説明

情報処理装置、広告放送依頼方法、プログラム

【課題】放送における広告情報による広告宣伝効果の向上を図ること。
【解決手段】視聴者のユーザ端末にネットワークを介して接続された情報処理装置であって、所定の放送を受信して視聴者に対して出力する放送受信装置に広告情報と共に出力されたアドレスデータに対するアクセスをユーザ端末から受け付けるアクセス受付手段と、ユーザ端末からのアクセス状況に基づいて広告情報の放送依頼情報を生成する放送依頼情報生成手段と、この生成した放送依頼情報を広告情報を出力する放送局のコンピュータに対して送信する放送依頼情報送信手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置にかかり、特に、放送局に対して広告情報の放送を依頼する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及により、インターネット上のウェブサイトからユーザ個人の携帯電話やパソコンにて、種々の商品・サービス情報を得ることが一般的に行われている。そして、最近では、雑誌などの紙媒体に印刷されたQRコード(2次元バーコード)を携帯電話に読み取らせて、かかるQRコードに含まれるURL(アドレス)にアクセスし、商品情報を入手する、といった利用も行われている。
【0003】
さらに、上記技術を応用して、下記の特許文献1には、TVのCM広告の影響力を生かして、TV画面にQRコードを表示し、CMの詳細情報を知りたい視聴者がQRコードを携帯電話で撮影して読み取り、かかるQRコードに基づいてウェブ上のサイトにアクセスして詳細情報を入手する、という方法が提案されている。
【0004】
一方、上述した従来技術は、視聴者に対してCMの詳細情報を提供し、当該視聴者の利便性の向上を図るための技術であるが、CM提供者や放送局側の利便性を考慮した技術が下記特許文献2に提案されている。具体的には、視聴者の放送受信端末で受信された番組に関連する番組受信情報及び視聴者情報から構成される視聴情報を収集して、かかる情報を広告主や放送局に提供し、今後のCM編成に活かす、ということが提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−333402号公報
【特許文献2】特開2002−344933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、収集した情報を活かす手段が開示されておらず、また、特許文献2の技術では、収集した情報を広告主や放送局に提供するだけであって、その後、どのように活用していくかは、広告主や放送局の判断にゆだねられるため、即時に視聴者の反応をCMに反映することができない。このため、視聴者に対する宣伝タイミングを逃しかねない、という問題が生じる。さらには、特許文献2の技術では、放送受信端末に、自動的に視聴情報が送信される機能が装備されていなければならず、設備コストが増大しうる。
【0007】
このため、本発明では、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、放送される広告情報による広告宣伝効果の向上を図ることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明の一形態である情報処理装置は、
視聴者のユーザ端末にネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
所定の放送を受信して視聴者に対して出力する放送受信装置に広告情報と共に出力されたアドレスデータに対するアクセスをユーザ端末から受け付けるアクセス受付手段と、ユーザ端末からのアクセス状況に基づいて広告情報の放送依頼情報を生成する放送依頼情報生成手段と、この生成した放送依頼情報を広告情報を出力する放送局のコンピュータに対して送信する放送依頼情報送信手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記発明によると、まず、情報処理装置は、テレビなどの視聴者からCMと共に出力されたアドレスデータに基づくユーザ端末からのアクセスを受け付けることにより、CMに対する視聴者の反響等の情報を得ることができる。そして、情報処理装置は、受け付けたアクセス情報に基づいて放送依頼情報を生成し、この依頼情報を放送局に対して送信する。従って、視聴者による反応に基づくCMの放送依頼を迅速に放送局に通知することができるため、放送局は現在の視聴者に応じたCMを放送することができ、広告宣伝効果の向上を図ることができる。
