情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び、プログラム
【課題】光ケーブル網における心線の維持管理を迅速かつ正確に行い、作業負担を軽減する。
【解決手段】
情報処理装置は、光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける設定予約入力部と、前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える確保済み心線数更新部と、を備える。
【解決手段】
情報処理装置は、光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける設定予約入力部と、前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える確保済み心線数更新部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術の進歩と共にコンピュータ間で授受されるデータ量が増加し、より高速な通信回線を求める需要者が増加している。それに伴い、光ケーブル網の構築が急速に進められている。
またこのような光ケーブル網を管理するための様々な技術も開発されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−233629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ケーブル網は、多数の光ケーブルが広範囲な地域にわたって複雑に接続されて構成される。また各光ケーブルには数多くの心線が含まれている。
このような光ケーブル網の心線の管理は、正確かつ確実に行われなければならないが、近年光ケーブル網の利用者が急増し、また光ケーブルの敷設も急速に進められている。
このため、光ケーブル網の心線の維持管理を迅速かつ正確に行い、作業負担を軽減する技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、光ケーブル網における心線の維持管理を迅速かつ正確に行い、作業負担を軽減する情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は次の通りである。
【0007】
すなわち、本発明に係る情報処理装置は、
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける設定予約入力部と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える確保済み心線数更新部と、を備える。
【0008】
このような態様により、回線が未設定の心線に対して、心線を確保(回線の設定を予約)しておくことが可能となる。今日光通信は急速に普及しており、新たな回線が次々と設定されているが、例えば、建設中のマンションがある場合に、そのマンション付近の心線を事前に予約しておけば、マンション建設後に直ちに、予約しておいた心線を用いてそのマンションの住人に対して光回線の提供を行うことが可能となる。ここで本態様においては、心線の数を指定した予約をするため、あらかじめ心線を指定した予約をする場合と比べて自由度があり、設計に支障が出ないようにすることが可能となる。
【0009】
かかる情報処理装置において、次の構成を採ることが好ましい。
すなわち、前記心線割当管理データベースには、光ケーブル内の各心線に設定された回線が運用中であるか否かを示す情報と、が記憶され、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに臨時に確保する心線の数と、の入力を受ける臨時設定入力部と、
前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えている場合であっても、前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブル内において回線が運用中でない心線の数を超えない場合には、前記指定された光ケーブル内の前記運用中でない各心線に対して、前記臨時に確保する数の分だけ、心線の確保を行う臨時回線設定部と、
を備えることが好ましい。
このような態様により、臨時の場合には、予約済みの心線も含め、運用されていない心線に対して、心線を確保することが可能となる。これにより、緊急時の心線確保を行うことが可能となる。
【0010】
かかる情報処理装置において、次の構成を採ることが好ましい。
すなわち、光ケーブルの各心線を表す線画図形により、光ケーブル網における各心線の接続関係を示す画像を表示する際に、臨時に回線の設定が行われた心線については、他の心線を表す線画図形とは異なる描画方法により表示する接続表示部と、
を備えることが好ましい。
このような態様により、臨時に回線が設定されている心線については、他の心線と視覚的に識別することができるようになる。これにより、臨時の状態を解除し、回線の設定を元に戻す際に、臨時に回線が設定されていた心線と通常通りに回線が設定されていた心線とを区別することができるため、元に戻す作業を容易化することが可能となる。
【0011】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は次の通りである。
すなわち、光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置が、光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受け、
前記情報処理装置が、前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るプログラムは次の通りである。
すなわち、光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースを備える情報処理装置に、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける手順と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える手順と、を実行させる。
【0013】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光ケーブル網における心線の維持管理を迅速かつ正確に行い、作業負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る光ケーブル心線管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ、利用者端末の構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバの記憶装置の構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る利用者端末の記憶装置の構成を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るクロージャ管理データベースを示す図である。
【図6】本実施の形態に係る局管理データベースを示す図である。
【図7】本実施の形態に係るお客様管理データベースを示す図である。
【図8】本実施の形態に係る建物管理データベースを示す図である。
【図9】本実施の形態に係るCTF/IDF管理データベースを示す図である。
【図10】本実施の形態に係るケーブル管理データベースを示す図である。
【図11】本実施の形態に係る心線管理データベースを示す図である。
【図12】本実施の形態に係る心線接続属性管理データベースを示す図である。
【図13】本実施の形態に係る心線接続設定における中継設備選択処理を示す図である。
【図14】本実施の形態に係る心線接続設定における心線接続処理を示す図である。
【図15】本実施の形態に係る心線接続設定における接続属性設定処理を示す図である。
【図16】本実施の形態に係る心線接続設定における心線選択処理を示す図である。
【図17】本実施の形態に係る心線接続設定における心線終端処理を示す図である。
【図18】本実施の形態に係る心線接続状況に応じて定められた心線シンボルを示す図である。
【図19】本実施の形態に係る心線接続方法に応じて定められた接続シンボルを示す図である。
【図20】本実施の形態に係る心線接続方法に応じて定められた終端シンボルを示す図である。
【図21】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定におけるケーブル選択処理を示す図である。
【図22】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定におけるカプラ設定処理を示す図である。
【図23】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定における接続属性設定処理を示す図である。
【図24】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定における接続先設定処理を示す図である。
【図25】本実施の形態に係る心線接続設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】本実施の形態に係る心線確保処理における心線設定処理を示す図である。
【図27】本実施の形態に係る心線確保処理における心線属性設定処理を示す図である。
【図28】本実施の形態に係る心線確保処理における心線検索処理を示す図である。
【図29】本実施の形態に係る心線確保処理における心線確保数入力処理を示す図である。
【図30】本実施の形態に係る心線確保処理における登録処理を示す図である。
【図31】本実施の形態に係る心線確保処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
===全体構成例===
本実施の形態にかかる光ケーブル心線管理サーバ200を含む光ケーブル心線管理システム900の全体構成を図1に示す。なお光ケーブル心線管理サーバ200は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置に相当する。
【0017】
<光ケーブル心線管理システム>
光ケーブル心線管理システム900は、光ケーブル心線管理サーバ200に、利用者端末100がネットワーク500を介して通信可能に接続されてなる。
【0018】
光ケーブル心線管理システム900は、光ケーブル網における各光ケーブルが、局やクロージャ等の中継設備で接続されている様子を示す系統図をベースにした心線設計・管理用のシステムである。光ケーブル心線管理システム900においては、局、クロージャ、ドロップクロージャ、建物、CTF/IDF(Cable Terminating Frame/Intermediate Distribution Frame)、お客様の各情報と、これらを結ぶ光ケーブルの設備状況と運用状況、クロージャ、CTF/IDF内の心線接続状況及びその運用状況、心線に重畳する回線及びその運用状況を管理することができる。
【0019】
また光ケーブル心線管理システム900は、次のような特徴がある。まず系統図全体のつながりを把握しながら複数ルートの検索結果から最適ルートを選択できる。また設備や心線接続の計画管理機能、及び心線に重畳する回線の予約管理機能を有する。さらにFTTH(Fiber To The Home)の迅速な設計をおこなうため、通信速度などにおけるレスポンス低下の影響を受けないように配慮されている。またマルチウインドウ環境により、画面上に複数の系統図や各種帳票を開きながら心線や回線の属性編集ができる。またダウンロード機能により、系統図や単線結線図などの図面やデータベース一覧をダウンロードでき、工事仕様書への添付資料などとして利用できる。またアップロード機能により、ケーブル区間毎の所有心線数の更新管理を効率的に行える。
