説明

情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理プログラムを記録する記録媒体

【課題】 外部機器から送信された制御情報に基づく制御処理を確実に実行することができる情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理プログラムを記録する記録媒体を提供する。
【解決手段】 省エネモードから通常モードに切り替わったとき、または電源オンしたときに、識別情報判定部53は、識別情報取得部51に、現在接続されている第1メイン基板11aの識別情報を取得させ、取得させた識別情報と、制御情報格納部50が記憶している、制御情報に関連付けられた識別情報とが一致するかどうかを判定する。識別情報が一致しなかったときは、検索部54が、制御情報に関連付けられた識別情報を有するメイン基板を検索し、該当するメイン基板に対して制御情報格納部50が記憶している制御情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の回路基板を備え、少なくとも1つの回路基板が着脱可能に構成される情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理プログラムを記録する記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下では「PC」という)、複写機やプリンタを含む画像処理装置などの情報処理装置は、高機能化が進むにつれて消費電力も大きくなり、使用状態に応じて最小限の構成にだけ電力を供給し、大部分については電力の供給を停止するいわゆる省エネルギ(以下では「省エネ」と略称する)モードでの動作が可能となっている。
【0003】
また、情報処理装置は、データ通信を行うためにネットワークに接続するインターフェイスを備えている。このようなインターフェイスは、複数ある回路基板のうちの小さな基板(サブ基板)に設けられていることが多くネットワークボードと呼ばれる。処理能力が高い制御用のCPU(中央演算処理装置)など多くの素子が搭載される比較的大きな基板(メイン基板)は、装置に固定されているが、サブ基板は装置から着脱可能に構成される場合がある。
【0004】
省エネモードで動作する画像処理装置では、省エネモード中はメイン基板への電力供給は停止され、データ通信を行うサブ基板(ネットワークボード)にのみ電源供給されている構成となるものがあり、省エネモード中に画像処理装置の制御情報を受信した場合、その都度画像処理装置を省エネモードから復帰させて画像処理装置を制御する必要がある。
【0005】
制御情報の中には即座に省エネモードからの復帰を要する制御項目(例:IPアドレスの更新)と、即座に省エネモードからの復帰を要しない制御項目(例:スキャンデータ送信先登録)とがあり、省エネモード中に後者の制御情報を受信した場合、サブ基板のメモリに制御情報を一時的に保持しておき、次の省エネモードからの復帰タイミングに合わせて、保持していた制御情報で画像処理装置を制御する、という機能も既に提案されている。
【0006】
特許文献1記載のデバイス管理システムは、ネットワークボードが別のプリンタに差し替えられている場合、シリアル番号に基づいて、差し替えられたことを判断すると、差し替え後のプリンタ機種名を管理サーバに通知する。管理サーバは、通知された機種名に対応する設定ファイルを差し替え後のプリンタへ送信する。
【0007】
【特許文献1】特開2006−65432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
サブ基板のメモリ内に制御情報を保持した後、省エネモードから復帰することなく、すなわち制御情報をメイン基板に送信することなくサブ基板が外されて、別の情報処理装置に装着された場合、装着されていた情報処理装置(メイン基板)において受信した制御情報による処理が実施されないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、外部機器から送信された制御情報に基づく制御処理を確実に実行することができる情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理プログラムを記録する記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、外部機器とのデータ通信を行う通信用回路基板と動作設定を行う設定用回路基板とを含む複数の回路基板を備え、前記通信用回路基板が着脱可能に構成され、複数の回路基板に電力を供給する第1動作モードと前記通信用回路基板のみに電力を供給する第2動作モードとを切り替えることができる情報処理装置であって、
前記設定用回路基板は、
他の通信用回路基板と識別可能とする識別情報を格納する識別情報格納手段と、
外部機器から送信される制御情報を、前記通信用回路基板を介して受信し、制御情報に基づいて動作設定を行う制御情報受信手段とを有し、
前記通信用回路基板は、
前記識別情報格納手段から識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記第2動作モード中に、制御情報と、制御対象の情報処理装置の識別情報とを外部機器から取得する制御情報取得手段と、
