説明

情報処理装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】構成の複雑化等の問題を抑制しつつ、情報処理装置からホスト装置にデバイスドライバを供給可能にする。
【解決手段】情報処理装置であって、前記情報処理装置をストレージデバイスとして動作させるか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作させるかを示す設定情報と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるデバイスドライバと、を格納したメモリと、前記ホスト装置からの指示に従い、前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置に接続して動作する情報処理装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)に接続して使用される各種の周辺機器(クライアント装置)(例えば、プリンタやデジタルカメラ)は、PCとデータの送受信を行うために、各種の通信インタフェースを備えている。なかでもUSB(Universal Serial Bus)インタフェースは、安価で簡便に利用できることから、周辺機器の通信インタフェースとして広く普及している。
【0003】
しかしながら、USBインタフェースを用いてPCと例えばプリンタとを接続するためには、PCはそのプリンタに固有のデバイスドライバ(プリンタドライバ)をインストールしなければならない。PCは、インターネットを介してプリンタドライバをダウンロードしたり、CD(Compact Disk)などの外部メディアからプリンタドライバを読み出したりすることにより、プリンタドライバを取得することができる。
【0004】
しかしながら、プリンタと接続される全てのPCがインターネットに接続されているわけではないし、また、ユーザがプリンタと共に常に外部メディアを持ち歩くことは手間である。
【0005】
この問題に鑑み、特許文献1は、印刷デバイスと、この印刷デバイスを制御するためのドライバプログラムを記録したマスストレージデバイスと、を搭載したプリンタを提案している。このプリンタは、USBインタフェースをホスト装置に対してUSBハブとして認識させるためのUSB制御プログラムを備え、マスストレージデバイスをホスト装置に認識させた後に印刷デバイスをホスト装置に認識させる。これにより、ホスト装置はドライバプログラムをインストールしてホスト装置を認識することができる。
【特許文献1】特開2003−150530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術に従うと、プリンタはUSBハブとして機能するための物理的な機構を備えなければならないので、装置の複雑化やコストの上昇などの問題が生じ得る。
【0007】
また、特許文献1はホスト装置にドライバプログラムがインストールされている場合にマスストレージデバイスの接続を解除する技術も開示している。この技術によれば、プリンタをホスト装置に接続する度にマスストレージデバイスの接続及び解除が行われるため、ホスト装置に負荷がかかる。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、構成の複雑化等の問題を抑制しつつ、情報処理装置からホスト装置にデバイスドライバを供給可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の本発明は、情報処理装置であって、前記情報処理装置をストレージデバイスとして動作させるか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作させるかを示す設定情報と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるデバイスドライバと、を格納したメモリと、前記設定情報が前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記デバイスドライバを取得可能なように前記ホスト装置と通信し、前記設定情報が前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記別のデバイスの機能を利用可能なように前記ホスト装置と通信する通信手段と、前記ホスト装置からの指示に従い、前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0010】
また、第2の本発明は、情報処理装置の制御方法であって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置をストレージデバイスとして動作させるか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作させるかを示す設定情報と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるデバイスドライバと、を格納したメモリを備え、前記制御方法は、前記設定情報が前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記デバイスドライバを取得可能なように前記ホスト装置と通信し、前記設定情報が前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記別のデバイスの機能を利用可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、前記ホスト装置からの指示に従い、前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する設定工程と、を備えることを特徴とする制御方法を提供する。
【0011】
