説明

情報処理端末

【課題】DNSサーバのアドレスを自端末に設定されていない場合やDNSサーバで名前解決することができない場合であっても、名前解決できる確率を高くすることができる情報処理端末を提供する。
【解決手段】名前解決応答部503が、LLMNRに従って送信された名前解決要求を受信し、受信した名前解決要求に含まれるホスト名とMFP104のホスト名とが一致するか否かを判断し、名前解決要求部505が、名前解決要求に含まれるホスト名とMFP104のホスト名とが一致しなかった場合、DNSのプロトコルにより名前解決要求をDNSサーバ102に対して送信し、DNSサーバ102から名前解決要求に対するIPアドレスを含む名前解決応答を受信し、代理応答部504が、受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスをクライアントに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報処理端末がホスト名を利用してインターネットを介して他のネットワークに接続されたファイルサーバ等にアクセスする場合には、ホスト名を指定する名前解決要求をネットワーク上のDNS(Domain Name System)サーバに送信し、DNSサーバから当該名前解決要求により指定されるホスト名に対応するIPアドレスを取得する変換処理(以下、名前解決処理とする)が行われる。
【0003】
しかし、DNSサーバのアドレスが情報処理端末に登録されていない場合には、DNSサーバにより名前解決処理を行うことができず、対象のファイルサーバにアクセスすることができない。また、DNSサーバは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)により自動設定される場合もある。しかし、手動設定が必要な環境においては、利用者がネットワーク管理者に対してDNSサーバのアドレスを問い合わせ、情報処理端末に正しく設定する必要があり、ネットワークに不慣れな利用者にとっては負荷がかかる作業である。
【0004】
また、Windows Vista(登録商標)は、DNSサーバを利用して名前解決処理が行えない場合、マルチキャストやブロードキャストを利用して、複数のユーザに対してパケットを送信することにより名前解決を試みるが、対象のファイルサーバが自端末と同じセグメントに存在しなければならないという制約ある。
【0005】
さらに、グループ内のDNSサーバと、グループ外のDNSサーバと、を使い分けたい場合、情報処理端末は、通常、DNSの設定にプライマリDNSサーバとセカンダリDNSサーバというように複数のDNSサーバを設定する。そして、セカンダリDNSサーバは、情報処理端末の実装に依存するが、プライマリDNSサーバがダウンしているときにだけ使用される。そのため、プライマリDNSサーバが情報処理端末に名前解決ができないという応答を返した場合には、セカンダリDNSサーバへの問い合わせは行われない。つまり、複数のDNSサーバが設定されていても、両方のDNSサーバを使い分けることができない。
【0006】
このような問題を解決するものとして、ドメイン名によって複数のDNSサーバから問い合わせ先を選択できる中継器が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1にかかる中継器では、関連付けて記憶された仮想ドメイン名とDNSサーバのIPアドレスとに基づいて、入力されたドメイン名と仮想ドメイン名とが一致する場合にはDNSサーバを指定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、ドメイン名とDNSサーバのIPアドレスとを関連付けて記憶した中継器がなければ、DNSサーバにアクセスすることができず、名前解決処理を行うことができない、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、中継器などを備えずに、DNSサーバのアドレスを自端末に設定されていない場合やDNSサーバで名前解決することができない場合であっても、名前解決できる確率を高くすることができる情報処理端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、第1プロトコルに従って送信された他のネットワーク上の情報処理端末に割り当てられたIPアドレスに対応付けられたホスト名を指定する名前解決要求を受信する要求受信手段と、受信した前記名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致するか否かを判断する名前解決判断手段と、前記名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致しなかった場合、前記第1プロトコルとは別の第2プロトコルに従って情報処理端末に対して前記名前解決要求を送信する要求送信手段と、前記第2プロトコルに従って送信した前記名前解決要求に対するIPアドレスを含む名前解決応答を当該情報処理端末から受信する応答受信手段と、受信した前記名前解決応答に含まれるIPアドレスを前記名前解決要求の要求元に送信する応答送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記応答送信手段は、前記応答受信手段によって受信した前記名前解決応答に含まれるIPアドレスを送信するか否かを判定する応答実行判定手段をさらに備え、前記応答送信手段は、前記応答実行判定手段による判定結果に応じて、IPアドレスを送信することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記応答実行判定手段は、前記第1プロトコルに従って情報処理端末に送信した前記名前解決要求に対する前記名前解決応答の有無により、IPアドレスを送信するか否かを判定する第1判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記応答実行判定手段は、前記第1プロトコルに従って前記名前解決要求を再度受信したか否かにより、IPアドレスを送信するか否かを判定する第2判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記応答実行判定手段は、前記名前解決要求に含まれるドメイン名と自端末のドメイン名とが一致するか否かにより、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定する第3判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記応答実行判定手段は、前記名前解決応答に含まれるIPアドレスと、自端末のIPアドレスおよびサブネットマスクと、から前記名前解決要求の要求元と自端末とが同一ネットワーク内にあるか否かにより、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定する第4判