説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】オブジェクトを詳細に変動させることができる技術が求められていた。
【解決手段】本開示によれば、表示部に表示されたオブジェクトの変動速度を、オブジェクトの変動方向に関する操作情報を入力可能な入力操作部への加重に基づいて設定する変動速度設定部と、オブジェクトを変動速度で変動させる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるように、グラフィカルユーザインタフェース、いわゆるGUIを提供する情報処理装置が知られている。このような情報処理装置は、表示画面に各種のオブジェクトを表示する。ユーザは、マウスやタッチパネルを操作することで操作情報を入力し、情報処理装置は、操作情報に基づいて、オブジェクトを変動させる。例えば、情報処理装置は、オブジェクトのスクロール及び拡大縮小を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−13980号公報
【特許文献2】特開2010−92071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された情報処理装置は、オブジェクトを詳細に変動させることができなかった。一方、特許文献2には、ユーザがタッチパネルを押圧した際に振動を発生させる技術を開示する。しかし、この技術は、単に振動を発生させるだけであり、オブジェクトの変動には何ら寄与しなかった。そこで、オブジェクトを詳細に変動させることができる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、表示部に表示されたオブジェクトの変動速度を、オブジェクトの変動方向に関する操作情報を入力可能な入力操作部への加重に基づいて設定する変動速度設定部と、オブジェクトを変動速度で変動させる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0006】
本開示によれば、表示部に表示されたオブジェクトの変動方向を入力可能な入力操作部への加重に基づいて、オブジェクトの変動速度を設定することと、オブジェクトを変動速度で変動させることと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0007】
本開示によれば、コンピュータに、表示部に表示されたオブジェクトの変動方向を入力可能な入力操作部への加重に基づいて、オブジェクトの変動速度を設定する変動速度設定機能と、オブジェクトを変動速度で変動させる表示制御機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【0008】
本開示によれば、オブジェクトの変動速度を、入力操作部への加重に基づいて設定し、オブジェクトを当該変動速度で変動させる。したがって、ユーザは、オブジェクトの変動方向を決定する操作の他、入力操作部を押しこむ操作をオブジェクトの変動速度に反映させることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、ユーザは、オブジェクトの変動方向を決定する操作の他、入力操作部を押しこむ操作をオブジェクトの変動速度に反映させることができる。したがって、本開示によれば、オブジェクトをより詳細に変動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)本開示の第1の実施形態に係るマウス(入力操作部)の側面図である。(b)マウスの側断面図である。(c)マウスの平断面図である。
【図2】マウスの構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】情報処理装置が記憶する動き量決定用グラフの一例を示す説明図である。
【図5】(a)〜(c)動き量決定用グラフの他の例を示す説明図である。
【図6】情報処理装置による処理の一例を示す説明図である。
【図7】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図8】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図9】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図10】情報処理装置による処理の一例を示す説明図である。
【図11】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図12】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図13】情報処理装置による処理の一例を示す説明図である。
【図14】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図15】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図16】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図17】情報処理装置による処理の一例を示す説明図である。
【図18】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図19】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図20】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図21】情報処理装置による処理の一例を示す説明図である。
【図22】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図23】情報処理装置による表示例を示す説明図である。
【図24】(a)本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置の側断面図である。(b)情報処理装置の平断面図である。
【図25】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図26】(a)本開示の変形例に係るタッチパッドの側断面図である。(b)タッチパッドの平断面図である。
【図27】タッチパッドの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(入力操作部がマウスである例)
1−1.マウスの構成
1−2.情報処理装置の構成
1−3.情報処理装置による処理
1−4.第1の変形例
1−5.第2の変形例
2.第2の実施の形態(情報処理装置がいわゆるスマートフォン等であり、入力操作部が情報処理装置内のタッチパネルである例)
2−1.情報処理装置の構成
2−2.情報処理装置による処理
2−3.変形例
【0013】
<1.第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。
<1−1.マウスの構成>
第1の実施形態に係る情報処理装置20は、概略的には、マウス10に作用した加重Fに基づいて、オブジェクトの変動速度を設定し、設定された変動速度でオブジェクトを変動させるものである。そこで、まず、図1及び図2に基づいて、第1の実施形態に係るマウス10の構成について説明する。マウス10は、カバー部10a、底面部10b、ヒンジ10c、基板10d、押し部材10e、圧縮コイルバネ10f、クリック操作部11、XY移動検出部12、力検出部13、制御部14、及び送信部15を備える。なお、マウス10は、CPU、ROM、RAM、通信装置等のハードウェア構成を備え、ROMには、クリック操作部11、XY移動検出部12、力検出部13、制御部14、及び送信部15をマウス10に実現させるために必要なプログラムが格納されている。したがって、これらのハードウェア構成によって、マウス10の各構成要素が実現されている。
