説明

情報処理装置、情報処理システム及びプログラム

【課題】識別マーカーを認識して、これに基づいて所定の処理を実行させることで、システムに関係するハードウェアの構成を大幅に削減する。
【解決手段】現実空間に配置された所定のバーコード702を検出する識別マーカー検出部122と、識別マーカーとの間の位置関係を取得する位置取得部124と、バーコード702に対して所定値以下に近づいた場合に所定の処理を実行する処理実行部126と、起動直後にバーコード702に対して所定値以下に近づいていた場合は、所定の処理の実行を回避する処理実行回避部128と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、実空間と仮想空間を融合した視覚効果を表現する手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−322602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術は、撮像した画像の中から2次元バーコードを検知して、これに対応する3次元画像を撮像したオブジェクトの画像に重畳して表示しており、実空間と仮想空間を融合した視覚効果を表現できる。しかしながら、視覚効果から更に進んで、2次元バーコードなどの識別マーカーを利用して何らかの処理を行うことを想定したものではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、識別マーカーを認識して、これに基づいて所定の処理を実行させることで、システムに関係するハードウェアの構成を大幅に削減することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定の識別マーカーを検出する識別マーカー検出部と、前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得する位置取得部と、前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合に所定の処理を実行する処理実行部と、前記所定の処理に係るアプリケーションの起動直後に前記識別マーカーに対して前記所定値以下に近づいていた場合は、前記所定の処理の実行を回避する処理実行回避部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
また、自装置の位置情報を取得する自装置位置情報取得部を更に備え、前記処理実行部は、前記識別マーカーに含まれる位置情報と、前記自装置位置情報取得部が取得した位置情報とに基づいて、前記所定の処理を実行するか否かを判定するものであってもよい。
【0008】
また、前記処理実行部は、前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合、又は前記識別マーカーに対して別のマーカーが所定値以下に近づいた場合に前記所定の処理を実行するものであってもよい。
【0009】
また、前記位置取得部は、前記識別マーカーに対する自装置の相対的な方向を取得する機能を含み、前記処理実行部は、前記識別マーカーに対する自装置の相対的な方向が、前記識別マーカーに対して自装置が正対している状態を基準として所定の角度範囲以下の場合に前記所定の処理を実行するものであってもよい。
【0010】
また、映像を取得するカメラ部を備え、前記識別マーカー検出部は、前記カメラ部にて取得された映像から前記識別マーカーを検出し、前記位置取得部は、前記カメラ部にて取得された前記識別マーカーの映像に基づいて、前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得するものであってもよい。
【0011】
また、前記識別マーカーは2次元バーコードであってもよい。
【0012】
また、前記カメラ部が取得した前記識別マーカーを仮想オブジェクトとして前記映像に合成する仮想オブジェクト合成部と、前記カメラ部が取得した前記映像に前記仮想オブジェクトが合成された映像を表示する表示部と、を更に備えるものであってもよい。
【0013】
また、前記識別マーカー検出部は、文字認識、近距離無線通信、又は光通信により前記識別マーカーを検出するものであってもよい。
【0014】
また、前記所定の処理は、前記識別マーカーが付された物に係る決済処理、または前記識別マーカーが置かれた店舗に係る決済処理であってもよい。
【0015】
また、前記決済処理が行われた場合に、映像又は音声を発する決済処理周知部を備えるものであってもよい。
【0016】
また、前記決済処理に係るバリューを格納したICチップを更に備えるものであってもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定の識別マーカーを検出する識別マーカー検出部と、前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得する位置取得部と、前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合に、自装置の識別情報と前記識別マーカーの情報を送信して決済処理を要求する処理要求部と、前記決済処理に係るアプリケーションの起動直後に前記識別マーカーに対して前記所定値以下に近づいていた場合は、前記決済処理の実行を回避する処理実行回避部と、を有する情報処理装置と、前記情報処理装置から前記決済処理の要求を受けて、前記決済が行われる店舗によって前記識別マーカーが登録されている場合に決済処理を実行する決済サーバと、を備える情報処理システムが提供される。
【0018】
