説明

情報処理端末およびプログラム

【課題】利用者にとって使い勝手の良い情報処理端末を提供する。
【解決手段】本実施形態の情報処理端末は、表示手段と、撮影手段と、ライブモード実行手段とを有する。ライブモード実行手段は、操作者による所定の操作があった場合に、通信先の情報処理端末における操作者の応答操作を介在せずに、前記通信先の情報処理端末側に設けられた撮影手段で撮影された画像のデータを受信して自端末の前記表示手段で表示させるとともに、自端末の前記撮影手段で撮影された画像を前記通信先の情報処理端末に送信して前記通信先の情報処理端末の表示手段に表示させ、且つ、通信する情報処理端末間で通話処理を行うライブモードを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象地に設置されたカメラで撮影された映像を監視する側のディスプレイに表示させ、監視対象地の人の出入りや動作などを監視する監視カメラシステムが知られている。
【0003】
また、従来では、通信相手先の映像をディスプレイに表示させながら、通信相手先と通話するテレビ電話システムも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の監視カメラシステムでは、監視対象地側の許可や応答操作が無くとも監視対象地の映像をディスプレイに表示させることができるものの、片方向通信のため、監視対象地では、監視する側の映像を見ることができず、更に、監視する側と監視対象地側との間で通話を行うことはできないものである。
【0005】
また、従来のテレビ電話システムでは、双方向通信のため、通信者間で通話を行うことができるものの、通信相手先が特別な応答操作をしなければ通信相手先の映像をディスプレイに表示させて確認することができないものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の情報処理端末は、表示手段と、撮影手段と、ライブモード実行手段とを有する。ライブモード実行手段は、操作者による所定の操作があった場合に、通信先の情報処理端末における操作者の応答操作を介在せずに、前記通信先の情報処理端末側に設けられた撮影手段で撮影された画像のデータを受信して自端末の前記表示手段で表示させるとともに、自端末の前記撮影手段で撮影された画像を前記通信先の情報処理端末に送信して前記通信先の情報処理端末の表示手段に表示させ、且つ、通信する情報処理端末間で通話処理を行うライブモードを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態に係る通信システムの概略的な構成を示す概要図である。
【図2】図2は、実施形態に係る情報処理端末の正面側の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、実施形態に係る情報処理端末の背面側の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、ディスプレイに表示される認証画面の一構成例を示す平面図である。
【図5】図5は、ディスプレイに表示されるメニュー画面の一構成例を示す平面図である。
【図6】図6は、ディスプレイに表示されるスケジュール登録画面の一構成例を示す平面図である。
【図7】図7は、ディスプレイに表示される画像選択画面の一構成例を示す平面図である。
【図8】図8は、ディスプレイに表示される拡大表示画面の一構成例を示す平面図である。
【図9】図9は、ディスプレイに表示される不在通知画面の一構成例を示す平面図である。
【図10】図10は、情報処理端末の概略的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、サーバ装置の概略的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、情報処理端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、サーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、スケジュールDBに登録される登録情報の一構成例を示す図である。
【図15】図15は、通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図16】図16は、サーバ装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図17】図17は、サーバ装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図18】図18は、情報処理端末の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る通信システム1の概略的な構成を説明するための概要図である。
【0010】
図1に示すように、この通信システム1は、複数の情報処理端末2と、サーバ装置3とを備え、それらがネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0011】
