情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
【課題】商標の総合的な登録性の判断材料を与えることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部101と、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部102と、商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部103と、称呼取得部103が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部106と、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部102の検索結果と、称呼情報ごとの類似検索の結果とを出力する出力部109と、を備えた。
【解決手段】商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部101と、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部102と、商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部103と、称呼取得部103が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部106と、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部102の検索結果と、称呼情報ごとの類似検索の結果とを出力する出力部109と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商標の登録性の判断等を行う装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の情報処理装置として、商標データベースから商標を抽出する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−339374号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報処理装置においては、商標の総合的な登録性の判断材料として有用な情報を得ることができないという課題があった。例えば、従来の情報処理装置においては、商標の文字列から、この商標が他の商標に対して識別力があるか否かや、この商標の文字列と類似する称呼を有する商標があるか等の総合的な判断材料を得ることがことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置は、商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部の検索結果と、称呼情報ごとの類似検索の結果とを出力する出力部と、を備えた情報処理装置である。
【0006】
かかる構成により、商標文字列と一致する文字列のWEB検索と、商標文字列の称呼検索とを行うことで、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報を提供することができる。
【0007】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、出力部は、検索部が取得した検索結果に含まれる使用件数が閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に警告を出力する情報処理装置である。
【0008】
かかる構成により、商標文字列と一致する文字列が十分な件数だけWEB上で使用されている場合に、例えば、商標文字列についての識別力の有無等に関する警告を出力して、ユーザに知らせることができる。
【0009】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部は、1以上の文字列と、文字列の読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて、受付部が受け付けた商標文字列に対応する1以上の称呼情報を自動取得する情報処理装置である。
【0010】
かかる構成により、商標文字列から自動的に称呼情報を取得して、類似検索を行うことができ、ユーザ等による称呼情報の入力の手間等を省くことができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部は、更に、1以上の称呼情報を分割して1以上の分割称呼情報を取得し、類似検索部は、各分割称呼情報を用いて類似検索を更に行う情報処理装置である。
【0012】
かかる構成により、商標文字列が結合商標である場合や、商標文字列が主要部による類似判断が必要な商標文字列である場合においても、自動で分割した称呼情報を用意することができ、ユーザによる入力の手間が省ける。
【0013】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部が取得した1以上の称呼情報を表示する称呼表示部と、称呼取得部が取得した称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、類似検索部は、称呼指定情報が指定する各称呼情報を用いて類似検索を行う情報処理装置である。
【0014】
かかる構成により、商標文字列から自動で取得した称呼情報の中から、ユーザが称呼情報を指定するだけで、ユーザが望む称呼情報を用いた類似検索が可能となる。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部が取得した1以上の称呼情報と1以上の分割称呼情報とを表示する称呼表示部と、称呼取得部が取得した称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、類似検索部は、称呼指定情報が指定する称呼指定情報と分割称呼情報とを用いて類似検索を行う情報処理装置である。
【0016】
かかる構成により、自動で取得した各称呼情報や、各分割称呼情報を用いた類似判断が必要か否かを、ユーザに知らせて選択させることができる。
【0017】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、普通名称である商標が格納された普通名称辞書と、慣用商標が格納された慣用商標辞書と、産地、販売地、または品質等を示す商標が格納された産地・販売地等辞書と、ありふれた名称である商標が格納されたありふれた名称辞書と、簡単な名称である商標が格納された簡単名称辞書と、識別力のない商標が格納された識別力無し辞書とのうちの、少なくとも1以上が格納されている辞書格納部と、受付部が受け付けた商標文字列と一致する商標が格納されている辞書を、辞書格納部に格納されている辞書の中から検索する辞書検索部と、を更に備え、出力部は、商標文字列が検出された辞書に応じた出力を行う情報処理装置である。
【0018】
かかる構成により、辞書に応じた出力によって、商標文字列が、どのような理由で登録されない可能性があるのかを明確に示すことができる。
【0019】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、辞書格納部に格納されている辞書には、格納されている商標と類似群コードとが対応付けて格納されており、受付部は、商標文字列が示す商標に対する類似群コードを更に受け付け、辞書検索部は、受付部が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を、辞書格納部に格納されている辞書の中から検索し、出力部は、商標文字列と類似群コードの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出された辞書に応じた出力を行う情報処理装置である。
【0020】
かかる構成により、類似群コードを用いることで、商標文字列が、どのような理由で登録されない可能性があるのかを的確かつ明確に示すことができる。
【0021】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、辞書格納部には、さらに、著名商標が格納されている著名商標辞書が格納されており、辞書検索部は、著名商標辞書に対しては、受付部が受け付けた商標文字列だけを用いて検索を行い、出力部は、著名商標辞書に商標文字列が検出された場合に、著名商標辞書に応じた出力を行う情報処理装置である。
【0022】
かかる構成により著名商標辞書については、商標文字列だけを用いた検索を行い、他の辞書については、商標文字列と類似群コードとの組合せを用いた検索を行うようにすることで、実際の審査と同様に、類似群コードの利用の有無を切り替えて、登録の可能性の判断を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による情報処理装置によれば、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態における情報処理装置のブロック図
【図2】同情報処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【図3】同表示例を示す図
【図4】同普通名称辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図5】同慣用商標辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図6】同産地・販売地等辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図7】同ありふれた名称辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図8】同簡単名称辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図9】同識別力無し辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図10】同著名商標辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図11】同出力例を示す図
【図12】同出力用情報管理表
【図13】本発明の実施の形態における情報処理装置のブロック図
【図14】同情報処理装置の類似検索の処理の詳細を示すフローチャート
【図15】同コンピュータシステムの外観の一例を示す図
【図16】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における情報処理装置1のブロック図である。
情報処理装置1は、受付部101、検索部102、称呼取得部103、称呼表示部104、称呼指定受付部105、類似検索部106、辞書格納部107、辞書検索部108、出力部109を備える。
【0027】
受付部101は、商標の文字列である商標文字列を受け付ける。商標文字列は1文字以上の文字で構成される。商標文字列を構成する文字は、漢字やアルファベットやカタカナやひらがな等、種類は問わない。また商標文字列には2種類以上の文字が混在していてもよい。また、受付部101は、商標文字列が示す商標に対する1以上の類似群コードを更に受け付けてもよい。ここでの受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。商標文字列の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部101は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0028】
検索部102は、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う。WEB検索とは、例えば、インターネット上のWEBサーバ装置(図示せず)が提供するWEBページに含まれる文字列情報を検索対象とした検索である。WEB検索は、例えば、検索用サイトを利用して行われる。ここでは、例えば、検索用サイトが提供するいわゆる検索エンジンに検索キーを含むクエリ等を送信し、検索エンジンが送信する検索結果を示す情報を受信することを、例えば、WEB検索を行うことと考える。検索キーの送信等は、検索エンジンが提供するAPI等を利用することで可能である。検索部102が取得する。検索部102がWEB検索の結果として取得する情報は、例えば、検索キーとして用いた商標文字列のWEB上での使用件数を含む情報である。使用件数は、商標文字列の検出件数と考えても良い。商標文字列のWEB上での使用件数とは、例えば、商標文字列と一致する文字列を含むWEBページ数やWEBサイト数を示す情報や、商標文字列と一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトにおける検索キーと一致する文字列の数の合計等を示す情報である。さらに、検索結果を示す情報として、検索キーと一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトがあるか否かを示す情報や、検索キーと一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトのアドレス等を示す情報や、これらのWEBページの検索キーと一致する文字列とその前後の文字列や、検索キーと一致する文字列を含むパラグラフ等の情報を取得しても良い。
【0029】
検索部102は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。検索部102の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、検索部102は、WEB検索のための検索キーを含むクエリ等を送信するための送信部(図示せず)や、検索結果を受信するための受信部(図示せず)等を備えていても良い。
【0030】
称呼取得部103は、受付部101が受け付けた商標文字列から、この商標文字列の称呼の情報である称呼情報を取得する。称呼取得部103は、一の商標文字列から複数の称呼情報を取得しても良い。称呼取得部103が取得する称呼情報は、ひらがなまたはカタカナあるいはこれらと同等の情報である。称呼情報がこれらのいずれであるかは、例えば、この称呼情報を検索に利用する後述する類似検索部106の仕様等によって決定される。
【0031】
称呼取得部103は、称呼情報をどのように取得しても良い。例えば、称呼取得部103は、1以上の文字列と、当該文字列の読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて、図示しない記憶媒体等に格納されている辞書を用いて受付部101が受け付けた商標文字列に対応する1以上の称呼情報を自動取得するようにしてもよい。また、ユーザ等から図示しない入力デバイス等を介して入力された商標文字列に対応する1以上の称呼情報を取得(受付)してもよい。この実施の形態においては、特に、称呼情報を自動取得する場合を例に挙げて説明する。
【0032】
称呼取得部103は、例えば、商標文字列に対して形態素解析を行い、形態素解析により得られた商標文字列の読みの情報を称呼情報として取得する。例えば、形態素解析を用いることにより、商標文字列を形態素に分解し、分解された各文字列の読みを取得し、この文字列を組み合わせることで商標文字列の称呼情報を取得することが可能である。形態素解析においては、形態素の分解や形態素に分解された文字列からの読みの取得は、例えば、上記と同様の、形態素となりうる文字列と、その読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて行われる。形態素解析としては、例えば、「Mecab(和布蕪)」(http://mecab.sourceforge.net/)や、「ChaSen(茶筌)」(http://chasen.naist.jp)等の形態素解析システム等が利用可能である。
【0033】
また、称呼取得部103は、商標文字列を構成する漢字や、数字や、アルファベット等の文字や単語等を読みに変換して、称呼情報を取得しても良い。漢字や、数字の文字や単語を読みに変換する処理は、例えば、日本語のインプットメソッドのいわゆる再変換技術や、上述したような形態素解析システムの技術により実現可能である。また、アルファベットの文字や単語を読みに変換する処理は、例えば、日本語のインプットメソッドのアルファベット列の入力を日本語に変換する技術により実現可能である。アルファベット列を日本語のよみに変換する技術は、例えば、特開2009−199434号公報等に開示されている。なお、アルファベットや、漢字や、数字の称呼(読み)は、一通りとは限らないため、称呼取得部103は、様々な組合せの複数の情報を取得しても良い。例えば「IT」から「アイティー」、「アイティイ」と「イット」という複数の称呼を取得しても良い。また、「山田」から「ヤマダ」、「ヤマタ」、「ヤマデン」、「サンデン」、「サンダ」、「サンタ」という複数の称呼を取得しても良い。
【0034】
また、称呼取得部103は、商標文字列を構成し得る文字列(例えば、漢字や、アルファベットや、数字等)と、その読みの情報(辞書情報)を予め図示しない格納部に蓄積しておくようにし、商標文字列を構成する各文字についてそれぞれ1以上の読みの情報を取得して、取得した読みの情報を組み合わせたものを称呼情報として取得してもよい。
【0035】
また、例えば、1文字以上の文字で構成される1以上の文字列とその読みを示すカタカナまたはひらがなとを対応付けて有する予め用意された辞書情報について、称呼取得部103が、商標文字列に含まれるカタカナまたはひらがな以外の1文字以上の文字列と一致する文字列を検索し、検出された文字列に対応付けられた読み(称呼)の情報を辞書情報から順次取得していくことで実現可能である。なお、一の文字列について読みが複数ある場合や、検索に用いる文字数の区切で異なる称呼が得られる場合には、複数の読みを組み合わせたり区切を変更したりしてこれらを適宜組み合わせて複数の称呼情報を取得する。このような辞書情報は、例えば、称呼取得部103が、予め保持しているようにすればよい。称呼取得部103は、このような辞書情報を保持する記憶媒体等を有していても良い。
【0036】
称呼取得部103は、さらに、上記で取得した1以上の称呼情報を分割して1以上の分割称呼情報を取得してもよい。分割称呼情報は、具体的には、称呼情報の一部分の情報である。分割称呼情報は、例えば、後述する類似検索等で称呼情報と実質的に同じものとして利用される。例えば、称呼取得部103は、取得した称呼情報のそれぞれの文字列を、任意の位置で区切って、その区切った位置によって分割される前または後、もしくはその両方の文字列を分割称呼情報として取得する。また、称呼取得部103は、文字列の区切る位置を順次変更して、それぞれの区切る位置に応じて分割称呼情報を取得しても良い。例えば、称呼取得部103は、各称呼情報を構成する文字列をそれぞれの文字間で区切っていった場合にそれぞれ得られる区切り位置の前後の文字列を、全て分割称呼情報として取得しても良い。
【0037】
称呼取得部103は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。称呼取得部103の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0038】
称呼表示部104は、称呼取得部103が取得した1以上の称呼情報を図示しないモニタ等の表示デバイスに表示する。また、称呼表示部104は、称呼取得部103が取得した1以上の分割称呼情報を表示してもよい。称呼表示部104は、表示デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。称呼表示部104は、表示デバイスのドライバーソフト、または表示デバイスのドライバーソフトと表示デバイス等で実現され得る。
【0039】
称呼指定受付部105は、称呼取得部103が取得した称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報をユーザ等から受け付ける。例えば、称呼指定情報は、称呼表示部104に表示された称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける。また、称呼指定受付部105は、称呼取得部103が取得した称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報をユーザ等から受け付けてもよい。例えば、称呼指定受付部105は、称呼表示部104により表示された称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける。称呼指定情報の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。称呼指定受付部105は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0040】
類似検索部106は、称呼取得部103が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う。あるいは、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した称呼情報のうちの、称呼指定情報が指定する各称呼情報を用いて類似検索を行うようにしてもよい。また、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した各称呼情報と各分割称呼情報とを用いて類似検索を行うようにしてもよい。あるいは、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した各称呼情報と各分割称呼情報とのうちの、称呼指定情報が指定する称呼情報と分割称呼情報とを用いて類似検索を行うようにしてもよい。称呼指定情報が指定する称呼情報と分割称呼情報とを用いてとは、例えば、指定された称呼情報または分割称呼情報だけを用いることを意味する。例えば、類似検索部106は、図示しない記憶媒体等の格納部に予め格納されている登録商標の称呼の情報(以下、登録称呼情報と称す)の中から、称呼情報(または分割称呼情報)と類似する登録称呼情報を検索する。
【0041】