【0010】
そして、放送依頼情報生成手段は、広告情報毎のアクセス状況に基づいて放送依頼情報を生成する、ことを特徴としている。このとき、アクセス受付手段は、ユーザ端末から広告情報に対する所定の要求内容を表す要求情報を受け付け、放送依頼情報生成手段は、要求情報に基づいて放送依頼情報を生成する、ことを特徴としている。さらに、放送依頼情報生成手段は、要求情報毎に予め設定された重みを付加して広告情報毎の有効度情報を算出し、この有効度情報に基づいて放送依頼情報を生成する、ことを特徴としている。
【0011】
例えば、アクセス受付手段は、広告情報毎のアクセス数をカウントし、放送依頼情報生成手段は、広告情報毎のアクセス数に基づいて放送依頼情報を生成する、ことを特徴としている。さらには、アクセス受付手段は、広告情報毎に用意された複数のウェブページに対するアクセス要求を受け付け、各ウェブページ毎のアクセス数をカウントし、放送依頼情報生成手段は、広告情報毎の各ウェブページに対するアクセス数に基づいて放送依頼情報を生成する、ことを特徴としている。
【0012】
このように、視聴者からのアクセス状況に基づいてCMの放送依頼情報を生成するため、視聴者の反応に適切に対応したCMを放送することができる。特に、視聴者からのウェブサイトに対する閲覧要求(アクセス数)や商品購入要求などの種々の要求を考慮して放送依頼情報を生成することで、さらなる広告宣伝効果の向上を図ることができる。
【0013】
また、広告情報は、テレビCMであり、アドレスデータは、放送受信装置であるテレビにテレビCMと共に表示され、ユーザ端末にて撮影されることにより取り込み可能なQRコードなどの画像データである、ことを特徴としている。
【0014】
これにより、視聴者はユーザ端末にてテレビに表示されるQRコードなどの画像データを撮影することで、容易にアクセスできる。従って、情報処理装置側としては、より多くの視聴者からの反応を得ることができ、より適切な放送依頼情報を生成することができる。
【0015】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、視聴者のユーザ端末にネットワークを介して接続された情報処理装置に、所定の放送を受信して視聴者に対して出力する放送受信装置に広告情報と共に出力されたアドレスデータに対するアクセスをユーザ端末から受け付けるアクセス受付手段と、アクセス状況に基づいて広告情報の放送依頼情報を生成する放送依頼情報生成手段と、この生成した放送依頼情報を広告情報を出力する放送局のコンピュータに対して送信する放送依頼情報送信手段と、を実現させる、ことを特徴としている。
【0016】
また、本発明の他の形態である広告放送管理システムは、
上述した情報処理装置と、この情報処理装置にネットワークを介して接続された広告情報の放送状況を管理する放送局のコンピュータと、を備えた広告放送管理システムであって、
放送局のコンピュータは、情報処理装置から放送依頼情報を受け付けて、当該放送依頼情報に基づいて放送状況を管理する放送状況管理手段を備えた、
ことを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明の他の形態である広告放送依頼方法は、
視聴者のユーザ端末にネットワークを介して接続された情報処理装置により、広告情報を放送依頼する方法であって、
所定の放送を受信して視聴者に対して出力する放送受信装置に広告情報と共に出力されたアドレスデータに対するアクセスをユーザ端末から受け付けるアクセス受付工程と、アクセス状況に基づいて広告情報の放送依頼情報を生成する放送依頼情報生成工程と、この生成した放送依頼情報を広告情報を出力する放送局のコンピュータに対して送信する放送依頼情報送信工程と、
を有することを特徴としている。
【0018】
上述したプログラムやシステム、方法の発明によると、上記情報処理装置と同様の作用を有するため、上述した本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、視聴者から広告情報と共に出力されたアドレスデータに基づくアクセスを受け付けることにより、広告情報に対する反響等の情報を得ることができるため、これに基づく広告放送依頼を生成して、迅速に放送局に通知することができ、放送局は現在の視聴者に適切に対応した広告放送実現できる。その結果、広告宣伝効果の向上を図ることができる、という従来にない優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、視聴者によるテレビ放送などのCMに含まれるアドレスへのアクセスに応じて、CM放送を放送局に依頼する、という点に特徴を有する。以下、実施例では、テレビ放送におけるCMを対象に説明するが、ラジオ放送にも利用可能である。