【0020】
<光ケーブル心線管理サーバ>
光ケーブル心線管理サーバ200は、光ケーブル網の管理を支援するためのコンピュータである。
【0021】
光ケーブル網は、複数の光ケーブル内の心線同士を相互に接続して構成される。各光ケーブルには、通常、数十本から数千本もの心線が含まれる。光ケーブルの中には、各心線を所定数ごとにテープ等で束ねて心線束を構成するようにしたものもある。
【0022】
また各光ケーブルは、通常数百メートルから数千メートルの長さを有する。そしてクロージャや局等の各中継設備に取り込まれる。中継設備に取り込まれた光ケーブルは、他の光ケーブルと接続される場合もあるし、その中継設備を通過する場合もある。ここで、他の光ケーブルとの接続は、心線同士を融着させることにより行われる場合や、心線同士をコネクタで接続する場合や、心線同士をカプラ(心線分岐装置)で接続する場合がある。
【0023】
顧客から光通信回線の利用申込があると、光ケーブル網の心線に、顧客用の回線を設定する。これにより、顧客はその心線を用いて光通信を行うことができるようになる。回線を設定可能な心線がない場合には、光ケーブルを新たに敷設することが必要になる。設定可能な心線がない場合とは、例えば全ての心線がすでに他の顧客用の回線に設定済みであり、空き心線がない場合や、そもそも光ケーブルの敷設がなされていない場合などである。
【0024】
通常、回線の設定は、複数の光ケーブルを跨って行われる。そのため、各中継設備においては、どの心線とどの心線とが接続されているのかを心線一本一本について正確に管理しておく必要がある。
【0025】
本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ200は、後述する仕組みにより、各中継設備における心線同士の接続関係を視覚的に表示させ、また設定することが可能である。さらに、各光ケーブル内の心線に対して回線を設定するための予約をしておくことができる。これにより、心線への回線設定作業を効率化する。
【0026】
<利用者端末>
利用者端末100は、光ケーブル心線管理サーバ200と通信可能に接続され、上記回線設定作業等の光ケーブル網の管理を行う際に用いられるコンピュータである。なお、光ケーブル網の管理は、利用者端末100を用いずに行うことも可能である。この場合は、利用者端末100は無くてもよい。
【0027】
===光ケーブル心線管理サーバ、利用者端末の構成===
次に、光ケーブル心線管理サーバ200、利用者端末100の構成について説明する。光ケーブル心線管理サーバ200、利用者端末100はいずれもコンピュータであり、ハードウェア構成は基本的に同様である。そのため、これらのハードウェア構成をひとつのブロック図にまとめて図2に示す。
【0028】
<光ケーブル心線管理サーバ>
光ケーブル心線管理サーバ200は、CPU(Central Processing Unit)210、メモリ220、ポート230、記録媒体読取装置240、入力装置250、出力装置260、記憶装置280を備えたコンピュータである。
【0029】
CPU210は光ケーブル心線管理サーバ200の全体の制御を司るもので、記憶装置280に記憶される本実施の形態に係る各種の動作を行うためのコードから構成される光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム(特許請求の範囲に記載のプログラムに相当する)710をメモリ220に読み出して実行することにより、光ケーブル心線管理サーバ200としての各種機能を実現する。
【0030】
例えばCPU210により光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710が実行され、メモリ220やポート230、入力装置250、出力装置260、記憶装置280等のハードウェア機器と協働することにより、特許請求の範囲に記載の心線接続属性管理データベース、中継設備指定入力部、心線表示部、第1の心線指定入力部、第2の心線指定入力部、接続状況入力部、接続表示部、接続情報書き込み部、接続方法指定入力部、カプラ入力端子指定入力部、カプラ出力端子指定入力部、心線割当管理データベース、設定予約入力部、確保済み心線数更新部、臨時設定入力部、臨時回線設定部が実現される。メモリ220は例えば半導体記憶装置により構成することができる。
【0031】
記録媒体読取装置240は、フレキシブルディスクや磁気テープ、コンパクトディスク等の記録媒体400に記録されているプログラムやデータを読み取るための装置である。読み取られたプログラムやデータはメモリ220や記憶装置280に格納される。従って、例えば記録媒体400に記録された光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710を、記録媒体読取装置240を用いて上記記録媒体400から読み取って、メモリ220や記憶装置280に記憶するようにすることができる。記録媒体読取装置240は光ケーブル心線管理サーバ200に内蔵されている形態とすることもできるし、外付されている形態とすることもできる。
【0032】
記憶装置280は、例えばハードディスク装置や半導体記憶装置等とすることができる。記憶装置280には、図3に示すように、光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710やクロージャ管理データベース600、局管理データベース610、お客様管理データベース620、建物管理データベース630、CTF/IDF管理データベース640、ケーブル管理データベース650、心線管理データベース660、心線接続属性管理データベース670が記憶される。このうち、心線管理データベース660は、特許請求の範囲に記載の心線割当管理データベースに相当する。また心線接続属性管理データベース670は、特許請求の範囲に記載の心線接続属性管理データベースに相当する。
【0033】
クロージャ管理データベース600はクロージャを管理するためのデータベースである。クロージャは、光ケーブル網において各光ケーブルを取り込む中継設備の一つである。クロージャ管理データベース600を図5に示す。クロージャ管理データベース600の”クロージャ名称”欄には、クロージャを特定する情報が記載される。”接続情報(ケーブル名称)”欄には、各クロージャに取り込まれる光ケーブルを特定する情報として光ケーブルの名称が記載される。また”接続情報(区間名称)”欄には、当該光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。”運用状況”欄には、当該クロージャの運用状況が記載される。
【0034】
局管理データベース610は、局を管理するためのデータベースである。局も、光ケーブル網において各光ケーブルを取り込む中継設備の一つである。局管理データベース610を図6に示す。局管理データベース610の”局名称”欄には、局を特定する情報として局の名称が記載される。”建物名称”欄には、局の所在地を示す建物の名称が記載される。
【0035】
お客様管理データベース620は、光ケーブル網を利用する顧客であるお客様を管理するためのデータベースである。お客様も、光ケーブル網において各光ケーブルを取り込む中継設備の一つである。お客様管理データベース620を図7に示す。”お客様名称”欄にはお客様を特定する情報としてお客様の名称が記載される。”建物名称”欄には、お客様の所在地を示す建物の名称が記載される。
【0036】
建物管理データベース630は、局やお客様の所在地を示す建物の情報を管理するためのデータベースである。建物管理データベース630を図8に示す。”ラベル”欄には、建物を特定する情報として建物の名称が記載される。”遷移先系統図”欄には、その建物に敷設されている光ケーブルに関する情報が記載された系統図の識別情報が記載される。
【0037】
CTF/IDF管理データベース640は、局やお客様の建物内に設置されるCTF/IDFを管理するためのデータベースである。CTF/IDF管理データベース640を図9に示す。”CTF/IDF名称”欄には、CTF/IDFを特定する情報が記載される。”接続情報(ケーブル名称)”欄には、各CTF/IDFに取り込まれる光ケーブルを特定する情報が記載される。また”接続情報(区間名称)”欄には、当該光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。
【0038】
ケーブル管理データベース650は、光ケーブル網を構成する各光ケーブルを管理するためのデータベースである。ケーブル管理データベース650を図10に示す。”ケーブル名称”欄には、各光ケーブルを特定する情報が記載される。また”ケーブル区間名称”欄には、当該光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。”テープ種別”欄には、光ケーブル内の各心線束内の心線数が記載される。テープ種別欄に「2」と記載されている場合には、各心線束には2本の心線が含まれることを示す。”ケーブル総心線数”欄には、光ケーブル内の心線の数が記載される。”ケーブル実長”欄には、光ケーブルの長さを示す情報が記載される。
【0039】
心線管理データベース660は、各光ケーブル内の各心線を管理するためのデータベースである。心線管理データベース660を図11に示す。”ケーブル名称”欄には、各心線を含む光ケーブルを特定する情報が記載される。”ケーブル区間名称”欄には、各光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。”心線番号”欄には、各心線を特定する情報が記載される。”テープ番号”欄には、各心線束を特定する情報が記載される。”空き状態”欄には、各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報が記載される。「使用中」と記載されている場合には、当該心線には回線が設定済みであることを示す。「空き」と記載されている場合には、当該心線には回線が設定済みでないことを示す。”心線状態”欄には、各心線の異常有無が記載される。「不良」と記載されている場合には、その心線は光通信を行うことができない状況であることを示す。”心線所有者”欄には、各心線の所有者を特定する情報が記載される。”運用状況”欄には、”空き状態”欄が「使用中」の各心線の運用状況が記載される。運用状況には「運用」と「確保」と「予約」とがある。「運用」と記載されている場合は、当該心線は運用中であることを示す。「確保」と記載されている場合には、当該心線は確保済みであることを示す。「予約」と記載されている場合は、当該心線は設定予約済みであることを示す。
【0040】
心線接続属性管理データベース670は、光ケーブル網を構成する光ケーブルが取り込まれる中継設備毎に、中継設備を特定する情報と、中継設備に取り込まれる光ケーブルの各心線を特定する情報と、上記各心線に接続される相手方の各心線を特定する情報と、接続される心線間に介在するカプラ(心線分岐装置)における複数の出力端子のうちの上記相手方の心線と接続される出力端子を特定する情報と、互いに接続される各心線の接続状況を示す情報と、互いに接続される各心線の接続方法を示す情報と、対応付けて記憶するデータベースである。心線接続属性管理データベース670を図12に示す。
【0041】