また、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した称呼情報または分割称呼情報と、受付部101が受け付けた類似群コードとを用いて、類似検索を行うことが好ましい。例えば、上述したような類似検索を行う図示しない格納部に、登録称呼情報とこの登録称呼情報の登録商標の類似群コードとが対応付けて格納しておくようにし、格納されている登録称呼情報の中から、称呼取得部103が取得した称呼情報または分割称呼情報と類似する登録称呼情報であって、受付部101が受け付けた類似群コードと一致する類似群コードと対応付けられた登録称呼情報を検索する。例えば、類似検索部106は、対応する類似群コードが、受付部101が受け付けた類似群コードと一致する登録称呼情報について、称呼情報または分割称呼情報を用いた類似検索を行う。
【0042】
なお、登録商標の称呼の情報が格納されている図示しない格納部は、情報処理装置1が有していても良いし、図示しない外部のサーバ装置等が有していても良い。また、図示しない登録商標の類似検索の処理を行うサーバ装置等に、称呼情報または分割称呼情報、および類似群コードを送信して類似検索を実行させ、その検索結果を類似検索部106が受信するようにしても良く、このような場合も、類似検索部106が類似検索を行ったと考えて良い。
【0043】
類似検索部106が取得する類似検索の結果は、例えば、少なくとも類似する登録称呼情報が検出されたか否かを示すことが可能な情報である。例えば、類似検索の結果は、類似する登録称呼情報の有無を示す情報であっても良いし、類似する1以上の登録称呼情報を示す情報でもよい。また類似する登録称呼情報の数等を示す情報でも良い。また、称呼の情報が、登録商標や、その識別情報(例えば登録番号)等と対応付けて上述した図示しない格納部に格納されている場合、類似する登録称呼情報に対応する登録商標やその識別情報を図示しない格納部から取得して検索結果として出力してもよい。また、登録称呼情報に対応付けられた類似群コードの情報を含む情報を出力してもよい。登録商標の称呼について類似検索を行うための具体的な処理については、上述した特許文献1や、日本の特許庁が提供する称呼検索サービスや、商用データベースの称呼検索サービス等の技術として公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0044】
類似検索部106は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。類似検索部106の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0045】
辞書格納部107は、普通名称である商標が格納された普通名称辞書と、慣用商標が格納された慣用商標辞書と、産地、販売地、または品質等を示す商標が格納された産地・販売地等辞書と、ありふれた名称である商標が格納されたありふれた名称辞書と、簡単な名称である商標が格納された簡単名称辞書と、識別力のない商標が格納された識別力無し辞書とのうちの、少なくとも1以上が格納されている。また、上記の各辞書には、さらに、類似群コードが、それぞれの辞書に格納されている商標と対応付けて格納されているようにしても良い。各辞書に格納されている商標と、これに対応する類似群コードを、ここでは商標と類似群コードとの組みと考える。
【0046】
普通名称辞書に格納されている普通名称である商標とは、例えば、商標法第3条第1項第1号に該当する商標である。具体的には、取引界において、その商品または役務の一般的な名称であると認識されるに至った商標である。普通名称と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この普通名称である商標に使用した場合に、普通名称であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0047】
慣用商標辞書に格納されている慣用商標とは、例えば、商標法第3条第1項第3号に該当する商標である。具体的には、同種類の商品又は役務について同業者間において普通に使用されるに至った結果、自己の商品又は役務と他人の商品または役務とを識別することができなくなった商標である。慣用商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この慣用商標を使用した場合に、慣用商標であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0048】
産地・販売地等辞書に格納されている産地、販売地、または品質等を示す商標とは、例えば、商標法第3条第1項第3号に該当する商標である。具体的には、商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む)、価格若しくは生産若しくは仕様の方法若しくは時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格もしくは提供の方法若しくは時期を示す商標である。産地、販売地、または品質等を示す商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この産地、販売地、または品質等を示す商標を使用した場合に、産地、販売地、または品質等を示す情報であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0049】
ありふれた名称辞書に格納されているありふれた名称である商標とは、例えば、商標法第3条第1項第4号に該当する商標である。具体的には、ありふれた氏又は名称のみから構成される商標である。ありふれた名称である商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、このありふれた名称の商標を使用した場合に、ありふれた名称であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0050】
簡単名称辞書に格納されている簡単名称である商標とは、例えば、商標法第3条第1項第5号に該当する商標である。具体的には、きわめて簡単でありふれた標章のみからなる商標である。簡単名称と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この簡単名称である商標を使用した場合に、簡単名称であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0051】
識別力無し辞書に格納されている識別力のない商標とは、例えば、商標法第3条第1項第6号に該当する商標である。具体的には、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識できない商標である。識別力のない商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この識別力のない商標を使用した場合に、識別力のない商標であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0052】
また、辞書格納部107には、さらに、著名商標が格納されている著名商標辞書が格納されていてもよい。著名商標辞書に格納されている著名商標とは、例えば、商標法第4条1項15号に該当する商標である。具体的には、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生じる恐れがある商標である。なお、著名商標辞書については、他の辞書とは異なり、格納されている商標に対して類似群コードを対応付けないようにする。
【0053】
辞書格納部107は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0054】
辞書検索部108は、受付部101が受け付けた商標文字列が格納されている辞書を、辞書格納部107に格納されている辞書の中から検索する。また、受付部101が類似群コードも受け付けた場合、辞書検索部108は、受付部101が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を、辞書格納部107に格納されている辞書の中から検索するようにしてもよい。また、例えば、辞書格納部107に著名商標辞書が格納されている場合、辞書検索部108は、著名商標辞書に受付部101が受け付けた商標文字列と一致する商標を検索して、著名商標辞書に一致する総評が含まれるか否かを検出する。ただし、著名商標辞書に対しては、受付部101が類似群コードも受け付けたか否かに関わらず、受付部101が受け付けた商標文字列だけを用いて検索を行う。
【0055】
辞書検索部108は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。辞書検索部108の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0056】
出力部109は、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部102の検索結果を出力する。WEB上での使用件数を含む検索結果とは、上述したような商標文字列と一致する文字列を含むWEBページ数やWEBサイト数を示す情報や、商標文字列と一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトにおける検索キーと一致する文字列の数の合計等を示す情報である。
【0057】
また、出力部109は、例えば、検索部102が取得した検索結果に含まれる使用件数が閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に警告を出力する。出力する警告は、例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、識別力のない商標である可能性が高い旨や、この商標文字列が登録される可能性が低い旨を示す警告等である。警告を出力するための文字列や画像の情報や、閾値は、例えば、図示しない記憶媒体等の格納部に予め格納しておくようにして、適宜読み出すようにする。
【0058】
また、出力部109は、例えば、類似検索部106による類似検索の結果を更に出力する。例えば、出力部109は、類似検索の結果を、類似検索を行った称呼情報ごとに出力する。また、出力部109は、例えば、類似検索の結果を、類似検索を行った分割称呼情報ごとに出力する。出力部109が出力する類似検索の結果は、類似する称呼の登録商標があることを示す情報であっても良いし、称呼が類似すると判断された登録商標数を示す情報であっても良い。また、称呼が類似すると判断された登録商標や、登録商標の識別情報を示す情報であっても良い。
【0059】
また、出力部109は、例えば、辞書検索部108によって、商標文字列と一致する商標が検出された辞書に応じた出力を行う。また、出力部109は、例えば、辞書検索部108によって、商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出された辞書に応じた出力を行う。辞書に応じた出力は、例えば、辞書に対応付けられた警告である。辞書に応じた出力は、例えば、予め辞書格納部107に格納されている辞書のそれぞれと対応付けて、辞書に応じた出力を行うための出力用の情報を用意しておくようにし、辞書検索部112によって一の辞書が検出された場合に、この検出された辞書と対応付けられた出力用の情報を読み出して出力する。出力用の情報は、例えば、辞書格納部107等に予め蓄積しておく。出力用の情報は、文字列の情報でも画像の情報でも良い。
【0060】
辞書検索部108によって普通名称辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第1号に該当する可能性がある旨の出力である。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、普通名称に該当する可能性がある旨の出力である。
【0061】
また、慣用商標辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第2号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、慣用商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0062】
また、産地・販売地等辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第3号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、産地、販売地、または品質等を示す商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0063】
また、ありふれた名称辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第4号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、ありふれた名称に該当する可能性がある旨の出力である。
【0064】
また、簡単名称辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第5号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、きわめて簡単でありふれた標章のみからなる商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0065】
また、識別力無し辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第6号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識できない商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0066】
なお、上記の出力は、辞書検索部108による検索において類似群コードを用いるか否かによって異なるものが選択されるようにしてもよい。例えば、類似群コードを用いた場合の出力は、上記の出力において、更に、商標法の各条文等に該当する可能性がより高いことを示す旨の出力としても良い。
【0067】
また、出力部109は、著名商標辞書に商標文字列と一致する商標が検出された場合に、著名商標辞書に応じた出力を行う。著名商標辞書に応じた出力は、他の辞書に応じた出力と同様の構成や処理によって出力される。著名商標辞書に商標文字列と一致する商標が検出された場合の出力は、例えば、商標法第4条第1項第15号に該当する可能性がある旨の出力である。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、著名商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0068】
例えば、弁理士等が本実施の形態の情報処理システムを利用する場合においては、上記のような商標法に沿った出力が行われることで、顧客の商標が、どのような条文や理由等に該当するかを容易に知ることができるため、顧客等に適切な助言等を行うことが可能となる。
【0069】
ここでのべる出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタによる紙等への印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積等を含む概念である。出力部109は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
図2は、本実施の形態に係る情報処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図2を用いて動作について説明する。
【0070】
(ステップS201)受付部101は、商標文字列と類似群コードとを受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS202に進み、受け付けていない場合、ステップS201に戻る。
【0071】
(ステップS202)称呼取得部103は、ステップS201で受け付けた商標文字列を用いて、1以上の称呼情報を取得する。例えば、商標文字列を形態素解析したり、商標文字列を構成する各文字の読みを、予め用意された文字の読みが格納された辞書等から読み出し、それらの組合せを取得することで、称呼情報を取得する。
【0072】
(ステップS203)称呼取得部103は、カウンターmに1を代入する。
【0073】
(ステップS204)称呼取得部103は、ステップS202で取得した称呼情報にm番目の称呼情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS205に進み、ない場合、ステップS210に進む。
【0074】
(ステップS205)称呼取得部103は、カウンターnに1を代入する。
【0075】
(ステップS206)称呼取得部103は、m番目の称呼情報にn番目の区切位置があるか否かを判断する。例えば、称呼情報の全ての文字の間を区切り位置に設定していく場合、n番目の区切り位置とは、例えば、称呼情報の先頭からn番目の文字と(n+1)番目の文字との間である。このため、称呼取得部103は、例えばm番目の称呼情報に、先頭から(n+1)番目の文字があるか否かを判断すればよい。n番目の区切位置がある場合、ステップS207に進み、ない場合、ステップS209に進む。なお、称呼情報のうちの、商標文字列を構成する各文字の読みの間や、商標文字列を構成する形態素の読みの間を、区切り位置に設定して称呼情報を分割していくようにしても良い。例えば、商標文字列「ABC」の各文字の読み「エー」と「ビー」と「シー」を組み合わせて称呼情報「エービーシー」が取得された場合、区切り位置に設定できる位置を、「エー」と「ビー」との間、及び「ビー」と「シー」の間としてもよい。
【0076】
(ステップS207)称呼取得部103は、n番目の区切位置でm番目の称呼情報を区切って、その前後の文字列である分割称呼情報を取得する。なお、商標の称呼となり得ないような予め指定された文字が先頭に来る文字列は、分割称呼情報として取得しないことが好ましい。予め指定された文字は、例えば長音や、「ン」等である。取得した分割称呼情報は、図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。既に他の分割称呼情報が記憶されている場合は、追記する。
【0077】
(ステップS208)称呼取得部103は、カウンターnを1インクリメントする。そして、ステップS206に戻る。
【0078】
(ステップS209)称呼取得部103は、カウンターmを1インクリメントする。そして、ステップS204に戻る。
【0079】
(ステップS210)称呼表示部104は、ステップS202で取得した称呼情報と、ステップS207で取得した分割称呼情報を表示する。
【0080】
(ステップS211)称呼指定受付部105は、称呼指定情報または分割称呼指定情報の少なくとも一方を指定する称呼指定情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、例えば、称呼指定情報で指定された称呼情報と割称呼情報とをメモリ等の記憶媒体に一時記憶して、ステップS212に進み、受け付けていない場合、ステップS211に戻る。
【0081】
(ステップS212)検索部102は、ステップS201で受け付けた商標文字列を検索キーとして用いてWEB検索を行う。そして、ここでは、例として商標文字列の使用件数(検出件数)を含む検索結果を取得する。取得した検索結果を、例えば、図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。
【0082】
(ステップS213)出力部109は、ステップS212で取得した検索結果が示す商標文字列の使用件数が、予め用意された閾値を超えるか否かを判断する。超える場合、ステップS214に進み、超えない場合、ステップS215に進む。なお、本実施の形態においては、使用件数が閾値と同じ場合は、閾値を超える場合と同じ判断としても良いし、閾値を超えない場合と同じ判断としてもよい。
【0083】
(ステップS214)出力部109は、予め用意された警告を取得する。取得した警告は、例えば図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。
【0084】
(ステップS215)類似検索部106は、カウンターkに1を代入する。
【0085】
(ステップS216)類似検索部106は、ステップS211で受け付けた称呼指定情報によって指定された称呼情報と分割称呼情報とを合わせた中に、k番目の称呼情報または分割称呼情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS217に進み、ない場合、ステップS219に進む。
【0086】
(ステップS217)k番目の称呼情報または分割称呼情報と、類似群コードとを用いて、類似検索を行う。そして、類似検索の結果を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。類似検索の結果は、例えば、類似検索に用いられたk番目の称呼情報または分割称呼情報と、類似すると判断された称呼と、その称呼に対応付けられた商標または商標の識別情報とを含む情報である。
【0087】
(ステップS218)類似検索部106は、カウンターkを1インクリメントする。そして、ステップS216に戻る。
【0088】
(ステップS219)辞書検索部108は、カウンターjに1を代入する。
【0089】
(ステップS220)辞書検索部108は、辞書格納部107にj番目の辞書が格納されているか否かを判断する。ここでの辞書は、著名商標辞書を除いた辞書を指す。格納されている場合、ステップS221に進み、格納されていない場合、ステップS224に進む。
【0090】
(ステップS221)辞書検索部108は、j番目の辞書に、ステップS201で受け付けた商標文字列と類似群コードとが一致する商標と類似群コードとの組みが検出されるか否かを判断する。検出された場合、ステップS222に進み、検出されなかった場合、ステップS223に進む。
【0091】
(ステップS222)出力部109は、j番目の辞書に対応付けて辞書格納部107等に格納されている出力用の情報を読み出し、図示しない記憶媒体等に蓄積する。既に他の出力用情報が格納されている場合には、追記する。なお、何らかの出力用の情報が一の辞書について取得されれば良い場合、蓄積後に、ステップS224に進むようにしても良い。
【0092】
