説明

情報処理システム

【課題】データベースを二重化したシステムにおけるデータの信頼性の向上を図る。
【解決手段】現用系システム及び待機系システム、処理システムを備え、現用系システムは、処理要求に応じて自システムのデータベースに対する処理を行うデータ処理手段と、処理が完了した旨を処理システムに応答する処理応答手段と、データベース内のデータを待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備え、処理システムは、現用系システムに対して処理要求を行い処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、処理が完了した応答を受け付けていない処理要求を待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備え、待機系システムは、現用系システムから転送されたデータを自システムのデータベースに反映するデータベース反映手段と、処理システムから送信された処理要求に応じて自システムのデータベースに対する処理を行うデータ整合処理手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムにかかり、特に、現用系と待機系とを備えた情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空管制システムなど交通機関のデータを扱う基幹業務システムでは、データベースの処理に関しては、「高信頼性」が要求されている。そして、高信頼性を実現するための技術としては、それぞれデータベースを装備した現用系と待機系とを備え、現用系から待機系へデータベースのバックアップを行い、二重化することが一般的に行われている。
【0003】
一方、上述したような現用系と待機系とを備えたシステムにてデータベースを二重化する場合には、現用系から待機系への切り替え時にデータベースの整合性が問題となる。ここで、特許文献1には、運用システムと複数の待機システムとを有する構成において、引き継ぎ情報の整合性を持って待機システムへの切り替えを行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−20220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特に近年では、情報処理装置の処理速度が高速化しているものの、通信速度には一定の制限があることから、現用系におけるデータベースの更新処理と同時に、当該現用系から待機系へのデータベースの二重化処理を行うことが現実的に困難な場合が生じうる。すると、現用系と待機系とのデータベースの整合性がとれない場合が生じ、現用系から処理を引き継いだ待機系でのデータの信頼性が低下する、という問題が生じる。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、データベースを二重化したシステムにおけるデータの信頼性の低下、という問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態である情報処理システムは、
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとを備えると共に、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムを備え、
前記現用系システムは、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備え、
前記処理システムは、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備え、
前記待機系システムは、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えた、
という構成をとる。
【0008】
また、本発明の他の形態である待機系システムは、
データベースを備えた現用系システムがダウンしたときに当該現用系システムに切り替わって作動する待機系システムであって、
前記現用系システムが、処理対象データの処理要求を行う処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備えている場合に、
前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えた、
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
データベースを備えた現用系システムがダウンしたときに当該現用系システムに切り替わって作動する待機系装置に組み込まれるプログラムであって、
前記現用系システムが、処理対象データの処理要求を行う処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系装置に転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系装置に行う処理要求情報送信手段と、を備えている場合に、
前記待機系装置に、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系装置が備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自装置が備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を実現させるためのプログラムである。
【0010】
また、本発明の他の形態である処理システムは、
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとに接続されており、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムであって、
前記現用系システムが、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えている場合に、
前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備えた、
という構成をとる。
【0011】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとに接続されており、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理装置に組み込まれるプログラムであって、
前記現用系システムが、前記処理装置から受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理装置からの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理装置に応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理装置から送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えている場合に、
