説明

情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法

【課題】情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法を提供すること。
【解決手段】周囲の特定の事象に関する状態を検出し、状態を状態信号として出力するセンサ装置100と、センサ装置の出力に基づいて動作する通信装置とからなる情報処理システム10であって、通信装置は、センサ装置から状態信号が入力される信号入力部と、信号入力部に入力される状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成するビット列生成部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信機能を備えた多数のセンサ機器によって形成されるセンサネットワークが提案されている。センサネットワークを形成する無線通信端末装置は、一般的に低コストを重視して開発されるため、コンピュータ装置などと比較すると計算能力が非常に乏しい場合が多い。これら多数の無線通信端末装置間で送受信される情報を暗号化および認証するためには、各無線通信端末装置に暗号化および認証のための鍵情報を設定する必要がある。これら多数の無線通信端末装置に鍵情報をどのようして設定するかは、大きな課題である。
【0003】
上記鍵情報の安全な設定方法としては、例えば、ユーザが手動で設定する方法、サーバなどの管理機器と有線接続して鍵情報を配送する方法および無線通信を利用する方法などの様々な態様が考えられる。
【0004】
これらのうち、ユーザが手動で設定する方法や、有線接続して鍵情報を配送する方法は、多数の無線通信端末装置に順次鍵情報を設定する必要があるため、ユーザに大きな負荷がかかる。一方、無線通信を利用する方法は、鍵情報を設定するのに自由度が高い無線通信を利用するため、上記ユーザが多数の無線通信端末装置に順次鍵情報を設定するといった負荷はかからない。ただし、第3者の装置が、無線通信を傍受して鍵情報が不正に傍受されることを防止する必要がある。
【0005】
無線通信を利用した鍵情報の配送を、周辺に存在する第3者端末が無線通信を傍受していたとしても、安全に実現する方法としては、例えば、Diffie-Hellman鍵交換方式などに代表される公開鍵手法に基づく鍵交換方式が知られている。しかし、これらの方式は、計算量が大きいため、計算能力に乏しい無線通信端末装置への搭載は困難であるという問題があった。
【0006】
一方、かかる問題に対応できる技術として、例えば特許文献1には、無線通信を利用した初期鍵の配送方法が開示されている。より詳細には、無線通信端末装置が送信する初期鍵登録要求を受信した固定基地局が、当該固定基地局の無線出力を当該固定基地局の極近傍でのみ通信を行うことができる程度の強度に低下させて、初期鍵登録要求を送信した無線通信端末装置に初期鍵を発行する手法について記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−79975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の鍵配送方法では、無線通信の特性により、上記極近傍の範囲を明確に線引きできないため、無線ネットワークシステム周辺に存在する不正な第3者の端末装置により、鍵情報あるいはビット列を盗聴されてしまうおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複雑な計算処理を要することなく、所定長さのビット列を生成することが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、周囲の特定の事象に関する状態を検出し、該状態を状態信号として出力するセンサ装置と、センサ装置が出力する状態信号に基づいて情報の処理を行う情報処理装置とからなる情報処理システムであって、情報処理装置は、センサ装置から状態信号が入力される信号入力部と、信号入力部に入力される状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成するビット列生成部とを備えることを特徴とする、情報処理システムが提供される。
【0011】
かかる構成によれば、センサ装置は、センサ装置の周囲において不規則に変化する特定の事象の状態に基づいて状態信号を生成するため、異なる時間および環境下で生成された状態信号は非同一となる。また、情報処理装置は、該状態信号に基づいてビット列を生成する。したがって、情報処理装置に複雑な乱数発生機能を設けることなく、該ビット列を乱数情報として用いることが可能となる。
【0012】
情報処理装置は、他の情報処理装置と情報の送受信を行う送受信部と、所定の認証情報を生成し、送受信部を介して他の情報処理装置に認証情報を送信する認証情報生成部と、他の情報処理装置から認証情報に対する応答情報を送受信部を介して受信し、該応答情報に基づいて他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したか否かを確認する確認部とをさらに備えるとしてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、複数の情報処理装置の各認証情報生成部は、それぞれ認証情報を生成し、該認証情報を送受信部を介して他の情報処理装置に送信する。他の情報処理装置は該認証情報に基づいて応答情報を生成し、該応答情報を認証情報の送信元の情報処理装置に送信する。したがって、複数の情報処理装置の確認部は、送受信部を介して上記応答情報を受信し、該応答情報に基づいて、複数の情報処理装置間で同一のビット列が生成されたか否かを確認することができる。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、周囲の特定の事象に関する状態を検出し、該状態を状態信号として出力するセンサ装置から、状態信号が入力される信号入力部と、信号入力部に入力される状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成するビット列生成部とを備えることを特徴とする、情報処理装置が提供される。