また、前記決済処理が実行された場合に、前記決済サーバから前記情報処理装置の識別情報と、前記識別マーカーに含まれる決済に係る商品の識別情報を受信する店側端末と、
前記店舗に設置され、通過しようとする前記商品及び前記情報処理装置の識別情報を取得して前記店側端末に送信し、前記店側端末から当該商品が決済みである通知を受けた場合にのみ開かれるゲートと、を更に備えるものであってもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定の識別マーカーを検出するステップと、前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得するステップと、前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合に所定の処理を実行するステップと、前記所定の処理に係るアプリケーションの起動直後に前記識別マーカーに対して前記所定値以下に近づいていた場合は、前記所定の処理の実行を回避するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、識別マーカーを認識して、これに基づいて所定の処理を実行させることで、システムに関係するハードウェアの構成を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ICチップを搭載した携帯電話などの情報処理装置(クライアント端末)を用いて電子決済を行う様子を示す模式図である。
【図2】ユーザが情報処理装置からクレジットカード番号、暗証番号等を入力して、ネットワークを介して接続された決済サーバにアクセスして決済処理を行う手法を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態による決済方式のシステム構成例を示す模式図である。
【図4】情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る決済方式で使用するバーコードの構成イメージを示す模式図である。
【図6】本実施形態のシステムの処理シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図7】情報処理装置における処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
【図8】カメラ部で撮影した映像に仮想リーダ/ライタのCGを合成して表示部に表示した状態を示す模式図である。
【図9】ユーザの手に「決済実行」を表すバーコードを貼り付け、仮想リーダライタを示すバーコードとともに表示部112に表示された状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.前提となる技術
2.本実施形態による決済方式のシステム構成例
3.情報処理装置の構成例
4.バーコード情報の構成イメージ
5.本実施形態のシステムの処理シーケンス
6.情報処理装置における処理
7.情報処理装置をバーコードに近づける以外の決済方法
【0024】
[1.前提となる技術]
図1は、携帯電話などの情報処理装置(クライアント端末)100を用いて電子決済を行う様子を示す模式図である。図1の構成では、情報処理装置100はICチップ102などのチップを内蔵している。また、実際の店舗(実店舗)には、ICチップ102を読み書きできるリーダ/ライタ装置200が設置されている。リーダ/ライタ装置200は、決済サーバ300とインターネットなどのネットワーク400を介して接続されている。ユーザが情報処理装置100をリーダ/ライタ装置200に接触させる、または近づける等の動作をさせると、これを契機としてICチップ102とリーダ/ライタ装置200の間で通信が行われ、決済処理が行われる。リーダ/ライタ装置200は、例えば1日毎に決済データを決済サーバ300へ送る。これにより、実店舗は、決済サーバ300の運用者から収益を受け取る。
【0025】
しかしながら、図1に示す方法では、リーダ/ライタ装置200を店舗側で準備し、電子決済結果を管理する決済サーバ300とネットワーク400を介して接続する必要があった。このため、この方法では、実店舗側にリーダ/ライタ装置200の準備(設置)コストが発生する欠点がある。また、リーダ/ライタ装置200の設置に多大なコストが発生するため、繁忙期などに応じてリーダ/ライタ装置200の数を増減させるなどの柔軟な対応は困難である。また、リーダ/ライタ装置200とネットワーク400との接続が必要なことから、リーダ/ライタ装置200の設置場所を移動させたりすることなども困難が伴うものであった。
【0026】
一方で、図2に示すように、ユーザが情報処理装置100からクレジットカード番号、暗証番号等を入力して、ネットワーク400を介して接続された決済サーバ300にアクセスして決済処理を行う手法がある。クレジット会社などの決済サーバ300は、情報処理装置100からアクセスを受けると決済処理を行い、実店舗(または仮想店舗)の店側端末500との間で決済を行い、店舗は決済サーバ300の運用者から収益を得る。このような通信網を用いた電子決済は、リーダ/ライタ装置200の設置等の準備は必要ないものの、支払いを行いたい店舗や金額をユーザが情報処理装置200から入力もしくは確認し、また誤決済を防止するためパスワード入力を必要とする。従って、ユーザにとって煩雑な作業が必要である。
【0027】