前記処理装置に、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を実現させるためのプログラムである。
【0012】
また、本発明の他の形態である情報処理方法は、
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとを備えると共に、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムを備えた情報処理システムにて、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶し、
前記現用系システムが、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行い、当該処理が完了した旨を前記処理システムに応答し、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送し、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映すると共に、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行い、
前記待機系システムが、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のように構成されることにより、現用系システムから待機系システムに切り替わった場合であっても、データベースを切り替わる直前の状態に復旧することができ、情報処理システム全体としての信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1における情報処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に開示したメッセージ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図3】図1に開示した情報処理システムの動作を示す説明図である。
【図4】図1に開示した情報処理システムの動作を示す説明図である。
【図5】図1に開示した情報処理システムの動作を示す説明図である。
【図6】図1に開示した情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】図1に開示した情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の実施形態2における情報処理システムの動作を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態2における情報処理システムの動作を示す説明図である。
【図10】本発明の付記1における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図7を参照して説明する。図1乃至図2は、情報処理システムの構成を示す図であり、図3乃至図7は、情報処理槽システムの動作を示す図である。
【0016】
[構成]
本発明における情報処理システムは、例えば、航空管制システムといった各航空機の情報などを管理するシステムである。そして、情報処理システムは、図1に示すように、各航空機の状態情報などの処理対象データに対して所定の処理を行うよう指示する処理システム10と、上記処理対象データをデータベースに格納して管理する現用系システムとしてのフロントシステム20と、このフロントシステム20に障害が生じたときに当該フロントシステム20に代わって作動する待機系システムとしてのバックアップシステム30と、を備える。そして、上記各システム10,20,30は、それぞれが複数台のサーバコンピュータにて構成されていてもよく、あるいは、それぞれが1台のサーバコンピュータにて構成されていてもよい。
【0017】
なお、本発明における情報処理システムは、必ずしも航空管制システムに適用されるものであることに限定されず、いかなる情報を管理するシステムに利用されるものであってもよく、いかなる用途に利用されるシステムであってもよい。
【0018】
まず、処理システム10は、フロントシステム20のデータベース(DB)26に格納されている各処理対象データに対する更新処理などの処理要求を、フロントシステム20に対して行う機能を有する。そして、処理システム10は、装備されたCPUなどの演算装置にプログラムが組み込まれることによって構築された、メッセージ登録部11と、メッセージ送信部12と、メッセージ管理部13と、を備えている。また、処理システム10は、装備された主記憶部に形成されるメッセージ記憶部15を備えている。
【0019】
具体的に、上記メッセージ登録部11は、フロントシステム20に対する処理要求を表す処理要求メッセージが生成されると、当該処理要求メッセージをメッセージ記憶部15に記憶する(処理要求記憶手段)。なお、処理要求メッセージは、例えば、図3の符号MSGに示すようなデータ構成であり、処理対象データを特定する識別情報であるID(例えば、(1),(2)等)と、当該処理対象データに対する処理内容を表すメッセージ(例えば、「更新」など)と、を含むデータである。
【0020】
そして、上記メッセージ登録部11は、上述した処理要求メッセージをメッセージ記憶部15に記憶する。具体的に、メッセージ記憶部15には、図2に示すように、上述したIDとメッセージとを含む処理要求の内容を表す処理要求メッセージに、当該処理要求メッセージの処理状態を表すステータスを付加して、処理要求情報として記憶する。なお、メッセージ記憶部15内におけるステータスは、後述するように、処理対象データがフロントシステム20で処理されている間は、「処理中(中)」と設定され、フロントシステム20で処理が完了すると、「済」に設定される。
【0021】
また、メッセージ送信部12は、上記処理要求メッセージをフロントシステム20に対して送信して、当該フロントシステム20のデータベース26に格納されている処理対象データに対する処理要求を行う。
【0022】
また、メッセージ管理部13は、メッセージ記憶部15に記憶されている処理要求情報の管理を行う。具体的に、メッセージ管理部13(処理完了登録手段)は、フロントシステム20から処理対象データに対する処理完了の応答を受けると、当該処理対象データの処理要求メッセージに付加されたステータスを「済」に設定して、かかる処理対象データに対する処理が完了したことの登録(完了登録)を行う。また、メッセージ管理部13(処理要求情報送信手段)は、バックアップシステム30からの要求に応じて、当該バックアップシステム30に対して、メッセージ記憶部15に記憶されている処理要求情報を送信する。なお、詳しくは後述するが、メッセージ管理部13は、ステータスが「済」となっていない処理要求情報に対応する処理要求メッセージを、バックアップシステム30に対して送信する機能を有する。
