説明

情報処理装置、受信確認通知方法、およびプログラム

【課題】ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを、確実かつ柔軟に通知することができる情報処理装置、受信確認通知方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】受信確認通知を通知する通知先を示す複数の通知先情報を送信先情報として予め送信者情報管理部に記憶しておき、原稿画像をファクシミリ送信するときには、送信者情報管理部29から複数の通知先情報を読み出し、該複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信し、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、受信確認通知制御部25は、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを確認することができる情報処理装置、受信確認通知方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿をファクシミリ送信した送信者が、送信した原稿を受信側で確実に受信したか否かを確認するために、受信側から受信確認通知を送信者に対して通知する様々な技術が提案されている。その中でも特に送信者の情報をなんらかのコード画像を利用して受信者に伝え、受信側は該送信者の情報を利用して受信確認通知を通知する技術が知られている。
【0003】
例えば、ファクシミリ画像に返信先のEメールアドレスをバーコード化して配置し、受信側では変換装置を用いてバーコードから読み取ったEメールアドレスにファクシミリ画像を転送する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、文書IDをエンコードしたバーコードを利用して受信確認を行うファクシミリ通信方式も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この方式では、まず送信局は、ユニークな文書IDをバーコード化して送信文書の返信用ページに添付して送信する。文書IDは送信履歴と共に記憶しておく。受信局は、ファクシミリ原稿と共に印字される返信用ページに受信結果を記して、送信局に返信する。送信局は、返信用ページが返信されてくると、送信履歴の文書IDと比較し、受信確認が返送されたことを、ボイスメールで送信者の登録電話に通知する。なお、この方式において、返信用ページに付されるバーコードには、文書IDではなく、送信者の電話番号をエンコードし、受信局が自動的にその番号に返信発呼することもできる。
【0005】
さらにまた、ファクシミリ画像に送信者側のファクシミリ番号をコード化した画像として配置し、受信機は、コード化された画像から送信者側のファクシミリ番号を読み取り、受信確認メッセージを送信するファクシミリ装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2002−10015号公報
【特許文献2】特開平6−22117号公報
【特許文献3】特開2004−236058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、予め定められた返信手段が受信側で何らかの事情により使用できなくなった場合、或いは「送信者−>転送者−>受信者」のようにファクシミリ文書が中継転送されるような場合等には、上記従来の技術のように返信手段が固定化されている技術では、確実に受信確認通知を送信者に送信することができない。また、従来の技術では、送信者や受信者が互いに所望の返信手段で受信確認を送受信したい場合にも対応できない。
【0007】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを、確実かつ柔軟に通知することができる情報処理装置、受信確認通知方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、受信確認通知を通知する通知先を示す複数の通知先情報を記憶した記憶手段と、原稿画像をファクシミリ送信するときに、前記記憶手段に記憶された複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信する送信処理手段と、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときに、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信する通知処理手段と、を含んで構成されている。
【0009】
このように、複数の通知先情報を予め記憶しておき、原稿画像をファクシミリ送信するときには、予め記憶しておいた複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信し、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知アドレスの少なくとも1つに対して受信確認通知を送信するようにしたため、ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを、確実かつ柔軟に通知することができる。
【0010】
なお、前記複数の通知先情報の各々は、異なる種類の通知手段または同種の通知手段に対して与えられた異なる宛先番号またはアドレスとすることができる。
【0011】
すなわち、通知先情報が示す通知先の各々は、通知手段が異なる種類とすることができる。なお、通知手段の種類は、受信確認通知を送信者側に送信できる手段であれば特に限定されず、例えば、ファクシミリや電子メール、電話、Webサービス等とすることができる。また、複数の通知先情報の各々は、通知手段が同種であって、宛先番号やアドレスが異なる通知先とすることもできる。例えば、2つの通知先情報が示す電子メールアドレスは異なるが、通知手段は同種(電子メール)であるような場合である。
【0012】
なお、本発明の情報処理装置に、原稿画像と共にファクシミリ受信した複数の通知先情報を表示手段に表示させる表示処理部と、前記表示手段に表示された複数の通知先情報の中から1以上の通知先情報を選択するための選択手段と、を更に設け、前記通知処理手段は、前記選択手段で選択された通知先情報が示す通知先に受信確認通知を送信するようにしてもよい。
【0013】
このような構成によれば、受信者が受信者自身にとって受信確認通知を送信するのに都合のよい通知先に受信確認通知を送信できる。