一方、現実空間の映像に対して、コンピュータグラフィックス(CG)による絵や、セリフの吹き出しなどの仮想オブジェクトを重ねるAR(拡張現実)と呼ばれる技術がある。以上のような各方式の欠点に鑑みて、情報処理装置100が自身の位置情報を認識し、位置情報に基づいて商品の代金を支払いたい店舗を判断し、更にARを用いた仮想のリーダ/ライタ装置を意味する特定情報を認識することを契機として、通信網を用いて電子決済を行うことが考えられる。具体的には、情報処理装置100がGPSなどの位置検出機能を備えており、店舗内の特定の位置に仮想的なリーダ/ライタ装置が設置されているものとして、情報処理装置100に仮想的なリーダ/ライタ装置の位置を取得させる設定を行う。ユーザが情報処理装置100を仮想的なリーダ/ライタ装置が設置されている特定の位置に持っていくと、情報処理装置100がGPSにより仮想的なリーダ/ライタ装置が設置されている特定の位置に位置していることを認識し、自動的に決済を行う。そして、ICチップ102から決済額に応じたバリューを差し引く。この方法によれば、実際にリーダ/ライタ装置200を設置することなく、図1で説明したICチップ102を使用した場合と同等の使い勝手をユーザに対して提供できる。しかしながら、情報処理装置200の位置のみを契機として決済を行うと、偶然に情報処理装置200が決済可能な特定位置に置かれた際などにおいて、ユーザが意図しない決済が生じる可能性がある。
【0028】
以上の点に鑑みて、本実施形態では、仮想的なリーダライタ装置の位置を2次元バーコードによって設定し、情報処理装置100は、仮想的なリーダライタを認識し、GPSなどの位置検出により2次元バーコードの位置が適正であることを確認してから決済を行う。また、本実施形態では、ユーザが意図しない決済を防止するため、情報処理装置100が仮想的なリーダ/ライタ装置が設置されている特定位置に近づいた際に、この特定位置に近づいたことを映像や音声でユーザに周知する。また、決済にかかるアプリケーションの起動直後、または情報処理装置100の起動直後に、偶然に情報処理装置100が仮想的なリーダ/ライタ装置200が設置されている特定位置に存在していた場合は、決済を行わないことで誤決済を防止する。更には、情報処理装置100の起動直後において、急速に情報処理装置100が特定位置に近づき、ユーザがそれを認識することができない際にも、決済を行わないことで誤決済を防止する。なお、「起動直後」とは、上述した決済にかかるアプリケーションの起動直後、または情報処理装置100の起動直後に限られるものではない。例えば、識別マーカーや位置情報を契機に決済処理を行うモードに設定するスイッチが情報処理装置100に別途備えられる場合に、起動直後はそのスイッチがオフ(OFF)になっており、スイッチをオン(ON)にした直後も「起動直後」に含まれる。更には、後述するカメラ部110、GPS受信部104、または近接通信部108などの構成要素が、当初何らかの理由で動作せず、その後に動作可能となった直後も「起動直後」に含まれる。
【0029】
なお、この方式は決済に限られるものではなく、決済以外の用途であっても、情報処理装置200を仮想の装置が設置されている特定の位置に持っていったときに、何らかの処理を開始するシステムに適用できる。そして、決済以外の用途においても、ユーザが意図することなく決済処理が行われてしまうことを防止することができる。
【0030】
[2.本実施形態による決済方式のシステム構成例]
以下、本実施形態における、決済システムを詳細に説明する。以下に説明するシステムは、店舗での商品の無断持ち出し(万引き)防止をも考慮したものである。図3は、本実施形態による決済方式のシステム構成例を示す模式図である。情報処理装置100は、外部のリーダ/ライタ装置と無線通信を行って決済を行えるICチップ102を備える。ここで、リーダ/ライタ装置は、現実のリーダ/ライタ装置200と、表示画面にコンピュータグラフィックス(CG)等によって表示される仮想的なリーダ/ライタ装置210とを含む。仮想的なリーダ/ライタ装置210は、情報処理装置100が商品に貼り付けられたバーコード702を検出することによって認識される。
【0031】
[3.情報処理装置の構成例]
図4は、情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、情報処理装置100は、GPS受信部104、移動体通信部106、ICチップ102、近接通信部108、カメラ部110、表示部112、入力部114、メモリ116、I/Oコントローラ118、CPU120、不揮発メモリ140を備える。
【0032】
情報処理装置100は、上記の構成により、GPSや無線LANアクセスポイントなど位置情報配信装置から発信される電波に基づいて、自己の位置を認識できる機能を備える。また、情報処理装置100は、カメラ部110でバーコード702を撮影して、その内容を認識できるカメラ機能及び画像処理機能、カメラ部110で撮影した映像、およびバーコード702を認識した場合にその上に仮想リーダ/ライタ装置のCGを描画して表示部112に表示できる表示機能、また情報処理装置100の固有の識別情報を保持し識別情報を無線等で外部に送信できる送信機能を有する。なお、I/Oコントローラ118はCPU120とGPS受信部104などのブロックとの間に介在するコントローラであり、移動体通信部106は、いわゆる携帯電話の機能部である。
【0033】