【0014】
カバー部10aは、ユーザU(以下、単に「ユーザ」とも称する)の掌が載せられる部分であり、カバー部10aの先端にクリック操作部11が設けられる。なお、第1の実施形態では、カバー部10aの長さ方向の各端部のうち、一方の端部を先端、他方の端部を後端とする。マウス10を構成する他の構成要素についても同様である。カバー部10aと、底面部10bとは、図示しない可撓部材により連結されている。これにより、ユーザがカバー部10aを押し込むと、可撓部材が撓むことで、カバー部10aが底面部10b側に移動する。底面部10bは、マウス10の底面を構成する部分である。カバー部10a及び底面部10bで囲まれる空間に、マウス10を構成する各構成要素が格納される。また、底面部10bには、底面部10bを厚さ方向に貫通する貫通穴が形成されており、この貫通穴にXY移動検出部12が設けられる。また、底面部10bの表面(カバー部10aに対向する面)には、上述したハードウェア構成が配置されている。
【0015】
ヒンジ10cは、底面部10bの後端に設けられ、回転軸10c−1を回転中心として矢印Ar1方向に回転可能となっている。回転軸10c−1は、底面部10bに平行かつマウス10の長さ方向に垂直となっている。基板10dは、ヒンジ10cと一体となって回転する。基板10dの先端には、土台部10d−1が設けられ、土台部10d−1上に力検出部13が設けられる。また、基板10dには、力検出部13からの情報を制御部14に供給するための配線が設けられている。
【0016】
押し部材10eは、カバー部10aの裏面(底面部10bに対向する面)に設けられ、力検出部13に対向している。なお、押し部材10eと力検出部13との間には、空間(遊び)dが形成されている。圧縮コイルバネ10fは、カバー部10aと底面部10bとを連結している。圧縮コイルバネ10fは、押し部材10eと力検出部13との間に空間dが形成されるように、カバー部10aを底面部10bの上方で保持する。なお、圧縮コイルバネ10fは、ユーザがカバー部10を押し込んだ際に縮むが、基板10dが底面部10bに接触する前に、縮み量が最大となる(それ以上縮まない)。
【0017】
クリック操作部11は、ユーザによって押下される(クリックされる)ボタンである。クリック操作部11は、ユーザによって押下された際に、その旨を示すクリック操作情報を制御部14に出力する。XY移動検出部12は、マウス10の移動速度V1を検出する。具体的には、XY移動検出部12は、移動速度V1のx成分V1x及びy成分V1yを検出する。XY移動検出部12は、検出した移動速度V1x、V1yに関する移動速度情報を生成し、制御部14に出力する。なお、XY移動検出部12は、マウス10の移動速度V1を検出することができるものであれば特に限定されず、例えばボール形式、LED形式等の任意の構成をとりうる。
【0018】
ここで、図1(c)に示すように、x軸は、マウス10の幅方向(図1(c)中上下方向)に伸びる直線であり、y軸は、マウス10の長さ方向に伸びる直線である。また、x軸正方向は、図1(c)中上方向であり、y軸正方向は、マウス10の後端から先端に向かう方向である。xy軸及び各軸の正方向については、他の内容に設定されてもよい。
【0019】
力検出部13は、ユーザによる押し込み力(加重)Fを検出するセンサである。力検出部13は、ユーザによる加重を検出することができるセンサであれば、その構成は特に限定されない。力検出部13は、例えば、静電容量式センサ、抵抗式センサ、またはひずみゲージセンサ等となる。
【0020】
静電容量式センサは、例えば、コンデンサ等で構成され、加重による電極の変位を静電容量の変化として検出する。即ち、静電容量式センサは、加重を静電容量の変化量として検出する。抵抗式センサは、例えば、センサ内に導電性粒子が分散したものである。抵抗式センサに加重が作用すると、当該加重によって導電性粒子同士が接触する。これにより、抵抗式センサの電気抵抗が変化する。即ち、抵抗式センサは、加重を電気抵抗の変化量として検出する。ひずみゲージセンサは、例えば、薄い絶縁体上に金属箔が取り付けられたものである。ひずみゲージセンサに加重が作用すると、絶縁体及び金属箔が歪むので、金属箔の電気抵抗が変化する。即ち、ひずみゲージセンサは、加重を電気抵抗の変化量として検出する。力検出部13は、ユーザによる加重を検出した場合には、加重の大きさに関する加重情報を生成し、制御部14に出力する。
【0021】
制御部14は、マウス10内の各構成要素、例えば、XY移動検出部12、力検出部13、及び送信部15を制御する。また、制御部14は、クリック操作情報、移動速度情報、及び加重情報を含むマウス操作情報を生成し、送信部15に出力する。送信部15は、情報処理装置20との間で無線通信が可能となっており、マウス操作情報を情報処理装置20に送信する。即ち、マウス10はいわゆるワイヤレスマウスであるが、ケーブルで情報処理装置20に連結されていてもよい。
【0022】
マウス10は、上記の構成を備えているので、以下のように動作する。マウス10は、ユーザがカバー部10aを押しこむ前は、初期状態、即ち押し部材10eと力検出部13との間に空間dが形成された状態となっている。ユーザがカバー部10aを底面部10b側に押し込むと、圧縮コイルバネ10fが縮む一方、押し部材10eが力検出部13に接近する。ユーザが空間d分だけカバー部10aを押し込むと、押し部材10eが力検出部13に接触する。
【0023】
したがって、ユーザは、マウス10をある程度押し込まないと、押し込みの効果(加重Fに応じて変動速度が調整されるという効果)を得ることができない。言い換えれば、ユーザは、押し込みの効果が効き始めるタイミングを把握することができる。その後、ユーザがさらにカバー部10aを押し込むと、押し部材10eが力検出部13を押し込む一方、ヒンジ10c及び基板10dが底面部10b側に回転する。これにより、基板10dが加重によりたわむことが防止される。ユーザが更にカバー部10aを押し込むと、基板10dが底面部10bに接触する前に、圧縮コイルバネ10fの縮み量が最大となる。したがって、ユーザは、それ以上カバー部10aを押しこむことができない。これにより、底面部10bが基板10dにより破損されることが防止される。その後、ユーザが押しこみを終了すると、圧縮コイルバネ10fがカバー部10aを押し上げる。これにより、マウス10が初期状態に戻る。
【0024】
したがって、ユーザは、クリック操作部11をクリックする操作、マウス10をxy方向に移動させる操作のほか、マウス10を押し込む操作も可能となる。即ち、ユーザは、表示部24に表示されたオブジェクトの変動速度(スクロール速度、再生速度等)に関する操作情報を入力することができる。さらに、ユーザは、マウス10を押しこむことで、オブジェクトの変動速度を調整することができる。
【0025】
<1−2.情報処理装置の構成>
