説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】本発明は、ストレージにファイルシステム数分のデフラグ用領域を持つことなく、ホスト装置のファイルシステムのデフラグを実施することを課題とする。
【解決手段】本発明は、メモリ管理システムであって、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、前記データの断片化が解消されるように、デフラグメンテーション用領域に書き込む書込手段と、前記書込手段によって、前記デフラグメンテーション用領域にデータが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルシステムのデフラグメンテーション(以下、デフラグと示す)の際の論理ディスクの割り当ての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイルシステムを長期間使用して、ファイルの作成・削除を繰り返すと、ファイルシステムの使用領域が断片化する。この断片化を解消するために、ファイルシステムに対してデフラグを実施する場合、ファイルシステムに十分な空き領域を持たせるか、あるいは、デフラグ用に一時的な領域をホスト計算機に割り当てて、デフラグが実施されていた(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2005‐284632
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、デフラグのために常にファイルシステムに空き領域を確保しておくと、各ファイルシステムのLD毎にデフラグ用の領域が必要となる。その結果、ストレージの領域利用効率が悪化することが分かった。
【0004】
また、必要に応じてホスト計算機にストレージから一時的な領域となるLDを割り当てる方法は、ホスト計算機が割り当てられたLDを認識するための処理を余計にすることが分かった。
【0005】
また、デフラグは空き領域を使用してコピー元を退避した後、再配置を行うため、コピー回数が多くなり、デフラグ完了までに時間がかかっていることが分かった。
【0006】
本発明は、上記問題点を顧みて為されたものである。即ち本発明は、ストレージに複数のホスト計算機毎にファイルシステムのデフラグ用領域を用意せずに、ホスト装置のファイルシステムのデフラグを実施することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、メモリ管理システムであって、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、前記データの断片化が解消されるように、デフラグメンテーション用領域に書き込む書込手段と、前記書込手段によって、前記デフラグメンテーション用領域にデータが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、メモリ管理装置であって、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータがデフラグメンテーション用領域に書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、メモリ管理装置であって、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、データの断片化が解消されるようにデフラグメンテーション用領域に書き込む書込手段と、前記書込手段によって、デフラグメンテーション用領域にデータが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、メモリ管理方法であって、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、デフラグメンテーション用領域に書き込む書込ステップと、デフラグメンテーション用領域に前記データが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための本発明は、情報処理装置のプログラムであって、前記プログラムは、前記情報処理装置に、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータがデフラグメンテーション用領域に書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する処理を実行させることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、情報処理装置のプログラムであって、前記プログラムは、前記情報処理装置に、デフラグメンテーション時に、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、データの断片化が解消されるように、デフラグメーション用領域に書き込む書込処理と、
前記書込処理によって、デフラグメンテーション用領域にデータが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
デフラグ時にホスト計算機のデフラグ用領域に実領域を割り当ててデフラグを行うことにより、ストレージにファイルシステム数分のデフラグ用領域を持つことなく、デフラグの実施が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明における実施の形態の一例を示した図。