情報処理装置100のCPU120は、図4に示す各構成要素を制御する機能を有する。図4に示す各構成要素によって取得された情報は、CPU120に送られ、CPU120はこれらの情報に基づいて各構成要素を制御する。具体的には、CPU120はカメラ部110で撮像された画像に基づいて、商品700に貼り付けられたバーコード702(識別マーカー)を検出する識別マーカー検出部122を備える。また、CPU120は、検出したバーコード702との位置関係を取得する位置取得部124、バーコード702に対する位置、向きが所定の条件を満たした場合に決済処理を実行する処理実行部126を備える。また、CPU120は、起動直後にバーコード702に対する位置、向きが所定の条件を満たしている場合は決済処理を回避する処理実行回避部128、検出したバーコード702に仮想オブジェクト(仮想リーダライタ210)のCGを合成して撮影した映像とともに表示部112に表示させる仮想オブジェクト合成部130を備える。ここで、仮想オブジェクトは、メモリ116または不揮発性メモリ140に保持される。また、情報処理装置100の識別情報は、不揮発性メモリ140に保持されている。なお、図4に示す各機能ブロックは、ハードウェア(回路)、またはCPU120とこれを機能させるためのソフトウェア(プログラム)によって構成されることができる。この場合に、プログラムは、メモリ116、不揮発性メモリ140、または外部の記録媒体等に格納されることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、バーコード702に対する位置、向きが所定の条件を満たした場合に実行される処理として決済処理を例に挙げるが、実行される処理はこれに限定されるものではなく、情報処理装置100を用いて行う各種処理に適用することができる。また、識別マーカーとしてバーコード702を例示するが、文字認識、近距離無線通信、光通信等により商品などに付された識別マーカーに対する位置を検出しても良い。文字認識を行う場合、カメラ部110で取得された文字の映像に基づいて文字認識を行う。また、近距離無線通信、光通信を行う場合、情報処理装置100の近接通信部108により識別マーカーとの位置を検出する。
【0035】
図3に示すように、情報処理装置100、決済サーバ300、及び店側端末500は、通信ネットワーク400を介して互いに接続されている。また、店側端末500は更に店舗の商品持ち出し(万引き)防止ゲート600と接続されている。なお持ち出し防止ゲート600は、例えば鉄道の駅に設置された自動改札等と同様に、近距離無線などを通じて情報処理装置100からその識別情報を取得できる機能を有する。なお、ICチップ102と決済サーバ300は互いに暗号化の鍵を共有しており、その他の第三者に知られることなく決済情報をやり取りできる機能を有する。
【0036】
また店舗の商品700には、情報処理装置100によって認識されるバーコード702と、持ち出し防止ゲート600によって認識される商品持ち出し防止タグ704とが貼り付けられている。持ち出し防止タグ704は、持ち出し防止ゲート600の開閉を行うために持ち出し防止ゲート600によって認識される。持ち出し防止タグ704には、商品IDの情報が含まれている。
【0037】
[4.バーコード情報の構成イメージ]
図5は、本実施形態に係る決済方式で使用する2次元バーコード702の構成イメージを示す模式図である。バーコード702は、仮想リーダ/ライタ(R/W)宣言情報、店舗位置情報、商品ID、商品の価格情報を含む。商品IDおよび価格の情報は、同じ店舗内であってもバーコード702が貼り付けられる商品毎に異なる。
【0038】
仮想リーダ/ライタ(R/W)宣言情報は、バーコード702が仮想リーダ/ライタとして機能することを宣言する情報である。情報処理装置100のカメラ部110によりバーコード702が撮影されると、情報処理装置100は仮想リーダ/ライタ(R/W)宣言情報を読取り、表示部112に表示されたバーコード702に仮想リーダ/ライタのCGを重ねて映像とともに表示する。
【0039】
店舗位置情報は、バーコード702が付された商品が置かれている店舗の位置情報である。情報処理装置100のカメラ部110によりバーコード702が撮影されると、情報処理装置100は店舗位置情報を読取り、GPSから得られる位置情報とバーコード702の店舗位置情報を比較する。これにより、GPSから得られる位置情報とバーコード702の店舗位置情報が大きく相違している場合は、情報処理装置100側でバーコード702が真正なものでないと判断することができ、仮想リーダ/ライタ210による決済を停止させることができる。
【0040】
商品IDの情報は、バーコード702が付された商品を特定するためのID(識別情報)である。また、価格の情報は、バーコード702が付された商品の価格を示す情報である。情報処理装置100は、これらの情報に基づいて、商品の種類、名称、価格などの情報を取得することができる。
【0041】
[5.本実施形態のシステムの処理シーケンス]
次に、図6に基づいて、本実施形態のシステムの処理シーケンスを説明する。先ず、実店舗において、本システムを利用するための準備を行う。実店舗では、店側端末500を利用して、商品に貼り付ける仮想リーダ/ライタ(RW)機能を持つバーコード702を作成し、その情報を決済サーバ300に登録し(ステップS100)、バーコード702を商品700に貼り付ける。また、バーコード702は、商品のみならず、店舗内の任意の場所に設置することができ、また、サービスに関係するあらゆる物などに広く貼り付けることができる。
【0042】
ユーザが、情報処理装置100を決済したい商品700のバーコード702に近づけると、情報処理装置100のカメラ部110がバーコード702を撮影し、CPU120の識別マーカー検出部122にてバーコード702の各種情報が取得される。情報処理装置100は、自身の識別情報とバーコード702の情報を決済サーバ300に送信し、決済を要求する(ステップS102)。なお、情報処理装置100が決済を要求する際の処理については、後述する。
【0043】
