説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】仮想的な3次元空間として表示されるGUIの操作性を向上させる。
【解決手段】情報処理装置100は、表示画面112の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクト500pを表示する表示部110と、オブジェクト500pを移動させる操作を取得する操作部120と、取得された操作に従ってオブジェクト500pの表示を移動させ、オブジェクト500pが表示画面112に表示される他のオブジェクト500aの表示領域502aの近傍に設定された第1の重複反応領域510aと重複した第1の状態において第1の処理を実行し、オブジェクト500pが表示領域502aの近傍に設定された第2の重複判定領域520aと重複した第2の状態において第1の処理とは異なる第2の処理を実行する制御部130とを備え、第1の重複反応領域510aは、第2の重複判定領域520aを少なくとも奥行き方向について拡張した領域である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関し、特に、仮想的な3次元空間としてGUI(Graphical User Interface)を表示する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示画面を通してユーザに提供されるGUIが、仮想的な3次元空間として表示されることが一般的になっている。仮想的な3次元空間では、コンテンツなどのオブジェクトを、表示画面の水平方向および垂直方向だけではなく、表示画面の奥行き方向にも配列することが可能である。そのため、仮想的な3次元空間として表示されるGUIでは、表示画面のスペースを有効に利用することができる。このような技術の一例として、例えば、特許文献1には、複数のオブジェクトをユーザ操作に応じた順序で奥行き方向に重ねて表示する技術が記載されている。
【0003】
上記のような、仮想的な3次元空間として表示されるGUIにおいて、ユーザの操作を、表示画面の水平方向および垂直方向だけではなく、表示画面の奥行き方向についても取得し、コンテンツなどのオブジェクトを、奥行き方向についても移動させられるようにする技術が開発されている。例えば、特許文献2には、ミリ波帯域の電波の振幅の変化によって、コントローラによるユーザの奥行き方向の操作を検出する技術が記載されている。また、特許文献3には、光学測距とスペックルパターンを利用した解析によって、ユーザのジェスチャーによる奥行き方向の操作を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−265258号公報
【特許文献2】特開2009−15765号公報
【特許文献3】特開2009−528514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2次元平面として表示されるGUIにおいては、2つのオブジェクトの表示位置を重複させる操作は、2つのオブジェクトに関連する何らかの処理を実行する、いわゆるドラッグ&ドロップの操作が一般的である。しかし、特許文献1に記載のように、複数のオブジェクトが奥行き方向に重複して表示されうる場合、2つのオブジェクトの表示位置を重複させる操作は、2つのオブジェクトを奥行き方向に並べて表示させる操作になり、上記のドラッグ&ドロップに相当する操作がないという問題があった。また、特許文献2および特許文献3に記載のように、ユーザの操作によって奥行き方向にオブジェクトを移動させる場合、ユーザが仮想的な3次元空間における奥行き方向のオブジェクトの位置を把握することが難しいため、所望の位置にオブジェクトを移動させることが難しいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、仮想的な3次元空間として表示されるGUIの操作性を向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、表示画面の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクトを表示する表示部と、上記オブジェクトを少なくとも上記奥行き方向を含む方向に移動させる操作を取得する操作部と、上記操作部によって取得された操作に従って上記表示画面における上記オブジェクトの表示を移動させ、上記オブジェクトの領域が上記表示画面に表示される他のオブジェクトの表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域と重複した第1の状態において、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して第1の処理を実行し、上記オブジェクトの領域が上記表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域と重複した第2の状態において、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して上記第1の処理とは異なる第2の処理を実行する制御部と、を備え、上記第1の重複判定領域は、上記第2の重複判定領域を少なくとも上記奥行き方向について拡張した領域である情報処理装置が提供される。
【0008】
かかる構成によって、仮想的な3次元空間において、例えばオブジェクト同士が奥行き方向で接近していることをユーザに知らせる表示などの処理をすることができる。そのため、ユーザが仮想的な3次元空間においてオブジェクトを移動させる場合に、奥行き方向の距離を把握し、所望の位置にオブジェクトを移動させることが容易になる。
【0009】
上記第1の処理は、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方の近傍に、上記3次元空間の色とは異なる色の視覚効果領域を表示する処理であり、上記第2の処理は、上記視覚効果領域の色を変化させる処理であってもよい。
【0010】
上記オブジェクトは、ポインタオブジェクトであり、上記他のオブジェクトは、上記ポインタオブジェクトによって操作されるオブジェクトであってもよい。
【0011】
上記オブジェクトは、ポインタオブジェクトによって操作されるオブジェクトであり、上記操作部は、上記オブジェクトを移動させる操作として、上記ポインタオブジェクトに上記オブジェクトを保持させて上記ポインタオブジェクトを移動させる操作を取得し、上記制御部は、上記第1の状態において上記ポインタオブジェクトによる上記オブジェクトの保持が解除された場合に、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して第3の処理を実行し、上記第2の状態において上記ポインタオブジェクトによる上記オブジェクトの保持が解除された場合に、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して、上記第3の処理とは異なる第4の処理を実行してもよい。