ここで、複数の情報処理端末2としては、病院側に設置され、その病院に入院している患者が使用する情報処理端末2Aと、前記患者の家族や身内が住んでいる住居に設置され、その家族や身内が使用する複数の情報処理端末2B、2Cなどを含んでいる。
【0012】
サーバ装置3は、情報処理端末2Aと、複数の情報処理端末2B、2Cとを通信接続するサービスを提供するサーバ機能を有するコンピュータである。
【0013】
ネットワーク4は、インターネットなどのネットワークであり、ルータなどの各種通信接続機器(不図示)が含まれている。
【0014】
図2および図3は、本実施形態の情報処理端末2の概略的な外観構成を説明するための斜視図である。
【0015】
図2に示すように、情報処理端末2は、薄板状の本体ハウジング20を有している。そして、本体ハウジング20の正面側には、ディスプレイ21と、タッチパネル22と、入力キー部23と、カメラ24と、マイク25と、スピーカ26などが設けられている。
【0016】
ここで、ディスプレイ21は、画像を表示する表示装置であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成される。
【0017】
具体的には、ディスプレイ21は、所定の記憶部(内蔵の記憶部204(図10参照)や、メモリーカードスロット30にセットされたメモリカード(不図示)など)に記憶されている画像データに基づいて、風景画や、ペットや、家族などのデジタル写真を表示したり、デジタル時計やカレンダなどの画像を表示したり、図4〜図9に示すような各種画面を表示したりするものである。
【0018】
図4〜図9は、ディスプレイ21に表示される各種画面の一構成例を説明するための平面図である。
【0019】
なお、図4が、認証画面S1を示し、図5が、メニュー画面S2を示し、図6が、スケジュール登録画面S3を示し、図7が、画像選択画面S4を示し、図8が、拡大表示画面S5を示し、図9が、不在通知画面S6を示している。
【0020】
図4に示すように、この認証画面S1は、電源ボタン27が押下されて、情報処理端末2の電源がオンになった場合や、入力キー部23に含まれるメニューキー(図2参照)が選択された場合に表示される画面であり、正規のユーザの認証を行うための画面であり、操作者は、この認証画面S1を用いて、サーバ装置3に予め登録されているパスワードなどの認証(ID)情報を入力する。
【0021】
なお、正規のユーザを特定するID情報としては、パスワード以外の情報を用いても良く、例えば、指紋などの生体情報を利用することも可能である。
【0022】
また、図5に示すように、このメニュー画面S2は、前記認証画面S1により正規のユーザとして認証が取れた場合に表示される画面であり、操作者が、「デジタルフォトフレームモード」、「ライブカメラモード」、「スケジュール登録」、・・・などの各種メニュー項目の中から所望の項目を選択指定するためのものである。なお、図5の例では、操作者により、ライブカメラモードが選択される場合を示している。
【0023】
また、図6に示すように、このスケジュール登録画面S3は、スケジュール登録ボタンアイコンが選択された場合に表示される画面であり、操作者が自己のスケジュールを登録するための画面である。なお、図6の例では、病院に入院している患者のスケジュール内容を示しており、この場合、「9:00〜9:30」の時間帯に、診察の予定が入っていることを示し、「12:00〜13:00」の時間帯に、昼食の予定が入っていることを示し、「14:00〜16:00」の時間帯に、リハビリの予定が入っていることを示している。
【0024】
また、図7に示すように、この選択画面S4は、前記メニュー画面S2でライブカメラモードアイコンが選択され、ライブ映像表示ボタンアイコンが選択された場合に表示される画面であり、この情報処理端末2と通信する通信相手先の複数の情報処理端末2に搭載されたカメラ24でそれぞれ撮影された画像を縮小且つ低解像度にしたサムネイル画像を分割表示する画面であり、操作者は、分割表示される複数のサムネイル画像の中から所望の画像を選択する。
【0025】
また、図8に示すように、この拡大表示画面S5は、選択画面S4で表示先のサムネイル画像が選択された場合に表示される画面であり、選択されたサムネイル画像に対応する高解像度の拡大画像を表示する画面である。即ち、操作者は、この画面により、通信相手先の映像を確認することができる。
【0026】
また、図9に示すように、この不在通知画面S6は、通信相手先で登録されたスケジュールに基づき通信相手先が不在である場合に表示される画面であり、前記登録されたスケジュールに基づいて、通信相手先が不在であることと、通信相手先の不在理由を通知するための画面である。なお、図9の例では、図1の情報処理端末2B、2C側で表示される場合の例を示しており、この場合には、病院にいる患者(操作者A)が「診察中」であることを示している。
【0027】