【0014】
また、前記通知処理手段は、ファクシミリ受信した複数の通知先情報が示す複数の通知先の中から、所定の条件を満たす通知先を選択し、該選択した通知先に対して受信確認通知を送信するようにしてもよい。
【0015】
このような構成によれば、受信者に選択させずに、自動的に通知先を選択して送信することができる。これにより、受信者の手間を省き、迅速に受信確認通知を送信することができる。なお、所定の条件は、どのような条件であってもよく、受信した通知先情報が示す全ての通知先を選択するような条件であってもよいし、予め利用可能な通知手段を設定しておき、該設定した通知手段を利用しない通知先は除外するような条件であってもよく、特に限定されない。
【0016】
また、前記送信処理手段は、ファクシミリ送信する原稿画像の所定領域、該原稿画像の余白領域、および該原稿画像に新たに追加したページのいずれかに対して前記複数の通知先情報を示す画像を配置してファクシミリ送信し、前記通知処理手段は、ファクシミリ受信した前記複数の通知先情報を示す画像から複数の通知先情報を抽出し、該抽出した複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信することができる。
【0017】
通知先情報を示す画像を原稿画像に配置して送信することによって、情報を一括してファクシミリ送信することができる。
【0018】
なお、前記複数の通知先情報を示す画像をコード画像で表すこともできる。コード画像は、バーコードの画像であってもよいし、二次元コードの画像であってもよい。
【0019】
また、前記送信処理手段は、第1の他の装置から複数の通知先情報と共にファクシミリ受信した原稿画像を第2の他の装置に対してファクシミリ転送する場合には、該ファクシミリ受信した複数の通知先情報および前記記憶手段に記憶された複数の通知先情報の少なくとも一方を、該転送する原稿画像と共にファクシミリ送信することができる。
【0020】
このような構成によって、ファクシミリ受信した原稿画像を転送する場合であっても、もとの送信者の通知先情報か転送者の通知先情報、あるいは両方を原稿画像と共にファクシミリ送信できるため、受信側は、受信した通知先情報に基づいて受信確認通知を送信することができる。
【0021】
また、前記第2の他の装置から受信確認通知を受信したときに、該受信確認通知を前記第1の他の装置に対して転送する転送処理手段を更に含むことができる。
【0022】
これにより、転送者にのみ受信確認通知が送信された場合でも、もとの送信者に確実に受信確認通知を送信することができる。
【0023】
なお、本発明の情報処理装置は、前記記憶手段は、更に、1以上の受信確認通知用メッセージを示すメッセージ情報を記憶し、前記送信処理手段は、前記複数の通知先情報および前記1以上のメッセージ情報を前記原稿画像と共にファクシミリ送信し、前記通知処理手段は、他の装置から原稿画像と共に複数の通知先情報および1以上のメッセージ情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して、該ファクシミリ受信した1以上のメッセージ情報の中の少なくとも1つのメッセージ情報が示すメッセージを受信確認通知として送信することができる。
【0024】
更に、本発明の情報処理装置に、原稿画像と共に複数の通知先情報および複数のメッセージ情報をファクシミリ受信したときに、該ファクシミリ受信した複数のメッセージ情報を表示手段に表示させるメッセージ表示処理部と、前記表示手段に表示された複数のメッセージ情報の中から1以上のメッセージ情報を選択するためのメッセージ選択手段と、を更に設け、前記通知処理手段は、前記メッセージ選択手段で選択されたメッセージ情報が示すメッセージを受信確認通知として送信することができる。
【0025】
このように、受信確認通知に利用可能なメッセージを予め記憶しておき、原稿画像、通知先情報と共にファクシミリ送信することによって、受信側は、該メッセージを利用して容易に受信確認通知を送信することができる。
【0026】
本発明の受信確認通知方法は、原稿画像をファクシミリ送信するときには、受信確認通知を通知する通知先を示す複数の通知先情報を記憶した記憶手段から複数の通知先情報を読み出し、該複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信し、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信するものである。
【0027】
本発明の受信確認通知方法も、本発明の情報処理装置と同様に作用するため、ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを、確実かつ柔軟に通知することができる。
【0028】
この受信確認通知方法において、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、原稿画像と共にファクシミリ受信した複数の通知先情報を表示手段に表示し、該表示手段に表示された複数の通知先情報の中から1以上の通知先情報を選択し、該選択された1以上の通知先情報が示す通知先に対して受信確認通知を送信することもできる。
【0029】
本発明のプログラムは、コンピュータを、原稿画像をファクシミリ送信するときには、受信確認通知を通知する通知先を示す複数の通知先情報を記憶した記憶手段から複数の通知先情報を読み出し、該複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信する送信処理手段として機能させ、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信する通知処理手段として機能させるためのプログラムである。
【0030】
本発明のプログラムも、本発明の情報処理装置と同様に作用するため、ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを、確実かつ柔軟に通知することができる。
【0031】
このプログラムにおいて、前記通知処理手段は、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、原稿画像と共にファクシミリ受信した複数の通知先情報を表示手段に表示し、該表示手段に表示された複数の通知先情報の中から選択された1以上の通知先情報が示す通知先に対して受信確認通知を送信することができる。
【0032】
