【0029】
本発明にあっては、前記情報処理装置は、一覧データを受信した場合、前記表示手段が前記一覧データに基づく一覧画面を、前記表示部に表示し、前記コンテンツ選択受付手段が、ユーザから、前記一覧画面に表示されたコンテンツの中の何れかのコンテンツの選択を受け付け、前記要求送信手段は、前記コンテンツ選択受付手段が受け付けたコンテンツのデータを要求する要求データを前記通信装置に送信する。前記情報処理装置は、このようにして前記通信装置から取得したコンテンツのデータの処理を行う。
【0030】
本発明に係る情報処理システムは、前記送信手段及び受信手段はRFIDシステムを用いた通信を行うように構成され、前記第1送受信手段及び第2送受信手段は、前記RFIDシステムより遠距離又は高速度の無線通信を行うように構成されていることを特徴とする。
【0031】
本発明にあっては、例えば、前記受信手段及び送信手段は、夫々接触又は非接触ICカード及びカードリーダであって、RFIDシステムを用いた通信を行い、前記第1送受信手段及び第2送受信手段は共にブルートゥース対応デバイスであって、ブルートゥース通信方式による無線通信を行う。
【0032】
本発明に係る情報処理システムは、前記通信装置は、前記受信手段が、受信した識別データを前記RFIDシステム内の記憶領域中の、フリーエリアに記憶するように構成されていることを特徴とする。
【0033】
本発明にあっては、前記通信装置の受信手段が、情報処理装置用の識別データを受信した場合、前記RFIDシステム内の記憶領域中の、フリーエリアに記憶する。
【0034】
本発明に係る情報処理装置は、外部とデータの送受信を行う送受信手段と、送受信手段用の識別データを送信する送信手段と、送受信相手先が有する、データの送受信に係るアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備えていることを特徴とする。
【0035】
本発明にあっては、前記情報処理装置の送受信手段が外部とデータの送受信を行う際、前記送信手段が送受信手段用の識別データを送受信相手先に送信し、前記指示送信手段が前記指示データを送受信相手先に送信し、送受信相手先のアプリケーションのプログラムを実行させる。
【0036】
本発明に係る情報処理装置は、表示部と、前記送受信手段が、送受信相手先が記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを受信した場合、該一覧データに基づく一覧画面を、前記表示部に表示する表示手段と、前記一覧画面に表示されたコンテンツの中から、コンテンツの選択を受け付けるコンテンツ選択受付手段と、該コンテンツ選択受付手段が受け付けたコンテンツのデータを要求する要求データを前記送受信相手先に送信する要求送信手段とを備えていることを特徴とする。
【0037】
本発明にあっては、前記送受信手段が、前記一覧データを受信した場合、前記表示手段が該一覧データに基づく一覧画面を前記表示部に表示し、前記コンテンツ選択受付手段が、ユーザから、前記一覧画面に表示されたコンテンツの中の何れかのコンテンツの選択を受け付け、前記要求送信手段は、前記コンテンツ選択受付手段が受け付けたコンテンツのデータを要求する要求データを送受信相手先に送信する。前記情報処理装置は、このようにして送受信相手先から取得したコンテンツのデータの処理を行う。
【0038】
本発明に係る通信装置は、通信を行う通信手段と、通信相手先の識別データを、通信相手先から受信する受信手段と、前記通信相手先との通信に係る複数のアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段と、前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付ける選択受付手段と、所定のデータを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行させる実行手段とを備えていることを特徴とする。
【0039】
本発明にあっては、前記通信手段が通信を行う際、前記受信手段が通信相手先の識別データを受信し、該識別データを用いて通信相手先との接続を確立する。前記選択受付手段が、ユーザから、前記複数のアプリケーションのプログラムの中の何れかのコンテンツの選択を受け付け、例えば、通信相手先から所定のデータを受信した場合は、前記実行手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行させる。
【0040】
本発明に係る通信装置は、記憶しているコンテンツに係る画像を表示する表示部を備えており、前記記憶手段は、記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを送信する処理を含む第1アプリケーションのプログラム、又は前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを送信する処理を含む第2アプリケーションのプログラムを記憶するように構成されていることを特徴とする。
【0041】
本発明にあっては、前記記憶手段には、記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを送信する処理を含む第1アプリケーションのプログラム、又は前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを送信する処理を含む第2アプリケーションのプログラムが記憶される。
【0042】
本発明に係る画像形成システムは、携帯通信装置と、該携帯通信装置からデータを取得して、該データに基づく画像を形成する画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、前記携帯通信装置は、前記画像形成装置とのデータの送受信を行う第1送受信手段と、画像形成装置用の識別データを、前記画像形成装置から受信する受信手段と、前記画像形成装置とのデータの送受信に係るアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段とを備え、前記画像形成装置は、前記携帯通信装置の第1送受信手段とのデータの送受信を行う第2送受信手段と、画像形成装置用の識別データを、前記携帯通信装置の受信手段に送信する送信手段と、前記携帯通信装置の記憶手段が記憶しているアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備えていることを特徴とする。
【0043】
本発明にあっては、前記携帯通信装置及び画像形成装置のデータの送受信の場合、画像形成装置の送信手段が、画像形成装置用の識別データを前記携帯通信装置の受信手段に送信し、前記第1送信手段は、前記受信手段によって受信した識別データを用い、前記第2送受信手段との接続を確立する。その後、前記画像形成装置の指示送信手段は前記指示データを前記携帯通信装置に送信し、前記記憶手段に記憶されているアプリケーションのプログラムを実行させる。
【0044】
本発明に係る画像形成システムは、前記画像形成装置は、画像の形成における、異常発生又は正常終了の旨を、前記携帯通信装置に通知する通知手段を備えていることを特徴とする。