【図2】ファイルシステム管理テーブル133の構成の一例を示した図。
【図3】マッピングテーブル251の構成の一例を示した図。
【図4】デフラグ実施前のファイルシステム管理テーブル133の具体例を示した図。
【図5】デフラグ実施前のマッピングテーブル251の具体例を示した図。
【図6】デフラグ要求部131の動作を示すフローチャート。
【図7】デフラグ実施中のファイルシステム管理テーブル133の具体例を示した図。
【図8】デフラグ実施中のマッピングテーブル251の具体例を示した図。
【図9】デフラグ実施後のファイルシステム管理テーブル133の具体例を示した図。
【図10】デフラグ実施後のマッピングテーブル251の具体例を示した図。
【図11】データコピー部170の動作のフローチャート。
【図12】領域切り替え部120の動作のフローチャート。
【図13】領域解放部246の動作のフローチャート。
【図14】本発明における実施の形態の別の例を示した図。
【図15】他の実施例におけるデフラグ要求部131の動作のフローチャート。
【図16】他の実施例における領域コピー部270の動作のフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明では、ホスト計算機のファイルシステムが通常の動作で必要とする領域より大きなサイズとなる仮想的な容量を持つ論理ディスク(Logical Disk:LD)がストレージのプール(メモリプール)上に構築される。そして、構築された論理ディスクは、ホスト計算機に割り当てられる。
【0016】
ホスト計算機側は、自計算機に割り当てられた論理ディスクにファイルシステムを作成し、当該ファイルシステム上で、ホスト計算機が必要とするサイズ分の領域を作成する(以後、この領域を通常領域と呼ぶ)。当該ファイルシステムは、通常領域をデータ領域として利用する。また、当該ファイルシステムのデータ領域として使用されない領域は、デフラグ(デフラグメンテーション)用領域とし、他の用途には使用されない。
【0017】
この時、ホスト計算機からの書き込み(Write)に応じて、仮想容量を持つLDにはプール上から実領域が割り当てられる。このため、通常領域には実領域が割り当てられる。しかしながら、デフラグ用領域には実領域が割り当てられない。これにより、ファイルシステムが通常使用する領域分と同じ領域分、プールの実領域が使用される。
【0018】
当該ファイルシステムに対してデフラグを実施する場合、データ領域のデータが、データの断片化が解消されるように、デフラグメンテーション用領域にコピーされる。この時、プールの実領域が割り当てられていなかったデフラグメンテーション用領域に、プールの実領域が割り当てられる。
【0019】
<第1の実施の形態>
以下に、本実施の形態の詳細について説明する。
【0020】
図1に示す本実施の形態は、ホスト計算機100とストレージ200とを有する。
【0021】
ホスト計算機100は、割り当てられたストレージ200の仮想容量を持つLDにファイルシステムを作成する。この時、当該ファイルシステム上で、ホスト計算機が必要とするサイズ分の領域が作成される。ホスト計算機100のデータ処理部による書き込み(Write)に応じて、LDにプール上から実領域が割り当てられるため、ファイルシステムの通常領域には実領域が割り当てられる。
【0022】
ホスト計算機100は、ファイルシステム110、領域切替部120、データ処理部130、デフラグ要求部131、ファイルシステム管理テーブル133、及びデータコピー部170を有する。
【0023】
ファイルシステム110は、論理的な単位で区切った複数のデータブロックで構成されている。これらのデータブロックは、通常使用する領域である通常領域112と、デフラグに使用するデフラグ用領域114とに分けられる。
【0024】
ファイルシステム管理テーブル133は、ファイルシステム110を管理するためのものである。図2は、ファイルシステム管理テーブル133の構成の一例図である。ファイルシステム管理テーブル133の各列について説明する。ファイル番号は、ホスト計算機が通常領域112に作成するファイルを一意に識別する番号である。ファイルオフセット番号は、1つのファイルがファイルシステム上の複数のデータブロックに跨って作成される場合、そのファイルを構成するデータブロックのシーケンスの順番を示す番号である。データブロック番号は、データブロックを一意に識別する識別情報であり、ファイルデータが記憶されているデータブロックを示す。用途は、当該データブロックが通常領域112とデフラグ用領域114とのどちらに属するかを示す情報である。使用状態は、当該データブロックが使用されているかどうか(当該データブロック上にファイルが作成されているかどうか)を示す情報である。デフラグ状態とは、当該データブロックのデフラグが完了したかどうかを示す情報である。
【0025】
デフラグ要求部131は、ファイルシステム管理テーブル133を参照・更新し、データコピー部170へデフラグを指示する。更に、デフラグ要求部131は、領域切り替え部120へ領域切り替えを要求し、ストレージ200に備えられた領域解放部246へ領域解放を要求する。
【0026】
領域切替部120は、デフラグ要求部131から要求を受けて通常領域112とデフラグ用領域114とを切り替える。
【0027】