なお、本発明の情報処理装置、受信確認通知方法、およびプログラムは、CCITTのファクシミリ規格を拡張することなく実現可能である。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、本発明によれば、ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを、確実かつ柔軟に通知することができる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0035】
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム1の概略的な構成を示す図である。
【0036】
ネットワークシステム1は、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能を兼ね備えた複数の複合機10と、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)30とを備え、複合機10とPC30とはLAN等のネットワーク5を介して相互に接続されている。なお、図示は省略するが、ネットワーク5は、インターネット等のグローバルネットワークにファイヤウォールなどを介して接続されている。さらに、ネットワーク5には、インターネット上のメールの配送を行なうメールサーバ50、およびWebサービスを提供するWebサーバ60がそれぞれ接続されている。
【0037】
図2は、複合機10の構成を示すブロック図である。
【0038】
複合機10は、原稿に記録された画像を読み取るスキャナ部11と、感光体に静電潜像を記録し、静電潜像をモノクロトナーまたはカラートナーを用いて現像し、現像した画像を記録紙に転写して出力するプリンタ部12と、公衆回線と接続され、公衆回線を介してファクシミリ送信、ファクシミリ受信を行うFAX部13とを備えている。なお、プリンタ部12は、インクジェット方式で出力するものであってもよい。
【0039】
なお、複合機10は、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能の他、インターネットからメールサーバ50を介して受信した電子メールのヘッダ情報や本文等を解析して、解析結果に応じて電子メールに添付された画像データを出力する機能(以下、iFAX機能)も実行可能に構成されている。
【0040】
複合機10は、さらに、全体を制御するコントローラ14と、スキャナ部11で読み取られた画像の画像データやネットワーク5を介して受信したデータ、或いはファクシミリ受信した画像の画像データ等を記憶するHDD15と、ファクシミリ受信した画像に関する情報を表示したり、アイコンを有する操作画面を表示すると共に該表示されたアイコンへの接触に応じて操作情報を入力する表示パネル16と、データを入出力するための入出力ポート17と、ネットワーク5に接続された機器と通信を行う通信制御ユニット18とを備えている。
【0041】
スキャナ部11、プリンタ部12、FAX部13、コントローラ14、HDD15、表示パネル16および入出力ポート17は、バスを介して相互に接続されている。入出力ポート17は、通信制御ユニット18を介してネットワーク5に接続されている。なお、スキャナ部11は、FAX部13の一部として組み込まれてもよい。
【0042】
コントローラ14は、CPU、ROM、およびRAM(SDRAM)を含んで構成されたマイクロコンピュータであり、ROMには、スキャナ部11、プリンタ部12、およびFAX部13の動作を制御する制御プログラムの他、原稿画像をファクシミリ送信するときの送信処理を行うためのプログラムや、他の装置からファクシミリ受信した原稿画像から通知先情報等を抽出して受信確認通知処理を行うためのプログラムなど、各種プログラムが記憶されている。
【0043】
なお、これらプログラムを格納する記憶媒体は、ROMに限定されず、例えば、HDD15や外付けの記憶媒体であってもよいし、電気通信回線上の搬送波のような伝送媒体であってもよく、特に限定されない。
【0044】
HDD15には、画像データ等が記憶される。例えば、FAX部13を介してファクシミリ送信する時には、送信する原稿画像の画像データが記憶され、所定のタイミングで該画像データが読み出されて送信される。ファクシミリ受信時には、受信された原稿画像の画像データがHDD15に格納され蓄積されたり、格納された画像データが、読み出されプリンタ部12で印刷されたりする。
【0045】
さらにまた、HDD15の所定記憶領域には、送信者情報が予め登録されている。送信者情報とは、原稿画像をファクシミリ送信した送信者に対して受信側が受信確認通知を送信するために利用される情報であって、原稿画像をファクシミリ送信するときに、原稿画像と共に送信される。送信者情報には、「通知手段情報」、「通知番号または通知アドレス」、「送信メッセージ情報」、および「受信確認通知用メッセージ情報」の各情報が含まれる。
【0046】
通知手段情報とは、受信確認通知を通知する際に利用可能な通知手段の種類を示す情報であって、例えば、通知手段には、ファクシミリ、電話、電子メール、Webサービス、iFAX等がある。
【0047】
通知番号または通知アドレスは、通知手段情報で登録した各通知手段に対して与えられる通知番号または通知アドレスであって、例えば、通知手段の種類がファクシミリであればファクシミリ番号を登録し、通知手段の種類が電子メールであれば、電子メールアドレスを登録する。以下では、通知先の宛先番号またはアドレスを総称して「通知アドレス」と呼称する。
【0048】
送信メッセージ情報は、ファクシミリ受信者に対して送信者側から伝達するメッセージを示す情報であって、例えば「受信したファクシミリの内容をご確認の上、受信確認通知を送信してください。」「ファクシミリ文書が正常に受信できなかった場合にはお知らせください」等、様々なメッセージを設定しておくことができる。
【0049】
受信確認通知用メッセージ情報は、受信者が受信確認通知に含めることができるメッセージを示す情報であって、例えば、「確認しました。」、「転送しました。」、「ファクシミリ送信先を間違えています。」などのメッセージを登録しておくことができる。
【0050】
図3は、PC30の構成を示すブロック図である。
【0051】
PC30は、全体を制御するCPU31、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM32、CPU31の制御プログラム等を記憶するROM33、各種画面や情報を表示するディスプレイ34、CD−ROMドライブ35を備えている。