(ステップS223)辞書検索部108は、カウンターjを1インクリメントする。そして、ステップS220に戻る。
【0093】
(ステップS224)辞書検索部108は、著名商標辞書に、ステップS201で受け付けた商標文字列と一致する著名商標が検出されるか否かを判断する。著名商標が検出された場合、ステップS225に進み、検出されなかった場合、ステップS226に進む。
【0094】
(ステップS225)辞書検索部108は、著名商標辞書に対応付けられた出力用の情報を取得する。
【0095】
(ステップS226)出力部109は、ステップS212で取得したWEB検索の結果およびステップS214で取得した警告と、ステップS217で取得した類似検索の結果と、ステップS222で取得した辞書に応じた出力用の情報と、ステップS225で取得した著名商標辞書に応じた出力用の情報とを出力する。例えばこれらの情報をモニタ等に出力する。そして、処理を終了する。
【0096】
以下、本実施の形態における情報処理装置1の具体的な動作について説明する。なお、この具体例において示した商標の登録性の判断結果は、説明のために便宜上用意されたものであって、実際の登録制を示すものではない。また、この具体例において示した辞書格納部107内の各辞書に格納されている商標等は、説明のために便宜上用意されたものであり、必ずしも各辞書に適合した実際の商標ではない。例えば、著名商標辞書に格納されている商標は、必ずしも実際の著名商標とは限らない。
【0097】
まず、ユーザが、中華そばの麺についての「針金麺」という商標の登録の可能性を判断したいと考えて、「針金麺」という商標文字列と、中華そばの麺の類似群コードである「32F03」を、情報処理装置1にキーボード等を操作して入力したとする。受付部101は、商標文字列「針金麺」と、類似群コード「32F03」とを受け付ける。
【0098】
称呼取得部103は、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」の称呼情報を取得する。ここでは、まず、商標文字列に対して形態素解析を行って形態素ごとの読みの情報を取得する。例えば、形態素解析によって「針金麺」は2つの形態素「針金」と「麺」とに分けられ、形態素「針金」からは読みとして「ハリガネ」が、また、形態素「麺」からは読みとして「メン」が取得されたとする。それぞれの形態素には、1つの読みしか取得されないため、「針金麺」の称呼情報の一つとしてこれらの読みを単に結合した「ハリガネメン」を取得する。
【0099】
さらに、称呼取得部103は、予め用意された漢字の読みが格納された辞書(図示せず)から、商標文字列「針金麺」の各文字の読みを取得する。例えば、「針」からは「ハリ」、「シン」という読みを取得したとする。また「金」からは、「キン」、「コガネ」、「コン」、「カネ」を取得したとする。また、「麺」からは「メン」を取得したとする。そして、取得した文字の読みを、取得元となる文字の並びに沿って組み合わせることで称呼情報を取得する。例えば、「ハリキンメン」、「ハリコガネメン」、「ハリコンメン」、「ハリカネメン」、「シンキンメン」、「シンコガネメン」等の称呼情報が取得される。なお、形態素解析で取得した称呼情報と一致するものは、削除する。
【0100】
次に、称呼取得部103は、上記で取得した各称呼情報を分割して分割称呼情報を取得する。例えば、称呼情報「ハリガネメン」については、まず、区分位置を1文字目の「ハ」と2文字目の「リ」の間に設定して称呼情報を分割することで、「ハ」という分割称呼情報と、「リガネメン」という分割称呼情報とを取得する。更に、区分位置を2文字目の「リ」と3文字目の「ガ」の間に設定して称呼情報を分割することで、「ハリ」という分割称呼情報と、「ガネメン」という分割称呼情報とを取得する。同様にして、「ハリガ」、「ネメン」、「ハリガネ」、「メン」、「ハリガネメ」を取得する。但し「ン」は、分割称呼情報としては取得しない。同様にして、他の称呼情報についても分割称呼情報を取得する。なお、取得した分割称呼情報において、重複するものは一つを除いて削除する。
【0101】
そして、称呼表示部104は、取得した称呼情報と分割称呼情報とをモニタ等に出力する。
【0102】
図3は、称呼表示部104による、称呼情報と分割称呼情報との表示例を示す図である。なお、ここでは、称呼情報も分割称呼情報も、後述する類似検索においては特に区別せずに利用されるため、称呼情報と分割称呼情報とを特に区別せずに称呼として表示している。
【0103】
次に、ユーザが、図3に示した称呼情報と分割称呼情報とのうちの、類似検索に利用したいと考えるものの横のチェックボックスにチェックを入れて、「指定完了」ボタン31を押したとする。例えば、「ハリガネメン」、「ハリガネ」、「ハリキンメン」の横のチェックボックスに図3に示すようにチェックをいれて「指定完了」ボタン31を押すと、称呼指定受付部105は、チェックの入った称呼情報である「ハリガネメン」および「ハリキンメン」と、チェックの入った分割称呼情報である「ハリガネ」を受け付ける。
【0104】
次に、検索部102は、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」を用いて、WEB検索を行う。具体的には、「針金麺」を検索文字列として含むクエリを,予め指定されたインターネット上のWEB検索を行う検索サイトに図示しない送信部から送信する。そして、この検索サイトによる「針金麺」についての検索結果を図示しない受信部で受信する。この検索結果には、検索キーである「針金麺」と一致する文字列を含むWEBページの数が含まれているものとする。ここでは、このWEBページ数をWEB上での商標文字列の使用件数を示す情報として利用する。例えば、検索結果に含まれる「針金麺」と一致する文字列を含むWEBページの数が1500件であったとする。つまり、WEB上での商標文字列「針金麺」の使用件数が1500件であったとする。
【0105】
出力部109は、商標文字列の使用件数の値が、予め用意された閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、閾値が、1000件であったとすると、使用件数が1500件であるので、閾値を超えると判断する。このため、予め用意された警告の情報である「WEB検索の結果からは商標法第3条違反の可能性あり」という文字列を、図示しない格納部等から取得し、メモリ等の記憶媒体に一時記憶する。
【0106】
次に、類似検索部106は、称呼指定受付部105が受け付けた称呼情報と分割称呼情報とのそれぞれと、類似群コード「32F03」とを用いて、称呼の類似検索を行う。称呼の類似検索については、公知の技術であるので、詳細な具体例は省略する。例えば、類似検索の結果、称呼情報「ハリガネメン」と分割称呼情報「ハリガネ」については、称呼が類似する登録商標が検出されなかったが、称呼情報「ハリキンメン」については、称呼が類似する登録商標が検出されたとする。具体的には、類似群コードが「32F03」であり、称呼が「ハリキントン」という登録番号が「554××××」(×は任意の数字)である登録商標が類似する登録商標として検出されたとする。出力部109は、この検出結果を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0107】
次に、辞書検索部108は、辞書格納部107に格納されている辞書のうちの、著名商標辞書以外の辞書の中から、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」と類似群コード「32F03」との組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を検索する。ここでは、辞書検索部108には、普通名称辞書と、慣用商標辞書と、産地・販売地等辞書と、ありふれた名称辞書と、簡単名称辞書と、識別力無し辞書と、著名商標辞書とが、予め格納されているものとする。なお、ここでは、普通名称辞書、慣用商標辞書、産地・販売地等辞書、ありふれた名称辞書、簡単名称辞書、識別力無し辞書、および著名商標辞書は、それぞれの辞書名でもあるものとする。
【0108】
図4は、普通名称辞書に格納されているデータの一例を示す図である。普通名称辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が普通名称と判断される商品または役務を示すものと考えて良い。
【0109】
図5は、慣用商標辞書に格納されているデータの一例を示す図である。慣用商標辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、対応する「商標」が慣用商標と判断される商品または役務を示す。
【0110】
図6は、産地・販売地等辞書に格納されているデータの一例を示す図である。産地・販売地等辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が産地・販売地等を示す商標と判断される商品または役務を示すものと考えて良い。
【0111】
図7は、ありふれた名称辞書に格納されているデータの一例を示す図である。ありふれた名称辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、対応する「商標」がありふれた名称と判断される商品または役務を示す。なお、「類似群コード」の値「all」は、全ての類似群コードを指定していると解釈されるものとする。
【0112】
図8は、簡単名称辞書に格納されているデータの一例を示す図である。簡単名称辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が簡単な名称と判断される商品または役務を示すものと考えて良い。なお、「類似群コード」の値「all」は、全ての類似群コードを指定していると解釈されるものとする。
【0113】
図9は、識別力無し辞書に格納されているデータの一例を示す図である。識別力無し辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が識別力無しと判断される商品または役務を示すものと考えて良い。
【0114】
図10は、辞書格納部107に格納されている著名商標辞書に格納されているデータの一例を示す図である。著名商標辞書は著名商標である「商標」という項目を有している。
【0115】
まず、辞書検索部108は、1番目の辞書である普通名称辞書について、「商標」の値が「針金麺」と一致し、「類似群コード」が「32F03」と一致するレコードを検索する。ここでは、一致するレコードが検索されないため、普通名称辞書には、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」と類似群コード「32F03」との組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されていないと判断する。
【0116】
同様にして、著名商標辞書を除く他の辞書についても、順次、「商標」の値が「針金麺」と一致し、「類似群コード」が「32F03」と一致するレコードの検索を行う。ここでは、いずれの辞書にも、一致するレコードが検出されなかったとする。このため、出力部109は、これらの辞書に対応した出力を行わない。
【0117】
さらに、辞書検索部108は、著名商標辞書について、「商標」の値が「針金麺」と一致するレコードの検索を行ったところ、一致するレコードが検出されなかったとする。このため、出力部109は、著名商標辞書に対応した出力を行わない。
【0118】
そして、出力部109は、WEB検索の結果と、類似検索の結果を出力する。
【0119】
図11は、出力部109による出力例を示す図である。
【0120】
ここで、仮に、辞書格納部107に格納されている辞書のうちの、普通名称辞書にだけ、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」と類似群コード「32F03」との組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出されたとする。
【0121】
図12は、辞書に対応して出力される出力用の情報を管理する出力用情報管理表である。出力用情報管理表は、「辞書」と「出力用情報」という項目を有している。「辞書」は、辞書格納部107に格納されている辞書の辞書名である。「出力用情報」は出力用の情報であり、ここでは、文字列の情報であるとする。
【0122】
出力部109は、辞書検索部108によって普通名称辞書に受付部101が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出されたため、図12に示した出力用情報管理表の「辞書」が「普通名称辞書」であるレコードの「出力用情報」の値である「商標法第3条第1項第1号に該当する可能性があります。」という文字列を取得する。そして、この文字列を、WEB検索の結果と、類似検索の結果とともに出力する。なお、出力用の情報を取得する処理は、他の辞書に関しても同様である。
【0123】
図12は、出力部109による出力例を示す図である。
【0124】
以上、本実施の形態によれば、ユーザが指定した商標をWEB検索するとともに、商標の文字列の称呼情報を自動的に取得して、これを用いた類似検索が行えるようにしたので、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報をユーザに提供することができる。
【0125】
また、称呼情報を分割した分割称呼情報を取得して、これを用いた類似検索が行えるようにしたので、例えば、ユーザが入力した商標が結合商標である場合には、結合商標を分割した場合の称呼を自動で取得することができ、分割した称呼情報を用いた適切な類似検索が可能となる。また、分割した称呼情報の入力を容易にすることができるとともに、分割した称呼情報を用いた類似検索をユーザに促すことができる。また、分割称呼情報を取得することで、商標の主要部だけを用いた適切な類似検索が可能となる。また、分割した称呼情報の入力を容易にすることができるとともに、主要部を用いた類似検索をユーザに促すことができる。
【0126】
また、辞書格納部に格納されている登録されない理由別に用意された商標の辞書の中から商標文字列を含む辞書の検索を行い、検索された辞書に応じた登録されない理由を示す出力を行うことにより、商標文字列が、どのような理由で登録されない可能性があるのかを明確に示すことができる。
【0127】
また、辞書格納部に格納されている辞書のうちの、著名商標辞書については、商標文字列だけを用いた検索を行い、他の辞書については、商標文字列と類似群コードとの組合せを用いた検索を行うようにすることで、実際の審査と同様に、類似群コードの利用の有無を切り替えて、登録の可能性の判断を行うことが可能となる。
【0128】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る情報処理装置は、称呼情報や分割称呼情報を用いた類似検索を、音響学的な判断で行うようにしたものである。
【0129】
図13は、本実施の形態における情報処理装置2のブロック図である。
情報処理装置2は、受付部101、検索部102、称呼取得部103、称呼表示部104、称呼指定受付部105、類似検索部206、辞書格納部107、辞書検索部108、出力部109を備える。類似検索部206以外の構成については、上記実施の形態1の情報処理装置1と同様であるので、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0130】
類似検索部206は、上記実施の形態1において説明した類似検索部106において、称呼情報または分割称呼情報の類似の判断を、音響学的に判断する方法を用いて行うようにしたものである。なお、それ以外の類似検索部206は構成については、類似検索部106と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0131】
以下、情報処理装置2の動作について説明する。
【0132】
図14は、類似検索部206による称呼情報または分割称呼情報を用いた類似検索の処理の詳細を示すフローチャートである。本実施の形態2の情報処理装置2の動作は、図2のフローチャートにおいて、ステップS217に示した類似検索の処理の代わりに、図14に示した類似検索部206による類似検索の処理が行うようにしたものである。以下、類似検索部206による類似検索の処理の詳細を説明する。
【0133】
類似検索部206による類似検索の処理は、称呼情報の音響学的な判断処理であり、称呼情報の音節等から類似しないと判断される要因を検出し、その要因をペナルティ値に換算し、換算したペナルティ値を用いて、称呼情報が類似するか否かを判断して、商標文字列から取得した称呼情報と類似する称呼情報を登録商標の称呼情報の中から検出する処理である。なお、ここでは、説明の便宜上、分割称呼情報も称呼情報と呼ぶこととする。また、ここでは、登録商標の称呼情報である登録称呼情報が、類似群コードと登録商標の識別情報等と対応付けて図示しない格納部に格納されているものとする。
【0134】
(ステップS1401)類似検索部206は、ステップS211で受け付けた称呼指定情報が指定する称呼情報のうちのk番目の称呼情報を音節に分割する。音節とは、例えば、一つの音と判断される文字列の最小単位である。音節を分割する際には、例えば、かな文字1字は1音節として分割する。ただし、拗音は2文字を1音節に分割する。また、長音(符)、促音、撥音は1音節に分割する。例えば、予め、1音節としてカウントされる文字または文字列を図示しない記憶媒体等に蓄積しておき、分割する文字列の先頭から、これらのいずれかと一致する文字列を順次検出して音節として区切っていくようにすればよい。
【0135】
(ステップS1402)類似検索部206は、カウンターpの値に1を代入する。
【0136】
(ステップS1403)類似検索部206は、ステップS201で受け付けた類似群コードと一致する類似群コードと対応付けられた登録称呼情報のうちのp番目の登録称呼情報を図示しない格納部から読み出し、ステップS1401と同様に音節に分割する。
【0137】
(ステップS1404)類似検索部206は、ステップS1401において分割したk番目の称呼情報の音節数と、ステップS1403において分割したp番目の登録称呼情報の音節数とが一致するか否かを判断する。一致する場合、ステップS1408に進み、一致しない場合、ステップS1405に進む。
【0138】
(ステップS1405)類似検索部206は、音節数の違いが、長音、促音、または弱音の違いに過ぎないかを判断する。具体的には、音節に分割されたn番目の称呼情報とk番目の称呼情報のそれぞれから、長音、促音、または弱音をそれぞれ消去した場合に、音節数が一致するか否かを判断する。削除するこれらの音節は、適宜組合せてもよい。そして、音節数が一致した場合と削除した長音、促音、または弱音との対応関係を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。この判断は、比較する称呼情報間の音量の違いの判断と考えることができる。
【0139】
(ステップS1406)類似検索部206は、音節数の違いや、違う音節数の数や、ステップS1405において一時記憶した、音節数が一致した場合に消去した音節が長音、促音、または弱音のいずれであるかを示す情報等を用いて、ペナルティ値を取得する。例えば、予め、音節数の違い、違う音節数、または音節数が一致する場合に消去した音節、あるいはこれらの1以上の組合せと、ペナルティ値とを対応付けた情報を予め図示しない記憶媒体等に蓄積しておくようにし、類似検索部206は、この情報から、実際の音節数の違い等に応じたペナルティ値を取得する。
【0140】
(ステップS1407)類似検索部206は、ステップS1406で取得したペナルティ値を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0141】
(ステップS1408)類似検索部206は、カウンターsに1を代入する。
【0142】
(ステップS1409)類似検索部206は、k番目の称呼情報とp番目の登録称呼情報との、先頭からs番目の音節同士が一致するか否かを判断する。一致する場合、ステップS1415に進み、一致しない場合、ステップS1410に進む。
【0143】
(ステップS1410)類似検索部206は、s番目の音節同士の母音および子音の違いを判断する。この判断は、比較する称呼情報間の音質の違いの判断と考えることができる。判断結果は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0144】
(ステップS1411)類似検索部206は、s番目の音節同士の違いが、濁音、半濁音、または清音の違いであるか否かを判断する。例えば、予め、一の清音と、この清音に対応する濁音と半濁音とを対応付けて管理する管理情報を図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、異なるs番目の音節同士が、同じ管理情報に含まれる場合に、音節の違いが、濁音、半濁音、または清音の違いであると判断し、それ以外は、このような違いではないと判断するようにしても良い。判断結果は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。この判断は、比較する称呼情報間の音量の違いの判断と考えることができる。
【0145】
(ステップS1412)類似検索部206は、現在のsの値と、ステップS1410の判断結果と、ステップS1411の判断結果との組合せに応じて、ペナルティ値を取得する。例えば、予め、これらの値や判断結果等の組合せと、ペナルティ値とを対応付けて管理する管理情報を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、sの値と、ステップS1410の判断結果と、ステップS1411の判断結果との組合せを含む管理情報からペナルティ値を取得する。あるいは、これらの値をパラメータとして用いた予め用意された算出式等に、現在のsの値と、ステップS1410の判断結果と、ステップS1411の判断結果とをそれぞれ代入してペナルティ値を取得しても良い。
【0146】
(ステップS1413)類似検索部206は、取得したペナルティ値を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0147】
(ステップS1414)類似検索部206は、異なる音節数のカウント値を1インクリメントする。このカウント値は、例えば、pの値が1インクリメントされる際に、0にリセットされるようにする。
【0148】
(ステップS1415)類似検索部206は、カウンターsの値を1インクリメントする。
