説明

情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

【課題】従来の情報処理装置においては、各帳票に適した印刷を容易に行うことができないという課題があった。
【解決手段】ユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されている1以上の帳票と複数の印刷部との対応関係を示すユーザ別印刷部管理情報に、印刷指示で指定された帳票と印刷部102との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、印刷指示で指定された帳票に対応する印刷部102を、帳票データの印刷部102に決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、印刷部管理情報格納部103に格納されている1以上の帳票と、複数の印刷部102との対応関係を示す印刷部管理情報を用いて、印刷指示で指定された帳票に対応する印刷部102を、帳票データの印刷部に決定する印刷先決定部104を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票データを印刷するための情報処理装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の帳票データを印刷するための情報処理装置として、帳票種類やその項目セルの内容に応じた任意の色を設定して、帳票の任意の指定領域にカラータグ等の識別色を印刷するもの等が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−297801号公報(第1頁、第1図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の情報処理装置においては、印刷対象となる帳票情報の印刷先は、帳票を処理するアプリケーションソフトウェアに対してデフォルトとして指定されているプリンタ、あるいはユーザが帳票の印刷を一度行うことで設定される前回印刷したプリンタ等であった。このため、例えば、情報処理装置が、ネットワークで接続された複数のプリンタを利用できる環境にあったとしても、帳票がどのプリンタから出力されるかは、アプリケーションソフトウェア毎に決まってしまい、情報処理装置が印刷可能な各帳票を、それぞれに適したプリンタを用いて印刷することは容易ではないという課題があった。
【0004】
例えば、あるアプリケーションソフトウェアが、カラープリンタで印刷することが好ましいカラーの帳票と、モノクロプリンタで印刷することが好ましいモノクロの帳票とを、それぞれプリンタに出力できるものであったとしても、このアプリケーションソフトウェアのデフォルトのプリンタが、モノクロプリンタに指定されていた場合、ユーザが特にプリンタを指定せずにこれらの帳票を印刷した場合、カラーの帳票も、モノクロで出力されてしまうこととなり、最適なプリンタで印刷されたとはいえなくなってしまう。
【0005】
また、このような場合に、ユーザが適宜、帳票別に印刷に利用するプリンタを指定して印刷を行うことは可能であるが、このような場合、どの帳票がどのプリンタから出力されるかは、各ユーザの判断にゆだねられてしまい、帳票が必ずしも適切なプリンタから印刷されない場合がある。また、このように、各ユーザの判断に任せると帳票の印刷先を統一して管理することができなくなり、おなじ帳票が、異なる印刷結果で出力されてしまい、帳票毎の統一感が無くなってしまう。
【0006】
また、複数のアプリケーションソフトウェアの印刷先を指定する場合、一旦各アプリケーションをそれぞれ立ち上げて初期設定を変更したり、一旦印刷やプレビュー等を行うことで、個別に印刷先を指定していく必要があり、印刷先の指定に時間がかかるという課題があった。特に、同様のアプリケーションを含む複数の情報処理装置に対して、同様の印刷先を指定する場合には、一の情報処理装置のアプリケーションに対して行った印刷先の指定を、他の情報処理装置に対しても繰り返す必要があり、印刷先の指定に時間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部と、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、前記ユーザ識別情報と対応付けられており、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報であるユーザ別印刷部管理情報が格納され得る1以上のユーザ別印刷部管理情報格納部と、前記ユーザ識別情報取得部が取得したユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、前記印刷指示により指定された帳票と印刷部との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、前記印刷部管理情報格納部に格納されている印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、前記印刷指示により指定された帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、前記印刷指示により指定された帳票データを前記帳票データ格納部から読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、を備えた情報処理装置である。
【0008】
かかる構成により、一旦各アプリケーションをそれぞれ立ち上げて印刷先を変更することなく、帳票に応じた印刷部により、帳票データを印刷することができ、各帳票に適した印刷を容易に行うことができる。また、すべてのユーザ及びユーザ個人の両者について、それぞれ帳票別の指定がある場合には、すべてのユーザで指定した印刷部よりユーザ個人が指定した印刷部を優先さ競ることができる。また、ユーザ個人の帳票別の指定が不要な場合、例えば、すべてのユーザが共通の印刷部を利用する場合等には、全ユーザとして帳票別の指定を行うことで、すべてのユーザが帳票に応じた印刷部により印刷データを印刷することができる。
【0009】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、ツリー構造に階層化された1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部と、前記帳票のツリー構造のノードに対する前記印刷部の指定を受け付ける印刷部指定受付部と、前記印刷部の指定を受け付けたノードのサブツリーの1以上の帳票と、当該指定された印刷部とを対応づけた前記印刷部管理情報を、前記印刷部管理情報格納部に蓄積する印刷部指定蓄積部と、前記印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、前記印刷指示により指定された帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、前記印刷指示により指定された帳票データを前記帳票データ格納部から読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、を備えた情報処理装置である。
【0010】
かかる構成により、ユーザが、木構造に階層化された帳票を印刷する印刷部の指定を、帳票のノード単位で行うことができるため、帳票の指定を容易に行うことができ、各帳票に適した印刷を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による情報処理装置等によれば、各帳票に適した印刷を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における情報処理装置のブロック図である。
【0014】
情報処理装置1は、印刷指示受付部101、一以上の印刷部102、印刷部管理情報格納部103、印刷先決定部104、帳票データ格納部105、印刷処理部106、一以上のユーザ識別情報取得部111、ユーザ別印刷部管理情報格納部112を具備する。なお、ここでは便宜上、1以上の印刷部102を102a、102b、102c等として、また、一以上のユーザ別印刷部管理情報格納部112を112a、112b、113c等として表している。ただし、印刷部102やユーザ別印刷部管理情報格納部112はそれぞれ2以上であればよい。また、一以上のユーザ別印刷部管理情報格納部112は、物理的に一の格納部で実現するようにしても良い。
【0015】
なお、情報処理装置1は、上記以外に、アプリケーションソフトウェア等を実行させて帳票を処理する処理部(図示せず)や、帳票に対する入力を受け付けたりする入力受付部(図示せず)、帳票を画面等に表示する表示部(図示せず)等を適宜備えていてもよい。なお、これらの処理部や入力受付部や表示部等については、公知技術であるので説明は省略する。
【0016】