【0052】
また、PC30は、ハードディスクドライブ(HDD)36を備えている。HDD36には、PC30から複合機10の機能を使用するためにネットワーク5を介して複合機10とやりとりするためのドライバを始めとする各種プログラムが予め記録されると共に、複合機10から取り込んだデータ等を記憶したりすることができる。さらに、PC30は、文章や記号等を入力するキーボード37、ポインティングデバイスであるマウス38を備え、これらはインタフェース39に接続されている。
【0053】
CPU31、RAM32、ROM33、およびインタフェース39は、入出力ポート40に接続されている。入出力ポート40は、通信制御ユニット41を介してネットワーク5に接続され、通信制御ユニット41により、ネットワーク5に接続された複合機10等の他の機器と通信を行うことができる。これにより、PC30から複合機10に対してプリントする画像データを転送してプリントさせたり、ファクシミリ送信する画像データを転送してファクシミリ送信させたりすることができる。また、メールサーバ50を介して電子メールを送受信したり、Webサーバ60を介してWebサービスを利用したりすることができる。
【0054】
なお、メールサーバ50およびWebサーバ60も、上記説明したPC30と同様の構成をとることができるため説明を省略する。なお、メールサーバ50は、HDDに記憶されたメールサーバ用のプログラムを実行することにより、インターネットを介したメールサービスを提供し、Webサーバ60は、HDDに記憶されたWebサーバ用のプログラムを実行することにより、Webサービスを提供することができる。ここで、Webサービスとは、HTTPプロトコルやSOAPプロトコルなどを利用し、インターネットを介してクライアントからのリクエストに応じたソフトウェア処理を行うサービスをいう。このサービスを利用することによって、例えば、送信者が受信確認通知をホームページにて確認できるようにする等、電子メールと同様にメッセージや画像等を送信者に伝えることも可能となる。
【0055】
図4は、複合機10の主要構成を機能的に示したブロック図である。
【0056】
FAX受信部20は、公衆回線を介してファクシミリ送信された原稿画像等を受信する。
【0057】
原稿入力部21は、FAX受信部20でファクシミリ受信された原稿画像の画像データや、スキャナ部11でスキャンされた画像の画像データや、予めHDD15内に設けられたフォルダに投入された原稿画像の画像データ等を取得する。
【0058】
コード画像変換部22は、送信者情報をバーコードや二次元コード等のコード画像に変換し、原稿画像に配置し合成する。コード画像の配置は、原稿画像の所定位置や、空白領域、或いは原稿画像に新たに追加したページに対して行われる。
【0059】
FAX送信部23は、指定された相手先に対して原稿画像をファクシミリ送信する。
【0060】
コード画像認識部24は、ファクシミリ受信した原稿画像に配置されたコード画像を認識し、該コード画像を送信者情報に変換する。
【0061】
受信確認通知制御部25は、コード画像認識部24で変換された送信者情報を表示パネル16(表示・操作部26)に表示させ、受信者にどの通知先に通知するかを選択させる。受信確認通知制御部25は、は選択された通知先に受信確認通知を送信する処理を行う。また、ファクシミリ受信した画像を他者に転送するか否かを選択させ、転送する場合にはコード画像変換部22に自装置の送信者情報を転送者情報としてコード画像に変換させ原稿画像に付加して転送させる。
【0062】
表示・操作部26は、前述の表示パネル16に相当し、送信者情報を表示すると共に、受信者に通知先を選択させる。
【0063】
Eメール送信部27は、受信確認通知としての電子メールを生成してメールサーバ50を介して電子メールを送信する。
【0064】
Webサービス呼び出し部28は、Webサービスを呼び出して実行させる。Webサービスとしては、例えば、通知先として指定されたアドレスに対して当該Webサービスを示すURLや受信確認識別番号を送信し、Webのホームページに送信者がアクセスすることにより受信確認通知を確認させるようなサービスが挙げられる。
【0065】
なお、ここでは、受信確認通知手段として、FAX送信部23、Eメール送信部27、Webサービス呼び出し部28の3種を利用可能に図示したが、これらの他に、前述のiFAXや電話を利用可能に構成してもよい。
【0066】
送信者情報管理部29は、HDD15に相当し、送信者情報を管理保持する。送信者情報は、コード画像変換部22に読み出され、コード画像に変換されて原稿画像に配置される。送信者情報は、図4に示すように、各データを構造化してHDD15に保持するようにしてもよい。
【0067】
次に、本実施の形態に係るファクシミリ送信処理と、ファクシミリ受信した際の受信確認通知送信処理について説明する。
【0068】
まず、ファクシミリ送信処理の前に、ファクシミリ送信者は、受信者から受信確認通知を受け取るために、前もって送信者情報を送信者情報管理部29に登録しておく。
【0069】
送信者情報のうち、通知手段情報と通知アドレスは、必ず対応付けて登録される。送信者は、自分が受け取り可能な通知手段の種類を通知手段情報としてまず指定して登録することができ、この通知手段情報に対して通知アドレスを指定することができる。以下、必要に応じて、通知手段情報と通知アドレスのペアを通知先情報と呼称する。
【0070】
また、通知先情報は、受信確認通知が確実に送信者側に届くように、通知手段の種類が異種か、或いは、通知手段が同種であっても通知アドレスが異なる複数個の通知先情報を登録することが望ましい。
【0071】
登録の仕方は、特に限定されないが、状況に応じた登録方法を行えばよい。例えば、受信者が受信者にとって都合のよい通知手段で受信確認通知を送信できるようにしたい場合には、必ず異なる種類の通知手段情報を複数登録するようにする、などの登録条件を設けるようにしてもよい。これにより受信者側で好ましい通知手段を選択して受信確認通知を送信することができる。
【0072】
また、ここで、送信メッセージ情報や受信確認通知用メッセージ情報も適宜登録することができる。
【0073】
送信メッセージ情報については、例えば、通知先情報を1つの送信メッセージ情報に対して複数個登録するようにしてもよいし、複数の通知先情報の各々に対して異なる送信メッセージ情報を指定可能としてもよい。さらに同様に、受信確認通知用メッセージについては、通知先情報を1つの受信確認通知用メッセージ情報に対して複数個登録するようにしてもよいし、複数の通知先情報の各々に対して異なる受信確認通知用メッセージ情報を指定可能としてもよい。