【0045】
本発明にあっては、前記画像形成装置の通知手段は、画像の形成の際に異常が発生した場合はその旨を、又は画像の形成が正常に終了した場合はその旨を、前記携帯通信装置に通知する。
【0046】
本発明に係る画像形成システムは、携帯通信装置と、該携帯通信装置からデータを取得して、該データに基づく画像の形成を行う画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、前記携帯通信装置は、ブルートゥース通信方式を用い、前記画像形成装置とデータの通信を行う第1データ通信手段と、RFID通信方式を用い、前記画像形成装置の固有アドレスを、該画像形成装置から受信するデータ受信手段と、前記画像形成装置とのデータの通信に係る複数のアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段と、前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付ける選択受付手段とを備えており、前記画像形成装置は、ブルートゥース通信方式を用い、前記携帯通信装置の第1データ通信手段とデータの通信を行う第2データ通信手段と、RFID通信方式を用い、前記画像形成装置の固有アドレスを、前記携帯通信装置の受信手段に送信する送信手段と、前記携帯通信装置の記憶手段が記憶しているアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備えており、前記携帯通信装置は、前記指示データを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行するように構成されていることを特徴とする。
【0047】
本発明にあっては、前記携帯通信装置及び画像形成装置のデータの送受信の場合において、前記画像形成装置の送信手段が、RFID通信方式を用い、前記画像形成装置の固有アドレスを、前記携帯通信装置の受信手段に送信し、前記携帯通信装置の受信手段が、前記画像形成装置の固有アドレスを受信し、該固有アドレスを用いて前記携帯通信装置の第1データ通信手段及び前記画像形成装置の第2データ通信手段の間の接続を確立する。前記携帯通信装置の選択受付手段は、前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付け、前記画像形成装置の指示送信手段から前記指示データを受信した場合、前記携帯通信装置は前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行する。
【0048】
本発明に係る画像形成装置は、ブルートゥース通信方式を用い、データの通信を行う通信手段と、該通信手段の固有アドレスを、RFID通信方式を用い、送信する送信手段と、通信相手先が有する、データの通信に係るアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段と、表示部とを備え、前記アプリケーションのプログラムの実行によって受信したデータに基づく画像を、前記表示部又はシートに形成するように構成されていることを特徴とする。
【0049】
本発明にあっては、通信相手先とのデータの通信を行う際、前記送信手段が、前記通信手段の固有アドレスを、RFID通信方式を用い、通信相手先に送信して、接続を確立する。前記指示送信手段は、前記指示データを通信相手先に送信して、通信相手先のアプリケーションのプログラムを実行させ、これによって受信するデータに基づく画像を、前記表示部又はシートに形成する。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、前記情報処理装置が相手の通信装置に自機の識別データを送信するので、前記情報処理装置及び通信装置の間の接続確立を容易にすることができ、また前記通信装置側の送受信に係るアプリケーションのプログラムを前記情報処理装置側から実行させるので、前記情報処理装置及び通信装置の間のデータの送受信においてユーザの手間を省くことが出来る。
【0051】
本発明によれば、前記情報処理装置が送受信相手先に自機の識別データを送信するので、送受信相手先との接続確立を容易にすることができ、また送受信相手先の送受信に係るアプリケーションのプログラムを自ら実行させるので、送受信相手先とのデータの送受信においてユーザの手間を省くことが出来る。
【0052】
本発明によれば、前記通信手段の受信手段が通信相手先の識別データを受信するので、該識別データを用いて通信相手先との接続確立を容易にすることができ、また所定のデータ(例えば、通信相手先からの)を受信した場合、前記選択受付手段が選択を受け付けた、通信に係るプログラムを実行させるので、通信相手先との通信においては、必要に応じて適宜ユーザの手間を省くことができる。
【0053】
本発明によれば、前記画像形成装置が相手の携帯通信装置に自機の識別データを送信するので、前記画像形成装置及び携帯通信装置の間の接続確立を容易にすることができ、また前記携帯通信装置側の送受信に係るアプリケーションのプログラムを前記画像形成装置側から実行させるので、前記画像形成装置が前記携帯通信装置からデータを取得して、該データに基づく画像を形成する際のユーザの手間を省くことが出来る。
【0054】
本発明によれば、前記画像形成装置が通信相手先に自機の固有アドレスを送信するので、通信相手先との接続確立を容易にすることができ、また通信相手先のデータの通信に係るアプリケーションのプログラムを自ら実行させるので、通信相手先からデータを受信して、該データに基づく画像を形成する際のユーザの手間を省くことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1に係る情報処理システム及び画像形成システムの概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る情報処理システム及び画像形成システムの要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るデジタル複合機1の制御部11及び携帯電話機2の制御部21のCPUによる処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係るデジタル複合機1の制御部11及び携帯電話機2の制御部21のCPUによる処理手順を示すフローチャートである。
【図5】画像データの送信におけるアプリケーションを選択するためのアプリケーション選択画面の一例を示す例示図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る接触・非接触ICカードの記憶領域の構成を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るデジタル複合機の表示部に表示される一覧画面の一例を示す例示図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るデジタル複合機の制御部及び携帯電話機の制御部のCPUによる処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る携帯電話機において、印刷を希望する画像を選択して、表示部に表示する操作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明に係る情報処理装置及び画像形成装置を、コピー機能、印刷機能等を有するデジタル複合機とし、本発明に係る通信装置を携帯電話機として、本発明に係る情報処理システム及び画像形成システムについて、図面を用いて具体的に説明する。