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7にかかる発明は、請求項3から6のいずれか一にかかる発明において、前記応答実行判定手段は、前記名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含む場合、前記第1判定方法または前記第2判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定し、前記名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含まない場合、前記第3判定方法または前記第4判定方法により、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1プロトコルに従って送信された他のネットワーク上の情報処理端末に割り当てられたIPアドレスに対応付けられたホスト名を指定する名前解決要求を受信し、受信した名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致するか否かを判断し、名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致しなかった場合、第1プロトコルとは別の第2プロトコルに従って情報処理端末に対して名前解決要求を送信し、第2プロトコルに従って送信した名前解決要求に対するIPアドレスを含む名前解決応答を受信し、受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを名前解決要求の要求元に送信することにより、中継器などを備えずに、DNSサーバのアドレスが自端末に設定されていない場合やDNSサーバで名前解決することができない場合であっても、名前解決できる確率を高くすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態にかかる名前解決システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる名前解決システムにおける名前解決処理の手順を示すシーケンス図である。
【図3】代理リゾルバによる名前解決処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】MFPのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】MFPの機能構成を示すブロック図である。
【図6】MFPによる名前解決処理の手順を示すシーケンス図である。
【図7】MFPによる名前解決処理の手順を示すシーケンス図である。
【図8】MFPによる名前解決処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理端末の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、本発明にかかる情報処理端末をMFP(Multi Function Peripheral)に適用した例を示す。但し、ネットワークに接続されていれば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯端末等にも本発明を適用することができる。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる名前解決システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる名前解決システムは、PC1,2(106,101)、DNSサーバ102、ファイルサーバ103、MFP104、およびルーター105を有して構成される。オフィスなどに設けられたMFP104は、LAN(Local Area Network)などのネットワークに接続され、ネットワーク内で相互に通信することが可能である。例えば、図1に示すように、MFP104は、ファイルサーバ103およびPC1,2(101,106)と接続され、電子メールの送受信やファイルを転送することができる。また、MFP104は、ルーター105を使用すれば、ネットワーク外のPC2(101)やDNSサーバ102との間でも相互に通信することが可能である。
【0020】
このような名前解決システムにおいて、例えば、ファイルサーバ103またはPC1(106)は、ネットワーク外のPC2(101)にホスト名を利用してアクセスする場合、DNSサーバ102に名前解決要求を送信してPC2(101)のIPアドレスを取得しなければならない。ここで、名前解決要求とは、他のネットワーク上の情報処理端末(例えば、PC2(101))に割り当てられたIPアドレスに対応付けられたホスト名を指定するものである。しかし、DNSサーバ102のアドレスがファイルサーバ103またはPC1(106)に登録されていない場合、ファイルサーバ103またはPC1(106)は、DNSサーバ102に名前解決要求を送信することができず、ネットワーク外のPC2(101)にアクセスすることができない。なお、本実施の形態にかかる名前解決システムは、DNSサーバ102のアドレスを自動設定するDHCPサーバを有しておらず、ファイルサーバ103およびPC1(106)にはDNSサーバ102のアドレスは登録されていないものとする。
【0021】
しかし、本実施の形態にかかる名前解決システムにおいては、LLMNR(Link-Local Multicast Name Resolution)、mDNS(Multicast DNS)、NBT(NetBT)など、同じグループの複数の情報処理端末(例えば、ファイルサーバ103、MFP104、PC1(106))に対して名前解決要求を送信可能なプロトコルに従って、代理リゾルバ(MFP104)に名前解決要求が送信することにより、名前解決処理を実行することができる。
【0022】
図2は、本実施の形態にかかる名前解決システムにおける名前解決処理の手順を示すシーケンス図である。図3は、代理リゾルバによる名前解決処理の手順を示すフローチャートである。まず、図2および図3を用いて本実施の形態にかかる名前解決システムによる名前解決処理の概略について説明する。
【0023】
まず、クラインアント(例えば、ファイルサーバ103)は、マルチキャスト(またはブロードキャスト)で名前解決要求を送信可能なプロトコルPに従って、ホスト名“hogehoge?”を含む名前解決要求を代理リゾルバ(例えば、MFP104)に送信する(ステップS201)。
【0024】
代理リゾルバは、クライアントから送信されたホスト名“hogehoge?”を含む名前解決要求を受信すると(ステップS301)、自分自身のホスト名と、受信した名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge?”と、が一致するか否かをチェックする(ステップS202、ステップS302)。ここで、自分自身のホスト名と、名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge?”と、が一致した場合(ステップS302:Yes)、代理リゾルバは、自分自身のIPアドレスを、名前解決要求の要求元であるクライアントに送信する(ステップS303)。