【0023】
次に、フロントシステム20について説明する。フロントシステム20は、処理対象データを記憶したデータベース26を有する。なお、データベース26は、主記憶装置に構築されているインメモリデータベースであってもよく、補助記憶装置に構築されているデータベースであってもよい。
【0024】
そして、フロントシステム20は、装備されたCPUなどの演算装置にプログラムが組み込まれることによって構築された、メッセージ受付部21と、データ処理部22と、処理応答部23と、DB転送部24と、を備えている。また、フロントシステム20は、装備された主記憶部に形成されるメッセージ記憶部25を備えている。
【0025】
具体的に、上記メッセージ受付部21は、上述した処理システム10から処理要求メッセージを受け付けて、メッセージ記憶部25に記憶する。また、上記データ処理部22(データ処理手段)は、受け付けた処理要求メッセージに基づいて、かかるメッセージにて指定されたデータベース26内の処理対象データに対して、指定された処理を行う。例えば、処理対象データを指定された値に更新する処理を行う。
【0026】
また、上記処理応答部23(処理応答手段)は、データ処理部22にて処理システム10からの処理要求メッセージに応じた処理が完了した旨を、処理システム10に応答する。これにより、上述したように、処理システム10のメッセージ記憶部15では、処理要求メッセージのステータスが「済」に設定される。また、処理応答部23は、フロントシステム20のメッセージ記憶部25内の処理要求メッセージのステータスも「済」に設定する。
【0027】
また、上記DB転送部24(データベース転送手段)は、上述したデータ処理部22にて処理要求メッセージに応じてデータベース26内で処理が完了した処理対象データを、バックアップシステム30のデータベース36に転送する。これにより、バックアップシステム30では、転送されたデータがデータベース36に反映され、フロントシステム20とバックアップシステム30との間で、各データベース26,36の整合が行われる。
【0028】
次に、バックアップシステム30について説明する。バックアップシステム30は、上述したフロントシステム20と同様の機能を有しており、フロントシステム20がダウンしたときに当該フロントシステム20として作動するよう切り替わる機能を有する。従って、フロントシステム20のデータベース26と同一の処理対象データを記憶したデータベース36を有する。
【0029】
そして、バックアップシステム30は、さらに、装備されたCPUなどの演算装置にプログラムが組み込まれることによって構築された、メッセージ要求部31と、メッセージ受付部32と、データ処理部33と、DB反映部34と、を備えている。また、バックアップシステム30は、装備された主記憶部に形成されるメッセージ記憶部35を備えている。
【0030】
具体的に、まず、上記DB反映部34について説明する。DB反映部34(データベース反映手段)は、上述したフロントシステム20のDB転送部24から転送された当該フロントシステム20のデータベース26内のデータを、バックアップシステム30のデータベース36に反映する。
【0031】
また、上記メッセージ要求部31(処理要求取得手段)は、待機系であるバックアップシステム30が、フロントシステム20として現用系に切り替わったときに、処理システム10に対して当該処理システム10がメッセージ記憶部15に記憶している処理要求情報の送信を要求する。これに応じて、処理システム10のメッセージ管理部13からは、フロントシステム20に対して要求された処理要求メッセージの情報が、ステータスを含んだ状態で、バックアップシステム30に送信され、これを取得する。
【0032】
そして、バックアップシステム30のメッセージ要求部31は、さらに、取得した処理要求情報のうち、ステータスが「済」ではない処理要求メッセージ、つまり、処理システム10からフロントシステム20に要求されたものの、当該フロントシステム20から処理が完了したことの応答を受けておらず処理の完了登録が無い処理要求メッセージを送信するよう要求する。すると、これに応じて、処理システム10は、メッセージ記憶部15に記憶された処理要求情報のうち、ステータスが「済」ではない処理要求メッセージを、バックアップシステム30に送信して、かかるメッセージの処理を要求する。
【0033】
すると、バックアップシステム30のデータ処理部33(データ整合処理手段)は、処理システム10から送信された処理要求に応じて、データベース36内の処理対象データに対する処理を行う。これにより、処理システム10からフロントシステム20に要求されたものの、当該フロントシステム20から処理が完了していない処理要求メッセージについては、バックアップシステム30側で処理が実行されることとなる。
【0034】
[動作]
次に、上述した情報処理システムの動作を、図3乃至図5の説明図、及び、図6乃至図7のシーケンス図を参照して説明する。
【0035】
処理システム10は、フロントシステム20のデータベース26に格納されている処理対象データに対する処理要求メッセージを生成すると、当該処理要求メッセージをメッセージ記憶部15に記憶する(図3のS1,図6のステップA1)。このとき、メッセージ記憶部15には、図3に示すように、処理対象データを特定するIDと処理内容を表すメッセージに、当該処理要求メッセージの処理状態を表すステータスが付加されて登録される。この時点では、ステータスは、「処理中(中)」と設定される。
【0036】
その後、処理システム10は、上記処理要求メッセージをフロントシステム20に対して送信して、当該フロントシステム20のデータベース26に格納されている処理対象データに対する処理要求を行う(図3のS2,図6のステップA2)。
【0037】
続いて、処理システム10から処理要求メッセージを受けたフロントシステム20は、当該処理要求メッセージを受け付けて、メッセージ記憶部25に記憶する(図3のS3,図6のステップSA3)。そして、フロントシステム20は、受け付けた処理要求メッセージに基づいて、かかるメッセージにて指定されたデータベース26内の処理対象データに対して、メッセージで指定された処理を行う(図3のS4,図6のステップA4)。
【0038】
続いて、フロントシステム20は、処理システム10からの処理要求メッセージに応じた処理が完了した旨を、処理システム10に応答する(図3のS5,図6のステップA5)。これにより、処理システム10のメッセージ記憶部15では、フロントシステム20にて処理が完了した処理要求メッセージのステータスが「済」に設定される(図3のS6,図6のステップA6)。
【0039】