印刷指示受付部101は、1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける。印刷指示は、例えば、印刷を指示する情報と、印刷対象となる帳票を指定する情報との組み合わせである。帳票とは、例えば、帳簿や伝票等のことである。ここで述べる帳票は、紙等に印刷されたものであっても良いし、モニタ画面等に表示される電子的な帳票であっても良い。また、帳票のデータを入力するための入力フォーム等も帳票と考えても良い。帳簿は、具体的には、取引等に関する事務上の必要事項を記入したもの、例えば、金銭や預金や品物などの動きを記入したものである。また、伝票は、取引等についてその内容を通知するための情報を記入したものである。通常、帳簿は、使用する用途や提出先等に応じて定型の書式が決まっていることが多い。帳票は、レイアウトが決まっているデータ群等と解釈しても良い。ここでは、例として、帳票には、帳票を識別するための識別情報である帳票識別情報が割り当てられているものとする。帳票識別情報は、帳票同士を識別できる情報であれば良く、例えば帳票の名称や、帳票に割り当てられた番号等である。また、帳票識別情報は、情報処理装置1が実行可能なメニューに対応した識別情報と、当該メニューにおいて利用可能な帳票の識別情報との組み合わせであっても良い。印刷指示は、例えば、印刷対象となる帳票の帳票識別情報と、印刷を指示する情報、例えばコマンド等との組み合わせであっても良い。また、印刷指示は、現在、情報処理装置1によって、図示しないモニタ画面等に表示されている帳票について、印刷を指示する情報であっても良い。なお、現在表示中の帳票のデータを印刷する場合のように、帳票を指定しなくても印刷対象となる帳票が特定できる場合には、印刷指示の印刷対象となる帳票データを指定する情報は省略可能である。ここで述べる受付とは、例えば、入力手段からの受付や、他の機器等から送信される入力信号の受信や、記録媒体等からの情報の読み出し等である。印刷指示の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。印刷指示受付部101は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0017】
印刷部102は、1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う。帳票データとは、具体的には、帳票を構成する数字や文字列等のデータである。また、帳票データは、これらのデータに加えて、帳票を表示したり印刷したりする際の、罫線や画像等の情報を含んでいても良い。帳票データは、通常、帳票を出力、例えば表示や印刷するために用いられる。例えば、帳票データは、罫線等を用いて構成された数字や文字列を含む表のデータである。帳票データは画像データや、テキストデータ等、どのような形式のデータであっても良い。ここでは、印刷指示受付部101が受け付けた印刷指示に対応した帳票の帳票データ、すなわち印刷指示により特定される帳票データの印刷を行う。印刷部102は、帳票データを適宜、印刷用のビットマップデータ等の印刷に利用可能なデータに変換しても良い。印刷部102は、例えば図示しないバッファ等の記憶媒体を有しており、帳票データを一旦、記憶媒体にスプールするようにしても良い。印刷部102は、プリンタを含むと考えても含まないと考えても良い。印刷部102は、プリンタのドライバーソフトまたは、プリンタのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。また、ドライバーに印刷を指示するソフトウェア等であっても良い。なお、印刷部102の数は二以上であればよい。また、各印刷部102には、印刷部102同士を識別できるようにするための識別情報である印刷部識別情報が割り当てられているものとする。印刷部識別情報は、例えば、印刷部102の名称や、印刷部102により印刷が行われるプリンタ(図示せず)の名称や、印刷部102に割り当てられた番号等である。
【0018】
印刷部管理情報格納部103は、1以上の帳票と、複数の印刷部102との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る。印刷部管理情報は、具体的には、1つの帳票に対して、一つの印刷部102を対応付けて管理する情報であり、例えば一つの帳票の帳票識別情報と、この帳票に対応する印刷部102の印刷部識別情報とが対応付けられて、格納されている。具体的には、印刷部管理情報においては、例えば、対応する帳票識別情報と、印刷部識別情報とが、一つのレコードの2つの属性値として管理される。ここでは、特に、この印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報は、帳票の印刷を行うことが可能な複数のユーザ共通の、例えば全てのユーザやユーザのグループであるユーザグループに共通の、1以上の帳票と、複数の印刷部102との対応関係を示す情報であるものとする。印刷部管理情報格納部103は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0019】
ユーザ識別情報取得部111は、ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する。ユーザ識別情報は、例えば、ユーザ名やユーザの社員番号、ユーザが利用する入力端末のアドレス等である。また、ユーザと必ずしも一対一で対応している必要はなく、例えば、ユーザ識別情報が、ユーザの属する部署やユーザの役職、職責等に対応した識別情報であっても良い。ユーザ識別情報取得部111がユーザ識別情報をどのように取得するかは問わない。例えば、情報処理装置1や、情報処理装置1が実行する帳票を処理するアプリケーションソフトウェアの起動時に入力されたユーザID等のログオンの識別情報を、ユーザ識別情報として取得しても良い。また、印刷指示受付部101や図示しない受付部等が、印刷指示とともに、あるいは印刷指示の受付後に、ユーザ識別情報を受け付けるようにし、このユーザ識別情報をユーザ識別情報取得部111が取得するようにしても良い。ユーザ識別情報取得部111は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。ユーザ識別情報取得部111の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0020】
ユーザ別印刷部管理情報格納部112は、ユーザ識別情報と対応づけられており、1以上の帳票と、複数の印刷部102との対応関係を示す情報であるユーザ別印刷部管理情報が格納され得る。ユーザ別印刷部管理情報格納部112は、例えば、帳票の印刷が可能なユーザ数と同じ数、もしくはそれ以下の数だけも受けられていればよい。ユーザ別印刷部管理情報は、具体的には、1つの帳票データに対して、一つの印刷部102を対応付けて管理する情報であり、例えば一つの帳票データの帳票識別情報と、この帳票データに対応する印刷部102の印刷部識別情報とが対応付けられて、格納されている。具体的には、ユーザ別印刷部管理情報においては、例えば、対応する帳票識別情報と、印刷部識別情報とが、一つのレコードの2つの属性値として管理される。ユーザ別印刷部管理情報格納部112は、例えば、図示しないメモリ等に格納された、当該ユーザ別印刷部管理情報格納部112の識別情報と、ユーザ識別情報との対応関係を管理するための管理情報であるユーザ別格納部管理情報等を用いて管理される。ユーザ別印刷部管理情報格納部112は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0021】
印刷先決定部104は、ユーザ識別情報取得部111が取得したユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、印刷指示受付部101が受け付けた印刷指示により指定された帳票と印刷部との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、印刷指示に対応した帳票に対応する印刷部102を、帳票データを印刷する印刷部102を決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報を用いて、印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部102を、帳票データを印刷する印刷部に決定する。具体的には、まず、ユーザ識別情報取得部111が取得したユーザ識別情報に対応したユーザ別印刷部管理情報格納部112を、上述したユーザ別格納部管理情報等を用いて検出する。そして、検出したユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報をメモリ等に読み出し、印刷指示により指定された帳票データに対応する帳票識別情報を検索キーとして検索を行う。検索の結果、一致する帳票識別情報を含むレコードの印刷部識別情報が検出された場合、この印刷部識別情報に対応する印刷部102を、印刷指示により指定された帳票データを印刷する印刷部102に決定する。また、検索の結果、一致する帳票識別情報を含むレコードの印刷部識別情報が検出されなかった場合、印刷指示により指定された帳票データに対応する帳票識別情報を検索キーとして、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報を検索し、一致する帳票識別情報を含むレコードの印刷部識別情報を、印刷を行う印刷部102の印刷部識別情報として取得する。これにより、取得した印刷部識別情報に対応する印刷部102を、印刷指示により指定された帳票データを印刷する印刷部102に決定したこととなる。印刷先決定部104は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。印刷先決定部104の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0022】