また、第3の本発明は、情報処理装置のコンピュータに制御方法の各工程を実行させるためのプログラムであって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置をストレージデバイスとして動作させるか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作させるかを示す設定情報と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるデバイスドライバと、を格納したメモリを備え、前記制御方法は、前記設定情報が前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記デバイスドライバを取得可能なように前記ホスト装置と通信し、前記設定情報が前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記別のデバイスの機能を利用可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、前記ホスト装置からの指示に従い、前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する設定工程と、を備えることを特徴とするプログラムを提供する。
【0012】
また、第4の本発明は、情報処理装置であって、前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作するか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作するかを示す記述子と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるドライバと、を格納したメモリと、前記ホスト装置との通信開始時に、前記記述子として前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作することを示す第1記述子を前記ホスト装置に送信して、前記ホスト装置が前記ドライバにアクセス可能なように前記ホスト装置と通信する通信手段と、前記ドライバが前記ホスト装置からアクセスされた後は、前記通信手段が前記ホスト装置に送信する記述子を前記情報処理装置が前記別のデバイスとして動作することを示す第2記述子に変更する変更手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0013】
また、第5の本発明は、情報処理装置がストレージデバイスとして動作するか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作するかを示す記述子と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるドライバとを格納したメモリを有する情報処理装置の制御方法であって、前記ホスト装置との通信開始時に、前記記述子として前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作することを示す第1記述子を前記ホスト装置に送信して、前記ホスト装置が前記ドライバにアクセス可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、前記メモリの中のドライバが前記ホスト装置からアクセスされた後は、前記通信工程で前記ホスト装置に送信する記述子を前記情報処理装置が前記別のデバイスとして動作することを示す第2記述子に変更する変更工程とを備えることを特徴とする制御方法を提供する。
【0014】
また、第6の本発明は、情報処理装置のコンピュータに制御方法の各工程を実行させるためのプログラムであって、前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作するか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作するかを示す記述子と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるドライバとを格納したメモリを有しており、前記制御方法は、前記ホスト装置との通信開始時に、前記記述子として前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作することを示す第1記述子を前記ホスト装置に送信して、前記ホスト装置が前記ドライバにアクセス可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、前記メモリの中のドライバが前記ホスト装置からアクセスされた後は、前記通信工程で前記ホスト装置に送信する記述子を前記情報処理装置が前記別のデバイスとして動作することを示す第2記述子に変更する変更工程とを有していることを特徴とするプログラムを提供する。
【0015】
なお、その他の本発明の特徴は、添付図面及び以下の発明を実施するための最良の形態における記載によって更に明らかになるものである。
【発明の効果】
【0016】
以上の構成により、本発明によれば、構成の複雑化等の問題を抑制しつつ、情報処理装置からホスト装置にデバイスドライバを供給することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を説明する。以下で説明される個別の実施例は、本発明の上位概念から下位概念までの種々の概念を理解するために役立つであろう。
【0018】
なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施例によって限定されるわけではない。また、実施例の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが、本発明に必須とは限らない。
【0019】
以下の各実施例では、クライアント装置として情報処理装置の1つであるプリンタで説明する。そして、通信インタフェースとしてUSB規格に準拠したUSBインタフェースを例として説明を行うが、これに限られるものではない。例えば、クライアント装置はデジタルカメラビデオカメラ、又はスキャナであってもよい。また、通信インタフェースはIEEE1394インタフェースであってもよい。この場合、所定の規格に固有の用語(例えば、「マスストレージクラス」)は、規格に応じて適宜読み替える。