その後、フロントシステム20は、処理要求メッセージに応じてデータベース26内で処理が完了した処理対象データを、バックアップシステム30のデータベース36に転送する(図3のS7,図6のステップA7)。これにより、バックアップシステム30では、転送されたデータがデータベース36に反映され、フロントシステム20とバックアップシステム30との間で、各データベース26,36の整合が行われる(図6のステップA8)。
【0040】
ここで、図4に示すように、処理システム10からフロントシステム20に対して、処理対象データ(2),(3)に対する2つの処理要求メッセージが要求されたものの、フロントシステム20がダウンした場合を考える。すると、通常は、処理システム10では既に処理対象データ(2),(3)に対する処理要求メッセージを送っているので、かかる処理は完了しているものと扱われて後続の処理が行われる可能性があるが、本発明では、以下のように作動することで、データの整合をとることができる。
【0041】
まず、フロントシステム20のダウンを契機に、バックアップシステム30がフロントシステムとして可動するよう切り替わる(図7のステップA10)。そして、バックアップシステム30は、処理システム10に対して当該処理システム10がメッセージ記憶部15に記憶している処理要求情報を要求する(図5のS11,図7のステップA11)。これに応じて、処理システム10からは、フロントシステム20に対して要求された処理要求情報(処理要求メッセージとステータス)が、バックアップシステム30に送信され、当該バックアップシステム30はこれを取得する(図5のS11,図7のステップA12)。ここでは、図5に示すような処理要求情報を取得したことする。
【0042】
続いて、バックアップシステム30は、取得した処理要求情報のうち、ステータスが「済」ではない処理要求メッセージを、処理システムに要求する(図5のS12,図7のステップA13)。つまり、図5の例では、処理対象データのIDが(2)、(3)に関する処理要求メッセージであり、処理システム10からフロントシステム20に要求されたものの、当該フロントシステム20から処理が完了したことの応答を受けておらず処理完了登録が無い処理要求メッセージである。すると、処理システム10は、メッセージ記憶部15に記憶された処理要求情報のうち、ステータスが「済」ではない処理要求メッセージ(処理対象データのIDが(2)、(3)のもの)を、バックアップシステム30に送信して、かかるメッセージの処理を要求する(図5のS13,図7のステップA14)。
【0043】
その後、バックアップシステム30は、処理システム10から送信された処理要求に応じて、データベース36内の処理対象データ(2)、(3)に対する処理を行う(図5のS14,図7のステップA15)。これにより、処理システム10からフロントシステム20に要求されたものの、当該フロントシステム20から処理が完了していない処理要求メッセージについては、バックアップシステム30側で処理が実行されることとなる。
【0044】
以上のように、本システムでは、現用系のフロントシステム20から待機系のバックアップシステム30に切り替わった場合であっても、データベースを切り替わる直前の状態に復旧することができ、情報処理システム全体としての信頼性の向上を図ることができる。
【0045】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、図8乃至図9を参照して説明する。図8乃至図9は、情報処理槽システムの動作を示す説明図である。
【0046】
本実施形態における情報処理システムは、上述した実施形態1のものとほぼ同一の構成をとっているが、一部構成及び動作が異なる。以下、実施形態1と異なる点について詳細に説明する。
【0047】
まず、本実施形態における処理システム10のメッセージ記憶部15に記憶される処理要求情報に含まれる処理要求メッセージのステータスは、フロントシステム20にて処理されている状態を表す「処理中(中)」と、フロントシステム20にて処理が完了した状態を表す「済」と、フロントシステム20のデータベース26からバックアップシステム30のデータベース36に転送され、当該バックアップシステム30のデータベース30に反映(同期)された状態を表す「完了」と、が設定可能である。
【0048】
そして、本実施形態では、バックアップシステム30から現用系として切り替わったときに、当該バックアップシステムが処理システム10に対してステータスが「完了」ではない処理要求を要求する。これに応じて、処理システム10は、現用系として可動するバックアップシステム30からの要求に応じて、ステータスが「完了」ではない処理要求のみをバックアップシステム30に処理要求する。
【0049】
具体的に、本実施形態における各システム10は、以下のように作動する。まず、フロントシステム20は、処理システム10からの処理要求に応じて処理対象データ(1)の処理を行う。この時点で、上述した実施形態同様に、フロントシステム20から処理システム10に処理要求に応じた処理が完了した旨が通知され、当該処理システム10にて、メッセージ記憶部15に記憶されている処理要求メッセージのステータスが「済」に設定される。
【0050】
続いて、フロントシステム20が、処理対象データ(1)をフロントシステム20のデータベース26からバックアップシステム30のデータベース36に転送する(図8のS21)。これに応じて、バックアップシステム30は、転送されたデータの反映をデータベース36に行い、かかるデータの反映が完了すると、その旨をフロントシステム20に応答する(図8のS22)。さらに、フロントシステム20は、バックアップシステム30から処理対象データ(1)のデータベース36への反映が完了した旨の応答を受けると、処理システム10に対してその旨を応答する(図8のS23)。これにより、処理システム10は、メッセージ記憶部15に記憶されている処理対象データ(1)の処理要求メッセージのステータスを、「済」から「完了」に変更して設定する(図8のS24)。
【0051】
ここで、図9に示すように、処理システム10から処理対象データ(2),(3)の処理要求に対して、処理対象データ(2)はフロントシステム20で処理されたが、バックアップシステム30のデータベース36への反映は完了せずに、フロントシステム20がダウンした場合を考える(図9のS31)。つまり、処理対象データ(1)は上述したようにバックアップシステム30のデータベース36に反映されてステータスが「完了」となっているものの、処理対象データ(2)、(3)は、ステータスが「済」と「中」であり、バックアップシステム30のデータベース36に反映されていない状態であるとする。
【0052】
この場合に、まず、フロントシステム20のダウンを契機に、バックアップシステム30がフロントシステムとして可動するよう切り替わる。そして、バックアップシステム30は、処理システム10に対して当該処理システム10がメッセージ記憶部15に記憶している処理要求情報を要求する(図9のS41)。これに応じて、処理システム10からは、フロントシステム20に対して要求された処理要求情報(処理要求メッセージとステータス)が、バックアップシステム30に送信され、当該バックアップシステム30はこれを取得する(図9のS41)。ここでは、図9に示すような処理要求情報を取得したことする。
