説明

情報処理装置、受付先制御方法、及びプログラム

【課題】ユーザが使い易いように入力機器を切り替えることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、着脱可能なHWキーパッド16aからの入力情報を受け付けることができるHWキーパッド入力受付部34と、SWキーパッドからの入力情報を受け付けることができるSWキーパッド入力受付部33と、HWキーパッド16aの着脱を検知し、検知した内容を示す検知情報を生成する着脱センサ35と、入力受付部33,34のいずれかに、入力情報の受付先を制御する受付先制御部36とを備える。受付先制御部36は、所定の処理単位においてはSWキーパッド入力受付部33及びHWキーパッド入力受付部34のいずれか一方のみから入力されるように、入力情報の受付先を制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、受付先制御方法、及びプログラムに関し、特に、ユーザが入力する情報の受付先を切り替えることができる情報処理装置、受付先制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが端末装置に入力するためにソフトウェアキーボード、ハードウェアキーボードが一般に利用されており、これらのいずれもが使用できる情報処理装置もある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の情報端末装置は、ハードウェアキーボードが接続されている場合には、ソフトウェアキーボードの実行を停止するとともに、ハードウェアキーボードを優先的に使用できるようにする。また、その情報端末装置は、ハードウェアキーボードが取り外されている場合には、ハードウェアキーボードの使用を停止させるとともに、ソフトウェアキーボードを起動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−327760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、例えばユーザが1つの入力画面において要求される情報を入力している途中であっても、ハードウェアキーボードが着脱されると、入力するためのキーボードが、ソフトウェアキーボードからハードウェアキーボードへ、又は、ハードウェアキーボードからソフトウェアキーボードへ切り替わる。入力するためのキーボードが情報入力中に突然切り替わることによって、ユーザにとって使い辛いものとなっている。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、ユーザが使い易いように入力機器を切り替えることが可能な情報処理装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、
着脱可能な第1入力手段から入力情報を受け付けることができる第1入力受付手段と、
第2入力手段から入力情報を受け付けることができる第2入力受付手段と、
前記第1入力手段の着脱を検知し、検知した内容を示す検知情報を生成する検知手段とを備え、
前記検知手段によって生成された検知情報に基づいて、所定の処理単位においては前記第1入力受付手段及び前記第2入力受付手段のいずれか一方のみから入力されるように、入力情報の受付先を制御する受付先制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
前記受付先制御手段は、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれるとき、当該実行中の処理が含まれる前記処理単位の終了を待って、又は、予め定められた処理に戻って、前記第1入力受付手段及び第2入力受付手段のいずれかに入力情報の受付先を切り替えてもよい。
【0009】
携帯機器と無線で通信することによって、当該携帯機器に固有の識別子を示す携帯機器情報を読み取るリーダ手段と、
前記携帯機器に固有の識別子が登録済みのものであるか否かをサーバに問い合わせるために、通信回線を介して前記サーバと情報を授受する通信手段とを備えてもよい。
【0010】
前記受付先制御手段は、
前記検知情報に基づいて、前記第1入力手段が取り付けられたのか、又は取り外されたのかを判断する着脱判断手段と、
取り付けられたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれるとき、当該実行中の処理が含まれる前記処理単位の終了を待って、前記第2入力受付手段から前記第1入力受付手段へ入力情報の受付先を切り替える受付先切替手段とを備えてもよい。
【0011】
前記受付先切替手段は、取り付けられたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれないとき、前記第2入力受付手段から前記第1入力受付手段へ入力情報の受付先を直ちに切り替えてもよい。
【0012】
前記受付先制御手段は、
前記検知情報に基づいて、前記第1入力手段が取り付けられたのか、又は取り外されたのかを判断する着脱判断手段と、
取り外されたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれるとき、予め定められた処理に戻って、前記第1入力受付手段から前記第2入力受付手段へ受付先を切り替える受付先切替手段とを備えてもよい。
【0013】
前記受付先切替手段は、取り外されたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれないとき、前記第1入力受付手段から前記第2入力受付手段へ入力情報の受付先を直ちに切り替えてもよい。
【0014】
本発明の第2の観点に係る受付先制御方法は、
第1入力手段の着脱を検知し、
検知した内容を示す検知情報を生成し、
生成された前記検知情報に基づいて、所定の処理単位においては前記第1入力手段によって入力された内容を示す入力情報を受け付ける第1入力情報受付手段及び第2入力手段によって入力された内容を示す入力情報を受け付ける第2入力情報受付手段のいずれか一方のみから入力されるように、入力情報の受付先を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
着脱可能な第1入力手段から入力情報を受け付け、
第2入力手段から入力情報を受け付け、
前記第1入力手段の着脱を検知する着脱検知手段によって生成され、当該検知された内容を示す検知情報に基づいて、前記第1入力手段の着脱を判断し、
前記判断した結果に基づいて、所定の処理単位においては前記第1入力手段及び前記第2入力手段のいずれか一方のみから入力情報を受け付けるように、入力情報の受付先を制御することをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、入力情報の受付先は、検知情報に基づいて、所定の処理単位においては第1入力受付手段及び第2入力受付手段のいずれか一方のみから入力されるように制御される。これによって、処理単位内の処理のための操作中に入力先が切り替わることによって生じる操作時の使い辛さをなくすことができる。したがって、ユーザが使いやすいように入力機器を切り替えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るポイント付与システムの構成を示す図である。