【0015】
かかる構成によれば、情報処理装置は、センサ装置が検出した周囲の特定の事象に関する状態に対応する状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成することができる。したがって、情報処理装置は、特段の乱数発生手段を備えることなく、再現性の極めて低いビット列を生成可能である。
【0016】
他の情報処理装置と情報の送受信を行う送受信部と、所定の認証情報を生成し、送受信部を介して他の情報処理装置に認証情報を送信する認証情報生成部と、他の情報処理装置から認証情報に対する応答情報を送受信部を介して受信し、該応答情報に基づいて他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したか否かを確認する確認部とをさらに備えるとしてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、複数の情報処理装置の各認証情報生成部は、それぞれ認証情報を生成し、該認証情報を送受信部を介して他の情報処理装置に送信する。他の情報処理装置は該認証情報に基づいて応答情報を生成し、該応答情報を認証情報の送信元の情報処理装置に送信する。したがって、複数の情報処理装置の確認部は、送受信部を介して上記応答情報を受信し、該応答情報に基づいて、複数の情報処理装置間で同一のビット列が生成されたか否かを確認することができる。
【0018】
記憶部をさらに備え、該記憶部は、確認部により自己と他の情報処理装置とが生成したビット列が同一であると確認された場合、該ビット列を記憶するとしてもよい。かかる構成により、情報処理装置は、目的や用途尾に応じて、情報処理装置において過去に生成されたビット列を読み出して使用することができる。
【0019】
記憶部に記憶されたビット列は、他の情報処理装置との間で所定の情報を送受信する際に鍵情報として用いられるとしてもよい。かかる構成によれば、同一のビット列を共有する情報処理装置間において、一方の情報処理装置がビット列を用いて暗号化したデータを他方の情報処理装置に送信し、該他の情報処理装置が、該暗号化されたデータを上記ビット列を用いて復号することができる。
【0020】
ビット列は、状態信号が所定の閾値を境に2値化されたものであるとしてもよい。かかる構成によれば、信号受信部に入力される状態信号のデータ容量を抑制し、センサ装置と情報処理装置との通信効率の向上を図ることができる。
【0021】
ビット列生成部は、所定の閾値を境に2値化された状態信号を所定の間隔で区分し、各区分に含まれる第一の値または第二の値のビット数をカウントし、該カウント値を2進数変換してビット列を生成するとしてもよい。かかる構成によれば、上記所定の閾値や、間隔を適宜設定することができる。したがって、ある使用者の情報処理装置群と同一環境下に第三者の情報処理装置が存在したとしても、上記ある使用者の情報処理装置においては、第三者の情報処理装置が生成するビット列と異なるビット列を生成することができる。
【0022】
信号入力部に入力される状態信号はデジタル形式であるとしてもよい。かかる構成によれば、情報処理装置にA/D変換部を設けることなく、信号入力部に入力される状態信号を、直接ビット列の生成に用いることができる。
【0023】
信号入力部に入力される状態信号はアナログ形式であり、状態信号を、デジタル形式に変換し、ビット列生成部に出力するデジタル信号変換部を含むとしてもよい。かかる構成によれば、ビット列生成部は、デジタル信号変換部が信号入力部に入力される状態信号をデジタル変換することにより、該デジタル変換された状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成することができる。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、周囲の特定の事象に関する状態を検出し、該状態を状態信号として出力するセンサ装置から、状態信号が情報処理装置に入力されるステップと、情報処理装置が状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成するステップとを含むことを特徴とする、情報処理方法が提供される。
【0025】
かかる構成を有する情報処理方法によれば、センサ装置が検出した周囲の特定の事象に関する状態に対応する状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成することができる。したがって、該情報処理方法によれば、特段の乱数発生工程を含むことなく、再現性の極めて低いビット列を乱数として生成可能である。
【0026】