【0149】
(ステップS1416)類似検索部206は、k番目の称呼情報とp番目の登録称呼情報とがs番目の音節を有するか否かを判断する。有する場合、ステップS1409に戻り、有さない場合、ステップS1417に進む。
【0150】
(ステップS1417)類似検索部206は、k番目の称呼情報の音節数と異なる音節数であるステップS1414の最終的なカウント値とに応じたペナルティ値を算出する。例えば、予め音節数と異なる音節数とペナルティ値との対応関係を管理する管理情報を予め図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、この管理情報から、k番目の称呼情報の音節数と異なる音節数との組合せに対応するペナルティ値を取得する。
【0151】
(ステップS1418)類似検索部206は、ステップS1407およびステップS1413で一時記憶したペナルティ値と、ステップS1418で取得したペナルティ値との合計を算出し、この合計を用いてk番目の称呼情報と、p番目の称呼情報とが類似するか否かを判断する。例えば、予め用意された値から、ペナルティ値を減算し、その値が、予め用意されたしきい値以上であるか否かを判断し、しきい値以上であれば類似と判断し、しきい値未満であれば非類似であると判断するようにしても良い。また、ペナルティ値の合計が予め用意されたしきい値以上であれば、非類似と判断し、しきい値未満であれば、類似と判断しても良い。そして、類似と判断された登録称呼情報を取得して、図示しない記憶媒体等に蓄積する。また、類似と判断された登録称呼情報と対応付けられた登録商標の識別情報等も取得して、蓄積してもよい。ここでの蓄積した登録称呼情報や、登録商標の識別情報等が、類似する称呼を有する登録商標の検索結果である。また、非類似と判断された場合、その判断結果を蓄積してもよい。
【0152】
(ステップS1419)類似検索部206は、カウンターpの値を1インクリメントする。
【0153】
(ステップS1420)類似検索部206は、ステップS201で受け付けた類似群コードと一致する類似群コードと対応付けられた登録称呼情報の中に、p番目の登録称呼情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS1403に戻り、ない場合、上位の処理にリターンする。
【0154】
なお、図14のステップS1409において、音節が一致しない場合、相違する音節がともに弱音であるか否かを判断するようにし、相違する音節がともに弱音であれば、弱音であることに応じたペナルティ、あるいは弱音であることと、相違する文字の位置とに応じたペナルティをステップS1412等において取得するようにしても良い。このような弱音の判断は、音調に関する判断と考えられる。
【0155】
また、ステップS1404の前の処理として、k番目の称呼情報と、p番目の登録称呼情報が完全一致するか否かを判断し、一致する場合には、類似している(あるいは一致している)と判断して、p番目の登録称呼情報についてはその後の処理を省略するようにしてもよい。
【0156】
次に、本実施の形態の情報処理装置2の、類似検索部206による類似検索処理を行う動作についての具体例について説明する。なお、その他の動作については、上記実施の形態1の具体例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0157】
なお、ここでは、例として、ユーザにより入力された商標文字列が「黒角バー」であり、この商標文字列から取得された称呼情報のうちの、称呼指定情報により指定された称呼情報が「クロカクバー」である場合について説明する。
【0158】
類似検索部206は、称呼指定情報により指定された称呼情報「クロカクバー」を取得する。そして、類似検索部206は、称呼情報「クロカクバー」を音節に分割する。ここでは、拗音を含まないため、全ての文字が一字ずつ音節に区切られる。つまり、「ク/ロ/カ/ワ/バ/ー」(ただし、「/」は区切を示す。)となる。
【0159】
また、類似検索部206は、例えば、登録商標の称呼情報である登録称呼情報が格納されている格納部(図示せず)から、1番目の登録称呼情報として「クロカクボウ」を読み出したとする。
【0160】
次に、類似検索部206は、一番目の称呼情報「クロカクバー」と一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」とが完全一致するか否かを判断する。ここでは両方の文字列を先頭から一時ずつ比較し、全てが一致している場合に一致していると判断する。ここでは、一致していないと判断する。
【0161】
次に、類似検索部206は一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」を上記と同様に音節に分割する。ここでは、「ク/ロ/カ/ク/ボ/ウ」に分割される。
【0162】
つぎに、類似検索部206は、両者の音節数が一致するか否かを判断する。ここでは、一致すると判断される。
【0163】
なお、両者の音節数が一致しない場合、両者の違いが長音、促音、または弱音の違いであるか否かが判断される。具体的には、長音「ー」、促音「ッ」、または弱音「イ、ウ、ム、ン、フ、ス」をそれぞれ消去した場合に、両者が一致するか否かを判断し、長音または促音を消去した場合に両者が一致する場合、ペナルティPとして「1」を取得する。また弱音を消去した場合に両者が一致する場合、ペナルティPとして「3」を取得する。また、長音と促音とを消去した場合、または長音と弱音とを消去した場合に一致する場合、ペナルティPとして「2」を取得する。例えば、音節数の違いが、長音、促音、または弱音の違いであることを示す情報とペナルティPの値とを対応付けた管理情報である音量音調管理情報を、予め図示しない記憶媒体等に容易しておき、この音量音調管理情報から、音節の違いが、長音、促音、または弱音の違いであるか否かの判断結果に対応したペナルティPの値を取得するようにすればよい。
【0164】
さらに、称呼情報の文字数と、異なる音節数との組合せに応じても、ペナルティPを取得する。例えば、称呼情報の文字数が5文字で、異なる音節数が1であれば、ペナルティPとして「5」を取得する。また、称呼情報の文字数が6文字で、異なる音節数が1であれば、ペナルティPとして「4」を、称呼情報の文字数が6文字で、異なる音節数が2であれば、ペナルティPとして「10」を取得する。このような文字数と異なる音節数とペナルティPの値とを対応付けた管理情報を予め用意しておくようにし、この管理情報から、実際の文字数と異なる音節数に応じてペナルティPの値を取得する。
【0165】
なお、ここで述べた称呼情報と登録称呼情報との間の音節数等の違いと、ペナルティPの値との関係は一例であり、ユーザが適宜、変更したり追加することが可能である。例えば、複数の商標の審査結果や判例等に応じて、適宜調整することが好ましい。かかることは、他の音節に関する称呼が異なる要因とペナルティPとの関係についても同様である。
【0166】
そして、上記のペナルティPの値の合計を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。ただし、ここでは、音節数が一致するため、上記のペナルティPは取得されない。
【0167】
つぎに、類似検索部206は、称呼情報「クロカクバー」と一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」との、一番目の音節から順番に、音節同士が一致するか否かを判断していく。そして、一致しない音節が検出された場合、この音節についてペナルティPの値を以下のように決定する。
【0168】
まず、文字をそれぞれローマ字に変換し、母音同士を比較して、母音が同じか否か、同じでない場合、近似であるか否かの判断結果を取得する。子音についても同様の判断結果を取得する。なお、母音同士が、近似であるか否かは、例えば予め近似する母音同士(例えば、あ−え、い−え、あ−お、う−お)を対応付けて管理する管理表等を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、比較する母音同士がこの管理表で対応付けられた母音同士であれば、近似であると判断する。また、子音については同一か否かの判断結果を取得する。
【0169】
また、異なる文字が濁音、半濁音、清音の違いであるか否かを判断する。例えば、予め清音と、この清音に対応した濁音と半濁音とを対応付けた管理情報を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにして、比較する文字が、この管理情報で対応付けられた清音、濁音、または半濁音のうちのいずれか2つであれば、異なる文字が濁音、半濁音、清音の違いであると判断し、それ以外は、濁音、半濁音、清音の違いでないと判断する。
【0170】
そして、上記の母音と子音の判断結果と、濁音、半濁音等の判断結果と、判断に用いられた文字列の位置との組合せに応じたペナルティPを取得する。例えば、母音と子音の判断結果と、濁音、半濁音等の判断結果と、判断に用いられた文字列の位置とのうちの1以上の組合せと、ペナルティPの値とを対応付けた管理情報である音質管理情報等を図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、この管理情報が示す母音と子音の判断結果と、濁音、半濁音等の判断結果と、判断に用いられた文字列の位置との組合せに、上記の判断結果が合致する場合、その合致する管理情報に対応付けられたペナルティPの値を取得する。
【0171】
一例を挙げると、異なる文字の位置が先頭でなく、母音が同じであるという判断結果が得られた場合、上記のような管理情報から、ペナルティの値「1」を取得する。また、異なる文字の位置が先頭でなく、母音が近似、子音が同じであるという判断結果が得られた場合、上記のような管理情報から、ペナルティの値「2」を取得する。また、異なる文字の位置が先頭であり、異なる文字が濁音、半濁音、または清音の違いであると判断された場合、上記のような音質管理情報から、ペナルティPの値として「3」を取得する。
【0172】
ここでは、一番目の称呼情報「クロカクバー」と一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」とが、5番目の音節で初めて異なる音節となるため、まず、この音節「バ」と「ボ」との母音同士を比較する。「バ」の母音は「あ(a)」であり、「ボ」の母音は「お(o)」であるため、両者は一致しないが、この「あ」と「お」は、近似であると判断される。また、両者の子音は「s」であり一致する。このため、5番目の音節は、称呼情報の先頭の音節ではなく、母音が近似し、子音が同じであるため、ペナルティPとして「2」を、例えば、上述したような音質管理情報から取得する。また、音節「バ」と「ボ」との違いは、濁音、半濁音、清音の違いではないため、この濁音、半濁音、または清音の違いに対応付けられたペナルティPの値は取得しない。
【0173】
同様に、6番目の音節「ー」と「ウ」とは、異なる音節であり、この音節の母音同士は比較する。「ー」は長音符であるため、この母音は、直前の音節「バ」の母音である「あ(a)」とする。また、ここで「ウ」の母音は「う(u)」である。このため、両者は一致せず、「あ」と「う」は近似ではないと判断される。このため、異なる文字の位置が先頭ではなく、かつ母音が共通でも近似でもないため、ペナルティPとして「5」を取得する。
【0174】
そして、7番目以降の音節はないため、音節同士の違いにより得られたペナルティPの値の合計「7」を記憶媒体等に一時記憶する。
【0175】
次に、類似検索部206は、称呼情報の音節数と、称呼情報と1番目の登録称呼情報との異なる音節数とに応じたペナルティPの値を取得する。例えば、予め称呼情報の音節数と、異なる音節数と、ペナルティ値と、を組み合わせた管理情報である音節管理情報等を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、この音節管理情報から、判断対象となる称呼情報の音節数と、異なる音節数とに応じたペナルティ値を取得する。
【0176】
ここでは、監視称呼情報の音節数が「6」で、異なる音節数が、「2」であるため、この組合せに対応したペナルティPとして、「10」を取得する。
【0177】
そして、類似検索部206は、これまでに取得したペナルティPの値の合計を取得する。ここでは、合計は、「17」となる。
【0178】
次に、類似検索部206は、算出したペナルティPの値「17」を予め用意された初期値である「100」から減算する。減算した値は、「83」である。そして、減算して得られた値が、予め指定された類似を判断するためのしきい値未満であるか否かを判断する。例えば、しきい値が「80」に設定されていたとすると、減算した値「83」は、「80」以上であるため、この1番目の登録称呼情報「クロカワボウ」は一番目の称呼情報「クロカクバー」に対して類似であると判断される。そして、1番目の登録称呼情報と、1番目の登録称呼情報と対応付けられた登録商標の識別情報(例えば、登録番号)が、類似する登録商標の情報として、図示しない記憶媒体に蓄積する。なお、しきい値は適宜変更可能なものであるとする。
【0179】
以下、同様にして、2番目以降の登録称呼情報についても、上記と同様の類似の判断を行って、全ての登録称呼情報について類似の判断を行う。
【0180】
そして、類似検索の結果、類似するとして検出された登録称呼情報と、これに対応付けられた登録商標の識別情報である登録番号が、例えば、出力部109から出力される。
【0181】
以上のように本実施の形態においては、称呼情報を用いた類似検索を、音響学的判断で行うことにより、より適切に称呼が類似する登録商標の検索を行うことが可能となる。
【0182】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0183】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0184】
また、上記各実施の形態では、情報処理装置がスタンドアロンである場合について説明したが、情報処理装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。
【0185】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0186】
なお、上記各実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、コンピュータを、商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部の検索結果と、称呼情報ごとの類似検索の結果とを出力する出力部と、して機能させるためのプログラムである。
【0187】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0188】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0189】
図15は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による情報処理装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0190】
図15において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0191】
図16は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図16において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0192】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0193】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による情報処理装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0194】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0195】
以上のように、本発明にかかる情報処理装置は、商標の登録性の判断等に用いられる装置等として適しており、特に、商標の文字列を入力として登録性の判断材料となる情報を取得する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0196】
1、2 情報処理装置
31 ボタン
101 受付部
102 検索部
103 称呼取得部
104 称呼表示部
105 称呼指定受付部
106、206 類似検索部
107 辞書格納部
108 辞書検索部
109 出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、商標の登録性の判断等を行う装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の情報処理装置として、商標データベースから商標を抽出する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−339374号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報処理装置においては、商標の総合的な登録性の判断材料として有用な情報を得ることができないという課題があった。例えば、従来の情報処理装置においては、商標の文字列から、この商標が他の商標に対して識別力があるか否かや、この商標の文字列と類似する称呼を有する商標があるか等の総合的な判断材料を得ることがことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置は、商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部の検索結果と、称呼情報ごとの類似検索の結果とを出力する出力部と、を備えた情報処理装置である。
【0006】
かかる構成により、商標文字列と一致する文字列のWEB検索と、商標文字列の称呼検索とを行うことで、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報を提供することができる。
【0007】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、出力部は、検索部が取得した検索結果に含まれる使用件数が閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に警告を出力する情報処理装置である。
【0008】
かかる構成により、商標文字列と一致する文字列が十分な件数だけWEB上で使用されている場合に、例えば、商標文字列についての識別力の有無等に関する警告を出力して、ユーザに知らせることができる。
【0009】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部は、1以上の文字列と、文字列の読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて、受付部が受け付けた商標文字列に対応する1以上の称呼情報を自動取得する情報処理装置である。
【0010】
かかる構成により、商標文字列から自動的に称呼情報を取得して、類似検索を行うことができ、ユーザ等による称呼情報の入力の手間等を省くことができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部は、更に、1以上の称呼情報を分割して1以上の分割称呼情報を取得し、類似検索部は、各分割称呼情報を用いて類似検索を更に行う情報処理装置である。
【0012】
かかる構成により、商標文字列が結合商標である場合や、商標文字列が主要部による類似判断が必要な商標文字列である場合においても、自動で分割した称呼情報を用意することができ、ユーザによる入力の手間が省ける。
【0013】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部が取得した1以上の称呼情報を表示する称呼表示部と、称呼取得部が取得した称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、類似検索部は、称呼指定情報が指定する各称呼情報を用いて類似検索を行う情報処理装置である。
【0014】
かかる構成により、商標文字列から自動で取得した称呼情報の中から、ユーザが称呼情報を指定するだけで、ユーザが望む称呼情報を用いた類似検索が可能となる。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、称呼取得部が取得した1以上の称呼情報と1以上の分割称呼情報とを表示する称呼表示部と、称呼取得部が取得した称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、類似検索部は、称呼指定情報が指定する称呼指定情報と分割称呼情報とを用いて類似検索を行う情報処理装置である。
【0016】
かかる構成により、自動で取得した各称呼情報や、各分割称呼情報を用いた類似判断が必要か否かを、ユーザに知らせて選択させることができる。
【0017】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、普通名称である商標が格納された普通名称辞書と、慣用商標が格納された慣用商標辞書と、産地、販売地、または品質等を示す商標が格納された産地・販売地等辞書と、ありふれた名称である商標が格納されたありふれた名称辞書と、簡単な名称である商標が格納された簡単名称辞書と、識別力のない商標が格納された識別力無し辞書とのうちの、少なくとも1以上が格納されている辞書格納部と、受付部が受け付けた商標文字列と一致する商標が格納されている辞書を、辞書格納部に格納されている辞書の中から検索する辞書検索部と、を更に備え、出力部は、商標文字列が検出された辞書に応じた出力を行う情報処理装置である。
【0018】
かかる構成により、辞書に応じた出力によって、商標文字列が、どのような理由で登録されない可能性があるのかを明確に示すことができる。