【0057】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る情報処理システム及び画像形成システムの概念図であり、図2は本発明の実施の形態1に係る情報処理システム及び画像形成システムの要部構成を示すブロック図である。実施の形態1に係る情報処理システム及び画像形成システムは、デジタル複合機1及び携帯電話機2を有している。
【0058】
デジタル複合機1は、制御部11、画像入力部17、画像処理部18、画像出力部19、記憶部14、無線通信部16、リーダライタ15及び操作パネル12等のハードウェアを備え、全体としてデジタル複合機を構成している。
【0059】
制御部11は、これらのハードウェアを制御するCPUと、制御の際に必要なデータ等を一時的に保持するRAMとを備えている。記憶部14は、例えば、不揮発性の半導体メモリであり、画像処理用の画像データ、ハードウェア各部を制御するための制御プログラム、後述する一覧画面を表示するためのプログラム、無線通信部16を介して受信した画像データ等を記憶する。なお、記憶部14には、予めパスキーが複数格納されており、ユーザが操作パネル28、12を操作することによって、制御部11のCPUが操作パネル28、12を介してパスキーを受け付けた場合、制御部11のCPUは該パスキーと、記憶部14に記憶のパスキーとの比較を行う。
【0060】
また、制御部11は必要に応じて記憶部14から制御プログラムをロードし、ロードした制御プログラムを実行することにより、装置全体を本発明に係る画像形成装置として動作させる。
【0061】
また、操作パネル12は、ユーザの指示を受け付けるための各種ボタン、指示の確定を受け付けるエンターキー、テンキー等を備えている。また、操作パネル12は、液晶ディスプレイ等の表示部13を備え、携帯電話機2が有する画像、文書、ファイル(コンテンツデータ)等の一覧を表示する。なお、表示部13はタッチパネルとして機能するように構成されている。
【0062】
画像入力部17は、原稿の画像を光学的に読取る読取手段であり、読取用の原稿に光を照射する光源、例えばCCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等を備えている。画像入力部17では、所定の読取り位置にセットされた原稿からの反射光像を当該イメージセンサに結像させ、RGB(R : Red, G : Green, B : Blue)のアナログ電気信号を出力する。画像入力部17が出力したアナログ電気信号は画像処理部18に入力される。
【0063】
画像出力部19は、画像処理部18から出力される画像データに基づいて用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行う。そのため、画像出力部19は、感光体ドラム、該感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(図示せず)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像をシート上に形成する。なお、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
【0064】
画像処理部18は、画像入力部17を通じて入力されるアナログ電気信号を基にデジタル形式の画像データを生成し、画像の種類に応じた処理を施した後、出力用の画像データを生成する。生成した画像データは画像出力部19又は無線通信部16に出力される。
【0065】
無線通信部16は、例えばブルートゥース通信方式に対応できるものであり、所定近距離(例えば、100m)内の他のブルートゥース対応デバイス(例えば、後述の無線通信部27)と無線での接続を行う。詳しくは、ブルートゥース対応デバイスは固有のブルートゥースアドレス(識別データ)を有しており、ピコネットと呼ばれる近距離の臨時ネットワークを経由して、相互のブルートゥースアドレスを用いた通称ペアリングと呼ばれる接続相手の特定処理(認証)を行い、他のブルートゥース対応デバイスと無線で接続及び通信することができるように構成されている。前記ピコネットは、他のブルートゥース対応デバイスが所定距離範囲内に入ったとき、及び所定距離範囲から外れたときに、動的かつ自動的に確立又は消滅される。無線通信部16は、ブルートゥース対応デバイスに限るものでなく、例えば、IEEE802.11対応デバイスであっても良い。ただし、斯かる場合、無線通信部16に対応する後述の無線通信部27もIEEE802.11対応デバイスである必要がある。
【0066】
リーダライタ15は、後述する接触・非接触ICカード26と、いわゆる非接触方式の通信方式(RFIDシステム)を用いて、接触・非接触の状態でのデータの送受信を行う。以下、リーダライタ15と、接触・非接触ICカード26との間における非接触方式の通信について説明する。リーダライタ15からは常時起動信号(電磁波)が送信されており、接触・非接触ICカード26及びリーダライタ15が、互いに通信することが可能な程度にまで接近した場合に、接触・非接触ICカード26がリーダライタ15から送出された電磁波を受信する。接触・非接触ICカード26は、前記電磁波を受信した場合、該電磁波の搬送波を整流して直流電源を生成し、それで内部回路を駆動させる。そして、接触・非接触ICカード26は、振幅変調を行い、前記起動信号に応じて応答信号をリーダライタ15に送出する。例えば、Felica、Edy等のRFIDシステム等が採用される。リーダライタ15は、無線通信部16の固有のブルートゥースアドレス(識別データ)を接触・非接触ICカード26に送信する。
【0067】
一般に、ブルートゥース対応デバイスが前記ペアリングを行って、接続相手との接続を確立するためには、まず所定範囲内にあって、前記ブルートゥース対応デバイスとの接続が可能として、該デバイスによって検索される複数のデバイスのアドレスの中から、希望するデバイス(デジタル複合機1)を指定する操作が必要であるが、本発明に係る情報処理システム及び画像形成システムにおいては、このような煩わしい操作を省くことが出来る。
【0068】
一方、携帯電話機2は、装置全体を制御するCPU、プログラム、各種データ等を記録するROM、高速な書込/読取が可能なRAM等を有する制御部21と、電話番号、画像データ等を記憶する大容量のフラッシュメモリ24とを備えている。また、フラッシュメモリ24には、携帯電話機2が有する画像、文書、ファイル(コンテンツデータ)等の一覧を表示する一覧データ、各画像、サムネイル等の画像データが記憶されている。
【0069】