他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したか否かを確認するステップと、他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したことを確認した場合、ビット列を記憶するステップと、を含むとしてもよい。かかる構成によれば、各情報処理装置は、同一環境下にある複数の情報処理装置において同一のビット列が生成されたか否かを確認し、同一のビット列が生成された場合には各情報処理装置は該ビット列を記憶する。したがって、同一環境下にある複数の情報処理装置において、同一のビット列を乱数情報として共有することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、複雑な計算処理を要することなく所定長さのビット列を生成することが可能な情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態にかかる情報処理システムついて説明する。
【0030】
図1は、本実施形態にかかる情報処理システム10の構成を示したブロック図である。情報処理システム10は、センサ装置100および情報処理装置としての通信端末装置200を含む。
【0031】
センサ装置100は、検出部110、状態信号生成部120およびデジタル信号出力部130を含む。センサ装置100としては、例えば、人や物の存在を感知する人(物)センサ、振動を感知する振動センサ、気体中の成分を感知する気体成分センサ、光を感知する光センサ、赤外線や体温を感知する赤外線センサ、音を感知する音センサおよび風向きや風速を感知する風向・風速センサなどがあげられる。
【0032】
検出部110は、周囲の特定の事象に関する状態あるいは状態値を検出する。例えば、周囲の振動の大きさ、光の明るさ、音の大きさおよび風向・風速などの状態あるいは状態値を検出する。
【0033】
状態信号生成部120は、検出部110により検出された状態に基づいて状態信号を生成する。本実施形態における状態信号は、検出部110が検出した状態値に基づいて生成されたデジタル形式の信号である。しかし、状態信号生成部120は、状態値の大小を状態信号に必ずしも正確に反映させる必要は無く、状態値が所定の境界を越えるか否かに応じて2値化された状態信号を生成するとしてもよい。
【0034】
デジタル信号出力部130は、状態信号生成部120により生成された状態信号を通信端末装置200に出力する。
【0035】
本実施形態においては、デジタル信号出力部130の出力する状態信号がデジタル形式である場合を例にとって説明するが、デジタル信号出力部130はアナログ形式の状態信号を出力することもできる。アナログ形式の状態信号は、検出部110が検出する状態あるいは状態値が連続的に変化するアナログ形式である場合に、その状態値に対して連続的に値が変化する信号である。
【0036】
センサ装置100において、検出部110が検出する状態あるいは状態値がアナログ形式でも、出力する状態信号を離散的な数値か符号の形をとるデジタル形式の信号とすることもできる。この場合、状態信号の数値は重要でなく、状態値があるレベルより高いか低いかを示す情報であってもよい。例えば、周囲の明るさと、あらかじめ定められた明るさの基準とを比較し、照明を点灯するか、消灯する場合がこれに相当する。一方、検出部110が検出する状態も2つの状態のどちらか、すなわちデジタル形式である場合がある。例えば、プリンタに用紙があるか否かを検出部110が検出する場合がこれに相当する。
【0037】
センサ装置100から出力されるデジタル形式の状態信号の一例としては、上記センサ装置の種類に応じて、ある場所に物体があるか否かの情報、振動があるか否かの情報、気体中にある成分が含まれるか否かの情報、照明が点灯してるか否かの情報、人が近づいたか、離れたかの情報、ある一定音量以上の音が聞こえるか否かの情報、風向がある一定方向を向いているか否かの情報、またはある一定量以上の風が吹いているか否かの情報を含む。
【0038】
通信端末装置200は、デジタル信号入力部210、乱数情報生成部220、乱数情報一致確認部230、送信部240、受信部250および乱数共有部260を含む。通信端末装置200は、PC(Personal Computer)や携帯電話などの情報処理装置より情報処理能力が低くてもよい。情報処理能力が低い装置とは、具体的には、処理能力の低いCPU(ビット数、クロック数)や容量が少ない記憶装置(ROM、RAM)を搭載する装置を想定する。
【0039】
デジタル信号入力部210は、信号入力部として機能し、センサ装置100のデジタル信号出力部130からデジタル形式の状態信号が入力される。デジタル信号入力部210は、入力された状態信号を乱数情報生成部220に出力する。
【0040】
ビット列生成部の一例としての乱数情報生成部220は、デジタル信号入力部210より与えられる、第一の値としての「1」か、第二の値としての「0」かの情報より乱数情報(ビット列)を生成する。乱数情報生成部220は、例えば、タイマを内蔵しており、ある一定間隔時間ごとに得られるデジタル形式の状態信号からビット列を生成することができる。また、ある時間間隔に何回の「0」または「1」の状態信号が得られたかのカウント値を2進数変換することでビット列を生成することもできる。また、複数の該カウント値から生成したビット列をつなぎ合わせて新たなビット列を生成することも考えられる。
【0041】
また、乱数情報生成部220は、デジタル形式の状態信号が連続して「0」または「1」である時間に閾値を設けて、当該閾値より短い場合は「0」、長い場合は「1」と規定することによりビット列を生成することも可能である。これらビット列の生成開始・終了は、なんらかの外部トリガや通信コマンドにより行うとしてもよい。
【0042】
また、ビット列の生成は、システムで規定長のビット列を生成した場合に終了するとしてもよい。乱数情報生成部220は、生成した乱数情報(ビット列)を乱数情報一致確認部230へ出力する。以下に、図2および3を参照して乱数情報生成部220により生成される乱数の具体例を説明する。
