説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】 画像データをエンコードしたエンコードデータのデコードに失敗した場合でも、該画像データの画像が全く見られない事態を回避できる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 エンコードされているFAX受信データをデコードしたときにデコードエラーが発生した場合に、該デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、FAX受信データが他の装置でデコードされるように該FAX受信データを送信する処理、または、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコードされた画像データをデコードしたときに、デコードエラーが発生しても画像データの画像が全く見られない事態を回避することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、オフィス環境等において、公衆回線等を介してファクシミリ(FAX)文書(或はインターネットFAX文書)を受信して蓄積したりプリントしたりすることができる装置(複合機)と、複数台のコンピュータとがネットワークで接続され、コンピュータから複合機にアクセスし、蓄積されたFAX受信文書を取り出して閲覧(表示あるいはプリント)したりすることができるシステムが広く導入されている。
【0003】
コンピュータから複合機にアクセスし、蓄積されたFAX受信文書を取り出して閲覧する処理は、一般的には、コンピュータに搭載されたネットワークスキャナドライバ(以下、スキャナドライバ)により行われる。受信されるFAX文書は、何らかの方式でエンコード(符号化、圧縮)されている場合がある。圧縮されたFAX文書は複合機から該FAX文書を取り込むときにスキャナドライバのデコード機能でデコードされるが、このときに、デコードエラーが発生することがある。
【0004】
デコードエラー発生の原因としては、公衆回線あるいはネットワークの品質が悪く、通信途中のノイズ等によりFAX文書に異常が発生した、あるいは、ネットワークスキャナドライバのバージョンが古く、スキャナドライバに予め設定されていたCODECのデコードの方式がFAX受信文書のエンコード方式に対応していなかったためデコードできなかった、等の原因が考えられる。
【0005】
特に、最近は、新製品の複合機を導入しても、同じネットワーク上のコンピュータのスキャナドライバは旧バージョンのまま使用したいといった要望が増えつつある。これは、新製品の複合機を導入するたびに、複合機に接続されるコンピュータ全てに新しいスキャナドライバをインストールするのは面倒である等の理由による。このような場合には、複合機側のCODECを古いスキャナドライバに対応するように調整して導入する必要があるが、調整も面倒であるし、また、ネットワーク外の新製品の複合機から旧製品の複合機にFAX文書が公衆回線を介して送信された場合や、意図せずして、旧製品の複合機で構成されたネットワークに新バージョンのCODECに対応した新製品の複合機を接続してしまった場合等には、スキャナドライバのバージョンが古いためにデコードエラーが発生するケースが多発する。
【0006】
上記のような原因によりデコードが失敗した場合には、アプリケーションでFAX受信文書を開こうとした時点でエラー終了してしまい、ユーザはFAX受信文書の中身を一切見ることができない。
【0007】
デコードエラーに対する対策としては、ファイルを送信してきた送信元に対して再送信要求を出してファイルを再入手したり、ファイルが動画圧縮ファイルの場合には、フレームの前後関係でデータの欠落箇所を補完する装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−79949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、FAX受信文書については、アプリケーションで内容を確認できなければ送付元が分からずデータを再入手できない場合があり、時として業務上の支障となる。また、フレームの前後関係でデータの欠落箇所を補完する装置では、動画圧縮ファイルであればフレームの前後で補完できるが、FAX受信文書のような静止画像は、異常箇所の前後関係を補完して再生できるものではなく、またFAX受信文書が1頁だけで構成されている場合もあり、エラーの修復はできない。また、スキャナドライバのバーションが古いために発生するデコードエラーについては全く対応できない。
【0009】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、画像データをエンコードしたエンコードデータのデコードに失敗した場合でも、該画像データの画像が全く見られない事態を回避できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の情報処理装置は、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する処理、及び、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行う処理手段と、を含んでいる。
【0011】
デコードエラーが発生した場合に、デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御することによって、該別のデコード方式がエンコードデータのエンコード方式と対応していれば、正常にデコードすることができるため、画像データの画像の消失を防止でき、画像データの画像が全く見られない事態を回避することができる。このような制御は、例えば、エンコードデータのエンコード方式と、デコードエラーが発生したときのデコード手段のデコード方式とが対応していないためにデコードエラーが発生した場合に非常に有効である。
【0012】
また、エンコードデータが他の装置でデコードされるように該エンコードデータを送信することによって、例えば、送信先の他の装置で適切なデコード方式でデコードできれば、あるいは該送信先の他の装置がデコードエラーが発生しなかった部分の画像を形成するための画像データを生成する機能を有していれば、画像データの画像の消失を防止でき、画像データの画像が全く見られない事態を回避することができる。
【0013】
また、デコードエラーが発生した場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成することによって、少なくとも該生成された画像データに基づいてデコードが成功した部分の画像を確認することができるため、画像データの画像が全く見られない事態を回避することができる。例えば、ネットワーク上の通信ノイズ等によって画像データにデータ誤り等が生じた場合には、データ誤り等の異常部分以外の部分のデコードは可能であるため、その場合には、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理は画像消失を防ぐ上で非常に有効である。
【0014】
すなわち、上記いずれかを実行することにより、デコードエラーが発生しても、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【0015】
本発明の第2の情報処理装置は、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御するデコード制御手段と、前記別のデコード方式によってもデコードエラーが発生した場合、または、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、を含んでいる。