なお、図4〜図9の各画面には、各種情報(パスワードや、予定内容など)を入力指示したり、終了を指示するための機能アイコンとして、複数の文字キーを有するキーボードアイコンや、カーソルキーアイコンや、終了ボタンアイコンなどが表示される。
【0028】
また、図2に戻って、タッチパネル22は、ディスプレイ21に積層されており、ディスプレイ21に表示された機能ボタンアイコンやサムネイル画像などの各種項目をタッチ操作で選択するための入力インタフェースである。
【0029】
入力キー部23は、メニュー表示キー、カーソールキー、決定キー、音量調節キーなどの各種機能を指示するハードキーを有しており、ディスプレイにメニュー画面を表示させたり、タッチパネルと同様に、ディスプレイ21に表示された各種項目を選択したり、通話している相手の音声出力のボリュームを調節したりするためのものである。
【0030】
カメラ24は、CCD(Charge−Coupled Device)などのデジタルカメラであり、情報処理端末2が設置された場所の様子や、情報処理端末2を操作する操作者の様子などを撮影するための撮影装置である。マイク25は、情報処理端末2の周辺の音を集音するものであり、特に、後述のライブカメラモードにおける操作者の音声を集音する。スピーカ26は、通話している相手の音声を出力するスピーカである。
【0031】
また、本体ハウジング20の一側面には、情報処理端末2の電源をオン/オフするための電源ボタン27などが設けられている。
【0032】
また、図3に示すように、本体ハウジング20の背面側には、スタンド28や、USB(Universal Serial Bus)コネクタ29や、メモリーカードスロット30や、ACアダプタ差込口31などが設けられている。
【0033】
ここで、スタンド28は、本体ハウジング20を縦置き状態または横置き状態にして立てるための台である。USBコネクタ29は、USBメモリを接続したり、USBケーブルを介してデジタルカメラやパーソナルコンピュータなどの外部装置(不図示)を接続する端子である。メモリカードスロット30は、メモリカード(不図示)を差込むための差込口である。ACアダプタ差込口31は、ACアダプタ(不図示)のコードを差込むための差込口である。
【0034】
即ち、この情報処理端末2は、所定の記憶部(メモリカードスロット30にセットされたメモリカード(不図示)など)に記憶されている画像をディスプレイ(表示部)21に表示して情報処理端末2が写真立てとして機能するデジタルフォトフレームモード(第1のモード)と、通信相手先の情報処理端末2側に設けられたカメラ(撮影部)24で撮影されたライブ画像をディスプレイ21に表示するライブカメラモード(第2のモード)とを有し、操作者の操作に応じて、いずれか一方のモードを実行することが可能なものである。
【0035】
特に、操作者による操作(タッチパネル22へのタッチ操作や、入力キー部23の押下操作など)が行われていない場合には、情報処理端末2は、デジタルフォトフレームモード(第1のモード)を実行し、デジタル写真をディスプレイ21に表示することで、写真立てとして利用される。
【0036】
図10は、情報処理端末2の概略的なハードウェア構成を説明するための図である。
【0037】
図10に示すように、この情報処理端末2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201と、このCPU201とバスラインBL1を介して接続されるROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶部204、第1の通信I/F部205、第2の通信I/F部206、表示部207、操作入力部208、撮影部209、音声入力部210および音声出力部211と、それら各負荷部に電力を供給する電力供給部211などを備えている。
【0038】
ここで、CPU201は、コンピュータ全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御する。ROM202は、後述のフローチャートにおける処理手順を実行する処理プログラムP1などの各種プログラムや、それら各種プログラムで使用される各種データなどのファイルを記憶する。RAM203は、入力データや表示データなどの作業中のデータや、コンピュータの起動時にROM202から読み出されたプログラムなどを一時的に記憶する。
【0039】
記憶部204は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成され、電源が遮断されても保持する必要があるデータ(例えば、図4〜図9の各画面を表示するための画像データなど)を記憶するものである。
【0040】
第1の通信I/F部205は、通信インタフェース回路(不図示)などで構成され、USBコネクタ29に接続されたUSBメモリ(不図示)やUSBケーブルを介して接続されるパーソナルコンピュータ(不図示)との間で、記憶部204に保存する画像データなどのデータの送受信を行うものである。
【0041】