次に、図3〜図5に基づいて、情報処理装置20の構成について説明する。情報処理装置20は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコン等であり、受信部21、記憶部22、制御部23、及び表示部24を備える。即ち、情報処理装置20は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、ディスプレイ、及び通信装置等のハードウェア構成を備え、ROMには、受信部21、記憶部22、制御部23、及び表示部24を情報処理装置20に実化させるためのプログラムを記憶する。したがって、これらのハードウェア構成によって、情報処理装置20の各構成要素が実現される。
【0026】
受信部21は、マウス操作情報を受信し、制御部23に出力する。記憶部22は、上記のプログラムの他、各種画像情報、音声情報、及び図4に示す動き量決定用グラフL1を記憶する。動き量決定用グラフL1は、加重Fと動き量の比f(f(V1x、V1y、F))との対応関係を示す。動き量の比fは、表示部24に表示されたオブジェクトのスクロール速度(変動速度)V2を決定するために使用される。概略的には、オブジェクトのスクロール速度V2は、マウス10の移動速度V1に動き量の比fを乗じた値となる。
【0027】
この動き量決定用グラフL1によれば、加重Fと動き量の比fとの関係は以下の式(1)〜(2)で表される。
【0028】
【数1】

【0029】
なお、a、bの具体的な値は、表示部24の解像度等に応じて適宜設定される。閾値Thの大きさは、例えば、100g重以上1kg重未満、好ましくは300g重以上400g重未満となる。a、b、閾値Thは、オブジェクトの種類に応じて変更されても良い。
【0030】
動き量決定用グラフL1が示すように、ユーザがマウス10を押し込まない場合(詳細には、押し部材10eが力検出部13に接触しない場合、以下同様)であっても、動き量の比fは1未満の正の値をとる。したがって、ユーザがマウス10を押し込まない場合であっても、オブジェクトは変動するが、マウス10の移動速度V1とオブジェクトのスクロール速度V2とは一致しない。また、加重Fが閾値Th以下となる場合には、動き量の比fは、加重Fに比例して変動する。また、加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合には、動き量の比fは常に1となる。
【0031】
図5は、動き量決定用グラフL1の変形例である動き量決定用グラフL2〜L4を示す。記憶部22は、動き量決定用グラフL1〜L4のうち、いずれか1つ以上を記憶してもよい。
【0032】
動き量決定用グラフL2によれば、加重Fと動き量の比fとの関係は以下の式(3)〜(4)で表される。
【0033】
【数2】

【0034】
動き量決定用グラフL2が示すように、ユーザがマウス10を押し込まない場合には、動き量の比fは0となる。したがって、ユーザがマウス10を押し込まない場合には、ユーザがマウス10をxy方向に移動させても、オブジェクトは変動しない。また、加重Fが閾値Th以下となる場合には、動き量の比fは、加重Fに比例して変動する。また、加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合には、動き量の比fは常に1となる。
【0035】
動き量決定用グラフL3によれば、加重Fと動き量の比fとの関係は以下の式(5)〜(6)で表される。
【0036】
【数3】

【0037】
動き量決定用グラフL3が示すように、ユーザがマウス10を押し込まない場合であっても、動き量の比fは正の値をとる。また、加重Fが閾値Th以下となる場合には、動き量の比fは、加重Fの2乗に比例して変動する。即ち、動き量の比fは、加重Fが大きくなるほど、変化量が大きくなる。また、加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合には、動き量の比fは常に1となる。
【0038】
動き量決定用グラフL4によれば、加重Fと動き量の比fとの関係は以下の式(7)〜(8)で表される。
【0039】
【数4】

【0040】
動き量決定用グラフL4が示すように、加重Fが閾値Thよりも大きくなるまで、動き量の比fは0となる。また、加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合には、動き量の比fは常に1となる。したがって、ユーザがある程度マウス10を押し込まないと、オブジェクトが変動しない。
【0041】
制御部23は、情報処理装置20の各構成要素を制御する他、変動速度設定部231及び表示制御部232としても機能する。変動速度設定部231は、受信部21から与えられたマウス操作情報と、図4に示す動き量決定用グラフL1とに基づいて、オブジェクトのスクロール速度V2を設定する。表示制御部233は、オブジェクトを表示部24に表示させ、かつ、オブジェクトをスクロール速度V2で変動させる。表示部24は、表示制御部233による制御により、各種のオブジェクトを表示する。なお、図7に示すように、表示部24の表示画面にはx’y’軸が設定されており、水平方向がx’軸、上下方向がy’軸となっている。また、図7中右方向がx’軸正方向となっており、上方向がy’軸正方向となっている。x’軸は上述したx軸に対応し、y’軸は上述したy軸に対応する。
【0042】
<1−3.情報処理装置による処理>
次に、情報処理装置20による処理について説明する。第1の実施形態では、情報処理装置20は、オブジェクトのスクロール速度V2を、ユーザがマウス10を押し込む力、即ち加重Fに基づいて設定する。まず、図6に基づいて、スクロール速度V2を調整する処理について説明する。なお、ここでは、図7に示すように、オブジェクトとして地図画像100をスクロールさせる場合の処理を一例として説明する。
【0043】
ステップS10において、表示部24は、図7に示すように、地図画像100及びマウスポインタMPを表示する。マウスポインタMPは、ユーザがマウス10をxy方向に移動させることによって移動する。また、マウスポインタMPの移動速度V3は、加重Fの大きさに関わらず、マウス10の移動速度V1に一致する。以下同様である。
【0044】
即ち、ユーザは、マウスポインタMPを移動させる場合、マウス10をxy方向に移動させる。これにより、XY移動検出部12は、マウス10の移動速度V1(=(V1x、V1y))を検出し、移動速度V1に関する移動速度情報を制御部14に出力する。制御部14は、移動速度情報を含むマウス操作情報を生成し、送信部15に出力する。送信部15は、マウス操作情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20の受信部21は、マウス操作情報を受信し、変動速度設定部231に出力する。変動速度設定部231は、移動速度V1x、V1yを、それぞれx’y’座標を基準とした値に変換する。
【0045】
そして、変動速度設定部231は、マウスポインタMPの移動速度V3のx’成分V3xをV1xに設定し、y’成分V3yをV1yに設定する。表示制御部232は、マウスポインタMPを移動速度V3で移動させる。図7に、マウスポインタMPの移動速度V3をベクトルで示した。以下の各表示例において、マウスポインタMPの移動速度等の各速度は、ベクトルで示される。
【0046】
次いで、ユーザは、マウス10をxy方向に移動させることで、マウスポインタMPを地図画像100上に移動させる。次いで、ユーザは、いわゆるドラッグ操作を行なう。ここで、ドラッグ操作とは、クリック操作部11を押下しながらマウス10をxy方向に移動させる操作である。なお、押下の対象となるボタンは、クリック操作部11が左クリックボタンと右クリックボタンとを含む場合、例えば左クリックボタンとなり、クリック操作部11がスクロールボタンを含む場合、例えばスクロールボタンとなる。また、ユーザは、地図画像100のスクロール速度V2を加重Fに基づいて調整したい場合、マウス10を押し込みながらドラッグ操作を行なう。