【0012】
上記第3の処理は、上記オブジェクトを対象にして実行される、上記他のオブジェクトによって表される特定の処理であり、上記第4の処理は、上記オブジェクトの表示位置と上記他のオブジェクトの表示位置とを入れ替える処理であってもよい。
【0013】
上記第1の重複判定領域は、上記第2の重複判定領域を包含し、上記第2の重複判定領域は、上記表示領域を包含してもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、表示画面の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクトを表示するステップと、上記オブジェクトを少なくとも上記奥行き方向を含む方向に移動させる操作を取得するステップと、上記操作を取得するステップにおいて取得された操作に従って上記表示画面における上記オブジェクトの表示を移動させ、上記オブジェクトの領域が上記表示画面に表示される他のオブジェクトの表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域と重複した第1の状態において、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して第1の処理を実行し、上記オブジェクトの領域が上記表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域と重複した第2の状態において、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して上記第1の処理とは異なる第2の処理を実行するステップと、を備え、上記第1の重複判定領域は、上記第2の重複判定領域を少なくとも上記奥行き方向について拡張した領域である情報処理方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、表示画面の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクトを表示する表示部と、上記オブジェクトを少なくとも上記奥行き方向を含む方向に移動させる操作を取得する操作部と、上記操作部によって取得された操作に従って上記表示画面における上記オブジェクトの表示を移動させ、上記オブジェクトの領域が上記表示画面に表示される他のオブジェクトの表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域と重複した第1の状態において、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して第1の処理を実行し、上記オブジェクトの領域が上記表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域と重複した第2の状態において、上記オブジェクトおよび上記他のオブジェクトの一方または両方に対して上記第1の処理とは異なる第2の処理を実行する制御部と、としてコンピュータを機能させ、上記第1の重複判定領域は、上記第2の重複判定領域を少なくとも上記奥行き方向について拡張した領域であるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、仮想的な3次元空間として表示されるGUIの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の各実施形態に係る情報処理装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】本発明の各実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である
【図3】本発明の各実施形態において表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の各実施形態においてオブジェクトに設定される領域の一例について説明するための図である
【図5】本発明の各実施形態においてオブジェクトに設定される領域の他の例について説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるオブジェクトの重複判定の一例について説明するための図である。
【図7】図6に示される場合において実行される処理の一例を示す図である
【図8】同実施形態におけるオブジェクトの重複判定の他の例について説明するための図である。
【図9】図8に示される場合において実行される処理の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態において実行される処理の一例について説明するための図である
【図11】同実施形態において実行される処理の他の例について説明するための図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.各実施形態の共通構成
1−1.装置の構成
1−2.表示されるオブジェクトの構成
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.第3の実施形態
5.補足
【0020】
<1.各実施形態の共通構成>
まず、図1〜図5を参照して、本発明の各実施形態に共通の構成について説明する。
【0021】
[1−1.装置の構成]
図1は、本発明の各実施形態に係る情報処理装置100の概略的な構成を示す図である。図2は、本発明の各実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。図1および図2を参照すると、情報処理装置100は、表示部110、操作部120、制御部130、および記憶部140を含む。
【0022】
表示部110は、表示画面112の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクト500を表示する。この仮想的な3次元空間における座標軸が、x軸、y軸、およびz軸として図示されている。ここで、x軸の方向は、表示画面112の水平方向である。y軸の方向は、表示画面112の垂直方向である。z軸の方向は、表示画面112の奥行き方向である。表示部110は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、または有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどでありうる。
【0023】