【0043】
図2は、乱数情報生成部220が、センサ装置100の一例としての音センサ装置により検出される音波に基づいて乱数情報を生成する様子を示した説明図である。図2のグラフの横軸は時間を、縦軸は音波の振幅を表している。
【0044】
音センサ装置の検出部110は、図2のグラフに示したように、周期性を有する音波の振幅あるいは波形を検出する。続いて、状態信号生成部120において、所定の間隔で音波の振幅値をサンプリングし、該振幅値をデジタル信号出力部130が通信端末装置200に出力する。
【0045】
そして、乱数情報生成部220は、デジタル信号入力部210を介して上記振幅値を入力され、該振幅値のそれぞれが、あらかじめ設定されている境界値より大きいか小さいかを判断し、上記振幅値を2値化する。乱数情報生成部220は、サンプリングされた振幅値が境界値より大きい場合には「1」を対応させ、サンプリングされた振幅値が境界値より小さい場合には「0」を対応させることにより、サンプリング数と同一のビット列を生成することができる。
【0046】
図示の例では、最初の振幅のサンプリング値は境界値を上回っているため「1」が対応付けられるが、次の振幅のサンプリング値は境界値を下回っているため「0」が対応付けられる。以下同様の処理がなされ、図示の音波からは「101100001011000010」からなるビット列が得られることが理解できる。
【0047】
なお、上記ビット列は、センサ装置100の状態信号生成部120において生成され、通信端末装置200に出力されるとしてもよい。かかる構成により、デジタル信号出力部130がデジタル信号入力部210に出力するデータ量の削減を図ることができる。ここで、上記ビット列をそのまま乱数として用いる場合には、乱数情報生成部220は、所定の開始点および終了点の間で所定長さのビット列を抽出する。また、2値化されたビット列を、さらに図3に示すように変換するとしてもよい。
【0048】
図3は、乱数情報生成部220による乱数生成方法の一例を示した説明図である。図3(a)は、2値化された振幅値のビット列である。乱数情報生成部220は、該ビット列を例えば8ビットごとに区分し、各区分において値が「1」であるビット数をカウントし、該カウント値を図3(b)のように2進数変換して乱数情報を生成することができる。
【0049】
図3に示した例では、2値化された振幅値のビット列の最初の8ビットには、値が「1」であるビットが3つあるので、「3」を2進数変換した「011」が得られる。同様に、2値化された振幅値のビット列の次の8ビットにも、値が「1」であるビットが3つあるので、「3」を2進数変換した「011」が得られる。したがって、全体として、乱数情報生成部220により、図3(a)に基づいて、「011011」からなるビット列が生成される。すなわち、音や風速などの周囲の事象は、時々刻々と不規則に変化するため、該音や風速に基づいて生成されるビット列を、乱数情報とみなすことができる。
【0050】
上記では、説明の明瞭性の観点から、乱数情報生成部220が生成する乱数のビット数が6ビットや18ビットである例を説明したが、ビット数は128ビット、256ビットおよび1024ビットなどに、目的や用途に応じて幅広い範囲で可変とすることができる。
【0051】
図1の説明に戻ると、乱数情報一致確認部230は、後述する認証情報生成部としての機能を含み、該認証情報に基づいて他の通信端末装置と同じ乱数情報を生成できたか否かを確認する確認部として機能する。該確認方法としては、例えば、チャレンジ・レスポンス方式を用いた相互認証が考えられる。
【0052】
詳細に説明すると、乱数情報一致確認部230は、他の通信端末装置と同じ乱数情報を生成したかどうかを確認するにあたり、認証情報としてのチャレンジ情報を生成し、送信部240を介して他の通信端末装置へ該チャレンジ情報を送信する。そして、受信部250を介して、他の通信端末装置においてチャレンジ情報に基づいて生成され、自己に向けて送信された応答情報としてのレスポンス情報を受信する。続いて、乱数情報一致確認部230は、受信したレスポンス情報に基づいて、他の通信端末装置が自己と同じ乱数情報を生成したか否かを確認する。
【0053】
また、乱数情報一致確認部230は、受信部250を介して他の通信端末装置が生成したチャレンジ情報を受信する。そして、乱数情報一致確認部230は、該チャレンジ情報に対応するレスポンス情報を生成し、送信部240を介してチャレンジ情報の送信元である他の通信端末装置に該レスポンス情報を送信する。その後、該レスポンス情報は、上記他の通信端末装置における乱数情報の一致確認処理に用いられる。
【0054】
上記認証の過程で交換するチャレンジ情報やレスポンス情報にとしては、例えば、通信端末装置200に固有に付与されるID情報(固有アドレス情報)、上記乱数情報とは別に生成した認証用乱数情報、またはID情報や認証用乱数情報を上記乱数情報を用いて変換した情報があげられる。
【0055】
乱数情報一致確認部230は、他の通信端末装置と同じ乱数情報が乱数情報生成部220により生成されたことを確認した場合には、生成された乱数情報を乱数情報共有部260へ出力する。乱数情報一致確認部230は、他の通信端末装置と同じ乱数情報が乱数情報生成部220により生成されなかった場合には、生成された乱数情報を破棄し、再度乱数情報生成部220に乱数情報の生成を指示するとしてもよい。
【0056】
乱数情報共有部260は、記憶部の一例であり、乱数情報一致確認部230から出力された乱数情報を記憶、あるいは格納する。乱数情報共有部260に格納された乱数情報は、例えば他の通信端末装置と通信する情報の暗号化・認証のための鍵情報として用いてもよい。