帳票データ格納部105には、帳票の印刷に用いられるデータである帳票データが格納され得る。帳票データがどのように帳票データ格納部105に蓄積されるかは問わない。例えば、1以上の帳票に用いられるデータが格納されているデータベース等から、帳票に用いるデータが、情報処理装置1により、クエリ等を用いて取り出された帳票データが蓄積されても良い。また、各帳票別に用意されたデータベースのレコードを読み出したデータである帳票データが蓄積されても良い。帳票データ格納部105に帳票データが蓄積されるタイミング等は問わない。例えば、印刷指示を受け付けた場合に、印刷指示に対応した帳票データが情報処理装置1により構成されて蓄積されても良い。また、印刷指示を受け付けるよりも前に、モニタ等に帳票データを表示するために構成されて蓄積されていてもよい。帳票データ格納部105はハードディスク等の不揮発性の記憶媒体であっても良いし、メモリ等の揮発性の記憶媒体であっても良い。例えば、帳票データ格納部105は、情報処理装置1のアプリケーションソフトウェアを実行させる処理部等が、帳票の処理を行うために構成した帳票データを一時的に蓄積するためのメモリ等の記憶媒体であっても良いし、表示部等が、表示のために帳票データを一時的に蓄積しているVRAM等の記憶媒体であっても良い。また、帳票データを保存しておくためのハードディスクや光ディスク等の記憶媒体であっても良い。
【0023】
印刷処理部106は、印刷指示により指定された帳票データを帳票データ格納部105から読み出し、印刷先決定部104が決定した印刷部102に出力する。ここでの出力とは、帳票データを印刷部102に渡すことや、帳票データを、印刷部102が印刷に用いるデータを一時的にスプールするためのメモリ領域等に書き込むこと等を含む概念である。印刷処理部106は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。印刷処理部106の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0024】
次に、情報処理装置の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、予め、印刷部管理情報には、印刷部管理情報が格納されているものとする。また、帳票データ格納部105には、帳票データが格納されているものとする。
【0025】
(ステップS200)ユーザ識別情報取得部111は、ユーザ識別情報を取得する。例えば、情報処理装置1等へのログイン時に入力されたユーザID等をユーザ識別情報として取得する。
【0026】
(ステップS201)印刷指示受付部101は、印刷指示を受け付けたか否かを判断する。この印刷指示は、印刷の対象となる帳票の識別情報である帳票識別情報を含む指示であるとする。ここでは、例として、帳票識別情報は、帳票のID番号と、その帳票を呼び出して利用可能なメニュー(例えば帳票を読み出す実行ファイルに対応したメニュー)の識別情報であるメニューのID番号との組み合わせで構成されているものとする。例えば、ユーザが、あるメニューを実行中に、そのメニューで利用している帳票を印刷する指示を与えた場合、このメニューのID番号と、帳票データのID番号とを組み合わせた帳票識別情報を含む印刷指示を印刷指示受付部101が受け付ける。例えば印刷指示は、この帳票識別情報と印刷コマンドとの組み合わせである。印刷指示受付部101が印刷指示を受け付けた場合、ステップS202に進む。
【0027】
(ステップS202)印刷先決定部104は、ステップS201で受け付けた印刷指示から、帳票識別情報を取得する。
【0028】
(ステップS203)印刷先決定部104は、ステップS200において取得したユーザ識別情報に対応したユーザ別印刷部管理情報格納部112を検出する。例えば、ユーザ識別情報を検索キーに用いて、ユーザ識別情報とユーザ別印刷部管理情報格納部112の識別情報との対応関係を管理するユーザ別格納部管理情報を検索して、ユーザ識別情報に対応したユーザ別印刷部管理情報格納部112の識別情報を検出する。
【0029】
(ステップS204)印刷先決定部104は、ステップS202で取得した帳票識別情報を検索キーとして、ステップS203で検出したユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報に対して、検索キーと一致する帳票識別情報と対応付けられたユーザ別印刷部管理情報の検索を実行する。
【0030】
(ステップS205)印刷先決定部104は、検索キーと一致する帳票識別情報を含む印刷部識別情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS206に進み、ない場合、ステップS209に進む。
【0031】
(ステップS206)印刷先決定部104は、ステップS205で一致すると判断されたユーザ別印刷部管理情報から、印刷部識別情報を取得する。
【0032】
(ステップS207)印刷処理部106は、ステップS201で受け付けた印刷指示が含む帳票識別情報に対応した帳票データを帳票データ格納部105から読み出し、印刷先決定部104が取得した印刷部識別情報に対応した印刷部102に渡す。
【0033】
(ステップS208)ステップS207により帳票データを渡された印刷部102は、帳票データを印刷する。そして、ステップS201に戻る。
【0034】
(ステップS209)印刷先決定部104は、ステップS202で取得した帳票識別情報を検索キーとして、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報から、検索キーと一致する帳票識別情報と対応付けられた印刷部識別情報を、検索により取得する。そして、ステップS207に進む。
【0035】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0036】
以下、本実施の形態における情報処理装置の具体的な動作について説明する。情報処理装置の概念図は図3である。ここでは、情報処理装置1は、印刷デバイスである複数のプリンタ2と接続されているものとする。各プリンタ2は、情報処理装置1の各印刷部102と1対1で対応付けられており、各印刷部102からは、対応付けられたプリンタ2から帳票データの印刷が行われるものとする。なお、ここでは、例として印刷部102aが、プリンタaを、印刷部102bがプリンタbを、印刷部102cがプリンタcを用いて印刷を行なうものとする。また、ここでは、ユーザ識別情報が情報処理装置1へのログイン時の認証に利用されるユーザIDであるとする。
【0037】
まず、ユーザAが、情報処理装置1に対してユーザIDである「38002」を入力してログオンを行うと、ユーザ識別情報取得部111が、このユーザIDであるユーザ識別情報を取得する。
【0038】
次に、ユーザが、情報処理装置1の実行可能なメニューの中から、出納帳票を扱う処理を行うメニューを選択すると、出納帳票を扱うメニューに対応したプログラムが情報処理装置1内の図示しないMPU等で実行される。
【0039】
次に、当該メニューを操作して、ユーザが、帳票に割り当てられたIDが「100」である「合計残高試算表」という名称の帳票を表示する指示を情報処理装置1に与えたものとする。
【0040】
情報処理装置1内の図示しないMPU等は、ユーザによる帳票を表示する指示の選択に応じて、図示しないハードディスク等に予め格納されている帳票データのうちの、ユーザが指定する帳票データ、すなわち帳票のIDが「100」である「合計残高試算表」という帳票データをメモリ(RAM)等に読み出してモニタ等に表示する。また、この読み出した帳票データが一時記憶されているメモリが、ここでは、帳票データ格納部105であるとする。
【0041】
図4は、情報処理装置1の図示しないモニタに表示されている「合計残高試算表」という帳票データの表示例を示す図である。
【0042】
ここで、ユーザが、情報処理装置1のメニューを操作して、現在表示中の帳票を印刷する指示を情報処理装置1に与えたとすると、印刷指示受付部101は、現在表示中の帳票を印刷する印刷指示を受け付ける。印刷先決定部104は、印刷指示により指定された帳票の帳票識別情報を取得する。ここでは、現在表示中の帳票の帳票識別情報を、例えば、帳票データ格納部105、あるいは、表示のための処理を行う処理部(図示せず)等から取得する。なお、現在表示中の帳票に対する印刷指示を受け付ける代わりに、ユーザから、印刷を希望する帳票の帳票識別情報の入力を直接受け付けるようにしてもよい。この帳票識別情報は、印刷指示に含まれていても良い。
図5は、印刷先決定部104が取得した帳票識別情報を示す図である。帳票識別情報は、ここでは、「メニューID」と、「帳票ID」という属性の組み合わせにより構成されている。「メニューID」は、帳票データを読み出したメニューの識別情報であり、ここでは、出納帳票を扱うメニューに対応するIDである「03」であるとする。「帳票ID」はメニューに応じて利用可能な帳票のIDであり、ここでは上述したように「100」である。
【0043】
図6は、ユーザ識別情報と、ユーザ別印刷部管理情報格納部112との対応関係を管理するためのユーザ別格納部管理表である。ユーザ別格納部管理表は、「ID」と「ユーザ識別情報」と、「ユーザ別格納部識別情報」という属性を有している。「ID」は、レコードを管理するための識別情報である。「ユーザ識別情報」は、上述したユーザ識別情報である。「ユーザ別格納部識別情報」は、ユーザ別印刷部管理情報格納部112の識別情報であるユーザ別格納部識別情報である。例えば、ユーザ別印刷部管理情報格納部112aのユーザ別格納部識別情報は「U001」、ユーザ別印刷部管理情報格納部112bのユーザ別格納部識別情報は「U002」等であるとする。同じレコードの「ユーザ識別情報」の属性値と、「ユーザ別格納部識別情報」の属性値とが、対応するユーザ識別情報とユーザ別印刷部識別情報とを示している。