操作部120は、オブジェクト500を少なくともz軸方向を含む方向に移動させる操作を取得する。操作部120は、ユーザのz軸方向の操作を取得可能な装置であれば、どのような種類の装置であってもよい。操作部120は、例えば、ユーザの動作を検出し、検出の結果を移動操作として取得してもよい。この場合、ユーザの動作は、ユーザが把持するコントローラの加速度、またはコントローラが発する電磁波を介して検出されてもよい。また、ユーザのジェスチャーなどの動作は、例えば赤外線レーザとTOF(Time Of Flight)方式などを用いた光学測距によって直接検出されてもよい。さらに、操作部120は、上記の検出結果を、例えばスペックルパターンを利用した解析などによって加工して操作として取得してもよい。また、操作部120は、3次元の操作用に拡張されたマウスなどのポインティングデバイスであってもよい。
【0024】
また、操作部120は、オブジェクト500を移動させる操作として、ポインタオブジェクトにオブジェクト500を保持させて、ポインタオブジェクトを移動させる操作を取得してもよい。ポインタオブジェクトにオブジェクト500を保持させる操作は、例えば、上記のコントローラまたはマウスなどのポインティングデバイスのボタンの押下などの操作によって取得されてもよい。また、ユーザのジェスチャーなどの動作が直接検出される場合には、手を握ったり開いたりするなどのユーザの特定の動作によって、ポインタオブジェクトにオブジェクト500を保持させる操作が取得されてもよい。
【0025】
制御部130は、表示部110および操作部120を制御する。制御部130は、例えば集積回路などを含む回路構成による専用のハードウェアであってもよく、記憶部140に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。制御部130は、操作部120によって取得された操作に従って表示画面112におけるオブジェクト500の表示を移動させ、オブジェクト500の領域が表示画面112に表示される他のオブジェクト500の表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域と重複した第1の状態において、オブジェクト500および他のオブジェクト500の一方または両方に対して第1の処理を実行し、オブジェクト500の領域が表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域と重複した第2の状態において、オブジェクト500および他のオブジェクト500の一方または両方に対して第1の処理とは異なる第2の処理を実行しうる。なお、オブジェクト500の表示領域、第1の重複判定領域、第2の重複判定領域、第1の処理および第2の処理については後述する。
【0026】
また、制御部130は、上記の第1の状態においてポインタオブジェクトによるオブジェクト500の保持が解除された場合に、オブジェクト500および他のオブジェクト500の一方または両方に対して第3の処理を実行し、上記の第2の状態においてポインタオブジェクトによるオブジェクト500の保持が解除された場合に、オブジェクト500および他のオブジェクト500の一方または両方に対して、第3の処理とは異なる第4の処理を実行してもよい。なお、第3の処理および第4の処理については後述する。
【0027】
上記の表示部110、操作部120、および制御部130は、図1において示されているようにそれぞれ別体であってもよいし、また一体であってもよい。また、制御部130の機能は、図示されているように表示部110および操作部120と直接接続された装置によって提供されてもよいし、ネットワークを介して接続されたサーバによって提供されてもよい。
【0028】
記憶部140には、情報処理装置100における処理に必要なデータが格納される。記憶部140は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置、および光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体を必要に応じて組み合わせたものでありうる。記憶部140には、制御部130がCPUである場合に、CPUに実行されるプログラムが格納されうる。このプログラムは、ネットワーク上のサーバ(図示せず)から、情報処理装置100の通信部(図示せず)を介してダウンロードされて記憶装置に格納されてもよい。また、このプログラムは、上記のリムーバブル記憶媒体に格納されて提供されてもよい。
【0029】
なお、上記の他に、情報処理装置100は、ユーザに対して音声を出力するための音声出力部(図示せず)、およびユーザに対してコントローラの振動などの物理的なフィードバックを出力するための物理フィードバック部(図示せず)などを必要に応じて含んでもよい。
【0030】
(操作の取得例)
本発明の各実施形態において、操作部120は、オブジェクト500を移動させる操作として、ポインタオブジェクトにオブジェクト500を保持させて、ポインタオブジェクトを移動させる操作を取得しうる。このような操作の例として、図1に示された、操作部120がユーザのジェスチャーによって上記の操作を取得する場合について、より具体的に説明する。なお、上述の通り、操作部120の他の構成によっても、同様の操作の取得が可能である。
【0031】
まず、ユーザは、表示画面112および操作部120に向かって、上下左右および前後のいずれかの向きに手を動かす。このとき、操作部120は、ユーザの手の動きを、ポインタオブジェクトを移動させる操作として取得し、制御部130は、取得された操作に従って、表示画面112におけるポインタオブジェクトの表示を移動させる。具体的には、ユーザが手を表示画面112に向かって右方に動かせば、操作部120はこの動作を、ポインタオブジェクトを右方に移動させる操作として取得し、制御部130は、ポインタオブジェクトの表示をx軸の正の向きに移動させる。また、ユーザが手を表示画面112に向かって前方、つまり、表示画面112に近づく向きに動かせば、操作部120はこの動作を、ポインタオブジェクトを前方に移動させる操作として取得し、制御部130は、ポインタオブジェクトの表示をz軸の正の向きに移動させる。
【0032】
次に、ユーザが手を握った場合、操作部120は、これをポインタオブジェクトにオブジェクト500を保持させる操作として取得し、制御部130は、ポインタオブジェクトと領域が重複しているオブジェクト500を、ポインタオブジェクトによって保持させる。制御部130は、操作部120によってユーザが手を握った状態が認識されている間、ポインタオブジェクトの移動に従って表示画面112におけるオブジェクト500の表示を移動させる。
【0033】
さらに、ユーザが手を開いた場合、操作部120は、これをポインタオブジェクトによるオブジェクト500の保持を解除する操作として取得し、制御部130は、ポインタオブジェクトによって保持されているオブジェクト500を解放する。
【0034】
[1−2.表示されるオブジェクトの構成]
(ポインタオブジェクトおよびコンテンツオブジェクトの表示)
図3は、本発明の各実施形態において表示画面112に表示される画面の一例を示す図である。図3を参照すると、表示画面112には、オブジェクト500として、ポインタオブジェクト500p、およびコンテンツオブジェクト500a〜500gが表示される。