【0016】
すなわち、第2の情報処理装置は、デコードエラーが発生した場合に、まず、デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する。このとき、別のデコード方式によってもデコードエラーが発生してしまった場合、または、自装置に別のデコード方式のCODEC(デコーダ)が搭載されていない等の理由により、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合には、エンコードデータが他の装置でデコードされるようにエンコードデータを送信する。
【0017】
従って、デコードエラーが発生しても、別のデコード方式でデコードが行われるか、あるいは他の装置でエンコードデータがデコードされるように送信されるため、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【0018】
本発明の第3の情報処理装置は、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、前記送信手段で前記エンコードデータを送信できなかった場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、を含んでいる。
【0019】
すなわち、第3の情報処理装置は、デコードエラーが発生した場合に、まず、エンコードデータが他の装置でデコードされるようにエンコードデータを送信する。このとき、例えば、通信エラーが発生したり、適切な送信先がネットワーク上に存在しなかった等の理由により、エンコードデータを送信できなかった場合には、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する。
【0020】
従って、デコードエラーが発生しても、他の装置でエンコードデータがデコードされるように送信されるか、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するため、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【0021】
本発明の第4の情報処理装置は、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御するデコード制御手段と、前記別のデコード方式によってもデコードエラーが発生した場合、または、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、前記送信手段で前記エンコードデータを送信できなかった場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、を含んでいる。
【0022】
すなわち、第4の情報処理装置は、デコードエラーが発生した場合に、まず、デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する。このとき、別のデコード方式によってもデコードエラーが発生してしまった場合、または、装置に別のデコード方式のCODEC(デコーダ)が搭載されていない等の理由により、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合には、エンコードデータが他の装置でデコードされるようにエンコードデータを送信する。このとき、例えば、通信エラーが発生したり、適切な送信先がネットワーク上に存在しなかった等の理由により、エンコードデータを送信できなかった場合には、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する。
【0023】
従って、デコードエラーが発生しても、別のデコード方式でデコードが行われるか、他の装置でエンコードデータがデコードされるように送信されるか、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するため、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【0024】
本発明の第5の情報処理装置は、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しないために前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しているにも拘わらず前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、を含んでいる。
【0025】
すなわち、第5の情報処理装置は、デコードエラーが発生した場合に、そのデコードエラーの発生原因に応じて処理を異ならせる。
【0026】
デコード手段のデコード方式とエンコードデータのエンコード方式とが対応しないためにデコードエラーが発生した場合には、エンコードデータが他の装置でデコードされるようにエンコードデータを送信する。
【0027】
デコード手段のデコード方式とエンコードデータのエンコード方式とが対応しているにも拘わらずデコードエラーが発生した場合には、例えば、ネットワーク上の通信ノイズ等によって画像データにデータ誤り等が生じた可能性があるため、その場合には、データ誤り等の異常部分以外の部分のデコードは可能となる。そこで、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成すようにすれば、画像データの一部の画像は確認することができる。
【0028】
従って、デコードエラーが発生しても、そのデコードエラーの発生原因に応じて適切に処理することができ、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【0029】
本発明の第6の情報処理装置は、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しないために前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御するデコード制御手段と、前記別のデコード方式によってもデコードエラーが発生した場合、または、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しているにも拘わらず前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、を含んでいる。
【0030】
すなわち、第6の情報処理装置は、デコードエラーが発生した場合に、そのデコードエラーの発生原因に応じて処理を異ならせる。
【0031】
デコード手段のデコード方式とエンコードデータのエンコード方式とが対応しないためにデコードエラーが発生した場合には、まず、デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する。このとき、別のデコード方式によってもデコードエラーが発生してしまった場合、または、装置に別のデコード方式のCODEC(デコーダ)が搭載されていない等の理由により、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合には、エンコードデータが他の装置でデコードされるようにエンコードデータを送信する。
【0032】
一方、デコード手段のデコード方式とエンコードデータのエンコード方式とが対応しているにも拘わらずデコードエラーが発生した場合には、例えば、ネットワーク上の通信ノイズ等によって画像データにデータ誤り等が生じた可能性があるため、データ誤り等の異常部分以外の部分のデコードは可能となる。そこで、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成すようにすれば、画像データの一部の画像は確認することができる。