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1に係るプリンタ1の構成を示す機能ブロック図である。プリンタ1は、これを制御し、各種演算を行うCPU101と、CPU101で実行されるプログラムや各種データを予め格納しておくROM102とを備える。プリンタ1はまた、CPU101が動作中に各種データを格納するRAM103を備える。プリンタ1はまた、プリンタ1に固有のプリンタドライバを格納しておき、USBで接続されたパーソナルコンピュータ(PC)2が参照可能な記憶領域である内蔵記憶装置104を備える。プリンタ1はまた、ユーザが操作するためのボタンを含みその状態を読み取るユーザインタフェースモジュール105と、印刷対象の画像やプリンタ1の設定を表示するビデオモジュール106とを備える。プリンタ1はまた、PC2から受信した画像データを加工するイメージプロセスモジュール107と、プリントヘッドや給排紙モータ等を含みイメージプロセスモジュール107によって作成された印刷データを印刷するプリントモジュール108とを備える。プリンタ1はまた、PC2等と接続しUSBによるデータ送受信を行うI/Oポート部109を備える。
【0021】
内蔵記憶装置104は、プリンタ1をPC2に対してマスストレージクラスのデバイス(ストレージデバイス)として認識させるか或いはプリンタクラスのデバイスとして認識させるかを示すデータ(クラス設定情報)を保持する。CPU101は、PC2又はユーザインタフェースモジュール105からの指示に従い、クラス設定情報を変更することができる。
【0022】
図2は、実施例1に係るプリンタ1及びPC2の動作の概要を示す図である。PC2は、USBマスストレージクラスのための標準のデバイスドライバを持つオペレーティングシステム(OS)を搭載している。このようなOSには例えば、Windows(登録商標)やMacintosh(登録商標)などがある。PC2はUSBポートを備え、USBケーブル3(無線でもよい)を介してプリンタ1と通信可能である。Setupファイル4は、プリンタ1固有のプリンタドライバを含むファイルであり、内蔵記憶装置104に格納されている。Setupファイル4は、PC2がプリンタ1を制御するための制御アプリケーションも含む。PC2は、Setupファイル4を実行することにより、プリンタ1のプリンタドライバをインストールすることができる。プリンタ1及びPC2は、S1001〜S1009の各ステップに従って動作する。この動作の詳細は図3を参照して説明する。
【0023】
図3を参照すると、S1001で、ユーザがUSBケーブル3を用いてプリンタ1とPC2とを接続すると、S1101における判定処理が行われる。図3を含む以下の各フローチャートにおいて、特に断らなければ、プリンタ1が実行する処理はCPU101がROM102に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、PC2が実行する処理はPC2のCPU(不図示)がOSや制御アプリケーションなどを実行することにより実現される。
【0024】
S1101で、プリンタ1は、内蔵記憶装置104内のクラス設定情報が「マスストレージクラス」を示すか否かを判定する。マスストレージクラスであればS1002に進み、そうでなければS1008に進む。
【0025】
S1002(通信開始時)で、プリンタ1は、ディスクリプタ(記述子)として、マスストレージクラスに対応したディスクリプタ(第1記述子)をPC2に対して発行(送信)する。
【0026】
S1003で、PC2は、OSに標準で搭載されているマスストレージクラス用のデバイスドライバを用いて、プリンタ1をマスストレージクラスのデバイスとして認識する。これにより、PC2はSetupファイル4を取得可能になる。
【0027】
S1004で、ユーザはPC2を操作することにより、内蔵記憶装置104に格納されているSetupファイル4をPC2に実行させる。
【0028】
S1005で、PC2は、プリンタドライバと制御アプリケーションをインストールする。
【0029】
S1006で、PC2は制御アプリケーションを用いて、クラス設定情報を「プリンタクラス」に変更するようにプリンタ1に指示する。この指示を受けて、プリンタ1は、クラス設定情報を「プリンタクラス」に変更する。
【0030】
なお、クラス設定情報の変更は、PC2指示に応じて行う代わりに、プリンタドライバがPC2にアクセスされたことをプリンタ1が認識したことに応じて、プリンタ1側で積極的に行うようにしてもよい。
【0031】
S1007で、PC2は制御アプリケーションを用いて、USBのリセット動作を行う。これにより、プリンタ1のUSB接続が一旦解除されて再接続される(即ち、一旦通信を切断した後に再接続が行われる)。なお、通信の切断と再接続は、プリンタ1側の制御で積極的に行うようにしてもよい。
【0032】
S1008で、プリンタ1は、プリンタクラスに対応したディスクリプタ(第2記述子)をPC2に対して発行する。
【0033】
S1009で、PC2は、S1005でインストールしたプリンタドライバを用いて、プリンタ1をプリンタクラスのデバイスとして認識する。これにより、PC2は、プリンタ1のプリンタとしての機能を利用可能になる。
【0034】
以上の処理により、PC2はプリンタ1からプリンタドライバを取得してインストールしてからプリンタ1をプリンタとして認識することができる。
【0035】
また、ユーザが次にプリンタ1とPC2とを接続する際は、プリンタ1のクラス設定情報がプリンタクラスであるため、処理がS1101からS1008へと移行する。従って、不必要にプリンタ1をマスストレージクラスのデバイスとしてPC2に認識させることが回避される。
【0036】
また、プリンタ1をPC2以外のPC(即ち、プリンタ1用のプリンタドライバがインストールされていないPC)に接続する際は、プリンタ1は図4に示すフローチャートに従ってクラス設定情報をマスストレージクラスにリセットする。
【0037】
図4のS2001で、ユーザはユーザインタフェースモジュール105を介して、プリンタ1に対してクラス設定情報のリセットを指示する。ユーザインタフェースモジュール105の代わりに、ユーザはPC2の制御アプリケーションを利用してもよい。この場合、プリンタ1とPC2とがUSB接続されている必要がある。
【0038】
S2002で、プリンタ1は、クラス設定情報を「マスストレージクラス」に設定する。
【0039】