データ処理部130は、ファイルシステム110のファイルシステムの通常領域112にファイルを生成する。即ち、ストレージ200のLD221にデータを書き込む(Write)。また、データ処理部130は、ファイル生成に応じて、ファイルシステム管理テーブル133を更新する。
【0028】
データコピー部170は、デフラグ要求部131から要求を受けると、通常領域112に記されているデータをデフラグ用領域114にコピーする。尚、本説明では、データコピー部170と、ストレージ200のLDにファイルシステムを作成するデータ処理部とは、別の構成として設けられている場合で説明するが、同一の構成部であっても良い。
【0029】
ストレージ200は、物理ディスク群240、プール230、LD群220、LD221、領域解放部246、及びマッピングテーブル251を有する。
【0030】
物理ディスク群240は、ストレージ200に具備されている複数の物理ディスク241で構成されている。
【0031】
プール230は、物理ディスク群240で構成されている仮想的な記憶領域である。プール230は、プールを論理的な単位で区切った複数のプールブロックで構成されている。このプールブロックは、LD221に割り当てられた領域である割当済領域232と割当が行われていない領域である未割当領域234とに分けられる。割当済領域232は、ファイルシステム110の通常領域112にファイルが書き込まれることによるLD221への書き込み(write)に応じて、LD221に実領域として割り当てられる領域である。
【0032】
LD221は、仮想容量を持つ論理ディスクである。この論理ディスク(LD221)は、ホスト計算機100によって使用される。ファイルシステム110の通常領域112にファイルが書き込まれると、このファイルが書き込まれた容量と同じ容量のLD221が使用される。LD群220は、複数あるホスト計算機の各々が使用するLDの集まりである。
【0033】
領域解放部246は、デフラグ要求部131からの要求を受け、マッピングテーブル251を参照・更新する。デフラグ用領域に実領域が割り当てられると、その割当内容がマッピングテーブル251に反映される。更に、領域解放部246は、LD221に割り当てた割当済領域232を解放して当該領域を未割当領域234に戻す。
【0034】
制御部260は、ファイルシステム110の通常領域112にファイルが書き込まれることによるLD221への書き込み(write)に応じて、LD221にプールを実領域として割り当てる。また、ファイルシステムの通常領域からデフラグ用領域へのコピーの際、ホスト計算機100からの書き込み(Write)に応じて、ストレージ200のLD221にデフラグ用領域のためのプール上の実領域が、制御部260によって、更に割り当てられる。そして、割り当てられた内容がマッピングテーブル251に反映される。尚、本説明では、領域開放部246と制御部260とが別々の構成部の場合で説明するが、同一であっても良い。
【0035】
マッピングテーブル251は、プール230を管理するためのものである。図3は、マッピングテーブル251の構成の一例である。図3の各列について説明する。
【0036】
プールブロック番号は、プールを論理的な単位で区切ったブロック(プールブロック)を一意に識別する番号である。LD番号は、当該プールブロックを使用しているLDを一意に識別する番号である。データブロック番号は、ファイルシステムを論理的な単位で区切ったブロック(データブロック)を一意に識別する番号である。領域サイズは、当該プールブロックのサイズを示す情報である。
【0037】
本発明における実施の形態の詳細な動作を図に基づいて説明する。
【0038】
図4は、本実施例におけるデフラグ実施前のファイルシステム管理テーブル133の具体例を示した図である。ここで、図4に示されている内容について説明する。
【0039】
ファイルシステム110のデータブロック“1”から“12”が通常領域112に設定されている。また、ファイルシステム110のデータブロック“13”から“24”がデフラグ用領域114に設定されている。データブロック“1”、“2”、“4”にはファイル“1”が記憶されている。データブロック“12”にはファイル“2”が記憶されている。データブロック“6”、“7”にはファイル“3”が記憶されている。データブロック“5”、“8”、“9”、“11”にはファイル“4”が記憶されている。
【0040】
図5は、本実施例におけるデフラグ実施前のマッピングテーブル251の具体例を示した図である。ここで、図5に示されている内容と、図4に示されている内容とを対応させて説明する。尚、ホスト計算機100が使用するLD221のLD番号を“1”として説明する。
【0041】
上述したように、ファイルシステム110の通常領域112として設定されているデータブロックは、データブロック“1”から“12”である。このデータブロック“1”から“12”のそれぞれに対して、プールブロック“1”から“12”のそれぞれが物理領域として割り当てられている。そして、本説明では、ホスト計算機100はLD221(LD番号“1”)を使用するため、プールブロック“1”から“12”は、LD番号“1”が使用する。本発明では、ファイルシステム110のデフラグ用領域114には、物理領域を割り当てないため、マッピングテーブル251に、デフラグ用領域114のデータブロック番号は示されていない。また、ここではプール230の全領域サイズを256とした場合の例が示されている。
【0042】
デフラグ実施前の状態が図4及び図5に示されている状態である場合を用いて、デフラグ要求部131の動作を図6のフローチャートを用いて説明する。