”設備名称”欄には、局やクロージャの名称等の中継設備を特定する情報が記載される。”左側ケーブル区間名称”欄には、中継設備に取り込まれる光ケーブルを特定する情報が記載される。”左側心線番号”欄には、上記光ケーブルの各心線を特定する情報が記載される。また”右側ケーブル区間名称”欄には、”左側ケーブル区間名称”欄に記載された光ケーブルと心線同士が接続される相手方の光ケーブルを特定する情報が記載される。そして”右側心線番号”欄には、”右側ケーブル区間名称”欄に記載された光ケーブルの各心線を特定する情報が記載される。なお、左側光ケーブルの各心線と右側光ケーブルの各心線が、カプラを介して接続されている場合には、”左側心線番号”欄には、左側ケーブルの心線を特定する情報と共に、右側光ケーブルの心線と接続されるカプラの出力端子を特定する情報が記載される。図12の例では、”左側心線番号欄に”「1−1」、「1−2」、「1−3」、「1−4」と記載されているのは、左側光ケーブルの心線番号「1」で特定される心線がカプラを介して分岐され、カプラの4つの出力端子から出力されることを表す。
【0042】
”接続・終端”欄には、各心線が他の心線と接続されるか否かを示す情報が記載される。他の心線と接続される場合には「接続」と記載され、他の心線と接続されない場合には「終端」と記載される。”方式”欄には、心線同士を接続する際の接続方法が記載される。接続方法としては、「融着」、「コネクタ接続」、「通過」、「カプラ接続」等がある。「カプラ接続」の場合には、”カプラ種類”欄にカプラの種類が記載される。カプラの種類としては、FTTH用カプラ、CS用カプラがある。また”カプラ分岐”欄に、カプラによる分岐数が記載される。”運用状況”欄には、互いに接続される各心線の接続状況を示す情報が記載される。運用状況としては、「運用」、「予約」、「確保」、「廃止予定」がある。「運用」は、運用中であることを示す。「予約」は、供給先が決まり、設計完了段階であることを示す。「確保」は、供給先の計画段階等であることを示す。「廃止予定」は廃止予定の段階であることを示す。
【0043】
”ロス値”欄には、光の減衰量を示す情報が記載される。光の減衰量(dB換算)は、心線同士の接続方法に応じて定まる。図12に示す例では、「融着」の場合は0.4(dB)、「通過」の場合は0(dB)、「カプラ32分岐」の場合は18(dB)である。
【0044】
入力装置250は光ケーブル心線管理サーバ200へのデータ入力等のために用いられる装置でありユーザインタフェースとして機能する。入力装置250としては例えばキーボードやマウス等を用いることができる。
出力装置260は情報を外部に出力するための装置でありユーザインタフェースとして機能する。出力装置260としては例えばディスプレイやプリンタ等を用いることができる。
【0045】
ポート230は通信を行うための装置である。例えばネットワーク500を介して行われる、利用者端末100等の他のコンピュータとの通信は、ポート230を介して行われるようにすることができる。また例えば、光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710をポート230を通じて他のコンピュータからネットワーク500を介して受信して、メモリ220や記憶装置280に記憶するようにすることもできる。
【0046】
<利用者端末>
利用者端末100は、CPU110、メモリ120、ポート130、記録媒体読取装置140、入力装置150、出力装置160、記憶装置180を備える。
これらの各装置の機能は、上述した光ケーブル心線管理サーバ200が備える各装置と同様である。
また、利用者端末100の記憶装置180には、図4に示すように、利用者端末制御プログラム700が記憶され、CPU110によって実行されることにより、利用者端末100としての各種機能が実現される。例えば利用者端末制御プログラム700は、光ケーブル心線管理サーバ200との通信を制御し、ブラウザ機能を実現する。
【0047】
===心線の接続設定処理===
次に、本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ200により行われる、心線の接続の設定処理について、図13乃至図25を参照しながら説明する。図13乃至図20は、心線同士が直接接続される場合の設定処理を示す図であり、図21乃至図24は、心線同士がカプラを介して接続される場合の設定処理を示す図である。また図25は、心線の接続の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0048】
光ケーブル網における各光ケーブルが、局やクロージャ等の中継設備で接続されている様子を示す系統図を図13に示す。ここで図13に示す系統図は、利用者端末100の出力装置160であるディスプレイに表示されているものとするが、もちろん光ケーブル心線管理サーバ200の出力装置260であるディスプレイに表示されている場合であっても良い。
【0049】
まず図13に示す系統図の画面において、マウスのカーソルを中継設備を示すアイコンに重ねてクリックすると、その中継設備を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。そして図13に示される「心線接続属性」欄にマウスのカーソルを重ねてクリックすると、図14に示す画面が表示される。
【0050】
図14に示す画面は、上記指定された中継設備に取り込まれる各光ケーブルの各心線を表す図形(心線ボックス)を、光ケーブル毎に対向させて並べて表示したものである。なお図14においては、各心線ボックスには心線番号が併記されている。
【0051】
図14において、左右に一つずつ表示されている「ケーブル選択」欄に、それぞれ光ケーブルの名称を入力すると、光ケーブル心線管理サーバ200は、その中継設備に取り込まれている光ケーブルの中から上記入力された名称により特定される光ケーブルの各心線について、心線ボックスを表示する(S1000)。
【0052】
次に、図14のように並べて表示されている各心線ボックスの中から選んだ心線ボックスをクリックすると、その中継設備において互いに接続される心線のうちの一方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1010)。図14の例では、心線番号「1」が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。
【0053】
そして図15に示す「接続属性」欄に各情報を入力することにより、光ケーブル心線管理サーバ200に接続属性が入力される(S1020)。接続属性としては、例えば、互いに接続される心線の接続状況を示す情報(図15において「運用状況」欄に表示される情報)や、接続方法を示す情報(図15において「方式」欄、「コネクタ(その他)欄」、「カプラ種類」欄、「カプラ分岐」欄に表示される情報)などを入力することができる。また上記選択した心線ボックスが終端なのか接続なのかの入力も行うことができる(図15において「接続・終端」欄に表示される情報)。
【0054】
「接続属性」欄において「接続」が入力されている場合には(S1030)、図16に示すように、上記選んだ心線ボックスと接続される相手側の心線ボックスを選択する。これにより、上記指定された一方の心線と接続される他方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1040)。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、上記指定された一方及び他方の心線を表す図形同士を接続する線画図形を、上記指定された接続状況に応じて定められた描画方法で表示すると共に、上記一方及び他方の心線の接続方法に応じて定められた図形を、上記線画図形に重ねて表示する。
【0055】
図16に示す例では、運用状況欄において「運用」が入力されているため、光ケーブル心線管理サーバ200は、上記心線同士を接続する線画図形を実線で表示する。運用状況に応じた描画方法は、図18の「重畳回線の運用状態」欄に示すように定められている。つまり、「確保中」の場合は破線で表示され、「予約中」の場合は点線で表示され、「運用中」の場合は実線で表示され、「廃止予定」の場合は一点鎖線で表示される。
【0056】
また図16に示す例では、方式欄において「融着」が入力されているため、光ケーブル心線管理サーバ200は、上記心線同士を接続する線画図形に重畳して黒丸を表示する。心線の接続方法に応じた図形は、図19に示すように定められている。
【0057】
そして図16に示す画面において、「登録」欄(図示省略)をクリックすると、上記入力された接続属性や、互いに接続される心線を特定する情報が心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。つまり、上記一方の心線を特定する情報と、他方の心線を特定する情報と、中継設備を特定する情報と、一方及び他方の心線の接続状況を示す情報と、一方及び他方の心線の接続方法を示す情報と、が対応付けられて、心線接続属性管理データベース670に書き込まれる。
【0058】
一方、図15において、「接続属性」欄に「終端」が入力されている場合には(S1030)、図17に示すように、マウス操作によって、「終端方式」、「運用状況」、「終端方式種類」を選択して入力することにより、これら入力された情報に応じた図形が表示される。図20に接続方式に応じて定められた図形の一覧を示す。
【0059】
そして図17に示す画面において、「登録」欄(図示省略)をクリックすると、入力された接続属性心線を特定する情報が心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。
【0060】
次に、カプラを介して接続されている心線同士の接続を設定する場合の処理について説明する。
まず図13に示す系統図の画面において、マウスのカーソルを、中継設備を示すアイコンに重ねてクリックすると、その中継設備を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。そして図13に示される「心線接続属性」欄にマウスのカーソルを重ねてクリックすると、光ケーブル心線管理サーバ200は、図21に示す画面を表示する。
【0061】
図21に示す画面は、上記指定された中継設備に取り込まれる各光ケーブルの各心線を表す図形(心線ボックス)を、光ケーブル毎に対向させて並べて表示したものである。
【0062】
図21において、左右に一つずつ表示されている「ケーブル選択」欄に、それぞれ光ケーブルの名称を入力すると、その中継設備に取り込まれている光ケーブルの中から、上記入力された名称によって特定される光ケーブルの各心線について、心線ボックスを表示させることができる(S1000)。
【0063】
次に、図22のように、並べて表示されている各心線ボックスの中から選んだ心線ボックスをクリックすると、その中継設備においてカプラを介して互いに接続される心線のうちの一方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1010)。図22の例では、心線番号「1」が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。
【0064】
そしてマウス操作によって、「接続方式」、「運用状況」、「カプラ種類」、「カプラ分岐数」を選択して入力することにより、図23に示すように、光ケーブル心線管理サーバ200は、これら入力された情報に応じたカプラを表す図形を表示する。この際、光ケーブル心線管理サーバ200は、上記一方の心線を表す図形とカプラの入力端子を表す図形とを線画図形により接続して表示する。
【0065】
そして図23に示す「接続属性」欄に各情報を入力することにより、光ケーブル心線管理サーバ200に接続属性が入力される(S1020)。接続属性としては、例えば、互いに接続される心線の接続状況を示す情報や、接続方法を示す情報などを入力することができる。また上記選択した心線ボックスが終端なのか接続なのかの入力も行うことができる。
【0066】