【図2】一実施形態に係る加盟店情報に含まれる内容を示す図である。
【図3】一実施形態に係る会員情報に含まれる内容を示す図である。
【図4】一実施形態に係るソフトウェアキーパッド使用時の端末装置の外観を示す図である。
【図5】一実施形態に係るハードウェアキーパッドが取り付けられている端末装置の外観を示す図である。
【図6】一実施形態に係る端末装置の機能的な構成を示す図である。
【図7】一実施形態に係るパスワード情報に含まれる内容を示す図である。
【図8】一実施形態に係る処理単位情報に含まれる内容を示す図である。
【図9】一実施形態に係る付与条件情報に含まれる内容を示す図である。
【図10】一実施形態に係るログイン画面情報に含まれる内容を示す図である。
【図11】一実施形態に係るポイント付与画面情報に含まれる内容を示す図である。
【図12】一実施形態に係るキーパッド表示情報に含まれる内容を示す図である。
【図13】一実施形態に係る端末装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【図14】図13に示すログイン処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】図13に示すポイント付与処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】一実施形態に係る受付先切替処理を示すフローチャートである。
【図17】図16に示す取付け時切替処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図16に示す取外し時切替処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置としての端末装置は、飲食店などの加盟店を利用した会員に特典としてポイントを付与するサービスを提供するためのポイント付与システムに備えられる。図1は、一実施形態に係るポイント付与システム1の構成を示す。
【0019】
図1に示すように、ポイント付与システム1は、ポイント付与サービスを提供するサービス提供者のもとに設置されるサーバ2と、加盟店に設置される端末装置3a,3b,3cと、会員を含む加盟店の利用者が携帯する携帯電話4とを含む。サーバ2と端末装置3a,3b,3cの間は、通信回線5を介して情報を授受できるように接続される。通信回線5は、インターネットその他の有線の通信回線、無線の通信回線などを適宜含んでよい。また、端末装置3a,3b,3cと携帯電話4との間は、RFID(Radio Frequency Identification)を使用した無線通信により情報を授受できる。
【0020】
サーバ2は、ポイント付与サービスの加盟店及び会員に関する情報を管理するための装置である。サーバ2は、ハードディスクドライブなどの記憶媒体(図示せず)を内部又は外部に備える。記憶媒体は、加盟店情報、会員情報などを記憶している。サーバ2は、各端末装置3a,3b,3cからの要求に応じて適宜各情報を参照することによって、その要求に応じた処理を実行する。
【0021】
図2は、一実施形態に係る加盟店情報7に含まれる内容を示す。加盟店情報7は、端末装置3a,3b,3cを管理するための情報であって、端末ID(identification)情報8とステータス情報9とを含む。端末ID情報8は、端末装置3a,3b,3cを特定できる情報である。ステータス情報9は、各端末装置3a,3b,3cの使用が許可されているか否かを示す情報である。加盟店情報7において、端末ID情報8とステータス情報9とは、端末装置3a,3b,3cごとに関連付けられている。
【0022】
図3は、一実施形態に係る会員情報10に含まれる内容を示す。会員情報10は、会員を管理するための情報であって、機器ID情報11と保有ポイント情報12とを含む。機器ID情報11は、会員の携帯電話4を特定するための情報である。保有ポイント情報12は、会員が保有しているポイントを示す情報である。会員情報10において、機器ID情報11と保有ポイント情報12とは、携帯電話4ごとに関連付けられている。
【0023】
端末装置3a,3b,3cは、それぞれが設置された店舗を利用した会員に所定のポイントを付与するためにサーバ2にアクセスする装置であり、表示部13a,13b,13cとタッチセンサ部14a,14b,14cとリーダ部15a,15b,15cとを備える。また、端末装置3a,3b,3cには、ハードウェアキーパッド(以下、「HWキーパッド」という。)を着脱することができる。図1に示す端末装置3a,3bはそれぞれ、HWキーパッド16a,16bが取り付けられている例であり、端末装置3cはHWキーパッドが取り付けられていない例を示す。
【0024】
表示部13a,13b,13cは、端末装置3a,3b,3cの操作者などに情報を提示する液晶パネルなどである。タッチセンサ部14a,14b,14cは、表示部13a,13b,13cにおいて操作者が接触した位置を検知できるセンサである。タッチセンサ部14a,14b,14cは、例えば所定間隔で対向配置される一対の導電性薄膜と、その導電性薄膜が接触することにより導通した位置を特定する処理部とを含む。タッチセンサ部14a,14b,14cは表示部13a,13b,13cに重ねて配置され、これによって、いわゆるタッチパネルを構成する。本実施形態では、タッチパネルによる入力機器としてソフトウェアキーパッド(以下、「SWキーパッド」という。)を利用する。
【0025】
図4は、一実施形態に係るSWキーパッド17cが実行されている端末装置3cの外観を示す。端末装置3cの表示部13cには、ポイント付与システム1にログインするために表示されるログイン画面に加えて、SWキーパッド17cの入力ボタンが表示されている。
【0026】
本実施形態に係るSWキーパッド17cの入力ボタンは、図4に示すように「00」及び「0」から「9」までの数字ボタンと、決定ボタンと、終了ボタンと、戻るボタンと、次へボタンとを含む。表示部13a,13b,13cにおいて各ボタンが表示された部分に操作者が触れることによって、触れた部分に表示されているボタンが押下されたこと(入力内容)を示す情報が入力情報として端末装置3cに受け付けられる。
【0027】
図4に示す「****」は、ログイン時のパスワードとして4桁の数字を示す入力情報が受け付けられた例を示しており、入力された各数字がマスキングをして表示されている。
【0028】
なお、端末装置3a,3bのHWキーパッド16a,16bが取り外されると、端末装置3a,3bにおいても、SWキーパッド17cと同様のSWキーパッドが起動される。
【0029】