【0019】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、辞書格納部に格納されている辞書には、格納されている商標と類似群コードとが対応付けて格納されており、受付部は、商標文字列が示す商標に対する類似群コードを更に受け付け、辞書検索部は、受付部が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を、辞書格納部に格納されている辞書の中から検索し、出力部は、商標文字列と類似群コードの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出された辞書に応じた出力を行う情報処理装置である。
【0020】
かかる構成により、類似群コードを用いることで、商標文字列が、どのような理由で登録されない可能性があるのかを的確かつ明確に示すことができる。
【0021】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、辞書格納部には、さらに、著名商標が格納されている著名商標辞書が格納されており、辞書検索部は、著名商標辞書に対しては、受付部が受け付けた商標文字列だけを用いて検索を行い、出力部は、著名商標辞書に商標文字列が検出された場合に、著名商標辞書に応じた出力を行う情報処理装置である。
【0022】
かかる構成により著名商標辞書については、商標文字列だけを用いた検索を行い、他の辞書については、商標文字列と類似群コードとの組合せを用いた検索を行うようにすることで、実際の審査と同様に、類似群コードの利用の有無を切り替えて、登録の可能性の判断を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による情報処理装置によれば、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態における情報処理装置のブロック図
【図2】同情報処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【図3】同表示例を示す図
【図4】同普通名称辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図5】同慣用商標辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図6】同産地・販売地等辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図7】同ありふれた名称辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図8】同簡単名称辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図9】同識別力無し辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図10】同著名商標辞書に格納されているデータの一例を示す図
【図11】同出力例を示す図
【図12】同出力用情報管理表
【図13】本発明の実施の形態における情報処理装置のブロック図
【図14】同情報処理装置の類似検索の処理の詳細を示すフローチャート
【図15】同コンピュータシステムの外観の一例を示す図
【図16】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における情報処理装置1のブロック図である。
情報処理装置1は、受付部101、検索部102、称呼取得部103、称呼表示部104、称呼指定受付部105、類似検索部106、辞書格納部107、辞書検索部108、出力部109を備える。
【0027】
受付部101は、商標の文字列である商標文字列を受け付ける。商標文字列は1文字以上の文字で構成される。商標文字列を構成する文字は、漢字やアルファベットやカタカナやひらがな等、種類は問わない。また商標文字列には2種類以上の文字が混在していてもよい。また、受付部101は、商標文字列が示す商標に対する1以上の類似群コードを更に受け付けてもよい。ここでの受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。商標文字列の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部101は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0028】
検索部102は、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う。WEB検索とは、例えば、インターネット上のWEBサーバ装置(図示せず)が提供するWEBページに含まれる文字列情報を検索対象とした検索である。WEB検索は、例えば、検索用サイトを利用して行われる。ここでは、例えば、検索用サイトが提供するいわゆる検索エンジンに検索キーを含むクエリ等を送信し、検索エンジンが送信する検索結果を示す情報を受信することを、例えば、WEB検索を行うことと考える。検索キーの送信等は、検索エンジンが提供するAPI等を利用することで可能である。検索部102が取得する。検索部102がWEB検索の結果として取得する情報は、例えば、検索キーとして用いた商標文字列のWEB上での使用件数を含む情報である。使用件数は、商標文字列の検出件数と考えても良い。商標文字列のWEB上での使用件数とは、例えば、商標文字列と一致する文字列を含むWEBページ数やWEBサイト数を示す情報や、商標文字列と一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトにおける検索キーと一致する文字列の数の合計等を示す情報である。さらに、検索結果を示す情報として、検索キーと一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトがあるか否かを示す情報や、検索キーと一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトのアドレス等を示す情報や、これらのWEBページの検索キーと一致する文字列とその前後の文字列や、検索キーと一致する文字列を含むパラグラフ等の情報を取得しても良い。
【0029】
検索部102は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。検索部102の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、検索部102は、WEB検索のための検索キーを含むクエリ等を送信するための送信部(図示せず)や、検索結果を受信するための受信部(図示せず)等を備えていても良い。
【0030】
称呼取得部103は、受付部101が受け付けた商標文字列から、この商標文字列の称呼の情報である称呼情報を取得する。称呼取得部103は、一の商標文字列から複数の称呼情報を取得しても良い。称呼取得部103が取得する称呼情報は、ひらがなまたはカタカナあるいはこれらと同等の情報である。称呼情報がこれらのいずれであるかは、例えば、この称呼情報を検索に利用する後述する類似検索部106の仕様等によって決定される。
【0031】
称呼取得部103は、称呼情報をどのように取得しても良い。例えば、称呼取得部103は、1以上の文字列と、当該文字列の読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて、図示しない記憶媒体等に格納されている辞書を用いて受付部101が受け付けた商標文字列に対応する1以上の称呼情報を自動取得するようにしてもよい。また、ユーザ等から図示しない入力デバイス等を介して入力された商標文字列に対応する1以上の称呼情報を取得(受付)してもよい。この実施の形態においては、特に、称呼情報を自動取得する場合を例に挙げて説明する。
【0032】
称呼取得部103は、例えば、商標文字列に対して形態素解析を行い、形態素解析により得られた商標文字列の読みの情報を称呼情報として取得する。例えば、形態素解析を用いることにより、商標文字列を形態素に分解し、分解された各文字列の読みを取得し、この文字列を組み合わせることで商標文字列の称呼情報を取得することが可能である。形態素解析においては、形態素の分解や形態素に分解された文字列からの読みの取得は、例えば、上記と同様の、形態素となりうる文字列と、その読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて行われる。形態素解析としては、例えば、「Mecab(和布蕪)」(http://mecab.sourceforge.net/)や、「ChaSen(茶筌)」(http://chasen.naist.jp)等の形態素解析システム等が利用可能である。
【0033】
また、称呼取得部103は、商標文字列を構成する漢字や、数字や、アルファベット等の文字や単語等を読みに変換して、称呼情報を取得しても良い。漢字や、数字の文字や単語を読みに変換する処理は、例えば、日本語のインプットメソッドのいわゆる再変換技術や、上述したような形態素解析システムの技術により実現可能である。また、アルファベットの文字や単語を読みに変換する処理は、例えば、日本語のインプットメソッドのアルファベット列の入力を日本語に変換する技術により実現可能である。アルファベット列を日本語のよみに変換する技術は、例えば、特開2009−199434号公報等に開示されている。なお、アルファベットや、漢字や、数字の称呼(読み)は、一通りとは限らないため、称呼取得部103は、様々な組合せの複数の情報を取得しても良い。例えば「IT」から「アイティー」、「アイティイ」と「イット」という複数の称呼を取得しても良い。また、「山田」から「ヤマダ」、「ヤマタ」、「ヤマデン」、「サンデン」、「サンダ」、「サンタ」という複数の称呼を取得しても良い。
【0034】
また、称呼取得部103は、商標文字列を構成し得る文字列(例えば、漢字や、アルファベットや、数字等)と、その読みの情報(辞書情報)を予め図示しない格納部に蓄積しておくようにし、商標文字列を構成する各文字についてそれぞれ1以上の読みの情報を取得して、取得した読みの情報を組み合わせたものを称呼情報として取得してもよい。
【0035】
また、例えば、1文字以上の文字で構成される1以上の文字列とその読みを示すカタカナまたはひらがなとを対応付けて有する予め用意された辞書情報について、称呼取得部103が、商標文字列に含まれるカタカナまたはひらがな以外の1文字以上の文字列と一致する文字列を検索し、検出された文字列に対応付けられた読み(称呼)の情報を辞書情報から順次取得していくことで実現可能である。なお、一の文字列について読みが複数ある場合や、検索に用いる文字数の区切で異なる称呼が得られる場合には、複数の読みを組み合わせたり区切を変更したりしてこれらを適宜組み合わせて複数の称呼情報を取得する。このような辞書情報は、例えば、称呼取得部103が、予め保持しているようにすればよい。称呼取得部103は、このような辞書情報を保持する記憶媒体等を有していても良い。
【0036】
称呼取得部103は、さらに、上記で取得した1以上の称呼情報を分割して1以上の分割称呼情報を取得してもよい。分割称呼情報は、具体的には、称呼情報の一部分の情報である。分割称呼情報は、例えば、後述する類似検索等で称呼情報と実質的に同じものとして利用される。例えば、称呼取得部103は、取得した称呼情報のそれぞれの文字列を、任意の位置で区切って、その区切った位置によって分割される前または後、もしくはその両方の文字列を分割称呼情報として取得する。また、称呼取得部103は、文字列の区切る位置を順次変更して、それぞれの区切る位置に応じて分割称呼情報を取得しても良い。例えば、称呼取得部103は、各称呼情報を構成する文字列をそれぞれの文字間で区切っていった場合にそれぞれ得られる区切り位置の前後の文字列を、全て分割称呼情報として取得しても良い。
【0037】
称呼取得部103は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。称呼取得部103の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0038】
称呼表示部104は、称呼取得部103が取得した1以上の称呼情報を図示しないモニタ等の表示デバイスに表示する。また、称呼表示部104は、称呼取得部103が取得した1以上の分割称呼情報を表示してもよい。称呼表示部104は、表示デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。称呼表示部104は、表示デバイスのドライバーソフト、または表示デバイスのドライバーソフトと表示デバイス等で実現され得る。
【0039】
称呼指定受付部105は、称呼取得部103が取得した称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報をユーザ等から受け付ける。例えば、称呼指定情報は、称呼表示部104に表示された称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける。また、称呼指定受付部105は、称呼取得部103が取得した称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報をユーザ等から受け付けてもよい。例えば、称呼指定受付部105は、称呼表示部104により表示された称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける。称呼指定情報の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。称呼指定受付部105は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0040】
類似検索部106は、称呼取得部103が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う。あるいは、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した称呼情報のうちの、称呼指定情報が指定する各称呼情報を用いて類似検索を行うようにしてもよい。また、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した各称呼情報と各分割称呼情報とを用いて類似検索を行うようにしてもよい。あるいは、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した各称呼情報と各分割称呼情報とのうちの、称呼指定情報が指定する称呼情報と分割称呼情報とを用いて類似検索を行うようにしてもよい。称呼指定情報が指定する称呼情報と分割称呼情報とを用いてとは、例えば、指定された称呼情報または分割称呼情報だけを用いることを意味する。例えば、類似検索部106は、図示しない記憶媒体等の格納部に予め格納されている登録商標の称呼の情報(以下、登録称呼情報と称す)の中から、称呼情報(または分割称呼情報)と類似する登録称呼情報を検索する。
【0041】
また、類似検索部106は、称呼取得部103が取得した称呼情報または分割称呼情報と、受付部101が受け付けた類似群コードとを用いて、類似検索を行うことが好ましい。例えば、上述したような類似検索を行う図示しない格納部に、登録称呼情報とこの登録称呼情報の登録商標の類似群コードとが対応付けて格納しておくようにし、格納されている登録称呼情報の中から、称呼取得部103が取得した称呼情報または分割称呼情報と類似する登録称呼情報であって、受付部101が受け付けた類似群コードと一致する類似群コードと対応付けられた登録称呼情報を検索する。例えば、類似検索部106は、対応する類似群コードが、受付部101が受け付けた類似群コードと一致する登録称呼情報について、称呼情報または分割称呼情報を用いた類似検索を行う。
【0042】
なお、登録商標の称呼の情報が格納されている図示しない格納部は、情報処理装置1が有していても良いし、図示しない外部のサーバ装置等が有していても良い。また、図示しない登録商標の類似検索の処理を行うサーバ装置等に、称呼情報または分割称呼情報、および類似群コードを送信して類似検索を実行させ、その検索結果を類似検索部106が受信するようにしても良く、このような場合も、類似検索部106が類似検索を行ったと考えて良い。
【0043】
類似検索部106が取得する類似検索の結果は、例えば、少なくとも類似する登録称呼情報が検出されたか否かを示すことが可能な情報である。例えば、類似検索の結果は、類似する登録称呼情報の有無を示す情報であっても良いし、類似する1以上の登録称呼情報を示す情報でもよい。また類似する登録称呼情報の数等を示す情報でも良い。また、称呼の情報が、登録商標や、その識別情報(例えば登録番号)等と対応付けて上述した図示しない格納部に格納されている場合、類似する登録称呼情報に対応する登録商標やその識別情報を図示しない格納部から取得して検索結果として出力してもよい。また、登録称呼情報に対応付けられた類似群コードの情報を含む情報を出力してもよい。登録商標の称呼について類似検索を行うための具体的な処理については、上述した特許文献1や、日本の特許庁が提供する称呼検索サービスや、商用データベースの称呼検索サービス等の技術として公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0044】
類似検索部106は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。類似検索部106の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0045】
辞書格納部107は、普通名称である商標が格納された普通名称辞書と、慣用商標が格納された慣用商標辞書と、産地、販売地、または品質等を示す商標が格納された産地・販売地等辞書と、ありふれた名称である商標が格納されたありふれた名称辞書と、簡単な名称である商標が格納された簡単名称辞書と、識別力のない商標が格納された識別力無し辞書とのうちの、少なくとも1以上が格納されている。また、上記の各辞書には、さらに、類似群コードが、それぞれの辞書に格納されている商標と対応付けて格納されているようにしても良い。各辞書に格納されている商標と、これに対応する類似群コードを、ここでは商標と類似群コードとの組みと考える。
【0046】
普通名称辞書に格納されている普通名称である商標とは、例えば、商標法第3条第1項第1号に該当する商標である。具体的には、取引界において、その商品または役務の一般的な名称であると認識されるに至った商標である。普通名称と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この普通名称である商標に使用した場合に、普通名称であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0047】
慣用商標辞書に格納されている慣用商標とは、例えば、商標法第3条第1項第3号に該当する商標である。具体的には、同種類の商品又は役務について同業者間において普通に使用されるに至った結果、自己の商品又は役務と他人の商品または役務とを識別することができなくなった商標である。慣用商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この慣用商標を使用した場合に、慣用商標であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0048】
産地・販売地等辞書に格納されている産地、販売地、または品質等を示す商標とは、例えば、商標法第3条第1項第3号に該当する商標である。具体的には、商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む)、価格若しくは生産若しくは仕様の方法若しくは時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格もしくは提供の方法若しくは時期を示す商標である。産地、販売地、または品質等を示す商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この産地、販売地、または品質等を示す商標を使用した場合に、産地、販売地、または品質等を示す情報であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0049】
ありふれた名称辞書に格納されているありふれた名称である商標とは、例えば、商標法第3条第1項第4号に該当する商標である。具体的には、ありふれた氏又は名称のみから構成される商標である。ありふれた名称である商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、このありふれた名称の商標を使用した場合に、ありふれた名称であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0050】
簡単名称辞書に格納されている簡単名称である商標とは、例えば、商標法第3条第1項第5号に該当する商標である。具体的には、きわめて簡単でありふれた標章のみからなる商標である。簡単名称と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この簡単名称である商標を使用した場合に、簡単名称であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0051】
識別力無し辞書に格納されている識別力のない商標とは、例えば、商標法第3条第1項第6号に該当する商標である。具体的には、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識できない商標である。識別力のない商標と対応付けて格納されている類似群コードは、例えば、この識別力のない商標を使用した場合に、識別力のない商標であると判断され得る商品群や役務群を示すコードである。
【0052】
また、辞書格納部107には、さらに、著名商標が格納されている著名商標辞書が格納されていてもよい。著名商標辞書に格納されている著名商標とは、例えば、商標法第4条1項15号に該当する商標である。具体的には、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生じる恐れがある商標である。なお、著名商標辞書については、他の辞書とは異なり、格納されている商標に対して類似群コードを対応付けないようにする。
【0053】
辞書格納部107は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0054】