【0033】
従って、デコードエラーが発生しても、そのデコードエラーの発生原因に応じて適切に処理することができ、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【0034】
なお、上記第1〜第6の情報処理装置は、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末に適用してもよいし、ファックス機能やプリント機能等を備えた複合機に適用してもよく、特に限定されない。
【0035】
また、前記送信手段は、前記エンコードデータが通信ネットワークを介して他の装置から取込んだデータの場合には、該他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信することができる。
【0036】
すなわち、送信手段がエンコードデータを元の装置に戻すことにより、該元の装置でデコードが行われるようにすることができる。
【0037】
さらにまた、前記送信手段は、作業者の近辺に配置された装置、ネットワークに接続された装置のうち製造年度が最新の装置、製造年度が自装置の製造年度より新しい装置、または前記エンコードデータをデコードできるデコード手段を有する装置のいずれかの装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信することができる。
【0038】
エンコードデータを、作業者の近辺に配置された装置でデコードされるように送信すれば、該装置でデコードが成功した場合に、作業者の確認が容易となる。ネットワークに接続された装置のうち製造年度が最新の装置でデコードされるように送信すれば、最新バージョンのCODEC(デコーダ)が搭載されている可能性が高いため、正常にデコードできる可能性が高い。また、製造年度が自装置の製造年度より新しい装置でデコードされるように送信することによって、自装置よりは新しいバージョンのCODEC(デコーダ)が搭載されている可能性が高いため、正常にデコードできる可能性が高い。エンコードデータをデコードできるデコード手段を有する装置でデコードされるように送信すれば、通信ノイズ等によるデコードエラーが発生しない限り確実にデコードできる。
【0039】
なお、送信先は、例えば、ネットワークに接続された他の装置の情報を予め自装置に保持しておくことにより、該情報を参照して送信するに最適な装置を選択するようにしてもよいし、ネットワークに接続された他の装置に対して、製造年度やデコード手段の情報等を問い合せることによって、送信するに最適な装置を選択するようにしてもよい。
【0040】
前記生成手段は、デコードが成功した部分の画像とデコードが失敗した部分が識別できる画像とにより構成された画像を形成するための画像データを生成することができる。
【0041】
このように、デコードが成功した部分の画像だけでなく、デコードが失敗した部分が識別できる画像も含めて形成されるような画像データを生成することにより、作業者はどの部分でエラーが発生したかを容易に判断することができる。
【0042】
本発明の情報処理方法は、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコードステップと、前記デコードステップでデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する処理、及び、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行う処理ステップと、を含んでいる。
【0043】
本発明の情報処理方法も、本発明の第1の情報処理装置と同様に作用するため、デコードエラーが発生しても、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【0044】
本発明のプログラムは、コンピュータに、画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコードステップと、前記デコードステップでデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する処理、及び、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行う処理ステップと、を実行させる。
【0045】
本発明のプログラムも、本発明の第1の情報処理装置と同様に作用するため、デコードエラーが発生しても、エンコードデータの画像の消失を防止でき、エンコードデータの画像が全く見られない事態を回避できる。
【発明の効果】
【0046】
以上説明したように本発明によれば、画像データをエンコードしたエンコードデータのデコードに失敗した場合でも、該画像データの画像が全く見られない事態を回避できる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0048】
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム1の概略的な構成を示す図である。
【0049】
ネットワークシステム1は、プリント機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を兼ね備えた複数の複合機10と、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)30とを備え、複合機10とPC30とはネットワーク5を介して相互に接続されている。なお、ネットワーク5には、図示しないが、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ装置、メールサーバなどがそれぞれ接続されてもよい。
【0050】
図2は、複合機10の構成を示すブロック図である。
【0051】
複合機10は、原稿に記録された画像を読み取るスキャナ部11と、感光体に静電潜像を記録し、静電潜像をモノクロトナーまたはカラートナーを用いて現像し、現像した画像を記録紙に転写して出力するプリンタ部12と、公衆回線と接続され、公衆回線を介してFAX文書の送受信(以下、「FAX送信」、「FAX受信」という。)を行うFAX部13とを備えている。FAX送信時には送信するFAX文書の画像データがエンコード(符号化、圧縮)されて送信され、FAX受信時には、受信されたFAX文書の画像データ(以下、FAX受信データ)はエンコードされた状態のまま後述するハードディスクドライブ(HDD)15に格納され蓄積される。
【0052】
複合機10は、さらに、全体を制御するコントローラ14と、スキャナ部11で読み取られた画像データやネットワーク5を介して受信したデータ、或いはFAX受信データ等を記憶するHDD15と、FAX受信文書の画像を表示したり、アイコンを有する操作画面を表示すると共に該表示されたアイコンへの接触に応じて操作情報を入力する表示パネル16と、データを入出力するための入出力ポート17と、ネットワークに接続された機器と通信を行う通信制御ユニット18とを備えている。
【0053】
スキャナ部11、プリンタ部12、FAX部13、コントローラ14、HDD15、表示パネル16及び入出力ポート17は、バスを介して相互に接続されている。入出力ポート17は、通信制御ユニット18を介してネットワーク5に接続されている。なお、スキャナ部11は、FAX部13の一部として組み込まれてもよい。
【0054】
コントローラ14は、CPU、ROM、及びRAM(SDRAM)を含んで構成されたマイクロコンピュータであり、ROMには、エンコードされているFAX受信データをデコードしたり、データをFAX送信するためにエンコードしたりするCODEC(COmpression/DECompression)や、CODECによるデコード中に発生したデコードエラーに対応するためのプログラム等の各種プログラムが記憶されている。