図1に戻り、リーダ部15a,15b,15cは、会員の携帯電話4が備えるRFIDと無線で通信することによって、携帯電話4に固有の識別子を示す携帯機器情報を取得する機器である。携帯機器情報は、サーバ2では機器ID情報11として管理されている。
【0030】
HWキーパッド16a,16bは、SWキーパッド17cと同様に、操作者が端末装置3a,3bに情報を入力するための入力機器である。HWキーパッド16a,16bは、例えば端末装置3a,3bが備えるUSBポートなどの適宜設けられる接続部(図示せず)に接続される。
【0031】
図5は、一実施形態に係るHWキーパッド16a(16b)が取り付けられている端末装置3a(3b)の外観を示す。本実施形態に係るHWキーパッド16a(16b)は、図5に示すように、「00」及び「0」から「9」までの数字ボタンと、決定ボタンと、終了ボタンと、戻るボタンと、次へボタンとを備える。操作者が各ボタンを押下することによって、押下されたボタンがいずれであるか(入力内容)を示す入力情報が端末装置3a(3b)に受け付けられる。
【0032】
図5に示すように、HWキーパッド16a(16b)は、提示部18a(18b)を備える。本実施形態の提示部18a(18b)は、2行表示することができる小型の液晶パネルである。同図には、ポイント付与システム1にログインする際の提示部18a(18b)における表示例を示す。提示部18a(18b)には、パスワードの入力を促す文字と、点滅する入力用のカーソルとが各行に表示されている。
【0033】
なお、端末装置3cも、端末装置3a,3bと同様の接続部を備えており、その接続部にもHWキーパッド16a,16bと同様のHWキーパッドを取り付けることができる。HWキーパッドを取り付けると、そのHWキーパッドを操作して入力情報を端末装置3cに入力することが可能になる。
【0034】
また、HWキーパッド16a,16b及びSWキーパッド17cが備えるボタンは、上述のボタンに限定されず、適宜設けられてよい。また、HWキーパッド16a,16bには、押下したボタンなどを確認できる表示画面が設けられてもよい。
【0035】
次に、図6を参照して、端末装置3aの構成について説明する。図6は、HWキーパッド16aが取り付けられた状態の端末装置3aの機能的構成を示す。端末装置3bは、図6に示す端末装置3aと同様の機能的構成を備える。また、端末装置3cも、HWキーパッドを取り付けることによって、図6に示す端末装置3aと同様の機能的構成となる。そのため、端末装置3b,3cの構成に関する説明は省略する。
【0036】
端末装置3aは、記憶部19を備える。記憶部19は、装置ID情報、パスワード情報、処理単位情報、付与条件情報、画面情報などを記憶している記憶媒体であって、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどで構成される。また、記憶部19は、後述するプロセッサの動作プログラムを記憶する。このプログラムは、プロセッサと協働して、後述する各機能部を構成し、プロセッサに、図13〜図18に示す処理を実行させる。
【0037】
装置ID情報は、端末装置3aのIDを示す情報であり、サーバ2では端末ID情報8として管理されている。本実施形態に係る端末装置3aの装置ID情報は、装置IDとして「0001」を示す情報であるとする(図示せず)。
【0038】
パスワード情報は、端末装置3aにログインするためのパスワードを示す情報である。図7は、本実施形態に係る端末装置3aにログインするためのパスワードを示すパスワード情報20の一例を示しており、そのパスワードは「0123」である。
【0039】
処理単位情報は、予め定められた1つ又は複数の処理(処理単位)を示す情報である。処理単位を実行する途中では、HWキーパッド16aからSWキーパッドへ、また、SWキーパッドからHWキーパッド16aへ、操作者が利用する入力機器を切り替えることができないように、端末装置3aによって制御される。すなわち、処理単位は、HWキーパッド16a又はSWキーパッドのいずれか1つのキーパッドからのみ入力されるべき処理として予め定められる。
【0040】
図8は、一実施形態に係る処理単位情報21の内容を示す。処理単位情報21は、処理単位が「ログイン処理からポイント付与処理まで」であることを示す。「ログイン処理」、「ポイント付与処理」など各処理の詳細は後述する。
【0041】
付与条件情報は、ポイントの付与条件を示す情報であって、加盟店又はサービス提供者によって予め設定される。図9に示す付与条件情報22は、500円の利用金額につき5ポイントを付与することを付与条件として含む。付与されたポイントは、加盟店を利用した際の代金の支払いに代えて利用することができ、利用されていないポイントは蓄積される。
【0042】
画面情報は、端末装置3aが実行する処理に応じて表示部13aに表示される画面を示す情報である。
【0043】
画面情報は、例えば、図10に示すようなログイン画面を表示するための情報23を含む。ログイン画面情報23は、SWキーパッド使用時に、端末装置3aを介してポイント付与システム1にログインするためのパスワードの入力を促すログイン画面を示す。
【0044】
画面情報は、また例えば、図11に示すようなポイント付与画面を示す情報24を含む。ポイント付与画面情報24は、加盟店の顧客が支払う代金のうちポイント付与の対象となる金額(利用金額)、及び会員が加盟店を利用することによって蓄積されたポイントのうち代金の支払いに代えて利用するポイント(利用ポイント)を入力するポイント付与画面を示す。
【0045】
また、画面情報は、SWキーパッド(17c)の画像を表示部13aに表示するためのキーパッド表示情報も含む。図12は、一実施形態に係るキーパッド表示情報25の内容を示す。本実施形態に係るキーパッド表示情報25は、SWキーパッド(17c)に含まれる上述の各ボタンの画像を示す画像情報を含む。また、キーパッド表示情報25は、キーパッド表示情報25が示す各ボタンの表示位置を示す表示位置情報などを含む。表示位置は例えば、表示部13aの表示画面を想定した表示枠26における位置として規定される。
【0046】
また、端末装置3aは、図6に示すように、起動・終了部27と、ログイン処理部28と、ポイント付与部29と、待機部30と、通信部31と、表示制御部32とを備える。
【0047】
起動・終了部27は、端末装置3aの電源が投入された場合の初期処理、及び電源が切断された場合の終了処理を実行する処理部である。なお、ここでの電源の投入とは、見かけ上のオフ状態(例えば、主要部への電力供給を停止し、プロセッサが最低消費電力が動作している状態)から通常の動作状態に移行する動作などを含むものとする。ログイン処理部28は、端末装置3aの操作者がポイント付与システム1にログインするための処理(ログイン処理)を実行する処理部である。ポイント付与部29は、端末装置3aが設置された加盟店を利用した会員にポイントを付与するポイント付与処理を実行する処理部である。待機部30は、端末装置3aの電源が投入された後、操作者が端末装置3aを利用していない間に待機処理を実行する処理部である。通信部31は、通信回線5を介してサーバ2との間で情報を授受するためのインターフェースである。表示制御部32は、画面情報が示す画像又はそれにキーパッド表示情報24が示す画像を組み合わせたものを表示部13aに適切に表示させる制御部である。