第2の通信I/F部206は、通信インタフェース回路(不図示)などで構成され、ネットワーク4を介して他の情報処理端末2から送られてくる画像データを受信したり、自装置のカメラ24で取得した画像データを送信したりするものである。
【0042】
表示部207は、各種情報を表示するものであり、前記したディスプレイ21と、そのディスプレイ21における各種情報の表示を制御する表示コントローラ(不図示)などを有している。
【0043】
操作入力部208は、各種情報を入力するものであり、前記したタッチパネル22と、入力キー部23と、それらタッチパネル22および入力キー部23からの操作信号の入力を制御する入力コントローラ(不図示)とを有している。
【0044】
撮影部209は、被写体(特に、情報処理端末を使用する操作者)を撮影するものであり、前記したカメラ24と、そのカメラ24における撮影を制御するカメラコントローラ(不図示)などを有している。
【0045】
音声入力部210は、各種音声を出力するものであり、前記したマイク25と、そのマイク25からの音声入力を制御するマイクコントローラ(不図示)などを有している。
【0046】
音声出力部211は、各種音声を出力するものであり、前記したスピーカ26と、そのスピーカ26からの音声出力を制御するスピーカコントローラ(不図示)などを有している。
【0047】
電力供給部212は、ACアダプタ(不図示)を介して接続される商用電源から、前記した各負荷部201〜211に必要な電力を供給するための電源部である。
【0048】
なお、前記した実施形態では、ACアダプタ(不図示)を介して外部の商用電源からの
電力を各負荷部に供給する形態について示したが、これに限定されず、着脱可能な蓄電池から電力を供給するような形態とすることも可能である。
【0049】
なお、前記した実施形態では、操作者は、タッチパネル22および入力キー部23を用いて、各種機能指示を入力する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、タッチパネル22または入力キー部23のようなハードキーのいずれか一方のみから入力できるようにしても良いし、その他の入力方法により各種機能指示を入力しても良く、例えば、リモコンなどを利用して入力するような形態とすることも可能である。
【0050】
図11は、サーバ装置3のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0051】
図11に示すように、サーバ装置3は、一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、CPU301と、このCPU301とバスラインBL2を介して接続されるROM302、RAM303、記憶部304、第1の通信I/F部305、第2の通信I/F部306、表示部307、操作入力部308および音声出力部309と、それら各負荷部に電力を供給する電力供給部310などを備えている。
【0052】
ここで、CPU301は、コンピュータ全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御する。ROM302は、後述のフローチャートにおける処理手順を実行する処理プログラムP2などの各種プログラムや、それら各種プログラムで使用される各種データなどのファイルを記憶する。RAM303は、入力データや表示データなどの作業中のデータや、コンピュータの起動時にROM302から読み出されたプログラムなどを一時的に記憶する。
【0053】
記憶部304は、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)などで構成され、電源が遮断されても保持する必要があるデータ(例えば、複数の情報処理端末2間を接続するための情報や、スケジュールデータを登録するスケジュールデータベース(DB)など)を記憶するものである。
【0054】
第1の通信I/F部305は、通信インタフェース回路(不図示)などで構成され、USBコネクタ(不図示)に接続されたUSBメモリ(不図示)や、USBコネクタに接続されたUSBケーブルを介して接続される他のパーソナルコンピュータ(不図示)との間で、各種データの送受信を行うものである。第2の通信I/F部306は、通信インタフェース回路(不図示)などで構成され、ネットワーク4を介して接続される情報処理端末2との間で各種データの送受信を行うものである。
【0055】
表示部307は、各種情報を表示するものであり、ディスプレイ(不図示)と、そのディスプレイにおける各種情報の表示を制御する表示コントローラ(不図示)などを有している。操作入力部308は、各種情報を入力するものであり、前記したキーボードやマウスなどの入力装置(不図示)と、その入力装置からの操作信号の入力を制御する入力コントローラ(不図示)とを有している。音声出力部309は、各種音声を出力するものであり、前記したスピーカ(不図示)と、そのスピーカからの音声出力を制御する音声コントローラ(不図示)などを有している。