【0057】
送信部240は、乱数情報一致確認部230から入力される乱数情報一致確認のための各種情報を他の通信端末装置に送信し、受信部250は、他の通信端末装置から入力される乱数情報一致確認のための各種情報を受信し、それぞれ送受信部として機能する。
【0058】
上述したように、乱数情報生成部220は、センサ装置100が検出する周囲のある事象の状態に基づいて乱数情報を生成するため、複数の通信端末装置の乱数情報生成部220が同一の乱数情報を生成するには、複数の通信端末装置が同一環境下に配されている必要がある。同一環境下について、図4および図5を参照して説明する。
【0059】
図4は、複数の通信端末装置と、その周囲の音波に関する状態を示した説明図である。音センサと接続された通信端末装置201および202の周辺には、音源1、音源2および音源3があり、それぞれの音波到達範囲1〜3を点線で示している。
【0060】
図4に示した例では、通信端末装置201および202が、共に、音源1、音源2および音源3の音波到達範囲1〜3の重畳領域に位置している。したがって、通信端末装置201および202の周囲の音波に関する状態は近似しているため、両者が同一の乱数情報を生成する可能性は高い。
【0061】
図5は、複数の通信端末装置と、その周囲の音波に関する状態を示した他の説明図である。音センサと接続された通信端末装置201〜208、および光センサが接続された通信端末装置209の周辺には、音源1、音源2、音源3および音源4があり、それぞれの音波到達範囲1〜4を点線で示している。
【0062】
図5に示した例では、通信端末装置201〜207は、共通して音源1、音源2および音源3が発する音波を検出するため、同一の乱数情報を生成する可能性は高い。しかし、通信端末装置208は、音源1、音源2および音源3の音波到達範囲1〜3に含まれず、音源4が発する音波にのみ基づいて乱数情報を生成するため、通信端末装置201〜207と同一の乱数情報を生成することができない。
【0063】
また、通信端末装置209は、接続されるセンサ装置が光センサであり、通信端末装置201〜208が接続されている音センサと異なるため、通信端末装置209においても通信端末装置201〜207と同一の乱数情報を理論的には生成することができない。
【0064】
このように、同一の乱数情報を生成できる通信端末装置は、同一種類のセンサ装置と接続され、該センサ装置が検出する特定の事象に関して同一の環境下にあるものに限られる。
【0065】
次に、図6を参照して本実施形態にかかる通信端末装置200における動作について説明する。
【0066】
図6は、本実施形態にかかる通信端末装置200の動作の流れを示したフローチャートである。まず、通信端末装置200は、センサ装置100からデジタル形式の状態信号の入力を受ける(S400)。そして、通信端末装置200は、該入力された状態信号に基づいて乱数情報を生成する(S404)。ここで、通信端末装置200の乱数情報生成部220は、例えば、デジタル信号入力部210を介して入力される「0」か「1」かの情報を監視し、任意時間以上連続して「1」または「0」の状態である場合に値が「0」であるビットを生成し、そうでない場合に値が「1」であるビットを生成し、生成したビットを連結させることにより、規定のビット長のビット列からなる乱数情報を生成することができる。
【0067】
次いで、通信端末装置200は、他の通信端末装置と同一の乱数情報を生成できたか否かの確認処理を行う(S408)。当該確認方法としては、チャレンジ・レスポンス方式が考えられるが、詳細については図1を参照して説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0068】
さらに、通信端末装置200は、S408の確認処理の結果、自己と他の通信端末装置とが同一の乱数情報を生成できたと判断した場合(S412)、生成した乱数情報を記憶する(S416)。また、自己と他の通信端末装置とが同一の乱数情報を生成できなかったと判断した場合には、S400に戻って、再度乱数情報の生成処理を行う。
【0069】
以上説明したように、本発明の第一の実施形態にかかる通信端末装置200は、センサ装置100から出力されるデジタル形式の状態信号を利用して乱数情報を生成することができる。かかる構成によれば、特定の事象の状態が近似するあるいは同一の環境(センシング環境)下における複数の通信端末装置間でのみ、同じ乱数情報を生成し、共有することができる。したがって、センサネットワークを形成する多数の通信端末装置に順次鍵情報を設定することなく、センシング環境を共有する通信端末装置に対し、一括して同じ鍵情報を設定することができる。
【0070】
すなわち、センシング環境を共有しない通信端末装置は、センシング環境を共有する通信端末と同じ乱数情報を生成できないため、センシング環境を共有する通信端末装置のみが第3者に対して秘密の乱数情報を生成することが可能である。
【0071】
なお、上記では、音波を検出するセンサ装置100に基づいて動作する通信端末装置200を例にとって説明したが、通信端末装置200の機能がこれに限られることはなく、以下図7を参照して説明するように、他の事象の状態に基づいて機能するとしてもよい。
【0072】
図7は、赤外線センサ装置と接続された通信端末装置の一例を示した説明図である。図7には、8台の赤外線センサ装置と接続された通信端末装置281〜288と、1台のその他のセンサ装置と接続された通信端末装置289を示している。ここで、赤外線センサは、生体が発する体温を検出するため、生体の接近を検知することができる。
【0073】