【0048】
さらに、端末装置3a,3b,3cは、SWキーパッド入力受付部33と、HWキーパッド入力受付部34と、着脱センサ35と、受付先制御部36とを備える。
【0049】
SWキーパッド入力受付部33は、SWキーパッド(17c)の操作に基づく入力情報を受け付ける。具体的には、SWキーパッド入力受付部33は例えば、表示部13aに実際に表示されるSWキーパッドの各ボタンの位置を示すボタン位置情報を取得する。また、SWキーパッド入力受付部33はタッチセンサ部14aから操作者が接触した位置を示す接触位置情報を取得する。SWキーパッド入力受付部33は、ボタン位置情報により示される各ボタンの位置と接触位置情報により示される接触位置とを照合し、接触位置に対応付けられるボタンを示す情報を入力情報として受け付ける。
【0050】
HWキーパッド入力受付部34は、HWキーパッド16aの操作に基づく入力情報を受け付ける。具体的には、HWキーパッド入力受付部34は、操作者によって押下されたボタンを示す情報を入力情報として受け付ける。
【0051】
着脱センサ35は、HWキーパッド16aの取り付け及び取り外し(着脱)を検知するセンサを含み、検知した内容を示す検知情報を生成して出力する。本実施形態に係る着脱センサ35は、HWキーパッド16aの着脱に加えて、HWキーパッド16aが端末装置3aに取り付けられているか否かという取付状態を検知することができるセンサを含む。着脱センサ35に含まれるセンサは例えば、HWキーパッド16aが取り付けられた場合に導通する配線の導通状態を検知するセンサである。
【0052】
受付先制御部36は、SWキーパッド入力受付部33とHWキーパッド入力受付部34とのいずれかに入力情報の受付先を切り替えて設定する制御を行う。受付先制御部36が入力情報の受付先を切り替えて設定することによって、操作者が利用できるキーパッドは、設定された入力情報の受付先に対応するSWキーパッド(17c)とHWキーパッド16aとのいずれか一方となる。
【0053】
受付先制御部36は、図6に示すように、着脱判断部37と、処理特定部38と、切替許否判断部39と、処理終了判断部40と、受付先切替部41と、受付先設定判断部42と、再実行制御部43とを備える。
【0054】
着脱判断部37は、着脱センサ35から出力される検知情報を取得し、取得した検知情報に基づいてHWキーパッド16aの取付状態に変化があったか否かを判断する。取付状態に変化があったと判断した場合に、着脱判断部37は、さらに、HWキーパッド16aが取り付けられたか、又は取り外されたかを判断する。取り付けられたと判断したときに、着脱判断部37は、さらに、HWキーパッド16aが取り付けられたことを示す取付け情報を生成して出力する。取り外されたと判断したときに、着脱判断部37は、さらに、HWキーパッド16aが取り外されたことを示す取外し情報を生成して出力する。
【0055】
処理特定部38は、着脱センサ35によって着脱が検知された時に実行中の処理を特定し、特定した実行中の処理を示す実行中処理情報を生成して出力する。
【0056】
処理特定部38は、ログイン処理部28、ポイント付与部29、待機部30などの各処理部に問い合わせる。そして、処理特定部38は、各処理部28,29,30などが処理を実行中であるか否かを示す情報を取得し、取得した各情報に基づいて実行中の処理を特定する。
【0057】
切替許否判断部39は、HWキーパッド16aとSWキーパッド(17c)とを直ちに切り替えることの許否を判断する。本実施形態に係る切替許否判断部39は、実行中処理情報と処理単位情報とを取得する。切替許否判断部39は、実行中処理情報によって示される実行中の処理が処理単位情報によって示される処理単位に含まれる場合に、切り替えが許されないと判断する。また、切替許否判断部39は、実行中処理情報によって示される実行中の処理が処理単位に含まれない場合に、切り替えが許されると判断する。
【0058】
処理終了判断部40は、切替許否判断部39によって切り替えが許されないと判断された場合に、実行中処理情報によって示される処理が終了したか否かを判断する。処理終了判断部40は、例えば実行中処理情報によって示される処理を実行する処理部を監視することによって、その処理が終了したが否かを判断する。
【0059】
受付先切替部41は、SWキーパッド入力受付部33とHWキーパッド入力受付部34とのいずれを入力情報の受付先とするかを切り替えて設定する。そして、受付先切替部41は、入力情報の受付先として設定したSWキーパッド入力受付部33又はHWキーパッド入力受付部34から入力情報を取得する。
【0060】
受付先設定判断部42は、SWキーパッド入力受付部33とHWキーパッド入力受付部34とのいずれが入力情報の受付先として設定されているかを判断する。受付先設定判断部42は、例えば設定されている入力情報の受付先を示す情報(受付先情報)を受付先切替部41から取得し、取得した受付先情報に基づいて判断する。
【0061】
再実行制御部43は、処理単位に含まれる処理の実行中にHWキーパッド16aが取り外されて入力情報の受付先にSWキーパッド入力受付部33が設定された場合に、予め定められた処理をその処理に応じた処理部(28,29,30など)に実行させる制御をする。なお、予め定められた処理は、本実施形態では待機処理とするが、これに限られず、例えば処理単位の最初に実行される処理など適宜定められてよい。
【0062】
以上説明した各構成のうち、起動・終了部27、ログイン処理部28、ポイント付与部29、待機部30、表示制御部32、SWキーパッド入力受付部33、HWキーパッド入力受付部34、受付先制御部36は、例えば、プロセッサが記憶部19に格納されている動作プログラムを実行することにより実現される。通信部31は、プロセッサと通信カードなどから構成される。
【0063】
次に、これまで説明した構成を備える端末装置3aが実行する処理を、図13に示すフローチャートを参照して、説明する。なお、端末装置3b,3cも、端末装置3aと同様の処理を実行する。
【0064】
起動・終了部27は、電源が投入されたか否かを判断する(ステップS1)。電源が投入されていないと判断した場合(ステップS1;No)、起動・終了部27は、スリープモードを維持し、電源投入判断処理(ステップS1)を継続する。
【0065】
電源が投入されたと判断された場合(ステップS1;Yes)、起動・終了部27は、例えば、表示部13a等への電力の供給、プロセッサのクロックを通常の動作周波数に切り換える等の処理を行う。また、待機部30は、待機処理を実行する(ステップS2)。待機処理の具体例としては、消費電力を低減させる節電モードで端末装置3aを稼働させること、所定の待機画面(図示せず)を表示部13aに表示させることを挙げることができる。
【0066】