【0035】
ポインタオブジェクト500pは、コンテンツオブジェクト500a〜500gを操作するために表示されるオブジェクトである。ポインタオブジェクト500pの形状は略球形で図示されているが、これに限られず、矢印、または多面体などあらゆる形でありうる。ポインタオブジェクト500pは、仮想的な3次元空間に表示されていることを示すために、例えば、z軸方向の表示位置の相違による表示サイズの変化、z軸方向の幅の表示、または影の表示などの視覚的効果を伴ってもよい。
【0036】
コンテンツオブジェクト500a〜500gは、例えば動画、静止画、音楽、文字情報などのコンテンツの再生アプリケーション、またはwebブラウザなどのアプリケーションウインドウでありうる。また、コンテンツオブジェクト500a〜500gは、コンテンツのファイルを示すアイコンであってもよい。また、コンテンツオブジェクト500a〜500gは、コンテンツに対する再生、一時停止、または停止などの操作を実行するための操作ボタンアイコンであってもよい。コンテンツオブジェクト500a〜500gの形状は、略直方体で図示されているが、これに限られず、球または多面体など、あらゆる形でありうる。また、コンテンツオブジェクト500a〜500gは、仮想的な3次元空間に表示されていることを示すために、例えば、z軸方向の表示位置の相違による表示サイズの変化、z軸方向の幅の表示、または影の表示などの視覚効果を伴ってもよい。
【0037】
ここで、情報処理装置100の操作部120は、ポインタオブジェクト500pに対する操作として、ポインタオブジェクト500pを移動させる操作と、ポインタオブジェクト500pに1または複数のコンテンツオブジェクト500a〜500gを保持させる操作を取得しうる。この場合、制御部130は、操作部120が取得した上記の移動させる操作に従ってポインタオブジェクト500pを移動させる。ポインタオブジェクト500pの領域とコンテンツオブジェクト500a〜500gのいずれかの領域とが重複した状態で、操作部120によって上記の保持させる操作が取得された場合、制御部130は、ポインタオブジェクト500pにコンテンツオブジェクト500a〜500gのいずれかを保持させる。ポインタオブジェクト500pによって保持されているコンテンツオブジェクト500a〜500gは、ポインタオブジェクト500pの移動に伴って移動する。
【0038】
(仮想的な3次元空間での表示における問題)
上記のような仮想的な3次元空間において表示されるオブジェクト500のそれぞれの表示領域は、x座標、y座標、およびz座標によって定められている。表示画面112では、上記の表示領域を定める座標が、例えば特定の視点における透視図として次元変換され、x座標およびy座標だけで表現されている。従って、表示画面112の表示では複数のオブジェクト500の表示領域が重複して表示されている場合であっても、仮想的な3次元空間ではz座標が異なっており、複数のオブジェクト500の表示領域は重複していないということがありうる。例えば、図3において示されている表示画面112では、コンテンツオブジェクト500a〜500cの表示領域と、コンテンツオブジェクト500d〜500gの表示領域とは重複して表示されている。しかし、仮想的な3次元空間では、それぞれのオブジェクト500の表示領域のz座標が異なる(コンテンツオブジェクト500a〜500cの表示領域の方が手前にある)。そのため、仮想的な3次元空間において、コンテンツオブジェクト500a〜500cの表示領域と、コンテンツオブジェクト500d〜500gの表示領域とは重複していない。
【0039】
このような仮想的な3次元空間において、ユーザが、操作部120に対する操作によってオブジェクト500をz軸方向に正確に移動させることは難しい。例えば、ユーザが、あるポインタオブジェクト500pを移動させて、ポインタオブジェクト500pの表示領域とコンテンツオブジェクト500aの表示領域とを重複させようとしているとする。この場合、表示画面112の表示ではポインタオブジェクト500pの表示領域とコンテンツオブジェクト500aの表示領域とが重複している場合であっても、仮想的な3次元空間では、上記で説明したように必ずしもそれぞれの表示領域が重複していないことがありうる。その場合、ユーザは、ポインタオブジェクト500pをさらにz軸方向に移動させる操作をする。しかし、表示画面112に表示された仮想的な3次元空間におけるz軸方向の距離は、x軸方向およびy軸方向の距離に比べて把握しづらい。そのため、上記の場合において、ユーザが、ポインタオブジェクト500pをどの向きにどのくらい移動させるべきなのかを把握することは難しい。
【0040】
そこで、複数のオブジェクト500の表示領域が互いに重複した場合に、何らかのフィードバックを表現することによって、複数のオブジェクト500の表示領域が互いに重複していることをユーザが認識しやすくする方法が考えられる。フィードバックとして、例えば、何らかの視覚的効果を表示することが考えられる。また、例えば、どちらかのオブジェクト500を移動して退避させたり、2つのオブジェクト500の位置を入れ替えたりといったような表示の変化をさせることが考えられる。
【0041】
しかし、例えば、図3において示されているコンテンツオブジェクト500a〜500gのように、表示領域のx軸およびy軸方向の幅に比べてz軸方向の幅が小さい板状のオブジェクト500の場合、z軸方向に移動しているポインタオブジェクト500pの表示領域が、コンテンツオブジェクト500a〜500gのそれぞれの表示領域と重複する時間は短い。そのため、上記のように視覚的効果が表示されたとしても、領域の重複がユーザに十分に認識されない可能性がある。
【0042】
(オブジェクトに設定される領域の例)
図4は、本発明の各実施形態においてオブジェクト500に設定される領域の一例について説明するための図である。図4を参照すると、オブジェクト500の一例であるコンテンツオブジェクト500aには、表示領域502a、第1の重複判定領域である反応領域510a、および第2の重複判定領域である衝突領域520aが設定される。なお、以下の説明においては、それぞれのオブジェクト500が有する表示領域を502、反応領域を反応領域510、衝突領域を衝突領域520として総称する場合がある。
【0043】
表示領域502aは、コンテンツオブジェクト500aが表示される領域である。図4の例においては、コンテンツオブジェクト500aはアプリケーションウインドウとして図示されている。この場合、表示領域502aは、アプリケーションウインドウがユーザによって視認可能に表示されている領域である。
【0044】