【0056】
電力供給部310は、ACアダプタ(不図示)を介して接続される商用電源から、前記した各負荷部301〜309に必要な電力を供給するための電源部である。
【0057】
図12は、CPU201がROM202に記憶されている処理プログラムP1を、RAM203上に展開して実行することにより実現される、情報処理端末2の機能的構成(即ち、ソフトウェア構成)を説明するためのブロック図である。
【0058】
図12に示すように、情報処理端末2は、機能的構成として、表示処理部200a、入力処理部200b、認証受付処理部200c、データ送受信部200d、メニュー処理部200eなどを有している。
【0059】
ここで、表示処理部200aは、ディスプレイ21に各種画面S1〜S6(図4〜図9参照)を表示する処理を行うものである。
【0060】
入力処理部200bは、タッチパネル22および入力コントローラ(不図示)を介して操作者の各種操作指示を入力処理するものである。
【0061】
認証受付処理部200cは、認証画面S1で入力されたパスワードに基づいて操作者が正規に使用を許可された者であるか否かを判定し、認証が取れた場合に情報処理端末2の使用を許可する処理を行うものである。
【0062】
データ送受信部200dは、各種データの送受信の処理を行うものである。具体的には、このデータ送受信部200dは、第2のモード実行部222から入力した画像データや音声データなどをネットワーク4を介して通信先の情報処理端末2に送信したり、ネットワーク4を介して通信先の情報処理端末2から受信した画像データや音声データを第2のモード実行部222に出力したりする。
【0063】
メニュー処理部200eは、メニュー画面S2(図5参照)に表示される各種項目の処理を行うものであり、第1のモード実行部221、第2のモード実行部222、スケジュール登録部223などを有している。
【0064】
第1のモード実行部221は、デジタルフォトフレームモードを実行処理するものであり、他の情報処理端末2との間で通信(ライブカメラモードによる双方向通信)を行わないときに、記憶部204などに記憶されている画像データに基づいてディスプレイ21にデジタル写真(画像)を表示する処理を行うものである。
【0065】
第2のモード実行部222は、ライブカメラモードを実行処理するものであり、テレビ電話システムのように、他の情報処理端末2に搭載されたカメラ24で撮影された映像をディスプレイ21に表示させながら通話を行うための処理を行うものである。即ち、第2のモード実行部222は、図7〜図9の各種画面S4〜S6をディスプレイ21に表示するとともに、カメラ24で撮影された映像を示す画像データや、マイク25で集音された操作者の音声を示す音声データを作成してデータ送受信部200dに出力する。これにより、データ送受信部200dが、画像データおよび音声データをサーバ装置3に送信する。
【0066】
スケジュール登録部223は、メニュー画面S2(図5参照)でスケジュール登録アイコンが選択された場合に、正規のユーザのスケジュールを登録する処理を行う。具体的には、スケジュール登録部223は、操作者の操作によりスケジュール登録画面S3(図6参照)で入力されたスケジュールの内容(時間帯と予定内容)を示す情報を入力処理部200bを介して入力し、該入力したスケジュールの内容を示す情報とID情報とを含むスケジュールデータを作成してデータ送受信部200dに出力する。これにより、データ送受信部200dが、スケジュールデータをサーバ装置3に送信する。
【0067】
図13は、CPU301がROM302に記憶されている処理プログラムP2を、RAM303上に展開して実行することにより実現される、サーバ装置3の機能的構成(即ち、ソフトウェア構成)を説明するためのブロック図である。
【0068】
図13に示すように、サーバ装置3は、機能的構成として、表示処理部300a、入力処理部300b、登録処理部300c、データ送受信部300d、接続処理部300eなどを有している。
【0069】
ここで、表示処理部300aは、表示部307を用いて各種画像を表示する処理を行うものである。入力処理部300bは、操作入力部308を用いて操作者の各種操作指示を入力処理するものである。
【0070】
登録処理部300cは、ライブカメラモードによる通信を行うのに必要なデータ(ID情報やスケジュール情報)の登録処理を行うものである。具体的には、登録処理部300cは、入力処理部200bを介して、情報処理端末2から受信したスケジュールデータをスケジュールDBに登録する。
【0071】
図14は、スケジュールDBに登録される登録情報の一構成例を説明するための図である。
【0072】
図14に示すように、スケジュールDBは、受信したスケジュールデータに含まれるID情報に対応付けてユーザ毎のスケジュール(時間帯および予定内容)を登録する。
【0073】
図13に戻って、データ送受信部300dは、情報処理端末2との間で各種データの送受信処理を行うものである。
【0074】