【0074】
また、通知先情報、送信メッセージ情報、および受信確認通知用メッセージ情報を1つの組み合わせとし、各組み合わせに対して異なる識別番号を付与して登録してもよい。これにより、送信者は複合機10を利用してファクシミリ送信するときに該識別番号を指定することによって、所望の送信者情報を原稿画像に付加してファクシミリ送信することができる。
【0075】
なお、送信者情報として登録する通知アドレスは、必ずしも送信者がファクシミリ送信するために利用する複合機10を指定する番号でなくてもよい。送信者は、受信者から受信確認通知を受信したい宛先として通知アドレスを自由に登録しておくことができる。
【0076】
また、送信者情報の格納方法は特に限定されない。例えば、図4に示すように、XML形式のファイルを形成して保存してもよいし、通常のテキスト形式で保存してもよい。
【0077】
図5は、ファクシミリ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0078】
ステップ100では、送信者は、ファクシミリ送信したい原稿画像の画像データを複合機10に入力する。原稿入力部21は、原稿画像ファイルが所定のフォルダに投入されたことを検知して画像データを取得するようにしてもよいし、スキャナ部11から画像データを取得するようにしてもよい。
【0079】
ステップ102では、コード画像変換部22は、送信者情報管理部29に登録されている送信者情報全てを読み出し、これらを二次元コードなどのコード画像に変換する。
【0080】
ステップ104では、変換したコード画像を、原稿入力部21から入力された原稿画像の画像データに配置・合成する。
【0081】
なお、コード画像は、次のいずれかに示すように配置することができる。
1) 原稿画像のあらかじめ設定されたページ/位置に配置する。
2) 原稿画像の空白部分を検知し、該空白部分に収まるように自動的に配置する。
3) 新たな空白ページや定型フォーマットの表紙などを作成し、そのページに配置して、原稿画像の画像データに追加する。
【0082】
例えば、2)の配置方法を採用した場合には、図7(A)に示すような原稿画像51に対して、図7(B)に示すように原稿画像51の空白部分にコード画像52を配置し、合成画像を作成する。
【0083】
なお、配置方法は、予め複合機10に設定されていてもよいし、ファクシミリ送信時に送信者が選択できるようにしてもよい。
【0084】
ステップ106では、FAX送信部23は、コード画像が合成された原稿画像を指定された送信先にファクシミリ送信する。
【0085】
図6は、ファクシミリ受信した際の受信確認通知送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
ステップ200では、受信者側の原稿入力部21は、FAX受信部20を介してファクシミリ受信された原稿画像の画像データを取得する。なお、ファクシミリ受信した原稿画像のプリントは、ファクシミリ受信直後であってもよいが、後述する受信確認通知を送信した後であってもよい。
【0087】
ステップ202では、コード画像認識部24は、原稿入力部21から入力された原稿画像の画像データを解析し、原稿画像の画像データにコード画像が含まれているか否かを判断する。例えば、コード画像に必ず現れる特徴を登録しておき、パターンマッチングで判断することができる。
【0088】
ステップ202で、否定判断された場合には、受信確認通知を送信する必要のない原稿をファクシミリ受信したものと判断でき、本フローチャートの処理を終了する。
【0089】
ステップ202で、肯定判断された場合には、ステップ204に移行し、認識されたコード画像から送信者情報を取り出す。
【0090】
ステップ206では、受信確認通知制御部25は、取り出した送信者情報を表示パネル16に表示すると共に、ファクシミリ受信した原稿画像を他の装置に転送するか否かを指示する選択項目(転送項目)を表示する。
【0091】
ステップ208では、転送項目が指示されたか否かを判断する。ここで、ファクシミリ受信した原稿画像を他の装置に転送しないことが指示されたと判断した場合には、ステップ210に移行する。
【0092】
ステップ210では、受信確認通知制御部25は、引き続き表示パネル16に表示されている送信者情報のうち、受信確認通知を送信する通知先情報が選択されたか否かを判断する。前述したように、送信者情報の登録では、複数の通知先情報の登録がなされているため、表示パネル16には複数の通知先情報が表示されており、受信者はこれらの中から利用可能な通知先を選択することができる。ここでは、選択個数は1つであってもよいし、複数個であってもよい。複数個選択すれば、送信中にいずれかの通知手段に障害が発生したとしても、他の通知手段を介して確実に受信確認通知を送信することができる。
【0093】
また、送信者情報として複数個の受信確認通知用メッセージ情報が含まれていた場合には、該複数個の受信確認通知用メッセージ情報が示すメッセージを表示パネル16に表示し、通知先情報と共に受信者に選ばせるようにすることもできる。
【0094】
ステップ210で、受信者が表示パネル16に表示された通知先情報のいずれかが選択されたと判断した場合には、ステップ212に移行し、受信確認通知制御部25は、選択された通知先情報が示す通知手段情報(通知手段の種類)に応じて、FAX送信部23、Eメール送信部27、Webサービス呼び出し部28などを呼び出し、選択された通知先情報が示す通知アドレスに受信確認通知用メッセージが送信されるように処理する。
【0095】
例えば、通知手段の種類がファクシミリ送信であれば、受信確認通知用メッセージを記載した原稿画像を作成してFAX送信部23に指定された通知番号にファクシミリ送信させる。
【0096】
また、例えば、通知手段の種類がEメール送信であれば、Eメール送信部27に、受信確認通知用メッセージを含むメールを生成させ、メールサーバ50を介して指定された通知アドレスにEメールを送信する。
【0097】
また、例えば、通知手段の種類がWebサービスあれば、Webサービス呼び出し部28に、指定されたURLに対し受信確認通知用メッセージを引数としたWebサービス呼び出しを行わせる。Webサービスとしては、送信者が受信確認通知をホームページにて確認できるようにするサービスなどが可能である。
【0098】