【0044】
次に、印刷先決定部104は、ユーザ識別情報取得部111が取得したユーザ識別情報に対応したユーザ別印刷部管理情報格納部112を検出する。具体的には、図6に示したいユーザ別印刷部管理表において、ユーザ識別情報「38002」を検索キーとして、「ユーザ識別情報」の属性値が一致するレコードを検索する。ここでは、「ID」が「002」のレコードが検索される。そして、検索されたレコードの「ユーザ別格納部識別情報」である「U001」を、印刷先決定部104は取得する。これにより、「ユーザ別格納部識別情報」が「U001」であるユーザ別印刷部管理情報格納部112bが、ユーザAに対応したユーザ別印刷部管理情報格納部112であると判断される。
【0045】
図7は、ユーザ別印刷部管理情報格納部112bに格納されているユーザ別印刷部管理情報を示す図である。印刷部管理情報は、「メニューID」、「帳票ID」、「印刷部ID」という属性を有している。「メニューID」および「帳票ID」については、図5と同様であるので説明は省略する。「印刷部ID」は、帳票データの印刷に用いられる印刷部102の印刷部識別情報である。ここでは、「メニューID」と「帳票ID」との組み合わせである帳票識別情報により決定されるレコードの「印刷部ID」に対応する印刷部102において、帳票データの印刷が行われるものとする。ここでは、例えば印刷部102aの「印刷部ID」が「P001」、印刷部102bの「印刷部ID」が「P002」、印刷部102cの「印刷部ID」が「P003」等であるとする。なお、「印刷部ID」は、各印刷部が印刷物を出力するプリンタの識別情報、例えばネットワーク上のアドレス等としてもよい。
【0046】
次に、印刷先決定部104は、印刷指示受付部101が受け付けた印刷指示の帳票識別情報、ここでは、図5に示したメニューID「01」と帳票ID「100」との組み合わせを取得する。そして、この帳票識別情報を検索キーとして、ユーザ別印刷部管理情報格納部112bに格納されている印刷部管理情報において、この検索キーに一致するレコードを検索する。ここでは、「メニューID」の属性値が「01」で、「帳票ID」の属性値が「100」であるレコードが検出される。そして、一致するレコードの「印刷部ID」を読み出す。ここでは、図7に示すように、一致するレコードの「印刷部ID」が「P002」であるため、印刷先決定部104は、「P002」を読み出す。この「P002」が印刷指示に対応した印刷部識別情報である。
【0047】
次に、印刷処理部106は、帳票データ格納部105から、印刷指示受付部101が受け付けた印刷指示により指定された帳票データ、ここでは、印刷指示が表示中の帳票の印刷指示であることから、現在表示に用いられている。帳票のデータである帳票データを読み出し、印刷先決定部104が決定した印刷先、すなわち印刷部識別情報が「P002」である印刷部102に渡す。ここでは、印刷部識別情報が「P002」である印刷部102は、印刷部102bであるため、帳票データを、印刷部102bに渡す。
【0048】
印刷部102bは、印刷処理部106から渡された帳票データを用いて、印刷用のデータを構成して、印刷部102bに対応したプリンタ2から帳票データを印刷する。
【0049】
ここで、例えば、図7に示したユーザ別印刷部管理情報格納部112bに格納されているユーザ別印刷部管理情報に、「メニューID」の属性値が「01」で、「帳票ID」の属性値が「100」であるレコードがなかったとする。
【0050】
この場合、印刷先決定部104は、「メニューID」の属性値が「01」で、「帳票ID」の属性値が「100」であるレコードを検出できない。
【0051】
図8は、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報を示す図である。印刷部管理情報の詳細については、図7に示したユーザ別印刷部管理情報と同様であるので説明は省略する。
【0052】
このため、印刷先決定部104は、図8に示した、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報から、図5に示したメニューID「01」と帳票ID「100」とを組み合わせた帳票識別情報に対応した印刷部識別情報を検索して、印刷先を決定する処理を行う。具体的には、印刷部管理情報から、「メニューID」の属性値が「01」で、「帳票ID」の属性値が「100」であるレコードが検出され、検出されたレコードの「印刷部ID」を読み出す。ここでは、図8に示すように、一致するレコードの「印刷部ID」が「P001」であるため、印刷先決定部104は、「P001」を読み出す。この「P001」が印刷指示に対応した印刷部識別情報である。
【0053】
次に、印刷処理部106は、帳票データ格納部105から、印刷指示受付部101が受け付けた印刷指示により指定された帳票データ、ここでは、印刷指示が表示中の帳票の印刷指示であることから、現在表示に用いられている。帳票のデータである帳票データを読み出し、印刷先決定部104が決定した印刷先、すなわち印刷部識別情報が「P001」である印刷部102に渡す。ここでは、印刷部識別情報が「P001」である印刷部102は、印刷部102aであるため、帳票データを、印刷部102aに渡す。
【0054】
印刷部102aは、印刷処理部106から渡された帳票データを用いて、印刷用のデータを構成して、印刷部102aに対応したプリンタ2から帳票データを印刷する。
【0055】
なお、上記の具体例においては、各ユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報を、一つのファイル等として、図示しない出力部等から、書き出したり、図示しない受付部等から受け付けて所望のユーザ別印刷部管理情報格納部112に蓄積できるようにしても良い。このような構成とすることで、他のユーザ向けに設定されたユーザ別印刷部管理情報を、その他のユーザにファイル等を介して複写することができ、ユーザ別印刷部管理情報を設定する労力を削減することができる。
【0056】
なお、上記具体例においては、帳票識別情報を、「メニューID」と「帳票ID」との組み合わせとしたが、帳票識別情報は、帳票データを識別可能な情報であればよく、例えば情報処理装置1が扱う帳票データに個別に割り当てられた「帳票ID」だけであっても良い。ただし、帳票識別情報を、「メニューID」と「帳票ID」との組み合わせとすることで、異なるメニュー間で「帳票ID」が重複しても、異なる帳票データであると識別できるため、「帳票ID」のデータ量を削減できる。
【0057】
以上、本実施の形態によれば、帳票識別情報と、印刷部識別情報とを管理するユーザ別印刷部管理情報および印刷部管理情報を用いて、印刷対象となる帳票の帳票識別情報に対応した印刷部102を決定して、この印刷部102により帳票データを印刷するようにしたことにより、一旦各アプリケーションをそれぞれ立ち上げて印刷先を変更することなく、帳票に応じた印刷部102により印刷を行うことができ、各帳票に適した印刷を容易に行うことができる。
【0058】
また、ユーザ別に用意されたユーザ別印刷部管理情報を用いて、帳票に対応した印刷先を決定できる場合には、このユーザ別印刷部管理情報で指定される印刷先から優先的に印刷を行うことができるため、ユーザの個別の設定を生かした印刷先の指定を行うことができる。
【0059】
なお、上記実施の形態において、さらに、帳票別に、印刷する際に用いられるパラメータを変更するようにしても良い。
【0060】
以下、このような変形例について説明する。図17は、本実施の形態にかかる情報処理装置の変形例を示すブロック図である。図において、図1と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0061】
情報処理装置1aは、上記実施の形態に示した情報処理装置1において、さらに、印刷パラメータ情報格納部170を備えている。
【0062】
印刷パラメータ情報格納部170には、複数の印刷部102が1以上の帳票を印刷する際に用いるパラメータを指定する情報である印刷パラメータ情報が1以上格納され得る。印刷パラメータ情報とは、印刷時の設定を行うための情報であり、例えば、印刷時における用紙サイズや、給紙方法、印刷の向き、左右上下の余白、倍率、両面印刷を行うか否か、印刷のクオリティ等を指定するための情報の組み合わせである。印刷パラメータ情報は、例えば、1以上の帳票と、当該帳票を印刷する複数の印刷部102との組み合わせに応じて設定される。ここでは例として印刷パラメータ情報には、当該印刷パラメータ情報を識別するための印刷パラメータ識別情報が付与されているとする。印刷パラメータ情報の一例を図18に示す。印刷パラメータ情報格納部170は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0063】