接続処理部300eは、複数の情報処理端末2を接続して、双方向通信を行わせるものである。例えば、接続処理部300eは、図1の病院側に設置された情報処理端末2Aと、自宅側に設置された情報処理端末2B、2Cとを接続する。
【0075】
次に、前記した構成の通信システム1における各種処理動作について図15〜図18を用いて説明する。
【0076】
図15は、通信システム1における処理の流れを説明するためのシーケンス図であり、特に、この場合は、病院側の情報処理端末2からアクセスがあった場合の処理の流れを示している。
【0077】
図15に示すように、このシーケンスでは、まず、情報処理端末2Aを操作する操作者Aが、タッチパネル22をタッチして認証画面S1をディスプレイ21に表示させ、パスワードを入力すると、情報処理端末2Aがサーバ装置3にアクセス要求を行う(ステップS1)。すると、サーバ装置3が、認証処理を行う(ステップS2)。そして、サーバ装置3は、認証結果を情報処理端末2Aに返信する。
【0078】
続いて、情報処理端末2Aでは、操作者の操作に応じて、デジタルフォトフレームモードや、ライブカメラーモード、スケジュール登録などのメニュー処理を実行する(ステップS3)。
【0079】
ステップS3の処理において、操作者の選択操作に応じてスケジュール登録を実行する場合には、情報処理端末2Aから操作者により入力されたスケジュールを示すデータがサーバ装置3に送信される。すると、サーバ装置3では、受信したスケジュールデータをスケジュール登録DBに登録する(ステップS4)。
【0080】
一方、ステップS3の処理において、操作者の選択操作に応じてライブカメラモードを実行する場合には、情報処理端末2Aからライブ映像要求信号がサーバ装置3に送信される。すると、サーバ装置3では、接続処理を実行する(ステップS5)。
【0081】
ステップS5の接続処理では、サーバ装置3は、通信相手先のスケジュールをチェックし、相手が不在であると判定した場合には、不在理由通知を情報処理端末2Aに返信する。一方、相手が不在でないと判定した場合には、サーバ装置3は、予め登録されている接続情報に基づいて情報処理端末2Aの通信相手先となる情報処理端末2B、2Cに対して呼出処理を行い、情報処理端末2B、2Cから自動応答(カメラ24で撮影された映像の画像データを含む)を受信する。その後、サーバ装置3は、受信した画像データに基づいて、各情報処理端末2B、2Cの撮影画像のサムネイル画像を作成して情報処理端末2Aに送信する。
【0082】
一方、サムネイル画像を受信した情報処理端末2Aは、操作者による選択画面S4における画像選択操作に応じて、画像選択信号をサーバ装置3に送信する。すると、サーバ装置3では、受信した画像選択信号に基づいて該当する情報処理端末2(2Bまたは2C)と、情報処理端末2Aとの間でライブデータ(画像データおよび音声データ)の送受信を行わせる接続処理を行う。
【0083】
図16および図17は、サーバ装置3の処理手順を説明するためのフローチャートであり、図16が、情報処理端末2からスケジュールデータを受信した場合の処理(即ち、図15のステップS4に相当)の手順を示し、図17が、情報処理端末2からライブ映像要求信号を受信した場合の処理(即ち、図15のステップS5に相当)の手順を示している。
【0084】
図16に示すように、サーバ装置3は、情報処理端末2(例えば、情報処理端末2A)からスケジュールデータを受信すると(ステップS11:Yes)、ステップS12において、登録処理部300cが、受信したスケジュールデータを解析し、ID情報に対応付けて個人のスケジュール情報(時間帯および予定内容)をスケジュールDBに登録する。
【0085】
また、図17に示すように、サーバ装置3は、通信開始元の情報処理端末2からライブ映像要求信号を受信すると(ステップS21)、続くステップS22において、接続処理部300eが、ID情報を基に該当する通信相手先のスケジュールをチェックし、該チェックの結果、通信相手先が不在であると判定した場合には(ステップS23:Yes)、不在理由を示すデータを通信開始元の情報処理端末2に返信(ステップS24)し、ここでの処理を終了する。
【0086】
一方、通信相手先が不在でないと判定した場合(ステップS23:No)には、サーバ装置3は、ステップS25において、接続処理部300eが、通信相手先の情報処理端末2を呼出す。この呼出に応答して通信相手先の情報処理端末2から画像データを含む応答信号を受信すると(ステップS26)、通信開始元の情報処理端末2に対してサムネイル画像を送信する(ステップS27)。
【0087】
その後、操作者のライブモードの終了操作が行われるまで(ステップS29:Yes)、接続処理部300eが、通信開始元の情報処理端末2から受信する画像選択信号で特定される通信相手先の情報処理端末2と通信開始元の情報処理端末2との間で送受信されるライブデータ(画像データおよび音声データ)の中継処理を行う(ステップS28)。
【0088】
図18は、情報処理端末2の処理手順を説明するためのフローチャートであり、図15のステップS3のメニュー処理の詳細を説明するための図である。