【0053】
続いて、バックアップシステム30は、取得した処理要求情報のうち、ステータスが「完了」ではない処理要求メッセージを、処理システムに要求する(図9のS42)。つまり、図9の例では、処理対象データのIDが(2)、(3)に関する処理要求メッセージであり、フロントシステム20からバックアップシステム30のデータベース36の反映が完了したことの応答を受けておらず、完了登録が無い処理要求メッセージである。すると、これに応じて処理システム10は、メッセージ記憶部15に記憶された処理要求情報のうち、ステータスが「完了」ではない処理要求メッセージ(処理対象データのIDが(2)、(3)のもの)を、バックアップシステム30に送信して、かかるメッセージの処理を要求する(図9のS43)。
【0054】
その後、バックアップシステム30は、処理システム10から送信された処理要求に応じて、データベース36内の処理対象データ(2)、(3)に対する処理を行う(図9のS44)。これにより、処理システム10からフロントシステム20に要求されたものの、当該フロントシステム20での処理、及び、バックアップシステム30のデータベース36への反映、が完了していない処理要求メッセージについては、バックアップシステム30側で処理が実行されることとなる。
【0055】
以上のように、本システムでは、現用系のフロントシステム20から待機系のバックアップシステム30に切り替わった場合であっても、データベースを切り替わる直前の状態に復旧することができ、情報処理システム全体としての信頼性の向上を図ることができる。
【0056】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における情報処理システムの構成の概略を、図10のブロック図を参照して説明する。また、本発明における待機系システム、処理システム、プログラム、情報処理方法の構成の概略について説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0057】
(付記1)
それぞれデータベース210,310を備えた現用系システム200と待機系システム300とを備えると共に、前記現用系システム200に対して処理対象データの処理要求を行う処理システム100を備え、
前記現用系システム200は、前記処理システム100から受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベース210に対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段201と、前記処理システム100からの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システム100に応答する処理応答手段202と、自システムが備えるデータベース210内のデータを前記待機系システム300に転送するデータベース転送手段203と、を備え、
前記処理システム100は、前記現用系システム200に対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段101と、前記現用系システム200から処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システム300に行う処理要求情報送信手段102と、を備え、
前記待機系システム300は、前記現用系システム200から転送された当該現用系システム200のデータベース210内のデータを待機系システム300が備えるデータベース310に反映するデータベース反映手段301と、前記処理システム100から送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベース310に対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段302と、を備えた、
情報処理システム。
【0058】
(付記2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記処理システムは、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、
前記処理システムが有する前記処理要求情報送信手段は、前記待機系システムからの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行い、
前記待機系システムは、前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求して取得する処理要求取得手段を備えると共に、
前記待機系システムの前記データ整合処理手段は、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
情報処理システム。
【0059】
(付記3)
付記2に記載の情報処理システムであって、
前記待機系システムの前記処理要求取得手段は、当該待機系システムが現用系として切り替わったときに作動する、
情報処理システム。
【0060】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記現用系システムの前記処理応答手段は、前記データ処理手段にて、前記処理システムからの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理が完了したときに前記処理サーバに応答する、
情報処理システム。
【0061】
(付記5)
付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記現用系システムの前記処理応答手段は、前記データベース転送手段にて、前記待機系システムに前記処理対象データを転送したときに前記処理サーバに応答する、
情報処理システム。
【0062】
(付記6)
付記5に記載の情報処理システムであって、
前記待機系システムの前記データベース反映手段は、自システムが備えるデータベースに前記現用系システムから転送されたデータの反映が完了した旨を当該現用系システムに応答し、
前記現用系システムの前記処理応答手段は、前記データベース転送手段にて前記待機系システムに前記処理対象データを転送し、当該待機系システムからデータの反映が完了した応答を受けたときに前記処理システムに応答する、
情報処理システム。
【0063】
(付記7)
データベースを備えた現用系システムがダウンしたときに当該現用系システムに切り替わって作動する待機系システムであって、
前記現用系システムが、処理対象データの処理要求を行う処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備えている場合に、