取得した制御情報と前記識別情報とを関連付けて格納する制御情報格納手段と、
第2動作モードから第1動作モードに切り替わったとき、または電源オンしたときに、識別情報取得手段に識別情報を取得させ、取得させた識別情報と、制御情報格納手段が記憶している識別情報とが一致するかどうかを判定する識別情報判定手段と、
制御情報格納手段が記憶している識別情報に基づいて、データ通信可能に接続されている他の情報処理装置に備えられる設定用回路基板の識別情報を検索する検索手段とを備え、
識別情報が一致しなかったときは、検索手段の検索結果に応じて、制御情報格納手段が記憶している識別情報と一致する識別情報を有する設定用回路基板に対して制御情報を送信することを特徴とする情報処理装置である。
【0011】
また本発明は、前記制御情報は、情報処理装置に割り当てられるIPアドレスを含む設定更新情報であることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記制御情報は、不具合発生時に不具合の発生を報知する報知先を示す情報であることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記制御情報は、印刷時刻指定の印刷データであることを特徴とする。
また本発明は、前記制御情報は、夜間受信ファクシミリデータであることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記検索手段は、有線通信によってデータ通信可能に接続されている他の情報処理装置を検索することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記検索手段は、無線通信によってデータ通信可能に接続されている他の情報処理装置を検索することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、コンピュータを、前記の情報処理装置として機能させる情報処理プログラムである。
【0017】
また本発明は、コンピュータを、前記の情報処理装置として機能させる情報処理プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外部機器とのデータ通信を行う通信用回路基板と動作設定を行う設定用回路基板とを含む複数の回路基板を備えており、前記通信用回路基板が着脱可能に構成され、複数の回路基板に電力を供給する第1動作モードと前記通信用回路基板のみに電力を供給する第2動作モードとを切り替えることができる情報処理装置である。
【0019】
前記設定用回路基板では、識別情報格納手段が、他の通信用回路基板と識別可能とする識別情報を格納している。また、制御情報受信手段は、外部機器から送信される制御情報を、前記通信用回路基板を介して受信し、制御情報に基づいて動作設定を行う。
【0020】
前記通信用回路基板では、識別情報取得手段が前記識別情報格納手段から識別情報を取得する。制御情報取得手段は、前記第2動作モード中に、制御情報と、制御対象の情報処理装置の識別情報とを外部機器から取得し、制御情報格納手段が、取得した制御情報と前記識別情報とを関連付けて格納する。
【0021】
第2動作モードから第1動作モードに切り替わったとき、または電源オンしたときに、識別情報判定手段は、識別情報取得手段に識別情報を取得させ、取得させた識別情報と、制御情報格納手段が記憶している識別情報とが一致するかどうかを判定する。
【0022】
検索手段は、制御情報格納手段が記憶している識別情報に基づいて、データ通信可能に接続されている他の情報処理装置に備えられる設定用回路基板の識別情報を検索する。
【0023】
識別情報が一致しなかったときは、検索手段の検索結果に応じて、制御情報格納手段が記憶している識別情報と一致する識別情報を有する設定用回路基板に対して制御情報を送信する。
【0024】
これにより、第2動作モード(省エネモード)中に格納した制御情報を格納した状態で、通信用回路基板が外されて、別の情報処理装置に装着された場合であっても、制御情報が、制御対象である、制御情報格納手段が記憶している識別情報と一致する識別情報を有する設定用回路基板に送信されるので、制御情報に基づく制御処理が確実に実行される。
【0025】
また本発明によれば、前記制御情報としては、情報処理装置に割り当てられるIPアドレスを含む設定更新情報、不具合発生時に不具合の発生を報知する報知先を示す情報(たとえば電子メールアドレス)、印刷時刻指定の印刷データ、夜間受信ファクシミリデータなどであり、これらの情報に基づく設定の更新処理や印刷処理などを確実に実行することができる。
【0026】
また本発明によれば、前記検索手段は、有線通信か、または無線通信によってデータ通信可能に接続されている他の情報処理装置を検索することができる。
【0027】
また本発明によれば、コンピュータを、上記の情報処理装置として機能させる情報処理プログラムおよび情報処理プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の実施の一形態である第1画像処理装置10を含む通信システム100の構成を示す図である。
【0029】
通信システム100は、第1画像処理装置10と、第2画像処理装置20と外部機器であるPC30、サーバ40とが通信ネットワークN1を介して互いにデータ通信可能に接続されている。以下、第1画像処理装置10の構成について説明するが、第2画像処理装置20は、第1画像処理装置10と同じ構成のため、説明は省略する。