【0025】
一方、自分自身のホスト名と、名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge?”と、が一致しなかった場合(ステップS302:No)、代理リゾルバは、名前解決要求の要求元のクライアントが使用した手段とは別の手段により名前解決処理を実行する(ステップS203〜ステップS206、ステップS304)。ここで、別の手段とは、名前解決要求の要求元のクライアントが名前解決要求の送信に使用したプロトコルPとは別のプロトコルQに従って名前解決要求を送信することとする。
【0026】
例えば、代理リゾルバは、予めDNSサーバのIPアドレスが登録されている場合、DNSのプロトコルに従って、DNSサーバに対して名前解決要求を送信する(ステップS203)。そして、DNSサーバから名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge?”に対応するIPアドレス“192.168.1.2”を含む名前解決応答を受信すると(ステップS204)、代理リゾルバは、受信した名前解決応答に含まれるIPアドレス“192.168.1.2”を名前解決要求の要求元のクライアントに送信する。
【0027】
DNSサーバのIPアドレスが登録されていない場合、代理リゾルバは、マルチキャストまたはブロードキャストにより名前解決要求を送信可能なプロトコルであって、プロトコルPとは別のプロトコルQに従って、名前解決要求をその他のクライアントに送信する(ステップS205、ステップS206)。
【0028】
また、代理リゾルバは、別の手段により名前解決処理を実行して受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを名前解決要求の要求元のクライアントに送信する前に、当該クライアントと同じ手段(マルチキャスト)を用いて名前解決処理を実行しても良い(ステップS207、ステップS305)。ここで、同じ手段とは、名前解決要求の要求元のクライアントが名前解決要求の送信に使用したプロトコルPと同じプロトコルに従って名前解決要求を送信することとする。そして、代理リゾルバは、他のクライアントからIPアドレス“192.168.1.2”を含む名前解決応答を受信するか否かを判断する(ステップS208、ステップS306)。そして、代理リゾルバは、名前解決応答を受信しなかった場合にのみ(ステップS306:No)、別の手段により名前解決要求を送信して受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを名前解決要求の要求元のクライアントに送信する(ステップS209、ステップS307)。つまり、名前解決要求の要求元のクライアントと同じ手段により名前解決要求を送信して名前解決応答を受信した場合には(ステップS306:Yes)、名前解決要求の要求元のクライアントも既に正規の応答相手からIPアドレスを受信しており、別の手段により名前解決要求を送信して受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを敢えて送信する必要がないからである。
【0029】
次に、図4〜6を用いて、代理リゾルバによる名前解決処理の詳細について説明する。図4は、MFPのハードウェア構成を示すブロック図である。図5は、MFPの機能構成を示すブロック図である。図6は、MFPによる名前解決処理の手順を示すシーケンス図である。
【0030】
まず、図4を用いて、代理リゾルバとして機能するMFPのハードウェア構成について説明する。
【0031】
コントローラ400は、CPU(Central Processing Unit)401と、NB(North Bridge)403と、システムメモリ402と、SB(South Bridge)404と、ローカルメモリ406と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)405と、HDD(Hard Disk Drive)407とを有し、NB403とASIC405との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス418で接続した構成となる。
【0032】
AGP418は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、システムメモリ402に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0033】
CPU401は、MFP104の全体制御をおこなうものであり、NB403、システムメモリ402及びSB404からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0034】
NB403は、CPU401と、システムメモリ402、SB404と、ASIC405、Ethernet(登録商標)インタフェース412と、USB(Universal Serial Bus)インタフェース413と、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース414と、セントロニクスインタフェース415と、無線インタフェース416と、外部記憶媒体用インタフェース417とを接続するためのブリッジであり、ローカルメモリ406に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0035】
SB404は、NB403とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB404は、PCIバス419を介してNB403と接続されており、このPCIバスには、各種インタフェース部412〜417等も接続される。
【0036】
Ethernet(登録商標)インタフェース412は、本実施の形態にかかるMFP104をネットワークに接続するインタフェース機器である。USBインタフェース413と、IEEE1394インタフェース414と、セントロニクスインタフェース415と、無線インタフェース416とは、それぞれの規格に準じたインタフェースであり、ネットワークに接続されることもある。
【0037】
外部記憶媒体用インタフェース417は、本実施の形態にかかるMFPから脱着することが可能な媒体で外部記憶媒体の規格に準じた媒体のインタフェースである。例えばSDカードや、コンパクトフラッシュ(登録商標)や、ROM−DIMM等が外部記憶媒体として利用される。
【0038】