「接続属性」欄において「接続」が入力されている場合には(S1030)、図24に示すように、上記選んだ心線ボックスとカプラを介して接続される相手側の心線ボックスを選択する。これにより、上記指定された一方の心線とカプラを介して接続される他方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1040)。図24に示す例では、心線番号2で特定される心線が指定されている。そして上記他方の心線と接続されるカプラの出力端子を選択する。そうすると光ケーブル心線管理サーバ200は、カプラの出力端子を表す図形と上記他方の心線を表す図形とを線画図形により接続して表示する。
【0067】
そして図24において「登録」欄をクリックすると、上記入力された接続属性や、互いに接続される心線を特定する情報が心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。つまり、上記一方の心線を特定する情報と、上記他方の心線を特定する情報と、一方及び他方の心線間に介在するカプラの出力端子を特定する情報と、中継設備を特定する情報と、が対応付けられて、心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。
【0068】
以上のようにして、各中継設備における心線の接続の設定処理が行われる。これにより、光ケーブルが取り込まれる中継設備における心線の接続の設定作業を、視覚的に把握しながら行うことが可能となる。そしてこれにより心線の設定作業を効率化し、心線の作業負担を軽減することが可能となる。また各中継設備において、心線の接続状況は計画段階のものや運用中のもの、廃止予定のものなど、様々なものが混在しているが、本態様によれば、心線の接続状況を設定する際に、心線の接続状況に応じた描画方法で心線同士が接続される様子が表示されるため、接続状況を視覚的に把握することができ、作業負担を軽減することができる。
【0069】
===心線確保処理===
次に、本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ200を用いて、光ケーブル網を構成する光ケーブル内の心線を確保する場合の処理について、図26乃至図31を参照しながら説明する。図31は、回線の心線確保処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
まず図26に示す画面において、「新規回線」をマウスで選択してクリックすると、光ケーブル心線管理サーバ200は、図27に示す画面を表示する。そして図27に示す画面において「運用状況」欄を「確保」にして「心線追加」をマウスでクリックすると、光ケーブル心線管理サーバ200は、図28に示す画面を表示する。
【0071】
次に、図28に示す画面において、「検索条件」欄に適宜情報を入力して「検索開始」欄をマウスでクリックすると、ケーブル管理データベース650や、心線管理データベース660等に記憶されている情報に基づいて、「検索条件」欄に入力した情報に一致する光ケーブルが検索され、一覧表示される。
【0072】
そして、一覧表示されている光ケーブルの中から、心線を確保しようとする光ケーブルを選択して「選択」欄をマウスでクリックする。そうすると、光ケーブルを指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S2000)。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、図29に示す画面を表示する。
【0073】
光ケーブル心線管理サーバ200は、図29に示すように、心線管理データベース660に基づいて、「回線構成」欄に、上記指定された光ケーブルについて、「ケーブル区間」と「空き心線数」とを表示する。空き心線数は、心線管理データベース660の空き状態欄に記載の情報に基づいて算出される。
【0074】
ここで、「回線構成」欄の「確保数」欄には、確保する心線の数を入力することができる(S2010)。図29の例では、1が入力されているので、確保する心線の数は1本であることが示される。
【0075】
光ケーブル心線管理サーバ200は、確保する心線の数の入力を受けると、上記入力された確保する心線の数が、上記指定された光ケーブル内において回線が設定済みでない心線の数を超えないか否かを判定する。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、心線管理データベース660において、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている上記指定された光ケーブルの各心線に対して、入力された確保する心線の数だけ、回線が確保済みであることを示す情報に書き換える。つまり、「空き状態」欄に「空き」と記載されている心線の中から、入力された確保する心線の数だけ、「空き状態」欄を「使用中」に更新する。そして「運用状況」欄を「確保」に更新する。なお、心線管理データベース660の更新は、以下に述べる「登録」がクリックされた後におこなわれる(S2030)。
【0076】
図29において、「心線追加」欄をクリックすると、他の光ケーブルについて、心線の確保を行うことができる。この場合、光ケーブル心線管理サーバ200は、再び図28に示す画面を表示する。そして上記手順と同様にして検索した光ケーブルの中から指定した光ケーブルについて、心線の確保処理を行う(S2020)。
【0077】
心線確保処理を終える場合には、図30の画面において、「登録」をクリックする。これにより、上記指定した各光ケーブルに関して、それぞれ、心線管理データベース660の更新が行われる。
【0078】
なお、図27に示す画面において、「運用状況」欄を「臨時」とすると、臨時に心線を確保することができる。臨時の場合は、心線の空き状態が「使用中」であっても、運用状況が「運用」でない限り、心線を確保することができる。この場合は、図28に示す画面において、「検索条件」欄に適宜情報を入力して「検索開始」欄をマウスでクリックすると、ケーブル管理データベース650や、心線管理データベース660等に記憶されている情報に基づいて、「検索条件」欄に入力した情報に一致する光ケーブルが検索され、一覧表示される。
【0079】
そして、一覧表示されている光ケーブルの中から、臨時に心線を確保しようとする光ケーブルを選択して「選択」欄をマウスでクリックする。
そして、選択した光ケーブルに対して臨時に確保する心線の数を入力すると、光ケーブル心線管理サーバ200は、心線管理データベース660に基づいて、臨時に確保しようとする心線の数が、上記指定された光ケーブル内における心線の数を超えないか否かを判定する。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、臨時に確保しようとする心線の数が、上記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数(空き状態が「空き」である心線の数)を超えている場合であっても、臨時に確保しようとする心線の数が、上記指定された光ケーブル内において回線が運用中でない心線の数(空き状態が「空き」又は運用状況が「確保」あるいは「予約」である心線の数)を超えない場合には、指定された光ケーブル内の前記運用中でない各心線に対して、臨時に心線を確保する数の分だけ、回線の設定を行う。
【0080】
なお、このようにして臨時に心線が確保された場合には、光ケーブル心線管理サーバ200は、例えば図16のように、光ケーブルの各心線を表す線画図形により、光ケーブル網における各心線の接続関係を示す画像を表示する際に、臨時に確保された心線については、他の心線を表す線画図形とは異なる描画方法により表示する。例えば、臨時に確保された心線の線画図形については、色や太さ、線種等を他の心線とは異なるように表示したり、点滅して表示したりする。
【0081】
以上のようにして、光ケーブル内の心線の確保を行うことができる。これにより、回線が未設定の心線に対して、心線を確保しておくことが可能となる。また臨時の場合には、運用中でない心線に対して、心線を確保することができる。これにより、緊急時の心線の確保を行うことが可能となる。さらに、臨時に確保されている心線については、他の心線と視覚的に識別して表示することができる。これにより、臨時の状態を解除し、心線の確保を元に戻す際に、臨時に確保されていた心線と通常通りに確保されていた心線とを区別することができるため、元に戻す作業を容易化することが可能となる。
【0082】
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0083】
100 利用者端末
200 光ケーブル心線管理サーバ
400 記録媒体
500 ネットワーク
600 クロージャ管理データベース
610 局管理データベース
620 お客様管理データベース
630 建物管理データベース
640 CTF/IDF管理データベース
650 ケーブル管理データベース
660 心線管理データベース
670 心線接続属性管理データベース
700 利用者端末制御プログラム
710 光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム
900 光ケーブル心線管理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術の進歩と共にコンピュータ間で授受されるデータ量が増加し、より高速な通信回線を求める需要者が増加している。それに伴い、光ケーブル網の構築が急速に進められている。
またこのような光ケーブル網を管理するための様々な技術も開発されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−233629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ケーブル網は、多数の光ケーブルが広範囲な地域にわたって複雑に接続されて構成される。また各光ケーブルには数多くの心線が含まれている。
このような光ケーブル網の心線の管理は、正確かつ確実に行われなければならないが、近年光ケーブル網の利用者が急増し、また光ケーブルの敷設も急速に進められている。
このため、光ケーブル網の心線の維持管理を迅速かつ正確に行い、作業負担を軽減する技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、光ケーブル網における心線の維持管理を迅速かつ正確に行い、作業負担を軽減する情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は次の通りである。
【0007】
すなわち、本発明に係る情報処理装置は、
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける設定予約入力部と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える確保済み心線数更新部と、を備える。
【0008】
このような態様により、回線が未設定の心線に対して、心線を確保(回線の設定を予約)しておくことが可能となる。今日光通信は急速に普及しており、新たな回線が次々と設定されているが、例えば、建設中のマンションがある場合に、そのマンション付近の心線を事前に予約しておけば、マンション建設後に直ちに、予約しておいた心線を用いてそのマンションの住人に対して光回線の提供を行うことが可能となる。ここで本態様においては、心線の数を指定した予約をするため、あらかじめ心線を指定した予約をする場合と比べて自由度があり、設計に支障が出ないようにすることが可能となる。
【0009】
かかる情報処理装置において、次の構成を採ることが好ましい。
すなわち、前記心線割当管理データベースには、光ケーブル内の各心線に設定された回線が運用中であるか否かを示す情報と、が記憶され、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに臨時に確保する心線の数と、の入力を受ける臨時設定入力部と、