【0030】
本実施形態の第1画像処理装置(複合機)10は、図1に示すように、画像処理等を実行するプリンタコントローラとなる第1メイン基板11aに対して、各種機能を追加できるようにオプション設定される第1サブ基板11bが設けられている。
【0031】
なお、本実施の形態では、第1サブ基板11bは、通信用回路機能を追加するための基板であり、LAN(Local Area Network)等の有線データ通信ネットワークN1、もしくは802.11a/b/g等の無線通信ネットワークN2を介して、外部機器となるPC30、サーバ40との有線もしくは、無線データ通信用インターフェイスを担うLANインターフェイス基板である。
【0032】
制御用回路基板である第1メイン基板11aには、各種画像処理を実行するメイン基板側CPU12a(以下、メインCPU12aと略称する。)と、当該画像処理のプログラムが格納された不揮発性の読み出し専用の記憶部となるフラッシュメモリ等のメイン基板側Flashメモリ13a(以下、メインFlash13aと略称する。)と、メインCPU12aが読み書き可能な記憶部となるRAM(Random Access Memory)等のメイン基板側メモリ14a(以下、メインメモリ14aと略称する。)と、メインCPU12aから読み書き可能なレジスタを含むロジック回路等からなるメイン基板側ASIC(
Application Specific Integrated Circuit)15a(以下、メインASIC15aと略称する。)が備えられる。
【0033】
一方、第1サブ基板11bには、各種動作処理をするサブ基板側CPU12b(以下、サブCPU12bと略称する。)と、当該動作処理のプログラムが格納された読み出し専用の記憶部となるフラッシュメモリ等のサブ基板側Flashメモリ13b(以下、サブFlash13bと略称する。)と、CPU12bが読み書きできる記憶部となるRAM等のサブ基板側メモリ14b(以下、サブメモリ14bと略称する。)と、CPU12bが読み書きすることによって外部の端子に入出力できるインターフェイス回路からなるサブ基板側ASIC15b(以下、サブASIC15bと略称する。)と、外部機器と無線通信を行うための無線インターフェイス16bが備えられる。また、サブASIC15bは、シリアルデータ通信するための伝送路L1aを介して、メインASIC15aと接続されている。
【0034】
ここで、画像処理装置A10は、少なくとも通常モードと省エネモードとの2つの動作モードで動作かつ切り換え可能に構成される。
【0035】
動作モードの切り替えは、たとえば、ユーザが切り替え指示を入力したときに切り換えることもできるし、通常モード中に未処理時間が所定の時間を経過すると省エネモードに切り換えることもできる。
【0036】
通常モードとは、省エネモード以外での動作モードであり、第1メイン基板11aおよび第1サブ基板11bのいずれにも電力が供給され、画像処理、制御、各種データ通信などを行う第1動作モードである。
【0037】
省エネモードとは、通常モードよりも消費電力を低減させた動作モードであり、第1メイン基板11aへの電力供給を停止させ、有線データ通信ネットワークN1または無線データ通信ネットワークN2とのインターフェイスとしての機能を有する第1サブ基板11bにのみ電源を供給することによって、必要最小限の部分を駆動させるように動作する第2動作モードである。
【0038】
有線データ通信ネットワークN1、または無線通信ネットワークN2を介して第1画像処理装置10と接続される外部機器であるPC30およびサーバ40は、それぞれ各種動作処理をするCPU31,41と、その処理のプログラムが格納された読み出し専用の記憶部となるフラッシュメモリ等のFlashメモリ32,42と、CPU31,41が読み書きできる記憶部となるRAM等のメモリ33,43を備える。
【0039】
図2は、サブ基板が変更されたときの第1画像処理装置10および第2画像処理装置20を示す図である。第1画像処理装置10と第2画像処理装置20は同じ構成のため、サブ基板の相互付け替えが可能な構成である。図2に示した例では、第1画像処理装置10から第1サブ基板11bが取り外されて、第2画像処理装置20のサブ基板として取り付けられている。なお、第1サブ基板11bが取り外された第1画像処理装置10には、データ通信が可能となるように、新たなサブ基板として第3サブ基板11cが取り付けられる。
【0040】
本例では、第1サブ基板11bのサブメモリ14bに、第1画像処理装置10が省エネモードでの動作時に受信した制御情報を保持した状態で、第1サブ基板11bが、第2画像処理装置20のサブ基板として取り付けられている。
【0041】
図3は、第1画像処理装置10の機能ブロック図であり、図4は、外部機器であるPC30の機能ブロック図である。なお、第1画像処理装置10の機能ブロック図は、第2画像処理装置20と同様のため、ここでは第1画像処理装置10を例として説明する。また、機能ブロック図は、PC30、サーバ40のいずれも同様であるので、ここでは、PC30を例として説明する。
【0042】