システムメモリ402は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いるシステムメモリであり、図示しないROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とからなる。ROMは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAMは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。
【0039】
ASIC405は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP418、PCIバス423、HDD407、ローカルメモリ406、Flash ROM(Read Only Memory)408、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)409、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)410、およびセキュアデバイス411をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0040】
このASIC405は、PCIターゲット及びAGPマスタと、ASIC405の中核をなすアービタ(ARB)と、ローカルメモリ406を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転等をおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、FCU(Fax Control Unit)421と、エンジン部422との間でPCIバス423を介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。
【0041】
ローカルメモリ406は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD407は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。Flash ROM408は、外部からのプログラムやデータなどを書き込むことが可能なメモリである。NVRAM409およびSDRAM410は、電源がOFFの状態でも情報を保持することができる不揮発性メモリである。セキュアデバイス411は、本実施の形態にかかるMFP104の利用者に警告音を発する。
【0042】
FCU421は、PCIバス423に接続され、電源がOFFの時に受信したファクシミリデータを一時的に格納するメモリとして利用される。
【0043】
エンジン部422は、PCIバス423に接続可能なプリンタエンジン等であり、例えば、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニット等である。なお、このエンジン部422には、プロッタ等のいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれる。
【0044】
また、オペレーションパネル420は、オペレータからの入力操作を受け付けると共に、オペレータに向けた表示を行う操作部である。
【0045】
次に、図5を用いて、システムメモリ402にインストールされている各種のプログラムがCPU401に実行させる機能のうち、本実施の形態にかかるMFP104が備える特長的な機能について説明する。
【0046】
図5に示すように、本実施の形態にかかるMFP104は、名前解決プログラムに従うことにより、ネットワーク制御部501を実現する。ネットワーク制御部501は、ネットワーク通信部502、名前解決応答部503、代理応答部504、名前解決要求部505、および代理応答実行可否判定部506を有する。
【0047】
ネットワーク通信部502は、上述した各種ネットワークインタフェース412〜416を用いて、クライアント(またはDNSサーバ)からの名前解決要求または名前解決応答の受信処理、およびクライアント(またはDNSサーバ)への名前解決要求または名前解決応答の送信処理を仲介する。
【0048】
名前解決応答部503は、名前解決要求の受信および名前解決応答の送信を行うモジュールである。具体的には、名前解決応答部503は、問い合せプロトコル(本発明にかかる第1プロトコル)に従って送信された名前解決要求を受信する(本発明にかかる要求受信手段)。本実施の形態では、ネットワーク通信部502を介して、LLMNR、mDNS、NBTなどのマルチキャスト(またはブロードキャスト)のプロトコルに従ってクライアントから送信された名前解決要求を受信する。
【0049】
また、名前解決応答部503は、受信した名前解決要求に含まれるホスト名と、MFP104のホスト名とが一致するか否かを判断する(本発明にかかる名前解決判断手段)。そして、名前解決応答部503は、名前解決要求に含まれるホスト名と、MFP104のホスト名と、が一致した場合、ネットワーク通信部502を介して、MFP104に設定されているIPアドレスをクライアントに送信する。
【0050】
名前解決要求部505は、名前解決要求の送信および名前解決応答の受信を行うモジュールである。具体的には、名前解決要求部505は、名前解決応答部503により受信した名前解決要求に含まれるホスト名とMFP104のホスト名とが一致しなかった場合、問い合せプロトコルとは別のプロトコル(本発明にかかる第2プロトコル)に従って情報処理端末に対して名前解決要求を送信する(本発明にかかる要求送信手段)。本実施の形態では、ネットワーク通信部502を介して、予め登録されたDNSのプロトコルに従って、DNSサーバ102に名前解決要求を送信する。なお、本実施の形態では、DNSサーバ102に名前解決要求を送信することとしたが、これに限定するものではない。例えば、同じネットワーク内に名前解決可能な情報処理端末(例えば、PC1(106))が存在する場合またはMFP104自身がDNSサーバとして機能している場合には、同じネットワーク内に存在する情報処理端末またはMFP104自身に名前解決要求を送信可能なプロトコルであれば、LLMNR、mDNS、NBT等のプロトコルを用いて名前解決要求を送信しても良い。若しくは、MFP104のhostsファイル、DNSキャッシュ情報を利用して、名前解決要求を送信してもよい。
【0051】
また、名前解決要求部505は、問い合せプロトコルとは別のプロトコルに従って送信した名前解決要求に対するIPアドレスを含む名前解決応答を情報処理端末から受信する(本発明にかかる応答受信手段)。本実施の形態では、DNSサーバ102に名前解決要求に含まれるホスト名に対応するIPアドレスが登録されていた場合、ネットワーク通信部502を介して、当該IPアドレスを含む名前解決応答をDNSサーバ102から受信する。なお、同じネットワーク内に名前解決可能な情報処理端末が存在する場合には、LLMNR、mDNS、NBT等のプロトコルを用いて名前解決応答を当該情報処理端末から受信する。
【0052】