【実施例1】
【0021】
本発明の第1の実施例を、図1乃至図12を参照して説明する。図1乃至図7は、本発明の構成を示す図であり、図8乃至図12は、本発明の動作を説明するための説明図である。
【0022】
[構成]
広告放送管理システムは、図1のブロック図を示すように、テレビCMの提供者が管理するCM提供者サーバ1(情報処理装置)と、テレビ放送局が管理するTV局サーバ2(放送局のコンピュータ)と、視聴者が管理する携帯電話4(ユーザ端末)と、を備え、ネットワークNを介して接続されている。また、TV局サーバ2は、アンテナ3を介してテレビ番組及びテレビCMを放送し、これを視聴者のテレビ5(放送受信装置)が受信する構成になっている。以下、各構成について詳述する。
【0023】
携帯電話4は、テレビ5の視聴者が操作する携帯電話であり、図2のブロック図に示すように、通話及びデータ通信機能を実現するための通信部41と、画像を撮影するカメラ42と、を備えている。また、演算装置には、所定のプログラムが組み込まれることで、ウェブ閲覧処理部43と、QRコード読取処理部44と、が構築されている。QRコード読取処理部44は、後述するようにテレビCMの画面に表示されたQRコードを撮影して、その内容を読み取る機能を有する。そして、QRコードには、表示されたテレビCMに関する詳細情報が公開されているウェブページへのURLデータ(アドレスデータ)が組み込まれており、かかるURLデータはウェブ閲覧処理部43に通知される。ウェブ閲覧処理部43は、上記QRコードに含まれているURLデータに基づいて、データ通信にてCM提供者サーバ1にアクセス要求を行い、CMの詳細情報が公開されているウェブページ(トップページ)にアクセスする。また、ウェブページの表示画面に従ってさらなる詳細情報が公開されているページ(子ページ)にアクセス要求し、かかるページを閲覧することも可能である。さらには、ウェブページ上からテレビCMにかかる商品あるいはその他の商品の購入要求を行ったり、パンフレット要求、所定の特典が受けられる所定の会への入会要求、などの種々の要求を行うことができる。
【0024】
次に、上記携帯電話4を操作する視聴者によって視聴されるテレビ5について説明する。テレビ5(放送受信装置)は、一般的なテレビであり、テレビ局によってアンテナ3を介して送信されるテレビ番組を受信して画面に表示する。このとき、テレビ番組にはCM提供者(スポンサー)から提供される広告情報であるテレビCMが含まれており、かかるテレビCMも画面に表示されることとなる。例えば、図8には、ある商品のテレビCM51の表示状態を示しているが、番組放送中に、同一商品の内容の異なるテレビCM52,53も放送される。そして、本実施例では、さらに、テレビCM51内に、上述したCMにかかる商品の詳細情報が公開されているウェブページ(トップページ)へのURL(アドレスデータ)が組み込まれたQRコード(2次元バーコード(画像データ))が表示される。
【0025】
次に、CM提供者サーバ1について詳述する。CM提供者サーバ1は、CPUといった演算装置(図示せず)と、ハードディスクなどの記憶装置(図示せず)と、を備えた一般的なサーバコンピュータである。そして、図3に示すように、演算装置には、所定のプログラムが組み込まれることにより、CM情報提供処理部11と、アクセス受付処理部12と、CM依頼情報処理部13と、CM依頼情報送信処理部14と、が構築されている。また、記憶装置には、CM詳細情報記憶部15と、アクセス情報記憶部16と、CM依頼情報記憶部17と、が形成されている。
【0026】
アクセス受付処理部12(アクセス受付手段)は、携帯電話4から上記QRコードに基づくアクセスを受け付け、テレビCM毎のアクセス状況を集計し、アクセス情報記憶部16に記憶する機能を有する。具体的には、CM情報提供処理部11と協働して、最初のアクセス要求受付時には、CM詳細情報記憶部15に記憶されたトップページを携帯電話4のウェブブラウザに表示するよう送信し、かかるトップページへのアクセス数をカウントする。そして、トップページからリンクされている子ページへのアクセス要求を携帯電話4から受け付けると、当該子ページを携帯電話4に送信し、かかる子ページに対するアクセス数をカウントする。さらには、ウェブページ上にてテレビCMにかかる商品やサービスあるいはその他の商品やサービスの購入が可能である場合であって、これらの購入要求を携帯電話4から受け付けて、購入手続き処理を行うと共に、商品毎の購入数をカウントする。同様に、パンフレット要求や、所定の特典が受けられる所定の会への入会要求などの種々の要求を携帯電話4から受け付けて、それぞれの要求受付数をカウントする。そして、上述したようにカウントされた値を、アクセス情報記憶部16に格納しておく。例えば、図5に示すように、CMの種類361ごとのアクセス数363を記憶する。このとき、CMの放送日時362や、備考364として上述したようにカウントされた購入数などが記憶される。