前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えた、
待機系システム。
【0064】
(付記8)
付記7に記載の待機系システムであって、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、前記処理システムが有する前記処理要求情報送信手段が、前記待機系システムからの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う機能を有する場合に、
前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求して取得する処理要求取得手段を備えると共に、
前記データ整合処理手段は、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
待機系システム。
【0065】
(付記9)
データベースを備えた現用系システムがダウンしたときに当該現用系システムに切り替わって作動する待機系装置に組み込まれるプログラムであって、
前記現用系システムが、処理対象データの処理要求を行う処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系装置に転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系装置に行う処理要求情報送信手段と、を備えている場合に、
前記待機系装置に、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系装置が備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自装置が備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を実現させるためのプログラム。
【0066】
(付記10)
付記9に記載の待機系装置に組み込まれるプログラムであって、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、前記処理システムが有する前記処理要求情報送信手段が、前記待機系装置からの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う機能を有する場合に、
前記待機系装置に、前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求して取得する処理要求取得手段を実現させると共に、
前記データ整合処理手段は、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自装置が備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
プログラム。
【0067】
(付記11)
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとに接続されており、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムであって、
前記現用系システムが、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えている場合に、
前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備えた、
処理システム。
【0068】
(付記12)
付記11に記載の処理システムであって、
前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、
前記処理要求情報送信手段は、前記待機系システムから前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求の取得要求に応じて、前記待機系システムに前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う、
処理システム。
【0069】
(付記13)
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとに接続されており、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理装置に組み込まれるプログラムであって、
前記現用系システムが、前記処理装置から受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理装置からの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理装置に応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理装置から送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えている場合に、
前記処理装置に、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を実現させるためのプログラム。
【0070】
(付記14)
付記13に記載のプログラムであって、
前記処理装置に、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を実現させると共に、
前記処理要求情報送信手段は、前記待機系システムから前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求の取得要求に応じて、前記待機系システムに前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う、
プログラム。
【0071】
(付記15)
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとを備えると共に、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムを備えた情報処理システムにて、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶し、
前記現用系システムが、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行い、当該処理が完了した旨を前記処理システムに応答し、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送し、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映すると共に、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行い、
前記待機系システムが、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