【0089】
図18に示すように、情報処理端末2は、デジタルフォトフレームモードによりデジタル写真を表示している状態で、操作者によりタッチパネル22がタッチ操作され、認証画面S1でパスワードが入力されると、データ送受信部200dが、認証受付処理部200cから入力したIDデータをサーバ装置3に送信する(ステップS31)。
【0090】
その後、サーバ装置3の認証処理により、認証が取れなかった場合には(ステップS32:No)、認証受付処理部200cが、認証が取れない旨を操作者に通知するエラー通知処理を行い(ステップS33)、ここでの処理を終了する。
【0091】
一方、サーバ装置3の認証処理により、認証が取れた場合には(ステップS32:Yes)、続いて、メニュー処理部200eが、メニュー画面S2における各種メニュー項目の選択の待受け処理を行う(ステップS34)。
【0092】
この待受け処理において、操作者によりデジタルフォトフレームモードの項目が選択された場合には、第1のモード実行部221が、デジタルフォトフレームモードを実行する(ステップS35)。
【0093】
一方、ステップS34の待受け処理において、操作者によりライブカメラモードの項目が選択された場合には、続いて、第2のモード実行部222が、操作者によりライブカメラモードの終了操作が行われるまで、ライブカメラモードを実行する(ステップS36)。
【0094】
また、一方、ステップS34の待受け処理において、操作者によりスケジュール登録の項目が選択された場合には、スケジュール登録部223が、操作者によりスケジュール登録の終了操作が行われるまで、スケジュール登録の処理を実行する(ステップS37)。
【0095】
以上説明した実施形態によれば、操作者による操作が行われていない場合には、情報処理端末をデジタルフォトフレームとして利用することができるとともに、操作者のライブカメラモードの要求があった場合には、情報処理端末をテレビ電話システムとして利用することができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、通信相手先の情報処理端末における応答操作(例えば、受話器を取ったり、通話ボタンを押したりするなどの応答操作)を介在せずに、通信相手先の情報処理端末側で撮影された画像を通信開始側の情報処理端末に表示させ、通信相手先の情報処理端末に通信開始側の情報処理端末で撮影された画像を表示させるとともに、表示と並行して通信開始側および通信相手先の両情報処理端末間で通話処理を行わせることができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、情報処理端末の操作者のスケジュールを予め登録しておくことで、相手先の操作者が不在の場合には、当該操作者が不在であると判定した場合に、当該通信開始側の情報処理端末に不在理由の通知を行うことができる。
【0098】
具体的には、自宅から遠く離れた遠隔地に居る者(入院患者や単身赴任者など)が、家族や身内が住んでいる住居に設置された情報処理端末における応答操作を介在せずに、その住居の様子を気軽に確認することができるとともに、他方、家族や身内も、遠隔地に居る者(入院患者や単身赴任者など)の応答操作を介在せずに遠隔地に居る者の様子を気軽に確認することができる。
【0099】
例えば、遠隔地に居る者(入院患者や単身赴任者など)は、夕食などの食事時間帯に、リビングなど家族や身内が食事する場所の映像を端末に表示させ、一方、家族や身内側にも、遠隔地に居る者(入院患者や単身赴任者など)の映像を表示させることで、一緒に食事をしている感覚を共有することができる。
【0100】
また、例えば、遠隔地に居る者(入院患者や単身赴任者など)は、家族や身内が住む住居の玄関の映像を端末に表示させ、一方、家族や身内側にも、遠隔地に居る者(入院患者や単身赴任者など)の映像を表示させることで、遠隔地に居る者が家族や身内の出勤や通学を見送りすることができる。
【0101】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明の実施形態は、前記した実施形態により限定されるものではない。
【0102】
例えば、前記した実施形態では、情報処理端末とサーバ装置で通信を行ってスケジュールをサーバ装置に登録する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、情報処理端末がスケジュールを管理し、サーバ装置が、情報処理端末間の接続処理時に、該当する情報処理端末からスケジュールの情報を取得するような形態とすることも可能である。
【0103】
また、その他、情報処理端末には、スケジュールの登録を指示する機能が無く、サーバ装置を管理する側が他の通信方法により取得した情報に基づいて、サーバ装置にスケジュールを登録するような形態とすることも可能である。
【0104】
また、前記した実施形態では、サーバ装置を介在させる通信システムの場合について説明したが、これに限定されず、例えば、サーバ装置を介在させずに、情報処理端末間で直接通信することが可能な通信システムとすることも可能である。