また、この変形例の各ユーザ別印刷部管理情報格納部112は、上記実施の形態にかかるユーザ別印刷部管理情報格納部が、1以上の帳票と、複数の印刷部102と、上述した印刷パラメータ情報との対応関係を示す情報であるユーザ別印刷部管理情報を格納し得るようにしたものである。具体的には、ユーザ別印刷部管理情報には、帳票識別情報と、印刷部識別情報と、印刷パラメータ識別情報とが対応付けて格納されているものとする。ユーザ別印刷部管理情報の一例として、ユーザ識別情報「38001」に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報を図19に示す。その他の点については、上記実施の形態にかかるユーザ別印刷部管理情報格納部と同様である。
【0064】
また、この変形例の印刷部管理情報格納部103は、上記実施の形態にかかるユーザ別印刷部管理情報格納部が、1以上の帳票と、前記複数の印刷部と、上述した印刷パラメータ情報との対応関係を示す情報である印刷部管理情報を格納し得るようにしたものである。具体的には、印刷部管理情報には、帳票識別情報と、印刷部識別情報と、印刷パラメータ識別情報とが対応付けて格納されているものとする。その他の点については、上記実施の形態にかかるユーザ別印刷部管理情報格納部と同様である。
【0065】
また、この変形例の印刷先決定部104は、上記実施の形態にかかる印刷先決定部において、さらに、ユーザ識別情報取得部111が取得したユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、印刷指示により指定された帳票と印刷部102との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、印刷指示により指定された帳票に対応する印刷パラメータ情報を、印刷に用いる印刷パラメータ情報に決定するようにしたものである。さらに、ユーザ識別情報取得部111が取得したユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、印刷指示により指定された帳票と印刷部102との対応関係を示す情報が対応関係を示す情報が含まれない場合に、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報を用いて、印刷指示により指定された帳票に対応する印刷パラメータ情報を、印刷に用いる印刷パラメータ情報に決定するようにしたものである。上述した検出処理は、具体例としては、ユーザ別印刷部管理情報または印刷部管理情報のうちの、印刷指示により指定される帳票識別情報と一致する帳票識別情報が含まれるレコードを検索し、このレコードに含まれる印刷パラメータ識別情報を検出する処理である。なお、これ以外の印刷先決定部104の構成等については、上記実施の形態と同様である。
【0066】
この変形例の印刷処理部106は、上記実施の形態の印刷処理部において、さらに、印刷先決定部104が決定した印刷パラメータ情報を、印刷パラメータ情報格納部170から読み出し、印刷先決定部104が決定した印刷部102に出力するようにしたものである。具体的には、印刷処理部106は、上述したような帳票データを読み出す処理等に加えて、印刷先決定部104が検出した印刷パラメータ識別情報に対応した印刷パラメータ情報を、印刷パラメータ情報格納部170から読み出し、印刷先決定部104が決定した印刷部102に出力する。なお、これ以外の印刷処理部106の構成等については、上記実施の形態と同様である。
【0067】
この変形例の印刷部102は、上記実施の形態の印刷部において、さらに、印刷処理部106が出力する印刷パラメータ情報を用いて帳票データの印刷を行う。具体的には、印刷の際の用紙サイズの設定や、倍率等の設定を、印刷パラメータ情報が示す値に設定する。これ以外の印刷部102の構成等については上記実施の形態と同様である。
【0068】
この変形例においては、例えば、ユーザ識別情報として、ユーザ識別情報取得部111がユーザ識別情報「38001」を取得し、印刷指示受付部101が、帳票識別情報が「201」である帳票を印刷する印刷指示を受け付けたとすると、印刷先決定部104が、ユーザ識別情報「38001」に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されている、図19に示すようなユーザ別印刷部管理情報から、印刷部識別情報「P001」と、印刷パラメータ識別情報「PP01」とを検出する。そして、印刷処理部106が、図18に示す印刷パラメータ情報から、印刷パラメータ識別情報「PP01」に対応する印刷パラメータ情報を読み出し、この印刷パラメータ情報を、印刷データに加えて、印刷部識別情報「P001」に対応する印刷部102に送信する。これにより、印刷部識別情報「P001」に対応する印刷部102から、印刷パラメータ識別情報「PP01」に対応する印刷パラメータ情報が示す設定によって、印刷が行われることとなる。
【0069】
また、ユーザ識別情報に対応したユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、印刷指示により指定された帳票と印刷部102との対応関係を示す情報が対応関係を示す情報が含まれない場合、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報を用いて、同様の処理が行われる。
【0070】
このような変形例によれば、予め用意された、各帳票に応じた印刷の設定で、帳票に応じた印刷部102から、帳票の印刷を行うことが可能となり、帳票に応じた最適な印刷結果を得ることができる。
【0071】
なお、この変形例においては、ユーザ別印刷部管理情報と印刷部管理情報の両方に、印刷パラメータ情報を対応付けて格納ようにした場合について説明したが、必要に応じて、ユーザ別印刷部管理情報と印刷部管理情報の両方に、いずれか一方だけを対応付けて格納するようにしても良い。
【0072】
(実施の形態2)
本実施の形態の情報処理装置は、帳票をツリー(木)構造に階層化して管理されているようにするとともに、サブツリー単位で、帳票のデータを印刷する印刷部を指定できるようにしたものである。
【0073】
図9は、本実施の形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
情報処理装置10は、帳票データ格納部105、印刷指示受付部101、一以上の印刷部102、印刷部管理情報格納部103、印刷先決定部104、印刷処理部106、一以上のユーザ識別情報取得部111、ユーザ別印刷部管理情報格納部112、帳票構造情報格納部107、印刷部指定受付部108、印刷部指定蓄積部109を具備する。
【0074】
帳票データ格納部105、印刷指示受付部101、一以上の印刷部102、印刷部管理情報格納部103、印刷先決定部104、印刷処理部106、一以上のユーザ識別情報取得部111、ユーザ別印刷部管理情報格納部112の構成については、情報処理装置1と同様であるので説明は省略する。
【0075】
帳票構造情報格納部107は、階層化された帳票のツリー構造を示す帳票構造情報が格納されている。ツリー構造に階層化して管理されている帳票とは、具体的には、帳票の用途や、帳票に対する権限や、帳票を利用するユーザや、使用目的や、使用場所等に応じて階層化されて管理されている帳票のことである。このツリー構造は、サブツリーの末端にのみに帳票を指定する情報等が含まれ、サブツリーの分岐点であるノード等は、帳票を指定する情報を論理的にくくるだけのものであっても良い。例えば、会社の組織図等に合わせて、帳票を印刷するユーザの権限別に階層化されて管理されている帳票群であり、この帳票群においては、上位の階層に対応したユーザは、全ての帳票の印刷が可能であり、それ以下の各階層のユーザは、自分のノード以下の、サブツリーに配置される帳票だけが印刷可能である。帳票構造情報は、具体的には、帳票の階層関係や、帳票の存在するサブツリー等を管理するための情報である。帳票構造情報において、どのように帳票の階層関係等の構造等が指定されているかは問わない。例えば、各帳票の識別情報等にツリー構造上のパスや、ディレクトリ等を対応づけて、階層関係等が指定されていても良いし、XML等のように、帳票の識別情報等を、タグ付けして入れ子構造に記述することで、階層構造が指定されていても良い。帳票構造情報格納部107は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0076】
印刷部指定受付部108は、帳票のツリー構造のノードに対する印刷部102の指定を受け付ける。例えば、印刷部指定受付部108は、帳票のツリー構造のノードを指定する情報と、当該ノードに対する印刷部識別情報との組み合わせを受け付ける。ここで述べる受付とは、例えば、入力手段からの受付や、他の機器等から送信される入力信号の受信や、記録媒体等からの情報の読み出し等である。この入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。印刷部指定受付部108は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0077】
印刷部指定蓄積部109は、印刷部102の指定を受け付けたノード以下のサブツリーの1以上の帳票と、当該指定された印刷部102とを対応づけた印刷部管理情報を、印刷部管理情報格納部103に蓄積する。具体的には、印刷部102の指定を受け付けたノードのサブツリーに位置する1以上の帳票を、帳票構造情報格納部107に格納されている帳票構造情報を用いて判断し、判断された一以上の帳票の識別情報に対して、印刷部指定受付部108で指定された印刷部の印刷部識別情報を対応づけた印刷部管理情報を構成する。そして、構成した印刷部管理情報を印刷部管理情報格納部103に蓄積する。印刷部指定蓄積部109は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。印刷部指定蓄積部109の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0078】