辞書検索部108は、受付部101が受け付けた商標文字列が格納されている辞書を、辞書格納部107に格納されている辞書の中から検索する。また、受付部101が類似群コードも受け付けた場合、辞書検索部108は、受付部101が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を、辞書格納部107に格納されている辞書の中から検索するようにしてもよい。また、例えば、辞書格納部107に著名商標辞書が格納されている場合、辞書検索部108は、著名商標辞書に受付部101が受け付けた商標文字列と一致する商標を検索して、著名商標辞書に一致する総評が含まれるか否かを検出する。ただし、著名商標辞書に対しては、受付部101が類似群コードも受け付けたか否かに関わらず、受付部101が受け付けた商標文字列だけを用いて検索を行う。
【0055】
辞書検索部108は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。辞書検索部108の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0056】
出力部109は、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部102の検索結果を出力する。WEB上での使用件数を含む検索結果とは、上述したような商標文字列と一致する文字列を含むWEBページ数やWEBサイト数を示す情報や、商標文字列と一致する文字列を含むWEBページやWEBサイトにおける検索キーと一致する文字列の数の合計等を示す情報である。
【0057】
また、出力部109は、例えば、検索部102が取得した検索結果に含まれる使用件数が閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に警告を出力する。出力する警告は、例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、識別力のない商標である可能性が高い旨や、この商標文字列が登録される可能性が低い旨を示す警告等である。警告を出力するための文字列や画像の情報や、閾値は、例えば、図示しない記憶媒体等の格納部に予め格納しておくようにして、適宜読み出すようにする。
【0058】
また、出力部109は、例えば、類似検索部106による類似検索の結果を更に出力する。例えば、出力部109は、類似検索の結果を、類似検索を行った称呼情報ごとに出力する。また、出力部109は、例えば、類似検索の結果を、類似検索を行った分割称呼情報ごとに出力する。出力部109が出力する類似検索の結果は、類似する称呼の登録商標があることを示す情報であっても良いし、称呼が類似すると判断された登録商標数を示す情報であっても良い。また、称呼が類似すると判断された登録商標や、登録商標の識別情報を示す情報であっても良い。
【0059】
また、出力部109は、例えば、辞書検索部108によって、商標文字列と一致する商標が検出された辞書に応じた出力を行う。また、出力部109は、例えば、辞書検索部108によって、商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出された辞書に応じた出力を行う。辞書に応じた出力は、例えば、辞書に対応付けられた警告である。辞書に応じた出力は、例えば、予め辞書格納部107に格納されている辞書のそれぞれと対応付けて、辞書に応じた出力を行うための出力用の情報を用意しておくようにし、辞書検索部112によって一の辞書が検出された場合に、この検出された辞書と対応付けられた出力用の情報を読み出して出力する。出力用の情報は、例えば、辞書格納部107等に予め蓄積しておく。出力用の情報は、文字列の情報でも画像の情報でも良い。
【0060】
辞書検索部108によって普通名称辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第1号に該当する可能性がある旨の出力である。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、普通名称に該当する可能性がある旨の出力である。
【0061】
また、慣用商標辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第2号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、慣用商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0062】
また、産地・販売地等辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第3号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、産地、販売地、または品質等を示す商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0063】
また、ありふれた名称辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第4号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、ありふれた名称に該当する可能性がある旨の出力である。
【0064】
また、簡単名称辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第5号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、きわめて簡単でありふれた標章のみからなる商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0065】
また、識別力無し辞書が検出された場合の出力は、例えば、商標法第3条第1項第6号に該当する可能性がある旨の出力を行う。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識できない商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0066】
なお、上記の出力は、辞書検索部108による検索において類似群コードを用いるか否かによって異なるものが選択されるようにしてもよい。例えば、類似群コードを用いた場合の出力は、上記の出力において、更に、商標法の各条文等に該当する可能性がより高いことを示す旨の出力としても良い。
【0067】
また、出力部109は、著名商標辞書に商標文字列と一致する商標が検出された場合に、著名商標辞書に応じた出力を行う。著名商標辞書に応じた出力は、他の辞書に応じた出力と同様の構成や処理によって出力される。著名商標辞書に商標文字列と一致する商標が検出された場合の出力は、例えば、商標法第4条第1項第15号に該当する可能性がある旨の出力である。例えば、受付部101が受け付けた商標文字列が、著名商標に該当する可能性がある旨の出力である。
【0068】
例えば、弁理士等が本実施の形態の情報処理システムを利用する場合においては、上記のような商標法に沿った出力が行われることで、顧客の商標が、どのような条文や理由等に該当するかを容易に知ることができるため、顧客等に適切な助言等を行うことが可能となる。
【0069】
ここでのべる出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタによる紙等への印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積等を含む概念である。出力部109は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
図2は、本実施の形態に係る情報処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図2を用いて動作について説明する。
【0070】
(ステップS201)受付部101は、商標文字列と類似群コードとを受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS202に進み、受け付けていない場合、ステップS201に戻る。
【0071】
(ステップS202)称呼取得部103は、ステップS201で受け付けた商標文字列を用いて、1以上の称呼情報を取得する。例えば、商標文字列を形態素解析したり、商標文字列を構成する各文字の読みを、予め用意された文字の読みが格納された辞書等から読み出し、それらの組合せを取得することで、称呼情報を取得する。
【0072】
(ステップS203)称呼取得部103は、カウンターmに1を代入する。
【0073】
(ステップS204)称呼取得部103は、ステップS202で取得した称呼情報にm番目の称呼情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS205に進み、ない場合、ステップS210に進む。
【0074】
(ステップS205)称呼取得部103は、カウンターnに1を代入する。
【0075】
(ステップS206)称呼取得部103は、m番目の称呼情報にn番目の区切位置があるか否かを判断する。例えば、称呼情報の全ての文字の間を区切り位置に設定していく場合、n番目の区切り位置とは、例えば、称呼情報の先頭からn番目の文字と(n+1)番目の文字との間である。このため、称呼取得部103は、例えばm番目の称呼情報に、先頭から(n+1)番目の文字があるか否かを判断すればよい。n番目の区切位置がある場合、ステップS207に進み、ない場合、ステップS209に進む。なお、称呼情報のうちの、商標文字列を構成する各文字の読みの間や、商標文字列を構成する形態素の読みの間を、区切り位置に設定して称呼情報を分割していくようにしても良い。例えば、商標文字列「ABC」の各文字の読み「エー」と「ビー」と「シー」を組み合わせて称呼情報「エービーシー」が取得された場合、区切り位置に設定できる位置を、「エー」と「ビー」との間、及び「ビー」と「シー」の間としてもよい。
【0076】
(ステップS207)称呼取得部103は、n番目の区切位置でm番目の称呼情報を区切って、その前後の文字列である分割称呼情報を取得する。なお、商標の称呼となり得ないような予め指定された文字が先頭に来る文字列は、分割称呼情報として取得しないことが好ましい。予め指定された文字は、例えば長音や、「ン」等である。取得した分割称呼情報は、図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。既に他の分割称呼情報が記憶されている場合は、追記する。
【0077】
(ステップS208)称呼取得部103は、カウンターnを1インクリメントする。そして、ステップS206に戻る。
【0078】
(ステップS209)称呼取得部103は、カウンターmを1インクリメントする。そして、ステップS204に戻る。
【0079】
(ステップS210)称呼表示部104は、ステップS202で取得した称呼情報と、ステップS207で取得した分割称呼情報を表示する。
【0080】
(ステップS211)称呼指定受付部105は、称呼指定情報または分割称呼指定情報の少なくとも一方を指定する称呼指定情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、例えば、称呼指定情報で指定された称呼情報と割称呼情報とをメモリ等の記憶媒体に一時記憶して、ステップS212に進み、受け付けていない場合、ステップS211に戻る。
【0081】
(ステップS212)検索部102は、ステップS201で受け付けた商標文字列を検索キーとして用いてWEB検索を行う。そして、ここでは、例として商標文字列の使用件数(検出件数)を含む検索結果を取得する。取得した検索結果を、例えば、図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。
【0082】
(ステップS213)出力部109は、ステップS212で取得した検索結果が示す商標文字列の使用件数が、予め用意された閾値を超えるか否かを判断する。超える場合、ステップS214に進み、超えない場合、ステップS215に進む。なお、本実施の形態においては、使用件数が閾値と同じ場合は、閾値を超える場合と同じ判断としても良いし、閾値を超えない場合と同じ判断としてもよい。
【0083】
(ステップS214)出力部109は、予め用意された警告を取得する。取得した警告は、例えば図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。
【0084】
(ステップS215)類似検索部106は、カウンターkに1を代入する。
【0085】
(ステップS216)類似検索部106は、ステップS211で受け付けた称呼指定情報によって指定された称呼情報と分割称呼情報とを合わせた中に、k番目の称呼情報または分割称呼情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS217に進み、ない場合、ステップS219に進む。
【0086】
(ステップS217)k番目の称呼情報または分割称呼情報と、類似群コードとを用いて、類似検索を行う。そして、類似検索の結果を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。類似検索の結果は、例えば、類似検索に用いられたk番目の称呼情報または分割称呼情報と、類似すると判断された称呼と、その称呼に対応付けられた商標または商標の識別情報とを含む情報である。
【0087】
(ステップS218)類似検索部106は、カウンターkを1インクリメントする。そして、ステップS216に戻る。
【0088】
(ステップS219)辞書検索部108は、カウンターjに1を代入する。
【0089】
(ステップS220)辞書検索部108は、辞書格納部107にj番目の辞書が格納されているか否かを判断する。ここでの辞書は、著名商標辞書を除いた辞書を指す。格納されている場合、ステップS221に進み、格納されていない場合、ステップS224に進む。
【0090】
(ステップS221)辞書検索部108は、j番目の辞書に、ステップS201で受け付けた商標文字列と類似群コードとが一致する商標と類似群コードとの組みが検出されるか否かを判断する。検出された場合、ステップS222に進み、検出されなかった場合、ステップS223に進む。
【0091】
(ステップS222)出力部109は、j番目の辞書に対応付けて辞書格納部107等に格納されている出力用の情報を読み出し、図示しない記憶媒体等に蓄積する。既に他の出力用情報が格納されている場合には、追記する。なお、何らかの出力用の情報が一の辞書について取得されれば良い場合、蓄積後に、ステップS224に進むようにしても良い。
【0092】
(ステップS223)辞書検索部108は、カウンターjを1インクリメントする。そして、ステップS220に戻る。
【0093】
(ステップS224)辞書検索部108は、著名商標辞書に、ステップS201で受け付けた商標文字列と一致する著名商標が検出されるか否かを判断する。著名商標が検出された場合、ステップS225に進み、検出されなかった場合、ステップS226に進む。
【0094】
(ステップS225)辞書検索部108は、著名商標辞書に対応付けられた出力用の情報を取得する。
【0095】
(ステップS226)出力部109は、ステップS212で取得したWEB検索の結果およびステップS214で取得した警告と、ステップS217で取得した類似検索の結果と、ステップS222で取得した辞書に応じた出力用の情報と、ステップS225で取得した著名商標辞書に応じた出力用の情報とを出力する。例えばこれらの情報をモニタ等に出力する。そして、処理を終了する。
【0096】
以下、本実施の形態における情報処理装置1の具体的な動作について説明する。なお、この具体例において示した商標の登録性の判断結果は、説明のために便宜上用意されたものであって、実際の登録制を示すものではない。また、この具体例において示した辞書格納部107内の各辞書に格納されている商標等は、説明のために便宜上用意されたものであり、必ずしも各辞書に適合した実際の商標ではない。例えば、著名商標辞書に格納されている商標は、必ずしも実際の著名商標とは限らない。
【0097】
まず、ユーザが、中華そばの麺についての「針金麺」という商標の登録の可能性を判断したいと考えて、「針金麺」という商標文字列と、中華そばの麺の類似群コードである「32F03」を、情報処理装置1にキーボード等を操作して入力したとする。受付部101は、商標文字列「針金麺」と、類似群コード「32F03」とを受け付ける。
【0098】
称呼取得部103は、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」の称呼情報を取得する。ここでは、まず、商標文字列に対して形態素解析を行って形態素ごとの読みの情報を取得する。例えば、形態素解析によって「針金麺」は2つの形態素「針金」と「麺」とに分けられ、形態素「針金」からは読みとして「ハリガネ」が、また、形態素「麺」からは読みとして「メン」が取得されたとする。それぞれの形態素には、1つの読みしか取得されないため、「針金麺」の称呼情報の一つとしてこれらの読みを単に結合した「ハリガネメン」を取得する。
【0099】
さらに、称呼取得部103は、予め用意された漢字の読みが格納された辞書(図示せず)から、商標文字列「針金麺」の各文字の読みを取得する。例えば、「針」からは「ハリ」、「シン」という読みを取得したとする。また「金」からは、「キン」、「コガネ」、「コン」、「カネ」を取得したとする。また、「麺」からは「メン」を取得したとする。そして、取得した文字の読みを、取得元となる文字の並びに沿って組み合わせることで称呼情報を取得する。例えば、「ハリキンメン」、「ハリコガネメン」、「ハリコンメン」、「ハリカネメン」、「シンキンメン」、「シンコガネメン」等の称呼情報が取得される。なお、形態素解析で取得した称呼情報と一致するものは、削除する。
【0100】
次に、称呼取得部103は、上記で取得した各称呼情報を分割して分割称呼情報を取得する。例えば、称呼情報「ハリガネメン」については、まず、区分位置を1文字目の「ハ」と2文字目の「リ」の間に設定して称呼情報を分割することで、「ハ」という分割称呼情報と、「リガネメン」という分割称呼情報とを取得する。更に、区分位置を2文字目の「リ」と3文字目の「ガ」の間に設定して称呼情報を分割することで、「ハリ」という分割称呼情報と、「ガネメン」という分割称呼情報とを取得する。同様にして、「ハリガ」、「ネメン」、「ハリガネ」、「メン」、「ハリガネメ」を取得する。但し「ン」は、分割称呼情報としては取得しない。同様にして、他の称呼情報についても分割称呼情報を取得する。なお、取得した分割称呼情報において、重複するものは一つを除いて削除する。
【0101】
そして、称呼表示部104は、取得した称呼情報と分割称呼情報とをモニタ等に出力する。
【0102】
図3は、称呼表示部104による、称呼情報と分割称呼情報との表示例を示す図である。なお、ここでは、称呼情報も分割称呼情報も、後述する類似検索においては特に区別せずに利用されるため、称呼情報と分割称呼情報とを特に区別せずに称呼として表示している。
【0103】
次に、ユーザが、図3に示した称呼情報と分割称呼情報とのうちの、類似検索に利用したいと考えるものの横のチェックボックスにチェックを入れて、「指定完了」ボタン31を押したとする。例えば、「ハリガネメン」、「ハリガネ」、「ハリキンメン」の横のチェックボックスに図3に示すようにチェックをいれて「指定完了」ボタン31を押すと、称呼指定受付部105は、チェックの入った称呼情報である「ハリガネメン」および「ハリキンメン」と、チェックの入った分割称呼情報である「ハリガネ」を受け付ける。
【0104】
次に、検索部102は、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」を用いて、WEB検索を行う。具体的には、「針金麺」を検索文字列として含むクエリを,予め指定されたインターネット上のWEB検索を行う検索サイトに図示しない送信部から送信する。そして、この検索サイトによる「針金麺」についての検索結果を図示しない受信部で受信する。この検索結果には、検索キーである「針金麺」と一致する文字列を含むWEBページの数が含まれているものとする。ここでは、このWEBページ数をWEB上での商標文字列の使用件数を示す情報として利用する。例えば、検索結果に含まれる「針金麺」と一致する文字列を含むWEBページの数が1500件であったとする。つまり、WEB上での商標文字列「針金麺」の使用件数が1500件であったとする。
【0105】
出力部109は、商標文字列の使用件数の値が、予め用意された閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、閾値が、1000件であったとすると、使用件数が1500件であるので、閾値を超えると判断する。このため、予め用意された警告の情報である「WEB検索の結果からは商標法第3条違反の可能性あり」という文字列を、図示しない格納部等から取得し、メモリ等の記憶媒体に一時記憶する。
【0106】
次に、類似検索部106は、称呼指定受付部105が受け付けた称呼情報と分割称呼情報とのそれぞれと、類似群コード「32F03」とを用いて、称呼の類似検索を行う。称呼の類似検索については、公知の技術であるので、詳細な具体例は省略する。例えば、類似検索の結果、称呼情報「ハリガネメン」と分割称呼情報「ハリガネ」については、称呼が類似する登録商標が検出されなかったが、称呼情報「ハリキンメン」については、称呼が類似する登録商標が検出されたとする。具体的には、類似群コードが「32F03」であり、称呼が「ハリキントン」という登録番号が「554××××」(×は任意の数字)である登録商標が類似する登録商標として検出されたとする。出力部109は、この検出結果を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0107】
次に、辞書検索部108は、辞書格納部107に格納されている辞書のうちの、著名商標辞書以外の辞書の中から、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」と類似群コード「32F03」との組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を検索する。ここでは、辞書検索部108には、普通名称辞書と、慣用商標辞書と、産地・販売地等辞書と、ありふれた名称辞書と、簡単名称辞書と、識別力無し辞書と、著名商標辞書とが、予め格納されているものとする。なお、ここでは、普通名称辞書、慣用商標辞書、産地・販売地等辞書、ありふれた名称辞書、簡単名称辞書、識別力無し辞書、および著名商標辞書は、それぞれの辞書名でもあるものとする。