【0105】
また、前記した実施形態では、専用の情報処理端末としての情報処理装置の場合について説明したが、これに限定されず、例えば、PDA(Personal Data Assistant)などの汎用の携帯型の情報処理端末に適用することも可能である。
【0106】
また、前記した実施形態では、1台のサーバ装置3のみを備える形態を示しているが、これに限定されず、複数のサーバ装置を備え、それら複数のサーバ装置で処理を分担するようにしても良いし、クラウド型のネットワークとすることも可能である。
【0107】
また、前記した実施形態の情報処理端末およびサーバ装置で実行される処理プログラムPは、ROMなど記憶部に予め組み込むようにして提供する以外にも、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録して提供したり、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにして提供したりすることも可能である。
【0108】
その他、前記した実施形態における通信システム、情報処理端末、サーバ装置などのハードウェアおよびソフトウェアの構成や、各種表示画面の構成や、処理手順などは、単なる一例として記載したものであり、本実施形態は、これらにより限定されない。
【符号の説明】
【0109】
1 通信システム
2 情報処理端末
3 サーバ装置
4 ネットワーク
21 ディスプレイ(表示手段)
24 カメラ(撮影手段)
200e メニュー処理部(制御手段)
204 記憶部(記憶手段)
221 第1のモード実行部(フォトモード実行手段)
222 第2のモード実行部(ライブモード実行手段)
223 スケジュール登録部(登録手段)
300c 登録処理部(登録手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2006−229806号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
撮影手段と、
操作者による所定の操作があった場合に、通信先の情報処理端末における操作者の応答操作を介在せずに、前記通信先の情報処理端末側に設けられた撮影手段で撮影された画像のデータを受信して自端末の前記表示手段で表示させるとともに、自端末の前記撮影手段で撮影された画像を前記通信先の情報処理端末に送信して前記通信先の情報処理端末の表示手段に表示させ、且つ、通信する情報処理端末間で通話処理を行うライブモードを実行するライブモード実行手段と、
を有する情報処理端末。
【請求項2】
所定の記憶手段に記憶されている画像を前記表示手段に表示して端末を写真立てとして機能させるフォトモードを実行するフォトモード実行手段と、
操作者の操作に応じて、前記ライブモード実行手段のライブモードまたは前記フォトモード実行手段のフォトモードのいずれか一方に切り替える制御手段と、
を更に有する請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記ライブモード実行手段は、通信接続が許可されている複数の情報処理端末との間で、前記ライブモードを実行する請求項1または2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記ライブモード実行手段は、操作者の操作に応じて前記ライブモードが選択された際、所定の登録手段で登録されたスケジュールに基づき通信先の情報処理端末を操作する操作者が不在であると判定された場合に、前記ライブモードを実行せずに中止する請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記ライブモード実行手段は、正規登録者の認証がとれた場合に前記ライブモードを実行する請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項6】
表示手段と撮影手段とを有する情報処理端末に実装されるコンピュータを、
操作者による所定の操作があった場合に、通信先の情報処理端末における操作者の応答操作を介在せずに、前記通信先の情報処理端末側に設けられた撮影手段で撮影された画像のデータを受信して自端末の前記表示手段で表示させるとともに、自端末の前記撮影手段で撮影された画像を前記通信先の情報処理端末に送信して前記通信先の情報処理端末の表示手段に表示させ、且つ、通信する情報処理端末間で通話処理を行うライブモードを実行するライブモード実行手段として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−114726(P2012−114726A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262642(P2010−262642)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】