次に、フローチャートについて、図10を用いて説明する。なお、図10において、図2と同一のステップは、同一又は相当するステップを示しているため、説明は省略する。
【0079】
(ステップS210)印刷部指定受付部108は、帳票のツリー構造のノードに対する印刷部102の指定を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS211に進み、受け付けていない場合、ステップS201に戻る。
【0080】
(ステップS211)印刷部指定蓄積部109は、指定を受け付けたノード以下のサブツリーの1以上の帳票と、当該指定された印刷部102とを対応づけた印刷部管理情報を、印刷部管理情報格納部103に蓄積する。既に蓄積されている印刷部管理情報がある場合、上書きして蓄積しても良い。そして、ステップS201に戻る。
【0081】
なお、図10のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0082】
以下、具体例について説明する。ただし、ここでは、帳票に応じて印刷部102を決定する処理等については、上記実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0083】
図11は、帳票構造情報格納部107に格納されている、帳票の構造を管理するための帳票構造情報の一例を示す図である。帳票管理情報は、「ID」と、「メニューID」と、「帳票ID」と、「帳票名」と、「第一階層」と、「第二階層」と、「第三階層」という属性を有している。「ID」はレコードを管理するための識別情報である。「メニューID」および「帳票ID」は、上記実施の形態1の具体例において、図5を用いて説明した帳票識別情報と同じであるのでここでは説明を省略する。「帳票名」は帳票の名称である。ただし、この名称は省略しても良いし、「帳票ID」と兼用しても良い。「第一階層」、「第二階層」、および「第三階層」は、ツリー構造のルートから、「メニューID」と「帳票ID」とを組み合わせた帳票識別情報で特定される各帳票に達するサブツリー上の、第一階層、第二階層、および第三階層のノード名である。例えば、帳票IDが「001」の帳票と、帳票IDが「002」の帳票とは、「運用設定」という第二階層のノード下の帳票である。なお、第一階層は、ルートに次いで階層の高い階層であり、第三階層は、ルートから最も低い階層である。また、「第一階層」、「第二階層」、および「第三階層」のうち、ノードがない階層は、「−」で表されている。
【0084】
まず、情報処理装置10の管理者等が、帳票に対する印刷部102の指定を行うための、入力画面をモニタ等に表示する指示を、情報処理装置10の図示しない受付部等に与えたとする。
【0085】
情報処理装置10の、入力画面の構成を行う画面構成部(図示せず)は、図11に示したような帳票構造情報を、帳票構造情報格納部107から読み出して、帳票をツリー構造で表しているとともに、そのツリー構造の各ノードや帳票についてのプリンターの指定を受け付けたことを示すチェックボックス等を備えた入力画面を構成する。そして、図示しない表示部等がこの構成した入力画面をモニタ等に表示する。
【0086】
図12は、情報処理装置10がモニタ等に表示する入力画面の一例を示す図である。図に示すように、図11に示すような帳票構造情報にあわせて、各帳票がツリー構造で表示されているとともに、各ノードには、図11に示したノード名と、そのノードについてのプリンタの指定を受け付けるためのチェックボックスが設けられている。
【0087】
次に、管理者等が、マウス等を操作して、プリンタ102を設定したいノードにチェックボックスにチェックを入れると、このチェックボックスにチェックをいれたことを示す情報を、印刷部指定受付部108が受け付ける。ここでは、例として、管理者等が、「倉庫登録」というノード名のチェックボックス120にチェックを入れたとする。
【0088】
情報処理装置10の図示しない画面構成部は、チェックボックスにチェックが入れられたことをトリガーとして、印刷部102の指定を受け付ける入力画面を構成する。この構成した入力画面を、図示しない表示部が、図13に示すようにモニタに表示する。
【0089】
管理者等が、入力画面から印刷部102を指定する情報を入力して、「登録」ボタン130を押すと、印刷部指定受付部108は、入力された印刷部102の識別情報と、チェックボックスに対応した属性および属性値、具体的には、階層およびノード名、との組み合わせを受け付ける。ここでは、印刷部102を指定する情報として、上述したような「印刷部ID」である「P001」を入力したとすると、印刷部指示受付部108は、印刷部識別情報「P001」と、階層「第二階層」およびノード名「倉庫登録」とを受け付ける。なお、印刷部名やプリンタ名と、印刷部識別情報とが対応付けられて、管理情報等を用いて管理されている場合、印刷部名やプリンタ名をノードに対して指定しても良く、この場合、指定された印刷部名やプリンタ名に対応する印刷部識別情報を、印刷部指定受付部108等が適宜、管理情報から検索等により取得するようにすれば良い。
【0090】
印刷部指定受付部108が、印刷部識別情報とノード名との組み合わせ、ここでは印刷部識別情報「P001」と、階層「第二階層」およびノード名「倉庫登録」との組み合わせを受け付けると、印刷部指定蓄積部109は、帳票構造情報格納部107に格納されている帳票格納情報から、「第二階層」属性が「倉庫登録」という属性値であるレコードを検索等により検出する。そして、そのレコードの帳票識別情報を全て取得する。ここでは、「ID」が「6」および「7」のレコードの「第二階層」属性が、「倉庫登録」という属性値であるため、メニューID「06」と帳票ID「006」とを組み合わせた帳票識別情報と、メニューID「06」と帳票ID「007」とを組み合わせた帳票識別情報とを印刷部指定受付部108が取得する。そして、取得した帳票識別情報と、印刷部指定受付部108が受け付けた印刷部識別情報「P001」とを対応付けて、を印刷部管理情報格納部103に蓄積する。具体的には、図8に示した印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報に、メニューID「06」および帳票ID「006」により構成される帳票識別情報と印刷部識別情報である印刷部ID「P001」とを組み合わせたレコードと、メニューID「06」および帳票ID「007」により構成される帳票識別情報と印刷部識別情報である印刷部ID「P001」とを組み合わせたレコードとを、印刷部管理情報に追加する。なお、既に、これらの帳票識別情報と同じ帳票識別情報を含むレコードがある場合、このレコードの「印刷部ID」を、印刷部指定受付部108が受け付けた印刷部識別情報で上書きする。この結果、図14に示すような印刷部管理情報が得られる。
【0091】
以上、本実施の形態においては、印刷部管理情報に対する追加や変更を行う際に、帳票に対する印刷部の指定を、階層のノード単位でまとめて行うことが可能となるため、印刷部管理情報の追加や変更を短時間で容易に行うことができる。
【0092】
また、例えば、帳票が利用用途別にツリー構造化されている場合等においては、通常同じノードの下位に位置している帳票同士は、同じ場所、例えば同じ部署内で利用されるものであることが多い。このような場合において、帳票に対して、階層のノード単位で、印刷部の指定を行うことにより、同じノードの下位に位置している利用用途が似ている帳票については、印刷を行う印刷部102を同時に指定できるため、作業性が向上するとともに、利用用途が似ている帳票等に対する印刷部102の指定漏れ等をなくすことができる。
【0093】
なお、本実施の形態において、ユーザ別の帳票を印刷する印刷部102の指定が不要な場合、ユーザ識別情報取得部111やユーザ別印刷部管理情報格納部112等は省略しても良い。
【0094】
また、本実施の形態においては、印刷部管理情報格納部103に格納されてる印刷部管理情報の追加や変更を行う代わりに、上述した印刷部指定受付部108、印刷部指定蓄積部109、及び帳票構造情報格納部107を用いて、ユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されてるユーザ別印刷部管理情報の追加や変更を上記と同様に行うようにしてもよい。
【0095】
また、本実施の形態において、上述した印刷部指定受付部108、印刷部指定蓄積部109、及び帳票構造情報格納部107を用いて、あるいは同様の構成を追加して、ユーザ別印刷部管理情報格納部112に格納されてるユーザ別印刷部管理情報の追加や変更を上記と同様に行うようにしてもよい。
【0096】
また、本実施の形態において、印刷部管理情報格納部103に格納されている印刷部管理情報と、帳票構造情報格納部107に格納されている帳票構造情報とを組み合わせた情報を用いて、帳票の印刷に利用する印刷部102の管理と、帳票のツリー構造とを、管理するようにしても良い。
【0097】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0098】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0099】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをMPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0100】