さらに、本発明に係る携帯電話機2は、通信インタフェースを備え基地局との通信を行う基地局通信部25と、ユーザの操作を受け付ける押釦等の操作パネル28と、撮影により映像を取得するカメラ、音声の入力を受け付けるマイク等の入力部23と、映像を出力する液晶モニタ、音声を出力するスピーカ等の出力部22とを備えている。
【0070】
また、本発明に係る携帯電話機2は、各種アプリケーションのプログラムを記憶する記憶部29を備えている。記憶部29には、データの送信方法を異にする、データの送信に係る第1アプリケーションプログラムP1及び第2アプリケーションプログラムP2が記憶されている。前記第1アプリケーションプログラムP1は、外部(例えば、デジタル複合機1)からの所定のデータに応じて、フラッシュメモリ24に記憶している前記一覧データを送信する処理を行う。前記第2アプリケーションプログラムP2は外部から所定のデータに応じて、その時点で表示部22に表示されている画像の画像データを送信する処理を行う。
【0071】
また、記憶部29には、後述するアプリケーション選択画面を表示部22に表示するためのプログラムが記憶されている。すなわち、携帯電話機2のCPUは、表示部22に前記アプリケーション選択画面を表示し、該アプリケーション選択画面を介して、前記第1アプリケーションプログラムP1又は第2アプリケーションプログラムP2の何れかの選択を受け付けることが出来る。
【0072】
なお、携帯電話機2は、接触・非接触ICカード26と、無線通信部27とを備えている。接触・非接触ICカード26は、いわゆる非接触方式の通信方式を用い、リーダライタ15と接触・非接触の状態でデータの送受信を行う。上述と同様に、Felica、Edy等が採用される。また、無線通信部27は、上述と同様に、例えばブルートゥース技術に対応できるものであり、他のブルートゥース対応デバイス(例えば、無線通信部16)が所定近距離(例えば100m)内にある場合、前記他のブルートゥース対応デバイスと無線での接続及び通信を行う。
【0073】
本発明の実施の形態1に係る携帯電話機2は、ユーザが携帯電話機2に記憶されているデータを送信する際、該データの送信方法を選択することができるように構成されている。つまり、本発明の実施の形態1に係る携帯電話機2は、ユーザが操作パネル28を操作し、記憶部29に記憶されている、前記第1アプリケーションプログラムP1又は第2アプリケーションプログラムP2の何れかを選択することによって、該データの送信方法を選択できる。上述したように、ユーザが第1アプリケーションプログラムP1を選択した場合は、フラッシュメモリ24に記憶されている画像、文書等のファイル名の一覧データが送信され、該一覧データに基づいて選択される画像の画像データが送信される。一方、ユーザが第2アプリケーションプログラムP2を選択した場合は、その時点で表示部22に表示されている画像に係るデータが送信される。
【0074】
以下、本発明の実施の形態1に係る情報処理システム、情報処理装置及び通信装置、並びに画像形成システム及び画像形成装置を、デジタル複合機1及び携帯電話機2の間の処理(情報処理、画像形成)を例として説明する。本発明の実施の形態1に係るデジタル複合機1に、ユーザの携帯電話機2に記憶されている画像データを送信して、シートに画像を印刷する場合を例として説明する。図3及び図4はデジタル複合機1の制御部11及び携帯電話機2の制御部21のCPUによる処理手順を示すフローチャートである。なお、上述したように、本発明の実施の形態1に係る情報処理システム及び画像形成システムにおいて、デジタル複合機1及び携帯電話機2は共にブルートゥース対応デバイスである。
【0075】
ユーザは、デジタル複合機1に、画像データを送信する操作に先だって、携帯電話機2の操作パネル28を操作することにより、前記画像データの送信におけるアプリケーションを選択する。以下においては、説明の便宜上、ユーザが第1アプリケーションプログラムP1を選択した場合を例として説明する。図5は、前記画像データの送信におけるアプリケーションを選択するためのアプリケーション選択画面の一例を示す例示図である。前記アプリケーション選択画面には、「1.第1アプリケーション」及び「2.第2アプリケーション」の項目が選択肢として表示されており、ユーザは操作パネル28を適宜操作することによって、これらの中、何れかを選択することが出来る。
【0076】
ユーザによる操作パネル28の操作によって、携帯電話機2のCPUは操作パネル28を介して、第1アプリケーションプログラムP1の選択を受け付ける(ステップS201)。
【0077】
一方、デジタル複合機1のCPUは携帯電話機2が所定範囲内に接近しているか否かを判定する(ステップS101)。デジタル複合機1に設けられたリーダライタ15からは、常時起動信号(電磁波)が送信されており、例えば、ユーザが携帯電話機2を、デジタル複合機1のリーダライタ15にかざした場合には、上述した手法によって、携帯電話機2の接触・非接触ICカード26から、前記起動信号に応じた応答信号がリーダライタ15に送出される。デジタル複合機1のCPUは、該応答信号を受信した場合に、携帯電話機2が所定範囲内に接近していると判定する。
【0078】
デジタル複合機1のCPUは、携帯電話機2が所定範囲内に接近していないと判定した場合(ステップS101:NO)、携帯電話機2が所定範囲内に接近するまで待機する。一方、デジタル複合機1のCPUは、携帯電話機2が所定範囲内に接近していると判定した場合(ステップS101:YES)、無線通信部16が有するブルートゥースアドレス(以下、デジタル複合機側アドレスという。)を読み出してリーダライタ15に送り、リーダライタ15は前記デジタル複合機側アドレス(識別データ)を、携帯電話機2の接触・非接触ICカード26に送信する(ステップS102)。
【0079】
一方、携帯電話機2のCPUは、接触・非接触ICカード26を監視することによって、前記デジタル複合機側アドレスを受信したか否かを判定する(ステップS202)。携帯電話機2のCPUは、前記デジタル複合機側アドレスを受信していないと判定した場合(ステップS202:NO)、前記デジタル複合機側アドレスを受信するまで待機する。携帯電話機2のCPUは、前記デジタル複合機側アドレスを受信したと判定した場合(ステップS202:YES)、受信した前記デジタル複合機側アドレスを接触・非接触ICカード26の記憶領域に記憶する。
【0080】
図6は接触・非接触ICカード26の記憶領域の構成を説明するための説明図である。接触・非接触ICカード26の記憶領域は、共通領域26B及びプライベート領域26A(フリーエリア)を備えている。受信した前記デジタル複合機側アドレス(識別データ)は、接触・非接触ICカード26のプライベート領域26Aに書き込まれる。プライベート領域26Aは、サービス事業者が自由に利用することが可能な領域である。プライベート領域26Aを用いることで自由度の高い書き込みが可能となる。一方共通領域にデータを書き込むことも可能であるが、この場合はカードのネットワークのリモート発行システムを利用しなければならず、書き込む場合の自由度が低いと言う問題がある。
【0081】