【0108】
図4は、普通名称辞書に格納されているデータの一例を示す図である。普通名称辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が普通名称と判断される商品または役務を示すものと考えて良い。
【0109】
図5は、慣用商標辞書に格納されているデータの一例を示す図である。慣用商標辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、対応する「商標」が慣用商標と判断される商品または役務を示す。
【0110】
図6は、産地・販売地等辞書に格納されているデータの一例を示す図である。産地・販売地等辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が産地・販売地等を示す商標と判断される商品または役務を示すものと考えて良い。
【0111】
図7は、ありふれた名称辞書に格納されているデータの一例を示す図である。ありふれた名称辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、対応する「商標」がありふれた名称と判断される商品または役務を示す。なお、「類似群コード」の値「all」は、全ての類似群コードを指定していると解釈されるものとする。
【0112】
図8は、簡単名称辞書に格納されているデータの一例を示す図である。簡単名称辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が簡単な名称と判断される商品または役務を示すものと考えて良い。なお、「類似群コード」の値「all」は、全ての類似群コードを指定していると解釈されるものとする。
【0113】
図9は、識別力無し辞書に格納されているデータの一例を示す図である。識別力無し辞書は「商標」と「類似群コード」という項目を有している。「類似群コード」は、例えば、対応する「商標」が識別力無しと判断される商品または役務を示すものと考えて良い。
【0114】
図10は、辞書格納部107に格納されている著名商標辞書に格納されているデータの一例を示す図である。著名商標辞書は著名商標である「商標」という項目を有している。
【0115】
まず、辞書検索部108は、1番目の辞書である普通名称辞書について、「商標」の値が「針金麺」と一致し、「類似群コード」が「32F03」と一致するレコードを検索する。ここでは、一致するレコードが検索されないため、普通名称辞書には、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」と類似群コード「32F03」との組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されていないと判断する。
【0116】
同様にして、著名商標辞書を除く他の辞書についても、順次、「商標」の値が「針金麺」と一致し、「類似群コード」が「32F03」と一致するレコードの検索を行う。ここでは、いずれの辞書にも、一致するレコードが検出されなかったとする。このため、出力部109は、これらの辞書に対応した出力を行わない。
【0117】
さらに、辞書検索部108は、著名商標辞書について、「商標」の値が「針金麺」と一致するレコードの検索を行ったところ、一致するレコードが検出されなかったとする。このため、出力部109は、著名商標辞書に対応した出力を行わない。
【0118】
そして、出力部109は、WEB検索の結果と、類似検索の結果を出力する。
【0119】
図11は、出力部109による出力例を示す図である。
【0120】
ここで、仮に、辞書格納部107に格納されている辞書のうちの、普通名称辞書にだけ、受付部101が受け付けた商標文字列「針金麺」と類似群コード「32F03」との組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出されたとする。
【0121】
図12は、辞書に対応して出力される出力用の情報を管理する出力用情報管理表である。出力用情報管理表は、「辞書」と「出力用情報」という項目を有している。「辞書」は、辞書格納部107に格納されている辞書の辞書名である。「出力用情報」は出力用の情報であり、ここでは、文字列の情報であるとする。
【0122】
出力部109は、辞書検索部108によって普通名称辞書に受付部101が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出されたため、図12に示した出力用情報管理表の「辞書」が「普通名称辞書」であるレコードの「出力用情報」の値である「商標法第3条第1項第1号に該当する可能性があります。」という文字列を取得する。そして、この文字列を、WEB検索の結果と、類似検索の結果とともに出力する。なお、出力用の情報を取得する処理は、他の辞書に関しても同様である。
【0123】
図12は、出力部109による出力例を示す図である。
【0124】
以上、本実施の形態によれば、ユーザが指定した商標をWEB検索するとともに、商標の文字列の称呼情報を自動的に取得して、これを用いた類似検索が行えるようにしたので、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報をユーザに提供することができる。
【0125】
また、称呼情報を分割した分割称呼情報を取得して、これを用いた類似検索が行えるようにしたので、例えば、ユーザが入力した商標が結合商標である場合には、結合商標を分割した場合の称呼を自動で取得することができ、分割した称呼情報を用いた適切な類似検索が可能となる。また、分割した称呼情報の入力を容易にすることができるとともに、分割した称呼情報を用いた類似検索をユーザに促すことができる。また、分割称呼情報を取得することで、商標の主要部だけを用いた適切な類似検索が可能となる。また、分割した称呼情報の入力を容易にすることができるとともに、主要部を用いた類似検索をユーザに促すことができる。
【0126】
また、辞書格納部に格納されている登録されない理由別に用意された商標の辞書の中から商標文字列を含む辞書の検索を行い、検索された辞書に応じた登録されない理由を示す出力を行うことにより、商標文字列が、どのような理由で登録されない可能性があるのかを明確に示すことができる。
【0127】
また、辞書格納部に格納されている辞書のうちの、著名商標辞書については、商標文字列だけを用いた検索を行い、他の辞書については、商標文字列と類似群コードとの組合せを用いた検索を行うようにすることで、実際の審査と同様に、類似群コードの利用の有無を切り替えて、登録の可能性の判断を行うことが可能となる。
【0128】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る情報処理装置は、称呼情報や分割称呼情報を用いた類似検索を、音響学的な判断で行うようにしたものである。
【0129】
図13は、本実施の形態における情報処理装置2のブロック図である。
情報処理装置2は、受付部101、検索部102、称呼取得部103、称呼表示部104、称呼指定受付部105、類似検索部206、辞書格納部107、辞書検索部108、出力部109を備える。類似検索部206以外の構成については、上記実施の形態1の情報処理装置1と同様であるので、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0130】
類似検索部206は、上記実施の形態1において説明した類似検索部106において、称呼情報または分割称呼情報の類似の判断を、音響学的に判断する方法を用いて行うようにしたものである。なお、それ以外の類似検索部206は構成については、類似検索部106と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0131】
以下、情報処理装置2の動作について説明する。
【0132】
図14は、類似検索部206による称呼情報または分割称呼情報を用いた類似検索の処理の詳細を示すフローチャートである。本実施の形態2の情報処理装置2の動作は、図2のフローチャートにおいて、ステップS217に示した類似検索の処理の代わりに、図14に示した類似検索部206による類似検索の処理が行うようにしたものである。以下、類似検索部206による類似検索の処理の詳細を説明する。
【0133】
類似検索部206による類似検索の処理は、称呼情報の音響学的な判断処理であり、称呼情報の音節等から類似しないと判断される要因を検出し、その要因をペナルティ値に換算し、換算したペナルティ値を用いて、称呼情報が類似するか否かを判断して、商標文字列から取得した称呼情報と類似する称呼情報を登録商標の称呼情報の中から検出する処理である。なお、ここでは、説明の便宜上、分割称呼情報も称呼情報と呼ぶこととする。また、ここでは、登録商標の称呼情報である登録称呼情報が、類似群コードと登録商標の識別情報等と対応付けて図示しない格納部に格納されているものとする。
【0134】
(ステップS1401)類似検索部206は、ステップS211で受け付けた称呼指定情報が指定する称呼情報のうちのk番目の称呼情報を音節に分割する。音節とは、例えば、一つの音と判断される文字列の最小単位である。音節を分割する際には、例えば、かな文字1字は1音節として分割する。ただし、拗音は2文字を1音節に分割する。また、長音(符)、促音、撥音は1音節に分割する。例えば、予め、1音節としてカウントされる文字または文字列を図示しない記憶媒体等に蓄積しておき、分割する文字列の先頭から、これらのいずれかと一致する文字列を順次検出して音節として区切っていくようにすればよい。
【0135】
(ステップS1402)類似検索部206は、カウンターpの値に1を代入する。
【0136】
(ステップS1403)類似検索部206は、ステップS201で受け付けた類似群コードと一致する類似群コードと対応付けられた登録称呼情報のうちのp番目の登録称呼情報を図示しない格納部から読み出し、ステップS1401と同様に音節に分割する。
【0137】
(ステップS1404)類似検索部206は、ステップS1401において分割したk番目の称呼情報の音節数と、ステップS1403において分割したp番目の登録称呼情報の音節数とが一致するか否かを判断する。一致する場合、ステップS1408に進み、一致しない場合、ステップS1405に進む。
【0138】
(ステップS1405)類似検索部206は、音節数の違いが、長音、促音、または弱音の違いに過ぎないかを判断する。具体的には、音節に分割されたn番目の称呼情報とk番目の称呼情報のそれぞれから、長音、促音、または弱音をそれぞれ消去した場合に、音節数が一致するか否かを判断する。削除するこれらの音節は、適宜組合せてもよい。そして、音節数が一致した場合と削除した長音、促音、または弱音との対応関係を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。この判断は、比較する称呼情報間の音量の違いの判断と考えることができる。
【0139】
(ステップS1406)類似検索部206は、音節数の違いや、違う音節数の数や、ステップS1405において一時記憶した、音節数が一致した場合に消去した音節が長音、促音、または弱音のいずれであるかを示す情報等を用いて、ペナルティ値を取得する。例えば、予め、音節数の違い、違う音節数、または音節数が一致する場合に消去した音節、あるいはこれらの1以上の組合せと、ペナルティ値とを対応付けた情報を予め図示しない記憶媒体等に蓄積しておくようにし、類似検索部206は、この情報から、実際の音節数の違い等に応じたペナルティ値を取得する。
【0140】
(ステップS1407)類似検索部206は、ステップS1406で取得したペナルティ値を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0141】
(ステップS1408)類似検索部206は、カウンターsに1を代入する。
【0142】
(ステップS1409)類似検索部206は、k番目の称呼情報とp番目の登録称呼情報との、先頭からs番目の音節同士が一致するか否かを判断する。一致する場合、ステップS1415に進み、一致しない場合、ステップS1410に進む。
【0143】
(ステップS1410)類似検索部206は、s番目の音節同士の母音および子音の違いを判断する。この判断は、比較する称呼情報間の音質の違いの判断と考えることができる。判断結果は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0144】
(ステップS1411)類似検索部206は、s番目の音節同士の違いが、濁音、半濁音、または清音の違いであるか否かを判断する。例えば、予め、一の清音と、この清音に対応する濁音と半濁音とを対応付けて管理する管理情報を図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、異なるs番目の音節同士が、同じ管理情報に含まれる場合に、音節の違いが、濁音、半濁音、または清音の違いであると判断し、それ以外は、このような違いではないと判断するようにしても良い。判断結果は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。この判断は、比較する称呼情報間の音量の違いの判断と考えることができる。
【0145】
(ステップS1412)類似検索部206は、現在のsの値と、ステップS1410の判断結果と、ステップS1411の判断結果との組合せに応じて、ペナルティ値を取得する。例えば、予め、これらの値や判断結果等の組合せと、ペナルティ値とを対応付けて管理する管理情報を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、sの値と、ステップS1410の判断結果と、ステップS1411の判断結果との組合せを含む管理情報からペナルティ値を取得する。あるいは、これらの値をパラメータとして用いた予め用意された算出式等に、現在のsの値と、ステップS1410の判断結果と、ステップS1411の判断結果とをそれぞれ代入してペナルティ値を取得しても良い。
【0146】
(ステップS1413)類似検索部206は、取得したペナルティ値を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0147】
(ステップS1414)類似検索部206は、異なる音節数のカウント値を1インクリメントする。このカウント値は、例えば、pの値が1インクリメントされる際に、0にリセットされるようにする。
【0148】
(ステップS1415)類似検索部206は、カウンターsの値を1インクリメントする。
【0149】
(ステップS1416)類似検索部206は、k番目の称呼情報とp番目の登録称呼情報とがs番目の音節を有するか否かを判断する。有する場合、ステップS1409に戻り、有さない場合、ステップS1417に進む。
【0150】
(ステップS1417)類似検索部206は、k番目の称呼情報の音節数と異なる音節数であるステップS1414の最終的なカウント値とに応じたペナルティ値を算出する。例えば、予め音節数と異なる音節数とペナルティ値との対応関係を管理する管理情報を予め図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、この管理情報から、k番目の称呼情報の音節数と異なる音節数との組合せに対応するペナルティ値を取得する。
【0151】
(ステップS1418)類似検索部206は、ステップS1407およびステップS1413で一時記憶したペナルティ値と、ステップS1418で取得したペナルティ値との合計を算出し、この合計を用いてk番目の称呼情報と、p番目の称呼情報とが類似するか否かを判断する。例えば、予め用意された値から、ペナルティ値を減算し、その値が、予め用意されたしきい値以上であるか否かを判断し、しきい値以上であれば類似と判断し、しきい値未満であれば非類似であると判断するようにしても良い。また、ペナルティ値の合計が予め用意されたしきい値以上であれば、非類似と判断し、しきい値未満であれば、類似と判断しても良い。そして、類似と判断された登録称呼情報を取得して、図示しない記憶媒体等に蓄積する。また、類似と判断された登録称呼情報と対応付けられた登録商標の識別情報等も取得して、蓄積してもよい。ここでの蓄積した登録称呼情報や、登録商標の識別情報等が、類似する称呼を有する登録商標の検索結果である。また、非類似と判断された場合、その判断結果を蓄積してもよい。
【0152】
(ステップS1419)類似検索部206は、カウンターpの値を1インクリメントする。
【0153】
(ステップS1420)類似検索部206は、ステップS201で受け付けた類似群コードと一致する類似群コードと対応付けられた登録称呼情報の中に、p番目の登録称呼情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS1403に戻り、ない場合、上位の処理にリターンする。
【0154】
なお、図14のステップS1409において、音節が一致しない場合、相違する音節がともに弱音であるか否かを判断するようにし、相違する音節がともに弱音であれば、弱音であることに応じたペナルティ、あるいは弱音であることと、相違する文字の位置とに応じたペナルティをステップS1412等において取得するようにしても良い。このような弱音の判断は、音調に関する判断と考えられる。
【0155】
また、ステップS1404の前の処理として、k番目の称呼情報と、p番目の登録称呼情報が完全一致するか否かを判断し、一致する場合には、類似している(あるいは一致している)と判断して、p番目の登録称呼情報についてはその後の処理を省略するようにしてもよい。
【0156】
次に、本実施の形態の情報処理装置2の、類似検索部206による類似検索処理を行う動作についての具体例について説明する。なお、その他の動作については、上記実施の形態1の具体例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0157】
なお、ここでは、例として、ユーザにより入力された商標文字列が「黒角バー」であり、この商標文字列から取得された称呼情報のうちの、称呼指定情報により指定された称呼情報が「クロカクバー」である場合について説明する。
【0158】
類似検索部206は、称呼指定情報により指定された称呼情報「クロカクバー」を取得する。そして、類似検索部206は、称呼情報「クロカクバー」を音節に分割する。ここでは、拗音を含まないため、全ての文字が一字ずつ音節に区切られる。つまり、「ク/ロ/カ/ワ/バ/ー」(ただし、「/」は区切を示す。)となる。
【0159】
また、類似検索部206は、例えば、登録商標の称呼情報である登録称呼情報が格納されている格納部(図示せず)から、1番目の登録称呼情報として「クロカクボウ」を読み出したとする。
【0160】
次に、類似検索部206は、一番目の称呼情報「クロカクバー」と一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」とが完全一致するか否かを判断する。ここでは両方の文字列を先頭から一時ずつ比較し、全てが一致している場合に一致していると判断する。ここでは、一致していないと判断する。
【0161】
次に、類似検索部206は一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」を上記と同様に音節に分割する。ここでは、「ク/ロ/カ/ク/ボ/ウ」に分割される。
【0162】
つぎに、類似検索部206は、両者の音節数が一致するか否かを判断する。ここでは、一致すると判断される。
【0163】
なお、両者の音節数が一致しない場合、両者の違いが長音、促音、または弱音の違いであるか否かが判断される。具体的には、長音「ー」、促音「ッ」、または弱音「イ、ウ、ム、ン、フ、ス」をそれぞれ消去した場合に、両者が一致するか否かを判断し、長音または促音を消去した場合に両者が一致する場合、ペナルティPとして「1」を取得する。また弱音を消去した場合に両者が一致する場合、ペナルティPとして「3」を取得する。また、長音と促音とを消去した場合、または長音と弱音とを消去した場合に一致する場合、ペナルティPとして「2」を取得する。例えば、音節数の違いが、長音、促音、または弱音の違いであることを示す情報とペナルティPの値とを対応付けた管理情報である音量音調管理情報を、予め図示しない記憶媒体等に容易しておき、この音量音調管理情報から、音節の違いが、長音、促音、または弱音の違いであるか否かの判断結果に対応したペナルティPの値を取得するようにすればよい。
【0164】
さらに、称呼情報の文字数と、異なる音節数との組合せに応じても、ペナルティPを取得する。例えば、称呼情報の文字数が5文字で、異なる音節数が1であれば、ペナルティPとして「5」を取得する。また、称呼情報の文字数が6文字で、異なる音節数が1であれば、ペナルティPとして「4」を、称呼情報の文字数が6文字で、異なる音節数が2であれば、ペナルティPとして「10」を取得する。このような文字数と異なる音節数とペナルティPの値とを対応付けた管理情報を予め用意しておくようにし、この管理情報から、実際の文字数と異なる音節数に応じてペナルティPの値を取得する。
【0165】
なお、ここで述べた称呼情報と登録称呼情報との間の音節数等の違いと、ペナルティPの値との関係は一例であり、ユーザが適宜、変更したり追加することが可能である。例えば、複数の商標の審査結果や判例等に応じて、適宜調整することが好ましい。かかることは、他の音節に関する称呼が異なる要因とペナルティPとの関係についても同様である。
【0166】
そして、上記のペナルティPの値の合計を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。ただし、ここでは、音節数が一致するため、上記のペナルティPは取得されない。
【0167】
つぎに、類似検索部206は、称呼情報「クロカクバー」と一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」との、一番目の音節から順番に、音節同士が一致するか否かを判断していく。そして、一致しない音節が検出された場合、この音節についてペナルティPの値を以下のように決定する。
【0168】
まず、文字をそれぞれローマ字に変換し、母音同士を比較して、母音が同じか否か、同じでない場合、近似であるか否かの判断結果を取得する。子音についても同様の判断結果を取得する。なお、母音同士が、近似であるか否かは、例えば予め近似する母音同士(例えば、あ−え、い−え、あ−お、う−お)を対応付けて管理する管理表等を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、比較する母音同士がこの管理表で対応付けられた母音同士であれば、近似であると判断する。また、子音については同一か否かの判断結果を取得する。