図7に示した例では、通信端末装置281〜287の赤外線検出範囲は共通であり、生体1、2、3から発せられる体温を検出し、生体の接近を検知することができる。一方、通信端末装置288は、生体1の接近のみを検知できる。
【0074】
したがって、センシング環境を共有する通信端末装置281〜287に入力されるデジタル形式の状態信号は共通となるので、通信端末装置281〜287は理論的には同じ乱数情報を生成し、共有することができる。一方、生体1の接近のみしか検知しない通信端末装置288と、7台の通信端末装置281〜287と共通のセンサ装置を搭載しない通信端末装置289とは、通信端末装置281〜287とセンシング環境が異なるため、7台の通信端末装置281〜287とは同じ乱数情報を生成することができない。
【0075】
このように、本実施形態に適用可能なセンサ装置は、音波センサに限られず、赤外線センサ、光センサおよび振動センサなど、周囲の事象の状態を検出可能なあらゆるセンサ装置を適用することができる。
【0076】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態にかかる情報処理システムついて説明する。本実施形態にかかる情報処理システムを構成する通信端末装置は、センサ装置からアナログ形式の状態信号を入力される点で第一の実施形態と異なる。以下、本実施形態にかかる情報処理システムついて、第一の実施形態との差異点を抽出して説明する。
【0077】
図8は、本実施形態にかかる情報処理システム10の構成を示したブロック図である。情報処理システム10は、センサ装置100と通信端末装置200を含む。センサ装置100は、検出部110、状態信号生成部120およびアナログ信号出力部140を含む。
【0078】
状態信号生成部120は、検出部110が検出した周囲の特定の事象に関する状態に基づいて、アナログ形式の状態信号を生成する。生成するアナログ信号は、正確に測定しやすい量である直流の電圧や電流であっても、周波数変調信号であってもよい。
【0079】
状態信号生成部120が生成する状態信号としては、例えば、温度センサで計測された温度情報、湿度センサで計測された湿度情報、赤外線センサで計測された赤外線(体温)の遠近情報、脈拍センサで計測された脈拍数情報、音(周波数)センサで計測された音楽や人の声の周波数情報、照度センサで計測された明るさ情報、風向・風速センサで計測された風速情報または風向情報、赤外線を照射し、その反射光により計測された対象物までの距離情報があげられる。
【0080】
アナログ信号出力部140は、上記の状態信号生成部120が生成したアナログ信号を通信端末装置200に出力する。
【0081】
通信端末装置200は、アナログ信号入力部212、デジタル信号変換部216、乱数情報生成部220、乱数情報一致確認部230、送信部240、受信部250および乱数共有部260を含む。
【0082】
デジタル信号変換部216は、アナログ信号入力部212を介してセンサ装置100が生成したアナログ形式の状態信号を入力され、該状態信号をデジタル形式に変換する。アナログ信号からデジタル信号への変換には、例えば、アナログ形式の状態信号や、入力信号の推定値の連続値をサンプリングし、該サンプリング値を2進数表現したり、周波数変換した信号の主成分値を2進数表現したりすることでデジタル変換してもよい。デジタル信号変換部216は、デジタル形式に変換した状態信号を乱数情報生成部220へ出力する。
【0083】
乱数情報生成部220は、デジタル信号変換部216から入力されるデジタル形式の状態信号の任意のビットのビット値が、前後のビット値と比較して増加する場合には「1」を、減少する場合には「0」を対応させてデジタル変換してもよい。デジタル信号変換部216は、デジタル形式に変換した状態信号を乱数情報生成部220へ出力する。
【0084】
乱数情報生成部220、乱数情報一致確認部230、送信部240、受信部250および乱数共有部260の機能および構成については、第一の実施形態で説明した内容と実質的に同一であるので、説明を省略する。
【0085】
次に、本実施形態にかかる通信端末装置200の動作を図9および図10を参照して説明する。
【0086】
図9は、風速センサと接続された通信端末装置291、292および周囲の風に関する状態を示した説明図である。通信端末装置291、292は、風を検知可能な風検知範囲が共通し、周囲では風1〜3が順に吹くものとする。なお、図示の例における風1〜3の矢印は、風1〜3のベクトルを表しており、少なくとも矢印で示した位置では各風1〜3が吹いている状態を示している。
【0087】
図10は、本実施形態にかかる通信端末装置200の一例として、風速センサと接続された通信端末装置291、292の動作の流れを示した説明図である。まず、通信端末装置291、292は、接続されている風速センサにより測定された風1〜3の風速値を順次アナログ信号入力部212を介して入力される(S450)。
【0088】
そして、デジタル信号変換部216は、アナログ信号入力部212に入力された状態信号としての風1〜3の風速値を2進数のデジタル形式に変換する処理を行う(S454)。次いで、乱数情報生成部220は、デジタル形式に変換された風1〜3の風速値に基づいて、規定のビット長のビット列からなる乱数情報を生成する(S458)。
【0089】
さらに、通信端末装置291、292のそれぞれの乱数情報一致確認部230が、通信端末装置291、292のそれぞれの乱数情報生成部220が同一の乱数情報を生成したか否かの確認処理を行う(S462)。当該確認処理としては、第一の実施形態で説明したチャレンジ・レスポンス方式があげられる。
【0090】