次いで、携帯電話機2のCPUは、デジタル複合機1にペアリングの要求、及び後述する携帯電話機側アドレスを送信する(ステップS203)。斯かる処理は、携帯電話機2の無線通信部27が、無線通信部27のブルートゥースアドレス(以下、携帯電話機側アドレスという。)と、ペアリングを要求する旨のデータとを、デジタル複合機1の無線通信部16に送信することにより行われる。
【0082】
一方、デジタル複合機1のCPUは無線通信部16を監視することにより、携帯電話機2からペアリングの要求及び前記携帯電話機側アドレスの受信があったか否かを判定する(ステップS103)。デジタル複合機1のCPUは、ペアリングの要求及び前記携帯電話機側アドレスの受信がなかったと判定した場合(ステップS103:NO)、携帯電話機2からペアリングの要求及び前記携帯電話機側アドレスの受信があるまで待機する。デジタル複合機1のCPUは、ペアリングの要求及び前記携帯電話機側アドレスの受信があったと判定した場合(ステップS103:YES)、受信した携帯電話機側アドレスを記憶部14に記憶し、操作パネル12の表示部13にパスキーの入力を促すパスキー入力画面を表示し(ステップS104)、ユーザにパスキーの入力を要求する。
【0083】
ユーザは操作パネル12又は表示部13のタッチパネルを適宜操作することによって、パスキーの入力を行い、デジタル複合機1のCPUは操作パネル12(又は表示部13のタッチパネル)を介してユーザが入力したパスキーを受け付け(ステップS105)、該パスキーを記憶部14に一時的に記憶する。
【0084】
また、デジタル複合機1のCPUは、前記パスキーを記憶部14に予め記憶されているパスキーと比較し、正しいと判定した場合は、ペアリングが完了し、デジタル複合機1及び携帯電話機2は接続が確立され、互いに通信可能な状態に設定される。一方、正しくないと判定した場合は、その旨及び再度の入力を促す画面を表示部13に表示する。
【0085】
その後、デジタル複合機1のCPUは、携帯電話機2からのデータの受信に係る、携帯電話機2のアプリケーションプログラムの実行を指示する旨の指示データを、無線通信部16を介して携帯電話機2に送信する(ステップS106)。
【0086】
携帯電話機2のCPUは、無線通信部27を介して、前記アプリケーションプログラムの実行を指示する旨の指示データを、デジタル複合機1から受信する(ステップS204)。
【0087】
斯かる場合、携帯電話機2のCPUは、ステップS201にて選択を受け付けた、前記第1アプリケーションのプログラムを実行させる。すなわち、携帯電話機2のCPUは、前記アプリケーションプログラムの実行を指示する旨の指示データを受信した場合、フラッシュメモリ24に記憶している一覧データを読み出し、無線通信部27を介してデジタル複合機1の無線通信部16に送信する(ステップS205)。
【0088】
デジタル複合機1のCPUは、携帯電話機2から送信される前記一覧データを、無線通信部16を介して受信し(ステップS107)、記憶部14に記憶する。
【0089】
次いで、デジタル複合機1のCPUは、記憶部14に記憶している前記一覧データに基づき、印刷を希望するファイルの選択をユーザから受け付けるための一覧画面を、表示部13に表示する(ステップS108)。
【0090】
図7はデジタル複合機1の表示部13に表示される前記一覧画面の一例を示す例示図である。前記一覧画面には、前記ファイル名の一覧データに基づく複数のファイル名が、例えば、スクロール表示されており、ユーザの操作パネル12又は表示部13(タッチパネル)の操作によって選択されたファイルのサムネイルが表示されるように構成されている。また、前記一覧画面には、「変倍」、「部数」、「印刷」等のソフトキーが設けられており、ユーザから印刷の部数、変倍等の印刷条件を受け付けることが出来る。印刷を希望するファイルの選択、印刷条件の入力が終わった場合、ユーザは「印刷」ソフトキーを操作し、印刷の開始を指示する。このような場合、携帯電話機2の小さい液晶モニタ画面を見ながら小さいキーを操作するものでなく、デジタル複合機1の大きな表示部13にて希望するファイルの選択を行うので、画像の参照性及びキーの操作性が高くなる。
【0091】
デジタル複合機1のCPUは、操作パネル12及び表示部13のタッチパネルを介して、ユーザから印刷を希望するファイルの選択を受け付ける(ステップS109)。デジタル複合機1のCPUは、ユーザから印刷を希望するファイルの選択を受け付けた場合、ユーザから印刷指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS110)。斯かる判定は、CPUが操作パネル12及び表示部13のタッチパネルを監視することによって行われる。
【0092】
デジタル複合機1のCPUは、印刷指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS110:NO)、ユーザから印刷指示を受け付けるまで待機する。一方、デジタル複合機1のCPUは、ユーザから印刷指示を受け付けたと判定した場合(ステップS110:YES)、選択されたファイル(以下、選択ファイルという。)の画像データを携帯電話機2に要求する旨の要求データを、無線通信部16を介して携帯電話機2に送信する(ステップS111)。
【0093】
一方、携帯電話機2のCPUは、無線通信部27を介して、デジタル複合機1から、前記選択ファイルの画像データを要求する旨の要求データを受信する(ステップS206)。前記要求データを受信した携帯電話機2のCPUは、フラッシュメモリ24から前記選択ファイルの画像データを読み出し、無線通信部27を介してデジタル複合機1に送信する(ステップS207)。
【0094】
一方、デジタル複合機1のCPUは無線通信部16を介して、携帯電話機2から選択ファイルの画像データを受信して(ステップS112)、該画像データを記憶部14に記憶する。
【0095】
次いで、デジタル複合機1のCPUは、記憶部14に記憶している前記画像データを画像出力部19に送り、前記画像データに基づく画像の印刷を画像出力部19に指示することにより、前記画像データに基づく画像をシートに印刷する(ステップS113)。
【0096】
デジタル複合機1のCPUは、前記印刷の際において、前記印刷が正常終了したこと、又は異常が発生したこと等の印刷結果を通知する旨のデータを、無線通信部16を介して、携帯電話機2に送信し(ステップS114)、処理を終了する。
【0097】
一方、携帯電話機2のCPUは、デジタル複合機1から、前記印刷結果を通知する旨のデータを、無線通信部27を介して取得し(ステップS208)、フラッシュメモリ24に記憶する。
【0098】
次いで、携帯電話機2のCPUは、フラッシュメモリ24に記憶している前記印刷結果を通知する旨のデータに基づき、出力部22を介した出力を行い(ステップS209)、処理を終了する。該出力は、例えば、携帯電話機2の前記液晶モニタへ、前記印刷結果を通知する旨のテキストを表示するものであっても良く、前記印刷結果を通知する旨の音声、警告音等を、携帯電話機2のスピーカを介して出力するものであっても良い。
【0099】