決済サーバ300は、送信されてきたバーコード情報が店舗によって登録されたバーコード情報と合致することを確認後、バーコード情報に記載された価格で、ICチップ102と暗号化通信を行うことで決済処理を実施する(ステップS104)。これにより、バーコード702に含まれる位置情報が、ステップS100で登録された位置情報と合致しない場合は、決済処理は行われない。従って、バーコード702が正しい店舗位置に置かれたものでない場合は、真正でないバーコード702によって決済処理が行われることを抑止できる。そして、決済サーバ300は、決済完了を情報処理装置100に通知する(ステップS106)。
【0044】
また決済サーバ300は、決済を行った情報処理装置100の識別情報と商品IDを店側端末500に送信し、決済が行われたことを通知する(ステップS108)。
【0045】
次に、商品持ち出し防止ゲート600の動作について説明する。ユーザは、決済が完了すると、店舗の外に出るため、商品700を持って持ち出し防止ゲート600を通過しようとする。この際、情報処理装置100が自動で情報処理装置100の識別情報を持ち出し防止ゲート600に対して送信する(ステップS110)。情報処理装置100の識別情報は、ユーザが操作して持ち出し防止ゲート600に送信しても良い。
【0046】
持ち出し防止ゲート600は、商品700に貼り付けられた持ち出し防止タグ704から、持ち出し防止ゲート600を通過しようとしている商品IDを認識する(ステップS111)。そして、持ち出し防止ゲート600は、受信した情報処理装置100の識別情報と合わせて、持ち出し防止ゲート600を通過しようとしている情報処理装置100が商品IDで認識される商品を決済みであるか否かを店側端末500に確認する(ステップS112)
【0047】
店側端末500は、ステップS108において決済サーバ300から通知された情報処理装置100の識別情報と商品IDの情報を基に、持ち出し防止ゲート600に対し「決済済み」であることを通知する(ステップS114)。「決済済み」であることを通知された持ち出し防止ゲート600は、ゲートをオープンさせ、ユーザの通過を許容する(ステップS116)。
【0048】
商品が未決済であった場合、店側端末500においては、通過しようとしている情報処理装置100の識別情報と商品IDの組合せが決済記録に存在しないことになる。このため、店側端末500は、ステップS114において商品が「未決済」であることを通知する。この場合、持ち出し防止ゲート600は開かれず、ユーザは店舗の外に出ることができない。従って、未決済の商品が店舗外に持ち出されてしまうことを抑止できる。
【0049】
[6.情報処理装置における処理]
次に、図7に基づいて、情報処理装置100における処理の詳細について説明する。情報処理装置100は、内部的に「状態フラグ」を持ち、起動直後には、状態フラグが「RWなし」に設定される(ステップS200)。また、情報処理装置100は、GPS受信部104により位置情報を取得し、位置情報を更新する(ステップS202)。次に、識別マーカー検出部122にて、カメラ部110で撮影した映像内にバーコード702があるか否かを判定し(ステップS204)、映像内にバーコード702を認識すると、バーコード702の内容を解析する(ステップS206,S208)。
【0050】
ステップS206では、バーコード702に仮想RW宣言情報があるか否かを判定し、バーコード702に仮想RW宣言情報が含まれる場合、GPS受信部104にて受信した情報処理装置100の位置情報とバーコード702から取得した店舗位置情報とが一致するかどうかを判定する(ステップS208)。情報処理装置100の位置情報と店舗位置情報が一致する場合、バーコード702は、それを作成した店舗に正しく置かれたものである。このため、情報処理装置100は、カメラ部110で撮影した映像に仮想リーダ/ライタ210のCGを合成して画面に表示する(ステップS210)。なお、ステップS208の判定では、情報処理装置100の位置情報とバーコード702から取得した店舗位置情報とが一致しなかった場合であっても、情報処理装置100の位置情報とバーコード702から取得した店舗位置情報とのその差が所定の閾値内であれば、一致した場合と同様の処理(ステップS210)に進むようにしても良い。この閾値の設定に関しては、店舗によって異なる場合があるため、バーコード702の中にこの閾値の情報を含ませても良い。
【0051】
一方、ステップS204で映像内にバーコード702がない場合、ステップS206でバーコード702に仮想RW宣言情報がない場合、またはステップS208でGPS情報と店舗位置情報が一致しない場合は、ステップS222へ進む。ステップS222では、カメラ部110で撮影した映像をそのまま表示部112に表示する。従って、この場合は、仮想リーダ/ライタ210のCGは表示されない。
【0052】
図8は、カメラ部110で撮影した映像に仮想リーダ/ライタ210のCGを合成して表示部112に表示した状態を示す模式図である。一例として、図8に示すように、仮想リーダ/ライタ210は、商品700に貼り付けられたバーコード702の上に重ねられた状態で表示される。また、図8は、商品700(バーコード702)に情報処理装置100を近づけていった場合に、仮想リーダ/ライタ210とその背後のバーコード702が次第に大きくなる様子を模式的に示している。
【0053】