代理応答部504は、名前解決要求部505により受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスをクライアントに送信する(本発明にかかる応答受信手段)。本実施の形態では、ネットワーク通信部502を介して、名前解決応答に含まれるIPアドレスをクライアントに送信する。なお、本実施の形態では、さらに、代理応答が必要か否かを判定し、その判定結果に応じて、名前解決応答に含まれるIPアドレスをクライアントに送信することも可能である。具体的には、代理応答部504は、名前解決要求部505により受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを送信するか否かを判定する代理応答実行可否判定部506(本発明にかかる応答実行判定手段)を備える。そして、代理応答部504は、代理応答実行可否判定部506による判定結果に応じて、IPアドレスを送信する。以下に、代理応答が必要か否かを判定する方法について説明する。
【0053】
代理応答実行可否判定部506は、名前解決要求部505によって受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを送信するか否かを判定するモジュールである。本実施の形態では、問い合わせプロトコルに従って情報処理端末に送信した名前解決要求に対する名前解決応答に有無により、IPアドレスを送信するか否かを判定する第1判定方法を用いて、IPアドレスを送信するか否かを判定する。つまり、問い合せプロトコルと同じプロトコルにより名前解決要求を送信し、名前解決応答がなかった場合には、ネットワーク上に名前解決要求に含まれるホスト名の応答相手は存在しないため、代理応答が必要と判定する。なお、名前解決応答を待つ待ち時間は、例えば、1秒など固定とするか、若しくはパラメータ化してネットワーク環境に応じて変更可能としてもよい。また、名前解決応答に含まれるIPアドレスを送信するか否かの判定処理は、名前解決処理と同時に行うことによりレスポンスタイムを短くすることもできる。
【0054】
以下、第1判定方法によりIPアドレスを送信するか否かを判定する処理の手順について詳細に説明する。
【0055】
まず、名前解決要求部505は、さらに、問い合せプロトコルに従って情報処理端末に名前解決要求を送信する。本実施の形態では、ネットワーク通信部502を介して、名前解決応答部503によって名前解決要求を受信したマルチキャスト(またはブロードキャスト)のプロトコルに従って、情報処理端末(例えば、PC1(106))に名前解決要求を送信する。
【0056】
さらに、名前解決要求部505は、さらに、問い合せプロトコルに従って送信した名前解決要求に対する名前解決応答を情報処理端末から受信する。本実施の形態では、ネットワーク通信部502を介して、LLMNR、mDNS、NBTなどのマルチキャスト(またはブロードキャスト)のプロトコルに従って情報処理端末から送信されたIPアドレスを含む名前解決応答を受信する。
【0057】
そして、代理応答実行可否判定部506は、名前解決要求部505によって問い合わせプロトコルに従って送信した名前解決要求に対する名前解決応答を受信しなかった場合、代理応答部504によって受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを送信すると判定する。
【0058】
次に、図6を用いて、図5に示す各モジュールによる名前解決処理の手順について詳細に説明する。
【0059】
まず、クライアント(例えば、ファイルサーバ103)は、LLMNRに従って、ホスト名“hogehoge”を含む名前解決要求を送信する(ステップS601)名前解決応答部503は、ネットワーク通信部502を介して、LLMNRに従って送信された名前解決要求を受信する(ステップS602)。
【0060】
次に、名前解決応答部503は、受信した名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge”と、MFP104のホスト名と、が一致するか否かを判断する(ステップS603)。そして、名前解決応答部503は、名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge”と、MFP104のホスト名と、が一致しなかった場合、名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge”および問い合せプロトコル(LLMNR)の情報を代理応答部504に通知して、問い合わせプロトコル(LLMNR)とは別のプロトコルによる名前解決処理をリクエストする(ステップS604)。
【0061】
代理応答部504は、名前解決応答部503から名前解決処理がリクエストされた場合、名前解決要求部505に対してDNSのプロトコルによる名前解決処理をリクエストする(ステップS605)。名前解決要求部505は、ネットワーク通信部502を介して、DNSのプロトコルによりホスト名“hogehoge”を含む名前解決要求をDNSサーバ102に送信する(ステップS606)。
【0062】
DNSサーバ102は、MFP104からホスト名“hogehoge”を含む名前解決要求を受信すると(ステップS607)、当該名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge”に対応するIPアドレスを検索する。そして、DNSサーバ102は、ホスト名“hogehoge”に対応するIPアドレス“192.168.1.2”が検索された場合、IPアドレス“192.168.1.2”をMFP104に送信する(ステップS608)。
【0063】
名前解決要求部505は、ネットワーク通信部502を介して、DNSサーバ102から送信された名前解決応答を受信し(ステップS609)、当該名前解決応答に含まれるIPアドレス“192.168.1.2”を代理応答部504に通知する(ステップS610)。
【0064】
さらに、代理応答部504は、名前解決応答部503から通知された名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge”および問い合わせプロトコル(LLMNR)の情報を、代理応答実行可否判定部506に通知して、代理応答が必要か否かの判定処理をリクエストする(ステップS611)。
【0065】
代理応答実行可否判定部506は、代理応答部504から代理応答が必要か否かの判定処理をリクエストされた場合、名前解決要求部505に対して、名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge”を通知して、LLMNRによる名前解決処理をリクエストする(ステップS612)。名前解決要求部505は、ネットワーク通信部502を介して、LLMNRに従ってホスト名“hogehoge”を含む名前解決要求をネットワーク上の名前解決装置(例えば、PC1(106))に送信する(ステップS613)。LLMNRに従って名前解決要求を受信した名前解決装置は、自装置のホスト名と、名前解決要求に含まれるホスト名“hogehoge”と、が一致するか否かを判断する(ステップS614)。
【0066】