以上にて記載したように、本発明に係る情報処理システム及び画像形成システムにおいては、デジタル複合機1からデジタル複合機側アドレスを受信し、ユーザが該デジタル複合機側アドレスを用いてデジタル複合機1にデータを送信するので、携帯電話機2からユーザの意図に反して、携帯電話機2側の秘密情報(例えば、アドレス、パスキー等)が流出されることを未然に防止することが可能である。
【0100】
以上の実施の形態1の記載においては、パスキーの確実な設定のためユーザの手動入力によりパスキーを入力する場合を例として説明したが、手軽さを優先するのであればパスキーの受け渡しを、デジタル複合機1のリーダライタ15及び携帯電話機2の接触・非接触ICカード26を介して行われるように構成しても良い。
【0101】
なお、パスキーを入力できないデバイス(マウス、ヘッドセット等)においては、前記パスキーを固定値にする構成であってもよく、パスキーの入力が不要にするような構成であっても良い。例えば、このようなパスキーを入力できないデバイスの場合は、デフォルトとして、例えば「0000」のような単純な羅列のパスキーとしても良い。
【0102】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係る情報処理システム、情報処理装置及び通信装置、並びに画像形成システム及び画像形成装置を、デジタル複合機1及び携帯電話機2の間の処理(情報処理、画像形成)を例として説明する。本発明の実施の形態2に係るデジタル複合機1に、ユーザの携帯電話機2に記憶されている画像データを送信して、シートに画像を印刷する場合を例として説明する。本発明の実施の形態2に係る情報処理システム及び画像形成システムにおいては、パスキーの受け渡しを、デジタル複合機1のリーダライタ15及び携帯電話機2の接触・非接触ICカード26を介して行われるように構成されている。図8はデジタル複合機1の制御部11及び携帯電話機2の制御部21のCPUによる処理手順を示すフローチャートである。
【0103】
携帯電話機2のユーザは、デジタル複合機1に、画像データを送信する操作に先だって、実施の形態1と同様、携帯電話機2の操作パネル28を操作することにより、前記画像データの送信におけるアプリケーションを選択する。以下においては、説明の便宜上、ユーザが第2アプリケーションプログラムP2を選択した場合を例として説明する。
実施の形態1と同様の手法でユーザが操作パネル28の操作によって、携帯電話機2のCPUは操作パネル28を介して、第2アプリケーションプログラムP2の選択を受け付ける(ステップS401)。
【0104】
その後、ユーザは、携帯電話機2を操作し、印刷を希望する画像を選択し、該画像を表示部22に表示する(ステップS402)。図9は携帯電話機2において、印刷を希望する画像を選択して、表示部22に表示する操作を説明するための説明図である。携帯電話機2の液晶モニタ(出力部22)には、フラッシュメモリ24に記憶されている画像データのサムネイルが表示され、キー(押ボタン等の操作パネル28)を操作してカーソルを移動させることにより、何れかのサムネイルを選択できる。希望するサムネイルを選択した場合、選択されたサムネイルに係るファイル(以下、選択ファイル)名及び前記サムネイルより大きい画像が出力部22に表示される。その後、ユーザは上述したように印刷すべきファイルが選択された状態の携帯電話機2を、デジタル複合機1のリーダライタ15にかざす。
【0105】
一方、デジタル複合機1のCPUは携帯電話機2が所定範囲内に接近しているか否かを上述した手法によって判定する(ステップS301)。デジタル複合機1のCPUは、携帯電話機2が所定範囲内に接近していないと判定した場合(ステップS301:NO)、携帯電話機2が所定範囲内に接近するまで待機する。一方、デジタル複合機1のCPUは、携帯電話機2が所定範囲内に接近していると判定した場合(ステップS301:YES)、無線通信部16が有するブルートゥースアドレス(以下、デジタル複合機側アドレスという。)パスキーを読み出してリーダライタ15に送り、リーダライタ15は前記デジタル複合機側アドレス及びパスキーを、携帯電話機2の接触・非接触ICカード26に送信する(ステップS302)。
【0106】
一方、携帯電話機2のCPUは、接触・非接触ICカード26を監視することによって、パスキー及び前記デジタル複合機側アドレスを受信したか否かを判定する(ステップS403)。携帯電話機2のCPUは、パスキー及び前記デジタル複合機側アドレスを受信していないと判定した場合(ステップS403:NO)、パスキー及び前記デジタル複合機側アドレスを受信するまで待機する。携帯電話機2CPUは、パスキー及び前記デジタル複合機側アドレスを受信したと判定した場合(ステップS403:YES)、受信した前記デジタル複合機側アドレス及びパスキーを接触・非接触ICカード26の記憶領域に記憶する。
【0107】
次いで携帯電話機2のCPUは、フラッシュメモリ24に記憶の携帯電話機側アドレス及び前記パスキーを、無線通信部27を介してデジタル複合機1に送信し(ステップS404)、デジタル複合機1との接続の確立を図る。
【0108】
一方、デジタル複合機1のCPUは無線通信部16を介して、携帯電話機2から前記携帯電話機側アドレス及びパスキーを受信し(ステップS303)、前記携帯電話機側アドレス及びパスキーを記憶部14に記憶する。なお、携帯電話機側アドレス及びパスキーを受信することによってペアリングが完了し、デジタル複合機1及び携帯電話機2は接続が確立され、互いに通信可能な状態に設定される。
【0109】
次いで携帯電話機2のCPUは、接続が確立された旨のデータを、無線通信部27を介してデジタル複合機1に送信することによって、接続確立の通知を行う(ステップS405)。
【0110】
デジタル複合機1のCPUは無線通信部16を介して、携帯電話機2から接続が確立された旨の接続確立の通知を受信する(ステップS304)。その後、デジタル複合機1のCPUは、携帯電話機2からのデータの受信に係る、携帯電話機2のアプリケーションプログラムの実行を指示する旨の指示データを、無線通信部16を介して携帯電話機2に送信する(ステップS305)。
【0111】
携帯電話機2のCPUは、無線通信部27を介して、前記アプリケーションプログラムの実行を指示する旨の指示データを、デジタル複合機1から受信する(ステップS406)。
【0112】
斯かる場合、携帯電話機2のCPUは、ステップS401にて選択を受け付けた、前記第2アプリケーションのプログラムを実行させる。すなわち、携帯電話機2のCPUは、前記アプリケーションプログラムの実行を指示する旨の指示データを受信した場合、その時点で表示部22に表示している画像、換言すれば、ステップS402にて表示部22に表示した画像の画像データをフラッシュメモリ24から読み出し、無線通信部27を介してデジタル複合機1の無線通信部16に送信する(ステップS407)。
【0113】
一方、デジタル複合機1のCPUは無線通信部16を介して、携帯電話機2から前記画像データを受信して(ステップS306)、該画像データを記憶部14に記憶する。
【0114】
次いで、デジタル複合機1のCPUは、記憶部14に記憶している前記画像データを画像出力部19に送り、前記画像データに基づく画像の印刷を画像出力部19に指示することにより、前記画像データに基づく画像をシートに印刷する(ステップS307)。