情報処理方法。
【0072】
(付記16)
付記15に記載の情報処理方法であって、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行い、
前記待機系システムが、前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求し、
前記処理システムが、前記待機系システムからの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行い、
前記待機系システムが、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0073】
10 処理システム
11 メッセージ登録部
12 メッセージ送信部
13 メッセージ管理部
15 メッセージ記憶部
20 フロントシステム
21 メッセージ受付部
22 データ処理部
23 処理応答部
24 DB転送部
25 メッセージ記憶部
26 データベース
30 バックアップシステム
31 メッセージ要求部
32 メッセージ受付部
33 データ処理部
34 DB反映部
35 メッセージ記憶部
36 データベース
100 処理システム
101 処理要求記憶手段
102 処理要求情報送信手段
200 現用系システム
201 データ処理手段
202 処理応答手段
203 データベース転送手段
210,310 データベース
300 待機系システム
301 データベース反映手段
302 データ整合処理手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとを備えると共に、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムを備え、
前記現用系システムは、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備え、
前記処理システムは、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備え、
前記待機系システムは、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えた、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記処理システムは、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、
前記処理システムが有する前記処理要求情報送信手段は、前記待機系システムからの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行い、
前記待機系システムは、前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求して取得する処理要求取得手段を備えると共に、
前記待機系システムの前記データ整合処理手段は、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記待機系システムの前記処理要求取得手段は、当該待機系システムが現用系として切り替わったときに作動する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記現用系システムの前記処理応答手段は、前記データ処理手段にて、前記処理システムからの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理が完了したときに前記処理サーバに応答する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記現用系システムの前記処理応答手段は、前記データベース転送手段にて、前記待機系システムに前記処理対象データを転送したときに前記処理サーバに応答する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムであって、
前記待機系システムの前記データベース反映手段は、自システムが備えるデータベースに前記現用系システムから転送されたデータの反映が完了した旨を当該現用系システムに応答し、
前記現用系システムの前記処理応答手段は、前記データベース転送手段にて前記待機系システムに前記処理対象データを転送し、当該待機系システムからデータの反映が完了した応答を受けたときに前記処理システムに応答する、
情報処理システム。
【請求項7】
データベースを備えた現用系システムがダウンしたときに当該現用系システムに切り替わって作動する待機系システムであって、
前記現用系システムが、処理対象データの処理要求を行う処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備えている場合に、
前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えた、
待機系システム。
【請求項8】
請求項7に記載の待機系システムであって、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、前記処理システムが有する前記処理要求情報送信手段が、前記待機系システムからの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う機能を有する場合に、
前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求して取得する処理要求取得手段を備えると共に、
前記データ整合処理手段は、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
待機系システム。
【請求項9】
データベースを備えた現用系システムがダウンしたときに当該現用系システムに切り替わって作動する待機系装置に組み込まれるプログラムであって、
前記現用系システムが、処理対象データの処理要求を行う処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系装置に転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系装置に行う処理要求情報送信手段と、を備えている場合に、
前記待機系装置に、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系装置が備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自装置が備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の待機系装置に組み込まれるプログラムであって、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、前記処理システムが有する前記処理要求情報送信手段が、前記待機系装置からの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う機能を有する場合に、