そして、名前解決装置から名前解決要求に対する応答がなかった場合(ステップS615)、名前解決要求部505は、代理応答実行可否判定部506に対して名前解決要求に対する応答がなかったことを通知する(ステップS616)。代理応答実行可否判定部506は、名前解決要求部505から名前解決要求に対する応答がなかったことが通知されると、代理応答が必要であることを代理応答部504に通知する(ステップS617)。
【0067】
代理応答部504は、代理応答実行可否判定部506から代理応答が必要であることが通知されると、名前解決要求部505から通知されたIPアドレス“192.168.1.2”を、ネットワーク通信部502を介して、クライアントに送信する(ステップS618)。クライアントは、MFP104から送信されたIPアドレス“192.168.1.2”を受信する(ステップS619)。
【0068】
このように、本実施の形態にかかるMFP104によれば、マルチキャストまたはブロードキャストにより送信された名前解決要求を受信し、受信した名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致するか否かを判断し、名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致しなかった場合、名前解決要求を受信した手段とは別の手段により名前解決要求を情報処理端末に対して送信し、情報処理端末から名前解決要求に対するIPアドレスを含む名前解決応答を受信し、受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスを名前解決要求の要求元に送信することにより、中継器などを備えずに、DNSサーバのアドレスが自端末に設定されていない場合やDNSサーバで名前解決することができない場合であっても、名前解決できる確率を高くすることができる。
【0069】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかるMFPの機能、構成は、第1の実施の形態とほぼ同一であるため、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明する。本実施の形態にかかるMFPは、再度、問い合せプロトコルに従って名前解決要求を受信した場合、ネットワーク上に名前解決要求に含まれるホスト名の応答相手が存在しないため、代理応答が必要と判定する。これにより、MFPが別の手段により名前解決要求を送信する必要がないため、MFPに対して負荷をかけずに代理応答が必要か否かを判定することができる。
【0070】
代理応答実行可否判定部506は、名前解決応答部503によって問い合せプロトコルに従って、再度、名前解決要求を受信したと判断された場合、IPアドレスを送信する必要があると判定する。本実施の形態では、問い合せプロトコルに従って名前解決要求を再度受信したか否かにより、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定する第2判定方法により、代理応答が必要か否かを判定する。
【0071】
以下、第2判定方法によりIPアドレスを送信するか否かを判定する処理の手順について詳細に説明する。
【0072】
名前解決応答部503は、さらに、問い合わせプロトコルに従って、再度、名前解決要求を受信したか否かを判断する。本実施の形態では、名前解決応答部503によって最初に名前解決要求を受信した際の問い合せプロトコルおよび当該名前解決要求の要求元および当該名前解決要求に含まれるホスト名と、再度、名前解決要求を受信した際の問い合わせプロトコルおよび当該名前解決要求の要求元および当該名前解決要求に含まれるホスト名と、が一致した場合、同一のクライアントからのリトライと判断する。なお、名前解決要求の要求元は、当該名前解決要求を送信したクライアントのIPアドレスや物理アドレスにより特定するものとする。
【0073】
そして、代理応答実行可否判定部506は、名前解決応答部503により同一のクライアントからのリトライがあったと判断された場合、代理応答する必要があると判断する。
【0074】
次に、図7を用いて、本実施の形態にかかる各モジュールによる名前解決処理の手順について詳細に説明する。図7は、MFPによる名前解決処理の手順を示すシーケンス図である。なお、本実施の形態にかかる各モジュールによる名前解決処理の手順は、図6に示すフローチャートとほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明する。ステップS701〜ステップS711は、図6の説明を参照し、ここでの説明を省略する。
【0075】
代理応答実行可否判定部506は、代理応答部504から代理応答が必要か否かの判定処理をリクエストされた場合、名前解決応答部503による名前解決要求の受信処理を監視する(ステップS712)。
【0076】
そして、クライアント(例えば、ファイルサーバ103)が、再度、LLMNRに従って、ホスト名“hogehoge”を含む名前解決要求を送信すると(ステップS713)、名前解決応答部503は、ネットワーク通信部502を介して、LLMNRに従って送信された名前解決要求を受信する(ステップS714)。次いで、名前解決応答部503は、受信した名前解決要求がリトライであった場合、リトライがあったことを代理応答実行可否判定部506に通知する(ステップS715)。
【0077】
代理応答実行可否判定部506は、名前解決応答部503からリトライの通知を受けると、代理応答が必要であることを代理応答部504に通知する(ステップS716)。代理応答部504は、代理応答実行可否判定部506から代理応答が必要であることが通知されると、名前解決要求部505から通知されたIPアドレス“192.168.1.2”を、ネットワーク通信部502を介して、クライアントに送信する(ステップS717)。クライアントは、MFP104から送信されたIPアドレス“192.168.1.2”を受信する(ステップS718)。
【0078】
一方、クライアントからリトライが行われなかった場合(ステップS719)、名前解決応答部503は、リトライがなかったことを代理応答実行可否判定部506に通知する(ステップS720)。代理応答実行判定部506は、名前解決応答部503からリトライがなかったことが通知されると、代理応答の必要がないことを代理応答部504に通知され(ステップS721)、IPアドレスの送信処理は行われずに名前解決処理が終了する。
【0079】
このように、本実施の形態にかかるMFP104によれば、リトライがあった場合、ネットワーク上に名前解決要求に含まれるホスト名の応答相手が存在しないため、代理応答が必要と判定することにより、MFPが別の手段により名前解決要求を送信する必要がないため、MFPに対して負荷をかけずに代理応答が必要か否かを判定することができる。