第1サブ基板11bは、制御情報格納部50、制御情報取得部51、識別情報取得部52、識別情報判定部53、検索部54、検索条件取得部55を備える。一方、第1メイン基板11aは、識別情報格納部60、制御情報受信部61、検索条件格納部62を備える。また、外部機器であるPC30は、少なくとも制御情報送信部70を備える。
【0043】
制御情報格納部50は、制御情報取得部51が外部機器(たとえばPC30)から取得した制御情報と、制御対象となる画像処理装置の識別情報とを格納する。なお、制御情報を格納する際は、どの画像処理装置に対する制御情報であるかがわかるように制御対象となる画像処理装置の識別情報を制御情報に関連付けて格納しておく。
【0044】
制御情報は、外部機器からの制御が可能な第1画像処理装置10に関する具体的な情報である。たとえば、第1画像処理装置10において、紙詰まりや用紙切れなどの不具合が発生したときに、その不具合が発生したことを電子メールなどで報知する報知先の電子メールアドレス、第1画像処理装置10に割り当てられるIPアドレスの更新時に受信する新たなIPアドレスなどである。さらには、第1画像処理装置10に対する印刷時刻が指定された印刷データや、夜間の省エネモード時に受信したファクシミリデータなども含まれる。
【0045】
識別情報取得部52は、第1サブ基板11bが第1画像処理装置10に接続されていたときに第1メイン基板11aの識別情報格納部60から、第1メイン基板11aを識別するための情報を取得して記憶する。識別情報取得部52は、また、省エネモードから通常モードに復帰したときに接続されているメイン基板11aから識別情報を取得する。
【0046】
識別情報判定部53は、省エネモード中に制御情報とともに格納されていた識別情報と、省エネモードからの復帰後に新たに取得したメイン基板の識別情報とを比較し、一致すれば省エネモードに移行する前に接続されていたメイン基板と、省エネモードからの復帰後に接続されているメイン基板とが同じ基板であると判定する。一致しなければ、省エネモードに移行する前に接続されていたメイン基板と、省エネモードからの復帰後に接続されているメイン基板とが異なる基板であると判定する。
【0047】
制御情報取得部51は、識別情報判定部53の判定後に、制御情報格納部50に格納された制御情報を、メイン基板11aの制御情報受信部61に送信する。もしくは、別の画像処理装置から受信した制御情報を、メイン基板11aの制御情報受信部61に送信する。
【0048】
制御情報受信部61は、制御情報通知部51から送信される制御情報に基づいて装置の制御を行う。検索部54は、識別情報判定部53の判定後に、制御情報格納部50に格納された制御情報に関連付けられた識別情報と一致するメイン基板11aを有線データ通信ネットワークN1または無線通信ネットワークN2を介して検索を行う。検索条件取得部55は、メイン基板11aの検索条件格納部62から、保持する識別情報に一致するメイン基板を検索するための検索条件を取得する。
【0049】
図5は、省エネモードからの復帰時、もしくは電源投入時の第1画像処理装置10の第1サブ基板11bによる制御処理を示すフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS1では省エネモードから通常モードへの復帰か否か、または電源投入時か否かが判断される。このステップS1で省エネモードからの復帰、または電源投入時か、が検出されると、ステップS2で識別情報取得部52が、現在接続されているメイン基板11aの識別情報格納部60から識別情報を取得する。省エネモードからの復帰、または電源投入が検出されない場合は、ステップS1に戻って待機する。
【0051】
ステップS3では、サブ基板11bの制御情報格納部50から、予め記憶されていた識別情報を取得する。ステップS4では、ステップS2で、現在接続されているメイン基板11aの識別情報格納部60から取得した識別情報と、サブ基板11bが保持している識別情報とが同一か否かを判断する。これら2つの識別情報が一致する場合は、ステップS5で、制御情報格納部50に予め格納されている制御情報をメイン基板11aの制御情報受信部61に送信する。
【0052】
一方、識別情報が一致しない場合は、サブ基板11bが制御情報を受信したときに接続されていたメイン基板と、現在接続されているメイン基板とが異なる基板であるので、記憶されている制御情報を、受信時に接続されていたメイン基板に対して制御情報を当該メイン基板に送信する必要がある。
【0053】
ステップS6では、メイン基板11aの検索条件格納部62から検索条件を取得する。
ステップS7では、取得した検索条件に基づき、有線データ通信ネットワークN1または、無線データ通信ネットワークN2を介して、これらのネットワークN1,N2に接続されている画像処理装置のメイン基板から、識別情報と一致するメイン基板11aを検索する。
【0054】
識別情報が一致するメイン基板11aが検索されたら、ステップS9で制御情報格納部50に予め格納されている制御情報を、検索されたメイン基板11aの制御情報受信部61に送信する。一方、所定時間内に検索されなかった場合は、ステップS8で指定時間の経過を待って、再度ステップS7に進み検索を実行する。
【0055】
図6は、省エネモードからの復帰時の画像処理装置10のメイン基板11aによる制御処理を示すフローチャートである。
【0056】