【0043】
デフラグ要求部131は、ユーザからデフラグ命令を受けると、ファイルシステム管理テーブル133を検索し、使用状態が「使用」であるレコードとデフラグ用領域のレコードを全て取得する(S100)。例えば、図4に示されているファイルシステム管理テーブル132のデータブロック番号“1”、“2”、“4”、“12”、“6”、“7”、“5”、“8”、“9”、“11”のレコードが取得される。
【0044】
デフラグ要求部131は、S100で取得したレコードのうち、ファイル番号が同一であるレコードに対して、ファイルオフセット番号の若番から順にデータブロック番号を取得する。取得した各データブロック番号に対して、デフラグ用領域のデータブロック番号を若番から順に1つずつ組み合わせる(S110)。図4のファイルシステム管理テーブル133において、ファイル番号1に対して処理が行われる場合、データブロック番号1、2、4が順に取得される。そして、データブロック番号1と13、2と14、4と15が組み合わされる。同様に、ファイル番号2に対して処理が行われる場合、データブロック番号12が取得され、データブロック番号12と16が組み合わされる。更に、ファイル番号3に対して処理が行われる場合、データブロック番号6、7が順に取得され、データブロック番号6と17、7と18が組み合わされる。更に、ファイル番号4に対して処理が行われる場合、データブロック番号5、8、9,11が順に取得され、データブロック番号5と19、8と20、9と21、11と22が組み合わされる。
【0045】
デフラグ要求部131は、S110で取得した各データブロック番号をコピー元のデータブロック番号として指定し、かつ、組み合わされた各データブロック番号をコピー先のデータブロック番号として指定し、データコピー部170へコピー開始を要求する(S120)。
【0046】
デフラグ要求部131は、データコピー部170からコピー完了の報告を受けると(後述のS210)、ファイルシステム管理テーブル133へデフラグの結果を反映する。S110でコピー元、またはコピー先となったレコードは、デフラグ状態が「済」になる(S130)。
【0047】
デフラグ要求部131は、S100で取得したレコードのうち、使用状態が「使用」であり、かつ、デフラグ状態が「未実施」のレコードがあるかどうかをチェックする。該当するレコードがあれば、該当するレコードのファイル番号に対してS110から動作を実施する。該当するレコードが無ければ、ファイルのコピーを終了する(S140)。
【0048】
S140実施後、図4のファイルシステム管理テーブル133は図7に示された状態になる。また、ファイルシステムの通常領域からデフラグ用領域へのコピーの際、ホスト計算機100からの書き込み(Write)に応じて、制御部260によって、ストレージ200のLD221にプール上の実領域が割り当てられる。そのため、S140実施後、図5のマッピングテーブル251は、図8の状態になる。図8に示すように、ファイルシステム110のデフラグ用領域114に設定されていて、データが書き込まれたデータブロック“13”から“24”にプールブロックが“13”から“24”が割り当てられる。
【0049】
デフラグ要求部131は、通常領域とデフラグ用領域の領域切り替えを領域切り替え部120へ要求する(S150)。
【0050】
デフラグ要求部131は、領域切り替え部120から領域切り替え完了の報告を受けると(後述のS300)、ファイルシステム管理テーブル132を検索し、通常領域のレコードを全て取得し、当該レコードのデータブロック番号を取得する。そして、デフラグ要求部131は、取得したデータブロック番号を、解放する領域として指定し、領域解放部246へ領域解放を要求する(S160)。
【0051】
デフラグ要求部131は、領域解放部246から領域解放完了の報告を受けると(後述のS420)、ファイルシステム管理テーブル133へ領域切り替えと領域解放の結果を反映する(S170)。
【0052】
S170実施後、図7のファイルシステム管理テーブル133は、図9に示された状態になる。図9に示されているように、ファイルシステム110のデフラグ用領域に設定されていたデータブロック“13”から“24”までが通常領域になり、通常領域に設定されていたデータブロック“1”から“12”までがデフラグ用領域になる。また、S170実施後、図8のマッピングテーブル251は、図10に示された状態になる。図10に示されているように、デフラグ用領域114に割り当てたプールブロックが“13”から“22”が通常領域として割り当てられるので、プールブロックが“13”から“22”のそれぞれにデータブロック“13”から“22”が割り当てられる。一方、通常領域に割り当てたプールブロックが“1”から“12”がデフラグ用領域として割り当てられるので、プールブロックが“1”から“12”のそれぞれにデータブロックが未割当となり、それに応じてLD番号も未割当になる。
【0053】
図11は、本実施例におけるデータコピー部170の動作を示すフローチャートである。
【0054】
データコピー部170は、S120における、デフラグ要求部131からコピー元のデータブロック番号とコピー先のデータブロック番号を受けると、コピー元のデータブロックの内容を読み出す(S200)。
【0055】
データコピー部170は、S200で読み出したデータをコピー先のデータブロックへ書き込み、デフラグ要求部131へコピー完了を報告する。この時、コピーに伴ってLD221の実領域ではないブロックへのwriteが発生する。プール230はwriteに応じてLDへ実領域を割り当てて、マッピングテーブル251へ割当結果を反映する(S210)。