また、ステップ208で、ファクシミリ受信した原稿画像を他の装置に転送することが指示されたと判断した場合には、ステップ214に移行する。
【0099】
ステップ214では、受信確認通知制御部25は、受信者(転送者)自身の送信者情報を送信者情報管理部29から取得し(ここでは転送者情報と呼ぶ)、コード画像変換部22に、受信した送信者情報と合わせて新たにコード画像を生成させる。
【0100】
ステップ216では、コード画像変換部22は、新たに生成したコード画像を、原稿画像の画像データに配置・合成する。例えば、原稿画像に配置・合成されていた送信者画像のコード画像の位置に上書きする。
【0101】
なお、ここでは、送信者情報と転送者情報とを合わせ新たなコード画像を生成して原稿画像に配置・合成したが、これに限定されず、例えば、図7(C)に示すように、転送者情報だけでコード画像54を作成し、作成したコード画像54を送信者情報のコード画像52とは別の位置に配置・合成することもできる。
【0102】
ステップ218では、FAX送信部23は、コード画像が合成された原稿画像を転送先として指定された送信先にファクシミリ送信する。
【0103】
以上説明したように、複数の通知先情報を送信者情報として予め記憶しておき、原稿画像をファクシミリ送信するときには、予め記憶しておいた複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信し、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知アドレスの少なくとも1つに対して受信確認通知を送信するようにしたため、ファクシミリ送信した原稿画像を受信側が受信したか否かを、確実かつ柔軟に通知することができる。
【0104】
より詳しくは、送信者は、所望の通知手段および通知アドレスを複数登録して原稿画像と共にその情報を送信することができるため、所望の通知手段、通知先で受信確認通知を受け取ることができると共に、登録してある通知先情報が示す通知手段、通知アドレスのいずれかの通知手段、通知アドレスが利用不能となっても、利用可能な他の通知手段、通知アドレスが利用されるように選択すれば、ファクシミリ受信した受信者から確実に受信確認通知を受け取ることができる。具体的には、上記では登録されている全ての通知先情報をファクシミリ送信するようにしたが、登録されている通知先情報の中から送信者が複数個選択して、これを原稿画像と共にファクシミリ送信するようにする。
【0105】
また、原稿画像と共に受信した複数の通知先情報から少なくとも1つを受信側で選択できるように構成し、選択した通知先情報が示す通知手段を介して通知アドレスに受信確認通知を送信するようにしたため、受信者は自分にとって最も都合のよい(例えば安価な)通知手段で受信確認通知を送信することができる。
【0106】
従って、送信者と受信者の双方にとって都合のよいファクシミリ受信確認通知処理を行うことができる。
【0107】
また、複数の通知手段で同時に受信確認通知を行うことも可能となるため、1つの通知手段が障害により通知不能となった場合でも、他の通知手段により受信確認通知を確実に送信者に対して送信することができる。
【0108】
さらにまた、送信者が通知アドレスを指定し、ファクシミリ送信の度に原稿画像と共に受信者側に送信するため、受信者側で予め通知アドレスを登録しておかなくてもよい。さらに、受信者が手作業で通知アドレスを入力する必要がないので、誤送信(誤返信)する確率が少なくなる。
【0109】
なお、通知先情報を含む送信者情報をテキスト形式で原稿画像と共に送信することもできるが、上記では、バーコードや二次元コード等のコード画像に変換し、そのコード画像を原稿画像の所定領域、余白領域、或いは原稿画像に新たに追加したページのいずれかに対して配置して合成し、ファクシミリ送信するようにしたため、送信者情報をテキスト形式で表した場合に比べて、小さな画像でより多くの情報を含ませて受信者側に伝達することができる。また、原稿画像にコード画像を配置・合成した場合、原稿画像自体の内容と送信者情報とを区別して認識しやすい。また、原稿画像自体の美観を損なうこともない。
【0110】
また、上記では、ファクシミリ受信した原稿画像を転送する場合も、送信者情報および転送者情報を転送する原稿画像と共に送信するようにしたため、受信側は、送信元と中継した転送者の双方、またはいずれか一方に受信確認通知を送信することができる。
【0111】
図8(A)は、ファクシミリ受信した原稿画像を転送するときに、送信者情報および転送者情報を転送する原稿画像と共に送信した場合に行われる受信確認通知処理を説明する図である。図8(A)に示すように、まず、送信者Sから転送者Fにファクシミリ送信し(1)、転送者Fから受信者R1,R2に対してファクシミリ送信(2)するが、このとき、送信者情報および転送者情報が原稿画像と共に転送されるため、受信者R1,R2は、直前の送信者である転送者Fや、送信者Sに直接受信確認を通知することが可能となる(3a、3b)。
【0112】
また、ファクシミリ送信を中継した転送者Fにおいて、送信者情報の代わりに転送者情報を原稿画像と共にファクシミリ送信するようにしてもよい。
【0113】
この変形例の場合には、図8(B)に示すように、転送者Fは受信者R1,R2に転送する際に、送信者情報のコード画像を転送者情報のコード画像に置換して原稿画像に配置・合成して送信する(2)。このため、受信者R1,R2は転送者Fにのみ受信確認通知を行う(3)。また、転送者Fは、送信者Sの送信者情報を記憶しておく。転送者Fは受信者R1,R2からの受信確認通知を待って、記憶しておいた送信者情報を利用して送信者Fに受信確認通知を送信する(4)。これにより、送信者Sは全ての受信者R1,R2にファクシミリが受信されたことを確認できる。
【0114】
なお、図8(A)に示すような場合であって、転送者Fだけに受信確認通知が送信されるような場合にも、これと同様に、転送者Fは、転送時に送信者Sの送信者情報を記憶しておき、転送先から受信確認通知を受け取ったら転送者Fが該受信確認通知を送信者Sに転送すればよい。
【0115】
また、上記実施の形態では、送信者情報に送信メッセージ情報や受信確認通知用メッセージ情報を含めてコード画像化し、原稿画像と共にファクシミリ送信するようにしたため、ファクシミリの受信者側は、これらメッセージを利用して受信確認通知を容易に送信することができる。
【0116】