ステップS210の後、予め定められたしきい値を用いて、仮想リーダ/ライタ210と情報処理装置100との距離が非常に近くなったか否か、及び、情報処理装置100から見える仮想リーダ/ライタ210の向きが正面か否かを判定する(ステップS212)。判定は、CPU120の位置取得部124にて行うことができる。仮想リーダライタ210と情報処理装置100の距離が近くなったか否かを判定するためのしきい値としては、通常の非接触ICカード(FeliCa(登録商標))の仕様として一般的な10cmを1つの基準とする。また、向きのしきい値としては、仮想リーダ/ライタ210の真正面に情報処理装置100のカメラ部110のレンズが対向している場合を0度とした場合に、角度の許容誤差として0±15°程度の値とする。ここでFeliCa(登録商標)の仕様においては、情報処理装置100と現実のリーダ/ライタ装置200との通信特性に応じて、通信可能距離(固体の通信特性にも拠るが概ね10cm以内)まで両者が近づくと通信が開始されて決済が行われる。このため、仮想リーダ/ライタ210で決済を行う場合においても、決済が開始される情報処理装置100と仮想リーダ/ライタ210の距離を、FeliCa(登録商標)の仕様に合わせることで、ユーザは、現実のリーダライタ装置200で決済を行うときと同じ感覚で決済を行うことができる。
【0054】
なお、一般的に2次元バーコードは正方形であり、認識のためのマーカーを4隅に備えるなどの特徴を持つ。ステップS212における距離の検出は、バーコード702の大きさ、バーコード702が備えるこれらの特徴量に基づいて、バーコード702と情報処理装置100の距離を計算することで行う。向きの検出においても、バーコード702が備えるこれらの特徴に基づいて、バーコード702と情報処理装置100の相対角度を計算することで行う。
【0055】
図8のステップS212では、仮想リーダライタ210(バーコード702)と情報処理装置100との距離がしきい値よりも小さく、且つ、向きが角度の許容誤差のしきい値以下である場合に次のステップS214へ進むこととするが、いずれか一方の条件が成立した場合にステップS214へ進むものとしても良い。
【0056】
ステップS214では、状態フラグが「RW準備」であるか否かを判定する。状態フラグが「RW準備」の場合は、情報処理装置100を決済サーバ300に接続して、情報処理装置100が決済の要求を行う(ステップS216)。決済の要求は、CPU120の処理実行部126により行うことができる。これにより、決済処理が行われ、音や映像でユーザに決済実施が周知される。この際、決済を示す音声は、情報処理装置100の入出力部114から出力される。また、決済を示す映像は表示部112に表示される。
【0057】
一方、ステップS212で仮想リーダライタ210(バーコード702)と情報処理装置100との距離がしきい値よりも小さい場合、または仮想リーダライタ210(バーコード702)に対する情報処理装置100の向きが正面ではないと判断される場合は、ステップS218へ進む。ステップS218では、ユーザに対して仮想リーダライタ210をCG表示する。これにより、決済のための仮想リーダ/ライタ210が近くに存在することをユーザに周知できたため、状態フラグを「RW準備」に設定する(ステップS218)。
【0058】
また、ステップS214で状態フラグが「RW準備」ではなく「RWなし」の場合、ステップS220へ進み、「一度RWから端末を離してください」と画面表示する。ステップS220の後はステップS200へ戻る。
【0059】
ここで、起動直後はステップS200で状態フラグが「RWなし」に設定されるため、起動直後にステップS214まで処理が行われると、ステップS214にて状態フラグが「RW準備」ではないと判定される。この場合、情報処理装置100に対して仮想リーダ/ライタ210の位置が非常に近く、且つ向きも正面ではあるが、情報処理装置100が起動した直後にバーコード702が認識されたことになる。従って、起動時に偶発的に情報処理装置100と仮想リーダ/ライタの位置が近接している場合が想定される。このような場合は、ステップS216には進まず、ステップS220へ進む。ステップS220では、「一度リーダ/ライタから端末を離してください」と画面表示するなどしてユーザに注意を促すため、ユーザが意図しない状態で決済がされてしまうことを回避することができる。これらの処理は、CPU120の処理実行回避部128で行うことができる。
【0060】
ユーザが画面表示の指示に従って情報処理装置100を仮想リーダライタ210から離し、その後、再度端末の位置情報更新(ステップS202)から一連の処理を行うと、次にステップS212に進んだ場合にステップS212の条件が成立しない。このため、ステップS218にて状態フラグが「RW準備」に設定される。その後、ユーザが情報処理装置100を仮想リーダライタ210に近づけると、ステップS212の条件が成立し、ステップS214へ進む。この場合、状態フラグが「RW準備」であるため、ステップS216で決済が行われる。
【0061】
以上のように図7の処理によれば、バーコード702を解析し、仮想リーダライタ210がある場合は、情報処理装置100が、仮想リーダライタ210に近接し、その向きが仮想リーダライタ210の正面である場合、決済を行うことができる。また、起動直後にバーコード702が近接しており、向きも正面である場合は、決済処理を回避することができる。なお、図7の処理は、CPU120によって実行され、図7の処理をCPU120に実行するためのプログラムは、メモリ116、不揮発性メモリ140、または外部の記録媒体等に格納されることができる。
【0062】
なお、複数の仮想リーダ/ライタ210(バーコード702)が混在する環境において、情報処理装置100のカメラ部110のフレームレート、処理速度などによっては、バーコード702を取り違えて認識してしまうことが想定される。このようなことを防止するため、決済を行う前に、状態フラグを「RW準備」に設定した際に認識していたバーコード702と、決済の直前の時点で距離が近いと判定したバーコード702が同一のものであるかどうかを確認しても良い。