【0027】
CM依頼情報生成処理部13(放送依頼情報生成手段)は、上記アクセス情報記憶部16に格納したアクセス状況、つまり、各ウェブページへのアクセス数や購入数などに基づいて、テレビ局に放送してもらいたいCMを特定し当該テレビ局に通知するためのCM放送依頼情報を生成し、CM依頼情報記憶部17に記憶する。例えば、上述したようにトップページへのアクセス数、各子ページへのアクセス数、商品購入数、などの携帯電話4からの各要求数、さらには、CM提供者が予め調査などにより設定したマーケティング情報を表す値に、それぞれ予め設定された重みを付加して、これらの和を算出する。ここでは、この算出された値をCM有効度情報とする。
【0028】
具体的には、CM有効度=(各ページのアクセス数×各ページのアクセス数の重み)+(購入数×購入数の重み)+(他の要素×他の要素の重み)+(マーケティング情報×マーケティング情報の重み)によって算出される。そして、新たに算出されたCM有効度と、現在設定されているCM有効度とを比較して、算出されたCM有効度の値が大きい場合に、視聴者が閲覧しているCMが現在有効であると判断し、このCMを放送依頼CMとして決定し、CM放送依頼情報に設定する。例えば、図6に示すように、会社コード371とCMの種類373と言ったCMを特定する情報を含めたCM放送依頼情報を生成する。なお、この例では、現在よりも後の時刻であって、視聴者が視聴を続けているであろう近い日時(5分後や10分後など)を放送予定日時372として設定した情報も含めている。なお、上述したCM放送依頼情報の生成手法は一例であって、他の手法にて生成してもよい。
【0029】
CM依頼情報送信処理部14(放送依頼情報送信手段)は、上記のように生成されCM依頼情報記憶部17に記憶されたCM放送依頼情報を、TV局サーバ2に送信する機能を有する。
【0030】
なお、上述したCM放送依頼情報の生成や送信などの処理は、携帯電話4からのアクセスを受けてアクセス情報が更新される毎に実行され、あるいは、一定の時間が経過する毎に実行され、視聴者の反応に対応してほぼリアルタイムにTV局サーバ2に送信されるようになっている。
【0031】
次に、TV局サーバ2について説明する。TV局サーバ2は、テレビ局が管理するサーバコンピュータであって、テレビ番組やCMの放送制御を行うサーバコンピュータである。そして、そのCPUなどの演算装置には、所定のプログラムが組み込まれることで、CM放送処理部21と、放送テーブル管理処理部22と、が構築されており、CM提供者サーバ1から送信されたCM放送依頼情報を受け付けて、かかるCM放送送依頼情報に基づいて放送状況を管理する放送状況管理手段として機能する。また、ハードディスクなどの記憶装置には、CMデータ記憶部23と、放送テーブル記憶部24と、が形成されている。
【0032】
具体的に、放送テーブル管理処理部22は、CM提供者サーバ1から受信したCM放送依頼情報に基づいて、CMの放送予定を表す放送テーブル記憶部24に記憶された放送テーブルを更新する。この放送テーブルは、例えば、図7に示すように、放送予定日時451、会社コード452、CMの種類453などを有する。そして、この放送テーブルに従って、CM放送処理部21がCMを放送する。このとき、CMデータは、CMデータ記憶部23に記憶されている。
【0033】
但し、上記TV局サーバ2には、CM放送処理部21が備えられていなくてもよく、更新された放送テーブルに基づいて、人間がCM放送処理を実行してもよい。
【0034】
[動作]
次に、上述したシステムの動作を、図8乃至図9の説明図、図10のシーケンス図、図11乃至図12のフローチャートを参照して説明する。
【0035】