【0047】
クリック操作部11は、ユーザにより押下された旨を示すクリック操作情報を制御部14に出力する。XY移動検出部12は、マウス10の移動速度V1を検出し、検出した移動速度V1に関する移動速度情報を制御部14に出力する。力検出部13は、ユーザによる加重Fを検出し、検出した加重Fに関する加重情報を制御部14に出力する。制御部14は、クリック操作情報、移動速度情報、及び加重情報を含むマウス操作情報を生成し、送信部15に出力する。送信部15は、マウス操作情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20の受信部21は、マウス操作情報を受信し、変動速度設定部231に出力する。
【0048】
次いで、ステップS20において、変動速度設定部231は、マウス操作情報に基づいて、ユーザがドラッグ操作を行ったか否かを判定する。具体的には、変動速度設定部231は、マウス操作情報にクリック操作情報が含まれ、かつ、マウス10の移動速度V1が0以外であれば、ユーザがドラッグ操作を行ったと判定する。変動速度設定部231は、ユーザがドラッグ操作を行ったと判定した場合には、ステップS30に進み、ユーザがドラッグ操作を行っていないと判定した場合には、処理を終了する。
【0049】
次いで、ステップS30において、変動速度設定部231は、マウス操作情報と、動き量決定用グラフL1とに基づいて、加重Fが閾値Thより大きいか否かを判定する。変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thよりも大きいと判定した場合には、ステップS40に進み、加重Fが閾値Th以下であると判定した場合には、ステップS50に進む。
【0050】
ステップS40において、変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thよりも大きいので、動き量の比fを1に決定する。一方、ステップS50において、変動速度設定部231は、加重Fが閾値Th以下であるので、動き量の比fを(aF+b)に決定する。
【0051】
ステップS60において、変動速度設定部231は、変動速度設定部231は、移動速度V1x、V1yを、それぞれx’y’座標を基準とした値に変換する。そして、変動速度設定部231は、以下の式(9)〜(10)に基づいて、スクロール速度V2のx’成分V2x、y’成分V2yを設定する。
【0052】
【数5】

【0053】
表示制御部232は、地図画像100をスクロール速度V2でスクロールさせる。その後、情報処理装置20は、処理を終了する。スクロール速度調整の例を図8〜図9に示す。加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合、図8に示すように、スクロール速度V2は、マウスポインタMPの移動速度V3、即ちマウス10の移動速度V1に一致する。このため、地図画像100は、マウスポインタMPの動きに完全に追従してスクロールする(即ち、本来のスクロール速度でスクロールする)。一方、加重Fが閾値F以下となる場合、図9に示すように、スクロール速度V2は、マウスポインタMPの移動速度V3、即ちマウス10の移動速度V1よりも小さくなる。このため、地図画像100は、マウスポインタMPの動きに完全には追従せず、マウスポインタMPに引きずられるようにスクロールする。したがって、ユーザは、マウス10をxy方向に移動させる操作の他、マウス10を押しこむ操作を地図画像100の移動に反映させることができるので、地図画像100をより詳細にスクロールさせることができる。また、ユーザは、マウスポインタMPと地図画像100との間にあたかも摩擦力が働いているような操作感覚を得ることができるので、より自然な操作感覚で地図画像100を操作することができる。
【0054】
表示制御部232は、ユーザがドラッグ操作後、マウス10のxy方向への移動を継続しながらクリック操作部11の押下をやめた場合、地図画像100を継続してスクロールさせる。即ち、表示制御部232は、地図画像100を慣性スクロールさせる。慣性スクロールは、ユーザによるドラッグ操作の終了後に継続して行われるスクロールである。慣性スクロール時のスクロール速度V2は、時間の経過に応じて減少するが、慣性スクロール開始時のスクロール速度V2が維持されてもよい。即ち、スクロール速度V2は、時間の経過に応じて必ずしも減少しなくても良い(言い換えれば、地図画像100は、摩擦0で等速運動してもよい)。
【0055】
このように、慣性スクロール時のスクロール速度V2は、時間の経過に応じて減少するが、ユーザがマウス10を押し込むことでも減少する。以下、図10に基づいて詳細に説明する。
【0056】
ステップS170において、ユーザは、慣性スクロール中の地図画像100上にマウスポインタMPを移動させる。次いで、ユーザは、マウス10を押し込む。これにより、力検出部13は、加重Fを検出し、加重Fに関する加重情報を制御部14に出力する。制御部14は、加重情報を含むマウス操作情報を生成し、送信部15に出力する。送信部15は、マウス操作情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20の受信部21は、マウス操作情報を受信して変動速度設定部231に出力する。
【0057】
ステップS180において、変動速度設定部231は、地図画像100が慣性スクロール中であるか否かを判定し、地図画像100が慣性スクロール中であると判定した場合には、ステップS190に進み、地図画像100が慣性スクロール中でないと判定した場合には、処理を終了する。
【0058】
ステップS190において、変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thより大きいかを判定する。変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thより大きいと判定した場合、ステップS200に進み、加重Fが閾値Th以下であると判定した場合、ステップS210に進む。
【0059】
ステップS200において、変動速度設定部231は、スクロール速度V2を0に設定する。これに応じて、表示制御部232は、地図画像100を停止する。その後、情報処理装置20は、処理を終了する。なお、ステップS190〜ステップS200の処理はなくてもよい。この場合、情報処理装置20は、ステップS180の処理の終了後、直ちにステップS210に移行する。
【0060】
ステップS210において、変動速度設定部231は、以下の式(11)〜(14)に基づいて、スクロール速度V2を設定する。
【0061】
【数6】

【0062】
次いで、表示制御部232は、地図画像100をスクロール速度V2でスクロールさせる。スクロール減速時の例を図11〜図12に示す。この例では、地図画像100が図11に示す状態から減速する。加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合、地図画像100は直ちに停止する。一方、加重Fが閾値F以下となる場合、図12に示すように、スクロール速度V2は、加重Fに応じて減少する。したがって、ユーザは、マウス10を押しこむ操作を地図画像100の減速に反映させることができるので、地図画像100をより詳細に減速させることができる。また、ユーザは、マウスポインタMPと地図画像100との間にあたかも摩擦力が働いているような操作感覚を得ることができるので、より自然な操作感覚で地図画像100を操作することができる。すなわち、ユーザは、加重Fに応じた摩擦力にて地図画像100のスクロール速度V2を減少させることができる。これにより、ユーザは、より自然な操作感覚で地図画像100を操作することができる。