【0055】
なお、このデコードエラーに対応するためのプログラムを格納する記憶媒体は、ROMに限定されず、例えば、HDD15や外付けの記憶媒体であってもよいし、電気通信回線上の搬送波のような伝送媒体であってもよく、特に限定されない。
【0056】
また、HDD15の所定記憶領域は複数の親展BOX15B(図1参照)として仕切られており、各親展BOX15Bは、BOX番号(例えばBOX番号1〜300)により管理されている。複合機10は、スキャナ部11でスキャニングして得られた画像データやFAX部13で受信したFAX受信データにファイル名を付けて、親展BOX15Bに保存する。
【0057】
図3は、PC30の構成を示すブロック図である。
【0058】
PC30は、全体を制御するCPU31、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM32、CPU31の制御プログラム等を記憶するROM33、各種画面や情報を表示するディスプレイ34、CD−ROMドライブ35を備えている。
【0059】
また、PC30は、ハードディスクドライブ(HDD)36を備えている。HDD36には、PC30から複合機10の機能を使用するためにネットワーク5を介して複合機10とやりとりするためのネットワークスキャナドライバ(以下、スキャナドライバと略称)を始めとする各種プログラムPが予め記録されると共に、複合機10から取り込んだデータ等を記憶したりすることができる。さらに、PC30は、文章や記号等を入力するキーボード37、ポインティングデバイスであるマウス38を備え、これらはインタフェース39に接続されている。
【0060】
なお、スキャナドライバ及び各種プログラムを格納する記憶媒体は、HDD36に限定されず、例えば、ROM33やCD−ROMドライブ35や外付けの記憶媒体であってもよいし、電気通信回線上の搬送波のような伝送媒体であってもよく、特に限定されない。
【0061】
CPU31、RAM32、ROM33、及びインタフェース39は、入出力ポート40に接続されている。入出力ポート40は、通信制御ユニット41を介してネットワーク5に接続され、通信制御ユニット41により、ネットワーク5に接続された複合機10等の他の機器と通信を行うことができる。
【0062】
次に、本実施の形態に係るPC30の動作を説明する。PC30では、HDD36に格納されている複合機10からFAX受信データを取り込むためのプログラム(スキャナドライバ)の実行により、図4に示す処理が行われる。
【0063】
ステップ100では、ユーザからFAX受信データの取込み(転送)指示が入力されたか否かを判断する。具体的には、スキャナドライバが起動すると、現在ネットワーク5に接続されている複合機10全てがディスプレイ34に表示される。ユーザが該表示された複合機10の中から所望の複合機10を選択すると、該選択された複合機10の親展BOX15B内に格納されているFAX受信データのリスト及び取込み指示ボタンがディスプレイ34に表示される。ユーザにより、リストから所望のFAX受信データが選択されて取込み指示ボタンがマウス38等により押下されると、取込み指示が入力されたと判断して、ステップ102に移行し、複合機10にアクセスして、選択されたFAX受信データの受信を開始する。
【0064】
ここで、図5を参照しながら、PC30からアクセスされた複合機10の動作を説明する。ステップ120では、PC30から転送指示を受信したか否かを判断する。転送指示を受信したと判断した場合には、ステップ122で、上記選択されたFAX受信データを親展BOX15Bからコントローラ14のSDRAMに転送し、ステップ124で、SDRAMからネットワーク5を介してPC30に転送する。ステップ126で転送が完了したか否かを判断し、転送が完了するまで、転送処理を続行する。転送が完了した時点で、複合機10での処理は終了する。
【0065】
PC30側では、ステップ104で、FAX受信データの受信が完了したか否かを判断し、受信が完了したと判断した場合には、ステップ106で、デコード処理のサブルーチンを開始する。図6に、デコード処理のフローチャートの一例を示す。
【0066】
ステップ200では、スキャナドライバに予め設定されているCODECのデコード機能によって、受信したFAX受信データのデコードを行う。ステップ202で、デコード中にエラーが発生したか否かを判断する。
【0067】
以下、このエラーの判断について、FAX受信データがハフマン符号化方式でエンコード(符号化、圧縮)されていた場合を例に挙げて説明する。
【0068】
まず、ABCDの4文字のみを扱う場合を例に挙げて、ハフマン符号化方式について簡単に説明する。ハフマン符号化方式では文字列の出現回数からテーブル定義される。例えば、「AAABCAAABD」の10文字分を符号化する場合には、各文字の出現回数から'A'=0、'B'=10、'C'=110、'D'=111とテーブル定義される。
【0069】
具体的には、出現回数の低い文字から順にbitが割り当てられる。「AAABCAAABD」の10文字において、各文字の出現回数は、文字Aが6回、文字Bが2回、文字Cが1回、文字Dが1回であるため、まず出現回数の低い2つの文字C、Dに、0と1のbitを割り当て、'C'=0、'D'=1と定義する。
【0070】
次に、CとDを1つのかたまりCDとして扱う。このかたまりCDの出現回数は、文字Cと文字Dの出現回数を合わせた2として考える。ここで、かたまりCD、文字A、及び文字Bの出現回数を比較する。出現回数が低い2つの文字(かたまり)は、文字BとかたまりCDであるため、文字Bに0を割り当てると共に、かたまりCDを構成するそれぞれの文字C、Dに1を割り当て、'B'=0、'C'=10、'D'=11と定義する。
【0071】
次に、BCDを1つのかたまりBCDとして扱う。このかたまりBCDの出現回数は、文字B、文字C、及び文字Dの出現回数を合わせた4として考える。ここで、文字Aに0、かたまりBCDを構成するそれぞれの文字B、C、Dに1を割り当て、'A'=0、'B'=10、'C'=110、'D'=111と定義する。
【0072】
このように、'A'=0、'B'=10、'C'=110、'D'=111としてテーブルが定義される。このテーブル定義に従って、「AAABCAAABD」の10文字分を符号化すると、「0 0 0 10 110 0 0 0 10 111」の16bitとなる。
【0073】
このように符号化されたFAX文書のデータをFAX送信する際に、例えば、通信上のノイズ等によりデータ誤りが発生し、FAX文書のデータ中にCODECのテーブルに存在しないデータが発生してしまった場合には、テーブルに存在するデータと一致しないデータが存在するため、エラーであると判断することができる。
【0074】
例えば、上記「AAABCAAABD」の文字列が、「0 0 0 10 110 0 0 0 11 111」とFAX送信された場合には、上記テーブル定義とは異なるデータ「11」が含まれているため、エラーと判断することができる。
【0075】
また、FAX受信データのエンコード方式と、スキャナドライバのデコード方式とが対応していなかった場合、例えば、FAX受信データをエンコードしたCODECの方式と、スキャナドライバのCODECの方式が異なる場合、あるいは、同じ種類のCODECであっても、バージョンが異なる場合には、デコードができないため、エラーと判断することができる。これは、FAX受信データのヘッダ等を解析して判断することもできるし、実際にデコードする際に使用するテーブル定義が全く異なる点から上記通信ノイズ等のエラーと同様に判断することができる。