まず、TV局サーバ2からテレビCMが放送され(図9の(1)、図10のステップS1)、視聴者のテレビ5にて受信される。すると、テレビ5には、図8に示すように、テレビCM51と共に、QRコード55が表示される(図10のステップS2)。そして、視聴者は、テレビCM51にかかる商品に興味を持ち、その詳細情報が知りたい場合には、携帯電話4を操作してテレビ5に表示されたQRコード55を撮影し(図10のステップS3)、その内容を読み取る(図9の(2))。その後、QRコード55に含まれるURLに基づいて、CM提供者サーバ1が公開するウェブページにアクセスし(図10のステップS4)、携帯電話4でCMの詳細情報を閲覧する(図9の(3))。
【0036】
すると、CM提供者サーバ1は、アクセスしてきた視聴者の携帯電話4に対してCMの詳細情報を表示し、その際の視聴者のアクセス情報を格納する(図10のステップS5、アクセス受付工程)。このときの具体的な動作を、図11を参照して説明する。まず、携帯電話4からトップページへのアクセスを受け付けると(ステップS11)、かかるトップページへのアクセス数をカウントする(ステップS12)。続いて、トップページからリンクされている子ページへのアクセス要求を携帯電話4から受け付けると(ステップS13にてイエス)、当該子ページを携帯電話4に送信し、かかる子ページに対するアクセス数をカウントする(ステップS14)。さらに、ウェブページ上にてテレビCMにかかる商品やサービスあるいはその他の商品やサービスの購入要求を携帯電話4から受け付けると(ステップS15にてイエス)、購入手続き処理を行うと共に、商品毎の購入数をカウントする(ステップS16)。同様に、パンフレット要求や、所定の特典が受けられる所定の会への入会要求などの種々の要求を携帯電話4から受け付けると(ステップS17にてイエス)、それぞれの要求数をカウントする(ステップS18)。そして、上述したようにカウントされた値を、アクセス情報記憶部16に格納しておく。
【0037】
そして、上述した動作は、テレビCM51の他の視聴者からのアクセスに対しても実行される。すると、図5に示すように、テレビCM51のアクセス情報は更新される。
【0038】
さらに、上述した動作は、TV局サーバ2が、同じ商品で別のテレビCM52、53を放送したときにも実行される。つまり、異なるテレビCM毎に、視聴者の反応であるアクセス数などのアクセス情報が集計される。これにより、それぞれのテレビCMに対する視聴者の反応が得られる。
【0039】
その後、CM提供者サーバ1では、CM毎にCM有効度を算出し、これに基づいてCM放送依頼情報を生成する(図10のステップ6、放送依頼情報生成工程)。具体的な動作を、図12を参照して説明する。まず、上述したように集計されたアクセス情報が全て読み取られる(ステップS21,S22,S23)。そして、これらの値に対してそれぞれに予め設定された重みが付加されて、その和がCM有効度して算出される(ステップS24)。その後、新たに算出されたCM有効度と、基準値となる現在の有効度と、を比較して(ステップS25)、基準値以上となったテレビCMを、ある時間帯における適切なテレビCMとして決定し(ステップS26)、CM放送依頼情報を作成する(ステップS27)。例えば、テレビCM51,52,53についてCM有効度が算出され、テレビCM51のみが基準値を上回った場合には、当該テレビCM51の放送を依頼するCM放送依頼情報が生成される。
【0040】
その後、図7に示すような作成されたCM放送依頼情報は、テレビ局のTV局サーバ2に送信される(図9の(4)、図10のステップ7、放送依頼情報送信工程)。
【0041】
すると、TV局サーバ2は、受け付けたCM放送依頼情報に従って、放送テーブルを更新する(図10のステップS8)。そして、この更新された放送テーブルに従って、放送するCMを決定し、テレビCMを放送する(図9の(5))。
【0042】
これにより、視聴者の反響が大きいテレビCMの放送依頼が、迅速に、例えば、ほぼリアルタイムに、TV局に通知されることとなり、かかるテレビCMを頻繁に放送させることも可能となる。従って、テレビ局は現在の視聴者に適切に対応したCMを放送することができ、広告宣伝効果の向上を図ることができる。
【0043】
ここで、上記では、テレビCMに対する視聴者の反応を、QRコードに基づくウェブサイトへのアクセスによって収集したが、QRコードを用いてウェブサイトにアクセスさせることに限定されない。つまり、CM画面に必ずしもQRコードを表示させる必要は無く、URL自体を表示させてもよい。また、放送がラジオである場合には、URLなどのアドレスデータを音声にて視聴者に伝えてもよい。
【実施例2】
【0044】