前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えている場合であっても、前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブル内において回線が運用中でない心線の数を超えない場合には、前記指定された光ケーブル内の前記運用中でない各心線に対して、前記臨時に確保する数の分だけ、心線の確保を行う臨時回線設定部と、
を備えることが好ましい。
このような態様により、臨時の場合には、予約済みの心線も含め、運用されていない心線に対して、心線を確保することが可能となる。これにより、緊急時の心線確保を行うことが可能となる。
【0010】
かかる情報処理装置において、次の構成を採ることが好ましい。
すなわち、光ケーブルの各心線を表す線画図形により、光ケーブル網における各心線の接続関係を示す画像を表示する際に、臨時に回線の設定が行われた心線については、他の心線を表す線画図形とは異なる描画方法により表示する接続表示部と、
を備えることが好ましい。
このような態様により、臨時に回線が設定されている心線については、他の心線と視覚的に識別することができるようになる。これにより、臨時の状態を解除し、回線の設定を元に戻す際に、臨時に回線が設定されていた心線と通常通りに回線が設定されていた心線とを区別することができるため、元に戻す作業を容易化することが可能となる。
【0011】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は次の通りである。
すなわち、光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置が、光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受け、
前記情報処理装置が、前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るプログラムは次の通りである。
すなわち、光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースを備える情報処理装置に、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける手順と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える手順と、を実行させる。
【0013】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光ケーブル網における心線の維持管理を迅速かつ正確に行い、作業負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る光ケーブル心線管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ、利用者端末の構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバの記憶装置の構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る利用者端末の記憶装置の構成を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るクロージャ管理データベースを示す図である。
【図6】本実施の形態に係る局管理データベースを示す図である。
【図7】本実施の形態に係るお客様管理データベースを示す図である。
【図8】本実施の形態に係る建物管理データベースを示す図である。
【図9】本実施の形態に係るCTF/IDF管理データベースを示す図である。
【図10】本実施の形態に係るケーブル管理データベースを示す図である。
【図11】本実施の形態に係る心線管理データベースを示す図である。
【図12】本実施の形態に係る心線接続属性管理データベースを示す図である。
【図13】本実施の形態に係る心線接続設定における中継設備選択処理を示す図である。
【図14】本実施の形態に係る心線接続設定における心線接続処理を示す図である。
【図15】本実施の形態に係る心線接続設定における接続属性設定処理を示す図である。
【図16】本実施の形態に係る心線接続設定における心線選択処理を示す図である。
【図17】本実施の形態に係る心線接続設定における心線終端処理を示す図である。
【図18】本実施の形態に係る心線接続状況に応じて定められた心線シンボルを示す図である。
【図19】本実施の形態に係る心線接続方法に応じて定められた接続シンボルを示す図である。
【図20】本実施の形態に係る心線接続方法に応じて定められた終端シンボルを示す図である。
【図21】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定におけるケーブル選択処理を示す図である。
【図22】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定におけるカプラ設定処理を示す図である。
【図23】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定における接続属性設定処理を示す図である。
【図24】本実施の形態に係るカプラを介した心線接続設定における接続先設定処理を示す図である。
【図25】本実施の形態に係る心線接続設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】本実施の形態に係る心線確保処理における心線設定処理を示す図である。
【図27】本実施の形態に係る心線確保処理における心線属性設定処理を示す図である。
【図28】本実施の形態に係る心線確保処理における心線検索処理を示す図である。
【図29】本実施の形態に係る心線確保処理における心線確保数入力処理を示す図である。
【図30】本実施の形態に係る心線確保処理における登録処理を示す図である。
【図31】本実施の形態に係る心線確保処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
===全体構成例===
本実施の形態にかかる光ケーブル心線管理サーバ200を含む光ケーブル心線管理システム900の全体構成を図1に示す。なお光ケーブル心線管理サーバ200は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置に相当する。
【0017】
<光ケーブル心線管理システム>
光ケーブル心線管理システム900は、光ケーブル心線管理サーバ200に、利用者端末100がネットワーク500を介して通信可能に接続されてなる。
【0018】
光ケーブル心線管理システム900は、光ケーブル網における各光ケーブルが、局やクロージャ等の中継設備で接続されている様子を示す系統図をベースにした心線設計・管理用のシステムである。光ケーブル心線管理システム900においては、局、クロージャ、ドロップクロージャ、建物、CTF/IDF(Cable Terminating Frame/Intermediate Distribution Frame)、お客様の各情報と、これらを結ぶ光ケーブルの設備状況と運用状況、クロージャ、CTF/IDF内の心線接続状況及びその運用状況、心線に重畳する回線及びその運用状況を管理することができる。
【0019】
また光ケーブル心線管理システム900は、次のような特徴がある。まず系統図全体のつながりを把握しながら複数ルートの検索結果から最適ルートを選択できる。また設備や心線接続の計画管理機能、及び心線に重畳する回線の予約管理機能を有する。さらにFTTH(Fiber To The Home)の迅速な設計をおこなうため、通信速度などにおけるレスポンス低下の影響を受けないように配慮されている。またマルチウインドウ環境により、画面上に複数の系統図や各種帳票を開きながら心線や回線の属性編集ができる。またダウンロード機能により、系統図や単線結線図などの図面やデータベース一覧をダウンロードでき、工事仕様書への添付資料などとして利用できる。またアップロード機能により、ケーブル区間毎の所有心線数の更新管理を効率的に行える。
【0020】
<光ケーブル心線管理サーバ>
光ケーブル心線管理サーバ200は、光ケーブル網の管理を支援するためのコンピュータである。
【0021】
光ケーブル網は、複数の光ケーブル内の心線同士を相互に接続して構成される。各光ケーブルには、通常、数十本から数千本もの心線が含まれる。光ケーブルの中には、各心線を所定数ごとにテープ等で束ねて心線束を構成するようにしたものもある。
【0022】
また各光ケーブルは、通常数百メートルから数千メートルの長さを有する。そしてクロージャや局等の各中継設備に取り込まれる。中継設備に取り込まれた光ケーブルは、他の光ケーブルと接続される場合もあるし、その中継設備を通過する場合もある。ここで、他の光ケーブルとの接続は、心線同士を融着させることにより行われる場合や、心線同士をコネクタで接続する場合や、心線同士をカプラ(心線分岐装置)で接続する場合がある。
【0023】
顧客から光通信回線の利用申込があると、光ケーブル網の心線に、顧客用の回線を設定する。これにより、顧客はその心線を用いて光通信を行うことができるようになる。回線を設定可能な心線がない場合には、光ケーブルを新たに敷設することが必要になる。設定可能な心線がない場合とは、例えば全ての心線がすでに他の顧客用の回線に設定済みであり、空き心線がない場合や、そもそも光ケーブルの敷設がなされていない場合などである。
【0024】
通常、回線の設定は、複数の光ケーブルを跨って行われる。そのため、各中継設備においては、どの心線とどの心線とが接続されているのかを心線一本一本について正確に管理しておく必要がある。
【0025】
本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ200は、後述する仕組みにより、各中継設備における心線同士の接続関係を視覚的に表示させ、また設定することが可能である。さらに、各光ケーブル内の心線に対して回線を設定するための予約をしておくことができる。これにより、心線への回線設定作業を効率化する。
【0026】
<利用者端末>
利用者端末100は、光ケーブル心線管理サーバ200と通信可能に接続され、上記回線設定作業等の光ケーブル網の管理を行う際に用いられるコンピュータである。なお、光ケーブル網の管理は、利用者端末100を用いずに行うことも可能である。この場合は、利用者端末100は無くてもよい。
【0027】
===光ケーブル心線管理サーバ、利用者端末の構成===
次に、光ケーブル心線管理サーバ200、利用者端末100の構成について説明する。光ケーブル心線管理サーバ200、利用者端末100はいずれもコンピュータであり、ハードウェア構成は基本的に同様である。そのため、これらのハードウェア構成をひとつのブロック図にまとめて図2に示す。
【0028】
<光ケーブル心線管理サーバ>
光ケーブル心線管理サーバ200は、CPU(Central Processing Unit)210、メモリ220、ポート230、記録媒体読取装置240、入力装置250、出力装置260、記憶装置280を備えたコンピュータである。
【0029】
CPU210は光ケーブル心線管理サーバ200の全体の制御を司るもので、記憶装置280に記憶される本実施の形態に係る各種の動作を行うためのコードから構成される光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム(特許請求の範囲に記載のプログラムに相当する)710をメモリ220に読み出して実行することにより、光ケーブル心線管理サーバ200としての各種機能を実現する。