【0076】
ステップ202でデコード中にデコードエラーが発生したと判断した場合には、ステップ204に移行し、再度デコードを行う(リトライする)。リトライしたときにもデコードエラーが発生した場合(ステップ206で肯定判断)には、デコードを中止し、ステップ208に移行して、デコードエラーが発生したFAX受信データが、他の装置でデコードされるように転送する。ここでは、デコードエラーが発生したFAX受信データを処理して欲しい旨の指示内容を含めてEメールにより他の装置に転送する。
【0077】
転送先は、例えば、上記FAX受信データを取り込んだときの取出し元の複合機(FAX受信データを蓄積していた複合機)10としてもよい。すなわち、スキャナドライバはネットワーク5に複数の複合機が接続されていても、どの複合機に送るかを判断せずに、FAX受信データの取出し元の複合機10にそのまま戻す。
【0078】
また、ネットワーク5に接続された複数の複合機の中から好ましい転送先を選択して転送してもよい。例えば、現在ネットワーク5に接続されている複合機10の中で、ユーザの近辺(ユーザが操作するPC30の近辺)に配置された複合機10、、自装置よりも製造年度が新しい複合機10、製造年度が最も新しい複合機10に転送することもできる。
【0079】
PC30の近辺に配置された複合機10に転送する場合には、PC30で予め各複合機10の配置情報を記憶したテーブルを記憶しておき、該テーブルを参照して、転送先を選択して転送することもできるし、現在ネットワーク5に接続されている複合機10全てに対して配置情報の問い合せを送信し、問い合せ結果から、最も近距離に配置された複合機10に転送することもできる。
【0080】
また、自装置よりも製造年度が新しい複合機10あるいは製造年度が最も新しい複合機10に転送する場合も同様に、PC30で予め各複合機10の製造年度を記憶したテーブルを記憶しておき、該テーブルを参照して、転送先を選択することもできるし、現在ネットワーク5に接続されている複合機10全てに対して製造年度の問い合せを送信し、その問い合せ結果から、転送先を選択して転送することもできる。
【0081】
また、FAX受信データのヘッダを解析して、FAX受信データのエンコード方式を確認し、該エンコード方式に対応したデコード方式のCODECを有する装置を転送先として選択することも可能である。このように転送先を選択する場合も、各装置のCODECの情報が格納されたテーブルを参照して選択してもよいし、問い合せを送信して適切なCODECが搭載されているか否かを確認してもよい。
【0082】
なお、テーブルにより転送先を選択する場合には、最新の情報で構成されたテーブルを管理するサーバ等を設け、必要に応じて該サーバにアクセスして最新のテーブルをダウンロードするようにしてもよい。
【0083】
なお、転送先は、複合機10に限らず、ネットワーク5に接続された他のPC30であってもよい。
【0084】
ステップ210では、ユーザが操作するPC30のディスプレイ34に、デコードエラーが発生したためFAX受信データを他の装置に転送したことを示すメッセージ及びその転送先を表示して、ユーザに通知する。
【0085】
他の装置に転送することによって、例えば、転送先の装置が、デコードが失敗した部分以外の画像を形成する画像データを生成することができる機能を有している、あるいはCODECのデコード方式がFAX受信データのエンコード方式と対応しており、正常にデコードできる状態であれば、ユーザはFAX受信データの内容の一部あるいは全てを確認することができ、FAX受信データの画像の消失を防ぐことができる。
【0086】
一方、ステップ202及びステップ206でデコードエラーが発生しなかったと判断された場合には、ステップ212に移行し、FAX受信データのデコードが完了したか否かを判断する。ここで、デコードが完了していないと判断した場合には、ステップ200に戻って、デコードを続行する。デコードが完了したと判断した場合には、ステップ214で、デコードして得られた画像データに基づいて画像を形成する。例えば、ディスプレイ34に画像を表示してもよいし、プリンタ装置が接続されていれば該装置からプリントしてもよい。また、後述するように、本処理を複合機10で行う場合には、複合機のプリンタ部12によりプリントすることもできるし、表示パネル16に表示することもできる。
【0087】
最後に図4のメインルーチンに戻り、処理を終了する。
【0088】
次に、上記ステップ208の転送先の複合機10で行われる処理について説明する。図7に示されるように、ステップ140では、デコードエラーが発生したFAX受信データを受信したか否かを判断する。ここで、肯定判断した場合には、ステップ142で、デコード処理を実行する。このデコード処理は、上述した図6のデコード処理と同一の処理としてもよい。すなわち、デコードエラーが発生した場合には、デコード可能と思われる他の装置に転送する。
【0089】
なお、このように転送先の装置から更に別の装置にFAX受信データを転送する場合、最終的な転送先が不明になってしまうことを回避するため、ステップ210では、自装置のディスプレイ34(あるいは表示パネル16)に上記メッセージや転送先を表示するだけでなく、ユーザが操作するPC30で該メッセージと最終的な転送先が表示されるように、PC30に対して表示データを送信する。なお、ユーザに該メッセージと転送先をEメールで通知してもよい。これにより、転送が複数回行われた場合であっても、ユーザは常に最終的な転送先を知ることができる。
【0090】
ステップ142のデコード処理の後は、ステップ144で、処理結果(例えば、他の装置への転送完了、あるいはデコードしたデータによるプリント完了、等)をユーザ(転送元のPC30)にEメール等により通知する。
【0091】
なお、PC30及び複合機10で実行されるデコード処理は、上述した処理に限定されず、例えば、図8や図9に示されるような処理であってもよい。
【0092】
図8のフローチャートは、初期設定されているCODECによりデコードしたときにデコードエラーが発生した場合に、デコードエラーが発生したCODECとは別のCODECによって、デコードするように制御する処理の流れを示している。
【0093】
ステップ240からステップ246までの処理は、上述した図6のステップ200からステップ206までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0094】
ステップ246でデコードエラーが発生したと判断した場合には、初期設定されているCODECのデコード方式が、FAX受信データのエンコード方式と対応していない可能性がある。従って、まず、ステップ248で、自装置に、初期設定されているCODECとは別のCODECが搭載されているか否かを判断する。ここで、別のCODECが搭載されていると判断した場合には、ステップ250に移行し、初期設定されていたCODECに代えて、該別のCODECを設定してステップ240に戻り、別のCODECでデコードを行う。ここで設定しなおしたCODECのデコード方式がFAX受信データのエンコード方式と対応していれば、正常にデコードできる。
【0095】
ステップ248で、自装置に別のCODECが搭載されていない、あるいは、自装置に搭載された全てのCODECでデコードを行ったが、全てのCODECでデコードエラーが発生してしまった状態にあり、代わりのCODECが存在しない場合には、ステップ252に移行し、自装置のディスプレイ34に(複合機10での処理であれば、表示パネル16に)、デコードエラーが発生して異常終了したことを示すメッセージを表示すると共に、このデコード処理が転送先の装置で行われた場合には、ユーザが操作するPC30のディスプレイ34にも同様のメッセージ及び(最終的な)転送先が表示されるようにPC30に表示データを送信する。これにより、ユーザに該メッセージと転送先が通知される。なお、ユーザに対してEメールで通知してもよい。