次に、本発明の第2の実施例を、図13乃至図14を参照して説明する。本実施例では、上述した視聴者の反響を、CM中のアンケートにより収集する、という構成となっている。具体的には、最初に放送されるCM6がある場合に、図14に示すように、テレビCM6上に2つのQRコード71,72を表示する。なお、2つのQRコード71,72は、それぞれがCM61、CM62のいずれかに対応しており、その判断材料は例えばCM6中に表示される。そして、一方のQRコードが視聴者の携帯電話4にて撮影されて、CM提供者サーバ1にアクセス要求がなされると、そのアクセス要求されたCMのアクセス数がカウントされる。そして、アクセス数の集計の結果、例えば、CM61に対するアクセス数が多ければ、かかるCM61の放送依頼情報を生成し、TV局サーバ2に送信する。これにより、数分後には、CM61が放送される。
【0045】
その後、放送されるCMには、さらに、2つの異なるCMに対応する2つのQRコードが表示され、視聴者のアクセス要求を受け付ける。その結果に応じて、例えば、図13に示すように、CM612、CM613のどちらが放送されることとなる。
【0046】
このようにすることで、テレビCMのように非常に短い時間の放送であっても、視聴者へのアンケートによって分岐、結末が決まる形式のCM放送が可能となり、広告宣伝効果の向上を図ることができると共に、視聴者がCMを楽しむことも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、テレビなどのCMを提供するCM提供者が、視聴者の反応を調べるために利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】広告放送管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】携帯電話の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】CM提供者サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】TV局サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図5】CM提供サーバに記憶されるアクセス情報の一例を示す図である。
【図6】CM提供サーバにて生成されるCM依頼情報の一例を示す図である。
【図7】TV局サーバに記憶される放送テーブルの一例を示す図である。
【図8】テレビにCMが表示されたときの様子を示す説明図である。
【図9】システム全体の動作を示す説明図である。
【図10】システム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図11】CM提供サーバの動作の一部を示すフローチャートである。
【図12】CM提供サーバの動作の一部を示すフローチャートである。
【図13】実施例2におけるCMの放送遷移状態を示す説明図である。
【図14】実施例2におけるテレビにCMが表示されたときの様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 CM提供者サーバ
2 TV局サーバ
3 アンテナ
4 携帯電話
5 テレビ
11 CM情報提供処理部
12 アクセス受付処理部
13 CM依頼情報生成処理部
14 CM依頼情報送信処理部
15 CM詳細情報記憶部
16 アクセス情報記憶部
17 CM依頼情報記憶部
21 CM放送処理部
22 放送テーブル管理処理部
23 CMデータ記憶部
24 放送テーブル記憶部
41 通信部
42 カメラ
43 ウェブ閲覧処理部
44 QRコード読取処理部
51,52,53 テレビCM
55 QRコード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者のユーザ端末にネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
所定の放送を受信して前記視聴者に対して出力する放送受信装置に広告情報と共に出力されたアドレスデータに対するアクセスを前記ユーザ端末から受け付けるアクセス受付手段と、前記ユーザ端末からのアクセス状況に基づいて前記広告情報の放送依頼情報を生成する放送依頼情報生成手段と、この生成した放送依頼情報を前記広告情報を出力する放送局のコンピュータに対して送信する放送依頼情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記放送依頼情報生成手段は、前記広告情報毎のアクセス状況に基づいて前記放送依頼情報を生成する、ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記アクセス受付手段は、前記ユーザ端末から前記広告情報に対する所定の要求内容を表す要求情報を受け付け、