ログイン処理部28は、入力開始操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS3)。入力開始操作は、操作者が端末装置3aを利用する際に実行すべき操作として予め定められたものである。例えば、入力情報の受付先としてSWキーパッド入力受付部33が設定されている場合の入力開始操作は、操作者が表示画面(表示部13a)の特定の位置、例えば右上と左上に順次タッチすることである。また、入力情報の受付先としてHWキーパッド入力受付部34が設定されている場合の入力開始操作は、HWキーパッド16aの特定のキーボタン、例えば決定ボタンを押下することである。
【0067】
ログイン処理部28が入力開始操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS3;No)、待機部30は待機処理(ステップS2)を継続する。入力開始操作を受け付けたと判断した場合(ステップS3;Yes)、ログイン処理部28は、ログイン処理(ステップS4)を実行する。ログイン処理(ステップS4)の詳細について、図14を参照して説明する。
【0068】
図14に示すように、ログイン処理部28は、ログイン画面を表示部13a又は提示部18aに表示させる(ステップS21)。具体的には、HWキーパッド16aが端末装置3aに取り付けられている場合、ログイン処理部28は、図5に示すようなログイン画面を提示部18aに表示させる。また、HWキーパッド16aが端末装置3aに取り付けられていない場合、ログイン処理部28は表示制御部32に指示を出力し、その指示を受けた表示制御部32は、記憶部19からログイン画面情報23とともにキーパッド表示情報25を取得する。そして、表示制御部32は、ログイン画面情報23によって示されるログイン画面(図10参照)とSWキーパッドの画像(図12参照)とを合成した画像(図4参照)を表示部13aに表示させる。
【0069】
ログイン処理部28は、パスワードを入力する操作者の操作に基づく入力情報を取得する(ステップS22)。ここでの入力情報は、受付先切替部41によって設定されている入力受付部33又は34を介して取得される。
【0070】
ログイン処理部28は、パスワード取得処理(ステップS22)において取得した入力情報と記憶部19に記憶されているパスワード情報20とに基づいて、ログインの許否を判断する(ステップS23)。
【0071】
入力情報及びパスワード情報20が示すパスワードが一致しない場合に、ログイン処理部28は、ログイン画面表示処理(ステップS21)を再び実行する。入力情報及びパスワード情報20が示すパスワードが一致する場合に、ログイン処理部28は、端末装置3aのステータス情報9が使用可である否かをサーバ2に問合わせる。そして、使用可であることを示す応答をサーバ2から受けた場合に、ログイン処理部28は、ログインを許可すると判断し(ステップS23;Yes)、そのことを示す許可情報を出力して(ステップS24)、ログイン処理(ステップS4)を終了する。
【0072】
なお、本実施形態ではログイン処理(ステップS4)において、端末装置3aがパスワードを照合することとしたが、パスワードの照合はサーバ2によって実行されてもよい。この場合、サーバ2は例えば、パスワード情報20を含む加盟店情報7を保持するとよい。
【0073】
図13に戻り、リーダ部15aは、携帯電話4の携帯機器情報を受信する(ステップS5)。具体的には、リーダ部15aは、加盟店の顧客が携帯電話4をリーダ部15aにかざした場合に、その携帯電話4のRFIDから携帯機器情報を読み取る。リーダ部15aは、受信した携帯機器情報をポイント付与部29に出力する(ステップS6)。ポイント付与部29は、携帯機器情報を取得して、ポイント付与処理を実行する(ステップS7)。ポイント付与処理(ステップS7)の詳細について、図15を参照して説明する。
【0074】
図15に示すように、ポイント付与部29は、取得した携帯機器情報を、通信部31を介してサーバ2へ送信する(ステップS31)。
【0075】
ここで、携帯機器情報を受信したサーバ2が実行する処理について説明する。サーバ2は、端末装置3aから携帯機器情報を受信すると、会員情報10を参照する。サーバ2は、受信した携帯機器情報に対応する機器ID情報11を会員情報10から検索する。
【0076】
サーバ2は、携帯機器情報に対応する機器ID情報11が会員情報10に含まれていた場合、その携帯電話4をかざした顧客が会員であると判断し、さらに、その機器ID情報11に関連付けられた保有ポイント情報12を特定する。サーバ2は、その顧客が会員であることを示す認証情報と特定した保有ポイント情報12とを端末装置3aへ送信する。
【0077】
サーバ2は、携帯機器情報に対応する機器ID情報11が会員情報10に含まれていない場合、その携帯電話4をかざした顧客が会員でないと判断し、そのことを示す情報を認証情報として送信する。
【0078】
ポイント付与部29は、サーバ2から通信部31を介して認証情報を取得する(ステップS32)。ポイント付与部29は、表示制御部31を介してポイント付与画面を表示部13aに表示させ、ユーザの操作に基づいて入力された利用金額を示す入力情報を取得する(ステップS33)。なお、SWキーパッドが使用される場合のポイント付与画面は、表示部13aに表示され、ポイント付与画面情報24によって示される画面(図11参照)とSWキーパッドの画像(図12参照)とを合成した画面(図示せず)である。HWキーパッド16aが使用される場合のポイント付与画面(図示せず)は、提示部18aに表示され、例えば、利用ポイントの入力を促す文字と入力用のカーソルとを含むものでよい。ポイント付与部29は、認証情報取得処理(ステップS32)において取得した照合情報の内容に基づいて、携帯電話4をかざした顧客が会員であるか否かを判断する(ステップS34)。
【0079】
会員であると判断した場合(ステップS34;Yes)、ポイント付与部29は、利用ポイントを示す入力情報を取得する(ステップS35)。
【0080】
会員でないと判断した場合に(ステップS34;No)、又は、利用ポイント取得処理(ステップS35)の後に、ポイント付与部29は、入力された利用金額及び付与条件情報22に基づいて今回付与されるポイントを算出し、算出したポイント(今回のポイント)を表示部13a又は提示部18aに表示させる(ステップS36)。ポイント付与部29は、決定ボタンが押下されたことを示す入力情報を取得し(ステップS37)、ポイント付与処理を終了する。
【0081】
図13に戻り、処理単位を終了させる指示(処理単位終了指示)を受け付けたか否かを判断する(ステップS8)。具体的には例えば、終了ボタンが押下されたことを示す入力情報を取得した場合に、処理単位終了指示を受け付けたと判断される。処理単位終了指示を受け付けていないと判断された場合に(ステップS8;No)、携帯機器情報受信処理(ステップS5)が再び実行される。
【0082】