反応領域510aは、コンテンツオブジェクト500aにおける、他のオブジェクト500の領域、例えばポインタオブジェクト500pの表示領域との重複を判定するために設定される、第1の重複判定領域である。図示されている反応領域510aは、制御部130による重複の判定に用いられる領域であるため、表示画面112において必ずしもユーザによって視認可能に表示されなくてもよい。反応領域510aは、表示領域502aの近傍に設定される。反応領域510aは、衝突領域520aを少なくともz軸方向について拡張した領域である。x軸およびy軸方向については、例えば反応領域510aと衝突領域520aとが一致していてもよい。
【0045】
衝突領域520aは、コンテンツオブジェクト500aにおける、他のオブジェクト500の領域、例えばポインタオブジェクト500pの表示領域との重複を判定するために設定される、第2の重複判定領域である。図示されている例において、衝突領域520aは、表示領域502aと一致している。反応領域510aと同様に、衝突領域520aは、表示画面112において必ずしもユーザによって視認可能に表示されなくてもよい。
【0046】
(オブジェクトに設定される領域の変形例)
図5は、本発明の各実施形態においてオブジェクト500に設定される領域の他の例について説明するための図である。図5を参照すると、反応領域510aは、衝突領域520aを包含し、衝突領域520aは、表示領域502aを包含している。
【0047】
本発明の各実施形態においては、オブジェクト500のそれぞれの領域を、図5において示されるように設定することも可能である。具体的には、反応領域510は、衝突領域520を、z軸方向に加えてx軸方向およびy軸方向にも拡張した領域でありうる。また、衝突領域520は、表示領域502をx軸、y軸、またはz軸方向に拡張した領域でありうる。
【0048】
<2.第1の実施形態>
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態において、情報処理装置100の操作部120が取得した操作によって移動されるオブジェクト500は、ポインタオブジェクト500pである。また、ポインタオブジェクト500pの移動によって領域が重複する他のオブジェクト500は、コンテンツオブジェクト500aである。
【0049】
(反応領域が重複した場合の動作)
図6は、本発明の第1の実施形態におけるオブジェクトの重複判定の一例について説明するための図である。図7は、図6に示される場合において実行される処理の一例を示す図である。
【0050】
図6を参照すると、ポインタオブジェクト500pの領域が、コンテンツオブジェクト500aの表示領域502aの近傍に設定された第1の重複判定領域である反応領域510aと重複している。図7を参照すると、このとき、制御部130は、上記の場合に実行される第1の処理として、ポインタオブジェクト500pの近傍に視覚効果領域550pを表示させる。また、制御部130は、コンテンツオブジェクト500aの近傍に同様の視覚効果領域550aを表示させる。制御部130は、視覚効果領域550p,550aのいずれか一方のみを表示させてもよい。なお、以下の説明においては、それぞれのオブジェクト500の周囲に表示される視覚効果領域を、視覚効果領域550として総称する場合がある。
【0051】
ここで、視覚効果領域550は、例えば、図示された例のように、表示画面112に表示される仮想的な3次元空間の他の部分の色とは異なる色で表示されてもよい。さらに、視覚効果領域550は、光るような視覚効果を伴って表示されてもよい。また、視覚効果領域550は、反応領域510または衝突領域520のいずれかと一致して設定されてもよいし、またそのどちらとも関係なく設定されていてもよい。
【0052】
また、上記の第1の処理は、視覚効果領域550の表示以外にも、例えば、ポインタオブジェクト500pとコンテンツオブジェクト500aとが引き寄せられるように少しだけ動いたり、逆に反発するように少しだけ動いたりといったように、ポインタオブジェクト500pおよびコンテンツオブジェクト500aの一方または両方の表示を移動させる処理であってもよい。また、上記の第1の処理は、情報処理装置100が音声出力部を有する場合には、音声を出力する処理であってもよい。また、第1の処理は、情報処理装置100が物理フィードバック部を有する場合には、コントローラの振動などの物理的なフィードバックの出力であってもよい。さらに、第1の処理は、上記の処理を複数組み合わせた処理であってもよい。また、上記の第1の処理は、ポインタオブジェクト500pとコンテンツオブジェクト500aとの間で異なっていてもよい。例えば、図示されている例において、視覚効果領域550pの色と、視覚効果領域550aの色とが異なっていてもよい。
【0053】
(衝突領域が重複した場合の動作)
図8は、本発明の第1の実施形態におけるオブジェクトの重複判定の他の例について説明するための図である。図9は、図8に示される場合において実行される処理の一例を示す図である。
【0054】
図8を参照すると、ポインタオブジェクト500pの領域が、コンテンツオブジェクト500aの表示領域502aの近傍に設定された第2の重複判定領域である衝突領域520aと重複している。図9を参照すると、このとき、制御部130は、上記の場合に実行される第2の処理として、ポインタオブジェクト500pの近傍に表示されている視覚効果領域550pの色を変化させる。また、制御部130は、コンテンツオブジェクト500aの近傍に表示されている視覚効果領域550aの色を同様に変化させる。制御部130は、視覚効果領域550p,550aのいずれか一方のみの色を変化させてもよい。
【0055】
ここで、制御部130は、視覚効果領域550に、光るような視覚効果を追加して表示してもよい。また、上記の第2の処理は、視覚効果領域550の表示以外にも、例えば、ポインタオブジェクト500pとコンテンツオブジェクト500aとが引き寄せられるように少しだけ動いたり、逆に反発するように少しだけ動いたりといったように、ポインタオブジェクト500pおよびコンテンツオブジェクト500aの一方または両方の表示を移動させる処理であってもよい。また、上記の第2の処理は、情報処理装置100が音声出力部を有する場合には、音声を出力する処理であってもよい。また、第2の処理は、情報処理装置100が物理フィードバック部を有する場合には、コントローラの振動などの物理的なフィードバックの出力であってもよい。さらに、第2の処理は、上記の処理を複数組み合わせた処理であってもよい。また、上記の第2の処理は、ポインタオブジェクト500pとコンテンツオブジェクト500aとの間で異なっていてもよい。例えば、図示されている例において、視覚効果領域550pと、視覚効果領域550aとは、それぞれ異なる色に変化してもよい。
【0056】
(まとめ)