【0080】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について、説明する。本実施の形態にかかるMFPの機能、構成は、第1〜2の実施の形態とほぼ同一であるため、第1〜2の実施の形態と異なる部分のみを説明する。本実施の形態にかかるMFPは、名前解決要求に含まれるドメイン名、MFPのドメイン名と、が一致しなかった場合、IPアドレスを送信する必要があると判定することにより、代理応答する必要があるか否かを即時に判定することができるので、MFPが名前解決要求を送信したり、クライアントからリトライを待つ必要がなくなる。
【0081】
代理応答実行可否判定部506は、名前解決応答部503により名前解決要求に含まれるドメイン名と、MFP104のドメイン名と、が一致しないと判断された場合、IPアドレスを送信すると判定する。本実施の形態では、名前解決要求に含まれるドメイン名と自端末のドメイン名とが一致するか否かにより、IPアドレスを送信するか否かを判定する第3判定方法により、代理応答が必要か否かを判定する。つまり、名前解決要求に含まれるドメイン名と、MFP104のドメイン名と、が一致した場合には、IPアドレスを問い合せる情報処理端末が同じネットワーク内に存在する。よって、MFP104による名前解決要求の送信処理が行われなくても、クライアントは、ホスト名を利用して、IPアドレスを問い合せた情報処理端末から直接IPアドレスを取得することができる。そのため、本実施の形態では、名前解決要求に含まれるドメイン名と、MFP104のドメイン名と、が一致した場合、代理応答が必要ないと判定する。
【0082】
以下、第3判定方法によりIPアドレスを送信するか否かを判定する処理の手順について詳細に説明する。
【0083】
名前解決応答部503は、IPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含む名前解決要求を受信する。本実施の形態では、IPアドレスを問い合せる情報処理端末のFQDNを含む名前解決要求を受信する。さらに、名前解決応答部503は、さらに、名前解決要求に含まれるドメイン名と、MFP104のドメイン名と、が一致するか否かを判断する。本実施の形態では、受信した名前解決要求に含まれるFQDNからドメイン名を抽出し、抽出したドメイン名と、MFP104のドメイン名と、が一致するか否かを判断する。
【0084】
そして、代理応答実行可否判定部506は、名前解決要求に含まれるFQDNから抽出したドメイン名と、MFP104のドメイン名と、が一致しなかった場合、代理応答部504に対して代理応答する必要あると判定する。
【0085】
このように、本実施の形態にかかるMFP104によれば、名前解決要求に含まれるドメイン名、MFPのドメイン名と、が一致しなかった場合、IPアドレスを送信する必要があると判定することにより、代理応答する必要があるか否かを即時に判定することができるので、MFPが名前解決要求を送信したり、クライアントからリトライを待つ必要がなくなる。
【0086】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態について、説明する。本実施の形態にかかるMFPの機能、構成は、第1〜3の実施の形態とほぼ同一であるため、第1〜3の実施の形態と異なる部分のみを説明する。本実施の形態にかかるMFPは、名前解決応答に含まれるIPアドレスと、自端末のIPアドレスおよびサブネットマスクと、から名前解決要求の要求元と自端末とが同一ネットワーク内に存在すると判断した場合、IPアドレスを送信すると判定することにより、IPアドレスを問い合せる情報処理端末が同一セグメント内に存在してIPアドレスを応答可能な否かを確実に判断した上で、代理応答する必要があるか否かを判定することができる。
【0087】
代理応答実行可否判定部506は、名前解決要求部505によってDNSサーバから受信した名前解決応答に含まれるIPアドレスと、MFP104のIPアドレスおよびサブネットマスクと、から名前解決要求の要求元とMFP104とが同一ネットワーク内にあると判断した場合、IPアドレスを送信する必要があると判定する。本実施の形態では、名前解決応答に含まれるIPアドレスと、自端末のIPアドレスおよびサブネットマスクと、から名前解決要求の要求元と自端末とが同一ネットワーク内にあるか否かにより、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定する第4判定方法により、代理応答が必要か否かを判定する。
【0088】
具体的には、以下の式によりIPアドレスを問い合せる情報処理端末のネットワークとMFP104のネットワークとが異なると判定された場合に、代理応答が必要と判断する。
IPアドレスを問い合せる情報処理端末のネットワーク=(DNSサーバから受信したIPアドレス)AND(MFP104のサブネットマスク)
MFP104のネットワーク=(MFP104のIPアドレス)AND(MFP104のサブネットマスク)
【0089】
つまり、IPアドレスを問い合せる情報処理端末と、MFP104とが同じセグメント内に存在する場合には、IPアドレスを問い合せる情報処理端末が同じネットワーク内に存在する。よって、MFP104による名前解決要求の送信処理が行われなくても、クライアントは、ホスト名を利用して、IPアドレスを問い合せた情報処理端末から直接IPアドレスを取得することができる。そのため、本実施の形態では、IPアドレスを問い合せる情報処理端末のネットワークと、MFP104のネットワークと、が一致した場合、代理応答が必要ないと判定する。
【0090】
このように、本実施の形態にかかるMFP104によれば、名前解決応答に含まれるIPアドレスと、自端末のIPアドレスおよびサブネットマスクと、から名前解決要求の要求元と自端末とが同一ネットワーク内に存在すると判断した場合、IPアドレスを送信する必要があると判定することにより、IPアドレスを問い合せる情報処理端末が同一ネットワーク(セグメント)内に存在してIPアドレスを応答可能な否かを確実に判断した上で、代理応答する必要があるか否かを判定することができる。
【0091】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかるMFPの機能、構成は、第1〜4の実施の形態とほぼ同一であるため、第1〜2の実施の形態と異なる部分のみを説明する。本実施の形態にかかるMFPは、名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含む場合、第1判定方法または第2判定方法によりIPアドレスを送信する必要があるか否かを判定し、名前解決要求がIPアドレスを含まない場合、第3判定方法または第4判定方法によりIPアドレスを送信する必要があるか否かを判定することにより、判定方法が固定されている場合よりも、代理応答のレスポンスタイムを改善することができる。
【0092】