【0030】
例えばCPU210により光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710が実行され、メモリ220やポート230、入力装置250、出力装置260、記憶装置280等のハードウェア機器と協働することにより、特許請求の範囲に記載の心線接続属性管理データベース、中継設備指定入力部、心線表示部、第1の心線指定入力部、第2の心線指定入力部、接続状況入力部、接続表示部、接続情報書き込み部、接続方法指定入力部、カプラ入力端子指定入力部、カプラ出力端子指定入力部、心線割当管理データベース、設定予約入力部、確保済み心線数更新部、臨時設定入力部、臨時回線設定部が実現される。メモリ220は例えば半導体記憶装置により構成することができる。
【0031】
記録媒体読取装置240は、フレキシブルディスクや磁気テープ、コンパクトディスク等の記録媒体400に記録されているプログラムやデータを読み取るための装置である。読み取られたプログラムやデータはメモリ220や記憶装置280に格納される。従って、例えば記録媒体400に記録された光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710を、記録媒体読取装置240を用いて上記記録媒体400から読み取って、メモリ220や記憶装置280に記憶するようにすることができる。記録媒体読取装置240は光ケーブル心線管理サーバ200に内蔵されている形態とすることもできるし、外付されている形態とすることもできる。
【0032】
記憶装置280は、例えばハードディスク装置や半導体記憶装置等とすることができる。記憶装置280には、図3に示すように、光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710やクロージャ管理データベース600、局管理データベース610、お客様管理データベース620、建物管理データベース630、CTF/IDF管理データベース640、ケーブル管理データベース650、心線管理データベース660、心線接続属性管理データベース670が記憶される。このうち、心線管理データベース660は、特許請求の範囲に記載の心線割当管理データベースに相当する。また心線接続属性管理データベース670は、特許請求の範囲に記載の心線接続属性管理データベースに相当する。
【0033】
クロージャ管理データベース600はクロージャを管理するためのデータベースである。クロージャは、光ケーブル網において各光ケーブルを取り込む中継設備の一つである。クロージャ管理データベース600を図5に示す。クロージャ管理データベース600の”クロージャ名称”欄には、クロージャを特定する情報が記載される。”接続情報(ケーブル名称)”欄には、各クロージャに取り込まれる光ケーブルを特定する情報として光ケーブルの名称が記載される。また”接続情報(区間名称)”欄には、当該光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。”運用状況”欄には、当該クロージャの運用状況が記載される。
【0034】
局管理データベース610は、局を管理するためのデータベースである。局も、光ケーブル網において各光ケーブルを取り込む中継設備の一つである。局管理データベース610を図6に示す。局管理データベース610の”局名称”欄には、局を特定する情報として局の名称が記載される。”建物名称”欄には、局の所在地を示す建物の名称が記載される。
【0035】
お客様管理データベース620は、光ケーブル網を利用する顧客であるお客様を管理するためのデータベースである。お客様も、光ケーブル網において各光ケーブルを取り込む中継設備の一つである。お客様管理データベース620を図7に示す。”お客様名称”欄にはお客様を特定する情報としてお客様の名称が記載される。”建物名称”欄には、お客様の所在地を示す建物の名称が記載される。
【0036】
建物管理データベース630は、局やお客様の所在地を示す建物の情報を管理するためのデータベースである。建物管理データベース630を図8に示す。”ラベル”欄には、建物を特定する情報として建物の名称が記載される。”遷移先系統図”欄には、その建物に敷設されている光ケーブルに関する情報が記載された系統図の識別情報が記載される。
【0037】
CTF/IDF管理データベース640は、局やお客様の建物内に設置されるCTF/IDFを管理するためのデータベースである。CTF/IDF管理データベース640を図9に示す。”CTF/IDF名称”欄には、CTF/IDFを特定する情報が記載される。”接続情報(ケーブル名称)”欄には、各CTF/IDFに取り込まれる光ケーブルを特定する情報が記載される。また”接続情報(区間名称)”欄には、当該光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。
【0038】
ケーブル管理データベース650は、光ケーブル網を構成する各光ケーブルを管理するためのデータベースである。ケーブル管理データベース650を図10に示す。”ケーブル名称”欄には、各光ケーブルを特定する情報が記載される。また”ケーブル区間名称”欄には、当該光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。”テープ種別”欄には、光ケーブル内の各心線束内の心線数が記載される。テープ種別欄に「2」と記載されている場合には、各心線束には2本の心線が含まれることを示す。”ケーブル総心線数”欄には、光ケーブル内の心線の数が記載される。”ケーブル実長”欄には、光ケーブルの長さを示す情報が記載される。
【0039】
心線管理データベース660は、各光ケーブル内の各心線を管理するためのデータベースである。心線管理データベース660を図11に示す。”ケーブル名称”欄には、各心線を含む光ケーブルを特定する情報が記載される。”ケーブル区間名称”欄には、各光ケーブルが取り込まれる中継設備を特定する情報が記載される。”心線番号”欄には、各心線を特定する情報が記載される。”テープ番号”欄には、各心線束を特定する情報が記載される。”空き状態”欄には、各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報が記載される。「使用中」と記載されている場合には、当該心線には回線が設定済みであることを示す。「空き」と記載されている場合には、当該心線には回線が設定済みでないことを示す。”心線状態”欄には、各心線の異常有無が記載される。「不良」と記載されている場合には、その心線は光通信を行うことができない状況であることを示す。”心線所有者”欄には、各心線の所有者を特定する情報が記載される。”運用状況”欄には、”空き状態”欄が「使用中」の各心線の運用状況が記載される。運用状況には「運用」と「確保」と「予約」とがある。「運用」と記載されている場合は、当該心線は運用中であることを示す。「確保」と記載されている場合には、当該心線は確保済みであることを示す。「予約」と記載されている場合は、当該心線は設定予約済みであることを示す。
【0040】
心線接続属性管理データベース670は、光ケーブル網を構成する光ケーブルが取り込まれる中継設備毎に、中継設備を特定する情報と、中継設備に取り込まれる光ケーブルの各心線を特定する情報と、上記各心線に接続される相手方の各心線を特定する情報と、接続される心線間に介在するカプラ(心線分岐装置)における複数の出力端子のうちの上記相手方の心線と接続される出力端子を特定する情報と、互いに接続される各心線の接続状況を示す情報と、互いに接続される各心線の接続方法を示す情報と、対応付けて記憶するデータベースである。心線接続属性管理データベース670を図12に示す。
【0041】
”設備名称”欄には、局やクロージャの名称等の中継設備を特定する情報が記載される。”左側ケーブル区間名称”欄には、中継設備に取り込まれる光ケーブルを特定する情報が記載される。”左側心線番号”欄には、上記光ケーブルの各心線を特定する情報が記載される。また”右側ケーブル区間名称”欄には、”左側ケーブル区間名称”欄に記載された光ケーブルと心線同士が接続される相手方の光ケーブルを特定する情報が記載される。そして”右側心線番号”欄には、”右側ケーブル区間名称”欄に記載された光ケーブルの各心線を特定する情報が記載される。なお、左側光ケーブルの各心線と右側光ケーブルの各心線が、カプラを介して接続されている場合には、”左側心線番号”欄には、左側ケーブルの心線を特定する情報と共に、右側光ケーブルの心線と接続されるカプラの出力端子を特定する情報が記載される。図12の例では、”左側心線番号欄に”「1−1」、「1−2」、「1−3」、「1−4」と記載されているのは、左側光ケーブルの心線番号「1」で特定される心線がカプラを介して分岐され、カプラの4つの出力端子から出力されることを表す。
【0042】
”接続・終端”欄には、各心線が他の心線と接続されるか否かを示す情報が記載される。他の心線と接続される場合には「接続」と記載され、他の心線と接続されない場合には「終端」と記載される。”方式”欄には、心線同士を接続する際の接続方法が記載される。接続方法としては、「融着」、「コネクタ接続」、「通過」、「カプラ接続」等がある。「カプラ接続」の場合には、”カプラ種類”欄にカプラの種類が記載される。カプラの種類としては、FTTH用カプラ、CS用カプラがある。また”カプラ分岐”欄に、カプラによる分岐数が記載される。”運用状況”欄には、互いに接続される各心線の接続状況を示す情報が記載される。運用状況としては、「運用」、「予約」、「確保」、「廃止予定」がある。「運用」は、運用中であることを示す。「予約」は、供給先が決まり、設計完了段階であることを示す。「確保」は、供給先の計画段階等であることを示す。「廃止予定」は廃止予定の段階であることを示す。
【0043】
”ロス値”欄には、光の減衰量を示す情報が記載される。光の減衰量(dB換算)は、心線同士の接続方法に応じて定まる。図12に示す例では、「融着」の場合は0.4(dB)、「通過」の場合は0(dB)、「カプラ32分岐」の場合は18(dB)である。
【0044】
入力装置250は光ケーブル心線管理サーバ200へのデータ入力等のために用いられる装置でありユーザインタフェースとして機能する。入力装置250としては例えばキーボードやマウス等を用いることができる。
出力装置260は情報を外部に出力するための装置でありユーザインタフェースとして機能する。出力装置260としては例えばディスプレイやプリンタ等を用いることができる。
【0045】
ポート230は通信を行うための装置である。例えばネットワーク500を介して行われる、利用者端末100等の他のコンピュータとの通信は、ポート230を介して行われるようにすることができる。また例えば、光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム710をポート230を通じて他のコンピュータからネットワーク500を介して受信して、メモリ220や記憶装置280に記憶するようにすることもできる。
【0046】
<利用者端末>
利用者端末100は、CPU110、メモリ120、ポート130、記録媒体読取装置140、入力装置150、出力装置160、記憶装置180を備える。
これらの各装置の機能は、上述した光ケーブル心線管理サーバ200が備える各装置と同様である。
また、利用者端末100の記憶装置180には、図4に示すように、利用者端末制御プログラム700が記憶され、CPU110によって実行されることにより、利用者端末100としての各種機能が実現される。例えば利用者端末制御プログラム700は、光ケーブル心線管理サーバ200との通信を制御し、ブラウザ機能を実現する。
【0047】
===心線の接続設定処理===