さらに、通信端末装置291、292のそれぞれは、S462の確認処理の結果、自己と他の通信端末装置とが同一の乱数情報を生成できたと判断した場合(S466)、生成した乱数情報を記憶する(S470)。また、自己と他の通信端末装置とが同一の乱数情報を生成できなかったと判断した場合には、S450に戻って、再度乱数情報の生成処理を行う。ただし、図9に示した例では、通信端末装置291、292は、共通して風1〜3を検出できる環境下に、すなわち同一のセンシング環境にあるため、同じ乱数情報を生成できる可能性が高い。
【0091】
一方、第一の実施形態と同様に、センシング環境を共有しない通信端末装置間では、同一の乱数情報を生成することができない。その様子を図11に示す。
【0092】
図11は、複数の通信端末装置と、その周囲の風に関する状態を示した説明図である。図11には、8台の風速センサ装置と接続された通信端末装置291〜298と、1台のその他のセンサ装置と接続された通信端末装置299を示している。
【0093】
図11に示した例では、通信端末装置291〜297の風検出範囲は共通であり、風1〜3の風速を検出することができる。したがって、通信端末装置291〜297のセンシング環境は近似あるいは同一であるため、通信端末装置291〜297は、理論的には同一の乱数情報を生成し、該乱数情報を共有することができる。
【0094】
一方、通信端末装置298は、通信端末装置291〜297との間に遮蔽物300が存在するため、風1〜3を検出することができない。その結果、通信端末装置298が生成する乱数情報は、通信端末装置291〜297が生成する乱数情報と異なるものとなる。
【0095】
また、風速センサ装置以外のセンサ装置と接続された通信端末装置299も、風1〜3を検出できないため、通信端末装置291〜297が生成する乱数情報と同一の乱数情報を生成することができない。
【0096】
以上説明したように、本発明の第二の実施形態にかかる通信端末装置200は、センサ装置100から出力されるアナログ形式の状態信号をデジタル変換し、当該デジタル変換された状態信号を利用して乱数情報を生成することができる。かかる構成によれば、センシング環境を共有する複数の通信端末装置間でのみ、同じ乱数情報を生成し、共有することができる。したがって、センサネットワークを形成する多数の通信端末装置に順次鍵情報を設定することなく、センシング環境を共有する通信端末装置に対し、一括して同じ鍵情報を設定することができる。
【0097】
すなわち、センシング環境を共有しない通信端末装置は、センシング環境を共有する通信端末装置と同じ乱数情報を生成できないため、センシング環境を共有する通信端末装置のみが第3者に対して秘密の乱数情報を生成することが可能である。
【0098】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0099】
例えば、上記第一、第二の実施形態では、各通信端末装置がそれぞれ一つのセンサ装置を利用する例を挙げて説明したが、本発明はかかる例に限定されず、各通信端末装置が、それぞれ複数のセンサ装置を利用して乱数情報を生成するとしてもよい。かかる構成によれば、各通信端末装置は、複数の周囲の事象に関する状態値に基づいて乱数情報を生成する。したがって、例えば、偶然、別個の位置に配された通信端末装置同士が同じ音波を検出したとしても、さらに同一の風速を検出しなければ同一の乱数情報を生成することができないよう構成することができる。
【0100】
また、第一、二の実施形態では、各通信端末装置がそれぞれ一つのセンサ装置を利用する例をあげて説明したが、本発明はかかる例に限定されず、各通信端末装置が、1つ以上のセンサ装置を共有し、それらセンサ装置からの出力信号を利用して乱数情報を生成するとしてもよい。かかる構成によれば、各通信端末装置と一つのセンサ装置とをそれぞれ独立して接続した場合、各センサ装置の位置や性能の微妙な差異に起因し、各通信端末装置が同一の乱数を生成できないという問題を防止できる。
【0101】
また、第一、二の実施形態では、乱数情報を生成した通信端末装置が、その他の通信端末装置と、乱数情報の一致を確認する例で説明したが、本発明はかかる例に限定されず、乱数情報の一致を確認しなくてもよいし、別途、乱数情報の一致を確認する装置を設けるとしてもよい。
【0102】
さらに、第一、二の実施形態では、センシング環境を共有する複数の通信端末装置が乱数情報を共有する例で説明したが、本発明はかかる例に限定されず、各通信端末装置が、生成した乱数情報を他の通信端末装置と共有せず、単に乱数情報として利用するとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる情報処理システムの構成を示したブロック図である。
【図2】同実施形態にかかる乱数情報生成部が、音センサ装置により検出される音波に基づいて乱数情報を生成する様子を示した説明図である。
【図3】同実施形態にかかる乱数情報生成部による乱数生成方法の一例を示した説明図である。
【図4】同実施形態にかかる複数の通信端末装置と、その周囲の音波に関する状態を示した説明図である。
【図5】同実施形態にかかる複数の通信端末装置と、その周囲の音波に関する状態を示した他の説明図である。
【図6】同実施形態にかかる通信端末装置の動作の流れを示したフローチャートである。
【図7】同実施形態にかかる赤外線センサ装置と接続された通信端末装置の一例を示した説明図である。
【図8】本発明の第二の実施形態にかかる情報処理システムの構成を示したブロック図である。
【図9】同実施形態にかかる風速センサと接続された通信端末装置および周囲の風に関する状態を示した説明図である。
【図10】同実施形態にかかる風速センサと接続された通信端末装置の動作の流れを示した説明図である。