上記のように、本発明の第1の実施形態においては、コンテンツオブジェクト500aの衝突領域520aと、衝突領域520aをz軸方向に拡張した反応領域510aとを用いて、ポインタオブジェクト500pとの重複を判定し、いずれかまたは両方のオブジェクトの近傍に視覚効果領域550を表示し、また視覚効果領域550の色を変化させる。このような構成によれば、ユーザがポインタオブジェクト500pをz軸方向に移動させてコンテンツオブジェクト500aと重複させようとする際に、視覚効果領域550の表示によって、表示画面112において表示されているコンテンツオブジェクト500aの範囲よりも広い範囲で、ポインタオブジェクト500pとコンテンツオブジェクト500aとが接近していることを認識することができる。また、ポインタオブジェクト500pとコンテンツオブジェクト500aとがさらに接近すると視覚効果領域550の色が変化することによって、ポインタオブジェクト500pがコンテンツオブジェクト500aに近づきつつあるのか、それとも遠ざかりつつあるのかを容易に把握することができる。
【0057】
<3.第2の実施形態>
次に、図10および図11を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態において、情報処理装置100の操作部120が取得した操作によって移動されるオブジェクト500は、コンテンツオブジェクト500cである。また、コンテンツオブジェクト500cの移動によって領域が重複する他のオブジェクト500は、コンテンツオブジェクト500bである。
【0058】
(反応領域が重複した場合の動作)
図10は、本発明の第2の実施形態において実行される処理の一例について説明するための図である。図10を参照すると、コンテンツオブジェクト500bは、フォルダを表すアイコンであり、コンテンツオブジェクト500cは、ファイルを表すアイコンである。コンテンツオブジェクト500cは、ポインタオブジェクト500pによって保持され、ポインタオブジェクト500pの移動に従って移動している。第2の実施形態においては、コンテンツオブジェクト500bに反応領域510bおよび衝突領域520bが設定されているのに加えて、コンテンツオブジェクト500cにも、反応領域510cおよび衝突領域520cが設定されている。
【0059】
処理前の状態では、コンテンツオブジェクト500bの反応領域510bと、コンテンツオブジェクト500cの反応領域510cとが互いに重複している。この状態を、コンテンツオブジェクト500cオブジェクトの領域が、コンテンツオブジェクト500bの表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域である反応領域510bと重複した第1の状態とする。図示されている例では、この第1の状態において、ポインタオブジェクト500pによるコンテンツオブジェクト500cの保持が解除される。
【0060】
この場合、制御部130は、第3の処理として、コンテンツオブジェクト500cを対象にして、コンテンツオブジェクト500bによって表される特定の処理を実行する。コンテンツオブジェクト500bは、フォルダを表すアイコンであるため、コンテンツオブジェクト500bによって表される特定の処理は、ここではフォルダへのファイルの格納である。よって、処理後の状態においては、コンテンツオブジェクト500cが表すファイルが、コンテンツオブジェクト500bが表すフォルダに格納されている。
【0061】
(衝突領域が重複した場合の動作)
図11は、本発明の第2の実施形態において実行される処理の他の例について説明するための図である。図11を参照すると、コンテンツオブジェクト500bは、フォルダを表すアイコンであり、コンテンツオブジェクト500cは、ファイルを表すアイコンである。コンテンツオブジェクト500cは、ポインタオブジェクト500pによって保持され、ポインタオブジェクト500pの移動に従って移動している。
【0062】
処理前の状態では、コンテンツオブジェクト500bの衝突領域520bと、コンテンツオブジェクト500cの衝突領域520cとが互いに重複している。この状態を、コンテンツオブジェクト500cオブジェクトの領域が、コンテンツオブジェクト500bの表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域である衝突領域520bと重複した第2の状態とする。図示されている例では、この第2の状態において、ポインタオブジェクト500pによるコンテンツオブジェクト500cの保持が解除される。
【0063】
この場合、制御部130は、第4の処理として、コンテンツオブジェクト500cの表示位置と、コンテンツオブジェクト500bの表示位置とを入れ替える処理を実行する。処理後の状態において、コンテンツオブジェクト500cは、処理前にコンテンツオブジェクト500bがあった手前の位置に表示され、コンテンツオブジェクト500bは、処理前にコンテンツオブジェクト500cがあった奥の位置に表示される。図示されているように、制御部130は、それぞれのオブジェクト500の処理後の位置を、それぞれの反応領域510が重複しない位置までさらに移動させてもよい。
【0064】
(まとめ)
上記のように、本発明の第2の実施形態においては、オブジェクト500の衝突領域520と、衝突領域520をz軸方向に拡張した反応領域510とを用いて、オブジェクト500同士の重複を判定し、ポインタオブジェクトによるオブジェクト500の保持が解除された場合に、それぞれの領域の重複の状態に応じて異なる処理を実行する。このような構成によれば、例えば、複数のオブジェクト500が反応領域510において互いに重複している場合には、2次元のGUIにおけるドラッグ&ドロップのような処理を実行し、複数のオブジェクト500が衝突領域520において互いに重複している場合には、それぞれのオブジェクト500の表示位置の入れ替え処理を実行することが可能である。このような作用によれば、仮想的な3次元空間において、z軸方向に領域を重複させることによる表示位置の調整という操作とともに、ドラッグ&ドロップのような直感的な操作を実現することができる。
【0065】
<4.第3の実施形態>
次に、図12を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態においては、第2の実施形態において説明されたコンテンツオブジェクト500cとコンテンツオブジェクト500bとの例において、さらに、第1の実施形態において説明された視覚効果領域550が表示される。
【0066】
図12は、本発明の第3の実施形態における情報処理装置100の処理を示すフローチャートである。図12に示された処理は、ポインタオブジェクト500pによって保持され、ポインタオブジェクト500pの移動に従って移動しているコンテンツオブジェクト500cについて、周期的に実行される処理である。
【0067】