【0115】
また、デジタル複合機1のCPUは、前記印刷の際において、前記印刷が正常終了したこと、又は異常が発生したこと等の印刷結果を通知する旨のデータを、無線通信部16を介して、携帯電話機2に送信し(ステップS308)、処理を終了する。
【0116】
一方、携帯電話機2のCPUは、デジタル複合機1から、前記印刷結果を通知する旨のデータを、無線通信部27を介して取得し(ステップS408)、フラッシュメモリ24に記憶する。
【0117】
次いで、携帯電話機2のCPUは、フラッシュメモリ24に記憶している前記印刷結果を通知する旨のデータに基づき、出力部22を介した出力を行い(ステップS409)、処理を終了する。
【0118】
以上のように構成することによって、実施の形態2に係る通信システム、情報処理システム及び画像形成システムにおいては、既に印刷すべきファイルが選択された状態の携帯電話機2をデジタル複合機1に近づけるだけで、すぐに印刷することができ、印刷作業が非常に容易となる。
【0119】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0120】
以上の実施の形態においては、デジタル複合機1が、データ送信に係るアプリケーションを2つ持つ場合を例として説明したが、これに限るものでない。ユーザのニーズに対応して多数のアプリケーションを設け、ユーザの使い勝手を高めることも可能であり、ひいては、他のアプリケーションのプログラムが同期して実行するように構成しても良い。例えば、コンビニエンスストアに設置された貸し出し用のデジタル複合機においては、前記第2アプリケーションが選択された場合、携帯電話機2から画像データの送信が行われる都度、電子マネーの課金に係るアプリケーションのプログラムが同期して実行されるように構成してもよい。
【0121】
なお、本実施の形態においては、デジタル複合機(デジタル複合機1)及び携帯電話機2を例にあげて、本発明に係る画像形成装置、携帯情報端末装置、通信システム、情報処理システム及び画像形成システムについて説明したが、これに限るものでない。例えば、携帯電話機が通信機能を有するデジタルカメラであっても良い。またモバイルコンピュータ又はPDAと称される携帯端末であってもよい。また、携帯電話機からデータを送信するだけでなく、デジタル複合機が有するスキャナで読み取った原稿画像のデータを、携帯電話機に送信する方法でも良い。さらに、デジタル複合機にある記憶装置内に蓄積されたファックス画像のデータ、電子データ等を携帯電話機に送信することも含まれる。また、例えば、デジタル複合機(デジタル複合機1)におけるリーダライタ15及び無線通信部16のように、携帯電話機2における接触・非接触ICカード26及び無線通信部27のように、2つ以上の通信手段を備え、互いに通信を行う機器の間では、本発明の同様な効果を奏することが出来る。
【0122】
なお、本実施の形態では、ユーザが携帯電話機2を、デジタル複合機1のリーダライタ15にかざした場合、リーダライタ15から携帯電話機2の接触・非接触ICカード26に、前記デジタル複合機側アドレスが送出される場合を例として説明したが、これに限定するものでない。例えば、ユーザが携帯電話機2を、デジタル複合機1のリーダライタ15にかざした場合、逆に携帯電話機2の接触・非接触ICカード26からデジタル複合機1のリーダライタ15に、前記携帯電話機側アドレスが送出されるように構成してもよく、又はアプリケーションを実行させる指示が送出されるように構成しても良い。
【0123】
また、本実施の形態では、デジタル複合機1が携帯電話機2から画像データを受信して、該画像データに基づく画像の印刷(画像形成)を行う場合を例として説明したが、これに限るものでない。例えば、モバイルコンピュータ又はPDAと称される携帯端末から、テキストデータを受信して編集を行う場合、画像データを受信して該画像データの変倍、回転を行う場合等、いわゆるデータ処理(又は情報処理)においても、同様の効果を得ることが出来ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0124】
1 デジタル複合機(情報処理装置、画像形成装置)
2 携帯電話機(通信装置、携帯通信装置)
11 制御部
13 表示部
14 記憶部
15 リーダライタ(送信手段)
16 無線通信部(第2送受信手段、送受信手段、通信手段)
21 制御部
22 出力部(表示部)
24 フラッシュメモリ
26 接続・非接続ICカード(受信手段)
27 無線通信部(第1送受信手段、通信手段)
29 記憶部
P1 第1アプリケーションプログラム
P2 第2アプリケーションプログラム
26A プライベート領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と、該通信装置からデータを取得して、該データの処理を行う情報処理装置とを備える情報処理システムにおいて、
前記通信装置は、
前記情報処理装置とのデータの送受信を行う第1送受信手段と、
情報処理装置用の識別データを、前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記情報処理装置とのデータの送受信に係るアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記通信装置の第1送受信手段とのデータの送受信を行う第2送受信手段と、
情報処理装置用の識別データを、前記通信装置の受信手段に送信する送信手段と、
前記通信装置の記憶手段が記憶しているプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段と
を備えていることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記通信装置は、
前記記憶手段が複数のアプリケーションのプログラムを記憶しており、
前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記指示データを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行させる実行手段と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通信装置は、
記憶しているコンテンツに係る画像を表示する表示部を備えており、
前記記憶手段は、
記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを前記情報処理装置に送信する処理を含む第1アプリケーションのプログラム、又は前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを前記情報処理装置に送信する処理を含む第2アプリケーションのプログラムを記憶するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通信装置は、
前記選択受付手段が前記第1アプリケーションのプログラムの選択を受け付けた場合は、前記情報処理装置から所定距離以内に接近したとき、前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを前記情報処理装置の第2送受信手段に送信するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