【0096】
なお、ステップ242及びステップ246でデコードエラーが発生しなかったと判断された場合には、ステップ254及びステップ256の処理を行うが、この処理は、上述した図6のステップ212及びステップ214の処理と同様であるため説明を省略する。
【0097】
このように、デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードするように制御する方法は、デコードエラーが、CODECのデコード方式がFAX受信データのエンコード方式と対応していないことによって発生した場合には非常に有効な方法である。
【0098】
図9のフローチャートは、デコードエラーが発生した場合に、デコードが成功した部分の画像とデコードが失敗した部分が識別できる画像とにより構成された画像を形成するための画像データを生成する処理の流れを示している。
【0099】
ステップ280からステップ286までの処理は、上述した図6のステップ200からステップ206までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0100】
ステップ286でデコードエラーが発生したと判断した場合には、ステップ290で、デコードを一端中断し、デコードエラーが発生した部分を黒色の画素データに置換えて書き込む。なお、このステップは、割り込みプログラムにより制御してCODECに行わせてもよいし、CODECの処理は中断させたまま、割り込みプログラムが実行するようにしてもよい。後者の場合には、割り込みプログラムの置換え処理が終了したときに、中断していたCODECのデコードを再開させるようにすることができる。
【0101】
ステップ292で、FAX受信データのデコードが完了したか否かを判断する。ここで、デコードが完了していないと判断した場合には、ステップ280に戻って、デコードを続行する。デコードが完了したと判断した場合には、ステップ294で、デコードして得られた画像データに基づいて画像を形成する。ここでは、デコードエラーが全く発生しなかった場合には、正常にデコードされたフル画像が形成され、デコードエラーが発生した場合には、エラー部分が黒色に置換えられた画像が形成される。
【0102】
以下、FAX送信方式がMH形式の場合を例に挙げ、デコードが成功した部分の画像とデコードが失敗した部分が識別できる画像とにより構成された画像を形成する方法について具体的に説明する。MH方式では、データ送信コードがライン単位で生成されるため、エラーが発生したラインがあれば、そのラインだけを例えば黒色画素データで埋め、正常にデコードできたラインは正しい画素データで埋めることができる。すなわち、ライン毎にエラーが発生したか否かを調べ、画像データを作成することができる。
【0103】
ここでは、上述のハフマン符号化方式の説明で用いた例をそのまま使用し、ABCDの文字について、A=白、B=やや白い、C=やや黒、D=黒の4階調画像と考え、10文字分を1ラインとして10画素のデータに置き換える。
【0104】
1ライン目から最終ライン目までのデータ例を以下に示す。
1ライン目 「0 0 0 10 110 0 0 0 10 111」(正常)
(中略)
nライン目 「0 0 0 10 110 0 0 0 10 111」(正常)
n+1ライン目 「0 0 0 10 110 0 0 0 11 111」(異常)
(中略)
最終ライン目 「0 0 0 10 110 0 0 0 10 111」(正常)
この例では、n+1ライン目に異常なデータ「11」が含まれているため、このラインのデコード中にデコードエラーが発生する。異常なラインを黒色画素データに置換えて書き込み、正常なラインを正常な画素データで書き込んで画像データを生成すると、以下のようになる。
1ライン目 「白 白 白 やや白 やや黒 白 白 白 やや白 黒」
(中略)
nライン目 「白 白 白 やや白 やや黒 白 白 白 やや白 黒」
n+1ライン目 「黒 黒 黒 黒 黒 黒 黒 黒 黒 黒」
(中略)
最終ライン目 「白 白 白 やや白 やや黒 白 白 白 やや白 黒」
このように生成された画像データに基づいて画像を形成(表示あるいはプリント)すると、図10に例示されるように、デコードエラーが発生したラインは黒色ラインで形成されるため、エラーが発生した部分が一目で識別できるようになる。
【0105】
なお、デコードが成功した部分の画像とデコードが失敗した部分が識別できる画像とにより構成された画像を形成するための画像データを生成する処理は、上記例に限定されず、例えば、デコードエラーが発生してもCODECのデコードは中断させず、最後までCODECにFAX受信データをデコードさせて異常部分がそのまま含まれる画像データを生成し、CODECのデコード終了後に、該異常部分が含まれる画像データに対して、他の修正プログラムがエラー発生ラインを黒色ラインに置換えるように修正してもよい。また、異常部分が含まれる画像データに対しては特に修正を施さずそのまま保持しておき、該画像データを表示あるいは印刷するときに、画像表示プログラムあるいは印刷プログラムによって、該エラー発生ラインが識別できるように、何らかの色やマークに置換えて表示あるいは印刷するように制御してもよい。
【0106】
また、上記では、エラー発生部分を黒色で埋める例について説明したが、他の色やマークで埋めるようにしてもよいし、空白で埋めるようにしてもよい。さらにまた、デコードエラーが発生した部分についてはデータを削除し、デコードエラーが発生しなかった部分のみで画像データを生成するようにしてもよい。
【0107】
このように、少なくともデコードが成功した部分の画像を形成するための画像データを生成するようにすれば、ユーザはFAX受信データの内容の一部を確認することができ、FAX受信データの画像の消失を防ぐことができると共に、場合によってはFAX受信データの送信元が明らかになり、ユーザは適切な対応をとることができる。
【0108】
なお、上述した図6、図8、図9に示した処理を組み合わせたデコード処理を、PC30あるいは複合機10で行ってもよい。
【0109】
図11のフローチャートは、デコードエラーが発生した場合に、まず、デコードするCODECを別のCODECに代えてリトライし、それでもデコードエラーが発生したとき、または代わりのCODECが自装置に搭載されていなかったときには、他の装置に転送する処理の流れを示している。
【0110】
ステップ300からステップ306までの処理は、上述した図6のステップ200からステップ206までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0111】
ステップ306でデコードエラーが発生したと判断した場合には、ステップ308に移行し、自装置に初期設定されていたCODECとは別のCODECが搭載されていると判断した場合には、ステップ310に移行し、初期設定されていたCODECに代えて、該別のCODECを設定してステップ300に戻り、別のCODECでデコードを行う。このCODECによってもデコードエラーが発生した場合には、さらに別のCODECが搭載されているか否かを判断し、搭載されていれば、そのCODECでデコードされるように設定して処理を繰り返す。
【0112】