【0063】
なお、上記の例では、情報処理装置20は、地図画像100のスクロール速度V2を加重Fに基づいて調整することとしたが、地図画像100の拡大縮小速度を加重Fに基づいて調整してもよい。この場合、例えば、クリック操作部11にはズームボタンが含まれる。そして、ユーザは、マウス10を押し込みながらドラッグ操作を行なう。ここで、上記ドラッグ操作において押下の対象となるボタンはズームボタンとなる。これにより、地図画像100が加重Fに応じた速度で拡大縮小される。拡大縮小の中心は、例えば、地図画像100の中心や、拡大縮小開始時のマウスポインタMPの位置等となる。
【0064】
<1−4.第1の変形例>
次に、情報処理装置20の第1の変形例について説明する。第1の変形例では、情報処理装置20は、オブジェクトが動画である場合に、オブジェクトの変動速度V2である再生速度V2を、ユーザがマウス10を押し込む力、即ち加重Fに基づいて設定する。まず、図13に基づいて、再生速度V2を調整する処理について説明する。なお、ここでは、図14に示すように、動画200を再生させる場合の処理を一例として説明する。この動画200は、キャラクタ201が図14の位置から左側に移動するものである。
【0065】
ステップS70において、表示部24は、図14に示すように、動画200及びマウスポインタMPを表示する。次いで、ユーザは、マウス10をxy方向に移動させることで、マウスポインタMPを動画200上に移動させる。次いで、ユーザは、いわゆるドラッグ操作を行なう。また、ユーザは、動画200の再生速度V2を加重Fに基づいて調整したい場合、マウス10を押し込みながらドラッグ操作を行なう。
【0066】
クリック操作部11は、ユーザにより押下された旨を示すクリック操作情報を制御部14に出力する。XY移動検出部12は、マウス10の移動速度V1を検出し、検出した移動速度V1に関する移動速度情報を制御部14に出力する。力検出部13は、ユーザによる加重Fを検出し、検出した加重Fに関する加重情報を制御部14に出力する。制御部14は、クリック操作情報、移動速度情報、及び加重情報を含むマウス操作情報を生成し、送信部15に出力する。送信部15は、マウス操作情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20の受信部21は、マウス操作情報を受信し、変動速度設定部231に出力する。
【0067】
次いで、ステップS80において、変動速度設定部231は、マウス操作情報に基づいて、ユーザがドラッグ操作を行ったか否かを判定する。具体的な処理は上述したステップS20と同様である。変動速度設定部231は、ユーザがドラッグ操作を行ったと判定した場合には、ステップS90に進み、ユーザがドラッグ操作を行っていないと判定した場合には、処理を終了する。
【0068】
次いで、ステップS90において、変動速度設定部231は、マウス操作情報と、動き量決定用グラフL1とに基づいて、加重Fが閾値Thより大きいか否かを判定する。変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thよりも大きいと判定した場合には、ステップS100に進み、加重Fが閾値Th以下であると判定した場合には、ステップS110に進む。
【0069】
ステップS100において、変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thよりも大きいので、動き量の比fを1に決定する。一方、ステップS110において、変動速度設定部231は、加重Fが閾値Th以下であるので、動き量の比fを(aF+b)に決定する。
【0070】
ステップS120において、変動速度設定部231は、移動速度V1x、V1yを、それぞれx’y’座標を基準とした値に変換する。そして、変動速度設定部231は、以下の式(15)に基づいて、再生速度V2を設定する。
【0071】
【数7】

【0072】
表示制御部232は、動画200を再生速度V2で再生させる。ここで、再生方向は、再生速度V2が正なら順方向、再生速度V2が負なら逆方向となる。その後、情報処理装置20は、処理を終了する。再生速度調整の例を図14〜図16に示す。加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合、図15に示すように、再生速度V2は、マウスポインタMPの移動速度V3、即ちマウス10の移動速度V1に一致する。このため、動画200は、マウスポインタMPの動きに完全に追従して再生される。一方、加重Fが閾値F以下となる場合、図16に示すように、再生速度V2は、マウスポインタMPの移動速度V3、即ちマウス10の移動速度V1よりも小さくなる。このため、動画200は、マウスポインタMPの動きに完全には追従せず、マウスポインタMPに引きずられるように再生される。
したがって、ユーザは、マウス10をxy方向に移動させる操作の他、マウス10を押しこむ操作を動画200の再生速度に反映させることができるので、動画200をより詳細に再生させることができる。また、ユーザは、動画200に再生方向とは逆方向にあたかも摩擦力が働いているような操作感覚を得ることができるので、より自然な操作感覚で動画200を操作することができる。
【0073】
次に、動画200の再生速度V2を減少させる処理について、図17に基づいて詳細に説明する。ステップS220において、ユーザは、再生中の動画200上にマウスポインタMPを移動させる。次いで、ユーザは、マウス10を押し込む。これにより、力検出部13は、加重Fを検出し、加重Fに関する加重情報を制御部14に出力する。制御部14は、加重情報を含むマウス操作情報を生成し、送信部15に出力する。送信部15は、マウス操作情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20の受信部21は、マウス操作情報を受信して変動速度設定部231に出力する。
【0074】
ステップS230において、変動速度設定部231は、動画200が再生中であるか否かを判定し、動画200が再生中であると判定した場合には、ステップS240に進み、動画200が再生中でないと判定した場合には、処理を終了する。
【0075】
ステップS240において、変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thより大きいかを判定する。変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thより大きいと判定した場合、ステップS250に進み、加重Fが閾値Th以下であると判定した場合、ステップS260に進む。
【0076】
ステップS250において、変動速度設定部231は、再生速度V2を0に設定する。これに応じて、表示制御部232は、動画200の再生を停止する。その後、情報処理装置20は、処理を終了する。なお、ステップS240〜ステップS250の処理はなくてもよい。この場合、情報処理装置20は、ステップS230の処理の終了後、直ちにステップS260に移行する。
【0077】
ステップS260において、変動速度設定部231は、以下の式(16)〜(19)に基づいて、再生速度V2を設定する。
【0078】
【数8】

【0079】