ステップS11では、サブ基板11bの識別情報取得部52からの要求に応じて、識別情報格納部60が自らの識別情報をサブ基板11bに送信する。ステップS12では、サブ基板11bの制御情報取得部51から制御情報を受信する。ステップS13では、受信した制御情報に基づいて装置の制御を行う。
【0057】
図5のステップS6,7における検索機能については、検索に関する種々の設定を選択することが可能に構成される。図7は、検索機能の選択画面80を示す図である。
【0058】
画像処理装置10に備わる表示部(不図示)に、検索方法選択画面80を表示させ、画像処理装置10の管理者が検索方法を選択する。図6に示す検索方法選択画面80の表示形態に限らず、画像処理装置10が有するウェブページからも同様の設定項目を表示させる形態としても構わない。
【0059】
検索方法選択画面80には、下記再検索を実行する時間間隔を入力するテキストボックス81と、検索方法を選択するためのチェックボタン82〜84とが表示され、選択項目を確定するためのOKボタン85、選択項目をキャンセルするためのキャンセルボタン86が記載される。これらのボタンは、タッチパネルなどで実現されるソフトウェアキーである。
【0060】
再検索時間指定テキストボックス81に時間として数値を入力すると、入力された時間の経過を待って、再検索を実行する。自動検索ボタン82を選択すると、通信状況や検索結果に応じて、有線データ通信ネットワークN1または無線データ通信ネットワークN2を自動的に選択して、検索を実行する。
【0061】
有線ネットワーク検索ボタン83を選択すると、有線データ通信ネットワークN1を介してそこに繋がる画像処理装置の検索を実行する。無線ネットワーク検索ボタン83を選択すると、無線データ通信ネットワークN2を介してそこに繋がる画像処理装置の検索を実行する。
【0062】
ネットワークの稼動状況は、pingコマンドを利用して、外部機器との通信状態を確認する。応答の有無および応答時間などから外部機器の稼動状況を推測することができる。
【0063】
本発明の他の実施形態として、コンピュータを画像処理装置10として動作させるための情報処理プログラムのプログラムコードおよびこの情報処理プログラムのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することも可能である。なお、記録媒体としては、マイクロプロセッサで処理が行われるためのメモリ、たとえばROMそのものが記録媒体であってもよいし、また、コンピュータの外部記憶部としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに挿入することで読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【0064】
いずれの場合においても、記録されている情報処理プログラムのプログラムコードは、マイクロプロセッサが記録媒体にアクセスすることで実行されてもよいし、マイクロプロセッサが記録媒体から上記プログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードをプログラム記憶エリアにダウンロードして、実行してもよい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め所定の記憶装置に格納されているものとする。CPUなどのマイクロプロセッサは、インストールされた情報処理用プログラムに従って所定の更新処理を行うようにコンピュータの各部を統括的に制御する。
【0065】
また、プログラム読み取り装置で読み取り可能な記録媒体としては、磁気テープ、カセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスク、ハードディスクなどの磁気ディスクまたはCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)/MO(Magneto Optical disc
)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクのディスク系、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリを含めた固定的にプログラムを記録する媒体であってもよい。
【0066】
また、コンピュータを、インターネットを含む通信ネットワークに接続可能な構成とし、通信ネットワークから情報処理プログラムのプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークから情報処理プログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めコンピュータに格納しておくか、他の記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現される。
【0067】
記録媒体から読み取った画像処理プログラムのプログラムコードを実行するコンピュータシステムの一例は、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラなどの画像読取装置と、各種プログラムを実行することにより上記の画像処理方法を含めた様々な処理を行うコンピュータと、このコンピュータの処理結果などを表示するCRT(
Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイなどの画像表示装置と、コンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタなどの画像出力装置とが互いに接続されて構成されるシステムである。さらに、このコンピュータシステムには、通信ネットワークを介してサーバなどに接続し、情報処理プログラムを含む各種プログラムや画像データなどの各種データを送受信するためのモデムなどが備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の一形態である第1画像処理装置10を含む通信システム100の構成を示す図である。
【図2】サブ基板が変更されたときの第1画像処理装置10および第2画像処理装置20を示す図である。
【図3】第1画像処理装置10の機能ブロック図である。
【図4】外部機器であるPC30の機能ブロック図である。
【図5】省エネモードからの復帰時、もしくは電源投入時の第1画像処理装置10の第1サブ基板11bによる制御処理を示すフローチャートである。
【図6】省エネモードからの復帰時の画像処理装置10のメイン基板11aによる制御処理を示すフローチャートである。
【図7】検索機能の選択画面80を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
10 第1画像処理装置
11 第1サブ基板
20 第2画像処理装置B
21a 第2メイン基板
22b 第2サブ基板
30 PC
40 サーバ
50 制御情報格納部
51 制御情報取得部
52 識別情報取得部
53 識別情報判定部
54 検索部
55 検索条件取得部
60 識別情報格納部
61 制御情報受信部
62 検索条件格納部
70 制御情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器とのデータ通信を行う通信用回路基板と動作設定を行う設定用回路基板とを含む複数の回路基板を備え、前記通信用回路基板が着脱可能に構成され、複数の回路基板に電力を供給する第1動作モードと前記通信用回路基板のみに電力を供給する第2動作モードとを切り替えることができる情報処理装置であって、
前記設定用回路基板は、
他の通信用回路基板と識別可能とする識別情報を格納する識別情報格納手段と、
外部機器から送信される制御情報を、前記通信用回路基板を介して受信し、制御情報に基づいて動作設定を行う制御情報受信手段とを有し、
前記通信用回路基板は、
前記識別情報格納手段から識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記第2動作モード中に、制御情報と、制御対象の情報処理装置の識別情報とを外部機器から取得する制御情報取得手段と、
取得した制御情報と前記識別情報とを関連付けて格納する制御情報格納手段と、
第2動作モードから第1動作モードに切り替わったとき、または電源オンしたときに、識別情報取得手段に識別情報を取得させ、取得させた識別情報と、制御情報格納手段が記憶している識別情報とが一致するかどうかを判定する識別情報判定手段と、
制御情報格納手段が記憶している識別情報に基づいて、データ通信可能に接続されている他の情報処理装置に備えられる設定用回路基板の識別情報を検索する検索手段とを備え、
識別情報が一致しなかったときは、検索手段の検索結果に応じて、制御情報格納手段が記憶している識別情報と一致する識別情報を有する設定用回路基板に対して制御情報を送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御情報は、情報処理装置に割り当てられるIPアドレスを含む設定更新情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御情報は、不具合発生時に不具合の発生を報知する報知先を示す情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御情報は、印刷時刻指定の印刷データであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御情報は、夜間受信ファクシミリデータであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検索手段は、有線通信によってデータ通信可能に接続されている他の情報処理装置を検索することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検索手段は、無線通信によってデータ通信可能に接続されている他の情報処理装置を検索することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1〜7のいずれか1つに記載の情報処理装置として機能させる情報処理プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1〜7のいずれか1つに記載の情報処理装置として機能させる情報処理プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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