ステップ308で、自装置に別のCODECが搭載されていない、あるいは、自装置に搭載された全てのCODECでデコードを行ったが、全てのCODECでデコードエラーが発生してしまった状態にあり、代わりのCODECが存在しない場合には、ステップ312に移行し、デコードエラーが発生したFAX受信データが他の装置でデコードされるように転送する。この転送は、上述した図6のステップ208と同様に行うことができる。ステップ314では、デコードエラーが発生したためFAX受信データを他の装置に転送したことを示すメッセージ及びその転送先をディスプレイ34(複合機10での処理であれば、表示パネル16)に表示すると共に、このデコード処理が転送先の装置で行われた場合には、ユーザが操作するPC30のディスプレイ34にも同様のメッセージ及び(最終的な)転送先が表示されるようにPC30に表示データを送信する。これにより、ユーザに該メッセージと転送先が通知される。なお、ユーザに対してEメールで通知してもよい。
【0113】
なお、ステップ302及びステップ306でデコードエラーが発生しなかったと判断された場合には、ステップ316及びステップ318の処理を行うが、この処理は、上述した図6のステップ212及びステップ214の処理と同様であるため説明を省略する。
【0114】
図12のフローチャートは、デコードエラーが発生した場合に、まず、他の装置にFAX受信データを転送し、このときに転送が成功しなかった場合には、デコードが成功した部分の画像とデコードが失敗した部分が識別できる画像とにより構成された画像を形成するための画像データを生成する処理の流れを示している。
【0115】
ステップ340からステップ342までの処理は、上述した図6のステップ200からステップ206までの処理と同様であるため説明を省略する。ただし、ここではリトライ処理を省略している。
【0116】
ステップ342でデコードエラーが発生したと判断した場合には、ステップ344で、デコードエラーが発生したFAX受信データが他の装置でデコードされるように転送する。この転送は、上述した図6のステップ208と同様に行うことができる。
【0117】
ステップ346では、転送が成功したか否かを判断する。例えば、通信エラーによって転送を正常に行うことができなかった場合には、転送が成功しなかったと判断することができる。また、好適な転送先が存在しなかった場合、例えば、現在ネットワーク5に接続されている複合機10の中で、自装置よりも製造年度が新しい複合機に転送する場合に、現在ネットワーク5に接続されている複合機10全てに問い合せを送信した結果、自装置よりも製造年度が新しい複合機10が存在しなかった場合等には、FAX受信データを転送できる装置が存在しないため、転送できず、転送が成功しなかったと判断することができる。
【0118】
ステップ346で転送が成功したと判断した場合には、ステップ348で、デコードエラーが発生したためFAX受信データを他の装置に転送したことを示すメッセージ及びその転送先をディスプレイ34(複合機10での処理であれば、表示パネル16)に表示すると共に、このデコード処理が転送先の装置で行われた場合には、ユーザが操作するPC30のディスプレイ34にも同様のメッセージ及び(最終的な)転送先が表示されるようにPC30に表示データを送信する。これにより、ユーザに該メッセージと転送先が通知される。なお、ユーザに対してEメールで通知してもよい。
【0119】
一方、ステップ346で、転送が成功しなかったと判断した場合には、ステップ350で、デコードエラーが発生した部分を黒色の画素データに置換えて書き込む。この処理は、図9で説明した処理と同様に行うことができるため説明を省略する。
【0120】
ステップ352で、ステップ350の書込み処理が成功したか否かを判断する。例えば、発生したデコードエラーが、通信ノイズ等により発生したデコードエラーではなく、FAX受信データのエンコード方式と、デコード処理で用いられたデコード方式とが対応していなかったことにより発生したデコードエラーの場合には、デコードが全くできない状態となるため、エラー部分自体の判別もできずに、ステップ350の書き込み処理が不成功に終わる場合もある。このようなときには、ステップ352で、書込み処理が成功しなかったと判断して、ステップ358でデコードが異常終了した旨をユーザに通知して、デコード処理を終了する。
【0121】
一方、ステップ352で、書込み処理が成功したと判断した場合には、ステップ354で、FAX受信データのデコードが完了したか否かを判断する。ここで、デコードが完了していないと判断した場合には、ステップ340に戻って、デコードを続行する。デコードが完了したと判断した場合には、ステップ356で、デコードして得られた画像データに基づいて画像を形成する。
【0122】
上述した図6、図8、図9、図11、及び図12のフローチャートでは、デコードエラーのエラー種別を判断せずに処理を行う例について説明したが、デコードエラーが発生したときに、エラー種別に応じて適切な処理を行う例について図13を参照しながら説明する。
【0123】
ステップ400では、初期設定されているCODECでFAX受信データのデコードを行う。ステップ402で、デコード中にエラーが発生したか否かを判断する。ここで、デコードエラーが発生したと判断した場合には、ステップ404で、発生したデコードエラーの種別を判断する。エラー種別の判断は、ここでは、FAX受信データのヘッダを解析することによって行う。すなわち、ヘッダを解析して、FAX受信データのエンコード方式と、自装置で初期設定されている(PC30側での処理であればスキャナドライバの)CODECの方式とが対応していると判断した場合には、通信ノイズ等が原因のデコードエラーであると判断して、ステップ406に移行し、CODECの方式が対応していないと判断した場合には、発生したデコードエラーは、FAX受信データのエンコード方式に対して、自装置のCODECが対応していないことが原因のデコードエラーであると判断して、ステップ416に移行する。
【0124】
ステップ406からステップ414の処理は、図9のステップ284からステップ294の処理と同様に行うことができ、デコードが成功した部分の画像と、デコードが失敗した部分が識別できる画像(黒色ライン)とにより構成された画像を形成するための画像データを生成することができる。
【0125】
一方、ステップ416からステップ422までの処理は、図11のステップ308からステップ314までの処理と同様に行うことができ、FAX受信データをデコードできる別のCODECが自装置に搭載されていれば、該CODECを設定してデコードをやり直し、別のCODECが搭載されていなければ、他の装置に転送して、他の装置でデコードさせることができる。
【0126】
このように、デコードエラーが発生した場合に、エラー種別を判断することができれば、効率的に処理することができる。
【0127】
なお、上記では、FAX受信データのヘッダを解析することによって、FAX受信データのエンコード方式を判断し、エラー種別を判断する例について説明したが、例えば、CODECの種類は同じでもバージョンが異なるためにデコードエラーが発生する場合もあり、この場合には、ヘッダを解析しても、デコードに用いたCODECが、FAX受信データのエンコード方式に対応していると判断してしまい、エラー種別が正しく判断できない場合もある。このような場合を想定すると、例えば、上記図6、図8、図9、図11、及び図12のフローチャートで説明したように、エラー種別を判断せずに、すぐに他の装置に転送したり、別のCODECでデコードを行う処理を行うことは有効である。
【0128】
また、図13のデコード処理において、エラー種別がCODEC非対応の場合に、まず、別のCODECでデコードするステップ(ステップ416,422)を実行したが、このステップを省略し、ステップ404の実行後、すぐにステップ418、420の転送処理を実行するようにしてもよい。
【0129】