次いで、表示制御部232は、動画200を再生速度V2で再生させる。再生速度減速時の例を図18〜図20に示す。この例では、動画200が図18に示す状態から再生されるものとする。加重Fが閾値Thよりも大きくなる場合、動画200は直ちに停止する。一方、加重Fが閾値F以下となる場合、図19〜図20に示すように、再生速度V2は、加重Fに応じて減少する。即ち、図19に示す場合の加重Fは、図20に示す加重Fよりも小さい。したがって、ユーザは、マウス10を押しこむ操作を動画200の再生速度に反映させることができるので、動画200をより詳細に再生させることができる。また、ユーザは、動画200の再生方向とは逆方向にあたかも摩擦力が働いているような操作感覚を得ることができる。すなわち、ユーザは、加重Fに応じた摩擦力にて動画200の再生速度V2を減少させることができる。これにより、ユーザは、より自然な操作感覚で動画200を操作することができる。
【0080】
<1−5.第2の変形例>
次に、情報処理装置20の第2の変形例を説明する。第2の変形例に係る情報処理装置20は、ウインドウや各種アイコン等のオブジェクトに対するドラッグ操作を一定の条件下で受け付ける。また、記憶部22は、少なくとも図5(c)に示す動き量決定用グラフL4を記憶している。以下、情報処理装置20が行なう処理を図21に基づいて説明する。なお、ここでは、図22に示すように、ユーザがフォルダOb1をドラッグ操作する場合の処理を一例として説明する。
【0081】
ステップS270において、表示部24は、図22に示すように、フォルダOb1及びマウスポインタMPを表示する。次いで、ユーザは、マウス10をxy方向に移動させることで、マウスポインタMPをフォルダOb1上に移動させる。次いで、ユーザは、マウス10を押し込みながらドラッグ操作を行なう。
【0082】
クリック操作部11は、ユーザにより押下された旨を示すクリック操作情報を制御部14に出力する。XY移動検出部12は、マウス10の移動速度V1を検出し、検出した移動速度V1に関する移動速度情報を制御部14に出力する。力検出部13は、ユーザによる加重Fを検出し、検出した加重Fに関する加重情報を制御部14に出力する。制御部14は、クリック操作情報、移動速度情報、及び加重情報を含むマウス操作情報を生成し、送信部15に出力する。送信部15は、マウス操作情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20の受信部21は、マウス操作情報を受信し、変動速度設定部231に出力する。
【0083】
次いで、ステップS280において、変動速度設定部231は、マウス操作情報に基づいて、ユーザがフォルダOb1に対してドラッグ操作を行ったか否かを判定する。具体的な処理は上述したステップS20と同様である。変動速度設定部231は、ユーザがドラッグ操作を行ったと判定した場合には、ステップS290に進み、ユーザがドラッグ操作を行っていないと判定した場合には、処理を終了する。
【0084】
次いで、ステップS290において、変動速度設定部231は、マウス操作情報と、動き量決定用グラフL4とに基づいて、加重Fが閾値Thより大きいか否かを判定する。変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thよりも大きいと判定した場合には、ステップS300に進み、加重Fが閾値Th以下であると判定した場合には、処理を終了する。
【0085】
ステップS300において、変動速度設定部231は、加重Fが閾値Thよりも大きいので、動き量の比fを1に決定する。変動速度設定部231は、以下の式(20)〜(21)に基づいて、フォルダOb1の変動速度V2である移動速度V2のx’成分V2x、y’成分V2yを設定する。
【0086】
【数9】

【0087】
表示制御部232は、フォルダOb1を移動速度V2で移動(ドラッグ)させる。即ち、情報処理装置20は、ドラッグ操作を受け付ける。なお、表示制御部232は、フォルダOb1を移動させる場合には、図23に示すように、フォルダOb1を拡大してもよい。これにより、ユーザは、フォルダOb1をドラッグ操作可能であることを容易に把握することができる。なお、表示制御部232は、フォルダOb1を拡大する他、例えば、フォルダOb1を潰れた画像とする、色を変える等の処理を行なってもよい。
【0088】
以上により、第1の実施の形態によれば、情報処理装置20は、オブジェクトの変動速度を、マウス10への加重Fに基づいて設定し、オブジェクトを当該変動速度で変動させる。したがって、ユーザは、オブジェクトの変動方向を決定する操作(即ち、マウス10をxy方向に移動させる操作)の他、マウス10を押しこむ操作をオブジェクトの変動速度に反映させることができるので、オブジェクトをより詳細に操作することができる。
【0089】
即ち、情報処理装置20は、加重Fをユーザにとって馴染みのある物理現象である「摩擦力」に置き換え、オブジェクトに「摩擦力」を作用させる。これにより、ユーザは、オブジェクトにあたかも摩擦力が働いているような操作感覚を得ることができる。したがって、情報処理装置20は、ユーザにとって自然で分かりやすい操作制御系を提供することができる。
【0090】
さらに、情報処理装置20は、マウス10の移動速度V1を基準として、当該移動速度V1と、加重Fとに基づいて、オブジェクトの変動速度V2を決定する。したがって、ユーザは、マウス10の移動速度V1と加重Fとを調整することで、オブジェクトの変動速度V2を調整することができる。即ち、ユーザは、オブジェクトをより詳細に操作することができる。
【0091】
また、情報処理装置20は、加重Fが大きいほど、変動速度V2をマウス10の移動速度V1に近い値に設定する。これにより、ユーザは、マウス10を強く押しこむほど、オブジェクトに強い摩擦力を作用させることができるので、より自然な間隔でオブジェクトを操作することができる。
【0092】
また、情報処理装置20は、加重Fが閾値Thよりも大きくなった場合に、オブジェクトの変動速度V2をマウス10の移動速度V1に一致させる。したがって、ユーザは、マウス10を閾値Thよりも大きい加重Fで押しこむことで、マウス10の移動速度V1でオブジェクトを変動させることができる。
【0093】
また、情報処理装置20は、加重Fが大きいほど、オブジェクトの変動速度を小さい値に設定する。これにより、ユーザは、マウス10を強く押しこむほど、オブジェクトを大きく減速させることができるので、より自然な操作感覚でオブジェクトを操作することができる。
【0094】
また、情報処理装置20は、加重Fが閾値Thよりも大きくなった場合に、オブジェクトの変動速度をゼロに設定する。即ち、情報処理装置20は、オブジェクトを停止させる。これにより、ユーザは、マウス10を閾値Thよりも大きい加重Fで押しこむことで、オブジェクトを停止させることができるので、より自然な操作感覚でオブジェクトを操作することができる。
【0095】
さらに、変動速度には、オブジェクトのスクロール速度、再生速度、及び移動速度のうち、少なくとも1つが含まれるので、ユーザは、これらの速度を自然な操作感覚で調整することができる。
【0096】
<2.第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について図24〜図25に基づいて説明する。第2の実施形態では、情報処理装置30はいわゆるスマートフォン等であり、入力操作部31が情報処理装置30内のタッチパネルとなる。
【0097】
<2−1.情報処理装置の構成>