代理応答実行可否判定部506は、名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含む場合、第1判定方法または第2判定方法によりIPアドレスを送信する必要があるか否かを判定し、名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含まない場合、第3判定方法または第4判定方法によりIPアドレスを送信する必要があるか否かを判定する。本実施の形態では、名前解決応答部503によって受信した名前解決要求に含まれるホスト名がFQDNにより記述されているか否かにより判定方法を選択する。
【0093】
図8は、MFPによる名前解決処理の手順を示すフローチャートである。なお、ステップS801〜ステップS804、およびステップS809〜ステップS810は、図3の説明等を参照し、ここでの説明を省略する。
【0094】
代理応答実行可否判定部506は、名前解決応答部503により受信した名前解決要求に含まれるホスト名がFQDNで記述されているか否かをチェックする(ステップS805、ステップS806)。そして、名前解決要求に含まれるホスト名がFQDNで記述されていない場合(ステップS806:No)、代理応答実行可否判定部506は、第1判定方法または第2判定方法により代理応答が必要か否かを判定する(ステップS807)。一方、名前解決要求に含まれるホスト名がFQDNで記述されている場合(ステップS806:Yes)、代理応答実行可否判定部506は、第3判定方法または第4判定方法により代理応答が必要か否かを判定する(ステップS808)。
【0095】
このように、本実施の形態にかかるMFP104によれば、名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含むか否かにより判定方法を選択することができるので、判定方法が固定されている場合よりも、代理応答のレスポンスタイムを改善することができる。
【符号の説明】
【0096】
101 PC2
102 DNSサーバ
103 ファイルサーバ
104 MFP
105 ルーター
106 PC1
400 コントローラ
401 CPU
402 システムメモリ
403 NB
404 SB
405 ASIC
406 ローカルメモリ
407 HDD
408 Flash ROM
409 NVRAM
410 SDRAM
411 セキュアデバイス
412 EthernetI/F
413 USB I/F
414 IEEE1394 I/F
415 セントロニクスI/F
416 無線I/F
417 外部記憶媒体用I/F
418 AGP
419,423 PCIバス
420 オペレーションパネル
421 FCU
422 エンジン部
501 ネットワーク制御部
502 ネットワーク通信部
503 名前解決応答部
504 代理応答部
505 名前解決要求部
506 代理応答実行可否判定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】国際公開W2004/045164

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロトコルに従って送信された他のネットワーク上の情報処理端末に割り当てられたIPアドレスに対応付けられたホスト名を指定する名前解決要求を受信する要求受信手段と、
受信した前記名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致するか否かを判断する名前解決判断手段と、
前記名前解決要求に含まれるホスト名と自端末のホスト名とが一致しなかった場合、前記第1プロトコルとは別の第2プロトコルに従って情報処理端末に対して前記名前解決要求を送信する要求送信手段と、
前記第2プロトコルに従って送信した前記名前解決要求に対するIPアドレスを含む名前解決応答を当該情報処理端末から受信する応答受信手段と、
受信した前記名前解決応答に含まれるIPアドレスを前記名前解決要求の要求元に送信する応答送信手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理端末。
【請求項2】
前記応答送信手段は、
前記応答受信手段によって受信した前記名前解決応答に含まれるIPアドレスを送信するか否かを判定する応答実行判定手段をさらに備え、
前記応答送信手段は、前記応答実行判定手段による判定結果に応じて、IPアドレスを送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記応答実行判定手段は、前記第1プロトコルに従って情報処理端末に送信した前記名前解決要求に対する前記名前解決応答の有無により、IPアドレスを送信するか否かを判定する第1判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記応答実行判定手段は、前記第1プロトコルに従って前記名前解決要求を再度受信したか否かにより、IPアドレスを送信するか否かを判定する第2判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記応答実行判定手段は、前記名前解決要求に含まれるドメイン名と自端末のドメイン名とが一致するか否かにより、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定する第3判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記応答実行判定手段は、前記名前解決応答に含まれるIPアドレスと、自端末のIPアドレスおよびサブネットマスクと、から前記名前解決要求の要求元と自端末とが同一ネットワーク内にあるか否かにより、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定する第4判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記応答実行判定手段は、
前記名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含む場合、前記第1判定方法または前記第2判定方法により、IPアドレスを送信するか否かを判定し、
前記名前解決要求がIPアドレスを問い合せる情報処理端末のドメイン名を含まない場合、前記第3判定方法または前記第4判定方法により、IPアドレスを送信する必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項3から6のいずれか一に記載の情報処理端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−195957(P2012−195957A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134698(P2012−134698)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2008−69415(P2008−69415)の分割
【原出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】