処理単位終了指示を受け付けたと判断された場合に(ステップS8;Yes)、起動・終了部26は、電源が切断されたか否かを判断する(ステップS9)。電源が切断されていないと判断された場合(ステップS9;No)、待機部30は、その判断を示す情報を起動・終了部26から取得し、待機処理(ステップS2)を実行する。電源が切断されたと判断した場合(ステップS9;Yes)、起動・終了部26は、所定の終了処理を実行した後、処理を終了する。
【0083】
これまでの説明は、HWキーパッド16aが着脱されない場合に、端末装置3aが実行する処理の流れである。端末装置3aは、図13〜15を参照して説明した一連の処理と並行して、HWキーパッド16aの着脱を着脱センサ35により検知する。そして、HWキーパッド16aの着脱が検知された場合に、端末装置3aは、入力情報の受付先を切り替えて設定する。このような受付先切替処理について、図16〜18を参照して説明する。
図16は、一実施形態に係る受付先切替処理を示すフローチャートである。
【0084】
着脱判断部37は、着脱センサ35から出力される検知情報を取得し、取得した検知情報に基づいて、HWキーパッド16aの取付状態を判断する(ステップS41)。
【0085】
HWキーパッド16aが取り付けられたと着脱判断部37によって判断された場合(ステップS41;着)、受付先制御部36は、取付け時切替処理(ステップS42)を実行して、受付先切替処理を終了する。
【0086】
取付け時切替処理(ステップS42)では、処理単位に含まれる処理以外の通常処理を実行している間にHWキーパッド16aが取り付けられた場合、HWキーパッド16aから入力できるように入力情報の受付先が直ちに切り替えられる。すなわち、この場合、受付先制御部36は、SWキーパッド入力受付部33からHWキーパッド入力受付部34へと入力受付部を切り替えて設定する。
【0087】
これに対して、処理単位に含まれる処理を実行している間にHWキーパッド16a,16bが取り付けられた場合、受付先制御部36は、その処理単位に含まれるすべての処理が終了するのを待つ。そして、その処理単位に含まれるすべての処理が終了した後に、受付先制御部36は、HWキーパッド16a,16bから入力できるように入力情報の受付先を切り替えて設定する。このような取付け時切替処理(ステップS42)の詳細について、図17を参照して説明する。
【0088】
図17に示すように、処理特定部38は、着脱センサ35によって着脱が検知された時に実行中の処理を特定する(ステップS51)。
【0089】
切替許否判断部39は、入力情報の受付先の切り替えを許可するか否かを判断する(ステップS52)。具体的には、切替許否判断部39は、特定された実行中の処理を示す情報を処理特定部38から取得するとともに、記憶部19の処理単位情報21を参照する。切替許否判断部39は、処理単位情報21が示す処理の中に実行中の処理が含まれているか否かを判断する。そして、処理単位情報21が示す処理の中に実行中の処理が含まれている場合に、切替許否判断部39は、切り替えを許可しないと判断する(ステップS52;No)。処理単位情報19が示す処理の中に実行中の処理が含まれていない場合に、切替許否判断部38は、切り替えを許可すると判断する(ステップS52;Yes)。
【0090】
本実施形態での処理単位は、ログイン処理(ステップS4)からポイント付与処理(ステップS7)までである。そのため、特定された実行中の処理が、図13に示すステップS4〜S7に含まれる処理である場合に、切替許否判断部39は、切り替えを許可しないと判断する。「ログイン処理からポイント付与処理まで」に含まれる処理としては、例えばログイン画面の表示中、ポイント付与処理画面の表示中、これらの処理においてサーバ2との通信するための処理などを挙げることができる。
【0091】
切り替えを許可しないと判断された場合(ステップS52;No)、処理終了判断部40は、その処理単位内の処理が終了したか否かを判断する(ステップS53)。処理単位内終了の判断処理(ステップS53)において、処理終了判断部40は、その処理を実行している処理部の実行状況を監視し、これによって、その処理単位内の処理が終了したか否かを判断する。処理単位内の処理が終了していないと判断した場合(ステップS53;No)、処理終了判断部40は、その処理部の実行状況を監視しながら、処理単位内の処理終了の判断処理(ステップS53)を継続する。
【0092】
切り替えを許可すると判断された場合(ステップS52;Yes)、又は、処理単位内の処理が終了したと判断された場合(ステップS53;Yes)、受付先切替部41は、その判断結果を示す情報を処理終了判断部40から取得して、入力情報の受付先をSWキーパッド入力受付部33からHWキーパッド入力受付部34へ切り替える(ステップS54)。これによって、入力情報の受付先としてHWキーパッド入力受付部34が設定され、取り付け時切替処理(ステップS42)は終了する。
【0093】
再び図16を参照して、HWキーパッド16aが取り外されたと着脱判断部37によって判断された場合(ステップS41;脱)、受付先制御部36は、取外し時切替処理(ステップS43)を実行して、受付先切替処理を終了する。
【0094】
取外し時切替処理(ステップS43)では、HWキーパッド16aが取り外された場合、SWキーパッド(17c)から入力できるように入力情報の受付先が切り替えられる。すなわち、この場合、受付先制御部36は、HWキーパッド入力受付部34からSWキーパッド入力受付部33へと入力受付部を切り替える。
【0095】
ただし、処理単位に含まれる処理を実行している間にHWキーパッド16aが取り外されたときには、受付先制御部36は、SWキーパッド入力受付部33へ入力情報の受付先を切り替えるとともに、所定の処理(本実施形態では、待機処理(ステップS2))を再び実行させる。このような取外し時切替処理(ステップS43)の詳細について、図18を参照して説明する。図18において、図17に示す処理と同一の処理には、同一の参照符号を付している。また、同一の処理に関して重複する説明は省略する。
【0096】
図18に示すように、切替許否判断部39によって切り替えを許可すると判断された場合に(ステップS52;Yes)、受付先切替部41は、入力情報の受付先をSWキーパッド入力受付部33に切り替えて設定する(ステップS63)。
【0097】
切替許否判断部39によって切り替えを許可しないと判断された場合に(ステップS52;No)、受付先設定判断部42は、受付先切替部41に問い合わせることによって、設定されている入力情報の受付先がSWキーパッド入力受付部33及びHWキーパッド入力受付部34のいずれであるかを判断する(ステップS64)。
【0098】
設定されている入力情報の受付先がSWキーパッド入力受付部33であると判断した場合(ステップS64;Yes)、受付先切替部41は、入力情報の受付先をSWキーパッド入力受付部33のまま維持して、取り外し時切替処理(ステップS43)を終了する。
【0099】
設定されている入力情報の受付先が、HWキーパッド入力受付部34である、すなわちSWキーパッド入力受付部33でないと判断された場合(ステップS64;No)、受付先切替部41は、その判断結果を示す情報を取得する。そして、受付先切替部41は、入力情報の受付先をHWキーパッド入力受付部34からSWキーパッド入力受付部33へ切り替える(ステップS65)。これによって、入力情報の受付先としてSWキーパッド入力受付部33が設定される。