第2の実施形態に係る情報処理装置30は、概略的には、タッチパネルである入力操作部31に作用した加重Fに基づいて、オブジェクトの変動速度を設定し、設定された変動速度でオブジェクトを変動させるものである。そこで、まず、図24及び図25に基づいて、第2の実施形態に係る情報処理装置30の構成について説明する。
【0098】
情報処理装置30は、ハウジング30a、トッププレート30b、基板30c、入力操作部31、力検出部32、記憶部33、制御部34、及び表示部35を備える。なお、情報処理装置30は、CPU、ROM、RAM、通信装置等のハードウェア構成を備え、ROMには、入力操作部31、力検出部32、記憶部33、制御部34、及び表示部35を情報処理装置30に実現させるために必要なプログラムが格納されている。したがって、これらのハードウェア構成によって、情報処理装置30の各構成要素が実現されている。
【0099】
ハウジング部30aは、情報処理装置30のハードウェア構成の側面及び底面を覆う部分である。トッププレート30bは、ハードウェア構成の表面、具体的には、入力操作部31及び表示部35の表面を覆う部分である。即ち、ハウジング部30a及びトッププレート30bにより形成された空間に、情報処理装置30のハードウェア構成が格納される。
【0100】
基板30cは、表示部35よりも内側に配置される。また、基板30cは、表示部35と平行となっており、表示部35との間に空間が形成されている。また、基板30cの表面には、矩形状をなす力検出部32と、力検出部32からの情報を制御部34に供給するための配線とが配置されている。
【0101】
入力操作部31は、いわゆるタッチパネルであり、トッププレート30bの内側に配置されている。入力操作部31には、xy軸が設定されている。図24(b)に示すように、x軸は、入力操作部31の長さ方向に垂直な方向に伸びる直線であり、y軸は、入力操作部31の長さ方向に伸びる直線である。x軸正方向は、図24(b)中上方向であり、y軸正方向は、図24(b)中左方向である。xy軸及び各軸の正方向については、他の内容に設定されてもよい。入力操作部31は、例えば、ユーザが入力操作部31に対してフリック操作を行った場合に、フリック操作の速度を検出する。ここで、フリック操作は、入力操作部31を指でタッチした状態で指をスライドさせる操作である。具体的には、入力操作部31は、フリック操作速度のx成分及びy成分を検出する。入力操作部31は、検出したフリック操作速度に関する移動速度情報を生成し、制御部34に出力する。
【0102】
力検出部32は、ユーザによる押し込み力(加重)Fを検出するセンサである。力検出部32は、ユーザによる加重を検出することができるセンサであれば、その構成は特に限定されない。力検出部32は、例えば、静電容量式センサ、抵抗式センサ、またはひずみゲージセンサ等となる。ただし、力検出部32が静電容量式センサとなる場合、入力操作部31からの出力と、力検出部32からの出力とを同じコントローラで扱えるため、情報処理装置30にとって好適である。
【0103】
記憶部33は、第1の実施形態に係る記憶部22と同様である。制御部34は、情報処理装置30の各構成要素を制御する他、変動速度設定部341及び表示制御部342としても機能する。変動速度設定部341及び表示制御部342は、第1の実施形態に係る変動速度設定部231及び表示制御部232と同様である。表示部35は、入力操作部31の内側に配置され、その外周部に力検出部32が接続されている。表示部35は、表示制御部342による制御により、各種のオブジェクトを表示する。
【0104】
<2−2.情報処理装置による処理>
情報処理装置30の処理は、第1の実施形態に係る情報処理装置20による処理と同様である。ただし、第2の実施形態では、ユーザは、ドラッグ操作の代わりに、フリック操作を行なう。
【0105】
第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第2の実施形態は、ユーザは、タッチパネルによる操作を行うので、より直感的な操作感覚を得ることができる。
【0106】
<2−3.変形例>
次に、第2の実施形態の変形例について図26〜図27に基づいて説明する。この変形例は、図26及び図27に示すように、タッチパッド40に力検出部42を備えさせたものである。また、このタッチパッド40は、第1の実施形態に係る情報処理装置20との間で通信を行うことができる。
【0107】
具体的には、タッチパッド40は、ハウジング40a、トッププレート40b、基板40c、入力操作部41、力検出部42、制御部43、及び送信部44を備える。なお、タッチパッド40は、CPU、ROM、RAM、通信装置等のハードウェア構成を備え、ROMには、入力操作部41、力検出部42、制御部43、及び送信部44をタッチパッド40に実現させるために必要なプログラムが格納されている。したがって、これらのハードウェア構成によって、タッチパッド40の各構成要素が実現されている。
【0108】
ハウジング部40aは、タッチパッド40のハードウェア構成の側面及び底面を覆う部分である。トッププレート40bは、ハードウェア構成の表面、具体的には、入力操作部41の表面を覆う部分である。即ち、ハウジング部40a及びトッププレート40bにより形成された空間に、タッチパッド40のハードウェア構成が格納される。
【0109】
基板40cは、入力操作部41よりも内側に配置される。また、基板40cは、入力操作部41と平行となっており、入力操作部41との間に空間が形成されている。また、基板40cの表面には、矩形状をなす力検出部42と、力検出部42からの情報を制御部43に供給するための配線とが配置されている。
【0110】
入力操作部41は、上述した入力操作部31と同様のものであり、トッププレート40bの内側に配置されている。力検出部42は、ユーザによる押し込み力(加重)Fを検出するセンサであり、上述した力検出部32と同様のものである。制御部34は、タッチパッド40の各構成要素を制御する他、入力操作部41から与えられた移動速度情報、及び力検出部から与えられた加重情報を含むタッチパッド操作情報を生成し、送信部44に出力する。送信部44は、第1の実施形態に係る情報処理装置20との間で無線通信が可能となっており、タッチパッド操作情報を情報処理装置20に送信する。即ち、タッチパッド40はいわゆるワイヤレスタッチパッドであるが、ケーブルで情報処理装置20に連結されていてもよい。情報処理装置20は、タッチパッド操作情報に基づいて、第1の実施形態と同様の処理を行なう。即ち、情報処理装置20は、ここでは、フリック操作に基づいて、第1の実施形態と同様の処理を行なう。
【0111】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0112】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
表示部に表示されたオブジェクトの変動速度を、前記オブジェクトの変動方向に関する操作情報を入力可能な入力操作部への加重に基づいて設定する変動速度設定部と、
前記オブジェクトを前記変動速度で変動させる表示制御部と、を備える、情報処理装置。
(2)
前記入力操作部は、前記変動速度の基準値である基準変動速度を入力可能であり、
前記変動速度設定部は、前記基準変動速度と、前記加重とに基づいて、前記変動速度を設定する、前記(1)記載の情報処理装置。
(3)
前記変動速度設定部は、前記加重が大きいほど、前記変動速度を前記基準変動速度に近い値に設定する、前記(2)記載の情報処理装置。
(4)
前記変動速度設定部は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記オブジェクトの変動速度を前記基準変動速度に一致させる、前記(3)記載の情報処理装置。