前記放送依頼情報生成手段は、前記要求情報に基づいて前記放送依頼情報を生成する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記放送依頼情報生成手段は、前記要求情報毎に予め設定された重みを付加して前記広告情報毎の有効度情報を算出し、この有効度情報に基づいて前記放送依頼情報を生成する、ことを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アクセス受付手段は、前記広告情報毎のアクセス数をカウントし、
前記放送依頼情報生成手段は、前記広告情報毎のアクセス数に基づいて前記放送依頼情報を生成する、
ことを特徴とする請求項3又は4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記アクセス受付手段は、前記広告情報毎に用意された複数のウェブページに対するアクセス要求を受け付け、各ウェブページ毎のアクセス数をカウントし、
前記放送依頼情報生成手段は、前記広告情報毎の各ウェブページに対するアクセス数に基づいて前記放送依頼情報を生成する、
ことを特徴とする請求項3,4又は5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記広告情報は、テレビCMであり、
前記アドレスデータは、前記放送受信装置であるテレビに前記テレビCMと共に表示され、前記ユーザ端末にて撮影されることにより取り込み可能な画像データである、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記アドレスデータである画像データは、QRコードである、ことを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
視聴者のユーザ端末にネットワークを介して接続された情報処理装置に、
所定の放送を受信して前記視聴者に対して出力する放送受信装置に広告情報と共に出力されたアドレスデータに対するアクセスを前記ユーザ端末から受け付けるアクセス受付手段と、アクセス状況に基づいて前記広告情報の放送依頼情報を生成する放送依頼情報生成手段と、この生成した放送依頼情報を前記広告情報を出力する放送局のコンピュータに対して送信する放送依頼情報送信手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1乃至8記載の情報処理装置と、この情報処理装置にネットワークを介して接続された前記広告情報の放送状況を管理する放送局のコンピュータと、を備えた広告放送管理システムであって、
前記放送局のコンピュータは、前記情報処理装置から前記放送依頼情報を受け付けて、当該放送依頼情報に基づいて放送状況を管理する放送状況管理手段を備えた、
ことを特徴とする広告放送管理システム。
【請求項11】
請求項1乃至8記載の情報処理装置にネットワークを介して接続された前記広告情報の放送状況を管理する放送局のコンピュータであって、
前記情報処理装置から前記放送依頼情報を受け付けて、当該放送依頼情報に基づいて放送状況を管理する放送状況管理手段を備えた、
ことを特徴とする放送局のコンピュータ。
【請求項12】
視聴者のユーザ端末にネットワークを介して接続された情報処理装置により、広告情報を放送依頼する方法であって、
所定の放送を受信して前記視聴者に対して出力する放送受信装置に広告情報と共に出力されたアドレスデータに対するアクセスを前記ユーザ端末から受け付けるアクセス受付工程と、アクセス状況に基づいて前記広告情報の放送依頼情報を生成する放送依頼情報生成工程と、この生成した放送依頼情報を前記広告情報を出力する放送局のコンピュータに対して送信する放送依頼情報送信工程と、
を有することを特徴とする広告放送依頼方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−266831(P2007−266831A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87241(P2006−87241)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】