【0100】
再実行制御部43は、処理を実行している処理部にその処理を終了させるとともに、待機部30に待機処理(ステップS2)を再び実行させ(ステップS66)、取外し時切替処理(ステップS43)を終了する。
【0101】
これまで説明したように、処理単位に含まれる処理以外の処理を実行している間にHWキーパッド16aが取り付けられたときには、HWキーパッド入力受付部34が、入力情報の受付先に直ちに切り替えて設定される。また、その間にHWキーパッド16aが取り外されたときには、SWキーパッド入力受付部33が、入力情報の受付先に直ちに切り替えて設定される。ここで、直ちにとは、着脱センサ35によって着脱が検知された後、着脱が検知された時に実行中の処理に優先することをいう。
【0102】
これに対して、処理単位に含まれる処理を実行している間にHWキーパッド16aが着脱された場合には、処理単位においてはSWキーパッド入力受付部33とHWキーパッド入力受付部34とのいずれか一方のみが入力情報の受付先となるように、入力先の切り替え処理が実行される。
【0103】
処理単位内の処理を実行中にHWキーパッド16aが着脱された場合の切替処理を実現する第1の方法は、処理単位に含まれる処理の実行中にHWキーパッド16aが着脱された時に実行中の処理を含む処理単位内の処理がすべて終了した後に入力情報の受付先を切り替える方法である。
【0104】
また、第2の方法は、処理単位に含まれる処理の実行中にHWキーパッド16aが着脱された場合に、着脱された直後に、入力情報の受付先を切り替えるとともに、実行中の処理を終了して所定の処理を実行する方法である。
【0105】
本実施形態では、処理単位に含まれる処理の実行中に、HWキーパッド16aが取り付けられたときに第1の方法を採用し、HWキーパッド16aが取り外されたときに第2の方法を採用する。これによって、処理単位の実行中に、入力情報の受付先が切り替わることがなくなり、操作者はHWキーパッド16aとSWキーパッド(17c)のいずれか一方を操作して処理単位における入力を行うことになる。そのため、例えば一連の処理単位内の処理のための操作中に入力先が切り替わることによって生じる操作時の使い辛さがなくなり、HWキーパッド16aとSWキーパッド(17c)とをユーザが使いやすいように切り替えることが可能になる。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0107】
例えば、実施形態では、会員が携帯電話4を利用することとしたが、会員が利用する機器はこれに限られない。会員が利用する機器は、端末装置3a,3b,3cと通信可能なRFIDを備えるものであればよい。その例として、携帯端末、サービス提供者が発行するRFIDを備えた会員カードなどを挙げることができる。
【0108】
さらに例えば、実施形態では、ポイント付与システムに備えられる端末装置を例に説明したが、本発明に係る情報処理装置はこれに限られない。本発明に係る情報処理装置は、HWキーパッドのように着脱可能な入力機器からの入力を含む複数の入力先から操作者が操作するための入力先を適宜選択できる装置であればよい。
【0109】
HWキーパッド16a,16bに代えて採用されうる着脱可能な入力機器(第1入力手段)の例として、マウス、トラックボール、十字キー、ジョイスティックなどを挙げることができる。
【0110】
また、SWキーパッド(17c)に代えて採用されうる入力機器(第2入力手段)の例として、情報処理装置に取り外しできないように備えられるタッチパッド、トラックボール、十字キー、ジョイスティックなどを挙げることができる。
【0111】
これらの入力機器が採用された場合にも、実施形態と同様に、例えば一連の処理単位内の処理のための操作中に入力先が切り替わることによって生じる操作時の使い辛さがなくなり、HWキーパッド16aとSWキーパッド(17c)とをユーザが使いやすいように切り替えることが可能になる。
【0112】
さらに例えば、本発明に係る情報処理装置が実行する処理は、実施形態で説明したログイン処理、待機処理、ポイント付与処理などに限られない。本発明は、任意の処理を実行する情報処理装置に適用することができる。この場合、情報処理装置が実行する処理の一部が、入力情報の受付先の切り替えを禁止する処理単位として適宜予め定められてよい。また、それら処理に応じて画面情報などが適宜設定されてよいのはもちろんである。この場合にも、実施形態と同様に、例えば一連の処理単位内の処理のための操作中に入力先が切り替わることによって生じる操作時の使い辛さがなくなり、HWキーパッド16aとSWキーパッド(17c)とをユーザが使いやすいように切り替えることが可能になる。
【0113】
さらに例えば、実施形態では、検知情報は取付状態を示す情報であるとしたが、検知情報はこれに限られない。例えば、検知情報は取付状態の変化を示す情報であってもよい。この場合、着脱判断部37などが取付状態を示す情報を保持し、取付状態の変化を示す検知情報を取得した時に着脱判断部37が取付状態を示す情報を更新することによって、着脱判断部37は取付状態を判断することができる。
【0114】
さらに例えば、実施形態では、処理単位が図13に示す待機処理(ステップS2)からポイント付与処理(ステップS7)までであるとしたが、処理単位として定められる処理はこれらに限られない。処理単位には他の処理が適宜定められてよい。例えば、処理単位は、ログイン処理(ステップS4)からポイント付与処理(ステップS7)までであってもよい。また、例えば、ポイント付与処理における利用ポイント入力処理など操作者に個別の欄を入力させるための各欄ごとの処理を処理単位としてもよい。この場合、例えば、処理単位として定めた入力欄への入力情報として保持している情報があるか否か、すなわち、操作者がその欄へ入力した文字があるか否かによって、処理単位に含まれる処理の実行中であるか否かが判断されてもよい。また、入力のためのカーソルの位置によって、処理単位に含まれる処理の実行中であるか否かが判断されてもよい。
【0115】
さらに例えば、実施形態では、処理単位に含まれる処理を実行している途中にHWキーパッド16aが取り付けられた場合、実行中の処理が含まれる処理単位内の処理がすべて終了するまで、入力情報の受付先の切り替えないことにした(上記の第1の方法)。しかし、この場合にも、上記の第2の方法が採用されてもよい。すなわち、処理単位に含まれる処理を実行している途中にHWキーパッド16aが取り付けられた場に、入力情報の受付先がHWキーパッド入力受付部34に切り替えられるとともに、所定の処理が再実行されてもよい。これによっても、処理単位内における入力情報の受付先を1つにすることができる。したがって、例えば一連の処理単位内の処理のための操作中に入力先が切り替わることによって生じる操作時の使い辛さがなくなり、HWキーパッド16aとSWキーパッド(17c)とをユーザが使いやすいように切り替えることが可能になる。