【0056】
図12は、本実施例における領域切り替え部120の動作を示すフローチャートである。
【0057】
領域切り替え部120は、S150における、デフラグ要求部131から領域切り替えの要求を受けると、通常領域112とデフラグ用領域114とを切り替えて、ファイルシステムの管理情報を更新し、デフラグ要求部131へ領域切り替え完了を報告する(S300)。
【0058】
図13は、本実施例における領域解放部246の動作を示すフローチャートである。
【0059】
領域解放部246は、S160における、デフラグ要求部131からデータブロック番号と領域解放の要求を受けると、マッピングテーブル251を検索し、当該データブロック番号に該当するレコードを取得する(S400)。
【0060】
領域解放部246は、S400で取得したレコードからプールブロック番号を取得し、当該プールブロック番号の領域を割当済領域232から解放し、未割当領域234へ組み込む(S410)。
【0061】
領域解放部246は、領域解放の結果をマッピングテーブル251へ反映し、デフラグ要求部131へ領域解放完了を報告する(S420)。
【0062】
本実施の形態によると、通常の動作時にはデフラグ用領域に実領域を割り当てず、デフラグ時にデフラグ用領域に実領域を割り当てているので、ストレージに各計算機のファイルシステム数分のデフラグ用領域を持つことなく、デフラグの実施を可能にしている。また、ファイルシステムが使用する領域と同じサイズの実領域がファイルシステムに割り当てられているので、ホスト計算機が割り当てられたLDを認識するための処理が不要となる。また、現在ファイルシステムが使用しているデータ領域と同じサイズの領域を確保して、断片化を解消するようにデータ領域をデフラグ用領域へコピーし、コピー完了後に通常領域とデフラグ用領域を切り替えることにより、デフラグにかかる時間を短縮することが可能である。
【0063】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態について以下に説明する。本実施の形態では、ストレージ200でデフラグを実施する場合について説明する。
【0064】
図14にストレージ200でデフラグを実施する例を示す。図1との差異は、ホスト計算機側にデータコピー部170が無く、ストレージ200に領域コピー部270を持ち、デフラグ要求部131が領域コピー部270へコピーを指示する点である。なお、領域切り替え部120、領域解放部246の動作については、先述した実施例との差異は無い。
【0065】
図15は、ストレージ200でデフラグを実施する際のデフラグ要求部131の動作を示すフローチャートである。図6との差異は、コピー開始の要求先が、データコピー部170ではなく、領域コピー部270となっている点である。尚、本実施の形態では、領域コピー部270と制御部260とが別々の構成部である場合を用いて説明するが、同一であっても良い。
【0066】
図16は、ストレージ200でデフラグを実施する際の領域コピー部270の動作を示すフローチャートである。
【0067】
領域コピー部270は、デフラグ要求部131からコピー元のデータブロック番号とコピー先のデータブロック番号とを受けると、マッピングテーブル251を検索し、コピー元に該当するレコードを取得する。また、コピー元の全領域を格納可能な領域サイズを持つ未割当領域を検索して、当該レコードをコピー先のレコードとして取得する(S600)。
【0068】
領域コピー部270は、S600で取得したレコードからコピー元のプールブロック番号とコピー先のプールブロック番号とを取得し、コピー元のプールブロックからコピー先のプールブロックへ、プールブロックの内容をコピーする(S610)。
【0069】
領域コピー部270は、コピーの結果をマッピングテーブル251へ反映し、デフラグ要求部131へコピー完了を報告する(S630)。
【0070】
本実施の形態によると、第1の実施の形態同様に、通常の動作時にはデフラグ用領域に実領域を割り当てず、デフラグ時にデフラグ用領域に実領域を割り当てているので、ストレージに各計算機のファイルシステム数分のデフラグ用領域を持つことなく、デフラグの実施が可能となる。また、ファイルシステムが使用する領域と同じサイズの実領域がファイルシステムに割り当てられているので、ホスト計算機が割り当てられたLDを認識するための処理が不要となる。更に、ホスト計算機側ではなくストレージ200でコピーするため、ホスト計算機に負荷をかけずにデフラグを実施することが可能となる。
【0071】
上記実施の形態によると、プール上の未割当領域を一時的に利用してデフラグを実施することにより、ストレージに複数の各ファイルシステム分のデフラグ用の空き領域を持つことなくデフラグを実施することが可能となるため、ストレージの領域利用効率を改善することが可能である。
【0072】
また、上記実施の形態によると、ホスト計算機に一時的な領域用のLDを別途割り当てる必要が無いため、デフラグを実施する際にLDを別途認識する手順が不要となる。
【0073】
また、現在ファイルシステムが使用しているデータ領域と同じサイズの領域を確保して、断片化を解消するようにデータ領域をデフラグ用領域へコピーし、コピー完了後に通常領域とデフラグ用領域を切り替えることにより、デフラグにかかる時間を短縮することが可能である。