なお、通知手段の種類に応じて受信者へのメッセージを変えることができるように、送信者情報の構成は、複数ある通知手段情報と通知アドレス(通知先情報)のそれぞれのペアに対して、送信メッセージ情報や受信確認通知メッセージ情報を個別に指定可能としてもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、受信側で通知先情報を選択する例について説明したが、通知先は選択式にせず、受信した通知先情報を全て表示し、受信者が受信した原稿画像を確認した後、表示された全ての通知アドレスに受信確認通知を送信するようにしてもよい。このように複数の通知手段で同時に通知を行うことにより、1つの通知手段が障害等の理由で通知できない場合でも、他の通知手段で通知を行うことができ、通知確認を確実に行うことができる。
【0118】
なお、利用不可能な通知手段の種類を予め装置に登録しておき、受信したコード画像に含まれる複数の通知先情報のうち、受信者側で利用可能な通知手段の通知先情報のみを表示して選択させてもよいし、利用可能でない通信先情報については利用可能でない旨を表示して選択できないようにしてもよい。また、この場合も、通知先は選択式にせずに、受信者側の装置が、自動的に受信者側で利用可能な通知手段の通知アドレスを判断し受信確認通知を送信してもよい。
【0119】
さらにまた、受信者側の装置に、予め利用可能な通知手段の優先順位を定めておき、原稿画像と共に受信した通知先情報の中から優先順位の高い通知手段の通知アドレスに対して受信確認通知を送信するようにしてもよい。
【0120】
また、送信者側も同様に、送信者情報として、送信者が受信確認通知の送信に利用して欲しい通知手段の優先順位を指定できるようにし、受信者側の表示手段に通知先情報を表示する際には、優先順で表示したり、優先度を示す数値やアイコン等を表示するようにしてもよい。これにより、送信者側及び受信者側の双方にとって都合のよい通知手段で受信確認通知を授受できる。
【0121】
さらにまた、受信者が通信先情報から所望の通知先情報を選択する選択式か、受信者側の装置で自動的に予め定められた条件に合致した(或いは条件無しで全ての)通知先情報に基づいて自動的に受信確認通知を送信する自動式にするかを、送信者側がファクシミリ送信時に指定できるようにしてもよい。また、この場合、受信者側の装置でも、自動式での受信確認通知の送信を許可するか否かを指定可能とし、自動式が許可されている場合には、通知先情報を表示手段に表示させることなく、自動的に受信確認通知を送信するようにすることもできる。また、受信者側の装置で、自動式が許可されている場合であっても、表示端末に予め指定された時間だけ通知先情報の表示を行い、受信者からの入力がなかった場合にのみ、自動的に受信確認通知を送信するようにしてもよい。
【0122】
また、ファクシミリ送信された原稿画像の内容確認を受信者が行った上で受信確認通知を行うことができるようにするために、受信者側の装置の表示手段に、送信者情報に含まれる送信メッセージ情報が示すメッセージと共に受信した原稿画像も同時に表示するようにしてもよい。
【0123】
さらにまた、通常は受信直後にファクシミリ受信した原稿画像を印刷させるが、受信確認通知を行った後に、受信した原稿画像を印刷するようにしてもよい。
【0124】
なお、上記では、原稿入力部21、コード画像変換部22、FAX送信部23、コード画像認識部24、受信確認通知制御部25、表示・操作部26、および受信確認通知を送信する各通知手段(Eメール送信部27やWebサービス呼び出し部28など)のそれぞれをファクシミリ通信する複合機10内のモジュールとする例について説明したが、これに限定されず、これら構成をファクシミリ通信する複合機10とは別の装置に搭載されたモジュール(例えば、上記実施の形態ではPC30内のモジュール)としてもよい。
【0125】
この場合には、以下のように処理することができる。ここでは、送信者側、受信者側ともに同じシステム構成をとるものとする。
【0126】
まず、送信側のPC30で送信者情報をコード画像化し原稿画像に配置・合成した画像データを生成し、この画像データを複合機10に転送してファクシミリ送信させ、受信側のPC30では、複合機10でファクシミリ受信した画像データを取得し、取得した画像データから原稿画像に含まれるコード画像を認識して、受信確認通知を送信する処理を行うようにする。
【0127】
このような構成によっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本実施の形態に係るネットワークシステムの概略的な構成を示す図である。
【図2】複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】PCの構成を示すブロック図である。
【図4】複合機の主要構成を機能的に示したブロック図である。
【図5】ファクシミリ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】受信確認通知送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(A)は原稿画像を示す図、(B)は原稿画像の空白部分にコード画像を配置した図、(C)は、転送者情報を変換したコード画像を送信者情報のコード画像とは別の位置に配置した図である。
【図8】(A)は、ファクシミリ受信した原稿画像を転送するときに、送信者情報および転送者情報を転送する原稿画像と共に送信した場合に行われる受信確認通知処理を説明する図であり、(B)は、ファクシミリ送信を中継した転送者Fにおいて、転送者情報を送信者情報に代えて原稿画像と共に送信する場合に行われる受信確認通知処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0129】
5 ネットワーク
10 複合機
11 スキャナ部
12 プリンタ部
13 FAX部
14 コントローラ
15 HDD
16 表示パネル
18 通信制御ユニット
20 FAX受信部
21 原稿入力部
22 コード画像変換部
23 送信部
24 コード画像認識部
25 受信確認通知制御部
26 表示・操作部
27 Eメール送信部
28 Webサービス部
29 送信者情報管理部
30 PC
34 ディスプレイ
50 メールサーバ
60 Webサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信確認通知を通知する通知先を示す複数の通知先情報を記憶した記憶手段と、
原稿画像をファクシミリ送信するときに、前記記憶手段に記憶された複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信する送信処理手段と、