【0169】
また、異なる文字が濁音、半濁音、清音の違いであるか否かを判断する。例えば、予め清音と、この清音に対応した濁音と半濁音とを対応付けた管理情報を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにして、比較する文字が、この管理情報で対応付けられた清音、濁音、または半濁音のうちのいずれか2つであれば、異なる文字が濁音、半濁音、清音の違いであると判断し、それ以外は、濁音、半濁音、清音の違いでないと判断する。
【0170】
そして、上記の母音と子音の判断結果と、濁音、半濁音等の判断結果と、判断に用いられた文字列の位置との組合せに応じたペナルティPを取得する。例えば、母音と子音の判断結果と、濁音、半濁音等の判断結果と、判断に用いられた文字列の位置とのうちの1以上の組合せと、ペナルティPの値とを対応付けた管理情報である音質管理情報等を図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、この管理情報が示す母音と子音の判断結果と、濁音、半濁音等の判断結果と、判断に用いられた文字列の位置との組合せに、上記の判断結果が合致する場合、その合致する管理情報に対応付けられたペナルティPの値を取得する。
【0171】
一例を挙げると、異なる文字の位置が先頭でなく、母音が同じであるという判断結果が得られた場合、上記のような管理情報から、ペナルティの値「1」を取得する。また、異なる文字の位置が先頭でなく、母音が近似、子音が同じであるという判断結果が得られた場合、上記のような管理情報から、ペナルティの値「2」を取得する。また、異なる文字の位置が先頭であり、異なる文字が濁音、半濁音、または清音の違いであると判断された場合、上記のような音質管理情報から、ペナルティPの値として「3」を取得する。
【0172】
ここでは、一番目の称呼情報「クロカクバー」と一番目の登録称呼情報「クロカクボウ」とが、5番目の音節で初めて異なる音節となるため、まず、この音節「バ」と「ボ」との母音同士を比較する。「バ」の母音は「あ(a)」であり、「ボ」の母音は「お(o)」であるため、両者は一致しないが、この「あ」と「お」は、近似であると判断される。また、両者の子音は「s」であり一致する。このため、5番目の音節は、称呼情報の先頭の音節ではなく、母音が近似し、子音が同じであるため、ペナルティPとして「2」を、例えば、上述したような音質管理情報から取得する。また、音節「バ」と「ボ」との違いは、濁音、半濁音、清音の違いではないため、この濁音、半濁音、または清音の違いに対応付けられたペナルティPの値は取得しない。
【0173】
同様に、6番目の音節「ー」と「ウ」とは、異なる音節であり、この音節の母音同士は比較する。「ー」は長音符であるため、この母音は、直前の音節「バ」の母音である「あ(a)」とする。また、ここで「ウ」の母音は「う(u)」である。このため、両者は一致せず、「あ」と「う」は近似ではないと判断される。このため、異なる文字の位置が先頭ではなく、かつ母音が共通でも近似でもないため、ペナルティPとして「5」を取得する。
【0174】
そして、7番目以降の音節はないため、音節同士の違いにより得られたペナルティPの値の合計「7」を記憶媒体等に一時記憶する。
【0175】
次に、類似検索部206は、称呼情報の音節数と、称呼情報と1番目の登録称呼情報との異なる音節数とに応じたペナルティPの値を取得する。例えば、予め称呼情報の音節数と、異なる音節数と、ペナルティ値と、を組み合わせた管理情報である音節管理情報等を図示しない記憶媒体等に用意しておくようにし、この音節管理情報から、判断対象となる称呼情報の音節数と、異なる音節数とに応じたペナルティ値を取得する。
【0176】
ここでは、監視称呼情報の音節数が「6」で、異なる音節数が、「2」であるため、この組合せに対応したペナルティPとして、「10」を取得する。
【0177】
そして、類似検索部206は、これまでに取得したペナルティPの値の合計を取得する。ここでは、合計は、「17」となる。
【0178】
次に、類似検索部206は、算出したペナルティPの値「17」を予め用意された初期値である「100」から減算する。減算した値は、「83」である。そして、減算して得られた値が、予め指定された類似を判断するためのしきい値未満であるか否かを判断する。例えば、しきい値が「80」に設定されていたとすると、減算した値「83」は、「80」以上であるため、この1番目の登録称呼情報「クロカワボウ」は一番目の称呼情報「クロカクバー」に対して類似であると判断される。そして、1番目の登録称呼情報と、1番目の登録称呼情報と対応付けられた登録商標の識別情報(例えば、登録番号)が、類似する登録商標の情報として、図示しない記憶媒体に蓄積する。なお、しきい値は適宜変更可能なものであるとする。
【0179】
以下、同様にして、2番目以降の登録称呼情報についても、上記と同様の類似の判断を行って、全ての登録称呼情報について類似の判断を行う。
【0180】
そして、類似検索の結果、類似するとして検出された登録称呼情報と、これに対応付けられた登録商標の識別情報である登録番号が、例えば、出力部109から出力される。
【0181】
以上のように本実施の形態においては、称呼情報を用いた類似検索を、音響学的判断で行うことにより、より適切に称呼が類似する登録商標の検索を行うことが可能となる。
【0182】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0183】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0184】
また、上記各実施の形態では、情報処理装置がスタンドアロンである場合について説明したが、情報処理装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。
【0185】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0186】
なお、上記各実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、コンピュータを、商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、商標文字列のWEB上での使用件数を含む検索部の検索結果と、称呼情報ごとの類似検索の結果とを出力する出力部と、して機能させるためのプログラムである。
【0187】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0188】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0189】
図15は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による情報処理装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0190】
図15において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0191】
図16は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図16において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0192】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0193】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による情報処理装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0194】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0195】
以上のように、本発明にかかる情報処理装置は、商標の登録性の判断等に用いられる装置等として適しており、特に、商標の文字列を入力として登録性の判断材料となる情報を取得する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0196】
1、2 情報処理装置
31 ボタン
101 受付部
102 検索部
103 称呼取得部
104 称呼表示部
105 称呼指定受付部
106、206 類似検索部
107 辞書格納部
108 辞書検索部
109 出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、
前記商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、
前記商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、
前記称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、
前記商標文字列のWEB上での使用件数を含む前記検索部の検索結果と、前記称呼情報ごとの前記類似検索の結果とを出力する出力部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記検索部が取得した検索結果に含まれる使用件数が閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に警告を出力する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記称呼取得部は、1以上の文字列と、当該文字列の読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて、前記受付部が受け付けた商標文字列に対応する1以上の前記称呼情報を自動取得する請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記称呼取得部は、更に、前記1以上の称呼情報を分割して1以上の分割称呼情報を取得し、
前記類似検索部は、前記各分割称呼情報を用いて類似検索を更に行う請求項1から請求項3いずれか記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記称呼取得部が取得した1以上の称呼情報を表示する称呼表示部と、
前記称呼取得部が取得した称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、
前記類似検索部は、前記称呼指定情報が指定する各称呼情報を用いて類似検索を行う請求項1から請求項4いずれか記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記称呼取得部が取得した1以上の称呼情報と1以上の分割称呼情報とを表示する称呼表示部と、
前記称呼取得部が取得した称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、
前記類似検索部は、前記称呼指定情報が指定する称呼指定情報と分割称呼情報とを用いて類似検索を行う請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
普通名称である商標が格納された普通名称辞書と、慣用商標が格納された慣用商標辞書と、産地、販売地、または品質等を示す商標が格納された産地・販売地等辞書と、ありふれた名称である商標が格納されたありふれた名称辞書と、簡単な名称である商標が格納された簡単名称辞書と、識別力のない商標が格納された識別力無し辞書とのうちの、少なくとも1以上が格納されている辞書格納部と、
前記受付部が受け付けた商標文字列と一致する商標が格納されている辞書を、前記辞書格納部に格納されている辞書の中から検索する辞書検索部と、を更に備え、
前記出力部は、前記商標文字列が検出された辞書に応じた出力を行う請求項1から請求項6いずれか記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記辞書格納部に格納されている辞書には、格納されている商標と類似群コードとが対応付けて格納されており、
前記受付部は、前記商標文字列が示す商標に対する類似群コードを更に受け付け、
前記辞書検索部は、前記受付部が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を、前記辞書格納部に格納されている辞書の中から検索し、
前記出力部は、前記商標文字列と類似群コードの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出された辞書に応じた出力を行う請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記辞書格納部には、さらに、著名商標が格納されている著名商標辞書が格納されており、
前記辞書検索部は、前記著名商標辞書に対しては、前記受付部が受け付けた商標文字列だけを用いて検索を行い、
前記出力部は、前記著名商標辞書に前記商標文字列が検出された場合に、当該著名商標辞書に応じた出力を行う請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
受付部と、検索部と、称呼取得部と、類似検索部と、出力部とを用いて行われる情報処理方法であって、
前記受付部が、商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付ステップと、
前記検索部が、前記商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索ステップと、
前記称呼取得部が、前記商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得ステップと、
前記類似検索部が、前記称呼取得ステップで取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、
前記出力部が、前記商標文字列のWEB上での使用件数を含む前記検索ステップによる検索結果と、前記称呼情報ごとの前記類似検索の結果とを出力する出力ステップと、
を備えた情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、
前記商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、
前記商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、
前記称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、
前記商標文字列のWEB上での使用件数を含む前記検索部の検索結果と、前記称呼情報ごとの前記類似検索の結果とを出力する出力部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項1】
商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、
前記商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、
前記商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、
前記称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、
前記商標文字列のWEB上での使用件数を含む前記検索部の検索結果と、前記称呼情報ごとの前記類似検索の結果とを出力する出力部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記検索部が取得した検索結果に含まれる使用件数が閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に警告を出力する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記称呼取得部は、1以上の文字列と、当該文字列の読みの情報とを対応付けて有する辞書を用いて、前記受付部が受け付けた商標文字列に対応する1以上の前記称呼情報を自動取得する請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記称呼取得部は、更に、前記1以上の称呼情報を分割して1以上の分割称呼情報を取得し、
前記類似検索部は、前記各分割称呼情報を用いて類似検索を更に行う請求項1から請求項3いずれか記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記称呼取得部が取得した1以上の称呼情報を表示する称呼表示部と、
前記称呼取得部が取得した称呼情報の1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、
前記類似検索部は、前記称呼指定情報が指定する各称呼情報を用いて類似検索を行う請求項1から請求項4いずれか記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記称呼取得部が取得した1以上の称呼情報と1以上の分割称呼情報とを表示する称呼表示部と、
前記称呼取得部が取得した称呼情報と分割称呼情報とのうちの1以上を指定する称呼指定情報を受け付ける称呼指定受付部とを更に備え、
前記類似検索部は、前記称呼指定情報が指定する称呼指定情報と分割称呼情報とを用いて類似検索を行う請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
普通名称である商標が格納された普通名称辞書と、慣用商標が格納された慣用商標辞書と、産地、販売地、または品質等を示す商標が格納された産地・販売地等辞書と、ありふれた名称である商標が格納されたありふれた名称辞書と、簡単な名称である商標が格納された簡単名称辞書と、識別力のない商標が格納された識別力無し辞書とのうちの、少なくとも1以上が格納されている辞書格納部と、
前記受付部が受け付けた商標文字列と一致する商標が格納されている辞書を、前記辞書格納部に格納されている辞書の中から検索する辞書検索部と、を更に備え、
前記出力部は、前記商標文字列が検出された辞書に応じた出力を行う請求項1から請求項6いずれか記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記辞書格納部に格納されている辞書には、格納されている商標と類似群コードとが対応付けて格納されており、
前記受付部は、前記商標文字列が示す商標に対する類似群コードを更に受け付け、
前記辞書検索部は、前記受付部が受け付けた商標文字列と類似群コードとの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが格納されている辞書を、前記辞書格納部に格納されている辞書の中から検索し、
前記出力部は、前記商標文字列と類似群コードの組みと一致する商標と類似群コードとの組みが検出された辞書に応じた出力を行う請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記辞書格納部には、さらに、著名商標が格納されている著名商標辞書が格納されており、
前記辞書検索部は、前記著名商標辞書に対しては、前記受付部が受け付けた商標文字列だけを用いて検索を行い、
前記出力部は、前記著名商標辞書に前記商標文字列が検出された場合に、当該著名商標辞書に応じた出力を行う請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
受付部と、検索部と、称呼取得部と、類似検索部と、出力部とを用いて行われる情報処理方法であって、
前記受付部が、商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付ステップと、
前記検索部が、前記商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索ステップと、
前記称呼取得部が、前記商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得ステップと、
前記類似検索部が、前記称呼取得ステップで取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、
前記出力部が、前記商標文字列のWEB上での使用件数を含む前記検索ステップによる検索結果と、前記称呼情報ごとの前記類似検索の結果とを出力する出力ステップと、
を備えた情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
商標の文字列である商標文字列を受け付ける受付部と、
前記商標文字列を検索キーとしてWEB検索を行う検索部と、
前記商標文字列の称呼の情報である1以上の称呼情報を取得する称呼取得部と、
前記称呼取得部が取得した各称呼情報を用いて類似検索を行う類似検索部と、
前記商標文字列のWEB上での使用件数を含む前記検索部の検索結果と、前記称呼情報ごとの前記類似検索の結果とを出力する出力部と、
して機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−58980(P2012−58980A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201138(P2010−201138)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度独立行政法人情報通信研究機構「民間基盤技術研究促進制度/知的財産(特許・商標)構築・活用のための情報通信基盤技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(502384842)有限会社アイ・アール・ディー (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度独立行政法人情報通信研究機構「民間基盤技術研究促進制度/知的財産(特許・商標)構築・活用のための情報通信基盤技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(502384842)有限会社アイ・アール・ディー (29)
【Fターム(参考)】
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