なお、ここで、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第1の処理として、コンテンツオブジェクト500cの近傍に視覚効果領域550cを表示する。このとき、視覚効果領域550cは黄色で表示され、光るような視覚効果を伴う。また、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第2の処理として、視覚効果領域550cの色を赤色に変化させる。このときも、視覚効果領域550cは光るような視覚効果を伴う。また、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第3の処理として、コンテンツオブジェクト500cとコンテンツオブジェクト500bとの間のドラッグ&ドロップの処理、例えばコンテンツオブジェクト500bが表すフォルダへのコンテンツオブジェクト500cが表すファイルの格納を実行する。また、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第4の処理として、コンテンツオブジェクト500cの表示位置とコンテンツオブジェクト500bの表示位置とを入れ替える処理を実行する。
【0068】
まず、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが、反応領域510cにおいて他のオブジェクト500の領域と重複しているか否かを判定する(ステップS101)。ここで、コンテンツオブジェクト500cの反応領域510cが、他のオブジェクト500の領域と重複していないと判定された場合、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが他のオブジェクト500とは重複していないものと判断する。そこで、制御部130は、視覚効果領域550cが表示されていればその表示を終了して、コンテンツオブジェクト500cの周囲を光らせない状態にし(ステップS103)、処理を終了する。
【0069】
一方、ステップS101において、コンテンツオブジェクト500cが、反応領域510cにおいてコンテンツオブジェクト500bの領域と重複していると判定された場合、制御部130は、さらに、コンテンツオブジェクト500cが衝突領域520cにおいてコンテンツオブジェクト500bの領域と重複しているか否かを判定する(ステップS105)。ここで、コンテンツオブジェクト500cの衝突領域520cが、コンテンツオブジェクト500bの領域と重複していないと判定された場合、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが、反応領域510cにおいてだけ、コンテンツオブジェクト500bと重複しているものと判断する。
【0070】
この場合、続いて、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cを保持していたポインタオブジェクト500pが、まだ保持状態であるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、ポインタオブジェクト500pが保持状態ではないと判定された場合、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが、反応領域510cにおいてコンテンツオブジェクト500bの領域と重複した第1の状態で、ポインタオブジェクト500pによるコンテンツオブジェクト500cの保持が解除されたものと判断する。そこで、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第3の処理として、コンテンツオブジェクト500cと、コンテンツオブジェクト500bとのドラッグ&ドロップの処理を実行し(ステップS109)、処理を終了する。
【0071】
一方、ステップS107において、ポインタオブジェクト500pが保持状態であると判定された場合、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが、反応領域510cにおいてコンテンツオブジェクト500bの領域と重複した第1の状態で、ポインタオブジェクト500pによるコンテンツオブジェクト500cの保持が継続されているものと判断する。そこで、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第1の処理として、視覚効果領域550cを表示して、コンテンツオブジェクト500cの周囲を黄色く光らせ(ステップS111)、処理を終了する。
【0072】
一方、ステップS105において、コンテンツオブジェクト500cの衝突領域520cが、コンテンツオブジェクト500bの領域と重複していると判定された場合、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが、衝突領域520cにおいてもコンテンツオブジェクト500bと重複しているものと判断する。この場合、続いて、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cを保持していたポインタオブジェクト500pが、まだ保持状態であるか否かを判定する(ステップS113)。ここで、ポインタオブジェクト500pが保持状態ではないと判定された場合、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが、衝突領域520cにおいてコンテンツオブジェクト500bの領域と重複した第2の状態で、ポインタオブジェクト500pによるコンテンツオブジェクト500cの保持が解除されたものと判断する。そこで、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第4の処理として、コンテンツオブジェクト500cの表示位置と、コンテンツオブジェクト500bの表示位置とを入れ替え(ステップS115)、処理を終了する。
【0073】
一方、ステップS113において、ポインタオブジェクト500pが保持状態であると判定された場合、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cが、衝突領域520cにおいてコンテンツオブジェクト500bの領域と重複した第2の状態で、ポインタオブジェクト500pによるコンテンツオブジェクト500cの保持が継続されているものと判断する。そこで、制御部130は、コンテンツオブジェクト500cに対する第2の処理として、視覚効果領域550cの色を変更して、コンテンツオブジェクト500cの周囲を赤く光らせ(ステップS117)、処理を終了する。
【0074】
(まとめ)
上記のように、本発明の第3の実施形態においては、オブジェクト500の反応領域510と、衝突領域520とを用いて、オブジェクト500がポインタオブジェクトによって保持されて移動するときに、オブジェクト500と、領域が重複する他のオブジェクト500との表示を段階的に変化させる。また、ポインタオブジェクトによるオブジェクト500の保持が解除された場合に、オブジェクト500と他のオブジェクト500との間で重複している領域に応じて、ドラッグ&ドロップの処理と位置の調整を選択的に実行する。このような構成によって、ユーザは、他のオブジェクト500とのz軸方向の位置関係を容易に把握することができ、また、仮想的な3次元空間における表示位置の調整の操作とともに、ドラッグ&ドロップのような直感的な操作をもすることができる。