(5)
前記変動速度設定部は、前記加重が大きいほど、前記オブジェクトの変動速度を小さい値に設定する、前記(1)記載の情報処理装置。
(6)
前記変動速度設定部は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記オブジェクトの変動速度をゼロに設定する、前記(5)記載の情報処理装置。
(7)
前記変動速度には、前記オブジェクトのスクロール速度、拡大縮小速度、再生速度、及び移動速度のうち、少なくとも1つが含まれる、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
表示部に表示されたオブジェクトの変動方向を入力可能な入力操作部への加重に基づいて、前記オブジェクトの変動速度を設定することと、
前記オブジェクトを前記変動速度で変動させることと、を含む、情報処理方法。
(9)
コンピュータに、
表示部に表示されたオブジェクトの変動方向を入力可能な入力操作部への加重に基づいて、前記オブジェクトの変動速度を設定する変動速度設定機能と、
前記オブジェクトを前記変動速度で変動させる表示制御機能と、を実現させる、プログラム。
(10)
前記入力操作部は、前記変動速度の基準値である基準変動速度を入力可能であり、
前記変動速度設定機能は、前記基準変動速度と、前記加重とに基づいて、前記変動速度を設定する、前記(9)記載のプログラム。
(11)
前記変動速度設定機能は、前記加重が大きいほど、前記変動速度を前記基準変動速度に近い値に設定する、前記(10)記載のプログラム。
(12)
前記変動速度設定機能は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記変動速度を前記基準変動速度に一致させる、前記(11)記載のプログラム。
(13)
前記変動速度設定機能は、前記加重が大きいほど、前記変動速度を小さい値に設定する、前記(9)記載のプログラム。
(14)
前記変動速度設定機能は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記変動速度をゼロに設定する、前記(13)記載のプログラム。
(15)
前記変動速度には、前記オブジェクトのスクロール速度、拡大縮小速度、再生速度、及び移動速度のうち、少なくとも1つが含まれる、前記(9)〜(14)のいずれか1項に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0113】
10 マウス
11 クリック操作部
12 XY移動検出部
13 力検出部
14 制御部
15 送信部
20 情報処理装置
21 受信部
22 記憶部
23 制御部
231 変動速度設定部
232 表示制御部
24 表示部
30 情報処理装置
31 入力操作部
32 力検出部
33 記憶部
34 制御部
341 変動速度設定部
342 表示制御部
35 表示部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示されたオブジェクトの変動速度を、前記オブジェクトの変動方向に関する操作情報を入力可能な入力操作部への加重に基づいて設定する変動速度設定部と、
前記オブジェクトを前記変動速度で変動させる表示制御部と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記入力操作部は、前記変動速度の基準値である基準変動速度を入力可能であり、
前記変動速度設定部は、前記基準変動速度と、前記加重とに基づいて、前記変動速度を設定する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記変動速度設定部は、前記加重が大きいほど、前記変動速度を前記基準変動速度に近い値に設定する、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変動速度設定部は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記オブジェクトの変動速度を前記基準変動速度に一致させる、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記変動速度設定部は、前記加重が大きいほど、前記オブジェクトの変動速度を小さい値に設定する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記変動速度設定部は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記オブジェクトの変動速度をゼロに設定する、請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記変動速度には、前記オブジェクトのスクロール速度、拡大縮小速度、再生速度、及び移動速度のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
表示部に表示されたオブジェクトの変動方向を入力可能な入力操作部への加重に基づいて、前記オブジェクトの変動速度を設定することと、
前記オブジェクトを前記変動速度で変動させることと、を含む、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
表示部に表示されたオブジェクトの変動方向を入力可能な入力操作部への加重に基づいて、前記オブジェクトの変動速度を設定する変動速度設定機能と、
前記オブジェクトを前記変動速度で変動させる表示制御機能と、を実現させる、プログラム。
【請求項10】
前記入力操作部は、前記変動速度の基準値である基準変動速度を入力可能であり、
前記変動速度設定機能は、前記基準変動速度と、前記加重とに基づいて、前記変動速度を設定する、請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記変動速度設定機能は、前記加重が大きいほど、前記変動速度を前記基準変動速度に近い値に設定する、請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記変動速度設定機能は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記変動速度を前記基準変動速度に一致させる、請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記変動速度設定機能は、前記加重が大きいほど、前記変動速度を小さい値に設定する、請求項9記載のプログラム。
【請求項14】
前記変動速度設定機能は、前記加重が所定値より大きくなった場合に、前記変動速度をゼロに設定する、請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記変動速度には、前記オブジェクトのスクロール速度、拡大縮小速度、再生速度、及び移動速度のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項9記載のプログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−80412(P2013−80412A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220766(P2011−220766)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】