表示部と、
受信した一覧データに基づく一覧画面を、前記表示部に表示する表示手段と、
前記一覧画面に表示されたコンテンツの中から、コンテンツの選択を受け付けるコンテンツ選択受付手段と、
該コンテンツ選択受付手段が受け付けたコンテンツのデータを要求する要求データを前記通信装置に送信する要求送信手段と
を備えていることを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記送信手段及び受信手段はRFIDシステムを用いた通信を行うように構成され、
前記第1送受信手段及び第2送受信手段は、前記RFIDシステムより遠距離又は高速度の無線通信を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記通信装置は、
前記受信手段が、受信した識別データを前記RFIDシステム内の記憶領域中の、フリーエリアに記憶するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
外部とデータの送受信を行う送受信手段と、
送受信手段用の識別データを送信する送信手段と、
送受信相手先が有する、データの送受信に係るアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段と
を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
表示部と、
前記送受信手段が、送受信相手先が記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを受信した場合、該一覧データに基づく一覧画面を、前記表示部に表示する表示手段と、
前記一覧画面に表示されたコンテンツの中から、コンテンツの選択を受け付けるコンテンツ選択受付手段と、
該コンテンツ選択受付手段が受け付けたコンテンツのデータを要求する要求データを前記送受信相手先に送信する要求送信手段と
を備えていることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
通信を行う通信手段と、
通信相手先の識別データを、通信相手先から受信する受信手段と、
前記通信相手先との通信に係る複数のアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段と、
前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付ける選択受付手段と、
所定のデータを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行させる実行手段と
を備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項11】
記憶しているコンテンツに係る画像を表示する表示部を備えており、
前記記憶手段は、
記憶しているコンテンツを一覧表示する一覧データを送信する処理を含む第1アプリケーションのプログラム、又は前記表示部に表示された画像に係るコンテンツのデータを送信する処理を含む第2アプリケーションのプログラムを記憶するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
携帯通信装置と、該携帯通信装置からデータを取得して、該データに基づく画像を形成する画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、
前記携帯通信装置は、
前記画像形成装置とのデータの送受信を行う第1送受信手段と、
画像形成装置用の識別データを、前記画像形成装置から受信する受信手段と、
前記画像形成装置とのデータの送受信に係るアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段とを備え、
前記画像形成装置は、
前記携帯通信装置の第1送受信手段とのデータの送受信を行う第2送受信手段と、
画像形成装置用の識別データを、前記携帯通信装置の受信手段に送信する送信手段と、
前記携帯通信装置の記憶手段が記憶しているアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段と
を備えていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項13】
前記画像形成装置は、
画像の形成における、異常発生又は正常終了の旨を、前記携帯通信装置に通知する通知手段を備えていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成システム。
【請求項14】
携帯通信装置と、該携帯通信装置からデータを取得して、該データに基づく画像の形成を行う画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、
前記携帯通信装置は、
ブルートゥース通信方式を用い、前記画像形成装置とデータの通信を行う第1データ通信手段と、
RFID通信方式を用い、前記画像形成装置の固有アドレスを、該画像形成装置から受信するデータ受信手段と、
前記画像形成装置とのデータの通信に係る複数のアプリケーションのプログラムを記憶する記憶手段と、
前記複数のアプリケーションのプログラムの中から、実行すべきプログラムの選択を受け付ける選択受付手段とを備えており、
前記画像形成装置は、
ブルートゥース通信方式を用い、前記携帯通信装置の第1データ通信手段とデータの通信を行う第2データ通信手段と、
RFID通信方式を用い、前記画像形成装置の固有アドレスを、前記携帯通信装置の受信手段に送信する送信手段と、
前記携帯通信装置の記憶手段が記憶しているアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段とを備えており、
前記携帯通信装置は、前記指示データを受信した場合、前記選択受付手段が受け付けた選択に係るプログラムを実行するように構成されていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項15】
ブルートゥース通信方式を用い、データの通信を行う通信手段と、
該通信手段の固有アドレスを、RFID通信方式を用い、送信する送信手段と、
通信相手先が有する、データの通信に係るアプリケーションのプログラムを実行させる指示データを送信する指示送信手段と、
表示部とを備え、
前記アプリケーションのプログラムの実行によって受信したデータに基づく画像を、前記表示部又はシートに形成するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−219680(P2010−219680A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61760(P2009−61760)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】