【0116】
さらに例えば、入力情報の受付先切替処理において、上記の第2の方法を採用する場合、入力情報の受付先の切り替え(ステップS65)と、所定の処理に戻ること(ステップS66)とは、いずれが先に行われてもよい。ただし、これらの処理は、連続的に実行される。ここで、連続的に実行されることは、時間的間隔を空けずに連続して実行されることだけでなく、処理単位における入力情報の受付先が入力受付部33,34のいずれか一方のみとなることを妨げない範囲で時間的間隔を空けて処理が実行されることを含む。すなわち、処理単位における入力情報の受付先が入力受付部33,34のいずれか一方のみとなることを妨げない限り、他の処理が介在してもよい。これによっても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0117】
なお、本発明は、情報処理装置、及び受付先制御方法として実現されるだけではない。本発明は、受付先制御方法に含まれる各ステップを実行するプログラムとしても実現されうる。また、そのようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶させて配布されてもよく、インターネットなどの通信回線を介して配信され、例えば、コンピュータにインストールされて実行され、コンピュータに上述の各動作を実行させる。
【符号の説明】
【0118】
1 ポイント付与システム
2 サーバ
3a,3b,3c 端末装置
4 携帯電話
5 通信回線
13a,13b,13c 表示部
14a,14b,14c タッチセンサ部
15a,15b,15c リーダ部
16a,16b HWキーパッド
17c SWキーパッド
19 記憶部
28 ログイン処理部
29 ポイント付与部
30 待機部
32 表示制御部
33 SWキーパッド入力受付部
34 HWキーパッド入力受付部
35 着脱センサ
36 受付先制御部
37 着脱判断部
38 処理特定部
39 切替許否判断部
40 処理終了判断部
41 受付先切替部
42 受付先設定判断部
43 再実行制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能な第1入力手段から入力情報を受け付けることができる第1入力受付手段と、
第2入力手段から入力情報を受け付けることができる第2入力受付手段と、
前記第1入力手段の着脱を検知し、検知した内容を示す検知情報を生成する検知手段とを備え、
前記検知手段によって生成された検知情報に基づいて、所定の処理単位においては前記第1入力受付手段及び前記第2入力受付手段のいずれか一方のみから入力されるように、入力情報の受付先を制御する受付先制御手段とを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付先制御手段は、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれるとき、当該実行中の処理が含まれる前記処理単位の終了を待って、又は、予め定められた処理に戻って、前記第1入力受付手段及び第2入力受付手段のいずれかに入力情報の受付先を切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
携帯機器と無線で通信することによって、当該携帯機器に固有の識別子を示す携帯機器情報を読み取るリーダ手段と、
前記携帯機器に固有の識別子が登録済みのものであるか否かをサーバに問い合わせるために、通信回線を介して前記サーバと情報を授受する通信手段とを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付先制御手段は、
前記検知情報に基づいて、前記第1入力手段が取り付けられたのか、又は取り外されたのかを判断する着脱判断手段と、
取り付けられたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれるとき、当該実行中の処理が含まれる前記処理単位の終了を待って、前記第2入力受付手段から前記第1入力受付手段へ入力情報の受付先を切り替える受付先切替手段とを備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付先切替手段は、取り付けられたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれないとき、前記第2入力受付手段から前記第1入力受付手段へ入力情報の受付先を直ちに切り替える
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付先制御手段は、
前記検知情報に基づいて、前記第1入力手段が取り付けられたのか、又は取り外されたのかを判断する着脱判断手段と、
取り外されたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれるとき、予め定められた処理に戻って、前記第1入力受付手段から前記第2入力受付手段へ受付先を切り替える受付先切替手段とを備える
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付先切替手段は、取り外されたと前記着脱判断手段によって判断された場合であって、前記検知手段によって着脱が検知された時に実行中の処理が前記処理単位に含まれないとき、前記第1入力受付手段から前記第2入力受付手段へ入力情報の受付先を直ちに切り替える
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
第1入力手段の着脱を検知し、
検知した内容を示す検知情報を生成し、
生成された前記検知情報に基づいて、所定の処理単位においては前記第1入力手段によって入力された内容を示す入力情報を受け付ける第1入力情報受付手段及び第2入力手段によって入力された内容を示す入力情報を受け付ける第2入力情報受付手段のいずれか一方のみから入力されるように、入力情報の受付先を制御する
ことを特徴とする受付先制御方法。
【請求項9】
着脱可能な第1入力手段から入力情報を受け付け、
第2入力手段から入力情報を受け付け、
前記第1入力手段の着脱を検知する着脱検知手段によって生成され、当該検知された内容を示す検知情報に基づいて、前記第1入力手段の着脱を判断し、
前記判断した結果に基づいて、所定の処理単位においては前記第1入力手段及び前記第2入力手段のいずれか一方のみから入力情報を受け付けるように、入力情報の受付先を制御することをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−30132(P2013−30132A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167547(P2011−167547)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(591271450)株式会社ビー・ユー・ジー (9)
【Fターム(参考)】