【図11】同実施形態にかかる複数の通信端末装置と、その周囲の風に関する状態を示した説明図である。
【符号の説明】
【0104】
10 情報処理システム
100 センサ装置
110 検出部
120 状態信号生成部
130 デジタル信号出力部
200 通信端末装置
210 デジタル信号入力部
212 アナログ信号入力部
216 デジタル信号変換部
220 乱数情報生成部
230 乱数情報一致確認部
240 送信部
250 受信部
260 乱数情報共有部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の特定の事象に関する状態を検出し、該状態を状態信号として出力するセンサ装置と、前記センサ装置が出力する前記状態信号に基づいて情報の処理を行う情報処理装置とからなる情報処理システムであって:
前記情報処理装置は、
前記センサ装置から前記状態信号が入力される信号入力部と;
前記信号入力部に入力される前記状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成するビット列生成部と;
を備えることを特徴とする、情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
他の情報処理装置と情報の送受信を行う送受信部と;
所定の認証情報を生成し、前記送受信部を介して前記他の情報処理装置に前記認証情報を送信する認証情報生成部と;
前記他の情報処理装置から前記認証情報に対する応答情報を前記送受信部を介して受信し、該応答情報に基づいて前記他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したか否かを確認する確認部と;
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
周囲の特定の事象に関する状態を検出し、該状態を状態信号として出力するセンサ装置から、前記状態信号が入力される信号入力部と;
前記信号入力部に入力される前記状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成するビット列生成部と;
を備えることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項4】
他の情報処理装置と情報の送受信を行う送受信部と;
所定の認証情報を生成し、前記送受信部を介して前記他の情報処理装置に前記認証情報を送信する認証情報生成部と;
前記他の情報処理装置から前記認証情報に対する応答情報を前記送受信部を介して受信し、該応答情報に基づいて前記他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したか否かを確認する確認部と;
をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記憶部をさらに備え、該記憶部は、前記確認部により自己と前記他の情報処理装置とが生成した前記ビット列が同一であると確認された場合、該ビット列を記憶することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶された前記ビット列は、前記他の情報処理装置との間で所定の情報を送受信する際に鍵情報として用いられることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ビット列は、前記状態信号が所定の閾値を境に2値化されたものであることを特徴とする、請求項3〜6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ビット列生成部は、所定の閾値を境に2値化された前記状態信号を所定の間隔で区分し、各区分に含まれる第一の値または第二の値のビット数をカウントし、該カウント値を2進数変換して前記ビット列を生成することを特徴とする、請求項3〜6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記信号入力部に入力される前記状態信号はデジタル形式であることを特徴とする、請求項3〜8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記信号入力部に入力される前記状態信号はアナログ形式であり、
前記状態信号を、デジタル形式に変換し、前記ビット列生成部に出力するデジタル信号変換部を含むことを特徴とする、請求項3〜8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
周囲の特定の事象に関する状態を検出し、該状態を状態信号として出力するセンサ装置から、前記状態信号が情報処理装置に入力されるステップと;
前記情報処理装置が前記状態信号に基づいて所定長さのビット列を生成するステップと;
を含むことを特徴とする、情報処理方法。
【請求項12】
他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したか否かを確認するステップと;
他の情報処理装置が自己と同一のビット列を生成したことを確認した場合、前記ビット列を記憶するステップと;
を含むことを特徴とする、請求項11に記載の情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−336082(P2007−336082A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163782(P2006−163782)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】