【0075】
<5.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0076】
100 情報処理装置
110 表示部
112 表示画面
120 操作部
130 制御部
140 記憶部
500 オブジェクト
500p ポインタオブジェクト
500a〜500g コンテンツオブジェクト
502 表示領域
510 反応領域
520 衝突領域
550 視覚効果領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクトを表示する表示部と、
前記オブジェクトを少なくとも前記奥行き方向を含む方向に移動させる操作を取得する操作部と、
前記操作部によって取得された操作に従って前記表示画面における前記オブジェクトの表示を移動させ、前記オブジェクトの領域が前記表示画面に表示される他のオブジェクトの表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域と重複した第1の状態において、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して第1の処理を実行し、前記オブジェクトの領域が前記表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域と重複した第2の状態において、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して前記第1の処理とは異なる第2の処理を実行する制御部と、
を備え、
前記第1の重複判定領域は、前記第2の重複判定領域を少なくとも前記奥行き方向について拡張した領域である情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の処理は、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方の近傍に、前記3次元空間の色とは異なる色の視覚効果領域を表示する処理であり、
前記第2の処理は、前記視覚効果領域の色を変化させる処理である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記オブジェクトは、ポインタオブジェクトであり、
前記他のオブジェクトは、前記ポインタオブジェクトによって操作されるオブジェクトである、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記オブジェクトは、ポインタオブジェクトによって操作されるオブジェクトであり、
前記操作部は、前記オブジェクトを移動させる操作として、前記ポインタオブジェクトに前記オブジェクトを保持させて前記ポインタオブジェクトを移動させる操作を取得し、
前記制御部は、前記第1の状態において前記ポインタオブジェクトによる前記オブジェクトの保持が解除された場合に、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して第3の処理を実行し、前記第2の状態において前記ポインタオブジェクトによる前記オブジェクトの保持が解除された場合に、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して、前記第3の処理とは異なる第4の処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第3の処理は、前記オブジェクトを対象にして実行される、前記他のオブジェクトによって表される特定の処理であり、
前記第4の処理は、前記オブジェクトの表示位置と前記他のオブジェクトの表示位置とを入れ替える処理である、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の重複判定領域は、前記第2の重複判定領域を包含し、
前記第2の重複判定領域は、前記表示領域を包含する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
表示画面の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクトを表示するステップと、
前記オブジェクトを少なくとも前記奥行き方向を含む方向に移動させる操作を取得するステップと、
前記操作を取得するステップにおいて取得された操作に従って前記表示画面における前記オブジェクトの表示を移動させ、前記オブジェクトの領域が前記表示画面に表示される他のオブジェクトの表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域と重複した第1の状態において、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して第1の処理を実行し、前記オブジェクトの領域が前記表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域と重複した第2の状態において、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して前記第1の処理とは異なる第2の処理を実行するステップと、
を備え、
前記第1の重複判定領域は、前記第2の重複判定領域を少なくとも前記奥行き方向について拡張した領域である情報処理方法。
【請求項8】
表示画面の奥行き方向を含む仮想的な3次元空間においてオブジェクトを表示する表示部と、
前記オブジェクトを少なくとも前記奥行き方向を含む方向に移動させる操作を取得する操作部と、
前記操作部によって取得された操作に従って前記表示画面における前記オブジェクトの表示を移動させ、前記オブジェクトの領域が前記表示画面に表示される他のオブジェクトの表示領域の近傍に設定された第1の重複判定領域と重複した第1の状態において、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して第1の処理を実行し、前記オブジェクトの領域が前記表示領域の近傍に設定された第2の重複判定領域と重複した第2の状態において、前記オブジェクトおよび前記他のオブジェクトの一方または両方に対して前記第1の処理とは異なる第2の処理を実行する制御部と、
としてコンピュータを機能させ、
前記第1の重複判定領域は、前記第2の重複判定領域を少なくとも前記奥行き方向について拡張した領域であるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−18559(P2012−18559A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155623(P2010−155623)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】