【0074】
また、上記実施の形態によると、ファイルシステム上の使用領域を切り替え先の領域へコピーし、デフラグ後にコピー元の領域を全て解放するため、ストレージの領域利用効率を改善することが可能である。
【0075】
尚、上述した実施の形態の各装置は、上記説明からも明らかなように、ハードウェアで構成することも可能であるが、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。このような場合、プログラムメモリに格納されているプログラムで動作するプロセッサによって、上述した実施の形態と同様の機能、動作を実現させる。尚、上述した実施の形態の一部の機能をコンピュータプログラムにより実現することも可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 ホスト計算機
110 ファイルシステム
112 通常領域
114 デフラグ用領域
120 領域切り替え部
131 デフラグ要求部
133 ファイルシステム管理テーブル
170 データコピー部
200 ストレージ
220 LD群
221 LD
230 プール
232 割当済領域
234 未割当領域
240 物理ディスク群
241 物理ディスク
246 領域開放部
251 マッピングテーブル
260 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、前記データの断片化が解消されるように、デフラグメンテーション用領域に書き込む書込手段と、
前記書込手段によって、前記デフラグメンテーション用領域にデータが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御手段と
を有することを特徴とするメモリ管理システム。
【請求項2】
前記書込手段が前記デフラグメンテーション用領域に対する書き込みを終了すると、前記データ領域に割り当てられている実領域を開放する開放手段を有することを特徴とする請求項1に記載のメモリ管理システム。
【請求項3】
前記書込手段が前記デフラグメンテーション用領域に対する書き込みを終了すると、前記デフラグメンテーション用領域がデータ領域、前記データ領域がデフラグメンテーション用領域になるように切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメモリ管理システム。
【請求項4】
メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータがデフラグメンテーション用領域に書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御手段
を有することを特徴とするメモリ管理装置。
【請求項5】
メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、データの断片化が解消されるようにデフラグメンテーション用領域に書き込む書込手段と、
前記書込手段によって、デフラグメンテーション用領域にデータが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御手段と
を有することを特徴とするメモリ管理装置。
【請求項6】
メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、デフラグメンテーション用領域に書き込む書込ステップと、
デフラグメンテーション用領域に前記データが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御ステップと
を有することを特徴とするメモリ管理方法。
【請求項7】
前記デフラグメンテーション用領域に対する書き込みが終了すると、前記データ領域に割り当てた実領域を開放する開放ステップを有することを特徴とする請求項6に記載のメモリ管理方法。
【請求項8】
前記デフラグメンテーション用領域に対する書き込みが終了すると、前記デフラグメンテーション用領域がデータ領域、前記データ領域がデフラグメンテーション用領域になるように切り替える切替ステップを有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のメモリ管理方法。
【請求項9】
情報処理装置のプログラムであって、前記プログラムは、前記情報処理装置に、
メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータがデフラグメンテーション用領域に書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する処理を
実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
情報処理装置のプログラムであって、前記プログラムは、前記情報処理装置に、
デフラグメンテーション時に、メモリプールの実領域が割り当てられているデータ領域のデータを、データの断片化が解消されるように、デフラグメーション用領域に書き込む書込処理と、
前記書込処理によって、デフラグメンテーション用領域にデータが書き込まれると、前記デフラグメンテーション用領域に前記メモリプールの実領域を割り当てるように制御する制御処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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