なお、上記各実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、前記ユーザ識別情報取得部が取得したユーザ識別情報に対応付けられて格納されている、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報であるユーザ別印刷部管理情報に、前記印刷指示により指定された帳票と印刷部との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、格納されている前記1以上の帳票と前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、格納されている前記印刷指示により指定された帳票データを読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、して機能させるためのプログラムである。
【0101】
また、このプログラムは、コンピュータを、ツリー構造に階層化された1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、前記帳票のツリー構造のノードに対する前記印刷部の指定を受け付ける印刷部指定受付部と、前記印刷部の指定を受け付けたノードのサブツリーの1以上の帳票と、当該指定された印刷部とを対応づけた前記印刷部管理情報を、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部に蓄積する印刷部指定蓄積部と、前記印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、前記印刷指示により指定された帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、格納されている前記印刷指示により指定された帳票データを読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、して機能させるためのプログラムである。
【0102】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0103】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0104】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0105】
図15は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による情報処理装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される。
【0106】
図15において、コンピュータシステム500は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ505、FD(Flexible Disk)ドライブ506を含むコンピュータ501と、キーボード502と、マウス503と、モニタ504とを備える。
【0107】
図16は、コンピュータシステムを示す図である。図16において、コンピュータ501は、CD−ROMドライブ505、FDドライブ506に加えて、MPU(Micro Processing Unit)511と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)512と、MPU511に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)513と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク514と、MPU511、ROM512等を相互に接続するバス515とを備える。なお、コンピュータ501は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0108】
コンピュータシステム500に、上記実施の形態による情報処理装置の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM521、またはFD522に記憶されて、CD−ROMドライブ505、またはFDドライブ506に挿入され、ハードディスク514に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ501に送信され、ハードディスク514に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM513にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM521やFD522、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0109】
プログラムは、コンピュータ501に、上記実施の形態による情報処理装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム500がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0110】
また、上記各実施の形態では、情報処理装置がスタンドアロンである場合について説明したが、情報処理装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、受付部や印刷部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、帳票データを印刷したりすることになる。
【0111】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上のように、本発明にかかる情報処理装置等は、帳票データの印刷に用いられる情報処理装置として適しており、特に帳票データの印刷先として複数のプリンタ等を使い分けることが可能な情報処理装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の実施の形態1における情報処理装置のブロック図
【図2】同情報処理装置の動作について説明するフローチャート
【図3】同情報処理装置の概念図
【図4】同情報処理装置の表示例を示す図
【図5】同情報処理装置の帳票識別情報を示す図
【図6】同情報処理装置のユーザ別格納部管理表を示す図
【図7】同情報処理装置のユーザ別印刷部管理情報を示す図
【図8】同情報処理装置の印刷部管理情報を示す図
【図9】本発明の実施の形態2における情報処理装置のブロック図
【図10】同情報処理装置の動作について説明するフローチャート
【図11】同情報処理装置の帳票構造情報を示す図
【図12】同情報処理装置の表示例を示す図
【図13】同情報処理装置の表示例を示す図
【図14】同情報処理装置の印刷部管理情報を示す図
【図15】同情報処理装置を実現するコンピュータシステムの外観一例を示す図
【図16】同情報処理装置を実現するコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【図17】本発明の実施の形態1における情報処理装置の変形例のブロック図
【図18】本発明の実施の形態1における情報処理装置の変形例の印刷パラメータ情報管理表を示す図
【図19】本発明の実施の形態1における情報処理装置の変形例のユーザ別印刷部管理情報を示す図
【符号の説明】
【0114】
1、10 情報処理装置
2 プリンタ
101 帳票データ格納部
101 印刷指示受付部
102、102a、102b、102c 印刷部
103 印刷部管理情報格納部
104 印刷先決定部
106 印刷処理部
107 帳票構造情報格納部
108 印刷部指定受付部
109 印刷部指定蓄積部
170 印刷パラメータ情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、
前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、
前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部と、
ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、
前記ユーザ識別情報と対応付けられており、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報であるユーザ別印刷部管理情報が格納され得る1以上のユーザ別印刷部管理情報格納部と、
前記ユーザ識別情報取得部が取得したユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、前記印刷指示により指定された帳票と印刷部との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、前記印刷部管理情報格納部に格納されている印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、
前記印刷指示により指定された帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、