ところで、クラス設定情報がリセットされたプリンタ1を、プリンタドライバがインストールされているPC2に接続した場合、図5に示す処理が行われる。図5において、図3と同一の処理が行われるステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
S3001で、PC2は、プリンタドライバがインストールされているか否かを判定する。インストールされている場合はS1006に進み、PC2はプリンタ1のクラス設定情報を「プリンタクラス」に変更させる。一方、プリンタドライバがインストールされていない場合は図3のS1004に進み、図3を参照して前述した処理が行われる。
【0041】
以上説明したように、本実施例によれば、プリンタ1はクラス設定情報に従い、自装置をマスストレージクラスとしてPC2に認識させ、PC2にプリンタドライバをインストールさせる。そして、プリンタ1はPC2の指示に従ってクラス設定情報を「プリンタクラス」に変更し、自装置をプリンタクラスのデバイスとしてPC2に認識させる。
【0042】
これにより、構成の複雑化等の問題を抑制しつつ、情報処理装置(例えば、プリンタ1のようなクライアント装置)からホスト装置(例えば、PC2)にデバイスドライバを供給することが可能となる。
【0043】
なお、上記の実施例ではプリンタが、PCとの接続時に通知するクラス設定情報としてマスストレージクラスとプリンタクラスとを切り換えていたが、他の装置にも適応可能である。
【0044】
例えば、スキャナやデジタルカメラをホスト装置と接続して通信する場合には、通知するクラス設定情報としてマスストレージクラスとイメージクラスとを切り換えるようにしてもよい。
【0045】
この場合、設定情報としてマスストレージクラスを通知した場合に、スキャナやデジタルカメラを制御する為のドライバをPCからアクセス可能になるようにメモリを制御するとよい。
【0046】
[その他の実施例]
上述した各実施例の機能を実現するためには、各機能を具現化したソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体をシステム或は装置に提供してもよい。そして、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、上述した各実施例の機能が実現される。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどを用いることができる。或いは、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることもできる。
【0047】
また、上述した各実施例の機能を実現するための構成は、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することだけには限られない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施例の機能が実現される場合も含まれている。
【0048】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施例の機能が実現される場合も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1に係るプリンタの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】実施例1に係るプリンタ及びパーソナルコンピュータ(PC)の動作の概要を示す図である。
【図3】実施例1に係るプリンタ及びPCの動作を示すフローチャートである。
【図4】クラス設定情報のリセット処理を示すフローチャートである。
【図5】クラス設定情報がリセットされたプリンタをプリンタドライバがインストールされているPCに設定した場合の処理を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置をストレージデバイスとして動作させるか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作させるかを示す設定情報と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるデバイスドライバと、を格納したメモリと、
前記設定情報が前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記デバイスドライバを取得可能なように前記ホスト装置と通信し、前記設定情報が前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記別のデバイスの機能を利用可能なように前記ホスト装置と通信する通信手段と、
前記ホスト装置からの指示に従い、前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定するユーザによる指示を受信する受信手段を更に備え、
前記設定手段は、前記受信した指示に従い、前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の規格はUSB規格であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記別のデバイスはプリンタであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置の制御方法であって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置をストレージデバイスとして動作させるか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作させるかを示す設定情報と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるデバイスドライバと、を格納したメモリを備え、前記制御方法は、
前記設定情報が前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記デバイスドライバを取得可能なように前記ホスト装置と通信し、前記設定情報が前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記別のデバイスの機能を利用可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、