原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときに、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信する通知処理手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項2】
原稿画像と共にファクシミリ受信した複数の通知先情報を表示手段に表示させる表示処理部と、
前記表示手段に表示された複数の通知先情報の中から1以上の通知先情報を選択するための選択手段と、
を更に含み、
前記通知処理手段は、前記選択手段で選択された通知先情報が示す通知先に受信確認通知を送信する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知処理手段は、ファクシミリ受信した複数の通知先情報が示す複数の通知先の中から、所定の条件を満たす通知先を選択し、該選択した通知先に対して受信確認通知を送信する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信処理手段は、ファクシミリ送信する原稿画像の所定領域、該原稿画像の余白領域、および該原稿画像に新たに追加したページのいずれかに対して前記複数の通知先情報を示す画像を配置してファクシミリ送信し、
前記通知処理手段は、ファクシミリ受信した前記複数の通知先情報を示す画像から複数の通知先情報を抽出し、該抽出した複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信する
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の通知先情報を示す画像をコード画像で表した
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の通知先情報の各々は、異なる種類の通知手段または同種の通知手段に対して与えられた異なる宛先番号またはアドレスである請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信処理手段は、第1の他の装置から複数の通知先情報と共にファクシミリ受信した原稿画像を第2の他の装置に対してファクシミリ転送する場合には、該ファクシミリ受信した複数の通知先情報および前記記憶手段に記憶された複数の通知先情報の少なくとも一方を、該転送する原稿画像と共にファクシミリ送信する
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2の他の装置から受信確認通知を受信したときに、該受信確認通知を前記第1の他の装置に対して転送する転送処理手段を更に含む
請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、更に、1以上の受信確認通知用メッセージを示すメッセージ情報を記憶し、
前記送信処理手段は、前記複数の通知先情報および前記1以上のメッセージ情報を前記原稿画像と共にファクシミリ送信し、
前記通知処理手段は、他の装置から原稿画像と共に複数の通知先情報および1以上のメッセージ情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して、該ファクシミリ受信した1以上のメッセージ情報の中の少なくとも1つのメッセージ情報が示すメッセージを受信確認通知として送信する
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項10】
原稿画像と共に複数の通知先情報および複数のメッセージ情報をファクシミリ受信したときに、該ファクシミリ受信した複数のメッセージ情報を表示手段に表示させるメッセージ表示処理部と、
前記表示手段に表示された複数のメッセージ情報の中から1以上のメッセージ情報を選択するためのメッセージ選択手段と、
を更に含み、
前記通知処理手段は、前記メッセージ選択手段で選択されたメッセージ情報が示すメッセージを受信確認通知として送信する
請求項9のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項11】
原稿画像をファクシミリ送信するときには、受信確認通知を通知する通知先を示す複数の通知先情報を記憶した記憶手段から複数の通知先情報を読み出し、該複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信し、
原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信する
受信確認通知方法。
【請求項12】
原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、原稿画像と共にファクシミリ受信した複数の通知先情報を表示手段に表示し、該表示手段に表示された複数の通知先情報の中から1以上の通知先情報を選択し、該選択された1以上の通知先情報が示す通知先に対して受信確認通知を送信する
請求項11記載の受信確認通知方法。
【請求項13】
コンピュータを、
原稿画像をファクシミリ送信するときには、受信確認通知を通知する通知先を示す複数の通知先情報を記憶した記憶手段から複数の通知先情報を読み出し、該複数の通知先情報を該原稿画像と共にファクシミリ送信する送信処理手段として機能させ、
原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、該複数の通知先情報が示す通知先の少なくとも1つに対して受信確認通知を送信する通知処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
前記通知処理手段は、原稿画像と共に複数の通知先情報をファクシミリ受信したときには、原稿画像と共にファクシミリ受信した複数の通知先情報を表示手段に表示し、該表示手段に表示された複数の通知先情報の中から選択された1以上の通知先情報が示す通知先に対して受信確認通知を送信する請求項13記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−143039(P2007−143039A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337312(P2005−337312)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】