次に、本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ200により行われる、心線の接続の設定処理について、図13乃至図25を参照しながら説明する。図13乃至図20は、心線同士が直接接続される場合の設定処理を示す図であり、図21乃至図24は、心線同士がカプラを介して接続される場合の設定処理を示す図である。また図25は、心線の接続の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0048】
光ケーブル網における各光ケーブルが、局やクロージャ等の中継設備で接続されている様子を示す系統図を図13に示す。ここで図13に示す系統図は、利用者端末100の出力装置160であるディスプレイに表示されているものとするが、もちろん光ケーブル心線管理サーバ200の出力装置260であるディスプレイに表示されている場合であっても良い。
【0049】
まず図13に示す系統図の画面において、マウスのカーソルを中継設備を示すアイコンに重ねてクリックすると、その中継設備を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。そして図13に示される「心線接続属性」欄にマウスのカーソルを重ねてクリックすると、図14に示す画面が表示される。
【0050】
図14に示す画面は、上記指定された中継設備に取り込まれる各光ケーブルの各心線を表す図形(心線ボックス)を、光ケーブル毎に対向させて並べて表示したものである。なお図14においては、各心線ボックスには心線番号が併記されている。
【0051】
図14において、左右に一つずつ表示されている「ケーブル選択」欄に、それぞれ光ケーブルの名称を入力すると、光ケーブル心線管理サーバ200は、その中継設備に取り込まれている光ケーブルの中から上記入力された名称により特定される光ケーブルの各心線について、心線ボックスを表示する(S1000)。
【0052】
次に、図14のように並べて表示されている各心線ボックスの中から選んだ心線ボックスをクリックすると、その中継設備において互いに接続される心線のうちの一方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1010)。図14の例では、心線番号「1」が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。
【0053】
そして図15に示す「接続属性」欄に各情報を入力することにより、光ケーブル心線管理サーバ200に接続属性が入力される(S1020)。接続属性としては、例えば、互いに接続される心線の接続状況を示す情報(図15において「運用状況」欄に表示される情報)や、接続方法を示す情報(図15において「方式」欄、「コネクタ(その他)欄」、「カプラ種類」欄、「カプラ分岐」欄に表示される情報)などを入力することができる。また上記選択した心線ボックスが終端なのか接続なのかの入力も行うことができる(図15において「接続・終端」欄に表示される情報)。
【0054】
「接続属性」欄において「接続」が入力されている場合には(S1030)、図16に示すように、上記選んだ心線ボックスと接続される相手側の心線ボックスを選択する。これにより、上記指定された一方の心線と接続される他方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1040)。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、上記指定された一方及び他方の心線を表す図形同士を接続する線画図形を、上記指定された接続状況に応じて定められた描画方法で表示すると共に、上記一方及び他方の心線の接続方法に応じて定められた図形を、上記線画図形に重ねて表示する。
【0055】
図16に示す例では、運用状況欄において「運用」が入力されているため、光ケーブル心線管理サーバ200は、上記心線同士を接続する線画図形を実線で表示する。運用状況に応じた描画方法は、図18の「重畳回線の運用状態」欄に示すように定められている。つまり、「確保中」の場合は破線で表示され、「予約中」の場合は点線で表示され、「運用中」の場合は実線で表示され、「廃止予定」の場合は一点鎖線で表示される。
【0056】
また図16に示す例では、方式欄において「融着」が入力されているため、光ケーブル心線管理サーバ200は、上記心線同士を接続する線画図形に重畳して黒丸を表示する。心線の接続方法に応じた図形は、図19に示すように定められている。
【0057】
そして図16に示す画面において、「登録」欄(図示省略)をクリックすると、上記入力された接続属性や、互いに接続される心線を特定する情報が心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。つまり、上記一方の心線を特定する情報と、他方の心線を特定する情報と、中継設備を特定する情報と、一方及び他方の心線の接続状況を示す情報と、一方及び他方の心線の接続方法を示す情報と、が対応付けられて、心線接続属性管理データベース670に書き込まれる。
【0058】
一方、図15において、「接続属性」欄に「終端」が入力されている場合には(S1030)、図17に示すように、マウス操作によって、「終端方式」、「運用状況」、「終端方式種類」を選択して入力することにより、これら入力された情報に応じた図形が表示される。図20に接続方式に応じて定められた図形の一覧を示す。
【0059】
そして図17に示す画面において、「登録」欄(図示省略)をクリックすると、入力された接続属性心線を特定する情報が心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。
【0060】
次に、カプラを介して接続されている心線同士の接続を設定する場合の処理について説明する。
まず図13に示す系統図の画面において、マウスのカーソルを、中継設備を示すアイコンに重ねてクリックすると、その中継設備を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。そして図13に示される「心線接続属性」欄にマウスのカーソルを重ねてクリックすると、光ケーブル心線管理サーバ200は、図21に示す画面を表示する。
【0061】
図21に示す画面は、上記指定された中継設備に取り込まれる各光ケーブルの各心線を表す図形(心線ボックス)を、光ケーブル毎に対向させて並べて表示したものである。
【0062】
図21において、左右に一つずつ表示されている「ケーブル選択」欄に、それぞれ光ケーブルの名称を入力すると、その中継設備に取り込まれている光ケーブルの中から、上記入力された名称によって特定される光ケーブルの各心線について、心線ボックスを表示させることができる(S1000)。
【0063】
次に、図22のように、並べて表示されている各心線ボックスの中から選んだ心線ボックスをクリックすると、その中継設備においてカプラを介して互いに接続される心線のうちの一方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1010)。図22の例では、心線番号「1」が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される。
【0064】
そしてマウス操作によって、「接続方式」、「運用状況」、「カプラ種類」、「カプラ分岐数」を選択して入力することにより、図23に示すように、光ケーブル心線管理サーバ200は、これら入力された情報に応じたカプラを表す図形を表示する。この際、光ケーブル心線管理サーバ200は、上記一方の心線を表す図形とカプラの入力端子を表す図形とを線画図形により接続して表示する。
【0065】
そして図23に示す「接続属性」欄に各情報を入力することにより、光ケーブル心線管理サーバ200に接続属性が入力される(S1020)。接続属性としては、例えば、互いに接続される心線の接続状況を示す情報や、接続方法を示す情報などを入力することができる。また上記選択した心線ボックスが終端なのか接続なのかの入力も行うことができる。
【0066】
「接続属性」欄において「接続」が入力されている場合には(S1030)、図24に示すように、上記選んだ心線ボックスとカプラを介して接続される相手側の心線ボックスを選択する。これにより、上記指定された一方の心線とカプラを介して接続される他方の心線を指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S1040)。図24に示す例では、心線番号2で特定される心線が指定されている。そして上記他方の心線と接続されるカプラの出力端子を選択する。そうすると光ケーブル心線管理サーバ200は、カプラの出力端子を表す図形と上記他方の心線を表す図形とを線画図形により接続して表示する。
【0067】
そして図24において「登録」欄をクリックすると、上記入力された接続属性や、互いに接続される心線を特定する情報が心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。つまり、上記一方の心線を特定する情報と、上記他方の心線を特定する情報と、一方及び他方の心線間に介在するカプラの出力端子を特定する情報と、中継設備を特定する情報と、が対応付けられて、心線接続属性管理データベース670に書き込まれる(S1050)。
【0068】
以上のようにして、各中継設備における心線の接続の設定処理が行われる。これにより、光ケーブルが取り込まれる中継設備における心線の接続の設定作業を、視覚的に把握しながら行うことが可能となる。そしてこれにより心線の設定作業を効率化し、心線の作業負担を軽減することが可能となる。また各中継設備において、心線の接続状況は計画段階のものや運用中のもの、廃止予定のものなど、様々なものが混在しているが、本態様によれば、心線の接続状況を設定する際に、心線の接続状況に応じた描画方法で心線同士が接続される様子が表示されるため、接続状況を視覚的に把握することができ、作業負担を軽減することができる。
【0069】
===心線確保処理===
次に、本実施の形態に係る光ケーブル心線管理サーバ200を用いて、光ケーブル網を構成する光ケーブル内の心線を確保する場合の処理について、図26乃至図31を参照しながら説明する。図31は、回線の心線確保処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
まず図26に示す画面において、「新規回線」をマウスで選択してクリックすると、光ケーブル心線管理サーバ200は、図27に示す画面を表示する。そして図27に示す画面において「運用状況」欄を「確保」にして「心線追加」をマウスでクリックすると、光ケーブル心線管理サーバ200は、図28に示す画面を表示する。
【0071】
次に、図28に示す画面において、「検索条件」欄に適宜情報を入力して「検索開始」欄をマウスでクリックすると、ケーブル管理データベース650や、心線管理データベース660等に記憶されている情報に基づいて、「検索条件」欄に入力した情報に一致する光ケーブルが検索され、一覧表示される。
【0072】
そして、一覧表示されている光ケーブルの中から、心線を確保しようとする光ケーブルを選択して「選択」欄をマウスでクリックする。そうすると、光ケーブルを指定する情報が光ケーブル心線管理サーバ200に入力される(S2000)。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、図29に示す画面を表示する。
【0073】
光ケーブル心線管理サーバ200は、図29に示すように、心線管理データベース660に基づいて、「回線構成」欄に、上記指定された光ケーブルについて、「ケーブル区間」と「空き心線数」とを表示する。空き心線数は、心線管理データベース660の空き状態欄に記載の情報に基づいて算出される。
【0074】