前記印刷指示により指定された帳票データを前記帳票データ格納部から読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷部が帳票を印刷する際に用いるパラメータを指定する情報である印刷パラメータ情報が1以上格納され得る印刷パラメータ情報格納部をさらに具備し、
前記印刷部管理情報格納部は、1以上の帳票と、前記複数の印刷部と、前記印刷パラメータ情報との対応関係を示す情報である前記印刷部管理情報を格納し得るものであり、
前記ユーザ別印刷部管理情報格納部は、1以上の帳票と、前記複数の印刷部と、前記印刷パラメータ情報との対応関係を示す情報である前記ユーザ別印刷部管理情報を格納し得るものであり、
前記印刷先決定部は、さらに、ユーザ識別情報取得部が取得したユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、前記印刷指示により指定された帳票と印刷部との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷パラメータ情報を、印刷に用いる印刷パラメータ情報に決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、前記印刷部管理情報格納部に格納されている印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷パラメータ情報を、印刷に用いる印刷パラメータ情報に決定し、
前記印刷処理部は、さらに、前記印刷先決定部が決定した前記印刷パラメータ情報を、前記印刷パラメータ情報格納部から読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力し、
前記印刷部は、さらに、前記印刷処理部が出力する印刷パラメータ情報を用いて帳票データの印刷を行う請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
ツリー構造に階層化された1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、
前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、
前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部と、
前記帳票のツリー構造のノードに対する前記印刷部の指定を受け付ける印刷部指定受付部と、
前記印刷部の指定を受け付けたノードのサブツリーの1以上の帳票と、当該指定された印刷部とを対応づけた前記印刷部管理情報を、前記印刷部管理情報格納部に蓄積する印刷部指定蓄積部と、
前記印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、
前記印刷指示により指定された帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、
前記印刷指示により指定された帳票データを前記帳票データ格納部から読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項4】
印刷指示受付部と、複数の印刷部と、1以上の帳票と前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部と、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報と対応付けられており、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報であるユーザ別印刷部管理情報が格納され得る1以上のユーザ別印刷部管理情報格納部と、ユーザ識別情報取得部と、印刷先決定部と、帳票のデータである帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、印刷処理部とを用いて行われる情報処理方法であって、
前記印刷指示受付部が、1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付ステップと、
前記ユーザ識別情報取得部が、前記ユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得ステップと、
前記ユーザ識別情報取得ステップで取得したユーザ識別情報に対応するユーザ別印刷部管理情報格納部に格納されているユーザ別印刷部管理情報に、前記印刷指示により指定された帳票と印刷部との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、前記印刷部管理情報格納部に格納されている印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定ステップと、
前記印刷処理部が、前記印刷指示により指定された帳票データを前記帳票データ格納部から読み出し、前記印刷先決定ステップで決定した印刷部に出力する印刷処理ステップと、
前記印刷先決定ステップで決定された印刷部が、前記印刷処理ステップで出力された帳票データの印刷を行う印刷ステップと、
を備えた情報処理方法。
【請求項5】
印刷指示受付部と、複数の印刷部と、ツリー構造に階層化された1以上の帳票と前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部と、印刷部指定受付部と、印刷先決定部と、帳票のデータである帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、印刷処理部とを用いて行われる情報処理方法であって、
前記印刷指示受付部が、1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付ステップと、
前記印刷部指定受付部が、前記帳票のツリー構造のノードに対する前記印刷部の指定を受け付ける印刷部指定受付ステップと、
前記印刷部指定蓄積部が、前記印刷部の指定を受け付けたノードのサブツリーの1以上の帳票と、当該指定された印刷部とを対応づけた前記印刷部管理情報を、前記印刷部管理情報格納部に蓄積する印刷部指定蓄積ステップと、
前記印刷先決定部が、前記印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定ステップと、
印刷処理部が、前記印刷指示により指定された帳票データを前記帳票データ格納部から読み出し、前記印刷先決定ステップで決定した印刷部に出力する印刷処理ステップと、
前記印刷先決定ステップで決定された印刷部が、前記印刷処理ステップで出力された帳票データの印刷を行う印刷部ステップと、
を備えた情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、
前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、
ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、
前記ユーザ識別情報取得部が取得したユーザ識別情報に対応付けられて格納されている、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報であるユーザ別印刷部管理情報に、前記印刷指示により指定された帳票と印刷部との対応関係を示す情報が含まれる場合に、当該ユーザ別印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定し、対応関係を示す情報が含まれない場合に、格納されている前記1以上の帳票と前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、
格納されている前記印刷指示により指定された帳票データを読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
ツリー構造に階層化された1以上の帳票に対する印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、
前記1以上の帳票のデータである帳票データの印刷を行う複数の印刷部と、
前記帳票のツリー構造のノードに対する前記印刷部の指定を受け付ける印刷部指定受付部と、
前記印刷部の指定を受け付けたノードのサブツリーの1以上の帳票と、当該指定された印刷部とを対応づけた前記印刷部管理情報を、前記1以上の帳票と、前記複数の印刷部との対応関係を示す情報である印刷部管理情報が格納され得る印刷部管理情報格納部に蓄積する印刷部指定蓄積部と、
前記印刷部管理情報を用いて、前記印刷指示により指定された帳票に対応する印刷部を、帳票データを印刷する印刷部に決定する印刷先決定部と、
前記印刷指示により指定された帳票データが格納され得る帳票データ格納部と、
格納されている前記印刷指示により指定された帳票データを読み出し、前記印刷先決定部が決定した印刷部に出力する印刷処理部と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−93390(P2009−93390A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262982(P2007−262982)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(593089895)株式会社オービックビジネスコンサルタント (52)
【Fターム(参考)】