以上説明したように、FAX受信データをデコードしたときに、デコードエラーが発生した場合には、デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、FAX受信データが他の装置でデコードされるように転送する処理、及び、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行うようにしたため、FAX受信データの画像が全く見られない事態を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークシステムの概略的な構成を示す図である。
【図2】複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】PCの構成を示すブロック図である。
【図4】PCのスキャナドライバで行われる、複合機からFAX受信データを取り込む処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】PCからアクセスされた複合機の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】デコード処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】デコードエラーが発生したFAX受信データの転送先で行われる処理を示すフローチャートである。
【図8】デコード処理の他の例を示すフローチャートである。
【図9】デコード処理の他の例を示すフローチャートである。
【図10】デコードが成功した部分の画像とデコードが失敗した部分が識別できる画像とにより構成された画像の具体例を示した図である。
【図11】デコード処理の他の例を示すフローチャートである。
【図12】デコード処理の他の例を示すフローチャートである。
【図13】デコード処理の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
1 ネットワークシステム
5 ネットワーク
10 複合機
14 コントローラ
16 表示パネル
18 通信制御ユニット
30 PC
31 CPU
34 ディスプレイ
36 HDD
41 通信制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する処理、及び、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行う処理手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項2】
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御するデコード制御手段と、
前記別のデコード方式によってもデコードエラーが発生した場合、または、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項3】
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、
前記送信手段で前記エンコードデータを送信できなかった場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項4】
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御するデコード制御手段と、
前記別のデコード方式によってもデコードエラーが発生した場合、または、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、
前記送信手段で前記エンコードデータを送信できなかった場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項5】
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しないために前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、
前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しているにも拘わらず前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項6】
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しないために前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御するデコード制御手段と、
前記別のデコード方式によってもデコードエラーが発生した場合、または、別のデコード方式でデコードを行うように制御できなかった場合に、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する送信手段と、
前記デコード手段のデコード方式と前記エンコードデータのエンコード方式とが対応しているにも拘わらず前記デコード手段でデコードエラーが発生した場合に、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する生成手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項7】
前記送信手段は、前記エンコードデータが通信ネットワークを介して他の装置から取込んだデータの場合には、該他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記送信手段は、作業者の近辺に配置された装置、ネットワークに接続された装置のうち製造年度が最新の装置、製造年度が自装置の製造年度より新しい装置、または前記エンコードデータをデコードできるデコード手段を有する装置のいずれかの装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記生成手段は、デコードが成功した部分の画像とデコードが失敗した部分が識別できる画像とにより構成された画像を形成するための画像データを生成する請求項3乃至請求項6のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項10】
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコードステップと、
前記デコードステップでデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する処理、及び、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行う処理ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
画像データをエンコードしたエンコードデータをデコードするデコードステップと、
前記デコードステップでデコードエラーが発生した場合に、前記デコードエラーが発生したデコード方式とは別のデコード方式でデコードが行われるように制御する処理、前記エンコードデータが他の装置でデコードされるように前記エンコードデータを送信する処理、及び、少なくともデコードが成功した部分の画像を含む画像を形成するための画像データを生成する処理のいずれか1つを行う処理ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−19952(P2006−19952A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194582(P2004−194582)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】