ここで、「回線構成」欄の「確保数」欄には、確保する心線の数を入力することができる(S2010)。図29の例では、1が入力されているので、確保する心線の数は1本であることが示される。
【0075】
光ケーブル心線管理サーバ200は、確保する心線の数の入力を受けると、上記入力された確保する心線の数が、上記指定された光ケーブル内において回線が設定済みでない心線の数を超えないか否かを判定する。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、心線管理データベース660において、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている上記指定された光ケーブルの各心線に対して、入力された確保する心線の数だけ、回線が確保済みであることを示す情報に書き換える。つまり、「空き状態」欄に「空き」と記載されている心線の中から、入力された確保する心線の数だけ、「空き状態」欄を「使用中」に更新する。そして「運用状況」欄を「確保」に更新する。なお、心線管理データベース660の更新は、以下に述べる「登録」がクリックされた後におこなわれる(S2030)。
【0076】
図29において、「心線追加」欄をクリックすると、他の光ケーブルについて、心線の確保を行うことができる。この場合、光ケーブル心線管理サーバ200は、再び図28に示す画面を表示する。そして上記手順と同様にして検索した光ケーブルの中から指定した光ケーブルについて、心線の確保処理を行う(S2020)。
【0077】
心線確保処理を終える場合には、図30の画面において、「登録」をクリックする。これにより、上記指定した各光ケーブルに関して、それぞれ、心線管理データベース660の更新が行われる。
【0078】
なお、図27に示す画面において、「運用状況」欄を「臨時」とすると、臨時に心線を確保することができる。臨時の場合は、心線の空き状態が「使用中」であっても、運用状況が「運用」でない限り、心線を確保することができる。この場合は、図28に示す画面において、「検索条件」欄に適宜情報を入力して「検索開始」欄をマウスでクリックすると、ケーブル管理データベース650や、心線管理データベース660等に記憶されている情報に基づいて、「検索条件」欄に入力した情報に一致する光ケーブルが検索され、一覧表示される。
【0079】
そして、一覧表示されている光ケーブルの中から、臨時に心線を確保しようとする光ケーブルを選択して「選択」欄をマウスでクリックする。
そして、選択した光ケーブルに対して臨時に確保する心線の数を入力すると、光ケーブル心線管理サーバ200は、心線管理データベース660に基づいて、臨時に確保しようとする心線の数が、上記指定された光ケーブル内における心線の数を超えないか否かを判定する。そして光ケーブル心線管理サーバ200は、臨時に確保しようとする心線の数が、上記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数(空き状態が「空き」である心線の数)を超えている場合であっても、臨時に確保しようとする心線の数が、上記指定された光ケーブル内において回線が運用中でない心線の数(空き状態が「空き」又は運用状況が「確保」あるいは「予約」である心線の数)を超えない場合には、指定された光ケーブル内の前記運用中でない各心線に対して、臨時に心線を確保する数の分だけ、回線の設定を行う。
【0080】
なお、このようにして臨時に心線が確保された場合には、光ケーブル心線管理サーバ200は、例えば図16のように、光ケーブルの各心線を表す線画図形により、光ケーブル網における各心線の接続関係を示す画像を表示する際に、臨時に確保された心線については、他の心線を表す線画図形とは異なる描画方法により表示する。例えば、臨時に確保された心線の線画図形については、色や太さ、線種等を他の心線とは異なるように表示したり、点滅して表示したりする。
【0081】
以上のようにして、光ケーブル内の心線の確保を行うことができる。これにより、回線が未設定の心線に対して、心線を確保しておくことが可能となる。また臨時の場合には、運用中でない心線に対して、心線を確保することができる。これにより、緊急時の心線の確保を行うことが可能となる。さらに、臨時に確保されている心線については、他の心線と視覚的に識別して表示することができる。これにより、臨時の状態を解除し、心線の確保を元に戻す際に、臨時に確保されていた心線と通常通りに確保されていた心線とを区別することができるため、元に戻す作業を容易化することが可能となる。
【0082】
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0083】
100 利用者端末
200 光ケーブル心線管理サーバ
400 記録媒体
500 ネットワーク
600 クロージャ管理データベース
610 局管理データベース
620 お客様管理データベース
630 建物管理データベース
640 CTF/IDF管理データベース
650 ケーブル管理データベース
660 心線管理データベース
670 心線接続属性管理データベース
700 利用者端末制御プログラム
710 光ケーブル心線管理サーバ制御プログラム
900 光ケーブル心線管理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける設定予約入力部と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える確保済み心線数更新部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記心線割当管理データベースには、光ケーブル内の各心線に設定された回線が運用中であるか否かを示す情報と、が記憶され、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに臨時に確保する心線の数と、の入力を受ける臨時設定入力部と、
前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えている場合であっても、前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブル内において回線が運用中でない心線の数を超えない場合には、前記指定された光ケーブル内の前記運用中でない各心線に対して、前記臨時に確保する数の分だけ、心線の確保を行う臨時回線設定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
光ケーブルの各心線を表す線画図形により、光ケーブル網における各心線の接続関係を示す画像を表示する際に、臨時に回線の設定が行われた心線については、他の心線を表す線画図形とは異なる描画方法により表示する接続表示部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置が、光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受け、
前記情報処理装置が、前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースを備える情報処理装置に、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける手順と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える手順と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける設定予約入力部と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える確保済み心線数更新部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記心線割当管理データベースには、光ケーブル内の各心線に設定された回線が運用中であるか否かを示す情報と、が記憶され、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに臨時に確保する心線の数と、の入力を受ける臨時設定入力部と、
前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えている場合であっても、前記臨時に確保する心線の数が、前記指定された光ケーブル内において回線が運用中でない心線の数を超えない場合には、前記指定された光ケーブル内の前記運用中でない各心線に対して、前記臨時に確保する数の分だけ、心線の確保を行う臨時回線設定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
光ケーブルの各心線を表す線画図形により、光ケーブル網における各心線の接続関係を示す画像を表示する際に、臨時に回線の設定が行われた心線については、他の心線を表す線画図形とは異なる描画方法により表示する接続表示部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースと、を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置が、光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受け、
前記情報処理装置が、前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
光ケーブル網を構成する各光ケーブルについて、光ケーブルを特定する情報と、光ケーブル内の各心線に回線が設定済みであるか否かを示す情報と、を記憶する心線割当管理データベースを備える情報処理装置に、
光ケーブルを指定する情報と、前記指定された光ケーブルに確保する心線の数と、の入力を受ける手順と、
前記入力された確保する心線の数が、前記指定された光ケーブルにおいて回線が設定済みでない心線の数を超えない場合には、前記心線割当管理データベースにおいて、回線が設定済みでないことを示す情報が記憶されている前記指定された光ケーブルの各心線に対して、前記入力された確保する心線の数だけ、心線が確保済みであることを示す情報に書き換える手順と、
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図18】
【図19】
【図20】
【図25】
【図31】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図18】
【図19】
【図20】
【図25】
【図31】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2009−116905(P2009−116905A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27691(P2009−27691)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【分割の表示】特願2005−363324(P2005−363324)の分割
【原出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(503320061)株式会社エネルギア・コミュニケーションズ (92)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【分割の表示】特願2005−363324(P2005−363324)の分割
【原出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(503320061)株式会社エネルギア・コミュニケーションズ (92)
【Fターム(参考)】
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