【0063】
上述した例では、情報処理装置100から見た仮想リーダ/ライタ(バーコード702)の向きを検出する際に、バーコード702が備える特徴からバーコード702と情報処理装置100の相対角度を計算することで向きを検出している。一方、情報処理装置100から見た仮想リーダライタの向きは、GPSの地磁気検出機能により検出しても良い。例えば全ての仮想リーダ/ライタ210の正面は北を向いているという運用ルールとし、北側から情報処理装置100を近づけた場合(このとき、情報処理装置100は地磁気検出装置で南を向いている)にのみ決済できる処理とするなどの手法を採っても良い。
【0064】
[7.情報処理装置をバーコードに近づける以外の決済方法]
本実施形態は、必ずしも情報処理装置100とバーコード702の距離が近づくことを決済(特定動作)の契機としなくても良い。例えば、仮想リーダライタ210を表すバーコードの他に、「決済実行」を表す別のバーコードを用意し、2つのバーコードが互いに近づいたことを認識して、決済の契機としてもよい。
【0065】
図9は、ユーザの手に「決済実行」を表すバーコード800を貼り付け、バーコード702とバーコード800がともにカメラ部110にて映像として認識され、表示部112に表示された状態を示している。情報処理装置100のCPU116は、バーコード702とバーコード800の画像から両者の位置を認識し、2つのバーコード702,800間の距離を算出する。そして、バーコード702とバーコード800との距離が所定のしきい値以下となった場合に決済処理を実行する。これにより、あたかも手を商品に近づけたことを契機として決済が行われるようなユーザビリティを提供できる。
【0066】
図9の例は、特に情報処理装置100がユーザの目に装着されるメガネの形態であり、表示部112の表示(カメラ部110で撮影された映像と仮想リーダライタ210のCGなど)が常にユーザの目に視認されている場合に特に有効である。この場合、ユーザはバーコード800が付けられた手をバーコード702の貼り付けられた商品に近づけることで簡単に決済を行うことができる。
【0067】
図9の例の場合、図7で示した処理フローのステップS212の処理を「2つのバーコード702と800が非常に近い」に読み替える。そして、情報処理装置100の起動直後に2つのバーコード702とバーコード800が非常に近い位置に存在した場合は、決済を行わないことで誤決済を防止することができる。
【0068】
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理装置100は、特定位置に置かれることで特定の処理を開始する。そして、起動直後に条件を満たす特定位置に情報処理装置100が置かれていても、一旦特定位置外に情報処理装置100を離し、再度近づけないと処理を開始しないため、ユーザが意図せず処理が開始されてしまうことを防止できる。
【0069】
また、情報処理装置100を仮想リーダライタ210に近づけるという操作感を実現できるため、ユーザが通常の非接触式ICカードを実際のリーダ/ライタ装置200に近づける方式の決済の場合と差異を意識せずに決済ができるユーザビリティを提供できる。
【0070】
このため、情報処理装置100にICチップ102を内蔵した場合、上述した仮想リーダライタ210による決済の他、既に実際のリーダ/ライタ200を導入して決済システムを構築している店舗でも決済を行うことができる。従って、ユーザが方式の違いを意識することなく決済が可能である。
【0071】
また、本実施形態によれば、「仮想リーダライタ210に近づける」という行為を通して、ユーザが特定の商品に対して明確な決済意思があることを、煩雑な操作なしで確認できる。
【0072】
また、本実施形態によれば、ユーザが自分で決済を行うことで店舗側の会計の手間と待ち時間を省略しつつ、持ち出し防止ゲート600によって未決済商品の店舗外への持ち出しを防止することができる。
【0073】
また、情報処理装置100に必ずしもICチップ102を内蔵する必要がなく、また店側で実際のリーダ/ライタ200の準備をする必要がないため、特にハードウェアのコストが削減でき、決済システムの導入が容易となる。
【0074】
また、店舗の位置、バーコード702との距離から得られる情報処理装置100の詳細位置、GPSの位置情報など、複数の位置情報を合わせて利用することにより、位置情報の精度を向上でき、バーコード702が店舗に正しく設置されたものか検証できる。従って、誤動作、誤決済を未然に防止できる。また、店舗の位置と商品の詳細位置を例えばGPSによる1つの位置情報で特定した場合、商品の補充などで仮想リーダ/ライタの位置や数を変更したい際に、決済サーバにその都度位置情報を登録する必要がある。本実施形態によれば、店舗側で仮想リーダ/ライタ210の位置や数の変更が容易となる。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0076】
100 情報処理装置
122 識別マーカー検出部
124 位置取得部
126 処理実行部
128 処理実行回避部
300 決済サーバ
500 店側端末
600 持ち出し防止ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の識別マーカーを検出する識別マーカー検出部と、
前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得する位置取得部と、