前記ホスト装置からの指示に従い、前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する設定工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項6】
情報処理装置のコンピュータに制御方法の各工程を実行させるためのプログラムであって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置をストレージデバイスとして動作させるか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作させるかを示す設定情報と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるデバイスドライバと、を格納したメモリを備え、前記制御方法は、
前記設定情報が前記情報処理装置を前記ストレージデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記デバイスドライバを取得可能なように前記ホスト装置と通信し、前記設定情報が前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示す場合に、前記ホスト装置が前記別のデバイスの機能を利用可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、
前記ホスト装置からの指示に従い、前記情報処理装置を前記別のデバイスとして動作させることを示すように前記設定情報を設定する設定工程と、
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作するか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作するかを示す記述子と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるドライバと、を格納したメモリと、
前記ホスト装置との通信開始時に、前記記述子として前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作することを示す第1記述子を前記ホスト装置に送信して、前記ホスト装置が前記ドライバにアクセス可能なように前記ホスト装置と通信する通信手段と、
前記ドライバが前記ホスト装置からアクセスされた後は、前記通信手段が前記ホスト装置に送信する記述子を前記情報処理装置が前記別のデバイスとして動作することを示す第2記述子に変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記通信手段は、前記ドライバが前記ホスト装置からアクセスされた後、一旦通信を切断した後に再接続する際に、前記情報処理装置が前記別のデバイスとして動作することを示す前記第2記述子を前記ホスト装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の規格はUSB規格であることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1記述子は、前記情報処理装置がマスストレージクラスであることを示す情報であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2記述子は、前記情報処理装置がイメージクラスまたはプリンタクラスであることを示す情報であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置がストレージデバイスとして動作するか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作するかを示す記述子と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるドライバとを格納したメモリを有する情報処理装置の制御方法であって、
前記ホスト装置との通信開始時に、前記記述子として前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作することを示す第1記述子を前記ホスト装置に送信して、前記ホスト装置が前記ドライバにアクセス可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、
前記メモリの中のドライバが前記ホスト装置からアクセスされた後は、前記通信工程で前記ホスト装置に送信する記述子を前記情報処理装置が前記別のデバイスとして動作することを示す第2記述子に変更する変更工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項13】
情報処理装置のコンピュータに制御方法の各工程を実行させるためのプログラムであって、前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作するか前記ストレージデバイスとは別のデバイスとして動作するかを示す記述子と、ホスト装置が所定の規格に従って前記情報処理装置を前記別のデバイスとして制御するために前記ホスト装置が用いるドライバとを格納したメモリを有しており、前記制御方法は、
前記ホスト装置との通信開始時に、前記記述子として前記情報処理装置がストレージデバイスとして動作することを示す第1記述子を前記ホスト装置に送信して、前記ホスト装置が前記ドライバにアクセス可能なように前記ホスト装置と通信する通信工程と、
前記メモリの中のドライバが前記ホスト装置からアクセスされた後は、前記通信工程で前記ホスト装置に送信する記述子を前記情報処理装置が前記別のデバイスとして動作することを示す第2記述子に変更する変更工程とを有していることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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