前記待機系装置に、前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求して取得する処理要求取得手段を実現させると共に、
前記データ整合処理手段は、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自装置が備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
プログラム。
【請求項11】
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとに接続されており、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムであって、
前記現用系システムが、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理システムからの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理システムに応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えている場合に、
前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を備えた、
処理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の処理システムであって、
前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を備えると共に、
前記処理要求情報送信手段は、前記待機系システムから前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求の取得要求に応じて、前記待機系システムに前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う、
処理システム。
【請求項13】
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとに接続されており、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理装置に組み込まれるプログラムであって、
前記現用系システムが、前記処理装置から受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ処理手段と、前記処理装置からの処理要求に応じた処理が完了した旨を当該処理装置に応答する処理応答手段と、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送するデータベース転送手段と、を備えており、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映するデータベース反映手段と、前記処理装置から送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行うデータ整合処理手段と、を備えている場合に、
前記処理装置に、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶する処理要求記憶手段と、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行う処理要求情報送信手段と、を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記処理装置に、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行う処理完了登録手段を実現させると共に、
前記処理要求情報送信手段は、前記待機系システムから前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求の取得要求に応じて、前記待機系システムに前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行う、
プログラム。
【請求項15】
それぞれデータベースを備えた現用系システムと待機系システムとを備えると共に、前記現用系システムに対して処理対象データの処理要求を行う処理システムを備えた情報処理システムにて、
前記処理システムが、前記現用系システムに対して前記処理対象データの処理要求を行うと共に当該処理要求の内容を表す処理要求情報を記憶し、
前記現用系システムが、前記処理システムから受け付けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行い、当該処理が完了した旨を前記処理システムに応答し、自システムが備えるデータベース内のデータを前記待機系システムに転送し、
前記待機系システムが、前記現用系システムから転送された当該現用系システムのデータベース内のデータを待機系システムが備えるデータベースに反映すると共に、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受け付けていない前記処理要求情報に対応する処理要求を前記待機系システムに行い、
前記待機系システムが、前記処理システムから送信された処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
情報処理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理方法であって、
前記処理システムが、前記現用系システムから処理が完了した旨の応答を受けた前記処理要求情報に完了登録を行い、
前記待機系システムが、前記処理システムに前記処理要求情報のうち前記完了登録がない前記処理対象データに対する処理要求を要求し、
前記処理システムが、前記待機系システムからの要求に応じて前記処理要求情報を送信すると共に当該処理要求情報に含まれる前記処理対象データに対する処理要求を行い、
前記待機系システムが、前記処理システムから受けた前記処理対象データの処理要求に応じて自システムが備えるデータベースに対する前記処理対象データの処理を行う、
情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−53807(P2012−53807A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197381(P2010−197381)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232092)NECソフト株式会社 (173)
【Fターム(参考)】