前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合に所定の処理を実行する処理実行部と、
前記所定の処理に係るアプリケーションの起動直後に前記識別マーカーに対して前記所定値以下に近づいていた場合は、前記所定の処理の実行を回避する処理実行回避部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
自装置の位置情報を取得する自装置位置情報取得部を更に備え、
前記処理実行部は、前記識別マーカーに含まれる位置情報と、前記自装置位置情報取得部が取得した位置情報とに基づいて、前記所定の処理を実行するか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理実行部は、前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合、又は前記識別マーカーに対して別のマーカーが所定値以下に近づいた場合に前記所定の処理を実行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記位置取得部は、前記識別マーカーに対する自装置の相対的な方向を取得する機能を含み、
前記処理実行部は、前記識別マーカーに対する自装置の相対的な方向が、前記識別マーカーに対して自装置が正対している状態を基準として所定の角度範囲以下の場合に前記所定の処理を実行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
映像を取得するカメラ部を備え、
前記識別マーカー検出部は、前記カメラ部にて取得された映像から前記識別マーカーを検出し、
前記位置取得部は、前記カメラ部にて取得された前記識別マーカーの映像に基づいて、前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記識別マーカーは2次元バーコードである、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記カメラ部が取得した前記識別マーカーを仮想オブジェクトとして前記映像に合成する仮想オブジェクト合成部と、
前記カメラ部が取得した前記映像に前記仮想オブジェクトが合成された映像を表示する表示部と、を更に備える、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記識別マーカー検出部は、文字認識、近距離無線通信、又は光通信により前記識別マーカーを検出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の処理は、前記識別マーカーが付された物に係る決済処理、または前記識別マーカーが置かれた店舗に係る決済処理である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決済処理が行われた場合に、映像又は音声を発する決済処理周知部を備える、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決済処理に係るバリューを格納したICチップを更に備える、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
所定の識別マーカーを検出する識別マーカー検出部と、前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得する位置取得部と、前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合に、自装置の識別情報と前記識別マーカーの情報を送信して決済処理を要求する処理要求部と、前記決済処理に係るアプリケーションの起動直後に前記識別マーカーに対して前記所定値以下に近づいていた場合は、前記決済処理の実行を回避する処理実行回避部と、を有する情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記決済処理の要求を受けて、前記決済が行われる店舗によって前記識別マーカーが登録されている場合に決済処理を実行する決済サーバと、
を備える情報処理システム。
【請求項13】
前記決済処理が実行された場合に、前記決済サーバから前記情報処理装置の識別情報と、前記識別マーカーに含まれる決済に係る商品の識別情報を受信する店側端末と、
前記店舗に設置され、通過しようとする前記商品及び前記情報処理装置の識別情報を取得して前記店側端末に送信し、前記店側端末から当該商品が決済みである通知を受けた場合にのみ開かれるゲートと、
を更に備える、請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
所定の識別マーカーを検出するステップと、
前記識別マーカーと自装置との間の位置関係を取得するステップと、
前記識別マーカーに対して自装置が所定値以下に近づいた場合に所定の処理を実行するステップと、
前記所定の処理に係るアプリケーションの起動直後に前記識別マーカーに対して前記所定値以下に近づいていた場合は、前記所定の処理の実行を回避するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−151498(P2011−151498A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9455(P2010−9455)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(504134520)フェリカネットワークス株式会社 (129)
【Fターム(参考)】